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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】薬剤ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
   A61J 7/04 20060101AFI20220421BHJP
   G16H 20/13 20180101ALI20220421BHJP
【FI】
A61J7/04 B
A61J7/04 Z
G16H20/13
【請求項の数】 32
(21)【出願番号】P 2020509052
(86)(22)【出願日】2017-09-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 IB2017055559
(87)【国際公開番号】W WO2019038580
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2020-09-02
(31)【優先権主張番号】110266
(32)【優先日】2017-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PT
(73)【特許権者】
【識別番号】520051207
【氏名又は名称】バルボサ デ アブレウ エ ソーサ,アルマンド ミゲル
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バルボサ デ アブレウ エ ソーサ,アルマンド ミゲル
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-526553(JP,A)
【文献】国際公開第2016/130109(WO,A1)
【文献】特表2005-517504(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0100237(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0297028(US,A1)
【文献】特表2013-523239(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105836313(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 7/04
G16H 20/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤(9、53)をユーザ(2)に送達する薬剤ディスペンサ(1)であって、
1つまたは複数の種類の薬剤(9、53)を格納するための1つまたは複数の内部貯蔵庫(3、52)と、
前記1つまたは複数の内部貯蔵庫(3、52)にアクセスし、所定の投与プロトコル(18)に基づいて前記薬剤(9、53)を投与するように構成された投与ユニット(10、101)と、
ユーザ認証データ(76)を収集するように適合されたユーザ認識ユニット(12、19、54)、ならびに遠隔サーバ(15)との間で前記ユーザ認証データ(76)および前記所定の投与プロトコル(18)に関連付けられた送達制御データ(16)を送受信するように構成された通信モジュール(14)を備える制御ユニット(13)と、
取り外されると、前記内部貯蔵庫(3、52)にアクセスが可能になるカバー(29)であって、前記薬剤ディスペンサ(1)の本体(30)に取り外し可能に連結されるカバー(29)と、
前記薬剤(9、53)を中和する破壊システム(45)と、を備え、
前記破壊システム(45)は、
摺動可能なピン(43)を有する電気機械スイッチ(42)と、
前記内部貯蔵庫(3、52)内に配置されたリザーバ(47)であって、壊れやすい内部壁(48)を有し、薬剤中和剤(49)を含むリザーバ(47)と、
作動すると内部壁(48)を破断するよう摺動するパンチャ要素(50)と、
上端部が前記パンチャ要素(50)に係合し、下端部が前記ピン(43)に当接するクランク(71)であって、当該ピン(43)が摺動することにより前記係合を解除し、前記パンチャ要素(50)を摺動させるクランク(71)と、を備え、
前記カバー(29)は、受け溝(44)を備え、当該カバー(29)は、当該受け溝(44)に前記ピン(43)が挿入されていない状態で取り外しが可能であり、当該受け溝(44)に前記ピンが挿入されている状態で前記カバー(29)の開放の防止が可能であり、
前記ピン(43)は、前記破壊システム(45)が作動すると摺動するとともに、摺動すると、前記カバー(29)の前記受け溝(44)に突出して挿入される位置に配置され、
前記制御ユニット(13)は、
前記ユーザ認証データ(76)および前記送達制御データ(16)に基づいて前記投与ユニット(10、101)を有効/無効にするように構成されるとともに
前記遠隔サーバ(15)からのサービス破壊命令(46)を受信すると、前記破壊システム(45)を作動させて前記ピン(43)を摺動させることにより前記クランク(71)を介して前記パンチャ要素(50)を摺動させて、前記内部壁(48)を破断し、前記薬剤中和剤(49)を前記薬剤(9、53)に接触させるとともに、当該ピン(43)を前記カバー(29)の前記受け溝(44)に挿入することにより、当該カバー(29)の開放を防止する、薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項2】
前記通信モジュール(14)が、無線手段を介して前記遠隔サーバ(15)との間で前記送達制御データ(16)およびユーザ認証データ(76)を送受信するように構成される、
請求項1に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項3】
前記制御ユニット(13)が、前記ユーザ(2)に関連付けられた健康データ(17)を収集するようにさらに構成される、
請求項1または2に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項4】
前記通信モジュール(14)が、前記遠隔サーバ(15)との間で前記健康データ(17)を送受信するようにさらに構成され、
前記送達制御データ(16)が前記ユーザ(2)前記健康データ(17)に基づいて調整される、
請求項3に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項5】
前記通信モジュール(14)が、無線手段を介して前記健康データ(17)を送受信するように構成される、
請求項4に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項6】
ユーザの身体特性に関連付けられたユーザの画像データ(20)を検出するカメラ(19)を備え、
前記制御ユニット(13)が、前記健康データ(17)を取得するため前記画像データ(20)を処理するように構成される、
請求項3から5のいずれか一項に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項7】
前記制御ユニット(13)が、前記ユーザ(2)に関連付けられた健康データ(17)を外部補助デバイス(21)との間で送受信するように構成される、
請求項3から6のいずれか一項に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項8】
前記内部貯蔵庫(3)が、上部端(5)および底部端(6)を有する細長い区画(3)であり、
前記細長い区画(3)が、積み重ね(7)の形態の複数の薬剤(9)を収容するように適合されている、
請求項1から7のいずれか一項に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項9】
前記投与ユニット(10)が、前記細長い区画(3)の軸Aに対して横方向Rに沿って摺動するように構成されたイジェクタ(11)を備え、
前記イジェクタ(11)が、前記細長い区画(3)の前記底部端(6)に位置する薬剤(9)を収集する内部位置から前記イジェクタ(11)がディスペンサ(1)から突出して前記薬剤(9)を送達する外側位置に摺動可能であり、その逆も可能である、
請求項8に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項10】
前記区画(3)の前記上部端(5)に位置する弾性手段(8)を備え、
前記イジェクタ(11)が前記内部位置にある場合、前記弾性手段(8)が、前記積み重ね(7)上に圧力を及ぼして、前記区画(3)の前記底部端(6)に位置する前記薬剤(9)が、送達のため確実に前記イジェクタ(11)によって捉えられるように配置される、
請求項9に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項11】
前記イジェクタ(11)に関連付けられたブロッキングデバイス(22)をさらに備え、
前記ブロッキングデバイス(22)が、前記制御ユニット(13)によって有効にされると前記イジェクタ(11)の動きを防止し、無効にされると前記イジェクタ(11)の動きを可能にするように適合される、
請求項9または10に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項12】
前記ブロッキングデバイス(22)の作動/停止が、前記ユーザ認証データ(76)および前記送達制御データ(16)に基づいて前記制御ユニット(13)によって操作される、
請求項11に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項13】
前記ブロッキングデバイス(22)の作動/停止が、ユーザ(2)の健康データ(17)に基づいて前記制御ユニット(13)によって操作される、
