(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】タイヤを製造するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B29D 30/32 20060101AFI20220421BHJP
【FI】
B29D30/32
(21)【出願番号】P 2019568351
(86)(22)【出願日】2018-05-11
(86)【国際出願番号】 DE2018000144
(87)【国際公開番号】W WO2018228624
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】102017005832.6
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513044038
【氏名又は名称】ハールブルク・フロイデンベルガー マシーネンバウ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】ヴァヒター マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ベーレンス アヒム
(72)【発明者】
【氏名】ランゲ・クラウエル トーマス
【審査官】弘實 由美子
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-512479(JP,A)
【文献】特開2016-007805(JP,A)
【文献】特開2013-146932(JP,A)
【文献】特開2015-083357(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 30/00-30/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生タイヤを製造するため
の方法にして、少なくとも2つのストリップ形状の材料がタイヤ構成ドラム(1)上に位置決めされ、また、少なくとも2つのコアがセットされる方法であって、
前記タイヤ構成ドラム(1)が、コアクランプ部(11)及びコア固定部(12)を備えられ、
前記タイヤ構成ドラム(1)が、1つの中心部品(7、8)及び前記中心部品(7、8)の隣に配設されている両側の2つのドラム半体(4、5)から形成される方法において、
複数の前記中心部品(7、8)の複数の指部セグメントが、
補強ストリップを収容することを可能にする複数のポケット(18)を形成する輪郭を有して設計されており
、
前記補強ストリップは負圧(19)の吸い込みによって前記ポケット(18)に固定されること、
を特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記ドラム半体(4、5)が軸方向で位置決め可能であること、
を特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、
前記中心部品(7、8)が半径方向(6)にて可変的な直径を備えられること、
を特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法において、
前記中心部品(7、8)の半径方向での直径拡大が前記コアをセットする前に実行されること、
を特徴とする方法。
【請求項5】
生タイヤを製造するため
の装置にして、少なくとも2つのストリップ形状の素材がタイヤ構成ドラム(1)上に位置決めされ、また、少なくとも2つのコアがセットされる装置であって、
前記タイヤ構成ドラム(1)が、コアクランプ部(11)及びコア固定部(12)を設けられおり、
前記タイヤ構成ドラム(1)が、1つの中心部品(7、8)及び前記中心部品(7、8)の隣に配設されている両側の2つのドラム半体(4、5)から形成されている装置において、
複数の前記中心部品(7、8)の複数の指部セグメントが、
補強ストリップを収容することを可能にする複数のポケット(18)を形成する輪郭を有して設計されており
、
前記補強ストリップは負圧(19)の吸い込みによって前記ポケット(18)に固定されること、
を特徴とする装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置において、
前記ドラム半体(4、5)が軸方向に位置決め可能であること、
を特徴とする装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の装置において、
前記中心部品(7、8)が半径方向(6)にて変更可能な直径を有していること、
を特徴とする装置。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか一項に記載の装置において、
