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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-19
(45)【発行日】2022-04-27
(54)【発明の名称】電解制御方法及び電解水生成装置
(51)【国際特許分類】
   C25B 15/00 20060101AFI20220420BHJP
   C02F 1/461 20060101ALI20220420BHJP
【FI】
C25B15/00 303
C02F1/461 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020178827
(22)【出願日】2020-10-26
【審査請求日】2020-10-29
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591201686
【氏名又は名称】株式会社日本トリム
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】小泉 義信
【審査官】中西 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-325699(JP,A)
【文献】特開2004-344350(JP,A)
【文献】特開2003-062569(JP,A)
【文献】特開2008-188460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25B 1/00- 9/77
C25B 13/00-15/08
C02F 1/00- 1/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を電気分解するための電解槽と、前記電解槽に装着される蓋とを備えたバッチ式の電解水生成装置の電解制御方法であって、
前記電解槽への前記蓋の装着状態を検出する第1ステップと、
前記電解槽内の水位を検出する第2ステップと、
前記蓋が前記電解槽に装着され、かつ、前記水位が予め定められた基準水位よりも高いとき、前記電解槽で電解を開始する第3ステップと、
前記電解の時間を測定する第4ステップと、
前記電解中の前記蓋の装着状態を検出する第5ステップと、
前記電解の時間が予め定められた時間T1以上経過したとき、又は、前記蓋が前記電解槽から外されたとき、前記電解を停止する第6ステップと、
前記第6ステップで前記電解を停止した後、前記蓋が装着されたとき、前記電解を再開する第7ステップを含み、
前記第6ステップは、前記電解中に前記蓋が外された時間が連続して予め定められた時間T2以上のとき、前記電解を停止し、
前記電解中に前記蓋が外された時間が前記時間T2未満のとき、前記電解を継続するステップをさらに含み、
前記第3ステップで前記電解を開始した後、前記第6ステップで前記電解を停止するまでの時間を一次電解時間T3としたとき、
前記時間T1から前記一次電解時間T3を差し引いて新たな前記時間T1を算出し、前記電解を再開する、
電解制御方法。
【請求項2】
前記第3ステップから前記第6ステップまでの前記電解によって、次亜塩素酸水を生成する、請求項1に記載の電解制御方法。
【請求項3】
バッチ式の電解水生成装置であって、
水を電気分解するための電解槽と、
前記電解槽に装着される蓋と、
前記電解槽への前記蓋の装着状態を検出する蓋検出部と、
前記電解槽内の水位を検出する水位検出部と、
時間を計数する計数部と、
前記電解槽内での電解を制御する電解制御部とを備え、
前記電解制御部は、
前記蓋が前記電解槽に装着され、かつ、前記水位が予め定められた基準水位よりも高いとき、前記電解を開始し、
前記電解の時間が予め定められた時間T1以上、又は、連続して予め定められた時間T2以上にわたって前記蓋が前記電解槽から外されたとき、前記電解を停止し、
その後、前記蓋が装着されたとき、
前記電解を開始した後、前記蓋が前記電解槽から外されて前記電解を停止するまでの時間を一次電解時間T3としたとき、
前記時間T1から前記一次電解時間T3を差し引いて新たな前記時間T1を算出し、前記電解を再開し、
前記電解中に前記蓋が外された時間が前記時間T2未満のとき、前記電解を継続する、
電解水生成装置。
【請求項4】
前記電解槽には、電解水を生成するための第1電極対と、前記電解槽内の前記水位を検出するための第2電極対とが、配されている、請求項3に記載の電解水生成装置。
【請求項5】
