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特許7061577D-キシロネートの製造方法およびコリネ型細菌
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  • 特許-D-キシロネートの製造方法およびコリネ型細菌 図1
  • 特許-D-キシロネートの製造方法およびコリネ型細菌 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】D-キシロネートの製造方法およびコリネ型細菌
(51)【国際特許分類】
   C12P 7/58 20060101AFI20220421BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20220421BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20220421BHJP
【FI】
C12P7/58 ZNA
C12N1/21
C12N15/09 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018560943
(86)(22)【出願日】2017-05-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-04
(86)【国際出願番号】 DE2017000138
(87)【国際公開番号】W WO2017220059
(87)【国際公開日】2017-12-28
【審査請求日】2020-03-17
(31)【優先権主張番号】102016007810.3
(32)【優先日】2016-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390035448
【氏名又は名称】フォルシュングスツェントルム・ユーリッヒ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】ノーアック・シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ラーデク・アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】マリーエンハーゲン・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】クルムバッハ・カーリン
【審査官】小倉 梢
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-029471(JP,A)
【文献】国際公開第2013/069634(WO,A1)
【文献】J. Biotechnol.,2014年,Vol. 192,p. 156-160
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12P 7/00 - 7/66
C12N 15/00 - 15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
D-キシロースからD-キシロネートを微生物で製造する方法であって、
IolR遺伝子の活性が野生型もしくは野生型の突然変異体と比較して低下しているかもしくは完全に消失しているか、またはIolR遺伝子が完全もしくは部分的に欠失しているコリネ型細菌によって、D-キシロースがD-キシロネートに変換され
前記のIolR遺伝子の部分的な欠失は、IolR遺伝子の完全な不活性化を引き起こし、
前記コリネ型細菌として、コリネバクテリウム(Corynebacterium)が使用され、そして
以下のステップ:
a)前記コリネ型細菌の増殖のための培地であって、D-キシロースを含む培地を供するステップ、
b)前記培地において、前記コリネ型細菌によって、D-キシロースがD-キシロネートに変換され、D-キシロネートが培地中に蓄積されるステップ、および
c)前記培地からD-キシロネートを回収および/または精製するステップ、
を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、コリネバクテリウム・アセトグルタミカム(Corynebacterium acetoglutamicum)またはコリネバクテリウム・サーモアミノゲネス(Corynebacterium thermoaminogenes)の群からのコリネ型細菌が使用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032
コリネバクテリウム・アセトグルタミカムATCC15806
コリネバクテリウム・アセトアシドフィラム(Corynebacterium acetoacidophilum)ATCC13870、および
コリネバクテリウム・サーモアミノゲネスFERM BP-1539
からなる群からのコリネ型細菌が使用されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
IolR遺伝子の部分的なまたは完全な不活性化が、改変がIolR遺伝子の活性に影響を及ぼすIolR遺伝子の遺伝子領域へのベクターまたは別の遺伝子配列の挿入、遺伝子発現のシグナル構造の改変、トランジション、トランスバージョン、挿入または欠失の形態の突然変異によって行われることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
