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特許7061421磁気センサ、センサヘッド及び電流センサ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】磁気センサ、センサヘッド及び電流センサ
(51)【国際特許分類】
   G01R 33/02 20060101AFI20220421BHJP
   G01R 33/04 20060101ALI20220421BHJP
   G01R 15/20 20060101ALI20220421BHJP
【FI】
G01R33/02 B
G01R33/04
G01R15/20 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018009917
(22)【出願日】2018-01-24
(65)【公開番号】P2019128253
(43)【公開日】2019-08-01
【審査請求日】2020-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596157780
【氏名又は名称】横河計測株式会社
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】品川 貴宣
(72)【発明者】
【氏名】横島 潔
【審査官】青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-048224(JP,A)
【文献】特開2012-068187(JP,A)
【文献】国際公開第2017/146256(WO,A1)
【文献】特開2007-333443(JP,A)
【文献】特開2018-004618(JP,A)
【文献】特開2010-230457(JP,A)
【文献】特開2002-098714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 33/02
G01R 33/04
G01R 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端部を厚さ方向に重ねて接触して環状に形成された帯状磁性体と、前記帯状磁性体の両面を各々被覆する第1、第2絶縁層と、前記第1、第2絶縁層上に各々設けられた第1、第2導電パターンと、前記第1、第2絶縁層を貫通する貫通孔に充填され、前記第1、第2導電パターン間を接続する充填導電部と、を備える磁気センサと、
非磁性材料からなり、両端部を厚さ方向に重ねて接触して環状に形成された補強体と、を備え、
前記第1、第2導電パターン及び前記充填導電部は、前記帯状磁性体を巻回する巻線を構成するように、設けられており、
前記補強体は、両端部が接離自在に設けられ、
前記磁気センサが、前記補強体上に設けられ
前記補強体には、貫通孔が形成され、
前記磁気センサは、前記補強体に形成された貫通孔に通され、その一端部が前記補強体の一端部の外面上に、他端部が前記補強体の他端部の内面上にそれぞれ設けられていることを特徴とするセンサヘッド。
【請求項2】
前記第1絶縁層は、前記帯状磁性体の帯長さ方向一方の端部を覆うと共に、他方の端部を露出するように設けられ、
前記第2絶縁層は、前記帯状磁性体の帯長さ方向他方の端部を覆うと共に、一方の端部を露出するように設けられ、
前記帯状磁性体は、前記第1、第2絶縁層から露出している部分が接触して重ねられることを特徴とする請求項1に記載のセンサヘッド。
【請求項3】
前記第1、第2絶縁層には、前記帯状磁性体の帯幅方向に突出する突出部が設けられ、
前記突出部の先端には、一対の電極が設けられ、
前記第1、第2導電パターンの何れか一方は、前記巻線の両端と前記一対の電極をそれぞれ接続するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサヘッド。
【請求項4】
前記第1、第2導電パターンをそれぞれ覆う第3、第4絶縁層をさらに備えたことを特徴とする請求項1~3何れか1項に記載のセンサヘッド。
【請求項5】
帯状の第1内側磁性体及び第2内側磁性体から構成され、前記第1内側磁性体及び前記第2内側磁性体の両端部同士が接触して環状に形成され、前記補強体の内側に配置された内側磁性体と、
帯状の第1外側磁性体及び第2外側磁性体から構成され、前記第1外側磁性体及び前記第2外側磁性体の両端部同士が接触して環状に形成され、前記補強体の外側に配置された外側磁性体と、
帰還コイルと、を備え
前記磁気センサおよび前記補強体は、前記内側磁性体と前記外側磁性体の間に挟まれ、
前記内側磁性体、前記外側磁性体、および前記磁気センサは、環状のコアを構成し、
前記帰還コイルは、前記コアの円周方向に沿って全体に巻かれていることを特徴とする請求項1~4何れか1項に記載のセンサヘッド。
【請求項6】
請求項5に記載のセンサヘッドと、
前記帯状磁性体に貫通された被測定対象物に流れる電流を検出する電流検出手段と、を備えたことを特徴とする電流センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気センサ、センサヘッド及び電流センサに関する。
【背景技術】
【0002】
