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特許7061467ホームゲート制御システム及び個別制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】ホームゲート制御システム及び個別制御装置
(51)【国際特許分類】
   B61B 1/02 20060101AFI20220421BHJP
   B61L 23/00 20060101ALI20220421BHJP
【FI】
B61B1/02
B61L23/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018003962
(22)【出願日】2018-01-15
(65)【公開番号】P2019123295
(43)【公開日】2019-07-25
【審査請求日】2020-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 祥子
(72)【発明者】
【氏名】岩岡 英明
【審査官】金田 直之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0197514(US,A1)
【文献】特開2000-203418(JP,A)
【文献】特開2006-008069(JP,A)
【文献】特開2016-215741(JP,A)
【文献】特開平07-334382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61B 1/02
B61L 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
総合制御装置により複数の個別制御装置に指示を行い、前記複数の個別制御装置により複数のホームゲートの開閉を制御するホームゲート制御システムであって、前記複数の個別制御装置の各々は、制御対象のホームゲートが有する2つの開閉体の一方の開閉を制御する主機と当該2つの開閉体の他方の開閉を制御する従機を有し、前記複数の個別制御装置のうち隣り合う2つの個別制御装置の一方の主機と他方の従機が、前記総合制御装置と通信を行うための通信線とは異なる通信線により接続されている他の個別制御装置の異常を検知した場合、当該他の個別制御装置の制御対象であるホームゲートの開閉を当該他の個別制御装置に代わって制御するホームゲート制御システム。
【請求項2】
前記複数の個別制御装置の各々は、前記総合制御装置と通信を行うための通信線を介して、他の個別制御装置の異常を検知する請求項に記載のホームゲート制御システム。
【請求項3】
前記複数の個別制御装置の各々は、前記総合制御装置と通信を行うための通信線を介して、異常が検知された他の個別制御装置の制御対象であるホームゲートの開閉を制御する請求項1又は2に記載のホームゲート制御システム。
【請求項4】
前記複数の個別制御装置の各々は、無線通信により他の個別制御装置の異常を検知する請求項に記載のホームゲート制御システム。
【請求項5】
前記複数の個別制御装置の各々は、異常が検知された他の個別制御装置の制御対象であるホームゲートの開閉を無線通信により制御する請求項1又は2に記載のホームゲート制御システム。
【請求項6】
総合制御装置からの指示に従い、複数のホームゲートにおいて制御対象であるホームゲートの開閉を制御する個別制御装置であって、制御対象のホームゲートが有する2つの開閉体の一方の開閉を制御する主機と当該2つの開閉体の他方の開閉を制御する従機を有し、自装置の主機と自装置の隣にある他の個別制御装置の従機とが、前記総合制御装置と通信を行うための通信線とは異なる通信線により接続されている他の個別制御装置の異常を検知した場合、当該他の個別制御装置の制御対象であるホームゲートの開閉を当該他の個別制御装置に代わって制御する個別制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホームゲート制御システム及び個別制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駅のプラットフォームに設置されるホーム柵の発明として、例えば特許文献1に開示されたホーム柵がある。このホーム柵においては、開口部を開閉する扉体を制御するための制御基板が複数の開口部毎に設けられている。各制御基板は、総合制御装置からの指示に従って交代で稼働して扉体を駆動し、開口部の開閉を行う。稼働する制御基板を切り替える方法としては、予め定められたスケジュールに従って切り替える方法や、各制御基板の過去の稼働実績によって切り替える方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-215741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
