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特許7061673対象物の関心領域のスペクトル画像を再構成するための装置、システム、方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】対象物の関心領域のスペクトル画像を再構成するための装置、システム、方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20220421BHJP
   G01N 23/087 20060101ALI20220421BHJP
   G01N 23/046 20180101ALI20220421BHJP
【FI】
A61B6/03 373
A61B6/03 350H
A61B6/03 320R
G01N23/087
G01N23/046
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020539189
(86)(22)【出願日】2019-01-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 EP2019051085
(87)【国際公開番号】W WO2019141747
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】18152442.2
(32)【優先日】2018-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】デア,ハイナー
(72)【発明者】
【氏名】ブレンデル,ベルンハルト ヨーハネス
(72)【発明者】
【氏名】スラン,アクセル
(72)【発明者】
【氏名】ソシン,アルトゥール
【審査官】宮川 数正
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0215230(US,A1)
【文献】国際公開第2016/076767(WO,A1)
【文献】再公表特許第2013/089154(JP,A1)
【文献】特開2008-180713(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の関心領域のスペクトル画像を再構成するための画像再構成装置であって、
複数の命令を記憶したメモリと、
前記メモリに結合されるプロセッサ回路であり、前記複数の命令を実行して、
放射線検出器を形成する複数の検出素子の各検出素子及び複数の所定のエネルギービンの各エネルギービンについて検出値を提供、検出値は、前記関心領域を横断した後に、前記エネルギービンのうち1つにおいて検出素子により検出された放射線を示し、
相関値を提供し、相関値は、エネルギービンにおいて前記検出素子により検出された前記検出値と、前記エネルギービンにおいて他の検出素子により検出された検出値、他のエネルギービンにおいて他の検出素子により検出された検出値、及び他のエネルギービンにおいて前記検出素子により検出された検出値のうち少なくとも1つとの相関を示し、
各検出素子及び各エネルギービンについてモデル値を生成し、モデル値は、前記関心領域を通る放射線の横断の適合可能モデルに基づいて、且つ、前記モデル値が生成される前記検出素子との前記放射線の相互作用のモデルに基づいて生成され、
前記検出値のうち少なくとも2つの検出値の間の相関が補償されるように前記検出値、前記モデル値及び前記相関値に基づいてスペクトル画像を再構成することによって、前記スペクトル画像内のノイズを低減させ、前記再構成することは、コスト関数を最適化することにより前記スペクトル画像を再構成することを含み、前記コスト関数は、前記モデル値、前記検出値及び前記相関値に基づく
ように構成されたプロセッサ回路と、
を含む画像再構成装置。
【請求項2】
前記プロセッサ回路は更に、各検出素子及び各エネルギービンについて少なくとも1つの相関値を提供するように構成され、検出素子及びエネルギービンについて提供される相関値は、エネルギービンにおいて検出素子により検出された前記検出値と、前記エネルギービンにおいて他の検出素子により検出された検出値、他のエネルギービンにおいて他の検出素子により検出された検出値、及び他のエネルギービンにおいて前記検出素子により検出された検出値のうち少なくとも1つとの相関を示す、請求項1に記載の画像再構成装置。
【請求項3】
前記プロセッサ回路は更に
相関行列を規定する相関値を提供し、
記相関行列及び前記検出値に基づいて前記スペクトル画像を再構成する
ように構成される、請求項2に記載の画像再構成装置。
【請求項4】
検出素子及びエネルギービンについての前記モデル値は、前記エネルギービンにおいて前記検出素子により検出された前記検出値と、前記エネルギービンにおいて他の検出素子により検出された少なくとも1つの検出値との間の相関のモデルに更に基づく、請求項1に記載の画像再構成装置。
【請求項5】
検出素子との放射線の前記相互作用の前記モデルは、前記検出素子上の異なるエネルギーの放射線の入射に対する前記検出素子の応答を示す検出器の応答関数に基づく、請求項1に記載の画像再構成装置。
【請求項6】
前記コスト関数は、前記モデル値と前記検出値との間の差に基づき、それぞれの差は、エネルギービン及び検出素子についてのモデル値と、前記エネルギービンについて前記検出素子により検出された検出値との間の差として定義される、請求項1に記載の画像再構成装置。
【請求項7】
前記コスト関数は、
【数1】
に基づいて決定されたデータ項Dを含み、Cは前記相関値により定義される相関行列であり、
【数2】
は前記モデル値を含むベクトルであり、
【数3】
は前記検出値を含むベクトルである、請求項1に記載の画像再構成装置。
【請求項8】
前記プロセッサ回路は更に、罰則付き尤度法に基づいて前記スペクトル画像を再構成するように構成され、前記罰則付き尤度法は、
L=D+R
に従って定義される前記コスト関数Lに基づき、Dはデータ項であり、Rは正則化項である、請求項1に記載の画像再構成装置。
【請求項9】
前記プロセッサ回路は更に、検出値サブセットを提供するように構成され、前記検出値サブセットは検出素子サブセットにより規定される、請求項1に記載の画像再構成装置。
【請求項10】
対象物の関心領域のスペクトル画像を生成するためのイメージングシステムであって、
異なる放射線エネルギーの放射線を生成するための放射線源と、
前記関心領域を横断した後の前記放射線源により生成された前記放射線を検出するための検出器であり、前記検出器は、複数の検出素子を含み、各検出素子は、複数の所定のエネルギービンのそれぞれについて検出値を検出する、検出器と、
像再構成装置であり、
複数の命令を記憶したメモリと、
前記メモリに結合されるプロセッサ回路であり、前記複数の命令を実行して、
前記複数の検出素子の各検出素子及び前記複数の所定のエネルギービンの各エネルギービンについて検出値を提供し、検出値は、前記関心領域を横断した後に、前記エネルギービンのうち1つにおいて検出素子により検出された放射線を示し、
相関値を提供し、相関値は、エネルギービンにおいて前記検出素子により検出された前記検出値と、前記エネルギービンにおいて他の検出素子により検出された検出値、他のエネルギービンにおいて他の検出素子により検出された検出値、及び他のエネルギービンにおいて前記検出素子により検出された検出値、のうち少なくとも1つとの相関を示し、
