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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220421BHJP
【FI】
A63F5/04 611B
A63F5/04 620
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019161242
(22)【出願日】2019-09-04
(65)【公開番号】P2021037146
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2020-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】特許業務法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊
(72)【発明者】
【氏名】今井 崇夫
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 元亮
(72)【発明者】
【氏名】山田 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】春好 辰則
(72)【発明者】
【氏名】菅野 翔太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 好彦
(72)【発明者】
【氏名】坪井 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】長田 優輝
(72)【発明者】
【氏名】古橋 直樹
(72)【発明者】
【氏名】山下 裕史
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 僚太
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】特許第6536862(JP,B1)
【文献】特開2013-208353(JP,A)
【文献】特開2002-301194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリールと、
役の内部抽選を行う内部抽選手段と、
第1状態と、前記第1状態とは異なる第2状態と、が実行される特定状態に係る制御を行う特定状態制御手段と、
前記第2状態において出力する特定信号を含む信号を外部に出力する信号出力手段と、を備え、
前記信号出力手段は、前記特定状態において、
前記第2状態から前記第1状態に移行した場合に、前記特定信号の出力を継続し、
前記第1状態から前記第2状態に移行した場合に、移行した前記第2状態の最初の遊技において前記特定信号の出力を停止し、前記特定信号の出力を停止した遊技の次の遊技において前記特定信号の出力を開始する、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
上述した遊技機においては、遊技機から外部信号を出力することで、当該遊技機における遊技状態の推移を外部表示器に表示可能にする構成が知られている。(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-198274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、遊技機においては、遊技性の異なる状態を複数種類有し、複数種類の状態を組合せることで、多様な遊技性を実現し遊技者の遊技に対する興趣を向上させるように構成されている。このような複数種類の状態を有する遊技機においては、外部表示器による遊技状態の推移の表示によって、各状態がどのように推移しているかを視認可能にし、遊技機の有する遊技性を遊技者に表示可能にすることが求められている。
【0006】
そこで、本発明は、外部に出力する信号を用いて遊技性を表示可能な遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数のリールと、
役の内部抽選を行う内部抽選手段と、
第1状態と、前記第1状態とは異なる第2状態と、が実行される特定状態に係る制御を行う特定状態制御手段と、
前記第2状態において出力する特定信号を含む信号を外部に出力する信号出力手段と、を備え、
前記信号出力手段は、前記特定状態において、
前記第2状態から前記第1状態に移行した場合に、前記特定信号の出力を継続し、
前記第1状態から前記第2状態に移行した場合に、移行した前記第2状態の最初の遊技において前記特定信号の出力を停止し、前記特定信号の出力を停止した遊技の次の遊技において前記特定信号の出力を開始する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、外部に出力する信号を用いて遊技性を表示可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
図3】本発明の実施形態の遊技機の内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルCを示す図である。
図4】本発明の実施形態の遊技機におけるリールの図柄配列を説明する図である。
図5】(A)は、本発明の実施形態の遊技機における遊技状態の状態遷移図、(B)は、有利区間制御手段が制御する非有利区間及び有利区間と、指示機能制御手段が制御する指示機能状態と、に係る遷移図である。
図6】本発明の実施形態の遊技機における指示機能状態の推移と、信号出力手段が実行する信号出力制御と、を示すタイムチャートである。
図7】本発明の実施形態の遊技機に配設された外部表示器の表示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0011】
1.遊技機の構成の概要
図1は、本発明の本実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
【0012】
本実施形態のスロットマシン1は、収納箱BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての第1リールR1~第3リールR3からなるリールユニット310(図2参照)が収められている。また、筐体内のリールユニット310の下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(図2参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
【0013】
また、スロットマシン1は、スロットマシン1を含む遊技場に設置されている各遊技機における遊技に関する情報を含む信号を受信し、受信した信号に含まれる情報を管理することで、遊技場に設置されている遊技機を集中管理するコンピュータであるホールコンピュータ610と、スロットマシン1を含む遊技場に設置されている各遊技機に個別接続され、スロットマシン1から出力される信号をホールコンピュータ610を介して受信し、スロットマシン1における遊技状態の推移等、スロットマシン1における遊技履歴に関する情報を表示する外部表示器(データカウンタ)620と、を含む外部装置600に接続されている。なお、以下の記載において、スロットマシン1からホールコンピュータ610を介して外部表示器620に信号を出力することを、単に「スロットマシン1から外部表示器620に信号を出力する」とも記載する。
【0014】
図1に示す第1リールR1~第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。
【0015】
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、第1リールR1~第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1~第3リールR3の停止状態では、第1リールR1~第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
【0016】
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによる有効ラインについて、有効ラインL1が設定されている。本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数がいずれの遊技状態においても3枚に設定されており、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1~第3リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
【0017】
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
【0018】
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1~ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
【0019】
遊技情報表示部DSには、7セグメント表示器から構成される主制御表示装置500が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選コマンドに対応する表示である報知表示が表示され、報知表示の表示後第1リールR1~第3リールR3が停止した際に、報知表示が終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。本実施形態のスロットマシン1では、当選コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯及び消灯する報知表示が実行される。
【0020】
また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、後述する有利区間制御手段200A(図2参照)によって有利区間が開始され、小役の入賞が補助されることでメダルの獲得期待値が1以上となっている場合に点灯する有利区間報知部500Aが設けられている。また、本実施形態のスロットマシン1では、音を用いた演出を行うための音響装置340が前面上扉UDと前面下扉DDとに複数設けられている。音響装置340からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0021】
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMB、第1リールR1~第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1~ストップボタンB3及びクレジットされたメダルを清算するための清算ボタンBSも設けられている。
【0022】
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、清算ボタンBSが押下された場合、清算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す清算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
【0023】
そして、筐体の上部には、外部表示器620が配設されている。外部表示器620には、表示領域620aにスロットマシン1の内部の情報の一部(例えば、一連の有利な状態で払い出されたメダルの枚数や、有利な状態が開始された回数等)が表示されており、表示領域620aの図中左方に設けられた表示変更ボタン620bを押下操作することで、表示領域620aに表示されている内容を別の内容に変更することができるように構成されている。
【0024】