前記第2電極対は、前記第1電極対よりも上方に配されている、請求項4に記載の電解水生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解制御方法及び電解水生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気分解によって次亜塩素酸ソーダを発生させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1では、水位がセンサーの位置よりも低くなった場合、制御部は警報を発して、電解部の作動を停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実登3069296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された装置では、水位を常時確認する必要があるため、水を容器に注入して電解を開始した直後など、明らかに水位が満たされているであろう状況であっても、水位センサーへの通電・判定を繰り返す必要があり、余計な電力を消費する。また、電解水の生成と水位の検出とが排他的に実行される構成にあっては、電解水の生成が中断し、装置の運転効率が低下する。
【0006】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、省電力で運転効率を容易に高められる電解水生成装置を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、水を電気分解するための電解槽と、前記電解槽に装着される蓋とを備えたバッチ式の電解水生成装置の電解制御方法であって、前記電解槽への前記蓋の装着状態を検出する第1ステップと、前記電解槽内の水位を検出する第2ステップと、前記蓋が前記電解槽に装着され、かつ、前記水位が予め定められた基準水位よりも高いとき、前記電解槽で電解を開始する第3ステップと、前記電解の時間を測定する第4ステップと、前記電解中の前記蓋の装着状態を検出する第5ステップと、前記電解の時間が予め定められた時間T1以上経過したとき、又は、前記蓋が前記電解槽から外されたとき、前記電解を停止する第6ステップを含む。
【0008】
本発明に係る前記電解制御方法において、前記第6ステップは、前記電解中に前記蓋が外された時間が連続して予め定められた時間T2以上のとき、前記電解を停止する、ことが望ましい。
【0009】
本発明に係る前記電解制御方法において、前記第6ステップで前記電解を停止した後、前記蓋が装着されたとき、前記電解を再開する第7ステップを含む、ことが望ましい。
【0010】
本発明に係る前記電解制御方法において、前記第3ステップで前記電解を開始した後、前記第6ステップで前記電解を停止するまでの時間を一次電解時間T3としたとき、前記時間T1から前記一次電解時間T3を差し引いて新たな前記時間T1を算出し、前記電解を再開する、
ことが望ましい。
【0011】
本発明に係る前記電解制御方法において、前記第3ステップから前記第6ステップまでの前記電解によって、次亜塩素酸水を生成する、ことが望ましい。
【0012】
本発明は、バッチ式の電解水生成装置であって、水を電気分解するための電解槽と、前記電解槽に装着される蓋と、前記電解槽への前記蓋の装着状態を検出する蓋検出部と、前記電解槽内の水位を検出する水位検出部と、時間を計数する計数部と、前記電解槽内での電解を制御する電解制御部とを備え、前記電解制御部は、前記蓋が前記電解槽に装着され、かつ、前記水位が予め定められた基準水位よりも高いとき、前記電解を開始し、前記電解の時間が予め定められた時間T1以上、又は、前記蓋が前記電解槽から外されたとき、前記電解を停止する。
【0013】
本発明に係る前記電解水生成装置において、前記電解槽には、電解水を生成するための第1電極対と、前記電解槽内の前記水位を検出するための第2電極対とが、配されている、ことが望ましい。
【0014】
本発明に係る前記電解水生成装置において、前記第2電極対は、前記第1電極対よりも上方に配されている、ことが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電解制御方法及び電解水生成装置は、前記蓋が前記電解槽に装着され、かつ、前記水位が予め定められた基準水位よりも高いとき、前記電解槽で電解を開始する。そして、前記電解の時間が予め定められた時間T1以上経過したとき、又は、前記蓋が前記電解槽から外されたとき、前記電解を停止する。従って、前記電解の開始直後は、前記水位の検出及び前記電解の中断が生じないため、前記電解水生成装置の省電力化を図りつつ、運転効率を容易に高めて、短時間で電解水を生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の電解水生成装置の概略構成を示す図である。
