(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】樹脂フィラメントの試験方法、試験装置および評価装置
(51)【国際特許分類】
B29C 64/118 20170101AFI20220421BHJP
B29C 64/20 20170101ALI20220421BHJP
B29C 64/386 20170101ALI20220421BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20220421BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20220421BHJP
B33Y 50/00 20150101ALI20220421BHJP
【FI】
B29C64/118
B29C64/20
B29C64/386
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/00
(21)【出願番号】P 2018017980
(22)【出願日】2018-02-05
【審査請求日】2021-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】517335732
【氏名又は名称】ネオマテリア株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】518041906
【氏名又は名称】エス.ラボ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】増谷 一成
(72)【発明者】
【氏名】柚山 精一
(72)【発明者】
【氏名】釜井 正太郎
【審査官】北澤 健一
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-505409(JP,A)
【文献】特表2004-504177(JP,A)
【文献】特開2017-109482(JP,A)
【文献】特開2017-105176(JP,A)
【文献】特開2017-213813(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3Dプリンタ用の樹脂フィラメントを評価するための試験方法であって、
フィラメント送り部
のフィードローラの送り込み速度を所定の送り込み速度に設定して樹脂フィラメントを押出機に送り込み、
前記押出機で溶融させてノズルより押し出しながら、
前記フィラメント送り部より上流側に配置されるエンコーダから出力されるパルスに基づいて樹脂フィラメントの実送り込み速度を検出して、その実送り込み速度と前記所定の送り込み速度とが一致する状態において、フィラメント送り込み時の圧力負荷を経時的に検出することを特徴とする樹脂フィラメントの試験方法。
【請求項2】
前記フィードローラを回転駆動するモータの駆動電流を利用して圧力負荷を検出する請求項1に記載の樹脂フィラメントの試験方法。
【請求項3】
樹脂フィラメントの評価として、樹脂フィラメントが連続して吐出されているか否かの第1の評価項目、あるいは樹脂フィラメントが安定的に吐出されているか否かの第2の評価項目、あるいは樹脂フィラメントに異物が混入していないか否かの第3の評価項目のうち、何れか一部又は全部を評価する請求項1または2に記載の樹脂フィラメントの試験方法。
【請求項4】
3Dプリンタ用の樹脂フィラメントを評価するための試験装置であって、
ロールに巻かれた樹脂フィラメントを保持する保持部と、
前記保持部の下方にあって樹脂フィラメントをロールから繰り出すフィラメント送り部と、
前記フィラメント送り部の下方にあって繰り出した樹脂フィラメントを導入しヒータにより溶融させてノズルより同軸上に押し出す押出機と
、前記保持部と前記フィラメント送り部との間に配置されるエンコーダと、モータを制御する制御部を有し、
前記フィラメント送り部は、前記モータにより回転駆動されて樹脂フィラメントを前記押出機に送り込むフィードローラを有し、