図2は、本実施形態のスロットマシン1の機能ブロック図である。本実施形態のスロットマシン1は、制御基板としての遊技制御手段10によって制御される。遊技制御手段10は、複数の操作検出手段としてのメダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、設定変更スイッチ250及びリセットスイッチ260の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて演出装置300、リールユニット310、ホッパーユニット320及び主制御表示装置500等の出力手段の動作を制御する。また、遊技制御手段10は、遊技の進行に応じて、ホールコンピュータ610や外部表示器620に信号を出力する。
【0025】
また、遊技制御手段10は、設定変更手段100、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190、有利区間制御手段200A、指示機能制御手段200B及び信号出力手段200Cを含む。遊技制御手段10を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、記憶手段190に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
【0026】
設定変更手段100は、記憶手段190の設定値記憶手段191に記憶されている設定値を変更する制御(設定変更制御)を行う。設定変更手段100は、設定変更スイッチ250がON状態となり設定変更を許可する状態である設定変更許可状態において、設定変更手段100は、電源装置に設けられているリセットスイッチ260からの入力信号を受け付けるごとに、設定値記憶手段191に記憶されている設定値を設定1→設定2・・・設定6→設定1→・・・の順序で循環的に変動させる。また、スロットマシン1では、設定変更許可状態におけるスタートレバーSLの操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて設定値記憶手段191に記憶されている設定値を確定させて設定変更許可状態を終了する。本実施形態のスロットマシン1では、設定値記憶手段191において確定された設定値に応じて、内部抽選手段120による内部抽選で当選可能な当選エリアのうち一部の当選エリアの当選確率が変更される。つまり、設定変更手段100は、内部抽選手段120による内部抽選における役の当選確率を変更可能な値である設定値を変更可能に構成されている。
【0027】
なお、本実施形態のスロットマシン1においては、設定変更手段100による設定変更制御が実行された場合に、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態に係る制御及び有利区間制御手段200Aが実行する有利区間に係る制御が初期化されるように構成されており、遊技状態が後述する非リプレイタイム(以下、リプレイタイムを「RT」とも記載)状態に設定され、非有利区間が設定されるように構成されている。このため、スロットマシン1では、指示機能制御手段200Bが設定変更前において指示機能に係る制御についても、初期化されるように構成されている。一方、スロットマシン1においては、遊技制御手段10への電力の供給が遮断(電断)され、その後再度電力の供給が再開された場合、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態に係る制御及び有利区間制御手段200Aが実行する有利区間に係る制御について、電断前の状態から再開されるように構成されている。このため、スロットマシン1においては、指示機能制御手段200Bが実行する指示機能に係る制御についても、電断が発生しその後電力の供給が再開された場合に、電断前の状態が維持されるように構成されている。
【0028】
投入受付手段105は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間内において、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口MI(図1参照)にメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段105は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
【0029】
なお、本実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、第1リールR1~第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段120が内部抽選を実行する契機となっている。
【0030】
乱数生成手段110は、抽選用の乱数を発生させる手段である。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能し得る値も含まれる。
【0031】
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
【0032】
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段192に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役や不当選(ハズレ)が対応付けられている。
【0033】
なお、以下の記載において、ボーナスとは、入賞することで役物又は役物連続作動装置を作動させる役を意味し、ボーナスが作動とは、ボーナスが入賞し役物又は役物連続作動装置を作動することを意味し、ボーナス状態とは、役物又は役物連続作動装置が作動した状態を意味する。
【0034】
乱数判定処理では、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段110が生成する乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
【0035】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非成立状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から成立状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。本実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが成立状態に設定される。なお、本実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に成立状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に成立状態を持ち越さずに非成立状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)が用意されている。また、抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段193に格納される。
【0036】
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ230からスタート信号が出力されたことに基づいて、第1リールR1~第3リールR3の回転駆動を開始し第1リールR1~第3リールR3の回転態様を制御するリール回転制御を実行する。また、リール制御手段130は、第1リールR1~第3リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されることでストップスイッチ240によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段130は、停止操作を検出したストップスイッチ240からリール停止信号が出力された場合に、停止操作を検出したストップスイッチ240に対応する第1リールR1~第3リールR3の各リールを停止させる制御(リール停止制御)を行う。
【0037】
なお、以下の記載において、リール制御手段130によって第1リールR1~第3リールR3の回転が開始され、遊技者が有効なストップボタンB1~ストップボタンB3をそれぞれ押下操作することについて、最初の押下操作を第1停止操作、2番目の押下操作を第2停止操作、3番目の押下操作を第3停止操作とも記載する。
【0038】
本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1~第3リールR3について、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された時点(ストップスイッチ240が停止操作を検出した時点)から所定の期間としての190msが経過するまでに、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。
【0039】
このため、本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1~第3リールR3について、ストップボタンの押下時点で有効ラインL1上に表示されているコマから4コマ回転するまでの計5コマが、有効ラインL1上に図柄を引き込み可能な範囲(引き込み範囲)となっている。
【0040】
リール制御手段130は、リール停止制御の実行時において、抽選フラグが成立状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるように回転中のリールを停止させる引き込み処理と、抽選フラグが非成立状態に設定された役を入賞させることができないように回転中のリールを停止させる蹴飛ばし処理と、を含むロジック演算により予め設定された優先順位に基づき回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理と、を行い、回転中のリールを停止させ有効ラインL1上に図柄を表示(以下、リール停止制御によって回転中のリールを停止させて有効ラインL1上に図柄を表示することを「停止表示」とも記載)している。
【0041】
なお、本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法(個数優先制御)と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法(枚数優先制御)とが存在する。ただし、枚数優先制御を実行する場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0042】
入賞判定手段140は、第1リールR1~第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段195に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1~第3リールR3のすべてが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せが、それぞれ予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインL1上に表示された図柄組合せによって、ボーナス、リプレイ、小役の入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。なお、以下の記載において、役の入賞形態を示す図柄組合せを「入賞図柄組合せ」とも記載する。
【0043】
本実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段140の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナス等の遊技状態を移行させる契機となる役が入賞した場合には遊技状態移行制御手段170に遊技状態を移行させる処理が行われる。
【0044】
