(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】ウッドデッキ用の点検口
(51)【国際特許分類】
E04F 19/08 20060101AFI20220421BHJP
E04F 15/02 20060101ALI20220421BHJP
【FI】
E04F19/08 101B
E04F15/02 101G
(21)【出願番号】P 2017045517
(22)【出願日】2017-03-10
【審査請求日】2020-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000133319
【氏名又は名称】株式会社ダイケン
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤川 克信
(72)【発明者】
【氏名】益野 憲造
【審査官】前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-332348(JP,A)
【文献】実開昭60-168741(JP,U)
【文献】実公昭61-046122(JP,Y2)
【文献】特開昭58-054159(JP,A)
【文献】特公昭62-032308(JP,B2)
【文献】特許第2798606(JP,B2)
【文献】特許第3241833(JP,B2)
【文献】特許第3241834(JP,B2)
【文献】特許第4111388(JP,B2)
【文献】特開2008-014064(JP,A)
【文献】米国特許第05440843(US,A)
【文献】中国実用新案第204781833(CN,U)
【文献】特開2001-026979(JP,A)
【文献】特開2011-012400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 19/08
E04F 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の根太と、前記根太間に架け渡される複数のデッキ材と、隣接する根太間に形成され
前記デッキ材のみによって構成される開口部と、を備えるウッドデッキの下方を点検するために前記開口部を開閉するウッドデッキ用の点検口であって、
複数の枠材を枠組みして形成されて前記開口部の周縁部に載置可能な枠体と、
前記枠体の内側に
固定して連設されるとともに、点検口用デッキ材
を載置して固定可能な底板と、
を備え、
前記枠体は、枠組みされる複数の枠材のうちの対向する一対の枠材が、
前記根太上に載置されて前記開口部を形成するデッキ材と所定の間隔を空けて、前記開口部
が形成される根太上に載置可能に形成され、
前記底板は、載置される点検口用デッキ材の上面と、前記根太間に架け渡されるデッキ材の上面と、前記枠体の上面と、が面一となるように、且つ前記デッキ材と同じ厚さの前記点検口用デッキ材
を載置して固定可能に、前記枠体の上面に対して一段下がった位置で前記枠体に固定されること
を特徴とするウッドデッキ用の点検口。
【請求項2】
前記開口部を形成する根太上に設けられる係合部材と係合することにより前記開口部を施錠する施錠機構を備えること
を特徴とする請求項1に記載のウッドデッキ用の点検口。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、住宅、施設等のベランダ或いはテラスに複数のデッキ材を配置して構成されるウッドデッキ用の点検口に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅、施設等のベランダ或いはテラスに設置されるウッドデッキとしては、例えば、特許文献1に示すようなものがある。特許文献1のウッドデッキは、土台上に渡される複数の根太上に複数のデッキ材が取付金具によって取り付けられて形成されるものである。
【0003】
このような従来のウッドデッキにおいては、定期的な点検等でウッドデッキの下方を点検したいという要望があり、従来のウッドデッキに当該点検を行うための点検口を設けることが望まれている。
【0004】
従来のウッドデッキに点検口を設ける場合には、
