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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】製氷機の超音波容器制御
(51)【国際特許分類】
   F25C 5/187 20180101AFI20220421BHJP
【FI】
F25C5/187 Z
【請求項の数】 25
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019143380
(22)【出願日】2019-08-02
(65)【公開番号】P2020038049
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2020-10-13
(31)【優先権主張番号】62/714,412
(32)【優先日】2018-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/714,414
(32)【優先日】2018-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ホシザキ アメリカ, インク.が、キューブ エア リフリジレーション(住所:アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92040, レイクサイド, チャンネル ロード9933)にて、特願2019-143380の主題を具体化した製氷機を、2018年8月13日に販売。
(73)【特許権者】
【識別番号】519283842
【氏名又は名称】ホシザキ アメリカ, インク.
【氏名又は名称原語表記】Hoshizaki America, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100136423
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100154449
【弁理士】
【氏名又は名称】谷 征史
(72)【発明者】
【氏名】榊原 英記
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-105115(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0100847(US,A1)
【文献】特開昭61-149881(JP,A)
【文献】特開平11-230652(JP,A)
【文献】特開2013-156223(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0251990(US,A1)
【文献】米国特許第05922030(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25C 5/187
G01B 17/00
G01S 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に取り付けられた超音波容器センサと、
前記超音波容器センサと電気通信し、前記超音波容器センサを制御するように構成されているコントローラと、
を含む、アイスメーカと、
前記アイスメーカに結合されており、氷を受け入れるような大きさに作られた貯蔵容器と、
を含み、
前記超音波容器センサのレンズは、前記貯蔵容器の内部空洞の底部に面しており、
前記コントローラは、
前記超音波容器センサのリターン信号を音響信号から電気信号に変換し、前記貯蔵容器内に貯蔵された前記氷のレベル制御されるように、前記アイスメーカを制御するように構成されており、
ここで、前記コントローラには、
前記リターン信号のうち信号雑音を示す谷を除外するための閾値電圧と、
氷の山に対して、内壁に付いた水滴、水垢またはぬめりをフィルタリングするための第1の時間遅延と
が設定されており、
前記コントローラは
前記超音波容器センサに最も近いリターン信号のピークの電圧が前記閾値電圧を下回って低下した後で、前記電圧が前記閾値電圧を上回ったままである時間長さを測定し、前記第1の時間遅延が経過する前に、前記電圧が前記閾値電圧を下回って低下した信号の一部を無視するように構成されている、
製氷機。
【請求項2】
前記超音波容器センサは、前記アイスメーカのメーカ下端部からオフセットしている、
請求項1に記載の製氷機。
【請求項3】
前記超音波容器センサは、前記アイスメーカの前記メーカ下端部から、前記メーカ下端部に形成された底部開口部を通して見ると、前記底部開口部によって形成された形状内に配置されている、請求項2に記載の製氷機。
【請求項4】
前記第1の時間遅延は200マイクロ秒~350マイクロ秒の範囲内で設定されている、請求項1に記載の製氷機。
【請求項5】
前記超音波容器センサにより放出される信号は、75~85度の視野角を画定するビューイングコーンで定義される、請求項1に記載の製氷機。
【請求項6】
前記コントローラは複数の容器制御設定を定義し、前記複数の容器制御設定は、前記超音波容器センサの前記レンズから前記貯蔵容器内の氷の目標レベルにより画定されるレベル位置までにおいて測定される氷検知距離を調整するように構成されている、請求項1に記載の製氷機。
【請求項7】
各方向に少なくとも12.7mmの角氷を製造する、請求項1に記載の製氷機。
【請求項8】
前記コントローラには、さらに距離閾値が設定されており、
前記超音波容器センサに最も近いリターン信号のピークの電圧が前記閾値電圧を下回って低下した後で前記距離閾値を越える前に、前記リターン信号の一部分が前記閾値電圧を超え、且つ前記第1の時間遅延を超えると、前記アイスメーカによる氷製作を一時停止させる、請求項1から7までの何れか一項に記載の製氷機。
【請求項9】
前記コントローラには、さらに距離閾値と、
前記信号雑音をフィルタリングするための第2の時間遅延と
が設定されており、
前記コントローラは、
前記距離閾値を越える範囲では、前記第2の時間遅延が経過する前に、前記電圧が前記閾値電圧を下回って低下する場合にその信号を無視するように構成されている、請求項1から8までの何れか一項に記載の製氷機。
【請求項10】
製氷機の貯蔵容器の氷のレベルを制御するためにアイスメーカを制御する制御システムであって、
レンズを含む第1の端部と、前記第1の端部から遠位にある第2の端部とを含む本体を有する超音波容器センサと、
前記超音波容器センサと電気通信し、前記超音波容器センサを制御するように構成されているコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記超音波容器センサのリターン信号を音響信号から電気信号に変換し、前記貯蔵容器内に貯蔵された前記氷のレベル制御されるように、前記アイスメーカを制御するように構成されており、
前記リターン信号のうち信号雑音を示す谷を除外するための閾値電圧と、
氷の山に対して、内壁に付いた水滴、水垢およびぬめりをフィルタリングするための第1の時間遅延と
が設定されており、
前記コントローラは、
前記超音波容器センサに最も近いリターン信号のピークの電圧が前記閾値電圧を下回って低下した後で、前記電圧が前記閾値電圧を上回ったままである時間長さを測定し、前記第1の時間遅延が経過する前に、前記電圧が前記閾値電圧を下回って低下する場合にその信号を無視するように構成されている、システム。
【請求項11】
前記超音波容器センサは、前記本体の軸線に対して角度を成し、前記本体の前記第2の端部を画定する取付けフランジを含、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記コントローラは、製氷機の貯蔵容器の氷のレベルを制御するための複数の設定を定義し、前記複数の設定は、前記超音波容器センサの前記レンズから前記貯蔵容器内の氷の所望のレベルにより画定されるレベル位置までにおいて測定される氷検知距離を調整するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記コントローラは、前記コントローラを、前記複数の設定のうちの第1の設定から第2の設定に移行させるように構成されたポテンショメータを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記超音波容器センサにより放出される信号は、80度プラス又はマイナス5度の視野角を画定するビューイングコーンで定義される、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記コントローラの閾値電圧設定は、距離762mmにおける前記リターン信号の強度の30%~60%の範囲内にある、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1の時間遅延は200マイクロ秒~350マイクロ秒の範囲内である、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記コントローラには、さらに距離閾値が設定されており、