上述した電流センサとして例えば特許文献1に記載された貫通型の非接触電流センサが知られている。特許文献1に記載された電流センサは、環状の励磁コアと、励磁コアに巻かれた励磁コイルと、でフラックスゲート素子(磁気センサ)を構成している。そして、上記励磁コイルに流れる電流又は電圧から得た電気信号を励磁コイルの外側に巻かれた帰還コイルに流して、帰還コイルに流れる電流から電流信号を得ている。
【0003】
上述した励磁コアとして、性能の向上、コストダウンを図るためアモルファスのような薄帯状の磁性体を用いることが考えられる。このような場合、一般的には、その薄帯状磁性体を複数回巻きつけるような形で、何層かに重ねることによって励磁コアを作成するという方法が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-057294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような励磁コアは分割クランプ型の非接触電流センサには採用できない。薄帯状磁性体から構成された励磁コアを分割させてしまうと、励磁コアとしての性能を失ってしまうからである。一つ目の要因は、機械的強度の問題である。薄帯状磁性体を巻きつけた励磁コアを分割させた場合、その断面は薄帯状磁性体が数層重っているだけであり、しかも、各層の断面は線状になっている。そのため、分割クランプ型の非接触電流センサに採用した場合には、薄帯状磁性体の機械的強度が開閉の動作に耐えられず、すぐに接触不良を起こしてしまうという問題が生じることとなる。
【0006】
二つ目の要因は、電流測定値の再現性の問題である。前述のとおり分割させた励磁コアの断面には線状の磁性体が数層分存在するだけであるため、これを採用した分割クランプ型の非接触電流センサのクランプ部分の開閉操作において、断面部の磁性体どうしの接触は、実質的には線接触となってしまう。これは、磁性体どうしの接触面積が小さいことを意味する。このような場合、クランプ部分の開閉に伴う接触部分における磁気結合の再現性が得にくくなるので、結果として電流測定値の再現性を得ることができないという問題もまた生じることとなる。
【0007】
このような事情から、分割クランプ型の非接触電流センサの励磁コア構造には薄帯状磁性体を採用することができないという課題があった。
【0008】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、分割クランプ型の励磁コアとして薄帯状磁性体を採用することができる磁気センサ、センサヘッド及び電流センサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明の磁気センサは、両端部を厚さ方向に重ねて接触して環状に形成された帯状磁性体と、前記帯状磁性体の両面を各々被覆する第1、第2絶縁層と、前記第1、第2絶縁層上に各々設けられた第1、第2導電パターンと、前記第1、第2絶縁層を貫通する貫通孔に充填され、前記第1、第2導電パターン間を接続する充填導電部と、を備え、前記第1、第2導電パターン及び前記充填導電部は、前記帯状磁性体を巻回する巻線状になるように、設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、前記第1絶縁層は、前記帯状磁性体の帯長さ方向一方の端部を覆うと共に、他方の端部を露出するように設けられ、前記第2絶縁層は、前記帯状磁性体の帯長さ方向他方の端部を覆うと共に、一方の端部を露出するように設けられ、前記帯状磁性体は、前記第1、第2絶縁層から露出している部分が接触して重ねられていてもよい。
【0011】
また、前記第1、第2絶縁層には、前記帯状磁性体の帯幅方向に突出する突出部が設けられ、前記突出部の先端には、一対の電極が設けられ、前記第1、第2導電パターンの何れか一方は、前記巻線の両端と前記一対の電極をそれぞれ接続するように設けられていてもよい。
【0012】
また、前記第1、第2導電パターンをそれぞれ覆う第3、第4絶縁層をさらに備えてもよい。
【0013】
上記課題を解決するための本発明のセンサヘッドは、上記磁気センサと、非磁性材料からなり、両端部を厚さ方向に重ねて接触して環状に形成された補強体をさらに備え、前記補強体は、両端部が接離自在に設けられ、前記磁気センサが、前記補強体上に設けられたことを特徴とする。
【0014】
また、帯状の第1集磁器及び第2集磁器から構成され、前記第1集磁器及び前記第2集磁器の両端部同士が接触して環状に形成され、前記補強体の内側又は外側に配置された集磁体と、前記集磁体に巻かれた帰還コイルと、を備えていてもよい。
【0015】
上記課題を解決するための本発明の電流センサは、上記センサヘッドと、前記帯状磁性体に貫通された被測定対象物に流れる電流を検出する電流検出手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、帯状磁性体の両端部が厚さ方向に重ねられて接触している。これにより、帯状磁性体の開閉動作に対し、十分な接触面積を保つことができるため、クランプ型の励磁コアとして薄帯状磁性体を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態における本発明の非接触型の電流センサを示すブロック図である。
図2図1のセンサヘッドのA-A線概略断面図である。