図9に示すように、ウッドデッキ100を構成するデッキ材101の一部を切断して、根太102間に開口部103を形成し、形成した開口部103の周縁に、デッキ材101と同じ材料の複数のデッキ材111をハット型の一対の補強材112で補強して構成される点検口110を開閉可能に設ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のウッドデッキ用の点検口は、単に、複数のデッキ材を補強材のみで補強して構成しているため、デッキ材に歪みが発生し、また、点検口を開閉するための取手を設けることが難しいという問題があった。さらに、ウッドデッキは、通常、屋外に設置されるため、四季或いは昼夜における外気温度の変化等により、ウッドデッキ用及び点検口用のデッキ材が膨張及び収縮して長手方向に伸縮する。このため、従来のウッドデッキ用の点検口においては、上記デッキ材の収縮により、ウッドデッキ用のデッキ材と点検口用のデッキ材とが干渉して、点検口を充分に開閉させることができないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、点検口を構成するデッキ材の歪みを防止し、点検口を開閉するための取手を設け易くするとともに、外気温度の変化等によりウッドデッキ用のデッキ材が伸縮する場合であってもその開閉が可能なウッドデッキ用の点検口を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上であり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、本発明に係るウッドデッキ用の点検口は、複数の根太と、前記根太間に架け渡される複数のデッキ材と、隣接する根太間に形成され前記デッキ材のみによって構成される開口部と、を備えるウッドデッキの下方を点検するために前記開口部を開閉するウッドデッキ用の点検口であって、複数の枠材を枠組みして形成されて前記開口部の周縁部に載置可能な枠体と、前記枠体の内側に固定して連設されるとともに、点検口用デッキ材を載置して固定可能な底板と、を備え、前記枠体は、枠組みされる複数の枠材のうちの対向する一対の枠材が、前記根太上に載置されて前記開口部を形成するデッキ材と所定の間隔を空けて、前記開口部が形成される根太上に載置可能に形成され、前記底板は、載置される点検口用デッキ材の上面と、前記根太間に架け渡されるデッキ材の上面と、前記枠体の上面と、が面一となるように、且つ前記デッキ材と同じ厚さの前記点検口用デッキ材を載置して固定可能に、前記枠体の上面に対して一段下がった位置で前記枠体に固定されるものである。
【0010】
本発明は、上記ウッドデッキ用の点検口において、前記開口部を形成する根太上に設けられる係合部材と係合することにより前記開口部を施錠する施錠機構を備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、点検口用デッキ材を載置可能な底板が、載置される点検口用デッキ材の上面と、根太間に架け渡されるデッキ材の上面と、枠体の上面と、が面一となるように、枠体の上面に対して一段下がった位置に設けられ、点検口用デッキ材を底板に固定することで、点検口用デッキ材の歪みを防止することができ、点検口を開閉するための取手を容易に設けることができる。また、根太上に載置されるウッドデッキ用のデッキ材と所定の間隔を空けて載置可能に構成されることから、外気温度の変化等によりウッドデッキ用及び点検口用のデッキ材が伸縮する場合であってもその開閉を充分に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る点検口が設けられるウッドデッキの一部分を示す平面図である。
【
図2】本発明に係る点検口が設けられるウッドデッキの一部分を示す正面断面図である。
【
図7】(a)は、本発明に係る点検口の施錠機構の正面断面図であり、(b)は、本発明に係る点検口の取手の取手本体を起立させた際の平面図である。
【
図8】本発明に係る点検口の開口部周縁の正面断面図である。
【
図9】(a)は、従来の点検口が設けられるウッドデッキの一部分を示す平面図であり、(b)は、従来の点検口が設けられるウッドデッキの一部分を示す平面図で正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、本発明に係る点検口10について説明する。
【0014】
図1に示すように、点検口10は、ウッドデッキ50に設けられる点検口であり、ウッドデッキ50の下方を点検するために用いられるものである。点検口10が設けられるウッドデッキ50は、複数の根太51と、根太51間に架け渡される複数のデッキ材52と、を備えるものである。なお、本発明に係るウッドデッキは、ウッドデッキ50に限定されるものではなく、点検口を設けることが可能なウッドデッキであれば構わない。同様に、根太及びデッキ材の構成もウッドデッキ50の根太51及びデッキ材52の構成に限定されるものではない。
【0015】
図1及び
図2に示すように、根太51は、デッキ材52を載置可能な載置面51aをその上部に有する側面視略逆U字状に屈曲させた金属板により構成される長尺状の部材である。根太51は、図示しない土台に、他の隣接する根太51と同一平面上で平行となるように所定の間隔を有して配置される。ここで、所定の間隔とは、デッキ材52を架け渡すことが可能な間隔であるとともに、点検口10を形成可能な間隔である。
【0016】
