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特許7061649ゲーム観戦システム、プログラム、観戦端末及び接続装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】ゲーム観戦システム、プログラム、観戦端末及び接続装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/24 20060101AFI20220421BHJP
【FI】
A63F9/24 K
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020143856
(22)【出願日】2020-08-27
(65)【公開番号】P2022039059
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2020-08-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 龍也
(72)【発明者】
【氏名】久保田 雄作
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/159561(WO,A1)
【文献】特開2019-042417(JP,A)
【文献】特開2017-124182(JP,A)
【文献】特開2011-182895(JP,A)
【文献】特開2006-051250(JP,A)
【文献】特開2018-038441(JP,A)
【文献】特開2017-012210(JP,A)
【文献】特開2019-072245(JP,A)
【文献】特開2020-031846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤ間でゲーム用実物品を提示して進行する対戦ゲームの観戦を実現するゲーム観戦システムであって、
各プレイヤに対応付けられた対戦端末であって、該プレイヤについて提示されるゲーム用実物品を撮像した撮像画像を取得する撮像手段と、第1の表示手段への情報表示を制御する第1の表示制御手段と、第1の情報通信手段と、を備える対戦端末と、
観戦者に対応付けられた観戦端末であって、第2の表示手段への情報表示を制御する第2の表示制御手段と、第2の情報通信手段と、を備える観戦端末と、
前記対戦ゲームに参加するプレイヤに対応付けられた複数の前記対戦端末、及び該対戦ゲームの観戦者に対応付けられた観戦端末の間の通信接続を実現する接続手段を備える接続装置と、
を含み、
前記対戦ゲームは、準備段階と、前記準備段階に後続し、実際に遊戯を行うプレイ段階と、を経て進行するものであり、
前記接続手段により通信接続が実現された前記対戦ゲームについて、
参加する各プレイヤに対応付けられた前記対戦端末の前記第1の表示制御手段は、該対戦ゲームの進行が前記プレイ段階に至ったことを条件として、当該プレイヤに対応付けられた前記対戦端末の前記撮像手段により取得された前記撮像画像を含めずに、参加する他のプレイヤに対応付けられた前記対戦端末の前記撮像手段により取得された前記撮像画像を前記第1の表示手段に表示させる一方で、
該対戦ゲームの観戦者に対応付けられた前記観戦端末の前記第2の表示制御手段は、該対戦ゲームの進行によらず、参加する全てのプレイヤに対応付けられた前記対戦端末の前記撮像手段により取得された前記撮像画像、前記対戦端末ごとに分離して前記第2の表示手段に表示させ
前記第2の表示制御手段は、前記対戦端末ごとの前記撮像画像を、いずれも各プレイヤについて提示されるゲーム用実物品を当該プレイヤから観察した向きで表示させるゲーム観戦システム。
【請求項2】
前記対戦ゲームには、複数種類のゲームが選択可能に含まれ、
前記対戦端末は、前記複数種類のゲームのうちの実行する1つの種類のゲームの選択を受け付ける第1の選択手段をさらに備え、
前記接続手段は、少なくとも1つの前記対戦端末の前記第1の選択手段により前記実行する1つの種類のゲームの選択が受け付けられたことを条件として、該対戦端末を含む前記複数の対戦端末間の通信接続を実現する
請求項1に記載のゲーム観戦システム。
【請求項3】
前記接続手段による通信接続の実現は、前記実行する1つの種類のゲームに係る接続先の設定、該接続先の情報を含む接続先情報の発行を含み、
前記対戦端末及び前記観戦端末は、発行された前記接続先情報に基づいて該当の接続先にアクセスする手段をさらに備え、
前記複数の対戦端末及び前記観戦端末の間の通信接続は、同一の接続先の情報を含んだ前記接続先情報に基づく、該当の接続先へのアクセスがなされることで実現される
請求項2に記載のゲーム観戦システム。
【請求項4】
前記対戦端末と前記観戦端末とは、情報通信端末に対して割り当てられる役割に応じて識別されるものであり、
前記接続手段は、前記同一の接続先の情報を含んだ接続先情報に基づくアクセスを行った情報通信端末のうち、アクセスの先着順で前記実行する1つの種類のゲームについて定められた数の情報通信端末に対して前記対戦端末の役割を割り当て、それ以外の情報通信端末に対して前記観戦端末の役割を割り当てて通信接続を実現する
請求項3に記載のゲーム観戦システム。
【請求項5】
前記接続手段は、前記対戦端末の役割を割り当てる情報通信端末に対応付けられたプレイヤに対し、前記同一の接続先の情報を含んだ接続先情報に基づくアクセスの順序に応じて、前記実行する1つの種類のゲームのプレイヤ役割をさらに割り当てる請求項4に記載のゲーム観戦システム。
【請求項6】
前記観戦端末は、前記複数種類のゲームのうちの観戦する1つの種類のゲームの選択を受け付ける第2の選択手段をさらに備え、
前記接続手段は、前記第2の選択手段により前記観戦する1つの種類のゲームの選択が受け付けられたことを条件として、該選択が受け付けられた前記観戦端末を、該観戦する1つの種類のゲームについて既に実現した通信接続に加える
請求項2に記載のゲーム観戦システム。
【請求項7】
前記第2の表示制御手段は、前記参加する全てのプレイヤに対応付けられた前記対戦端末に係る前記撮像画像を、1つの画面内に、垂直方向及び水平方向の少なくともいずれかの方向に配列して前記第2の表示手段に表示させる請求項1乃至6のいずれか1項に記載のゲーム観戦システム。
【請求項8】
前記撮像手段により取得される前記撮像画像は、遊戯盤及び該遊戯盤上に載置された載置物を含む請求項1乃至7のいずれか1項に記載のゲーム観戦システム。
【請求項9】
参加する各プレイヤに対応付けられた前記対戦端末の前記第1の表示制御手段は、前記準備段階において、当該プレイヤに対応付けられた前記対戦端末の前記撮像手段により取得された前記撮像画像とともに、当該撮像画像においてゲーム用実物品の像が占めるべきサイズ及び配置位置を前記第1の表示手段に表示させる請求項1乃至8のいずれか1項に記載のゲーム観戦システム。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1乃至のいずれか1項に記載のゲーム観戦システムの観戦端末として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
プレイヤ間でゲーム用実物品を提示して進行する対戦ゲームの観戦を実現する観戦端末であって、
表示手段への情報表示を制御する表示制御手段と、
情報通信手段と、
を備え、
前記対戦ゲームは、該対戦ゲームに参加するプレイヤに対応付けられた複数の対戦端末間について実現された通信接続を介して行われるものであり、各対戦端末は、対応付けられたプレイヤについて提示されるゲーム用実物品を撮像した撮像画像を取得し、
前記表示制御手段は、前記対戦ゲームの進行によらず、参加する全てのプレイヤに対応付けられた前記複数の対戦端末において取得された前記撮像画像、前記対戦端末ごとに分離して前記表示手段に表示させ
