IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テラダイン、 インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許-試験通信プロトコル 図1
  • 特許-試験通信プロトコル 図2
  • 特許-試験通信プロトコル 図3
  • 特許-試験通信プロトコル 図4
  • 特許-試験通信プロトコル 図5
  • 特許-試験通信プロトコル 図6
  • 特許-試験通信プロトコル 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】試験通信プロトコル
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20220421BHJP
【FI】
H04L12/28 200Z
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2019555944
(86)(22)【出願日】2018-03-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-18
(86)【国際出願番号】 US2018025398
(87)【国際公開番号】W WO2018200126
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2021-03-17
(31)【優先権主張番号】15/495,357
(32)【優先日】2017-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502391840
【氏名又は名称】テラダイン、 インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】クム、 ビョン ジェイ.
【審査官】佐々木 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-237389(JP,A)
【文献】特開2009-116467(JP,A)
【文献】特表2008-521018(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0248569(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0314697(US,A1)
【文献】国際公開第2016/097172(WO,A2)
【文献】特表2014-503083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験システムであって、
1つ以上の被試験デバイスの試験を制御する複数の計測器モジュールと、
イーサネット(登録商標)ベース通信ネットワークと、
前記イーサネットベース通信ネットワークを経由して複数の制御パケットを前記計測器モジュールへ定期的に同報通信するように構成された計算システムと
を含み、
1つの制御パケットは、前記計測器モジュールから受信された最後の複数のデータパケットのシーケンス番号を表すデータと、各シーケンス番号に基づく情報とを含み、
前記1つの制御パケットは前記計測器モジュールのうちのすべての計測器モジュールに対するスロットを含み、
各スロットは、前記計測器モジュールのうちの1つに固有のデータを含み、
各スロットは、前記計測器モジュールのうちの1つの計測器モジュールの識別子に基づき指標を付けられ、
前記計算システムはさらに、前記1つの制御パケットに応答して前記計測器モジュールのそれぞれから確認応答パケットを、ユニキャストを介しかつ前記イーサネットベース通信ネットワークを経由して受信するように構成され、
前記確認応答パケットは、前記計算システムから前記計測器モジュールにより受信された前記制御パケットに基づく修理情報を含む、試験システム。
【請求項2】
前記修理情報は、前記計測器モジュールから前記計算システムにより受信されたデータパケットから紛失したシーケンス番号を有するデータパケットを含む、請求項1に記載の試験システム。
【請求項3】
前記制御パケットは、前記計測器モジュールの識別子を有する計測器モジュールによりアクセスするための計測器モジュール識別子に基づき指標を付けられた情報を含む、請求項1に記載の試験システム。
【請求項4】
前記制御パケットはグローバル情報を含み、
前記グローバル情報は、前記計算システムと前記計測器モジュールとの間のメッセージトラフィックの通信接続を規制するために前記計測器モジュールのそれぞれにより使用可能である、請求項1に記載の試験システム。
【請求項5】
前記グローバル情報は前記計算システムのトラフィック輻輳ステータスを含む、請求項4に記載の試験システム。
【請求項6】
前記トラフィック輻輳ステータスは、輻輳ウィンドウ制御情報又はデータ流れ制御情報のうちの1つ以上を含む、請求項5に記載の試験システム。
【請求項7】
シーケンス番号に基づく前記情報は、前記シーケンス番号の後の脱落パケットの数を含む、請求項1に記載の試験システム。
【請求項8】
前記計算システムは、前記イーサネットベース通信ネットワークを経由して複数の同報メッセージを前記計測器モジュールへ送信するように構成され、
1つの同報通信メッセージは、シーケンス番号、計測器モジュールを識別する操舵情報、及び取るべき行動を規定する命令を含むデータパケットを含み、
前記計算システムはさらに、前記データパケットに応答して前記計測器モジュールのそれぞれから前記イーサネットベース通信ネットワークを経由してユニキャストメッセージを受信するように構成され、
各ユニキャストメッセージは、前記ユニキャストメッセージを送信した計測器モジュールからの応答データを含む、請求項1に記載の試験システム。
【請求項9】
前記データパケットは、前記計測器モジュールからの試験情報の要求を表す第1のデータ項目を含み、
前記応答データの少なくとも一部は前記試験情報を表す、請求項8に記載の試験システム。
【請求項10】
前記計算システムは、1つ以上のデータパケットが計測器モジュールから紛失しているということを、前記計算システムから受信された最後のデータパケットのシーケンス番号に基づいて判断するように構成され、
前記計算システムは、1つ以上のデータパケットが紛失しているということを識別する制御パケットを同報通信するように構成される、請求項8に記載の試験システム。
【請求項11】
前記計算システムは、前記制御パケットに応答して、紛失している前記1つ以上のデータパケットをユニキャストメッセージを介し受信するように構成される、請求項10に記載の試験システム。
【請求項12】
前記イーサネットベース通信ネットワークはローカルエリアネットワーク(LAN)を含む、請求項1に記載の試験システム。
【請求項13】
前記計算システムは、前記制御パケット間のイーサーネット通信を同報通信するように構成される、請求項1に記載の試験システム。
【請求項14】
自動試験装置上で行われる計算システムと複数の計測器モジュールとの間で通信する方法であって、