図2図1の電解水生成装置の電気的構成を示すブロック図である。
図3図1の電解水生成装置の蓋検出部及び水位検出部を示す断面図である。
図4図1の電解水生成装置の電解制御方法の手順を示すフローチャートである。
図5図4の電解制御方法の変形例の手順を示すフローチャートである。
図6図4の電解制御方法の別の変形例の手順を示すフローチャートである。
図7図6の電解制御方法の変形例の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の電解水生成装置1の構成を示している。電解水生成装置1は、水を電気分解するための電解槽2と、電解槽2に装着される蓋3とを備える。電解水生成装置1は、電解水を生成する度に、電解槽2内の水を入れ替えるバッチ式の電解水生成装置である。
【0018】
電解槽2は、電解室21と、電解室21に水を補給または電解室21から電解水を取り出すための開口22を有する。開口22は、電解槽2の上端に形成されている。
【0019】
電解室21には、電気分解によって電解水を生成するための第1電極対23が配されている。電解室21に水が充填され、第1電極対23に電解電圧が印加されると、電極間に電解電流が流れ、電解水が生成される。なお、本実施形態では、電解室21に第1電極対23をカバーするカバー部材9が設けられている。
【0020】
蓋3は、電解槽2の開口22を閉鎖するように、電解槽2の上端部に装着される。蓋3が装着されることにより、電解室21へのアクセスが制限される。
【0021】
図2は、電解水生成装置1の電気的構成を示している。電解水生成装置1は、電解槽2への蓋3の装着状態を検出する蓋検出部4と、電解槽2内の水位を検出する水位検出部5と、時間を計数する計数部6と、電解水生成装置1の各部の制御を司る制御部7とを備えている。
【0022】
図3は、電解水生成装置1の蓋検出部4及び水位検出部5等を示している。蓋検出部4は、蓋3の装着状態に応じた信号を制御部7に出力する。本実施形態の蓋検出部4は、蓋3に設けられたマグネット41と、蓋3の近傍の磁束密度を検出する磁気センサー42とを含んでいる。
【0023】
マグネット41は、例えば、蓋3の内部に埋設されている。磁気センサー42は、蓋3が電解槽2に装着されたとき、マグネット41に対向する位置に設けられ、磁束密度に応じた信号を制御部7に出力する。磁気センサー42によって検出される磁束密度は、マグネット41と磁気センサー42との距離に依存するため、制御部7は、蓋検出部4から入力された信号に基づいて、蓋3の装着状態を判定する。
【0024】
水位検出部5は、電解槽2内の水位を検出するための第2電極対51とを含んでいる。水位検出の際には、第2電極対51に水位検出用の電圧が印加される。第2電極対51に印加される電圧は、第1電極対23に印加される電解電圧よりも小さく、電解槽2内での電解を意図するものではない。
【0025】
電解槽2内の水位が第2電極対51よりも高いとき、第2電極対51が水に浸かっているため、電圧が印加される第2電極対51に電流が流れる。水位検出部5は、第2電極対51を流れる電流を検出する電流検出部52を有する。制御部7は、電流検出部52から入力される信号に基づいて、電解槽2内の水位を検出する。
【0026】
なお、本実施形態では、磁気センサー42及び電流検出部52は、センサーカバー55の内部に配されている。第2電極対51は、センサーカバー55の外部であって、電解室21又は電解室21と連通する位置に配されている。
【0027】
第2電極対51は、第1電極対23よりも上方に配されている。これにより、水位検出部5によって第1電極対23よりも高い水位が検出される。本実施形態の第2電極対51は、後述する基準水位の高さに配されている。
【0028】
なお、蓋検出部4及び水位検出部5の形態は、上述したものに限られず、適宜変形可能である。
【0029】
計数部6は、クロック信号を発生し制御部7は、電解槽2の下方に配される底ケース8の内部に収容されている。計数部6は、クロック信号を発生し制御部7に出力する。
【0030】
制御部7は、例えば、各種の演算処理、情報処理等を実行するCPU71(Central Processing Unit)及びCPUの動作を司るプログラム及び各種の情報を記憶するメモリ72等を有している。CPU71及びメモリ72は、基板73に実装されている。
【0031】
制御部7は、蓋検出部4、水位検出部5及び計数部6から入力された信号に基づいて、電解槽内での電解を制御する。より具体的には、制御部7は、電解槽2における電解の時間及び電解中に蓋3が外された時間を計数し、電解槽2内での電解を制御する。すなわち、制御部7は、電解制御部として機能する。
【0032】
