(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】取り外し可能なトロカールアセンブリを含むアダプタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/115 20060101AFI20220421BHJP
【FI】
A61B17/115
(21)【出願番号】P 2016255150
(22)【出願日】2016-12-28
【審査請求日】2019-12-05
(32)【優先日】2016-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】アントニー スグロイ
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0166728(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/115
A61B 17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローディングユニットをハンドルアセンブリに接続するためのアダプタアセンブリであって、該アダプタアセンブリは、
第1の開口部および第2の開口部を画定するスリーブと、
該スリーブ内に解放可能に固定可能な取り外し可能なトロカールアセンブリであって、該トロカールアセンブリは、第1の係止開口部および第2の係止開口部を画定するトロカールハウジングを含む、トロカールアセンブリと、
該スリーブ内に配置された係止アセンブリであって、
該係止アセンブリは、第1のボタン部材および第2のボタン部材と、対応する第1の係止部材および第2の係止部材とを含み、該係止アセンブリは、
該第1の係止部材と該第2の係止部材との間に該トロカールアセンブリを受容しかつ該スリーブ内に該トロカールアセンブリを解放可能に固定するように構成され、
該第1のボタン部材および該第2のボタン部材は、該第1のボタン部材および該第2のボタン部材の
押し下げに応答して
個々の該第1の係止部材および第2の係止部材を第1の位置から第2の位置に移動させるよう構成され、該第1の係止部材および該第2の係止部材は、該トロカールハウジングの個々の該第1の係止開口部および該第2の係止開口部内の受容のために構成され、該第1のボタン部材および該第2のボタン部材は、該スリーブの個々の該第1の開口部および該第2の開口部を通って突出する、係止アセンブリと
を備える、アダプタアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の係止部材および前記第2の係止部材
が前記第1の位置
にあるとき、該第1の係止部材および該第2の係止部材が前記トロカールハウジングの個々の前記第1の係止開口部および前記第2の係止開口部内に受容され、かつ、前記トロカールアセンブリが前記スリーブ内に固定して受容され、
該第1の係止部材および該第2の係止部材が前記第2の位置にあるとき、該第1の係止部材および該第2の係止部材が該トロカールハウジングの個々の該第1の係止開口部および該第2の係止開口部から引き抜かれ、かつ、該トロカールアセンブリが該スリーブ内から取り外し可能である、請求項1に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の係止部材および前記第2の係止部材は、個々の第1のバネおよび第2のバネによって前記第1の位置に付勢される、請求項
2に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の係止部材および前記第2の係止部材は、該第1の係止部材および該第2の係止部材が前記第1の位置にあるとき、個々の前記第1のボタン部材および前記第2のボタン部材を外方位置に維持
し、該外方位置において、該第1のボタン部材および該第2のボタン部材は、前記スリーブの個々の前記第1の開口部および前記第2の開口部を通って突出する、請求項4に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項5】
前記係止アセンブリはさらに、円筒形の本体を有する内部ハウジングを含み、該円筒形の本体は、該円筒形の本体の長さに沿って延在する側方表面を有し、該内部ハウジングは、該円筒形の本体の長さを通って延在する切り抜きを確定し、該内部ハウジングの該側方表面に第1の凹部および第2の凹部を画定し、前記第1のボタン部材および前記第2のボタン部材が、個々の該第1の凹部および該第2の凹部内に受容され、前記トロカールアセンブリは、該内部ハウジングの該切り抜き内に受容される、請求項1に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項6】