前記計算システムからイーサネット(登録商標)ベース通信ネットワークを経由して複数の制御パケットを前記計測器モジュールへ定期的に同報通信することであって、1つの制御パケットは、前記計測器モジュールから受信された最後の複数のデータパケットのシーケンス番号を表すデータと、前記シーケンス番号に基づく情報とを含み、前記1つの制御パケットは前記計測器モジュールのうちのすべての計測器モジュールのスロットを含み、各スロットは前記計測器モジュールのうちの1つに固有のデータを含み、各スロットは、前記計測器モジュールのうちの1つの計測器モジュールの識別子に基づき指標を付けられることと、
前記計算システムにおいて前記制御パケットに応答して、ユニキャストを介しかつ前記イーサネットベース通信ネットワークを経由して、前記計測器モジュールのそれぞれから確認応答パケットを受信することであって、前記確認応答パケットは、前記計算システムから前記計測器モジュールにより受信された同報通信制御パケットに基づく修理情報を含むことと
を含む方法。
【請求項15】
前記修理情報は、前記計測器モジュールから前記計算システムにより受信されたデータパケットから紛失したシーケンス番号を有するデータパケットを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記制御パケットは、前記計測器モジュールの識別子を有する計測器モジュールによりアクセスするべくための計測器モジュール識別子に基づいて指標を付けられた情報を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記制御パケットはグローバル情報を含み、
前記グローバル情報は、前記計算システムと前記計測器モジュールとの間のメッセージトラフィックの通信接続を規制するために前記計測器モジュールのそれぞれにより使用可能である、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記グローバル情報は、前記計算システムのトラフィック輻輳ステータスを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記トラフィック輻輳ステータスは、輻輳ウィンドウ制御情報又はデータ流れ制御情報のうちの1つ以上を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
シーケンス番号に基づく前記情報は、前記シーケンス番号の後の脱落パケットの数を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記イーサネットベース通信ネットワークを経由して複数の同報通信メッセージを前記計算システムから前記計測器モジュールへ送信することであって、1つの同報通信メッセージは、シーケンス番号、計測器モジュールを識別する操舵情報、及び取るべき行動を規定する命令を含むデータパケットを含むことと、
前記データパケットに応答して前記計測器モジュールのそれぞれから前記イーサネットベース通信ネットワークを経由してユニキャストメッセージを前記計算システムにおいて受信することであって、各ユニキャストメッセージは、前記ユニキャストメッセージを送信した計測器モジュールからの応答データを含むことと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記データパケットは、前記計測器モジュールからの試験情報の要求を表す第1のデータ項目を含み、
前記応答データの少なくとも一部は前記試験情報を表す、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
1つ以上のデータパケットが計測器モジュールから紛失しているということを、前記計算システムにより、前記計算システムにより受信された最後のデータパケットのシーケンス番号に基づいて判断することと、
前記1つ以上のデータパケットが紛失しているということを識別する制御パケットを前記計算システムから同報通信することと
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記制御パケットに応答して、紛失している前記1つ以上のデータパケットを、前記計算システムにおいてユニキャストメッセージを介して受信することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記イーサネットベース通信ネットワークはローカルエリアネットワーク(LAN)を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項26】
前記計算システムは、前記制御パケット間のイーサーネット通信を同報通信する、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は一般的には、ホストコンピュータと試験計測器モジュール(「計測器モジュール」)との間の通信を実施するために使用可能である試験通信プロトコルに関する。
【背景技術】
【0002】
自動試験装置(ATE:automatic test equipment)は、被試験デバイス(DUT:device under test)の動作を試験するために信号をDUTとの間で送受信するためのエレクトロニクスを含む、ATEは、試験過程の一部として信号を送受信するように構成され得る計測器モジュールを含む。様々な計測器モジュールが、様々な試験を行い得、いくつかのケースでは、様々なDUTを試験するために使用され得る。ホストコンピュータは計測器モジュールと通信することにより試験を全体的に調整する。
【0003】
伝送制御プロトコル(TCP:transmission control protocol)が、ホストコンピュータと計測器モジュールとの間の通信を実施するために使用されてきた。伝統的に、個別接続がホストコンピュータと各計測器モジュールとの間で維持された。いくつかのケースでは、特に、多数の接続に関し、試験システムが、必要とされる信頼性、待ち時間、及び帯域制約も満たす一方で非常に多くの個別接続を維持し管理することは困難である可能性がある。これは個別接続がイーサーネット上で維持される場合には特に当てはまる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
例示的試験システムは、1つ以上の被試験デバイスの試験を制御する計測器モジュールと、イーサネットベース通信ネットワークと、イーサネットベース通信ネットワークを経由して制御パケットを計測器モジュールへ定期的に同報通信するように構成された計算システムとを含む。制御パケットは、計測器モジュールから受信された最後のデータパケットのシーケンス番号を表すデータと、シーケンス番号に基づく情報とを含む。制御パケットは、計測器モジュールのうちのすべての計測器モジュールのスロットを含み、各スロットは計測器モジュールの1つに固有のデータを含み、各スロットは、計測器モジュールのうちの1つの計測器モジュールの識別子に基づき指標を付けられる。例示的試験システムは又、制御パケットに応答して計測器モジュールのそれぞれから確認応答パケットをユニキャストを介しかつイーサネットベース通信ネットワークを経由して受信するように構成される計算システムを含む。確認応答パケットは、計算システムから計測器モジュールにより受信された制御パケットに基づく修理情報を含む。例示的試験システムは以下の特徴のうちの1つ以上を単独又は組み合わせのいずれかで含み得る。