総合制御装置からスケジュール又は稼働実績によって交代で制御基板を稼働させることにより各制御基板の通電時間を減少させることができ、各制御基板の耐用年数を延長させることが可能となっている。また、いずれかの制御基板が故障しても、故障した制御基板をスケジュールから外すことや、稼働実績に基づく選択から外すことにより、他の制御基板によって扉体を開閉することができる。しかしながら、スケジュールの変更や稼働実績に基づく選択から外すことについては複雑の処理が必要となる。
【0005】
本発明は、ゲート毎に設けられてゲートの開閉を制御する装置に異常が発生しても、ゲートの開閉ができなくなるのを防ぐ技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、総合制御装置により複数の個別制御装置に指示を行い、前記複数の個別制御装置により複数のホームゲートの開閉を制御するホームゲート制御システムであって、前記複数の個別制御装置の各々は、制御対象のホームゲートが有する2つの開閉体の一方の開閉を制御する主機と当該2つの開閉体の他方の開閉を制御する従機を有し、前記複数の個別制御装置のうち隣り合う2つの個別制御装置の一方の主機と他方の従機が、前記総合制御装置と通信を行うための通信線とは異なる通信線により接続されている他の個別制御装置の異常を検知した場合、当該他の個別制御装置の制御対象であるホームゲートの開閉を当該他の個別制御装置に代わって制御するホームゲート制御システムを、第1の態様として提供する。
【0007】
第1の態様のホームゲート制御システムによれば、ゲート毎に設けられてゲートの開閉を制御する個別制御装置に異常が発生しても、ホームゲートの開閉ができなくなるのを防ぐができる。
また、第1の態様のホームゲート制御システムによれば、個別制御装置は、通信線で接続されている個別制御装置の異常の検知と、通信線で接続されている個別制御装置の制御対象であるホームゲートの制御を行うことができる。
また、第1の態様のホームゲート制御システムによれば、隣り合う個別制御装置の一方の個別制御装置の主機と他方の個別制御装置の従機が同じ筐体内にある場合、同じ筐体内で一方の個別制御装置と他方の個別制御装置を接続することができる。
【0012】
また、本発明は、第1の態様ホームゲート制御システムにおいて、前記複数の個別制御装置の各々は、前記総合制御装置と通信を行うための通信線を介して、他の個別制御装置の異常を検知するという構成を第の構成として採用してもよい。
【0013】
の態様のホームゲート制御システムによれば、ホームゲート制御システムにおける通信線の数を抑えることができる。
【0014】
また、本発明は、第1の態様又は第2の態様のホームゲート制御システムにおいて、前記複数の個別制御装置の各々は、前記総合制御装置と通信を行うための通信線を介して、異常が検知された他の個別制御装置の制御対象であるホームゲートの開閉を制御するという構成を第の態様として採用してもよい。
【0015】
の態様のホームゲート制御システムによれば、ホームゲート制御システムにおける通信線の数を抑え、個別制御装置は、他の個別制御装置の制御対象であるホームゲートの開閉を制御することができる。
【0016】
また、本発明は、第1の態様ホームゲート制御システムにおいて、前記複数の個別制御装置の各々は、無線通信により他の個別制御装置の異常を検知するとい構成を第の態様として採用してもよい。
【0017】
の態様のホームゲート制御システムによれば、ホームゲート制御システムにおける通信線の数を抑えることができる。
【0018】
また、本発明は、第1の態様又は第2の態様のホームゲート制御システムにおいて、前記複数の個別制御装置の各々は、異常が検知された他の個別制御装置の制御対象であるホームゲートの開閉を無線通信により制御するという構成を第の態様として採用してもよい。
【0019】
の態様のホームゲート制御システムによれば、ホームゲート制御システムにおける通信線の数を抑え、個別制御装置は、他の個別制御装置の制御対象であるホームゲートの開閉を制御することができる。
