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▶ クンシャン ゴー−ビシオノクス オプト−エレクトロニクス カンパニー リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】異形スクリーン及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20220421BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20220421BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/30 308Z
G02F1/1345
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019564854
(86)(22)【出願日】2018-09-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 CN2018104639
(87)【国際公開番号】W WO2019218544
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2019-11-22
(31)【優先権主張番号】201810455765.2
(32)【優先日】2018-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516189213
【氏名又は名称】クンシャン ゴー-ビシオノクス オプト-エレクトロニクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Kunshan Go-Visionox Opto-Electronics Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone, Kunshan, Jiangsu 215300, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チン シュ
(72)【発明者】
【氏名】フアン シューチー
(72)【発明者】
【氏名】チャン ティンティン
(72)【発明者】
【氏名】チャン ルー
(72)【発明者】
【氏名】フー シミン
(72)【発明者】
【氏名】ハン チェンチェン
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/043429(WO,A1)
【文献】特開2017-003660(JP,A)
【文献】米国特許第05270693(US,A)
【文献】中国特許出願公開第104332132(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0061893(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0291378(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
G09G 3/00 - 5/42
G02F 1/1345
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素エリア及び前記画素エリアの外側にある異形境界を含む異形表示エリアと、
前記異形境界の外側に設けられ、前記異形表示エリアをパッケージするためのパッケージエリアと、
前記異形境界と前記パッケージエリアとの間にあり、前記異形境界から前記パッケージエリアへ向かう方向に従って一本ずつ配線され、複数のデータ線と複数の走査線とを含む複数の接続回線と、
前記異形境界と前記パッケージエリアとの間に配置された複数のデータ信号ユニットであって、前記複数のデータ線は前記データ信号ユニットと前記パッケージエリアとの間に配置されており、前記データ信号ユニットのそれぞれは、対応の前記データ線を介して前記異形表示エリアにおける対応の画素と接続されている複数のデータ信号ユニットと、
前記複数のデータ線と前記パッケージエリアとの間に配置された複数の駆動回路ユニットであって、前記複数の走査線は前記複数のデータ線と前記駆動回路ユニットとの間に配置されており、前記駆動回路ユニットのそれぞれは、対応の前記走査線を介して前記異形表示エリアの画素と接続されている複数の駆動回路ユニットと、
を含む異形スクリーンであって、