内部可撓性バンドアセンブリおよび外部可撓性バンドアセンブリをさらに含み、該内部可撓性バンドアセンブリおよび該外部可撓性バンドアセンブリは、前記内部ハウジングの前記切り抜き内に受容され、前記トロカールアセンブリは、該内部可撓性バンドアセンブリおよび該外部可撓性バンドアセンブリ内に受容される、請求項
5に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項7】
前記内部ハウジングはさらに、前記内部ハウジングの前記側方表面に第1の開口および第2の開口を画定し、前記第1の係止部材および前記第2の係止部材が個々の該第1の開口および該第2の開口内に受容される、請求項
5に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項8】
前記内部ハウジングはさらに、前記内部ハウジングの前記側方表面に少なくとも1つの洗浄ポートを画定する、請求項
5に記載のアダプタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(技術分野)
本開示は、再使用可能な外科用ステープル留めデバイスに関する。より特定すれば、本開示は、円形ステープラとの使用のための取り外し可能なトロカールアセンブリを含む再使用可能なアダプタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の背景)
組織にステープル、クリップ、またはその他のファスナーを適用するための外科用デバイスは周知である。代表的には、内視鏡ステープル留めデバイスは、作動ユニット、すなわち、内視鏡アクセスのためにデバイスおよびシャフトを作動するためのハンドルアセンブリ、およびシャフトの遠位端に配置されるツールアセンブリを含む。特定のこれらのデバイスでは、シャフトは、ハンドルアセンブリに固定可能な近位端およびツールアセンブリに固定可能な遠位端を有する、アダプタアセンブリを含む。アダプタアセンブリは、延長部を含み得る。
【0003】
アダプタアセンブリは、再使用可能であり得る。アダプタアセンブリの滅菌および掃除を容易にするために、取り外し可能なトロカールアセンブリを含むアダプタアセンブリを有することが有益であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要旨)
ローディングユニットをハンドルアセンブリに接続するためのアダプタアセンブリが提供される。このアダプタアセンブリは、スリーブ、スリーブと取り外し可能に固定可能なトロカールアセンブリ、およびスリーブ内でトロカールアセンブリに取り外し可能に固定するように構成される係止アセンブリを含む。この係止アセンブリは、第1のボタン部材および第2のボタン部材、ならびに第1のボタン部材および第2のボタン部材の動きに応答して選択的に移動可能な対応する第1の係止部材および第2の係止部材を含む。第1の係止部材および第2の係止部材は、トロカールハウジングの個々の第1の係止開口部および第2の係止開口部内での選択的受容のために構成されている。
【0005】
複数の実施形態では、第1の係止部材および第2の係止部材は、トロカールアセンブリがスリーブ内に固定して受容される第1の位置と、トロカールアセンブリがスリーブ内から取り外し可能である第2の位置との間で移動可能である。第1のボタン部材および第2のボタン部材は、個々の第1の係止部材および第2の係止部材を、第1の位置と第2の位置との間で移動させるように構成され得る。第1の係止部材および第2の係止部材は、個々の第1のバネと第2のバネによって第1の位置に付勢され得る。第1の係止部材および第2の係止部材は、第1の係止部材および第2の係止部材が第1の位置にあるとき、個々の第1のボタン部材および第2のボタン部材を外方位置に維持し得る。
【0006】
アダプタアセンブリの係止アセンブリはさらに、第1の凹部および第2の凹部を画定する内部ハウジングを含み得る。第1のボタン部材および第2のボタン部材は、個々の第1の凹部および第2の凹部内に受容され得る。内部ハウジングはさらに、第1の開口および第2の開口を画定し得る。第1の係止部材および第2の係止部材は、個々の第1の開口および第2の開口内に受容され得る。内部ハウジングはまた、少なくとも1つの洗浄ポートを画定し得る。アダプタアセンブリはさらに、内側可撓性バンドアセンブリおよび外側可撓性バンドアセンブリを含み得る。さらに、アダプタアセンブリは、ベース、および.ベースに回転可能に固定されるハンドルを含み得、ここでスリーブの近位端は、ハンドルにしっかり固定され、スリーブの回転を可能にする。