請求項11または12に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項14】
前記イジェクタ(11)が、前記薬剤ディスペンサ(1)の外部壁(24)上に位置する摺動可能ボタン(23)に連結され、
前記摺動可能ボタン(23)が、前記ユーザ(2)によって操作可能である、
請求項9から13のいずれか一項に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項15】
前記内部貯蔵庫(52)が、吸入可能なエアロゾル(53)として送達される形態で、前記薬剤(53)を格納するように適合されるキャニスタ(52)を収容するように構成される、
請求項1から7のいずれか一項に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項16】
前記投与ユニット(101)が、前記キャニスタ(52)へのアクセスを可能に/防止するための可動シャッタ(26)を備える、
請求項15に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項17】
前記可動シャッタ(26)が、前記薬剤ディスペンサ(1)の摺動可能レバー(27)に連結され、前記ユーザ(2)によって操作可能である、
請求項16に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項18】
前記キャニスタ(52)が、前記エアロゾル(53)を吸入するため吸入器(51)に連結されるように適合された上部構成要素(28)を備える、
請求項15から17のいずれか一項に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項19】
前記カバー(29)が、施解錠手段によって前記薬剤ディスペンサ(1)の本体(30)に取り外し可能に連結される、
請求項1から18のいずれか一項に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項20】
前記施解錠手段が、前記カバー(29)を連結する/取り外すため外部薬剤補給装置(32)と協働するように構成され、
前記外部薬剤補給装置(32)が、前記薬剤ディスペンサ(1)と物理的に近くに位置する、
請求項19に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項21】
作動すると前記ピン(43)を摺動させて前記カバー(29)の開放を不可逆的に防止するように構成された安全クランピング機構(39)をさらに備え、
前記制御ユニット(13)は、前記遠隔サーバ(15)からのサービス終了命令(40)を受信すると、前記安全クランピング機構(39)を作動させて前記ピン(43)を摺動させ、当該ピン(43)を、前記カバー(29)の前記受け溝(44)に挿入することにより、当該カバー(29)の開放を防止する、
請求項1に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項22】
記薬剤ディスペンサ(1)に前記内部貯蔵庫(3、52)にアクセスさせる局所的な試行を検出するように配置された内部電気回路(41)をさらに備え、
前記内部電気回路(41)は、前記試行を検出した場合、前記安全クランピング機構(39)作動させる、
請求項21に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項23】
記薬剤ディスペンサ(1)に前記内部貯蔵庫(3)にアクセスさせる局所的な試行を検出するように配置された内部電気回路(41)をさらに備え、
前記内部電気回路(41)は、前記試行を検出した場合、前記破壊システム(45)を作動させる、
請求項1に記載の薬剤ディスペンサ(1)。
【請求項24】
携帯型デバイス(1、200)である、請求項1から23のいずれか一項に記載の薬剤ディスペンサ(1、200)。
【請求項25】
ユーザ(2)の健康を監視する補助デバイス(21)であって、前記ユーザ(2)の前記健康データ(17)を収集し、請求項3から7のいずれか一項に記載の薬剤ディスペンサ(1、200)に前記健康データ(17)を送受信するように構成される、補助デバイス(21)。
【請求項26】
ウェアラブルデバイス(21)である、請求項25に記載の補助デバイス(21)。
【請求項27】
請求項18に記載の薬剤ディスペンサ(1)と共に使用する吸入器(51)であって、エアロゾル(53)の形態で、キャニスタ内に含まれる前記薬剤(53)を吸入するため前記薬剤ディスペンサ(1)の貯蔵庫に収容されるキャニスタ(52)の前記上部構成要素(28)と連結するように構成された端部(511)を備える、吸入器(51)。
【請求項28】
請求項19または20に記載の薬剤ディスペンサ(1)と共に使用する薬剤補給装置(32)であって、前記薬剤ディスペンサ(1)の前記施解錠手段と協働するように適合された取り外しシステムを備える、薬剤補給装置(32)。
【請求項29】
前記薬剤ディスペンサ(1)を認証するため前記薬剤ディスペンサ(1)の前記制御ユニット(13)および/または遠隔サーバ(15)と検証データ(35)を交換するように構成された通信システム(34)を備え、
前記取り外しシステム(33)が前記検証データ(35)に基づいて有効/無効にされる、
請求項28に記載の薬剤補給装置(32)。
【請求項30】
前記薬剤ディスペンサ(1)の少なくとも一部を内部に受ける受け入れスロット(38)を備える基部(37)を備え、
前記取り外しシステム(33)が、前記受け入れスロット(38)内に位置する、
請求項28または29に記載の薬剤補給装置(32)。
【請求項31】
前記通信システム(34)が、無線手段を介して前記制御ユニット(13)および/または前記遠隔サーバ(15)と検証データ(35)を交換するように構成される、
請求項29に記載の薬剤補給装置(32)。
【請求項32】
薬剤摂取および監視のための医療システムであって、請求項1から24のいずれか一項に記載の薬剤ディスペンサ(1、200)および請求項25または26に記載の補助デバイス(21)を備える、医療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤をユーザに送達する薬剤ディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
医薬については、医療状況の範囲が幅広いため、通常、とりわけ脳、末梢神経、および脊髄といった神経系に関する状態に対して処方される薬物および医薬などの、正しい薬剤の摂取を制御および/または監視する必要が多々ある。この範囲内で、オピオイドなど鎮痛目的の薬剤を含む神経薬および神経系薬として米国食品医薬品局(FDA:United States Food and Drug Administration)によって記載され、列挙されている薬物および医薬があり、それに対しては、厳格な制御および関連する効果の監視が必要である。オピオイドなどの鎮痛目的の医薬に関しては、アヘン薬、準合成オピオイド、合成オピオイド、および内因性オピオイドという4つのサブカテゴリを本書で言及する。
【0003】
上述の薬物および医薬は、手術後、がん治療、ならびに、それら全てが処方箋およびその効果に関する注意深いフォローを必要とするアルツハイマー病、注意欠陥多動性障害(ADHD)、手根管症候群、ハンチントン病、痴呆、記憶喪失、多発性硬化症、筋萎縮症、パーキンソン病、トゥーレット症候群など、脳および神経系の状態に関するが、それに限定されない、異なる種類の患者の状態に対する広範囲の用途を有し得る。
神経学および神経系に対して承認された薬物のFDAの列挙には、患者の医師によって患者に処方されると考えられている複数の種類のこうした薬剤が含まれ、こうした医薬は、「処方薬」または「処方強内服薬」と考えられ、
・メタドン、モルフィネ、オキシコドン(オキシコンチン)、フェンタニル、スフェンタニル、レボルファノール、オキシモルフォン、ハイドロモルフォン、メペリジン(デメロール)、およびトラマドール、ならびに任意の化学的変形形態またはそれらの組み合わせなどのアヘン鎮痛剤としてのオピオイド、
・アヘン鎮痛剤と共に使用されるように処方され得る医薬。こうした医薬は、通常、患者の症状を治療する鎮痛剤の効能を助けるため処方されるか、特に所定の種類の痛みに対して処方される。これらの医薬は、ビスホスホネート(例えば、デキサメタゾンおよびプレドニゾロン)、抗炎症薬および副腎皮質ステロイド、局所麻酔剤(例えば、皮膚および周囲の組織の痛みを助けるリドカインおよびカプサイシン)、抗痙攣薬、抗うつ剤、および類似の効果を有することを目的とするその他の医薬を含むが、それに限定されない。
上述の医薬は、各患者の特定の条件に応じていくつかの方法で患者に与えられ、一般に経口で与えられる。しかし、例えば、患者がカプセルを飲み込むのが困難であるか、または関連する問題があり得る場合など、いくつかの環境では、より速く痛みをやわらげる必要がある場合などを含んで、これらの種類の医薬は、いくつかの他の方法で飲まれてもよい。
【0004】
一般に、これらの医薬を飲むのに以下の共通の方法がある。
a)経口-丸薬、カプセル、錠剤、液体、および舌の上または舌の下で分解する医薬、ならびに口および呼吸器系を経由して身体に吸収されるエアロゾルを介するなど。
b)皮膚パッチを使用-パッチは、皮膚を通して身体に吸収される薬を組み込まれている。
c)肛門坐剤-丸薬またはカプセルなどで、直腸内に入れられ、身体に吸収される。
d)針で-注射など、または静脈へ(IV-静脈内)。
医薬をIV経由で服用する患者は、患者管理鎮痛法(PCA)ポンプを使用することができる可能性があり、それにより、患者は、いくつかの限られた方法で、鎮痛剤を制御する。
e)鎮痛ポンプとしての輸液ポンプ-これは、患者の皮膚下に配置されて、鎮痛剤を直接脊柱に送達する。
