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特許7061721情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 51/214 20220101AFI20220421BHJP
   H04L 67/02 20220101ALI20220421BHJP
   H04L 51/046 20220101ALI20220421BHJP
【FI】
H04L51/214
H04L67/02
H04L51/046
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021203686
(22)【出願日】2021-12-15
【審査請求日】2022-01-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】永井 有希
(72)【発明者】
【氏名】小澤 敏道
【審査官】今川 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-005051(JP,A)
【文献】特開2017-068745(JP,A)
【文献】特開2015-156545(JP,A)
【文献】特開2010-237728(JP,A)
【文献】特開2006-285782(JP,A)
【文献】特開2002-190820(JP,A)
【文献】特開2014-116910(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/214
H04L 67/02
H04L 51/046
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の種類のメッセージを管理するメッセージ管理装置から、配信メッセージと、前記配信メッセージの宛先を特定するための宛先情報とを含む配信要求を受け付ける受付部と、
前記メッセージ管理装置と前記宛先の通信端末との間における通信状態を特定する特定部と、
前記特定部が通信されていない状態であることを特定したことを条件として前記宛先の通信端末に前記配信メッセージを配信し、前記特定部が通信されている状態であることを特定したことを条件として前記宛先の通信端末への前記配信メッセージの配信を禁止する配信部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記配信部は、前記特定部が通信されている状態であることを特定した場合、前記メッセージ管理装置と前記宛先の通信端末との間においてメッセージのやり取りが行われているWebページに前記配信メッセージを表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記配信部は、前記特定部が通信されていない状態であることを特定した場合において、前記配信メッセージの宛先が電話番号であることを条件として、前記配信メッセージである第1メッセージを含むWebページを識別するためのページ識別情報を含む第2メッセージを、前記電話番号に対して配信し、前記配信メッセージの宛先が前記電話番号とは異なる種類の前記配信メッセージの宛先を示すことを条件として、前記Webページが生成又は更新されたことを示す通知情報を、前記電話番号とは異なる種類の前記配信メッセージの宛先に対応するアプリケーションに対して通知する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受付部は、前記配信メッセージが重要であるか否かを示すメッセージ属性をさらに含む前記配信要求を受け付け、
前記配信部は、前記配信メッセージの宛先が前記電話番号とは異なる種類の前記配信メッセージの宛先を示す場合において、前記配信メッセージが重要であることを前記メッセージ属性が示す場合に、前記通知情報を前記アプリケーションに対して通知し、前記配信メッセージが重要ではないことを前記メッセージ属性が示す場合に、前記通知情報の前記アプリケーションに対する通知を禁止する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記配信部が配信した前記配信メッセージを前記宛先の通信端末が受信した場合、前記配信メッセージの配信が成功したことを示す情報を前記メッセージ管理装置に通知し、前記配信部が配信した前記配信メッセージを前記宛先の通信端末が受信しなかった場合、前記配信メッセージの配信が成功していないことを示す情報を前記メッセージ管理装置に通知する通知部をさらに有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する、