【0005】
修理情報は、計測器モジュールから計算システムにより受信されたデータパケットから紛失したシーケンス番号を有するデータパケットを含み得る。制御パケットは、計測器モジュール識別子を有する計測器モジュールによりアクセスするための計測器モジュール識別子に基づき指標を付けられた情報を含み得る。制御パケットはグローバル情報を含み得、グローバル情報は、計算システムと計測器モジュールとの間のメッセージトラフィックの通信接続を規制するために計測器モジュールのそれぞれにより使用可能である。グローバル情報は計算システムのトラフィック輻輳ステータスを含み得る。トラフィック輻輳ステータスは輻輳ウィンドウ制御情報又はデータ流れ制御情報のうちの1つ以上を含み得る。シーケンス番号に基づく情報は当該シーケンス番号の後の脱落パケットの数(例えばパケットギャップ情報)を含み得る。
【0006】
計算システムは、イーサネットベース通信ネットワークを経由して同報メッセージを計測器モジュールへ送信するように構成され得る。同報通信メッセージは、シーケンス番号、計測器モジュールを識別するための操舵情報、及び取るべき行動を規定する命令を含むデータパケットを含み得る。計算システムは、データパケットに応答して計測器モジュールのそれぞれからイーサネットベース通信ネットワークを経由してユニキャストメッセージを受信するように構成され得、各ユニキャストメッセージは、ユニキャストメッセージを送信した計測器モジュールからの応答データを含む。データパケットは、計測器モジュールからの試験情報の要求を表す第1のデータ項目を含み得、応答データの少なくとも一部は試験情報を表し得る。計算システムは、1つ以上のデータパケットが計測器モジュールから紛失しているということを、計算システムから受信された最後のデータパケットのシーケンス番号に基づき判断するように構成され、計算システムは1つ以上のデータパケットが紛失しているということを識別する制御パケットを同報通信するように構成され得る。計算システムは、制御パケットに応答して、紛失している1つ以上のデータパケットをユニキャストメッセージを介し受信するように構成され得る。イーサネットベース通信ネットワークはローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)を含み得る。計算システムは制御パケット間のイーサーネット通信を同報通信するように構成され得る。
【0007】
例示的方法は、計算システムと計測器モジュールとの間の通信を可能にするための自動試験装置上で行われる。例示的方法は、計算システムからイーサネットベース通信ネットワークを経由して制御パケットを計測器モジュールへ定期的に同報通信する工程を含む。制御パケットは、計測器モジュールから受信された最後のデータパケットのシーケンス番号を表すデータと、シーケンス番号に基づく情報とを含む。制御パケットは、計測器モジュールのうちのすべての計測器モジュールのスロットを含み、各スロットは計測器モジュールの1つに固有のデータを含み、各スロットは、計測器モジュールのうちの1つの計測器モジュールの識別子に基づき指標を付けられる。例示的方法は、ユニキャストを介しそしてイーサネットベース通信ネットワークを経由して、計算システムにおいてそして制御パケットに応答して、計測器モジュールのそれぞれから確認応答パケットを受信する工程を含む。確認応答パケットは、計算システムから計測器モジュールにより受信された同報通信制御パケットに基づく修理情報を含む。例示的方法は、以下の特徴のうちの1つ以上を単独で又は組み合わせて含み得る。
【0008】
修理情報は、計測器モジュールから計算システムにより受信されたデータパケットから紛失したシーケンス番号を有するデータパケットを含み得る。制御パケットは、計測器モジュール識別子を有する計測器モジュールによりアクセスするための計測器モジュール識別子に基づき指標を付けられた情報を含み得る。制御パケットはグローバル情報を含み得、グローバル情報は、計算システムと計測器モジュールとの間のメッセージトラフィックの通信接続を規制するために計測器モジュールのそれぞれにより使用可能である。グローバル情報は計算システムのトラフィック輻輳ステータスを含み得る。トラフィック輻輳ステータスは輻輳ウィンドウ制御情報又はデータ流れ制御情報のうちの1つ以上を含み得る。シーケンス番号に基づく情報は当該シーケンス番号の後の脱落パケットの数(例えばパケットギャップ情報)を含み得る。
【0009】
例示的方法は、イーサネットベース通信ネットワークを経由して計算システムから同報通信メッセージを計測器モジュールへ送信する工程であって、同報通信メッセージは、シーケンス番号、計測器モジュールを識別する操舵情報、及び取るべき行動を規定する命令を含むデータパケットを含む、工程と、データパケットに応答して計測器モジュールのそれぞれからイーサネットベース通信ネットワークを経由してユニキャストメッセージを計算システムにおいて受信する工程であって、各ユニキャストメッセージはユニキャストメッセージを送信した計測器モジュールからの応答データを含む、工程を含み得る。
【0010】
データパケットは、計測器モジュールからの試験情報の要求を表す第1のデータ項目を含み得、応答データの少なくとも一部は試験情報を表し得る。
【0011】
例示的方法は、計測器モジュールからの1つ以上のデータパケットが紛失しているということを、計算システムにより、そして計算システムにより受信された最後のデータパケットのシーケンス番号に基づき判断する工程と、1つ以上のデータパケットが紛失しているということを識別する制御パケットを計算システムから同報通信する工程とを含み得る。例示的方法は、制御パケットに応答して、紛失している1つ以上のデータパケットを計算システムにおいてそしてユニキャストメッセージを介し受信する工程を含み得る。
【0012】
イーサネットベース通信ネットワークはローカルエリアネットワーク(LAN)を含み得る。計算システムは制御パケット間のイーサーネット通信を同報通信し得る。
【0013】
この概要章内を含む本明細書で述べる特徴のうちの任意の2つ以上は、本明細書において具体的に述べられない実施形態を形成するために組み合わせられ得る。
【0014】
本明細書で述べるシステム及び技術又はその一部は、1つ以上の非一時的機械可読記憶媒体上に格納される指示であって本明細書で述べる動作を制御(例えば、全体的に調整)するために1つ以上の処理装置上で実行可能である指示を含むコンピュータプログラム製品として実現され得る、又は上記コンピュータプログラム製品により制御され得る。本明細書で述べるシステム及び技術又はその一部は、1つ以上の処理装置と様々な動作を実施するための実行可能命令を格納するメモリとを含み得る装置、方法又は電子システムとして実現され得る。