前記超音波容器センサに最も近いリターン信号のピークの電圧が前記閾値電圧を下回って低下した後で前記距離閾値を越える前に、前記リターン信号の一部分が前記閾値電圧を超え、且つ前記第1の時間遅延を超えると、前記アイスメーカによる氷製作を一時停止させる、請求項10から16までの何れか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記コントローラには、さらに距離閾値と、
前記信号雑音をフィルタリングするための第2の時間遅延と
が設定されており、
前記コントローラは、
前記距離閾値を越える範囲では、前記第2の時間遅延が経過する前に、前記電圧が前記閾値電圧を下回って低下する場合にその信号を無視するように構成されている、請求項10から17までの何れか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の時間遅延は300マイクロ秒であり、前記第2の時間遅延は50マイクロ秒である、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
製氷機を使用する方法であって、
前記製氷機のアイスメーカの超音波容器センサから前記製氷機の貯蔵容器に音響パルスを送信することであって、前記超音波容器センサは前記アイスメーカの本体に取り付けられており、前記音響パルスは、コントローラと電気通信する前記超音波容器センサによって開始される、ことと、
前記製氷機の内部空洞内の、前記超音波容器センサの範囲内に存在する材料の表面からの前記音響パルスの反射から生じるリターン信号を受信することと、
前記リターン信号を音響信号から電気信号に変換することと、
前記電気信号に基づき前記製氷機の氷製作の停止と再開を制御することと、
ここで、
前記リターン信号のうち信号雑音を示す谷を除外するための閾値電圧と、
氷の山に対して、内壁に付いた水滴、水垢およびぬめりをフィルタリングするための第1の時間遅延と
を予め設定しておき、
前記超音波容器センサに最も近いリターン信号のピークの電圧が前記閾値電圧を下回って低下した後で、前記リターン信号が前記閾値電圧を上回ったままである時間長さを測定し、
前記第1の時間遅延が経過する前に、前記電圧が下回って低下する場合に当該リターン信号の一部を無視することと、
を含む、方法。
【請求項21】
前記第1の時間遅延は275マイクロ秒~325マイクロ秒の範囲内である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
さらに距離閾値を予め設定しておき、
前記超音波容器センサに最も近いリターン信号のピークの電圧が前記閾値電圧を下回って低下した後で前記距離閾値を越える前に、前記リターン信号の一部分が閾値電圧を超え、且つ前記第1の時間遅延を超えると、前記アイスメーカによる氷製作を一時停止させる、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
さらに距離閾値と、
前記信号雑音をフィルタリングするための第2の時間遅延と
が設定されており、
前記距離閾値を越える範囲では、前記第2の時間遅延を適用して、前記電圧が前記閾値電圧を上回ったままである時間長さを測定し、前記第2の時間遅延が経過する前に、前記電圧が前記閾値電圧を下回って低下する場合にその信号を無視するように構成されている、請求項20から22までの何れか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の時間遅延は300マイクロ秒であり、前記第2の時間遅延は50マイクロ秒である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記コントローラには、製氷機の貯蔵容器の氷のレベルを制御するための複数の設定が定義されており、前記複数の設定は、前記超音波容器センサの前記レンズから前記貯蔵容器内の氷の所望のレベルにより画定されるレベル位置までにおいて測定される氷検知距離を調整するように構成されており、
前記コントローラを、前記複数の設定のうちの第1の設定から第2の設定に移行させることをさらに含む、請求項20から24までの何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月3日に出願された米国仮特許出願第62/714,412号明細書、及び2018年8月3日に出願された米国仮特許出願第62/714,414号明細書の利益を主張する。これら両方は、参照によりそれらの全体が本明細書中に特に組み込まれる。
【0002】
本開示は、製氷機に関する。より具体的には、本開示は、製造されかつ製氷機内に貯蔵された氷の量を検知するための超音波デバイスを含むシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
氷レベル検出器は、氷貯蔵容器を有する製氷機において、製氷機のアイスメーカをオン及びオフにするときを制御するのに有用であり得る。より具体的には、氷貯蔵容器が空のとき、レベル検出器を含む電子回路は氷の製造を開始するようにアイスメーカのコントローラに電子的に信号送信することができる。貯蔵容器が氷で満杯になると、レベル検出器は氷の製造を一時停止するようにコントローラに電子的に信号送信することができる。商用製氷機において一般的な機械式レベル検出器及びサーモスタット式レベル検出器は、貯蔵容器内の氷と物理的接触を行うことによって貯蔵容器内の氷の存在を検知することができる。
【0004】
製氷機において典型的ではないものの、材料の深さ又は対応する高さを検知するために超音波センサを一般に使用することができる。このようなセンサは、典型的には、送信器と、受信器と、1つ以上の変換器とを含み得る。送信器は、変換器によって音響エネルギー、すなわち、音響「パルス」に変換され得る電気信号を放出することができる。音響エネルギー信号は、その後、測定材料の表面によって反射されて超音波センサに戻るまで移動することができる。変換器は、その後、反射された信号又はリターン信号を電気信号に変換することができる。音響エネルギー信号の伝送と受信との間の移動時間により、測定材料の深さを決定することができる。しかしながら、超音波センサはそれだけでは異なる材料の存在を区別することはできず、本明細書中に記載される理由から、特定の環境においては、少なくともそれだけでは、柔軟性のない又は信頼できないレベル検知方法であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の概要は、本開示の網羅的な概要ではないことは理解されたい。本発明の概要は例示であり限定ではなく、本開示の主要な若しくは重要な要素を特定すること又はその範囲を詳述することを意図するものではない。本発明の概要の唯一の目的は、以下の完全且つ網羅的な詳細な説明の導入として本開示の特定の概念を説明し、例示することである。
【0006】
開示されるのは、本体に取り付けられた超音波容器センサと、超音波容器センサと電気通信し、超音波容器センサを制御するように構成されているコントローラと、を含む、アイスメーカと、アイスメーカに結合されており、氷を受け入れるような大きさに作られた貯蔵容器と、を含み、超音波容器センサのレンズは貯蔵容器の内部空洞の底部に面しており、コントローラは、超音波容器センサのリターン信号を処理し、貯蔵容器内に貯蔵された氷のレベルを制御するように構成されており、コントローラは更に、所定の時間遅延を適用し、閾値電圧は超えるがその時間遅延は超えないリターン信号の一部分をフィルタリングするように構成されている、製氷機である。
【0007】
又、開示されるのは、製氷機の容器制御システムであって、第1の端部と、第1の端部から遠位にある第2の端部とを画定する本体を含み、第1の端部はレンズを含む、超音波容器センサと、超音波容器センサと電気通信し、超音波容器センサを制御するように構成されているコントローラであって、超音波容器センサのリターン信号を処理し、貯蔵容器内に貯蔵された氷のレベルを制御するように構成されており、所定の時間遅延を適用し、閾値電圧は超えるがその時間遅延は超えないリターン信号の一部分をフィルタリングするように構成されている、コントローラと、を含む、システムである。