図3】磁気センサの概略上面図である。
図4図3のB-B線概略断面図である。
図5図3のC-C線概略断面図である。
図6図4及び図5に示す第1絶縁層上に設けられた導電パターンを説明するための図である。
図7図4及び図5に示す第2絶縁層上に設けられた導電パターンを説明するための図である。
図8】クランプ時における図1に示す磁気センサ及び補強体の斜視図である。
図9図8に示す磁気センサ及び補強体の側面図である。
図10】非クランプ時における図1に示す磁気センサ及び補強体の斜視図である。
図11図8図10に示す補強体の分解斜視図である。
図12】非クランプ時における図1に示すセンサヘッドの概略図である。
図13】クランプ時における図1に示す補強体の概略側面図である。
図14】非クランプ時における図1に示す補強体の概略側面図である。
図15】クランプ時における図1に示す補強体及び磁気センサの概略側面図である。
図16】非クランプ時における図1に示す補強体及び磁気センサの非クランプ時の概略側面図である。
図17】変形例におけるクランプ時の励磁コアを示す概略側面図である。
図18】変形例における非クランプ時の励磁コアを示す概略側面図である。
図19】変形例におけるクランプ時の補強体を示す概略側面図である。
図20】変形例における非クランプ時の補強体を示す概略側面図である。
図21】変形例におけるクランプ時の補強体を示す概略側面図である。
図22】変形例における非クランプ時の補強体を示す概略側面図である。
図23】第2実施形態におけるクランプ時の励磁コアの側面図である。
図24】第3実施形態における磁気センサの断面図である。
図25図24に示す磁気センサの概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
本発明の非接触型の電流センサの一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図1では、図が煩雑になることを避けるために帰還コイル7は、コア部20L、20Rの一部のみを巻いた状態を示すが、実際はコア部20L、20Rの円周方向に沿って全体を巻くのが一般的である。
【0019】
電流センサ1は、センサヘッド2と、電流検出手段としての電流検出回路10と、を備えている。センサヘッド2は、図1及び図2などに示すように、環状の磁気センサ3と、磁気センサ3を補強する環状の補強体4Aと、磁気センサ3の内側及び外側に設けられた集磁体としての内側集磁体5及び外側集磁体6と、これら磁気センサ3、補強体4A、内側集磁体5及び外側集磁体6を収容する図示しないケースと、図示しないケースに巻回された帰還コイル7と、を備えている。磁気センサ3の中心には、電線などの被測定対象物8が通されている。
【0020】
また、電流検出回路10は、励磁回路11と、検波回路12と、LPF回路13と、増幅回路14と、帰還回路15と、I/V回路16と、を備えている。後述する磁気センサ3が備える励磁コイル35は、励磁回路11と接続されており、交流励磁電流により交流的に励磁される。励磁コイル35の励磁電圧もしくは励磁電流は、被測定対象物8に流れる電流(以下被測定電流)の作用により変化する。検波回路12はその励磁電圧もしくは励磁電流の変化を検出し、LPF回路13を通すことにより、被測定電流に比例した信号を得る。
【0021】
続いて、この信号を増幅回路14で増幅し、帰還回路15を経由して帰還コイル7に流れる電流を生む。帰還コイル7に流れる電流により帰還コイル7内部に磁界を発生させ、結果として、後述する磁気センサ3が備える帯状磁性体31、内側集磁体5、外側集磁体6に磁束を生じる。帰還コイル7の巻き線の方向は、帰還コイル7に流れる電流による磁束が、被測定電流により生じた磁束を打ち消す作用をする向きである。そのため、この構成により、帰還コイル7内部の帯状磁性体31、内側集磁体5、外側集磁体6の磁束はほぼゼロになり、帰還コイル7に流れる電流が被測定電流に比例する為、帰還コイル7に流れる電流をI/V回路16により電流電圧変換して、最終的な被測定電流の推定値であるところの、出力電圧を得る。
【0022】
次に、上記磁気センサ3の構成について図3図7を参照して以下説明する。磁気センサ3は、帯状磁性体31と、互いの間に帯状磁性体31を挟む第1、第2フレキシブル基板32、33(図4など)と、充填導通部34(図3)と、を備え、柔軟性のある薄帯形状に設けられている。帯状磁性体31は、軟磁性材料から構成され、例えばその厚さが100μm以下の薄帯形状(リボン形状)であり、柔軟性がある。
【0023】
第1、第2フレキシブル基板32、33も同様に、薄帯形状であり、柔軟性がある。この第1、第2フレキシブル基板32、33上に形成された後述する第1、第2導電パターン323、333と、これら第1、第2導電パターン323、333間を導通する上記充填導通部34と、により、帯状磁性体31に巻回する励磁コイル35(巻線)が形成される。
【0024】
第1フレキシブル基板32は、図4などに示すように、第1絶縁層321と、第1接着層322と、第1導電パターン323と、第3絶縁層324と、第3接着層325と、を備えている。第1絶縁層321は、帯状磁性体31の両面のうち一方を覆いポリイミドなどの周知の絶縁部材から構成されている。第1絶縁層321は、図6に示すように、帯状磁性体31を覆う帯長さ方向に長尺の被覆部321Aと、被覆部321Aから帯幅方向に突出し、後述する励磁コイル35の一対の電極36が形成される電極形成部321B(突出部)と、を有し、略T字状に形成されている。