前記異形境界から前記パッケージエリアへ向かう方向に従って、各接続回線は順次に前記画素エリアの画素と接続され、前記異形境界に近い側の一本のデータ線が対応のデータ信号ユニットと接続された後、残りの各データ線の全体は、前記複数のデータ線がコンパクトな配線で且つ全体的に前記異形境界に寄って配線されるように、前記異形境界側へ曲がって配線されており、前記パッケージエリアに近い側の一本の走査線が対応の駆動回路ユニットと接続された後、残りの各走査線の全体は、前記複数の走査線がコンパクトな配線で且つ全体的に前記パッケージエリアに寄って配線されるように、前記パッケージエリア側へ曲がって配線されている、ことを特徴とする異形スクリーン。
【請求項2】
前記異形表示エリアの前記画素エリアは二つの突起エリアを含み、前記二つの突起エリアとの間に凹部が形成され、前記突起エリアの前記凹部に近い辺が前記異形境界を形成し、前記異形境界は弧形構造である、ことを特徴とする請求項1に記載の異形スクリーン。
【請求項3】
複数の補償負荷を更に含み、
前記補償負荷は前記突起エリアの一つの辺に配置され、前記補償負荷の所在する辺は前記異形境界と隣り合い、
前記接続回線のそれぞれは、前記補償負荷と前記突起エリアにおける対応の画素とを接続するものである、ことを特徴とする請求項2に記載の異形スクリーン。
【請求項4】
前記突起エリアの画素は行と列に並び、
前記補償負荷のそれぞれは、対応の接続回線を介して前記突起エリアにおける対応の行の画素と接続されており、
前記異形境界から前記パッケージエリアへ向かう方向に従って、各接続回線は順次に前記画素エリアの画素と接続され、前記異形境界に最も近い一本の接続回線が対応の画素と先に接続された後、残りの各接続回線は、前記複数の接続回線の配線がコンパクトになるように、順次に前記異形境界側へ曲がって配線されている、ことを特徴とする請求項3に記載の異形スクリーン。
【請求項5】
前記補償負荷はコンデンサであることを特徴とする請求項3に記載の異形スクリーン。
【請求項6】
前記異形表示エリアは扇形表示エリアを含み、前記異形境界は前記扇形表示エリアの弧形の境界であることを特徴とする請求項に記載の異形スクリーン。
【請求項7】
前記パッケージエリアと前記複数の接続回路との間に配置されている陰極電源コードを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の異形スクリーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスクリーンの技術分野に関し、特に異形スクリーン及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示パネルの設計において、画面占有率が高いことが望まれている一方、スピーカーやカメラなどの必要部品を取り除いてはいけないことになっている。そこで、上記要望に応えるために、スクリーンの局部にノッチをあけたり、例えばスクリーンの四つの角部を円弧形にしたりすることが考えられる。通常の矩形のスクリーンに対して、上記のようにノッチ又は円弧形角部を有するスクリーンは異形スクリーンと呼ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
異形スクリーンは既にトレンドになっている。通常、異形スクリーンは異形表示エリアと、異形表示エリアの外側にある配線エリアとを含む。異形表示エリアの走査線、データ線又はその他の補償回路接続線が配線エリアに配置されている。ここで、走査線、データ線又はその他の補償回路の接続線はそれぞれ異形表示エリアにおける対応の行の画素と接続されている。通常形状の表示エリアと比べて、異形表示エリアの外側での配線はより複雑で混んでしまうため、所要空間がより広くなり、異形スクリーンの異形表示エリアが対応するベゼルを狭くすることが難しい。
【0004】
そこで、本発明は、異形スクリーンの異形表示エリアの狭いベゼルを実現できる異形スクリーン及び表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による異形スクリーンは、画素エリア及び前記画素エリアの外側にある異形境界を含む異形表示エリアと、前記異形境界の外側に設けられて前記異形表示エリアをパッケージするためのパッケージエリアと、前記異形境界と前記パッケージエリアとの間にあり、前記異形境界から前記パッケージエリアへ向かう方向に従って一本ずつ配線された複数の接続回線とを含み、各接続回線は前記異形境界から前記パッケージエリアへ向かう方向に従って順次に前記画素エリアの画素と接続され、前記異形境界に近い側の一本の接続回線が対応の画素と接続された後、残りの各接続回線の全体は、前記複数の接続回線がコンパクトな配線で且つ全体的に前記異形境界に寄って配線されるように、前記異形境界側へ曲がって配線されている。
【0006】
