IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 上海睿▲ガオ▼信息科技有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-工作部品及びその切削加工における応用 図1
  • 特許-工作部品及びその切削加工における応用 図2
  • 特許-工作部品及びその切削加工における応用 図3
  • 特許-工作部品及びその切削加工における応用 図4
  • 特許-工作部品及びその切削加工における応用 図5
  • 特許-工作部品及びその切削加工における応用 図6
  • 特許-工作部品及びその切削加工における応用 図7
  • 特許-工作部品及びその切削加工における応用 図8
  • 特許-工作部品及びその切削加工における応用 図9
  • 特許-工作部品及びその切削加工における応用 図10
  • 特許-工作部品及びその切削加工における応用 図11
  • 特許-工作部品及びその切削加工における応用 図12
  • 特許-工作部品及びその切削加工における応用 図13
  • 特許-工作部品及びその切削加工における応用 図14
  • 特許-工作部品及びその切削加工における応用 図15
  • 特許-工作部品及びその切削加工における応用 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】工作部品及びその切削加工における応用
(51)【国際特許分類】
   B23C 5/12 20060101AFI20220421BHJP
   B23B 27/06 20060101ALN20220421BHJP
【FI】
B23C5/12 Z
B23B27/06
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018505513
(86)(22)【出願日】2016-04-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-06-07
(86)【国際出願番号】 CN2016078626
(87)【国際公開番号】W WO2016165576
(87)【国際公開日】2016-10-20
【審査請求日】2019-04-03
(31)【優先権主張番号】201510189240.5
(32)【優先日】2015-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517363355
【氏名又は名称】上海睿▲ガオ▼信息科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shanghai Ruigao Information Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room E3693,Building 1,5500 Yuanjiang Road,Minhang District,Shanghai,201111,P.R.C.
(74)【代理人】
【識別番号】100185694
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 隆志
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100175617
【弁理士】
【氏名又は名称】三崎 正輝
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼▲軼▼群
【審査官】中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】特開昭51-003489(JP,A)
【文献】米国特許第04243348(US,A)
【文献】特開昭61-086116(JP,A)
【文献】実開昭63-047818(JP,U)
【文献】米国特許第05647699(US,A)
【文献】特表2000-512582(JP,A)
【文献】米国特許第06186199(US,B1)
【文献】特表2011-506760(JP,A)
【文献】特開2013-073044(JP,A)
【文献】中国実用新案第203471019(CN,U)
【文献】中国実用新案第203711956(CN,U)
【文献】登録実用新案第3146879(JP,U)
【文献】特許第4039516(JP,B2)
【文献】特表2008-542049(JP,A)
【文献】再公表特許第2009/123192(JP,A1)
【文献】再公表特許第2010/092807(JP,A1)