複数の種類のメッセージを管理するメッセージ管理装置から、配信メッセージと、前記配信メッセージの宛先を特定するための宛先情報とを含む配信要求を受け付けるステップと、
前記メッセージ管理装置と前記宛先の通信端末との間における通信状態を特定するステップと、
通信されていない状態であることを特定したことを条件として前記宛先の通信端末に前記配信メッセージを配信するステップと、
通信されている状態であることを特定したことを条件として前記宛先の通信端末への前記配信メッセージの配信を禁止するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
複数の種類のメッセージを管理するメッセージ管理装置から、配信メッセージと、前記配信メッセージの宛先を特定するための宛先情報とを含む配信要求を受け付ける受付部、
前記メッセージ管理装置と前記宛先の通信端末との間における通信状態を特定する特定部、及び
前記特定部が通信されていない状態であることを特定したことを条件として前記宛先の通信端末に前記配信メッセージを配信し、前記特定部が通信されている状態であることを特定したことを条件として前記宛先の通信端末への前記配信メッセージの配信を禁止する配信部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
複数の種類のメッセージを管理するメッセージ管理装置と、前記請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置とを有する、
情報処理システム。
【請求項9】
前記メッセージ管理装置は、配信メッセージと、前記配信メッセージの宛先を特定するための宛先情報とを含む配信要求を前記情報処理装置に送信し、前記配信要求に基づいて前記情報処理装置が前記配信メッセージを配信した配信結果を取得する、
請求項8に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
メッセージを送受信するためのメッセージングサービスにおいて、利用者が端末上で企業(以下、「提供者」という。)に対してユーザ登録(例えば友達関係を設定することや、個人情報を送信すること等)をすることによって、提供者から様々なサービスを受けられるようになるシステムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-62850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、提供者の要求に応じてメッセージを配信してしまうと、利用者が煩わしさを感じてしまう場合がある。例えば、利用者が端末において外部とメッセージのやり取りをしている最中に配信されたメッセージを受信したことを示す通知が表示されると、当該通知に対して煩わしさを感じ得る。そのため、利用者が煩わしさを感じる蓋然性が高いタイミングにおいてはメッセージの配信を抑止することが求められている。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、メッセージが配信されることによって生じ得る利用者の心理的負担を軽減することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、複数の種類のメッセージを管理するメッセージ管理装置から、配信メッセージと、前記配信メッセージの宛先を特定するための宛先情報とを含む配信要求を受け付ける受付部と、前記メッセージ管理装置と前記宛先の通信端末との間における通信状態を特定する特定部と、前記特定部が通信されていない状態であることを特定したことを条件として前記宛先の通信端末に前記配信メッセージを配信し、前記特定部が通信されている状態であることを特定したことを条件として前記宛先の通信端末への前記配信メッセージの配信を禁止する配信部と、を有する。
【0007】
前記配信部は、前記特定部が通信されている状態であることを特定した場合、前記メッセージ管理装置と前記宛先の通信端末との間においてメッセージのやり取りが行われているWebページに前記配信メッセージを表示させてもよい。
【0008】
前記配信部は、前記特定部が通信されていない状態であることを特定した場合において、前記配信メッセージの宛先が電話番号であることを条件として、前記配信メッセージである第1メッセージを含むWebページを識別するためのページ識別情報を含む第2メッセージを、前記電話番号に対して配信し、前記配信メッセージの宛先が前記電話番号とは異なる種類の前記配信メッセージの宛先を示すことを条件として、前記Webページが生成又は更新されたことを示す通知情報を、前記電話番号とは異なる種類の前記配信メッセージの宛先に対応するアプリケーションに対して通知してもよい。
