(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】内服剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/047 20060101AFI20220421BHJP
A61K 31/122 20060101ALI20220421BHJP
A61K 31/045 20060101ALI20220421BHJP
A61K 31/015 20060101ALI20220421BHJP
A61K 31/202 20060101ALI20220421BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20220421BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20220421BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20220421BHJP
A23L 5/00 20160101ALI20220421BHJP
【FI】
A61K31/047
A61K31/122
A61K31/045
A61K31/015
A61K31/202
A61K47/14
A61K9/48
A23L33/10
A23L5/00 C
(21)【出願番号】P 2018554162
(86)(22)【出願日】2017-11-28
(86)【国際出願番号】 JP2017042642
(87)【国際公開番号】W WO2018101267
(87)【国際公開日】2018-06-07
【審査請求日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】P 2016233633
(32)【優先日】2016-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金島 大輔
(72)【発明者】
【氏名】菅藤 寿裕
(72)【発明者】
【氏名】松野 あゆみ
(72)【発明者】
【氏名】山鹿 宏彰
(72)【発明者】
【氏名】折原 洋一
【審査官】今村 明子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-034446(JP,A)
【文献】特開平10-001616(JP,A)
【文献】特開2007-051115(JP,A)
【文献】国際公開第2007/052738(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/118810(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/044659(WO,A1)
【文献】特表2009-511052(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/00- 9/72
A61K 31/00-31/80
A61K 33/00-33/44
A61K 47/00-47/69
A61P 1/00-43/00
A23L 33/00-33/29
A23L 5/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分(A):ルテイン、カプサンチン、ゼアキサンチン、β-クリプトキサンチン、アスタキサンチン及びβ-カロテンからなる群より選択される少なくとも1つのカロテノイドを含む、又は、ルテイン、カプサンチン、ゼアキサンチン、β-クリプトキサンチン、アスタキサンチン及びβ-カロテンからなる群より選択される少なくとも1つのカロテノイドと、ドコサヘキサエン酸とを含む、難溶性成分、及び
成分(B):ジアセチル酒石酸モノステアリン酸グリセリン、乳酸モノステアリン酸グリセリン、クエン酸モノステアリン酸グリセリン、クエン酸モノオレイン酸グリセリン、コハク酸モノステアリン酸グリセリンから選ばれる1種又は2種以上を含む、有機酸モノグリセリド、
を含む
ソフトカプセル剤。
【請求項2】
成分(C):HLB10以上の親水性乳化剤をさらに含む、請求項1に記載の
ソフトカプセル剤。
【請求項3】
成分(C)が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上を含む、請求項2に記載の
ソフトカプセル剤。
【請求項4】
成分(A)としてのカロテノイドの含有量が、0.1~5.0質量%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の
ソフトカプセル剤。
【請求項5】
成分(D):HLBが10未満の、グリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルをさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の
ソフトカプセル剤。
【請求項6】
成分(D)が、以下の成分(d1)、成分(d2)、又は、成分(d1)と成分(d2)の組み合わせである、請求項5に記載のソフトカプセル剤。
成分(d1):HLBが5以下の、グリセリン脂肪酸エステル、又はポリグリセリン脂肪酸エステル
成分(d2):HLBが5を超えて10未満の、グリセリン脂肪酸エステル、又はポリグリセリン脂肪酸エステル
【請求項7】
成分(A)及び成分(B)を含む内容物と、内容物を包含する皮膜とを有する、請求項
1に記載の
ソフトカプセル剤。
【請求項8】
成分(A):ルテイン、カプサンチン、ゼアキサンチン、β-クリプトキサンチン、アスタキサンチン及びβ-カロテンからなる群より選択される少なくとも1つのカロテノイドを含む、又は、ルテイン、カプサンチン、ゼアキサンチン、β-クリプトキサンチン、アスタキサンチン及びβ-カロテンからなる群より選択される少なくとも1つのカロテノイドと、ドコサヘキサエン酸とを含む、難溶性成分、及び
成分(B):ジアセチル酒石酸モノステアリン酸グリセリン、乳酸モノステアリン酸グリセリン、クエン酸モノステアリン酸グリセリン、クエン酸モノオレイン酸グリセリン、コハク酸モノステアリン酸グリセリンから選ばれる1種又は2種以上を含む、有機酸モノグリセリド、
を含む内容物を調製する工程、並びに、
内容物を皮膜基材で包含する工程、を有するソフトカプセル剤の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内服剤に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な生理活性を有する機能性成分を内包した内服剤は、健康食品としての需要が高まっている。内服剤は、体内で崩壊した時に安定的に効果を発揮するよう水中で均一に分散すること(分散性)が要求される。機能性成分が難溶性成分である場合、分散性のために食品に使用可能な乳化剤(例えばグリセリン脂肪酸エステル)を併用する(例えば、特許文献1~2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-155384号公報
