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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-19
(45)【発行日】2022-04-27
(54)【発明の名称】腰部支持体システム
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/66 20060101AFI20220420BHJP
   A47C 7/46 20060101ALI20220420BHJP
【FI】
B60N2/66
A47C7/46
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020091068
(22)【出願日】2020-05-26
(62)【分割の表示】P 2016544616の分割
【原出願日】2015-01-14
(65)【公開番号】P2020128210
(43)【公開日】2020-08-27
【審査請求日】2020-05-26
(31)【優先権主張番号】14/156,122
(32)【優先日】2014-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516197218
【氏名又は名称】レゲット・アンド・プラット・カナダ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】マクミレン,ロバート・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ブレンディア,ホリア
(72)【発明者】
【氏名】ティンドール,ポール
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-502595(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0245824(US,A1)
【文献】米国特許第6938955(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2003/0227203(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0066144(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/66
A47C 7/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直方向支持部材を備えたフレームを有する座席のための調節可能な支持体システムであって、
前記フレームへ取り付けられるように適合され、前記フレームに対して第1位置から第2位置へ可動の支持体と、
前記支持体へ連結されているアクチュエータと、
前記アクチュエータと作動的に係合しているねじの切られた部材であって、その結果、前記アクチュエータは当該ねじの切られた部材を軸周りに回転させる、ねじの切られた部材と、
前記ねじの切られた部材と係合している第1走行部材、及び、
前記ねじの切られた部材と係合している第2走行部材であって、前記ねじの切られた部材の回転が当該第1走行部材と当該第2走行部材を当該ねじの切られた部材に沿って互いに反対の軸方向に並進させる、第1走行部材及び第2走行部材と、
前記第1走行部材へそれとの一体運動のために連結されている第1端と、前記フレームへ連結されている第2端と、前記支持体と作動的に関連付けられている中間部分と、を有している第1可撓性ケーブル、及び、
前記第2走行部材へそれとの一体運動のために連結されている第1端と、前記フレームへ連結されている第2端と、前記支持体と作動的に関連付けられている中間部分と、を有している第2可撓性ケーブルであって、当該第1可撓性ケーブルの前記中間部分及び当該第2可撓性ケーブルの前記中間部分は、前記第1走行部材及び前記第2走行部材の並進に呼応して、前記支持体を前記第1位置から前記第2位置へ動かすように作動する、第1可撓性ケーブル及び第2可撓性ケーブルと、
を備え、
前記第1走行部材および前記第2走行部材の前記ねじの切られた部材に沿った互いに反対の軸方向の並進は、前記第1可撓性ケーブルおよび前記第2可撓性ケーブルの張りを増加させ、
前記支持体は、前記フレームの前記垂直方向支持部材間に配置される、
調節可能な支持体システム。
【請求項2】
前記アクチュエータは、前記ねじの切られた部材を介して前記支持体に連結され、前記ねじの切られた部材は、前記支持体上の異なる位置に取り外し可能に連結されるように構成される、請求項1に記載の調節可能な支持体システム。
【請求項3】
前記第1可撓性ケーブル及び前記第2可撓性ケーブルは、前記支持体の前記第1位置から前記第2位置への運動中、実質的に同じ平面内に配置されている、請求項1に記載の調節可能な支持体システム。
【請求項4】
前記ねじの切られた部材が複数の取付タブを含み、前記支持体が、前記複数の取付タブのいずれか1つを受け入れるようにそれぞれ構成された対応する複数の取付スロットを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の調節可能な支持体システム。
【請求項5】
前記支持体に連結され、前記第1可撓性ケーブルの前記中間部分を受け入れるように構成された第1ケーブルチャネルと、前記支持体に連結され、前記第2可撓性ケーブルの前記中間部分を受け入れるように構成された第2ケーブルチャネルと、をさらに含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の調節可能な支持体システム。
【請求項6】
前記第1可撓性ケーブルと前記第2可撓性ケーブルのうちの一方の前記第2端と前記フレームの間に配置されているばねを更に含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の調節可能な支持体システム。
【請求項7】
前記第1可撓性ケーブルは、前記第1端と前記第2端の間に、前記支持体の前記第1位置から前記第2位置への運動中鈍角のままである角度を形成する、請求項1から6のいずれか1項に記載の調節可能な支持体システム。
【請求項8】
前記第1可撓性ケーブルの前記第1端および前記第2可撓性ケーブルの前記第1端はそれぞれ、前記フレームの一部を受け入れるように構成されるフックを含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の調節可能な支持体システム。
【請求項9】
前記支持体の側部から延び、前記支持体を前記フレームに連結するように構成されたヒンジプレートを更に備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の調節可能な支持体システム。
【請求項10】
前記支持体の第1側から延び、前記支持体の前記第1側を前記フレームに連結するように構成された第1ヒンジプレートと、前記支持体の前記第1側とは反対側にある第2側から延び、前記支持体の前記第2側を前記フレームに連結するように構成された第2ヒンジプレートとを更に備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の調節可能な支持体システム。
【請求項11】
前記支持体がワイヤマットを備え、前記ねじの切られた部材が、前記ワイヤマットのワイヤを取り外し可能に受け入れるように構成された少なくとも1つのスロットを有する取付部分によって、前記ワイヤマットに取り外し可能に連結される、請求項1から3のいずれか1項に記載の調節可能な支持体システム。
【請求項12】
前記スロットは、前記ワイヤを取り外し可能に受け入れ、前記ワイヤの長さに沿った前記ねじの切られた部材の運動を妨げるように構成される、請求項11に記載の調節可能な支持体システム。
【請求項13】
前記ワイヤマットは、一対の離間した側方ワイヤと、前記一対の離間した側方ワイヤの間に延びる複数の横断ワイヤとを備え、前記取付部分の前記スロットは、前記一対の離間した側方ワイヤの一方を取り外し可能に受け入れ、前記側方ワイヤの長さに沿った前記ねじの切られた部材の運動を妨げるように構成される、請求項11または12に記載の調節可能な支持体システム。
【請求項14】
前記取付部分はブラケットであり、前記スロットは、前記ワイヤにスナップ留めするように構成される、請求項11から13のいずれか1項に記載の調節可能な支持体システム。
【請求項15】
前記スロットは第1スロットであり、前記取付部分は、前記ワイヤを取り外し可能に受け入れるように構成された第2スロットをさらに備える、請求項11から14のいずれか1項に記載の調節可能な支持体システム。
【請求項16】
前記支持体は、前記座席の高さに沿った方向に延びる対向する側部を有し、前記ねじの切られた部材は、前記アクチュエータが前記支持体の高さに沿った所望の位置で前記支持体の前記対向する側部のいずれかに隣接して選択的に配置することができるように、前記支持体に取り外し可能に連結されるように構成される、請求項11から15のいずれか1項に記載の調節可能な支持体システム。
【請求項17】
前記ねじの切られた部材は、前記アクチュエータが選択的に配置されて当該アクチュエータが前記ねじの切られた部材から前記座席の前記高さに沿って第1方向または反対の第2方向のいずれかに延びるように、前記支持体に取り外し可能に連結されるように構成される、請求項16に記載の調節可能な支持体システム。
【請求項18】
前記支持体は、前記座席の高さに沿った方向に延びる一対の対向する側部を有し、前記ねじの切られた部材は、前記支持体に取り外し可能に連結されるように構成され、前記アクチュエータが、(i)前記座席の高さに沿った所望の位置で前記支持体の前記対向する側部のいずれかに隣接して、(ii)前記アクチュエータが前記座席の前記高さに沿って第1方向または反対の第2方向のいずれかに伸びることができるように、選択的に配置することができる、請求項11から16のいずれか1項に記載の調節可能な支持体システム。
【請求項19】
前記支持体が腰部支持体である、請求項1から18のいずれか1項に記載の調節可能な支持体システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、座席内に使用するための腰部支持体システムに、より厳密には車両座席内に使用するための腰部支持体システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]多くの腰部支持体システムはボーデンケーブルを介して荷重を移す電気機械式アクチュエータを使用している。しかしながらボーデンケーブルは乏しい全体システム効率をもたらす場合が多く、その様なシステムは動作用の大きくて重い(単数又は複数の)モーターを含むためにおびただしい数の構成要素を必要とする。加えて、これらのシステムは作動中に音を立てる傾向がある。
【発明の概要】
【0003】
[0003]座席背もたれ部のための腰部支持体システムの1つの実施形態では、システムは、固定フレームと、固定フレームへ連結されている第1位置から第2位置へ可動の腰部支持体と、を含んでいる。モーターが腰部支持体へ連結されている。ねじの切られた部材が作動的にモーターと係合しており、その結果、モーターはねじの切られた部材を軸周りに回転させる。第1走行部材がねじの切られた部材と係合し、第2走行部材がねじの切られた部材と係合している。ねじの切られた部材の回転が第1走行部材と第2走行部材をねじの切られた部材に沿って互いに反対の軸方向に並進させる。スペーサが第1走行部材と第2走行部材の間に配置されている。スペーサはねじの切られた部材の上を滑動するように構成されている。第1可撓性ケーブルが、第1走行部材へそれとの一体運動のために連結されている第1端と、固定フレームへ連結されている第2端と、腰部支持体と作動的に関連付けられている中間部分と、を有している。第2可撓性ケーブルが、第2走行部材へそれとの一体運動のために連結されている第1端と、固定フレームへ連結されている第2端と、腰部支持体と作動的に関連付けられている中間部分と、を有している。第1可撓性ケーブルの中間部分及び第2可撓性ケーブルの中間部分は、第1走行部材及び第2走行部材の並進に呼応して、腰部支持体を第1位置から第2位置へ動かすように作動する。