前記表示制御手段は、前記対戦端末ごとの前記撮像画像を、いずれも各プレイヤについて提示されるゲーム用実物品を当該プレイヤから観察した向きで表示させる観戦端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム観戦システム、プログラム、観戦端末及び接続装置に関し、特に遠隔地に存在するプレイヤ間での実物品を用いるゲームプレイを観戦する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、所謂「クラウドゲーミング」の技術分野では、任意のゲームプレイヤがプレイ中のゲームについての描画処理をサーバ側で行うため、当該ゲームについて所望の視点での観戦を可能ならしめる技術が存在する(特許文献1)。即ち、観戦プレイヤは、プレイ内容の観戦を所望するゲームプレイヤの選択と該観戦を行う視点の設定とを行うことで、他人のゲームプレイを所望の視点で観戦することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-077291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、所謂トレーディングカードゲーム(TCG)やボードゲームのような、ゲーム用実物品を提示して進行する種類のゲーム(遊戯)がある。このようなゲームでは、例えば2人のプレイヤが対面して着座し、シートや盤面等の遊戯盤に互いのカードやコマ等を展開し、交互に行動を宣言することでプレイヤ間の合意で進行が管理される。即ち、このような種類のゲームは、遊戯盤への実物品の展開が必要になるため、特許文献1のようにサーバ側で描画処理を行う態様では好適な観戦を実現できない。
【0005】
また、実物品を提示して進行するゲームは、少なくともゲームのプレイヤが同一の場所に集まり、互いのゲーム用実物品の展開状況を把握可能な状態であることが必要である。即ち、このようなゲームは、「参加プレイヤが集合できること」、「参加人数分のゲーム用実物品を展開できる空間があること」等が必要であるという制約がある。また、一部の大会やイベント等が開催される機会を除いて、各プレイヤは知己のプレイヤが近くに存在しなければ、ゲームプレイを行うこと自体が困難である。
【0006】
本発明は、ゲーム用実物品を提示して進行する種類のゲームのオンラインでの開催及びその観戦を実現するゲーム観戦システム、プログラム、観戦端末及び接続装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のゲーム観戦システムは、プレイヤ間で実現される、ゲーム用実物品を提示して進行する対戦ゲームの観戦を実現するゲーム観戦システムであって、各プレイヤに対応付けられた対戦端末であって、該プレイヤについて提示されるゲーム用実物品を撮像した撮像画像を取得する撮像手段と、第1の表示手段への情報表示を制御する第1の表示制御手段と、第1の情報通信手段と、を備える対戦端末と、観戦者に対応付けられた観戦端末であって、第2の表示手段への情報表示を制御する第2の表示制御手段と、第2の情報通信手段と、を備える観戦端末と、対戦ゲームに参加するプレイヤに対応付けられた複数の対戦端末、及び該対戦ゲームの観戦者に対応付けられた観戦端末の間の通信接続を実現する接続手段を備える接続装置と、を含み、対戦ゲームは、準備段階と、準備段階に後続するプレイ段階と、を経て進行するものであり、接続手段により通信接続が実現された対戦ゲームについて、参加する各プレイヤに対応付けられた対戦端末の第1の表示制御手段は、該対戦ゲームの進行がプレイ段階に至ったことを条件として、当該プレイヤに対応付けられた対戦端末の撮像手段により取得された撮像画像を含めずに、参加する他のプレイヤに対応付けられた対戦端末の撮像手段により取得された撮像画像を第1の表示手段に表示させる一方で、該対戦ゲームの観戦者に対応付けられた観戦端末の第2の表示制御手段は、該対戦ゲームの進行によらず、参加する全てのプレイヤに対応付けられた対戦端末の撮像手段により取得された撮像画像、対戦端末ごとに分離して第2の表示手段に表示させ、第2の表示制御手段は、対戦端末ごとの撮像画像を、いずれも各プレイヤについて提示されるゲーム用実物品を当該プレイヤから観察した向きで表示させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ゲーム用実物品を提示して進行する種類のゲームのオンラインでの開催及びその観戦を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲームシステムの構成を例示した図
図2】本発明の実施形態及び変形例に係るスマートフォン100の機能構成を例示したブロック図
図3】本発明の実施形態及び変形例に係るゲームサーバ200の機能構成を例示したブロック図
図4】本発明の実施形態及び変形例に係る支援アプリケーションにおける準備段階の表示を例示した図
図5】本発明の実施形態及び変形例に係る支援アプリケーションにおけるプレイ段階の表示を例示した図
図6】本発明の実施形態及び変形例に係るスマートフォン100において実行される対戦ゲーム処理を例示した図
図7】本発明の変形例1に係る支援アプリケーションにおける準備段階の表示を例示した図
図8】本発明の実施形態及び変形例に係る支援アプリケーションにおける観戦モードの表示を例示した図
図9】本発明の実施形態及び変形例に係るゲームシステムで用いられる各種情報のデータ構成例を示した図
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態1]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
以下に説明する一実施形態は、情報通信端末の一例としての、ゲーム用実物品の情報を取得可能に構成されたスマートフォンと、接続装置の一例としての、複数のスマートフォン間の通信接続を実現し、ゲーム用実物品を提示して進行する対戦ゲームをプレイヤ間で実現せしめることが可能に構成されたゲームサーバとを含んで構成されるゲームシステムに、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、ゲーム用実物品を提示して進行する対戦ゲームを遠隔のプレイヤ間で実現することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0012】
また、本明細書において、「ゲーム用実物品」とは、現実世界に物理的な体積をもって存在し、ゲームを成立させるために用いられる物品を指し、例えば電子ゲームの実行時に電子的情報として操作可能な概念としてメモリや画面上に形成される、データや情報の形態の、実体を有さない仮想的な物品とは峻別される。また該ゲーム用実物品を提示して進行する「対戦ゲームの実行」とは、実際に対戦ゲームに係る遊戯(例えばトレーディングカードゲームであれば、準備完了の後にプレイヤ同士の開始の合意があったこと、行動順が確定したこと等をもって開始し、該ゲームの終了条件が満たされたことをもって終了する一連の遊戯)を行うこと、あるいは進行させること、を指すものとし、各種設定や準備、マッチング待機を行っている状況等は含まれないものとして説明する。
【0013】
《ゲームシステムの構成》
図1は、本実施形態に係るゲームシステムのシステム構成を示した図である。図示されるように、ゲームシステムでは、ネットワーク300を介することで複数のスマートフォン100とゲームサーバ200とが通信接続可能に構成されている。ここで、ゲームサーバ200は、本ゲームシステムに係る、遠隔のプレイヤ間での対戦ゲームの実行を支援するサービスを提供する役割を担い、対戦ゲームに参加するプレイヤの使用するスマートフォン100間の通信接続を実現する。サービスを利用する各プレイヤは、使用するスマートフォン100において専用のアプリケーションプログラム(以下、支援アプリケーション)を実行してゲームサーバ200にアクセスすることで、対戦ゲームのゲームプレイが可能に構成されている。
【0014】
本実施形態のゲームシステムでゲームプレイが可能な対戦ゲームは、プレイヤがそれぞれのプレイ環境においてゲーム用実物品を展開し、該ゲームに参加する他のプレイヤに対してその展開状況を提示することで進行する種類のゲームである。即ち、対戦ゲームに参加する各プレイヤは、自身のプレイ環境に展開したゲーム用実物品の情報を参加する他のプレイヤに提示できる一方で、他のプレイヤが該プレイヤのプレイ環境に展開したゲーム用実物品の情報をスマートフォン100の画面提示により把握できる。
【0015】
また、いずれかのプレイヤの行動に起因して新たな提示がなされた場合には、プレイヤ間で予め定められたゲームルールに則って該行動の解決を行い、解決結果に該当するゲーム用実物品を展開しているプレイヤが、必要に応じてゲーム用実物品の操作または展開を行うことで進行する。ここで、行動に起因した提示には、既に展開してあるゲーム用実物品に起因するプレイヤの宣言等、ゲーム用実物品の展開態様に変化を生じさせないものを含むものであってよい。