【0025】
被覆部321Aは、図4に示すように、帯状磁性体31の帯長さ方向一方の端部を覆うと共に、他方の端部を露出するように設けられている。被覆部321Aには、図6に示すように、帯幅方向に並んだ一対の貫通孔321Cが帯長さ方向に並んで複数対形成されている。一対の貫通孔321Cは、互いの間に帯状磁性体31が位置するように設けられている。
【0026】
第1接着層322は、図4に示すように、第1絶縁層321と、帯状磁性体31や第2フレキシブル基板32と、の間に設けられ、互いを接着する。第1導電パターン323は、図6に示すように、第1絶縁層321の帯状磁性体31から離れた側の面に銅箔をエッチングすることにより形成されている。第1導電パターン321は、帯幅方向に並ぶ一対の貫通孔321C間を接続するライン状に形成されている。第1導電パターン321は、複数対の貫通孔321C同士を接続することにより、帯幅方向に沿ったラインが帯長さ方向に並んで複数形成される。
【0027】
また、第1導電パターン323は、帯状磁性体31よりも電極形成部321B側に設けられた貫通孔321Cのうち帯長さ方向の両端に位置するものと、一対の電極36と、を接続するライン状に形成されている。なお、一対の電極36は、電極形成部321Bの先端に無電解金メッキを施すことにより形成される。この一対の電極36が、励磁コイル35の両端となり、励磁回路11、検波回路12に接続される。
【0028】
第3絶縁層324は、第1絶縁層321と同じ大きさ、同じ形状に設けられ、第1絶縁層321との間に第1導電パターン323を挟んで覆うように設けられている。第3絶縁層324には、図3図5に示すように、一対の電極36を露出する露出孔324Aが形成されている。第3接着層325は、図4に示すように、第1絶縁層321と第3絶縁層324との間を接着する。
【0029】
第2フレキシブル基板33は、図4に示すように、第2絶縁層331と、第2接着層332と、第2導電パターン333と、第4絶縁層334と、第4接着層335と、を備えている。第2絶縁層331は、帯状磁性体31の両面のうち他方を覆いポリイミドなどの周知の絶縁部材から構成されている。第2絶縁層331は、図7に示すように、帯状磁性体31を覆う帯長さ方向に長尺の被覆部331Aと、被覆部331Aから帯幅方向に突出する電極形成部331Bと、を有し、略T字状に形成されている。
【0030】
被覆部331Aは、帯状磁性体31の帯長さ方向他方の端部を覆うと共に、他方の端部を露出するように設けられている。被覆部331Aには、被覆部321Aに設けた貫通孔321Cと対向する位置に貫通孔331Cが設けられている。即ち、被覆部321Aには、帯幅方向に並んだ一対の貫通孔331Cが帯長方向に並んで複数対形成されている。一対の貫通孔331Cは、互いの間に帯状磁性体31が位置するように設けられている。
【0031】
第2接着層332は、図4に示すように、第2絶縁層331と、帯状磁性体31や第1フレキシブル基板32と、の間に設けられ、互いを接着する。第2導電パターン333は、図7に示すように、第2絶縁層331の帯状磁性体31から離れた側の面に銅箔をエッチングすることにより形成されている。第2導電パターン333は、一対の貫通孔331Cのうち帯幅方向一方側と、隣に設けられた一対の貫通孔331Cの帯幅方向他方側と、の間を接続するライン状に形成されている。第2導電パターン323は、複数対の貫通孔321C同士を接続することにより、帯幅方向に対して少し傾斜したラインが帯長さ方向に並んで複数形成される。
【0032】
第4絶縁層334は、第2絶縁層331と同じ大きさ、同じ形状に設けられ、第2絶縁層331との間に第2導電パターン333を挟んで覆うように設けられている。第4接着層335は、第2絶縁層331と第4絶縁層334との間を接着する。
【0033】
充填導通部34は、例えば銅メッキを施すことにより第1、第2絶縁層321、331の貫通孔321C、331Cに充填されて形成される。この充填導通部34により、第1導電パターン323の帯幅方向に沿ったラインの一端が、第2導電パターン323の少し傾斜したラインの一端に接続される。そして、第1、第2導電パターン323、333及び充填導電部34は、帯状磁性体31を巻回する巻線状の励磁コイル35となる。
【0034】
また、本実施形態では、図3に示すように、上述した帯状磁性体31と、その両面を被覆する被覆部321A、331Aや、被覆部321A、331Aに重ねられる部分をセンサ本体部37とし、電極形成部321B、331Bや、これら電極形成部321B、331Bに重ねられる部分を接続部38とする。
【0035】
上述した磁気センサ3を高温(100℃~200℃)環境下でプレスすることにより、第1~第4接着層322、332、325、335が解けた状態で上下の層と密着する。その後、常温に戻すことにより、第1~第4接着層322、332、325、335は固まり密着状態を維持する。第1~第4接着層322、332、325、335は固まるが帯状磁性体31および第1、第2フレキシブル基板32、33はフレキシブルに変形できる。
【0036】