一実施例では、前記異形表示エリアの前記画素エリアは二つの突起エリアを含み、前記二つの突起エリアの間に凹部が形成され、前記突起エリアの前記凹部に近い辺が前記異形境界を形成し、前記異形境界は弧形構造である。
【0007】
一実施例では、前記異形スクリーンは複数の補償負荷を更に含み、前記補償負荷は前記突起エリアの一つの辺に配置され、前記補償負荷の所在する辺は前記異形境界と隣り合い、前記接続回線のそれぞれは、前記補償負荷と前記突起エリアにおける対応の画素とを接続するものである。
【0008】
一実施例では、前記突起エリアの画素は行と列に並び、前記補償負荷のそれぞれは、対応の接続回線を介して前記突起エリアにおける対応の行の画素と接続されており、各接続回線は、前記異形境界から前記パッケージエリアへ向かう方向に従って、順次に前記画素エリアの画素と接続され、前記異形境界に最も近い一本の接続回線が対応の画素と先に接続された後、残りの各接続回線は、前記複数の接続回線の配線がコンパクトになるように、順次に前記異形境界側へ曲がって配線されている。
【0009】
一実施例では、前記補償負荷はコンデンサである。
【0010】
一実施例では、前記異形スクリーンは複数のデータ信号ユニットを更に含み、前記複数のデータ信号ユニットは前記異形境界と前記パッケージエリアとの間に配置されており、前記接続回線は複数のデータ線を含み、前記複数のデータ線は前記データ信号ユニットと前記パッケージエリアとの間に配置されており、前記データ信号ユニットのそれぞれは、対応の前記データ線を介して前記異形表示エリアにおける対応の画素と接続されており、前記異形境界に近い側の一本のデータ線が対応のデータ信号ユニットと接続された後、残りの各データ線の全体は、前記複数のデータ線がコンパクトな配線で且つ全体的に前記異形境界に寄って配線されるように、前記異形境界側へ曲がって配線されている。
【0011】
一実施例では、前記異形スクリーンは複数の駆動回路ユニットを更に含み、前記接続回線は更に複数の走査線を更に含み、前記複数の駆動回路ユニットは前記複数のデータ線と前記パッケージエリアとの間に配置されており、前記複数の走査線は前記複数のデータ線と前記駆動回路ユニットとの間に配置されており、前記駆動回路ユニットのそれぞれは、対応の前記走査線を介して前記異形表示エリアの画素と接続されており、前記パッケージエリアに近い側の一本の走査線が対応の駆動回路ユニットと接続された後、残りの各走査線の全体は、前記複数の走査線がコンパクトな配線で且つ全体的に前記パッケージエリアに寄って配線されるように、前記パッケージエリア側へ曲がって配線されている。
【0012】
一実施例では、前記異形表示エリアは扇形表示エリアを含み、前記異形境界は前記扇形表示エリアの円弧形の境界である。
【0013】
一実施例では、前記異形スクリーンは複数のデータ信号ユニットを更に含み、前記複数のデータ信号ユニットは前記異形境界と前記パッケージエリアとの間に配置されており、前記接続回線は複数のデータ線を含み、前記複数のデータ線は前記データ信号ユニットと前記パッケージエリアとの間に配置されており、前記データ信号ユニットのそれぞれは、対応の前記データ線を介して前記扇形表示エリアにおける対応の画素と接続されており、前記異形境界に近い側の一本のデータ線が対応のデータ信号ユニットと接続された後、残りの各データ線の全体は、前記複数のデータ線がコンパクトな配線で且つ全体的に前記異形境界に寄って配線されるように、前記異形境界側へ曲がって配線されている。
【0014】
一実施例では、前記異形スクリーンは複数の駆動回路ユニットを更に含み、前記接続回線は複数の走査線を更に含み、前記複数の駆動回路ユニットは前記複数のデータ線と前記パッケージエリアとの間に配置されており、前記複数の走査線は前記複数のデータ線と前記駆動回路ユニットとの間に配置されており、前記駆動回路ユニットのそれぞれは、対応の前記走査線を介して前記扇形表示エリアの画素と接続されており、前記パッケージエリアに近い側の一本の走査線が対応の駆動回路ユニットと接続された後、残りの各走査線の全体は、前記複数の走査線がコンパクトな配線で且つ全体的に前記パッケージエリアに寄って配線されるように、前記パッケージエリア側へ曲がって配線されている。
【0015】
一実施例では、前記異形スクリーンは、前記パッケージエリアと前記複数の接続回路との間に配置されている陰極電源コードを更に含む。
【0016】
本発明は、上記各実施例のいずれか一つに記載の異形スクリーンを含む表示装置を更に提供する。
【0017】