各検出素子及び各エネルギービンについてモデル値を生成し、モデル値は、前記関心領域を通る放射線の横断の適合可能モデルに基づいて、且つ、前記モデル値が生成される前記検出素子との前記放射線の相互作用のモデルに基づいて生成され、
前記検出値のうち少なくとも2つの検出値の間の相関が補償されるように前記検出値、前記モデル値及び前記相関値に基づいてスペクトル画像を再構成することによって、前記スペクトル画像内のノイズを低減させ、前記再構成することは、コスト関数を最適化することにより前記スペクトル画像を再構成することを含み、前記コスト関数は、前記モデル値、前記検出値及び前記相関値に基づく、
ように構成されたプロセッサ回路と、
を含む画像再構成装置と、
を含むイメージングシステム。
【請求項11】
対象物の関心領域のスペクトル画像を再構成するための画像再構成方法であって、
放射線検出器を形成する複数の検出素子の各検出素子及び複数の所定のエネルギービンの各エネルギービンについて検出値を提供するステップであり、検出値は、前記関心領域を横断した後に、前記エネルギービンのうち1つにおいて検出素子により検出された放射線を示す、ステップと、
相関値を提供するステップであり、相関値は、エネルギービンにおいて検出素子により検出された検出値と前記エネルギービンにおいて他の検出素子により検出された検出値、他のエネルギービンにおいて他の検出素子により検出された検出値、及び他のエネルギービンにおいて前記検出素子により検出された検出値のうち少なくとも1つとの相関を示す、ステップと、
各検出素子及び各エネルギービンについてモデル値を提供するステップであり、モデル値は、前記関心領域を通る放射線の横断の適合可能モデルに基づいて、且つ、前記モデル値が生成される前記検出素子との前記放射線の相互作用のモデルに基づいて生成される、ステップと、
前記検出値のうち少なくとも2つの検出値の間の相関が補償されるように前記検出値、前記モデル値及び前記相関値に基づいてスペクトル画像を再構成することによって、前記スペクトル画像内のノイズを低減させるステップと
を含む画像再構成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物の関心領域のスペクトル画像を再構成するための装置、システム、方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スペクトルイメージングのために、複数の検出素子を含む検出器が使用され、これらの検出素子により測定された検出値は、電荷共有効果のために強く相関する可能性がある。この相関は画像ノイズの原因であり、さらに検出器の分解能を低減し、バイアスを導入する。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、対象物の関心領域のスペクトル画像を再構成するための装置、システム、方法及びコンピュータプログラムを提供することであり、これは、再構成されたスペクトル画像の改善した画質を可能にする。
【0004】
本発明の第1の態様では、対象物の関心領域のスペクトル画像を再構成するための画像再構成装置が提示され、画像再構成装置は、i)放射線検出器を形成する複数の検出素子の各検出素子及び複数の所定のエネルギービンの各エネルギービンについて検出値を提供するための検出値提供ユニットであり、検出値は、関心領域を横断した後に、エネルギービンのうち1つにおいて検出素子により検出された放射線を示す、検出値提供ユニットと、ii)相関値を提供するための相関値提供ユニットであり、相関値は、エネルギービンにおいて検出素子により検出された検出値と、a)エネルギービンにおいて他の検出素子により検出された検出値、b)他のエネルギービンにおいて他の検出素子により検出された検出値及びc)他のエネルギービンにおいて検出素子により検出された検出値のうち少なくとも1つとの相関を示す、相関値提供ユニットと、iii)検出値及び相関値に基づいてスペクトル画像を再構成するためのスペクトル画像再構成ユニットとを含む。
【0005】
複数の検出素子を含むスペクトルイメージング検出器を使用するとき、検出素子により提供される検出値は、例えば、電荷共有効果のために、正に相関しており、検出値は、異なる検出器の間だけでなく、異なるエネルギービンの間でも相関している。検出素子により検出された検出値の間の相関はまた、検出素子の間の相関としてみなされることもできる。この相関は、モデル化又は測定でき、相関に関する情報は、相関値の形式で提供できる。スペクトル画像再構成が、検出素子により検出された検出値だけでなく、検出値の間の相関の情報を提供する相関値にも基づく場合、再構成された画像における検出値の相関により導入されるノイズは、効果的に低減できることが判明した。
【0006】
検出値提供ユニットは、検出値が既に記憶されており、検出値がそこから取得できる記憶ユニットとすることができる。検出値提供ユニットはまた、スペクトルイメージングシステム(例えば、スペクトルコンピュータトモグラフィシステム)から検出値を受信するための受信ユニットとすることもでき、検出値提供ユニットは、受信した検出値を提供するように適合できる。
【0007】
検出値を生成し、検出値を検出値提供ユニットに提供するスペクトルイメージングシステムは、異なる放射線エネルギーを有する放射線を生成するための放射線源と、スペクトルイメージングシステム内の対象物の関心領域を横断した後に、放射線を検出するための複数の検出素子を含む検出器とを含む。好ましくは、対象物は患者であり、患者の関心領域は患者のいずれかの領域(例えば、患者の頭部、患者の胴体、患者の手足又は患者の臓器)とすることができる。例えば、対象物はまた、スーツケース又はバッグとすることもでき、関心領域はスーツケース若しくはバッグの一部又は全体のスーツケース若しくはバッグである。好ましくは、検出器は、放射線を電気信号に直接変換する直接変換材料を含む検出器である。直接変換材料は、テルル化カドミウム亜鉛(CZT:cadmium zinc telluride)、テルル化カドミウム(CdTe: cadmium telluride)又はシリコン(Si:silicon)材料とすることができる。生成された放射線は、好ましくはX線放射線である。好ましくは、スペクトルイメージングシステムはスペクトルCTシステムであるが、スペクトルイメージングシステムは関心領域を横断した後に提供される放射線が検出されるいずれかのイメージングシステム(例えば、スペクトル投影放射線撮影システム、スペクトル透視システム等)とすることができる。放射線エネルギーは、好ましくは、放射線スペクトルを形成するが、また、複数の離散的な放射線エネルギーを形成することもできる。放射線を供給するために、デュアルエネルギーシステム又はデュアルソースシステムにおける高速kVpスイッチング法が使用できる。また、異なるエネルギーを有する放射線を提供するための他の方法が考えられ得る。放射線源により提供される放射線エネルギーは、複数のエネルギービンに分割でき、各エネルギービンは、放射線エネルギーの一部を含み、エネルギービンの境界を示す下限エネルギー閾値及び上限エネルギー閾値により定義され、エネルギービン(すなわち、エネルギービンの下限閾値及び上限閾値)は予め決定される。好ましくは、エネルギービンの選択(すなわち、エネルギービンの下限エネルギー閾値及び上限エネルギー閾値の選択)は、イメージングタスクに依存する(すなわち、再構成されるべきスペクトル画像に依存する)。一例では、第1のエネルギービンは、20keVの下限閾値及び60keVの上限閾値を有するものとして決定でき、第2のエネルギービンは、60keVの下限閾値及び120keVの上限閾値を有するものとして決定できるが、他の閾値及びより多くのエネルギービンも考えられ得る。