【0009】
前記受付部は、前記配信メッセージが重要であるか否かを示すメッセージ属性をさらに含む前記配信要求を受け付けてもよいし、前記配信部は、前記配信メッセージの宛先が前記電話番号とは異なる種類の前記配信メッセージの宛先を示す場合において、前記配信メッセージが重要であることを前記メッセージ属性が示す場合に、前記通知情報を前記アプリケーションに対して通知し、前記配信メッセージが重要ではないことを前記メッセージ属性が示す場合に、前記通知情報の前記アプリケーションに対する通知を禁止してもよい。
【0010】
前記情報処理装置は、前記配信部が配信した前記配信メッセージを前記宛先の通信端末が受信した場合、前記配信メッセージの配信が成功したことを示す情報を前記メッセージ管理装置に通知し、前記配信部が配信した前記配信メッセージを前記宛先の通信端末が受信しなかった場合、前記配信メッセージの配信が成功していないことを示す情報を前記メッセージ管理装置に通知する通知部をさらに有してもよい。
【0011】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、複数の種類のメッセージを管理するメッセージ管理装置から、配信メッセージと、前記配信メッセージの宛先を特定するための宛先情報とを含む配信要求を受け付けるステップと、前記メッセージ管理装置と前記宛先の通信端末との間における通信状態を特定するステップと、通信されていない状態であることを特定したことを条件として前記宛先の通信端末に前記配信メッセージを配信するステップと、通信されている状態であることを特定したことを条件として前記宛先の通信端末への前記配信メッセージの配信を禁止するステップと、を有する。
【0012】
本発明の第3の態様に係るプログラムは、コンピュータを、複数の種類のメッセージを管理するメッセージ管理装置から、配信メッセージと、前記配信メッセージの宛先を特定するための宛先情報とを含む配信要求を受け付ける受付部、前記メッセージ管理装置と前記宛先の通信端末との間における通信状態を特定する特定部、及び前記特定部が通信されていない状態であることを特定したことを条件として前記宛先の通信端末に前記配信メッセージを配信し、前記特定部が通信されている状態であることを特定したことを条件として前記宛先の通信端末への前記配信メッセージの配信を禁止する配信部、として機能させる。
【0013】
本発明の第4の態様に係る情報処理システムは、複数の種類のメッセージを管理するメッセージ管理装置と、前記情報処理装置とを有する。
前記メッセージ管理装置は、配信メッセージと、前記配信メッセージの宛先を特定するための宛先情報とを含む配信要求を前記情報処理装置に送信し、前記配信要求に基づいて前記情報処理装置が前記配信メッセージを配信した配信結果を取得してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、メッセージが配信されることによって生じ得る利用者の心理的負担を軽減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】メッセージ配信システムの概要を説明するための図である。
図2】メッセージ制御サーバの構成を示す図である。
図3】通信管理データベースの構成の一例を示す図である。
図4】設定管理データベースの構成の一例を示す図である。
図5】メッセージ配信システムが利用者端末にメッセージを表示させるための方法を説明するための模式図である。
図6】利用者端末が第1メッセージを含むWebページを表示する方法を説明するための模式図である。
図7】利用者端末が第1メッセージを表示する方法を説明するための模式図である。
図8】利用者端末が第2メッセージに基づいて第1メッセージを含むWebページを表示する方法を説明するための模式図である。
図9】利用者端末が通知情報に基づいて第1メッセージを含むWebページを表示する方法を説明するための模式図である。
図10】メッセージ制御サーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[メッセージ配信システムSの概要]
まず、メッセージ配信システムSの概要について説明する。図1は、メッセージ配信システムSの概要を説明するための図である。メッセージ配信システムSは、利用者端末1と、提供者装置2と、メッセージ制御サーバ3とを含む。メッセージ配信システムSは、複数の利用者端末1及び複数の提供者装置2を含んでもよい。メッセージ配信システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0017】