【0008】
又、開示されるのは、製氷機を使用する方法であって、製氷機のアイスメーカの超音波容器センサから製氷機の貯蔵容器に音響パルスを送信することであって、超音波容器センサはアイスメーカの本体に取り付けられており、音響パルスは、コントローラと電気通信する超音波容器センサによって開始される、ことと、製氷機の内部空洞内の、超音波容器センサの範囲内に存在する材料の表面からの音響パルスの反射から生じるリターン信号を受信することと、リターン信号を音響信号から電気信号に変換することと、電気信号に基づき製氷機の氷製作設定を変更することと、閾値電圧は超えるが所定の時間遅延は超えないリターン信号の一部分をフィルタリングすることと、リターン信号の一部分が閾値電圧を超え、且つ所定の時間遅延を超えると製氷機のアイスメーカによる製作をオフに切り替えることと、を含む、方法である。
【0009】
本開示に記載される様々な実装形態は、本明細書中に必ずしも特に開示されないが、以下の詳細な説明及び添付の図面を考察すると当業者には明らかとなるだろう更なるシステム、方法、特徴、及び利点を含み得る。そのような全てのシステム、方法、特徴、及び利点は本開示内に含まれ、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。そのような実装形態の特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲に特に示されるシステム、方法、特徴によって実現され、得られ得る。これら及び他の特徴は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるであろう、又は以下で説明するそのような例示的な実装形態の実施によって学習され得る。
【0010】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部分を成す添付の図面は、本開示のいくつかの態様を示し、明細書とともに、本開示の様々な原理を説明する役割を果たす。図面は必ずしも一定の縮尺で描かれない。図の全体を通し、対応する特徴及び構成要素は、一貫性及び明確さを目的として、一致する参照符号で示され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一態様による、アイスメーカと貯蔵容器とを含む製氷機の正面斜視図である。
図2A】アイスメーカの外部ケーシングを取り外し、超音波容器センサを示す、図1のアイスメーカの正面斜視図である。
図2B】アイスメーカの蒸発器ケースの前部断熱材及び上部断熱材並びにアイスメーカの圧縮器基部の基部ケースカバーを更に取り外した、図1のアイスメーカの正面斜視図である。
図3図1のアイスメーカの冷却回路及び水回路を示す回路図である。
図4図1のアイスメーカによって製作される例示的な角氷の斜視図である。
図5図2Aの超音波容器センサを示す、図1のアイスメーカのメーカ下端部の底面斜視図である。
図6図4の角氷などの角氷の山、並びに図2Aの超音波容器センサの出口によって定義されるレベル位置Aと、角氷の山のレベルによって定義されるレベル位置Bとの間の距離の様々な設定を例示する図1の製氷機の正面図である。
図7図2Aの超音波容器センサを示す、図2Aの線7-7で取られた図2Aのアイスメーカの詳細断面図である。
図8図1のアイスメーカの底面図である。
図9図2Aの超音波容器センサのリターン信号を上に重ねた図1のアイスメーカの概略図である。
図10A】音響信号から電気信号に変換後の図9のリターン信号の第1のグラフ図である。
図10B】音響信号から電気信号に変換後の図9のリターン信号の第2のグラフ図であり、電気信号のフィルタリングを示す。
図11図2Aの超音波容器センサとインターフェースするコントローラの平面図である。
図12図11のコントローラの調節器の詳細平面図である。
図13図11のコントローラの設定の表である。
図14図11のコントローラの容器制御状態に関連する3つの距離範囲のグラフ図である。
図15】オシロスコープ又はその等価物などの測定器上に現れ得る図2Aの超音波容器センサのリターン信号のグラフ図である。
図16図2Aの超音波容器センサの底面図である。
図17図2Aの超音波容器センサの側面図である。
図18図2Aの超音波容器センサの操作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、以下の詳細な説明、実施例、図面、及び特許請求の範囲、並びに前述及び後述の説明を参照することによってより容易に理解することができる。しかしながら、本デバイス、システム及び/又は方法の開示及び記載に先だって、本開示は、特に指示のない限り、開示される特定のデバイス、システム及び/又は方法に限定されず、したがって、当然、変更することができることを理解されたい。本明細書中で使用される専門用語は、特定の態様を説明することのみを目的とし、限定を目的とするものではないことも理解されたい。
【0013】
以下の説明は、本デバイス、システム、及び/又は方法の可能な教示を、その最良の、現在知られている態様として提供する。この目的のために、当業者であれば、本開示の有益な結果をなお得ながらも、本明細書中に記載される本デバイス、システム及び/又は方法の様々な態様に多くの変更を施すことができることは認識し、理解するであろう。本開示の所望の利点のいくつかは、本開示の特徴のいくつかを選択することにより、他の特徴を用いることなく得られ得ることも明らかであろう。したがって、当業者であれば、本開示に対する多くの修正及び改変は可能であり、それどころか特定の状況においては望ましい場合があり、且つ本開示の一部分であることは認識するであろう。したがって、以下の説明は、本開示の原理の例証として提供され、これを限定するものではない。
【0014】
全体を通して使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈で別段の明確な指示のない限り複数形指示物を含む。したがって、例えば、「1つの要素(an element)」への言及は、文脈で別段の指示のない限り、2つ以上のそのような要素を含み得る。加えて、本明細書中に記載される要素のいずれも、第1のそのような要素、第2のそのような要素等(例えば、「ウィジェット」のみが参照されている場合であっても第1のウィジェット及び第2のウィジェット)であり得る。
【0015】
本明細書中において、範囲は、「約(about)」1つの特定値から及び/又は「約」別の特定値までと表現され得る。そのような範囲が表現されるとき、別の態様は、1つの特定値から及び/又は他の特定値までを含む。同様に、値が前置詞「約(about)」又は「実質的に(substantially)」の使用により概算値として表現されるとき、特定値は別の態様を成すことは理解されるであろう。各範囲の終点は他の終点に対して、及び他の終点から独立して、の両方において有意であることは更に理解されるであろう。
【0016】
本開示の目的で、特定の測定尺度で約X又は実質的にXである材料の性質又は寸法は、Xプラス特定測定値の業界標準上限公差とXマイナス特定測定値の業界標準下限公差との間の範囲内である。公差は異なる材料、プロセス間、及び異なるモデル間で異なり得るため、特定の構成要素の特定の測定値の公差は、様々な公差の範囲内にあり得る。
【0017】
本明細書で使用する場合、「任意の(optional)」又は「任意選択的に(optionally)」という用語は、続いて記載されるイベント又は状況が起こり得る又は起こり得ないこと、及びこの記載が前記イベント又は状況が起こる例と起こらない例とを含むことを意味する。
【0018】
本明細書で使用する場合、「又は(or)」という語は、特定の一覧の任意の1つの部材を意味し、又、その一覧の部材の任意の組み合わせを含む。本明細書で使用する場合、「A及びBのうちの少なくとも1つ(at least one of A and B)」という文言は、「Aのみ、Bのみ、又はA及びBの両方(only A,only B,or both A and B)」を意味し、「A及びBのうちの1つ(one of A and B)」という文言は、「A又はB(A or B)」を意味する。
【0019】