f)脊柱に-硬膜外麻酔または脊髄麻酔などで医薬が脊髄周辺区域に送られた場合。
方法d)、e)およびf)は、最初のセットアップならびにその後の制御および監視のため、第3者、すなわち公認の医療専門職またはその他の同等の者からのサポートが必要であることを考慮すると、方法a)、b)およびc)は、患者が全てまたは部分的に自立している状態である場合に一般に使用される方法である。
これらの種類の医薬の特殊性により、定義された処方箋に従わないことを含む誤使用の危険な状態に関連する患者にとって潜在的な問題および危険があり、それは以下の主要な不良モードによって起こり得る。
- 特定の医薬または処方箋に従って管理されるべきオピオイドを含む医薬品の摂取頻度および/または数量に関する患者の自己制御の欠如、
- 医学的に処方された数量および/または頻度からの、特定の医薬またはオピオイドを含む医薬品の患者による故意の誤った摂取、
- 処方箋に従った特定の医薬または医薬品の意図された患者およびユーザでない個人による無意識の摂取または故意の摂取。
上述のこうした主な不良モードは、医薬またはオピオイドを含む医薬品を服用する個人の生命を危険にさらし得る状態を直接または間接的に引き起こす可能性があるほか、専門職における不正行為、または行為の欠如を含む、こうした人物の任意の環境での、意識した、または無意識の誤った管理の行為によって直接または間接的に影響を受ける可能性があるその他の個人の生命を危険にさらし得る。関連する医薬または医薬品を処方する製造者および医療当局、あるいは現在市販のこうした製品を送達するデバイスが、強固な信頼できる方法で解決できないこと、および、政府および独立した保健当局によって公開された統計が示すように、こうした製品の偶然の摂取は、ますます驚くほどよく起こり続けているのは問題である。米国を参照すると、疾病管理予防センターの政府の公式データによれば、「処方オピオイドを含む過剰摂取死は、1999年以降4倍になっており、これら処方薬の売上も同様である。1999年から2015年まで、米国では183,000人を超える人が、処方オピオイドに関連する過剰摂取で亡くなっており、2014年には約2百万人の米国人が処方オピオイドを乱用、またはそれに依存しており、毎日1,000人を超える人が病院の救急部門で処方オピオイドの誤使用の治療を受けている」。
処方強内服薬に関連することにつながる主な不良モードはまた、丸薬、カプセル、錠剤、液体、またはエアロゾルなど、たいてい経口摂取であり、処方の服用量および摂取予定の適切な制御および規則遵守が要求される特定の医療目的用にヒトの身体に強い影響を有する任意の他の医療薬または医薬品にも当てはまる。
説明したように、社会的および文化的要因を含むいくつかの理由により、上述のいくつかの種類の医薬の摂取は、処方に従っていないことが多く、結果として、影響された人に死を含む健康に深刻な問題をもたらし、毎年何千ものこうした事例が、世界中の各国の保健当局から報告されている。この現実は、また老齢人口の増加および関連する処方鎮痛薬の消費の世界的な傾向に続いて、特に、米国、カナダ、欧州連合、日本など多くは先進国に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、独立請求項1および32に実質的に定義されるように薬剤ディスペンサを提供することによって上述の欠点を克服することである。
本発明のさらなる目的は、請求項40に実質的に定義されるように補助デバイスを提供することである。
本発明のさらなる目的は、請求項43に実質的に定義されるように薬剤補給装置を提供することである。
本発明のさらなる目的は、請求項42に実質的に定義されるように吸入器を提供することである。
本発明のさらなる目的は、請求項47に実質的に定義されるように医療システムを提供することである。
さらなる好ましい特性を、対応する従属請求項に定義する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、薬剤をユーザに送達する医療用ディスペンサが提供され、その医療用ディスペンサは、
1つまたは複数の種類の薬剤を格納するための1つまたは複数の内部貯蔵庫と、
1つまたは複数の内部貯蔵庫にアクセスし、所定の投与プロトコルに基づいて薬剤を投与するように構成された投与ユニットと、
ユーザ認証データを収集するように適合されたユーザ認識ユニットと、
遠隔サーバとの間でユーザ認証データおよび上記所定の投与プロトコルに関連付けられた送達制御データを送受信するように構成された通信モジュールと、を備える制御ユニットと、を備え、
制御ユニットは、ユーザ認証データおよび送達制御データに基づいて投与ユニットを有効/無効にするように構成される。
一例示的な実施形態では、通信モジュールは、無線手段を介して送達制御データおよびユーザ認証データを送受信するように構成される。
一例示的な実施形態では、制御ユニットは、ユーザに関連付けられた健康データを収集するようにさらに構成される。
一例示的な実施形態では、通信モジュールは、遠隔サーバとの間で健康データを送受信するようにさらに構成され、送達制御データがユーザの健康データに基づいて調整される。
一例示的な実施形態では、通信モジュールは、そのように構成されて無線手段を介して健康データを送受信する。
一例示的な実施形態では、薬剤ディスペンサは、ユーザの身体特性に関連付けられたユーザの画像データを検出するカメラを備え、制御ユニットは、健康データを取得するため画像データを処理するように構成される。カメラは、適時に瞳孔測定も実施し、薬服用の影響を関係付けるため使用され得る。
一例示的な実施形態では、制御ユニットは、ユーザに関連付けられた健康データを外部補助デバイスとの間で送受信するように構成される。
一例示的な実施形態では、内部貯蔵庫は、積み重ねた複数の薬剤を収容するように適合されている、上部端および底部端を有する細長い区画である。
一例示的な実施形態では、投与ユニットは、細長い区画の軸Aに対して横方向Rに沿って摺動するように構成されたイジェクタを備え、イジェクタは、区画の底部端に位置する薬剤を収集する内部位置からイジェクタがディスペンサから突出して薬剤を送達する外側位置に摺動可能であり、その逆も可能である。
一例示的な実施形態では、薬剤ディスペンサは、区画の上部端に位置する弾性手段を備え、イジェクタが内部位置にある場合、弾性手段は、積み重ね上に圧力を及ぼして、区画の底部端に位置する薬剤が、送達のため確実にイジェクタによって捉えられるように配置される。
一例示的な実施形態では、薬剤ディスペンサは、イジェクタに関連付けられたブロッキングデバイスをさらに備え、ブロッキングデバイスは、制御ユニットによって有効にされるとイジェクタの動きを防止し、無効にされると、イジェクタの動きを可能にするように適合される。
一例示的な実施形態では、ブロッキングシステムの作動/停止は、ユーザ認証データおよび送達制御データに基づいて制御ユニットによって操作される。
一例示的な実施形態では、ブロッキングシステムの作動/停止は、健康データに基づいて制御ユニットによって操作される。
一例示的な実施形態では、イジェクタは、薬剤ディスペンサの外部壁上に位置する摺動可能なボタンに接続され、摺動可能なボタンは、ユーザが操作することができる。
一例示的な実施形態では、内部貯蔵庫は、吸入可能なエアロゾルとして送達される形態で、薬剤を格納するように適合されるキャニスタを収容するように構成される。
一例示的な実施形態では、投与ユニットは、キャニスタへのアクセスを可能に/防止するための可動シャッタを備える。
一例示的な実施形態では、可動シャッタは、薬剤ディスペンサの摺動可能なレバーに連結され、ユーザが操作することができる。
一例示的な実施形態では、キャニスタは、エアロゾルを吸入するための吸入器に連結されるように適合された上部構成要素を備える。
一例示的な実施形態では、薬剤ディスペンサは、内部貯蔵庫にアクセスするためのカバーを備え、カバーは、施解錠手段によって薬剤ディスペンサの本体に取り外し可能に連結される。
一例示的な実施形態では、施解錠手段は、カバーを連結する/取り外すため外部薬剤補給装置と協働するように構成され、外部薬剤補給装置は、薬剤ディスペンサと物理的に近くに位置する。
一例示的な実施形態では、薬剤ディスペンサは、カバーの解錠を不可逆的に防止するように構成された安全クランピング機構をさらに備える。
一例示的な実施形態では、安全クランピング機構は、遠隔サーバからのサービス終了命令を受信すると制御ユニットによって作動可能である。
一例示的な実施形態では、安全クランピング機構は、薬剤ディスペンサに内部貯蔵庫にアクセスさせる局所的な試行を検出するように配置された内部電気回路に関連付けられ、安全クランピングシステムは、こうした試行が検出される場合に作動する。
一例示的な実施形態では、安全クランピング機構は、摺動可能なピンを有する構成要素を含む電気機械スイッチを備え、カバーの受け溝に突出してそれが外れるのを防止するため作動するときに、ピンは配置される。
一例示的な実施形態では、薬剤ディスペンサは、薬剤の破壊システムをさらに備える。
一例示的な実施形態では、破壊システムは、遠隔サーバからのサービス破壊命令を受信すると、制御ユニットによって作動可能である。
一例示的な実施形態では、破壊システムは、薬剤ディスペンサに内部貯蔵庫にアクセスさせる局所的な試行を検出するように配置された内部電気回路に関連付けられ、破壊システムは、こうした試行が検出される場合に作動する。
一例示的な実施形態では、破壊システムは、内部貯蔵庫内に配置されたリザーバを備え、リザーバは、壊れやすい壁を有し、薬剤中和剤を含む。
一例示的な実施形態では、薬剤ディスペンサは、起動されると、壊れやすい壁を破断するように構成されたパンチャ要素を備えてもよく、リザーバは、壊れやすい壁を破断すると、薬剤中和剤が内部貯蔵庫内に放出されるように、内部貯蔵庫内に配置される。