【0015】
一つ又は複数の実施態様の詳細は添附図面及び以下の明細書に記載される。他の機能、目的、及び利点は本明細書と添付図面と特許請求の範囲から明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本明細書で説明される例示的試験プロトコルが実装され得るシステムのブロック図である。
図2】例示的試験プロトコルにおいて使用され得る例示的制御パケットの一部分のブロック図である。
図3】例示的試験プロトコルにおいて使用され得る例示的確認応答パケットの一部分のブロック図である。
図4】例示的試験プロトコルにおいて使用され得る例示的コンテンツパケットの一部分のブロック図である。
図5】例示的試験プロトコルにおいて使用され得る例示的応答パケットの一部分のブロック図である。
図6】例示的試験プロトコルの一部分であり得る通信を示すフローチャートである。
図7】例示的試験プロトコルにおける計測器モジュールの情報を含む例示的制御パケットを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
様々な図面内の同様な参照符号は同様な要素を示す。
【0018】
例えば、ホストコンピュータと1つ以上の計測器モジュールとの間の通信を実現するために使用され得る通信プロトコルを採用する例示的試験システムが本明細書で説明される。一例では、試験システムは、ホストコンピュータ、複数の計測器モジュール、及びホストコンピュータが計測器モジュールと通信するローカルエリアネットワーク(LAN)などのイーサネットベース通信ネットワークを含む。いくつかの例では、試験通信プロトコルは制御パケット、確認応答パケット、コンテンツパケット及び応答パケットを採用する。いくつかの実施形態では、各制御パケットは複数のスロットを含み、1つのスロットは各計測器モジュールに対しインデックスを付けられる。いくつかの実施形態では、各スロットは、計測器モジュール(そのスロットが指標を付けられる)に固有のモジュール識別子(ID)に基づき指標を付けられる。いくつかの実施形態では、各スロットは、当該計測器モジュールから受信された最後のデータパケットのシーケンス番号(シーケンス番号はデータパケットのストリーム内の対象パケットの位置を数値的に識別する)を表すデータと、シーケンス番号に続く検出されたギャップの数(例えばシーケンス内で紛失された番号の数)を表すデータとを含む。いくつかの実施形態では、各制御パケットは、ホストコンピュータにより経験されるネットワーク輻輳の量を示す1つ以上の値を含む。例示的試験プロトコルでは、同じ制御パケットが、ホストコンピュータから計測器モジュールのすべてへLAN(又は他の適切な通信ネットワーク)上で定期的に同報通信される。一例では、制御パケットは1ミリ秒(1ms)毎に同報通信されるが、他の例では、同報通信される速度は異なり得る。
【0019】
計測器モジュールは制御パケットを受信し、各計測器モジュールは、当該計測器モジュールに専用化された(例えば、指標を付けられた)スロット内のデータにアクセスする。一例では、計測器モジュールは、計測器モジュールがホストコンピュータへ以前送信したデータパケットをホストコンピュータが紛失しているということを専用スロット内のデータに基づき判断し得る。この例では、計測器モジュールは、パケットが依然として紛失しているということを次の制御パケットが確認するのを待ち得る。例えば、これはパケットの送信の遅延が存在するというケースであり得る。データパケットが紛失している(又は依然として紛失している)ということを表すデータに応答して、計測器モジュールは、修理情報(例えば紛失データパケット)を含む確認応答パケットをユニキャストを介し定期的に送信し得る。一例では、確認応答パケットは、10ミリ秒(10ms)毎に送信され得るが、他の例では、速度は異なり得る。別の例では、計測器モジュールは、パケットからのデータにアクセスし、ホストコンピュータのネットワーク接続が輻輳しているということを判断し得る。したがって、計測器モジュールは当該輻輳が軽減されるまでそのデータ送信速度を減速し得る。通常、輻輳は、一例では、計測器モジュールのそれぞれに対し送受信されそれに応じて計測器モジュールのそれぞれが応答するのと同じパラメータであるグローバルパラメータである。
【0020】
したがって、いくつかの実施形態では、各計測器モジュールは、そのトラフィックステータスを判断し、ホストコンピュータと他の計測器モジュールとの間の通信に影響を与えることなくいかなる必要なパケット送信修理も個々に行う。さらに、処理(例えば判断及び修理)は計測器モジュールへオフロードされ、これにより他のタスクのためのホストコンピュータを軽減する。
【0021】
ホストコンピュータと各計測器モジュールとの間の実質的通信は制御パケット及び確認応答パケットのやりとりとの間に発生し得る。これらの通信は、イベント駆動され、例えば計測器モジュールとホストコンピュータとの間の試験パターン及び試験データのやりとりを含み得る。コンテンツパケットは、ホストコンピュータから計測器モジュールへの通信に使用され、一種のデータパケットである。一例では、各コンテンツパケットは、シーケンス番号(S)、操舵情報、及び命令を含むメッセージを含む。操舵情報はどの計測器モジュールがどの資源(例えばDUT又は他のターゲット)に作用すべきかを識別するために使用される。命令は、選択された計測器モジュールがどの行為を資源に対し実行すべきかを示す。いくつかの実施形態では、命令は、指示、試験データ、及び/又は被試験デバイス(DUT)又は他の動作に対し適切な試験を行うために受信計測器モジュールにより使用可能な他の情報のうちのすべて又は一部を含む又は規定する。シーケンス番号は、パケットのストリーム内の対象パケットの位置を数値的に識別し、そして、紛失パケットが再送信され得るようにコンテンツパケットの順番を追跡するために使用される。いくつかの実施形態では、確認応答パケットは、計算システムから受信された最後のデータパケットのシーケンス番号を含み得、当該シーケンス番号が計算システムにより送信された最後のパケットのものでなければ、計算システムはいかなる紛失パケットも再送信し得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、同じコンテンツパケットがホストコンピュータから計測器モジュールのすべてへLAN(又は他の適切な通信ネットワーク)上で同報通信される。各計測器モジュールは、当該モジュールへ宛てられたコンテンツパケット内のデータをパケットの操舵情報に基づき識別し得る。次に、計測器モジュールは、コンテンツパケットに含められたデータを所与として適切であればどんな処理又は通信も行い得る。
【0023】