【0008】
検出値は、所定のエネルギービンにおいて検出器の検出素子により検出された放射線を示し、放射線は放射線源により提供される。各検出素子は、各所定のエネルギービンについての検出値を生成する。好ましくは、スペクトルイメージングシステムは、各検出素子及び各エネルギービンについて、所定の期間中にそのエネルギービンにおいて検出素子と相互作用した光子の数を提供する(すなわち、所定の期間内に検出素子により検出されたエネルギービンに対応するエネルギーを有する光子の数を、その検出素子及びそのエネルギービンについての検出値としてカウントする)。
【0009】
相関値提供ユニットは、相関値が既に記憶されており、相関値がそこから取得できる記憶ユニットとすることができる。相関値提供ユニットはまた、例えば、相関値を測定する測定手段から相関値を受信するための受信ユニットとすることができる。さらに、相関値提供ユニットはまた、例えば、検出素子の検出値の間の相関のモデルに基づいて、相関値を生成する相関値生成ユニットとすることもできる。
【0010】
値の間の相関は、1つの値の変化が相関値の変化を引き起こす値の間の数学的関係として定義される。好ましくは、検出値の間の相関は、検出値の増加が相関する検出値の増加を引き起こし、検出値の減少が相関する検出値の減少を引き起こす、いずれかの種類の数学的関係とすることができる正の相関である。検出値の間の相関は、電荷共有効果によるものとすることができ、放射線(すなわち、1つの検出素子において検出された光子)は、他の検出素子(特に、隣接する検出素子)において更なるの検出を引き起こすか、或いは、放射線(すなわち、1つのエネルギービンにおける光子)の検出は、他のエネルギービンにおいて更なる検出を引き起こす。相関はまた、検出値の相関をもたらす他の物理的原因(例えば、検出素子のK蛍光エスケープ(K-fluorescence escape)又は電子クロストーク)を有することもできる。相関はまた、異なる原因の組み合わせ(例えば、電荷共有効果とK蛍光エスケープ効果との組み合わせ)によることもできる。
【0011】
スペクトル画像再構成ユニットは、提供された検出値及び提供された相関値に基づいてスペクトル画像を再構成し、好ましくは、画像再構成ユニットは、検出値の相関を補償するために、再構成中に相関値を使用する。再構成ユニットは、検出値の間の相関が補償されるようにスペクトル画像を再構成するので、再構成されたスペクトル画像は、ノイズが少なく、より良い分解能を有し、減少したバイアスを示す。再構成されたスペクトル画像は、スペクトルイメージングシステムからのデータを使用して再構成されたいずれかの種類の画像とすることができる(例えば、スペクトル画像は、単一エネルギー画像、仮想非コントラスト画像、1つ以上の材料画像、光電画像、コンプトン散乱画像等とすることができる)。
【0012】
実施形態では、相関値提供ユニットは、各検出素子及び各エネルギービンについて少なくとも1つの相関値を提供するように適合され、検出素子及びエネルギービンについて提供される相関値は、エネルギービンにおいて検出素子により検出された検出値と、a)エネルギービンにおいて他の検出素子により検出された検出値、b)他のエネルギービンにおいて他の検出素子により検出された検出値及びc)他のエネルギービンにおいて検出素子により検出された検出値のうち少なくとも1つとの相関を示す。好ましくは、相関値提供ユニットは、各検出素子及び各エネルギービンについて複数の相関値を提供し、検出素子及びエネルギービンについて提供される相関値は、エネルギービンにおいて検出素子により検出された検出値と、a)エネルギービンにおいて他の検出素子により検出された検出値、b)他のエネルギービンにおいて検出素子により検出された検出値及びc)全ての他のエネルギービンにおいて他の検出素子により検出された検出値との全ての相関を示す相関値を含む。相関値提供ユニットにより提供される相関値はまた、例えば、検出値が他の検出値と相関していない場合、ゼロとすることができ、相関値提供ユニットにより提供される少なくとも1つの相関値は、少なくとも2つの相関した検出値を示すゼロではない。好ましくは、検出素子についての相関値は、検出素子に隣接する検出素子についてはゼロではなく、検出素子に隣接しない検出素子についてはゼロである。
【0013】
好ましくは、相関値提供ユニットは、相関行列を規定する相関値を提供するように適合され、スペクトル画像再構成ユニットは、相関行列及び検出値に基づいてスペクトル画像を再構成するように適合される。好ましくは、相関値提供ユニットはまた、相関行列を提供し、相関値は、相関値の行列要素を形成する。例えば、1つの相関値が1つの行列要素を規定でき、或いは、相関値の組み合わせが1つの行列要素を規定できる。行列はまた、相関値により規定されない行列要素(例えば、検出値の分散により規定される行列要素)を含んでもよく、或いは、他のパラメータと組み合わせた相関値により規定される行列要素を含んでもよい。
【0014】
他の実施形態では、画像再構成装置は、各検出素子及び各エネルギービンについてモデル値を生成するためのモデル値生成ユニットを更に含み、モデル値は、関心領域を通る放射線の横断の適合可能モデルに基づいて、且つ、モデル値が生成される検出素子との放射線の相互作用のモデルに基づいて生成され、スペクトル画像再構成ユニットは、相関値、検出値及びモデル値に基づいてスペクトル画像を再構成するように更に適合される。特に、関心領域を通る放射線の横断の適合可能モデルは、関心領域内の解剖学的構造(例えば関心領域内の組織)の適合可能モデルを含み、スペクトル画像再構成ユニットは、好ましくは、モデル値が検出値に対応するまで関心領域の構造の適合可能モデルが適合されるように、スペクトル画像を再構成するように適合され、適合中に相関値が考慮される。好ましくは、モデル値は、対象物の関心領域内の組織との放射線の相互作用を示すモデルに基づいて生成される。
【0015】
好ましくは、検出素子及びエネルギービンについてのモデル値は、エネルギービンにおいて検出素子により検出された検出値と、エネルギービンにおいて他の検出素子により検出された少なくとも1つの検出値との間の相関のモデルに更に基づく。したがって、モデル値は、エネルギービンにおける異なる検出素子の検出値の相関を考慮に入れる。したがって、モデル値に基づいて再構成された再構成スペクトル画像もまた改善できるように、モデル値が基となるモデルが改善できる。
【0016】
さらに、検出素子との放射線の相互作用のモデルは、検出素子上の異なるエネルギーの放射線の入射に対する検出素子の応答を示す検出器の応答関数に基づくことが好ましい。応答関数は、検出素子上の放射線(すなわち、光子)の入射に対する検出素子の応答(例えば、電気的応答)を記述するものとみなされることができる。さらに、応答関数は、パルス高間隔U及びU+ΔU内のエネルギーEを有する放射線(すなわち、光子)を検出する確率を示すものとみなされることができる。
【0017】
さらに、モデル値は、
【0018】
【数1】
に基づいて決定されることが好ましく、
【0019】
【数2】
は、エネルギービンにおいて検出素子により検出された検出値に寄与する放射線により見られる関心領域内の解剖学的構造の長さを含み、
