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特許7061326情報処理装置、情報処理システムおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220421BHJP
【FI】
G06Q30/02 450
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021079630
(22)【出願日】2021-05-10
【審査請求日】2021-08-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520061088
【氏名又は名称】ガレージバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】磯田 岳洋
(72)【発明者】
【氏名】山本 義仁
【審査官】上嶋 裕樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/060200(WO,A1)
【文献】特開2012-142907(JP,A)
【文献】特開2021-043967(JP,A)
【文献】国際公開第03/098510(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/151182(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物品が対象ユーザにより撮影されて生成された撮影画像データをネットワーク経由で端末から取得し、
撮影画像データに記録された前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の外観に関する状態を認識すると共に、
前記対象物品の画像に含まれる文字の画像を対象として文字認識する処理、前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の型番を認識する処理、および、前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の真贋を判定する処理の何れか1つの処理を少なくとも実行し、
認識した前記対象物品の外観に関する状態と、認識した文字、認識した型番および真贋の判定の結果のうち少なくとも1つとを反映して前記対象物品の査定額を導出する評価部を備え、
前記文字の画像には、前記対象物品の固有番号を示す文字の画像が含まれ、
前記評価部により査定額が導出された後、前記対象ユーザの同意の下、所定主体によって査定額で前記対象物品が買い取られ、査定額相当の金銭が前記対象ユーザに提供されると共に、リース料の支払いを条件として前記対象物品が前記対象ユーザにリースされ、
前記対象物品は、割賦により購入される可能性のある物品であり、
前記評価部は、前記対象物品の査定額の導出に際して、
撮影画像データに記録された前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の外観に関する状態を認識すると共に、前記対象物品の画像に含まれる文字の画像を対象として文字認識を行って前記対象物品の固有番号を認識し、認識した固有番号を用いた問い合わせを行って、前記対象物品についての支払状況を認識し、
認識した前記対象物品の外観に関する状態、および、認識した支払状況を反映して前記対象物品の査定額を導出する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記対象物品は、前面の広い領域にディスプレイが設けられ、型番および固有番号を少なくとも含むシステム関連情報をディスプレイに表示可能であるという特徴、割賦により購入される場合があるという特徴、及び、ディスプレイの正面を含む部位に生じた劣化が評価に影響を与えるという特徴の3つの特徴を備えるタブレット端末であり、
前記評価部は、
前記対象ユーザにより前記対象物品を対象とする撮影が行われる際に、撮影に先立って前記対象物品の分類を認識し、認識した分類が前記3つの特徴を備えるタブレット端末が属する分類である場合には、前記システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、筐体が正面から撮影されるよう案内する画面を前記端末または前記対象ユーザが視認可能な装置に表示させ、
前記システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、タブレット端末である前記対象物品の筐体が正面から撮影されて生成された撮影画像データを取得し、
撮影画像データに記録された前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品のディスプレイの正面を含む部位についての外観に関する状態を認識する処理、撮影画像データに記録された前記システム関連情報の画像を対象として文字認識することによって型番を認識する処理、撮影画像データに記録された前記システム関連情報の画像を対象として文字認識することによって固有番号を認識する処理、および、認識した固有番号を用いた問い合わせを行って、前記対象物品についての支払状況を認識する処理を実行し、
認識した前記対象物品のディスプレイの正面を含む部位についての外観に関する状態、認識した型番、および、認識した支払状況を反映して前記対象物品の査定額を導出する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記評価部は、支払状況を反映して前記対象物品の査定額を導出する際に、前記対象物品が割賦により購入されている場合において過去に支払いの遅延があった場合には査定額が低くなるように調整する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記評価部は、物品について、物品の固有番号と少なくとも過去の一時点においてその物品を所有していたユーザのユーザ識別情報とを対応付けて管理するデータを利用して、認識した固有番号に基づいて前記対象物品が前記対象ユーザの所有物でない可能性を調査する
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記評価部は、過去に評価した物品について、物品の固有番号と、評価を行ったときに物品を所有していたユーザのユーザ識別情報とを対応付けて管理するデータを利用して、認識した固有番号に基づいて前記対象物品が前記対象ユーザの所有物でない可能性を調査する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
対象物品が対象ユーザにより撮影されて生成された撮影画像データをネットワーク経由で端末から取得し、
撮影画像データに記録された前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の外観に関する状態を認識すると共に、
前記対象物品の画像に含まれる文字の画像を対象として文字認識する処理、前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の型番を認識する処理、および、前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の真贋を判定する処理の何れか1つの処理を少なくとも実行し、
認識した前記対象物品の外観に関する状態と、認識した文字、認識した型番および真贋の判定の結果のうち少なくとも1つとを反映して前記対象物品を評価する評価部を備え、
前記対象物品は、ディスプレイを有し、型番を少なくとも含むシステム関連情報をディスプレイに表示可能であるという特徴、及び、ディスプレイの正面を含む部位に生じた劣化が評価に影響を与えるという特徴の2つの特徴を備える電子機器であり、
前記評価部は、
前記対象ユーザにより前記対象物品を対象とする撮影が行われる際に、撮影に先立って前記対象物品の分類を認識し、認識した分類が前記2つの特徴を備える電子機器が属する分類である場合には、前記システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、ディスプレイの正面を含む部位が撮影されるよう案内する画面を前記端末または前記対象ユーザが視認可能な装置に表示させ、
前記システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、ディスプレイの正面を含む前記対象物品の外観が撮影されて生成された撮影画像データを取得し、
撮影画像データに記録された前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品のディスプレイの正面を含む部位についての外観に関する状態を認識する処理、および、撮影画像データに記録された前記システム関連情報の画像を対象として文字認識することによって型番を認識する処理を実行し、
認識した前記対象物品のディスプレイの正面を含む部位についての外観に関する状態、および、認識した型番を反映して前記対象物品を評価する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
対象物品が対象ユーザにより撮影されて生成された撮影画像データをネットワーク経由で端末から取得し、
撮影画像データに記録された前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の外観に関する状態を認識すると共に、
前記対象物品の画像に含まれる文字の画像を対象として文字認識する処理、前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の型番を認識する処理、および、前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の真贋を判定する処理の何れか1つの処理を少なくとも実行し、
認識した前記対象物品の外観に関する状態と、認識した文字、認識した型番および真贋の判定の結果のうち少なくとも1つとを反映して前記対象物品を評価する評価部を備え、
前記対象物品は、ディスプレイを有し、型番および所定の要素についてのスペックを少なくとも含むシステム関連情報をディスプレイに表示可能であるという特徴、同じ型番であってもスペックが異なる場合があるという特徴、及び、ディスプレイの正面を含む部位に生じた劣化が評価に影響を与えるという特徴の3つの特徴を備える電子機器であり、
前記評価部は、
前記対象ユーザにより前記対象物品を対象とする撮影が行われる際に、撮影に先立って前記対象物品の分類を認識し、認識した分類が前記3つの特徴を備える電子機器が属する分類である場合には、前記システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、ディスプレイの正面を含む部位が撮影されるよう案内する画面を前記端末または前記対象ユーザが視認可能な装置に表示させ、
前記システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、ディスプレイの正面を含む前記対象物品の外観が撮影されて生成された撮影画像データを取得し、
撮影画像データに記録された前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品のディスプレイの正面を含む部位についての外観に関する状態を認識する処理、撮影画像データに記録された前記システム関連情報の画像を対象として文字認識することによって型番を認識する処理、および、撮影画像データに記録された前記システム関連情報の画像を対象として文字認識することによって所定の要素についてのスペックを認識する処理を実行し、
認識した前記対象物品のディスプレイの正面を含む部位についての外観に関する状態、認識した型番、および、認識した所定の要素についてのスペックを反映して前記対象物品を評価する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
前記システム関連情報には固有番号が含まれ、
前記評価部は、
撮影画像データに記録された前記システム関連情報の画像を対象として文字認識することによって固有番号を認識し、
物品について、物品の固有番号と少なくとも過去の一時点においてその物品を所有していたユーザのユーザ識別情報とを対応付けて管理するデータを利用して、認識した固有番号に基づいて前記対象物品が前記対象ユーザの所有物でない可能性を調査する
ことを特徴とする請求項6または7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記評価部は、過去に評価した物品について、物品の固有番号と、評価を行ったときに物品を所有していたユーザのユーザ識別情報とを対応付けて管理するデータを利用して、認識した固有番号に基づいて前記対象物品が前記対象ユーザの所有物でない可能性を調査する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
端末と、ネットワークを介して前記端末に接続された情報処理装置とを備える情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