【0004】
[0004]座席背もたれ部のための支持体システムの或る実施形態では、システムは固定フレームと支持体を備えている。支持体は、固定フレーム上に取り付けるように適合されている輪郭マット(contour mat)の形態をしている。輪郭マットは、側方に配置されてい
る外側ワイヤ及び複数の横断ワイヤを含んでいる。第1可撓性ケーブルが、フレームへ作動的に連結されていて、第1端、第2端、及びケーブル本体を有している。第2可撓性ケーブルが、フレームへ作動的に連結されていて、第1端、第2端、及びケーブル本体を有している。アクチュエータが第1可撓性ケーブル及び第2可撓性ケーブルを支持体に対して動かすように構成されている。アクチュエータが動作すると、支持体と第1可撓性ケーブル及び第2可撓性ケーブルの少なくとも一方のケーブル本体との間の接触が支持体を第1位置から第2位置へ動かす。アクチュエータは支持体の側方に配置されている外側ワイヤへのみ連結されている。
【0005】
[0005]固定フレームを有する座席背もたれ部のための腰部支持体システムの或る実施形態では、システムは、固定フレームへ連結されている第1位置から第2位置へ可動の腰部支持体と、腰部支持体を動かすためのモーターと、を含んでいる。ねじの切られた部材がモーターと作動的に関連付けられていて、その結果、モーターはねじの切られた部材を軸周りに回転させる。走行部材がねじの切られた部材と作動的に関連付けられていて、その結果、ねじの切られた部材の回転が走行部材をねじの切られた部材に沿って並進させる。システムは、更に、第1端及び第2端を有する可撓性ケーブルを含んでいる。第1端は走
行部材へそれとの一体運動のために連結され、第2端は固定フレームへ連結されていて、その結果、ねじの切られた部材の回転に呼応しての走行部材の並進が腰部支持体要素を第1位置から第2位置へ動かす。
【0006】
[0006]固定フレームを有する座席のための調節可能な支持体システムの或る実施形態では、調節可能な支持体システムは、フレームに対して第1位置から第2位置へ可動の支持体を備えている。アクチュエータが支持体へのみ連結されていて、支持体を第1位置と第2位置の間で動かすように構成されている。部材が、アクチュエータと作動的に関連付けられていて、アクチュエータによって動かすことができ、長さを有している。可撓性ケーブルが第1端及び第2端を有している。第1端は部材へ当該部材の長さに沿った走行のために連結され、第2端は固定フレームへ連結されていて、その結果、アクチュエータによる部材の運動が可撓性ケーブルに支持体を第1位置と第2位置の間で動かすように仕向ける。
【0007】
[0007]本発明の他の態様は、詳細な説明及び添付図面の考察によって明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0008]腰部支持体システムを含む車両座席の斜視図である。
図2】[0009]図1の腰部支持体システムの斜視図である。
図3】[0010]図1の腰部支持体システムの分解図である。
図3A】[0011]図1の腰部支持体システムの駆動機構組立体の分解図である。
図4】[0012]引込位置にある腰部支持体システムの図1の4-4線による断面図である。
図5】[0013]伸張位置にある腰部支持体システムの図1の4-4線による断面図である。
図6】[0014]別の腰部支持体システムを含む車両座席の斜視図である。
図7】[0015]図6の腰部支持体システムの斜視図である。
図8】[0016]図6の腰部支持体システムの腰部支持体機構の分解図である。
図9】[0017]引込位置にある腰部支持体システムの図6の9-9線による断面図である。
図10】[0018]伸張位置にある腰部支持体システムの図6の9-9線による断面図である。
図11】[0019]一方の腰部支持体機構を伸張させ他方の腰部支持体機構を引っ込ませた状態の図6の腰部支持体システムの側面図である。
図12】[0020]一方の腰部支持体機構を引っ込ませ他方の腰部支持体機構を伸張させた状態の図6の腰部支持体システムの側面図である。
図13】[0021]単一の腰部支持体機構を有する別の腰部支持体システムの斜視図である。
図14】[0022]別の腰部支持体システムを含む車両座席の部分斜視図である。
図15】[0023]図14の腰部支持体システムの斜視図である。
図16】[0024]図14の腰部支持体システムの腰部支持体機構の分解図である。
図17】[0025]図14の腰部支持体システムの部分前面図である。
図18】[0026]第1位置にある図14の腰部支持体システムの部分前面図である。
図19】[0027]第1位置にある図14の腰部支持体システムの部分側面図である。
図20】[0028]第2位置にある図14の腰部支持体システムの部分前面図である。
図21】[0029]第2位置にある図14の腰部支持体システムの部分側面図である。
図22】[0030]車両座席のための別の腰部支持体システムの斜視図である。
図23】[0031]図22の腰部支持体システムの分解図である。
図24】[0032]伸張位置にある図22の腰部支持体システムの斜視図である。
図25】[0033]引込位置にある図22の腰部支持体システムの側面図である。
図26】[0034]伸張位置にある図22の腰部支持体システムの側面図である。
図27】[0035]車両座席のための別の腰部支持体システムの斜視図である。
図28】[0036]図27の腰部支持体システムの分解図である。
図29】[0037]伸張下降位置にある図27の腰部支持体システムの斜視図である。
図30】[0038]引込上昇位置にある図27の腰部支持体システムの斜視図である。
図31】[0039]伸張上昇位置にある図27の腰部支持体システムの斜視図である。
図32】[0040]別の腰部支持体システムの分解図である。
図33】[0041]図32の腰部支持体システムの後方斜視図である。
図34】[0042]図32の腰部支持体システムの部分前方斜視図である。
図35】[0043]図32の腰部支持体システムの3通りの追加の配置向きのうちの1つの斜視図である。
図36】[0043]図32の腰部支持体システムの3通りの追加の配置向きのうちの1つの斜視図である。
図37】[0043]図32の腰部支持体システムの3通りの追加の配置向きのうちの1つの斜視図である。
図38】[0044]別の腰部支持体システムの後方斜視図である。
図39】[0045]図38の腰部支持体システムの部分前方斜視図である。
図40】[0046]図38の腰部支持体システムの3通りの追加の配置向きのうちの1つの斜視図である。
図41】[0046]図38の腰部支持体システムの3通りの追加の配置向きのうちの1つの斜視図である。
図42】[0046]図38の腰部支持体システムの3通りの追加の配置向きのうちの1つの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0047]本発明の何れの実施形態を詳細に解説するにしてもその前に理解しておくべきこととして、本発明はその適用が次に続く説明又は添付図面に示されている構成の詳細事項及び構成要素の配置に限定されない。本発明は、他の実施形態の余地があり、様々なやり方で実践又は実施される余地がある。同じく理解しておくべきこととして、ここに使用されている言葉遣い及び用語遣いは、説明を目的としており、制限をかけるものと考えられてはならない。「含んでいる」、「備えている」、又は「有している」及びそれらの変化形のここでの使用は、それ以後に記載されている品目及びそれらの等価物はもとより追加の品目も網羅することを意味する。本明細書及び付随の特許請求の範囲での使用に際し、「上側」、「下側」、「頂部」、「底部」、「前」、「後」、及び他の方向に関する用語は、何れかの特定の配置向きを要件とすることを意図しているわけではなく、むしろ説明のみを目的に使用されている。
【0010】
[0048]図1は座席10を描いており、当該座席は、次に続く説明の目的上、車両の客室内の何れかの車両座席とすることができるが、座席10は必ずしも車両用途に限定されるわけではない。座席10は、概して、座席底部14(仮想線で図示)と、席乗員の水平方向及び垂直方向それぞれの支持のための座席背もたれ部18と、を含んでいる。座席背もたれ部18は座席フレームに対し枢軸22で折り畳み可能である。重ね置かれたクッション30(仮想線で図示)によって覆われているフレーム26が、背もたれ部18のための構造的完全性を提供し、一対の垂直方向支持部材34、38を含んでいる。腰部支持体システム100が、着座した乗員のための調節可能な腰部支持体を可能にするよう垂直方向支持部材34と38の間に延びていてそれら支持部材へ連結されている。
【0011】
[0049]図1に示されている様に、腰部支持体システム100は、垂直方向支持部材34と38の間の中間に配置されている腰部支持体要素又はカゴ110を含んでいる。カゴ1
10は、席乗員に近接している乗員の腰部領域に対する押圧面として機能する略平坦前面114を呈している。座席背もたれ部18の上と内側及び前面114と席乗員の間には快適性向上のための追加のクッション、パッド、又は他の材料が示されていないが納められている。
【0012】
[0050]図2及び図3は、腰部支持体システム100を近位端120(駆動機構組立体230に近接)と遠位端124に関して参照しながら描いている。カゴ110の上側部分130と下側部分134は、カゴ110の後面150の縁取材146によって全体的に相互接続されている補剛リブ142によって分離された複数の開口138を含むように形成されている。カゴ110の上側部分130と下側部分134の間の中央部分154は取付面158を含んでいる。取付面158は2つの互いに反対側のガイド162のセットを支持しており、各セットは、中央部分154に沿って側方に延びる上側レール166と下側レール170を備えていて、それらレールはカゴ110の近位端120と遠位端124それぞれに向かって集束してケーブルチャネル180を形成しており、その目的は以下に説明されている。
【0013】
[0051]一対の取り付けピン184が、剛性スピンドルレール192の取り付け穴188内に受け入れられるように取付面158から後方に突き出ている。スピンドルレール192は、上側タブ196と下側タブ(図示せず)のセットを含み、各タブには中央に口200が設けられている。取付面158に隣接して位置決めされたとき、タブ196は互いに反対側のフック204に係合し、フック204は取り付けピン184と共にスピンドルレール192をカゴ110に整列させ固着する。追加の位置決め及び整列が、上下両側のタブ196の突起208と取付面のスロット212(図1も参照)の協働によって提供される。構造的完全性は、ブロック216とスピンドルレール192の内部面の間の接触によって維持される。
【0014】