【文献】中国実用新案第203470940(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 27/00-29/34
B23C 1/00-9/00
B24B 3/00-3/60
B24B 21/00-39/06
B27G 1/00-23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一アームと、第二アームと、固定部材に対応する少なくとも1つの装設部とを備える工作部品であって、
前記第一アームは柱状または板状を呈し、前記第二アームは柱状または板状を呈し、
前記第一アームの長さ方向の軸線は、前記第二アームの長さ方向の軸線と交わり、形成される交角は>0度、かつ<180度であり
記第一アームの長さ方向に沿った側面の少なくとも一部には、前記装設部及び第一押出部が形成され、
前記第一アームの長さ方向の先端に設置される第一ブレード部を更に備え
記第二アームの長さ方向の先端には第二押出部が形成され、
前記第二アームの長さ方向に沿った側面の少なくとも一部、前記装設部及び第二ブレード部を更に備え、
前記第一アームの側面及び前記第二アームの側面に設けられた前記装設部が固定部材と組み合わせられて、前記工作部品が他のオブジェクトに固定され、
前記第一ブレード部により、前記第一ブレード部に対向するオブジェクトに対する切削加工が行われた後、前記第一押出部により該切削加工で生じた切り屑が押し出され、更に前記第二ブレード部によりオブジェクトに対する切削加工が行われた後、前記第二押出部により切削加工で生じた切り屑が押し出されることを特徴とする、工作部品
【請求項2】
前記装設部及び固定部材の装設方式は圧力板及び固定面方式とすることを特徴とする、請求項1に記載の工作部品
【請求項3】
前記装設部及び固定部材の装設方式はネジ及び雌ネジ穴、リベット、及び/又は、ほぞによる装設方式とすることを特徴とする、請求項1に記載の工作部品
【請求項4】
更に、少なくとも1つの接続孔を備えることを特徴とする、請求項1に記載の工作部品
【請求項5】
前記接続孔は第一アームに設けられることを特徴とする、請求項4に記載の工作部品
【請求項6】
前記接続孔は第二アームに設けられることを特徴とする、請求項4に記載の工作部品
【請求項7】
前記接続孔は同時に第一アーム及び第二アームに設けられることを特徴とする、請求項4に記載の工作部品
【請求項8】
第一接続孔が少なくとも設けられる第一アームと、
第二接続孔が少なくとも設けられる第二アームと、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の工作部品
【請求項9】
第一接続孔が少なくとも設けられる第一アームと、
第二接続孔が少なくとも設けられる第二アームと、
を備え、
前記第一アームの軸線及び前記第二アームの軸線が相互に交わり形成される交角は>0度、且つ<180度であることを特徴とする、請求項1に記載の工作部品
【請求項10】
前記工作部品は“L”形状を呈することを特徴とする、請求項1に記載の工作部品
【請求項11】
前記第一アームの長さ方向の長さは、前記第二アームの長さ方向の長さに等しいかそれより長いことを特徴とする、請求項1に記載の工作部品
【請求項12】
前記第一アームの長さ方向に沿って少なくとも1つの第一接続孔が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の工作部品
【請求項13】
前記第二アームの長さ方向に沿って少なくとも1つの第二接続孔が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の工作部品
【請求項14】
その全体または裁断された一部分はカッターの切削に使用されることを特徴とする、請求項1に記載の工作部品
【請求項15】
その全体または裁断された一部分は切削工具の成形加工部の製造に使用されることを特徴とする、請求項1に記載の工作部品
【請求項16】
請求項1に記載の前記工作部品を更に含むことを特徴とする、切削工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具の製造に用いられる部材に関し、より詳しくは、切削工具の製造効率を高める工作部品に関する。
【背景技術】
【0002】
カッターは機械の製造において切削加工に用いられる工具であり、切削工具とも呼ばれる。大部分のカッターは機械に用いられ、基本的には金属材料の切削に用いられる。このため、“カッター”という用語は一般的に金属切削工具を指す。但し、材料科学の発展に伴い、様々な材料、例えば、エンジニアリングプラスチック及び炭素繊維複合材料等(CN203401118U参照)、が製品の製造及び加工に広く普遍的に応用されている。カッターは工作部品の加工表面の形式の違いにより、様々な外側面の加工に用いられるカッター、孔加工用カッター、ねじ山加工用カッター、歯車加工用カッター、及び切断用カッター等の種類に類別される。