一例示的な実施形態では、破壊システムは、起動されると、ピンの摺動がリザーバの壁を破断するパンチャ要素の開放のトリガになるように、摺動可能なピンを有する構成要素を含む電気機械スイッチを備える。
一例示的な実施形態では、電気機械スイッチは、ピンの摺動が、ピンが外れるのを防止するためのカバーの受け溝へのピンの突出およびリザーバの壁を破断するためのパンチャ要素の開放の両方を引き起こすように配置される。
本発明のさらなる態様によれば、薬剤をユーザに送達する医療用ディスペンサが提供され、
・薬剤ディスペンサを薬剤を格納するように適合された外部貯蔵庫に連結するコネクタと、
・ユーザ認証データを収集するように適合されたユーザ認識ユニットと、
遠隔サーバとの間で上記ユーザ認証データおよびユーザの所定の投与プロトコルに関連付けられている送達制御データを送受信するように構成された通信モジュールと、を備える制御ユニットと、を備え、
制御ユニットは、ユーザ認証データおよび送達制御データに基づいて外部貯蔵庫からユーザに薬剤の送達を有効/無効にするように構成される。
本発明のさらなる態様は、ユーザの健康を監視するため薬剤ディスペンサと使用する補助デバイスを提供し、補助デバイスは、ユーザの健康データを収集し、健康データを薬剤ディスペンサとの間で送受信するように構成される。
一例示的な実施形態では、補助デバイスは、ウェアラブルデバイスである。
本発明のさらなる態様は、薬剤ディスペンサと使用するための吸入器を提供する。
本発明のさらなる態様は、薬剤ディスペンサと使用するための薬剤補給装置を提供する。
一例示的な実施形態では、薬剤補給装置は、薬剤ディスペンサの制御ユニットおよび/または薬剤ディスペンサを認証するための遠隔サーバと検証データを交換するように構成された通信システムを備える。
一例示的な実施形態では、薬剤補給装置は、薬剤ディスペンサの少なくとも一部を内部に受けるための受けスロットを有する基部を備える。
一例示的な実施形態では、通信システムは、無線手段を介して制御ユニットおよび/または遠隔サーバと検証データを交換するように構成される。
本発明のさらなる態様は、薬剤ディスペンサおよび補助デバイスを備える、薬剤摂取および監視のための医療システムを提供する。
本発明を実行するさらなる利点ならびに特徴および方法は、添付の図面の図を参照して、非限定的な例として提示される以下の発明を実施するための形態の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の例示的な実施形態の全ての態様およびその相互相関の全体的なスキームを示す。
図2】本発明の例示的な実施形態の全ての態様およびその相互相関の全体的なスキームを示す。
図3】例示的な実施形態による薬剤ディスペンサの正面図である。
図4】例示的な実施形態による薬剤ディスペンサの正面図である。
図5】例示的な実施形態による、薬剤ディスペンサの関連する主要部品および構成要素を示す断面図としてのブロッキングデバイスの上面図を示す。
図6】本発明の例示的な実施形態による薬剤ディスペンサの斜視図を示し、概略的に、その使用法を例示する。
図7】本発明の例示的な実施形態による補給装置と共に使用される薬剤ディスペンサを例示する。
図8】本発明の例示的な実施形態による補給装置と共に使用される薬剤ディスペンサを例示する。
図9】医療用ディスペンサに挿入する薬剤の例示的な実施形態を示す。
図10】医療用ディスペンサに挿入する薬剤の例示的な実施形態を示す。
図11】医療用ディスペンサに挿入する薬剤の例示的な実施形態を示す。
図12】本発明の例示的な実施形態による補給装置と共に使用される薬剤ディスペンサを例示する。
図13】本発明の例示的な実施形態による補給装置と共に使用される薬剤ディスペンサを例示する。
図14】例示的な実施形態による薬剤ディスペンサの安全クランピング機構を概略的に示す。
図15】薬剤ディスペンサの破壊システムの例示的な実施形態を示す。
図16】薬剤ディスペンサの破壊システムの例示的な実施形態を示す。
図17】薬剤ディスペンサの破壊システムの例示的な実施形態を示す。
図18】例示的な実施形態による薬剤ディスペンサの正面図である。
図19】本発明の例示的な実施形態による薬剤ディスペンサの斜視図を示し、概略的に、その使用法を例示する。
図20】例示的な実施形態による薬剤ディスペンサの正面図である。
図21】本発明の例示的な実施形態による薬剤ディスペンサの斜視図を示し、概略的に、その使用法を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を参照すると、概略的かつ総合的に、例示的な実施形態に従って、本発明を図示する。
詳細には、参照番号1で示す、本発明による薬剤ディスペンサの例示的な実施形態を例示する。
薬剤ディスペンサ1は、それぞれの単一の送達毎かつ服用毎に、処方箋に従って、ユーザ2に対する医薬または薬物(本書では全体的に「薬剤」と呼ぶ)のリアルタイムの制御および監視を可能にする。また、それは、上記に詳述されたように一般的な医薬品にも用いることができる。
【0009】
以下に詳細に説明されるように、薬剤ディスペンサ1は、データを遠隔サーバ15と通信するための手段を備える。
遠隔サーバ15は、通常、病院/診療所の施設内または一般にデバイスの管理者として医者/医療スタッフ180がアクセスできる、または、単一または一式の送達の監視および/または制御を可能にし、患者が効果的に既定の/処方の薬剤を服用する時を医者/医療スタッフが知るほか、患者の身体のこうした摂取の影響を監視することができるように、予め定義された状況に基づいた自動プログラム化意思決定によってアクセスできる場所に位置することができる。
本発明による薬剤ディスペンサは、追加で、標準服用量の範囲外の服用量ならびに処方された予定の時間の範囲外の例外的な送達の遠隔制御および監視を可能にする。
ユーザ2は、薬剤ディスペンサ1にユーザ認証データ76を入力することで自身を認証する。
ユーザ2は、全体として参照番号18で示される投与プロトコルに関連付けられる。投与プロトコル18は、決められた予定時間に服用される薬剤の種類および量などユーザの医療の必要に合わせられた一式の所定の規則を含む。投与プロトコル18は、ユーザの医療状態に基づいて一般に医者によって規定される。一部の実施形態では、薬剤ディスペンサ1は、リアルタイムのユーザの薬剤摂取の遠隔監視に基づいて、医者/医療スタッフ180が投与プロトコル18を遠隔で変えることができる。投与プロトコル18に基づいて、送達制御データ16は、薬剤ディスペンサ1と遠隔サーバ15との間で、念入りに作られ、ユーザ認証データ76と共に交換される。送達制御データ16は、一般に、薬剤の送達命令に対応する信号のほか、こうした命令に基づいて発生した薬剤の送達に関連する薬剤ディスペンサ1内の格納された情報として識別され得る。こうしたデータは、薬剤ディスペンサ1と遠隔サーバ15との間で送受信されて、リアルタイムのユーザの状態の監視を可能にする。
【0010】
この監視行動に基づいて、投与プロトコル18を変更することができ、かつ、これを送達制御データ16に反映することができる。
実施形態によっては、ユーザ2は、薬剤ディスペンサ1に自身の現在の身体状態に関する健康データ17を通信することもできる。以下に説明されるように、こうした健康データ17は、例えば、ユーザの画像データ20を、例えば、以下に説明されるようにカメラで収集して、補助デバイスまたは薬剤ディスペンサ1自体を介して集めることができる。現在の投与プロトコル18に基づいて、薬剤摂取に関連するユーザの身体状態を遠隔で監視するため、ユーザの画像データ20と共に健康データ17も、薬剤ディスペンサ1と遠隔サーバ15との間で交換することができる。さらに、薬剤摂取の前と後の患者の状態も、さらにカメラによる瞳孔測定によって監視できる。
実施形態によっては、遠隔サーバ15が確立して、薬剤の送達をできなくする薬剤ディスペンサ1へのサービス終了命令40に対応する信号の送信を介して送達サービスを遠隔で終了させることができる。サービス終了命令40は、例えば、記録された医療用ディスペンサ1の異常な使用の場合、またはユーザの身体状態の悪化を検出した場合のトリガであり得る。
実施形態によっては、追加でまたは代替で、遠隔サーバ15は、薬剤ディスペンサ1内に含まれる内部の薬剤の物理的破壊を操作する破壊サービス命令46に対応する信号も送ることができる。
【0011】
したがって、本発明によれば薬剤ディスペンサ1は、医薬、すなわちオピオイド医薬品または同様の目的に使用されるその他の同様の医薬品などの強内服薬の送達が、遠隔サーバ15を介して医者/医療スタッフによってそのように認識される、既知の患者としての特定のユーザ2に対して、送達毎の服用およびその頻度に関して、その特定の処方箋に従ってのみ起きることを確実にするほか、患者としてユーザの健康データに遠隔でアクセスする間、服用量も制御することができ、リアルタイムで識別でき、遠隔で評価できる異常な状況に関して必要に応じて、それを変更できる1人または複数の管理関係者によってこうした送達を監視および制御できる。これらの中心的な特徴は、医療専門家または診療所/病院で働いている同等の専門家などの第3者が、安全な方法で、患者の重要な健康データにアクセスし、特定の状況での患者の健康および福祉に対する最も適切な医療決定をすることができ、また、こうした決定の結果を監視でき、例外的な異常な状況の場合にそのように行動することを可能にする。
【0012】
さらに図1を参照すると、本発明のさらなる態様に従って、薬剤ディスペンサ1と共に使用する薬剤補給装置32が図示される。薬剤補給装置32は、薬剤ディスペンサ1への薬剤の補給を行うように構成され、通常、薬局などの許可された場所に配置される。この目的のため、本発明による医療用ディスペンサは、有利なことには携帯型デバイスの形態で提供され、ユーザが都合よく補給動作のため許可された場所に搬送することが可能である。
【0013】