デッキ材52は、所定の板厚を有する平板形状の木製の部材である。なお、デッキ材52は、木製の部材により構成されるものに限定されるものではなく、樹脂或いは紙が混ぜられた人工木により構成しても構わない。デッキ材52は、根太51の長手方向に対して水平に直交して配置され、他の隣接するデッキ材52と平行となるように、隣接する根太51間に架け渡された状態で根太51の載置面51a上に載置される。デッキ材52は、ネジ等の固定部材62により根太51に固定される。
【0017】
図2に示すように、点検口10は、隣接する根太51間に形成される開口部55に配置される。具体的には、開口部55は、隣接する根太51に架け渡されて固定される複数のデッキ材52の一部分を切断することにより、隣接する根太51間及び隣接する根太51の長さ方向に開口して形成される。開口部55は、隣接する根太51間に形成される開口部分と、当該開口部分の周縁であって隣接する根太51の載置面51aに形成されて後述する点検口10を載置する載置部分と、から構成される。開口部55の開口部分は、ウッドデッキ50の下方を点検可能な大きさに開口され、具体的には、隣接する根太51間の幅と同等の大きさに開口される。開口部55の載置部分は、根太51の載置面51aの片側(開口部55の開口部分側)に形成され、点検口10を載置した際に、点検口10の枠体13と、根太51の載置面51aに載置されるデッキ材52と、の間に所定の間隔Kが空くように設けられる。
【0018】
図1から
図3に示すように、点検口10は、開口部55に配置されることで、開口部55を閉じる。すなわち、点検口10は、開口部55を開閉するための蓋である。点検口10は、開口部55を覆うように四角形状に形成されるとともに、その内側に点検口用デッキ材53を嵌め込み可能に側面断面視凹状に形成される。点検口10は、開口部55の周縁部に配置される四角形状の枠体13と、点検口用デッキ材53が載置される底板14と、点検口10を掴むための取手20と、を備える。
【0019】
枠体13は、隣接する金属製の枠材13A同士を直角に枠組して構成されるものであり、同一断面の4本の枠材13Aを四辺に配置し、枠材13Aの一端部と、その隣接する枠材13Aの他端部と、を接合することにより四角形状に形成される。なお、枠体13は金属製の枠材13Aにより構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、木製等の枠材により構成しても構わない。枠体13は、その4本の枠材13Aのうちの対向する2本の枠材13Aが根太51の載置面51aに載置される。
【0020】
図2から
図6に示すように、枠材13Aは、断面視略ロ字状の枠材本体部13aと、断面視略L字状の受け部13bと、から主に構成されている。枠材本体部13aは、開口部55の周縁部に配置される部分であり、その下端が後述するスペーサー70及びクッション材75を介して根太51の載置面51aに載置される。受け部13bは、その基端部分が枠材本体部13aの内側下端から下方に突出し、その途中部分が内側水平方向に折り曲げられて突出する。受け部13bは、その先端部分の水平面において底板14を受ける。根太51の載置面51aに載置される枠材13Aの中央部には切り欠き部13cが設けられる。切り欠き部13cは、枠材13Aの中央部の一部を切り欠いた部分であり、点検口10により開口部55を閉じた際に、後述する施錠機構30の止金33が突出可能であり、且つ施錠機構30の錠受け34が当接しない程度に切り欠かれている。
【0021】
底板14は、枠体13の内側に連設される金属製の板材である。底板14は、点検口10により開口部55を閉じた際に、底板14に載置される点検口用デッキ材53の上面と、根太51間に架け渡されるデッキ材52の上面と、枠体13の上面と、が面一となるように、枠体13の上面に対して一段下がった位置に設けられる。底板14は、その周縁部分が枠体13の受け部13bに載置され、ネジ等の固定部材60により受け部13bに固定される。底板14は、その平面部分の上面に点検口用デッキ材53が載置される。底板14に載置される点検口用デッキ材53は、根太51間に架け渡される複数のデッキ材52と同じ厚さの板材であり、枠材13Aの内側に嵌め込み可能な大きさに加工される。底板14に載置される点検口用デッキ材53は、ネジ等の固定部材61により底板14に固定される。このように、点検口10は、底板14に点検口用デッキ材53が載置可能な構成となっているため、点検口用デッキ材53が歪むことを防止できる。また、点検口10は、底板14が枠体13の上面に対して一段下がった位置に設けられ、底板14の上面に取手20を取り付けることができるため、後述する取手20を容易に設けることができる。底板14は、その平面部分の裏面が複数の蓋補強材15により支持される。蓋補強材15は、底板14を載置可能な載置面をその上部に有する側面視逆U字状に屈曲させた金属板により構成される長尺状の部材である。
図3及び
図4に示すように、底板14は、雨水等を排水するための複数の排水孔16が、その上面から下面を貫通して形成される。