【0020】
【数3】
は、検出素子d及びエネルギービンbについてのモデル値であり、
【0021】
【数4】
は、
【0022】
【数5】
として定義され、
【0023】
【数6】
は、
【0024】
【数7】
として定義され、φd(E)は各検出素子dにより見られる放射線源により提供されるエネルギースペクトルであり、φj(E)は各検出素子jにより見られる放射線源により提供される放射線のエネルギースペクトルであり、fα(E)は組織αにおける放射線のエネルギー依存線形減衰係数であり、R’d(E,U)は放射線E及びパルス高Uのエネルギーに依存して検出素子dに入射する放射線についての検出素子dの応答関数であり、
【0025】
【数8】
は放射線が検出素子jに入射するときの検出素子dの応答関数であり、NDは検出素子の数であり、ub Tはエネルギービンbについてのパルス高の下限閾値であり、ub T+1はエネルギービンbについてのパルス高の上限閾値である。
【0026】
パルス高Uは、検出器上の放射線の入射に従って、それぞれの検出素子により生成された電気パルスのパルス高を示す。特に、パルス高Uは、検出器上の放射線の1つの光子の入射に従って、それぞれの検出素子により生成された電気パルスを示す。好ましくは、パルス高は、入射放射線(すなわち、それぞれの検出素子により検出された光子)のエネルギーに正比例する。他の実施形態では、それぞれの検出素子により検出された入射放射線のエネルギーは、パルスの下の面積に比例する。検出素子の応答関数は、エネルギーEの入射放射線について特定のパルス高間隔におけるパルス高Uを生成する検出素子の確率を決定するための確率密度を示す。さらに、応答関数は、検出素子の間の相関を示す。検出値の相関のため、応答関数は、検出素子が、エネルギーEを有する入射放射線についてエネルギーEの一部のみに比例する(例えば、E-ΔEに比例する)電気パルスを生成する特定の確率を示し、相関する検出素子は、エネルギーEの他の部分に比例する(例えば、ΔEに比例する)パルスを生成する。
【0027】
上限閾値ub T+1は、定義されたエネルギービンbを示すいずれかの閾値とすることができる。好ましい実施形態では、片側のビンは、ub T+1=∞として定義されたub T+1と共に使用され、この実施形態では、検出素子は、入射放射線(すなわち、光子)のエネルギーEが下限エネルギービン閾値を上回るか否かを決定するように適合される。したがって、この実施形態では、第1のエネルギービンの下限エネルギー閾値よりも大きいエネルギーを有する検出素子に入射する放射線(すなわち、光子)はまた、検出素子に入射する光子が全ての下限エネルギー閾値よりも大きいエネルギーを有する場合、第1のエネルギービンの下限エネルギー閾値を上回る下限エネルギー閾値により定義される全てのエネルギービンにおいてもカウントされる。
【0028】
一実施形態では、スペクトル画像再構成ユニットは、コスト関数を最適化することによりスペクトル画像を再構成するように適合され、コスト関数は、モデル値、検出値及び相関値に基づく。好ましくは、コスト関数は、モデル値と検出値との間の差に基づき、それぞれの差は、エネルギービン及び検出素子についてのモデル値と、エネルギービンについて検出素子により検出された検出値との間の差として定義される。スペクトル画像再構成ユニットは、コスト関数の定義に基づいてスペクトル画像を再構成するためのコスト関数を最小化又は最大化するように適合できる。コスト関数は、モデル値、検出値、及びスペクトル画像再構成に使用されるのに適した相関値に依存するいずれかの関数(例えば、負の対数尤度関数)とすることができる。好ましくは、コスト関数は、反復アルゴリズムを使用して最適化されるのに適している。さらに、コスト関数は、モデル値と検出値との間の差が最小化されるときに最適化されることが好ましい。モデル値は、関心領域を通る放射線の横断の適合可能モデルに依存し、この適合可能モデルは、関心領域の構造のモデルに基づくので、モデル値と検出値との間の差を最小化することは、関心領域内の解剖学的構造のモデルを関心のある実際の構造に(従って、スペクトル画像の再構成)に適合させることをもたらす。
【0029】
コスト関数は、
【0030】
【数9】
に基づいて決定されたデータ項Dを含むことが更に好ましく、Cは相関値により定義される相関行列であり、
【0031】
【数10】
はモデル値を含むベクトルであり、
【0032】
【数11】
は検出値を含むベクトルである。好ましくは、
【0033】
【数12】
【0034】
【数13】
として定義され、
【0035】
【数14】
【0036】
【数15】
として定義され、dはそれぞれの検出素子を規定し、bはそれぞれのエネルギービンを規定し、NDは考えられる検出素子の総数であり、NBはエネルギービンの総数である。コスト関数は上記で定義されたデータ項Dを含むので、コスト関数は、各エネルギービン及び各検出素子についての検出値の間の相関を考慮することができ、したがって、検出値の相関により導入されるノイズの低減をもたらす再構成されたスペクトル画像におけるこの相関の補償を可能にする。
【0037】
スペクトル画像再構成ユニットは、罰則付き尤度法に基づいてスペクトル画像を再構成するように更に構成され、罰則付き尤度法は、
L=D+R
に従って定義されるコスト関数Lに基づき、Dはデータ項であり、Rは正則化項である。好ましくは、正則化項Rは、隣接する画像ピクセルの値を調整し(すなわち、隣接する画像ピクセル値の間の差を小さくし)、再構成されたスペクトル画像のノイズを更に低減するために使用される。正則化項は、例えば、勾配Huber関数又はLaplace-Huber関数とすることができる。適切な正則化項についての他の例は、例えば、J. A. Fesslerによる書籍“Statistical image reconstruction methods for transmission tomography”, Handbook of Medical Imaging, M. Sonka及びJ. M. Fitzpatrick編集, (SPIE, Bellingham, WA, 2000), volume. 2, Chap. 1, pages 1-70 (2000)に存在し得る。
【0038】
再構成装置は、検出値サブセットを提供するためのサブセット提供ユニットを更に含み、検出値サブセットは検出素子サブセットにより規定される。好ましくは、相関値提供ユニットは、サブセットの各検出素子及び各エネルギービンについての複数の相関値を提供するように適合され、検出素子及びエネルギービンについて提供される相関値は、エネルギービンにおいて検出素子により検出された検出値と、a)エネルギービンにおいてサブセットの他の検出素子により検出された検出値、b)他のエネルギービンにおいて検出素子により検出された検出値及びc)他の全てのエネルギービンにおいてサブセットの他の検出素子により検出された検出値との相関を示す相関値を含む。好ましくは、スペクトル画像再構成ユニットは、全てのサブセットの検出値及び相関値に基づいてスペクトル画像を再構成するように適合される。検出素子サブセットは、検出器の構成を通じて定義できる。例えば、検出器は、検出器の検出素子を複数の検出素子グループに分割するように構成でき、1つのグループの検出素子の検出値は、互いに相関するが、他のグループの検出素子の検出値とは相関しない。或いは、検出素子サブセットは、検出器の構成によって反映されなくてもよいが、これらの検出値の間の相関を示す検出素子が同じ検出素子サブセットにグループ化されるように、検出素子の検出値の相関挙動に関する知識に従って提供されてもよい。好ましくは、検出素子サブセットの検出素子は互いに隣接している。より好ましくは、検出器は、吸収グリッドを含み、検出素子サブセットは、吸収グリッドにより規定され、検出素子サブセットは、吸収グリッドのセル内の全ての検出素子を含む。吸収グリッドのため、サブセット内の検出素子の相関値の相関のみが考慮される必要があるように、吸収グリッドの異なるセル内の検出素子の検出値の間の相関は想定されない。検出値サブセットにおける検出値の相関のみが考慮される必要があるので、スペクトル画像の再構成は計算的により効果的であり、より時間がかからない。吸収グリッドは、吸収素子に入射する放射線を吸収するための吸収素子を含むグリッドとして定義される。好ましい実施形態では、吸収グリッドは、散乱防止グリッド又は電荷共有防止グリッドである。