開示されるのは、開示される方法及びシステムを実施するために使用され得る構成要素である。これら及び他の構成要素は本明細書中に開示され、これら構成要素の組み合わせ、部分集合、相互作用、群等が開示される一方で、これらの各様々な個々の及び集合的な組み合わせ及び順列の特定の参照が明示的に開示されない場合、全ての方法及びシステムについて、そのそれぞれは本明細書中に具体的に企図され、記載されるものであることは理解される。このことは、開示される方法の工程を含むがこれに限定されない本出願の全ての態様に当てはまる。したがって、実施され得る様々な付加的な工程がある場合、これら付加的な工程のそれぞれは、開示される方法の任意の特定の態様又は態様の組み合わせとともに実施され得ることは理解される。
【0020】
本明細書中に開示される様々な要素の説明を簡略化するために、「左(left)」、「右(right)」、「前部(front)」、「後部(rear)」、「上部(top)」、「底部(bottom)」、「上方(upper)」、「下方(lower)」、「内側(inside)」、「外側(outside)」、「内側(inboard)」、「外側(outboard)」、「水平(horizontal)」及び/又は「垂直(vertical)」の規則について言及し得る。特に明記しない限り、「前部」は、製氷機のユーザに最も近く且つこのユーザによって占められる製氷機の端部を表し、「後部」は、前部の反対側又は遠位の端部であり、「左」は、製氷機の前に立ち、前部の方に向いている人物の左側、又は左に面する側であり、「右」は、この同じ人物の右側、又は右に面する側である。「水平」又は「水平の向き(horizontal orientation)」は、左から右に延び、地平線と整列した平面内にあることを表す。「垂直」又は「垂直の向き(vertical orientation)」は、水平に対して90度の角度を成す平面内にあることを表す。
【0021】
開示されるのは、超音波容器センサを有する製氷機、並びに関連する方法、システム、デバイス、及び様々な装置である。製氷機は、アイスメーカと貯蔵容器とを含み得る。開示される製氷機は、多くの態様の中のほんのいくつかの例示的な態様について記載されることは当業者には理解されるであろう。特定の専門用語又は記載が、本開示又はそれにより発生する任意の請求項の範囲を限定するものと考えるべきではない。
【0022】
図1は、本開示の一態様による製氷機100の正面斜視図である。製氷機100は、アイスメーカ110と貯蔵容器190とを含み得る。アイスメーカ110は氷を製作するように構成することができ、氷は、重力によって下方に貯蔵容器190へと供給され得る。貯蔵容器190は、貯蔵容器区画内の低温を維持し、氷が溶けるのを防ぐために断熱され得る。いくつかの態様では、貯蔵容器190は冷却することが可能であり、他の態様では、貯蔵容器190は冷却されないことが可能である。貯蔵容器190は、その内壁によって形成される内部空洞を画定することができる。
【0023】
アイスメーカ110は外部ケーシング120を含むことができ、外部ケーシング120は、アイスメーカ110及びその内部構成要素を収容するように構成され得る。図示されているように、外部ケーシング120は、前部パネルアセンブリ122を含み得る。前部パネルアセンブリ122は、アイスメーカ110のメーカ上端部112からメーカ下端部114まで、及びアイスメーカ110のメーカ左側部116aからメーカ右側部116bまで延びることができる。前部パネルアセンブリ122は、空気入口開口部180を画定することができ、エアフィルタ124を含み得る。空気入口開口部180及びエアフィルタ124はアイスメーカ110の外部から清浄空気の形態でアイスメーカ110の通気を提供するように構成され得る。
【0024】
貯蔵容器190は容器上端部192を画定することができ、容器上端部192上に、アイスメーカ110のメーカ下端部114が取り付けられ得る。貯蔵容器190は、容器上端部192に近接して位置する容器扉194を含むことができ、容器扉194は、貯蔵容器190内に画定される容器貯蔵区画(図示せず)へのアクセスを提供することができる。
【0025】
図2Aは、外部ケーシング120(図1に示される)を取り外した図1のアイスメーカ110の正面斜視図である。本態様では、アイスメーカ110は、例えば空気入口開口部180(図1に示される)を通じて外部ケーシング120内に空気を循環させることにより冷却され得る空冷式モデルであり得る。いくつかの態様では、アイスメーカ110は水冷式モデルであり得る、又は冷却用の遠隔凝縮ユニットに結合され得る。本態様では、アイスメーカ110は、アイスメーカ110内に空気を循環させるように構成され得るファンアセンブリ280を含み得る。アイスメーカ110及びその本体200は、外部ケーシング120の下又は内部において、湿潤区画202と乾燥区画204とに区画化することができ、フレーム201及び基部ケース205を更に含み得る。湿潤区画202は主に、断熱され得る蒸発器ケース206によって画定され得る。蒸発器ケース206は、アイスメーカ110に送られ且つその中を循環する液体水から氷を形成するように構成され得るアイスメーカ110の水回路450(図3に示される)の構成要素の大部分を収容することができる。蒸発器ケース206の蒸発器区画306(図2Bに示される)は断熱され得る。蒸発器ケース206は、例えば、限定されることなく、蒸発器区画306を部分的に収容し、断熱することができる取り外し可能な前部断熱材208及び取り外し可能な上部断熱材210を含み得る。前部断熱材208又は上部断熱材210のいずれかはパネル又は断熱パネルであり得る。付加的に、タンク214、及び蒸発器ケース206の蒸発器壁207a、b(207aは図2Bに示される)は断熱され得る。
【0026】
水回路450は、蒸発器区画306の外部の位置においてタンク214上に又はタンク214に隣接して取り付けられ得る水ポンプ212を含み得る。水ポンプ212を収容するタンク214の一部分は、断熱されないことが可能である。タンク214は蒸発器壁207a、bの下に配置され得る。水ポンプ212は、タンク214から上方に、水が氷へと形成され得る蒸発区画内に水を圧送するように構成され得る。
【0027】
乾燥区画204内には、例えば、限定されることなく、圧縮器220、乾燥器222、及び凝縮器224を含む、アイスメーカ110の冷却回路400(図3に示される)の構成要素の大部分が収容され得る。圧縮器220は圧縮器基部226に取り付けることができ、圧縮器基部226は、圧縮器をより直接的に取り付けることができる水平圧縮器基部パネルを含み得る。圧縮器基部226は基部ケースカバー228を含み得る。乾燥区画204内において、冷却回路400内を流れる冷媒は圧縮器220によって圧縮することができ、その後、温度自動膨張弁などの膨張デバイス240(図3に示される)を通って供給される前、蒸発器区画306内に収められた蒸発器310に供給される前に、凝縮器224内で液体状態に冷却することができる。付加的に、メインコントローラ232と容器コントローラ1130とを含み得るアイスメーカ110の制御ボックス230は乾燥区画204内に収められ得る。メインコントローラ232及び容器コントローラ1130のいずれかは、図示されるような制御盤を含み得る。超音波容器センサ290は乾燥区画204内から設置することができ、圧縮器基部226内に延びることができる。例えば、限定されることなく、超音波容器センサ290は、センサを支持する型番TK0143-000であり得る又はこれを含むことができ、Guandong,Chinaに所在のAudiowell Electronics(Guangdong)Co.,Ltd.から入手可能である。
【0028】
図2Bは、蒸発器ケース206の前部断熱材208及び上部断熱材210並びに圧縮器基部226の基部ケースカバー228を更に取り外した図2のアイスメーカ110の正面斜視図である。前部断熱材208及び上部断熱材210を取り外すことにより、蒸発器区画306を露出させることができる。蒸発器310及びスプレーチューブ312は、蒸発器壁207aと蒸発器壁207bとの間の蒸発器区画306内に収容され得る。
【0029】
冷却回路400は蒸発器310を含むことができ、蒸発器310内で液体冷媒を気相に蒸発させることより蒸発器区画306を水の凍結温度未満に冷却することができる。液体水は水ポンプ212によりスプレーチューブ312まで圧送することができ、そこで液体水を蒸発器310に向かって噴霧し、氷を形成することができる。吸引ホース560は、氷を製作するための水の供給源を提供するために、水ポンプ212をタンク214に結合することができる。本体200、具体的には、少なくとも基部ケース205は、アイスメーカ110のメーカ下端部114に底部開口部3814を画定することができる。