より詳細には、補給装置32は、薬剤ディスペンサ1および/または薬剤ディスペンサ1、ユーザ2および所定の投与プロトコル18の認識のため必要なチェックを実行する遠隔サーバ15との間で検証データ35を交換するように構成される。全てのチェックが成功した場合、次に補給装置32は、薬剤の補給動作を可能にするため、承認信号36を送信して、薬剤ディスペンサ1を解錠することができる。
【0014】
ここで図2を参照すると、図1のスキームがより詳細に示される。
実施形態によっては、薬剤ディスペンサ1は、無線手段を介して、制御送達データ16、健康データ17、ユーザの画像データ20、サービス終了命令40、破壊サービス命令46を含む(がそれに限定されない)データを交換するように構成され得る。より詳細には、Bluetoothおよび/またはwi-fi型接続、インターネット上またはスマートデバイス接続を介してアクセス可能なクラウド記憶装置など知られている通信媒体が目的のため使用でき、薬剤ディスペンサ1と遠隔サーバ15との間の通信を可能にする。同様の種類の通信インターフェースは、補給動作のため薬剤ディスペンサ1を認証するため使用でき、薬剤補給装置32は、上述の知られている通信インターフェースを介して薬剤ディスペンサ1および/または遠隔サーバ15とデータを交換することができる。
当業者が、こうした技術を本発明に実装して、例えば、薬剤ディスペンサ1、遠隔サーバ15および薬剤補給装置32間のデータ通信を可能にする十分な知識を有することが理解されよう。
【0015】
実施形態によっては、ユーザ2はまた、ユーザ2から生命にかかわる健康データ17を収集するように構成された全体として参照番号21で示される補助デバイスを装備してもよい。補助デバイス21は、こうした目的のために構成されるウェアラブルデバイス21を含んでもよい。有利なことには、薬剤ディスペンサ1はまた、ユーザ2に完全な医療システムを提供するため、補助デバイス21と組み合わせて提供することができる。
こうした技術、すなわち、脈拍などの特性を収集することによってユーザ2の身体を監視することができるウェアラブルデバイスは、当業者に知られており、その詳細な説明は、本書では省略することは理解されよう。
【0016】
実施形態によっては、補助デバイス21は、上述の通り無線手段を介して、健康データ17を薬剤ディスペンサ1、薬剤補給装置32および遠隔サーバ15と(それらに限定されないが)交換することができる。
【0017】
図3を参照すると、例示的な実施形態による側面図、正面図、および上面図の医療用ディスペンサ1が示されている。
全体として、薬剤ディスペンサ1は、本体30および着脱式カバー29を備える。この例示的な実施形態では、本体30は、内部に薬剤を格納する貯蔵庫を含む。
着脱式カバー29は、所定の条件の下でのみ取り外されるように適合され、以下により詳述されるが、薬剤ディスペンサ1の内部貯蔵庫へのアクセスおよび薬剤の補給の動作を可能にする。
非限定的な例として示される実施形態では、薬剤ディスペンサ1は、錠剤9の形態で薬剤を受け入れるように構成される。
しかし、さらに本発明の基礎をなす発明的概念内にとどまると、薬剤は、錠剤以外の異なる形態を持ってもよい。
非限定的な例として、薬剤ディスペンサ1は、以下の形態で、1つまたは複数の種類の活性薬剤を含む薬剤を送達できる。
- 固体-任意の種類の幾何学形状およびサイズに圧縮された錠剤および丸薬であり、以下を含む。
・コーティング錠、
・異なる活性薬剤を組み合わせた多層錠、
・摂取可能なイベントマーカ(IEM:Ingestible Event Markers)を含む任意の形態のチップ錠、スマート錠、
・マルチユニット・ペレット・システム(MUPS:Multiple Unit Pellet Systems)を含む腸溶錠、
・粉末-塩類を含む、ミクロおよび/またはナノ粒子サイズであり、以下を含む。
- カプセル内のもの、
- カプセル内マイクロカプセル内に封入されたもの、
- カプセル内細粒として粒状のもの、
- 圧縮空気または圧縮ガスを含む、キャニスタまたはカートリッジ内自由粉末。
- 液体-いくらか粘性および流動性のある形態で、以下を含む。
・ブリスタ容器、キャニスタ、およびカートリッジ内を含む容器内のもの、
・カプセル内のもの。
液体形態は、静脈注射または経口または経口および鼻吸入エアロゾルルートに使用され得る。
エアロゾル形態の医薬、すなわち、電気抵抗加熱または誘導加熱システムに基づく熱エアロゾル化によって生成されたもの、または圧縮容器、ポンプまたはマイクロポンプからのノズル分散液、ならびに超音波システムを用いて生成されたエアロゾルは、患者がオピオイドを要求する場合に、以下の理由で使用することができる。
- 慢性肺疾患または心臓病による呼吸困難の軽減、
- 原発性または転移性肺腫瘍性疾患による呼吸困難の軽減、
- 腫瘍性疾患による痛みの防止または軽減。
錠形態の薬剤に関しては、1つまたは複数の種類の活性薬剤は、送達、吸収および/または吸着されると想定される目標の臓器に応じて、錠剤の活性薬剤は、分散性錠剤としてを含む錠剤として標準的な使用のほか舌下摂取を意図されてもよい。
大まかに言えば、本発明による薬剤ディスペンサは、消耗品として、
・1つまたは複数の種類の活性薬剤を有する1つまたは複数の種類の消耗品を含む、いくつかの種類の薬剤を使用することができる。
例1-錠剤の形態の消耗品「A」としてオピオイドなどの鎮痛剤、および錠剤の形態のビスホスホネート(例えば、デキサメタゾン)など消耗品「B」として鎮痛剤の効果を支援する医薬。
例2-フィルム、皮膚パッチの形態の消耗品「A」としてオピオイドなどの鎮痛剤、およびこれも錠剤の形態の消耗品「B」としてビスホスホネート(例えば、デキサメタゾン)など鎮痛剤の効果を支援する医薬。
例3-錠剤の形態の消耗品「A」としてオピオイドなどの鎮痛剤、1回の服用量10mg、および1回の服用量がより強い20mgである消耗品「B」として錠剤の形態の同一または同様の種類の医薬。
代替で、こうした普通でない服用は、同じ薬剤で1回の投薬量が少ない場合に可能であり、または鎮痛剤など補足的な薬剤としての異なる薬剤の既定の服用量の場合に可能である。
【0018】
さらに、図3を参照すると、薬剤ディスペンサ1は、投与ユニット10を備える。投与ユニット10は、薬剤ディスペンサ1の内部貯蔵庫(図では見えない)にアクセスして、薬剤9を投与するように構成される。この例示的な実施形態では、投与ユニット10は、薬剤9を抽出するためユーザが手動で動作可能な摺動可能ボタン23に連結されるイジェクタ11を備える。図示のように、摺動可能ボタン23は、薬剤ディスペンサの外部壁24に位置する。
【0019】
ここで医療用ディスペンサ1の正面図を示す以下の図4を参照すると、これも内部部品を明らかにする。
より詳細には、薬剤ディスペンサ1の本体30は、ここで目に見え、参照番号3で示される、1つまたは複数の種類の薬剤9を格納する内部貯蔵庫を含む。図示の例示的な実施形態では、薬剤ディスペンサ1は、2つの内部貯蔵庫3を備えるが、本発明による薬剤ディスペンサ1は、任意の数の内部貯蔵庫を備え得ることが理解されよう。ディスペンサ1が2つ以上を含む場合、同じ説明が任意の貯蔵庫に当てはまるため、説明は、1つの貯蔵庫に対して続く。
この例示的な実施形態では、内部貯蔵庫3は、細長い区画の形態で、上部端5および底部端6を有する。区画3は、積み重ね7の形態の複数の錠剤9を収容するように適合される。
投与ユニット10のイジェクタ11は、細長い区画3の軸Aを横断する方向Rに沿って往復するように摺動するように構成される。具体的には、イジェクタ11は、ユーザの摂取のため錠剤9を送達するため、底部端6に位置する薬剤9を収集する本体30内側の内部位置からイジェクタ11がディスペンサ1から突出する外側位置に摺動可能である。
有利なことには、区画3は、タブレットの積み重ね7に圧力を及ぼし、区画3の底部端6に位置する錠剤9が、薬剤の送達のため内部位置にある場合確実にイジェクタ11によって捉えられるように、上部端5に位置する弾性手段8をさらに含む。イジェクタ11は、本体30の外部壁24に位置する摺動可能ボタン23によってユーザが操作可能である。図を参照すると、矢印の方向のボタン23の摺動により、錠剤の送達が行われるが、一方で反対方向の摺動が、次の送達のためまだ積み重ね7内にある錠剤をイジェクタに装填するため必要である。
【0020】
図では、例として、普通の錠剤9および摂取可能なイベントマーカ911を含むチップ錠剤91を示す。
一部の好ましい実施形態では、薬剤ディスペンサ1は、消耗品の送達の直前の底部位置にある薬剤の存在を検出するように適合されたセンサ58も備えることができる。チップ錠剤91を使用する場合、センサ58は、これらの錠剤91をチップの読み取り/接続によって認識することもできる。
一部の好ましい実施形態では、薬剤ディスペンサ1は、ディスペンサ1とのユーザインターフェースの向上/最適化のため、音響信号入力用のマイク57、音響出力用のラウドスピーカ59およびディスプレイ54を備えることができる。
薬剤ディスペンサ1は、電池55など、電源によって電源供給される制御ユニット13を備える。
制御ユニット13は、全体として参照番号12で示されるユーザ認証データを収集するためのユーザ認識ユニットを含む。ユーザ認識ユニット12は、この目的のため異なる種類の既存の技術を使用することができる。この例示的な実施形態では、ユーザ認識ユニット12は、バイオメトリクス認証用の指紋リーダを含む。代替でまたは追加で、ユーザ認識ユニット12は、ディスプレイ54を含むことができ、ディスプレイ54は、ユーザがパスワードを入力し、こうして認識されるようになる、タッチ画面機能を備えることができる。
制御ユニット13は、遠隔サーバとの間でユーザ認証データおよび上記所定の投与プロトコルに関連付けられた送達制御データを送受信するように構成された通信モジュール14をさらに含む。