対象物品が対象ユーザにより撮影されて生成された撮影画像データをネットワーク経由で前記端末から取得し、
撮影画像データに記録された前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の外観に関する状態を認識すると共に、
前記対象物品の画像に含まれる文字の画像を対象として文字認識する処理、前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の型番を認識する処理、および、前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の真贋を判定する処理の何れか1つの処理を少なくとも実行し、
認識した前記対象物品の外観に関する状態と、認識した文字、認識した型番および真贋の判定の結果のうち少なくとも1つとを反映して前記対象物品の査定額を導出する評価部を備え
前記文字の画像には、前記対象物品の固有番号を示す文字の画像が含まれ、
前記評価部により査定額が導出された後、前記対象ユーザの同意の下、所定主体によって査定額で前記対象物品が買い取られ、査定額相当の金銭が前記対象ユーザに提供されると共に、リース料の支払いを条件として前記対象物品が前記対象ユーザにリースされ、
前記対象物品は、割賦により購入される可能性のある物品であり、
前記情報処理装置の前記評価部は、前記対象物品の査定額の導出に際して、
撮影画像データに記録された前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の外観に関する状態を認識すると共に、前記対象物品の画像に含まれる文字の画像を対象として文字認識を行って前記対象物品の固有番号を認識し、認識した固有番号を用いた問い合わせを行って、前記対象物品についての支払状況を認識し、
認識した前記対象物品の外観に関する状態、および、認識した支払状況を反映して前記対象物品の査定額を導出する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項11】
端末と、ネットワークを介して前記端末に接続された情報処理装置とを備える情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
対象物品が対象ユーザにより撮影されて生成された撮影画像データをネットワーク経由で前記端末から取得し、
撮影画像データに記録された前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の外観に関する状態を認識すると共に、
前記対象物品の画像に含まれる文字の画像を対象として文字認識する処理、前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の型番を認識する処理、および、前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の真贋を判定する処理の何れか1つの処理を少なくとも実行し、
認識した前記対象物品の外観に関する状態と、認識した文字、認識した型番および真贋の判定の結果のうち少なくとも1つとを反映して前記対象物品を評価する評価部を備え、
前記対象物品は、ディスプレイを有し、型番を少なくとも含むシステム関連情報をディスプレイに表示可能であるという特徴、及び、ディスプレイの正面を含む部位に生じた劣化が評価に影響を与えるという特徴の2つの特徴を備える電子機器であり、
前記情報処理装置の前記評価部は、
前記対象ユーザにより前記対象物品を対象とする撮影が行われる際に、撮影に先立って前記対象物品の分類を認識し、認識した分類が前記2つの特徴を備える電子機器が属する分類である場合には、前記システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、ディスプレイの正面を含む部位が撮影されるよう案内する画面を前記端末または前記対象ユーザが視認可能な装置に表示させ、
前記システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、ディスプレイの正面を含む前記対象物品の外観が撮影されて生成された撮影画像データを取得し、
撮影画像データに記録された前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品のディスプレイの正面を含む部位についての外観に関する状態を認識する処理、および、撮影画像データに記録された前記システム関連情報の画像を対象として文字認識することによって型番を認識する処理を実行し、
認識した前記対象物品のディスプレイの正面を含む部位についての外観に関する状態、および、認識した型番を反映して前記対象物品を評価する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項12】
端末と、ネットワークを介して前記端末に接続された情報処理装置とを備える情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
対象物品が対象ユーザにより撮影されて生成された撮影画像データをネットワーク経由で前記端末から取得し、
撮影画像データに記録された前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の外観に関する状態を認識すると共に、
前記対象物品の画像に含まれる文字の画像を対象として文字認識する処理、前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の型番を認識する処理、および、前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の真贋を判定する処理の何れか1つの処理を少なくとも実行し、
認識した前記対象物品の外観に関する状態と、認識した文字、認識した型番および真贋の判定の結果のうち少なくとも1つとを反映して前記対象物品を評価する評価部を備え、
前記対象物品は、ディスプレイを有し、型番および所定の要素についてのスペックを少なくとも含むシステム関連情報をディスプレイに表示可能であるという特徴、同じ型番であってもスペックが異なる場合があるという特徴、及び、ディスプレイの正面を含む部位に生じた劣化が評価に影響を与えるという特徴の3つの特徴を備える電子機器であり、
前記情報処理装置の前記評価部は、
前記対象ユーザにより前記対象物品を対象とする撮影が行われる際に、撮影に先立って前記対象物品の分類を認識し、認識した分類が前記3つの特徴を備える電子機器が属する分類である場合には、前記システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、ディスプレイの正面を含む部位が撮影されるよう案内する画面を前記端末または前記対象ユーザが視認可能な装置に表示させ、
前記システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、ディスプレイの正面を含む前記対象物品の外観が撮影されて生成された撮影画像データを取得し、
撮影画像データに記録された前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品のディスプレイの正面を含む部位についての外観に関する状態を認識する処理、撮影画像データに記録された前記システム関連情報の画像を対象として文字認識することによって型番を認識する処理、および、撮影画像データに記録された前記システム関連情報の画像を対象として文字認識することによって所定の要素についてのスペックを認識する処理を実行し、
認識した前記対象物品のディスプレイの正面を含む部位についての外観に関する状態、認識した型番、および、認識した所定の要素についてのスペックを反映して前記対象物品を評価する
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項13】
情報処理装置の評価部が、対象物品が対象ユーザにより撮影されて生成された撮影画像データをネットワーク経由で端末から取得する第1ステップと、
前記情報処理装置の前記評価部が、撮影画像データに記録された前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の外観に関する状態を認識すると共に、前記対象物品の画像に含まれる文字の画像を対象として文字認識する処理、前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の型番を認識する処理、および、前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の真贋を判定する処理の何れか1つの処理を少なくとも実行し、認識した前記対象物品の外観に関する状態と、認識した文字、認識した型番および真贋の判定の結果のうち少なくとも1つとを反映して前記対象物品の査定額を導出する第2ステップとを含み、
前記文字の画像には、前記対象物品の固有番号を示す文字の画像が含まれ、
前記評価部により査定額が導出された後、前記対象ユーザの同意の下、所定主体によって査定額で前記対象物品が買い取られ、査定額相当の金銭が前記対象ユーザに提供されると共に、リース料の支払いを条件として前記対象物品が前記対象ユーザにリースされ、
前記対象物品は、割賦により購入される可能性のある物品であり、
前記第2ステップにおいて前記評価部は、
撮影画像データに記録された前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の外観に関する状態を認識すると共に、前記対象物品の画像に含まれる文字の画像を対象として文字認識を行って前記対象物品の固有番号を認識し、認識した固有番号を用いた問い合わせを行って、前記対象物品についての支払状況を認識し、
認識した前記対象物品の外観に関する状態、および、認識した支払状況を反映して前記対象物品の査定額を導出する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項14】
情報処理装置の評価部が、対象物品が対象ユーザにより撮影されて生成された撮影画像データをネットワーク経由で端末から取得する第1ステップと、
前記情報処理装置の前記評価部が、撮影画像データに記録された前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の外観に関する状態を認識すると共に、前記対象物品の画像に含まれる文字の画像を対象として文字認識する処理、前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の型番を認識する処理、および、前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の真贋を判定する処理の何れか1つの処理を少なくとも実行し、認識した前記対象物品の外観に関する状態と、認識した文字、認識した型番および真贋の判定の結果のうち少なくとも1つとを反映して前記対象物品を評価する第2ステップとを含み、
前記対象物品は、ディスプレイを有し、型番を少なくとも含むシステム関連情報をディスプレイに表示可能であるという特徴、及び、ディスプレイの正面を含む部位に生じた劣化が評価に影響を与えるという特徴の2つの特徴を備える電子機器であり、
前記第2ステップにおいて前記評価部は、
前記対象ユーザにより前記対象物品を対象とする撮影が行われる際に、撮影に先立って前記対象物品の分類を認識し、認識した分類が前記2つの特徴を備える電子機器が属する分類である場合には、前記システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、ディスプレイの正面を含む部位が撮影されるよう案内する画面を前記端末または前記対象ユーザが視認可能な装置に表示させ、
前記システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、ディスプレイの正面を含む前記対象物品の外観が撮影されて生成された撮影画像データを取得し、
撮影画像データに記録された前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品のディスプレイの正面を含む部位についての外観に関する状態を認識する処理、および、撮影画像データに記録された前記システム関連情報の画像を対象として文字認識することによって型番を認識する処理を実行し、
認識した前記対象物品のディスプレイの正面を含む部位についての外観に関する状態、および、認識した型番を反映して前記対象物品を評価する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項15】
情報処理装置の評価部が、対象物品が対象ユーザにより撮影されて生成された撮影画像データをネットワーク経由で端末から取得する第1ステップと、