前記の遺伝子発現のシグナル構造が、リプレッサー遺伝子、アクティベーター遺伝子、オペレーター、プロモーター、アテニュエーター、リボソーム結合部位、開始コドンおよびターミネーターからなる群から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
D-キシロネートの製造が、D-キシロース含有規定培地で実施されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、D-キシロネートの製造方法およびコリネ型細菌に関する。
【背景技術】
【0002】
D-キシロン酸(C5H10O6)は、ToivariらによってAppl Microbiol Biotechnol、2012、96(1): 1~8(非特許文献1)に記載されたように、ポリアミド、ポリエステルおよび1,2,4-ブタントリオールの前駆体として役立つことができ、したがって、医薬品工業、食品工業および化学工業に広い使用潜在性を有する有機酸である。以下の説明は、D-キシロン酸の塩であるD-キシロネートに関するものである。D-キシロネートは、潜在的に高価値であって、第2世代の再生可能原料、例えばペントース含有ヘミセルロースに基づく前駆体化学物質の上位30品目の1つに数えられる。D-キシロネートは、80kt/年の世界市場をもつD-グルコネート(C6H11O7)と類似性を有する。
【0003】
D-キシロネートは、自然界では一部の細菌において二段階反応を経て生成される。最初の反応でD-キシロースがD-キシロノラクトンに酸化され、ここで、生物に応じて特異的デヒドロゲナーゼが触媒活性である。続いて、D-キシロノラクトンは、特異的ラクトナーゼにより、または酵素触媒なしに自然発生的に、D-キシロネートに変換し得る。例えば、グルコノバクター・オキシダンス(Gluconobacter oxydans)種およびシュードモナス・フラギ(Pseudomonas fragi)種に関して高いD-キシロネート産物力価が報告されており、(Buchertら、Applied Microbiology and Biotechnology、27(4): 333~336(非特許文献2)、Toivariら、Appl Microbiol Biotechnol、2012、96(1): 1~8(非特許文献1))が記載された。
【0004】
加えて、(Liuら、Bioresour Technol、2012、115: 244~248(非特許文献3)、Richardら、2012年、US20120005788A1(US13/256,559)(特許文献1)、Toivariら、Metab Eng、2012、14(4): 427~436(非特許文献4))によって記載されたように、代替的なD-キシロネート産生株(例えば、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)種の酵母、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)種の細菌およびアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)種の真菌)が、例えばカウロバクター・クレセンタス(Caulobacter crescentus)由来のD-キシロースデヒドロゲナーゼの異種発現により生まれた。
【0005】
微生物的産生以外に、D-キシロネートは、電気化学的に(Jokicら、Journal of Applied Electrochemistry、21(4): 321~326(非特許文献5))、酵素的に(Pezzottiら、Carbohydr Res、2006、341(13): 2290~2292(非特許文献6))または化学酸化により(Isbellら、Bureau of Standards Journal of Research、1932、8(3): 327~338(非特許文献7))製造することができる。
【0006】
有機酸またはその塩は、コリネ型細菌株、特にコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)の発酵により製造することができることは、公知である。
【0007】
文書US2013/0295621A1(特許文献2)は、遺伝子工学的に改変された細菌によるD-キシロン酸の製造方法を開示している。
【0008】
例えばグルコノバクター・オキシダンスのような、内因性D-キシロネート合成能を有する現状技術から公知の産生株は、その増殖のために非規定培地を必要とし、それによってD-キシロネートの産生は、明らかにより費用がかかり、より高価に、それに伴いより不経済になる。
【0009】
今までに記載された全ての「非天然」D-キシロネート産生体は、遺伝子工学の規制に関する法律(GenTG)第3条の意味において遺伝子工学的に改変された生物であり、この法律によると、生物、とりわけ様々な酵母、真菌および細菌が異種発現能をもつか、またはこの生物にとって外来の遺伝子を含む、したがって組換え改変されている場合に、その生物が遺伝子工学的に改変されている。それにより、費用のかかる認可手続きの結果、例えば食品工業および医薬品工業のような特定の工業分野における使用にとっての欠点が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】US20120005788A1(US13/256,559)