【0016】
本実施形態では、対戦ゲームが、各プレイヤが本発明に係る遊戯盤としてのフィールドシート400と該フィールドシート400上に載置するゲームカード500一式(規定枚数のゲームカード500)とを用いる、2人のプレイヤ間で実行されるトレーディングカードゲーム(TCG)であるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、ゲームシステムでゲームプレイが可能な対戦ゲームは、各プレイヤが有するゲーム用実物品を互いに提示し合うことで成立するゲームであればよく、そのプレイ人数も2人に限定するものではない。つまり、対戦ゲームで各プレイヤがプレイ環境において展開するゲーム用実物品も、フィールドシート400とゲームカード500に限定されるものではない。例えば、フィールドシート400のような遊戯盤はなくてもよいし、載置物であるゲームカード500も、フィギュアや他のオブジェクトをさらに含む、あるいは、これに代えられるものであってもよい。なお、展開状況の提示により進行するゲームでは、載置物として用いられる実物品については、ゲームカード500のように対戦ゲームにおける効果等が外観に表れ、把握可能に構成されていることが好ましい。
【0017】
ところで、TCGはそのゲームの特性上、2人のプレイヤが対面している状態であれば、スマートフォン100のような機器を使用せずともゲームプレイが成立する。例えば、フィールドシート400に各種のゲームカード500の載置位置の情報が記載されている、ゲームカード500の各々に発動可能な行動についての必要条件や解決方法の情報が記載されている等、ゲーム進行のためにプレイヤが行うべき操作の情報が各ゲーム用実物品に明確に付されているため、両プレイヤは場に提示されたゲーム用実物品を確認しながらゲームを進行させることができる。即ち、TCGは、2人のプレイヤが同一のゲームタイトル(ゲームコンテンツ)のゲーム用実物品を持参し、提示したゲーム用実物品の内容をプレイヤが互いに把握可能なプレイ環境(空間)があれば、プレイヤ間でゲームを実行できるという特性を有する。
【0018】
本ゲームシステムではゲーム用実物品の展開状況を遠隔のプレイヤ間で提示し合える環境が提供されるため、TCGのゲームタイトルがいずれであっても、そのゲーム用実物品に付された情報で対戦ゲームは進行可能である。故に、このようなTCGの特性を考慮し、本実施形態のゲームシステムでは、オンライン対戦を実現させる対戦ゲーム(TCG)のゲームタイトルを、複数種類のゲームタイトルから選択可能なように支援アプリケーションが構成されているものとする。より詳しくは、各プレイヤは、支援アプリケーションにおいて対戦を所望するゲームタイトルを選択することで、同様に該ゲームタイトルについて対戦を所望している他のプレイヤとマッチングし、該ゲームタイトルのフィールドシート400及びゲームカード500一式と、該支援アプリケーションを実行するスマートフォン100とを使用して、対戦ゲームを実行することが可能となる。
【0019】
なお、本実施形態では、ゲームシステムに係るサービスにおいてゲームプレイを成立可能な対戦ゲーム(TCG)のゲームタイトルが複数種類設けられているものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。支援アプリケーション及びゲームシステムは、1つのゲームタイトルについて専用に設けられるものであってもよい。
【0020】
本実施形態のゲームシステムでは、スマートフォン100においてプレイヤによる、プレイするゲームタイトルの選択及びマッチング開始に係る操作入力がなされることで、マッチング開始要求がゲームサーバ200に送出される。ゲームサーバ200は、例えばマッチング開始要求を受信するとゲームサーバ200内にルームを構成、あるいは既に構成されたルームを選択し、同一のゲームタイトルについて同様にマッチング開始要求を送信したスマートフォン100を対戦相手の端末とともに、該ルームへのアクセス権限を付与する。そして対象のスマートフォン100の支援アプリケーションにより、アクセス権限が付与されたルームにアクセスする処理が行われる。
【0021】
これにより、同一のゲームタイトルについてマッチング開始要求を送出した2台のスマートフォン100が、1つのルームを介して情報送受信可能な状態となり、該スマートフォン100間の通信接続が実現される。即ち、1つのルームにアクセス状態となったスマートフォン100を使用する2人のプレイヤ間で、選択されたゲームタイトルの対戦ゲームの実行が可能な状態となる。
【0022】
本実施形態のゲームシステムでは、遠隔に存在するプレイヤ間の対戦ゲームの実行を支援すべく、ネットワーク300及びゲームサーバ200を介して2台のスマートフォン100間の通信接続が実現されるため、該スマートフォン100間の通信方式に近距離無線通信は含まれないものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、スマートフォン100間の通信接続方式は近距離の無線通信を含むものであってもよい。また、例えばいずれかのスマートフォン100がホストとして動作することでゲームサーバ200の役割を果たし、ゲームシステムと同様のスマートフォン100間の通信接続を実現するものであってもよい。
【0023】
〈スマートフォン100の機能構成〉
次に、本実施形態に係るスマートフォン100の機能構成について、図2のブロック図を参照して説明する。
【0024】
制御部101は、例えばCPUであり、スマートフォン100が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記録媒体102に記録されている各ブロックの動作プログラムや支援アプリケーションに係るプログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0025】
記録媒体102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。記録媒体102は、スマートフォン100が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報や、支援アプリケーションに使用される各種データ等を記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0026】
撮像部104は、例えばCCDやCMOSセンサ等の撮像素子を有する撮像装置ユニットであり、本実施形態では1人のプレイヤに係り展開されるゲーム用実物品、即ち、フィールドシート400及びゲームカード500一式の情報の取得に用いられる。詳細は後述するが、撮像部104は支援アプリケーションの実行中、所定のタイミングにて間欠的に撮像を行うよう動作し、得られた撮像画像を順次出力する。即ち、本実施形態のゲームシステムにおいて、対戦ゲーム中に取得されるゲーム用実物品の情報は、各プレイヤのプレイ環境において展開されている状態に応じた内容で構成されるものであり、例えばゲームカード500の裏表の状態によって、いずれであるかが判明しているゲーム用実物品であるのか、いずれであるかは判明していないが存在が把握できるゲーム用実物品であるのか等、ゲーム進行に応じた変化を反映した態様で順次取得される。
【0027】
表示制御部105は、スマートフォン100における使用者への各種情報提示の制御を司る。本実施形態のスマートフォン100では、使用者への各種情報提示の手段として、画面(ゲーム画面、その他OSメニュー画面等)表示を行う表示部110を有するものとして説明するが、情報提示の手段はこれらに限られるものではなく、代替あるいは追加が可能であることは言うまでもない。表示部110は、例えがLCD等のスマートフォン100が備える表示装置であり、表示制御部105により表示内容の制御が行われる。本実施形態では表示部110は、スマートフォン100に内蔵される表示装置であるものとして説明するが、スマートフォン100の外部に着脱可能に接続される表示装置であってもよいことは言うまでもない。
【0028】