前記情報処理装置の前記評価部が、撮影画像データに記録された前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の外観に関する状態を認識すると共に、前記対象物品の画像に含まれる文字の画像を対象として文字認識する処理、前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の型番を認識する処理、および、前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品の真贋を判定する処理の何れか1つの処理を少なくとも実行し、認識した前記対象物品の外観に関する状態と、認識した文字、認識した型番および真贋の判定の結果のうち少なくとも1つとを反映して前記対象物品を評価する第2ステップとを含み、
前記対象物品は、ディスプレイを有し、型番および所定の要素についてのスペックを少なくとも含むシステム関連情報をディスプレイに表示可能であるという特徴、同じ型番であってもスペックが異なる場合があるという特徴、及び、ディスプレイの正面を含む部位に生じた劣化が評価に影響を与えるという特徴の3つの特徴を備える電子機器であり、
前記第2ステップにおいて前記評価部は、
前記対象ユーザにより前記対象物品を対象とする撮影が行われる際に、撮影に先立って前記対象物品の分類を認識し、認識した分類が前記3つの特徴を備える電子機器が属する分類である場合には、前記システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、ディスプレイの正面を含む部位が撮影されるよう案内する画面を前記端末または前記対象ユーザが視認可能な装置に表示させ、
前記システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、ディスプレイの正面を含む前記対象物品の外観が撮影されて生成された撮影画像データを取得し、
撮影画像データに記録された前記対象物品の画像を画像分析して前記対象物品のディスプレイの正面を含む部位についての外観に関する状態を認識する処理、撮影画像データに記録された前記システム関連情報の画像を対象として文字認識することによって型番を認識する処理、および、撮影画像データに記録された前記システム関連情報の画像を対象として文字認識することによって所定の要素についてのスペックを認識する処理を実行し、
認識した前記対象物品のディスプレイの正面を含む部位についての外観に関する状態、認識した型番、および、認識した所定の要素についてのスペックを反映して前記対象物品を評価する
ことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影画像データに基づいて物品を評価する情報処理装置、当該情報処理装置と端末とを備える情報処理システム、および、当該情報処理装置による情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ある物品が撮影されて生成された撮影画像データを利用して、その物品を評価するシステムが知られている。この種のシステムに関して例えば特許文献1には、中古車が撮影されて生成されたパノラマ写真(撮影画像)をサーバが取得した後、パノラマ写真を保管し、事後的に中古車の傷の状況等をパノラマ写真によって確認できるようにしたシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-97679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで一般に物品の評価にあたっては、単一の観点からだけではなく、複数の異なる観点で物品の評価をすることが求められる。通常、評価に影響する物品の要素は1つだけではなく、複数の異なる観点で物品を評価することにより複数の要素を加味して物品を評価することが可能となり、評価結果の妥当性が高くなるからである。また従来のシステムでは物品の評価に先立って、ユーザが物品の撮影を行ったり、物品の評価に必要な情報を提供したりする(例えば、評価に利用する情報を与えられたユーザインタフェイスに入力する)等の作業を行っていたが、この作業はユーザにとって煩雑であった。以上を踏まえ、ユーザの作業を減らしつつ、複数の異なる観点で物品が評価できるようにしたいとするニーズがあった。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、ユーザの作業を減らしつつ、複数の異なる観点で物品を評価できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、本発明は、対象物品が対象ユーザにより撮影されて生成された撮影画像データをネットワーク経由で端末から取得する。そして撮影画像データに記録された対象物品の画像を画像分析して対象物品の外観に関する状態を認識すると共に、対象物品の画像に含まれる文字の画像を対象として文字認識する処理、対象物品の画像を画像分析して対象物品の型番を認識する処理、および、対象物品の画像を画像分析して対象物品の真贋を判定する処理の何れか1つの処理を少なくとも実行する。そして認識した対象物品の外観に関する状態と、認識した文字、認識した型番および真贋の判定の結果のうち少なくとも1つとを反映して対象物品を評価するようにしている。
【発明の効果】
【0007】
上記のように構成した本発明によれば、物品の外観に関する状態に加えて、文字の画像を対象とする文字認識により認識された文字、物品の画像を対象とする画像分析により認識された型番、および、物品の画像を対象として行われた真贋の判定の結果のうち少なくとも1つが反映されて物品の評価が行われるため、複数の異なる観点で物品を評価できる。その際に物品の外観に関する状態の認識と、文字認識による文字の認識、画像分析による型番の認識および真贋の判定のうち少なくとも1つとは、共通する撮影画像データに基づいて行われる。従ってユーザは、物品の評価にあたって対象物品を撮影すればよく、認識させるべき文字を入力する作業や、型番を入力する作業、真贋の判定に利用する情報を提供する作業等を別途、行う必要がない。すなわち本発明によれば、ユーザの作業を減らしつつ、複数の異なる観点で物品を評価できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る端末およびサーバの機能構成例を示すブロック図である。
図3】物品分類ツリーの一例を示す図である。
図4】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図5】ノートパソコンに係るシステム関連情報の一例を示す図である。
図6】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図7】スマートフォンに係るシステム関連情報の一例を示す図である。
図8】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図9】端末に表示される画面の一例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。図1で示すように情報処理システム1は、端末2とサーバ3とを備えている。端末2およびサーバ3は共に、インターネット、電話網、その他の通信網を含むネットワークNに接続可能である。
【0010】
サーバ3は、端末2をクライアントの1つとするサーバ装置である。図1では、サーバ3を1つのブロックで表しているが、サーバ3は単一のサーバ装置である必要はなく、例えば複数のサーバ装置により構成されてもよく、また所定のシステムの一部であってもよい。サーバ3は、サービス提供会社(所定主体)によって管理、運営されており、後述するサービスを提供する。サーバ3は、特許請求の範囲の「情報処理装置」に相当する。
【0011】
端末2は、タブレット型の筐体の全面の広い領域にタッチスクリーン4(表示パネル+タッチパネル)が設けられたスマートフォンである。特に本実施形態に係る端末2は、カメラ5が搭載されており、カメラ5による撮影の結果に基づいて撮影画像データを生成する機能を備えている。端末2には事前に、所定のアプリケーション(以下「専用アプリ」という)が、アプリケーションダウンロードシステムを利用してインストールされている。専用アプリの機能については後述する。なお図1では、ネットワークNに接続された無数の端末2のうちの1つを例示的に示している。
【0012】
図2は、端末2およびサーバ3の機能構成例を示すブロック図である。図2で示すように、端末2は機能構成として、端末側制御部10および端末側通信部11を備えている。またサーバ3は機能構成として、サーバ側通信部12および評価部13を備えている。上記各機能ブロック10~12は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック10~12は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROM等を備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。特に端末側制御部10は、CPU等のハードウェアが、記憶媒体に記憶された専用アプリ(ただしOS、OSが提供するAPI、その他の付随するプログラムを含む)を読み出して実行することにより各種処理を実行可能である。またサーバ3は記憶媒体として、サーバ側記憶部14を備えている。
【0013】
端末側通信部11は、ネットワークNに接続された機器と所定のプロトコルに従って通信する。以下の説明では端末2とネットワークNに接続された機器との間での通信は、端末側通信部11により適切に行われるものとして詳細な説明を省略する。またサーバ側通信部12は、ネットワークNに接続された機器と所定のプロトコルに従って通信する。以下の説明ではサーバ3とネットワークNに接続された機器との間での通信は、サーバ側通信部12により適切に行われるものとして詳細な説明を省略する。
【0014】
ここでサーバ3は、ユーザに対して以下のサービス(以下「本サービス」という)を提供する。すなわち自身が所有する物品に基づいて資金を得たいと考えているユーザを想定する。ユーザが所有する物品は一例として、ブランド物のバック、ブランド物のアクセサリ、その他のブランド品であり、また一例としてノートパソコン、スマートフォン、ゲーム機、デジタルカメラ、その他の電子機器である(ただし、これらはあくまで一例である)。ユーザは、端末2により物品の撮影を行い、撮影結果に基づく撮影画像データが端末2からサーバ3に送信される。サーバ3は、撮影画像データに基づいて物品の査定額を導出し、査定額を示す情報をユーザに提供する。なお以下の説明では、種々の処理を行って最終的に査定額を導出することを適宜、「査定する」と表現する場合がある。
【0015】
詳細な説明は省略するが、物品の査定額が導出された後、ユーザによる同意があれば、その査定額で物品がサービス提供会社によって買い取られると共に、その査定額に相当する金銭がユーザに提供される。その上でサービス提供会社によって買い取られた物品は、リース料の支払いを条件としてユーザにリースされる。リースの際にはユーザとサービス提供会社との間でリースに関する契約が結ばれ、ユーザはリースに関する契約に従ってリース料を支払う義務が生じる。このためユーザは、物品をサービス提供会社に引き渡すことなく手元に置いたまま、査定額相当の資金を得ることができる。
【0016】
サーバ3は、以上の本サービスの提供を端末2と協働してシステム的に実現する。特に本実施形態に係るサーバ3は、以下で説明する独自の構成により、ユーザの作業を減らしつつ、複数の異なる観点で査定を行って査定額を導出する。以下、本サービスの提供時におけるサーバ3および端末2の動作について説明する。
【0017】
ここでサーバ3および端末2の処理の説明に先立って、本実施形態における「物品分類」および「最深分類」について説明する。本実施形態では本サービスにおいて査定の対象となり得る物品に関し、ツリー構造の物品分類のツリー(以下「物品分類ツリー」という)が事前に定義されている。図3は、物品分類ツリーの一例を示す図である。以下、図3を用いて物品分類ツリーについて説明する。ただし図3で例示する物品分類ツリーは、説明の便宜のため、非常に単純化したものである。図3の例ではルートノードの1つ下の階層で、物品を大まかに分類する目的で、ノートパソコン(物品分類)とスマートフォンとバッグ(物品分類)との3つの物品分類が定義されている。以下の説明において、物品分類の階層状態を表現する際に、ルートノードは当然に存在するものとして、ルートノードを省略する場合がある。また本実施形態ではバッグは、ブランド品を想定しているものとする。
【0018】
ノートパソコン(物品分類)の1つ下の階層ではOSに着目して、Windows(物品分類)とMacOS(物品分類)との2つの物品分類が定義されている(ただしWindowsおよびMacOSは共に登録商標)。更にWindows(物品分類)の1つ下の層ではメーカに着目してメーカMK1(物品分類)とメーカMK2(物品分類)との2つの物品分類が定義されている。またスマートフォン(物品分類)の1つ下の階層ではOSに着目して、iOS(物品分類)とAndroid(物品分類)との2つの物品分類が定義されている(ただしiOSおよびAndroidは共に登録商標)。またバッグ(物品分類)の1つ下の階層では、バッグのブランドに着目して、ブランドB1(物品分類)とブランドB2(物品分類)とブランドB3(物品分類)との3つの物品分類が定義されている。