前記制御部は、前記フィードローラの送り込み速度が所定の送り込み速度となるように前記モータを制御するとともに、前記エンコーダから出力されるパルスに基づいて樹脂フィラメントの実送り込み速度を検出して、その実送り込み速度と前記所定の送り込み速度とが一致する状態において、フィラメント送り込み時の圧力負荷を経時的に検出することを特徴とする樹脂フィラメントの試験装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記モータの駆動電流を利用して圧力負荷を検出する請求項4に記載の樹脂フィラメントの試験装置。
【請求項6】
樹脂フィラメントの評価として、樹脂フィラメントが連続して吐出されているか否かの第1の評価項目、あるいは樹脂フィラメントが安定的に吐出されているか否かの第2の評価項目、あるいは樹脂フィラメントに異物が混入していないか否かの第3の評価項目のうち、何れか一部又は全部を評価する請求項4または5に記載の樹脂フィラメントの試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3Dプリンタ用フィラメントの試験に好適となる樹脂フィラメントの試験方法、試験装置および評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3Dプリンタのうち、いわゆるMaterial Extrusion方式と称される3Dプリンタの機構は、ボビンやスプールに巻かれたPLA等の樹脂フィラメントがフィーダ(供給ローラ)を経て、金属ノズルとヒータから構成される三次元方向可動式の押出機に供給されて、樹脂を溶融させて細いノズルから吐出しながら固化をさせ積層を繰り返すことで、造形物が形作られる(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、三次元可動式の押出機は、複雑にかつ小刻みに可動するため、造形中にさまざまな負荷が加わり、低品質の樹脂フィラメントを使用した場合、造形中に樹脂フィラメントが折れ、ノズル内で樹脂詰まりなどの問題が生じる。
【0005】
また、樹脂フィラメントの品質は造形精度にも影響を及ぼす。各装置メーカーにより、樹脂の送り込みの機構やノズルの形状および造形サイズが異なるが、造形加工性は一般的に、樹脂フィラメントの品質に依るところが大きい。
【0006】
このような樹脂フィラメントの品質に起因する造形加工性の低下は、造形ムラや造形の中断といった甚大な損失につながる。
【0007】
こうした損失を回避するためには、樹脂フィラメントの品質を事前に試験、評価できるシステムを構築することが一つの有効な手段であり、そのためには、樹脂フィラメントの品質と造形加工性の関連性を明確にし、それに見合う項目を実施できる試験装置を開発することが肝要である。
【0008】
本発明は、このような新たな知見に基づいて、3Dプリンタによる造形加工性の向上に資する樹脂フィラメントの試験方法、試験装置および評価装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
例えば、金属ワイヤであれば、品質劣化があれば電気抵抗が変わったり内部にクラックが生じるため、電気特性の検査やX線検査などの非破壊検査等を通じて検査を行うことができるが、樹脂フィラメントにはこうした検査方法は適切ではない。
【0010】
樹脂フィラメントはロールから繰り出して押出機に導入し、そこで溶融させてノズルから押し出すことで常に一定量の供給が行えるようにコントロールされる必要があるところ、樹脂フィラメントが
図1(a)のような高品質フィラメントではなく同図(b)のような低品質フィラメントである場合や、樹脂フィラメントに
図2(a)、(b)に示すようにノズル径を通過し得ないような異物の混入がある場合は、送り状況に変化が生じたり、ノズルが詰まるなどの現象となって現われる。
【0011】
そこで、3Dプリンタで造形する際に問題となっている樹脂フィラメントの品質の問題とその造形加工性について次のように検討した。
(1)先ず、樹脂フィラメントの品質の問題点としては、以下の点が挙げられる。
(A1)PLAフィラメントの断面形状の歪み
(A2)フィラメントの長さ方向に対する太さ斑の存在
(A3)フィラメントの径が一定ではない場合。
(A4)PLAフィラメントに含まれる小石などの粗雑物の存在
(2)次に、樹脂フィラメントの品質に起因した造形加工性の問題点としては、以下の点が挙げられる。