次に、上記磁気センサ3を補強する補強体4Aについて図8図11を参照して説明する。なお、図8図11に示す磁気センサ3は説明を簡単にするために、接続部38については省略している。
【0037】
補強体4Aは、帯状の非磁性材料(例えばプラスチック)からなり、両端部が厚さ方向に重ねて接触して円環状に形成されている。補強体4Aは、別部品で構成された第1補強部材4A1及び第2補強部材4A2から構成されている。第1補強部材4A1及び第2補強部材4A2は各々、半円に沿った略U字状に形成されている。第1補強部材4A1及び第2補強部材4A2の一端部T11及びT21には、ヒンジ部4A3が設けられている。
【0038】
ヒンジ部4A3は、図11に示すように、第2補強部材4A2の一端部T21に設けられた軸部4A31と、第1補強部材4A1の一端部T11に設けられた軸受部4A32と、から構成されている。軸部4A31は、略円柱状に設けられ、第2補強部材4A2の一端部T21の端面にその軸方向が幅方向に沿うように突設されている。軸受部4A32は、第1補強部材4A1の一端部T11の端面に凹状に形成され、軸部4A31が挿入される。これにより、第1補強部材4A1及び第2補強部材4A2は軸受部4A32を中心に回転自在となり、その他端部T12、T22が環状の中心周りに接離自在となる。
【0039】
第1補強部材4A1及び第2補強部材4A2の他端部T12及びT22は、補強体4Aの両端部に相当し、近づけると、図9に示すように、厚さ方向に重ねられる。本実施形態では、第1補強部材4A1の他端部T12の外面上に第2補強部材4A2の他端部T22の内面が重ねられている。以下、第1補強部材4A1及び第2補強部材4A2の他端部T12及びT22が厚さ方向に重ねられた状態を「クランプ」又は「閉」といい、第1補強部材4A1及び第2補強部材4A2の他端部T12及びT22が離れた状態を「非クランプ」又は「開」という。
【0040】
第2補強部材4A2にはその中間に段差部4A4が設けられている。そして、第2補強部材4A2の段差部4A4よりも他端部T22側は、第1補強部材4A1及び第2補強部材4A2の段差部4A4よりも一端部T21に対して環状の外側に突出して設けられている。即ち、第1補強部材4A1と、第2補強部材4A2の段差部4A4よりも一端部T21側と、は同じ径の円に沿って設けられている。一方、第2補強部材4A2の段差部4A4の他端部T22側は、第1補強部材4A1や第2補強部材4A2の段差部4A4よりも一端部T21側に対して大きい径の円に沿って設けられている。
【0041】
本実施形態では、第2補強部材4A2の段差部4A4の他端部T22側の内面と、第1補強部材4A1の外面及び第2補強部材4A2の段差部4A4よりも一端部T21側の外面と、が同じ径の円に沿うように設けられている。そして、この段差部4A4には、環状の中心周りに沿って貫通する貫通孔4A5が設けられている。貫通孔4A5は、補強体4Aの幅方向に沿って長尺の長方形状に設けられている。
【0042】
上述した磁気センサ3のセンサ本体部37(以下、単に磁気センサ3と言う)は、補強体4Aの両端部間に亘って設けられる。磁気センサ3は、貫通孔4A5を通って段差部4A4よりも他端部T22側の第2補強部材4A2の内面上、段差部4A4よりも一端部T21側の第2補強部材4A2及び第1補強部材4A1の外面上に這わせる、或いは、貼り付けて設けられている。
【0043】
詳しく説明すると、磁気センサ3は、貫通孔4A5に通され、その一端部T31が第1補強部材4A1の他端部T12の外面上に設けられ、その他端部T32が第2補強部材4A2の他端部T22の内面上に設けられている。これにより、図9に示すように、補強体4Aの両端部(即ち、第1補強部材4A1及び第2補強部材4A2の他端部T12及びT22)が重ねられると、第1~第4絶縁層321、331、324、334から露出した帯状磁性体31の両端も厚さ方向に重ねられて接触する。
【0044】
次に、内側磁性体5及び外側磁性体6について、図12を参照して説明する。内側集磁体5は、図12に示すように、2分割された第1集磁器としての第1内側集磁器51及び第2集磁器としての第2内側集磁器52から構成されている。第1内側集磁器51及び第2内側集磁器52は帯板状に設けられ、長手方向の両端部が厚さ方向に相対するようにU字状に形成されている。内側集磁体5は、第1内側集磁器51及び第2内側集磁器52の両端部同士が接触して円環状に形成されている。
【0045】
外側集磁体6は、2分割された第1集磁器としての第1外側集磁器61及び第2集磁器としての第2外側集磁器62から構成されている。第1外側集磁器61及び第2外側集磁器62は帯板状に設けられ、長手方向の両端部が相対するようにU字状に形成されている。外側集磁体6は、第1外側集磁器61及び第2外側集磁器62の両端部同士が接触して円形の環状に形成されている。
【0046】
なお、上述した第1補強部材4A1、第2補強部材4A2の他端部T12及びT22、第1内側集磁器51、第2内側集磁器52の両端部、第1外側集磁器61、第2外側集磁器62の両端部の両端部は、円弧状に形成せず、直線状(平板状)に形成してもよい。
【0047】