【0003】
カッターの作業部分の構造は統合式、溶接式、及び機械挟持式の3種類に分けられる。統合構造は、ブレード本体が切削ブレードとなっている。溶接構造では、ブレードが鋼鉄のブレード本体に溶接される。機械挟持構造は2種類あり、その内の1種類ではブレードがブレード本体に挟持され、もう1種類では溶接されたブレードヘッドがブレード本体に挟持される。大きな直径の硬質合金カッターは一般的に溶接構造または機械挟持構造で製造される。
【0004】
切削加工において、ブレードは使用されると切れが悪くなり、頻繁にブレードの交換や再研磨を行わねばならず、更にはカッター全体を交換せねばならなくなることもあり、加工コストが増大する。このため、刃先交換式カッターが製造され(図1参照)、刃先が鈍くなった後に、ブレードがシフトすることにより他の刃先を使用可能になり、カッターのブレードの交換または再研磨を実現させて加工を継続させることができる。交換が便利であるほか、切削加工の時間及びコストも節約される。
【0005】
刃先交換式カッターに用いられるブレードの形状は、三角形(図2参照)、四辺形(図3参照)、五角形、凸三角形、円形(図4参照)、及び菱形(図5参照)等を呈する。ネジ等の可動性連結方式によりブレードがブレード本体に開設される溝やブレード溝内に挟持される。例えば、中国発明特許第ZL03809683.8号には切削工具が公開されており、これはブレード本体を備え、ブレード本体は少なくとも1つの凹穴を有し、凹穴は切削ブレード座の収納に適合する。これらの刃先交換式カッターは鋭利なブレード(Blade)を提供して被加工物に対する切削加工を行うが、被加工物に対する押し出し(Margin)や艶出し等の需要を満たすことは難しく、他のカッターを使用して押出方式で成形加工を行わねばならない。
【0006】
なお、中国特許第ZL200680033825.7号には切り粉の排出に用いられるフライスが公開されている。これは複数の切削ブレード座を有するフライス本体を備え、複数の切削ブレード座は前記ブレード本体の端部に連結され、フライス本体はその軸方向の反対の端部箇所に形成される。カッター連結方式により、フライス本体は刃先交換式ブレードとしてシフトすることにより切削ブレード座に固定される。各前記刃先交換式ブレードは角錐台の基本形状を有し、各刃先交換式ブレードの上面はフライスの切り粉排出端に対向させられ、且つ前記刃先交換式ブレードの主刃先は刃先交換式ブレードの上面から刃先交換式ブレードの底面方向に沿って延伸される。
【0007】
また、中国特許出願第201210582143.9号に公開される刃先交換式ブレードは、上表面と、上表面に対応する下表面と、周面とを有する。刃先交換式ブレードの主刃先は主前ブレード面に隣接するように上表面に形成される。少なくとも2つの主刃先は主刃先に沿う同等の交換点箇所に異なる軸方向前面角を有し、少なくとも2つの主前ブレード面は主刃先に垂直になると共にブレード軸線の水平断面箇所に異なる前ブレード面を有する輪郭角を含む。
【0008】
さらに、中国特許出願第201310119151.4号に公開される切削ブレードは、板状を呈するブレード本体を備え、ブレード本体は上表面、下表面、3面の側面及び3面の凹面が包囲することにより形成される。3面の側面及び3面の凹面は間隔を空けて配置され、且つ各側面及び各凹面は上表面と下表面との間に連接され、凹面は定位周面及び定位周面の2つの対角位置に別設されるブレード溝で構成される。ブレード溝及び上表面または下表面が交わることにより主刃先が形成され、ブレード溝及び側面が交わることにより横刃先が形成され、主刃先及び横刃先が連結されることにより刃先セットが形成される。前記ブレードは構造が簡単でコンパクトであり、汎用性が高く、使用が便利でコストパホーマンスが高い等の特徴を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の成形機の加工に用いられるカッターは、通常ブレードが必要な形態に予め加工された後、ブレード本体に溶接される方式で製造される。成形及び溶接方式の従来のカッターは機械により完成できず、よって操作する作業員の作業環境は劣悪であり、且つ製造加工過程が冗長で、品質管理が困難である。切れが鈍ったブレードに対する後進溶接及び再溶接が必要となり、更にはカッターを廃棄することもあり、再利用性が低く、資源及びエネルギーの浪費につながっている。刃先交換式カッターはブレードが一定角度回転することによりブレードの再利用及び高速交換を実現しているが、但し、成形加工においては複数のブレードが積み重ねられることで所要の刃口の形態が得られ、切削刃数が減少するため、切削効率が低下する。特に、何れかのブレードの切れが鈍った際に、単一のブレードの角度を調整することで必要な刃口形態を再形成することは困難である。また、刃先交換式カッターのブレードの各辺は全てブレード部であるため、切削のみ実行可能であり、工具の案内、支持、押し出し、艶出しはできず、従来の刃先交換式ブレードにより製造されるカッターは粗い加工にしか使用できなかった。