【0030】
図3は、図1のアイスメーカ110の冷却回路400の各様々な構成要素と水回路450の各様々な構成要素との間の相互作用及び相互接続を示す回路図である。図示されるように、水回路450は、入口水弁352と、クリーニング弁354と、排水弁356とを更に含み得る。
【0031】
図4は、例示的な一態様における角氷490の斜視図を示す。いくつかの態様では、図示されるように、角氷490は、少なくとも一部、三日月形を画定することができる。いくつかの態様では、角氷490は非三日月形を画定することができる。角氷490は、高さH、幅W、及び深さDを画定することができる。いくつかの態様では、高さHは、約1.5インチ(約38.1ミリメートル)とすることができ、幅Wは、約1.125インチ(約28.6mm)とすることができ、深さDは、約0.5インチ(約12.7mm)とすることができる。他の態様では、角氷490は、任意の寸法をより小さく又はより大きくすることができ、且つ角氷490が同一でないように様々な形状を有することができる。
【0032】
蒸発器310の下に配置されている角氷ガイド550(図7に示される)は、重力下で蒸発器ケース206から下方に出て角氷用開口部552(図7に示される)を出る角氷490を案内するように構成され得る。角氷用開口部552を通って出る角氷490は、圧縮器基部226(図2Aに示される)の下に排出され得る。アイスメーカ110(図1に示される)は、貯蔵容器190の開口部(図示せず)を圧縮器基部226の下に位置合わせすることができるように、貯蔵容器190(図1に示される)の上に配置され得る。角氷用開口部552から落下する角氷490は圧縮器基部226の下に落ちて貯蔵容器190の開口部に入り、貯蔵容器190を満たすことができる。
【0033】
図5は、図1のアイスメーカ110のメーカ下端部114の底面斜視図である。図示されるように、タンク基部602と基部ケース205はともに、メーカ下端部114及び底部開口部3814を画定することができる。底部開口部3814は、貯蔵容器190(図1に示される)の容器上端部192(図1に示される)の開口部(図示せず)と位置合わせされ得る。アイスメーカ110によって製作された角氷490は、底部開口部3814を通って貯蔵容器190内に落下することができる。超音波容器センサ290は圧縮器基部226内に延び、底部開口部3814の上方に配置され得る。前述のように、貯蔵容器190内の角氷490のレベルを測定するために、超音波容器センサ290は超音波を、底部開口部3814を通して貯蔵容器190へと下方に送信することができる。
【0034】
既存の製氷機では、典型的には、貯蔵容器190内の角氷490の山のレベルを測定するために貯蔵容器190内に配置されるレベル検出器(容器制御と呼ばれることもある)を使用する。レベル検出器は、典型的には、上昇する角氷490のレベルによって持ち上げられるアーム若しくはパドルを含み得る機械式、又は角氷490の物理的存在を熱的に検知する電球を含み得るサーモスタット式であり得る。機械式及びサーモスタット式のレベル検出器又は容器制御は両方とも、貯蔵容器190が十分に満杯でない場合でもレベル検出器の内部又は周囲における氷の蓄積などにより不具合を起こしやすくなり得る。加えて、レベル検出器を貯蔵容器内に配置することにより(この場合、通常、レベル検出器をメーカ下端部114の下に配置することが必要である)、レベル検出器は、貯蔵容器を開けるユーザによる故意のいたずら又は偶発的な損傷に曝される可能性がある。いずれの場合においても、機械式又はサーモスタット式のレベル検出器は、一般に、現場で設置しなければならず、一般に、工場で事実上設置することはできない。更に、レベル検出器は電気スイッチを動作させることが必要な場合があり、且つ貯蔵容器は、電気部品内に不具合を生じさせるおそれのある低温及び湿潤環境である。加えて、レベル検出器は、貯蔵容器190の内部で露出した配線の使用を必要とし得る。
【0035】
超音波容器センサ290をアイスメーカ110内且つ底部開口部3814の上方に配置することによって、貯蔵容器190にアクセスするユーザの視界から超音波容器センサ290を隠すことができ、それにより、いたずら又はその他の損傷の標的になる可能性を低くする。加えて、超音波容器センサ290をメーカ下端部114の上方に且つ貯蔵容器190の外に配置することができ、ユーザが貯蔵容器190から氷を取り出すことによる氷バケツ又は氷スコップでの衝撃などの偶発的な損傷から超音波容器センサ290を保護することができる。超音波容器センサ290の電子接続部も又、アイスメーカ110の乾燥区画204(図2Aに示される)内に配置することができ、乾燥区画204は、通気されるとともに水及び氷から保護することができ、それにより、電機部品の故障の可能性が低下する。
【0036】
図6に示すように、超音波容器センサ290は、貯蔵容器190内に蓄積された角氷490の山600の上端部601のレベルを監視するように構成され得る。超音波容器センサ290は、超音波を氷に向かって下方に送信し、角氷490から反射された超音波を受信することにより近接センサとして機能し得る。超音波容器センサ290の出口により画定されるレベル位置Aから角氷490のレベルにより画定されるレベル位置Bまでの距離610は、リターン信号と称することができわずか6ミリ秒以下という短さであり得るリターン超音波の移動時間から決定することができる。超音波容器センサ290は、制御ボックス230、具体的にはメインコントローラ232と電子通信することができる。貯蔵容器190内の角氷490のレベルが、所望の、及び技術者若しくはアイスメーカ110のユーザによって設定された、又は更には工場で設定されたままの予定値であり得る停止高さに達すると、超音波容器センサ290からの信号をメインコントローラ232により受信することができ、メインコントローラ232は氷作製プロセスを止め、それにより、角氷490の更なる製作を停止することができる。氷が溶ける又は氷が貯蔵容器190から取り出されるにつれて、レベルは補充高さに達し得る。貯蔵容器190内の角氷490のレベルが補充高さに達すると、超音波容器センサ290はメインコントローラ232に信号を送ることができ、メインコントローラ232は氷作製プロセスを再開して貯蔵容器190に角氷490を補充することができる。補充高さは、所望の、及び技術者若しくはアイスメーカ110のユーザによって設定された予定値であり得る、又は補充高さは、制御ボックス230内若しくは別の場所に配置され得る容器コントローラ1130(図11に示される)にプログラムされ、容器コントローラ1130(図11に示される)によって別々に制御され得る。
【0037】
図7は、アイスメーカ110内における超音波容器センサ290の相対位置を示す。より具体的には、超音波容器センサ290は、基部ケース205の一部とみなされ得る圧縮器基部226の上面2261と下面2262との間に設置することができる。より具体的には、いくつかの態様では、超音波容器センサ290のレンズ1430(図16に示される)は、アイスメーカ110のメーカ下端部114から8インチのオフセット距離770オフセットさせることができ、これにより、貯蔵容器190、及びアイスメーカ110のメーカ下端部114に接触及び更には衝突する可能性のある他の何らかのものに近接させて超音波容器センサ290を配置しないことにより超音波容器センサ290の保護を最大にする傾向がある。他の態様では、オフセット距離770はゼロであり得る又は別の距離であり得る。しかしながら、本明細書中に開示されるように、超音波容器センサ290がアイスメーカ110のメーカ下端部114から離されるときだけではないが特にそのようなとき、且つ本明細書中に開示される改良形態の1つ以上がない状態において、超音波容器センサ290又は容器コントローラ1130は、製氷機100の表面上の水滴及び他の物質を氷と混同する可能性がある。ピエゾ素子を含むピエゾ超音波センサであり得る超音波容器センサ290は高周波信号を放出することができる。いくつかの態様では、超音波容器センサにより放出される信号は、60KHzの周波数を有し得る。いくつかの態様では、周波数は、60KHz超又は未満であり得る。いくつかの態様では、例えば、限定されることなく、周波数は少なくとも55kHzであり得る。いくつかの態様では、周波数は少なくとも60kHzであり得る。いくつかの態様では、周波数は55~80kHzであり得る。いくつかの態様では、周波数は80kHzよりも高くすることができるが、周波数を増加するとセンサ性能のばらつきが増加し得ることに留意されたい。数ある仕様の中でも、超音波容器センサのエコー感度は80ミリボルトとすることができ、静電容量は1650ピコファラドであり得る。