また、上述した第1補強部材4A1、第1補強部材4A1上の磁気センサ3、第1内側集磁器51及び第1外側集磁器61が左コア部20Lを構成し、第2補強部材4A2、第2補強部材4A2上の磁気センサ3、第2内側集磁器52及び第2外側集磁器62が右コア部20Rを構成している。
【0048】
以上の構成によれば、図10及び図12に示すように、補強体4Aの厚さ方向に重なっている両端部を離すように軸部4A31を中心に第1補強部材4A1及び第2補強部材4A2を回転する。これにより、補強体4Aの両端及び当該補強体4A上に設けられた帯状磁性体31の両端部が離れて、非クランプ状態となる。この時、図12に示すように、第1内側集磁器51及び第2内側集磁器52、第1外側集磁器61及び第2外側集磁器62は、その両端が上記補強体4Aの動きを許容するようにその両端が互いに離れる。その後、離れた補強体4Aの両端間の隙間から被測定対象物8を通した後、補強体4Aの両端部を近づけるように軸部4A31を中心に第1補強部材4A1及び第2補強部材4A2を回転すると、図8及び図9に示すように、補強体4Aの両端部及び帯状磁性体31の両端が厚さ方向に重ねられて、クランプ状態となる。
【0049】
この時、図1に示すように、第1内側集磁器51及び第2内側集磁器52、第1外側集磁器61及び第2外側集磁器62もその両端が近づけられる。
【0050】
上述した第1実施形態によれば、帯状磁性体31の両端部が厚さ方向に重ねられて接触している。これにより、帯状磁性体31の開閉動作に対し、十分な接触面積を保つことができるため、クランプ型の励磁コアとして薄帯状磁性体31を採用することができる。また、帯状磁性体31が接触する箇所が1箇所であるため、1箇所だけの接触を良好にすればよく、センサ性能を容易に維持することができる。
【0051】
また、第1実施形態によれば、第1、第2フレキシブル基板31、32上に設けた第1、第2導電パターン323、333や、充填導通部34により、励磁コイル35を構成している。これにより、巻線を帯状磁性体31の周りに巻いて励磁コイル35を構成する場合に比べて、巻線を巻く作業が不要となる。しかも、励磁コイル35の形状も安定するため、励磁特性のバラツキが少ない磁気センサ3にすることができる。また、磁気センサ3を第1、第2フレキシブル基板31、32で構成することにより、厚み方向を非常に薄くすることができる(例えば1mm以下)ため、電流センサ1全体の小型化を図ることができる。
【0052】
また、第1実施形態によれば、帯状磁性体31を第1、第2フレキシブル基板32、33で挟んでいるため、第1、第2フレキシブル基板32、33が帯状磁性体31の強度を上げることができる。さらに、第1、第2フレキシブル基板32、33の形状を工夫することにより、帯状磁性体31の補強体4Aや内側、外側集磁体5、6への固定の自由度が上がる。
【0053】
また、第1実施形態によれば、第1絶縁層321、第3絶縁層324は、帯状磁性体31の帯長さ方向一方の端部を覆うと共に、他方の端部を露出するように設けられ、第2絶縁層331、第4絶縁層334は、帯状磁性体31の帯長さ方向他方の端部を覆うと共に、一方の端部を露出するように設けられ、帯状磁性体31は、第1~第4絶縁層321、331、324、335から露出している部分が接触して重ねられる。これにより、容易に帯状磁性体31の両端部を重ねることができる。
【0054】
また、第1実施形態によれば、第1、第2絶縁層321、324には、帯状磁性体31の帯幅方向に突出する電極形成部321B、331Bが設けられ、電極形成部321Bの先端には、一対の電極36が設けられ、第1導電パターン323は、励磁コイル35の両端と一対の電極36をそれぞれ接続するように設けられている。これにより、容易に励磁コイル35の両端を励磁回路11や検波回路12に接続することができる。
【0055】
また、第1実施形態によれば、磁気センサ3は、第1、第2導電パターン323、333を覆う第3、第4絶縁層324、335を備えている。これにより、第1、第2導電パターン323、333を絶縁することができる。
【0056】
また、第1実施形態によれば、センサヘッド2は、非磁性材料からなり、両端部を厚さ方向に重ねて接触して環状に形成された補強体4Aをさらに備え、補強体4Aは、両端部が接離自在に設けられ、磁気センサ3が、補強体4A上に設けられている。これにより、柔軟性のある磁気センサ3であっても、形状を維持することができるため、帯状磁性体31の特性に影響を及ぼすことなく、機械的強度を図ることができる。
【0057】
また、第1実施形態によれば、磁気センサ3は、貫通孔4A5に通され、その一端部T31が第1補強部材4A1の他端部T12(=補強体4Aの一端部)の外面上に、他端部T32が第2補強部材4A2の他端部T22(=補強体4Aの他端部)の内面上にそれぞれ設けられている。これにより、補強体4Aに貫通孔4A5を設けるだけで、簡単に帯状磁性体31の両端部が厚さ方向に重なるように、磁気センサ3を支持することができる。
【0058】
また、第1実施形態によれば、補強体4Aは、段差部4A4が設けられている。また、第2補強部材4A2の段差部4A4よりも他端部T22側が、第1補強部材4A1及び第2補強部材4A2の段差部4A4よりも一端部T21側に対して環状の外側に突出するように設けられている。また、段差部4A4に、貫通孔4A5が形成されている。これにより、磁気センサ3を貫通孔4A5に通しても変形するのを防ぐことができ、帯状磁性体31の特性の向上を図ることできる。