【0039】
本発明の他の態様では、対象物の関心領域のスペクトル画像を生成するためのイメージングシステムが提示され、イメージングシステムは、a)異なる放射線エネルギーを有する放射線を生成するための放射線源と、b)関心領域を横断した後の放射線源により生成された放射線を検出するための検出器であり、検出器は、複数の検出素子を含み、各検出素子は、複数の所定のエネルギービンのそれぞれについて検出値を検出する、検出器と、c)上記の画像再構成装置とを含む。
【0040】
本発明の他の態様では、対象物の関心領域のスペクトル画像を再構成するための画像再構成方法が提示され、画像再構成方法は、i)放射線検出器を形成する複数の検出素子の各検出素子及び複数の所定のエネルギービンの各エネルギービンについて検出値を提供するステップであり、検出値は、関心領域を横断した後に、エネルギービンのうち1つにおいて検出素子により検出された放射線を示す、ステップと、ii)相関値を提供するステップであり、相関値は、エネルギービンにおいて検出素子により検出された検出値と、a)エネルギービンにおいて他の検出素子により検出された検出値、b)他のエネルギービンにおいて他の検出素子により検出された検出値及びc)他のエネルギービンにおいて検出素子により検出された検出値のうち少なくとも1つとの相関を示す、ステップと、iii)検出値及び相関値に基づいてスペクトル画像を再構成するステップとを含む。
【0041】
本発明の他の態様では、対象物の関心領域のスペクトル画像を再構成するためのコンピュータプログラムが提示され、コンピュータプログラムは、コンピュータプログラムがシステムを制御するコンピュータ上で実行されるときに、上記の対象物の関心領域のスペクトル画像を再構成するための装置に上記の対象物の関心領域のスペクトル画像を再構成するための方法のステップを実行させるためのプログラムコード手段を含む。
【0042】
請求項1の装置、請求項13のシステム、請求項14の方法及び請求項15のコンピュータプログラムは、特に従属項に定義されるように、同様及び/又は同一の好ましい実施形態を有することが理解されるものとする。
【0043】
本発明の好ましい実施形態はまた、従属項又は上記の実施形態とそれぞれの独立項とのいずれかの組み合わせとすることもできることが理解されるものとする。
【0044】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に説明する実施形態から明らかになり、実施形態を参照して解明される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】対象物の関心領域のスペクトル画像を再構成するための画像再構成装置の実施形態を概略的且つ例示的に示す。
図2】検出素子d内で検出された放射線についての検出素子dの応答関数を示す例示的なグラフである。
図3】検出素子d内で検出された放射線についての検出素子jの応答関数を示す例示的なグラフである。
図4】対象物の関心領域のスペクトル画像を再構成するための方法の実施形態を例示的に示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、対象物の関心領域のスペクトル画像を再構成するための画像再構成装置の実施形態を概略的且つ例示的に示す。以下の実施形態では、対象物は患者であり、他の実施形態では、対象物は例えばスーツケースでもよい。画像再構成装置1は、放射線検出器を形成する複数の検出素子の各検出素子及び複数の所定のエネルギービンの各エネルギービンについて検出値を提供するように構成された検出値提供ユニット2を含む。この実施形態では、検出値提供ユニット2は、医療イメージングシステムから検出値を受信し、受信した検出値を提供する受信ユニットである。この実施形態では、医療イメージングシステム(図面に図示せず)は、異なるエネルギーを有するX線の放射線を生成するための放射線源と、患者の関心領域を横断した後の放射線を検出するための複数の検出素子を含む検出器とを含むスペクトルCTシステムである。検出器は、検出器と相互作用する放射線を電気信号に直接変換するための直接変換材料を含む。材料は、例えば、テルル化カドミウム亜鉛(CZT)、テルル化カドミウム(CdTe)又はシリコン(Si)材料とすることができる。この実施形態では、検出器は、複数の検出素子サブセット内で検出素子を分割する散乱防止グリッドを更に含み、検出素子サブセットは、散乱防止グリッドのセル内の検出素子により規定される。
【0047】
放射線源により提供される放射線のエネルギー(すなわち、スペクトル)は、上限及び下限エネルギー閾値を有する多数のエネルギービンNBに分割される。好ましくは、3つ又は4つのエネルギービンが使用される。しかし、他の実施形態では、2つのエネルギービン又は4つ以上のエネルギービンも使用できる。
【0048】
この実施形態では、検出値提供ユニット2は、医療イメージングシステムから、各検出素子について各所定のエネルギービンについて1つの検出値を受信する。検出値は、患者の関心領域を横断した後に検出素子により検出された放射線を示す。好ましくは、患者は人間である。しかし、患者はまた動物とすることもできる。さらに、この実施形態では、検出値は、所定のエネルギービンのエネルギービンにおいて所定の期間の間に検出素子により検出された光子の数に対応する。
【0049】
この実施形態では、画像再構成装置1は、サブセット提供ユニット3を更に含み、サブセット提供ユニット3は、検出値サブセットを提供する。この実施形態では、検出値サブセットは、散乱防止グリッドのセルにより規定される検出素子サブセットにより定義される。したがって、サブセットは、異なるサブセットに位置する検出素子の間の実質的な相関量を示さないことにより定義される。サブセット内でのみ、検出素子の間の実質的な相関が生じる。しかし、他の実施形態では、検出素子サブセットはまた、ユーザ(すなわち、臨床医)により、或いは、特定の検出素子により検出された検出値の間の相関に関する知識に基づいて、予め定義されてもよい。さらに、検出素子サブセットはまた、検出器の構成(例えば、検出器が1D検出器である場合)により定義されてもよい。他の実施形態では、検出値サブセットが提供されないように、サブセット提供ユニット3が省略できる。
【0050】