【0038】
超音波容器センサ290により放出される信号はビューイングコーン(視円錐)710を画定することができ、ビューイングコーン710は、視野角720を画定する3次元円錐の形状を有し得る。超音波容器センサ290のビューイングコーン710は、超音波容器センサ290の「指向性」でもあり得る。ビューイングコーン710は、超音波容器センサ290のレンズ1430(図16に示される)を受け入れることができる又は含むことができる、超音波容器センサ290の第1の端部1415(図17に示される)において又はこれに近接して発生し得る。いくつかの態様では、ビューイングコーン710の視野角720は80度であり得る。他の態様では、ビューイングコーン710の視野角720は80度未満であり得るが、超音波容器センサ290が貯蔵容器190内の氷を適切に「見る」能力に影響しないように視野角720が小さすぎない又は狭すぎないことが有利であり得る。他の態様では、ビューイングコーン710の視野角720は80度よりも大きくすることができるが、以下に記載する理由から、ビューイングコーン710が超音波容器センサ290の伝送信号を反射して超音波容器センサ290に戻すことができる表面を呈するアイスメーカ110のあらゆる部分と交わるほど視野角720が大きくならないことが有利であり得る。いくつかの態様では、視野角720は、5、10、15、又は20度の角度公差を有することができ、視野角720は、所定若しくは設定視野角プラス又はマイナス公差であり得る。いくつかの態様では、視野角720は任意の他の値の角度公差を有し得る。いくつかの態様では、超音波容器センサ290の位置によって、アイスメーカ110又は貯蔵容器190の幾何学的形状がビューイングコーン710内に入ることになり得る。例えば、限定されることなく、圧縮器基部226及び基部ケース205の内壁750又はアイスメーカ110若しくは貯蔵容器190の任意の他の内壁若しくは壁はビューイングコーン710内に入り得る。上述のように、角氷490は、一般に、山600を形成し、山600は、山600の最高点であり得る上端部601を画定する。超音波容器センサ290のビューイングコーン710は、氷製作設定の適時の変更を開始するために、センサの真下にない氷を「見る」ことができるとともに、上端部601又は上端部601に十分に近いところでも見ることができる。
【0039】
図8に示すように、超音波容器センサ290は、圧縮器基部226の下面2262に画定される開口部(図示せず)内に配置され得る。寸法A、B、C、及びDは、より具体的には、底部開口部3814を含むアイスメーカ110の周囲幾何学的形状に対する超音波容器センサ290の位置を画定し得る。アイスメーカ110のメーカ下端部114から見ると、超音波容器センサ290は、底部開口部3814によって形成された形状内に配置され得る。いくつかの態様では、典型的なアイスメーカ110では、寸法C及び寸法Dが約203mm~約254mm(約8~約10インチ、又は底部開口部3814の前部から後部までのほぼ中間点)であると有利であり得る。1つの特定のサイズのモデルでは、図示されるように、寸法Cは230mm(9.1インチ)であり得るとともに、寸法Dは209mm(8.2インチ)であり得る。いくつかの態様では、製造性、保守性、及び他の利点を得るために、圧縮器基部226の下面2262のみに画定されるだけでなく、圧縮器基部226の上面2261(図7に示される)にも画定され且つ延びる上述の開口部内の、冷媒回路400の構成要素間の空間が存在する場所に超音波容器センサ290を配置すると有利であり得る。寸法Bは様々な値の範囲内にあり得るとともに、内壁750の近くに位置づけることができるが、寸法Aは、超音波容器センサ290の伝送信号を反射して超音波容器センサ290に戻すことができる表面を呈するアイスメーカ110のあらゆる部分(例えば、限定されることなく、吸引ホース560など)とビューイングコーン710が交わらないほど十分に大きいと有利であり得る。Hoshizaki America,Inc.より入手可能な型番KM-660MAJとして示され、販売されているような1つの特定のサイズのモデルでは、寸法Aは、228mm(9.0インチ)であり得る。更に他の態様では、超音波容器センサ290は、例えば、限定されることなく、貯蔵容器190又は別の周囲構造の取付け面を使用し、超音波容器センサ290をアイスメーカ110に取り付けることなく貯蔵容器190の上方に配置され得る。
【0040】
アイスメーカ110の内壁750が清潔で乾燥している場合、内壁750に衝突するあらゆる超音波信号は内壁750から単に反射され、下の貯蔵容器190へと下方に進むことができ、超音波容器センサ290に向かって反射して戻ることはできない。しかしながら、いくつかの態様では、図9に示すように、内壁750の表面が、リターン信号960を超音波容器センサ290に向かって反射して戻すことができる物質990で覆われている場合がある。例えば、限定されることなく、内壁750の表面は少なくとも部分的に水分で覆われている場合がある。図示されるように、水分は、例えば、限定されることなく、角氷490が貯蔵容器190に落下し、ビューイングコーン710内の内壁750の一部分に対して水を跳ね上げたときに形成し得る水滴990の形態であり得る。他の態様では、不適切な清掃によりビューイングコーン710内の内壁750上に汚染を形成し得る。例えば、いくつかの態様では、及び不適切な清掃により、内壁750の表面は、例えば、パンが作製される環境において時間の経過とともに形成し得る「ぬめり」で少なくとも部分的に覆われる場合があり、パン作製プロセスで使用される酵母は、内壁750上に軟質及び/又は粘着性の残渣の形態で顕在化する細菌の増殖を引き起こす場合がある。いくつかの態様では、同じく不適切な清掃により、内壁750の表面は、貯蔵容器190内に典型的に存在し得る多湿で暗い環境内に時間の経過とともに形成し得るカビで少なくとも部分的に覆われる場合がある。いくつかの態様では、内壁750の表面は、一部の設置環境で見られる「硬」水中のミネラルから形成し得る水垢で少なくとも部分的に覆われる場合があり、水垢は、内壁750上に硬質な残渣の形態で顕在化する。いくつかの態様では、アイスメーカ110の実装面積が貯蔵容器190の容器上端部192(図1に示される)よりも大きい、又は貯蔵容器190の容器上端部192(図1に示される)から外側に向かってオフセットしている、のいずれかである場合を含め、貯蔵容器190の壁の垂直面又は水平面又は縁部(例えば、限定されることなく、ディスペンサの壁を含む)は、ビューイングコーン710内に入り得る。
【0041】
同じく図9に示されるように、リターン信号960は、伝送信号が送られる時間(例えば、秒で測定)に対するその強度(例えば、電圧で測定)により図表で示すことができる。そのような時間測定値は、超音波容器センサ290からリターン信号960の特定成分の源、すなわち、超音波容器センサ290によって「見られ」、そのリターン信号960の特定成分を反射する物体までの物理的距離に対応し得る及び概ね対応する。例えば、示されるように超音波容器センサ290に最も近接し得るリターン信号960のピーク961は、超音波容器センサ290がリターン信号960の要素として検知する、超音波容器センサ290により作成された単なる伝送信号であり得る(すなわち、元の超音波「パルス」)。リターン信号960のピーク963は、貯蔵容器190内で山600を形成している角氷490から反射される超音波パルスの一部によって形成され得る。ピーク961とピーク963との間に、内壁750上の物質990の存在により生じるピーク962などの別のピークが形成し得る。同様に図15において反射される、超音波容器センサ290を出る際の伝送信号は、例えば、限定されることなく、約2.5Vであり得る。超音波容器センサ290から30インチ離れた試験距離において、リターン信号960、及び特に、山600を形成している角氷490の反射であるピーク963は、約1.0Vであり得る。リターン信号960を処理するとき、コントローラ1130は、測定された電圧を閾値電圧値1010(図10Aに示される)と比較するアナログコンパレータを使用することができる。
【0042】
