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  • 特許-ラグ端子接続機構 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】ラグ端子接続機構
(51)【国際特許分類】
   H01R 9/22 20060101AFI20220421BHJP
   H01R 13/46 20060101ALN20220421BHJP
【FI】
H01R9/22
H01R13/46 302Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018129767
(22)【出願日】2018-07-09
(65)【公開番号】P2020009635
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-06-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596157780
【氏名又は名称】横河計測株式会社
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】柴田 光輝
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-166204(JP,A)
【文献】特開2010-238537(JP,A)
【文献】特開2012-216546(JP,A)
【文献】特開平10-162887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 9/22
H01R 11/12
H01R 13/46
H01R 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラグ端子加工されたケーブルを電子機器に接続するためのラグ端子接続機構であって、
前記電子機器の側面に固定された円柱状のプラグと、
前記プラグの軸を中心とした軸回転可能な状態で前記プラグに取り付けられたソケットと、を備え、
前記ソケットに、前記軸に斜めに交差するラグ端子固定面が形成されていることを特徴とするラグ端子接続機構。
【請求項2】
前記ラグ端子固定面に、面に直交するボルト受け穴が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のラグ端子接続機構。
【請求項3】
前記ラグ端子固定面が、前記軸に対して45~60度に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のラグ端子接続機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラグ端子加工されたケーブルの配線スペースを削減するとともに、緩みが生じにくいラグ端子接続機構に関する。
【背景技術】
【0002】
電流計測装置等の電子機器にケーブルを接続するための端子構造として、図5(a)に示すようなバインディングポスト方式が広く用いられている。バインディングポスト端子510は、電子機器の側面500(例えば、背面に設けられた端子台部分)から水平に突出した金属製の支柱511とキャップ512とで構成される。キャップ512はねじ部を備え、支柱511にはねじ穴が形成されており、支柱511にケーブルの導体を接続した状態でキャップ512をねじ止めすることにより、ケーブルが端子に固定される。
【0003】
ラグ端子で加工されたケーブルを接続する際には、図5(b)に示すように、キャップ512のねじ部をラグ端子531の穴に通した状態でねじ止めを行なう。この場合、ケーブル530は、電子機器のバインディングポスト端子510が設けられた側面500に平行に延びていくことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-160596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、電子機器は床や台に載置され、ケーブル530は、バインディングポスト端子510が設けられた電子機器の側面500から水平方向に真っ直ぐ引き延ばされて配線される。
【0006】
大電流測定を行なう場合等には、径の太いケーブル530が使用されるが、径の太いケーブル530は曲がりにくいため、ケーブル530を水平方向に引き延ばすためには、電子機器の側面500の上下左右いずれかの方向にケーブル500を迂回させるためのスペースが必要となる。
【0007】
例えば、図6(a)に示すように、電子機器の側面500から水平に突出した支柱541に上下方向に貫通するねじ穴を形成し、ケーブル530のラグ端子531を上方向からボルト542でねじ止めして固定する構成とすることにより、径の太いケーブル530であっても、水平方向にそのまま引き延ばすことができるため、上下左右方向のスペースは不要となる。
【0008】
しかしながら、水平方向に延ばされたケーブル530は、上方向から見た図6(b)に示すように、ラグ端子531を中心に水平に振れる方向に力を受けやすい。水平に振れる方向の力はボルト542の回転方向に働くため、ボルト542の緩みを誘発するおそれがある。このため、別途ボルト542の緩み止め対策が必要となってしまう。
【0009】
そこで、本発明は、ラグ端子加工されたケーブルの配線スペースを削減するとともに、固定箇所の緩みが生じにくいラグ端子接続機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明のラグ端子接続機構は、ラグ端子加工されたケーブルを電子機器に接続するためのラグ端子接続機構であって、前記電子機器の側面に固定された円柱状のプラグと、前記プラグの軸を中心とした軸回転可能な状態で前記プラグに取り付けられたソケットと、を備え、前記ソケットに、前記軸に斜めに交差するラグ端子固定面が形成されていることを特徴とする。