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット320に払い出させる制御を行う。
【0045】
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出すごとに作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられている。払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいて、ホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお、メダルのクレジットが許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0046】
リプレイ処理手段160は、入賞判定手段140により有効ラインL1上に後述する複数種類のリプレイ役のうちいずれかのリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに遊技を実行可能にする準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、規定投入数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
【0047】
遊技状態移行制御手段170は、複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる処理と、ボーナスの作動及び終了に係る処理と、を行う。ここで、各遊技状態の移行条件は、1つの条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうちいずれか1つの条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件のすべてが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0048】
演出制御手段180は、演出データ記憶手段196に記憶されている演出データに基づいて、例えば、表示装置330を用いて行う画像、映像演出や、音響装置340を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出に係る制御を行う。具体的には、メダルの投入、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対する操作等への遊技者によるスロットマシン1の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプ及びLEDの点灯あるいは点滅、音響装置340からの音の出力、スタートスイッチ230からスタート信号が出力された状態で第1リールR1~第3リールR3の回転開始を遅延させる第1リールR1~第3リールR3を用いた演出等を実行することにより、遊技を盛り上げる演出や、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
【0049】
また、演出制御手段180は、各演出状態に基づく演出を演出装置300を構成する各構成に実行させる。なお、本実施形態において、演出制御手段180は、乱数を用いる抽選処理ごとに、乱数生成手段110の乱数格納領域から乱数を取得し、演出抽選テーブル記憶手段197に記憶されている複数の演出抽選テーブルのうち、各抽選処理に必要な演出抽選テーブルを用いて各抽選処理を実行する。
【0050】
有利区間制御手段200Aは、特定役の入賞を補助する入賞補助制御を実行可能な遊技が実行される区間(期間)である有利区間(有利期間)と、入賞補助制御が実行されない遊技が実行される区間(期間)である非有利区間(非有利期間、通常区間)と、の間での移行に係る制御を、有利区間制御データ記憶手段198に記憶されているデータを用いて実行する。有利区間制御データ記憶手段198には、非有利区間において有利区間を開始するか否かを決定する有利区間移行抽選で用いられる有利区間移行抽選テーブルや、有利区間制御手段200Aが有利区間内において実行する所定の制御処理でON状態又はOFF状態にセットする各種フラグ、カウンタが格納されている。
【0051】
有利区間制御手段200Aは、有利区間を終了する条件が成立した際に、有利区間を終了し次ゲームから非有利区間を開始するとともに、有利区間内において設定した各種フラグ、数値等を初期化する処理である終了処理を実行する。また、有利区間制御手段200Aは、有利区間を開始し、かつ入賞補助制御が実行されることで、メダルの獲得期待値が1以上となる場合に有利区間報知部500Aを点灯させる。このため、有利区間制御手段200Aは、有利区間を開始している場合であっても、後述する指示機能制御手段200Bによって入賞補助制御が実行されない指示機能状態である場合には、有利区間報知部500Aを消灯可能に構成されている。
【0052】
非有利区間は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく指示機能制御手段200Bによる指示機能に係る制御が実行されない期間であり、有利区間は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく指示機能制御手段200Bによる指示機能に係る制御が実行可能な期間である。
【0053】
有利区間制御手段200Aは、有利区間を開始した遊技から1回の遊技が実行されるごとに、1ゲームに相当する値である値「1」を有利区間ゲーム数カウンタに加算し、有利区間ゲーム数カウンタに記憶される値(記憶値)を累積的にインクリメント更新するゲーム数更新処理を実行する。また、有利区間制御手段200Aは、有利区間を開始した遊技からメダルの払出数をメダルの投入数で減算した値(差枚数)を有利区間差枚数カウンタに累積的に記録する差枚数更新処理を実行する。
【0054】
ここで、有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間制御データ記憶手段198に含まれるカウンタであり、有利区間制御手段200Aによって更新される値(遊技回数)を記憶するカウンタである。また、有利区間差枚数カウンタは、有利区間制御データ記憶手段198に含まれるカウンタであり、有利区間制御手段200Aによって更新される値として、メダルが投入された場合に投入数に対応する値を減算し、メダルが払い出された場合に払出数に対応する値を加算することで差枚数を記憶するカウンタである。
【0055】
本実施形態の有利区間制御手段200Aは、有利区間に制御している場合、遊技状態である場合にも、1回の遊技が実行されるごとに1ゲームに相当する値である値「1」ずつ有利区間ゲーム数カウンタの記憶値に累積的に加算(更新)するゲーム数更新処理と、メダルの差枚数に相当する値を有利区間差枚数カウンタの記憶値に累積的に更新する差枚数更新処理と、を実行する。
【0056】
ここで、有利区間制御手段200Aは、有利区間差枚数カウンタの記憶値を更新する差枚数更新処理において、当該遊技におけるメダルの払出数が規定投入数未満であることで有利区間差枚数カウンタの記憶値を減算した際に、有利区間差枚数カウンタの記憶値が値「0」未満となる場合、有利区間差枚数カウンタの記憶値を値「0」にセットする。これにより、有利区間制御手段200Aは、有利区間差枚数カウンタの記憶値が最下点となる際の値について、値「0」に固定することができるため、有利区間差枚数カウンタの記憶値を用いた制御処理において、最下点における具体的な数値に応じて判定の閾値となる値を変動させる必要がなくなり、有利区間差枚数カウンタの記憶値を用いた制御処理の負荷を軽減させることができる。
【0057】
有利区間制御手段200Aは、1500ゲームの遊技が実行された場合、つまり有利区間ゲーム数カウンタの記憶値が値「1500」になった場合又は有利区間において最もメダルを消費した時点から2400枚のメダルを遊技者が獲得した場合、つまり有利区間差枚数カウンタの記憶値が最も低い値(最下点)であった時点から値「2400」になった場合に、有利区間を終了させる条件として特定終了条件が成立したと判定し、有利区間を終了させて次ゲームから非有利区間を開始する終了処理を実行する。
【0058】
有利区間制御手段200Aは、終了処理において、有利区間においてON状態にセットした各フラグや有利区間において設定した値等の有利区間における各種制御処理で用いた情報をすべて初期化する。なお、有利区間制御手段200Aは、特定終了条件以外の予め設定されている条件(通常終了条件)が成立した場合にも有利区間を終了可能であり、通常終了条件が成立した場合にも終了処理を実行する。
【0059】
指示機能制御手段200Bは、有利区間制御手段200Aによって有利区間が開始されている場合に、特定役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理(入賞補助制御)と、入賞補助制御を実行可能な状態であるアシストタイム状態(以下、アシストタイムを「AT」とも記載)を含む複数の指示機能状態の間での指示機能状態の移行に係る処理と、等の指示機能に係る制御(アシストタイム制御)を行う。本実施形態のスロットマシン1では、指示機能制御手段200Bによるアシストタイム制御において用いるプログラムデータやデータテーブル、カウンタ、ON状態又はOFF状態にセットする各種フラグについて、記憶手段190の指示機能制御データ記憶手段199に記憶されている。
【0060】
本実施形態において、指示機能制御手段200Bは、指示機能状態が入賞補助制御を実行可能な状態である場合に、指示機能作動処理として、内部抽選手段120に当選した当選エリアに応じてそれぞれ異なる当選コマンドを作成させ、作成させた当選コマンドを主制御表示装置500に送信させることで、内部抽選で当選した当選エリアがいずれの当選エリアであるかを報知し、遊技者にストップボタンB1~ストップボタンB3の操作方法を指示する機能(指示機能)である報知表示が主制御表示装置500に実行される制御である入賞補助制御を実行可能となるように構成されている。入賞補助制御が実行されストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様が報知されるAT状態における遊技が、本実施形態における報知遊技を構成する。
【0061】
信号出力手段200Cは、遊技制御手段10を構成する各手段が制御処理を実行した結果、つまり遊技制御手段10によって制御された状態を、スロットマシン1の外部に出力するために、遊技制御手段10によって制御された状態についての情報を含む信号である外部信号を作成する。また、信号出力手段200Cは、作成した外部信号を外部装置600に出力する制御である信号出力制御を実行することで、外部信号を通じて遊技制御手段10によって制御された状態を外部に出力する。信号出力手段200Cは、スロットマシン1の外部に設けられた外部装置600等の装置に向けて、外部信号が入力される装置内で用いられる情報(制御データ)を、外部信号として出力する。なお、信号出力手段200Cは、信号出力手段200Cから外部装置600への単方向通信のみが可能に構成されており、外部装置600からの信号を受信及び入力することができないように通信接続されている。
【0062】
2.本実施形態における遊技機が備える構成
次に、図3図7を参照して、本実施形態におけるスロットマシン1が備える各構成の詳細について説明する。
【0063】
<内部抽選手段>
図3は、本実施形態のスロットマシン1における各遊技状態で選択される内部抽選テーブルである内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルCを示す図である。内部抽選テーブルAは、遊技状態が非RT状態である場合に選択される。内部抽選テーブルAでは、小役に当選する当選エリアと、小役とボーナスとが重複して当選する当選エリアと、ボーナスに当選する当選エリアと、リプレイに当選する当選エリアと、に乱数が対応付けられており、小役、リプレイ又はボーナスのいずれかに当選するように構成されている。また、内部抽選テーブルAでは、リプレイの当選確率が、約1/7.3に設定されている。
