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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】ボディースーツ
(51)【国際特許分類】
   A41C 1/06 20060101AFI20220421BHJP
   A41B 9/08 20060101ALI20220421BHJP
【FI】
A41C1/06
A41B9/08
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019151716
(22)【出願日】2019-08-22
(65)【公開番号】P2021031793
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2020-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】301029687
【氏名又は名称】美成産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185454
【弁理士】
【氏名又は名称】三雲 悟志
(74)【代理人】
【識別番号】100094248
【弁理士】
【氏名又は名称】楠本 高義
(74)【代理人】
【識別番号】100121337
【弁理士】
【氏名又は名称】藤河 恒生
(74)【代理人】
【識別番号】100199831
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100203688
【弁理士】
【氏名又は名称】平松 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 徹
(72)【発明者】
【氏名】神山 啓一
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】実公昭56-012241(JP,Y1)
【文献】特開2011-179145(JP,A)
【文献】実開平01-157109(JP,U)
【文献】特開2000-303219(JP,A)
【文献】実開平04-007602(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41C 1/06
A41B 9/06-9/08
A41C 3/00-3/14
A41D 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前身頃、後身頃およびブラジャー部を備え、
前記ブラジャー部は、
胸部を覆う2つのカップ部と、
前記前身頃および後身頃よりも肌側に配置され、胸部の下方、脇下部および肩甲骨部の一部または全部を覆う伸縮片と、
前記カップ部の上縁および後身頃の上縁に接合された肩紐部と、
を備え、
前記カップ部の下縁および前身頃の脇下縁と後身頃の脇下縁に伸縮片の上縁が接合され、
前記前身頃における側部が伸縮片の下縁の一部のみと接合され、伸縮片の下縁の中央部とは接合されず、
前記伸縮片の肩紐部と後身頃とが接合した部分に配置された側縁が肩紐部と後身頃とが接合された部分に接合されたボディースーツ。
【請求項2】
前記2つのカップ部が連結部を介してつながっており、前記前身頃の上縁の中心が連結部に接合され、前身頃の上縁における中心以外の部分はカップ部に接合されず、前身頃の上縁の中心はカップ部の頂点よりも腹部側ある請求項1のボディースーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボディースーツに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、体型補正のためのボディースーツが種々開発されている。たとえば、下記特許文献1はブラジャー部とボディー部を備え、ブラジャー部は、カップ部とその下方のアンダーバスト部を備えている。アンダーバスト部の両側縁が前身頃の脇下に接合されている。
【0003】
手を動かしたときに胸部も動けば、カップ部が胸部の動きに合わせて動こうとする。しかし、前身頃の動きが小さければ、胸部の動きに合わせてカップ部が動くことができず、カップ部が胸部の動きに追随できない。ボディースーツが体の動きに追従できていず、長時間の着用が難しくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平1-157109号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、体の動きに追従できるボディースーツを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のボディースーツは、前身頃、後身頃およびブラジャー部を備える。前記ブラジャー部は、胸部を覆う2つのカップ部と、前記カップ部の下縁に接合され、胸部より下方、脇下部および肩甲骨部を覆い、前記前身頃および後身頃よりも肌側に配置された伸縮片とを備える。
【0007】
前記伸縮片の下縁の一部が前身頃に接合されている。前記伸縮片の側縁が後身頃に接合されている。前記2つのカップ部が連結部を介してつながっており、前記前身頃の上縁の中央が、連結部におけるカップ部の頂点よりも伸縮片側に接合されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、伸縮片がカップ部から肩甲骨部までを覆うようになっており、伸縮片の側縁は後身頃に接合されている。カップ部は前身頃と後身頃の動きに影響しにくくなっている。カップ部が胸部からずれて動きにくく、ボディースーツが体の動きに自然に追従できるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のボディースーツを示す正面図である。
図2】本発明のボディースーツを示す裏面図である。
図3】前身頃とブラジャー部の位置関係を示す図である。
