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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】ゴミ箱
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/16 20060101AFI20220421BHJP
【FI】
B65F1/16
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017215623
(22)【出願日】2017-11-08
(65)【公開番号】P2019085241
(43)【公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】394016874
【氏名又は名称】河淳株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】特許業務法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 文勇
(72)【発明者】
【氏名】塚田 悠太
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-059506(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0201267(US,A1)
【文献】米国特許第05511807(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0205195(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0200508(US,A1)
【文献】登録実用新案第3012865(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 1/00- 1/16
B65D43/00-43/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口のゴミ収容容器と、
該ゴミ収容容器の下に、シーソー状に回動可能に付設されるペダル部と、
該ゴミ収容容器の上部開口に左右両開きに開閉自在に付設される一対の蓋と、
該ゴミ収容容器の後ろ側において、ペダル部の後方端と一対の蓋を連結する連結体と、
を有し、
該ゴミ収容容器の後ろ側寄りの蓋の裏面には、連結体の係止丸棒部が係止する係止孔を有する係止突起がそれぞれ形成され、
該連結体は、下端がペダル部の後方端と回動自在に接続する上下方向に延びる縦部と、 該縦部の上方に位置しゴミ収容容器の前方向に延びる該係止丸棒部とを有し、
該係止孔は、該蓋が閉状態において、縦方向に長い長孔であり、該長孔の上端部および下端部がアール形状であり、上端部のアール形状は、下端部のアール形状より緩やかな曲線のアールであり、
該ペダル部を踏むことで、該連結体が上方に持ち上がり、蓋が両開きとなり、該ペダル部の踏み込みを解除することで、該連結体が下方に下がり、蓋が閉じるものであり、
該蓋が閉じた際、該係止丸棒部は、該係止孔の下端部には当接せず、該係止孔の該上端部に近接又は当接し、該蓋が両開きとなった際、該係止丸棒部は、該係止孔の上端部には当接せず、該係止孔の該下端部に当接していることを特徴とするゴミ箱。
【請求項2】
該蓋は、板状体の左蓋と、平面で見て同形状の右蓋であり、該左蓋は、該ゴミ収容容器の上端近傍で、正面視で反時計周りに回動自在に付設され、該右蓋は、該ゴミ収容容器の上端近傍で、正面視で時計周りに回動自在に付設されことを特徴とする請求項1記載のゴミ箱。
【請求項3】
該蓋は、天板、左右側板および前後側板を有し、該前後側板にそれぞれ係止突起が形成され、該ゴミ収容容器の上端近傍には、該係止突起と回動自在に係止する係止凹部が形成されることを特徴とする請求項1または2記載のゴミ箱。
【請求項4】
該連結体は、該縦部の上端に連接する左右方向に延びる横丸棒部を有し、該係止丸棒部は、該横丸棒部の両先端部が屈曲して前方に延出したものであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のゴミ箱。
【請求項5】