より特定すれば、本願明細書は、以下の項目を含む構成を記載している。
(項目1)
ローディングユニットをハンドルアセンブリに接続するためのアダプタアセンブリであって、上記アダプタアセンブリは、
スリーブと、
上記スリーブと解放可能に固定可能な取り外し可能なトロカールアセンブリであって、上記トロカールアセンブリは、第1の係止開口部および第2の係止開口部を画定するハウジングを含む、トロカールアセンブリと、
上記スリーブ内の上記トロカールアセンブリを解放可能に固定するように構成された係止アセンブリであって、上記係止アセンブリは、第1のボタン部材および第2のボタン部材、および上記第1のボタン部材および上記第2のボタン部材の移動に応答して選択的に移動可能な対応する第1の係止部材および第2の係止部材を含み、上記第1の係止部材および上記第2の係止部材は、トロカールハウジングの個々の第1の係止開口部および第2の係止開口部内の選択的な受容のための構成される、係止アセンブリと、を備える、アダプタアセンブリ。
(項目2)
上記第1の係止部材および上記第2の係止部材は、上記トロカールアセンブリが上記スリーブ内に固定して受容される第1の位置と、上記トロカールアセンブリが上記スリーブ内から取り外し可能である第2の位置との間で移動可能である、上記項目に記載のアダプタアセンブリ。
(項目3)
上記第1のボタン部材および上記第2のボタン部材は、個々の上記第1の係止部材および上記第2の係止部材を、上記第1の位置と上記第2の位置との間で移動させるように構成される、上記項目のいずれかに記載のアダプタアセンブリ。
(項目4)
上記第1の係止部材および上記第2の係止部材は、個々の第1のバネおよび第2のバネによって上記第1の位置に付勢される、上記項目のいずれかに記載のアダプタアセンブリ。
(項目5)
上記第1の係止部材および上記第2の係止部材は、上記第1の係止部材および上記第2の係止部材が上記第1の位置にあるとき、個々の上記第1のボタン部材および上記第2のボタン部材を外方位置に維持する、上記項目のいずれかに記載のアダプタアセンブリ。
(項目6)
上記係止アセンブリはさらに、第1の凹部および第2の凹部を画定する内部ハウジングを含み、上記第1のボタン部材および上記第2のボタン部材が、個々の上記第1の凹部および上記第2の凹部内に受容される、上記項目のいずれかに記載のアダプタアセンブリ。
(項目7)
内部可撓性バンドアセンブリおよび外部可撓性バンドアセンブリをさらに含む、上記項目のいずれかに記載のアダプタアセンブリ。
(項目8)
上記内部ハウジングはさらに、第1の開口および第2の開口を画定し、上記第1の係止部材および上記第2の係止部材が個々の上記第1の開口および上記第2の開口内に受容される、上記項目のいずれかに記載のアダプタアセンブリ。
(項目9)
上記内部ハウジングはさらに、少なくとも1つの洗浄ポートを画定する、上記項目のいずれかに記載のアダプタアセンブリ。
(項目10)
さらに、ベース、および上記ベースに回転可能に固定されたハンドルを含み、上記スリーブの近位端が上記ハンドルにしっかりと固定されて上記ハンドルが上記スリーブの回転を可能にする、上記項目のいずれかに記載のアダプタアセンブリ。
(摘要)
ローディングユニットをハンドルアセンブリに接続するためのアダプタアセンブリが提供される。このアダプタアセンブリは、スリーブ、このスリーブと解放可能に固定可能な取り外し可能なトロカールアセンブリ、およびスリーブ内にトロカールアセンブリを解放可能に固定するように構成された係止アセンブリを含む。係止アセンブリは、トロカールアセンブリを解放可能に固定するための、第1のボタン部材および第2のボタン部材、ならびに対応する第1の係止部材および第2の係止部材を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書に援用され、そして本明細書の一部を構成する添付の図面は、上記で与えられる本開示の一般的説明および以下で与えられる実施形態の詳細な説明とともに、本開示の実施形態を示し、そして本開示の原理を説明するために供される。