図4】ブラジャー部のカップ部および伸縮片を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のボディースーツについて図面を使用して説明する。
【0011】
図1図2に示すボディースーツ10は前身頃12、後身頃14、マチ部16およびブラジャー部18を備える。各部を構成する生地が接合(縫合または接着など)されて一体になっている。
【0012】
前身頃12は胸部の下から腹部を覆う。後身頃14は背部、腰部および臀部を覆う。マチ部16は股部を覆う。前身頃12、後身頃14およびマチ部16はナイロンとポリウレタンの混紡素材からなるストレッチ生地で構成される。前身頃12と後身頃14は体にフィットし、さらに体が前身頃12と後身頃14の形状に補正されるようになっている。前身頃12、後身頃14またはその両方にパワーネットなどのストレッチ生地からなる裏地を接合し、体型補正を補助してもよい。前身頃12の側縁20と後身頃14は側縁22が接合され、後身頃14の下縁24はマチ部16に接合される。前身頃12とマチ部16はボタンなどの留め具26によって留められる。
【0013】
ブラジャー部18はカップ部28、カップ部28の下縁30に接合された伸縮片32、カップ部28の上縁34に接合された肩紐部36を備える。
【0014】
カップ部28は2つあり、2つのカップ部28が連結部38で接合されている。カップ部28はウレタンフォームで構成することができる。カップ部28は胸部を覆う。カップ部28の下縁30と前身頃12の中央の上縁40は同形状になっている。前身頃12の上縁40がカップ部28の下縁30の位置にある。前身頃12の上縁40の中心42が連結部38に接合されているが、前身頃12の上縁40における他の部分はカップ部28に接合されていない。体を動かしたとき、カップ部28が前身頃12に強く引っ張られにくく、胸部が前身頃12に引っ張られにくい。
【0015】
前身頃12の上縁40の中心42はカップ部28の頂点44よりも下方(腹部側)にある。体の動きに合わせてその中心42が連結部38を下方に引っ張ったとき、カップ部28の頂点44が大きく引っ張られることは無く、胸部の形状が崩れにくい。
【0016】
伸縮片32は前身頃12および後身頃14よりも肌側(内側)に配置されている(図3)。ボディースーツ10を見たときに伸縮片32は認識されにくくなっている。伸縮片32はカップ部28の下方および側方に配置されている(図4)。伸縮片32は胸部の下方、脇下部および背部を覆う。この背部は肩甲骨部の一部または全部を含む。
【0017】
伸縮片32の上縁46はカップ部28の下縁30および前身頃12の脇下縁48と後身頃14の脇下縁50に接合されている。伸縮片32は脇下部を回るようにして配置されている。伸縮片32は下縁52の一部が前身頃12と接合され、側縁54が後身頃14に接合されている。たとえば、前身頃12における側部56が伸縮片32の下縁52と接合される。伸縮片32の下縁52の全てが前身頃12に接合されていないとカップ部28が自由に動きすぎ、カップ部32が胸部を支えられない。そのため、伸縮片32の一部が前身頃12に接合されている。伸縮片32の下縁52が前身頃12の側部56に接合されることで、伸縮片32の下縁52の位置がずれにくく、着心地を損ないにくい。伸縮片32の側縁54が後身頃14の上縁58に接合されている。伸縮片32の外周全部が前身頃12および後身頃14に接合されていない。ボディースーツ10を洗濯したときに、伸縮片32と前身頃12の間、伸縮片32と後身頃14の間にゴミがたまりにくい。また、伸縮片32が背部、特に肩甲骨部を覆っており、手を動かしたときに胸部以外に脇下および肩甲骨部にある筋肉も動き、その動きに合わせて伸縮片32が伸縮する。
【0018】
伸縮片32はナイロンとポリウレタンの混紡素材からなるストレッチ生地で構成される。さらに、上記のように伸縮片32の外周の全部ではなく一部が前身頃12と後身頃14に接合されている。体を動かしたときに、前身頃12と後身頃14が動いても、伸縮片32が緩衝材になってカップ部28に前身頃12と後身頃14の動きが伝わりにくい。カップ部28が胸部からずれにくい。
【0019】
肩紐部36は線状または帯状になっている。肩紐部36はカップ部28から後身頃14の上縁58に接合されている。本願のように、肩紐部36と後身頃14とが接合した部分に伸縮片32の側縁54が接合されてもよい。肩紐部36が肩にかけられることで、カップ部28が支えられる。図2のように肩紐部36が後身頃14の上縁58の全体に接合されても良いし、後身頃14の上縁58の一部に接合されても良い。
【0020】
以上のように、本願は伸縮片32を肩甲骨部まで配置し、伸縮片32の一部が前身頃12と後身頃14に接合されている。体を動かしたときに前身頃12と後身頃14が体の動きに合わせて動くが、カップ部28は前身頃12と後身頃14の動きに影響されにくく、独立して動く。カップ部28が胸部からずれにくく、ボディースーツ10が体の動きに追従できており、長時間着用しやすくなっている。
【0021】
以上、本願の一実施形態を説明したが、本願は上記の実施形態に限定されるものではない。たとえば、伸縮片32の下縁52の位置は限定されず、伸縮片32が肋骨部のみを覆ってもよいし、伸縮片32が腹部まで覆うようにしてもよい。伸縮片32は背部において肩甲骨部の一部または全部を覆えればよく、図2よりもさらに広い範囲を覆うようにしてもよい。
【0022】
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【符号の説明】
【0023】
10:ボディースーツ
12:前身頃
14:後身頃
16:マチ部
18:ブラジャー部
20:前身頃の側縁
22:後身頃の側縁
24:後身頃の下縁
26:留め具
28:カップ部
30:カップ部の下縁
32:伸縮片
34:カップ部の上縁
36:肩紐部
38:連結部
40:前身頃の上縁
42:前身頃の上縁の中心
44:カップ部の頂点
46:伸縮片の上縁
48:前身頃の脇下縁
50:後身頃の脇下縁
52:伸縮片の下縁
54:伸縮片の側縁
56:前身頃の側部
58:後身頃の上縁
図1
図2
図3
図4