該上端部のアール形状と該下端部のアール形状を結ぶ中間部であって、蓋が閉じた状態における左右方向の内側部が、内側方向に突のアール形状であることを特徴とする請求項1記載のゴミ箱。
【請求項6】
該上端部のアール形状と該下端部のアール形状を結ぶ中間部であって、蓋が閉じた状態における左右方向の外側部が、直線形状であることを特徴とする請求項5記載のゴミ箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペダル方式の左右開閉蓋を有するゴミ箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ペダル方式の開閉蓋を有するゴミ箱は、種々提案されている。米国特許4865214には、上部開口部を有する容器と、容器に取り付けられ、旋回軸の周りを旋回して上部開口部を開閉する蓋と、蓋を回動自在とする機構が設けられている。この機構は、ペダル部と、蓋と一体に結合された蓋フランジと、ペダル部と蓋フランジとを相互に連結するロッド連結体とを有する。また、蓋フランジは、その厚さを通して形成された細長い孔を有する。細長い孔は、チャネルと、その両端に位置する2つの拡大部とを有する。このゴミ箱によれば、ペダル部を踏むことで、ペダル部が回動して後方端部が上方へ動き、ロッド連結体を押し上げ、これによりロッド連結体の上端部が、チャネルを通って2つの拡大部の内のひとつに係止することで、蓋フランジが回動し、これに伴い蓋が開くものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許4865214号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ペダル方式の開閉蓋を有するゴミ箱は、通常、使用時、蓋は略起立状に開く。このため、蓋の開きを許容するための上方の空間が必要となる。家庭用のゴミ箱は、通常、部屋の隅に置かれる。この場合においても、ゴミ箱を置く一定の設置面積が必要となる。ゴミ箱の設置位置は、設置場所の都合、使用者の使用勝手や趣向など種々の要因で決定され、その内、机の下や棚の下など、上部空間が制限された場所に設置される場合がある。この場合、ペダル方式の開閉蓋を有するゴミ箱は、蓋が半開きとなり、実質的に使用できないという問題がある。また、従来のゴミ箱は、ペダルの踏み込み及び踏み込みの解除による蓋の動作反応は、必ずしも素早いものではないという問題があった。
【0005】
従って、本発明の目的は、蓋の開閉が円滑で且つペダルの動きに素早く反応し、上部空間が制限された場所においても、使用できるペダル方式の開閉蓋を有するゴミ箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、1つの開閉蓋を2つに分割して特定構造の両開きの蓋とすれば、円滑に蓋が開閉すると共に、上部空間の高さを半分に減らせること等を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、上部開口のゴミ収容容器と、該ゴミ収容容器の下に、シーソー状に回動可能に付設されるペダル部と、該ゴミ収容容器の上部開口に左右両開きに開閉自在に付設される一対の蓋と、該ゴミ収容容器の後ろ側において、ペダル部の後方端と一対の蓋を連結する連結体と、を有し、該ゴミ収容容器の後ろ側寄りの蓋の裏面には、連結体の係止丸棒部が係止する係止孔を有する係止突起がそれぞれ形成され、該連結体は、下端がペダル部の後方端と回動自在に接続する上下方向に延びる縦部と、該縦部の上方に位置しゴミ収容容器の前方向に延びる該係止丸棒部とを有し、該ペダル部を踏むことで、該連結体が上方に持ち上がり、蓋が両開きとなり、該ペダル部の踏み込みを解除することで、該連結体が下方に下がり、蓋が閉じることを特徴とするゴミ箱を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、該蓋は、板状体の左蓋と、平面で見て同形状の右蓋であり、該左蓋は、該ゴミ収容容器の上端近傍で、正面視で反時計周りに回動自在に付設され、該右蓋は、該ゴミ収容容器の上端近傍で、正面視で時計周りに回動自在に付設されことを特徴とする前記ゴミ箱を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、該蓋は、天板、左右側板および前後側板を有し、該前後側板にそれぞれ係止突起が形成され、該ゴミ収容容器の上端近傍には、