【0020】
また、本発明は、総合制御装置からの指示に従い、複数のホームゲートにおいて制御対象であるホームゲートの開閉を制御する個別制御装置であって、制御対象のホームゲートが有する2つの開閉体の一方の開閉を制御する主機と当該2つの開閉体の他方の開閉を制御する従機を有し、自装置の主機と自装置の隣にある他の個別制御装置の従機とが、前記総合制御装置と通信を行うための通信線とは異なる通信線により接続されている他の個別制御装置の異常を検知した場合、当該他の個別制御装置の制御対象であるホームゲートの開閉を当該他の個別制御装置に代わって制御する個別制御装置を第の態様として採用する。
【0021】
の態様の個別制御装置によれば、ゲート毎に設けられてゲートの開閉を制御する他の個別制御装置に異常が発生しても、他の個別制御装置の制御対象のホームゲートの開閉ができなくなるのを防ぐができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係るホームゲート1の一例を示した図。
図2】ホームゲート制御システム2のブロック図。
図3】主駆動部30M及び従駆動部30Sのブロック図。
図4】制御部100が行う処理の流れを示したフローチャート。
図5】制御部100が行う処理の流れを示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明に係るホームゲート1の一例を示した図である。ホームゲート1は列車3が停車するプラットフォーム4に設置されるゲートである。ホームゲート1は、列車3の乗降口への出入口となるn個の開口部10~10を備える。開口部10~10は、本発明に係る複数のホームゲートの一例である。開口部10~10については、各々を区別する必要がない場合は開口部10と称する。開口部10の符号の添え字は、複数の開口部10の順番を示し、プラットフォーム4側からホームゲート1を見たときの左端からの順番を示すものである。
【0024】
また、ホームゲート1は、筐体20~20n+1、開口部10を開閉する扉体11L~11L及び開口部10を開閉する扉体11R~11Rを備える。扉体11L~11L及び扉体11R~11Rは、本発明に係る開閉体の一例である。以下、筐体20~20n+1について各々の筐体を区別する必要がない場合は筐体20と称する。筐体20の符号の添え字は、複数の筐体20の順番を示し、プラットフォーム4側からホームゲート1を見たときの左端からの順番を示すものである。また、扉体11L~11Lについても各々を区別する必要がない場合は扉体11Lと称し、扉体11R~11Rについても、各々を区別する必要がない場合は扉体11Rと称する。扉体11Lと扉体11Rの符号の添え字は、複数の扉体11Lと扉体11Rの順番を示し、プラットフォーム4側からホームゲート1を見たときの左端からの順番を示すものである。
【0025】
開口部10は、符号の添え字が同じである扉体11Lと扉体11Rにより開閉される。乗客が列車3に乗降する際には、扉体11Lは、プラットフォーム4側から列車3を見て開口部10の左側にある筐体20に収納され、扉体11Rは、プラットフォーム4側から列車3を見て開口部10の右側にある筐体20に収納される。
【0026】
図2は、扉体11a及び扉体11bの開閉を制御するホームゲート制御システム2のブロック図である。ホームゲート制御システム2は、本発明に係るホームゲート制御システムの一例である。ホームゲート制御システム2は、総合制御装置200、n個の主駆動部30M~30M及びn個の従駆動部30S~30Sを備える。以下、主駆動部30M~30Mについて各々を区別する必要がない場合は主駆動部30Mと称し、従駆動部30S~30Sについて各々を区別する必要がない場合は従駆動部30Sと称する。符号の添え字が同じである主駆動部30Mと従駆動部30Sの組は、本発明に係る個別制御装置の一例である。また、主駆動部30Mは、本発明に係る主機の一例であり、従駆動部30Sは、本発明に係る従機の一例である。
【0027】
総合制御装置200は、通信線により主駆動部30M~30Mに接続されている。総合制御装置200は、扉体11L及び扉体11Rの駆動を主駆動部30M~30Mに指示する。総合制御装置200は、本発明に係る総合制御装置の一例である。
【0028】