ここで、前記ラグ端子固定面に、面に直交するボルト受け穴が形成されていてもよい。
前記ラグ端子固定面が、前記軸に対して45~60度に形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ラグ端子加工されたケーブルの配線スペースを削減するとともに、固定箇所の緩みが生じにくいラグ端子接続機構が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態のラグ端子接続機構を説明する図である。
図2】プッシュプル自動ロックシステムを説明する図である。
図3】ラグ端子固定面にラグ端子加工されたケーブルを接続した状態を示す図である。
図4】ラグ端子固定面にラグ端子加工されたケーブルを接続した状態を示す図である。
図5】従来のバインディングポスト端子を説明する図である。
図6】水平方向にケーブルを接続する端子を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態のラグ端子接続機構100を説明する図である。本図に示すようにラグ端子接続機構100は、電子機器の側面300に固定された円柱状のプラグ110と、プラグ110の軸を中心とした軸回転可能な状態でプラグ110に取り付けられたソケット120とを備えており、ソケット120に、軸に斜めに交差するラグ端子固定面121が形成された構成となっている。さらに、ラグ端子固定面121には、面に直交するボルト受け穴122が形成されている。
【0014】
プラグ110が電子機器の側面300に固定され、ソケット120が、プラグ110に軸回転可能に取り付けられているため、プラグ110は、電子機器に対して軸回転可能となっている。ラグ端子固定面121は、作業者が操作のしやすさから、45~60度程度が高都合であり、例えば、軸に対して45度程度に形成する。
【0015】
電子機器は、例えば、計測装置、入出力ユニット等とすることができ、側面300は、例えば、電子機器の背面に設けられた端子台部分とすることができるが、これらには限られない。
【0016】
ソケット120のプラグ110への取り付け方法は、例えば、プッシュプル方式でソケット120をプラグ110に押し込んだときに自動的にロックがかかる公知のシステムを採用することができる。
【0017】
このようなシステムは、例えば、図2(a)に示すような構成で実現することができる。すなわち、プラグ110には、根元側に所定の幅を有するくびれ部を形成し、この幅よりも狭い幅を有する環状のプラグ側ロックリング111を嵌め込んでおく。プラグ側ロックリング111の外径は、プラグ110のくびれ部以外の外径と概一致するように設計する。一方、ソケット120には、内側の入口付近に幅の狭い周状の溝を形成し、ソケット側ロックリング123を嵌め込んでおく。
【0018】
ソケット120をプラグ110に押し込むと、図2(b)に示すように、ソケット側ロックリング123に押されることで、プラグ側ロックリング111がくびれ部の根元側に移動する。これにより生じたくびれ部先端側の溝にソケット側ロックリング123が嵌り込むことで、ソケット120がプラグ110にロックされ、引き抜くことができなくなる。このとき、ソケット120は、プラグ110の軸を中心に軸回転可能なようになっている。
【0019】
ロックを解除する場合には、ソケット120をさらに押し込むようにする。これにより、図2(c)に示すように、ソケット側ロックリング123がプラグ側ロックリング111に乗り上がる。
【0020】
この状態でソケット120を引っ張ると、図2(d)に示すように、ソケット側ロックリング123とともにプラグ側ロックリング111がくびれ部の先端側まで移動する。これによりソケット側ロックリング123の移動を妨げる段差がなくなるため、ソケット120をプラグ110から引き抜くことができる。
【0021】
ただし、ソケット120のプラグ110への取り付け方法はプッシュプル方式に限られない。例えば、着脱式とせずに、ボルト等を用いてソケット120とプラグ110の軸同士を回転可能に連結するようにしてもよい。
【0022】
図3図4は、ラグ端子固定面121にラグ端子加工されたケーブル530を接続した状態を示している。これらの図に示すように、ボルト542を用いて、ラグ端子531をソケット120のラグ端子固定面121に固定することで、ケーブル530は、プラグ110の軸に対して斜め方向に延びることになる。
【0023】
この状態で、ケーブル530がラグ端子531を中心に水平に振れる方向に力を受けても、ソケット120がプラグ110に対して軸回転することにより、力を逃がすことができる。このため、ボルト542の回転方向に働く力が軽減され、ボルト542の緩みを防止できる。
【0024】
また、ケーブル530は、斜め下方向に延ばすことができるため、径の太いケーブル530であっても上下左右方向のスペースは不要となる。
【0025】
以上説明したように、本実施形態のラグ端子接続機構100によれば、ラグ端子加工されたケーブル530の配線スペースを削減するとともに、固定箇所の緩みが生じにくくなる。
【符号の説明】
【0026】
100…ラグ端子接続機構
110…プラグ
111…プラグ側ロックリング
120…ソケット
121…ラグ端子固定面
122…ボルト受け穴
123…ソケット側ロックリング
300…電子機器の側面
542…ボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6