【文献】US2013/0295621A1
【非特許文献】
【0011】
【文献】Toivariら、Appl Microbiol Biotechnol、2012、96(1): 1~8
【文献】Buchertら、Applied Microbiology and Biotechnology、27(4): 333~336
【文献】Liuら、Bioresour Technol、2012、115: 244~248
【文献】Toivariら、Metab Eng、2012、14(4): 427~436
【文献】Jokicら、Journal of Applied Electrochemistry、21(4): 321~326
【文献】Pezzottiら、Carbohydr Res、2006、341(13): 2290~2292
【文献】Isbellら、Bureau of Standards Journal of Research、1932、8(3): 327~338
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
D-キシロネートおよびそれと共にD-キシロン酸を高い鏡像体純度および高い回収率で製造することができる方法および微生物を提供する必要性がある。工業的利用に、特に食品工業、医薬品および化学工業に利用することができ、食品工業ならびに医薬品および化学工業における使用のための認可条件を容易に満たす微生物および方法を、特に提供すべきである。遺伝子工学の規制に関する法律第3条の意味における遺伝子改変生物に付随する欠点、特に組換え改変生物に付随する欠点を好ましくは回避すべきである。特に、割安で容易に使用可能な、簡単で低コストの培地を培養のために使用できるべきである。使用される微生物は、規定培地で高い増殖速度を有し、高いバイオマス収量を達成し、後続の産物の処理を簡単にするべきである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題は、本発明により、請求項1および並行請求項の前提部分から出発して、これらの請求項の特徴部分に示される特徴によって解決される。
【0014】
本発明の微生物、そのゲノムおよび本発明の製造方法を用いて、今や、鏡像体純度100%のD-キシロネートを高い収率で、例えば>0.5のg D-キシロネート/g D-キシロースで製造することが可能である。本発明の微生物は、工業的使用に十分に適しており、好ましい一実施形態では、食品工業、ならびに医薬品および化学工業における用途のための認可基準を満たし、特に、遺伝子工学法の下で組換え改変されていないと見なされる。本発明の微生物は、規定培地で高い増殖速度および高いバイオマス収率を達成し、簡単な産物処理を可能にする。現状技術の欠点が克服される。規定培地は、価格がより安く、使用があまり厄介でない。産生生物の増殖は、非規定培地の場合よりも再現性がある。培地の複雑さは小さく、それに伴い、産物処理のために必要な工程段階の数は減少する。
【0015】
本発明の有利な変形形態を従属請求項に示す。
【0016】
以下に本発明を、その全般的な形態で説明するが、これを限定的に解釈すべきではない。
【0017】
驚くべきことに、ミオイノシトール代謝のレギュレーターをコードする遺伝子IolR(以後、IolR遺伝子と呼ぶ)の活性が低下もしくは消失している、またはIolR遺伝子が少なくとも部分的に欠失しているコリネ型細菌を用いて、基質としてのD-キシロネートから出発して、鏡像体純粋なD-キシロネートを非常に高い収率で獲得することができることが発見された。
【0018】
したがって、本発明の主題は、IolR遺伝子の活性が、野生型もしくは野生型の突然変異体、好ましくはこの遺伝子を含む非組換え型突然変異体に比して低下もしくは完全に消失しているか、またはIolR遺伝子が少なくとも部分的に欠失しているコリネ型細菌、およびIolR遺伝子の活性が低下もしくは完全に消失しているか、またはIolR遺伝子が少なくとも部分的に欠失しているコリネ型細菌を用いたD-キシロネートの製造方法である。
【0019】
本発明による改変されたコリネ型細菌は、野生型、または野生型に対する遺伝子改変型であって好ましくは組換え改変されていない改変型に由来することができる。
【0020】
野生型由来の株は、医薬品工業および食品工業に特に好ましい。それは、それらの株の製造許可を受けるのが特に容易であるからである。野生型は、本発明の方法の出発株として天然IolR遺伝子を含む。
【0021】
遺伝子改変された株も、同様に、その出発形態において天然IolR遺伝子を含む。本発明の意味において、遺伝子改変株は、例えば、レギュレーターIolRの標的または目標遺伝子の発現が増加するように遺伝子改変された株であると理解することができる。そのようにして、ミオイノシトール代謝酵素をコードするミオイノシトール代謝関連遺伝子の全てまたは一部が過剰発現され得る。このために、例えばこれらの酵素をコードし、これらの遺伝子の発現増加を可能にする遺伝子をゲノムに組み込むことができる。遺伝子は、染色体にも挿入することができる。ミオイノシトール代謝酵素の発現増加のための他の活性化メカニズム、例えばより強力なプロモーターの導入および翻訳効率のモジュレーションも起こり得る。加えて、ミオイノシトール代謝酵素の安定性を向上させることもできる。
【0022】