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に従う、アダプタアセンブリを備えたハンドルアセンブリを含む外科用ステープル留めデバイスの斜視図である。
【0009】
【
図2】
図2は、
図1に示されるアダプタアセンブリの遠位端の斜視図である。
【0010】
【
図3】
図3は、
図1に示されるアダプタアセンブリの遠位端の別の斜視図である。
【0011】
【
図4】
図4は、構成要素が分離された、
図1に示されるアダプタアセンブリの駆動アセンブリの斜視図である。
【0012】
【
図5】
図5は、スリーブが取り外された
図1に示されるアダプタアセンブリの遠位端、パーツが分離された係止アセンブリ、および取り外された取り外し可能なトロカールの横からの斜視図である。
【0013】
【
図6】
図6は、パーツが分離された、
図5に示される取り外し可能なトロカールアセンブリの斜視図である。
【0014】
【
図7】
図7は、
図1に示されるアダプタアセンブリの係止アセンブリの内部ハウジングの横からの斜視図である。
【0015】
【
図8】
図8は、
図7に示される切断線8-8に沿って取った断面端図である。
【0016】
【
図9】
図9は、
図5に示される係止アセンブリのボタン部材の横からの斜視図である。
【0017】
【0018】
【
図11】
図11は、
図5に示される係止アセンブリの係止部材の横からの斜視図である。
【0019】
【
図12】
図12は、幻影で示される外側スリーブと内部ハウジングが取り外された、
図5に示されるトロカールアセンブリと係止アセンブリの斜視端部図である。
【0020】
【
図13】
図13は、
図2に示される切断線13-13に沿って取った断面端図である。
【0021】
【0022】
【
図14A】
図14Aは、
図13に示される切断線14-14に沿って取った、本開示の代替実施形態による、アダプタアセンブリの断面側面図である。
【0023】
【
図15】
図15は、係止アセンブリが非係止状態にある、
図2に示される切断線13-13に沿って取った断面斜視端図である。
【0024】
【
図16】
図16は、係止アセンブリが非係止状態にあり、そしてトロカールアセンブリが後退された、
図2に示される切断線13-13に沿って取った断面斜視端図である。
【0025】
【発明を実施するための形態】
【0026】
(詳細な説明)
取り外し可能なトロカールアセンブリを含む、本明細書で開示される再使用可能なアダプタアセンブリの実施形態は、ここで、図面を参照して詳細に説明され、図面においては同様の参照番号は、いくつかの図面の各々において同一の要素または対応する要素を指定している。当該技術分野で一般的であるように、用語「近位」は、ユーザまたはオペレータ、すなわち、外科医または臨床医により近い部分または構成要素をいい、その一方用語「遠位」は、ユーザからさらに離れたパーツまたは構成要素をいう。
【0027】
最初に
図1を参照して、概してアダプタアセンブリ100として示される本開示の実施形態によるアダプタアセンブリは、外科用ステープル留めデバイス10の構成要素である。外科用ステーフプル留めデバイス10はさらに、動力付きハンドルアセンブリ20、ローディングユニット30、およびアンビルアセンブリ40を含む。外科用ステープル留めデバイス10を参照して示され、そして説明されるが、本開示の局面は、種々の構成を有する手動の外科用ステープル留めデバイスとの、および代替の構成を有する動力付き外科用ステープル留めデバイスとの使用のために改変され得る。例示の外科用ステープル留めデバイスの詳細な説明については、その各々の内容がそれらの全体で本明細書中に参考として援用される出願人がともに所有する米国特許第9,023,014号(「‘014特許」)および米国特許出願公開第2012/0253329号(「‘329刊行物」)を参照されたい。
【0028】
アダプタアセンブリ100は、ハンドルアセンブリ20への作動可能な接続のために構成された近位部分102、およびローディングユニット30への、そしてアンビルアセンブリ40への作動可能な接続のために構成された遠位部分104を含む。一体のユニットを形成するとして示され、そして説明されるが、近位端102および遠位端104が、互いに解放可能に固定可能である別個のユニットとして形成され得ることが想定される。
【0029】
アダプタアセンブリ100は、本開示の局面を十分に開示するために必要な程度まで説明されるにすぎない。例示のアダプタアセンブリの詳細な説明については、その内容が本明細書中にその全体で参考として援用される、出願人がともに所有する米国特許出願第14/875,766号(「’766出願”」)を参照されたい。