【0064】
本実施形態のスロットマシン1では、ボーナスとして第1種特別役物に係る役物連続作動装置としてのレギュラービッグボーナス(以下、レギュラービッグボーナスを「RBB」とも記載)を備えており、当選エリア「RBB&1枚役」と、当選エリア「RBB」と、のいずれかに当選することでRBBが成立状態に設定される。
【0065】
内部抽選テーブルBは、非RT状態においてRBBが成立状態に設定されたことによって移行される遊技状態であるボーナス成立状態である場合に選択される。内部抽選テーブルBは、内部抽選テーブルAにおいて小役に対応付けられていた乱数と、小役とボーナスとが重複して当選する当選エリアに対応付けられていた乱数と、が小役に対応付けられており、内部抽選テーブルAにおいてリプレイに対応付けられていた乱数がリプレイに対応付けられている。
【0066】
内部抽選テーブルCは、RBBが作動した場合に移行される遊技状態であるRBB作動状態において選択される。内部抽選テーブルCは、小役の当選確率について、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBのいずれの内部抽選テーブルにおいて設定されている小役の当選確率よりも高くなるように設定されている。
【0067】
本実施形態のスロットマシン1では、内部抽選で当選した場合に入賞可能な小役(以下、「入賞役」と記載)として、ベルA、ベルB、1枚役A~1枚役F及びレア役が用意されており、複数種類の入賞役が重複して当選する小役の当選エリア(当選態様)として、当選エリア「打順ベル1」~「打順ベル12」と、当選エリア「RBB&1枚役」と、当選エリア「1枚役」と、当選エリア「JAC1」と、当選エリア「JAC2」と、が設定されている。ここで、「打順」とは、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対して押下操作を実行する順番を意味する。また、以下の記載において、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作されるタイミングを「押下タイミング」とも記載する。
【0068】
当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」は、ベルAと、1枚役A~1枚役Fのうち少なくとも1つと、に重複当選する当選エリアであり、それぞれ重複当選する入賞役が異なる構成となっている。当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」には、それぞれベルAを入賞可能にする打順(正解打順)が設定されている。当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」の当選時において、スロットマシン1では、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、ベルAが入賞し、正解打順とは異なる打順(不正解打順)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、かつ押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかを入賞可能なタイミングである場合に、当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかが入賞し、不正解打順でかつ押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかを入賞できないタイミングである場合に、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。
【0069】
当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」は、ベルBと、1枚役A~1枚役Fのうち少なくとも1つと、に重複当選する当選エリアであり、それぞれ重複当選する入賞役が異なる構成となっている。当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」には、それぞれベルBを入賞可能にする打順(正解打順)が設定されている。当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」の当選時において、スロットマシン1では、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作された場合に、ベルBが入賞し、正解打順とは異なる打順(不正解打順)でストップボタンB1~ストップボタンB3が押下操作され、かつ押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかを入賞可能なタイミングである場合に、当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかが入賞し、不正解打順でかつ押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかを入賞できないタイミングである場合に、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。
【0070】
当選エリア「RBB&1枚役」は、RBB、1枚役A~1枚役Fに重複して当選するエリアである。当選エリア「RBB&1枚役」の当選時において、スロットマシン1では、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかを入賞可能なタイミングである場合に、当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかが入賞し、不正解打順でかつ押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかを入賞できないタイミングである場合に、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。
【0071】
当選エリア「1枚役」は、それぞれ当選エリア「RBB&1枚役」と同じ小役に重複して当選し、かつストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかを入賞可能なタイミングである場合に、当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかが入賞し、不正解打順でかつ押下タイミングが当選している1枚役A~1枚役Fのいずれかを入賞できないタイミングである場合に、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。当選エリアであり、RBBが抽選の対象に含まっているか否かの差を有している。
【0072】
当選エリア「レア役」は、レア役に当選し、ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合にレア役を入賞可能に構成されており、ストップボタンB3の押下タイミングがレア役を入賞させることができないタイミングであった場合には、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。なお、本実施形態の内部抽選手段120は、小役を含む各当選態様の当選確率について、当選エリア「レア役」に当選する確率が、他の小役を含む当選態様のいずれかに当選する確率よりも低い確率となる、いわゆるレア役として構成されている。
【0073】
次に、リプレイを含む当選エリアについて説明する。本実施形態のスロットマシン1では、リプレイのみを含む当選エリアとして、当選エリア「通常リプレイ」と、当選エリア「レアリプレイ」と、が設定されている。
【0074】
当選エリア「通常リプレイ」は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、通常リプレイに当選し、打順及び押下タイミングによらず通常リプレイを入賞可能に構成されている。
【0075】
当選エリア「レアリプレイ」は、レアリプレイに当選し、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、通常リプレイに当選し、打順及び押下タイミングによらずレアリプレイを入賞可能に構成されている。なお、本実施形態の内部抽選手段120は、リプレイを含む各当選態様の当選確率について、当選エリア「レアリプレイ」に当選する確率が、当選エリア「通常リプレイ」に当選する確率よりも低い確率となる、いわゆるレアリプレイとして構成されている。
【0076】
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、持越可能フラグが対応付けられる役としては、RBBがあり、小役及びリプレイは、持越不可フラグに対応付けられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でRBBを含む当選エリアに当選すると、当選したRBBの抽選フラグの成立状態を、RBBが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段120は、RBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技でも、小役及びリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、RBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているRBBの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを成立状態に設定する。
【0077】
<図柄の配列>
図4は、本実施形態のスロットマシン1における第1リールR1~第3リールR3の周面に配列された各図柄を示す図である。本実施形態では、図4に示すように、第1リールR1~第3リールR3の外周面に、赤7図柄「赤7」、BAR図柄「BAR」、リプレイ図柄「RP」、ベルA図柄「BLA」、ベルB図柄「BLB」、チェリー図柄「CH」、スイカA図柄「WMA」、スイカB図柄「WMB」、ブランクA図柄「BKA」及びブランクB図柄「BKB」が配列されている。また、第1リールR1~第3リールR3の周面には、それぞれ20コマの図柄が配列されている。
【0078】
<リール制御手段>
本実施形態のスロットマシン1では、いずれの遊技状態である場合にも、リール停止制御において有効ラインL1上に停止させる役の優先順序が「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。
【0079】
<小役の配当>
本実施形態において、ベルA、ベルBの配当は、規定投入数(3枚)よりも多い枚数の払出数(例えば10枚)に設定されている。また、1枚役A~1枚役F及びレア役の配当は、規定投入数よりも少ない枚数の払出数(例えば1枚)に設定されている。
【0080】
<遊技状態移行制御手段>
図5(A)は、本実施形態の遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態の移行に係る制御において、各遊技状態から移行可能な遊技状態を示す状態遷移図である。
【0081】
図5(A)に示すように、非RT状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態(初期遊技状態、通常遊技状態)であり、ボーナスが作動及び成立していない非ボーナス状態となっている。非RT状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120にリプレイの当選確率が約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルAを用いた内部抽選を実行させる。