特に、コリネバクテリウム、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)の種、特にコリネバクテリウム・グルタミカム、コリネバクテリウム・アセトグルタミカム(Corynebacterium acetoglutamicum)、コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス(Corynebacterium thermoaminogenes)、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)またはブレビバクテリウム・ジバリカタム(Brevibacterium divaricatum)というコリネ型細菌を使用することができる。
【0023】
本発明により野生型から出発して改変されたコリネ型細菌が好ましく、例えば、野生型の
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032
コリネバクテリウム・アセトグルタミカムATCC15806
コリネバクテリウム・アセトアシドフィラム(Corynebacterium acetoacidophilum)ATCC13870
コリネバクテリウム・サーモアミノゲネスFERM BP-1539
ブレビバクテリウム・フラバムATCC14067
ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムATCC13869および
ブレビバクテリウム・ジバリカタムATCC14020
が使用される。この列挙は、限定的ではなく、例示的である。
【0024】
産生生物としてのコリネバクテリウム・グルタミカムの使用は、格別の利点を提供する。それは、
i)全ての工業分野で使用することができる「一般に安全と認められる」(GRAS)生物であり、
ii)それを用いて規定培地で高い増殖速度およびバイオマス収量が達成され(Unthanら、Biotechnol Bioeng、2014、111(2): 359~371)、
iii)工業的に広い使用経験がある(Beckerら、Curr Opin Biotechnol、2012、23(4): 631~640)
からである。
【0025】
コリネ型細菌、好ましくはコリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032におけるミオイノシトール代謝レギュレーターIolR、特にIolR(cg0196)の部分不活性化、不活性化または部分欠失もしくは完全欠失は、D-キシロースからのD-キシロネートの生成を引き起こす。この好ましい実施形態は、本発明により改変された野生型であるとして、化学物質、医薬品または食品の製造許可に制限を受けないという利点を有する。
【0026】
好ましい実施形態において、IolR遺伝子は、完全に排除されている。
【0027】
これは、好ましくはIolR遺伝子の完全欠失により起こり得る。IolR遺伝子の不活性化が完全である限り、これは部分欠失によっても引き起こすことができる。
【0028】
IolR遺伝子の完全不活性化は、当業者に公知の他の手段によって行うこともできる。例えば、IolRの基質/誘導物質としてミオイノシトールを使用することによる適切な培養プロセス、IolR遺伝子、特にIolR遺伝子cg0196の遺伝子領域への他のDNA配列の挿入を例示的に挙げることができる。本発明の意味における遺伝子領域は、改変がIolR遺伝子の活性になお影響を及ぼす領域と理解すべきである。この領域は、IolR遺伝子のオープンリーディングフレームの前、後または中に位置する可能性がある。
【0029】
完全不活性化は、遺伝子発現のシグナル構造の遺伝的改変(突然変異)によるIolRの遺伝子発現の完全な排除によっても行うことができる。遺伝子発現のシグナル構造は、例えば、リプレッサー遺伝子、アクティベーター遺伝子、オペレーター、プロモーター、アテニュエーター、リボソーム結合部位、開始コドンおよびターミネーターである。当業者は、これに関する記載を、例えば特許出願WO96/15246、BoydおよびMurphy(Boydら、J Bacteriol、1988、170(12): 5949~5952)、VoskuilおよびChambliss(Voskuilら、Nucleic Acids Research、1998、26(15): 3584~3590)、JensenおよびHammer(Jensenら、Biotechnol Bioeng、1998、58(2-3): 191~195)、Patekら(Patekら、Microbiology、1996、142 (Pt 5): 1297~1309)ならびに遺伝学および分子生物学の公知の教科書、例えば、Knippers(「Molekulare Genetik」、第8版、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、Deutschland、2001)またはWinnacker(「Gene und Klone」、VCH Verlagsgesellschaft、Weinheim、Deutschland、1990)の教科書に見出す。
【0030】