【0030】
図2および
図3をさらに参照して、アダプタアセンブリ100は、外側スリーブ106、および外側スリーブ106の遠位端に固定されたコネクタハウジング108を含む。コネクタハウジング108は、エンドエフェクタ、例えば、ローディングユニット30(
図1)をアダプタアセンブリ100に解放可能に固定するように構成される。
【0031】
図4を簡単に参照して、アダプタアセンブリ100(
図2)は、アダプタアセンブリ100の外側スリーブ106(
図13)を通って延びる駆動アセンブリ110を含み、そして内側可撓性バンドアセンブリ112および外側可撓性バンドアセンブリ114を含む。内側可撓性バンドアセンブリ112は、第1の可撓性バンド112aおよび第2の可撓性バンド112b、ならびに第1の可撓性バンド112aおよび第2の可撓性バンド112bの遠位端に接続された内部プッシャ部材116を含む。同様に、外側可撓性バンドアセンブリ114は、第1の可撓性バンド114aおよび第2の可撓性バンド114b、および外側プッシャ部材118を含む。駆動アセンブリ110の構造および機能の詳細な説明については、その内容が参考としてその全体で本明細書中に先に援用された「‘766出願」を参照されたい。
【0032】
ここで
図5を参照して、アダプタアセンブリ100はさらに、アンビルアセンブリ、すなわちアンビルアセンブリ40(
図1)に取り付けられ、そしてアンビルアセンブリをローディングユニット30(
図1)に対して選択的に位置づけるように構成されたトロカールアセンブリ120、およびトロカールアセンブリ120をアダプタアセンブリ100の外側スリーブ106に対して解放可能に固定する係止アセンブリ130を含む。トロカールアセンブリ120は、本開示の局面を十分に開示するために必要な程度まで説明されるにすぎない。例示のトロカールアセンブリの構造および機能の詳細な説明については、その内容が参考としてその全体で本明細書中に先に援用された「‘766出願」を参照されたい。
【0033】
簡単に、そして
図6をさらに参照して、アダプタアセンブリ100(
図1)のトロカールアセンブリ120は、外側ハウジング122、外側ハウジング122内に摺動可能に配置されるトロカール部材124、および外側ハウジング122に対してトロカール部材124を軸方向に移動させるためにトロカール部材124内に作動可能に受容される駆動ねじ126を含む。より詳細には、トロカール部材124は、駆動ねじ126を受容するような寸法であるねじ付きボア124aを画定する。駆動ねじ126の外側表面は、駆動ねじ126の回転が、トロカールアセンブリ120の外側ハウジング122内でトロカール部材124の長手方向移動を引き起こすようにねじ山付きである。トロカール部材124の遠位端124bは、アンビルアセンブリ、例えば、アンビルアセンブリ40(
図1)と解放可能に係合するように構成されている。近位軸受アセンブリ128aおよび遠位軸受アセンブリ128aは、外側ハウジング122内の駆動ねじ126、およびトロカール部材124を回転可能に支持するためにトロカールアセンブリ120の外側ハウジング122の近位端に搭載される。以下にさらに詳細に記載されるように、外側ハウジング122は、アダプタアセンブリ100の係止アセンブリ130の個々の第1の係止部材136、第2の係止部材138(
図11)の個々の係止部分136c、138cを受容するための第1の係止開口部123aおよび第2の係止開口部123b(
図15)を画定する切り抜き123を含む。
【0034】
図5に戻って参照し、アダプタアセンブリ100(
図2)の係止アセンブリ130は、アダプタアセンブリ100の外側スリーブ106(
図2)内に配置された内部ハウジング140、内部ハウジング140内に移動可能に支持された第1のボタン部材132および第2のボタン部材134、ならびに個々の第1のボタン部材132および第2のボタン部材134と作動可能に係合している第1の係止部材136および第2の係止部材138を含む。以下にさらに詳細に記載されるように、第1のボタン部材132および第2のボタン部材134ならびに第1の係止部材136および第2の係止部材138の各々は、内部ハウジング140内に移動可能に支持される。第1のボタン部材132および第2のボタン部材134の移動は、それぞれ第1の係止部材136および第2の係止部材138によって係合される、それぞれ第1のバネ142aおよび第2のバネ142bに抗して係止位置(