さらに、画像再構成装置1は、相関値を提供するための相関値提供ユニット4を含む。散乱防止グリッドのため、異なる検出値サブセットの検出値の間で電荷共有又はクロストークが想定されないので、この実施形態では、検出値サブセット内の検出値の相関のみを考慮すれば十分である。したがって、この実施形態における相関値は、エネルギービンにおいて検出素子サブセットの検出素子により検出された検出値と、a)エネルギービンにおいて検出素子サブセットの他の検出素子により検出された検出値、b)他のエネルギービンにおいて検出素子サブセットの他の検出素子により検出された検出値及びc)他のエネルギービンにおいて検出素子により検出された検出値のうち少なくとも1つとの相関を示す。さらに、相関値提供ユニット4は、相関値行列Cの形式の相関値を提供するように適合され、相関値は相関値行列Cの行列要素である。さらに、この実施形態では、相関値提供ユニット4は、相関値が記憶された記憶ユニットであり、記憶ユニットは、相関値を提供するように適合される。相関値提供ユニット4に記憶された相関値は、較正ステップ中に医療イメージングシステムの検出器について以前に決定された相関値とすることができる。較正ステップの間に相関値を決定するために、例えば、異なる材料及び異なる材料構造を含むファントムを使用して、検出値がイメージングシステムにより測定できる。これらの測定された検出値及びファントムの既知の材料及び材料構造から、較正中の測定値を使用してモデル化又は補間することにより、特定の材料構造について相関値が決定できる。相関値が決定されると、相関値は、相関値提供ユニット4に記憶される。しかし、他の実施形態では、相関値はまた、検出値の相関モデルに基づいて計算できる。異なる検出素子の検出値の間の相関値を評価するための例は、例えばP. L. Rajhandaryらによる論文“Effect of spatio-energy correlation in PCD due to charge sharing, scatter, and secondary photons”, Proc. SPIE 10132, Medical Imaging 2017: Physics of Medical Imaging, volume 101320 (2017)に存在し得る。
【0051】
画像再構成装置1は、検出値提供ユニット2及び相関値提供ユニット4により提供された検出値及び相関値に基づいてスペクトル画像を再構成するためのスペクトル画像再構成ユニット5を更に含む。この実施形態では、スペクトル画像再構成ユニット5は、検出値及び相関値に基づいてスペクトル画像を再構成するための罰則付き尤度法を含む分解アルゴリズムを使用する。罰則付き尤度法は、例えば、B. Brendelらによる論文“Penalized Likelihood Decomposition for Dual Layer Spectral CT”, Proceedings of the 4th International Conference on Image Formation in X-Ray Computed Tomography, p.43-46 (2016)に詳細に記載されているように、データ項D及び正則化項Rを含むコスト関数Lに基づく。この場合、コスト関数Lは、L=D+Rに基づいて決定できる。
【0052】
データ項Dは、検出値及び相関値に基づいて決定される。
【0053】
この実施形態では、画像再構成装置1は、各検出素子及び各エネルギービンについてモデル値を生成するためのモデル値生成ユニット6を更に含む。モデル値は、関心領域を通る放射線の横断の適合可能モデルに基づいて、且つ、各検出素子との放射線の相互作用のモデルに基づいて生成される。さらに、フォワードモデルは、モデル値を生成するために使用され、モデルは、分解アルゴリズム中に考えられる各組織αについての線形減衰係数fα(E)を適用することにより、エネルギー依存減衰を更に考慮し、この場合、一次X線スペクトルφ(E)は、放射線源により提供されるX線スペクトルである。一般的に、検出値の間の相関が考えられない場合、検出値は、E. Roesslらによる“K-edge imaging in x-ray computed tomography using multi-bin photon counting detectors”, Physics in Medicine & Biology, volume 52, pages 4679-4696 (2007)により詳細に説明されているように、
【0054】
【数16】
に従ってモデル化でき、λb dは検出素子d及びエネルギービンbについてのモデル値であり、φd(E)は検出器dから見た放射線源のエネルギースペクトルであり、Rd(E,U)はエネルギーE及びパルス高Uに依存した検出素子dの応答関数であり、Nαはスペクトル画像の再構成中に考慮される組織の数であり、fα(E)は組織αにおける放射線のエネルギー依存線形減衰係数であり、Aα dは放射線源と検出素子dとの間の直線で進行するときに放射線により横断される組織αの長さを示し、ub Tはエネルギービンbについてのパルス高の下限閾値であり、ub T+1はエネルギービンbについてのパルス高の上限閾値である。パルス高Uは、検出器上の放射線(すなわち、光子)の入射に従って、それぞれの検出素子により生成された電気パルスのパルス高を示す。この実施形態では、パルス高Uは、それぞれの検出素子により検出された入射放射線のエネルギーに正比例する。この関係は、検出値の間の相関が考えられず、放射線(すなわち、光子)の全エネルギーが1つの検出素子のみにおいて検出される場合に一般的に当てはまる。
【0055】
以下の実施形態では、相関が考慮され、検出素子及びエネルギービンについてのモデル値は、エネルギービンにおいて検出素子により検出された検出値と、エネルギービンにおいて他の検出素子により検出された少なくとも1つの検出値との間の相関のモデルに更に基づく。したがって、この相関のため、モデル値は、放射線源から検出素子dまでの放射線により見られる材料長Aαに依存するだけでなく、放射線源から隣接する検出素子までの隣接する放射線により見られる材料長Aαによっても影響を受ける。したがって、Aαが検出素子サブセットの全ての検出素子により検出された放射線により見られる全ての材料長を含むベクトル
【0056】
【数17】
であるとして考えられる必要があるように、モデル値λは、上記のような材料長だけでなく、隣接する材料長にも依存する。エネルギービンbにおいて検出素子サブセットの検出素子dについてのモデル値λを生成するために、エネルギービンにおいて検出素子サブセットの隣接する検出素子jにより検出された放射線の影響が考慮される。したがって、検出素子d及びエネルギービンbについてのモデル値λb dは、
【0057】
【数18】
に従ってモデル化でき、
【0058】
【数19】
は、検出素子dの検出値と隣接する検出素子の検出値との相関による、エネルギービンbにおいて検出素子dにより検出された放射線を示すモデル値である。
【0059】
【数20】
は、エネルギービンbにおいて検出素子dにより直接検出された放射線を示す。この場合、λ’b dは、
【0060】
【数21】
に従って計算でき、
【0061】
【数22】
は、
【0062】
【数23】
として定義され、φd(E)は各検出素子dにより見られる放射線源により提供されるエネルギースペクトルであり、φj(E)は各検出素子jにより見られる放射線源により提供される放射線のエネルギースペクトルであり、fα(E)は組織αにおける放射線のエネルギー依存線形減衰係数であり、R’d(E,U)は放射線E及びパルス高Uのエネルギーに依存して検出素子dに入射する放射線についての検出素子dの応答関数であり、