該係止突起と回動自在に係止する係止凹部が形成されることを特徴とする前記ゴミ箱を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、該連結体は、該縦部の上端に連接する左右方向に延びる横丸棒部を有し、該係止丸棒部は、該横丸棒部の両先端部が屈曲して前方に延出したものであることを特徴とする前記ゴミ箱を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、該係止孔は、該蓋が閉状態において、縦方向に長い長孔で上端部および下端部はアール形状であり、上部のアール形状は、下部のアール形状より緩やかな曲線のアールであることを特徴とする前記ゴミ箱を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上部空間が制限された場所において、従来の片開き蓋のゴミ箱に対して、半分の上部空間があればよく、使用できる場所の選択が広まる。また、ペタル部の踏み込み及び踏み込みの解除で、蓋の動作が早く且つ円滑に蓋の開閉ができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態におけるゴミ箱の斜視図である。
図2図1のゴミ箱の他の斜視図である。
図3図1のゴミ箱の分解斜視図である。
図4図1のゴミ箱を構成するゴミ収納容器の斜視図である。
図5図1のゴミ箱を構成する蓋の平面図である。
図6図1のゴミ箱を構成する蓋の側面図である。
図7図1のゴミ箱を構成する蓋の断面図である。
図8図1のゴミ箱の断面図である。
図9図1のゴミ箱の蓋の開き動作を説明する図であり、(A)、(B)、(C)の順で開きが大きくなる。
図10図1のゴミ箱の蓋の開き動作を説明する他の図であり、(D)、(E)、(F)の順で開きが大きくなる。
図11図1のゴミ箱の蓋の開き動作を説明する他の図であり、(G)、(H)の順で開きが大きくなる。
図12図1のゴミ箱の蓋の閉まり動作を説明する図であり、(A)、(B)、(C)の順で開き角度が小さくなる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態におけるゴミ箱を図1図12を参照して説明する。本明細書において、「左右」および「前後」は、ペダル部を正面(手前)側として見た方向を言う。
【0015】
ゴミ箱10は、上部開口のゴミ収容容器1と、ゴミ収容容器1の下に、シーソー状に回動可能に付設されるペダル部3と、ゴミ収容容器1の上部開口に左右両開きに開閉自在に付設される一対の蓋2(21a、21b)と、ゴミ収容容器1の後ろ側において、ペダル部3の後方端33と一対の蓋2を連結する連結体4と、を有する。ゴミ収納容器1において、開いた扉2の上部開口からゴミが投入される。
【0016】
ゴミ収納容器1は容器本体11を有する。容器本体11において、上部開口近傍の縁部の形状としては、平面視が矩形状で且つ板状体である一対の蓋2が設置される形状であれば、特に制限されない。すなわち、容器本体11の上端の外寸法は、平面視で一対の蓋を横並びでほぼ隙間なく設置した場合の外寸法と同じである。すなわち、容器本体11の厚みで形成される上端面と一対の蓋2の裏面が当たり、これにより容器本体11が一対の蓋2を支持する。
【0017】
ゴミ収納容器1において、容器本体11の上端の前後辺部には、容器本体11から上方に延びる高さが蓋の厚みと略同じの上部前後起立部12a、12bが形成されている。また、上部前後起立部12a、12bの内側で、且つ左右端部には、蓋2の係止凸部22が係止する係止凹部(都合4箇所)14が形成されている。これにより、係止凹部14には、蓋2に付設された係止凸部22が係止し、蓋2の左右開閉を自在にすると共に、上部前後起立部12a、12b間に蓋が設置されることになる。なお、係止凹部14は、本例では、丸穴である。また、本例では、容器本体11は下方に向けて若干細い四角形の箱状体である。これにより、ペダル部3の容器本体11から前方への突出を抑え、収納容積を犠牲にすることなく、設置安定性が優れたものとなる。また、容器本体11の背面板の後ろ側および底板の裏側には、ペダル部本体32と連結体4が通るL字断面の空間(切り欠き部)16が形成されている。これにより、連結体4の係止丸棒部43、43が蓋21a、21bの裏面に形成される係止突起5、5の係止孔51、51に係止できる。また、容器本体11の背面板の上部には、連結体4が通る貫通孔15が形成されている(図3参照)。また、容器本体11の底部には、ペダル部本体32を回動自在に支持する軸34が通る軸孔18、18が形成されている(図4参照)。また、容器本体11の前側板の裏側には、ダンパー9を収納するダンパー収納孔17が形成されている(図8参照)。