図13)から非係止位置(
図15)に個々の第1の係止部材136および第2の係止部材138を移動させるように構成される。
【0035】
さらに
図7および8を参照して、係止アセンブリ130の内部ハウジング140は、実質的に円筒形の本体を含み、この実質的に円筒形の本体は、それのある長さを延びている矩形の切り抜き131を画定しており、それを通って駆動アセンブリ110(
図4)およびトロカールアセンブリ120(
図6)が受け取られる。特に、内部ハウジング140は、トロカールアセンブリ120(
図5)の外側ハウジング122(
図5)を受容するための切り抜き131の両側に沿って延びる長手方向溝131a、131bを画定する。
【0036】
内部ハウジング140はさらに、切り抜き131と流体連通する第1の凹部133および第2の凹部135を画定する。第1の凹部133および第2の凹部135の各々は、個々の第1のボタン部材132および第2のボタン部材134(
図9)を作動可能に受容するように構成される。より詳細には、第1の凹部133および第2の凹部135は、個々の第1のボタン部材132および第2のボタン部材134のベース部分132a、134a(
図9)を収容するためにそれぞれ拡大部分133a、135aを含む。第1の凹部133および第2の凹部134はさらに、個々の第1のボタン部材132および第2のボタン部材134のステム部分132b、134b(
図9)を収容するための矩形の切り抜き131を横切って延びる第1のスロット133bおよび135bを含む。第1の凹部133aおよび第2の凹部135aの拡大部分133a、135aの各々は、個々の第1のボタン部材132および第2のボタン部材134のそれぞれ各ベース部分132a、134aから延びるタブ部分132c、134c(
図9)を摺動可能に受容するための一対の溝133c、135cを含む。
【0037】
図7および8を続けて参照し、内部ハウジング140はさらに、切り抜き131と流体連通している第1の開口137、第2の開口139(
図13)を画定する。第1の開口137および第2の開口139は、個々の第1の係止部材136および第2の係止部材138を作動可能に受容するように構成される。より詳細には、第1の開口137および第2の開口139の各々は、個々の第1の係止部材136および第2の係止部材138のベース部分136a、138aを収容するためのそれぞれ円筒形部分137a、139a(
図13)、個々の第1の係止部材136および第2の係止部材138のフランジ部分136b、138bを収容するための矩形部分137a、139b(
図13)、および個々の第1の係止部材136および第2の係止部材138のそれぞれ係止部分136c、138cを受容するための矩形の切り抜き131中に延びる開口部137c、139c(
図13)を含む。以下にさらに詳細に記載されるように、第1のボタン部材132が第2の係止部材138と係合し、そして第2のボタン部材134が第1の係止部材136と係合するように、第1の凹部133は第2の開口139と整列し、そして第2の凹部135は第1の開口137と整列する。
【0038】
係止アセンブリ130の内部ハウジング140はまた、切り抜き131と流体連通している第1の洗浄ポート141および第2の洗浄ポート143を画定する。この第1の洗浄ポート141および第2の洗浄ポート143は、トロカールアセンブリ120の取り外しの後、アダプタアセンブリ100の掃除を容易にする。アダプタアセンブリ100の外側スリーブ106は、洗浄ポート141、143に対応する一対の開口部107b(
図2および3)を画定する。インサート144は、内部ハウジング140を通る駆動アセンブリ110の整列を維持するために係止アセンブリ130の内部ハウジング140の切り抜き131内に受容可能である。
【0039】
簡単に
図9に戻って参照すると、上記のように、第1のボタン部材132および第2のボタン部材134の各々は、ベース部分132a、134a、個々のベース部分132a、134aから延びる、タブ部分132c、134cおよびステム部分132b、134bをそれぞれ含む。
【0040】
特に