主駆動部30Mは、符号の添え字が同じである開口部10をプラットフォーム4側から見たときに右側にある筐体20に収納され、従駆動部30Sは、符号の添え字が同じである開口部10をプラットフォーム4側から見たときに左側にある筐体20に収納される。符号の添え字が同じである主駆動部30Mと従駆動部30Sは、通信線により互いに接続されている。主駆動部30Mは、符号の添え字が同じである扉体11Rを総合制御装置200からの指示に応じて駆動する。また、主駆動部30Mは、総合制御装置200からの指示に応じて、添え字が同じである従駆動部30Sを制御して扉体11Lを駆動する。また、プラットフォーム4側から列車3を見たときに左端から偶数番目の筐体20に収納されている主駆動部30Mと従駆動部30Sは、通信線により互いに接続されている。
【0029】
図3は、主駆動部30Mと従駆動部30Sのブロック図である。図3においては、プラットフォーム4側から列車3を見たときに左端から偶数番目であるa番目の開口部10の扉体11Rを制御する主駆動部30M、a番目の開口部10の扉体11Lを制御する従駆動部30S、a-1番目の開口部10a-1の扉体10Ra-1を制御する主駆動部30Ma-1及びa+1番目の開口部10a+1の扉体10La+1を制御する従駆動部30Sa+1を示している。従駆動部30Sと主駆動部30Ma-1は、同じ筐体20内に収納されている。
【0030】
主駆動部30Ma-1は、制御部100a-1、インターフェース110Ma-1、センサ120Ma-1及びモータ130Ma-1を備え、主駆動部30Mは、制御部100、インターフェース110M、センサ120M及びモータ130Mを備える。従駆動部30Sは、インターフェース110S、センサ120S及びモータ130Sを備え、従駆動部30Sa+1は、インターフェース110Sa+1、センサ120Sa+1及びモータ130Sa+1を備える。以下、主駆動部30Mが備える制御部について、各々を区別する必要がない場合は制御部100と称する。
【0031】
モータ130Mは、開口部10を開閉する扉体11Rを駆動するためのモータである。センサ120Mは、開口部10に存在する人間や物体を検知するセンサである。センサ120M及びモータ130Mは、インターフェース110Mに接続されている。インターフェース110Mは、制御部100とセンサ120M及びモータ130Mを接続する。また、インターフェース110Mは、通信線でインターフェース110Sに接続されている。
【0032】
モータ130Sは、開口部10を開閉する扉体11Lを駆動するためのモータである。センサ120Sは、開口部10に存在する人間や物体を検知するセンサである。センサ120S及びモータ130Sは、インターフェース110Sに接続されている。モータ130Sは、インターフェース110M、通信線及びインターフェース110Sを介して制御部100により制御される。
【0033】
モータ130Ma-1は、開口部10a-1を開閉する扉体11Ra-1を駆動するためのモータである。センサ120Ma-1は、開口部10a-1に存在する人間や物体を検知するセンサである。センサ120Ma-1及びモータ130Ma-1は、インターフェース110Ma-1に接続されている。インターフェース110Ma-1は、制御部100a-1とセンサ120Ma-1及びモータ130Ma-1を接続する。また、インターフェース110Ma-1は、通信線でインターフェース110S及び図示省略したインターフェース110Sa-1に接続されている。インターフェース110Ma-1、インターフェース110S及びインターフェース110Mは、制御部100a-1と制御部100との間で行われる通信を中継する。
【0034】
モータ130Sa+1は、開口部10a+1を開閉する扉体11La+1を駆動するためのモータである。センサ120Sa+1は、開口部10a+1に存在する人間や物体を検知するセンサである。センサ120Sa+1及びモータ130Sa+1は、インターフェース110Sa+1に接続されている。モータ130Sa+1は、インターフェース110Sa+1、通信線及びインターフェース110Ma+1を介して制御部100a+1により制御される。
【0035】
制御部100と制御部100a-1は、インターフェース110M、通信線、インターフェース110S及びインターフェース110Ma-1を介して通信を行い、互いに異常を検知する。
【0036】
[実施形態の動作例]
次にホームゲート制御システム2の動作例について、まず、扉体11Lと扉体11Rを筐体20内に収納して開口部10を開くときの動作例について説明する。
【0037】