前記中心部品(7、8)の半径方向での拡大によりカーカス繊維を延伸させることが、前記コアをセットする前に、実行可能であること、
を特徴とする装置。
【請求項9】
請求項6に記載の装置において、
前記ドラム半体(4、5)が互いに独立して位置決め可能であること、
を特徴とする装置。
【請求項10】
請求項5又は6に記載の装置において、
少なくとも1つコアセット部(20)が軸方向にて位置決め可能であること、
を特徴とする装置。
【請求項11】
請求項5又は6に記載の装置において、
コアセット部(20)が展開された前記中心部品(7、8)に対して軸方向に締め付け固定可能であること、
を特徴とする装置。
【請求項12】
請求項5から11のいずれか一項に記載の装置において、
前記コア固定部(12)が選択的に、より低い圧力を用いて又はより高い圧力を用いて、展開可能であること、
を特徴とする装置。
【請求項13】
請求項5から12のいずれか一項に記載の装置において、
前記コアクランプ部(11)及び前記コア固定部(12)が互いに独立して位置決め可能であること、
を特徴とする装置。
【請求項14】
請求項5から13のいずれか一項に記載の装置において、
前記コア固定部(12)が、前記コアの内側を支える外側肩部として形成されていること、及び、前記コア固定部(12)が、複数のレバーを用いて展開位置或いは折り畳み位置へ移動可能であり、また、それらの確動案内によって、同期したそして中心でのビード固定を保証すること、
を特徴とする装置。
【請求項15】
請求項5から14のいずれか一項に記載の装置において、
前記ドラム半体(4、5)並びに前記中心部品(7、8)内に配置されたセンター装置(9、10)が自由空間を形成するために位置決め可能であること、
を特徴とする装置。
【請求項16】
請求項5から15のいずれか一項に記載の装置において、
前記中心部品(7、8)内に配置された複数のセンター装置(9、10)が前記ドラム半体(4、5)なしで展開された姿勢に位置決め可能であること、
を特徴とする装置。
【請求項17】
請求項5から16のいずれか一項に記載の装置において、
前記タイヤ構成ドラム(1)の複数の前記中心部品(7、8)が一つのセンタースリーブ(16)で覆われていること、及び、前記センタースリーブ(16)が、複数の
指部セグメントの外側領域にて、それらと接続されていること、
を特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生タイヤを製造するための方法に関しており、当該方法においては、少なくとも2つのストリップ形状の素材がタイヤ構成ドラム上に位置決めされ、また、少なくとも2つのコアがセッティングされる。
【0002】
本発明は更に、生タイヤを製造するための装置に関しており、当該装置においては、少なくとも2つのストリップ形状の素材がタイヤ構成ドラム上に位置決め可能であり、また、少なくとも2つのコアが位置決め可能である。
【背景技術】
【0003】
生タイヤを製造する際には、ストリップ形状の素材(材料)がタイヤ構成ドラム上に位置決めされる。エラストマー材料内へは、往々にして、補強のための繊維状の素材(カーカス繊維、カーカスファイバ)がセットされる。
【0004】
既知の従来技術に従えば、用いられる素材は、中心部品及び側部部品から構成される装置へ載置される。用いられるコアは位置決めされそして内側からクランプされる。コアの内側は肩部(ショルダー部)によって支えられ、また、コアクランプは全プロセスの間有効な(アクティブな)ままである。この持続的なコアクランプによって層(プライ)の折返しは上方に向かってのみ可能である。
【0005】
従来技術の別の短所は、コアとコアの間の繊維長(スレッド長)が明確に確定していないことである。更に、コアの下の材料を加工することは不可能である。
【0006】
これまでのところ、コアを位置決めする際の精度についての要求を、完全に満たされた様態で、達成することは出来ていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の第1の課題は、冒頭に挙げた種類の方法を、位置決め精度が向上されるように、改善することである。
【0008】
本発明の第2の課題は、冒頭に挙げた種類の装置を、向上された位置決め精度が達成されるように、構成することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の課題は本発明に従い、タイヤ構成ドラムがコアクランプ部を備え、またコア固定部も備えていることによって、達成される。
【0010】
第2の課題は本発明に従い、タイヤ構成ドラムがコアクランプ部を備え、またコア固定部も備えていることによって、達成される。