【0022】
図3、
図5、及び
図7に示すように、取手20は、枠体13を構成する4本の枠材13Aのうち、根太51の載置面51aに載置される2本の枠材13Aのそれぞれの内側中央部に設けられる。取手20は、基台21と、取手本体23と、施錠機構30の錠本体31と、から主に構成されている。
【0023】
基台21は、底板14に設けられる支持部材22により支持される。基台21は、2本の枠材21Aを枠組みして平面視略コ字状に形成され、その枠組みされた枠材21Aの内側において取手本体23と、施錠機構30の錠本体31と、を支持する。
【0024】
取手本体23は、基台21の枠材21Aに嵌め込み可能な平板形状の部材により構成される。
図7(a)に示すように、取手本体23は、その基端部23Aが基台21に固定される軸24に対して回転自在に設けられる。取手本体23の基端部23Aは、側面視略U字状に形成される凹状部分の内側で軸24を受けるように、基台21の底板と軸24との隙間に軸24に沿って配置される。取手本体23は、その先端部23Bが点検口10を掴む際の持ち手となるように側面視略U字状に屈曲して形成される。
【0025】
取手本体23は、その先端部23Bを上方に持ち上げることで、取手本体23の基端部23Aが軸24に沿って回転して取手本体23が起立し、取手本体23の先端部23Bが持ち上げ可能な状態となるとともに、
図7(b)に示すように、基台21の内部(枠組みされた枠材の内側)が開いた状態となる。また、取手本体23は、その先端部23Bを下方に倒すことで、取手本体23が基台21の内部(枠組みされた枠材の内側)に嵌め込まれ、基台21の内部(枠組みされた枠材の内側)が閉じた状態となる。このように、取手20は、点検口10により閉じられた開口部55を開く際には、一対の取手本体23を互いに平行に起立させることで、点検口10を持ち上げ可能な状態となり、点検口10により開口部55を閉じた際には、取手本体23を倒すことで、取手本体23の上面が枠体13の上面と面一の状態となる。すなわち、取手本体23は、点検口10を掴む際の持ち手の機能を有するとともに、基台21の内部(枠組みされた枠材の内側)を開閉する蓋の機能を有する。
【0026】
点検口10は、点検口10により開口部55を閉じた際に、開口部55を施錠するための施錠機構30を備える。施錠機構30は、点検口10により開口部55を閉じた際に、開口部55を施錠する。施錠機構30は、錠本体31と、錠受け34(「係合部材」の一例)と、から主に構成されている。
【0027】
図7に示すように、錠本体31は、取手20の基台21の内部(枠組みされた枠材の内側)に収納され、取手本体23を開くことにより取手20の基台21の内部(枠組みされた枠材の内側)から露出する。錠本体31は、キーシリンダー32と、止金33と、を有する。止金33は、金属製の平板状の部材により構成され、付属の鍵(図示せず)によりキーシリンダー32を操作することで水平方向に出退する。
【0028】
錠受け34は、キーシリンダー32の操作により突出する止金33を受けるものであり、根太51の載置面51aから上方に突出して立設される側面視略L字状の金属製の部材により構成される。錠受け34は、点検口10により開口部55を閉じた際に、枠材13Aの切り欠き部13cにより覆われる位置に立設される。錠受け34は、根太51の載置面51aから突出する部分の上部に、孔34aが形成されている。孔34aは、キーシリンダー32の操作により突出する止金33が挿通可能な大きさで長方形状に開口している。すなわち、孔34aは、止金33が突出した際に止金33と係合可能な位置で、開口部分を水平方向に向けて形成される。
【0029】
施錠機構30は、キーシリンダー32を操作することで、止金33が枠体13の外側方向に突出し、根太51に立設される錠受け34の孔34aに挿通される。これにより、点検口10の上下方向及び止金33が突出する方向に対して水平に直交する方向の動きが錠受け34により規制され、点検口10が根太51に固定された状態となる。また、止金33が突出する方向に対して水平に直交する方向の点検口10の動きは、枠材13Aの切り欠き部13cと、錠受け34とが当接することにより規制され、止金33が突出する方向の点検口10の動きは、根太51及び錠受け34が枠材13Aに当接することにより規制される。このように、施錠機構30は、止金33を錠受け34の孔34aに挿通させて、点検口10を、止金33を介して、根太51に立設される錠受け34に係合させることで、開口部55を施錠する。
【0030】
次に、点検口10の開口部55への点検口10の配置について説明する。
図2に示すように、点検口10により開口部55を閉じる際には、点検口10は、その上面が根太51間に架け渡されるデッキ材52の上面と面一となるように開口部55に配置される。具体的には、点検口10は、底板14に載置される点検口用デッキ材53の上面と、根太51間に架け渡されるデッキ材52の上面と、枠体13の上面と、が面一となるように開口部55に配置される。