利用者端末1(通信端末)は、提供者が提供する提供サービスを利用する利用者が使用するコンピュータであり、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等である。提供者は、例えば、企業、団体又は店舗である。利用者は、例えば、提供者である企業、団体又は店舗等の顧客である。
【0018】
利用者端末1は、例えば、情報を表示する液晶ディスプレイ等の表示部と、利用者による操作を受け付けるタッチパネルやキーボード等の操作部と、を有する。利用者端末1は、電話番号又は電話番号とは異なる種類の宛先の少なくとも一方と関連付けられており、当該宛先に送信されたメッセージ等を表示部上に表示する。電話番号とは異なる種類の宛先は、例えば、利用者を識別するための利用者識別情報(例えば、利用者ID(Identification))である。
【0019】
提供者装置2(メッセージ管理装置)は、提供者が管理する装置であって、複数の種類のメッセージを管理する装置である。提供者装置2は、例えば、インターネット上における利用者と提供者との間のチャットメッセージのやり取りと、提供者が入力した配信メッセージ(例えばメール等)の配信とを管理する。提供者装置2は、例えばサーバである。提供者装置2は、例えば、情報を表示する液晶ディスプレイ等の表示部と、提供者による操作を受け付けるタッチパネルやキーボード等の操作部と、を有する。
【0020】
メッセージ制御サーバ3(情報処理装置)は、利用者端末1と提供者装置2との間で行われる複数の種類のメッセージの送受信を制御するコンピュータである。なお、メッセージ制御サーバ3は、メッセージを配信するメッセージ配信サーバ、又はメッセージの配信を管理するメッセージ管理サーバと称してもよい。メッセージ制御サーバ3は、利用者端末1及び提供者装置2と、無線通信又は有線通信をする。
【0021】
メッセージ制御サーバ3は、提供者装置2が配信を要求した配信メッセージを利用者端末1に表示させるための制御を行う。また、メッセージ制御サーバ3は、インターネット上において利用者端末1と提供者装置2との間でチャットメッセージのやり取りが行われるための制御を行う。具体的には、メッセージ制御サーバ3は、インターネット上において利用者端末1と提供者装置2との間でチャットメッセージのやり取りが行われるための双方向通信を確立させる。
【0022】
メッセージ配信システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。図1においては、第1提供者装置2aが、利用者端末1との間でチャットメッセージをやり取りし、第2提供者装置2bが、配信メッセージの配信を要求する例を説明する。利用者端末1と第1提供者装置2aとの間でチャットメッセージがやり取りされている最中にメールを受信したことを示す通知が利用者端末1に表示されてしまうと、利用者が煩わしさを感じ得る。そこで、メッセージ配信システムSにおいては、利用者端末1と第1提供者装置2aとの間における通信状態に応じて、配信メッセージの配信を制御する。
【0023】
具体的には、まず、第2提供者装置2bは、提供者が入力した配信メッセージと、宛先情報とを含む配信要求をメッセージ制御サーバ3に送信する(図1の(1))。宛先情報は、配信メッセージの宛先を特定するための情報であり、例えば、電話番号、利用者識別情報等である。宛先情報は、提供者を識別するための提供者識別情報であってもよい。例えば、提供者装置2は、提供者識別情報と利用者の宛先のリストとを関連付けて管理しており、宛先情報である提供者識別情報に関連付けている利用者の宛先のリストを特定することにより、配信メッセージの宛先を特定する。
【0024】
メッセージ制御サーバ3は、第2提供者装置2bから配信要求を取得すると、提供者装置2(第1提供者装置2a及び第2提供者装置2b)と宛先情報によって示される利用者端末1との間における通信状態を特定する(図1の(2))。具体的には、メッセージ制御サーバ3は、利用者端末1と、第1提供者装置2a及び第2提供者装置2bのいずれかの提供者装置2との間で通信されているか否かを特定する。
【0025】
そして、メッセージ制御サーバ3は、特定した通信状態に応じて配信メッセージの配信を制御する(図1の(3))。メッセージ制御サーバ3は、利用者端末1と提供者装置2との間で通信されていない状態であることを特定したことを条件として、当該利用者端末1に配信メッセージを配信する。一方、メッセージ制御サーバ3は、利用者端末1と第1提供者装置2aとの間で通信されている状態であることを特定したことを条件として、当該利用者端末1への配信メッセージの配信を禁止する。
【0026】