各計測器モジュールはユニキャストを介し応答を各コンテンツパケットへ送信し得る。応答は、必要に応じて、異なる時又は同時に送信され得る。応答パケットは、当該計測器モジュールのものだったデータパケット内のデータに基づく情報を含み得る。例えば、応答パケットは、DUTからの試験結果、DUTに関するステータス情報、計測器モジュールに関するステータス情報、及び/又は任意の他の適切な情報のうちのすべて又は一部を含み得る。いくつかのケースでは、応答パケットは、その名称にもかかわらず、応答データを実際には含まなくてよく、むしろ、計測器モジュール又はそれに接続されたDUTにより開始されたホストコンピュータへの通信のためのデータを含み得る。応答パケットのストリームは情報を計測器モジュールからDUTへ伝えるために必要とされ得る。各応答パケットはこの例ではシーケンス番号を含む。説明したように、ホストコンピュータは、様々な計測器モジュールから受信されるパケットのシーケンス番号の経過を追う。パケットが計測器モジュールから受信される一連の応答パケットから紛失していれば、制御パケット及び確認応答パケットを含む通信プロトコルが、本明細書で述べたように、必要な修理を実施し(例えば、紛失パケットを提供し)得る。
【0024】
本明細書で説明される通信プロトコルは、試験文脈における使用に限定されなく、通信のためにネットワークを経由して接続される2つの装置間の通信の信頼性を増加するための任意の適切な文脈において使用され得る。一般的に、イーサーネット上の通信は信頼できないかもしれなく、本明細書で説明される通信プロトコルは本明細書で述べたようにイーサネットベース通信の信頼性を改善するためにいくつかのケースで使用され得る。いくつかの実施形態では、例示的通信プロトコルは、このタイプのネットワーク上の使用に限定されないが、比較的低い待ち時間(例えば、往復50μs)及び比較的高い帯域(例えば毎秒6ギガビット(gb/s))を有するネットワークを経由して実施され得、非イーサネットベースネットワークを含む任意の適切な通信ネットワークを経由して実施され得る。通信プロトコルは試験文脈における使用に限定されないが、例示的試験システムが、通信プロトコルの実施形態を示すために以下に説明される。
【0025】
図1は、例示的通信プロトコルが使用され得る例示的自動試験装置(ATE)10の部品を示す。しかし、既に述べたように、通信プロトコルは、試験文脈における使用又は本明細書で説明される例示的ATEによる使用に限定されなく、むしろ、試験環境の外を含む任意の適切な技術的文脈において使用され得る。図1において、破線はATEの部品間の潜在的信号経路を概念的に表す。
【0026】
ATE10は試験ヘッド11及びホストコンピュータ12を含む。試験ヘッド11は、試験が行われる1つ以上のDUT(図示せず)とインターフェースし、ホストコンピュータ12は試験を制御するために試験ヘッド11と通信する。例えば、ホストコンピュータ12は試験プログラムセットを試験ヘッド上の計測器モジュールへダウンロードし得、次に計測器モジュールは、試験ヘッドに連通するDUTを試験するために試験プログラムセットを実行する。ホストコンピュータ12は又、試験ヘッド内の計測器モジュールへ、指示、試験データ、及び/又は試験ヘッドへインターフェースされたDUTに対し適切な試験を行うために対応計測器モジュールにより使用可能な他の情報を送信し得る。上に説明したように、この情報は、同じコンテンツ(例えばデータ)パケットを各計測器モジュールへ同報通信することにより各計測器モジュールへ送信され得る。各計測器モジュールは、ユニキャスト又は他の適切な機構を介し、試験応答、DUTステータス、機器ステータスなどの適切な応答データを含む応答パケットストリームに応答し得る。又上に説明したように、通信の信頼性は、同報通信制御パケットの受信と、制御パケットに基づき識別される数ある中でも特に修理情報を含む確認応答パケットの送信とを通して計測器モジュールにより維持され得る。
【0027】
この例では、ATE10は計測器モジュール13A~13Nを含む。4つの計測器モジュールだけが描写されるが、試験システムは試験ヘッド11の外に常駐するものを含む任意の適切な数の計測器モジュールを含み得る。各計測器モジュールは例えばホストコンピュータにより提供されるデータに基づきDUTを試験するために試験信号を出力しそしてDUTから信号を受信するように構成され得る。様々な計測器モジュールが、様々な試験を行う及び/又は様々なDUTを試験する責任を負い得る。受信される信号は、試験信号に基づく応答信号、及び/又は試験信号により入力を促されない(例えば、試験信号に応答しない)DUTから発生する信号を含み得る。これらの信号は、本明細書で述べたように応答パケットのストリーム内のホストコンピュータへの出力のためのデータとしてフォーマット化され得る。この点に関し、たとえパケットが「応答」パケットと呼ばれても、これらの信号は、ホストコンピュータから受信される情報に必ずしも応答しないデータを含み得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、ホストコンピュータ12は、適切なイーサネットベース通信ネットワークを含み得るコンピューターネットワーク22上で計測器モジュールと通信する。例えば、ネットワーク22は、LAN、広域ネットワーク(WAN:wide area network)又はそれらの組み合せであってもよいしそれらを含んでもよい。ネットワークは、例えば伝送コントロールプロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP:Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP:User Datagram Protocol)/IP)を含む様々なモード又はプロトコル下の通信を提供し得る。いくつかの実施形態では、ネットワーク22は、データパケットが表すものを変更するための処理など非ルーティング機能を行うこと無くイーサーネット25上でデータパケットのイーサネットフレームを転送するように構成されたスイッチ24を含む。例えば、スイッチは、ネットワークに沿ったパケットの送信のためだけに構成され得るが、いくつかのインターネットベースルータのように計算機能を行うように構成されなくてもよい。いくつかの実施形態では、ネットワーク22はインターネットを含まないが、これは要件ではない。
【0029】
図1の例では、ATE10は、計測器モジュール出力15をデバイスインターフェース基板(DIB:device interface board)16へ接続する接続インターフェース14を含む。接続インターフェース14は、それぞれの計測器モジュールとDIB16との間で信号をルーティングするためのコネクタ20又は他の装置を含み得る。例えば、接続インターフェースは、このようなコネクタが取り付けられる1つ以上の回路基板又は他の基板を含み得る。他のタイプの接続が使用され得る。
【0030】
図1の例では、DIB16は試験ヘッド11へ電気的及び機械的に接続する。DIBは、1つ以上のDUT(例えばサイト当たり1つのDUT)が接続し得るピン、トレース、又は電気的及び機械的接続の他の点を含み得るサイト21を含む。試験信号、応答信号及び他の情報は、DUTと計測器モジュール13A~13Nとの間のサイト上で伝わる。DIB16は又、数ある中でも特に、計測器モジュール間で信号をルーティングするためのコネクタ、導電性トレース、及び回路構成を含む。