操作入力部106は、例えばタッチパネルやボタン等のスマートフォン100が有するユーザインタフェースである。操作入力部106は、ユーザによりなされた操作入力を検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。
【0029】
通信部107は、スマートフォン100が有する、他の装置との通信を行うための通信インタフェースである。通信部107は、有線無線を問わず、所定の通信方式によりネットワーク300を介して外部機器に接続し、データの送受信を行う。支援アプリケーションのプログラムは、通信部107を介して外部機器から受信可能に構成されるものであってよい。
【0030】
〈ゲームサーバ200の機能構成〉
続いて、本実施形態のゲームサーバ200の機能構成について、図3のブロック図を参照して説明する。なお、ゲームサーバ200の機能構成の説明において、スマートフォン100が有する構成と同様の機能を実現する構成については、スマートフォン100の構成と峻別するために、「サーバ」との接頭語を付して示すものとする。
【0031】
サーバ制御部201は、例えばCPUであり、ゲームサーバ200が有する各ブロックの動作を制御する。具体的にはサーバ制御部201は、例えばサーバ記録媒体202に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、サーバメモリ203に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0032】
サーバ記録媒体202は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。サーバ記録媒体202は、ゲームサーバ200が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報を記憶する。サーバメモリ203は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。サーバメモリ203は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0033】
マッチングDB204は、マッチング開始要求に応じて構成されたルームに係る情報(ルーム情報)を管理するデータベースである。ルーム情報は、例えば図9(a)に示されるように、ルームを一意に識別するルームID901に関連付けて、該ルームを用いて実行されるゲームタイトル(種類)を示すゲームID902、該ルームへのアクセス権限が付与されているスマートフォン100を一意に識別する端末IDを示す端末情報903を含んで構成されるものであってよい。本実施形態のゲームシステムでは、支援アプリケーションを実行してゲームサーバ200にアクセスしたスマートフォン100には、該スマートフォン100を一意に識別する端末IDが付されるものとし、少なくともアクセスが継続して行われている間、1台のスマートフォン100に付された端末IDは保持されるものとして説明する。
【0034】
サーバ通信部205は、ゲームサーバ200が有する、他の装置との通信を行うための通信インタフェースである。サーバ通信部205は、有線無線を問わず、所定の通信方式によりネットワーク300を介して外部機器に接続し、データの送受信を行う。
【0035】
《サービス概要》
以下、本実施形態のゲームシステムを用いて提供される、オンラインでの対戦ゲーム(TCG)の実行を支援するサービスの概要について説明する。本サービスを介して実行される対戦ゲームは、一般に流通しているフィールドシート400及びゲームカード500等のゲーム用実物品を使用し、これらゲーム用実物品を展開している様を参加プレイヤが互いに確認しながら進行するものであればよく、特に種類は限定されない。なお、本発明の特徴に関与するものではないため本明細書では説明を省略するが、サービスの提供中、各プレイヤに係るスマートフォン100においてプレイヤの音声が取得され、対戦相手のプレイヤに提示されるよう構成されているものとする。
【0036】
本ゲームシステムに係るサービス提供は、スマートフォン100において実行された支援アプリケーションにおいて、マッチング開始に係る操作がなされたことを条件に開始されるものとして説明する。より詳しくは、サービス提供は、当該操作に応じて送信されたマッチング開始要求がゲームサーバ200において受信され、これに対して対応するルームにアクセスするための情報(接続先情報)が発行されてスマートフォン100に返送され、支援アプリケーションを介して該ルームへのアクセスが行われた場合に開始されるものとして説明する。なお、本実施形態では説明を簡単にするため、ルームへのアクセスをもってサービス提供が開始されるものとして説明するが、例えば対戦ゲームの全参加プレイヤに係るスマートフォン100からの該ルームへのアクセスを条件としてサービス提供が開始されるものとしてもよいことは言うまでもない。
【0037】
本実施形態のゲームシステムを用いてオンライン対戦が実現される対戦ゲームの進行は、各スマートフォン100で実行される支援アプリケーションにおいて、少なくとも以下の2つの段階を含んで管理される。1つ目は、本発明に係る第1段階としての準備段階であり、各プレイヤが自身のプレイ環境(プレイヤがスマートフォン100を操作しつつ、フィールドシート400及びゲームカード500を展開する環境)において、選択されたゲームタイトルに準じた配置にフィールドシート400及びゲームカード500を展開する段階である。2つ目は、準備段階に後続する、本発明に係る第2段階としてのプレイ段階であり、準備段階において展開されたフィールドシート400及びゲームカード500を用いて、選択されたゲームタイトルの対戦ゲームに係る実際の遊戯を行う段階である。
【0038】
本実施形態では説明を簡単にし、かつ、スマートフォン100における処理負荷を低減すべく、対戦ゲームの進行は、上記準備段階とプレイ段階の2種類のみで管理されるものとして説明する。即ち、対戦ゲームの進行は、遊戯の進行を含まない準備段階と遊戯の進行を含むプレイ段階のいずれであるかで管理される(制御において参照される)ものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、準備段階とプレイ段階以外の段階を含んで管理されるものであってもよいことは言うまでもない。
【0039】
本ゲームシステムでは、プレイ段階において(対戦ゲームの実行中)、相手プレイヤのゲーム用実物品の展開状況を知らしめるべく、支援アプリケーションによって該展開状況の情報が各プレイヤに提示される。本実施形態では、ゲーム用実物品の展開状況の情報は撮像画像として取得され、各スマートフォン100の表示部110を用いて提示される。より詳しくは、プレイ段階において、各参加プレイヤに係るスマートフォン100の表示制御部105は、相手プレイヤに係るスマートフォン100の撮像部104により撮像された撮像画像を表示部110に表示するよう制御され、互いに異なる表示(相手方の展開状況を示す撮像画像の表示)がなされる。即ち、各プレイヤは、対戦ゲームの実行中、表示部110に表示された撮像画像(相手プレイヤのゲーム用実物品の展開状況を示す画像)を参照することで、相手プレイヤが行った操作内容の確認、自身が行った操作の効果が反映されたか否かの確認、戦略立案等を行うことができる。
【0040】
従って、対戦ゲームを公平に成立させるために、各参加プレイヤに係るスマートフォン100は、該プレイヤに係るゲーム用実物品の展開状況を好適に撮像する状態に設定されている必要がある。即ち、各プレイヤが、自身のプレイ環境でのゲーム用実物品の展開状況を好適に捉えた撮像画像が撮像されるよう、準備段階において調整が行われることが、その後の好適なゲーム進行に必要である。換言すれば、各プレイヤのプレイ環境において、スマートフォン100とフィールドシート400及びゲームカード500一式との配置関係が、好適な撮像を行える状態に調整されている必要がある。
【0041】
本実施形態の支援アプリケーションでは、ゲーム用実物品の展開状況を好適に示す状態の撮像画像が得られるよう、プレイ段階に先行する準備段階において、各プレイヤのプレイ環境でのスマートフォン100及びゲーム用実物品の展開場所の配置関係を好適な状態に促す仕組みを有する。より詳しくは、支援アプリケーションでは、準備段階に至った場合には、(該支援アプリケーションが実行されているスマートフォン100の)撮像部104により撮像されている撮像画像に対して、図4のようなゲーム用実物品の推奨配置位置を示すガイド表示を重畳して構成された画面が表示される。