【0018】
一対の蓋2は、板状体の左蓋21bと、平面から見て同形状の右蓋21aであり、左蓋21bは、ゴミ収容容器1の上端近傍で、正面視で反時計周りに回動自在に付設され、右蓋21aは、ゴミ収容容器1の上端近傍で、正面視で時計周りに回動自在に付設されるものである。左蓋(右蓋)21a、21bは、本例では、天板、左右側板および前後側板27、27を有する平面視が矩形状で且つ裏側がくり抜かれた浅底の蓋形状となっている。また、ゴミ収容容器1の後ろ側寄りの蓋2の裏面で且つ左右方向の外側寄りには、連結体4の係止丸棒部43が係止する係止孔51を有する係止突起5がそれぞれ形成されている。
【0019】
係止孔51は、貫通孔であり、蓋2が閉まった状態において、縦方向に長い長孔で上端部の内周面511および下端部の内周面512はアール形状であり、上端部のアール形状は、下端部のアール形状より緩やかな曲線(曲率の小さな曲線)を有するアールである。また、係止孔51の左右方向の内側の内周面513は緩やかなアール形状である(図7参照)。係止孔51をこのような形状とすることで、左右両開き動作が円滑になる。なお、係止孔51の左右方向の外側の内周面514は直線であってもよい。すなわち、係止孔51の左右方向の外側の内周面514の形状は、本例では、直線を含むものである。係止孔51の左右方向の外側の内周面514は、係止する連結体4の係止丸棒部43の上方への動きに影響されず、曲線とする必要はないものの、蓋2を閉める始動時に、係止丸棒部43が素早く当たるため、蓋2の閉まりの始動が早くなる。また、連結体4が前後に暴れることを防止できる。また、蓋2を構成する前後側板27、27で且つ横方向(左右方向)の外側の端部近傍には、係止凸部22、22が付設されている。係止凸部22、22は、本例では、円柱状の小突起であり、上部前後起立部12a、12bの係止凹部14、14と回動自在に嵌る。
【0020】
連結体4は、ペダル部3と蓋2を連結するものであり、ペダル部3を踏むことで、連結体4が上方に持ち上がり、蓋2が両開きとなり、ペダル部3の踏み込みを解除することで、連結体4が下方に下がり、蓋2が閉じることになる。すなわち、連結体4は、下端がペダル部3の後方端33と回動自在に接続する略起立状の縦部41と、ゴミ収容容器1の前方向に延びる係止丸棒部43とを有するものであり、本例では、2つの縦丸棒部411、411と、縦丸棒部411、411の下端同士を接続する横丸棒部412とからなる縦長U字形状の縦部41と、縦部41の上端に連接する横丸棒部412と、横丸棒部412の両端から屈曲して前方に延出する係止丸棒部43、43とを有する。すなわち、連結体4はロッドで構成されている。
【0021】
ペダル部3は、略板状体であり、ゴミ収容容器1の下に、シーソー状に回動可能に付設されるものである。ペダル部3は、使用時に見える部分である、容器本体11から前方へ延出する受圧部31と、容器本体11の下部でシーソー状に回動自在に軸支されるペダル部本体32と、ペダル部本体32の後端で連結体4と回動自在に係止するペダル部係止部33とを有する。ペダル部係止部33は、連結体4の横丸棒部412と回動自在に係止するものであり、本例では、半円断面の凹部である。ペダル部係止部33の半円を構成する開口は、正面に向いている。なお、ペダル部本体部32の前部には、有底の縦孔であるダンパー孔35が形成されている。ダンパー孔35にはダンパー9が設置され、ペダル部3の踏み込みを解除した際の急激な戻りを緩和する。また、ペダル部3の長手方向の中心より手前側には、容器本体11に回動自在に付設される左右方向の外側に延びる軸突起34が形成されている。なお、軸突起34は、容器本体11の軸孔18に回転自在に嵌合する。
【0022】