(B1)樹脂の吐出量が一定にならず造形精度が低下する。
(B2)樹脂が送り込まれず樹脂詰まりが起こる。
(3)そして、樹脂フィラメントの品質の問題点と造形加工性の問題点との関連性としては、以下が挙げられる。
(B1)の問題点:(A1)、(A2)、(A3)が該当
(B2)の問題点:(A1)、(A2)、(A3)、(A4)が該当
【0012】
そこで、樹脂フィラメントの品質性を評価するためには、(i)連続吐出性評価、(ii)安定吐出評価および(iii)異物混入試験ができる評価装置が必要となる。
【0013】
以上を踏まえると、樹脂フィラメントの場合は、送り状況やノズルの詰まりの有無を定量的に捉えることで、当該樹脂フィラメントが使用に耐え得る品質であるか否かを評価することができる。
【0014】
そして本発明者は、このような知見に基づき、次のような手段を講じたものである。
【0015】
すなわち、本発明に係る樹脂フィラメントの試験方法は、
図3の概略図に示されるように、3Dプリンタ用の樹脂フィラメントFを評価するための試験方法であって、フィラメント送り部4
のフィードローラ41aの送り込み速度を所定の送り込み速度Voに設定して樹脂フィラメントを押出機1に送り込み、前記押出機1で溶融させてノズル2(2a~2c)より押し出しながら、
前記フィラメント送り部4より上流側に配置されるエンコーダ12から出力されるパルスに基づいて樹脂フィラメントFの実送り込み速度Vを検出して、その実送り込み速度Vと前記所定の送り込み速度Voとが一致する状態において、フィラメント送り込み時の圧力負荷Tqを経時的に検出することを特徴とする。
【0016】
このような試験方法を通じて、送り込み速度Vや圧力負荷Tqを経時的に計測すれば、例えばロール1を通じて変化する樹脂フィラメントFの断面形状や径、太さ等から均質性を評価することができる。
【0017】
また、設定送り込み速度Voと実送り込み速度Vが異なれば、送り込んでも樹脂フィラメントFが適切に追従しない事態であり、強度不足による破断や異物混入の可能性を捉えることができる。
【0018】
さらに、送り込み時の圧力負荷Tqを計測すれば、異物混入による詰まりのほか、樹脂フィラメントFの流動性の大きさの指標であるMFR(Melt Flow Rate)に近い値として粘度異常を捉えることができる。
【0019】
本発明に係る樹脂フィラメントの試験方法において、前記フィードローラ41aを回転駆動するモータ10の駆動電流Idを利用して圧力負荷(トルク)Tqを検出することが好ましい。
圧力負荷が変動するとモータ10の駆動電流Idが変化するため、これを利用すれば、別途にトルク検出器等を設けずに圧力負荷を検出することができる。
本発明に係る樹脂フィラメントの試験方法において、樹脂フィラメントFの評価として、樹脂フィラメントFが連続して吐出されているか否かの第1の評価項目(i)、あるいは樹脂フィラメントが安定的に吐出されているか否かの第2の評価項目(ii)、あるいは樹脂フィラメントに異物が混入していないか否かの第3の評価項目(iii)のうち、何れか一部又は全部を評価することが好ましい。
このようにすれば、3D用プリンタという特殊用途に適合する樹脂フィラメントの品質評価を行うことが可能となる。
この場合、共通の樹脂フィラメントFに対し、押出機1に付帯するノズル径の異なるノズル2(例えば2a~2c)を選択して試験を行うことが有効である。
【0020】
このようにノズル径を変えて計測を実施すれば、大きさがまちまちな、あるいは未知である異物の混入を捉えることができる。
【0021】
また、3Dプリンタ用の樹脂フィラメントFを評価するための試験装置Dtとしては、
図3に示すように、ロールRに巻かれた樹脂フィラメントFを保持する保持部3と、保持部3の下方にあって樹脂フィラメントFをロールRから繰り出すフィラメント送り部4と、フィラメント送り部4の下方にあって繰り出した樹脂フィラメントFを導入しヒータ5により溶融させてノズル2a~2cのいずれかより同軸上に押し出す押出機1と