上記異形スクリーン及び表示装置によれば、複数の接続回線は前記異形境界と前記パッケージエリアとの間に配置され、且つ、前記複数の接続回線は前記異形境界から前記パッケージエリアに向かう方向に従って一本ずつ配線されている。複数の接続回線の配線において、前記異形境界に近い側の一本の接続回線を対応の画素と先に接続した後、残りの各接続回線の全体は前記異形境界側へ曲げて配線する。これにより、前記複数の接続回路はコンパクトな配線となり且つ全体的に前記異形境界に寄って配線されることができる。また、複数の接続回線の配線所要空間も小さくなる。複数の接続回線の所在エリアは異形表示エリアの少なくとも一部のベゼルに対応するので、複数の接続回線の配線所要空間が小さくなると、異形表示エリアのベゼルを狭くすることができ、従って異形スクリーンの異形表示エリアの狭いベゼルが実現しやすくなる。一方、複数の接続回線は異形境界に寄って配線されるが、これによってベゼルが狭くなるとともに、パッケージエリアと複数の接続回線との間に他の回線の配置が可能となり、異形スクリーンの他の回線の配線のためになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明による実施例又は従来技術での技術案をより明確に説明するため、実施例又は従来技術の説明において利用する図面について簡単に説明する。言うまでもなく、ここで説明される図面は本発明の一部の実施例に過ぎないが、当業者であれば、これらの図面に基づいて、創造的な苦労をすることなく更に他の実施例に係る図面を得ることができる。
図1】一つの実施例に係る異形スクリーンの模式図である。
図2図1における点線Aの部分の局部拡大図である。
図3図2に示す異形スクリーンの複数の接続回線の配線を示す模式図である。
図4】他の実施例に係る異形スクリーンの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態を詳しく説明する。
【0020】
図1は一実施例に係る異形スクリーン100の模式図で、図2図1における点線Aの部分の局部拡大図であり、図3図2に示す異形スクリーン100の複数の接続回線130の配線を示す模式図である。図1ないし図3に示すように、当該異形スクリーン100は、基板(図示していない)、異形表示エリア110、パッケージエリア120、及び複数の接続回線130を含む。異形表示エリア110、複数の接続回線130、及びパッケージエリア120はいずれも基板上に設けられている。
【0021】
異形表示エリア110は異形境界112及び画素エリア114を含む。異形境界112は、画素エリア114の外側にあり、画素エリア114と外部エリアの間の境界線である。異形表示エリア110の所在する表面における異形境界112の投影は、円弧形であってもよく、その他の曲線線分であってもよい。異形境界112の形状は異形表示エリア110の形状に依存する。画素エリア114は表示用の複数の画素を含む。複数の画素が行と列に並ぶのが一般的である。
【0022】
パッケージエリア120は、異形境界112の外側に設けられており、異形表示エリア110をパッケージするためのものである。
【0023】
複数の接続回線130は、異形境界112とパッケージエリア120との間にあり、異形境界112からパッケージエリア120へ向かう方向に従って一本ずつ配線されている。ここで、異形境界112からパッケージエリア120へ向かう方向に従って、各接続回線は順次に画素エリア114の画素と接続され、異形境界112に近い側の一本の接続回線が対応の画素と接続された後、残りの各接続回線の全体は、前記複数の接続回線が全体的に前記異形境界に寄って配線されるように、異形境界112へ曲がって配線されている。
【0024】
前記異形スクリーン100において、複数の接続回線130は異形境界112とパッケージエリア120との間にあり、且つ、複数の接続回線130は異形境界112からパッケージエリア120へ向かう方向に従って一本ずつ配線されている。異形境界112に近い側の一本の接続回線が対応の画素と接続された後、残りの各接続回線の全体は異形境界112側へ曲がって配線される。これにより、複数の接続回線130はコンパクトな配線となり且つ全体的に前記異形境界112に寄って配線されることができる。また、複数の接続回線130の配線所要空間も小さくなる。複数の接続回線130の所在エリアは異形表示エリア110のベゼルに対応しているため、複数の接続回線130の配線所要空間が小さくなると、異形表示エリア110のベゼルをより狭くすることができ、異形スクリーン100の異形表示エリア110の狭いベゼルが実現しやすくなる。一方、複数の接続回線130が全体的に前記異形境界112に寄って配線されることにより、ベゼルがより狭くなるとともに、パッケージエリア120と複数の接続回線130との間に更に他の回線を設けることが可能となり、異形スクリーン100の他の回線の配線のためになる。