制御ユニット13は、指紋リーダ12から集めたユーザの認証データを受信/さらに精巧に作り上げ、所定の投与プロトコルに関連付けられた送達制御データおよびユーザ認証データを遠隔サーバとの間で送受信するため通信モジュール14を駆動するように適合されるプロセッサである。
この例示的な実施形態では、通信モジュール14は、上述の通り、無線手段を介して遠隔サーバとの間で送達制御データおよびユーザ認証データを送受信するように構成される。制御ユニット13は、薬剤の送達および消費についての履歴データを格納するための貯蔵ユニットをさらに備える。有利なことには、履歴データは、医者/医療スタッフがユーザの医学的処置を通してユーザの摂取を監視することができるように遠隔サーバ15とも交換される。
一部の好ましい実施形態では、薬剤ディスペンサ1は、ユーザの身体特性に関連付けられるユーザの画像データを検出するためカメラ19を備えることもできる。こうした実施形態では、有利なことには、制御ユニット13は、ユーザの健康データを取得するため画像データを処理するようにも構成され得る。例えば、カメラ19によって制御され得る瞳孔散大の程度は、ユーザの身体の状態を示すことができる。制御ユニット13は、遠隔サーバと交換されたユーザ認証データおよび送達制御データに基づいて、投与ユニット10を有効/無効にするように適合される。言い換えると、ユーザの認識が成功しない場合、かつ/または特定のユーザに対する投与プロトコルが送達命令を含んでいない場合、投与ユニット10は薬剤の送達に対して有効ではない。
【0021】
この目的のため、この例示的な実施形態を参照すると、薬剤ディスペンサ1は、制御ユニット13によって有効にされるとイジェクタ11の動きを防止し、無効にされると、イジェクタ11の動きを可能にするように適合される、投与ユニット10のイジェクタ11に関連付けられたブロッキングデバイスを備える。
【0022】
次に図5は、投与ユニット10に関連付けられたブロッキングデバイスの例示的な実施形態を示す。図5は、薬剤ディスペンサ1の上面断面図を示す。具体的には、2つの異なる例示的な実施形態は、左には、イジェクタ11が、ディスペンサの同じ外部壁24に位置する摺動可能なボタン23によって動作可能である2つの区画を有する薬剤ディスペンサ、右には、イジェクタが、ディスペンサの両側の壁、すなわち、壁24および壁25に位置する摺動可能なボタン23によって動作可能である2つの区画を有する薬剤ディスペンサ、を示す。ブロッキングデバイスの説明は、単一イジェクタ11に関し、同じことが任意の構成の全てのイジェクタ11に当てはまる。
ブロッキングデバイスは、イジェクタ11内に位置付けられた対応する穴に受け入れられるブロッキングピン22を備える。ブロッキングピン22は、イジェクタ11から解放され、その移動が可能になって(摺動可能ボタン23を介してユーザによって駆動される)錠剤9を取り出す(矢印Rが示す方向の移動によって)送達位置とイジェクタ穴に挿入されて、したがってその動きを防止されるブロッキング位置との間で移動可能である。ブロッキングピンの位置は、ユーザによって収集され、投与プロトコルに関連付けられた遠隔サーバと交換されたデータに基づいて、制御ユニットによって決定される。
代替で、ボタン23は、回転可能なノブの形態であってもよい。より具体的には、上述の通り、その回転により、関連付けられたイジェクタ11の摺動を決定して、錠剤9を投与することができる。
【0023】
次に図6を参照すると、薬剤ディスペンサ1が例示され、その例示的な使用法が概略的に図示されている。
ユーザ2は、薬剤ディスペンサ1にアクセスし、自身のユーザ認証データ76の入力によって自身の身元を認証する。実施形態によっては、ウェアラブルデバイス21によって収集された健康データ17は、薬剤ディスペンサに入力することもできる。実施形態によっては、薬剤ディスペンサ1は、ユーザの画像データ20を検出するためカメラ19を備えることもできる。制御ユニット13は、ユーザ認証データ76およびユーザ健康データ17を収集し、こうした情報の断片を通信モジュール14を介して遠隔サーバ15と交換する。遠隔サーバ15は、ユーザ2と確立した投与プロトコルに基づいて情報を精巧に作り上げ、制御送達データ16を入力する。現在のユーザの健康データ17に基づいて、投与プロトコル18が変更される場合があり、したがって、送達制御データ16に影響を与える可能性があることが理解されよう。例として、健康データ17が異常と考えられる場合、薬剤の送達は中断される場合がある。
全ての状態が満たされ、制御送達データ16が、薬剤の送達のための命令を含む場合、制御ユニット13は、イジェクタ11のブロッキングデバイスを無効にする。ユーザ2は、摺動可能なボタン23を作動して、ディスペンサ1から抽出器11を案内し、薬剤を収集することができる。
一部の好ましい実施形態では、通信モジュール14は、ユーザ2と医療スタッフ180、すなわち、ユーザ2の投与プロトコル18を遠隔で監視する医者との間で、音声通信および/またはテキスト通信および/またはビデオ通信ができるように構成されたサブユニットをさらに備え得る。
例えば、通信モジュール14のサブユニットは、ユーザ2と医者180の間で音声通話および/またはテキストメッセージおよび/または携帯電話ネットワーク経由のビデオ通話ができるように構成された携帯電話モジュールを含み得る。代替でまたは追加で、サブユニットは、例えば、Wi-Fi型の接続を介してインターネット接続経由の通信ができるようにさらに構成され得る。
【0024】
有利なことには、認証されたユーザ2の医薬の有効な摂取ならびに一般的な医療状況の監視は、薬剤ディスペンサ1とインターフェース接続する外部補助デバイス21によって取得された健康データ17を評価することによって可能になり得る。追加でまたは代替で、有効な摂取の監視はまた、ユーザ2と管理者180との間の直接の音声および/または画像遠隔対話によって評価され得る。特に、こうした種類の遠隔通信を可能にする通信モジュール14のサブユニットによって可能になる。
言い換えると、通信モジュール14のサブユニットは、知られている携帯電話に今存在する機能を薬剤ディスペンサ1に追加する。
このさらなる技術特徴は、以下の例示的な筋書では特に有利である。
ユーザ2は、現在の投与プロトコル18には含むことができない、追加の薬剤摂取の強い要求がある場合がある。ユーザ2は、音声電話を可能にする通信モジュール14のサブユニットを備える本発明による携帯型薬剤ディスペンサ1を使用して音声またはビデオ電話により医療スタッフ180に直接接触するという選択肢があり得る。
この目的のため、上述で強調された本発明による薬剤ディスペンサの携帯性は、特に有用である。というのも、ユーザが通常の携帯電話としてディスペンサ1を利用することができるからである。このように、ユーザ2は、直接医療スタッフ180に要請について伝えることができ、決定を、適時に遠隔で行うことができる。この目的に対して、ユーザ2は、自身の身体状態を医療スタッフ180が速やかに評価できるように、現在の健康データ17を収集し、こうしたデータを遠隔サーバ15に送信するように要求される可能性がある。これは、詳述したように、ユーザの瞳孔特性を薬剤ディスペンサ1のカメラ19を介して収集することによって達成できる。
健康データ17が提供された後、余分な服用に関する決定をすることができる。
さらなる摂取が許可された場合、余分な服用分の摂取の直後に健康データ17を収集し、それを遠隔サーバ15に送信するようにユーザに要求するのが有利であり得る。
全体的な手順は、有利なことには、ユーザ2と医療スタッフ180との間の音声通信の支援と共に起こり得る。
さらに、薬剤ディスペンサ1は、有利なことには地理的ローカリゼーションシステムも含み得る。したがって、ユーザ2の場所は、特に緊急医療の場合またはディスペンサの誤使用の場合、医療スタッフ180によって簡単に評価され得る。
【0025】
次に図7を参照すると、薬剤補給動作のための薬剤ディスペンサ1が示されている。上述の通り、薬剤ディスペンサ1は、薬剤を収容するための1つまたは複数の貯蔵庫を含む本体30および貯蔵庫にアクセスするための着脱式カバー29を備える。着脱式カバー29は、施解錠手段によって本体30に連結される。
薬剤ディスペンサ1のカバー29が取り外されると、薬剤を含む区画へのアクセスが可能になり、したがって、初めて薬剤ディスペンサに消耗品を装填するほか、ディスペンサに薬剤を再装填/補給することができる。
実施形態によっては、カバー29に関連付けられた施解錠手段は、音響磁気電子商品監視(AM EAS:Acousto-Magnetic Electronic Article Surveillance)および音響磁気無線周波数認識装置(AM RFID:Acousto-Magnetic Radio Frequency Identification)で使用する超高周波(UHF:ultra-high frequency)RFIDアンテナを装備した、固定されたロッキングデバイスの解錠および取り外しのため一般的磁気または電磁気システムのほか電子タグ監視で使用される、無線周波数認識装置(RFID:Radio Frequency Identification)またはAM/RFIDを含み得る。こうした施解錠手段は、当業者には知られていることが理解されよう。本書では、その詳細の説明は省かれる。
有利なことには、施解錠手段は、外部薬剤補給装置32が、薬剤ディスペンサ1と物理的に近くに位置する場合のみ、カバー29の連結/取り外しのため、外部薬剤補給装置32と協働するように構成される。
薬剤補給装置32は、医療用ディスペンサ1の施解錠手段と協働して、カバー29を施錠/解錠するように適合された取り外しシステム(図示せず)を備え、こうして、補給動作のため内部貯蔵庫にアクセスできるようになる。
装置32は、参照番号34で概略的に示される通信システムを備え、好ましくは無線手段を介して、検証データ35を遠隔サーバ15および/または薬剤ディスペンサ1の制御ユニット13と交換する。検証データ35は、装置32の取り外しシステムを有効/無効にする必要があり、こうして、カバー29の取り外しを可能にする。