【0031】
図2図5は、本明細書で説明される例示的通信プロトコルにおいて採用され得るデータパケットの例を示す。図2図5に示す特徴は、一例であり、したがってプロトコルの説明において使用される特徴に限定される。各パケットは同図に示されない追加特徴を含み得るし含むことになる。さらに、例示的プロトコルは図2図5に示されるパケットの構造に限定されない。任意の適切なパケット構造が使用され得る。
【0032】
図2は制御パケット27の例示的構造を示す。示されるように、制御パケット27は複数スロット28a~28dを含む(1つのスロットが、各計測器モジュールへ宛てられたデータを保持する)。4つのスロットだけが描写されるが、任意の適切な数のスロットが使用され得る。説明したように、スロットはモジュールID(M)により指標を付けられ得、適切な計測器モジュールが対応スロットからデータへアクセスすることを可能にする。いくつかの実施形態では、スロットは、例えば当該計測器モジュールMからホストコンピュータにより受信された最後のデータパケットのシーケンス番号(S)、及び同シーケンス番号に続いて検出されたギャップの数(L)(例えば、最後のシーケンス番号に続いて紛失したパケットの数)を含み得る。制御パケットは又、計測器モジュールに関連してホストコンピュータにより経験されるネットワーク輻輳の量を示す値(C)を含む。ネットワーク輻輳の量は、計測器モジュールのすべてによりアクセス可能及び使用可能なグローバル情報29の一部分である。グローバル情報は、輻輳ウィンドウ制御情報又は他の適切なデータ流れ制御情報などの規定されたもの以外の情報を含み得る。本明細書で述べたように、この情報は、データをホストコンピュータへ送信する速度を制御するために計測器モジュールにより使用され得る。
【0033】
図3は確認応答パケット30の例示的構造を示す。確認応答パケット30は、ホストコンピュータと計測器モジュールとの間のデータパケットの流れを修理するために使用され得る修理情報32を含み得る。修理情報の例は、限定しないが、制御パケットから判断される一系列のデータパケット内の紛失データパケットを含む。いかなる修理も特定ケースにおいて必要とされなければ、現在のパケット流れが正確であり修理は必要ないということを示す肯定確認応答が送信され得る。確認応答パケットは又、パケットを送信する計測器モジュールを識別するモジュールID 34を含む。
【0034】
図4は、コンテンツパケット39(例えばホストコンピュータから様々な計測器モジュールへ実体的データを送信するパケット)の例示的構造を示す。この例では、コンテンツパケットはメッセージ40を含む。この例では、メッセージ40はシーケンス番号(S)、操舵情報及び命令を含む。シーケンス番号は、パケットのストリーム内の対象パケットの位置を数値的に識別し、そして紛失パケットが再送信され得るようにコンテンツパケットの順番を追跡するために使用される。例えば、確認応答パケットは、ホストコンピュータに対し、計測器モジュールにより受信された最後のシーケンス番号を識別し得る。必要に応じて、ホストコンピュータは紛失パケットを再送信するためにこの情報を使用し得る。操舵情報は、どの計測器モジュールがどの資源(例えばDUT又は他のターゲット)に作用すべきかを識別するために使用される。命令は、選択された計測器モジュールが資源に対しどの行為を実行すべきかを示す。
【0035】
図5は、応答パケット42の例示的構造を示す。応答パケット42はシーケンス番号(群)44を含む。既に述べたように、シーケンス番号は、パケットのストリーム内の対象パケットの位置(例えばパケットのストリームのうちの現在のパケットの数値的位置)を数値的に識別する。例えば、パケットのシーケンス番号が5であれば、このことは、パケットがストリーム内の第1、第2、第3、及び第4番目のパケットに続いて出力される第5番目のパケットであるということを意味する。応答パケットは又、DUTからの試験結果、DUTに関するステータス情報、計測器モジュールに関するステータス情報、及び/又は任意の他の適切な情報のうちのすべて又は一部などの情報45を含み得る。応答パケットは又、パケットを送信しているモジュールを識別するモジュールID 46を含む。
【0036】
図6は、本明細書で説明される例示的伝送プロトコルを採用する例示的プロセス60を示すフローチャートである。ホストコンピュータにより行われる操作はホスト側61に対するものであり、1つ以上の計測器モジュールにより行われる操作は計測器モジュール側62に対するものである。動作中、ホストコンピュータはコンテンツパケットを計測器モジュールへ同報通信する(63)。計測器モジュールはコンテンツパケットを受信し(64)、コンテンツパケットに基づき必要である処理は何でも行い、各計測器モジュールはユニキャストを介し応答パケットを送信する(65)。ホストコンピュータは応答パケットを受信する(66)。応答パケット内の情報を使用することにより、ホストコンピュータは、計測器モジュールへ定期的に同報通信する制御パケット内に含むべき情報を判断することができる。
【0037】
さらに具体的には、ホストコンピュータは制御パケットを定期的に(例えば、N(例えば、N≧1)ミリ秒(ms)毎に)同報通信する(67)。制御パケットは、現在のパケット紛失及びホストコンピュータ輻輳ステータスに依存して1つ以上のシステムパラメータを適応的に変更し得る。いくつかの実施形態では、各制御パケットは、各計測器モジュールとホストコンピュータとの間の各現在活性なデータフローのトラフィックステータスとホストコンピュータの入力待ち行列ステータスとを含む。いくつかの実施形態では、各制御パケットは、基準位置に対するM×4のオフセットにおける各計測器モジュールID,Mの以下の情報を含み得る:
S:計測器モジュールから受信された最後のパケットのシーケンス番号。
L:シーケンス番号S後の検出されたギャップの数(例えば脱落パケットの数)。
【0038】
いくつかの実施形態では、各制御パケットは、各計測器モジュールID,Mに関連するそしてそれにより使用可能な以下のグローバル情報を含み得る。
C:ホストコンピュータの入力待ち行列長さに基づく輻輳予測を示す数。
【0039】