[0052]図2図3、及び図3Aを参照して、駆動機構組立体又はアクチュエータ230は、モーター234、ピニオン238付きモーターシャフト、ハウジング242、ウォームギヤ246、キャップ250、及びドライブシャフト254を含んでいる。ハウジング242へ締結具256で固着されているモーター234は、D.C.可逆モーターであるのが望ましいが、用途に適した何れの型式の可逆モーターであってもよいし、更には必要に応じて寸法及びパワーが変えられてもよい。モーターシャフトのピニオン238と作動的に係合しているウォームギヤ246は、ドライブシャフト254へ印加されるパワーの直交方向転換及びモーター234からの出力トルク増加を可能にする。ギヤ246はハウジング242内に収容されており、ハウジング242は更にモーター234を残りの駆動機構組立体構成要素へ連結している。スプラインドライブシャフト254は作動中の共回転及びパワー伝達のためにウォームギヤ246と噛み合う。ハウジング242へ付着されているキャップ250は、ウォームギヤ246及びドライブシャフト254のための追加の保護を提供し、モーター234をスピンドルレール192へ固着する。
【0015】
[0053]ドライブシャフト254へは、ねじの切られた部材又はスピンドル260が連結されていてスピンドルレール192のかなりの部分に及んでいる。スピンドル260は近位のねじの切られた端264及び遠位のねじの切られた端268を有している。描かれている様に、近位ねじ部は右手側ねじ部であり、遠位ねじ部は左手側ねじ部であるが、代わりの実施形態では向き手方向が入れ替わることもある。近位のねじの切られた端264は、モーター234が動作するとスピンドル260がドライブシャフト254と一体に回転するように、ドライブシャフト254の端へ回転に関して固着されていて当該端の内に画定されている開口部272内に受け入れられている。スピンドル260のねじの切られた各端264、268の周りには、走行部材又はスライダ即ち近位スライダ280及び遠位スライダ284が配置されている。各スライダ280、284は、スピンドル260との係合のための内ねじの切られた本体と、スピンドルレール192の部分として形成されている互いに反対側の縁300、304と噛み合う互いに反対側の溝290、292、294、296と、を有している。互いに反対側のねじの切られたスピンドル端264、268はスピンドルレール192相手のスライダ280、284の溝/縁インターフェースと一体で、スピンドルの回転に際しスライダ280、284のスピンドル260に沿った互いに反対の並進運動を生じさせる。ドライブシャフト254に隣接して置かれているバンパー308が近位スライダ280のための一方の走行端の限界を提供している。中央に位置付けられているストッパ316に隣接する第2バンパー312が近位スライダ280のための第2の走行限界を確立し可動域を画定している。
【0016】
[0054]近位可撓性ケーブル320及び遠位可撓性ケーブル324が近位スライダ280及び遠位スライダ284へそれぞれ連結されている。各ケーブル320、324は、第1端330、第2端334、及びケーブル本体338を含んでいる。第1端330はそれぞれのスライダ280、284との一体運動のために当該スライダの本体内に嵌るコネクタ344を有している。各ケーブル320、324のケーブル本体338は、第1端330から延びていて中間区分350を画定しており、その一部分は実質的に各自のチャネル180内に配置されている。中間区分350は、コイル端金具354へ連結されている(例えばケーブル324)又は代わりにフック金具356へ連結されている(例えばケーブル320)第2端334に終端している。コイル端金具354は、捩じりばねの様なばね362の第1端358に係合するように適合されている。遠位端124と関連付けて示されてはいるが、ばね362は近位及び遠位ケーブル320、324のそれぞれの第2端334の一方と共に作動可能であるか両方の側で作動可能である。ばね362はヒンジ374のフック端370へ付着するように構成されている第2端366を含んでいて、乗員が最初に着座したときと乗員の快適性を強化するための作動中の両方について腰部支持体システム100の限定された撓み量を許容する。ケーブル320のフック金具356は互いに反対側のヒンジ374のフック端370の一部分に巻き付いている。
【0017】
[0055]ヒンジ374はフック端370の反対側でカゴ110の上側部分130及び下側部分134の両方に接合する「リビング」ヒンジとして形成されている。描かれている様に、ヒンジ374は、第1、第2、及び第3の枢動点380、384、388を含んでいるが、3つより少ない又は多い枢動点も本範囲内である。図2図4、及び図5に示されている様に、枢動点380、384、388は、カゴ110の進行の最中にモーター234との干渉を排除するように配置されている。ヒンジ374及びカゴ110は、単一片として形成されているのが望ましい。代わりに、ヒンジ374は当業者に既知の方式でカゴ110へ固着された別体部片であってもよい。ヒンジ374のフック端370は、フレーム26のそれぞれの垂直方向支持部材34、38(図1参照)へ固定されている取り付けワイヤ390の形態をしている連結要素に上から嵌まるように形成されている。
【0018】
[0056]作動において、席乗員は、座席背もたれ部18又は座席底部14に隣接して置かれているのが望ましいとされる電気式操作スイッチを使用してパワーアクチュエータ230を起動させる。図4及び図5を参照して、腰部支持体システムは、アクチュエータ230を始動させたとき、完全引込位置(図4)と完全伸張位置(図5)の間の何れかの位置に入れることができる。モーター234がエネルギー供給されるや、ウォームギヤ246の係合がドライブシャフト254を回転させ、同時発生的にスピンドル260を回す。腰部支持体システム100がカゴ110を引っ込めるように起動されるなら、スピンドル260は第1方向に回転する。腰部支持体システム100がカゴ110を伸張させるように起動されるなら、スピンドル260は反対の第2方向に回転する。何れの方向へ起動させるかは使用者が電気式操作スイッチで選択できる。スライダ280、284の溝290、292、294、296とスピンドルレール192の縁300、304との相互作用に因り、スピンドル260の回転はスライダ280、284を並進させ、一方のスライダを近位方向(120)に走行させ、他方のスライダを遠位方向(124)に走行させる。
【0019】
[0057]乗員がより多い腰部支持を提供させるようにカゴ110の伸張を所望するなら、スピンドル260の(遠位方向124から視て)時計回りの回転が近位スライダ280をスピンドル260に沿って遠位方向に走行させ遠位スライダ284を近位方向に走行させ、即ちスライダ280とスライダ284を各自の付着されているケーブル320、324共々互いに近寄らせる。スライダ280とスライダ284が集束してゆくと、各ケーブルの中間区間350の部分が各自のチャネル180内で滑動し、カゴ110に接触する。この接触はカゴ110に対し図4に矢印392で示されている様にカゴを上向きに方向付ける力をもたらす。近位スライダ280がバンパー312に接触すると、モーター234は停止し、スピンドル260の回転は止む。或る特定の走行点にてモーター234のエネルギー供給を断つ方法で当業者によく知られている他の方法を腰部支持体システム100と共に使用することも実施可能である。
【0020】
[0058]取付ワイヤ390へフック端370を定着されているヒンジ374は、撓むことによってカゴ110の運動を円滑化して走行範囲全体に亘る滑らかな動きを提供する。図5に示されている様に、枢動点380、384、388は、完全伸張時のヒンジ374のモーター234周りの折り畳みを可能にする。フレーム26のそれぞれの垂直方向支持体30、34へ各々固着されている取付ワイヤ390は必要に応じ腰部支持体システム100の運動と共に回転する。
【0021】
[0059]乗員が腰部支持量を少なくするようにカゴ110の引込を所望するなら、スピンドル260の反時計回りの回転が近位スライダ280をスピンドル260に沿って近位方向に走行させ遠位スライダ284を遠位方向に走行させ、即ちスライダ280とスライダ284を各自の付着されているケーブル320、324共々離れさせる。スライダ280とスライダ284が更に離間されてゆくと、ケーブルの中間区分350からのカゴ110に対する押圧は小さくなりカゴ110は呼応して図5に矢印394で示されている様に後方へ引っ込む。先に説明されている様に、スライダ280がバンパー308に接触するとモーター234は停止する。
【0022】
[0060]カゴ110の進行の最中、ケーブル320、324は引込から伸張しそして戻るまで実質的に同じ平面内に配置されたままであり、各ケーブル320、324の第1端330と第2端334の間の角度α(図4参照)は鈍角のままである。
【0023】
[0061]図6は、座席410のための腰部支持体システム400の代わりの型を描いており、その全体としての特徴は先に説明されている。座席410は、座席底部414(仮想線で図示)、折り畳み式座席背もたれ部418、及び垂直方向支持部材434、438を有するフレーム426を含んでいる。輪郭マット(contour mat)又はフレックスマット
440の形態をしている腰部支持体要素が、側方外側ワイヤ444、中央ワイヤ448、及び側方外側ワイヤ444間に延びる複数の横断ワイヤ452を含んでいる。フレーム426は、更に、ヘッドレスト(図示せず)の支持部を受け入れるための一対の受口456を含んでいる。描かれている様に、腰部支持体システム400は、一対の独立に調節可能な腰部支持体機構500、502を含んでいる。
【0024】
[0062]図7は腰部支持体システム400を描き、図8が近位の調節可能な腰部支持体機構500の構成要素を近位端520及び遠位端524に関して参照しながら詳しく示している。
【0025】
[0063]駆動機構組立体又はアクチュエータ530は、実質的に図3Aに示されている通りであり、先に図1のシステムに関して説明されている様に相互作用するモーター534
、ピニオン538付きモーターシャフト、ハウジング542、ウォームギヤ546、キャップ550、及びドライブシャフト554を含んでいる。ねじの切られた部材又はスピンドル560が、ドライブシャフト554へ連結されていてスピンドルレール562のかなりの部分に及んでいる。スピンドル560は右手側近位ねじ部及び左手側遠位ねじ部を有している。近位のねじの切られた端564は、ドライブシャフト554の端へ固着され当該端によって画定されている開口部572内に受け入れられていて、モーター534が動作するやドライブシャフト554と一体に回転する。スピンドル560のねじの切られた各端564、568の周りには、スライダ即ち近位スライダ580及び遠位スライダ584が配置されており、各スライダ580、584は、スピンドル560との係合のための内ねじの切られた本体を有している。互いに反対側の溝590、592、594、596が、スピンドルレール562の部分として形成されている互いに反対側の縁600、604と噛み合って、作動中のスライダ580、584の互いに反対の並進運動を生じさせる。ドライブシャフト554に隣接して置かれているバンパー608が近位スライダ580のための第1の走行限界を提供し、中央に位置付けられているストッパ616に隣接する第2バンパー612が第2の走行限界を提供しており、それら限界が近位スライダ580の可動域を画定している。
【0026】