IolRの機能的特性の改変、特に基質特異性の改変を生じる突然変異は、同様に、IolR遺伝子の活性の完全な消失を生じることができる。突然変異として、トランジション、トランスバージョン、挿入および欠失、ならびに定向進化法が適切である。そのような突然変異およびタンパク質を生じるための手引きは、現状技術に属し、公知の教科書(R. Knippers「Molekulare Genetik」、第8版、2001、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、Deutschland)、またはレビュー論文(Pokalaら、J Struct Biol、2001、134(2~3): 269~281、Jaenickeら、Angew Chem Int Ed Engl、2003、42(2): 140~142、Lilie、EMBO Rep、2003、4(4): 346~351、Peiら、Proc Natl Acad Sci U S A、2003、100(20): 11361~11366、Dokholyan、Proteins、2004、54(4): 622~628、Tramontano、Angew Chem Int Ed Engl、2004、43(25): 3222~3223)から引用することができる。
【0031】
このように生成したコリネ型細菌は、IolR遺伝子活性を全く有さず、高い収率で鏡像体純粋なD-キシロネートの産生をもたらす。本発明の最良の実施形態に該当し、特に完全欠失が好ましい。
【0032】
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032 ΔIolRの場合、IolR遺伝子cg0196が完全に欠失している。
【0033】
別の実施形態では、IolR遺伝子の活性が低下されている。
【0034】
これは、部分欠失によっても、活性が完全に消失しない場合引き起こすことができる。
【0035】
IolR遺伝子の部分不活性化は、当業者に公知の他の手段によっても行うことができる。例示的には、例えば、IolRの基質/誘導物質としてのミオイノシトールの使用による適切な培養プロセス、IolR遺伝子、特にIolR遺伝子cg0196の遺伝子領域への別のDNA配列の挿入を挙げることができる。本発明の意味における遺伝子領域は、改変がIolR遺伝子の活性になお影響を及ぼす領域と理解すべきである。この領域は、IolR遺伝子のオープンリーディングフレームの前、後または中に位置する可能性がある。
【0036】
部分不活性化は、遺伝子発現のシグナル構造の遺伝的改変(突然変異)によるIolRの遺伝子発現の部分的な排除によっても行うことができる。遺伝子発現のシグナル構造は、例えば、リプレッサー遺伝子、アクティベーター遺伝子、オペレーター、プロモーター、アテニュエーター、リボソーム結合部位、開始コドンおよびターミネーターである。これに関して、完全欠失の場合と同じ方法を基本的に利用することができる。
【0037】
IolRの機能的特性の改変、特に基質特異性の改変を生じる突然変異は、同様に、IolR遺伝子の活性の部分的な消失を生じ得る。突然変異として、トランジション、トランスバージョン、挿入および欠失、ならびに定向進化法が適切である。この場合も、上記の方法を使用することができる。
【0038】
記載した本発明による遺伝的改変は、本発明のコリネ型細菌を生じ、単離した際に本発明のゲノムを生じる。
【0039】
IolR遺伝子cg0196を、配列番号1に示す。
【0040】
オープンリーディングフレームを有するコリネ型細菌ATCC13032のIolR遺伝子を配列番号2に記載する。
【0041】
驚くことに、IolR遺伝子の不活性化は、増殖のための炭素源およびエネルギー源、例えばD-グルコース、ならびに他の炭素源およびエネルギー源としてのD-キシロースを有する規定培地にD-キシロネートの生成を引き起こす。D-キシロネートは、当然のことながらコリネ型細菌によって代謝されることができず、したがって培地中に蓄積され、続いてこれを培地から精製することができる。
【0042】
本発明により改変されたコリネ型細菌という生物は、鏡像体純度100%のD-キシロネートまたはD-キシロン酸を高い収率で産生する。この方法で生じた本発明のゲノムは、コリネ型細菌にD-キシロネートまたはD-キシロン酸を高い収率および鏡像体純度100%で製造する能力を与える。
【0043】
本発明のコリネ型細菌を用いたD-キシロネートの産生は、公知の、実験室または産生部門において通常の発酵法を用いて実施することができる。
【0044】
本発明により製造された微生物は、D-キシロネートの産生を目的とするバッチ法(回分培養)またはフェッドバッチ(流加培養法)または反復フェッドバッチ(反復流加培養法)で連続的または断続的に培養することができる。公知の培養法に関する要約は、Chmielの教科書(Bioprozesstechnik 1. Einfuehrung in die Bioverfahrenstechnik(Gustav Fischer Verlag、Stuttgart、1991)(非特許文献22))またはStorhasの教科書(Bioreaktoren und periphere Einrichtungen(Vieweg Verlag、Braunschweig/Wiesbaden、1994)(非特許文献23))に記載されている。
【0045】
使用すべき培地は、適切な方法でそれぞれの微生物の要求を満たさなければならない。様々な微生物の培地の記載は、「Manual of Methods for General Bacteriology」American Society for Bacteriology(Washington D.C.、USA、1981)(非特許文献24)のハンドブックに含まれている。
【0046】