【0082】
ボーナス成立状態は、非RT状態における内部抽選で当選エリア「RBB」、当選エリア「RBB&1枚役」のいずれかに当選し、RBBが成立状態に設定された場合に移行する遊技状態である。ボーナス成立状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120にリプレイの当選確率が約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルBを用いた内部抽選を実行させる。
【0083】
RBB作動状態は、RBBが入賞することで移行される遊技状態(ボーナス状態)である。RBB作動状態において、遊技状態移行制御手段170は、払い出されたメダルの合計数によって作動しているRBBの終了条件が成立したかを判定し、予め定められた所定の払出数(例えば、200枚)を超えるメダルが払い出された場合に、RBBの作動を終了させることでボーナス状態を終了させて、遊技状態を非ボーナス状態へ移行させる。RBB作動状態において、遊技状態移行制御手段170は、内部抽選手段120に内部抽選テーブルCを用いた内部抽選を実行させる。図3に示すように、内部抽選テーブルCでは、ベルA、ベルB、1枚役A~1枚役F、レア役のすべての小役に当選する当選エリア「JAC1」と、1枚役A~1枚役F、レア役のすべての1枚役に当選する当選エリア「JAC2」と、に乱数が対応付けられている。
【0084】
図3を用いてRBB作動状態について詳細に説明する。本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選テーブルCが選択されるRBB作動状態において当選エリア「JAC1」又は当選エリア「JAC2」に当選する確率は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBにおいて小役を含む当選エリアのいずれかに当選する確率よりも高い、つまりRBB作動状態において小役に当選する確率がRBB作動状態以外のRBB非作動時の遊技状態においていずれかの小役に当選する確率よりも高い確率に設定されている。また、内部抽選テーブルCにおいて、当選エリア「JAC1」に当選する確率は、内部抽選テーブルA、内部抽選テーブルBにおいて当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」のそれぞれに当選する確率よりも高い確率に設定されている。
【0085】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1は、RBB作動状態において、ボーナスの非作動時である非RT状態及びボーナス成立状態である場合よりもすべての小役の当選確率が上昇するとともに、いずれかの小役に当選する確率も上昇するように構成されている。
【0086】
また、スロットマシン1は、RBB作動状態において、当選エリア「JAC1」に当選する確率が、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」の各当選確率を合算した当選確率)及び当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」の各当選確率を合算した当選確率)よりも高く、かつ、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の各当選確率を合算した当選確率)よりも低くなるように構成されている。
【0087】
このように、本実施形態のスロットマシン1は、遊技を開始する際に必要となる遊技価値の投入数よりも多い配当に設定された複数種類の第1小役(ベルA、ベルB)が互いに重複せずに他の小役と重複当選する複数種類の第1当選態様(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」)と、複数種類の第1小役が重複して当選する第2当選態様(当選エリア「JAC1」)と、を有し、内部抽選手段120が、通常遊技状態(非RT状態)及びボーナス成立状態において、複数種類の第1当選態様が存在するように内部抽選を行うとともに、ボーナス状態(RBB作動状態)において、第2当選態様が存在するように内部抽選を行うように構成されている。また、スロットマシン1において、ボーナス状態における内部抽選で第2当選態様に当選する確率は、通常遊技状態及びボーナス成立状態における内部抽選で複数種類の第1当選態様のいずれかに当選する確率よりも低く、ボーナス状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率は、通常遊技状態及びボーナス成立状態における内部抽選でのすべての小役それぞれの当選確率以上となるように構成されている。
【0088】
このため、本実施形態のスロットマシン1は、RBB作動状態について、メダルの獲得率の期待値が100%未満となっている。
【0089】
ここで、RBB作動状態以外の遊技状態においては、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時に、正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下操作しないとベルA、ベルBを入賞させることができない構成であることから、ベルA、ベルBのいずれかが入賞する確率は、6種類の打順から正解打順でストップボタンB1~ストップボタンB3を押下操作できた場合に限定される。一方、後述する指示機能制御手段200Bによって入賞補助制御が実行されるAT遊技が実行された場合には、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時に、正解打順が報知されるため、ベルA、ベルBのいずれかが入賞する確率について、入賞補助制御が実行されない場合に対して最大で6倍まで高めることができる。
【0090】
このように、本実施形態においては、正解打順で停止操作した場合に入賞する規定投入枚数よりも多くのメダルを払い出す入賞役(特定役)として、ベルA、ベルBの2種類を設定している。そして、RBB作動状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を、RBB作動状態以外の遊技状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約1/2に圧縮している。このように構成することで、RBB作動状態以外の遊技状態においてN種類の特定役を互いに重複せずに当選させる態様を設けて内部抽選を行い、RBB作動状態においてN種類の特定役を重複して当選させる態様を設けて内部抽選を行うことによって、RBB作動状態において特定役を含む当選態様が得られる確率を、RBB作動状態以外の遊技状態において特定役を含む当選態様が得られる確率の約1/Nに圧縮することができる。これにより、ボーナス状態でのメダルの獲得率の期待値の下限を100%未満にまで引き下げた上でAT遊技に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、AT機能を備えたスロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0091】
<演出制御手段>
本実施形態において、演出制御手段180は、指示機能制御手段200Bによる入賞補助制御の実行時において、入賞補助制御で報知される内容(例えば、当選エリア「打順ベル1」の当選時に正解打順の報知等)を演出装置300を用いた演出によって報知する入賞補助演出を実行する。演出制御手段180は、AT状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合に、正解打順を報知する入賞補助演出を実行する。
【0092】
<有利区間制御手段と指示機能制御手段>
図5(B)は、本実施形態の有利区間制御手段200Aによって制御される区間(期間)と、指示機能制御手段200Bによって制御される指示機能状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。
【0093】
図5(B)に示すように、非有利区間は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく指示機能制御手段200Bによる指示機能に係る制御が実行されない期間である。有利区間制御手段200Aは、非有利区間内における遊技において、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアと、遊技が開始された際の遊技状態と、に基づき、非有利区間を終了し有利区間を開始するか否かを決定する抽選である有利区間抽選を実行する。
【0094】
有利区間抽選において、有利区間制御手段200Aは、まず、記憶手段190のうち有利区間に係るデータを記憶している有利区間制御データ記憶手段198から、複数の乱数のそれぞれに対して「有利区間の開始」、「ハズレ(不当選)」が対応付けられているデータテーブルである有利区間移行抽選テーブルを取得する。そして、有利区間制御手段200Aは、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を有利区間移行抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき、有利区間を開始するか否かを決定する。なお、有利区間制御データ記憶手段198には、有利区間制御手段200Aが有利区間内において実行する所定の制御処理でON状態又はOFF状態にセットする各種フラグも格納されている。なお、有利区間制御手段200Aは、内部抽選で当選した当選エリアの当選確率と、有利区間抽選における「有利区間の開始」の当選確率と、を乗算した確率について、1/17500以上となるように有利区間抽選を実行する。
【0095】
有利区間において、指示機能制御手段200Bは、指示機能に係る状態(指示機能状態)として、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時に入賞補助制御が実行されない非AT状態と、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時に入賞補助制御が実行されるAT状態と、を有している。指示機能制御手段200Bは、指示機能制御データ記憶手段199に記憶されている各種抽選テーブルを参照し、各指示機能状態に応じた抽選に係る処理を実行する。
【0096】
本実施形態において、非AT状態には、通常非AT状態と、通常チャンスゾーン(CZ)状態と、特定CZ状態と、が含まれる。また、AT状態には、第1擬似ボーナス状態と、擬似ボーナスCZ状態と、第2擬似ボーナス状態と、が含まれる。
【0097】
非AT状態において、指示機能制御手段200Bは、遊技が実行される都度、指示機能制御データ記憶手段199の非ATゲーム数カウンタ(不図示)の記憶値を1ゲームに相当する値「1」で加算するインクリメント更新を実行する。指示機能制御手段200Bは、非AT状態からAT状態に移行するまで、非AT状態のいずれの指示機能状態(通常非AT状態、通常CZ状態、特定CZ状態)である場合にも、遊技が実行される都度、非ATゲーム数カウンタの記憶値を値「1」で加算する。
【0098】
通常非AT状態は、有利区間制御手段200Aによって有利区間が開始され、かつ他の指示機能状態に移行していない場合に設定される、複数種類の指示機能状態の中で通常状態に相当する指示機能状態(通常指示機能状態)である。通常非AT状態において、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「レア役」に当選した場合に、指示機能状態を通常CZ状態に移行するか否かを決定する通常CZ抽選を実行する。