【0011】
本発明に従い、特には、タイヤ構成ドラムが1つの中心部品、及び、中心部品の隣に配設されている両側の2つのドラム半体から形成されること、それらのドラム半体が1つの軸方向において位置決め可能であること、中心部品が半径方向にて変更可能な直径を有していること、中心部品の半径方向での直径拡大がコアをセットする前に実行可能であること、が企図されている。
【0012】
特には、両方のドラム半体が互いに独立して移動可能であることが考えられている。位置決めは少なくとも1つのサーボモータを使用して実行することが出来る。
【0013】
コアを組み込む前に中心部品は半径方向で展開(拡張)され、また、それによりタイヤ構成ドラム上のストリップ形状の材料は締め付け固定される。それにより、カーカス繊維の直線的な延伸が達成され、これはカーカス内でコアとコアの間で締め付け固定された一定の繊維長(スレッド長)を導く。それに続き、複数のコアセット部が複数のコアを展開された中心部品の両側面部に対して、それらをそこに固定するために、押し付けられる。
【0014】
本発明に従う方法は特に、コアとコアの間で非常に均等な繊維長を提供することを可能にする。これはタイヤの円形の形成及び均等な材料分布を支援する。
【0015】
両ドラム半体が互いに独立して位置決め可能であることは、単段的な構成において押圧装置を用いて側部部品及び中心部品の間での移動を可能にする。それにより、別のドラムへの交換を要することなしに、生タイヤは側壁部領域において成形され得る。
【0016】
添付の図面においては、本発明に従う方法ステップ並びに本発明に従う装置について更に説明されている。用いられている略字においては、「IL」はインナーライナー、また従って内部ストリップ材料(内部ストリップ素材)を意味しており、また、「BP」はボディプライ(ボディ層)また従ってボディ材料(ボディ素材)を意味している。
【0017】
本発明に従い、基本的に既知の2段階的なプロセスが単段的な機械内で実行される。
【0018】
コアクランプ部及びコア固定部をタイヤ構成ドラムの領域で組み合わせることによって、タイヤ製造時に明らかに改善された繰り返し精度が達成される。
【0019】
コアクランプ部及びコア固定部を組み合わせることによって、同様に、単段的な方法において、さもなくば2段階的な方法においてのみ製造可能であるタイヤを製造することが、可能となる。
【0020】
特には本発明に従う特徴の組み合わせによって、単段的なプロセスにおいて任意の材料をコアに巻きつけることが可能である。
【0021】
本発明に従うタイヤ構成ドラムの有利な実施形態では、複数のコア固定セグメントは、少なくとも1つのレバーを用いて展開位置或いは折り畳み位置へ移動される。この確動案内(所定の動きのみが可能な案内)によって同期したそして中心のビード固定が保証されている。
【0022】
従来技術に従う方法においてはこれまで、形成時にコアが失われるという問題が発生していた。本発明の方法に従い、また、本発明に従う装置を用いれば、コアはその場合にはカーカスアセンブリ内に保持されそしてもはや失われることはない。
【0023】
これまでのところ、当業者は二段階的又は多段階的にタイヤを製造することが必ず必要であるという着想に基づいていた。本発明に従い単段的にプロセスを実行することも可能であることが判明した。本発明に従う基本的な思想は、従って、既に単独でタイヤ製造ステップを単段的に実現することを本質としている。
【0024】
再度強調されるべきことは、特には、実質的に本発明に従う観点は、コアが単段的な構成プロセス全般に渡って持続的(連続的)に固定されたままであることである。
【0025】
図中には本発明の実施例が概略的に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】コアクランプ部及びコア固定部を備えるタイヤ構成ドラムの側面図を示す。
【
図2】
図1に従うタイヤ構成ドラムの長手断面図を示す。
【
図4】
図3に従うフラット状態のドラムを載置された材料と共に示す。
【
図5】タイヤ構成ドラムを、展開されたコア固定部及び外側へずらされたセンター装置と共に示す。
【
図6】タイヤ構成ドラムを、外側から保持されたコア並びに材料の締め付けのためにセットされたコアと共に示す。
【
図7】タイヤ構成ドラムを、外側から保持されてセットされたコアと共に示す。
【
図8】層の折返しが行われた後のまたコアがセットされ並びに中心部上で保持された後のタイヤ構成ドラムを示す。
【
図9】タイヤ構成ドラムを、中心部品上に固定的に載せられた材料パック(素材束)と共に示す。
【
図10】コアの下まで材料を折り返した後のタイヤ構成ドラムを示す。
【