図10を参照して、第2のボタン部材134は、内部ハウジング140の第2の凹部135内に受容され、ベース部分134aが第2の凹部135の拡大部分135a内に受容され、タブ部分134bは、第2の凹部135の個々の溝135b内に受容され、そしてステム部分134cは、第2の凹部135のスロット135c内に受容される。第2のボタン部材134が通って突出する外側スリーブ106中の開口部107aは、タブ部分134bが外側スリーブ106と係合し、そして第2の凹部135内に第2のボタン部材134を保持するような寸法にされる。第2のボタン部材134のみが示され、そして詳細に説明されてはいるが、第1のボタン部材132も同様に、第1の凹部133内に位置される。
【0041】
図11を参照して、第1の係止部材136および第2の係止部材138は各々、それぞれ、ベース部分136a、138a、個々のベース部分136a、138aから外方に延びるフランジ部分136b、138b、ならびに個々のベース部分136a、138aから延びる係止部材136cおよび係止部材138cを含む。示されるように、ベース部分136a、138aならびに係止部材136cおよび係止部材138cは、実質的に円筒形である。ベース部分136a、138aならびに係止部材136c、138cの一方または両方は任意の適切な形状であり得ることが想定される。以下にさらに詳細に記載されるように、第1の係止部材136および第2の係止部材138は、アダプタアセンブリ100の外側スリーブ106内にトロカールアセンブリ120を取り外し可能に固定するように作動する。
【0042】
アダプタアセンブリ100の係止アセンブリ130の作動が、ここで、
図12~17を参照して説明される。最初に
図12~14を参照して、係止アセンブリ130が係止構成で示されており、すなわち、第1の係止部材136および第2の係止部材138がそれらの第1の位置で示されている。より詳細には、係止アセンブリ130の第1の係止部材136および第2の係止部材138は、個々の第1のバネ142aおよび第2のバネ142bによって、個々の第1の係止部材136および第2の係止部材138の係止部分136c、138cが、トロカールアセンブリ120の外側ハウジング122中に形成された第1の係止開口部123aおよび第2の係止開口部123b内にそれぞれ受容されるように付勢される。
【0043】
係止構成では、係止アセンブリ130の個々の第1のボタン部材132および第2のボタン部材134のステム部分132b、134bは、内部ハウジング140の切り抜き131を横切って延び、そして第1の係止部材136および第2の係止部材138の個々のフランジ部分136b、138bとそれぞれ係合する。第1のボタン部材132および第2のボタン部材134は、それぞれ、第1の係止部材136および第2の係止部材138の係合、および個々の第1のバネ142b、第2のバネ142aの内方への付勢を通じて初期位置に維持される。
【0044】
アダプタアセンブリ100のトロカールアセンブリ120は、アダプタアセンブリ100の外側スリーブ106内に予備装填されて提供されてもよいか、またはトロカールアセンブリ120は、アダプタアセンブリ100から分離されて提供されてもよい。分離構成要素として提供されるとき、トロカールアセンブリ120は、エンドエフェクタ、例えば、エンドエフェクタ30をアダプタアセンブリ100のコネクタハウジング108に取り付ける前に、アダプタアセンブリ100の外側スリーブ106の遠位端を通じて装填される。トロカールアセンブリ120は、内部ハウジング140の切り抜き131を通じてアダプタアセンブリ100の外側スリーブ106中に供給される。トロカールアセンブリ120を、内部ハウジング140を通って受容するために、係止アセンブリ130は、以下で詳細に説明されるような様式で、非係止位置(
図16)まで移動される。あるいは、そして
図14Aを参照して、第1の係止部材136および第2の係止部材138は、トロカールアセンブリ120の近位端によって係合されるとき、第1のバネ142aおよび第2のバネ142bの付勢に抗して、第1の係止部材136および第2の係止部材138を非係止位置に押し、内部ハウジング140の切り抜き131を通るトロカールアセンブリ120の通過を可能にする面取りされた遠位表面136d、138dを含み得る。
【0045】
トロカールアセンブリ120の外側ハウジング122の第1の係止開口部123aおよび第2の係止開口部123bとの個々の第1の係止部材136および第2の係止部材138の係止部分136cおよび138cとの整列の際に、第1のバネ142aおよび第2のバネ142bは、第1の係止部材136および第2の係止部材138の係止部分136cおよび138cを外側ハウジング122の個々の第1の開口部123aおよび第2の開口部123b中に付勢する。トロカールアセンブリ120が係止アセンブリ130内に固定して受容されることを示すために、第1の係止部材136および第2の係止部材138が個々の第1の係止開口部123aおよび第2の係止開口部123bで受容されるとき、音響および/または触覚指標が、係止アセンブリ130によってユーザに提供されてもよい。