【0042】
図4の例では、ガイド表示は、プレイ環境に載置されたフィールドシート400が、撮像画像中のいずれの位置に、どの程度のサイズ(像が占めるべきサイズ、あるいは、画像中の占有率)で表れることが好ましいかを、ガイド表示に含まれる枠線401により示している。このようなガイド表示が重畳された状態で表示部110に表示される撮像画像を確認することで、プレイヤは、好適な態様で自身のゲーム用実物品の展開状況を提示可能な撮像画像が取得されるよう、スマートフォン100の位置・姿勢、あるいは、フィールドシート400の配置を調整することができる。なお、スマートフォン100の固定やフィールドシート400の配置等の調整は、各プレイヤが採用するアームやテーブル等の部材を用いて行われるものであればよく、どのような部材を用いて行われるものであってもよい。
【0043】
また、本実施形態ではゲームカード500の載置位置等の情報がフィールドシート400に記載されており、ガイド表示はフィールドシート400の推奨配置位置及び推奨撮像サイズを示すものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。ガイド表示は、対戦ゲームに使用されるゲーム用実物品の少なくともいずれか、即ち、フィールドシート400及びゲームカード500(山札の配置位置等)の少なくともいずれかについて、推奨配置位置及び推奨撮像サイズを示すものであってよい。
【0044】
本実施形態ではガイド表示は撮像画像における該当のゲーム用実物品の像が占めるべきサイズ(目安となる大きさ)及び配置位置を、撮像画像に重畳する枠線等により示すものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。ガイド表示は、例えば、撮像画像に重畳しない態様で、撮像画像中にどのように配置されるべきであるかを示す他の表示により行われるものであってもよい。
【0045】
なお、ゲーム用実物品の初期配置や使用されるフィールドシート400の大きさ等はゲームタイトルごとに異なるものであるため、支援アプリケーションでは、対戦ゲームを行うものとして選択されたゲームタイトルに応じて、表示されるガイド表示の切り替えが行われる。より詳しくは、支援アプリケーションに係り記録媒体102に記録されるデータには、ゲームシステムが対応するゲームタイトルの各々についてガイド表示の情報が含まれており、準備段階に至った場合には該当のガイド表示が画面構成に用いられる。
【0046】
ところで、必ずしも好適な態様にスマートフォン100を保持可能なアーム等の部材を全てのプレイヤが有しているわけではなく、撮像部104により取得される撮像画像において、ガイド表示に示されるような配置でゲーム用実物品が表れるようにすることが難しい可能性もある。従って、本実施形態の支援アプリケーションでは、準備段階においてゲーム用実物品の好適な展開態様を示すガイド表示は表示するものの、それに適合しないことをもってゲームプレイを不可能にするような制御は行わない。即ち、準備段階において表示される撮像画像は、あくまでも好適なゲームプレイを実現するための撮像設定の指標を示しているにすぎない。このようにすることで、支援アプリケーションにおいて、ゲーム用実物品の展開状況を把握するための撮像画像の解析処理等をする必要がなくなるため、要求されるスマートフォン100の性能を過度に制限せず、対戦ゲームの実行までに要する時間を短縮することができる。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、撮像画像の解析処理を行い、撮像画像におけるゲーム用実物品の展開状況がガイド表示に適合した態様であるか否かの解析結果を通知する構成としてもよい。
【0047】
本実施形態では対戦ゲームの進行に係る準備段階は、両プレイヤのスマートフォン100で実行される支援アプリケーションにおいて、準備完了に係る操作入力が受け付けられたことを条件として完了する。即ち、各プレイヤは準備段階において、対戦ゲームのプレイ中に相手プレイヤに提示される撮像画像の撮像態様を確定すると、例えば図4に示した準備完了ボタン402に対する操作入力を行うことで、準備段階からプレイ段階への移行が可能な状態(準備完了状態)に至ったことを、該プレイヤに係る支援アプリケーションに認識させることができる。このとき、プレイ段階で実行される対戦ゲームのプレイ体験を好適にすべく、準備段階にて設定したスマートフォン100とゲーム用実物品の配置関係を、ゲームプレイの終了まで維持するよう要請する提示が行われるものであってよい。そして各スマートフォン100において準備完了状態に至ったことの情報は、ゲームサーバ200に対して送信され、該当のルームを介して参加プレイヤに係るスマートフォン100間で共有される。
【0048】
対戦ゲームの全プレイヤに係るスマートフォン100が準備完了状態になったことを受けて、各スマートフォン100で実行される支援アプリケーションではプレイ段階に移行し、準備段階において表示していた自機の撮像部104により撮像された撮像画像に代えて、相手プレイヤに係るスマートフォン100の撮像部104により撮像された撮像画像を表示するよう制御が行われる。即ち、本実施形態のゲームシステムでは、相手プレイヤのゲーム用実物品の展開状況を示す画像は、相手プレイヤが確定し、かつ、ルームを介した該相手プレイヤに係るスマートフォン100との通信接続が実現し、その上で準備段階からプレイ段階に移行したことを条件に表示される。また、プレイ段階での表示は、自機で撮像された撮像画像を含まず、相手プレイヤに係るスマートフォン100で撮像された撮像画像のみを含む。これは、各プレイヤに係り展開されるゲーム用実物品の情報は、表示部110を介さずとも該プレイヤが現実世界(プレイ環境)で確認可能であり、プレイ段階において表示部110には相手プレイヤに係り展開されるゲーム用実物品の情報のみが表示されればよいこと、及び、相手プレイヤに係り展開されるゲーム用実物品の情報について高い視認性を担保するためには、相手プレイヤに係るスマートフォン100で撮像された撮像画像の表示領域を可能な限り大きくすることが好ましいことによる。
【0049】
故に、例えば準備段階の完了後、各スマートフォン100において撮像された撮像画像は通信部107を介してゲームサーバ200に送出され、ルームにアクセスする相手プレイヤのスマートフォン100に伝送される。ゲームサーバ200のサーバメモリ203は、マッチングDB204においてルーム情報が管理されるルームの各々について、アクセス中のスマートフォン100から受信した撮像画像を一時的に蓄積するバッファを含んでいてよく、バッファされた撮像画像が、時系列順に該当のスマートフォン100に送出されればよい。即ち、サーバ制御部201は、ルームにアクセスする2台のスマートフォン100の双方が準備完了状態になったことを条件として、一方のスマートフォン100において撮像された撮像画像を他方のスマートフォン100に伝送するよう、画像送信の制御を行う。
【0050】
なお、本実施形態では対戦ゲームの全プレイヤに係るスマートフォン100が準備完了状態になったことを条件として、即ち、2台のスマートフォン100において準備完了に係る操作入力がなされたことを条件として、準備段階からプレイ段階に移行し、対戦相手のゲーム用実物品の展開状況を示す画面への切り替えがなされるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。プレイ段階へは、例えば相手プレイヤの準備完了を待たずに移行するものであってもよい。この場合、相手プレイヤのゲーム用実物品の展開状況を示す画面への切り替えは、プレイ段階に切り替え後に行われ、相手プレイヤの準備中の状況を確認可能に構成されるものであってもよいし、相手プレイヤに係るスマートフォン100において準備完了状態になるまでは、撮像画像ではなく、準備待機中である旨を示す代替画像を含む画面に切り替えられるものであってもよい。
【0051】