【文献】特開2008-245588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、グリセリン脂肪酸エステルを乳化剤として用いると、胃の中を想定した試験液中での崩壊後に難溶性成分が再凝集して油滴を形成しやすくなる傾向にある。内服剤において、製剤が体内(例えば胃の中)で崩壊した後に効率よく吸収されるためには、再凝集を抑制する必要がある。本発明は、難溶性成分を含む内服剤において、体内の消化器官中でも良好な分散性を示し得る内服剤の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下の〔1〕~〔8〕を提供する。
〔1〕成分(A):難溶性成分、及び
成分(B):有機酸モノグリセリド、を含む内服剤。
〔2〕成分(C):HLB10以上の親水性乳化剤をさらに含む、〔1〕に記載の剤。
〔3〕成分(A)が、ルテイン、カプサンチン、ゼアキサンチン、β-クリプトキサンチン、ドコサヘキサエン酸(以下、「DHA」ともいう)、アスタキサンチン及びβ-カロテンからなる群より選択される少なくとも1つを含む、〔1〕又は〔2〕に記載の剤。
〔4〕成分(B)が、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、及びコハク酸モノグリセリドからなる群より選択される少なくとも1つを含む、〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の剤。
〔5〕成分(D):HLBが10未満の、グリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルをさらに含む、〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の剤。
〔6〕ソフトカプセル剤である、〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の剤。
〔7〕成分(A)及び成分(B)を含む内容物と、内容物を包含する皮膜とを有する、〔6〕に記載の剤。
〔8〕成分(A):難溶性成分、及び成分(B):有機酸モノグリセリドを含む内容物を調製する工程、並びに、
内容物を皮膜基材で包含する工程、を有する、ソフトカプセル剤の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、成分(A)~(B)を含むことにより、成分(A)と成分(B)の分散性が良好な内服剤が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の内服剤は、以下の成分(A):難溶性成分を含む。
【0008】
難溶性成分は、水性溶媒に不溶性又は難溶性を示す成分である。不溶性又は難溶性を示すとは、例えば、サンプルを水(20℃)100gに溶解したときに、溶解度が通常0.2g/水100g未満、好ましくは0.1g/水100g未満であることを意味する。
難溶性成分としては、例えば、脂肪酸(n-3系脂肪酸など)、カロテノイド、ユビキノン(コエンザイムQ10など)、脂溶性ビタミン(ビタミンE(トコフェロール、トコトリエノールなど)、ビタミンK、ステロール(スクワランなど)など)が挙げられる。中でも、カロテノイド、脂肪酸が好ましい。難溶性成分の由来は特に限定されず、植物、動物、微生物等の天然由来であってもよいし、化学合成等人工的に製造されたものでもよいし、遺伝子組換え等のバイオテクノロジーにより製造されたものでもよいし、市販品でもよい。
【0009】
脂肪酸としては、例えば、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸(n-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸、n-9系脂肪酸)が挙げられるが、多価不飽和脂肪酸が好ましく、n-3系脂肪酸がより好ましい。n-3系脂肪酸は、脂肪酸のメチル末端から3番目(n3位、ω3位)の炭素-炭素結合が不飽和結合である脂肪酸である。n-3系脂肪酸が有する炭素原子数は、通常は15以上であり、17以上が好ましく、19以上がより好ましい。炭素原子数の上限は、通常は30以下であればよく、25以下が好ましい。
【0010】
n-3系脂肪酸としては例えば、ドコサヘキサエン酸(DHA、(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)-ドコサ-4,7,10,13,16,19-ヘキサエン酸)、ドコサペンタエン酸(DPA、all-cis-ドコサ-7,10,13,16,19-ペンタエン酸)、α-リノレン酸、エイコサテトラエン酸(ETA、all-cis-8,11,14,17-エイコサテトラエン酸)、エイコサペンタエン酸(EPA、(5Z,8Z,11Z,14Z,17Z)-イコサ-5,8,11,14,17-ペンタエン酸)が挙げられる。n-3系脂肪酸は、生物の体内で生理機能を発揮し得る成分(機能性成分)が好ましく、DHAがより好ましい。
【0011】
DHAは、動物(例えば、魚類)、微生物(例えば、Schizochytrium属微生物)等天然物に由来するものが多いが、これに限定されない。DHAは、薬理学的に許容される塩の形態であってもよい。
【0012】
DHAは、遊離脂肪酸としてのDHA、又はその誘導体でよい。誘導体としては、トリグリセリド型DHA(TG-DHA)、リン脂質型DHAが例示される。TG-DHAとは、トリグリセロールとDHAがエステル結合している化合物である。トリグリセロール1分子あたり1分子以上の脂肪酸としてのDHAが結合することができる。TG-DHAは、トリグリセロール1分子あたり2分子以上のDHAが結合していることが好ましい。リン脂質型のDHAとは、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン等のリン脂質にDHAが結合している化合物である。
【0013】
カロテノイドは通常、動植物に色素として含まれ、共役二重結合系からなるポリエン構造を有する。カロテノイドの炭素原子数は、通常は20以上であり、好ましくは25以上であり、より好ましくは30以上であり、更に好ましくは40以上である。カロテノイドは、生物の体内で生理機能を発揮し得る(機能性を有する)ことが好ましい。
【0014】
カロテノイドとしては例えば、ルテイン(β,ε-カロテン-3,3’-ジオール;C40H56O2)、カプサンチン(all-trans-カプサンチン、(3R,3’S,5’R)-3,3’-ジヒドロキシ-β,κ-カロテン-6’-オン;C40H56O3)、ゼアキサンチン(4-[18-(4-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセニル)-3,7,12,16-テトラメチル-オクタデカ-1,3,5,7,9,11,13,15,17-ノナエニル]-3,5,5-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-オール;C40H56O2)、β-クリプトキサンチン((R)-3,5,5-トリメチル-4-[3,7,12,16-テトラメチル-18-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エニル)-オクタデカ-1,3,5,7,9,11,13,15,17-ノナエニル]-シクロヘキサ-3-エノール;C40H56O)、アスタキサンチン((6S)-6-ヒドロキシ-3-[(1E,3E,5E,7E,9E,11E,13E,15E,17E)-18-[(4S)-4-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチル-3-オキソ-1-シクロヘキシル]-3,7,12,16-テトラメチルオクタデカ-1,3,5,7,9,11,13,15,17-ノナエニル]-2,4,4-トリメチル-1-シクロヘキサ-2-エノン;C40H52O4)、フコキサンチン(Acetic