D-キシロネート生成の出発基質としてのD-キシロース以外に、増殖のための炭素源として、例えばグルコース、サッカロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、糖蜜、デンプンおよびセルロースなどの糖および炭水化物、例えばダイズ油、ヒマワリ種子油、ラッカセイ油およびヤシ油などの油脂、例えばパルミチン酸、ステアリン酸およびリノール酸などの脂肪酸、例えばグリセリンおよびエタノールなどのアルコールならびに例えば酢酸などの有機酸を使用することができる。これらの物質は、個別にまたは混合物として使用することができる。
【0047】
炭素源およびエネルギー源としてD-キシロースおよびD-グルコースを有するCGXII培地(Unthanら、Biotechnol Bioeng、2014、111(2): 359~371(非特許文献8))が特に好ましい。それによってコリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032の最大0.61h-1という高い比増殖速度を達成することができる。加えて、CGXII培地の使用は、例えばエタノール沈殿に続く真空乾燥により(Liuら、Bioresource Technology、2012、115: 244~248(非特許文献3))、培養上清から目的産物D-キシロネートの容易な分離を保証する。単純な培地は、解決すべき課題の構成要素である。
【0048】
窒素源として、ペプトン、酵母エキス、肉エキス、麦芽エキス、コーンスチープリカー、ダイズ粉および尿素のような有機含有窒化合物または硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウムおよび硝酸アンモニウムのような無機化合物を使用することができる。窒素源は、個別にまたは混合物として使用することができる。
【0049】
リン源として、リン酸二水素カリウムもしくはリン酸水素二カリウムまたは対応するナトリウム含有塩を使用することができる。
【0050】
さらに、培地は、例えば、増殖のために必要な硫酸マグネシウムまたは硫酸鉄のような金属塩を含有するべきであろう。
【0051】
最後に、上記物質に追加してアミノ酸およびビタミンなどの必須の増殖物質を使用することができる。
【0052】
記載した原料を単回アプローチの形態で培養物に添加するか、または培養中に好都合な方法で供給することができる。
【0053】
培養物のpH制御のために、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアのような塩基性化合物または塩酸、リン酸もしくは硫酸のような酸性化合物を適切な方法で使用することができる。細胞増殖のために好ましいpH範囲は、6~8の間である。
【0054】
発泡の制御のために、例えば脂肪酸ポリグリコールエステルなどの消泡剤を使用することができる。
【0055】
好気的条件を維持するために、好ましくは酸素または例えば空気などの酸素含有混合気体を培養物中に供給することができる。
【0056】
培養温度は、通常、20℃~45℃であり、好ましくは25℃~40℃である。
【0057】
培養は、好ましくは最大のD-キシロネートが生成するまで継続することができる。この目標は、通常、10時間~160時間以内に達成される。 なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1.D-キシロースからD-キシロネートを微生物で製造する方法であって、IolR遺伝子の活性が野生型もしくは野生型の突然変異体と比較して低下しているかもしくは完全に消失しているか、またはIolR遺伝子が完全もしくは部分的に欠失しているコリネ型細菌によって、D-キシロースがD-キシロネートに変換されることを特徴とする方法。
2.組換え改変されていないコリネ型細菌が使用されることを特徴とする、上記1に記載の方法。
3.コリネバクテリウム(Corynebacterium)、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)、特にコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、コリネバクテリウム・アセトグルタミカム(Corynebacterium acetoglutamicum)、コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス(Corynebacterium thermoaminogenes)、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)またはブレビバクテリウム・ジバリカタム(Brevibacterium divaricatum)の群からのコリネ型細菌が使用されることを特徴とする、上記1または2に記載の方法。
4.コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032
コリネバクテリウム・アセトグルタミカムATCC15806
コリネバクテリウム・アセトアシドフィラム(Corynebacterium acetoacidophilum)ATCC13870
コリネバクテリウム・サーモアミノゲネスFERM BP-1539
ブレビバクテリウム・フラバムATCC14067
ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムATCC13869および