SとLは応答パケット内の情報から判断され得る。さらに具体的には、通信過程の一部として、ホストコンピュータは、1つ以上のコンテンツパケットに応答してもしなくもよい応答パケットを計測器モジュールから受信する。既に述べたように、応答パケットは、既に送信されたコンテンツパケットに応答してユニキャストを介し受信され得る。ホストコンピュータは、応答パケット内のモジュールID,Mから応答パケットを送信した計測器モジュールを識別する。ホストコンピュータは、以前に受信された応答パケットのコンテンツに基づきS及びLの値を判断し、モジュールID,Mのそれらの値を更新する。更新された値は次の制御パケット内の送信のためにホストコンピュータ上のメモリ内に格納され得る。例示的実施形態では、ホストコンピュータは、Sの値と、パケットがSと以前に受信されたパケットとの間で紛失しているかどうかとを、受信された応答パケットに基づき判断する。紛失しているパケットがあれば、ホストコンピュータは紛失しているパケットの数をLとして示す(ここで、Lは、最新応答パケットからのSの値と直前の応答パケットからのSの値との差により判断される)。ホストコンピュータは又、ホストコンピュータの輻輳レベルに基づきある値をCへ割り当てる。S、L及びCの値は、計測器モジュールへ同報通信される(67)制御パケットへ取り込まれる(この例では、SとLはオフセットM×4で取り込まれる)。他の例では、S、L及びCの値は1つ以上の他の適切なオフセット値で制御パケットへ取り込まれ得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、各計測器モジュールID,Mは制御パケット(68)を受信し、オフセットM×4における4バイトワードに基づき、SとLの値を判断する(69)。これらの値に基づき、計測器モジュールは、待つべきか、修理情報をホストコンピュータへ送信すべきか、又は肯定確認応答をホストコンピュータへ送信すべきかを判断する。その間に、追加のコンテンツパケットが計測器モジュールへホストコンピュータにより同報通信され得(70)、追加の応答パケットは計測器モジュールからホストコンピュータへユニキャストを介し送信され得る(71)。
【0041】
この点に関し、制御パケットの受信に続いて、計測器モジュールは、当該計測器モジュールの値が存在するかどうかを判断するために、適切なオフセットにおける制御パケットを探索する。値が見つかると、計測器モジュールはMに関連付けられたS、L及びC値を制御パケットから取得する。Cが計測器モジュールのパケット送信速度の変化を規定すれば、計測器モジュールはそれに応じてその送信速度を調整する。Sが、計測器モジュールからホストコンピュータへ送信された最後のパケットと同じ値を有すれば、肯定確認応答が適切な時間に送信され得る。Sが、計測器モジュールからホストコンピュータへ送信された最後のパケットのSの値より小さい値を有すれば、他の行動が取られ得る。例えば、計測器モジュールは、送信された最後のSパケットに続くL個のパケットを再送信し得る。これはホストコンピュータへの次の確認応答パケット内で行われてもよいし、計測器モジュールがL個のパケットを送信することを遅延させてもよい。図6の例は遅延を示す(69)。
【0042】
この点に関し、いくつかの実施形態では、各計測器モジュールは構成可能遅延カウンタを維持し得る。構成可能遅延カウンタは、どれくらい長く計測器モジュールが修理情報を送信するために待つことになるかを規定する数(D)まで計数し得る。例えば、Dは、計測器モジュールが修理情報をホストコンピュータへ送信する前に計測器モジュールにより受信される制御パケットの数を定義し得る。したがって、Sが、計測器モジュールからホストコンピュータへ送信された最後のパケットのSの値より小さい値を有すれば、計測器モジュールは、これがD回連続で発生するかどうかを見るために待ち得る(すなわち、Sは、計測器モジュールにより受信された制御パケットの数Dの計測器モジュールからホストコンピュータへ送信された最後のパケットのSの値より小さい値を有する)。そうであれば、計測器モジュールは、修理情報を含む確認応答パケット(限定しないが、受信されたS値パケットに続くL個のパケットを含み得る)を送信する。待つことは、現在送信中であるがホストコンピュータにより未だ受信されていないトラフィックを再送信する機会を低減するために行われ得る。図6の例では、次の制御パケットを待つということが判断される(69)。
【0043】
この点に関し、タイマが、計測器モジュールへの新しい制御パケットの同報通信(72)をトリガする。新しい制御パケットは、計測器モジュールM毎に、S、L及びCの更新された値を含む。各計測器モジュールは新しい制御パケットを受信する(73)。制御パケットを受信する各計測器モジュールは、Cの更新された値に基づきその送信を調整し得る。加えて、制御パケットを受信する各計測器モジュールは、モジュールID,Mにより、計測器モジュールへ指標を付けられたSパラメータ及びLパラメータを識別し得る。次に、各計測器モジュールは、以下に述べるように、修理パケット又は確認応答パケット内の肯定確認応答を送信すべきかどうかを判断し得る(74)。この例では、回数(D)が満たされたので、「非肯定」確認応答信号が送信される(75)。確認応答信号は修理情報(例えば、計測器モジュールからホストコンピュータへのストリームを紛失したので、制御パケットにより識別されたデータパケットのうちの1つ以上のデータパケット)を含み得る。プロセス60の例示的実施形態が以下に説明される。
【0044】
一例では、Dの2の値を想定する。この例では、ホストコンピュータの入力待ち行列は、ホストコンピュータが輻輳の中程度警告をモジュールへ送信するべきであるということを示す(例えばC=2)。この例では、モジュールIDは32パケット90、91及び92を紛失し;モジュールID 75はパケット11及び12を紛失し;モジュール100はパケットを紛失せず、45の最後のS値を有する。この例では、制御パケットは、C=2並びにモジュールID 32の[89,3]、モジュールID 75の[10,2]、及びモジュールID 100の[45、0]のS、L値を含む。ホストコンピュータは、Cの上記値及び各計測器モジュールの[S,L]値を含む制御パケットを同報通信する。この同報通信は、本明細書で述べたように、LANなどのイーサネットベースネットワークを経由して送信され、定期的同報通信過程の一部分である。3つのモジュールだけがここでは示されるが、任意の適切な数の計測器モジュール(例えば、いくつかのケースでは200以上の計測器モジュール)の情報が制御パケットに含まれ得る。
【0045】
C=2であるので、制御パケットの受信に続いて、あらゆる活性モジュール(例えばモジュール32、75、100)は2の規定輻輳レベルに従ってその送信速度を低減することになる。又、D=2であるので、各モジュールは、肯定確認応答信号が順番通りでない限り、第1の制御パケットの受信に続いて行動しないことになる。肯定確認応答信号が順番通りでなければ、必要に応じ、各計測器モジュールは、先の制御パケット内のものと同じ情報のすべて又はいくつかを含む第2の制御パケットが受信されるまで待つことになる。例えば、次の制御パケットは、モジュール75がすべて回復したということと、モジュール32がパケット91、92を依然として紛失しているということと、輻輳が解除されしたがってC=0であるということとを示し得る。すなわち、次の制御パケットはC=0並びに[90,2],[15,0],及び[45,0]のS、L値を含む。この例では、この次の制御パケット(すなわちD=2)の受信に続いて、あらゆる活性モジュールは、C=0に対応するためにその送信速度を増加することになり、モジュール32は、第2の制御パケットに応答する1つ以上の確認応答パケットの一部としてパケット91、92をユニキャストを介しホストコンピュータへ再送信する。他の計測器モジュールはユニキャストを介し肯定確認応答を送信する。