上述したように、TCGのようなゲームは、各プレイヤに行動順が割り当てられ、手番が交互に割り当てられながら進行する。通常、TCGでは、プレイヤの行動順をいずれとするかは、じゃんけん、サイコロ、コイントス等により決定される。しかしながら、本実施形態のゲームシステムのように参加プレイヤが対面していない状況下において、このような手法での行動順の決定は公平性の観点から好ましくない。例えば、通信遅延が生じ得るため、同時性が要求されるじゃんけんでは公平性が担保されない可能性がある。また、サイコロの振りやコイントスを一方のプレイヤにその権限を認める態様とすると、作為要素が生じる可能性を完全に排除することができない。
【0052】
このため、本実施形態のシステムでは、1つの対戦ゲームについて、該対戦ゲームに参加するプレイヤに係るスマートフォン100のいずれかにおいて抽選処理が実行され、その抽選結果が対戦ゲームに関与するスマートフォン100間で共有されるものとする。即ち、対戦ゲームに関与する2台のスマートフォン100のうちの、例えば先にルームへのアクセス権限が付与されたスマートフォン100において、支援アプリケーションに係る抽選処理が実行され、抽選結果として決定された行動順の情報がゲームサーバ200に送出され、ルームを介して他方のスマートフォン100に共有される。抽選処理については、例えばコイントス等の抽選演出が双方のスマートフォン100の表示部110に表示された後に、例えば「あなたの行動ターンです」、「相手の行動ターンです」等、各スマートフォン100に応じた抽選結果(行動順)の情報がそれぞれ表示されることで通知されてよい。
【0053】
なお、本実施形態では抽選処理が、対戦ゲームに関与するいずれかのスマートフォン100で実行されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。抽選処理は、例えば2台のスマートフォン100が準備完了状態に至ったことを条件として、ゲームサーバ200において実行されるものであってもよい。
【0054】
また本実施形態のゲームシステムでは、プレイヤ間の容易なコミュニケーションを実現すべく、対戦ゲームの進行中(あるいは、ルームへの複数台のスマートフォン100のアクセス状態が維持されている期間)、これらの端末間で予め定められた種類の画像(以下、スタンプとして言及)やメッセージを送信し合い、表示する機能が設けられている。送信可能なスタンプは複数種類が、例えばゲームシステム全体で共通のものが支援アプリケーションで使用可能に設けられるものであってもよいし、選択されたゲームタイトルごとあるいはルームごとに設けられるものであってもよい。
【0055】
スタンプの送信は、例えば図5(a)に示されるプレイ段階で表示される画面501(相手プレイヤのゲーム用実物品の展開状況を示す撮像画像を含む)の、コミュニケーションツールのアイコン502に対する操作入力がなされたことに応じて表示される、図5(b)に示されるようなスタンプ一覧503から、所望のスタンプに対する選択操作がなされたことを受けて行われる。具体的には、支援アプリケーションを実行する制御部101が、選択されたスタンプを一意に識別するスタンプIDを含む会話情報を、メッセージ送信要求とともに通信部107を介してゲームサーバ200に送出することで、該当のルームにアクセス中の他のプレイヤに係るスマートフォン100に該会話情報が転送され、スタンプの表示がなされる。このとき、送信対象として選択されたスタンプは、図5(b)にスタンプ画像504で示されるように送信元のスマートフォン100の画面にも含められて表示されるものであってよい。
【0056】
また、相手プレイヤに係るスマートフォン100から送出された会話情報を受信すると、表示制御部105は、支援アプリケーションにおいて該相手プレイヤに係る撮像画像に会話情報に対応するスタンプ画像を重畳させて画面を構成し、表示部110に表示させる。
【0057】
この他、支援アプリケーションは、例えばコミュニケーションツールのアイコン502への操作入力を経て表示されるツールのうちの、メッセージアイコンへ505の操作入力がなされたことに応じて、テキストの入力を受け付け、スタンプと同様に入力されたテキストを含む会話情報を構成してメッセージ送信要求とともにゲームサーバ200に送出する機能を備えていてもよい。
【0058】
このようなコミュニケーション機能は、相手プレイヤに係るスマートフォン100において表示させたい画像及びテキストの少なくともいずれかの入力を受け付け可能に構成されるものであってよい。またコミュニケーション機能は、画像、テキスト以外の手段を含むものであってよい。
【0059】
なお、準備段階と同様、スマートフォン100やゲームサーバ200における演算負荷を低減するため、本実施形態のゲームシステムでは、プレイ段階において、撮像画像の解析や音声認識に基づく、各プレイヤが行った操作入力の判定やゲーム進行の管理を行わないものとして説明する。即ち、本実施形態のゲームシステムは、あくまでもゲーム用実物品を提示して進行する対戦ゲームのネットワーク300を介した実行の支援として、マッチングに係るルームの割り当てと、準備段階及びプレイ段階の表示制御とを行うものであり、対戦ゲームの進行はプレイヤ間の合意の下で行われる。
【0060】
《対戦ゲーム処理》
このような構成をもつ本実施形態のスマートフォン100において、支援アプリケーションを用いて行われる対戦ゲーム処理について、図6のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。
【0061】
なお、本対戦ゲーム処理は、例えばスマートフォン100において支援アプリケーションが起動され、いずれかのゲームタイトルについてのマッチング開始に係る操作入力の検出がなされた際に開始されるものとして説明する。また以下の説明では、本対戦ゲーム処理を実行するスマートフォン100を「自機」、該スマートフォン100が使用される環境(ゲーム用実物品の展開等を行うプレイ環境)を「自環境」として言及する。対して、マッチングにより自機と通信接続が実現されるスマートフォン100を「相手機」、該相手機が使用される環境(相手プレイヤがゲーム用実物品の展開等を行うプレイ環境)を「相手環境」として言及する。
【0062】
S601で、制御部101は、選択されたゲームタイトルの対戦ゲームについてマッチングに係る情報を構成して通信部107に伝送し、マッチング開始要求とともにゲームサーバ200に送信させる。
【0063】
S602で、制御部101は、S601において送信したマッチング開始要求に応じた接続先情報を受信したか否かを判断する。制御部101は、接続先情報を受信したと判断した場合は処理をS603に移し、受信していないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
【0064】
S603で、制御部101は、受信した接続先情報に基づいて、ゲームサーバ200に構成されたアクセス権限が付与されたルームにアクセスする処理を行う。制御部101は、該当のルームにアクセスした状態になったと判断すると、自機の対戦ゲームの進行段階を準備段階に設定し、処理をS604に移す。
【0065】
S604で、表示制御部105は制御部101の制御の下、自環境におけるスマートフォン100とゲーム用実物品の配置関係の調整補助に係る画面を構成し、表示部110に表示させる。より詳しくは、制御部101は、撮像部104による撮像を開始させ、所定の時間間隔で撮像画像を出力するよう制御する。表示制御部105は、表示させる画面の構成タイミングにおいてメモリ103に格納された撮像画像を読み出し、該撮像画像に対して、選択されたゲームタイトルに係るガイド表示及び必要なGUIを重畳させることで画面を構成し、表示部110に表示させる。なお、撮像部104により撮像された撮像画像は、通信部107を介してゲームサーバ200にも送信される。
【0066】
S605で、制御部101は、準備完了に係る操作入力がなされたか否かを判断する。制御部101は、準備完了に係る操作入力がなされたと判断した場合は、自機を準備完了状態として管理し、準備完了状態に至ったことを示す情報をゲームサーバ200に送出して処理をS606に移す。また制御部101は、準備完了に係る操作入力がなされていないと判断した場合は処理をS604に戻す。
【0067】
S606で、制御部101は、相手機も準備完了状態に至っているか否かを判断する。本ステップの判断は、ルームを介して受信する情報に基づいて行われるものであってよい。制御部101は、相手機も準備完了状態に至っていると判断した場合は、自機の対戦ゲームの進行段階をプレイ段階に設定し、処理をS607に移す。また制御部101は、相手機が準備完了状態に至っていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