[0064]近位ケーブル620及び遠位ケーブル624が近位スライダ580及び遠位スライダ584へそれぞれ連結されている。各ケーブル620、624は、第1端630、第2端634、及びケーブル本体638を含んでいる。各ケーブル620、624の第1端630はそれぞれのスライダ580、584との一体運動のために当該スライダの本体へ連結するコネクタ644を含んでいる。各ケーブル620、624のケーブル本体は、第1端630から延びていて中間区分650を画定している。近位腰部支持体機構500の遠位ケーブル624の中間区分650は、図8に描かれている様に、同じ腰部支持体機構の近位ケーブル620の中間区分650より長い。ケーブル624のこの長めの中間区分650は、ケーブル624の内部自由運動を許容するようにケーブル624の直径より広い内径を有している剛性スリーブ652内に納められている。近位及び遠位のケーブル620、624の中間区分650の部分は各々がクリップ660を通り抜けてクリップ660によって収容されており、当該クリップ660が近位及び遠位のケーブル620、624を、そしてそれにより腰部支持体機構500を、フレックスマット440へ外側ワイヤ444を通じて連結している。各中間区分650はフック金具668へ連結されている第2端634に終端し、フック金具668自体はフレーム426のそれぞれの垂直方向支持部材434、436へ固着されている。図7を参照して、遠位腰部支持体機構502は近位腰部支持体機構500の鏡像である。
【0027】
[0065]席乗員は近位腰部支持体機構500又は遠位腰部支持体機構502を同一方式で起動させることを随意に選択することができる。代わりに、席乗員は近位機構500と遠位機構520の両方を同じスイッチで起動させることができるようになっていてもよい。次に続く作動に関する説明は支持体機構500に焦点を当てているが、支持体機構502にも等しく当て嵌まる。
【0028】
[0066]席乗員は、座席背もたれ部418又は座席底部414に隣接して置かれているのが望ましいとされる電気式操作スイッチを使用して近位腰部支持体機構500用のアクチュエータ530を起動させる。図9及び図10を参照して、アクチュエータ530を始動させたとき、機構500は、完全引込位置(図9)と完全伸張位置(図10)の間の何れかの位置に入れることができる。モーター534がエネルギー供給されるや、ウォームギヤ546の係合がドライブシャフト554を回転させ、同時発生的にスピンドル560を回す。腰部支持体機構500が、引っ込むように即ちより少ない支持を提供するように起動されるなら、スピンドル560は第1方向に回転する。腰部支持体機構500が、伸張するように即ちより多い支持を提供するように起動されるなら、スピンドル560は反対方向に回転する。何れの方向へ起動させるかは使用者が電気式操作スイッチで選択できる。図1の実施形態同様、スピンドル560の回転がスライダ580、584を並進させ、それらの溝590、592、594、596がスピンドルレール562の縁600、604と相互作用し、その結果、一方のスライダ580、584が近位方向(520)に走行し、他方のスライダ580、584が遠位方向(524)に走行する。
【0029】
[0067]腰部支持体機構500を伸張させるには、席乗員はスピンドル560を(遠位方向524から視て)時計回りに回転させるように機構を起動させて、近位スライダ580をスピンドル560に沿って遠位方向に走行させ遠位スライダ584を近位方向に走行させ、即ちスライダ580とスライダ584を各自の付着されているケーブル620、624共々互いに近寄らせる。スライダ580とスライダ584が集束してゆくと、中間区間650が側方外側ワイヤ444に接触し、機構500が及んでいるフレックスマット440の領域を図9の矢印692で示される様に前方へ押し進める。近位スライダ580がバンパー612に接触すると、モーター534は停止し、スピンドル560の回転は止む。図9及び図10に示されている様に、フック端668は、腰部支持体機構500が前方へ進行する際の当該機構の滑らかな運動を許容するために垂直方向支持部材434、438周りの連結回転を可能にさせる。図示されていないが、ケーブル620、624の一方又は両方と直列に連結されているばねが、限定された撓み量を許容し、装置の快適性を強化するように乗員への「屈従性」を提供することができる。
【0030】
[0068]腰部支持量を少なくするよう腰部支持体機構500を引っ込ませるには、席乗員はスピンドル560を反時計回りに回転させるように機構500を起動させて、近位スライダ580を近位方向に走行させ遠位スライダ584を遠位方向に走行させ、即ちスライダ580とスライダ584を各自の付着されているケーブル620、624共々離れさせる。スライダ580とスライダ584に更に隔たりができてゆくと、ケーブル620、624の中間区分650からの側方外側ワイヤ444に対する押圧は小さくなりフレックスマット440は呼応して図10に矢印694で示されている様に後方へ引っ込む。先に説明されている様に、近位スライダ580がバンパー608に接触するとモーター534は停止する。
【0031】
[0069]腰部支持体機構500、502は、独立作動であり、どちらも自身の可動域一杯の範囲に亘って作動させることができる。例えば、両腰部支持体機構500、502は、両方を伸張させることも、両方を引っ込ませることもできるし、又は一方を完全又は部分的に引っ込ませ他方を完全又は部分的に伸張させることもできる。図11を参照して、近位腰部支持体機構500は完全伸張位置にあり、その一方、遠位腰部支持体機構502は完全引込位置にある(視やすくするため機構502のモーターを欠いている)。図12に示されている様に、近位腰部支持体機構500は完全引込位置にあり、その一方、遠位腰部支持体機構502は完全伸張位置にある。図11図12に描かれている範囲の間で機構500、502の任意の独立伸張度/引込度が実施可能である。機構500と機構502を離隔している垂直方向距離Dは大凡50mmであるが、特定の用途についてより大きい又はより小さい規模とすることができる。
【0032】
[0070]腰部支持体システム100同様に、輪郭マット440の進行の最中、ケーブル620、624は引込から伸張しそして戻るまで実質的に同じ平面内に配置されたままであり、各ケーブル620、624の第1端630と第2端634の間の角度β(図9参照)は鈍角のままである。
【0033】
[0071]図13に示されている様に、一部の用途では単一の腰部支持体機構例えば機構500が実質的に先に説明されている通りの機構の作動で以て単独使用されることもある。
[0072]図14は、座席のための腰部支持体システム700の代わりの型を示しており、
その全体としての特徴は先に説明されている。座席は垂直方向支持部材734、738を有するフレーム726を含んでいる。輪郭マット又はフレックスマット740の形態をしている腰部支持体要素が、側方外側ワイヤ744、中央ワイヤ748、及び側方外側ワイヤ744間に延びる複数の横断ワイヤ752を含んでいる。腰部支持体システム700は独立に調節可能な腰部支持体機構800を含んでいる。
【0034】
[0073]図15は腰部支持体システム700を描き、図16が調節可能な腰部支持体機構800の構成要素を近位端820及び遠位端824に関して参照しながら詳しく示している。
【0035】
[0074]駆動機構組立体又はアクチュエータ830は、実質的に図3Aに示されている通りであり、先に図1のシステムに関して説明されている様に相互作用するモーター834、ピニオン838付きモーターシャフト、ハウジング842、ウォームギヤ846、キャップ850、及びドライブシャフト854を含んでいる。ねじの切られた部材又はスピンドル860が、ドライブシャフト854へ連結されていて、スピンドルレール862のかなりの部分に及んでいる。スピンドル860は右手側近位ねじ部及び左手側遠位ねじ部を有している。近位のねじの切られた端864は、ドライブシャフト854の端へ固着され当該端によって画定されている開口部872内に受け入れられていて、モーター834が動作するやドライブシャフト854と一体に回転する。スピンドル860のねじの切られた各端864、868の周りには、スライダ即ち近位スライダ880及び遠位スライダ884が配置されていて、各スライダ580、584は、スピンドル860との係合のための内ねじの切られた本体を有している。互いに反対側の溝890、892、894、896が、スピンドルレール862の部分として形成されている互いに反対側の縁900、904と噛み合って、作動中のスライダ880、884の互いに反対の並進運動を生じさせる。ドライブシャフト854に隣接して置かれているバンパー908が近位スライダ880のための第1の走行限界を提供し、中央に位置付けられているストッパ916に隣接するバンパー912が第2の走行限界を提供しており、それら限界が近位スライダ880の可動域を画定している。
【0036】
[0075]第1ケーブル920が近位スライダ880へ連結され、第2ケーブル924が遠位スライダ884へ連結されている。各ケーブル920、924は、第1終端930、第2終端934、及びケーブル本体938を含んでいる。コネクタ944がそれぞれのスライダ880、884の本体を各自のケーブル本体938へ固着的に連結していて、その結果、コネクタ944とその付着されているケーブル938の間には相対運動が一切存在しない(同じく図14参照)。各ケーブル920、924のケーブル本体938は、第1終端930から第2終端934へ延びていて、それぞれのコネクタ944の一方の側で終わっている第1中間区分950とそれぞれのコネクタ944の他方側で終わっている第2中間区分591へ分割されている(図14参照)。各ケーブル本体938の部分は、各ケーブルの内部自由運動を許容するようにケーブル本体938の直径より広い内径を有している第1及び第2のスリーブ952、954内に作動的に納められている。各ケーブル920、924のケーブル本体938の各終端930、934付近の部分はクリップ960を通り抜けてクリップ960によって収容されており、当該クリップ960が第1及び第2のケーブル920、924を、そしてそれにより腰部支持体機構800を、フレックスマット740へ外側ワイヤ744を通じて連結している。描かれている様に、クリップ960の接手962は、ワイヤがクリップ960へスピンドル860と実質的に平行な方向に進入するような具合に位置付けられているが、クリップ960のうち1つ又はそれ以上のクリップの接手962は、代わりに、ケーブル920、924のためのより直入的経路を許容するようにスピンドル860に向かって角度が付けられていてもよい。第1及び第2の終端930、934は、各々、フック金具968へ連結されており、フック金具968自体はフレーム726のそれぞれの垂直方向支持部材734、738へ固着されている。
【0037】
[0076]図14及び図16を参照して、スリーブ952のそれぞれは外側端970及び内側端974を含んでいる。スリーブ954の各々は外側端978及び内側端982を含んでいる。各スリーブの外側端970、978は各自のクリップ960へ接続している。スリーブ952の内側端974は、各々、側方金具986の陥凹984に嵌りその中に固着されている。スリーブ954の内側端982は、各々、中央金具990の陥凹988に嵌りその中に固着されている。各金具986、990は、レール862の頂部及び底部のリム994の上に嵌る上側及び下側のチャネル992を含んでいる。
【0038】
[0077]席乗員は、座席背もたれ部又は座席底部に隣接して置かれているのが望ましいとされる電気式操作スイッチを使用して腰部支持体機構800用のアクチュエータ830を起動させる。図17図21を参照して、機構800は、アクチュエータ830を始動させたとき、下側腰部領域よりも上側腰部領域に多くの支持を提供する第1位置(図18図19)に配置させることもできるし、又は上側腰部領域よりも下側腰部領域に多くの支持を提供する第2位置(図20図21)に配置させることもできる。