実施形態によっては、補給装置32は、基部37および薬剤ディスペンサ1の一部を内部に受ける受け入れスロット38を備える。この例示的な実施形態では、取り外しシステムは、物理的に薬剤ディスペンサ1と一致する受け入れスロット38内に位置する。カバー29を含む薬剤ディスペンサ1の一部は、その中に挿入される。
挿入後、装置32の通信システム34は、薬剤ディスペンサ1の制御ユニット13と遠隔サーバ15との間で検証データ35を交換して、補給のため薬剤ディスペンサ1を認証し、補給動作を完了するため関係者が必要とする、好ましくは関連付けられた投与プロトコル18についての情報も収集する。
取り外しシステムは、検証データ35に基づいて、有効/無効にされる。より詳細には、全てのチェックが成功した場合、取り外しシステムは、承認信号36によって起動されて、カバー29を解錠する。
【0026】
次に図8を参照すると、補給動作の例が示されている。薬剤9の2つの積み重ね7は、カバー29の上部に位置付けられる。次に、薬剤ディスペンサ1をカバー29上に戻す。最後に、装置32の取り外しシステムはカバー29を施錠する。ユーザはここで、薬剤を補給され、使用の準備ができている携帯型薬剤ディスペンサ1と共に承認場所を離れてもよい。
【0027】
実施形態によっては、ここで、図9を参照すると、薬剤9の積み重ね7は、細長い区画3内に挿入するのが適切な管状カートリッジ60内に提供することができ、管状カートリッジ60は、例えば、金属材料または高分子材料で製造することができる。有利なことには、薬剤9の積み重ね7は、下部溝61と上部溝63との間に含まれ得る。対応して、区画3は、その中にカートリッジ60をしっかりと保持するように、積み重ね7の挿入の間、上部溝63に入る上部突起62を備える。
【0028】
区画3へのカートリッジ60の挿入は、次に図10を参照すると、順に示される。図では、上部突起62が上部溝63に入るまで、カートリッジ60の挿入が、弾性手段8を圧縮するのがはっきりと示されている。溝63への突起62の挿入は、スナップフィット式接続に類似する。
【0029】
ここで続いて図11を参照すると、カートリッジ60はさらに、安全化リング64を装備する。以下に示されるように、安全化リング64は、下部溝61を無効化し、錠剤9の送達を有効にするように、カートリッジ60内に押し込まれる。
【0030】
次に図12は、カートリッジ60の薬剤ディスペンサ1の区画3への挿入を示す。弾性手段8は、区画3の上部突起62がカートリッジ60の上部溝63に嵌合するまで、圧縮される。続いて、安全化リング64は、下部溝61の対応部分に嵌められる。ここで、安全化リング64は、ユーザが手動でカートリッジ60内に押し込むことができる。
代替で、一部の例示的な実施形態では、次の図13に示すように、安全化リング64のカートリッジ60への押し込みは、以下に詳述するように、補給装置32によって操作される本体30の着脱式カバー29への連結の間、自動的に動作することができる。図では、薬剤ディスペンサ1、カバー29および装置32の正面断面図を示し、一連の動作が、左から右に示される。
安全化リング64は、錠剤の送達を可能にするのに十分な方法でカートリッジ60を広げることなく下部溝61の対応部に最初に挿入される。この例示的な実施形態では、カバー29は、自由に上方に突出する可動ピン291を内部に含む。対応して、補給装置は、その受け入れスロット内に突起321を含む。次に、本体30は、カバー29に連結される。ここで、薬剤ディスペンサ1は、補給装置32の受け入れスロットの内側に押し込まれて、本体30をカバー29に連結するため施錠手段を有効にする。同時に、突起321は、安全化リング64に作用する可動ピン291を上方に押して、可動ピン291をカートリッジ60に押し込んで下部溝61を無効にする。こうして、錠剤は、ここで、送達のため、投与ユニット10、すなわち、イジェクタによって収集することができる。
実施形態によっては、続く図14を参照すると、薬剤ディスペンサ1はまた、全体として参照番号39で示される安全クランピング機構を備えることができ、安全クランピング機構は、カバー29の解錠を不可逆的に防止するように構成される。
安全クランピング機構39は、遠隔サーバ15によって送信されたサービス終了命令40を受信すると制御ユニット13によって起動され得る。こうしたサービス終了命令40は、例えば、ユーザから受信した異常な健康データに応答して、医療用ディスペンサ1に送信され得る。一部の筋書では、医者/医療スタッフは、すぐに薬剤の送達を中断して、さらなる薬剤摂取の危険なしに、ユーザの身体状態を評価することを決定してもよい。
この例示的な実施形態では、安全クランピング機構39は、摺動可能ピン43を有する構成要素431を含む電気機械スイッチ42を備える。ピン43は起動すると、矢印Bの方向に沿って、カバー29に一体化する部分441に位置する溝44に不可逆的に摺動する。ピン43の溝44への挿入により、カバー29の開放が防止される。
より詳細には、摺動可能ピン43は、常に弾性力を受け、図に示す位置、すなわち、溝44の外に、概略的に番号41で示される電気回路によって維持され、電気回路は弾性力に対抗する力を生成し、その平衡を保つ。サービス終了命令40を受けて、制御ユニット13は、電気回路41を無効にする。こうして、弾性力は、溝44内のピン43の不可逆的な摺動、したがって、カバー29の永久的解錠を決定する。
【0031】
実施形態によっては、代替でまたは追加で、内部電気回路41は、有利なことには、カバー29を取り外し、したがって、監視されず、制御されない摂取用の薬剤にアクセスするハッキングの局所的な試行を検出するように、薬剤ディスペンサ1内に配置され得る。安全クランピング機構39は、こうした試行を検出するように起動される。実際、電気回路41は、有利なことには、本体とカバー29との間の境界面に位置し、したがって、カバー29を取り外そうとする試行は、回路41の破断を、続いて、溝44内のピン43の摺動を引き起こす。
【0032】
実施形態によっては、次の図15を参照すると、薬剤ディスペンサは、その中に含まれる薬剤の破壊システム45を備えることができる。
実施形態によっては、破壊システム45は、遠隔サーバ15からのサービス破壊命令46の受信で制御ユニット13によって起動され得る。
一部の筋書では、医者/医療スタッフは、ユーザが、何かの方法で、制御されない、したがって危険な摂取のためその内部貯蔵庫にアクセスできる可能性がある危険がある場合、医療用ディスペンサ内に含まれる薬剤を遠隔で中和することを決定できる。
破壊システム45は、内部貯蔵庫3内に配置されたリザーバ47を備え、リザーバ47は、内部の壊れやすい壁48を有し、薬剤中和剤49を含む。
破壊システム45は、起動されると、内部の壊れやすい壁48を破断し、薬剤中和剤49を内部貯蔵庫3に放出するように構成されるパンチャ要素50をさらに含み、こうして薬剤と接触して有効成分を中和するようにする。
この例示的な実施形態では、パンチャ要素50は、2つの対向する力、パンチャ50を矢印Sの方向に押すばね72とその上部端の対応部で機械的にパンチャ50のステップ501と係合するクランク71によって及ぼされる対向する力との間の平衡を保つ。クランク71の下部端は、電気機械スイッチ42の可動ピン43に当接する。ピン43は起動すると、矢印Dの方向に沿って不可逆的に摺動する。ピン43の摺動は、クランク71のパンチャ50との係合を解除し、パンチャ50に及ぼされる力を止めて、ばね72の力と平衡を保つようにする。これにより、矢印Sの方向に沿った、支持部74によってディスペンサの本体に連結される衝撃伝達要素73の方向へのパンチャ要素50の突然の摺動が引き起こされる。そして、衝撃は、リザーバ47の内部の壊れやすい壁48の方に伝達され、中和剤49を貯蔵庫内に放出させ、その後、薬剤の破壊を引き起こす。
より詳細には、摺動可能ピン43は、常に弾性力を受け、図に示す位置で、概略的に番号41で示される電気回路によって維持され、電気回路は弾性力に対抗する力を及ぼし、その平衡を保つ。サービス破壊命令46を受けると、制御ユニット13は、電気回路41を無効にする。こうして、弾性力は、矢印Dの方向に沿ったピン43の摺動およびしたがって、矢印Sの方向のパンチャ50の突然の移動を決定する。
【0033】
一部の例示的な実施形態では、図に示すように、電磁スイッチ431は、有利なことには、クランク71の下部端と溝44の対応部のカバー29の部分441との間に配置され得る。こうして、サービス破壊命令46は、カバー29の取り外しを永久に防ぐ受け溝44へのその突出およびリザーバの壊れやすい壁48を破断するパンチャ50の開放の両方を引き起こす。
この処理は、中和剤49がユーザにとって有害な場合、特に有利であり得る。この場合、薬剤の破壊に加えて、内部貯蔵庫は、ユーザが中和剤49に接触するようになるのを防ぐため、確実にユーザがアクセスできないままである。
この例示的な実施形態では、リザーバ47の内部壁48は、薬剤が収容され、したがって、リザーバ47が貯蔵庫3の周りに位置する内部貯蔵庫3を画定する。しかし、他の実施形態では、例えば、リザーバ47は、内部貯蔵庫内に全体的に含まれて配置される場合、その結果、その破断は、その中の中和剤49の放出を引き起こすと、考えられ得る。
この例示的な実施形態では、リザーバの内部壁48は、透明であってもよい材料でできていてもよく、所定の機械的圧力状態の元で壊れやすく、約75%の二酸化ケイ素(SiO2)、酸化ナトリウム(Na2O)、酸化カルシウム(CaO)、および添加物で構成されたケイ酸塩ガラスまたは類似のものとしての、通常ガラスなどのガラスであってもよく、ならびに特定のパターンによる破断および小片化など特定の機械的圧力で物理的機械的行為を定義された熱処理ガラスなどであってもよい。内部壁48の材料は、フッ化物ガラス、アルミノケイ酸塩、リン酸塩ガラス、ほう酸塩ガラス、およびカルコゲナイドガラス、ガラスセラミック、など他の種類のガラスでできていてもよく、同様に高分子材料、または類似の物理特性を有する化合物、すなわち、その表面に関してその特定の材料特性およびその特定の設計に従った、その材料を破断するのに必要な力の範囲内の機械的圧力に提示されると、通常破断可能な硬質材でできていてもよい。