【0068】
S607で、制御部101は、自機が対戦ゲームの行動順決定に係る抽選処理の実行対象であるか否かを判断する。本ステップの判断は、例えばゲームサーバ200から提供される、該当ルームへのアクセス権限の提供順の情報に基づいて行われる(先にアクセス権限が付与されたスマートフォン100が実行対象)ものであってよい。制御部101は、自機が抽選処理の実行対象であると判断した場合は処理をS608に移し、実行対象ではないと判断した場合は処理をS609に移す。
【0069】
S608で、制御部101は、行動順決定に係る抽選処理を実行する。制御部101は、抽選結果が得られると、該抽選結果の情報をメモリ103に格納して処理をS609に移す。また該抽選結果の情報は、ゲームサーバ200に対して送信されることで相手機にも共有される。
【0070】
S609で、表示制御部105は制御部101の制御の下、抽選結果の情報に基づいて、自機の行動順の通知、あるいは最初の行動ターンとなるプレイヤの通知を表示部110を介して行う。
【0071】
S610で、表示制御部105は制御部101の制御の下、相手環境におけるゲーム用実物品の展開状況を示す画面を構成し、表示部110に表示させる。より詳しくは、制御部101は、相手機において撮像された撮像画像のゲームサーバ200からの受信を開始し、受信した相手機に係る撮像画像をメモリ103に格納するよう制御する。表示制御部105は、表示させる画面の構成タイミングにおいてメモリ103に格納された最新の相手機に係る撮像画像を読み出し、該撮像画像に対して、必要なGUIを重畳させることで画面を構成し、表示部110に表示させる。
【0072】
S611で、制御部101は、対戦ゲーム終了に係る操作入力がなされたか否かを判断する。対戦ゲーム終了に係る操作入力は、例えばプレイ段階において表示される画面中に設けられた所定のGUIを介して受け付け可能に構成されるものであってよい。制御部101は、対戦ゲーム終了に係る操作入力がなされたと判断した場合は、ゲームサーバ200へのアクセス終了に係る処理を行い、本対戦ゲーム処理を完了する。また制御部101は、対戦ゲーム終了に係る操作入力がなされていないと判断した場合は処理をS610に戻す。
【0073】
以上説明したように、本実施形態のゲームシステムによれば、ゲーム用実物品を提示して進行する対戦ゲームのオンラインでの実行に際し、マッチング、通信接続の実現、対戦ゲーム開始前の準備、及びゲーム中の表示のための機能が適宜提供されるため、プレイヤの利便性を向上させることができる。
【0074】
[変形例1]
上述した実施形態では、対戦ゲームのプレイ段階において、相手プレイヤに係るスマートフォン100で撮像された撮像画像を受信し、該撮像画像に対してGUIを重畳することで表示画面が構成される態様について説明した。一方で、このような態様では、プレイ段階において相手プレイヤのゲーム用実物品の展開状況を表示する画面の品質は、相手プレイヤのプレイ環境におけるスマートフォン100とゲーム用実物品の配置関係に応じて変動する。即ち、相手プレイヤに係るスマートフォン100の撮像画角は、該相手プレイヤのプレイ環境におけるスマートフォン100の固定に採用する部材等によって左右される。従って、得られた撮像画像は、例えば図7(a)に示されるように、対戦ゲームにとって好適な状態でゲーム用実物品の展開状況を示していない可能性がある。
【0075】
このため、例えば各スマートフォン100において表示制御部105がプレイ段階に係る画面を構成する際には、相手プレイヤに係り取得された撮像画像中に表れる該当のゲーム用実物品(フィールドシート400及びゲームカード500の少なくともいずれか)の像の外形を図7(b)の枠701で認識し、該ゲーム用実物品の像の外形が所定の形状(該ゲーム用実物品の実形状に対応するアスペクト比を有する矩形)となるように、抽出及び変形処理を行い、図7(c)のような好適な状態の画像を画面構成用に生成するものとしてもよい。
【0076】
このようにすることで、相手プレイヤのプレイ環境における撮像態様によらず、該相手プレイヤに係る盤面を真上から見ているような画面をプレイ段階において提示することができる。即ち、各プレイヤは、相手プレイヤに係るゲーム用実物品の展開状況を好適に把握し、より快適にゲームプレイを行うことができる。
【0077】
なお、このような変形処理が撮像画像を受信したスマートフォン100において行うものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、このような変形処理を送信側のスマートフォン100やゲームサーバ200が行うものとしてもよいことは言うまでもない。
【0078】
[実施形態2]
上述した実施形態及び変形例では、ゲームサーバ200に対してマッチング開始要求を行うことで、ゲームサーバ200において同条件のマッチングを所望する他のプレイヤに係るスマートフォン100を特定して、ルームに誘導する方式について説明した。しかしながら、本発明の実施は、このような所謂「フリーマッチング(対戦相手の決定をゲームサーバ200に委ねるマッチング)方式」に限られるものではなく、特定の人物を相手プレイヤとして対戦ゲームを実行できる所謂「カスタムマッチング方式」であっても適用可能である。
【0079】
本実施形態では支援アプリケーションは、例えば各ゲームタイトルについて、フリーマッチング方式用のマッチング開始に係る操作入力だけでなく、カスタムマッチング方式用のルーム構成に係る操作入力を受け付け可能に構成されるものとする。そして、カスタムマッチング方式用のルーム構成に係る操作入力が受け付けられると、制御部101は、ルーム構成要求を通信部107を介してゲームサーバ200に送信する。サーバ制御部201は、該ルーム構成要求を受けて新たなルームを構成し、ルーム情報をマッチングDB204で管理する。このとき、ルーム構成要求を行ったスマートフォン100に対しては、該新たなルームへのアクセス権限が付与されるとともに、ルームにアクセスするための接続先情報が、例えばURL等の他の機器に共有可能な態様で提供(発行)される。
【0080】
このとき、マッチングDB204が格納するルーム情報は、実施形態1とは異なり、例えば図9(b)に示されるように、さらに発行した接続先情報と対応付けるアクセスコード911を含むものであってよい。該アクセスコードは、接続先情報に付され、該接続先情報に基づくアクセス要求が行われる場合に、要求とともに送信され、ゲームサーバ200においていずれのルームへの認証に用いられるものであってよい。また該アクセスコードの有無により、ルームがフリーマッチング用のものであるかカスタムマッチング用のものであるかの識別がなされればよい。
【0081】
そして、接続先情報を入手したプレイヤは、対戦を所望する任意の人物に係るスマートフォン100に該接続先情報を転送することで、該人物との対戦ゲームの実行に進むことができる。より詳しくは、プレイヤは、ルーム構成要求に応じてゲームサーバ200から返送された接続先情報を、例えば支援アプリケーションの機能、メール、所定のメッセンジャーアプリケーション、ソーシャルネットワーキングサービス等を介して他者に送信することで共有することができる。そして、共有された情報を取得したスマートフォン100において該接続先情報を使用する(URLで示されるリンク先へのアクセスを行う)ことで、支援アプリケーションの起動、及び該当のルームへのアクセスが行われればよい。
【0082】
このようにすることで、実施形態1や変形例1と同様に複数のスマートフォン100からのルームへのアクセスがなされるため、該ルームを介した通信接続が実現され、対戦ゲームの実行が可能になる。即ち、同一のアクセスコードを含む接続先情報に基づくルームへのアクセスを行った規定数のスマートフォン100について、通信接続が実現され、対戦ゲームの進行が可能になる。
【0083】
[実施形態3]