【0099】
また、通常非AT状態において、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合に、指示機能状態をAT状態に移行するか否かを決定する通常時AT抽選を実行する。
【0100】
指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選した当選エリアの当選確率と、通常CZ抽選における「CZ状態への移行」の当選確率と、を乗算した確率について、1/17500以上となるようにCZ抽選を実行する。また、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選した当選エリアの当選確率と、通常時AT抽選における「AT状態への移行」の当選確率と、を乗算した確率について、1/17500以上となるように通常時AT抽選を実行する。
【0101】
また、指示機能制御手段200Bは、通常非AT状態において、有利区間を開始し、AT状態に移行することなく700ゲーム以上の遊技が実行された場合、つまり非ATゲーム数カウンタの記憶値が値「700」以上になった場合に、指示機能状態を通常非AT状態から特定CZ状態に移行させる。
【0102】
通常CZ状態は、通常非AT状態から移行可能な指示機能状態である。通常CZ状態において、指示機能制御手段200Bは、通常CZ状態の開始時に指示機能制御データ記憶手段199のCZ終了判定カウンタ(不図示)に所定の遊技回数に対応する値(例えば、8ゲーム)をセットし、遊技が実行される都度、CZ終了判定カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。指示機能制御手段200Bは、通常CZ状態において8ゲームの遊技が実行されるまでの間、毎ゲームAT状態の実行を決定するか否かを抽選するAT抽選を実行するように構成されており、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合にのみ通常時AT抽選が実行される通常非AT状態よりもAT状態に移行しやすい状態となっている。
【0103】
通常CZ状態において、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「レア役」に当選した場合と、当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合と、に、他の当選エリアに当選した場合に実行するAT抽選よりも「AT状態への移行」に当選する確率が高い特別AT抽選を実行する。
【0104】
通常CZ状態において8ゲームの遊技が実行されるまでにAT抽選又は特別AT抽選で「AT状態への移行」に当選した場合、指示機能制御手段200Bは、通常CZ状態の開始から8ゲームの遊技が実行された後に指示機能状態を通常CZ状態からAT状態に移行する。一方、通常CZ状態において8ゲームの遊技が実行されるまでにAT抽選又は特別AT抽選で「AT状態への移行」に当選しなかった場合、指示機能制御手段200Bは、通常CZ状態の開始から8ゲームの遊技が実行された後に指示機能状態を通常CZ状態から通常非AT状態に移行する。
【0105】
特定CZ状態は、通常非AT状態から移行可能な指示機能状態であり、実行される遊技回数と、AT抽選に係る制御及び特別AT抽選に係る制御と、について、通常CZ状態と略同様に構成されている。特定CZ状態において8ゲームの遊技が実行されるまでにAT抽選又は特別AT抽選で「AT状態への移行」に当選した場合、指示機能制御手段200Bは、特定CZ状態の開始から8ゲームの遊技が実行された後に指示機能状態を特定CZ状態からAT状態に移行する。
【0106】
特定CZ状態において8ゲームの遊技が実行されるまでにAT抽選又は特別AT抽選で「AT状態への移行」に当選しなかった場合、有利区間制御手段200Aは、通常終了条件が成立したと判定し、有利区間を終了して非有利区間に制御するとともに、終了処理を実行する。終了処理が実行されることで、スロットマシン1では、有利区間制御データ記憶手段198に含まれる有利区間中に更新されたデータ(例えば有利区間ゲーム数カウンタの記憶値等)と、指示機能制御データ記憶手段199に含まれる有利区間中に更新されたデータ(例えば、非ATゲーム数カウンタの記憶値等)と、が初期化される。
【0107】
非AT状態からAT状態に移行した場合、指示機能制御手段200Bは、AT状態において実行された遊技回数を計数するカウンタであるAT状態遊技回数カウンタに、AT状態で実行可能な遊技回数に相当する初期値をセットし、1回の遊技が実行されるごとに1ゲームに相当する値「1」でAT状態遊技回数カウンタの記憶値を減算するデクリメント更新を実行する。本実施形態において、指示機能制御手段200Bは、AT状態が開始された場合、AT状態遊技回数カウンタに初期値として値「250」をセットする。
【0108】
第1擬似ボーナス状態は、非AT状態においてAT状態への移行条件が成立することで移行する指示機能状態である。指示機能制御手段200Bは、第1擬似ボーナス状態が開始される最初の遊技において、スタートレバーSLが開始操作されたことをスタートスイッチ230が検出したことに基づき、遊技の進行を遅延させるフリーズを発生させる。フリーズを発生させた後に、指示機能制御手段200Bは、リール制御手段130と協働して第1リールR1~第3リールR3を回転させ、第1リールR1~第3リールR3の中段にBAR図柄「BAR」を停止表示するリール演出を実行する。リール演出の実行後、フリーズを解除し、リール制御手段130によるリールの回転制御を実行させ、遊技を再開させる。この時、リール制御手段130は、第1リールR1~第3リールR3について、遊技の公正を担保するために、それぞれ異なるタイミングで回転を再開させる。
【0109】
第1擬似ボーナス状態において、指示機能制御手段200Bは、内部抽選手段120による内部抽選において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の打順によって入賞役が変化する当選エリアに当選したことに基づき入賞補助制御を実行可能に構成されている。ここで、入賞補助制御によって入賞する確率が上がる役(特定役)は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時のベルA、ベルBである。指示機能制御手段200Bは、入賞補助制御として、正解打順を報知する表示を主制御表示装置500に表示させる。
【0110】
指示機能制御手段200Bは、第1擬似ボーナス状態を開始した場合に、第1擬似ボーナス状態又は第2擬似ボーナス状態において払い出されたメダルを計数するカウンタである擬似ボーナス払出数カウンタ(不図示)に、メダルの払い出しが実行されるごとに、払い出したメダルの枚数を加算する。指示機能制御手段200Bは、擬似ボーナス払出数カウンタの記憶値が、予め定められた所定の枚数(例えば、220枚)を超えた場合に、第1擬似ボーナス状態の終了条件が成立したと判定し、指示機能状態を擬似ボーナスCZ状態に移行させる。
【0111】
擬似ボーナスCZ状態は、第1擬似ボーナス状態又は第2擬似ボーナス状態から移行される指示機能状態である。擬似ボーナスCZ状態において、指示機能制御手段200Bは、毎ゲーム第2擬似ボーナス状態の実行を決定するか否かを抽選する第2擬似ボーナス抽選を実行するように構成されており、他の指示機能状態よりも第2擬似ボーナス状態に移行しやすい状態となっている。また、擬似ボーナスCZ状態において、指示機能制御手段200Bは、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合に、入賞補助制御を実行しないように構成されている。
【0112】
第2擬似ボーナス状態は、擬似ボーナスCZ状態において第2擬似ボーナス状態への移行条件が成立することで移行する指示機能状態である。指示機能制御手段200Bは、第2擬似ボーナス状態が開始される最初の遊技において、スタートレバーSLが開始操作されたことをスタートスイッチ230が検出したことに基づき、遊技の進行を遅延させるフリーズを発生させる。フリーズを発生させた後に、指示機能制御手段200Bは、リール制御手段130と協働して第1リールR1~第3リールR3を回転させ、第1リールR1~第3リールR3の中段に赤7図柄「赤7」を停止表示するリール演出を実行する。リール演出の実行後、フリーズを解除し、リール制御手段130によるリールの回転制御を実行させ、遊技を再開させる。この時、リール制御手段130は、第1リールR1~第3リールR3について、遊技の公正を担保するために、それぞれ異なるタイミングで回転を再開させる。
【0113】
第2擬似ボーナス状態において、指示機能制御手段200Bは、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合に、主制御表示装置500による表示によって正解打順を報知することでベルA、ベルBの入賞を補助する入賞補助制御を実行する。
【0114】
指示機能制御手段200Bは、第2擬似ボーナス状態を開始した場合に、擬似ボーナス払出数カウンタに、メダルの払い出しが実行されるごとに、払い出したメダルの枚数を加算する。指示機能制御手段200Bは、擬似ボーナス払出数カウンタの記憶値が、予め定められた所定の枚数(例えば、110枚)を超えた場合に、第2擬似ボーナス状態の終了条件が成立したと判定し、指示機能状態を擬似ボーナスCZ状態に移行させる。
【0115】
このように、本実施形態のAT状態では、第1擬似ボーナス状態から擬似ボーナスCZ状態に移行した以降において、擬似ボーナスCZ状態と、第2擬似ボーナス状態と、が交互に実行されるように構成されている。この、AT状態が、本実施形態における特定状態を構成し、AT状態に係る制御を実行する指示機能制御手段200Bが、本実施形態における特定状態制御手段を構成する。
【0116】
AT状態においてAT状態遊技回数カウンタの記憶値が値「0」になった場合、つまり、AT状態において250ゲームの遊技が実行された場合、有利区間制御手段200Aは、通常終了条件が成立したと判定し、有利区間を終了して非有利区間に制御するとともに、終了処理を実行する。
【0117】
<信号出力手段>
信号出力手段200Cは、スロットマシン1の外部に設けられた外部装置600に予め設定された信号の出力を開始(ON状態)又は停止(OFF状態)する制御である信号出力制御を実行する。本実施形態の信号出力手段200Cは、外部装置600に出力する信号として、外部表示器620にビッグボーナス(BB)が当たったと表示させる信号である第1信号(特定信号)としてのBB信号と、外部表示器620にレギュラーボーナス(RB)が当たったと表示させる信号である第2信号としてのRB信号と、を出力可能に構成されている。
【0118】
信号出力手段200Cは、特定CZ状態が開始された場合と、第2擬似ボーナス状態が開始された場合と、にBB信号の出力に係る信号出力制御を実行する。また、信号出力手段200Cは、第1擬似ボーナス状態が開始された場合に、RB信号の出力に係る信号出力制御を実行する。
【0119】
特定CZ状態の開始に伴うBB信号の信号出力制御において、信号出力手段200Cは、特定CZ状態における1ゲーム目の遊技でスタートレバーSLが開始操作されたことをスタートスイッチ230が検出した時点で第1信号の出力の開始(ON)を設定し、1ゲーム目の遊技で有効なストップボタンB1~ストップボタンB3のすべてが押下操作された時点でBB信号の出力を開始する。また、信号出力手段200Cは、特定CZ状態における2ゲーム目の遊技でスタートレバーSLが開始操作されたことをスタートスイッチ230が検出した時点でBB信号の出力の終了(OFF)を設定し、特定CZ状態における2ゲーム目の遊技で有効なストップボタンB1~ストップボタンB3のすべてが押下操作された時点でBB信号の出力を終了する。