このようにすることで、メッセージ配信システムSは、利用者と提供者との間でチャットメッセージのやり取りが行われている最中に配信メッセージを配信することを防ぐことができる。これにより、メッセージ配信システムSは、利用者が煩わしさを感じる蓋然性が高いタイミングで配信メッセージを配信することを抑止することができる。その結果、メッセージ配信システムSは、配信メッセージが配信されることによって生じ得る利用者の心理的負担を軽減することができる。
【0027】
[メッセージ制御サーバ3の構成]
図2は、メッセージ制御サーバ3の構成を示す図である。メッセージ制御サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有する。制御部33は、通信制御部331と、受付部332と、特定部333と、判定部334と、配信部335と、通知部336とを有する。
【0028】
通信部31は、ネットワークに接続するためのインターフェイスであり、例えば通信コントローラを含んで構成されている。記憶部32は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部32は、制御部33が実行するプログラムを記憶している。記憶部32は、利用者端末1と提供者装置2との間における通信状態を管理する通信管理データベースと、配信メッセージの配信を許可するための設定情報を管理する設定管理データベースとを記憶している。
【0029】
図3は、通信管理データベースの構成の一例を示す図である。図3に示す例において、通信管理データベースは、通信識別情報と、利用者識別情報と、提供者識別情報を関連付けて記憶している。通信識別情報は、利用者端末1と提供者装置2との間において確立させた通信を識別するための情報(例えば通信ID)である。提供者識別情報は、提供者を識別するための情報(例えば提供者ID)である。
【0030】
図4は、設定管理データベースの構成の一例を示す図である。図4に示す例において、設定管理データベースは、利用者の宛先(電話番号及び利用者識別情報のうちのいずれか)と、提供者の発信番号(電話番号)とを関連付けて記憶している。図4に示す設定管理データベースにおいては、利用者の宛先ごとに、当該宛先と、提供者の発信番号とを関連付けて記憶しているが、これに限らない。例えば、設定管理データベースは、提供者の発信番号ごとに当該発信番号と、利用者の宛先とを関連付けて記憶してもよい。また、設定管理データベースにおいては、提供者の発信番号を記憶しているが、これに限らず、提供者のメールアドレスであってもよい。
【0031】
図2に戻り、制御部33は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部33は、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、通信制御部331、受付部332、特定部333、判定部334、配信部335及び通知部336として機能する。
【0032】
まず、メッセージ配信システムSが利用者端末1と提供者装置2との間におけるチャットメッセージのやり取りを制御するための方法を説明する。通信制御部331は、インターネット上において利用者端末1と提供者装置2との間でチャットメッセージのやり取りが行われるための通信を確立させる。
【0033】
例えば、利用者端末1が、利用者と提供者との間でチャットメッセージのやり取りを行うためのWebページにアクセスすると、通信制御部331は、チャットメッセージのやり取りが行われるための通信を確立させる。通信制御部331は、通信を確立させると、通信識別情報を生成し、生成した通信識別情報と、利用者端末1に対応する利用者識別情報と、提供者装置2に対応する提供者識別情報とを関連付けて通信管理データベースに記憶させる。
【0034】
通信制御部331は、インターネット上において利用者端末1と提供者装置2との間でチャットメッセージのやり取りが終了した場合、確立させた通信を切断させる。チャットメッセージのやり取りが終了した場合とは、例えば、利用者端末1がWebページを閉じた場合、利用者端末1が他のWebページに遷移した場合、又はWebページにおいて最後のチャットメッセージが送信されてから所定の時間(例えば10分等)が経過した場合等である。通信制御部331は、通信を切断させると、通信管理データベースにおいて通信識別情報と利用者識別情報と提供者識別情報とが関連付けて記憶されているレコードを削除する。
【0035】
続いて、メッセージ配信システムSが利用者端末1に配信メッセージを表示させるための方法を説明する。図5は、メッセージ配信システムSが利用者端末1にメッセージを表示させるための方法を説明するための模式図である。
【0036】