【0010】
本発明は、工作部品を提供し、切削工具、特に成形機の加工切削工具の加工品質を高めることを目的とする。特に真円度、表面粗さ及び直線度等を高める。
【0011】
本発明は、工作部品を提供し、切削工具、特に成形機の加工切削工具の生産及び製造速度を加速させることをもう一つのさらなる目的とする。
【0012】
本発明は、工作部品を提供し、切削工具、特に成形機の加工切削工具の生産及び製造コストを低下させることをもう一つのさらなる目的とする。
【0013】
本発明は、工作部品を提供し、切削工具、特に成形機の加工切削工具の使用効率を高めることをもう一つのさらなる目的とする。
【0014】
本発明は、工作部品を提供し、切削工具、特に成形機の加工切削工具の再利用率を高め、使用コストを低下させることをもう一つのさらなる目的とする。
【0015】
本発明は、工作部品を提供し、切削部として切削工具に装設され、押し出し方式で成形機の加工を実現させることをもう一つのさらなる目的とする。
【0016】
本発明は、切削工具を提供することをもう一つのさらなる目的とし、上述の工作部品を切削部とし、押し出し方式で被加工オブジェクトに対する成形加工を行う。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の工作部品は、第一外側面と、第二外側面と、第三外側面とを少なくとも備える。第三外側面は第一外側面及び第二外側面と交わり、交わる箇所には押出作用部が形成される。押出作用部は被加工オブジェクトに対する押し出しを行う押出部を含む。押出作用部により工作部品に対する支持及び案内が行われ、且つブレード部により切削された表面に対して押し出し及び艶出しが行われる。従来のブレード式の成形機のカッターと比較すると、仕上げ、直線度及び真円度等の加工品質が顕著に高まる。
【0018】
被加工オブジェクトの局部加工を実現するため、例えば、限定されないが穴の加工では、ブレード部を更に備え、切削加工が実施される。工作部品が切削部としてブレード本体に装設されると、ブレード部が押出作用部より先に被加工オブジェクトに対して作用する。
【0019】
本発明の他の工作部品は、板状を呈し、第一外側面と、第二外側面と、第三外側面とを備える。第三外側面は工作部品の側面としての第一外側面及び第二外側面と交わり、交わる箇所には押出作用部が形成される。
【0020】
本発明に係る工作部品には、固定部材に組み合わせられる少なくとも1つの装設部が更に設けられる。装設部は固定部材に組み合わせられて工作部品が他のオブジェクト、例えば、ブレード本体に固定される。
【0021】
本発明に使用される固定部材は、限定されないが、ネジ、ボルト、リベット、ピン、プラグ、及び圧力板等である。
【0022】
本発明の装設部は工作部品に位置し、工作部品の部分であって、または工作部品の一つの局部である。その具体的な形態は、穴、面及び溝等である。固定部材との装設方式は、限定されないが、ネジと雌ネジ穴、リベットと穴、ほぞ装設、圧力板と固定面、圧力板と溝等である。
【0023】
本発明の工作部品は、その接続孔によりカッターに固定または装設される。例えば、切削部としてブレード本体に装設され、成形加工を実施する。特に、押し出し方式で成形加工が行われ、溶接方式で固定する必要がなく、切削部の高速交換を更に実現する。
【0024】
本発明に係る工作部品は成形加工部として用いられ、ブレード本体に装設された後に加工が行われることにより、異なる部材の成形加工の要求を満たす。または、工作部品がブレード本体に装設される前に、工作部品が規格部品として加工され、大規模加工における工作部品の高速交換の要求を満たす。
【0025】
本発明に係る工作部品を成形加工部とし、前加工端を含む前外側面と、押出部を含む押出作用部と、を備える。押出部は被加工オブジェクトに対応する外形を提供し、成形加工の要求を満たす。例えば、穴の成形加工に対しては、押出部が弧形となり、前記弧形が穴の曲率半径に対応する。
【0026】
外側面は工作部品の形態を形成及び定義する露出される各面の総称である。前外側面は工作部品の運動方向を基礎とした前方の各面の総称である。後外側面は工作部品の運動方向を基礎とした後方の各面の総称である。ちなみに、工作部品の運動方向は変化し、工作部品の前外側面及び後外側面も追随して変化する。