【0120】
第1擬似ボーナス状態、第2擬似ボーナス状態の開始に伴う信号出力制御の詳細について、図6を用いて説明する。図6は、本実施形態のスロットマシン1における指示機能状態の推移と、信号出力手段200Cが実行する信号出力制御と、を示すタイムチャートである。
【0121】
第1擬似ボーナス状態の開始に伴うRB信号の信号出力制御において、信号出力手段200Cは、第1擬似ボーナス状態における1ゲーム目の遊技(時点t1)でスタートレバーSLが開始操作されたことをスタートスイッチ230が検出した時点でRB信号の出力の開始(ON)を設定し、1ゲーム目の遊技で有効なストップボタンB1~ストップボタンB3のすべてが押下操作された時点でRB信号の出力を開始する。
【0122】
信号出力手段200Cは、第2信号の出力を開始した場合、第1擬似ボーナス状態が終了し、擬似ボーナスCZ状態が開始され、擬似ボーナスCZ状態において第2擬似ボーナス状態への移行条件が成立したことに基づき第2擬似ボーナス状態が開始される時点t2まで、RB信号の出力を継続する。そして、信号出力手段200Cは、第2擬似ボーナス状態における1ゲーム目の遊技(時点t2)でスタートレバーSLが開始操作されたことをスタートスイッチ230が検出した時点でRB信号の出力の終了(OFF)を設定し、1ゲーム目の遊技で有効なストップボタンB1~ストップボタンB3のすべてが押下操作された時点でRB信号の出力を終了する。
【0123】
第2擬似ボーナス状態の開始に伴うBB信号の信号出力制御において、信号出力手段200Cは、第2擬似ボーナス状態における2ゲーム目の遊技(時点t3)でスタートレバーSLが開始操作されたことをスタートスイッチ230が検出した時点でBB信号の出力の開始(ON)を設定し、2ゲーム目の遊技で有効なストップボタンB1~ストップボタンB3のすべてが押下操作された時点でBB信号の出力を開始する。信号出力手段200Cは、第1信号の出力を開始した場合、第2擬似ボーナス状態が終了し、擬似ボーナスCZ状態が開始され、擬似ボーナスCZ状態において第2擬似ボーナス状態への移行条件が成立したことに基づき第2擬似ボーナス状態が開始される時点t4まで、BB信号の出力を継続する。そして、信号出力手段200Cは、第2擬似ボーナス状態における1ゲーム目の遊技(時点t4)でスタートレバーSLが開始操作されたことをスタートスイッチ230が検出した時点でBB信号の出力の終了(OFF)を設定し、1ゲーム目の遊技で有効なストップボタンB1~ストップボタンB3のすべてが押下操作された時点でBB信号の出力を終了する。
【0124】
また、信号出力手段200Cは、第2擬似ボーナス状態における2ゲーム目の遊技(時点t5)でスタートレバーSLが開始操作されたことをスタートスイッチ230が検出した時点でBB信号の出力の開始(ON)を設定し、2ゲーム目の遊技で有効なストップボタンB1~ストップボタンB3のすべてが押下操作された時点でBB信号の出力を開始する。
【0125】
このような構成により、信号出力手段200Cは、AT状態において、RB信号の出力を終了した次ゲームでBB信号の出力を開始し、BB信号の出力を終了した次ゲームでBB信号の出力を開始することで、以降、AT状態が継続する間、第2擬似ボーナス状態が開始されるまでBB信号の出力を継続するとともに、第2擬似ボーナス状態が開始される都度、BB信号の出力の停止と、BB信号の出力の開始と、を実行する。
【0126】
時点t6において、有利区間制御手段200Aは、AT状態において250ゲームの遊技が実行されたことに基づき、通常終了条件が成立したと判定し、有利区間を終了させ非有利区間を開始するとともに、終了処理を実行する。信号出力手段200Cは、有利区間制御手段200Aによる終了処理が実行された場合に、有利区間中に更新されたデータの初期化に伴い、BB信号の出力を終了(OFF)する。
【0127】
この構成により、信号出力手段200Cは、BB信号の出力を継続している状態で第2擬似ボーナス状態が開始されることなく有利区間が終了した場合に、有利区間の終了によってAT状態が終了することに伴いBB信号の出力を終了することができる。
【0128】
このように、本実施形態の信号出力手段200Cは、指示機能状態が第2擬似ボーナス状態から擬似ボーナスCZ状態に移行した場合に、BB信号の出力を継続し、擬似ボーナスCZ状態から第2義非ボーナス状態に移行した場合に、BB信号の出力を停止した後に出力を開始するように構成されている。また、信号出力手段200Cは、第1擬似ボーナス状態が開始された場合に、RB信号を出力し、第1擬似ボーナス状態の終了後に擬似ボーナスCZ状態が開始され、該擬似ボーナスCZ状態の終了後に第2擬似ボーナス状態が開始された場合に、RB信号の出力を停止した後にBB信号の出力を開始するように構成されている。
【0129】
この、擬似ボーナスCZ状態が、本実施形態における第1状態を構成し、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合に、規定投入数よりも多い配当が設定されたベルA、ベルBの入賞補助制御が実行されることで擬似ボーナスCZ状態よりも遊技者にとって有利な第2擬似ボーナス状態が、本実施形態における第2状態を構成し、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」に当選した場合に、規定投入数よりも多い配当が設定されたベルA、ベルBの入賞補助制御が実行されるとともに、継続する期間が第2擬似ボーナス状態よりも長く、擬似ボーナスCZ状態及び第2擬似ボーナス状態よりも遊技者にとって有利な第1擬似ボーナス状態が、本実施形態における第3状態を構成する。
【0130】
3.外部表示器における表示
図7は、信号出力手段200Cによって出力されるBB信号とRB信号とが外部表示器620に表示されている状態を示す図である。図7に示すように、外部表示器620では、表示領域620aにおいて、信号出力手段200Cから出力された信号の種別(ボーナス種別表示)と、信号が出力されるまでに実行された遊技回数(ボーナス間ゲーム数表示)と、が表示されている。
【0131】
上述したように、信号出力手段200Cは、特定CZ状態における1ゲーム目から2ゲーム目までと、第2擬似ボーナス状態における2ゲーム目から次回の第2擬似ボーナス状態における1ゲーム目までと、にBB信号を出力し、第1擬似ボーナス状態における1ゲーム目から第2擬似ボーナス状態における1ゲーム目までにRB信号を出力する。このため、信号出力手段200Cは、非有利区間、通常非AT状態、通常CZ状態、特定CZ状態における2ゲーム目以降において、BB信号及びRB信号を出力しない構成となっている。
【0132】
このような構成であるため、例えば、特定CZ状態においてAT状態への移行に当選することなく非有利区間に移行し、その後再度特定CZ状態が開始された場合、具体的には、AT状態に移行しなかった特定CZ状態における2~8ゲーム、非有利区間中における有利区間に移行するまでの遊技、非AT状態における700ゲームの実行を経て、合計711ゲームの実行後に特定CZ状態に移行した場合、外部表示器620では、種別「BB」のボーナス種別表示と、値「711」のボーナス間ゲーム数表示が表示領域620aに表示される。
【0133】
また、例えば、特定CZ状態においてAT状態への移行に当選することなく非有利区間に移行し、その後通常CZ状態からAT状態に移行された場合、具体的には、AT状態に移行しなかった特定CZ状態における2~8ゲーム、非有利区間中における有利区間に移行するまでの遊技、非AT状態及び通常CZ状態における遊技の実行を経て、合計326ゲームの実行後に第1擬似ボーナス状態に移行した場合、外部表示器620では、種別「RB」のボーナス種別表示と、値「326」のボーナス間ゲーム数表示が表示領域620aに表示される。
【0134】
そして、上述したように、信号出力手段200Cは、第1擬似ボーナス状態を開始しRB信号を出力した場合、第2擬似ボーナス状態における1ゲーム目にRB信号の出力を停止し、第2擬似ボーナス状態における2ゲーム目にBB信号の出力を開始するとともに、以降、AT状態が継続する間、第2擬似ボーナス状態が開始されるまでBB信号の出力を継続するとともに、第2擬似ボーナス状態が開始された1ゲーム目にBB信号の出力を停止し、第2擬似ボーナス状態が開始された2ゲーム目にBB信号の出力を開始する。
【0135】
このため、外部表示器620では、種別「BB」のボーナス種別表示と、値「1」のボーナス間ゲーム数表示が表示領域620aに表示され、以降、BB信号の出力が停止した次ゲームにBB信号が出力されることで、種別「BB」のボーナス種別表示と、値「1」のボーナス間ゲーム数表示と、が連続して表示領域620aに表示される。
【0136】
このような構成により、スロットマシン1は、信号出力手段200Cから出力されたRB信号とBB信号とによって、外部表示器620の表示領域620aを通じて、AT状態の開始時に実行された第1擬似ボーナス状態(初当たり)と、第1擬似ボーナス状態の実行後に擬似ボーナスCZ状態と交互に実行された第2擬似ボーナス状態(大当たりとしての第1擬似ボーナス状態よりも獲得可能なメダルの枚数が少ない小当たり)の回数と、を表示することができ、一度第1擬似ボーナス状態が開始されれば複数回の第2擬似ボーナス状態が実行される遊技性を、信号出力手段200Cが外部表示器620に出力するRB信号とBB信号とを用いて表示することができる。
【0137】
また、スロットマシン1は、第1擬似ボーナス状態を開始しRB信号を出力した場合、第2擬似ボーナス状態における1ゲーム目までRB信号の出力を継続し、かつ第2擬似ボーナス状態における2ゲーム目にBB信号の出力を開始した場合に、第2擬似ボーナス状態が終了され、擬似ボーナスCZ状態が開始され、擬似ボーナスCZ状態から第2擬似ボーナス状態に移行され、次回の第2擬似ボーナス状態における1ゲーム目までBB信号の出力を継続することで、種別「BB」のボーナス種別表示と、値「1」のボーナス間ゲーム数表示と、連続して外部表示器620の表示領域620aに表示する、つまり一度第1擬似ボーナス状態が開始されれば複数回の第2擬似ボーナス状態が絶え間なく実行されるように外部表示器620の表示領域620aに表示することができ、信号出力手段200Cが外部表示器620に出力するRB信号とBB信号とを用いて遊技者の遊技性に対する興味を向上させる表示を実行することができる。
【0138】
また、上述したように、スロットマシン1では、BB信号の出力を継続している擬似ボーナスCZ状態中であっても、有利区間の終了に伴いBB信号の出力を停止することで、遊技者にとって有利なAT状態が終了した場合には速やかにBB信号の出力を停止することができ、AT状態が終了した以降も継続してBB信号を出力してしまうことで、AT状態が終了しているのに第2擬似ボーナス状態が継続しているかのように外部表示器620の表示領域620aに表示してしまい、遊技機における遊技性の推移に係る情報を遊技者に誤って表示してしまうことを防ぐことができる。
【0139】
4.本実施形態のまとめ
以上のように、本実施形態の遊技機(1)は、
複数のリール(R1,R2,R3)と、
役の内部抽選を行う内部抽選手段(120)と、
第1状態と、前記第1状態とは異なる第2状態と、が実行される特定状態に係る制御を行う特定状態制御手段(200B)と、
前記第2状態において出力する特定信号を含む信号を外部に出力する信号出力手段(200C)と、を備え、
前記信号出力手段は、前記特定状態において、
前記第2状態から前記第1状態に移行した場合に、前記特定信号の出力を継続し、
前記第1状態から前記第2状態に移行した場合に、前記特定信号の出力を停止した後に出力を開始する。
【0140】