【0063】
【数24】
は放射線が検出素子jに入射するときに検出素子jにより検出される放射線についての検出素子dの応答関数であり、NDは検出素子の数であり、ub Tはエネルギービンbについてのパルス高の下限閾値であり、ub T+1はエネルギービンbについてのパルス高の上限閾値である。
【0064】
この実施形態では、検出器応答関数
【0065】
【数25】
は、主に検出素子が検出素子dにより検出されたエネルギーEの入射放射線についてパルス高Uを生成する確率を決定する確率密度を示し、
【0066】
【数26】
の和はRd(E,U)を生じる。図2及び図3は、検出素子dと相互作用する放射線について、検出素子d及び検出素子jについての検出器の応答関数
【0067】
【数27】
を示す例示的なグラフを示す。図2は、主に検出素子dにより検出されたエネルギーEを有する入射放射線についての検出素子dの応答関数R’d(E,U)を示し、x軸21はパルス高Uを示し、y軸22は確率密度を示す。図3は、検出素子j上のエネルギーEを有する入射放射線についての検出素子dの応答関数
【0068】
【数28】
を示し、x軸31はパルス高Uを示し、y軸32は確率密度を示す。応答関数
【0069】
【数29】
は、検出素子の間の相関を示す。dに隣接する検出素子jについての応答関数は、図面に示す応答関数に類似しているので、図面において、例えば、検出素子dにより生成されたパルス高が入射放射線エネルギーE-ΔEに対応する場合、この例では、相関する検出素子jが、電荷共有のため、この入射放射線の放射線エネルギー(すなわち、ΔE)も検出し、その逆も同様であることが分かる。その結果、特定の期間内の検出されたカウントは正に相関する。パルス高E-ΔEが検出素子dのビン番号m内にあり、ΔEが検出素子jのビン番号n内にある場合、ビンmにおける検出素子dの検出値とビンmにおける検出素子jの検出値とは正に相関する。
【0070】
材料長Aα d及びAα jは関心領域内の考えられる組織αに基づく関心領域の構造のモデルを示し、材料長Aα d及びAα jは、放射線源により生成された放射線により横断し、且つ、それぞれ検出素子d及びjに対して直線で関心領域を横断する組織αの長さに基づいて決定される。
【0071】
画像再構成ユニット5は、モデル値生成ユニット6が適合された材料長に基づいて新たなモデル値λを生成するように、画像再構成中に材料長Aα d及びAα jを適合させる。このプロセスは、モデル値λが検出値に対応するまで繰り返されることができる。
【0072】
この実施形態におけるスペクトル画像の再構成中の検出器の検出値の間の相関の影響を補償するために、コスト関数Lのデータ項Dは、負の対数尤度関数の重み付け最小二乗データ項であり、ノイズ分布はガウスノイズ分布であると仮定する。データ項Dは、
【0073】
【数30】
として記述でき、
【0074】
【数31】
は、
【0075】
【数32】
の形式をとるモデル値を含み、
【0076】
【数33】
は、
【0077】
【数34】
の形式をとる検出値を含む。したがって、ベクトル
【0078】
【数35】
は、各検出素子及び各エネルギービンについてのモデル値を含み、ベクトル
【0079】
【数36】
は、各検出素子及び各エネルギービンについての検出値を含み、NBはエネルギービンの数であり、NDは検出素子サブセット内の検出素子の数である。Cは相関行列を示し、この場合はn=NBによるn×nの対称行列である。両側のエネルギービンが考えられる場合、相関行列Cは、対称ブロック行列により与えられ、各ブロックは、NB×NBの次元を有する。相関行列Cは相関値を含み、したがって、各エネルギービン及び各検出素子についての検出値の間の相関に関する情報を含み、したがって、スペクトル画像の再構成中の検出値の間の相関の補償を可能にする。データ項Dは、モデル化された値λと検出値mとの間の差に基づき、モデル化された値λは、再構成中に考えられる全ての組織αについての材料長Aα d及びAα jに依存するので、コスト関数Lは、モデル化された値λと検出値mとの間の差が最小化されるまで、反復的な再構成において、各組織αの材料長Aα d及びAα jを適合させることにより最適化される。次いで、スペクトル画像は、既知の標準的な再構成方法(例えば、フィルター逆投影(FBP:filtered backprojection)、マルチチャネル再構成、反復マルチチャネル再構成又は他の反復再構成方法等)を使用することにより、各組織αについて最適化された材料長Aα d及びAα jに基づいて再構成できる。
【0080】
以下に、より良い理解のために、検出素子サブセット内の2つの検出素子、2つのエネルギービン及び2つの材料(すなわち、2つの異なる組織α1及びα2)を有するシステムについて、検出素子の検出値の間の相関を考慮した再構成アルゴリズムの例が与えられる。さらに、この例では、エネルギーEの放射線が考えられる。上記の制限は、この例の簡略化のみのためのものであり、上記に一般的に記載された方法は、何らの制限もなく、一次X線放射におけるそれぞれ個々のエネルギー、検出素子サブセット当たりの複数の検出素子、複数のエネルギービン及び1つより多くの材料についての結果を単に加算することにより、如何なる多色エネルギー源に適用できる。
【0081】
この例では、例えば、ピクセルd=1及びエネルギービンb=1並びにu1とu2との間のパルス高について、モデル値が
【0082】
【数37】
により与えられるように、モデル値は上記の式に従ってモデル化でき、全てのパラメータは、式のより一般的な定式化のために上記で説明したパラメータに対応する。この簡略化された例では、相関行列Cは、
【0083】
【数38】
のように記述でき、相関値W、X、Y、Zは、既に上記で説明したように測定値から導出できる。或いは、以下に、この簡略化された例について、相関行列の値がどのように計算できるかを説明する。例えば、相関値Wは、エネルギービンb=1における検出素子d=1の検出値と、エネルギービンb=1における検出素子d=2の検出値との間の相関を示す。相関は、1)検出素子d=1及びエネルギービンb=1において検出されている放射線の、検出素子d=2及びエネルギービンb=1において検出されている検出値に対する影響と、2)検出素子d=2及びエネルギービンb=1において検出されている放射線の、検出素子d=1及びエネルギービンb=1において検出されている検出値に対する影響との2つの影響で構成される。検出値の間の電荷共有効果により引き起こされる相関のため、検出素子d=1における検出されたパルス高p’は、検出素子d=2における検出されたパルス高
【0084】
【数39】
を生じる。この場合、p’はエネルギービンb=1の範囲内にあり、
【0085】
【数40】
もエネルギービンb=1の範囲内にあり、その結果、相関値Wはこれらの寄与を示す。全てのパルス高u1<p’<u2は、検出素子d=1においてエネルギービンb=1に寄与する。検出素子d=2における対応するパルス高は、パルス高
【0086】
【数41】
である。したがって、検出素子d=2においてu1とu2との間にあるもの
【0087】
【数42】
のみが相関値Wに寄与する。
【0088】
この例では、相関値Wは、
【0089】
【数43】