【0027】
本発明の上述の工作部品は、重ね継手または裁断により多種多様な形状に形成される。例えば、限定されないが、階段状、歯状、柱状等に形成される。
【0028】
本発明の他の工作部品は、第一アームと、第二アームと、固定部材に組み合わせられる少なくとも1つの装設部とを備える。第一アームの軸線が通過する第一平面及び第二アームの軸線が通過する第二平面により形成される二面角の角度は>0度、且つ<180度である。
【0029】
本発明の他の工作部品は、第一アームと、第二アームと、少なくとも1つの接続孔とを備える。第一アームの軸線が通過する第一平面及び第二アームの軸線が通過する第二平面により形成される二面角の角度は>0度、且つ<180度である。
【0030】
本発明に係る工作部品では、接続孔が第一アームに設置され、または第二アームに設置され、或いは同時に第一アーム及び第二アームに設置される。
【0031】
本発明の他の工作部品は、
第一接続孔が少なくとも設けられる第一アームと、
第二接続孔が少なくとも設けられる第二アームと、を備え、
第一アームの軸線が通過する第一平面及び第二アームの軸線が通過する第二平面により形成される二面角の角度は>0度、且つ<180度である。
【0032】
本発明の他の工作部品は、第一接続孔が少なくとも設けられる第一アームと、第二接続孔が少なくとも設けられる第二アームとを備え、第一アームの軸線は第二アームの軸線と交わり、形成される交角は>0度、且つ<180度である。
【0033】
本発明の他の工作部品は、“L”形状を呈し、第一アームと、第二アームと、少なくとも1つの接続孔とを備える。
【0034】
本発明の他の工作部品は、“L”形状を呈し、第一アームと、第二アームと、少なくとも1つの接続孔とを備える。接続孔は、単独または同時に第一アームの軸方向及び第二アームの軸方向に沿って設置される。
【0035】
本発明に係る工作部品は、第一アームの横方向に第一押出作用部を備える。
【0036】
本発明に係る工作部品は、第一アームの前端に設置される第一ブレード部を更に備える。
【0037】
本発明に係る工作部品では、第二アームの前端に第二押出作用部が形成される。
【0038】
本発明に係る工作部品は、第二アームの横方向に設置される第二ブレード部を更に備える。
【0039】
本発明に係る工作部品は、第一アームが柱状または板状を呈する。
【0040】
本発明に係る工作部品は、第二アームが柱状または板状を呈する。
【0041】
本発明に係る工作部品では、第一アームの軸方向の長さが第二アームの軸方向の長さに等しいかそれより長い。
【0042】
本発明に係る工作部品には、第一アームの軸方向に沿って少なくとも1つの第一接続孔が設けられる。
【0043】
本発明に係る工作部品には、第二アームの軸方向に沿って少なくとも1つの第二接続孔が設けられる。
【0044】
本発明に係る工作部品では、第一アームの軸線が通過する第一平面及び第二アームの軸線が通過する第二平面により形成される二面角は>15度、且つ<140度である。
【0045】
本発明に係る工作部品では、第一アームの軸線が通過する第一平面及び第二アームの軸線が通過する第二平面により形成される二面角は90度である。
【0046】
本発明に係る工作部品では、第一アームの軸線が第二アームの軸線と交わり、形成される交角は90度である。
【0047】
本発明に係る工作部品では、接続孔が工作部品の固定及び装設作業に用いられる。
【0048】
本発明に係る工作部品がカッターに固定または装設される具体的な方式は、限定されないが、ねじ山、位置決めピン、ほぞ構造、リベット及び圧力ブロック等、及び螺着、ねじ山密封、平面密封、固持及び構造の粘着に使用される結合剤、例えば、限定されないが光硬化型接着剤、ホットメルト接着剤、またはエポキシ樹脂、アクリル酸エステル、ポリウレタン、二酸化ケイ素、強化シラン、或いはブチルゴム等の成分の溶剤/水性接着剤の組み合わせである。
【0049】
本発明に係る工作部品の材質は、限定されないが、工具鋼、高速度鋼、硬質合金、金属セラミック、セラミック、多結晶ダイヤモンド、単結晶ダイヤモンド、CBN及びPCBN等の超硬材料であり、これらの材質に更に塗布層が設けられてもよい。
【発明の効果】
【0050】
本発明の技術方法により以下の有益な効果を実現させる。
本発明に係る工作部品は、その全体または裁断された一部分がカッターの切削に用いられ、成形機のカッターの加工の低コスト化及び製造の高速化を実現させる。同時に、成形機のカッターの加工に用いられるブレードの交換を実現させる。