【0019】
以上の図3の例において、物品分類ツリーの葉ノードに対応する物品分類が「最深分類」に相当する。例えば「ノートパソコン(物品分類)>Windows(物品分類)>メーカMK1(物品分類)」は独立した1つの「最深分類」であり、「バッグ(物品分類)>ブランドB3(物品分類)」も独立した1つの「最深分類」である。最深分類は、特許請求の範囲の「分類」に相当する。また以上の説明から明らかな通り、「物品分類」は、ある階層において、その上位の階層を2つ以上に分類するときの各々の分類のことを意味する。
【0020】
さて本サービスの利用に際してユーザは、端末2の専用アプリを起動する。専用アプリの起動に応じて、端末2の端末側制御部10とサーバ3の評価部13とが協働して適切にユーザ認証を行い、評価部13は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を認識する。以下、端末2のユーザ(本サービスを利用しようとしているユーザ)を特に「対象ユーザ」といい、対象ユーザが査定の対象とする物品を特に「対象物品」という。
【0021】
次いで対象ユーザは、専用アプリの機能により提供されるユーザインタフェイスに所定の操作を行って第2層物品分類選択画面G4A(図4(A))を端末2のタッチスクリーン4に表示することを指示する。当該指示に応じて、端末2の端末側制御部10およびサーバ3の評価部13は協働して最深分類認識処理を実行する。以下、最深分類認識処理について詳述する。
【0022】
最深分類認識処理において端末2の端末側制御部10は、第2層物品分類選択画面G4Aを表示するための描画データをサーバ3に要求する。当該要求は例えばHTTPリクエストとして行われる。当該要求に応じてサーバ3の評価部13は、描画データを生成し、端末2の端末側制御部10に応答する。端末2の端末側制御部10は描画データを受信し、描画データに基づいて第2層物品分類選択画面G4Aをタッチスクリーン4に表示する。
【0023】
以下サーバ3の評価部13による描画データの生成/送信、描画データに基づいて表示された各種画面への入力の検出、各種画面へ入力された情報の取得、各種画面の動的な変更、その他の画面に関する各種処理は、CGI、JavaScript(登録商標)、Ajax、DHTML、その他の既存の技術を用いて適切に実行されるものとし、詳しい説明は行わない。またサーバ3の評価部13が描画データを端末2の端末側制御部10に送信し、描画データに基づく画面を端末2のタッチスクリーン4に表示させることを単に「評価部13が、端末側制御部10に、○○画面をタッチスクリーン4に表示させる」或いは単に「評価部13が○○画面を表示させる」のように表現することがある。
【0024】
図4(A)は第2層物品分類選択画面G4Aの一例である。第2層物品分類選択画面G4Aは、物品分類ツリーにおける第2層の物品分類のそれぞれを示すアイコンが一覧的に表示された画面である。各アイコンはタッチ操作により選択可能である。第2層の物品分類は、本サービスで査定の対象となり得る物品を大まかに分類するものであり、本サービスで査定の対象となり得る物品が何れかの物品分類に属するように十分な種類が用意されている。対象ユーザは、対象物品の物品分類に対応するアイコンをタッチ操作することによって、物品分類を選択する。
【0025】
第2層物品分類選択画面G4Aで何れかの物品分類が選択されると評価部13は、端末側制御部10に、選択された物品分類の1つ下の階層の物品分類のそれぞれを示すアイコンが表示された画面をタッチスクリーン4に表示させる。対象ユーザは、画面に表示されたアイコンのうち、何れか1つのアイコンをタッチ操作することによって物品分類を選択する。以上のようにして、ある画面において対象ユーザが物品分類を選択すると、選択された物品分類の1つ下の階層の物品分類が一覧表示された画面がタッチスクリーン4に表示され、再び対象ユーザが物品分類を選択すると、選択された物品分類の1つ下の階層の物品分類が一覧表示された画面がタッチスクリーン4に表示される、という処理が対象ユーザにより最深分類が選択されるまで繰り返し実行される。
【0026】
例えば物品分類の階層構造が図3で例示する物品分類ツリーに従っており、対象物品が「OSがiOSであるスマートフォン」であったとする。この場合、図4を参照し、対象ユーザは第2層物品分類選択画面G4A(図4(A))においてスマートフォン(物品分類)を示すアイコンB4Aを選択し、これに応じてOSに係る物品分類を選択するための画面G4B(図4(B))が表示され、対象ユーザはこの画面G4BにおいてiOS(物品分類)を示すアイコンB4Bを選択する。以上により、対象ユーザにより最深分類として「スマートフォン(物品分類)>iOS(物品分類)」が選択される。
【0027】
評価部13は、以上のようにして対象ユーザにより選択された最深分類(対象物品の最深分類)を認識する。以下、対象物品の最深分類を「対象最深分類」という。以上の処理が最深分類認識処理である。
【0028】
最深分類認識処理の後、評価部13および端末側制御部10は協働して、撮影画像データ取得処理を実行する。以下、撮影画像データ取得処理について詳述する。
【0029】
上述の通り本実施形態では、物品分類ツリーに従って最深分類が定義されており、物品は何れかの最深分類に属することになる。そして本実施形態では最深分類ごとに、どのような方法で撮影されて生成された撮影画像データが必要であるかが事前に定められており、これに応じて最深分類ごとに、撮影画像データ取得処理の態様が異なっている。以下、物品を撮影するときの方法を「物品撮影方法」という。後に明らかとなるように撮影画像データは、対象物品の査定額を導出する際に利用されるものである。そして、ある最深分類についての物品撮影方法は、その最深分類に属する物品の査定額を導出する際に利用する撮影画像データとして適切な内容のデータが用意されるようにするという観点の下で定められている。
【0030】
以下、物品分類ツリーが図3で示すツリーに従っているものとして、対象最深分類が「ノートパソコン(物品分類)>Windows(物品分類)>メーカMK1」の場合、「スマートフォン(物品分類)>iOS(物品分類)」の場合、および、「バッグ(物品分類)>ブランドB1」の場合のそれぞれを例として、撮影画像データ取得処理について説明する。
【0031】
なお以下の説明において、「型番」とは、物品の型、型式、種類或いは機種を識別する情報を意味する。型番は、メーカ型番や、品番、製品番号、型名、型式、型式番号、形式、形式番号、モデル(Model)、タイプ(Type)、プロダクト(product)等と呼ばれることがある。また「固有番号」とは、物品ごとに一意な情報を意味する。固有番号は、製造番号や、製番、シリアルナンバ、シリアル番号等と呼ばれることがある。当然、型番が同じ物品についても、固有番号は必ず異なる。特にスマートフォンに関し、IMEIは固有番号に相当する。
【0032】
<対象最深分類が「ノートパソコン(物品分類)>Windows(物品分類)>メーカMK1(物品分類)」の場合>
まず対象最深分類が「ノートパソコン(物品分類)>Windows(物品分類)>メーカMK1(物品分類)」の場合における撮影画像データ取得処理について説明する。この場合、対象物品は、大きな分類としてはノートパソコンに属することになるが、ノートパソコンには一般に以下の特徴がある。
(1)ディスプレイを有し、型番および所定の要素についてのスペックを少なくとも含むシステム関連情報をディスプレイに表示可能である。
(2)同じ型番であっても、スペックが異なる場合がある。
(3)ディスプレイの正面を含む部位に生じた劣化が査定(評価)に影響を与える。
つまりノートパソコンは、ディスプレイを有し、型番および所定の要素についてのスペックを少なくとも含むシステム関連情報をディスプレイに表示可能であるという特徴、同じ型番であってもスペックが異なる場合があるという特徴、及び、ディスプレイの正面を含む部位に生じた劣化が評価に影響を与えるという特徴の3つの特徴を備える電子機器である。
【0033】
(1)に関し、システム関連情報とは、ハードウェアおよびソフトウェアに関するスペックや、仕様、設定、ステータス、属性等の、電子機器に関する種々の情報である。システム関連情報は、Windows系システムでは、システム情報と呼ばれるものである。一般にスマートフォン、汎用ノートパソコン、汎用タブレット端末、汎用ラップトップ端末および汎用デスクトップ端末は、搭載されたOSに応じた所定の操作を行うことによって、システム関連情報をディスプレイに表示することが可能に構成されている。この他、デジタルウォッチ等の専用機についても、ディスプレイにシステム関連情報を表示可能に構成されたものが存在する。
【0034】
図5は、ノートパソコンに表示可能なシステム関連情報の典型例を示す図である。図5で示すようにノートパソコンに係るシステム関連情報には通常、型番、固有番号、プロセッサ種類および総メモリ数が含まれている。プロセッサ種類および総メモリ数は、特許請求の範囲の「所定の要素についてのスペック」に相当する。なお図5の型番、固有番号、プロセッサ種類および総メモリ数については、同じ意味で他の文言が使用されている場合がある。例えばプロセッサ種類についてはプロセッサ名と表現されている場合があり、総メモリ数については単にメモリと表現されている場合がある。
【0035】
(2)に関し例えばノートパソコンは、購入時にプロセッサの種類を選べるようになっている場合があり、同じ型番のノートパソコンであってもプロセッサの種類が異なる(=スペックが異なる)ことがある。また例えばノートパソコンは、メモリ(主記憶)を後から増設可能となっている場合があり、同じ型番のノートパソコンであっても総メモリ数(主記憶の容量)が異なる(=スペックが異なる)ことがある。ノートパソコンに関し、スペックの相違は、査定に影響を与える。
【0036】
(3)に関し、ディスプレイの正面を含む部位は、ノートパソコンに関しては具体的には、ノートパソコンを開いたときに同時に露出するディスプレイおよびキーボードである。ディスプレイの正面を含む部位に生じた劣化に関し、ディスプレイの劣化とは、割れや、傷、汚れ、凹み等である。また、キーボードの劣化とは、部品の欠損や、傷、汚れ、摩耗等である。ディスプレイおよびキーボードの劣化は、ノートパソコンの使い勝手に影響を与えるため、他の部位における劣化と比較して査定により強い影響を与える。
【0037】
さて対象最深分類が「ノートパソコン(物品分類)>Windows(物品分類)>メーカMK1(物品分類)」の場合、まず評価部13は、サーバ側記憶部14に記憶された物品撮影方法データベースを参照し、対象最深分類に対応する物品撮影方法関連データを取得する。物品撮影方法データベースとは、最深分類ごとに物品撮影方法関連データが登録されたデータベースである。物品撮影方法関連データには、撮影画像データ取得処理において評価部13が端末側制御部10に表示させる各種画面の描画データが含まれている。以下で説明する撮影画像データ取得処理における評価部13の処理は、対象最深分類に対応する物品撮影方法関連データに基づいて実行される。
【0038】
評価部13は、端末側制御部10に、図6(A)の画面G6Aをタッチスクリーン4に表示させる。画面G6Aは、ノートパソコンを開き、システム関連情報をディスプレイに表示させた状態でディスプレイおよびキーボードの全域(ディスプレイの正面を含む部位)が写るように撮影を行うことを指示すると共に、撮影の手順を案内(説明)する画面である。特に画面6Aでは、システム関連情報に含まれる型番、固有番号、プロセッサ種類および総メモリ数がディスプレイに表示された状態となるよう指示される。後に明らかとなるように、査定にあたってこれらの情報が利用されるからである。
【0039】
図6(A)で示すように画面6Aの上部には、ノートパソコンを開き、システム関連情報(図6(A)では「システム情報」と表現)をディスプレイに表示させた状態で、ディスプレイとキーボードとが写るように撮影を行うことを指示する文章が表示されている。また画面G6Aにおいて、当該文章の下方には、開いた状態のノートパソコンを表す画像が表示されている。この画像は、どのような方法で撮影すればよいかを対象ユーザにイメージさせるための画像であり当然、図6(A)で例示する内容に限られない。
【0040】
画面G6Aにおいて、この画像の下方には撮影の手順を説明する説明文が表示されている。図6(A)では省略されているものの、当該説明文には、システム関連情報(特にシステム関連情報に含まれる型番、固有番号、プロセッサ種類および総メモリ数)をディスプレイに表示させた状態でディスプレイおよびキーボードの全域が写るように撮影を行うために対象ユーザが認識し、留意すべき情報が含まれている。例えば当該説明文には、システム関連情報をディスプレイに表示する手順を示す情報が含まれている。当該手順を示す情報には、例えばOSのバージョンごとに手順が異なる場合には、OSのバージョンごとの手順が示される。また当該説明文は、ノートパソコンのOSがWindowsであること、および、ノートパソコンのメーカがMK1であることを反映した内容とされている。