、前記保持部3と前記フィラメント送り部4との間に配置されるエンコーダ12と、モータ10を制御する制御部7を有し、前記フィラメント送り部4は、前記モータ10により回転駆動されて樹脂フィラメントFを前記押出機1に送り込むフィードローラ41aを有し、前記制御部7は、前記フィードローラ41aの送り込み速度が所定の送り込み速度Voとなるように前記モータ10を制御するとともに、前記エンコーダ12から出力されるパルスに基づいて樹脂フィラメントFの実送り込み速度Vを検出して、その実送り込み速度Vと前記所定の送り込み速度Voとが一致する状態において、フィラメント送り込み時の圧力負荷Tqを経時的に検出することが好ましい。
【0022】
樹脂フィラメントFをフィラメント送り部4からノズル2a~2cに向かって同軸上に押し出せば、ノズル2a~2cでの詰まりは即座に押出機1を介してフィラメント送り部4の圧力負荷となって捉えられる。また、模擬プリント機構Pを構成し、実際に樹脂フィラメントFを溶融、軟化させ、縮径させてノズル2a~2cから押し出すため、3Dプリンタの実際の使用環境に近い状態で樹脂フィラメントFの試験を行うことができる。
【0023】
本発明に係る樹脂フィラメントの試験装置において、前記制御部7は、前記モータ10の駆動電流Idを利用して圧力負荷(トルク)Tqを検出することが好ましい。
【0024】
圧力負荷が変動するとサーボモータ10の駆動電流Idが変化するため、これを利用すれば、別途にトルク検出器等を設けずに圧力負荷を検出することができる。
【0025】
そしてこの場合も、ノズル径の異なる押出機1を複数併設し、何れか一つを選択して前記フィラメント送り部4から樹脂フィラメントFを導入するように構成されていることが好ましい。
【0026】
このようにすれば、簡単にノズル径を変えて計測を実施できるため、大きさがまちまちな、あるいは未知である異物の混入を捉えることができる。
【0027】
本発明に係る樹脂フィラメントの試験装置において、樹脂フィラメントFの評価として、樹脂フィラメントFが連続して吐出されているか否かの第1の評価項目(i)、あるいは樹脂フィラメントが安定的に吐出されているか否かの第2の評価項目(ii)、あるいは樹脂フィラメントに異物が混入していないか否かの第3の評価項目(iii)のうち、何れか一部又は全部を評価することが好ましい。
【0028】
このようにすれば、3D用プリンタという特殊用途に適合する樹脂フィラメントの品質評価を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0029】
以上、説明した本発明によれば、3Dプリンタによる造形加工性の向上に資する新規有用な樹脂フィラメントの試験方法、試験装置および評価装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】樹脂フィラメントの品質の良否を模式的に示す図。
【
図2】樹脂フィラメントの品質の良否を模式的に示す図。
【
図3】本発明に係る樹脂フィラメントの試験方法および試験装置を示す概略図。
【
図5】
図3の概略図を具体化した一実施形態を示す図。
【
図6】本発明の一実施例において評価対象とした樹脂フィラメントの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0032】
図5は、
図3の概略図に基づいて実際に試験装置を構成したものである。
【0033】
この試験装置は、支持台21の上方に水平な軸22を介してフィラメントFを巻いたロールRが着脱可能とされ、ロールRと軸22の間に設けたベアリングを介してロールRが回転しながら樹脂フィラメントFが繰り出される構造となっている。
【0034】
樹脂フィラメントFの下方には中間台23が配置され、この中間台23に複数の押出機1が所定間隔で取り付けられている。押出機1は、ヒータ(ヒータブロック)5とノズル2から構成されて、中間台23の下方に取り付けたもので、ノズル2の内部流路は
図4に模式的に示すように小径部2aが下方に開口し、大径部2bが上方に開口して、この大径部に
図3に模式的に示す連結金具24を介してフィラメント送り装置4であるフィーダ41が取り付けられている。
【0035】
フィーダ41は、