【0025】
図1に示すように、異形表示エリア110の画素エリアは隣り合う二つの突起エリア116を含み、二つの突起エリア116の間に凹部118が形成されている。当該凹部118に対応する位置に、スピーカーや、カメラなどの補助的なデバイスを配置することができる。
【0026】
突起エリア116の凹部118側の辺は、弧形構造の異形境界112を形成する。言い換えると、異形表示エリア110と直交する方向から観察する場合、突出エリア116の凹部118側の辺は弧形となっており、当該弧形の辺により異形境界112が構成されている。突起エリア116の画素は行と列に並んでいる。ただし、突起エリア116の形状は通常の矩形ではないため、ここでの画素配列はアレイ状ではなく、つまり、行ごとに画素の数が異なる。
【0027】
図2に示すように、異形スクリーン100は複数の補償負荷140を更に含む。補償負荷140は突起エリア116の一つの辺に配置され、前記補償負荷140の所在する辺は前記異形境界112と隣り合っている。補償負荷140は二つの突起エリア116の頂上部のそれぞれに設けられている。通常の矩形のスクリーンと比べて、凹部118に対応する位置で欠けている画素が各補償負荷140で補償されることにより、異形スクリーン100に非異形スクリーン向けの駆動回路を適用することができる。ここで、非異形スクリーンとは、通常の矩形形状を有する従来のスクリーンのことである。更に、補償負荷140はコンデンサである。これにより、異形スクリーン100に対して、駆動回路を改めて設計する必要がなく、異形スクリーン100の製造コストが低減できる。
【0028】
図1図2及び図3を参照すると、複数の接続回線のそれぞれは補償負荷140と突起エリア116における対応の画素とを接続している。即ち、補償負荷140のそれぞれと突起エリア116の対応の行の画素とは、対応の接続回線により互いに接続されている。各接続回線は、配線の際、異形境界112からパッケージエリア120へ向かう方向に従って、順次に画素エリア114の画素と接続される。異形境界112に最も近い一本の接続回線が対応の画素と接続された後、残りの各接続回線は、複数の接続回線130の配線がコンパクトになるように、順次に異形境界112へ曲がって配線される。
【0029】
具体的に、図3に示すように、補償負荷140は突起エリア116の頂上部に配置され、複数の接続回線は異形境界112に沿って突起エリア116の頂上部から凹部118の底部へ向かって配線されている。これに応じて、突起エリア116の画素のうち、突起エリア116の頂上部に最も近い行の画素を一行目画素1と定義し、凹部118の底部に最も近い行の画素を最終行画素と定義し、一行目画素1と最終行画素との間の画素行については順次に順位を付ける。複数の接続回線130は異形境界112からパッケージエリア120へ向かう方向に従って一本ずつ配線されている。接続回線と直交する方向において、異形境界112に最も近い側の接続回線を第一の接続回線11と定義し、異形境界112から最も遠い側の接続回線を最終接続回線と定義し、第一の接続回線11と最終接続回線との間の接続回線については順次に順位を付ける。異形境界112に最も近い側の接続回線が先に突起エリア116の画素と接続される。即ち、第一の接続回線11と突起エリア116の一行目画素1とが先に接続される。それから、残りの接続回線は全体的に異形境界112側へ曲がり、つまり、残りの接続回線はできる限り異形境界112に近づくように配線される。図3に示すように、第一の接続回線11が一行目画素1と接続された後、残りの接続回線は第一の曲がりエリア33を形成する。第二の接続回線22が突起エリア116の二行目画素2と接続された後、残りの接続回線はできる限り異形境界112に近づくように異形境界112側へ曲がる。残りの接続回線もこのように配線されていく。図3に示すように、第二の接続回線22が二行目画素2と接続された後、残りの接続回線は異形境界側へ曲がって第二の曲がりエリア44を形成する。残りの接続回線の配線方法は同様である。このように、複数の接続回線130の配線はコンパクトになり、空間の節約ができる。
【0030】
例えば、図3に示すように、一実施例に係る異形スクリーン100において、パッケージエリア120と異形境界112との間の距離が一定である場合、従来の配線方法では複数の接続回線130とパッケージエリア120との間の距離が僅かの154μmしかないことが、テストによって判った。これに対して、同様な異形スクリーン100に対して本発明の配線方法で複数の接続回線130を配線すれば、複数の接続回線130とパッケージエリア120との間の距離を279μmにすることができる。これにより、本実施形態による異形スクリーン100において複数の接続回線130の所要空間がより小さいことが十分に証明されている。よって、パッケージエリア120から異形境界112までの距離を許容の範囲内で縮めることが可能で、つまり、異形表示エリアのベゼルを一層狭くすることが可能となる。或いは、異形表示エリアのベゼルを狭くするとともに、パッケージエリア120と複数の接続回線130との間に他の回路を更に配置してもよい。