図11】タイヤ構成ドラムを、共に移動されるドラム半体と共に示す。
【
図12】僅かな圧力で展開されたコア固定の際のタイヤ構成ドラムを示す。
【
図13】完全に固定されたカーカスパッケージを備えるタイヤ構成ドラムを示しており、当該カーカスパッケージには圧力が掛けられておりまた中心に向かって盛り上がっている。
【
図14】本発明に従うタイヤ構成ドラムの斜視図、及び、本発明に従うタイヤ構成ドラムの2つの側面図を示す。
【
図15】本発明に従うタイヤ構成ドラムの長手断面図を、コア固定部の確動案内部と共に示す。
【
図16】本発明に従うタイヤ構成ドラムの長手断面図を、コア固定部及びセンタースリーブの確動案内部と共に示す。
【
図17】本発明に従うタイヤ構成ドラムの長手断面図を、コア固定部、センタースリーブ及び補強ストリップポケットの確動案内部と共に示す。
【
図18】
図17に示されているタイヤ構成ドラムの長手断面図を、補強ストリップポケットを形成するために作動された(アクティベート)負圧と共に示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は生タイヤ(グリーンタイヤ)を製造するための装置として利用するためのタイヤ構成ドラム1を示している。タイヤ構成ドラム1は1つのシャフト2に固定されている。シャフト2は軸受(ベアリング)3の領域において回転可動的に運転される。
【0028】
ドラム半体4及びドラム半体5の間の長手方向には、2つの中心部品7、8が配設されている。
【0029】
図2は
図1に従うタイヤ構成ドラム1の長手断面図を示している。そこからは、ドラム半体4、5がシャフト2に沿ってスライド可能に配設されていることが見て取れる。ドラム半体4、5の間には、センター装置(センターデバイス)9、10が配設されている。更に、コアクランプ部11並びにコア固定部12を見て取ることが出来る。基本的に方法工程は後述のプロセスステップに対応して進行する。第1ステップではセンター装置9、10が外へ出ることによって材料は予負荷(プリロード)を掛けられる。それに続き、コアが側方でセンター装置9、10に対してセットされまた内側からクランプされる(内側から押さえつけられる)。材料(素材)はその際更に引き締められる。それに続き、材料はセンター装置9、10へ折り返される。続くプロセスステップではクランプ部11は取り外され、また、ドラム半体4、5は外側へ移動される。
【0030】
ドラム半体4、5の移動によって、センター装置9、10とドラム半体4、5の間に自遊空間(開放空間)が生じる。その後、別の材料を載置することが出来る。その材料はその後、ローラを用いてコアの下方まで折り返される。
【0031】
次のプロセスステップでは、ドラム半体4、5はセンター装置9、10に向かって移動し、また、コア固定部12はコアの下方で位置につかされる。
【0032】
最初の若干の展開のプロセスステップ、その後の共同移動のプロセスステップ及びそれに続く完全な展開のプロセスステップによって、コアはセンター装置9、10と協働して完全に固定される。プロセスの継続は必要な範囲で行われる。
【0033】
先に要約して説明された個々のプロセスステップは、以下において別の図面を用いて詳細に説明される。
【0034】
図3はフラット状態のタイヤ構成ドラムを示している。ドラム半体4、5、中心部品7、8、並びにコアクランプ部11及びコア固定部12を見て取ることが出来る。
【0035】
図4に従えば、タイヤ構成ドラムは依然としてフラット状態にある。材料13が載置されている。
【0036】
図5に図示されているプロセスステップに従えば、コア固定部12は展開(拡張)されており、またこの場合センター装置9、10は外部(外側)へせり上がっている。材料13はそれにより引き張られている。
【0037】
図6に図示されているプロセスステップに従えば、コアは本装置を介して定められており、また、外側から保持される。コアが取り付けられており、また、材料はそれにより更に引き締められる。コアセット間隔或いはコアとコアの間隔は、センター装置9、10によって正確に設定されており、また従って、従来技術に従うプロセスの場合よりも明らかにより厳密化されて設定されている。
【0038】
図7に図示されているプロセスステップに従えば、コアは装置を介して定められまた外側から保持される。コアは取り付けられており、また、コアは展開されたコアクランプ部11によって下方からクランプされる。この場合、ベローズのフロントパートが持ち上げられ、それにより再度材料を引き締める。
【0039】
図8に図示されているプロセスステップに従って、層の折返し(プライの折返し)が行われ、またコアがセットされまた中心部品にて厳密に定めて保持されている。材料の結合により材料パック13は固定的に中心部品に着座する。コアクランプ部11は引き込まれており、また同様にコア固定部12も引き込まれている。ドラム半体4、5は互いに離背移動することが出来る。