総合制御装置200は、開口部10を開く際には、開口指示を主駆動部30M~30Mの制御部100へ送信する。制御部100は、総合制御装置200から送信された開口指示を受信する。開口指示を受信した制御部100は、符号の添え字が同じであるインターフェース110Mを介して、符号の添え字が同じであるモータ130Mを制御し、符号の添え字が同じである扉体10Rを筐体20内に移動させる。例えば、開口指示を受信した制御部100は、インターフェース110Mを介してモータ130Mを制御し、扉体10Rを筐体20内に移動させる。
【0038】
また、開口指示を受信した制御部100は、符号の添え字が同じであるインターフェース110M、通信線及び符号の添え字が同じであるインターフェース110Sを介して、符号の添え字が同じであるモータ130Sを制御し、符号の添え字が同じである扉体10Lを筐体20内に移動させる。例えば、制御部100はインターフェース110M、通信線及びインターフェース110Sを介してモータ130Sを制御し、扉体10Lを筐体20内に移動させる。
【0039】
次に、扉体11Lと扉体11Rを筐体20外に出して開口部10を閉じるときの動作例について説明する。総合制御装置200は、開口部10を閉じる際には、閉口指示を主駆動部30M~30Mの制御部100へ送信する。制御部100は、総合制御装置200から送信された閉口指示を受信する。閉口指示を受信した制御部100は、符号の添え字が同じであるインターフェース110Mを介して、符号の添え字が同じであるモータ130Mを制御し、符号の添え字が同じである扉体10Rを筐体20外に移動させる。例えば、閉口指示を受信した制御部100は、インターフェース110Mを介してモータ130Mを制御し、扉体10Rを筐体20外に移動させる。
【0040】
また、閉口指示を受信した制御部100は、符号の添え字が同じであるインターフェース110M、通信線及び符号の添え字が同じであるインターフェース110Sを介して、符号の添え字が同じであるモータ130Sを制御し、符号の添え字が同じである扉体10Lを筐体20内に移動させる。例えば、制御部100はインターフェース110M、通信線及びインターフェース110Sを介してモータ130Sを制御し、扉体10Lを筐体20外に移動させる。
【0041】
次に、制御部100が他の制御部100の異常を検知するときの動作例と、制御部100が他の制御部100の異常を検知した後の動作例について説明する。
【0042】
図4は、制御部100が他の制御部100の異常を検知するときの処理の流れを示したフローチャートである。制御部100は、図4の処理を予め定められた周期で実行する。制御部100は、インターフェース110M、インターフェース110S及びインターフェース110Ma-1を介して、応答メッセージの送信を指示する応答指示メッセージを制御部100a-1へ送信する(ステップSA1)。制御部100a-1は、この応答指示メッセージを受信すると、応答指示メッセージへの応答となる応答メッセージを、インターフェース110Ma-1、インターフェース110S及びインターフェース110Mを介して制御部100へ送信する。なお、制御部100a-1で異常が発生し、制御部100a-1が正常に動作していない場合、制御部100a-1は、応答メッセージを送信することができない。この場合、制御部100は、応答メッセージを受信しないこととなる。
【0043】
また、制御部100a-1も、図4の処理を予め定められた周期で実行する。制御部100a-1は、インターフェース110Ma-1、インターフェース110S及びインターフェース110Mを介して、応答指示メッセージを制御部100へ送信する(ステップSA1)。制御部100は、この応答指示メッセージを受信すると、応答メッセージをインターフェース110M、インターフェース110S及びインターフェース110Ma-1を介して制御部100a-1へ送信する。なお、制御部100で異常が発生し、制御部100が正常に動作していない場合、制御部100は、応答メッセージを送信することができない。この場合、制御部100a-1は、応答指示メッセージを受信しないこととなる。
【0044】