【0041】
画面G6Aは、特許請求の範囲の「対象物品の文字が対象物品の外観と共に撮影されるよう案内する画面」および「システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、ディスプレイの正面を含む部位が撮影されるよう案内する画面」に相当する。すなわち評価部13は、対象ユーザにより対象物品を対象とする撮影が行われる際に、撮影に先立って対象物品の分類を認識し、認識した分類が上述した3つの特徴を備える電子機器が属する分類である場合には、システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、ディスプレイの正面を含む部位が撮影されるよう案内する画面を端末2に表示させる。
【0042】
図6(A)の画面G6Aには撮影の開始を指示するボタンB6Aが表示されており対象ユーザは、撮影の準備が整ったらボタンB6Aを操作する。ボタンB6Aの操作に応じて、端末側制御部10は、端末2のカメラ機能を有効にし、評価部13と協働して、図6(B)で示すように撮影時に対象物品を収めるべき枠線と撮影時の注意事項とが表示された画面G6Bを表示する。対象ユーザは、画面G6Bが表示された状態で撮影を実行し、撮影に応じて撮影画像データが生成される。端末側制御部10は、撮影画像データを評価部13に送信し、評価部13は、撮影画像データを取得する。
【0043】
以上の通り撮影画像データ取得処理について、対象最深分類が「ノートパソコン(物品分類)>Windows(物品分類)>メーカMK1(物品分類)」のときは、システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、ディスプレイの正面を含む部位(より具体的にはディスプレイ+キーボード)が撮影されるように評価部13により案内される。そして対象ユーザが案内に従って撮影を行った場合は、ディスプレイにシステム関連情報が写った状態のノートパソコン(対象物品)の画像が記録された1つの撮影画像データが生成され、評価部13はこの1つの撮影画像データを取得する。
【0044】
以上、対象最深分類が「ノートパソコン(物品分類)>Windows(物品分類)>メーカMK1(物品分類)」であるときの撮影画像データ取得処理について説明したが、ノートパソコンと同様の特徴をもつ物品については、同様の方法で撮影画像データ取得処理が実行される。ノートパソコンと同様の特徴を持つかどうかは、最深分類に基づいて判断される。ノートパソコンと同様の特徴をもつ物品は例えば、ラップトップパソコンである。
【0045】
<対象最深分類が「スマートフォン(物品分類)>iOS(物品分類)」の場合>
次に対象最深分類が「スマートフォン(物品分類)>iOS(物品分類)」の場合における撮影画像データ取得処理について説明する。この場合、対象物品は、大きな分類としてはスマートフォンに属することになるが、スマートフォンには一般に以下の特徴がある。
(1)前面の広い領域にタッチスクリーン(ディスプレイ)が設けられ、型番およびIMEI(固有番号)を少なくとも含むシステム関連情報をディスプレイに表示可能である。
(2)割賦(分割払い)により端末が購入される場合がある。
(3)筐体の前面のタッチスクリーン(ディスプレイ)に生じた劣化が、査定に影響を与える。
つまりスマートフォンは、前面の広い領域にディスプレイが設けられ、型番および固有番号を少なくとも含むシステム関連情報をディスプレイに表示可能であるという特徴、割賦により購入される場合があるという特徴、及び、ディスプレイの正面を含む部位に生じた劣化が評価に影響を与えるという特徴の3つの特徴を備えるタブレット端末である。
【0046】
(1)に関して図7は、スマートフォンに表示可能なシステム関連情報の典型例を示す図である。図7で示すようにスマートフォンに係るシステム関連情報には典型的には、型番(図7ではモデル番号と表現されている)およびIMEI(固有番号)が含まれている。(2)に関し、スマートフォンについて割賦により購入できるようにしたサービスが広く行われており、このサービスを通して端末が割賦により購入される場合がある。(3)に関し、タッチスクリーンの劣化はスマートフォンの使い勝手に影響を与えるため、他の部位における劣化と比較して査定により強い影響を与える。特にスマートフォンに関しては、タッチスクリーンに割れが生じることがあり、一般にタッチスクリーンに割れが生じている場合、スマートフォンの査定額は相当に低くなる。
【0047】
さて対象最深分類が「スマートフォン(物品分類)>iOS(物品分類)」の場合、評価部13は、物品撮影方法データベースから対象最深分類に対応する物品撮影方法関連データを取得し、取得した物品撮影方法関連データに基づいて以下の処理を実行する。すなわち評価部13は、端末側制御部10に、図6(A)の画面G6Aに代えて図8の画面G8をタッチスクリーン4に表示させる。画面G8は、システム関連情報をタッチスクリーンに表示させた状態で筐体の前面の全域が写るように撮影を行うことを指示すると共に、撮影の手順を案内(説明)する画面である。特に画面G8では、システム関連情報に含まれる型番およびIMEI(固有番号)がタッチスクリーンに表示された状態となるよう指示される。後に明らかとなるように、査定にあたってこれらの情報が利用されるからである。
【0048】
図8で示すように画面G8の上部には、システム関連情報(図8では「システム情報」と表現)をタッチスクリーンに表示させた状態で、筐体の前面の全域が写るように撮影を行うことを指示する文章が表示されている。また画面G8において、当該文章の下方には、スマートフォンを正面から見た様子を表す画像が表示されている。この画像は、どのような方法で撮影すればよいかを対象ユーザにイメージさせるための画像であり当然、図8で例示する内容に限られない。
【0049】
画面G8において、この画像の下方には撮影の手順を説明する説明文が表示されている。図8では省略されているものの、当該説明文には、システム関連情報(特に型番およびIMEI)をタッチスクリーンに表示させた状態で筐体の前面の全域が写るように撮影を行うために対象ユーザが認識し、留意すべき情報が含まれている。例えば当該説明文には、システム関連情報をタッチスクリーンに表示する手順を示す情報が含まれている。当該手順を示す情報には、例えばOSのバージョンごとに手順が異なる場合には、OSのバージョンごとの手順が示される。また当該説明文は、スマートフォンのOSがiOSであることを反映した内容とされている。
【0050】
画面G8は、特許請求の範囲の「対象物品の文字が対象物品の外観と共に撮影されるよう案内する画面」および「システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、筐体が正面から撮影されるよう案内する画面」に相当する。すなわち評価部13は、対象ユーザにより対象物品を対象とする撮影が行われる際に、撮影に先立って対象物品の分類を認識し、認識した分類が上述した3つの特徴を備えるタブレット端末が属する分類である場合には、システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、筐体が正面から撮影されるよう案内する画面を端末2に表示させる。
【0051】
画面G8のボタンB8が操作されると、図6(B)に相当する画面が表示され、対象ユーザにより撮影が行われる。撮影に応じて撮影画像データが生成され、端末側制御部10から評価部13に撮影画像データが送信され、評価部13は、撮影画像データを取得する。
【0052】
以上の通り、撮影画像データ取得処理において、対象最深分類が「スマートフォン(物品分類)>iOS(物品分類)」のときは、システム関連情報がタッチスクリーンに表示された状態で、筐体が正面から撮影されるよう案内される。そして対象ユーザが指示に従って撮影を行った場合は、タッチスクリーンにシステム関連情報が写った状態のスマートフォン(対象物品)の画像が記録された1枚の撮影画像データが生成され、評価部13はこれを取得する。
【0053】
以上、対象最深分類が「スマートフォン(物品分類)>iOS(物品分類)」であるときの撮影画像データ取得処理について説明したが、スマートフォンと同様の特徴をもつ物品については、同様の方法で撮影画像データ取得処理が実行される。スマートフォンと同様の特徴をもつ物品は例えば、スマートフォンを除くタブレット端末(ただし、割賦により購入できるもの)である。
【0054】
<対象最深分類が「バッグ(物品分類)>ブランドB1(物品分類)」の場合>
次に対象最深分類が「バッグ(物品分類)>ブランドB1(物品分類)」の場合における撮影画像データ取得処理について説明する。この場合、対象物品は、大きな分類としてはバッグに属することになるが、バッグには一般に以下の特徴がある。
(1)物品に文字としての型番が記録されていない場合がある一方、型番を物品の外観から判定可能である。
(2)偽物である場合があり、査定にあたって物品が本物であるかどうかが重要である。
つまりバッグは、物品に文字としての型番が記録されていない場合がある一方、型番を物品の外観から判定可能であるという特徴、および、偽物である場合があり、評価にあたって物品が本物であるかどうかが重要であるという特徴の2つの特徴を備える物品である。
【0055】
(1)に関しバッグには、刻印、印刷、その他の手段で型番が記録されることもあるが、型番が記録されない場合もある。特にブランドによっては、そのブランドが提供するバッグに統一的に型番を記録しないようにしているケースがある。一方、バッグについては一般に、バッグを正面から見たときの外観的な特徴によって型番を判別することができる。(2)に関しバッグに関しては、偽物であるケースがあり、査定に際しては真贋を見極めることが重要であり、通常、査定にあたっては真贋判定が行われる。一般に真贋判定は、バッグに表された真贋判定対象を利用して行われる。真贋判定対象は例えば、物品に記録されたロゴや、模様、マーク、特徴的な平面的或いは立体的な形状等である。物品の部分ではなく物品全体(例えば、物品全体の3次元的な形状)が真贋判定対象となる場合もある。
【0056】
さて対象最深分類が「バッグ(物品分類)>ブランドB1(物品分類)」の場合、評価部13は、物品撮影方法データベースから対象最深分類に対応する物品撮影方法関連データを取得し、取得した物品撮影方法関連データに基づいて以下の処理を実行する。すなわち評価部13は、端末側制御部10に、図6(A)の画面G6Aに代えて図9の画面G9をタッチスクリーン4に表示させる。画面G9は、バッグの正面の全域が写るように撮影を行うことを指示すると共に、撮影の手順を案内(説明)する画面である。バッグの正面の全域が写るように対象ユーザに撮影を行わせる理由は、バッグを正面から撮影したときの外観がバッグの型番を特定するのに最も有効利用でき、また、バッグを正面から撮影したときに写る、バッグに関する要素がバッグの真贋判定に最も有効利用できるからである。
【0057】
図9で示すように画面G9の上部には、バッグの正面の全域が写るように撮影を行うことを指示する文章が表示されている。また画面G9において、当該文章の下方には、バッグを正面から見た様子を表す画像が表示されている。この画像は、どのような方法で撮影すればよいかをユーザにイメージさせるための画像であり当然、図9で例示する内容に限られない。
【0058】
画面G9において、この画像の下方には撮影の手順を説明する説明文が表示されている。図9では省略されているものの、当該説明文には、バッグの正面の全域が写るように撮影を行うためにユーザが認識し、留意すべき情報が含まれている。また当該説明文は、バッグのブランドがブランドB1であることを反映した内容とされている。
【0059】
画面G9は、特許請求の範囲の「生成される撮影画像データが型番の認識に利用可能なデータとなるように対象物品の外観が撮影されるよう案内する画面」、「生成される撮影画像データが対象物品の真贋の判定に利用可能なデータとなるように対象物品の外観が撮影されるよう案内する画面」および「生成される撮影画像データが型番の認識に利用可能かつ真贋の判定に利用可能なデータとなるように対象物品の外観が撮影されるよう案内する画面」に相当する。すなわち評価部13は、対象ユーザにより対象物品を対象とする撮影が行われる際に、撮影に先立って対象物品の分類を認識し、認識した分類が2つの特徴を備える物品が属する分類である場合には、生成される撮影画像データが型番の認識に利用可能かつ真贋の判定に利用可能なデータとなるように対象物品の外観が撮影されるよう案内する画面を端末2に表示させる。
【0060】
画面G9のボタンB9が操作されると、図6(B)に相当する画面が表示され、ユーザにより撮影が行われる。撮影に応じて撮影画像データが生成され、端末側制御部10から評価部13に撮影画像データが送信され、評価部13は、撮影画像データを取得する。
【0061】