【0039】
[0078]モーター834がエネルギー供給されるや、ウォームギヤ846の係合がドライブシャフト854(図3A参照)を回転させ、同時発生的にスピンドル860を回す。腰部支持体機構800が第1位置へ起動されるなら、スピンドル860は第1方向に回転する。腰部支持体機構800が第2位置へ起動されるなら、スピンドル860は反対方向に回転する。何れの方向へ起動させるかは使用者が電気式操作スイッチで選択できる。先の実施形態同様、スピンドル860の回転がスライダ880、884を並進させ、それらの溝890、892、894、896がスピンドルレール862の縁900、904と相互作用し、その結果、一方のスライダ880、884が近位方向(820)に走行し、他方のスライダ880、884が遠位方向(824)に走行する。
【0040】
[0079]図17を参照して、腰部機構800は第1位置と第2位置の間の中間位置にあるところが示されている。腰部支持体機構800を図18及び図19の第1位置へ動かすには、席乗員はスピンドル860を(遠位方向824から視て)時計回りに回転させるように機構を起動させて、近位スライダ880をスピンドル860に沿って遠位方向に走行させ遠位スライダ884を近位方向に走行させ、即ちスライダ880とスライダ884を互いに近寄らせる。スライダ880とスライダ884がそれぞれのコネクタ944共々集束してゆくと、ケーブル920、924の第2中間区分951が、図6以下参照について説明されているのと同様の方式で、それぞれのクリップ960にて側方外側ワイヤ744周りに張られ、上側腰部領域の機構800が及んでいるフレックスマット740の部分を図19に示される様に前方へ押し進める。同時発生的に、ケーブル920、924の第1中間区分950は緩み、結果的に席乗員は下側腰部領域よりも上側腰部領域により大きい支持を体験することになる。近位スライダ880がバンパー912に接触すると、モーター834は停止し、スピンドル860の回転は止む。
【0041】
[0080]腰部支持体機構800を図20及び図21の第2位置へ動かすには、席乗員はスピンドル860を(遠位方向824から視て)反時計回りに回転させるように機構を起動させて、近位スライダ880をスピンドル860に沿って近位方向に走行させ遠位スライダ884を遠位方向に走行させ、即ちスライダ880とスライダ884を離れさせる。スライダ880とスライダ884がそれぞれのコネクタ944共々発散してゆくと、ケーブル920、924の第1中間区分950が、図6以下参照について説明されているのと同様の方式で、それぞれのクリップ960にて側方外側ワイヤ744周りに張られ、下側腰部領域の機構800が及んでいるフレックスマット740の部分を図21に示される様に前方へ押し進める。同時発生的に、ケーブル920、924の第2中間区分951は緩み、結果的に席乗員は上側腰部領域よりも下側腰部領域により大きい支持を体験することになる。近位スライダ880がバンパー908に接触すると、モーター834は停止する。
【0042】
[0081]図19及び図21に描かれている様に上側腰部領域を下側腰部領域から離隔している垂直方向距離Dは、大凡70mmであるが、特定の用途についてより大きい又はより小さい規模とすることができる。一部の構築では、腰部支持体機構800は図19及び図21に描かれている範囲限界でのみ支持を提供するように構成されている。他の構築では、機構800は図19及び図21に描かれている範囲内の何れの位置でも作動し支持を提供することができる。
【0043】
[0082]図22は、車両座席のための別の腰部支持体システム1000を描いており、その全体としての特徴は先に説明されている。システム1000は、座席と一体化できてカゴ1040の形態をしている可撓性腰部支持体要素を取り付けるための垂直方向支持部材1020、1024を有している別体のフレーム部分1010を含んでいる。カゴ1040は、垂直方向支持部材1020、1024に沿ったカゴ1040の一部の走行を円滑化するように頂部縁1048付近に弾性コネクタ1044を含んでいる。描かれている様に、腰部支持体システム1000は調節可能な腰部支持体機構1100を含んでいる。
【0044】
[0083]更に図23を参照して、駆動機構組立体又は図3Aに示されているものと同様のアクチュエータ1130が、モーター1134、ハウジング1142、ブラケット1144、及びモータードライブシャフト(図示せず)に直交する即ち座席に関して略垂直方向に向き付けられているねじの切られた部材又はスピンドル1150を回転させるよう作動可能なウォームギヤ配列(図示せず)を含んでいる。スピンドル1150のねじ部の周りには、スピンドル1150との係合のための内部にねじの切られた本体を有する走行部材又はスライダ1160が配置されている。
【0045】
[0084]剛性支持ワイヤ1170が、カゴ1040の下側土台部材1052との係合のための一対のフック1174、1176と、第1及び第2の接続された平行レール1180、1184を有するレール部分と、を含んでいる。支持ワイヤ1170は更にレール1184とフック1176の間にループ1190を形成している。レール1180、1184に適合する寸法の半円溝1204付き端部片1200が、第1面1214から後方に伸びる案内部分1210を含んでいる。案内部分1210は更にスピンドル1150の上側端1220に着座している。支持ワイヤ1170は駆動機構組立体1130へブラケット1144を介して作動的に連結されている。スライダ1160の互いに反対側のチャネル1230が作動中のスライダ1160の並進運動を可能にするよう支持ワイヤ1170のレール1180、1184と噛み合う。ブラケット1144に隣接する第1バンパー1234がスライダ1160のための第1の走行限界を提供し、案内部分1210に隣接する第2バンパー1238が第2の走行限界を提供し、それら限界がスライダ1160の可動域を画定している。
【0046】
[0085]ケーブル1250が、第1端1254、第2端1258、及びケーブル本体1260を含んでいる。第1端1254は、スライダ1160の本体へそれとの一体運動のために連結しているコネクタ1264と一体に形成されているか又はコネクタ1264へ固着されている。ケーブル本体1260は第1端1254から案内部分1210を通ってカゴ1040の頂部縁1048に向かい、カゴ1040の縁1048付近に横方向の大凡中央に置かれているブレース部材1274によって画定される通路1270を通って延びている。通路1270は弓状ケーブル接触部分1278を備えて形成されているので、ケーブル1250は大凡180°方向転換し下向きに下側土台部材1052の方向に進み、即ち、第1端1254と第2端1258の間の角度が大凡0°になるということであるが、大凡0°から大凡15°までを範囲としてもよい。ケーブル1250の第2端1258はアイレット1282へ固定的に接続されており、アイレット1282はばね1290の第1端1286を通して受け入れ、ばねの第2端1294はばね1290をループ1190へ連結している。
【0047】
[0086]席乗員は、先に他の実施形態について論じられている様に、座席背もたれ部又は座席底部に隣接して置かれているのが望ましいとされる電気式操作スイッチを使用して腰部支持体機構1100用のアクチュエータ1130を起動させる。図22及び図24(更には図25及び図26)を参照して、機構1100は、アクチュエータ1130を始動させたとき、完全引込(図22)と完全伸張(図24)の間の何れかの位置に入れることができる。モーター1134がエネルギー供給されるや、ウォームギヤの係合がドライブシャフトを回転させ、同時発生的にスピンドル1150を回す。腰部支持体機構1100が、引っ込むように即ちより少ない支持を提供するように起動されるなら、スピンドル1150は第1方向に回転する。腰部支持体機構1100が、伸張するように即ちより多い支持を提供するように起動されるなら、スピンドル1150は反対の第2方向に回転する。何れの方向へ起動させるかは使用者が電気式操作スイッチで選択できる。スピンドル1150の回転がスライダ1160を並進させ、それらのチャネル1204がレール1180、1184に沿って並進する。
【0048】
[0087]腰部支持体機構1100を伸張させるには、席乗員はスピンドル1150を第2方向に回転させるように機構を起動させて、スライダ1160を下向きに土台部材1052に向けて動くように仕向ける。スライダ1160が動いてゆくと、ケーブル本体1260がブレース1274の弓状部分1278に接触する。ケーブル1250の第1端1254と第2端1258の間の張りがケーブル本体1260を通って作用し、ブレース1274へ下向きの力を与える。ブレース1274がカゴ1040の具体的には頂部縁1048付近へ固定的に固着されており、その一方でケーブル1250が同時発生的に土台部材1052へ支持ワイヤ1170を通じて間接的に固着されているため、カゴ1040の頂部縁1048は、弾性コネクタ1044によって促されるようにして、フレーム部分1010の垂直方向支持部材1020、1024を滑り降りてゆき、図24に示されている様に席乗員の腰部領域を支持するようにカゴ1040の腰部接触区域を前方へ伸張させる。スライダ1160がバンパー1234に接触すると、モーター1134は停止し、スピンドル1150の回転は止む。
【0049】
[0088]腰部支持量を少なくするように腰部支持体機構1100を引っ込ませるには、席乗員はスピンドル1150を第1方向に回転させるように機構1100を起動させて、スライダ1160を上向きに頂部縁1048に向けて動くように仕向ける。スライダ1160がその様に走行してゆくと、図25及び図26に更に描かれている様に、ケーブル本体1260からの弓状部分1278に対する押圧が小さくなり、カゴ1040は、呼応して後方へ引っ込み、頂部縁1048を垂直方向支持部材1020、1024に沿って上向きに撓ませる。先に説明されている様に、スライダ1160がバンパー1238に接触するとモーター1134は停止する。
【0050】
[0089]一部の用途では、ブレース1274は、頂部縁1048の少なくとも一部分に及ぶ横部片(図示せず)であって望ましくはばね1290の第2端1294のための連結面を呈する第2の剛性ワイヤの形態をしている横部片に置き換えられている。図22図26に示され説明されているものより短いケーブル1250を用いると、モーター1134が動作してスピンドル1150を回転させスライダ1160を並進させる際、より短いケーブル1250は、カゴ1040を同じように伸張させたり引っ込ませたりするために、先に説明されている様にケーブル本体1260を通じてブレース1274へ作用するのではなしに、ばね1290(即ち第2端1294)を通じて直接的に力を横部材へそしてひいてはカゴ1040の頂部縁1048へ加えるように作用する。換言すると、ばねフック1294は、支持ワイヤ1170側のループ1190の代わりに横部材へ付着されるということである。代わりに、一部の用途では、作動時、ケーブルの第2端1258は直接に(ばね1290無しに)頂部縁1048へ下向きの力を加える。
【0051】
[0090]図27は、システム1000と同様の特徴を有する、車両座席のための別の腰部支持体システム1300を描いている。分かり易いように、システム1300には新たに符号が付されている。システム1300は、可撓性腰部支持体カゴ1340を取り付けるための垂直方向支持部材1320、1324を有する別体のフレーム部分1310を含んでいる。カゴ1340は、垂直方向支持部材1320、1324に沿ったカゴ1340の走行を円滑化するように、頂部縁1348付近に弾性コネクタ1344を、下側土台部材1352付近に弾性コネクタ1350、1351を、含んでいる。描かれている様に、腰部支持体システム1300は調節可能な腰部支持体機構1400を含んでいる。