制御部100は、応答指示メッセージを送信してから予め定められた時間内に応答メッセージを受信したか判断する(ステップSA2)。制御部100は、応答指示メッセージを送信してから予め定められた時間内に応答メッセージを受信できなかった場合(ステップSA2でNO)、制御部100a-1に異常が発生したと判断し(ステップSA4)、応答指示メッセージを送信してから予め定められた時間内に応答メッセージを受信した場合(ステップSA2でYES)、制御部100a-1に異常が発生していないと判断する(ステップSA3)。制御部100a-1も、応答指示メッセージを送信してから予め定められた時間内に応答メッセージを受信できなかった場合(ステップSA2でNO)、制御部100に異常が発生したと判断し(ステップSA4)、応答指示メッセージを送信してから予め定められた時間内に応答メッセージを受信した場合(ステップSA2でYES)、制御部100に異常が発生していないと判断する(ステップSA3)。
【0045】
図5は、制御部100が他の制御部100に異常が発生したと判断した後に開口指示又は閉口指示を取得したときの処理の流れを示したフローチャートである。
【0046】
制御部100は、制御部100a-1に異常が発生したと判断すると、異常が発生した制御部100a-1に代わってモータ130Ma-1の制御を行い、異常が発生した制御部100の制御対象であった扉体10Ra-1を駆動する(ステップSB1)。
次に制御部100は、異常が発生した制御部100a-1に代わってモータ130Sa-1の制御を行い、異常が発生した制御部100の制御対象であった扉体10La-1を駆動する(ステップSB2)。
【0047】
例えば、制御部100は、応答指示メッセージを制御部100へ送信してから予め定められた時間内に応答メッセージを受信できなかった場合、制御部100に異常が発生したと判断する。制御部100は、制御部100に異常が発生したと判断した後、開口指示を受信すると、インターフェース110M、インターフェース110S及びインターフェース110Mを介してモータ130Mを制御し、扉体10Rを筐体20内に移動させる(ステップSB1)。次に制御部100は、インターフェース110M、インターフェース110S、インターフェース110M及びインターフェース110Sを介してモータ130Sを制御し、扉体10Lを筐体20内に移動させる。
【0048】
また、制御部100は、制御部100に異常が発生したと判断した後、閉口指示を受信すると、インターフェース110M、インターフェース110S及びインターフェース110Mを介してモータ130Mを制御し、扉体10Rを筐体20外に移動させる(ステップSB1)。次に制御部100は、インターフェース110M、インターフェース110S2、インターフェース110M及びインターフェース110Sを介してモータ130Sを制御し、扉体10Lを筐体20外に移動させる(ステップSB2)。
【0049】
制御部100a-1は、制御部100に異常が発生したと判断すると、異常が発生した制御部100に代わってモータ130Mの制御を行い、異常が発生した制御部100の制御対象であった扉体10Rを駆動する(ステップSB1)。次に制御部100a-1は、異常が発生した制御部100に代わってモータ130Sの制御を行い、異常が発生した制御部100の制御対象であった扉体10Lを駆動する(ステップSB2)。
【0050】
例えば、制御部100は、応答指示メッセージを制御部Mへ送信してから予め定められた時間内に応答メッセージを受信できなかった場合、制御部100に異常が発生したと判断する。制御部100は、制御部100に異常が発生したと判断した後、開口指示を受信すると、インターフェース110M、インターフェース110S及びインターフェース110Mを介してモータ130Mを制御し、扉体10Rを筐体20内に移動させる(ステップSB1)。次に制御部100は、インターフェース110M、インターフェース110S及びインターフェース110Mを介してモータ130Mを制御し、扉体10Rを筐体20内に移動させる。
【0051】
また、制御部100は、制御部100に異常が発生したと判断した後、閉口指示を受信すると、インターフェース110M、インターフェース110S及びインターフェース110Mを介してモータ130Mを制御し、扉体10Rを筐体20外に移動させる(ステップSB1)。次に制御部100は、インターフェース110M及びインターフェース110Sを介してモータ130Sを制御し、扉体10Lを筐体20外に移動させる(ステップSB2)。
【0052】
本実施形態によれば、制御部100は、他の制御部100に異常が発生すると、異常が発生した制御部100に代わって他の制御部100の制御対象であった扉体11Lと扉体11Rを制御するため、制御部100に異常が発生しても、開口部10の開閉ができなくなるのを防ぐことができる。
【0053】