以上の通り撮影画像データ取得処理において、対象最深分類が「バッグ(物品分類)>ブランドB1(物品分類)」のときは、バッグの正面の全域が撮影されるように評価部13により案内される。そして、対象ユーザが指示に従って撮影を行った場合は、バッグの正面の画像が記録された1枚の撮影画像データが生成され、評価部13はこれを取得する。以上、対象最深分類が「バッグ(物品分類)>ブランドB1(物品分類)」であるときの撮影画像データ取得処理について説明したが、バッグと同様の特徴をもつ物品については、同様の方法で撮影画像データ取得処理が実行される。バッグと同様の特徴をもつ物品は例えば、靴、その他のバッグ以外のブランド品である。
【0062】
以上が評価部13および端末側制御部10により実行される撮影画像データ取得処理である。以上の通り、撮影画像データ取得処理の結果、対象最深分類に応じた物品撮影方法が案内されると共に、(理想的には)対象最深分類に応じた方法で対象物品の撮影が行われて撮影画像データが生成され、評価部13は、生成された撮影画像データを取得する。
【0063】
撮影画像データ取得処理の後、評価部13は、査定処理を実行する。以下、査定処理について詳述する。査定処理に関し評価部13は、対象最深分類に応じた査定処理を実行する。これを踏まえ、以下、対象最深分類が「ノートパソコン(物品分類)>Windows(物品分類)>メーカMK1(物品分類)」の場合と、対象最深分類が「スマートフォン(物品分類)>iOS(物品分類)」の場合と、対象最深分類が「バッグ(物品分類)>ブランドB1」の場合とに分けて評価部13の処理について説明する。
【0064】
<対象最深分類が「ノートパソコン(物品分類)>Windows(物品分類)>メーカMK1(物品分類)」の場合>
まず対象最深分類が「ノートパソコン(物品分類)>Windows(物品分類)>メーカMK1(物品分類)」である場合の評価部13の処理について説明する。上述の通り、この場合、評価部13は、ディスプレイにシステム関連情報が表示された状態でディスプレイおよびキーボードの全域が撮影されて生成された撮影画像データを取得している。
【0065】
まず評価部13は、期待画像判定処理を実行する。期待画像判定処理とは、評価部13が取得した撮影画像データについて、その内容が後続の撮影画像データを利用して行われる処理を正常に行うために適切な内容となっているか否かを判別する処理である。例えば評価部13は、期待された態様で対象物品が撮影されていない場合(例えば、期待されている視点で対象物品が撮影されていない場合や、対象物品の画像が異常に小さい場合)に撮影画像データの内容が適切でないと判定する。また例えば評価部13は、後続する処理が正常に実行できない程度に撮影画像データの画像がブレている場合に撮影画像データの内容が適切でないと判定する。
【0066】
期待画像判定処理は例えば、最深分類の種類ごとに用意された以下のモデルを利用して行われる。モデルは、撮影画像データを入力し、入力した撮影画像データを対象として各種画像処理を行い、入力した撮影画像データの内容が正常内容かどうかを示す値(正常内容である可能性を示す値でもよい)を出力するものである。モデルには既存の全ての画像処理技術を応用可能であり、また、モデルは所定の機械学習手法(例えばディープラーニング)で学習されたものであってもよい。
【0067】
撮影画像データの内容が適切でないと判定した場合、評価部13は、対応する処理を実行する。例えば評価部13は対応する処理として、端末側制御部10に、対象物品の撮影をやり直すことを促す画面をタッチスクリーン4に表示させる。
【0068】
一方、撮影画像データの内容が適切であると判定した場合、評価部13は、文字認識処理を実行する。文字認識処理とは、対象物品の画像に含まれる文字の画像(本例ではシステム関連情報の画像)を対象として文字認識する処理である。文字認識処理において評価部13は、撮影画像データを画像処理により分析し、撮影画像データに記録された画像から、対象物品の画像を特定する。次いで評価部13は、撮影画像データを画像処理により分析し、対象物品の画像から、システム関連情報の画像(撮影画像データに記録された対象物品の画像に含まれる文字の画像)を特定する。次いで評価部13は、システム関連情報の画像を光学文字認識処理により分析し、システム関連情報の画像が示す文字群を文字認識する。
【0069】
次いで評価部13は、型番認識処理を実行する。型番認識処理は、システム関連情報の画像を対象として文字認識することによって型番を認識する処理である。型番認識処理において評価部13は、文字認識処理の結果に基づいて、システム関連情報の画像が示す文字群の中から、型番を示す文字列を特定し、型番を認識する。例えば通常、システム関連情報では、項目名と項目値との組み合わせが一覧的に並べて配置される。これを踏まえ評価部13は、システム関連情報の画像が示す文字群の中から、型番の項目名として利用される文字列(例えばシステムモデルや、モデル、機種等)を特定し、特定した文字列と対応付けられている項目値を型番として認識する。例えば文字列の特定は、テキストデータをキーとする文字列検索により行われる。
【0070】
次いで評価部13は、固有番号認識処理を実行する。固有番号認識処理は、システム関連情報の画像を対象として文字認識することによって型番を認識する処理である。固有番号認識処理において評価部13は、文字認識処理の結果に基づいて、システム関連情報の画像が示す文字群の中から、固有番号を示す文字列を特定し、固有番号を認識する。例えば評価部13は、システム関連情報の画像が示す文字群の中から、固有番号の項目名として利用される文字列(例えばシリアル番号や、シリアルナンバ)を特定し、特定した文字列と対応付けられている項目値を固有番号として認識する。
【0071】
次いで評価部13は、スペック認識処理を実行する。スペック認識処理は、システム関連情報の画像を対象として文字認識することによって所定の要素(本例ではプロセッサ種類および総メモリ数)についてのスペックを認識する処理である。スペック認識処理において評価部13は、文字認識処理の結果に基づいて、システム関連情報の画像が示す文字群の中から、プロセッサ種類および総メモリ数を示す文字列を特定し、これらを認識する。例えば評価部13は、システム関連情報の画像が示す文字群の中から、プロセッサ種類および総メモリ数の項目名として利用される文字列を特定し、特定した各文字列と対応付けられている各項目値をプロセッサ種類および総メモリ数として認識する。
【0072】
次いで評価部13は、状態認識処理を実行する。状態認識処理とは、撮影画像データに記録された対象物品の画像を画像分析して対象物品の外観に関する状態を認識する処理であり、より具体的には撮影画像データに記録された対象物品の画像を画像分析して対象物品のディスプレイの正面を含む部位についての外観に関する状態を認識する処理である。特に本実施形態では評価部13は、撮影画像データに基づいて対象物品の物品状態レベルを導出する(つまり、物品状態レベルを導出することが対象物品の外観に関する状態を認識することに相当する)。物品状態レベルとは、傷や、汚れ、凹み、摩耗、部品の欠損等の劣化に関連する要素の状況を考慮して、物品の外観に関する状態がどの程度、新品に近い状態か(どの程度、劣化が小さいか)を示すレベルのことである。本実施形態では物品状態レベルの値として、最も新品に近い状態(最も劣化が小さい状態)であることを示すレベルL5から、最も新品から遠い状態(最も劣化が大きい状態)であることを示すレベルL1までの5つの値が用意されている。
【0073】
特に本例では対象物品はノートパソコンであり、撮影画像データには、ノートパソコンのディスプレイの正面およびキーボードの画像が記録されている。評価部13は、ディスプレイおよびキーボードについて傷(ディスプレイの割れを含む)や、汚れ、凹み、摩耗、部品の欠損等の劣化に関連する要素の状況を反映して物品状態レベルを導出する。なお評価部13は、既存の画像処理により物品状態レベルを導出する。物品状態レベルの実行に必要なデータは事前に用意される。必要なデータは例えば、物品の型番に対応するテンプレートデータを用いたパターンマッチングが実行される場合において、型番ごとのテンプレートデータであり、また例えば型番に応じた背景差分法に基づく画像処理が実行される場合において、型番ごとの背景画像データである。また状態認識処理の少なくとも一部の処理が機械学習されたモデルを使用して行われる構成でもよい。
【0074】
次いで評価部13は、不正可能性調査処理を実行する。不正可能性調査処理とは、個別番号を利用して本サービスの不正利用の可能性を調査する処理である。不正可能性調査処理において評価部13は、利用履歴データベースを参照する。利用履歴データベースとは、本サービスの利用履歴(対象ユーザの利用履歴に限られない)を管理するデータベースであり、各レコードは少なくとも、本サービスを利用したユーザのユーザ識別情報と、査定の対象となった物品の固有番号とを含んでいる。つまり利用履歴データベースでは、過去に本サービスを利用したケースごとに、ユーザ識別情報と、固有番号とが対応付けて管理されている。利用履歴データベースは、特許請求の範囲の「物品の固有番号と少なくとも過去の一時点においてその物品を所有していたユーザのユーザ識別情報とを対応付けて管理するデータ」および「過去に評価した物品について、物品の固有番号と、評価を行ったときに物品を所有していたユーザのユーザ識別情報とを対応付けて管理するデータ」に相当する。
【0075】
不正可能性調査処理において利用履歴データベースを参照した後、評価部13は、利用履歴データベースに、対象物品の固有番号と同一の固有番号を有するレコードが存在するか否かを判別する。このようなレコードは1つも存在しない場合もあれば、1つ以上、存在する場合もある。利用履歴データベースにこのようなレコードが存在するということは、過去に対象物品を対象として本サービスが利用されたということである。利用履歴データベースにこのようなレコードが1つも存在しない場合、評価部13は、不正可能性調査処理を終了し、続く査定額導出処理を実行する。
【0076】
一方、利用履歴データベースにこのようなレコードが1つ以上存在する場合、評価部13は、対象ユーザのユーザ識別情報と、各レコードが有するユーザ識別情報とが一致しているか否かを判別する。あるレコードが有するユーザ識別情報と、対象ユーザのユーザ識別情報とが異なる場合、過去に対象ユーザと異なるユーザが、対象物品を査定の対象として本サービスを利用したということであり、対象ユーザが、他人が所有する物品を対象として本サービスを利用しようとしている可能性がある。
【0077】
なお評価部13は、利用履歴データベースに、対象物品の固有番号と同一の固有番号を有するレコードが複数、存在する場合には、1つでも対象ユーザのユーザ識別情報と異なる値のユーザ識別情報を含むレコードがある場合には、対象ユーザのユーザ識別情報と、各レコードが有するユーザ識別情報とが一致していないと判定する。ただし直近で生成されたレコードに含まれるユーザ識別情報の値と、対象ユーザのユーザ識別情報の値とが異なる場合に、評価部13が対象ユーザのユーザ識別情報と、各レコードが有するユーザ識別情報とが一致していないと判定する構成でもよい。
【0078】
対象ユーザのユーザ識別情報と、各レコードが有するユーザ識別情報とが一致していない場合、評価部13は、対応する処理を実行する。例えば評価部13は、対応する処理としてオペレータに通知する処理を実行する。また例えば評価部13は、端末側制御部10を制御して、同一の物品について過去に対象ユーザ以外の者が本サービスを利用したことを通知し、対象物品が対象ユーザの所有物であるかどうかの確認をとる。ただし、例示した処理はあくまで一例であり、評価部13が他の処理を実行しても当然よい。
【0079】
なお本実施形態では、利用履歴データベースは、本サービスの利用履歴を管理するデータベースであったが、本サービス以外の類似するサービスの利用履歴も併せて管理するデータベースであってもよい。また、利用履歴データベースはサーバ3に記憶されている構成であったが、利用履歴データベースがサーバ3以外の装置に記憶されている構成でもよい。
【0080】
次いで評価部13は、査定額導出処理を実行する。査定額導出処理とは、査定額を導出する処理である。査定額導出処理において評価部13は、対象最深分類(本例では「ノートパソコン(物品分類)>Windows(物品分類)>メーカMK1(物品分類)」)に対応する査定額テーブルを参照する。対象最深分類に査定額テーブルは、型番がとり得る値と、物品状態レベルがとり得る値(本実施形態では、レベルL1~レベルL5)と、プロセッサ種類がとり得る値と、総メモリ数がとり得る値との組み合わせごとに参考査定額が対応付けられたテーブルである。
【0081】
以下、型番と物品状態レベルとプロセッサ名と総メモリ数との組合せを「評価用組合せ」という。査定額テーブルにおいて、ある評価用組み合わせと対応付けられた参考査定額の値は、その評価用組み合わせの各要素の値を反映した値とされる。参考査定額は基本的には、型番によって基準となる金額が定まり、この基準となる金額について、物品状態レベルが小さいほど(=対象物品の劣化が大きいほど)低く、プロセッサの性能が低いほど低く、総メモリ数が小さいほど低くなるように調整されることによって設定される。当然、基準となる金額について物品状態レベルが大きいほど(=対象物品の劣化が小さいほど)高く、プロセッサの性能が高いほど高く、総メモリ数が大きいほど高くなるように調整されてもよい。