【0052】
[0091]更に図28を参照して、一対の駆動機構組立体又は図22図23に示されているアクチュエータ1130と同様のアクチュエータ1430、1432が、各々、モーター1434、ハウジング1442、ブラケット1444、及びそれぞれのモータードライブシャフト(図示せず)に直交する即ち座席に関して略垂直方向に向き付けられているねじの切られた部材又はスピンドル1450、1452を回転させるよう作動可能なウォームギヤ配列(図示せず)を含んでいる。スピンドル1450のねじ部の周りには、スピンドル1450との係合のための内部にねじの切られた本体を有するスライダ1460が配置されている。スピンドル1452のねじ部の周りには、スピンドル1452との係合のための内部にねじの切られた本体を有するブロック1462が配置されている。
【0053】
[0092]剛性支持ワイヤ1470が、下側土台部材1352との係合のための一対のフック1474、1476と、第1及び第2の接続された平行レール1480、1484を有する第1レール部分並びに第1及び第2の接続された平行レール1486、1488を有する第2レール部分と、を含んでいる。レール1180、1184及びレール1186、1188にそれぞれ適合する寸法の半円溝1504付きの第1及び第2の端部片1500が、各々、後方に伸びる案内部分1510を含んでいる。各端部片1500の案内部分1510は更にそれぞれのスピンドル1450、1452の上側端1520、1522に着座している。支持ワイヤ1470は駆動機構組立体1430、1432へブラケット1444を介して作動的に連結されている。
【0054】
[0093]スライダ1460の互いに反対側のチャネル1530が作動中のスライダ1460の並進運動を生じさせるよう支持ワイヤ1470のレール1480、1484と噛み合う。ブラケット1444に隣接する第1バンパー1534がスライダ1460のための第1の走行限界を提供し、関連付けられている端部片1500の案内部分1510に隣接する第2バンパー1538が第2の走行限界を提供し、それら限界がスライダ1460の可動域を画定している。
【0055】
[0094]ブロック1462の互いに反対側のチャネル1540が支持ワイヤ1470のレール1486、1488と噛み合う。ブロック1462は、垂直方向支持部材1320、1324へ連結されそれらの間を延びる横棒1544を受け入れる貫通している開口1542を含んでいる。横棒1544は、支持部材1320、1324へ帯1546で固定されている。従って、ブロック1462もまたフレーム部分1310に対して固定されている。第1バンパー1548及び第2バンパー1549が、更に詳細に説明されている様に、ブロック1462と関連付けられる走行限界を決める。
【0056】
[0095]ケーブル1550が、第1端1554、第2端1558、及びケーブル本体1560を含んでいる。第1端1554は、スライダ1460の本体へそれとの一体運動のために連結しているコネクタ1564と一体に形成されているか又はコネクタ1564へ固着されている。ケーブル本体1560は第1端1554から関連付けられている端部片1500の案内部分1510を通ってカゴ1340の頂部縁1348に向かって延びている。ケーブル本体1560は、カゴ1340の縁1348付近に横方向の大凡中央に置かれているブレース部材1574によって画定される通路1570を通っている。通路1570は弓状ケーブル接触部分1578を備えて形成されているので、ケーブル1550は大凡180°方向転換し下向きに下側土台部材1352の方向に進み、即ち、第1端1554と第2端1558の間の角度が大凡0°になるということであるが、大凡0°から大凡15°までを範囲としてもよい。ケーブル1550の第2端1558はフック1582へ固定的に接続されており、フック1582は端部片1500の開口1586を通ってスピンドル1452と接触に受け入れられている。
【0057】
[0096]席乗員は、先に他の実施形態について論じられている様に、座席背もたれ部又は座席底部に隣接して置かれているのが望ましいとされる電気式操作スイッチを使用して腰部支持体機構1400用のアクチュエータ1430、1432を起動させる。図27及び図29を参照して、機構1400は、アクチュエータ1430を始動させたとき、完全引込(図27)と完全伸張(図29)の間の何れかの位置に入れることができる。アクチュエータ1430のモーター1434がエネルギー供給されるや、ウォームギヤの係合がドライブシャフトを回転させ、同時発生的にスピンドル1450を回す。腰部支持体機構1400が、引っ込むように即ちより少ない支持を提供するように起動されるなら、スピンドル1450は第1方向に回転する。腰部支持体機構1400が、伸張するように即ちより多い支持を提供するように起動されるなら、スピンドル1450は反対の第2方向に回転する。何れの方向へ起動させるかは使用者が電気式操作スイッチで選択できる。スピンドル1450の回転がスライダ1460を並進させ、それらのチャネル1504がレール1480、1484と相互作用する。
【0058】
[0097]腰部支持体機構1400を伸張させるには、席乗員はスピンドル1450を第2方向に回転させるように機構を起動させて、スライダ1460を下向きに土台部材1352に向けて動くように仕向ける。スライダ1460が動いてゆくと、ケーブル本体1460がブレース1574の弓状部分1578に接触する。ケーブル1550の第1端1554と第2端1558間の張りがケーブル本体1560を通って作用し、ブレース1574へ下向きの力を与える。ブレース1574がカゴ1340の具体的には頂部縁1348付近へ固定的に固着されており、その一方でケーブル1550が同時発生的に土台部材1352へ支持ワイヤ1470を通じて間接的に固着されているため、カゴ1340の頂部縁1348は、弾性コネクタ1344によって促されるようにして、フレーム部分1310の垂直方向支持部材1320、1324を滑り降りてゆき、図29に示されている様に席乗員の腰部領域を支持するようにカゴ1340の腰部接触区域を前方へ伸張させる。スライダ1460がバンパー1534に接触すると、アクチュエータ1430のモーター1434は停止し、スピンドル1450の回転は止む。
【0059】
[0098]腰部支持量を少なくするように腰部支持体機構1400を引っ込ませるには、席乗員はスピンドル1450を第1方向に回転させるように機構1400を起動させて、スライダ1460を上向きに頂部縁1348に向けて動くように仕向ける。スライダ1460がその様に走行してゆくと、ケーブル本体1560からの弓状部分1578に対する押圧が小さくなり、カゴ1340は、呼応して後方へ引っ込み、頂部縁1348を垂直方向支持部材1320、1324に沿って上向きに撓ませる。先に説明されている様に、スライダ1460がバンパー1538に接触するとアクチュエータ1430のモーター1434は停止する。
【0060】
[0099]図27及び図30を参照して、支持体機構1400及びカゴ1340は、席乗員がカゴ1340を所望通りに位置決めする融通性を許容するように垂直方向に調節可能で
ある。機構1400は、アクチュエータ1432を始動させたとき、完全下降(図27)と完全上昇(図30)の間の何れかの位置に入れることができる。アクチュエータ1432のモーター1434がエネルギー供給されるや、ウォームギヤの係合がドライブシャフトを回転させ、同時発生的にスピンドル1452を回す。腰部支持体システム1400が下降するように起動されるなら、スピンドル1452は第1方向に回転する。腰部支持体システム1400が上昇するように起動されるなら、スピンドル1452は反対の第2方向に回転する。何れの方向へ起動させるかは使用者が電気式操作スイッチで選択できる。スピンドル1452の回転は機構1400及びカゴ1340を固定ブロック1462に対して並進させ、そのチャネル1540がレール1486、1488と相互作用する。
【0061】
[0100]腰部支持体機構1400及び支持体1340を上昇させるには、席乗員はスピンドル1452を第2方向に回転させるように機構を起動させる。スピンドル1452のねじ部とフレーム部分1310へ固定されているブロック1462のねじ部の相互作用が、機構1400及びカゴ1340全体をブロック1462に対して上向きに並進させるように仕向ける。アクチュエータ1430を更に動作させなければ、ケーブル1550内の張りが維持された状態でカゴ1340の伸張度は不変のままである。コネクタ1344、1350、1351は垂直方向支持部材1320、1324に作動的に接触し、カゴ1340の上向運動を許容及び案内してカゴ1340の腰部接触区域を垂直方向に所望通り位置付ける。バンパー1548がブロック1462に接触すると、アクチュエータ1432のモーター1434は停止し、スピンドル1452の回転は止む。腰部支持体機構1400を下降させるには、席乗員はスピンドル1452を第1方向に回転させるように機構1400を起動させ、機構1400及びカゴ1340がブロック1462に対して下向きに並進するよう仕向ける。先に説明されている様に、バンパー1549がブロック1462に接触するとアクチュエータ1432のモーター1434は停止する。
【0062】
[0101]図30及び図31を参照して、カゴ1340は、バンパー1548、1549によって決まる垂直方向範囲内の何れの高さにても、先に説明されている様にアクチュエータ1430の起動を通じて一杯に引っ込ませたり伸張させたりすることができる。アクチュエータ1430、1432を別々に作動させることは必須ではなく、従って垂直方向の調節及び引込/伸張は同時発生的に達成させることもできる。
【0063】
[0102]図32図34は、腰部支持体システム2100を近位端2120及び遠位端2124に関して参照しながら描いている。カゴ2110の上側部分2130と下側部分2134は、カゴ2110の後面2150の縁取材2146によって全体的に相互接続されている補剛リブ2142によって分離された複数の開口2138を含むように形成されている。カゴ2110の上側部分2130と下側部分2134の間の中央部分2154は取付面2158を含んでいる。取付面2158は、中間案内2162及び互いに反対側のケーブルチャネル2180を支持しており、その目的は以下に説明されている。
【0064】
[0103]スピンドルレール2192は、取付面2158に略直角に向き付けられている上側タブと下側タブのセット2196を含んでおり、取付面2158は対応する複数のスロット2212を含んでいる。図34に示されている様に、タブ2196及びスロット2212はその様に設えられているので、組み立てられるとタブ2196はスロット2212を抜けて突出したら次いで上方又は下方へ向きを変え又は曲がってスピンドルレール2192をカゴ2110へ永久的に固着する。腰部支持体システム2100は、スピンドルレール2129をカゴ2110へ固着するのに他の締結具、ブラケット、又は他の金物類を一切使用していない。
【0065】
[0104]駆動機構組立体又はアクチュエータ2230は、モーター2234、ハウジング2242、及びウォームギヤとドライブシャフトを収容しているキャップ2250、を含