[変形例]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。
【0054】
上述した実施形態においては、符号の添え字が偶数である筐体20内のインターフェース110Mとインターフェース110Sが互いに通信線で接続されているが、符号の添え字が奇数である筐体20内のインターフェース110Mとインターフェース110Sについても、互いに通信線で接続する構成としてもよい。この構成の場合、インターフェース110M~110Mとインターフェース110S~110Sが直列に接続されることとなる。
【0055】
インターフェース110M~110M及びインターフェース110S~110Sが直列に接続される構成においては、制御部100は、符号の添え字が前後する制御部100について異常を検知する構成としてもよい。制御部100は、符号の添え字が前後する制御部100について異常を検知する構成である場合、異常が発生した制御部100の制御対象であったモータ130Mと、異常が発生した制御部100と組の従制御部100Sの制御対象であったモータ130Sを制御してもよい。例えば、制御部100は、制御部100と制御部100の異常を検知する。制御部100は、制御部100の異常を検知した場合、開口指示又は閉口指示を受信すると、モータ130Mとモータ130Sを制御する。また、制御部100は、制御部100の異常を検知した場合、開口指示又は閉口指示を受信すると、モータ130Mとモータ130Sを制御する。なお、制御部100に異常が発生したことを制御部100と制御部100が検知した場合、制御部100の制御対象であった扉体を制御部100と制御部100の両方が制御可能であるが、予めルールを定めていずれか一方の制御部100が制御部100の制御対象であった扉体を制御する構成としてもよい。
【0056】
上述した実施形態においては、制御部100は、インターフェース110Mとインターフェース110Sを介して他の制御部100の異常を検知しているが、総合制御装置200と各制御部100とを接続している通信線を介して応答指示メッセージと応答メッセージの授受を行い、他の制御部100から応答メッセージを受信できなかった場合、他の制御部100に異常が発生したと判断してもよい。また、制御部100は、異常が発生した他の制御部100の制御対象であったモータ130Mと、異常が発生した他の制御部100の制御対象であったモータ130Sについて、総合制御装置200と各制御部100とを接続している通信線を介して制御を行う構成としてもよい。
【0057】
上述した実施形態においては、開口部10は扉体10L及び扉体10Rにより開閉されるが、扉体に替えて柵により開口部10の開閉を行う構成としてもよい。この柵も、本発明に係る開閉体の一例である。
【0058】
上述した実施形態においては、制御部100は、インターフェース110M、インターフェース110S及び通信線を介して他の制御部100の異常を検知しているが、無線通信により応答指示メッセージと応答メッセージの授受を行い、他の制御部100から応答メッセージを受信できなかった場合、他の制御部100に異常が発生したと判断してもよい。また、制御部100は、異常が発生した他の制御部100の制御対象であったモータ130Mと、異常が発生した他の制御部100の制御対象であったモータ130Sについて、無線通信により制御を行う構成としてもよい。
【0059】
本発明においては、制御部100は、図4の処理について、開口指示を受信したときと、閉口指示を受信したときに行う構成としてもよい。制御部100は、開口指示を受信したときと、閉口指示を受信したときに図4の処理を行う構成の場合、予め定められた周期で図4の処理を行わない構成としてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…ホームゲート、2…ホームゲート制御システム、3…列車、4…プラットフォーム、10、10~10…開口部、11L、11L~11L…扉体、11R、11R~11R…扉体、20、20、20a+1、20~20n+1…筐体、30M、30M、30Ma-1、30M~30M…主駆動部、30S、30S、30Sa+1、30S~30S…従駆動部、100、100、100a-1…制御部、110M、110Ma-1…インターフェース、110S、110Sa+1…インターフェース、120M、120Ma-1…センサ、120S、120Sa+1…センサ、130M、130Ma-1…モータ、130S、130Sa+1…モータ。
図1
図2
図3
図4
図5