ブレビバクテリウム・ジバリカタムATCC14020
からなる群からのコリネ型細菌が使用されることを特徴とする、上記3に記載の方法。
5.IolR遺伝子の部分的なまたは完全な不活性化が、IolRの基質/誘導物質としてのミオイノシトールの使用、改変がIolR遺伝子の活性に影響を及ぼすIolR遺伝子の遺伝子領域へのベクターまたは別の遺伝子配列の挿入、リプレッサー遺伝子、アクティベーター遺伝子、オペレーター、プロモーター、アテニュエーター、リボソーム結合部位、開始コドン、ターミネーターなどの遺伝子発現のシグナル構造の改変、トランジション、トランスバージョン、挿入または欠失の形態の突然変異によって行われることを特徴とする、上記1~4のいずれか一つに記載の方法。
6.D-キシロネートの製造が、D-キシロース含有規定培地で実施されることを特徴とする、上記1~5のいずれか一つに記載の方法。
7.IolR遺伝子の活性が野生型もしくは野生型の突然変異体と比較して低下しているかもしくは完全に消失しているか、またはIolR遺伝子が完全もしくは部分的に欠失していることを特徴とする、コリネ型細菌。
8.組換え改変されていないことを特徴とする、上記7に記載のコリネ型細菌。
9.コリネバクテリウム、ブレビバクテリウム、特にコリネバクテリウム・グルタミカム、コリネバクテリウム・アセトグルタミカム、コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス、ブレビバクテリウム・フラバム、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムまたはブレビバクテリウム・ジバリカタムの群からの生物であることを特徴とする、上記7または8に記載のコリネ型細菌。
10.コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032
コリネバクテリウム・アセトグルタミカムATCC15806
コリネバクテリウム・アセトアシドフィラムATCC13870
コリネバクテリウム・サーモアミノゲネスFERM BP-1539
ブレビバクテリウム・フラバムATCC14067
ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタムATCC13869および
ブレビバクテリウム・ジバリカタムATCC14020
からなる群からの生物であることを特徴とする、上記7~9のいずれか一つに記載のコリネ型細菌。
11.コリネ型細菌において、IolRの基質/誘導物質としてのミオイノシトールの使用、IolR遺伝子の遺伝子領域へのベクターまたは別の配列の挿入、リプレッサー遺伝子、アクティベーター遺伝子、オペレーター、プロモーター、アテニュエーター、リボソーム結合部位、開始コドン、ターミネーターなどの遺伝子発現のシグナル構造の改変、トランジション、トランスバージョン、挿入または欠失の形態の突然変異による、IolR遺伝子の部分的なまたは完全な不活性化が存在することを特徴とする、上記7~10のいずれか一つに記載のコリネ型細菌。
【0058】
図面に、例からの実験結果を示すが、これらの結果は、本発明による利点を実証している。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】コリネバクテリウム・グルタミカムΔIolR株の培養過程を示す図である。
図2】精製された沈殿のGC-ToF-MSスペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図1のA)およびB)欄にコリネバクテリウム・グルタミカムΔIolR株の培養過程を示す。その際、全ての欄におけるグラフの横座標は、時間(h)単位の時間である。第1行の縦座標は、ミリモル[mM]でのD-キシロースおよびD-グルコースの量を意味する。
【0061】
第2行の縦座標は、1リットルあたりのグラム[g/L]でのバイオマスを意味し、第3行の縦座標は、ミリモル[mM]でのD-キシロネートの量を意味する。
【0062】
1A欄は、バッチ工程におけるC.グルタミカムΔIolR株の培養過程を示す。D-キシロネートの最終力価は、9.2±0.6g/Lに達した。比産生率および産生速度は、YP/S=0.49±0.01g D-キシロネート/g D-キシロースまたは0.30±0.02g/(L・h)である。1B欄に、フェッドバッチ工程におけるC.グルタミカムΔIolR株の培養過程を示す。D-キシロネートの最終力価は、20.0±1.0g/Lに達した。比産生率および産生速度は、YP/S=0.51±0.02g D-キシロネート/g D-キシロースまたは0.45±0.02g/(L・h)である。
【0063】
図2に、GC-ToF-MS分析により得た、精製した沈殿のスペクトルを示す(Pacziaら、Microbial Cell Factories、2012、11(非特許文献25))。図中、横座標としてのクロマトグラフィー経過時間に対して縦座標に相対ピーク強度をプロットする。
【実施例
【0064】
例:
以下に実験的証拠を、限定的に解釈すべきでない例として挙げる。
【0065】