acid[(1S,3R)-3-hydroxy-4-[(3E,5E,7E,9E,11E,13E,15E)-18-[(1S,4S,6R)-4-hydroxy-2,2,6-trimethyl-7-oxabicyclo〔4.1.0〕heptane-1-yl]-3,7,12,16-tetramethyl-17-oxooctadeca-1,3,5,7,9,11,13,15-octaenylidene]-3,5,5-trimethylcyclohexyl]ester;C42H58O6)、ビオラキサンチン((1S,4S,6R)-1-[(1E,3E,5E,7E,9E,11E,13E,15E,17E)-18-[(1S,4S,6R)-4-Hydroxy-2,2,6-trimethyl-7-oxabicyclo[4.1.0]heptan-1-yl]-3,7,12,16-tetramethyloctadeca-1,3,5,7,9,11,13,15,17-nonaenyl]-2,2,6-trimethyl-7-oxabicyclo[4.1.0]heptan-4-ol;C40H56O4)、アクチニオエリスロール((3S,3-primeS)-3,3-prime-Dihydroxy-2,2-prime-dinor-beta,beta-carotene-4,4-prime-dione;C38H48O4)、ビキシン((2E,4E,6E,8E,10E,12E,14E,16Z,18E)-20-methoxy-4,8,13,17-tetramethyl-20-oxoicosa-2,4,6,8,10,12,14,16,18-nonaenoic acid;C25H30O4)、カンタキサンチン(β,β-カロテン-4,4’-ジオン;C40H52O2)、アポカロテナール((2E,4E,6E,8E,10E,12E,14E,16E)-2,6,11,15-tetramethyl-17-(2,6,6-trimethyl-1-cyclohexenyl)heptadeca-2,4,6,8,10,12,14,16-octaenal;C30H40O)、リコピン((6E,8E,10E,12E,14E,16E,18E,20E,22E,24E,26E)-2,6,10,14,19,23,27,31-オクタメチルドトリアコンタ-2,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24,26,30-トリデカエン;C40H56)、カロテン(α-カロテン、β-カロテン、γ-カロテン、δ-カロテン、ε-カロテンなど)が挙げられ、ルテイン、カプサンチン、ゼアキサンチン、β-クリプトキサンチン、アスタキサンチン、β-カロテンが好ましい。
【0015】
ルテインは、高等植物(ホウレンソウ、ケール、コマツナなど)の葉緑体に存在する。カプサンチンは、パプリカ、トウガラシなどの植物に存在する。ゼアキサンチンは、植物(トウモロコシ等)、卵黄、動物性脂肪に存在する。β-クリプトキサンチンは、ウンシュウミカン、ホオズキ、オレンジ、パパイヤ、リンゴ等の植物、卵黄、バター等の乳製品、ウシ等の動物に存在する。アスタキサンチンは、エビ、カニ等の甲殻類、サケ、マダイ等の魚類に存在する。しかし各カロテノイドは、これらに由来するものに限定されない。カロテノイドは、それぞれ薬理学的に許容される塩の形態であってもよい。
【0016】
成分(A)は、1種類の難溶性成分でもよいし、2種以上の難溶性成分の組み合わせでもよい。成分(A)が2種以上のカロテノイドを含む場合、ルテインとカプサンチンの組み合わせ、又はルテインとカプサンチンとゼアキサンチンの組み合わせを含むことが好ましく、ルテインとカプサンチンの組み合わせ又はルテインとカプサンチンとゼアキサンチンの組み合わせであることがより好ましい。
【0017】
成分(A)の含有量は、組成物全量に対して、通常は0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上である。上限は、通常は50質量%以下、好ましくは40質量%以下である。従って、成分(A)の含有量は、組成物全体に対して、通常は0.1~50質量%、好ましくは0.2~40質量%である。これにより、本発明の内服剤は、成分(A)の生理機能を効率よく発揮することができ、かつ、分散性のバランスに優れた剤となり得る。成分(A)がカロテノイドを含む場合、成分(A)としてのカロテノイドの含有量の上限は、組成物全量に対して、5.0質量%以下、好ましくは4.0質量%以下である。従って、成分(A)としてのカロテノイドの含有量は、通常は0.1~5.0質量%、好ましくは0.2~4.0質量%である。
【0018】
本発明の内服剤は、成分(B):有機酸モノグリセリドを含む。
【0019】
有機酸モノグリセリド(グリセリン有機酸脂肪酸モノエステル)は、グリセリン脂肪酸モノエステルの3位の-OH基を有機酸でエステル化した化合物である。有機酸モノグリセリドが有する脂肪酸の炭素原子数は、通常は8以上、好ましくは14以上である。上限は通常22以下、好ましくは18以下である。炭素原子数は8~22が好ましく、8~18がより好ましく、14~18がさらに好ましい。脂肪酸は、不飽和脂肪酸及び飽和脂肪酸のいずれでもよい。グリセリン脂肪酸エステルが有する脂肪酸としては例えば、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ペンタデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ベヘン酸が挙げられ、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ペンタデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸が好ましく、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸がより好ましい。有機酸モノグリセリドが有する有機酸としては例えば、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、ジアセチル酒石酸等のオキシカルボン酸;コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、グルタル酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸;酢酸、プロピオン酸、酪酸等の低級脂肪酸で構成されるモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸;及びグリシン、アスパラギン酸等のアミノ酸が挙げられ、オキシカルボン酸、脂肪族飽和ジカルボン酸が好ましく、ジアセチル酒石酸、乳酸、クエン酸、コハク酸がより好ましい。
【0020】
有機酸モノグリセリドのHLBは、特に限定されないが、通常は5を超えており、好ましくは5.5以上、より好ましくは6.0以上である。上限は、通常は10未満、好ましくは9.7以下、より好ましくは9.5以下である。従って、通常は5を超えて10未満、好ましくは5.5~9.7、より好ましくは6.0~9.5である。これにより、本発明の内服剤の分散性を向上させることができる。