【0059】
また、第2補強部材4A2の段差部4A4の他端部T22側の内面と、第1補強部材4A1の外面及び第2補強部材4A2の段差部4A4よりも一端部T21側の外面と、が同じ径の円に沿うように設けられている。これにより、貫通孔4A5を通しても帯状磁性体31の形状を円形に保つことができる。
【0060】
また、第1実施形態によれば、補強体4Aが、別部品で構成された第1補強部材4A1及び第2補強部材4A2から構成され、第1補強部材4A1及び第2補強部材4A2の一端部T11及びT21には、ヒンジ部4A3が設けられ、軸部4A31を中心に揺動自在に取り付けられ、第1補強部材4A1及び第2補強部材4A2の他端部T12及びT22が、厚さ方向に重ねられている。これにより、簡単な構成で帯状磁性体31を保持して、その両端部を開閉する構成にできる。
【0061】
ところで、上述した第1実施形態において、図13及び図14に示すように、軸部4A31を挟んだ第1補強部材4A1及び第2補強部材4A2の外面上の2点をA、Bとし、内側面上の2点をA´、B´とする。そして、クランプ時の2点A、B間の距離をLCAB、2点A´、B´間の距離をLCA´B´とし(図13参照)、非クランプ時の2点A、B間の距離をLOAB、2点A´、B´間の距離をLOA´B´とする。これら距離には下記のような不等式(1)、(2)が成り立つ。
LCAB>LOAB …(1)
LCA´B´<LOA´B´ …(2)
【0062】
即ち、ヒンジ部4A3の外面上に帯状磁性体31が設け、軸部4A31を、補強体4Aの内面と外面との間に設けることにより、上記式(1)、(2)が成り立つ。これにより、図16に示すように、非クランプ時において、帯状磁性体31には、補強体4Aに沿えない変形(たわみ)Dが発生する。しかしながら、図15に示すように、クランプ時において、帯状磁性体31には、補強体4Aに沿って配置され、変形(たわみ)Dが発生することがない。これにより、クランプ時に帯状磁性体31の形状を対称にすることができる。このため、被測定対象物8の帯状磁性体31の中心からの位置ズレや、外部磁界の影響に強くなり、センサ性能を向上させることができる。なお、上述した図13図16及びこれから説明する図17図22については、説明を簡単にするために段差部4A4を省略している。
【0063】
また、上述した実施形態によれば、補強体4Aに段差部4A4を設けていたが、これに限ったものではない。段差部4A4は必須ではなく、補強体4Aに径方向に沿った貫通孔4A5を設けてもよい。
【0064】
また、上述した実施形態によれば、ヒンジ部4A3の外面上に帯状磁性体31が設けられていたが、図17及び図18に示すように、ヒンジ部4A3の内面上に帯状磁性体31が設けられていてもよい。この場合、貫通孔4A5は、第1補強部材4A1に設けられている。
【0065】
また、上述した実施形態によれば、補強体4Aの内面と外面との間に軸部4A31が設けられていたが、これに限ったものではない。図19及び図20に示すように、補強体4Aの外面よりも外側に軸部4A31を設けてもよい。
【0066】
また、図21及び図22に示すように、補強体4Aの内面よりも内側に軸部4A31を設けてもよい。なお、この場合、距離LCAB、LCA´B´、LOAB、LOA´B´には下記のような不等式(3)、(4)が成り立つ。
LCAB>LOAB …(3)
LCA´B´>LOA´B´ …(4)
【0067】
この場合、帯状磁性体31を第1補強部材4A1及び第2補強部材4A2の一端部T11及びT21の外面に設けても、内面に設けても、非クランプ時に変形Dが発生し、クランプ時に変形Dが発生することがない。
【0068】
また、上述した第1実施形態では、補強体4Aを2部材の第1補強部材4A1及び第2補強部材4A2から構成して、ヒンジ部4A3によって補強体4Aの両端部を接離自在に設けていたが、これに限ったものではない。補強体4Aをある程度弾性のある材料で設ければ、ヒンジ部4A3がなくても補強体4Aの両端部を接離自在にすることができる。また、補強体4Aの一部を薄くして変形自在にすれば、ヒンジ部4A3がなくても補強体4Aの両端部を接離自在にすることができる。
【0069】
また、上述した第1実施形態では、磁気センサ3が1つの例について説明したが、これに限ったものではない。磁気センサ3を複数、帯幅方向に並べ、複数の磁気センサ3の中心に被測定対象物8を通すようにしてもよい。この場合は、検波回路12は、各磁気センサ3の励磁コイル35の励磁電圧もしくは励磁電流を加算して、LPF回路13を通す。
【0070】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態における非接触型の電流センサ1について図23を参照して説明する。第1実施形態と第2実施形態とで異なる点は、補強体4Bの構成である。補強体4B以外の部分は、第1実施形態と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0071】
第1実施形態では、補強体4Aに貫通孔4A5を設けていたが、図23に示す補強体4Bには貫通孔4A5が設けられていない。
【0072】