【0031】
図3に示すように、異形スクリーン100は陰極電源コードを更に含む。陰極電源コードは基板上の陰極配線エリア150に配置されており、当該陰極配線エリア150はパッケージエリア120と複数の接続回線130との間にある。具体的に、複数の接続回線130の配線がコンパクトで所要空間が小さいため、複数の接続回線130とパッケージエリア120との間が陰極電源コードの配線のための配線空間を提供することが可能である。陰極電源コードは、複数の接続回線130とパッケージエリア120との間に配置されることができるため、配線されやすい。
【0032】
図4は他の実施例による異形スクリーンの構成を示す模式図である。図4に示すように、異形表示エリアは扇形表示エリア210を含む。異形境界212は扇形表示エリア210の円弧形の境界である。上記突起エリアと同じように、扇形表示エリア210の画素も行と列に並んでいる。
【0033】
図4に示すように、異形スクリーン200は、異形境界212とパッケージエリア220との間に配置されている複数のデータ信号ユニット241を更に含む。複数のデータ信号ユニット241によって異形スクリーン200の走査回路が構成されている。また、接続回線は、データ信号ユニット241とパッケージエリア220との間に配置されている複数のデータ線232を含む。複数のデータ信号ユニット241のそれぞれは、対応のデータ線232を介して扇形表示エリア210における対応の画素と接続されている。異形境界212に近い側の一本のデータ線232が対応のデータ信号ユニットと接続された後、残りの各データ線232の全体は、異形境界212側へ曲がって配線され、これにより、複数のデータ線232はコンパクトな配線となり且つ異形境界212に寄って配線され、空間の節約ができる。
【0034】
図4において、データ信号ユニット241は下から上へと並び、最も下にあるのが一番目のデータ信号ユニット241で、最も上にあるのが最終のデータ信号ユニット241であって、一番目のデータ信号ユニット241と最終のデータ信号ユニット241との間のデータ信号ユニット241は順次に順位を付けられている。各データ線232と直交する方向において、一番目のデータ信号ユニット241に最も近い側のデータ線232が一番目のデータ線232で、これに応じて、一番目のデータ線232と直交する方向において、一番目のデータ線232から最も離れているデータ線232が最終のデータ線232であって、一番目のデータ線232と最終のデータ線232との間のデータ線232は順次に順位を付けられている。データ線232の配線過程において、データ線232は下から上へと配線された。一番目のデータ線232で一番目のデータ信号ユニット241と扇形表示エリア210における対応の画素とは接続されている。残りのデータ線232と対応のデータ信号ユニット241との間の接続関係に関しても同じようにされ、例えば、二番目のデータ線232は二番目のデータ信号ユニット241と接続されている。一番目のデータ線232が一番目のデータ信号ユニット241と接続された後、残りのデータ線232の全体は異形境界212側へ曲がって配線される。二番目のデータ線232が二番目のデータ信号ユニット241と接続された後、残りのデータ線232の全体は異形境界212側へ曲がって配線される。残りのデータ線232の配線に関しても、最終のデータ線232が最終のデータ信号ユニット241と接続されるまで、同じように曲がって配線される。このように、すべてのデータ線232の配線がコンパクトになり、空間の節約ができる。
【0035】
図4に示すように、異形スクリーン200は複数の駆動回路ユニット243を更に含む。接続回線は複数の走査線234を更に含む。複数の駆動回路ユニット243は複数のデータ線232とパッケージエリア220との間に配置されている。複数の駆動回路ユニット243によって異形スクリーン200の駆動回路が構成されている。複数の走査線234は複数のデータ線232と駆動回路ユニット243との間に配置されている。駆動回路ユニット243のそれぞれは、対応の走査線234を介して扇形表示エリア210の画素と接続されている。パッケージエリア220に近い側の一本の走査線234が対応の駆動回路ユニットと接続された後、残りの各走査線234の全体はパッケージエリア220側へ曲がって配線され、これにより、複数の走査線234はコンパクトな配線となり且つ全体的にパッケージエリア220に寄って配線され、空間の節約ができる。