図10A及び図10Bに示すように、超音波容器センサ290がどのように制御されるかに応じて、及び特に、リターン信号960がどのように処理されるかに応じて、水滴990によりアイスメーカ110は異なるように動作する。リターン信号960のピーク962は、内壁750上に水滴だけでなく水垢又は「ぬめり」が存在することを示し得る。いずれの場合においても、図10Aに示すように、リターン信号960は、信号「雑音」を示す谷1090をフィルタリングする(即ち除外する)ように設定された0.5Vの閾値電圧1010をそれぞれ超える、ピーク962及びピーク963をそれぞれ含み得る。しかしながら、ピーク962及びピーク963の両方が閾値電圧1010を超えるため、ピーク962及びピーク963の両方は、それ自体、氷が容器内で満杯の貯蔵容器190の高さを超える高さ(又はセンサから角氷490の山600の上端部601までの対応する距離610)に達したことをアイスメーカ110に知らせることができる。これは、内壁750(図7に示される)上に存在するあらゆる水滴990又は他の種類の物質990が、一般に、所望の最大氷容器レベル設定より上方にあることで起こり得る。超音波容器センサ290自体は角氷490と、アイスメーカ110の内壁750上の任意の物質990又は内壁750自体との間を区別することができないため、これは貯蔵容器190が角氷490で満杯になっていない場合でも起こり得る。いくつかの態様では、コントローラの閾値電圧設定は、超音波容器センサ290から30インチ又は最大氷検知距離610において、リターン信号960に又はリターン信号960の約50%に設定され得る。他の態様では、コントローラの閾値電圧設定は、そのような距離610において、リターン信号960の強度の40%~50%の範囲内にあり得る。他の態様では、コントローラの閾値電圧設定は、そのような距離610において、リターン信号960の強度の50%~60%の範囲内にあり得る。他の態様では、コントローラの閾値電圧設定は、そのような距離610において、リターン信号960の強度の30%~60%の範囲内にあり得る。
【0043】
しかしながら、アイスメーカ110は、超音波容器センサ290により捕捉されたリターン信号960の様々な成分間を区別するように構成され得る。図10Bに示すように、リターン信号960は、音響パルスから電圧に変換されると、検知された物体の距離及び信号の強度に基づき効果的にフィルタリングされ得る。いくつかの態様では、図示されるように、10インチ以下の距離610(図6参照)に対応する時間範囲内では、300マイクロ秒フィルタを使用することができ、10インチを超える距離610に対応する時間範囲外では、50マイクロ秒フィルタを使用することができる。距離閾値1020は、どのフィルタ又は時間遅延が使用されるかを定義することができる。より具体的には、距離閾値1020よりも近い物体までの物体距離(すなわち、図10Bの図表のX軸寸法)の測定によって形成されるリターン信号960の一部分は、第1のフィルタを使用してフィルタリングすることができ、距離閾値1020よりも遠い物体の測定によって形成されるリターン信号960の一部分は、第2のフィルタを使用してフィルタリングされ得る。50マイクロ秒フィルタは、特に、製氷機100内又は周囲の任意の源からの電気雑音を回避するために使用され得る。実際の試験測定値に基づくと、貯蔵容器190に貯蔵された角氷490の山600からのリターン信号は、300マイクロ秒よりも長く閾値電圧1010を概ね超える一方で、水滴、水垢、又はぬめりからのリターン信号は、典型的には、約200マイクロ秒以下にわたり閾値電圧1010を超える。したがって、いくつかの態様では、フィルタは、フィルタを低減するにつれて増加する雑音のリスクを単に伴い、200マイクロ秒、又は更にはこれ未満(例えば、175マイクロ秒、200マイクロ秒、225マイクロ秒、250マイクロ秒、又は275マイクロ秒)に近い任意の値に低減することができる。いくつかの態様では、上述のフィルタ値(例えば、250~300マイクロ秒の範囲内)により境界される範囲を含む300マイクロ秒を上回る又は下回る値の範囲が使用され得る。ユーザの手がビューイングコーン710内に捕捉された場合、氷と同様に、300マイクロ秒よりも長く閾値電圧1010を概ね超える。超音波容器センサ290から最初の10インチ(254ミリメートル)においてフィルタを300マイクロ秒に設定すると、例えば、超音波容器センサ290が、内壁750上に通常より多い量の物質990を実際には検知しているときに満杯の容器を検知することにより生じる誤警報のリスクを低下させることができる。加えて、アイスメーカ110の位置により貯蔵容器190の壁の垂直面又は水平面又は縁部が露出する場合、リターン信号中に生じる電気雑音も同様に、本明細書中に記載される超音波容器センサ290又はコントローラ1130(図11に示される)(これらの両方は、容器制御システムをともに形成し得る)のパラメータを調節することによりフィルタリングすることができる。
【0044】
リターン信号960の電圧が閾値電圧1010を超えることを超音波容器センサ290が検知すると、コントローラ(この場合は、容器コントローラ1130)は、電圧が閾値電圧1010を上回ったままである時間の長さを測定するように構成されたカウンタ又はタイマを始動することができる。300又は50マイクロ秒の時間遅延が経過する前にリターン信号960の電圧が閾値電圧1010を下回って低下する場合、コントローラ1130はリターン信号960のその成分を無視することができる。リターン信号960の電圧が十分に長く(すなわち、1つの時間遅延又は他の時間遅延に対応する時間/距離範囲が過ぎた)閾値電圧1010を上回ったままである場合、コントローラ1130は、したがって、超音波容器センサ290を介し、物体を氷として「見る」ことができ、その後、対応する信号を、メインコントローラ232を介してアイスメーカに送信し、制御盤がどのようにプログラムされているかに基づき、且つ選択された制御盤の設定1~5に基づき、製氷機の氷製作設定をオン又はオフにすることができる。いくつかの態様では、コントローラ1130は、1つのみのリターン信号960を使用する又は処理するように構成され得る。いくつかの態様では、コントローラ1130は、本明細書に記載されるように、複数のピーク961、962、963で最小数の2つ以上のリターン信号960又は単一信号を使用するように構成され得る。
【0045】
コントローラ1130と電気通信する超音波容器センサ290は、所与の時間内に特定数の音響パルスを放出するように構成され得る。いくつかの態様では、音響パルスは、200ミリ秒毎に超音波容器センサ290により送信され得る。いくつかの態様では、音響パルスは、より多い頻度で又はより少ない頻度で送信され得る。いくつかの態様では、超音波容器センサ290は、選択された間隔(この場合は200ミリ秒)内に5パルスを放出することができる。他の態様では、超音波容器センサ290は、より多数のパルスを放出することができるが、パルスの数を特定のレベルに(例えば、16パルスに)増加すると、特定の条件下で、コントローラ1130が雑音及び上述の伝送信号をフィルタリングする能力に影響し得る。本明細書中に記載されるコントローラ1130及び超音波容器センサ290の適合により、アイスメーカ110は、貯蔵容器190内の角氷490の山600により作成された音響「シグネチャ」と、内壁750上の任意の物質990、又は類似の効果を有する製氷機100の別の場所の任意の材料により作成された音響「シグネチャ」との間を効果的に区別することができる。物質990の検知により生じるピーク962は、一般に、弱すぎて又は継続時間が短すぎて(又はこれらの両方)氷の山として見えない。これに対し、山600の検知により生じるピーク963は、一般に、氷として見えるほど十分に強く、それにより、山600が所望のレベルに達すると、アイスメーカ110のコントローラ1130及びメインコントローラ232に氷製作を一時停止させる。
【0046】
図11図13に示すように、レベル位置B(図6に示される)に対応し得る停止高さは、コントローラ1130に取り付けられたポテンショメータ上に取り付けられた又はこれに組み込まれたダイヤルを含み得る調節器1140によって、いくつかの容器制御設定のうちの任意の1つに調節することができる。いくつかの態様では、コントローラ1130は、図示されるように、別個の容器制御盤であり得る。いくつかの態様では、コントローラ1130はメインコントローラ232に組み込まれ得る。いくつかの態様では、図12に示すように、調節器1140は、図示されるように1、2、3、4、及び5とラベルが付され得る5つの異なる容器制御設定のうちのいずれか1つに配置され得る。他の態様では、調節器1140は、5つより少ない又は多い容器制御設定を有し得る。図13に示す表に反映されるように、一部のユーザはアイスメーカ110の下に氷ディスペンサユニット(図示せず)を設置する場合がある。氷をスコップにより手で取り出す代わりにレバーを押すことによって氷の供給をより自動化するように構成されている氷ディスペンサは、さもなければ、貯蔵容器190の別の例であると考えられ得る。