【0021】
HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)は、水と油への親和性の指標であり、一般に0に近いほど親油性が高く、20に近いほど親水性が高くなる。本明細書中のHLBは、アトラス法、グリフィン法、デイビス法、川上法等のいずれかにより算出することができる。また、製品として、メーカーが公表している値を参酌してもよい。
【0022】
有機酸モノグリセリドとしては例えば、ジアセチル酒石酸モノグリセリド(例えば、ジアセチル酒石酸モノステアリン酸グリセリン(HLB=9.0))、乳酸モノグリセリド(例えば、乳酸モノステアリン酸グリセリン(HLB=7.5))、クエン酸モノグリセリド(例えば、クエン酸モノステアリン酸グリセリン(HLB=9.5)、クエン酸モノオレイン酸グリセリン(HLB=7.0))、コハク酸モノグリセリド(例えば、コハク酸モノステアリン酸グリセリン(HLB=8.5))が挙げられる。
【0023】
成分(B)は、1種類の有機酸モノグリセリドでもよいし、2種以上の有機酸モノグリセリドの組み合わせでもよい。
【0024】
成分(B)の含有量は、組成物全量に対して、通常は0.1質量%以上、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上である。上限は、通常は10.0質量%以下、好ましくは8.0質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下である。これにより、本発明の剤の分散性を向上させることができる。従って、成分(B)の含有量は、組成物全量に対して、通常は0.1~10.0質量%、好ましくは0.3~8.0質量%、より好ましくは0.5~6.0質量%である。これにより、本発明の内服剤は、成分(B)の生理機能を効率よく発揮することができ、かつ、良好な分散性を示し得る。
【0025】
本発明の内服剤は、成分(C):HLBが10以上の親水性乳化剤を含んでもよく、含むことが好ましい。これにより、本発明の内服剤の分散性をより向上させることができる。なお、成分(C)には、有機酸モノグリセリドは含まれない。
【0026】
親水性乳化剤は、親水性を示す乳化剤であればよい。親水性乳化剤のHLBは通常は10以上、好ましくは12以上、より好ましくは14以上、更に好ましくは15以上である。これにより、内服剤における成分(A)及び成分(B)の分散性をより向上させることができる。HLBの上限は特に限定されないが、通常は20以下である。
【0027】
親水性を示す乳化剤としては例えば、非イオン性界面活性剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられ、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが好ましく、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルがより好ましい。
【0028】
ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖のヒドロキシ基のうち少なくとも1つに脂肪酸がエステル結合したものである。ショ糖脂肪酸エステルが2以上の脂肪酸を有する場合、それぞれの脂肪酸は互いに同一でもよいし異なってもよい。ショ糖脂肪酸エステルが有する脂肪酸の炭素原子数は、通常は8以上、好ましくは12以上、より好ましくは14以上である。上限は通常22以下、好ましくは20以下、より好ましくは16以下である。炭素原子数は8~22が好ましく、12~20がより好ましく、14~16がさらに好ましい。脂肪酸は、不飽和脂肪酸および飽和脂肪酸のいずれでもよい。ショ糖脂肪酸エステルが有する脂肪酸としては例えば、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ペンタデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ベヘン酸が挙げられ、ラウリン酸、ペンタデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸が好ましく、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸がより好ましい。
【0029】
ショ糖脂肪酸エステルとしては例えば、ショ糖ジオレイン酸エステル、ショ糖ジステアリン酸エステル、ショ糖ジパルミチン酸エステル、ショ糖ジミリスチン酸エステル、ショ糖ジラウリン酸エステル、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステルが挙げられる。
【0030】
成分(C)としてのポリグリセリン脂肪酸エステルは、下記成分(D)としてのポリグリセリン脂肪酸エステル以外のポリグリセリン脂肪酸エステルであればよい。ポリグリセリンの重合度は、通常は7以上、好ましくは8以上である。上限は通常15以下、好ましくは10以下である。ポリグリセリンの重合度は、7~15が好ましく、8~10がより好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルが2以上の脂肪酸を有する場合、それぞれの脂肪酸は互いに同一でもよいし異なってもよい。ポリグリセリン脂肪酸エステルが有する脂肪酸の好ましい例については、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ペンタデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸が好ましく、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸がより好ましい。
【0031】
成分(C)としてのポリグリセリン脂肪酸エステルとしては例えば、ポリグリセリンオレイン酸エステル(例えば、モノオレイン酸デカグリセリン(HLB=12~15.5)、モノオレイン酸ヘキサグリセリン(HLB=11.6)、モノオレイン酸ペンタグリセリン(HLB=13.0))、ポリグリセリンステアリン酸エステル(例えば、モノステアリン酸デカグリセリン(HLB=12~13.4)、トリステアリン酸デカグリセリン(HLB=10.0)、モノステアリン酸ヘキサグリセリン(HLB=11.6)、ジステアリン酸デカグリセリン(HLB=11.0)、モノステアリン酸ペンタグリセリン(HLB=13.0))、ポリグリセリンパルミチン酸エステル(例えば、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル(HLB=13)、ヘキサグリセリンモノパルミチン酸エステル)、ポリグリセリンミリスチン酸エステル(例えば、モノミリスチン酸ペンタグリセリン(HLB=13.0)、モノミリスチン酸デカグリセリン(HLB=14)、ポリグリセリン酸ラウリン酸エステル(例えば、モノラウリン酸デカグリセリン(HLB=14.7~16)、モノラウリン酸ヘキサグリセリン(HLB=13.4)、モノラウリン酸テトラグリセリン(HLB=10.4)、モノラウリン酸ペンタグリセリン(HLB=14.0))、ポリグリセリンカプリル酸エステル(例えば、モノカプリル酸デカグリセリン(HLB=16.1))が挙げられる。