補強体4Bは、磁性材料(例えばプラスチック)からなるU字状の第1内側補強部材4B1及び第1外側補強部材4B2と、第2内側補強部材4B3及び第2外側補強部材4B4から構成されている。これら補強部材3C11~3C14は各々、半円に沿った略U字状に形成されている。第1内側補強部材4B1及び第2内側補強部材4B3の一端部T11及びT21には、ヒンジ部4B5が設けられている。ヒンジ部4B5は、第1実施形態のヒンジ部4A3と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0073】
磁気センサ3は、上記第1内側補強部材4B1及び第2内側補強部材4B3の外面上に設けられている。第1外側補強部材4B2は、第1内側補強部材4B1との間に磁気センサ3を挟んで保持する。第1外側補強部材4B2の他端部T12は、第1内側補強部材4B1の他端部T12よりも一端部T11側に設けられている。これにより、第1内側補強部材4B1の他端部T12に設けられた帯状磁性体3C2の外面が露出する
【0074】
第2外側補強部材4B4は、第2内側補強部材4B3との間に磁気センサ3を挟んで保持する。第2外側補強部材4B4の他端部T22は、第2内側補強部材4B3の他端部T22よりも一端部T21側に設けられている。これにより、第2外側補強部材4B4の他端部T22に設けられた磁気センサ3の内面が露出する
【0075】
以上の構成によれば、貫通孔を設けなくても、補強部材3C11~3C14がヒンジ部4B5を中心に回転して、磁気センサ3が備えた帯状磁性体31の両端部を近づけて厚さ方向に重ねたり、帯状磁性体31の両端部を離したりすることができる。
【0076】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態における非接触型の電流センサについて図24及び図25を参照して説明する。第1実施形態と第3実施形態とで異なる点は、磁気センサ3の構成である。磁気センサ3以外の部分は、第1実施形態と同等であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0077】
第1実施形態では、第1、第2絶縁層321、331を略T字状に形成して、帯幅方向に突出する電極形成部321B、331Bに電極36を設けていた。第3実施形態では、第1、第2フレキシブル基板32、33と同じ大きさ同じ形状の薄帯状の電極形成基板39に励磁コイル35の一対の電極36を設ける。
【0078】
電極形成基板39は、第5絶縁層391と、導電パターン392と、第6絶縁層393と、第5接着層394と、電極36と、を備えている。第5絶縁層391は、第1、第2フレキシブル基板32、33と同じ大きさ同じ形状の薄帯状に設けられ、ポリイミドなどの周知の絶縁部材から構成されている。
【0079】
第5絶縁層391の帯長さ方向他方には、無電解金メッキを施すことにより、一対の電極36が形成されている。
【0080】
導電パターン392は、第5絶縁層391上に銅箔をエッチングすることにより形成されている。導電パターン392は、図25に示すように、帯長さ方向一方に設けた一対の接続部392Aと、一対の接続部392A-一対の電極36間をそれぞれ接続するライン状接続部392Bと、を有している。一対の接続部392Aは、第1フレキシブル基板32に設けた第1導電パターン323の励磁コイル35の両端に相当する部分と接続するために設けられている。
【0081】
第6絶縁層393は、第5絶縁層391との間に導電パターン392を挟んで覆うように設けられている。第6絶縁層393は、第5絶縁層391より帯長さが少し短く、接続部392Aが露出される。また、第6絶縁層393には、一対の電極36を露出する図示しない露出孔が形成されている。
【0082】
また、第1フレキシブル基板32の帯長さ方向一端は、第3絶縁層324に覆われておらず、第1導電パターン323の励磁コイル35の両端に相当する部分が一部露出している。このため、第1フレキシブル基板32の第1導電パターン323が露出している部分と、電極形成基板39の一対の接続部392Aが露出している部分と、を重ねて、第5接着層394により接着させると、一対の接続部392Aに第1導電パターン323が接続される。電極形成基板39は、第6絶縁層393がない部分以外は第1フレキシブル基板32に接着されていない。このため、電極形成基板39の帯長さ方向他方側を裏返して、電極36に接続することができる。
【0083】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0084】
2 センサヘッド
3 磁気センサ
4A 補強体
4B 補強体
5 内側集磁体(集磁体)
6 外側集磁体(集磁体)
7 帰還コイル
10 電流検出回路(電流検出手段)
31 帯状磁性体
34 充填導電部
36 電極
51 第1内側集磁器(第1集磁器)
52 第2内側集磁器(第1集磁器)
61 第1外側集磁器(第2集磁器)
62 第2外側集磁器(第2集磁器)
321 第1絶縁層
321B 電極形成部(突出部)
321C 貫通孔
324 第3絶縁層
323 第1導電パターン
331 第2絶縁層
331B 電極形成部(突出部)
331C 貫通孔
333 第2導電パターン
334 第4絶縁層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25