【0046】
複数の実施形態では、トロカールアセンブリ120の外側ハウジング122は、係止アセンブリ130に対するトロカールアセンブリ120の回転整列を維持し、トロカールアセンブリ120の第1の開口部123aおよび第2の開口部123bが、係止アセンブリ130の個々の第1の係止部材136および第2の係止部材138との整列を維持されることを確実にするために平坦部分125(
図13)を含む。
【0047】
一旦、トロカールアセンブリ120が、スリーブ106内に装填され、そして係止アセンブリ130によってその中に固定されると、アダプタアセンブリ100、取り付けられたハンドルアセンブリ20(
図1)、取り付けられたローディングユニット30(
図1)および取り付けられたアンビルアセンブリ40(
図1)は、伝統的な様式で作動する。
【0048】
外科用ステープル留めデバイス10を用いる外科的ステープル留め手順の後、アダプタアセンブリ100のトロカールアセンブリ120は、アダプタアセンブリ100のスリーブ106から取り外され、アダプタアセンブリ100の掃除および/または滅菌を容易にする。上記で記載されたように、係止機構130の第1のボタン部材132および第2のボタン部材134の同時押し下げは、トロカールアセンブリ120から第1の係止部材136および第2の係止部材138を係合解除する。トロカール部材124の遠位端124bは把持され、そして外側スリーブ108に対して引かれてアダプタアセンブリ100からトロカールアセンブリ120を取り外し得る。係止アセンブリ130を係止解除するために、第1のボタン部材132および第2のボタン部材134の両方が、同時に押し下げられることを要求することにより、第1のボタン部材132および第2のボタン部材134の1つのみの不注意の押し下げの場合に、トロカールアセンブリ120の偶発的な解放が防がれる。
【0049】
図15~17を参照して、アダプタアセンブリ100の係止アセンブリ130が、第1の係止部材136および第2の係止部材138がそれらの第2の位置、または非係止位置にあって示される。第1の係止部材136および第2の係止部材138を非係止位置に移動させるために、第2のボタン部材134および第1のボタン部材132が、
図15に矢印「A」によって示されるようにそれぞれ押し下げられる。個々の第2のボタン部材134および第1のボタン部材132のステム部分138c、136cと個々の第1の係止部材136および第2の係止部材138のフランジ部分136b、138bとの係合は、
図15に矢印「B」によって示されるように、第1の係止部材136および第2の係止部材138を、第1のバネ142aおよび第2のバネ142bの付勢に抗して半径方向外方ら動かす。
【0050】
第1の係止部材136および第2の係止部材138が第2の位置にあるとき、個々の第1の係止部材136および第2の係止部材138の係止部分136c、138cは、トロカールアセンブリ120の外側ハウジング122の個々の第1の係止開口部123aおよび123bから引き抜かれ、そしてトロカールアセンブリ120は、アダプタアセンブリ100の外側スリーブ106内から取り外れされる。一旦、トロカールアセンブリ120が、アダプタアセンブリ100から分離されると、アダプタアセンブリ100は、伝統的な様式で掃除および/または滅菌され得る。
【0051】
本明細書中に説明される任意の構成要素は、強度、耐久性、耐摩耗性、重量、腐食に対する抵抗性、製造の容易さ、製造のコストなどを考慮して、金属、プラスチック、樹脂、コンポジットのいずれかなどから製作され得る。
【0052】
当業者は、本明細書中に詳細に記載され、そして添付の図面に示されるデバイスおよび方法が、非制限的な例示の実施形態であることを理解し得る。1つの例示の実施形態と組み合わせて示され、または説明される要素および特徴が、本開示の範囲から逸脱することなく別の要素および特徴と組み合わされ得ることが想定される。同様に、当業者は、上記の記載の実施形態に基づき、本開示のさらなる特徴および利点を認識し得る。従って、本開示は、添付の特許請求の範囲によって示されるようなものを除き、詳細に示され、そして説明されるものによっては制限されない。