【0032】
ソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビタンのヒドロキシ基のうち少なくとも1つに脂肪酸がエステル結合したものである。ソルビタン脂肪酸エステルが2以上の脂肪酸を有する場合、それぞれの脂肪酸は互いに同一でもよいし異なってもよい。ソルビタン脂肪酸エステルが有する脂肪酸の好ましい例は、ショ糖脂肪酸エステルが有する脂肪酸で挙げたのと同様である。
【0033】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビタン脂肪酸エステルのヒドロキシ基のうち少なくとも1つにエチレンオキサイドがエステル結合したものである。ソルビタン脂肪酸エステルの好ましい例については、上述したのと同様である。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが有するエチレンオキサイドの付加モル数は、通常は2以上、好ましくは4以上、更に好ましくは10以上である。上限は、通常は100以下、好ましくは50以下、より好ましくは30以下である。付加モル数は2~100が好ましく、4~50がより好ましく、10~30が更に好ましい。
【0034】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては例えば、ポリオキシエチレンモノカプリル酸ソルビタン、ポリオキシエチレンモノラウリン酸ソルビタン(例えば、ポリソルベート20(ポリオキシエチレン(20)モノラウリン酸ソルビタン(HLB=16.7)))、ポリオキシエチレンモノパルミチン酸ソルビタン(HLB=15.6)、ポリオキシエチレンモノステアリン酸ソルビタン(HLB=14.9)、ポリオキシエチレンセスキステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレントリステアリン酸ソルビタン(HLB=10.5))、ポリオキシエチレンイソステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンセスキイソステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンセスキオレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンモノオレイン酸ソルビタン(例えば、ポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)モノオレイン酸ソルビタン(HLB=15.7)、ポリオキシエチレントリオレイン酸ソルビタン(例えば、ポリソルベート85(ポリオキシエチレン(20)トリオレイン酸ソルビタン(HLB=11.0))が挙げられ、ポリオキシエチレンモノラウリン酸ソルビタン又はポリオキシエチレンモノオレイン酸ソルビタンが好ましく、ポリソルベート20又はポリソルベート80がより好ましい。
【0035】
成分(C)は、親水性乳化剤から選ばれる1種類、又は2種類以上の組み合わせでもよい。
【0036】
内服剤が成分(C)を含む場合の成分(C)の含有量は、組成物全量に対して、通常は0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上、さらにより好ましくは0.5質量%以上である。上限は、通常は4質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下である。従って、成分(C)の含有量は、組成物全体に対して、通常は0.05~4質量%、好ましくは0.1~3質量%、より好ましくは0.15~2.5質量%、さらに好ましくは0.3~2.5質量%、さらにより好ましくは0.5~2.5質量%である。これにより、本発明の内服剤は、分散性を向上させることができ、食品としての安全性にも問題の無い剤とし得る。
【0037】
本発明の内服剤は、成分(D):HLBが10未満の、グリセリン脂肪酸エステル、又はポリグリセリン脂肪酸エステルを含んでもよく、含むことが好ましい。また、成分(D)はHLBが5以下の成分(d1)であってもよく、5を超えて10未満の成分(d2)であってもよい。以下、成分(d1)と成分(d2)を別途説明する。
【0038】
成分(D)としての、グリセリン脂肪酸エステル、又はポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBは、通常は10未満、好ましくは9.7以下、より好ましくは9.3以下である。下限には特に限定はなく、通常は0以上である。
【0039】
グリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンのヒドロキシ基のうち少なくとも1つに脂肪酸がエステル結合したものである。グリセリン脂肪酸エステルが2以上の脂肪酸を有する場合、それぞれの脂肪酸は互いに同一でもよいし異なってもよい。グリセリン脂肪酸エステルが有する脂肪酸の炭素原子数は、通常は8以上、好ましくは14以上である。上限は通常22以下、好ましくは18以下である。炭素原子数は8~22が好ましく、8~18がより好ましく、14~18がさらに好ましい。脂肪酸は、不飽和脂肪酸及び飽和脂肪酸のいずれでもよい。グリセリン脂肪酸エステルが有する脂肪酸としては例えば、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ペンタデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ベヘン酸が挙げられ、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ペンタデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸が好ましく、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸がより好ましい。
【0040】
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンの重合体であるポリグリセリンのヒドロキシ基のうち少なくとも1つ以上に脂肪酸がエステル化したものである。ポリグリセリンの重合度は、通常は6以下、好ましくは5以下、より好ましくは4以下である。下限は通常2以上である。ポリグリセリンの重合度は、2~6が好ましく、2~5がより好ましく、2~4がさらに好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルが2以上の脂肪酸を有する場合、それぞれの脂肪酸は互いに同一でもよいし異なってもよい。ポリグリセリン脂肪酸エステルが有する脂肪酸の好ましい例については、グリセリン脂肪酸エステルが有する脂肪酸にて挙げたのと同様である。
【0041】
成分(D)は、以下の成分(d1)、成分(d2)、及び、成分(d1)と成分(d2)の組み合わせのいずれであってもよく、成分(d1)と成分(d2)の組み合わせが好ましい:
成分(d1):HLBが5以下の、グリセリン脂肪酸エステル、又はポリグリセリン脂肪酸エステル成分。
成分(d2):HLBが5を超えて10未満の、グリセリン脂肪酸エステル、又はポリグリセリン脂肪酸エステル。