上述した実施形態2では、接続先情報を用いることで、対戦ゲームに参加するプレイヤに係るスマートフォン100の間について、ルームを介した通信接続が実現される態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。ルームを介してプレイヤ間で実行される対戦ゲームについて、第三者(観戦者)による観戦が可能に構成されるものであってもよい。即ち、接続先情報に基づくルームへのアクセスは、対戦ゲームを実行するプレイヤに係るスマートフォン100以外にも、該対戦ゲームを観戦する観戦者に係るスマートフォン100から可能に構成されるものとする。
【0084】
本実施形態では、支援アプリケーションには動作モードとして、対戦ゲームについてプレイヤ用のプレイモードと観戦者用の観戦モードとを含み、いずれのモードで動作しているかに応じて表示部110に表示される画面の構成が異なる。ここで、プレイモードにおいて表示される画面は、先に説明した実施形態及び変形例と同様に、準備段階では自機の撮像部104において撮像された撮像画像を提示し、プレイ段階では相手機の撮像部104において撮像された撮像画像を提示する。また観戦モードにおいて表示される画面は、対戦ゲームに参加する全プレイヤが展開しているゲーム用実物品の展開状況を同時に把握可能なよう、いずれの段階においても、各プレイヤに係るスマートフォン100において撮像された撮像画像の全て、即ち、プレイヤの人数分の撮像画像を含む画面を提示する。
【0085】
例えば、2人対戦のTCGを本実施形態のゲームシステムを用いて行う場合、観戦者に係るスマートフォン100において表示部110に表示される画面は、図8に示されるように、それぞれ異なるプレイヤが使用するスマートフォン100において撮像された撮像画像が、画面中、水平方向に配列されて構成される。
【0086】
従って、サーバ制御部201は、対戦ゲームが実行されるルームについて、プレイモードで動作中の支援アプリケーションを実行しているスマートフォン100に対しては、プレイ段階において、該スマートフォン100以外のプレイヤに係るスマートフォン100から受信した撮像画像を送信するよう制御する一方で、観戦モードで動作中の支援アプリケーションを実行しているスマートフォン100に対しては、全プレイヤに係るスマートフォン100から受信した撮像画像を送信する制御する。
【0087】
なお、図8では、支援アプリケーションが横長の表示画面を出力する態様において、各プレイヤに係る撮像画像が水平方向に配列された画面構成を例示したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。全プレイヤに係る撮像画像は、出力画面のアスペクト比や対戦ゲームに参加するプレイヤの人数に応じて、垂直方向及び水平方向の少なくともいずれかの方向に配列されるものであってよい。
【0088】
また、本実施形態では説明を簡単にするため、観戦モードでは対戦ゲームの進行によらず、即ち、準備段階とプレイ段階のいずれにおいても、画面に全プレイヤに係る撮像画像が配列されて表示されるものとして説明するが、撮像画像を含んだ観戦に係る画面表示は、プレイ段階に限って行われるものとしてもよい。この場合、準備段階では、準備中である旨を示す表示を含む画面が、観戦者に提示されるものであってよい。
【0089】
また支援アプリケーションがいずれの動作モードで動作するかは、例えば接続先情報に基づく、ルームへのアクセスの先着順で決められるものであってよい。対戦ゲームは規定人数のプレイヤが揃わなければ実行できないため、接続先情報に基づくアクセス順が早いゲームプレイ必要台数(必要プレイヤ人数分)のスマートフォン100の支援アプリケーションをプレイモードとして動作させ、必要台数分以降のアクセスを行ったスマートフォン100の支援アプリケーションを観戦モードとして動作させるよう、ゲームサーバ200から情報が提供される。より詳しくは、サーバ制御部201は、構成した各ルームについて、該ルームへのアクセスの先着順で各スマートフォン100に対して役割(プレイヤが使用する対戦端末または観戦者が使用する観戦端末)を割り当ててルーム情報を更新し、該役割の情報を各スマートフォン100に送信することで、該スマートフォン100で実行される支援アプリケーションの動作モードを変更することが可能に構成されるものであってよい。
【0090】
[変形例2]
上述の実施形態3では、ルームへのアクセス順で支援アプリケーションの動作モードの切り替えを行う態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、ルームにアクセス中のスマートフォン100間でプレイヤ権限の譲渡が可能なよう構成されるものであってもよい。あるいは、例えば接続先情報の発行に係るルーム構成要求を行ったスマートフォン100の使用者にホスト権限を与え、該使用者により、任意のスマートフォン100に対してプレイヤ権限を設定可能に構成されるものであってもよい。
【0091】
[変形例3]
上述した実施形態3及び変形例2は、接続先情報に基づいてアクセスを行った一部のスマートフォン100について、観戦モードでの動作を可能ならしめる態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、本発明に係るゲームシステムを介して実行される対戦ゲームの観戦に係り、接続先情報の発行や該接続先情報に基づくアクセスを要件とする必要はない。
【0092】
例えば支援アプリケーションにおいて、対戦ゲームのマッチング開始を受け付ける機能に加えて、観戦開始(観戦可能なルームへのマッチング)を受け付ける態様としてもよい。この場合、支援アプリケーションにおいて、観戦を所望するゲームタイトルの選択及び観戦要求に係る操作入力がなされたことを検出すると、観戦要求がスマートフォン100からゲームサーバ200に送出され、サーバ制御部201が該ゲームタイトルの対戦ゲームが進行中のルーム、即ち、既にプレイヤに係るスマートフォン100の通信接続が実現されているルームを決定してアクセス権限を付与し、該ルームへの接続先情報を返送すればよい。
【0093】
また例えば、支援アプリケーションにおいて、現在対戦ゲームが進行中のルーム、あるいは、プレイヤが確定しているルームの一覧が参照可能に構成され、これらの一覧から観戦者が観戦を所望するルームを選択することで、該当のルームへのアクセスが行われる態様としてもよい。
【0094】
[変形例4]
上述した実施形態及び変形例では、ゲームサーバ200にルームが構成され、サービス利用する各スマートフォン100が該ルームにアクセスすることで、撮像画像の送受信を含む対戦ゲームの実行がなされるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、スマートフォン100間の撮像画像の送受信やルームの機能は、ゲームサーバ200とは異なる外部装置を介して、あるいは、本ゲームシステムとは異なるサービスを利用してなされるものであってよく、ゲームサーバ200は、マッチング及び構成されたルームへの誘導を行うことで、間接的にスマートフォン100間の通信接続を実現するものであってもよい。
【0095】
またゲームサーバ200を用いて説明した、本発明に係る接続装置の機能は、例えば対戦ゲームに関与する、いずれかのスマートフォン100がホストとして当該機能を兼ねることで実現されるものであってもよい。
【0096】
以上、実施形態1乃至3、変形例1乃至4に分けて、本発明の実施に係る種々の態様を説明したが、これらの実施態様に係る各要素は例示の目的で分離して示されたものであり、該要素を如何様に組み合わせて実施してもよいことは言うまでもない。
【0097】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形・変更が可能である。また本発明に係るゲームシステム、情報通信端末または接続装置は、1以上のコンピュータを該ゲームシステム、情報通信端末または接続装置として機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。
【符号の説明】
【0098】
100:スマートフォン、101:制御部、102:記録媒体、103:メモリ、104:撮像部、105:表示制御部、106:操作入力部、107:通信部、110:表示部、200:ゲームサーバ、201:サーバ制御部、202:サーバ記録媒体、203:サーバメモリ、204:マッチングDB、205:サーバ通信部、300:ネットワーク、400:フィールドシート、500:ゲームカード
図1
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