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、信号出力手段200Cから出力されたBB信号によって、外部表示器620の表示領域620aを通じて、AT状態において擬似ボーナスCZ状態から移行された第2擬似ボーナス状態の回数を表示することができ、複数回の第2擬似ボーナス状態が実行される遊技性を、信号出力手段200Cが外部表示器620に出力するBB信号を用いて表示することができる。
【0141】
また、本実施形態の遊技機は、
指示機能に係る制御を実行可能で、継続可能な期間の上限が予め設定された有利区間と、指示機能に係る制御が実行されない非有利区間と、に係る制御を行う有利区間制御手段(200A)を備え、
前記特定状態は、前記有利区間中に実行される状態であり、
前記信号出力手段は、前記有利区間から前記非有利区間に移行された場合に、前記特定信号の出力を停止する。
【0142】
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、BB信号の出力を継続している擬似ボーナスCZ状態中であっても、有利区間の終了に伴いBB信号の出力を停止することで、遊技者にとって有利なAT状態が終了した場合には速やかにBB信号の出力を停止することができ、AT状態が終了した以降も継続してBB信号を出力してしまうことで、AT状態が終了しているのに第2擬似ボーナス状態が継続しているかのように外部表示器620の表示領域620aに表示してしまい、遊技機における遊技性の推移に係る情報を遊技者に誤って表示してしまうことを防ぐことができる。
【0143】
また、本実施形態の遊技機において、
前記特定信号は、第1信号であり、
前記特定状態制御手段は、
前記特定状態の開始時に前記第1状態よりも遊技者にとって有利な第3状態を開始し、
前記第3状態の終了後に前記第2状態を開始し、
前記信号出力手段は、
前記第3状態が開始された場合に、第2信号を出力し、
前記第3状態の終了後に前記第1状態が開始され、該第1状態の終了後に前記第2状態が開始された場合に、前記第2信号の出力を停止した後に前記第1信号の出力を開始する。
【0144】
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、信号出力手段200Cから出力されたRB信号とBB信号とによって、外部表示器620の表示領域620aを通じて、AT状態の開始時に実行された第1擬似ボーナス状態と、第1擬似ボーナス状態の実行後に擬似ボーナスCZ状態と交互に実行された第2擬似ボーナス状態の回数と、を表示することができ、一度第1擬似ボーナス状態が開始されれば複数回の第2擬似ボーナス状態が実行される遊技性を、信号出力手段200Cが外部表示器620に出力するRB信号とBB信号とを用いて表示することができる。
【0145】
また、本実施形態のスロットマシン1は、第1擬似ボーナス状態を開始しRB信号を出力した場合、第2擬似ボーナス状態における1ゲーム目までRB信号の出力を継続し、かつ第2擬似ボーナス状態における2ゲーム目にBB信号の出力を開始した場合に、第2擬似ボーナス状態が終了され、擬似ボーナスCZ状態が開始され、擬似ボーナスCZ状態から第2擬似ボーナス状態に移行され、次回の第2擬似ボーナス状態における1ゲーム目までBB信号の出力を継続することで、種別「BB」のボーナス種別表示と、値「1」のボーナス間ゲーム数表示と、連続して外部表示器620の表示領域620aに表示する、つまり一度第1擬似ボーナス状態が開始されれば複数回の第2擬似ボーナス状態が絶え間なく実行されるように外部表示器620の表示領域620aに表示することができ、信号出力手段200Cが外部表示器620に出力するRB信号とBB信号とを用いて遊技者の遊技性に対する興味を向上させる表示を実行することができる。
【0146】
5.変形例
なお、本実施形態において、指示機能制御手段200Bは、擬似ボーナスCZ状態において、毎ゲーム一定の確率で第2擬似ボーナス抽選を実行するように構成されているが、これに限定されない。指示機能制御手段200Bは、例えば、擬似ボーナスCZ状態における内部抽選で当選した当選エリアに応じて、異なる確率で第2擬似ボーナス抽選を実行するようにしてもよく、具体的には、当選エリア「レア役」の当選時と、当選エリア「レアリプレイ」の当選時と、に他の当選エリアの当選時よりも高確率で「第2擬似ボーナス状態への移行」に当選可能に構成されていてもよい。
【0147】
また、指示機能制御手段200Bは、擬似ボーナスCZ状態において実行された遊技回数が増えるごとに「第2擬似ボーナス状態への移行」に当選する確率が高くなるように第2擬似ボーナス抽選を実行してもよい。また、指示機能制御手段200Bは、擬似ボーナスCZ状態において実行された遊技回数が所定の遊技回数以上となった場合に、「第2擬似ボーナス状態への移行」に当選する確率が高くなるように第2擬似ボーナス抽選を実行してもよい。
【0148】
また、本実施形態において、指示機能制御手段200Bは、非有利区間から有利区間に移行された場合に、通常非AT状態を開始するように構成されているが、これに限定されない。指示機能制御手段200Bは、例えば、非有利区間から有利区間に移行された場合、所定の遊技回数の遊技が実行されるまでの間、擬似ボーナスCZ状態に移行するか否かを決定する擬似ボーナスCZ抽選が実行される特定CZ状態を実行可能に構成されていてもよい。
【0149】
また、本実施形態において、信号出力手段200Cは、第1擬似ボーナス状態が開始された1ゲーム目にRB信号を出力し、第2擬似ボーナス状態が開始された2ゲーム目と、特定CZ状態が開始された1ゲーム目と、にBB信号を出力するが、これに限定されない。信号出力手段200Cは、第1擬似ボーナス状態が開始された1ゲーム目にBB信号を出力し、第2擬似ボーナス状態が開始された2ゲーム目と、特定CZ状態が開始された1ゲーム目と、にRB信号を出力するように構成されていてもよい。また、信号出力手段200Cは、例えば、第1擬似ボーナス状態が開始された1ゲーム目と、特定CZ状態が開始された1ゲーム目と、にBB信号を出力し、第2擬似ボーナス状態が開始された2ゲーム目にRB信号を出力するように構成されていてもよい。つまり、信号出力手段200Cは、第1擬似ボーナス状態が開始された1ゲーム目と、第2擬似ボーナス状態が開始された2ゲーム目と、特定CZ状態が開始された1ゲーム目と、において出力する信号について、第1擬似ボーナス状態が開始された1ゲーム目と、第2擬似ボーナス状態が開始された2ゲーム目と、で異なる種別の信号を出力するように構成されていれば、いずれの信号を出力するように構成されていてもよい。
【0150】
また、本実施形態において、信号出力手段200Cは、ホールコンピュータ610を介して外部表示器620に信号を出力するが、これに限らず、例えば、外部表示器620に直接信号を出力するように構成されていてもよい。
【0151】
また、本実施形態において、指示機能制御手段200Bは、第1擬似ボーナス状態について、220枚を超える払い出しが実行されるまで継続する指示機能状態として制御しているが、これに限定されない。信号出力手段200Cは、第1擬似ボーナス状態について、予め設定された遊技回数の遊技が実行されるまで継続する指示機能状態として制御してもよい。また、指示機能制御手段200Bは、第2擬似ボーナス状態についても略同様に、予め設定された遊技回数の遊技が実行されるまで継続する指示機能状態として制御してもよい。また、指示機能制御手段200Bは、第1擬似ボーナス状態と、第2擬似ボーナス状態と、について、それぞれ実行している状態を終了して擬似ボーナスCZ状態を開始するか否かを抽選により決定する指示機能状態として制御してもよい。
【0152】
また、指示機能制御手段200Bは、AT状態について、250ゲームの遊技が実行された場合に終了するように構成されているが、これに限定されない。指示機能制御手段200Bは、AT状態について、予め定められた枚数のメダルの払い出しが実行されるまで継続する指示機能状態として制御してもよい。また、指示機能制御手段200Bは、AT状態と、について、AT状態を終了して通常非AT状態を開始するか否かを抽選により決定する指示機能状態として制御してもよい。
【0153】
また、指示機能制御手段200Bは、AT状態において、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「レア役」又は当選エリア「レアリプレイ」に当選した場合に、AT状態遊技回数カウンタの記憶値に抽選により決定された値を加算するか否かを決定することで、AT状態が継続する期間を加算(上乗せ)するか否かを決定する上乗せ抽選を実行するように構成されていてもよい。
【0154】
また、本実施形態において、信号出力手段200Cは、スタートレバーSLが開始操作されたことをスタートスイッチ230が検出した時点で信号の出力の開始又は終了を設定し、当該遊技における有効なストップボタンB1~ストップボタンB3のすべてが押下操作された時点で設定した信号出力制御を実行するように構成されているが、これに限定されない。信号出力手段200Cは、例えば、有効なストップボタンB1~ストップボタンB3のすべてが押下操作された時点で信号の出力の開始又は終了を設定し、信号の出力の開始又は終了を設定した次遊技におけるスタートレバーSLが開始操作されたことをスタートスイッチ230が検出した時点で設定した信号出力制御を実行するように構成されていてもよい。また、信号出力手段200Cは、スタートレバーSLが開始操作されたことをスタートスイッチ230が検出した時点で信号の出力の開始又は終了を設定するとともに、設定した信号出力制御を実行するように構成されていてもよい。また、信号出力手段200Cは、有効なストップボタンB1~ストップボタンB3のすべてが押下操作された時点で信号の出力の開始又は終了を設定するとともに、設定した信号出力制御を実行するように構成されていてもよい。
【0155】
また、本実施形態において、信号出力手段200Cは、AT状態中にBB信号とRB信号とを出力可能に構成されているが、これに限定されない。信号出力手段200Cは、例えば、スロットマシン1が、遊技状態として、RBBが作動し、かつ第1種特別役物としてのレギュラーボーナス(RB)が作動していないRBB作動中一般状態と、RBBの作動中にRBに当選し、かつRBが作動していないRBB作動中RB成立状態と、RBが作動したRB作動状態と、を有し、RBBが作動しRBB作動中一般状態が開始された遊技からRB作動状態の1ゲーム目まで、BB信号を出力し、RB作動状態の1ゲーム目に、BB信号の出力を停止し、RB作動状態の2ゲーム目から、次回のRB作動状態の1ゲーム目まで、RB信号を出力し、RB作動状態の1ゲーム目に、RB信号の出力を停止するように構成されていてもよい。このように構成された場合、RBB作動中一般状態とRBB作動中RB成立状態が、第1状態を構成し、RB作動状態が、第2状態を構成し、RBBが作動したボーナス状態が、RBB作動中一般状態及びRBB作動中RB成立状態とRB作動状態とが交互に実行されるボーナス状態が、特定状態を構成し、遊技状態移行制御手段170が、特定状態制御手段を構成する。
【0156】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、各カウンタや記憶手段の記憶値に初期値として値をセットし、毎回の遊技の実行時に1ずつ減算するデクリメント更新や、毎回の遊技の実行時に1ずつ加算するインクリメント更新を実行するように構成されているが、これに限らず、各カウンタや記憶手段の更新方法については乗算や除算等を実行するように構成されていてもよく、特に限定されない。
【符号の説明】
【0157】
1 スロットマシン(遊技機)
120 内部抽選手段
170 遊技状態移行制御手段(特定状態制御手段)
200B 指示機能制御手段(特定状態制御手段)
200C 信号出力手段
L1 有効ライン
R1 第1リール
R2 第2リール
R3 第3リール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7