また、本発明に係る工作部品は、成形機のカッターの加工製造及びメンテナンスが容易で高速になる。特に、部材に対する押し出しを行うカッターの製造、交換及びメンテナンスが容易で高速になる。
なお、刃先交換式カッターと比較すると、本発明に係る工作部品は成形機によるカッターの加工速度が顕著に速まり、加工のサイズの精度、表面の仕上げ及び穴の直線度及び真円度が全て明確に高まる。
さらに、ブレードが溶接されて固定されるカッターと比較すると、本発明に係る工作部品はブレードの交換が容易であり、製造コストが顕著に低下する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】一実施形態における刃先交換式カッターの構造の概略図である。
図2】一実施形態における刃先交換式カッターに用いられるブレードの概略図である。
図3】他の実施形態における刃先交換式カッターに用いられるブレードの概略図である。
図4】他の実施形態における刃先交換式カッターに用いられるブレードの概略図である。
図5】他の実施形態における刃先交換式カッターに用いられるブレードの概略図である。
図6】一実施形態における成形加工に用いられる刃先交換式カッターの構造の概略図である。
図7】他の実施形態における成形加工に用いられる刃先交換式カッター構造の概略図である。
図8】成形加工に用いられる刃先交換式カッターの各ブレードの配置の拡大構造の概略図である。
図9】一実施形態における本発明に係る工作部品の構造の概略図である。
図10】他の実施形態における本発明に係る工作部品の構造の概略図である。
図11】他の実施形態における本発明に係る工作部品の構造の概略図である。
図12】一実施形態における本発明に係る工作部品を使用する切削工具の構造の概略図である。
図13】一実施形態における本発明に係る工作部品に用いられる成形加工部の構造の概略図である。
図14図8を左から右に観察する拡大構造の概略図である。
図15図13を左から右に観察する拡大構造の概略図である。
図16】他の実施形態における本発明に係る工作部品の俯瞰構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下では添付図面を参照しながら本発明の技術方法について詳細に説明する。本発明の実施形態は本発明の技術方法を説明するのみであり、制限するものではなく、好ましい実施形態を参照して本発明について詳細に説明する。本分野で通常知識を有する者ならば、本発明の技術方法の精神及び範囲を逸脱せずに行う改修や同等の効果を有する変更等も、全て本発明の権利要求の範囲に含まれることを理解できる。
【0053】
図1は一実施形態における刃先交換式カッターの構造の概略図であり、ブレード本体100を備える。ブレード本体100には複数の刃先交換式ブレード210が設置され、被切削オブジェクトに対する切削加工が行われる。刃先の切れが鈍った場合、ブレード210を回転させ、他の良好な刃先を被切削オブジェクトに接触する作業位置まで調整させてから切削加工を続ける。
【0054】
被切削オブジェクトの形状について要求がある場合、切削工具のブレードの形態に対する要求がより高くなる。図6は一実施形態における成形加工に用いられる刃先交換式カッターの構造の概略図であり、図7は他の実施形態における成形加工に用いられる刃先交換式カッターの構造の概略図である。図6及び図7に示されるように、曲線300は成形加工に必要なブレードの刃先形態を呈し、単一または少数(例えば、2枚)のブレードでは角度を調整しても不可能な形態であるため、複数の交換式の菱形刃220を重畳させることにより成形加工が実施可能となる。図8は複数の交換式の菱形刃220により1本の完全な曲線ブレードを獲得する実施方式を図示し、4枚の菱形刃220を異なる角度で重置させることにより第一角度310及び第二角度320、刃端と刃底とのオフセットD1、刃側突起の最高箇所と刃底との距離D2を獲得させる。図8によると、各ブレードの間には重置する部分が存在し、更に対応する4つのブレード溝を設置させて菱形刃220を収納させねばならず、カッターの製造にとっての多くの困難をもたらす。また、使用においては、完全な切断面を成形するには4つのブレード溝が必要であり、カッターが1周回転すると材料に深い切れ目が形成されるが、これは1枚刃のカッターと同等の効果であるため、加工効率が低下する。
【0055】
図14図8を左から右に観察する拡大構造の概略図である。複数の刃先交換式ブレードを採用して形成されるカッターは、その刃先230は切削(Blade)加工にのみ適用可能であり、押し出し(Margin)加工には応用できない。
【0056】