【0042】
成分(d1)としての、グリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBは、通常5以下、好ましくは4.7以下、より好ましくは4.5以下である。これにより、内服剤における成分(A)及び成分(B)の安定性を向上させることができる。HLBの下限は特に限定されないが、通常は0以上である。
【0043】
HLBが5以下のグリセリン脂肪酸エステルとしては例えば、ミリスチン酸グリセリン(HLB=3.5)、モノステアリン酸グリセリン(HLB=4.3)、ジステアリン酸グリセリンが挙げられ、モノステアリン酸グリセリン及びジステアリン酸グリセリンが好ましい。
【0044】
HLBが5以下のポリグリセリン脂肪酸エステルとしては例えば、ポリグリセリンステアリン酸エステル(例えば、デカステアリン酸デカグリセリン(HLB=3.0~3.8)、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリン(HLB=4.5)、トリステアリン酸テトラグリセリン(HLB=4.6)、ペンタステアリン酸デカグリセリン(HLB=4.5)、ペンタステアリン酸テトラグリセリン(HLB=2.6)、ヘキサステアリン酸ペンタグリセリン(HLB=4.0)、モノステアリン酸ジグリセリン(HLB=5.0)、トリステアリン酸ヘキサグリセリン(HLB=2.5))、ポリグリセリンオレイン酸エステル(例えば、デカオレイン酸デカグリセリン(HLB=3.0~3.3)、ペンタオレイン酸デカグリセリン(HLB=4.5)、ペンタオレイン酸ヘキサグリセリン(HLB=4.7)、ペンタオレイン酸テトラグリセリン(HLB=2.9))、ポリグリセリンベヘン酸エステル(例えば、ヘプタベヘン酸デカグリセリン(HLB=4.2)、ドデカベヘン酸デカグリセリン(HLB=2.5)、テトラベヘン酸ヘキサグリセリン)、ポリグリセリンエルカ酸エステル(例えば、オクタエルカ酸デカグリセリン(HLB=3.7))が挙げられる。
【0045】
成分(d1)は、HLBが5以下のグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種類、又は2種類以上の組み合わせでもよい。
【0046】
本発明の内服剤は、成分(d2):HLBが5を超えて10未満のグリセリン脂肪酸エステル又はポリグリセリン脂肪酸エステルを含んでもよい。本発明の内服剤は分散性をより向上させるという理由で、成分(d2)を含むことが好ましい。成分(d2)としての乳化剤のHLBは、5を超えており、好ましくは5.5以上、より好ましくは6.0以上である。上限は、通常は10未満、好ましくは9.7以下、より好ましくは9.3以下である。従って、HLBは通常5を超えて10未満、好ましくは5.5~9.7、より好ましくは6.0~9.3である。
【0047】
成分(d2)としてのグリセリン脂肪酸エステルは、成分(C)及び成分(d1)としてのグリセリン脂肪酸エステル以外のグリセリン脂肪酸エステルであればよい。グリセリン脂肪酸エステルの好ましい例については、成分(C)及び成分(d1)としてのグリセリン脂肪酸エステルにて挙げたのと同様である。
【0048】
成分(d2)としてのグリセリン脂肪酸エステルとしては例えば、カプリル酸モノグリセリド(HLB=7.2)、ラウリン酸モノグリセリド(HLB=5.3)、カプリン酸モノグリセリド(HLB=6.5)が挙げられる。
【0049】
成分(d2)としてのポリグリセリン脂肪酸エステルは、成分(C)及び成分(d1)としてのポリグリセリン脂肪酸エステル以外のポリグリセリン脂肪酸エステルであればよい。ポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい例については、成分(C)及び成分(d1)としてのポリグリセリン脂肪酸エステルにて挙げたのと同様である。
【0050】
成分(d2)としてのポリグリセリン脂肪酸エステルとしては例えば、ポリグリセリンステアリン酸エステル(例えば、モノステアリン酸ジグリセリン(HLB=7.0)、モノ・ジステアリン酸ジグリセリン(モノステアリン酸ジグリセリンとジステアリン酸ジグリセリンの組み合わせ)(HLB=6.5)、ジステアリン酸ヘキサグリセリン(HLB=9.6)、トリステアリン酸ヘキサグリセリン(HLB=7.4)、モノステアリン酸テトラグリセリン(HLB=6.0~8.4)、モノステアリン酸ヘキサグリセリル(HLB=9.0))、ポリグリセリンオレイン酸エステル(例えば、モノ・ジオレイン酸ジグリセリン(モノオレイン酸ジグリセリンとジオレイン酸ジグリセリンの組み合わせ)(HLB=6.5)、モノオレイン酸テトラグリセリン(HLB=8.8)、トリオレイン酸ペンタグリセリン(HLB=7.0)、モノオレイン酸ジグリセリン(HLB=7.3))、ポリグリセリンラウリン酸エステル(例えば、モノラウリン酸ジグリセリン(HLB=8.5))、ポリグリセリンミリスチン酸エステル(例えば、トリミリスチン酸ペンタグリセリン(HLB=8.0)、モノミリスチン酸ジグリセリン(HLB=7.7))、ポリグリセリンカプリル酸エステル(例えば、モノカプリル酸ジグリセリン(HLB=8.7))が挙げられ、モノ・ジオレイン酸ジグリセリンが好ましい。
【0051】
成分(d2)は、HLBが5を超えて10未満のグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種類、又は2種類以上の組み合わせでもよい。
【0052】
内服剤が成分(D)を含む場合の成分(D)の含有量は、組成物全量に対して、通常は1質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上である。上限は、通常は40質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。従って、成分(D)の含有量は、組成物全量に対して、通常は1~40質量%、好ましくは2~30質量%、より好ましくは3~20質量%である。これにより、本発明の内服剤は、分散性を向上させることができ、食品としての安全性にも問題の無い剤とし得る。
【0053】
内服剤が成分(d1)を含む場合の成分(d1)の含有量は、組成物全量に対して、通常は1質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上である。上限は、通常は20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。従って、成分(d1)の含有量は、組成物全量に対して、通常は1~20質量%、好ましくは2~15質量%、より好ましくは3~10、さらに好ましくは4~10質量%である。これにより、本発明の内服剤は、分散性を向上させることができ、食品としての安全性にも問題の無い剤とし得る。
【0054】
内服剤が成分(d2)を含む場合の成分(d2)の含有量は、組成物全量に対して、通常は1質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上である。上限は、通常は20質量%以下、好ましくは18質量%以下、より好ましくは15質量%以下である。従って、成分(d2)の含有量は、組成物全量に対して、通常は1~20質量%、好ましくは2~18質量%、より好ましくは3~15質量%である。これにより、本発明の内服剤は、分散性を向上させることができる。