【0046】
別の例では、図7において、制御パケット4890 80がすべての活性計測器モジュール81a、81b、81cへ同報通信される。C=2は、ホストコンピュータの入力待ち行列長さに基づくある輻輳の存在を示す。制御パケットの受信に応答して、すべての計測器モジュールはC=2の適切な速度でデータを送信するために減速する。モジュール1はS=5000を識別し、肯定確認応答パケットに応答する。肯定確認応答パケットは、この例では、すべてのパケットが現在のパケット流れ内で送信及び受信されたということを示すデータを含む。モジュール39は、紛失している7つのパケットを制御パケット4890 80に基づき識別し、D=2制御パケットが受信されるまで待つ。モジュール158は、紛失している1つのパケットを制御パケット4890 80に基づき識別し、D=2制御パケットが受信されるまで待つ。上に示したように、D=2を待つことは、輸送中のいくつかのパケットが現在の制御パケット内で受信されたときにまだ反映されていない場合に次の制御パケットを待つことを意味する。
【0047】
次の制御パケット4891 83はすべての活性計測器モジュールへ同報通信される。各計測器モジュールはこの制御パケットを受信するので、この場合D=2であり、計測器モジュールは必要に応じ修理情報に応答し得る。この制御パケットにおいて、C=0は輻輳が軽減されたということを示し、すべての計測器モジュールはそれらの通常又は最大速度で同報通信し得る。モジュール1はS=5000であることを識別し、肯定確認応答パケットに再び応答する。モジュール39は、パケット4006、4007が依然として紛失しているということを制御パケット4891 83に基づき識別し、パケット4006、4007を1つ以上の確認応答パケットの一部分としての修理情報として計測器モジュールへ送信する。モジュール158はS=2001であることを識別し、このことはすべてのパケットが受信されたということを意味する。したがって、モジュール158は肯定確認応答パケットをホストコンピュータへ送信する。
【0048】
本明細書で説明した例示的試験プロトコルを使用して行われる試験は、ハードウェア又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを使用して実施され得る。例えば、本明細書で説明されたような試験システムは、自動化された要素の動作を制御するためにシステム内の様々な点に位置する様々なコントローラ及び/又は処理装置を含み得る。中央コンピュータが、様々なコントローラ又は処理装置間の動作を全体的に調整し得る。中央コンピュータ、コントローラ、及び処理装置は、様々な自動化要素の制御及び全体的調整を行うために様々なソフトウェアルーチンを実行し得る。
【0049】
本明細書で説明された技術は、自動試験装置又は任意の他の適切な計算装置により行われ得る。本技術は、1つ以上のコンピュータプログラム製品(例えば、実行のために又は1つ以上のデータ処理装置(例えば、プログラム可能プロセッサ、コンピュータ、複数のコンピュータ及び/又はプログラマブルロジック部品)の動作を制御するために、1つ以上の非一時的機械可読媒体など1つ以上の情報キャリア内に有形に具現化された1つ以上のコンピュータプログラム)を使用することにより少なくとも部分的に制御され得る。
【0050】
コンピュータプログラムは、コンパイル型又はインタープリタ型言語を含み任意の形式のプログラミング言語で書かれ得、任意の形式(スタンドアロンプログラムとして又はモジュール、部品、サブルーチン、又はコンピュータ環境内の使用に好適な他のユニットとして、を含む)で配備され得る。コンピュータプログラムは、1つのサイトにおいて1つのコンピュータ又は複数のコンピュータ上で実行されるように配備され得る、又は複数のサイトにわたって分散されネットワークにより相互接続されるように配備され得る。
【0051】
試験のうちのすべて又は一部を実施することに関連する行為は、本明細書で述べた機能を行うために1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラム可能プロセッサにより行われ得る。試験のうちのすべて又は一部は、専用論理回路構成、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ:field programmable gate array)及び/又はASIC(特定用途向け集積回路:application-specific integrated circuit)を使用することにより実施され得る。
【0052】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサは、一例として、汎用及び専用マイクロプロセッサと、任意のタイプのデジタルコンピュータの一つ又は複数のプロセッサとの両方を含む。通常、プロセッサは、読み取り専用記憶領域又はランダムアクセス記憶領域から又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータ(サーバを含む)の要素は、指示を実行するための1つ以上のプロセッサと、指示及びデータを格納するための一つ又は複数の記憶領域装置とを含む。通常、コンピュータは又、データを格納するための大量記憶装置など1つ以上の機械可読記憶媒体(例えば、磁気、光磁気ディスク、又は光ディスクなど)を含むことになる、又はそれらからデータを受信する又はそれらへデータを送信する又はその両方を行うように作動可能に結合されることになる。コンピュータプログラム指示及びデータを具現化するのに好適な機械可読記憶媒体は、一例として半導体記憶領域装置、例えばEPROM、EEPROM、フラッシュ記憶領域装置;磁気ディスク、例えば内蔵ハードディスク又は取り外し可能ディスク;光磁気ディスク;CD-ROM及びDVD-ROMディスクを含むすべての形式の不揮発性記憶領域を含む。
【0053】
本明細書で使用される任意の「電気的接続」は、直接的物理的接続、又は介在部品を含む又は含まないがそれにもかかわらず電気信号が接続部品間で流れるようにする有線又は無線接続を意味し得る。信号が2点間で流れることを可能にする本明細書で述べる電気回路構成に関与する任意の「接続」は、別途記載のないかぎり、電気的接続であるが、用語「電気的」が「接続」を修正するために使用されるかどうかにかかわらず必ずしも直接的物理的接続ではない。
【0054】
本明細書で述べた様々な実施形態の要素は、上に具体的に記載されない他の実施形態を形成するために組み合わせられ得る。要素は、それらの動作に悪影響を与えることなく、本明細書で述べた構造から省かれ得る。さらに、様々な要素が、本明細書で述べた機能を行うために1つ以上の個々の要素へ組み合わせられ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7