図16は一実施形態における本発明に係る工作部品の俯瞰構造の概略図である。図16に示されるように、本発明に係る工作部品は第一外側面500と、第二外側面600と、第三外側面700とを備える。第三外側面700は第一外側面500及び第二外側面600と交わり、交わる箇所(即ち、第一外側面、第二外側面及び第三外側面が包囲することにより形成される局部領域)には押出作用部が形成される。押出作用部は押出部を含み、押し出しが行われる。単独または同時に第一外側面及び第二外側面が加工されてブレード部(図示せず)が形成され、切削加工が行われる。
【0057】
本実施形態に係る工作部品は、板状を呈し、重ね継手により多様な形状の工作部品が形成される、例えば、制限されないが、階段状、歯状及び柱状等である。
【0058】
図9は他の実施形態における本発明に係る工作部品の構造の概略図であり、図10は他の実施形態における本発明に係る工作部品の構造の概略図であり、図11は他の実施形態における本発明に係る工作部品の構造の概略図である。図9図10及び図11に示されるように、本発明に係る工作部品400は第一アーム410と、第二アーム420と、固定部材に組み合わせられる少なくとも1つの装設部とを備える。本実施形態において、装設部の形態は穴、ネジ、ボルト、リベット、ピン、及びプラグ等の固定部材により装設される。第一アーム410には第一接続孔411が少なくとも設けられ、第二アーム420には第二接続孔412が少なくとも設けられる。
【0059】
本実施形態において、工作部品400は“L”形状を呈し、第一アーム410の軸方向の長さは第二アーム420の軸方向の長さより長い。第一アームの軸線は第二アームの軸線と交わり、形成される交角は>0度、且つ<180度であり、特に90度である。
【0060】
第一アーム410は柱状または板状を呈し、横方向には押出部412を備える。加工の需要に応じてその前端に第一ブレード部413が設置され、工作部品が加工に用いられる際に、第一ブレード部413により先ずオブジェクトに対する切削加工が実施され、その後に押出部412による押し出しが実施される。
【0061】
第二アーム420は柱状または板状を呈し、その前端には押出部422を備える。加工の需要に応じてその前端に第二ブレード部423が設置され、工作部品が加工に用いられる際に、第二ブレード部423により先ずオブジェクトに対する切削加工が実施され、その後に押出部422による押し出しが実施される。
【0062】
固定部材と組み合わせられる装設部は工作部品の局部の面であり、圧力板に組み合わせられる。圧力板の一端はブレード本体に機械的に連結され、他端は工作部品の局部の面に接触させ、且つ工作部品に向けて作用力が加えられる。工作部品を成形加工部としてオブジェクトに対する成形加工が行われる場合、圧力板は工作部品の局部の面により成形加工部を固定させると共に滑動/振動を防止/抑制させる。
【0063】
本実施形態に係る工作部品全体またはその局部が成形加工部として切削工具に直接応用されて成形加工を実現させることができる。或いは、被成形加工オブジェクトについての要求に応じて、工作部品全体または局部が成形加工部として切削工具に装設された後、必要な刃先形態に再加工される。もしくは、先ず工作部品が規格部品として加工された後、切削工具に装設され、加工において工作部品を高速交換可能にするという要求を満たす(図13参照)。図12は一実施形態における本発明に係る工作部品を使用する切削工具の構造の概略図である。図12に示されるように、工作部品400の一部分が裁断され、その接続孔によりブレード溝に固定または装設され、第一角度310及び第二角度320、刃端と刃底とのオフセットD1、刃側の突起の最高箇所と刃底との距離D2を有する刃先形態に再加工される。ブレードにカッターが溶接されて固定されるものと比較すると、溶接方式により固定されないため、切削部の高速交換が実現される。図6図7及び図8に示される刃先交換式ブレードによるカッターの製造と比較すると、本実施形態に係る工作部品はブレード溝の数量が顕著に減少し(4つから1つに減少する)、加工時間が大幅に短縮され、製造効率が明らかに高まる(4倍)。また、使用においては、4つのブレード溝が設けられ、4枚の前記成形ブレードが装設されるため、カッターが1回の回転で4つの深い切れ目を材料に入れることができ、4倍の使用効率を達成させる。
【0064】
図15図13左から右に観察する拡大構造の概略図である。図15に示されるように、本発明に係る工作部品は成形加工部とし、押出作用部350を備える。押出作用部350は押出部351を更に含み、弧形を呈し、被加工孔の曲率に対応させ、押し出し成形加工に適用可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16