【0055】
成分(A)の含有量に対する成分(B)の含有量の比率((B)/(A))(%)は、0%を超えることが好ましく、10%以上がより好ましい。上限は特にないが、通常は5000%以下であり、好ましくは4000%以下である。
【0056】
成分(B)と(C)の含有量の合計に対する成分(A)の含有量の比率((A)/((B)+(C))(%)は、通常は5%以上であり、好ましくは10%以上である。上限は特にないが、通常は5000%以下、好ましくは4000%以下である。これにより、本発明の内服剤は、安定性とともに、分散性をより向上させることができる。
【0057】
内服剤は、成分(E):成分(A)~(D)以外の乳化剤を含んでもよい。成分(E)としては例えば、以下のものが挙げられる:
HLBが5未満のソルビタン脂肪酸エステル、例えば、モノステアリン酸ソルビタン(HLB=4.7)、セスキステアリン酸ソルビタン(HLB=4.2)、トリステアリン酸ソルビタン(HLB=2.0)、セスキイソステアリン酸ソルビタン(HLB=4.5)、オレイン酸ソルビタン(HLB=4.3)、セスキオレイン酸ソルビタン(HLB=3.7)、トリオレイン酸ソルビタン(HLB=2.0)。
HLBが5以上10未満のソルビタン脂肪酸エステル、例えば、モノカプリル酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン(HLB=8.6)、イソステアリン酸ソルビタン(HLB=8)。
【0058】
本発明において薬理学的に許容される塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、又はパラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩;トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩;アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などのアミノ酸塩が挙げられる。
【0059】
本発明の内服剤は、上記以外の成分と、薬理学的に許容される基剤をさらに有していてもよい。薬理学的に許容される基剤の一例としては、主に貯蔵及び流通における安定性を確保する成分(例えば保存安定剤)が挙げられる。その他、目的の最終製品(例えば、飲食品、医薬品、医薬部外品)を構成する諸成分から選ばれる1又は2種類以上の成分(好ましくは1~3種類程度、より好ましくは1種類程度)を含有していてもよい。
【0060】
薬理学的に許容される基剤は、本発明の目的を損なわない限り、特に限定されない。例えば、油性成分、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、着色剤、発色剤、矯味剤、着香剤、酸化防止剤、防腐剤、呈味剤、酸味剤、甘味剤、強化剤、ビタミン剤、膨張剤、増粘剤、界面活性剤の中から、製剤に必要な諸特性(例えば、製剤安定性)を損なわないものであって、最終製品(例えば、医薬品、医薬部外品、飲食品)の剤形に応じたものを1種又は2種以上選択することができる。また、薬理学的に許容される基剤は、一酸化窒素産生抑制効果を有する他の成分であってもよい。
【0061】
油性成分としては、例えば、成分(A)~(D)以外の脂肪酸エステル、食用油脂、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコールが挙げられ、食用油脂が好ましい。食用油脂としては例えば、サフラワー油、大豆油、菜種油、キャノーラ油、アマニ油、芥子油、胡桃油、しそ油、米油、パーム油、パーム核油、ぶどう油、パームオレイン、ヤシ油、綿実油、ヒマワリ油、コーン油、ごま油、オリーブ油、扁桃油、落花生油、椰子油、椿油が挙げられる。油性成分の含有量と成分(A)~(E)の含有量の合計量に対する成分(A)~(E)の量((C)~(E)は任意)の合計量の割合は、通常3質量%以上、好ましくは4質量%以上である。上限は、通常90質量%以下、好ましくは80質量%以下である。
【0062】
賦形剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、結晶セルロース、エチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース及びその薬理学的に許容される誘導体;ポリビニルピロリドン、部分けん化ポリビニルアルコール等の合成高分子;ゼラチン、アラビアゴム末、プルラン、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、キタンサンガム等の多糖類:エタノール、グリセリン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、プロパノール、2-ペンタノール、2-メチルブタノール、3-メチル-2-ブタノール、3-メチル-2-ブテノール、1-ペンテン-3-オール等の低級アルコール類;水添ナタネ油アルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ラノリンアルコール、オクチルドデカノール、その他の脂肪族高級アルコール等の高級アルコール類;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ等のスターチおよびその薬理学的に許容される誘導体;乳糖、果糖、ブドウ糖、白糖、トレハロース、パラチノース、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、還元パラチノース、粉末還元麦芽糖水飴、マルチトール等の糖類および糖アルコール類;軽質無水ケイ酸、微粒酸化ケイ素、微粒二酸化ケイ素、酸化チタン、水酸化アルミニウムゲル等の無機賦形剤が挙げられる。剤全量に対する賦形剤の含有量は、0.01質量%以上が好ましい。上限は、70質量%以下が好ましい。
【0063】
崩壊剤としては、例えば、クロスポビドン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、部分α化デンプンが挙げられる。
【0064】
結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、デキストリン、デンプン、α化デンプンが挙げられる。
【0065】
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、成分(C)~(E)以外のショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸が挙げられる。剤全量に対する滑沢剤の含有量は、0.01質量%以上が好ましい。上限は、25質量%以下が好ましい。
【0066】
着色剤としては、例えば、カラメル色素、ウコン色素、オレンジ色素、カカオ色素、トウガラシ色素、マリーゴールド色素、酸化鉄(III)、二酸化チタン、ベニバナ色素、クチナシ色素、銅クロロフィル色素が挙げられる。
【0067】
本発明の内服剤としては、例えば、経口投与(例えば、口腔内投与、舌下投与)の投与形態で用いられる剤が挙げられる。これらの中でも侵襲性の少ない投与形態が好ましく、経口投与(内服)がより好ましい。
【0068】