【0036】
具体的に、図4において、駆動回路ユニット243は上から下へと並び、最も上にあるのが一番目の駆動回路ユニット243であり、最も下にあるのが最終の駆動回路ユニット243であり、一番目の駆動回路ユニット243と最終の駆動回路ユニット243との間の駆動回路ユニット243は順次に順位を付けられている。各走査線234と直交する方向において、一番目の駆動回路ユニット243に最も近い側の走査線234が一番目の走査線234である。これに応じて、一番目の走査線234と直行する方向において、一番目の走査線234から最も離れている走査線234が最終の走査線234である。一番目の走査線234と最終の走査線234との間の走査線234は順次に順位を付けられている。走査線234の配線過程において、走査線234は上から下へと配線される。一番目の走査線234は一番目の駆動回路ユニット243及び扇形表示エリア210の対応の画素と接続される。残りの走査線234の接続関係についても同じようにされ、例えば、二番目の走査線234は二番目の駆動回路ユニット243と接続される。一番目の走査線234が一番目の駆動回路ユニット243と接続された後、残りの走査線234の全体はパッケージエリア220側へ曲がって配線される。即ち、残りの走査線234は順次に駆動回路ユニット243側へ曲がって配線される。二番目の走査線234が二番目の駆動回路ユニット243と接続された後、残りの走査線234の全体はパッケージエリア220側へ曲がって配線される。残りの走査線234の配線に関しても、最終の走査線234が最終の駆動回路ユニット243と接続されるまで、上記のように曲がって配線される。これにより、すべての走査線234の配線がコンパクトになり、空間の節約ができる。
【0037】
図4に示すように、複数の走査線234及び複数のデータ線232の配線によりそれぞれの空間節約ができる。また、複数の走査線234は駆動回路ユニット243側に寄り、複数のデータ線232はデータ信号ユニット241側に寄り、これによって、複数の走査線234と複数のデータ線232との間の間隔が広くなる。よって、走査線234及びデータ線232を設計する際に、複数の走査線234と複数のデータ線232とを互いに寄り合うように設計することができ、走査線234及びデータ線232の合計所要空間を低減する。このように、走査回路及び駆動回路が全体的に扇形表示エリア210に近づくことができ、駆動回路とパッケージエリア220との間の空間を広くすることができる。
【0038】
そのため、パッケージエリア220から異形境界212までの距離は許容の範囲内で縮めることが可能であり、従って異形スクリーン200のベゼルを狭くすることが可能である。また、ベゼルを狭くするとともに、パッケージエリア220と駆動回路との間に他の回線を配置することもできる。例えば、駆動回路とパッケージエリア220との間の空間に陰極配線エリア250を設けてもよいが、陰極配線エリア250に陰極電源コードを配置することにより、陰極電源コードの配線をより容易にすることができる。
【0039】
上記異形スクリーン200において、異形表示エリアの画素と接続されている補償負荷、データ信号ユニット241、及び駆動回路ユニット243は、複数の接続回線230の配線構成を説明するための例示に過ぎないことはご理解頂きたい。実際、複数の接続回線230の配線構成は任意な異形スクリーン200の回線に適用されることができる。
【0040】
本発明は、上記いずれか一つの実施例による異形スクリーンを含む表示装置を更に提供する。これにより、表示装置のスクリーンのベゼルをより狭くすることができる。
【0041】
上記実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができ、説明の簡素化のため、上記実施例における各技術的特徴のあらゆる組合せを説明した訳ではないが、矛盾がない限り、これらの技術的特徴の組合せは全て本明細書の記載範囲内のものと理解されるべきである。
【0042】
上記実施例は本発明のいくつかの実施形態を示したものに過ぎなく、具体的に詳細に説明されてきたが、本発明を限定する目的で提供したものではないことが理解されるべきである。当業者にとって、本発明の発想から逸脱しない限り、様々な変形や改良をしてもよく、これらの変形や改良も本発明の特許保護範囲内のものである。よって、本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって特定される。
図1
図2
図3
図4