んでおり、それらはどれもアクチュエータ230のものと同様である。締結具2256でハウジング2242へ固着されているモーター2234は、D.C.可逆モーターであるのが望ましいが、用途に適した何れの型式の可逆モーターであってもよいし、更には必要に応じて寸法及びパワーが変えられてもよい。ドライブシャフト(図示せず)は作動中の共回転及びパワー伝達のためにウォームギヤ246と噛み合う。ドライブシャフトは受口2258に終わっている。キャップ2250はモーター2234をスピンドルレール2192へ固着している。
【0066】
[0105]ドライブシャフトへは、ねじの切られた部材又はスピンドル2260が連結されていてスピンドルレール2192の一部分に及んでいる。スピンドル2260は近位のねじの切られた端2264及び遠位のねじの切られた端2268を有している。描かれている様に、近位ねじ部は右手側ねじ部であり、遠位ねじ部は左手側ねじ部であるが、代わりの実施形態では向き手方向が入れ替わることもある。近位のねじの切られた端2264は、モーター2234が動作した際にスピンドル2260がドライブシャフト254と一体に回転するように、受口2258の開口部2272内に受け入れられそれへ回転に関して固着(例えばクリンプ加工による)されている。スピンドル2260のねじの切られた各端2264、2268の周りには、走行部材又はスライダ即ち近位スライダ2280及び遠位スライダ2284が配置されている。各スライダ2280、2284は、スピンドル2260との係合のための内ねじの切られた本体と、スピンドルレール2192の部分として形成されている互いに反対側の縁2300、2304とそれぞれ噛み合う互いに反対側の溝2290、2292、2294、2296と、を有している。互いに反対側のねじの切られたスピンドル端2264、2268はスピンドルレール2192相手のスライダ2280、2284の溝/縁インターフェースと一体で、スピンドルの回転に際しスライダ2280、2284のスピンドル2260に沿った互いに反対の並進運動を生じさせる。
【0067】
[0106]受口2258に隣接して置かれているバンパー2308が近位スライダ2280のための一方の走行端の限界を提供している。近位端2314と遠位端2316を有するスペーサ2312がスライダ2280とスライダ2284の間のスピンドル2260の周りに配置されている。具体的にいうと、バンパー2308とスペーサ2312は更に詳細に解説されている様にどちらも内ねじ部の無い概して滑らかな内側面を含みスピンドル2260の上を滑動又は「浮動」するように構成されていて、つまりはバンパー2308もスペーサ2312もスピンドル2260の近位ねじ部又は遠位ねじ部に螺合しないということである。スペーサ2312の長さは特定の用途に依存して変えてもよく、或る特定の長さがシステム組立中の参照となるように色分けされていてもよい。スペーサ2312はスライダ2280、2284のための第2の走行限界を確立し可動域を画定している。
【0068】
[0107]近位可撓性ケーブル2320及び遠位可撓性ケーブル2324が近位スライダ2280及び遠位スライダ2284へそれぞれ連結されている。各ケーブル2320、2324は、第1端2330、第2端2334、及びケーブル本体2338を含んでいる。第1端2330はそれぞれのスライダ2280、2284との一体運動のために当該スライダの本体内に嵌るコネクタ2344を有している。各ケーブル2320、2324のケーブル本体2338は、第1端2330から延びていて中間区分2350を画定しており、その一部分は実質的に各自のチャネル2180内に配置されている。近位腰部支持体機構2100の遠位ケーブル2324の中間区分2350は、同じ腰部支持体機構の近位ケーブル2320の中間区分2350よりも長い。一部の実施形態では、ケーブル2324のこの長めの中間区分2350は、ケーブル2324の内部自由運動を許容するようにケーブル2324の直径より広い内径を有している剛性スリーブ(図示せず)内に納められている。各ケーブル2320、2324の中間区分2350は、フック金具2356へ連結されている第2端2334に終端している。
【0069】
[0108]図33を参照して、フック金具2356は、各々、ヒンジ2374の口2360を通りヒンジ2374の端2370へ固着されるように構成されている。ヒンジ2374は、端2370の反対側でカゴ2110の上側部分2130及び下側部分2134の両方に接合する「リビング」ヒンジである。描かれている様に、ヒンジ2374は、カゴ2110の進行の最中にモーター2234との干渉を排除するように配置されている複数の枢動点を含んでいる。ヒンジ2374及びカゴ2110は、単一片として形成されているのが望ましい。代わりに、ヒンジ2374は当業者に既知の方式でカゴ2110へ固着された別体部片であってもよい。ヒンジ2374の各端2370は、フレーム26のそれぞれの垂直方向支持部材34、38(図1参照)の一部分へ接続するように構成されている一対の可撓性スナップフック2380を含んでいる。図示されていないが、ケーブル2320、2324の一方又は両方と直列に連結されているばねが、限定された撓み量を許容し、装置の快適性を強化するように乗員への「屈従性」を提供することができる。
【0070】
[0109]先に説明されているスピンドルレール2192のカゴ2110への取り付けは、腰部支持体システム2100の(カゴ2110を差し引いた)上記構成要素を車両へ締結する唯一の方途としての役目を果たす。
【0071】
[0110]作動において、席乗員は、電気式操作スイッチを使用してパワーアクチュエータ2230を起動させる。作動は腰部支持体システム100の作動と同様に進み、即ち、完全引込位置と完全伸張位置の間で起こる。腰部支持体システム2100がカゴ2110を引っ込めるように起動されるなら、スピンドル2260は第1方向に回転する。腰部支持体システム2100がカゴ2110を伸張させるように起動されるなら、スピンドル2260は反対の第2方向に回転する。何れの方向へ起動させるかは使用者が電気式操作スイッチで選択できる。スライダ2280、2284の溝2290、2292、2294、2296とスピンドルレール2192の縁2300、2304との相互作用に因り、スピンドル2260の回転はスライダ2280、2284を並進させ、一方のスライダを近位方向(2120)に走行させ、他方のスライダを遠位方向(2124)に走行させる。
【0072】
[0111]乗員がより多い腰部支持を提供させるようにカゴ2110の伸張を所望するなら、スピンドル2260の(遠位方向2124から視て)時計回りの回転が近位スライダ2280をスピンドル2260に沿って遠位方向に走行させ遠位スライダ2284を近位方向に走行させ、即ちスライダ2280とスライダ2284を各自の付着されているケーブル2320、2324共々互いに近寄らせる。スライダ2280とスライダ2284が集束してゆくと、各ケーブルの中間区間2350の部分が各自のチャネル2180内で滑動し、カゴ2110に接触する。この接触はカゴ2110に対しカゴを上向きに方向付ける力をもたらす。近位スライダ2280の遠位方向への初期運動中、近位スライダ2280はスペーサ2312の近位端2314に接触し、同時発生的にスペーサ2312を遠位方向に動かす。スペーサ2312の遠位端2316が遠位スライダ2284に接触すると、モーター2234は停止し、スピンドル260の回転は止む。或る特定の走行点にてモーター2234のエネルギー供給を断つ方法で当業者によく知られている他の方法を腰部支持体システム2100と共に使用することも実施可能である。それぞれの垂直方向支持部材へ定着されているヒンジ2374は、撓むことによってカゴ2110の運動を円滑化して走行範囲全体に亘る滑らかな動きを提供する。
【0073】
[0112]乗員が腰部支持量を少なくするようにカゴ2110の引込を所望するなら、スピンドル2260の反時計回りの回転が近位スライダ2280をスピンドル2260に沿って近位方向に走行させ遠位スライダ2284を遠位方向に走行させ、即ちスライダ2280とスライダ2284を各自の付着されているケーブル2320、2324共々離れさせる。スライダ2280とスライダ2284が更に隔たってゆくと、ケーブルの中間区分3
50からのカゴ2110に対する押圧は小さくなり、カゴ2110は呼応して後方へ引っ込む。先に説明されている様に、スライダ2280がバンパー2308に接触するとモーター2234は停止する。スピンドル2260に沿って浮動自在のスペーサ2312は、概して、スライダ2280、2284のその後の運動中はスライダ2280とスライダ2284の間の中ほどでその場に留まっている。
【0074】
[0113]カゴ2110の進行の最中、ケーブル2320、2324は引込から伸張しそして戻るまで実質的に同じ平面内に配置されたままであり、各ケーブル2320、2324の第1端2330と第2端2334の間の角度α(図4参照)は鈍角のままである。
【0075】
[0114]図35図37は、腰部支持体システム2100のモジュール性を描いている。カゴ2110は、スピンドルレール2192を近位位置と遠位位置のどちらでも取付面2158上に支持するように構成されており、アクチュエータ2230はスピンドルレール2192へ2通りの実施可能な配置向きで取り付けできる。而して、図示されている様に、システム2100は、特定の用途についての車両パラメータ又は制約に依存して4通りの実施可能なやり方で構成できる。
【0076】
[0115]図38図39は、輪郭マット又はフレックスマット440を有している図6に描かれている座席410の様な座席と共に使用するための別の腰部支持体システム2400を描いている。腰部支持体システム2400は、以下に説明されている特定の相違はあるものの腰部支持体システム2100に似ている。
【0077】
[0116]駆動機構組立体又はアクチュエータ2430は、アクチュエータ2330と実質的に同様であり、更に詳述する必要はない。アクチュエータ2430のドライブシャフトへ連結されているねじの切られた部材又はスピンドル2460は、スピンドルレール2462のかなりの部分に及んでいる。スピンドルレール2462は、図39に最も分かり易く示されているが、アクチュエータ2430付近に第1及び第2のスロット2470を有する取付ブラケット又は部分2466を含んでいる。スロット2470の一方又は両方の内側周囲2472は複数の連続又は非連続の逆棘、リッジ、又は同様の突起で裏打ちされている。1つの実施形態では、フレックスマット440の外側ワイヤ444は、ナイロン又はナイロン相当材の厚さ大凡0.4mm程度とされる薄い被覆を含んでいる。組立中、具体的には取付部分2466の関連付けられている外側ワイヤ444への連結中に、取付部分2466は、スロット2470をワイヤ444と接触した状態にさせるように位置付けられ、即ち内側周囲2472上の逆棘が被覆へ「食い」込むような具合にその場へパチンと入れられる。取付部分2466と外側ワイヤ444の間のこの連結は、スピンドルレール2462の外側ワイヤ444周りの回転を許容し、但し、スピンドルレール2462の外側ワイヤ444に沿った運動を妨げる。しかも、支持体システム2400のフレックスマット440及び座席410に関する位置を調節するために、取付部分2466を外側ワイヤ444から外し外側ワイヤ444の長さに沿って別の位置へ動かしてから再連結することが、追加の道具類又は工作機械設備の使用無しに行える。
【0078】
[0117]スピンドル2460は、右手側の近位ねじ部及び左手側の遠位ねじ部並びに対応する近位スライダ2480及び遠位スライダ2484を有している。アクチュエータ2430のドライブシャフトに隣接して置かれているバンパー2508が近位スライダ2480のための第1の走行限界を提供している。近位端2514及び遠位端2516を有するスペーサ2512がスライダ2480とスライダ2484の間のスピンドル2460の周りに配置されている。スペーサ2512はスペーサ2312と同一であり、スピンドル2460の上を「浮動」するように構成されており、更にスライダ2480、2484のための第2の走行限界を確立し可動域を画定している。