経口投与剤(内服剤)又は経口投与用組成物(内服用組成物)の剤形としては、例えば、液状(液剤)、シロップ状(シロップ剤)、錠剤(錠剤、タブレット)、カプセル状(カプセル剤)、粉末状(顆粒、細粒)、ソフトカプセル状(ソフトカプセル剤)、固形状、半液体状、クリーム状、ペースト状が挙げられる。
【0069】
内服剤の投与対象は、ヒトを含む動物であればよく、通常はヒトであるが、ヒト以外の動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ブタ、サルなどの哺乳類)であってもよい。
【0070】
本発明の内服剤は、食品組成物、医薬、医薬部外品として利用できる。食品組成物としては例えば、飲料(清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、粉末飲料、果実飲料、乳飲料、ゼリー飲料など)、菓子類(クッキー、ケーキ、ガム、キャンディー、タブレット、グミ、饅頭、羊羹、プリン、ゼリー、アイスクリーム、シャーベットなど)、水産加工品(かまぼこ、ちくわ、はんぺんなど)、畜産加工品(ハンバーグ、ハム、ソーセージ、ウィンナー、チーズ、バター、ヨーグルト、生クリーム、チーズ、マーガリン、発酵乳など)、スープ(粉末状スープ、液状スープなど)、主食類(ご飯類、麺(乾麺、生麺)、パン、シリアルなど)、調味料(マヨネーズ、ショートニング、ドレッシング、ソース、たれ、しょうゆなど)が挙げられる。
【0071】
本発明の内服剤の投与形態は通常は口腔内投与、舌下投与などの経口投与である。
【0072】
本発明の内服剤の剤形は、飲食品、医薬品及び医薬部外品のいずれとするかによって適宜決定することができ、特に限定されない。経口投与される際の剤形の例としては、液状(液剤)、シロップ状(シロップ剤)、錠剤、カプセル状(カプセル剤)、粉末状(顆粒状(顆粒剤)、細粒(散剤))、ソフトカプセル状(ソフトカプセル剤)、固形状(固形製剤)、半液体状、クリーム状、ペースト状が挙げられ、ソフトカプセル状(ソフトカプセル剤)が好ましい。
【0073】
内服剤の製造方法は、特に限定されず、剤形及び用途に基づき常法に従えばよい。一例として、剤形がソフトカプセル剤である場合の製造方法を以下に示す。
【0074】
まず、ソフトカプセル剤の内容物を調製する。成分(B)、必要に応じて添加される成分(C)~(E)、並びに油性成分等の任意成分を加温して混合した後、冷却する。加温は通常40℃以上、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上で行う。上限は特にないが通常は100℃以下、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下である。従って、加温は、通常40~100℃、好ましくは50~90℃、より好ましくは55~80℃で行う。混合は、均一になるように行うことが好ましく、必要に応じて撹拌する。冷却温度は、加温の温度にもよるが、通常は70℃以下、好ましくは60℃以下、より好ましくは40℃以下である。下限は通常20℃以上、好ましくは22℃以上、より好ましくは25℃以上である。従って、冷却温度は通常20~70℃、好ましくは22~60℃、より好ましくは25~40℃である。冷却後、成分(A)を加えて混合し(好ましくは均一になるように行う、必要に応じて撹拌する)、ソフトカプセル剤の内容物(以下、「内容液」とも記載する)を得る。混合(撹拌混合)は機械的に行うことが好ましい。装置としては特に限定はないが、例えば、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー等の高速攪拌機、高圧粉砕機が挙げられる。
【0075】
次に、得られた内容液を皮膜基材で包含する。包含方法としては例えば、平板法、ロータリーダイ法が挙げられるが、後者を例に取り、メディシンタンク、ゼラチンメルティングタンクを備え、ダイロールをセット可能な充填機及びタンブラードライヤーを用いたと仮定して以下に説明する。
【0076】
得られた内容液を、メディシンタンクに入れ、充填機の所定の位置にセットする。メディシンタンクに入れる前に、必要に応じて内容液のエマルジョン化、サスペンジョン化等の前処理を行ってもよい。
【0077】
ゼラチンメルティングタンクに、皮膜基材(例えば、ゼラチン、デンプン等の高分子)、必要に応じて可塑剤(例えば、グリセリン、ソルビトール)及び精製水等を加え、加温溶解(例えば、約80℃)後、脱泡操作を同タンクで行い、粘度を調整して皮膜原液とする。皮膜原液をフィルトレーションをしながら小分けタンク(通常、加温(50~55℃))に移しかえ、充填機の所定の位置にセットする。
【0078】
調合された皮膜原液及び内容物を、充填機の所定の位置にセットし、所定のダイロールをセットした充填機でソフトカプセルを成型する。充填室の温度は、通常、20~30℃に調整する。充填室の相対湿度は通常、30~50%に維持する。成形直後のソフトカプセルを、充填機に連結されたタンブラードライヤーに送り込み、回転させながら室内条件と同様のクリーンエアーで、形の一時固定及び皮膜中の水分の一時乾燥を行う(通常、約1~4時間)。
【0079】
包含成形され、一時乾燥したソフトカプセルを、タンブラードライヤーに移して乾燥する。乾燥の際の温度は通常20~30℃であり、相対湿度30~50%である。乾燥時間は通常24~48時間である。乾燥は、例えば、充填時の含水率30~40%の場合には6~8%に低下するまで行う。
【0080】
乾燥後のソフトカプセルは、必要に応じて、タンブラーで2分~1時間の磨きをかけてソフトカプセルを仕上げてもよい。
【0081】
本発明の内服剤は、健康食品、機能性食品、栄養補助食品(サプリメント)、特定保健用食品、医療用食品、病者用食品、乳児用食品、介護用食品、高齢者用食品等の食品、医薬品又は医薬部外品として利用することができる。
【実施例】
【0082】
実施例1~46及び比較例1~3
表1~7に記載の組成にて調製したソフトカプセル剤の内容物を以下の評価試験に供した。ソフトカプセル剤の調製は、常法に従って行った。すなわち、内容物としての各成分を混合した後、皮膜としての各成分をコーティングして、ソフトカプセル剤を得た。
【0083】
<内容液の分散性>
第十六改正日本薬局方に収載された一般試験法の崩壊試験法に準拠し、各実施例及び比較例のソフトカプセル6粒を崩壊試験第1液中で崩壊させたときの水への分散性を、目視で観察した。目視観察の結果を以下の基準にて評価した。
A:難溶性成分を含む油性成分の分離がなく、崩壊試験第1液への分散性が均一で良好
B:難溶性成分を含む油性成分の分離がわずかにあるが、崩壊試験第1液への分散性が均一で良好
C:難溶性成分を含む油性成分の分離がみられ、わずかに崩壊試験第1液へ分散する
D:難溶性成分を含む油性成分がほとんど分離し、崩壊試験第1液へ分散しない
【0084】
評価試験の結果を、表1~7に示す。各実施例及び比較例で用いた成分に関する情報を、表8に示す。
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
表1~7から以下のことが明らかである。比較例ではソフトカプセル内容液の水分散性の評価ができなかったか、又はD若しくはCの評価であったが、実施例のほとんどでB以上の評価であった。このことは、本発明の内服剤が良好な分散性を発揮し得ることを示している。