C.グルタミカムΔIolR株の作製のために、下流に存在する遺伝子の発現をできるだけ損なわないように、遺伝子IolRをリーディングフレーム内(「イン・フレーム」)で欠失させた。そのために、まずクロスオーバーPCRを実施した。2種の最初のPCRでは、欠失させるべき遺伝子の下流および上流に位置するそれぞれ400bp長の2つの隣接DNA領域を別々に増幅させた。そのために使用したオリゴヌクレオチド(iolR_DF1_for CCCAAGCTTGAGGTACTTGCCGAAAGATTG(HindIII)、iolR_DF1_rev CTCGATTACTTGGCCGGAGGGCTACTTGGAAGTAGAGG、iolR_DF2_for TCCGGCCAAGTAATCGAG、iolR_DF2_rev CGGGATCCATCGCGTTGGCATTCTTC(BamHI))は、発生したPCR断片が5’末端でそれぞれ18ヌクレオチド長の相同配列と結合しており、相同配列が断片毎に互いに相補的なように改変された。クロスオーバーPCRのために最初のPCRの産物をDNAテンプレートとして使用したが、その際、相補的領域を介して反応中に付加(Anlagerung)が起こった。このようにアウタープライマー(aeusserer Primer)の使用によって欠失構築物が生じ、この構築物をベクターpK19mobsacB中にクローニングした。自由に複製することができないこのベクターをC.グルタミカム中に形質転換し、続いてpK19mobsacB-ΔiolR2によって媒介されるカナマイシン耐性で選択した後、プラスミドが相同組換えにより染色体に組み込まれたクローンを単離した。カナマイシンを含まない完全培地(Vollmedium)中でこれらの細胞を培養することによって、今や染色体中に2倍存在するDNA領域を介して第2の組換え事象を起こすことができた。細菌培養物を、10%サッカロースを有するLB培地で様々に希釈して播種した。pK19mobsacB-ΔiolR2上のsacBによりコードされるレバンスクラーゼのために、サッカロースがレバンに重合した。このポリマーは、さらにまた致死を誘導した。それで、第2の組換えによってプラスミドを失ったクローンだけが増殖することができた。さらに、サッカロース耐性でカナマイシン感受性のクローンの場合、遺伝的野生型状態が再形成されていたか、または目的遺伝子が欠失していたかのいずれかである。C.グルタミカムのゲノムにおける欠失の確認は、この遺伝子外の領域と相補的であったプライマーを用いたPCRにより行った(K_DiolR_for GCACGTTATGACCTGCAAACTC、K_DiolR_rev TACGGTCTGGCTATCTACATCC)。
【0066】
このように生じたC.グルタミカムΔIolR株を、バッチおよびフェッドバッチ法により30℃の1.5Lバイオリアクター(DASGIP AG、Juelich、Germany)中で通気速度を1vvmに一定にして培養した。連続好気条件(溶存酸素>30%)は、撹拌翼回転数(400~1200rpm)を調整して酸素を導入することによって達成した。5M HPOおよび5M NHOHを用いて培地中のpH値をpH7.1の一定に調節した。バッチ工程では、40g/L D-グルコースを有するCGXII培地(Unthanら、Biotechnol Bioeng、2014、111(2): 359~371(非特許文献8))で一晩前培養したOD=1の培養物から、2つの独立したリアクター中の尿素不含で10g/L D-グルコースおよび30g/L D-キシロースを有するCGXII培地に植菌した。フェッドバッチ工程では、40g/L D-グルコースを有するCGXII培地で一晩前培養したOD=1の培養物から、2つの独立したリアクター中の尿素不含で20g/L D-グルコースおよび40g/L D-キシロースを有するCGXII培地に植菌した。グルコース制限を用いた20時間の工程後に、100g/L D-グルコースを速度2.5mL/h(リアクター1)または5mL/h(リアクター2)で連続供給し始めた。全ての培養を一定間隔で試験し、試料を遠心分離し、結果として得られた無細胞の上清を基質分析および産物分析のために使用した。基質分析(D-グルコースまたはD-キシロース)のために、2つの酵素アッセイを利用し(Unthanら、Microb Cell Fact、2015、14: 32(非特許文献26))、0.1M HSOによる均一濃度溶離および流速0.6mL/minでDAD検出器(Agilent、Santa Clara、CA、USA)を用いた80℃のHPLC(300×8mm有機酸カラム、CS Chromatographie、Langerwehe、Germany)により産物(D-キシロネート)を定量した。
【0067】
フェッドバッチ培養の終わりに産物の精製および分析のためにリアクターから完全に回収した。産物の精製のために既存のプロトコール(Liuら、Bioresource Technology、2012、115: 244~248(非特許文献3))を以下のように利用した:1. 遠心分離による細胞分離(4500rpmで10分間、4℃)、2. 結果として生じた上清の活性炭(AC)による脱色、3. AC処理後の上清のろ過(0.22μm)および回転蒸発器(100mbar、60℃水浴)による濃縮、4. 濃縮液のろ過(0.22μm)およびEtOH(3:1、v/v)の添加によるD-キシロネートの沈殿、-10℃で少なくとも12時間の産物の真空乾燥。
【0068】
オープンリーディングフレーム(太字)ならびに250bpの上流および下流を有するIolRの遺伝子配列。
【0069】
【化1】
図1
図2
【配列表】
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