【0079】
[0118]近位ケーブル2620及び遠位ケーブル2624が近位スライダ4280及び遠位スライダ2584へそれぞれ連結されている。各ケーブル2620、2624は、ケーブル本体2638を含んでいて、それぞれのスライダ2480、2484へ連結されている。遠位ケーブル2624の中間区分2650は近位ケーブル2620の対応する中間区分2650よりも長い。描かれている様に、ケーブル2624のこの長めの中間区分の一部分は、ケーブル2624の内部自由運動を許容するようにケーブル2624の直径より広い内径を有している剛性スリーブ2652内に納められている。近位ケーブル2620及び遠位ケーブル2624の部分は、各々、クリップ2660を通り抜けてクリップ2660によって収容されており、当該クリップ2660が近位及び遠位のケーブル2620、2624をフレックスマット440へ外側ワイヤ444を通じて連結している。ケーブル2620、2624は、各々、フック金具2668に終端し、フック金具2668自体はフレーム426のそれぞれの垂直方向支持部材434、436(図1参照)へ固着されている。
【0080】
[0119]先に説明されているスピンドルレール2462の取付部分2466を通じての及びクリップ2660のフレックスマット440への取り付けは、腰部支持体システム2400の上記構成要素を車両へ締結する唯一の方途としての役目を果たす。
【0081】
[0120]席乗員は、座席背もたれ部418又は座席底部414に隣接して置かれているのが望ましいとされる電気式操作スイッチを使用して腰部支持体システム2400用のアクチュエータ2430を起動させる。システム2400は、アクチュエータ2430を始動させたとき、完全引込位置と完全伸張位置の間の何れかの位置に入れることができる。アクチュエータ2430のエネルギー供給は、アクチュエータ2230がスピンドル2260を回すのと同じ方式でスピンドル2460を回してスライダ2480、2482を並進させる。スライダ2480とスライダ2484が集束してゆくと、中間区間2650が側方外側ワイヤ444に接触し、フレックスマット440を前方へ押し進める。近位スライダ2480の遠位方向への初期運動中、近位スライダ2480はスペーサ2512の近位端2514に接触し、同時発生的にスペーサ2512を遠位方向に動かす。スペーサ2512の遠位端2516が遠位スライダ2484に接触すると、アクチュエータ2430は停止し、スピンドル2460の回転は止む。フック端2668は、腰部支持体システム2400が前方へ進行する際の当該システムの滑らかな運動を許容するために垂直方向支持部材434、438周りの連結回転を可能にさせる。
【0082】
[0121]スピンドルレール2462はフレックスマット440の中央ワイヤ448へ連結されておらず、但し付着されている外側ワイヤ444周りに回転できるので、中央ワイヤ448は作動中により多く「撓む」ことができ、使用者がスピンドルレール2462の存在を感じ難いようになっている。
【0083】
[0122]腰部支持量を少なくするように腰部支持体システム2400を引っ込ませるには、席乗員はスピンドル2460を反時計回りに回転させるようにアクチュエータ2430を起動させて、近位スライダ2480を近位方向に走行させ、遠位スライダ2482を遠位方向に走行させる。スライダ2480とスライダ2484に更に隔たりができてゆくと、ケーブル2620、2624の中間区分2650からの側方外側ワイヤ444に対する押圧が小さくなり、フレックスマット440は後方へ引っ込む。先に説明されている様に、近位スライダ2480がバンパー2508に接触するとモーター534は停止する。
【0084】
[0123]腰部支持体システム2100と同じく、輪郭マット440の進行の最中、ケーブル2620、2624は引込から伸張しそして戻るまで実質的に同じ平面内に配置されたままであり、各ケーブル2620、2624の第1端と第2端の間の角度β(例えば図9参照)は鈍角のままである。
【0085】
[0124]図40図42は腰部支持体システム2400のモジュール性を描いている。フレックスマット440は、スピンドルレール2462をどちらの外側ワイヤ444でも支持するように構成されており、アクチュエータ2430はスピンドルレール2462へ2通りの実施可能な配置向きで取り付けできる。而して、図示されている様に、システム2400は、特定の用途についての車両パラメータ又は制約に依存して4通りの実施可能なやり方で構成できる。
【0086】
[0125]図1図6図13図14図22図27図32、及び図38の腰部支持体システムの構成要素は、金属又はプラスチック又はそれら2種の組合せから構築することができ、例えば、スピンドル260、560、860、1150、1450、1452、2260、2460及びスピンドルレール192、562、862、2192、2462をアルミニウムの様な金属から形成し、残りの構成要素をプラスチックから形成することができる。
【0087】
[0126]本発明の様々な特徴及び利点は付随の特許請求の範囲に示されている。
【符号の説明】
【0088】
10、410 座席
14、414 座席底部
18、418 座席背もたれ部
22 枢軸
26、426、726 フレーム
30 クッション
34、38、434、438、734、738 垂直方向支持部材
100、400、700 腰部支持体システム
110、1040 カゴ
114 前面
120 近位端
124 遠位端
130 上側部分
134 下側部分
138 開口
142 補剛リブ
146 縁取材
150 後面
154 中央部分
158 取付面
162 ガイド
166 上側レール
170 下側レール
180 ケーブルチャネル
184 取り付けピン
188 取り付け穴
192、562、862 スピンドルレール
196 上側タブ
200 口
204 フック
208 突起
212 スロット
216 ブロック
230、530、830 駆動機構組立体又はアクチュエータ
234、534、834 モーター
238、538、838 ピニオン
242、542、842、1142 ハウジング
246、546、846 ウォームギヤ
250、550、850 キャップ
254、554、854 ドライブシャフト
256 締結具
260、560、860 ねじの切られた部材又はスピンドル
264、564、864 近位のねじの切られた端
268、568、868 遠位のねじの切られた端
272、572、872 開口部
280、580、880 近位スライダ
284、584、884 遠位スライダ
290、292、294、296、590、592、594、596、890、892、894、896 溝
300、304、600、604、900、904 縁
308、312、608、612、908、912 バンパー
316、616、916 ストッパ
320、620 近位ケーブル
324、624 遠位ケーブル
330、630 第1端
334、634 第2端
338、638、938 ケーブル本体
344、644、944 コネクタ
350、650 中間区分
354 コイル端金具
356、668、968 フック金具
358 ばねの第1端
362 ばね
366 ばねの第2端
370 フック端
374 ヒンジ
380、384、388 枢動点
390 取り付けワイヤ
440、740 輪郭マット又はフレックスマット
444、744 側方外側ワイヤ
448、748 中央ワイヤ
452、752 横断ワイヤ
456 受口
500、502、800 腰部支持体機構
520、820 近位端
524、824 遠位端
652、952、954 スリーブ
660、960 クリップ
920 第1ケーブル
924 第2ケーブル
930 第1終端
934 第2終端
950 第1中間区分
951 第2中間区分
962 接手
970、978 スリーブの外側端
974、982 スリーブの内側端
984 陥凹
986 側方金具
988 陥凹
990 中央金具
992 チャネル
994 リム
1000、1300 腰部支持体システム
1010、1310 フレーム部分
1020、1024、1320、1324 垂直方向支持部材
1040、1340 カゴ
1044、1344、1350、1351 コネクタ
1048、1348 頂部縁
1052、1352 下側土台部材
1100、1400 腰部支持体機構
1130、1430、1432 駆動機構組立体又はアクチュエータ
1134、1434 モーター
1142、1442 ハウジング
1144、1444 ブラケット
1150、1450、1452 ねじの切られた部材又はスピンドル
1160、1460 スライダ
1170、1470 支持ワイヤ
1174、1176、1474、1476 フック
1180、1184、1480、1484、1486、1488 平行レール
1190 ループ
1200、1500 端部片
1204、1504 半円溝
1210、1510 案内部分
1214 第1面
1220、1520、1522 上側端
1230、1530 チャネル
1234、1238、1534、1538、1548、1549 バンパー
1250、1550 ケーブル
1254、1554 第1端
1258、1558 第2端
1260、1560 ケーブル本体
1264、1564 コネクタ
1270、1570 通路
1274、1574 ブレース部材
1278、1578 弓状ケーブル接触部分
1282 アイレット
1286 ばねの第1端
1290 ばね
1294 ばねの第2端
1462 ブロック
1540 チャネル
1542 開口
1544 横棒
1546 帯
1582 フック
1586 端部片の開口
2100、2400 腰部支持体システム
2110 カゴ
2120 近位方向
2124 遠位方向
2130 上側部分
2134 下側部分
2138 開口
2142 補剛リブ
2146 縁取材
2150 後面
2154 中央部分
2158 取付面
2162 中間案内
2180 ケーブルチャネル
2192、2462 スピンドルレール
2196 タブ
2212 スロット
2230、2430 駆動機構組立体又はアクチュエータ
2234 モーター
2242 ハウジング
2250 キャップ
2256 締結具
2258 受口
2260、2460 スピンドル
2264 近位のねじの切られた端
2268 遠位のねじの切られた端
2272 開口部
2280、2480 近位スライダ
2284、2484 遠位スライダ
2290、2292、2294、2296 溝
2300、2304 縁
2308、2508 バンパー
2312、2512 スペーサ
2314、2514 スペーサの近位端
2316、2516 スペーサの遠位端
2320、2620 近位ケーブル
2324、2624 遠位ケーブル
2330 第1端
2334 第2端
2338、2638 ケーブル本体
2344 コネクタ
2350、2650 中間区分
2356、2668 フック金具
2360 口
2370 ヒンジの端
2374 ヒンジ
2380 スナップフック
2466 取付ブラケット又は取付部分
2470 スロット
2472 スロットの内側周囲
2652 スリーブ
2660 クリップ
α、β ケーブル端間角度
機構間垂直方向離隔距離
腰部領域間垂直方向離隔距離
図1
図2
図3
図3A
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42