【0047】
図14に示すように、コントローラ1130は、3つの信号範囲、すなわち、満杯、窓、及び空を認識するように構成され得る。コントローラ1130の調節器1140の設定又は設定値(すなわち、1、2、3、4、又は5)は、氷検知距離610にも対応する「満杯」範囲の始めに対応し得る。「空」範囲は、設定値の前4インチ、又はユーザが望み得るような設定値からの任意の他のオフセット距離で開始し得る。「窓」範囲は、「満杯」範囲と「空」範囲との間の範囲であることができ、この範囲では、アイスメーカ110の短サイクル化(short cycling)を防ぐために、コントローラ1130は容器制御の状態を変更しない。例えば、限定されることなく、より具体的には、コントローラ1130は、リターン信号960が「満杯」範囲に2秒間留まった後、容器制御状態を「満杯」に変更するように構成され得る。コントローラ1130は、信号が「空」範囲に30秒間留まった場合には容器制御状態を「空」に変更することができる。同じく、「窓」範囲において、コントローラ1130は容器制御状態を変更しないように構成され得る。
【0048】
図15は、内壁750(図7に示される)上に水滴990(図9に示される)があり、貯蔵容器190又はその等価物内に角氷490がない状態における超音波容器センサ290からのリターン信号を表す試験データを示す。記号Xは、リターン信号960のピーク961に対応し得る超音波容器センサからの伝送信号、及び水滴990の存在を示すピーク962に対応し得る次の最大ピークを示す。
【0049】
図16及び図17は、取付けフランジ1420内に画定される穴1490を通る単一の締結具(図示せず)により固定された本体1410を含み得る例示的な超音波容器センサ290の構造を示す。本体1410は、軸線1411と、第1の端部1415と、第1の端部1415から遠位にある第2の端部1416と、を画定することができる。本体1410の直径1470は、圧縮器基部226(図7に示される)内に画定される開口部内に収まるようなサイズにされ得る。元の超音波パルス及びリターン信号960を、リード線1460を介して伝送するために、コネクタ1450は、超音波容器センサ290をコントローラ1130(図11に示される)に接続することができる。
【0050】
図18は、超音波容器センサ290の操作のフローチャートを示す。貯蔵容器190内の氷レベルを検知する方法は、工程1801~1828を含み得る。超音波容器センサ290の操作を開始する前に導入工程1801及び1802が行われ得る。工程1801は、目標氷レベルを設定するためにユーザ(又は工場)が容器制御設定(例えば、容器制御設定1~5から)を調節する又は設定することを含み得る。工程1802は、製氷機又はアイスメーカ110の電源をオンにすることを含み得る。
【0051】
次の工程1811~1816では、超音波容器センサ290の操作を開始することができる。工程1811は、容器コントローラ1130が所定の時間間隔で(例えば、200ミリ秒毎に)電圧信号を超音波容器センサ290に送信することを含み得る。工程1812は、超音波容器センサ290が容器コントローラ1130により供給される電圧によって音響パルスを生成し、放出することを含み得る。工程1813は、超音波容器センサ290から貯蔵容器190内の氷の山600、及びビューイングコーン710内にある周囲領域に伝送信号が移動することを含み得る。工程1814は、容器コントローラが、伝送信号が推測したとおりに形成されたかどうか、すなわち、超音波センサが適切な伝送信号を形成しているかどうか、又は更には、伝送信号を全く形成していないかどうかを決定することを含み得る。工程1814において伝送信号が予想どおりである場合、工程1815が開始され得る。伝送信号が予想どおりではない又は全く検出されない場合、工程1816を開始することができ、工程1816では、容器コントローラ1130が超音波容器センサ290に信号送信することができ、又は容器コントローラ1130は伝送信号の形状若しくは伝送信号の欠如によって単に検知することができ、容器コントローラ1130は氷の製作を停止するようにメインコントローラに信号送信し、その後、工程1811に戻ることができる。工程1815は、伝送信号が、氷、例えば氷の山600の形態の氷並びに任意の周囲構造及び/又はこれらの構造上の材料から反射されることを含み得る。
【0052】
工程1821~1828は、伝送信号の反射後に開始することができる。具体的には、工程1821は、リターン信号960が移動して超音波容器センサ290に戻ることを含み得る。工程1822は、超音波容器センサ290がリターン信号960を受信することを含み得る。工程1823は、容器コントローラ1130が、例えば、雑音ピーク962をフィルタリングし、残った「氷」ピーク963までの測定距離を同定することによって、リターン信号960を処理することを含み得る。工程1824は、容器コントローラ1130が測定距離を、目標氷レベル、又は満杯の貯蔵容器190(又は「満杯」よりも多い又は少ない所望の氷レベルの容器)の氷検知距離610と比較することを含み得る。工程1825において、測定距離が目標氷レベル又は氷検知距離610以下(すなわち、容器が「満杯」レベル位置に達している)である場合、容器コントローラ1130は氷の製作を停止するようにメインコントローラ232に信号を送信し、その後、工程1811に折り返すことができる。測定距離が目標氷レベル又は氷検知距離610以下ではない場合、次の工程1827は、容器コントローラ1130が、測定距離が目標氷レベルプラス4インチを超えるかどうかを決定することを含み得る。答えがはいであれば、容器コントローラ1130は、氷の製作を再開するようにメインコントローラ232に信号送信し、その後、工程1811に折り返すことができる。
【0053】
本明細書中に開示されるシステム及び方法は、個別の角氷490の形態の氷を製作するように構成されたアイスメーカ、すなわち、「キューバ(cuber)」型製氷機で使用するために特に調整されているが、例えば、限定されることなく、細かくカットされたフレーク状の氷、粗くカットされた「キューブレット」フレーク状の氷、トレー又は型内で形成された氷、及び他の形態の氷を含む他の使用形態で使用するために調整することができる。
【0054】
とりわけ、「できる(can、could)」、「し得る(might、又はmay)」などの条件付き文言は、特に明記されない限り、或いは使用される文脈内で理解されない限り、一般に、特定の態様が特定の特徴、要素及び/又は工程を含む一方で、他の態様はこれらを含まないことを伝達することを意図していることに留意されたい。したがって、そのような条件付き文言は、一般に、特徴、要素及び/若しくは工程が1つ以上の特定の態様に多少なりとも必要であること、又はこれら特徴、要素及び/若しくは工程が任意の特定の態様に含まれる若しくはこの特定の態様で実行されるかどうかを、ユーザ入力若しくはプロンプトあり若しくはなしで、決定するための論理を1つ以上の特定の態様が必ずしも含むことを示唆するものではない。
【0055】
上述の態様は、本開示の原理の明確な理解のために単に述べる単なる実装形態例であることを強調されたい。本開示の当業者には理解されるように、流れ図内の任意のプロセス記述又はブロックは、プロセス内の特定の論理的機能又は工程を実施するための1つ以上の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、又はコードを表すものと理解すべきであり、機能は含まれなくても又は全く実行されなくてもよく、含まれる機能性に応じて実質的に同時若しくは反対の順序を含む、図示される又は記載される順序から外れて実行されてもよい代替実装形態が含まれる。本開示の趣旨及び原理から実質的に逸脱することなく上述の実施形態に多くの変更及び修正を施してもよい。更に、本開示の範囲は、上述の全ての要素、特徴、及び態様の一切の組み合わせ及び副組み合わせを包含することを意図する。そのような修正及び変更は全て、本明細書中の、本開示の範囲内に含まれ、個々の態様又は要素若しくは工程の組み合わせに対する可能な全ての請求項は、本開示により支持されるものである。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18