に従って計算でき、θは、ステートメントが真である場合に1であり、ステートメントが偽である場合はゼロであるステップ関数である。限定することなく、相関値X、Y及びZは、相関値Wと同様の考察を使用して計算できる。相関行列を定義する相関値の計算は時間がかかる可能性があるので、コスト関数を最適化するための反復方法の各ステップについて、相関値が計算されないことが好ましい。
【0090】
画像再構成装置1は、キーボード、コンピュータマウス、タッチスクリーン等のような入力ユニット7と、例えば、再構成されたスペクトル画像を示すためのディスプレイを含む出力ユニット8とを更に含む。
【0091】
以下、図4に示すフローチャートを参照して、患者の関心領域のスペクトル画像を再構成するための方法の実施形態について説明する。ステップ101において、放射線検出器を形成する複数の検出素子の各検出素子及び複数の所定のエネルギービンの各エネルギービンについての検出値が、検出値提供ユニット2により提供され、検出値は、関心領域を横断した後に、エネルギービンのうち1つにおいて検出素子により検出された放射線を示す。ステップ102において、相関値は、相関値提供ユニット4により提供され、相関値は、エネルギービンにおいて検出素子により検出された検出値と、a)エネルギービンにおいて他の検出素子により検出された検出値、b)他のエネルギービンにおいて他の検出素子により検出された検出値及びc)他のエネルギービンにおいて検出素子により検出された検出値のうち少なくとも1つとの相関を示す。ステップ103において、スペクトル画像は、検出値提供ユニット2により提供された検出値及び相関値提供ユニット4により提供された相関値に基づいて、スペクトル画像再構成ユニット5により再構成される。
【0092】
一般的に、多フォトンカウンティング検出器を使用するスペクトルイメージングは、シンチレータに基づく検出器を使用する従来の信号エネルギーイメージングと比較して多くの利点を提供する。これらの利点は、より高い空間分解能、電子ノイズの不在、多材料識別及びKエッジイメージングを含む。他方、多フォトンカウンティング検出器は、検出器の性能を劣化させる可能性がある、読み出し電子回路内のパルスの蓄積及びセンサ材料内の電荷共有のような影響を受ける可能性がある。より小さいサイズの検出素子(すなわち、検出器のピクセル)は、所定の磁束レベルでパルス蓄積事象の量を低減するが、検出素子の間の電荷共有の確率を増加させる。電荷共有は、隣接する検出素子においてさえ、同一のX線光子の二重又は多重のカウントを引き起こす。したがって、隣接する検出素子の検出値(すなわち、カウント結果)は正に相関する。この正の相関は画像ノイズの原因である。さらに、検出されたパルス高は正しくなく、元のパルス高を直接回復できない。
【0093】
電荷共有を低減するために、ピクセルの間のセンサ領域をマスクする電荷共有グリッドが使用でき、或いは、隣接する検出素子の間の同時検出を有する専用電子回路の適用が考えられ得る。専用電子回路は、電荷共有の事象を検出し、そのような事象を1つの検出素子のみに割り当てることを目的とする。電荷共有を低減する双方の方法は欠点を有する。例えば、電荷共有抑制グリッドは、検出素子内の検出された光子の量を低減する可能性があり、専用電子回路を使用する処理は、更なる時間を要し、これは、検出器の不感時間を効果的に増大させ、したがって、パルス蓄積の効果を増大させる可能性がある。
【0094】
コンピュータ断層撮影では、検出器に到達する散乱放射線の量を低減するために、散乱防止グリッドが一般的に適用される。散乱防止グリッドのラメラは、典型的には50μm~100μmの範囲にある。フォトンカウンティング検出器の検出素子(すなわち、ピクセル)のサイズは、典型的には、50μm~500μmの寸法を有する。したがって、各散乱防止グリッドセルは、検出素子(すなわち、ピクセル)のサブセットを含む可能性が高い。この場合、典型的には50μm~100μmの範囲内にある散乱防止グリッドのラメラが、隣接するピクセルの間の電荷共有領域をカバーするのに十分厚い場合にのみ、電荷共有がサブセットの検出素子の間で行われることができる。
【0095】
電荷共有の効果は、隣接する検出素子内の1つの検出素子と相互作用する同一のX線光子の二重又は多重のカウントを引き起こす。散乱防止グリッドが検出器に使用される場合、これらの多重のカウントは、散乱防止グリッドのセルにより規定された検出素子のサブセット内でのみ生じる。したがって、隣接する検出素子の検出値(すなわち、カウント結果)は、正に相関する。これは、以下の例で明らかになる。1つの検出素子が骨のような強力な減衰対象物によりマスクされていると仮定する。この場合、わずかな光子しか対象物を横断せず、したがって、少数の光子のみがこの検出素子により検出される。さらに、少数の光子のみが検出素子と相互作用するので、この検出素子からその隣接する検出素子への電荷共有又はクロストークも小さくなる。隣接する検出素子のうち1つが、低減衰対象物のみを見ると仮定すると、この検出素子は、非常に多くの光子と相互作用し、したがって、複数の電荷共有事象を生成し、その結果、その隣接する検出素子の検出値は、検出素子の検出値により影響を受ける。この状況では、骨により減衰した最初に言及した検出素子の検出値(すなわち、カウント結果)は、電荷共有効果により、2番目に言及した検出素子の更なるカウントにより強く影響を受ける。したがって、最初に言及した検出素子の検出値と、2番目に言及した検出素子の検出値とは、強く相関しており、最初に言及した検出素子の減衰は、2番目に言及した検出素子の検出値を考慮せずに、正確に推定することはできない。最尤法に基づく処理の最適解のために、この処理において使用される数学モデルは、現実のシステムにできるだけ近いものとするべきである。したがって、隣接する検出素子間の相関を考慮に入れることは、より正確な結果を可能にする。
【0096】
特許請求の範囲において、「含む」という用語は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞である「a」又は「an」は、複数を除外しない。
【0097】
単一のユニット又はデバイスは、特許請求の範囲に記載されたいくつかの項目の機能を実現してもよい。ある手段が相互に異なる従属項に記載されているという事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。1つ又は複数のユニット又はデバイスにより実行される検出値、相関値又はスペクトル画像の再構成等の提供のような手順は、他の数のユニット又はデバイスにより実行できる。例えば、これらの手順は、単一のデバイスにより実行できる。これらの手順及び/又はスペクトル画像を再構成するための方法に従ってスペクトル画像を再構成するための画像再構成装置1の制御は、コンピュータプログラムのプログラムコード手段として及び/又は専用ハードウェアとして実現できる。
【0098】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に或いはその一部として供給される光記憶媒体又は固体媒体のような適切な媒体に記憶/分配されてもよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムのような他の形式で分配されてもよい。
【0099】
特許請求の範囲における如何なる参照符号も、その範囲を限定するものと解釈されるべきでない。
図1
図2
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