次に、ゴミ箱の使用方法について図1、2、8、9~12を参照して説明する。図1のゴミ箱10は未使用時であり、待機状態にある。また、ゴミ箱10は、上方空間が狭い、部屋の片隅に設置されている。この待機状態において、ペダル部3は、ペダル部本体32の後端及び連結体4は最下点に位置している。これにより、一対の蓋2は寝た状態(閉じた状態)であり、左右側板の突合せ先端面(側面)はほぼ隙間なく対峙し、両開きの蓋21a、21bは閉まっている。この状態において、連結体4の係止丸棒部43は、蓋2の係止孔51の上端のアール部511に近接又は僅かに当たっていることが好ましい。このゴミ箱10はごみ収容容器1の中身(ごみ)が見えず、意匠性に優れる。
【0023】
次に、ゴミ箱10にゴミを捨てる場合、先ず、ペダル部3の受圧部31を踏み込む。これにより、ペダル部3の後端は上方に上がり、これにより連結体4も上方に上がる。蓋2の係止突起5の係止孔51と連結体4の係止丸棒部43の係止位置は、蓋2とゴミ収納容器1側の上部前後起立部12a、12bとの軸支位置より、前後方向における正面側に位置しているため、連結体4が上方に上がると、それに連動して蓋21a、21bも左右方向に開く。
【0024】
次に、蓋21a、21bが閉じた状態から開く過程における蓋21a、21bの係止突起の係止孔51と連結体4の係止丸棒部43の係止関係を、図9図11の(A)~(H)を参照して説明する。蓋21a、21bが閉じた状態において、連結体4の係止丸棒部43は、蓋21a、21bの係止孔51の上端に当たっている。連結体4の係止丸棒部43が上方に上げるに連れて、蓋21a、21bは係止凸部(軸)22の軸芯を回転中心として、回転する(左右に開く)。連結体4の係止丸棒部43は上下方向に動く一方、係止突起(蓋)5は、蓋21a、21bの係止凸部22の軸芯を回転中心として回転する。このため、蓋21a、21bの開きが小さい段階(図9の(A)~(E))では、係止丸棒部43は係止孔51の上端部の緩やかなアール部511に当たっている。蓋21a、21bの開きが大きくなるに連れ、係止丸棒部43は係止孔51の左右方向(蓋が閉じた状態における方向)の内側方向に移動する。係止孔51の左右方向の内側部分513が、アール形状となっており、係止丸棒部43と係止孔51は円滑に係止する(図9の(F)~(G))。更に蓋21a、21bの開きが大きくなり、蓋21a、21bが、起立状から反り返る角度に大きく開く場合、係止丸棒部43は係止孔51の左右方向の内側部分513から下端部512に移動する(図9の(G)~(H))。このように、係止丸棒部43は、蓋21a、21bが開く際は、係止孔51の上端部511のアール形状から係止孔51の左右方向の内側部分513のアール形状を経由して、係止孔51の下端部512のアール形状に移動する。
【0025】
次に、蓋21a、21bを閉じる場合、ペダル部3の踏み込みを外す。この場合、ペダル部3の後端は、連結体4の重みにより下方に下がり、連結体4も下方に下がる。この場合、連結体4の係止丸棒部43は、係止孔51の下端512から係止孔51の左右方向(蓋が閉じた状態における)の外側部分514に当たる(図11の(H)及び図12の(A))。この係止孔51の左右方向の外側部分514は、直線形状であるため、蓋21a、21bの閉じる始動は素早くなる。連結体4の係止丸棒部43が下方に下がり始めると、蓋21a、21bは起立状態からおじぎ状態になるため、蓋21a、21bの重さにより、蓋21a、21bは一気に閉まることになる(図12の(B)~(C))。なお、蓋21a、21bがおじぎ状態に入り、その重さにより一気に閉まる場合、係止丸棒部43は、係止孔51の内周形状にほとんど影響されず、動くことになる。
【0026】
ゴミ箱10によれば、蓋側の係止孔51の内周形状を特定の形状としたため、蓋2の係止孔51と係止丸棒部43の係止が円滑となり、蓋21a、21bの開き閉じが円滑となる。また、ペダル3の踏み込みで蓋2が素早く開き、踏み込みを外すことで、蓋2は素早く閉じる。また、1つの開閉蓋を2つに分割した両開きの蓋としたため、上部空間の高さを半分に減らすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明によれば、上部空間が制限された机の下や棚の下に設置できるため、使用場所の選択の余地が増え、使い勝手がよくなる。また、ペダルの踏み込みや踏み外しに素早く反応する。
【符号の説明】
【0028】
1 ゴミ収納容器
2 一対の蓋
3 ペダル部
4 連結体
5 係止突起
43 係止丸棒部
51 係止孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12