図4は、電解水生成装置1の電解制御方法100を示している。電解制御方法100は、第1ステップS1ないし第6ステップS6を含んでいる。
【0033】
第1ステップS1では、蓋検出部4が、電解槽2への蓋3の装着状態を検出し、蓋3の装着状態に応じた信号を制御部7に出力する。制御部7は、例えば、蓋検出部4から入力された信号を予め定められた閾値と比較することにより、蓋3の装着状態を判定する。第1ステップS1で蓋3が装着されていることが確認されたとき(S1においてY)、第2ステップS2に移行する。
【0034】
第2ステップS2では、水位検出部5が、電解槽2内の水位を検出し、水位に応じた信号を制御部7に出力する。制御部7は、例えば、水位検出部5から入力された信号に基づいて、電解槽2内の水位が基準水位を超えているか否かを判定する。第2ステップS2で電解槽2内の水位が基準水位を超えていることが確認されたとき(S2においてY)、第3ステップS3に移行する。
【0035】
第3ステップS3では、蓋3が電解槽2に装着され(S1においてY)、かつ、水位が予め定められた基準水位よりも高いとき(S2においてY)、制御部7が、第1電極対23に電解電流を供給し、電解槽2で電解を開始する。
【0036】
第2ステップS2で検出される水位は、電解を開始する前の電解槽2内の初期水位である。しかしながら、電解を開始した直後の電解槽2内の水位が検出されてもよい。この場合、蓋3が電解槽2に装着されていることが確認されたとき(S1においてY)、第3ステップS3に移行して、電解槽2で電解を開始し、所定時間の経過後に第2ステップS2に戻って電解槽2内の水位が検出される。検出された水位が基準水位より高いとき、電解が継続され、検出された水位が基準水位より低いとき、電解が停止される。
【0037】
第4ステップS4では、制御部7が、計数部6から入力されるクロック信号に基づいて、電解電流を供給している時間、すなわち電解の時間の測定を開始する。
【0038】
第5ステップS5では、蓋検出部4が、電解中の電解槽2への蓋3の装着状態を検出する。第5ステップS5は、第1ステップS1と同等の要領にて実行される。
【0039】
ステップS5.1では、電解の時間が予め定められた時間T1と比較される。
【0040】
第6ステップS6では、蓋3が電解槽2から外されたとき(S5においてN)、又は、電解の時間が予め定められた時間T1以上経過したとき(S5.1においてY)、制御部7が、第1電極対23への電解電流を遮断し、電解槽2での電解を停止する。電解槽2に対して蓋3の装着が継続されている場合には(S5においてY)、電解の時間が時間T1以上になるまで電解を継続する(S5.1においてN)。
【0041】
第3ステップS3での電解の開始後において、電解の進行具合は、電解電流と電解の時間との積分に依存する。電解電流が一定値になるように、制御部7が電解電圧を制御する場合、電解の進行具合は電解の時間から推定でき、十分な電解が得られる時間T1を定めることができる。例えば、電解によって、次亜塩素酸水を生成する場合、ウィルスに対して有効な塩素濃度の次亜塩素酸水を生成するための時間T1を定めることができる。
【0042】
電解槽2での電解によって消費される水は、微量である。従って、第2ステップS2で電解槽2内の水位が基準水位を超えていることが確認された場合、時間T1にわたる電解によって、電解槽2内の水位が第1電極対23の上端を下回らないように、上記基準水位が設定される。
【0043】
本発明の電解水生成装置1の電解制御方法100では、蓋3が電解槽2に装着され、かつ、水位が予め定められた基準水位よりも高いとき、電解槽2で電解を開始する。そして、電解の時間が予め定められた時間T1以上経過したとき、又は、蓋3が電解槽2から外されたとき、電解を停止する。従って、電解の開始直後は、水位の検出及び電解の中断が生じないため、電解水生成装置1の省電力化を図りつつ、運転効率(運転時間に対する電解の時間の割合)を容易に高めて、短時間で電解水を生成することが可能となる。
【0044】
また、電解中に蓋3が電解槽2から外されたとき(S5においてN)、制御部7が電解槽2での電解を停止させるので(S6)、電解水生成装置1の安全性が高められる。
【0045】
図5は、図4の電解制御方法100の変形例である電解制御方法100Aを示している。電解制御方法100Aのうち、以下で説明されてない部分については、上述した電解制御方法100の構成が採用されうる。
【0046】
電解制御方法100Aでは、S51において、電解中に蓋3が外された時間が連続して予め定められた時間T2以上のとき(ステップS5.2においてY)、第6ステップS6に移行して電解を停止する。一方、蓋3が外された時間が時間T2未満のときは、(ステップS5.2においてN、S5においてY)、ステップS5.1に移行する。電解制御方法100Aによれば、短時間での蓋3の開放が電解の動作に及ぼす影響を抑制できる。