【0031】
ここで、点検口10においては、底板14に載置される点検口用デッキ材53の上面と、根太51間に架け渡されるデッキ材52の上面と、枠体13の上面と、を面一とするために、根太51間に架け渡されるデッキ材52の厚さに応じて、底板14に対する点検口用デッキ材53の高さ及び根太51の載置面51aに対する枠材13Aの高さを、スペーサー70、71、及びクッション材75を用いて調整する。
【0032】
具体的には、
図8(a)に示すように、根太51間に架け渡されるデッキ材52の厚さが、底板14の上面から枠体13の上面までの高さと同じ場合には、枠体13と根太51との間にスペーサー70及びクッション材75を挿入することにより、根太51の載置面51aに対する枠材13Aの高さを調整する。
【0033】
図8(b)及び(c)に示すように、根太51間に架け渡されるデッキ材52の厚さが、底板14の上面から枠体13の上面までの高さより短い場合には、枠体13と根太51との間にスペーサー70及びクッション材75、或いはクッション材75のみを挿入するとともに、底板14に載置される点検口用デッキ材53と底板14との間に底板用スペーサー71を挿入することにより、底板14に対する点検口用デッキ材53の高さ及び根太51の載置面51aに対する枠材13Aの高さをそれぞれ調整する。そして、根太51間に架け渡されるデッキ材52の厚さと、底板14の上面から枠体13の上面までの高さとの長さの比率に応じて、枠体13と根太51との間に挿入するスペーサー70の高さ(枚数)と、底板14に載置される点検口用デッキ材53と底板14との間に挿入される底板用スペーサー71の高さ(枚数)との比率を調整する。
【0034】
また、
図2及び
図8に示すように、点検口10により開口部55を閉じる際には、根太51の載置面51aにおいて、根太51間に架け渡されるデッキ材52と、点検口10と、が所定の間隔Kを空けて配置される。ウッドデッキ50においては、デッキ材52が、四季或いは昼夜における外気温度の変化等により膨張及び収縮して長手方向に伸縮する。そのため、根太51間に架け渡されるデッキ材52を、点検口10の大きさに合わせて、点検口10と接するように配置すると、デッキ材52が膨張した際に、点検口10がデッキ材52により必要以上に挟持され、或いは、開口部55の開口面積が小さくなることから、点検口10により開口部55を開閉することができない。そのため、点検口10においては、根太51間に架け渡されるデッキ材52と、点検口10と、の間に所定の間隔Kを設けることで、デッキ材52の膨張により、点検口10の開閉が不能となることを防止している。ここで、所定の間隔Kは、根太51間に架け渡されるデッキ材52の膨張率、根太51の載置面51aの幅、隣接する根太51間の間隔等により決定される間隔である。また、点検口10は、枠体13の内側に点検口用デッキ材53を嵌め込んでいるため、デッキ材52と、点検口用デッキ材53と、の間が、枠体13(枠材13A)によって切られる。そのため、デッキ材52が膨張した場合であっても、点検口用デッキ材53と干渉することはなく、枠体13の無い点検口用デッキ材53のみで構成された点検口と比べてその開閉を容易に行うことができる。また、間隔Kをデッキ材52の膨張のみを考慮して設定できるため、枠体13の無い点検口用デッキ材53のみで構成された点検口と比べて、間隔Kを狭くすることができる。
【0035】
以上のように、点検口10においては、点検口用デッキ材53を載置可能な底板14が、載置される点検口用デッキ材53の上面と、根太51間に架け渡されるデッキ材52の上面と、枠体13の上面と、が面一となるように、枠体13の上面に対して一段下がった位置に設けられ、点検口用デッキ材53を底板14に固定することで、点検口用デッキ材53の歪みを防止することができ、点検口10を開閉するための取手20を容易に設けることができる。また、根太51上に載置されるウッドデッキ用のデッキ材52と所定の間隔Kを空けて載置可能に構成されることから、外気温度の変化等によりデッキ材52及び点検口用デッキ材53が伸縮する場合であってもその開閉を充分に行うことができる。
【0036】
なお、本実施の形態においては、枠体13の4本の枠材13Aのうちの対向する2本の枠材13Aが根太51の載置面51aに載置されるように構成しているが、これに限定されるものではなく、隣接する根太51に別途根太51或いは支持部材を架け渡して、枠体13の4本の枠材13Aが根太51或いは支持部材に載置されるように構成しても構わない。
【符号の説明】
【0037】
10 点検口
13 枠体
13A 枠材
14 底板
50 ウッドデッキ
51 根太
52 デッキ材
53 点検口用デッキ材
55 開口部