【0082】
評価部13は、査定額テーブルにおいて、対象物品についての評価用組合せと対応付けられた参考査定額を取得し、これを査定額とする。
【0083】
以上が、対象最深分類が「ノートパソコン(物品分類)>Windows(物品分類)>メーカMK1(物品分類)」の場合に評価部13が実行する査定処理である。なお査定処理における処理の順番は、本実施形態で例示した順番に限られない。以上の説明の通り本実施形態によれば、対象物品の外観に関する状態に加えて、システム関連情報の画像(文字の画像)を対象とする文字認識により認識された文字(型番、固有番号、スペック)が反映されて査定(物品の評価)が行われるため、複数の異なる観点で対象物品を査定できる。特に本実施形態では、スペックが査定額に影響を与える(評価に影響を与える)という点を鑑み、スペックが反映されて評価部13により対象物品の査定がなされるため、その点で、より的確に対象物品を査定できる。
【0084】
その際に対象物品の外観に関する状態の認識と、文字認識による文字(型番、スペック、固有番号)の認識とは、共通する撮影画像データに基づいて行われる。従って対象ユーザは、対象物品の評価にあたって対象物品を撮影すればよく、例えば所定のユーザインタフェイスにおいて型番、固有番号、スペックを入力したり、型番、固有番号、スペックを選択したりする作業を行う必要がない。特に本実施形態では、対象物品の外観に関する状態の認識と、文字認識による文字(型番、スペック、固有番号)の認識とが共通する撮影画像データに基づいて評価部13により行われる。このためユーザは、対象物品(ノートパソコン)の外観に関する状態の認識に利用する撮影画像データを生成するための撮影と、型番や、固有番号、スペックの認識に利用する撮影画像データを生成するための撮影とを分けて行う必要がなく、その点でもユーザの作業が少ない。すなわち本実施形態によれば、ユーザの作業を減らしつつ、複数の異なる観点で物品を評価できる。
【0085】
<対象最深分類が「スマートフォン(物品分類)>iOS(物品分類)」の場合>
次に対象最深分類が「スマートフォン(物品分類)>iOS(物品分類)」である場合の評価部13の処理について説明する。上述の通り、この場合、評価部13は、タッチスクリーンにシステム関連情報が表示された状態で筐体が正面から撮影されて生成された撮影画像データを取得している。
【0086】
評価部13は、期待画像判定処理、文字認識処理、型番認識処理、固有番号認識処理、状態認識処理および不正可能性調査処理を順次、実行する。これらの処理は<対象最深分類が「ノートパソコン(物品分類)>Windows(物品分類)>メーカMK1(物品分類)」の場合と同様の方法で行われる。特に固有番号取得処理では評価部13は固有番号としてIMEIを取得する。また状態認識処理に関し、本例では対象物品はスマートフォンであり、撮影画像データには、タッチスクリーンの全域を含む筐体の正面の画像が記録されている。評価部13は、筐体の正面について傷(タッチスクリーンの割れを含む)や、汚れ、凹み、摩耗、部品の欠損等の劣化に関連する要素の状況を反映して物品状態レベルを導出する。
【0087】
本例において型番取得処理は、「システム関連情報の画像を対象として文字認識することによって型番を認識する処理」である。また固有番号認識処理は、「システム関連情報の画像を対象として文字認識することによって固有番号を認識する処理」である。また状態認識処理は、「撮影画像データに記録された対象物品の画像を画像分析して対象物品のディスプレイの正面を含む部位についての外観に関する状態を認識する処理」である。
【0088】
不正可能性調査処理の後、評価部13は、支払状況認識処理を実行する。支払状況認識処理は「認識した固有番号を用いた問い合わせを行って、対象物品についての支払状況を認識する処理」である。以下、支払状況確認処理について詳述する。以下の説明において、固有番号取得処理において取得したIMEI(固有番号)を特に「対象IMEI」という。
【0089】
支払状況認識処理において評価部13は、ネットワークNに接続された支払状況管理サーバに、対象IMEIについての支払状況の問い合わせを行う。問い合わせは、対象IMEIを含む所定フォーマットのデータ(例えば、対象IMEIをクエリに含むリクエストデータ)が送信されることにより行われる。本実施形態において「支払状況」とは、対象物品(本例では、スマートフォン)が割賦により購入されたかどうか、割賦により購入されている場合には現時点で支払い中かどうか、および、現時点で支払い中か否かにかかわらず過去に支払に遅延がなかったかどうかを意味する。支払状況管理サーバは、データベースでIMEIと共に支払状況を管理するサーバ装置であり、あるIMEIについての支払状況の問い合わせに応じて、そのIMEIについての支払状況を示す支払状況情報を応答する機能を有している。
【0090】
評価部13は、対象IMEIについての支払状況の問い合わせ後、支払状況管理サーバから対象IMEIについての支払状況情報を取得し、支払状況を認識する。つまり評価部13は、対象物品としてのスマートフォンが割賦により購入されたかどうか、割賦により購入されている場合には現時点で支払い中かどうか、および、現時点で支払い中か否かにかかわらず過去に支払に遅延がなかったかどうかを認識する。
【0091】
次に評価部13は、査定額導出処理を実行する。本例において評価部13は、対象最深分類に対応する査定額テーブルを参照する。対象最深分類に対応する査定額テーブルは、型番がとり得る値と、物品状態レベルがとり得る値との組み合わせごとに参考査定額が対応付けられたテーブルである。評価部13は、査定額テーブルにおいて対象物品についての型番と物品状態レベルとの組合せに対応する参考査定額を取得する。次いで評価部13は、取得した参考査定額を、対象物品についての支払状況に基づいて調整し、調整後の額を最終的な査定額とする。調整は、対象物品(本例では、スマートフォン)が割賦により購入されており、現時点で支払い中の場合には査定額が低くなるように、また、過去に支払に遅延があった場合には、査定額が低くなるように行われる。これは、リース料の支払いの遅延の可能性を考慮したものである。ただし、調整の方法は本実施形態で例示するものに限られず、例えば過去の支払の遅延のみを考慮して調整する構成でもよい。
【0092】
以上が、対象最深分類が「スマートフォン(物品分類)>iOS(物品分類)」の場合に評価部13が実行する査定処理である。なお査定処理における処理の順番は、本実施形態で例示した順番に限られない。以上の説明の通り本実施形態によれば、対象物品の外観に関する状態に加えて、システム関連情報の画像(文字の画像)を対象とする文字認識により認識された文字(型番、IMEI)が反映されて査定(物品の評価)が行われるため、複数の異なる観点で対象物品を査定できる。特に本実施形態では、対象物品が割賦により購入された可能性があるという点を鑑み、支払状況が反映されて評価部13により対象物品の査定がなされるため、その点で、より的確に対象物品を査定できる。
【0093】
その際に対象物品の外観に関する状態の認識と、文字認識による文字(型番、固有番号)の認識とは、共通する撮影画像データに基づいて行われる。従って対象ユーザは、対象物品の評価にあたって対象物品を撮影すればよく、例えば所定のユーザインタフェイスにおいて型番やIMEIを入力したり、型番やIMEIを選択したりする作業を行う必要がない。特に本実施形態では、対象物品の外観に関する状態の認識と、文字認識による文字(型番、IMEI)の認識とが共通する撮影画像データに基づいて評価部13により行われる。このためユーザは、対象物品(スマートフォン)の外観に関する状態の認識に利用する撮影画像データを生成するための撮影と、型番や固有番号の認識に利用する撮影画像データを生成するための撮影とを分けて行う必要がなく、その点でもユーザの作業が少ない。すなわち本実施形態によれば、ユーザの作業を減らしつつ、複数の異なる観点で物品を評価できる。
【0094】
<対象最深分類が「バッグ(物品分類)>ブランドB1」の場合>
次に対象最深分類が「バッグ(物品分類)>ブランドB1」である場合の評価部13の処理について説明する。上述の通り、この場合、評価部13は、バッグの正面の全域が撮影されて生成された撮影画像データを取得している。
【0095】
まず評価部13は、期待画像判定処理を実行する。次いで評価部13は、型番認識用画像分析処理を実行する。型番認識用画像分析処理は、「対象物品の画像を画像分析して対象物品の型番を認識する処理」に相当する。ここでの画像分析は、「文字の画像を対象とする文字認識」以外の画像処理を意味する。以下、型番認識用画像分析処理の一例について説明する。
【0096】
まず評価部13は、対象最深分類(対象物品の最深分類)に基づいて、対象物品がバッグであること、および、バッグのブランドを認識する。サーバ側記憶部14には、バッグのブランドのそれぞれについて、型番ごとのテンプレートデータ(バッグを正面から見た様子を示す画像と比較対象となるテンプレートデータ)が登録されたデータベースが記憶されている。評価部13は、撮影画像データを対象として、対象物品のブランドに対応するテンプレートデータのそれぞれを用いたテンプレートマッチングを行って型番を特定し、認識する。
【0097】
なおテンプレートマッチングは、撮影画像データに対するノイズの除去や、サイズ/角度の補正(ただし、サイズ/角度の補正はテンプレートデータに対して行ってもよい)を含む前処理が施された上で、既存の技術(例えば、画素値を保持するテンプレートデータを用いたテンプレートマッチングや、チャンファーマッチング、ヒストグラム情報を用いたアクティブ探索)に基づいて適切に実行される。ただし撮影画像データを利用して型番を特定する方法は例示した方法に限られない。例えば特徴量マッチング、或いは、テンプレートマッチングと特徴量マッチングとの組み合わせを利用する方法であってよい。また例えば撮影画像データを入力の1つとし、該当する型番(或いは、各型番に該当する可能性)を出力とするモデルを用いて行われてもよい。この場合において、モデルを、所定の機械学習手法(例えばディープラーニング)で機械学習されたモデルとすることができる。
【0098】
次いで評価部13は、真贋判定処理を実行する。真贋判定処理とは、「対象物品の画像を画像分析して対象物品の真贋を判定する処理」である。以下、真贋判定処理の一例について説明する。真贋判定処理において例えば評価部13は、以下の処理を実行する。例えば撮影画像データに記録されたバッグの正面の画像にロゴの画像が含まれる場合、評価部13は、撮影画像データに画像として記録されたロゴが、型番認識用画像分析処理で認識した型番(=対象物品の型番)のバッグのロゴとして本物か否かという観点で撮影画像データを分析し、対象物品が本物か否かを判定する。撮影画像データの分析は、種々の観点から実行される。例えば撮影画像データの分析は、ロゴの形状の妥当性、ロゴの色彩の妥当性およびロゴの位置の妥当性等が判定されることによって行われる。
【0099】
なおロゴの位置の妥当性とは、ロゴが付された位置が、本物のそれと一致しているかどうかを意味する。ロゴの形状および位置の妥当性の判定は例えば、事前に用意された本物のロゴに対応するテンプレートデータを用いたパターンマッチングや、特徴量マッチングにより行うことができる。またロゴの色彩の妥当性の判定は例えば、色成分のヒストグラムの分析や、画像における各色成分の分布の分析により行うことができる。なお撮影画像データの分析に基づく対象物品が本物か否かの判定は、実際の処理としては例えば、撮影画像データを入力の1つとし、本物か否かを示す情報(或いは本物である可能性を示す情報)を出力するモデルが用意され、このモデルが用いられて実行される。この場合において、モデルを、所定の機械学習手法(例えばディープラーニング)で機械学習されたモデルとすることができる。
【0100】
以上、ロゴを用いた真贋判定処理について説明したが、真贋判定には既存の種々の技術を利用できる。特にロゴに代えて或いはロゴに加えて、模様、マーク、特徴的な平面的或いは立体的な形状等を真贋判定の対象として真贋判定処理を行う構成でもよい。またバッグ以外の真贋判定処理についても、物品および真贋判定対象に応じた適切な方法で撮影画像データが画像分析され、本物か否かが判定される。
【0101】
真贋判定処理において対象物品が本物でないと判定した場合、評価部13は、対応する処理を実行する。例えば評価部13は、対象物品が本物でない可能性があることをオペレータに通知する。これによればオペレータは、撮影画像データをより詳細に確認する等の処置を行うことができる。本実施形態では、真贋判定処理において対象物品が本物でないと判定した場合、評価部13は、以下の査定額の導出は行わない構成である。ただし、評価部13が偽物としての査定額を導出する構成でもよい。いずれの場合であっても、評価部13は、真贋の判定の結果を反映して対象物品を査定(評価)していることになる。