【0047】
図6は、図4の電解制御方法100の別の変形例である電解制御方法100Bを示している。電解制御方法100Bのうち、以下で説明されてない部分については、上述した電解制御方法100又は100Aの構成が採用されうる。
【0048】
電解制御方法100Bでは、電解中に蓋3が電解槽2から外されたとき(S5においてN)、ステップS5.3で電解を停止した後、蓋3が装着されたとき(ステップS5.4においてY)、電解を再開する第7ステップS7を含んでいる。電解制御方法100Bによると、電解中に一時的に蓋3が外された場合であっても、その後、蓋3が装着されたとき、自動的に電解が再開され、電解水生成装置1の使い勝手が高められる。
【0049】
図7は、図6の電解制御方法100Bの変形例である電解制御方法100Cを示している。電解制御方法100Bのうち、以下で説明されてない部分については、上述した電解制御方法100Bの構成が採用されうる。
【0050】
電解制御方法100Cでは、制御部7は、第3ステップS3で電解を開始した後、電解時間の測定を開始し(S4)、ステップS5.3で電解を停止するまでの一次電解時間T3を計数する。一次電解時間T3は、第3ステップS3で電解を開始した後、ステップS5.3で電解を停止するまでの時間である。ステップS5.3~ステップ5.5、第7ステップS7が複数回にわたってループする場合には、その合計時間である。
【0051】
そして、電解制御方法100Cでは、元の時間T1から一次電解時間T3を差し引いて新たな時間T1を算出し(ステップS5.5)、電解を再開する(第7ステップS7)。電解制御方法100Cでは、電解を開始した後、蓋3が電解槽2から外されるまでの一次電解時間T3を考慮して、電解が再開されるので、蓋3の開放が電解の時間に及ぼす影響を抑制できる。
【0052】
以上、本発明の電解水生成装置1及び電解制御方法100等が詳細に説明されたが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施される。すなわち、本発明の電解水生成装置1は、少なくとも、水を電気分解するための電解槽2と、電解槽2に装着される蓋3と、電解槽2への蓋3の装着状態を検出する蓋検出部4と、電解槽2内の水位を検出する水位検出部5と、時間を計数する計数部6と、電解槽2内での電解を制御する制御部7とを備え、制御部7は、蓋3が電解槽2に装着され、かつ、水位が予め定められた基準水位よりも高いとき、電解を開始し、電解の時間が予め定められた時間T1以上、又は、蓋3が電解槽2から外されたとき、電解を停止する、ように構成されていればよい。
【0053】
また、本発明の電解制御方法100は、少なくとも、水を電気分解するための電解槽2と、電解槽2に装着される蓋3とを備えたバッチ式の電解水生成装置1の電解制御方法100であって、電解槽2への蓋3の装着状態を検出する第1ステップS1と、電解槽2内の水位を検出する第2ステップS2と、蓋3が電解槽2に装着され、かつ、水位が予め定められた基準水位よりも高いとき、電解槽2で電解を開始する第3ステップS3と、電解の時間を測定する第4ステップS4と、電解中の蓋3の装着状態を検出する第5ステップS5と、電解の時間が予め定められた時間T1以上経過したとき、又は、蓋3が電解槽2から外されたとき、電解を停止する第6ステップS6を含んでいればよい。
【符号の説明】
【0054】
1 電解水生成装置
2 電解槽
3 蓋
4 蓋検出部
5 水位検出部
6 計数部
7 制御部
23 第1電極対
51 第2電極対
100 電解制御方法
100A 電解制御方法
100B 電解制御方法
100C 電解制御方法
S1 第1ステップ
S2 第2ステップ
S3 第3ステップ
S4 第4ステップ
S5 第5ステップ
S6 第6ステップ
S7 第7ステップ
【要約】
【課題】省電力で運転効率を容易に高められる電解水生成装置を提供する。
【解決手段】電解制御方法は、電解槽への蓋の装着状態を検出する第1ステップS1と、電解槽内の水位を検出する第2ステップS2と、蓋が電解槽に装着され、かつ、水位が予め定められた基準水位よりも高いとき、電解槽で電解を開始する第3ステップS3と、電解の時間を測定する第4ステップS4と、電解中の蓋の装着状態を検出する第5ステップS5と、電解の時間が予め定められた時間T1以上経過したとき、又は、蓋が電解槽から外されたとき、電解を停止する第6ステップS6を含んでいればよい。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7