【0040】
図9に図示されているプロセスステップに従えば、コアはセットされておりまた中心部品に厳密に定められて保持されている。材料の結合により材料パック13は固定的に中心部品に着座する。両方のドラム半体4、5は互いに離背移動されている。それにより、ドラム半体4、5及びセンター装置9、10の間に自遊空間が生じている。次のステップにて材料が載置される。
【0041】
図10に図示されているプロセスステップに従えば、材料13はコアの下方まで折り返されおり、また、両方のドラム半体4、5は共に移動している。
【0042】
図11に図示されているプロセスステップに従えば、両方のドラム半体4、5は共に移動しており、また、コア固定部12はコア下方の位置に存在している。
【0043】
図12に図示されているプロセスステップに従えば、コア固定部12は僅かな圧力で展開し、ドラム半体4、5はドラム中心の方向へ移動するが、その目的は、コアをコア固定部12の外側の接触縁を用いて固定することである。コアを完全に固定するために、コア固定部12はその後より強い圧力で展開する。
【0044】
図13に図示されているプロセスステップに従えば、完全に固定されたカーカスパッケージには圧力が掛けられており、また中心で盛り上がっている。この経過に並行して、ドラム半体4、5及びセンター装置9、10は共に移動する。それぞれのプロセス時点に対して定義されているコアとコアの間の間隔によって、タイヤの格別な等形状性が達成され得る。全てのプロセスの間コアが支持されていることも同様にこの等形状性に寄与する。
【0045】
図14は明確化のため、個々の部材が異なる様態で位置決めされたタイヤ構成ドラム1を、別の図面で示している。
【0046】
本発明に従うタイヤ構成ドラム1の
図15に示されている実施形態に従えば、コア固定部12は1つのレバーを介して確動的に案内される(所定の軌道でのみ案内される)。レバー14は図示されている有利な実施形態においては倍力レバー(トグルレバー)として設計されており、また、スラストシリンダ(プッシュシリンダ)を用いて駆動される。しかしながら、別のレバー形態及び駆動部形態も考えられる。中心部品7、8及びドラム半体4、5の相対的な位置決めに応じて、コア固定部12を中心部品7、8の隣又は下方でも半径方向で移動させることが出来る。それにより、センター装置9、10の展開位置もコア固定部12を用いて到達され得る。
【0047】
図16は、センタースリーブ16を備えるタイヤ構成ドラム1の本発明に従う実施形態を示している。センタースリーブ16は中心部品7、8を覆い、またそれにより閉じた円筒体としての中心部品7、8の設計を可能とする。センタースリーブ16は有利な実施においては半径方向にもまた軸方向には延伸可能な材料から構成されている。センタースリーブ16は中心部品7、8のセグメント指部の外側の領域にてセンタースリーブフレーム17を用いて固定される。
【0048】
図17には、補強ストリップポケット18を有する本発明に従うタイヤ構成ドラム1の実施形態が示されている。補強ストリップポケット18は、半径方向で周りを取り囲む切り欠き部(凹部)によって中心部品7、8に形成されており、また、図示されている実施形態においてはセンタースリーブ16によって外向きに画定される。補強ストリップポケット18の目的は、側壁部領域に補強ストリップを有するタイヤの製品の製造技術的な支援である。補強ストリップの輪郭に依存して、インボード側及びアウトボード側のポケット18が、中心部品7、8の指部セグメントに設けられる。
【0049】
図18は、本発明に従うタイヤ構成ドラム1の
図17に図示されている実施形態を示している。負圧19を用いて、センタースリーブ16は、中心部品7、8の指部セグメントに置かれた補強ストリップポケット18内へ吸い込まれ、またそうして、定義された位置(特定の位置)に補強ストリップを導入するために必要な輪郭を開放する。これは特には、側壁補強部(サイドウォール補強部)或いは「ラン・オン・フラット(Run-on-Flat)」オプションを有するタイヤを製造するために重要である。補強ストリップは中心部品7、8の本発明に従う輪郭によって補強ストリップポケット18内に存在しているので、更なるストリップのためには、実質的に平坦な載置面が準備される。
【符号の説明】
【0050】
1 タイヤ構成ドラム
2 ドラムシャフト
4、5 ドラム半体
6 半径方向
7、8 中心部品
9、10 センター装置(センターデバイス)
11 コアクランプ部
12 コア固定部
16 センタースリーブ
18 ポケット