【0102】
次いで評価部13は、状態認識処理を実行する。状態認識処理に関し、本例では対象物品はバッグであり、撮影画像データには、バッグの正面の全域の画像が記録されている。評価部13は、撮影画像データを画像処理し、バッグの正面について傷や、汚れ、凹み、摩耗、部品の欠損等の劣化に関連する要素の状況を反映して物品状態レベルを導出する。
【0103】
次いで評価部13は、査定額導出処理を実行する。本例に係る査定額導出処理において評価部13は、対象最深分類に対応する査定額テーブルを参照する。対象最深分類に対応する査定額テーブルは、型番がとり得る値と、物品状態レベルがとり得る値との組み合わせごとに参考査定額が対応付けられたテーブルである。評価部13は、査定額テーブルにおいて対象物品についての型番と物品状態レベルとの組合せと対応付けられた参考査定額を取得し、これを査定額とする。
【0104】
以上が、対象最深分類が「バッグ(物品分類)>ブランドB1(物品分類)」の場合に評価部13が実行する査定処理である。なお査定処理における処理の順番は、本実施形態で例示した順番に限られない。以上の説明の通り、本実施形態によれば、対象物品の外観に関する状態に加えて、対象物品の画像を対象とする画像分析により認識された型番、および、対象物品の画像を対象として行われた真贋の判定の結果が反映されて対象物品の査定(評価)が行われるため、複数の異なる観点で対象物品を査定できる。特に本実施形態では、査定にあたって本物かどうかが重要であるという点を鑑み、対象物品を対象とする真贋判定が行われ、真贋判定の結果が反映されて評価部13により対象物品の査定がなされるため、その点で、より的確に対象物品を査定できる。
【0105】
その際に対象物品の外観に関する状態の認識と、画像分析による型番の認識と、画像分析による真贋判定とは、共通する撮影画像データに基づいて行われる。従って対象ユーザは、対象物品の査定にあたって対象物品を撮影すればよく、例えば所定のユーザインタフェイスにおいて型番を入力したり、真贋判定のための情報を提供したりする作業を行う必要がない。特に本実施形態では、対象ユーザは、対象物品(バッグ)の外観に関する状態の認識に利用する撮影画像データを生成するための撮影と、型番の認識に利用する撮影画像データを生成するための撮影と、真贋判定に利用する撮影画像データを生成するための撮影とを分けて行う必要がなく、その点でもユーザの作業が少ない。すなわち本実施形態によれば、ユーザの作業を減らしつつ、複数の異なる観点で物品を評価できる。
【0106】
以上、複数のケースについて査定処理について説明した。査定処理により査定額が導出された後は、上述した通り、対象ユーザの同意の下、サービス提供会社によって査定額で対象物品が買い取られ、査定額相当の金銭が対象ユーザに提供されると共に、リース料の支払いを条件として対象物品が対象ユーザにリースされる。
【0107】
次に、サーバ3(情報処理装置)による情報処理方法について、フローチャートを用いて説明する。図10は、サーバ3の動作例を示すフローチャートである。図10で示すように、サーバ3の評価部13は、対象物品が対象ユーザにより撮影されて生成された撮影画像データをネットワークN経由で端末2から取得する(ステップSA1)。
【0108】
次いでサーバ3の評価部13は、撮影画像データに記録された対象物品の画像を画像分析して対象物品の外観に関する状態を認識すると共に、対象物品の画像に含まれる文字の画像を対象として文字認識する処理、対象物品の画像を画像分析して対象物品の型番を認識する処理、および、対象物品の画像を画像分析して対象物品の真贋を判定する処理の何れか1つの処理を少なくとも実行する(ステップSA2)。次いでサーバ3の評価部13は、認識した対象物品の外観に関する状態と、認識した文字、認識した型番および真贋の判定の結果のうち少なくとも1つとを反映して対象物品を評価する(ステップSA3)。
【0109】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0110】
例えば上記実施形態では、評価部13が導出した査定額で対象物品を買い取るシステムではなく、単に導出した査定額を提示するシステムに本発明を適用可能である。また例えば、サービス提供会社が買い取った対象物品をリースによりユーザの手元に置いておけるようにするのではなく、所定の手段で対象ユーザからサービス提供会社に引き渡されるシステムに本発明を適用可能である。
【0111】
また対象物品の評価は、金銭的な価値を導出することに限られず、例えば、評価部13が、対象物品をランク付けする構成でもよい。
【0112】
また撮影画像データから文字認識により文字として認識する情報は、本実施形態で例示するものに限られない。撮影画像データから文字認識により文字として認識する情報は、評価部13による対象物品の評価に影響を与えものであればよい。一例として、対象物品が製造された時期が分かる情報(製造年月日)や、対象物品がどのような方法で使用されたかが分かる情報、対象物品がどのような環境で使用されたかが分かる情報等であってもよい。
【0113】
また上記実施形態では、対象最深分類が「ノートパソコン(物品分類)>Windows(物品分類)>メーカMK1(物品分類)」の場合、「スマートフォン(物品分類)>iOS(物品分類)」の場合、および、「バッグ(物品分類)>ブランドB1(物品分類)」の場合のそれぞれの場合において、評価部13が撮影画像データ取得処理を通して取得する撮影画像データは1つであった。しかしながら、これは、評価部13が対象物品の評価(上記実施形態では査定)にあたって、取得する撮影画像データが「1つ」に限定されることを意味するものではない。
【0114】
例えば対象最深分類が「ノートパソコン(物品分類)>Windows(物品分類)>メーカMK1(物品分類)」の場合に、評価部13がノートパソコンを閉じたときの表面が撮影されて生成された撮影画像データを更に取得し、この撮影画像データを更に使用して状態認識処理を実行する構成でもよい。また例えば対象最深分類が「スマートフォン(物品分類)>iOS(物品分類)」の場合に評価部13が、筐体の背面が撮影されて生成された撮影画像データを更に取得し、この撮影画像データを更に使用して状態認識処理を実行する構成でもよい。また例えば対象最深分類が「バッグ(物品分類)>ブランドB1(物品分類)」の場合に評価部13が、バッグの背面が撮影されて生成された撮影画像データを更に取得し、この撮影画像データを更に使用して状態認識処理、型番認識用画像分析処理および真贋判定処理のうち少なくとも1つを実行する構成でもよい。
【0115】
またシステム関連情報(当然、他の情報であってもよい)において、撮影されるべき情報が離間して配置されており、撮影されるべき情報を撮影するためには、2回以上撮影を行う必要がある場合には、当然、2回以上撮影が行われ、評価部13は、2つ以上の撮影画像データを取得する。
【0116】
また、端末2のタッチスクリーン4に表示される各種画面を説明したが、各画面の内容は、説明した内容に限定されない。
【0117】
また対象最深分類が「ノートパソコン(物品分類)>Windows(物品分類)>メーカMK1(物品分類)」の場合、および、「スマートフォン(物品分類)>iOS(物品分類)」の場合について、評価部13が不正可能性調査処理を実行しない構成でもよい。逆に対象最深分類が「バッグ(物品分類)>ブランドB1(物品分類)」の場合に、個別番号を取得可能な場合には、評価部13が不正可能性調査処理を実行する構成でもよい。
【0118】
また上記実施形態において、評価部13が各種画面を表示させた媒体は端末2であった。この点について評価部13が、端末2以外のディスプレイを有する装置であって、対象ユーザがディスプレイを視認可能な装置に各種画面を表示させる構成でもよい。
【0119】
また対象最深分類が「ノートパソコン(物品分類)>Windows(物品分類)>メーカMK1(物品分離)」の場合(当然これと同等の場合を含む)について、評価部13がスペック認識処理を実行せず、スペックを反映せずに査定を行う構成でもよい。例えば対象物品が電子辞書のように型番が同じであればスペックが変わらないと想定される物品である場合には、評価部13がスペックに関する処理を実行する必要はない。また対象最深分類が「スマートフォン(物品分類)>iOS(物品分類)」の場合(当然これと同等の場合を含む)について、評価部13が支払状況認識処理を実行せず、支払状況を反映せずに査定を行う構成でもよい。これらの場合、対象物品は、ディスプレイを有し、型番を少なくとも含むシステム関連情報をディスプレイに表示可能であるという特徴、及び、ディスプレイの正面を含む部位に生じた劣化が評価に影響を与えるという特徴の2つの特徴を備える電子機器である。そして評価部13は、システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、ディスプレイの正面を含む対象物品の外観が撮影されて生成された撮影画像データを取得する。評価部13は、撮影画像データに記録された対象物品の画像を画像分析して対象物品のディスプレイの正面を含む部位についての外観に関する状態を認識する処理、および、撮影画像データに記録されたシステム関連情報の画像を対象として文字認識することによって型番を認識する処理を実行する。評価部13は、認識した対象物品のディスプレイの正面を含む部位についての外観に関する状態、および、認識した型番を反映して対象物品を評価する。更に評価部13は、対象ユーザにより対象物品を対象とする撮影が行われる際に、撮影に先立って対象物品の分類(最深分類)を認識し、認識した分類が上述した2つの特徴を備える電子機器が属する分類である場合には、システム関連情報がディスプレイに表示された状態で、ディスプレイの正面を含む部位が撮影されるよう案内する画面を端末または対象ユーザが視認可能な装置に表示させる。
【0120】
また対象最深分類が「バッグ(物品分類)>ブランドB1(物品分類)」の場合(当然これと同等の場合を含む)について、評価部13が真贋判定処理を実行せずに査定を行う構成でもよい。この場合、対象物品は、物品に文字としての型番が記録されていない場合がある一方、型番を物品の外観から判定可能であるという1つの特徴を備える物品であり、評価部13は、対象物品の外観が撮影されて生成された撮影画像データを取得し、撮影画像データに記録された対象物品の画像を画像分析して対象物品の外観に関する状態を認識する処理、および、対象物品の画像を画像分析して対象物品の型番を認識する処理を実行し、認識した対象物品の外観に関する状態、および、認識した型番を反映して対象物品を評価する。更に評価部13は、対象ユーザにより対象物品を対象とする撮影が行われる際に、撮影に先立って対象物品の分類を認識し、認識した分類が1つの特徴を備える物品が属する分類である場合には、生成される撮影画像データが型番の認識に利用可能なデータとなるように対象物品の外観が撮影されるよう案内する画面を端末2または対象ユーザが視認可能な装置に表示させる。
【0121】
また上記実施形態では、評価部13が査定額テーブルを利用して査定額を導出する構成であったが、査定額の導出方法は例示した方法に限られない。一例として評価部13が、査定額の導出に利用する各種要素をパラメータとする計算式を利用して査定額を導出する構成でもよい。
【0122】
また上記実施形態では、文字認識の対象となるオブジェクトは基本的にはシステム関連情報であったが、文字認識の対象となるオブジェクトはシステム関連情報に限られない。例えば、電化製品等に貼付される銘板ラベル(銘板シールと呼ばれることもある)を文字認識の対象となるオブジェクトとしてもよい。この他、対象物品、或いは、対象物品に付随する物体に、刻印、印刷、媒体の頒布、その他の手段で記録された文字の情報を文字認識の対象となるオブジェクトとしてもよい。
【0123】
また上記実施形態では、端末2はスマートフォンであったが、端末2がスマートフォンに限られず、例えば、端末2は、端末機能を有さないタブレット端末やノートパソコンであってもよい。
【符号の説明】
【0124】
1 情報処理システム
2 端末
3 サーバ(情報処理装置)
13 評価部
【要約】
【課題】撮影画像データに基づいて物品を評価する情報処理装置について、ユーザの作業を減らしつつ、複数の異なる観点で物品を評価できるようにする。
【解決手段】サーバ3は、対象物品が対象ユーザにより撮影されて生成された撮影画像データをネットワーク経由で端末から取得し、撮影画像データに記録された対象物品の画像を画像分析して対象物品の外観に関する状態を認識すると共に、対象物品の画像に含まれる文字の画像を対象として文字認識する処理、対象物品の画像を画像分析して対象物品の型番を認識する処理、および、対象物品の画像を画像分析して対象物品の真贋を判定する処理の何れか1つの処理を少なくとも実行し、認識した対象物品の外観に関する状態と、認識した文字、認識した型番および真贋の判定の結果のうち少なくとも1つとを反映して対象物品を評価する評価部13を備える。
【選択図】図2
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