図4に模式的に示すように、表面に凹凸加工が施されたフィードローラ41aと、このフィードローラ41aとの間に樹脂フィラメントFを挟持するピンチローラ41bと、フィードローラ41aを回転駆動するサーボモータ10とを備えているもので、ロールRから繰り出される樹脂フィラメントFをフィードローラ41aとピンチローラ41bに引き込み、フィードローラ41aに向かって送り出す構成となっている。樹脂フィラメントFはフィードローラ41aの回転トルクに応じた圧力負荷Fで押出機1に送り込まれる。
【0036】
サーボモータ10の送り込み速度Vo、ヒータ5の温度T0は、
図5に示すパーソナルコンピュータ(以下、PCと称する)が
図3に示す制御部7として機能して、送り込み速度V0や押出温度T0を入力することによって制御が可能とされる。フィラメント送り時の圧力負荷Tqやフィラメント温度Tもモニタリングできるようになっている。また、フィーダ41とロールRの間にはエンコーダ12が配置されて、樹脂フィラメントFはエンコーダ12を構成する一対の圧接ローラ12a、12a間に挟持されており、エンコーダ12から出力されるパルスをデジタルマルチメータ24で読み取り、パーソナルコンピュータPCに入力して樹脂フィラメントFの実送り込み速度Vの実測値が評価できるようになっている。
【0037】
パーソナルコンピュータPCでは、上述した送り込み速度V0や押出温度T0の設定のほか、プリンタ機構P全体の起動・停止の制御、タイマーの設定が可能とされており、樹脂フィラメントFの送り開始からの時間も計測可能とされている。
【0038】
パーソナルコンピュータPCは
図3のデータ処理部9や指令生成・出力部11としても機能している。
【実施例】
【0039】
ここでは、本発明の実施例をについて説明する。
【0040】
図6は、評価対象とした樹脂フィラメントであるPLAフィラメントA、B、Cである。
【0041】
以下は、評価条件である。
(i)連続吐出性評価
【0042】
PLAフィラメントを一定の速度で送り込み、ノズルから樹脂が連続的に吐出できるかを検証した。
(仕様)
・使用するノズル:Φ0.4 mm,
【0043】
送り込み速度:220 mm/min
・ノズルの設定温度:220℃, 240℃
・PLAフィラメント使用量:ボビン1巻分または15時間連続吐出
(ii)安定吐出性評価
PLAフィラメントの押出速度を一定にして、吐出量の評価を検証した。
(仕様)
・単位時間当たりの吐出量の評価
・サーボモータに送られる負荷電流置の評価
・ノズルの設定温度:220℃, 240℃
・PLAフィラメント使用量:ボビン1巻分または15時間連続吐出
(iii)異物混入度の試験
ノズル口の大きさ(φ0.2 mm, 0.3 mm, 0.4 mm)を変えてノズル口よりも大きい粗雑物の混入の有無を検証
(仕様)
・ノズル口の大きさ:φ0.2 mm, 0.3 mm, 0.4 mm
・ノズルの設定温度:240℃
・PLAフィラメント使用量:ボビン1巻分または15時間連続吐出
<評価用データ>
【0044】
評価用データは、
図7のグラフGr1~Gr3または
図8の数値表Tabとして出力される。数値表Tabは負荷率の平均値を表している。
<評価結果>
【0045】
図9は評価結果である。ここでは、(i)連続吐出性評価に関してはA~Cは○(合格)、(ii)安定吐出性評価に関してはA~Cのばらつき度合を示す値を表示、(iii)異物混入度の試験に関しては何れのノズル径とも○(合格)となった。
【0046】
ここで、樹脂フィラメントに課題解決手段の欄で述べたA1~A4の欠陥が存在する場合には、B1、B2の症状となって表われるため、
図7のグラフや
図8の数値表Tabに異常な状態が現れ、
図9の評価結果において品質不良の評価結果が得られることになる。
【0047】
以上、本発明の一実施形態および一実施例について説明したが、各部の具体的な方法や構成は上述した実施形態や実施例のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0048】
1…押出機
2、2a~2c…ノズル
3…保持部
4…フィラメント送り部
5…ヒータ
7…制御部
8…検出部
9…データ処理部
10…サーボモータ
11…指標生成・出力部
De…評価装置
Dt…試験装置
F…樹脂フィラメント
Gr1~Gr5…グラフ
Id…駆動電流
P…模擬プリント機構
R…ロール
Tab…数値表
Tq…圧力負荷
V…実送り込み速度
Vo…送り込み速度