【0034】
次に図16を参照すると、内部リザーバ壁48は、材料の破損を容易にするため1つまたは複数の方向に予め切断された線を含み得る。例えば、内部壁48は、対角線/螺旋状線481または十字線/菱形線482または長手方向線483を備え得る。
パンチャ50によって衝撃伝達要素73に加えられる必要な力Fの計算は、図17に示すように標準試験装置75を用いて測定できる。こうした力は、6N~120Nの範囲、好ましくは15N~50Nで構成され得る。
【0035】
次に図18を参照すると、本発明による薬剤ディスペンサ1のさらなる例示的な実施形態を示す。この実施形態では、薬剤を貯蔵する薬剤ディスペンサの内部貯蔵庫は、吸入可能なエアロゾル53としてユーザに送達される形態で薬剤を貯蔵するように適合されるキャニスタ52を収容できる。ディスペンサ1の主要構成要素は、すでに詳述したものと同じなので、詳細の説明は省く。
この実施形態では、薬剤ディスペンサ1は、使い捨てまたは再利用可能であってもよい吸入器51に連結可能である。この目的のため、吸入器51は、エアロゾル53の形態で薬剤を吸入するためキャニスタ52の上部構成要素28に連結されるように構成される端部511を含む。
この例示的な実施形態では、薬剤ディスペンサ1は、2つの独立したキャニスタAおよびBを含み、それぞれは、異なる種類の薬剤を運ぶ。しかし、薬剤ディスペンサ1は、同じ種類の薬剤53を格納するため任意の数のキャニスタ52を備えることができるか、または、それと違って、各キャニスタ52は、特定のユーザの投与プロトコル次第で異なる種類の薬剤を含むことができることが理解されよう。
この実施形態では、以前説明した実施形態と同様に、薬剤ディスペンサ1の内部貯蔵庫は、カバー29経由でキャニスタ52に装填または補給され得る。この実施形態では、2つの異なる種類の薬剤の使用では、有利なことには、投与プロトコルに従って、各薬剤の独立した制御された送達、または相関した送達が可能で、こうした場合、内部貯蔵庫および関連するキャニスタの実施形態の幾何学的断面は、それらの間で異なって、容易で安全な認識を可能にし得る。
この実施形態では、薬剤ディスペンサ1は、円錐形ロート状に出口の方に軸方向に収束する、または吸入器51の出口の方に収束する円錐および広がる円錐のように収束しかつ広がることを含む、エアロゾルのより良い均質化のための特定の断面を有し得るホモジナイザ室81などのエアロゾル生成構成要素を有し得る。吸入器51が上部構成要素28(ねじ式、バヨネット式など)を介して薬剤ディスペンサ1と連結すると、吸入器の断面は、均質化室の特徴および効果を延ばすことができる。
【0036】
次に図19を参照すると、この実施形態による薬剤ディスペンサ1の例示的な使用法を説明する。ユーザ2は、薬剤ディスペンサ1にアクセスし、自身のユーザ認証データ76の入力によって自身の身元を認証する。ウェアラブルデバイス21によって収集された健康データ17は、薬剤ディスペンサ1に入力することもできる。制御ユニット13は、ユーザ認証データ76およびユーザ健康データ17を収集し、こうした情報の断片を通信モジュール14を介して遠隔サーバ15と交換する。遠隔サーバ15は、認証されたユーザ2に対して確立した投与プロトコルに基づいて情報を精巧に作り上げ、制御送達データ16を入力する。現在のユーザの健康データ17に基づいて、投与プロトコル18が変更される場合があり、したがって、送達制御データ16に影響を与える可能性があることが理解されよう。例として、健康データ17が異常と考えられる場合、薬剤の送達は中断される場合がある。
この実施形態では、投与ユニット101は、薬剤摂取のため吸入可能なエアロゾルとして送達されるような形態の薬剤を備えたキャニスタ52を含む内部貯蔵庫にアクセスするため、摺動可能レバー27を介してユーザ2によって動かせる可動シャッタ26を備える。
全ての状態が満たされ、制御送達データ16が薬剤の送達の命令を含む場合、制御ユニット13は、摺動可能レバー27でシャッタ26を開くことを可能にする。シャッタ26が開けられると、図にはっきりと示すように、ユーザは、吸入器51の端部511をディスペンサ1の上部構成要素28に結合することによって、吸入器51を薬剤ディスペンサ1に連結することができる。この構成では、薬剤ディスペンサ1は、使用され、所定の投与プロトコルに従って、所定の服用量の吸入可能な気体をユーザに送達する準備ができている。
こうした場合のエアロゾルの形態の薬剤(例えば、オピオイド)では、これらエアロゾルは、電気抵抗加熱または誘導加熱システムに基づく熱エアロゾル化、あるいは圧縮容器、ポンプまたはマイクロポンプからのノズル噴霧または分散液、ならびに超音波システムを用いて生成されたエアロゾルによって生成され得る。例えば、オピオイドベースの鎮痛剤など、エアロゾルの使用のいずれの場合においても、薬剤ディスペンサ1は、有利なことには、固定された容量を送達する計量式ポンプエアロゾル化デバイスを用いるなど計量機能を備えて、特定の服用量の送達を確実にする。熱エアロゾル化のため液体形状医薬を備えるキャニスタ/カートリッジを使用する電気抵抗加熱または誘導加熱システムなどの熱エアロゾル化システムを使用する薬剤ディスペンサの場合には、服用量を計量し送達を制御する信頼できる方法は、加熱ユニットの活性化の時間を制御すること、したがって、こうした活性化で消耗される液体の量、したがってユーザが生成し吸入するエアロゾルの量を知ることによって得ることができる。このように、ディスペンサ1の制御ユニット13は、薬剤の送達および消費、ならびに投与プロトコル18に従った有効な消費を制御する。上述したように、ユーザ2の全体的な状態および具体的な消費の効果は、遠隔で医者/医療スタッフによって、薬剤摂取の前後にユーザの瞳孔の状態に関連するデータを取得する薬剤ディスペンサ1のカメラ19を用いる瞳孔測定の経由を含む健康データ17を経由して監視できる。
【0037】
次に図20を参照すると、薬剤ディスペンサ1のさらなる実施形態を示す。この例では、薬剤ディスペンサ1は、2つの内部貯蔵庫3を含み、1つの貯蔵庫3は、吸入可能なエアロゾルの形態で薬剤の送達用のキャニスタ52を収容し、一方、他の貯蔵庫3は、積み重ね7の形態で錠剤9を格納するように構成される。
この実施形態では、特定の薬剤に対する錠剤9の制御された送達、ならびにオピオイドなどのエアロゾルを介して吸入される薬剤の制御された送達の使用が可能である。したがって、この実施形態は、ユーザが衰弱させる呼吸困難および深刻な気管支に苦悩している場合、非常に有利であり、肺がんユーザを含む、生活の質が徐々に悪化する場合のこれら患者を強く支援して、エアロゾルの形態で管理されたオピオイドが、効果的に痛みをやわらげることができる。
この実施形態による薬剤ディスペンサ1の各貯蔵庫は、上述の通り動作するので、薬剤ディスペンサのこうしたハイブリッドな実施形態のさらなる説明は省く。
大まかに言えば、本発明による薬剤ディスペンサ1は、薬剤を格納するため任意の数の内部貯蔵庫を備えることができ、それぞれの貯蔵庫に格納された各薬剤は、任意の形態および/または種類で提供され得る。
【0038】
ここで図21を参照すると、参照番号200で示される本発明による薬剤ディスペンサのさらなる実施形態が示される。この例では、薬剤ディスペンサ200は、図に数字201で示された内部に薬剤を格納するように適合された外部貯蔵庫204に薬剤ディスペンサ200を連結するためのコネクタ203を備える。薬剤ディスペンサ200は、ユーザ認証データ76を収集するように適合されたユーザ認識ユニットならびにユーザ認証データ76および送達制御データ16を遠隔サーバ15との間で送受信するように構成された通信モジュール14を備える制御ユニット13をさらに含み、そこで、送達制御データ16がユーザ2の所定の投与プロトコル18に関連付けられる。
この実施形態の上述の以前の実施形態との主な違いは、薬剤貯蔵庫204はもはやディスペンサ200の内部部分ではなく、着脱式外部構成要素であるという事実にあることが理解されよう。この場合、制御ユニット13は、ディスペンサ200に接続されると、ユーザ認証データ76および送達制御データ16に基づいて、外部貯蔵庫204からユーザ2への薬剤201の送達を有効/無効にするように構成される。
この例では、コネクタ203は、ディスペンサ200と薬剤201を運ぶ外部貯蔵庫204との間の安定して強固な物理的かつ電気的接続を可能にする外部貯蔵庫204のオス構成要素206と係合するように適合される雌スロットである。
この例では、外部貯蔵庫204は、エアロゾルの生成およびマウスピース205を通る送達のため構成することができ、外部貯蔵庫204は、少なくとも1つの電池などの独立した電源、および電子回路、すなわち、薬剤ディスペンサ200の制御ユニット13(すなわち、制御ユニット13)および/または補助デバイス21とインターフェース接続する電子回路(図示せず)を備え得る。
代替で、外部貯蔵庫204は、薬剤ディスペンサ200の電子回路および電源を使用してもよい。
実施形態によっては、動作可能な機能が、タッチ画面機能を有することもできるディスプレイ54上に表示され得る。
【0039】
本発明はここまで、好ましい実施形態を参照して説明してきた。同じ発明の概念に求心性のその他の実施形態があり得るが、全て、以下の特許請求の範囲の保護の範囲内に含まれることを理解されたい。
図1
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