提供者装置2は、提供者から、利用者への送信を希望する配信メッセージである第1メッセージ(すなわち、メッセージの内容)と、当該利用者に対応する宛先を示す宛先情報と、の入力を受け付ける。宛先情報は、複数のユーザに対応する複数の宛先を含んでもよい。宛先は、電話番号と、電話番号とは異なる種類の宛先と、のどちらかである。電話番号とは異なる種類の宛先は、例えば、利用者識別情報(利用者ID)を含む。また、電話番号とは異なる種類の宛先は、例えば、ユーザ識別情報と、メッセージを表示するためのアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報(アプリケーションID)と、の組み合わせを含んでもよい。
【0037】
第1メッセージは、第1メッセージプロトコルにより送信可能な種類のコンテンツを含む。第1メッセージが含むコンテンツは、例えば、第1メッセージプロトコルにより送信可能な文字数以下の文字列と、当該文字列の表示態様(大きさ、色等)と、画像と、音と、入力方式(仮想的なボタン等)と、のうち少なくとも1つである。本実施形態において、第1メッセージプロトコルはRCSである。第1メッセージプロトコルは、その他のメッセージプロトコルであってもよい。
【0038】
提供者装置2は、提供者が入力した第1メッセージ及び配信メッセージの宛先を特定するための宛先情報を含む配信要求を送信する。提供者装置2は、例えば、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)のPOSTメソッドで配信要求をメッセージ制御サーバ3に送信する。そして、メッセージ制御サーバ3において、受付部332は、提供者装置2から、配信メッセージと、配信メッセージの宛先を特定するための宛先情報とを含む配信要求を受け付ける。
【0039】
特定部333は、提供者装置2と宛先情報によって特定される配信メッセージの宛先の利用者端末1との間における通信状態を特定する。特定部333は、例えば、通信管理データベースにおいて利用者端末1に対応する利用者識別情報が記憶されているか否かに基づいて、通信状態を特定する。特定部333は、通信管理データベースにおいて利用者端末1に対応する利用者識別情報が記憶されている場合、利用者端末1と提供者装置2との間において通信されている状態であることを特定する。
【0040】
一方、特定部333は、通信管理データベースにおいて利用者端末1に対応する利用者識別情報が記憶されていない場合、利用者端末1と提供者装置2との間において通信されていない状態であることを特定する。特定部333は、利用者端末1と提供者装置2との間において通信されていない状態であることを特定した場合、所定の間隔で、利用者端末1と提供者装置2との間において通信されている状態であることを特定するまで、利用者端末1と提供者装置2との間における通信状態を特定する処理を実行してもよい。
【0041】
配信部335は、特定部333が特定した利用者端末1と提供者装置2との間における通信状態に応じて配信メッセージを配信する。具体的には、配信部335は、特定部333が利用者端末1と提供者装置2との間において通信されていない状態であることを特定したことを条件として配信メッセージの宛先の利用者端末1に配信メッセージを配信する。
【0042】
一方、配信部335は、特定部333が利用者端末1と提供者装置2との間において通信されている状態であることを特定したことを条件として配信メッセージの宛先の利用者端末1への配信メッセージの配信を禁止する。配信部335は、利用者端末1への配信メッセージの配信を禁止した後において、特定部333が通信されていない状態であることを特定したタイミングで、配信メッセージの宛先の利用者端末1に配信メッセージを配信してもよい。
【0043】
配信部335は、利用者端末1と通信している提供者装置2の提供者と、受付部332が配信要求を受け付けた提供者装置2の提供者とが同一であるか否かに応じて、配信メッセージの配信を制御してもよい。配信部335は、利用者端末1と通信している提供者装置2の提供者と、受付部332が配信要求を受け付けた提供者装置2の提供者とが同一ではないことを条件として配信メッセージの宛先の利用者端末1に配信メッセージを配信する。一方、配信部335は、利用者端末1と通信している提供者装置2の提供者と、受付部332が配信要求を受け付けた提供者装置2の提供者とが同一であることを条件として配信メッセージの宛先の利用者端末1への配信メッセージの配信を禁止する。
【0044】
配信部335は、特定部333が利用者端末1と提供者装置2との間において通信されている状態であることを特定した場合、Webページに配信メッセージを表示させてもよい。配信部335は、受付部332が受け付けた配信メッセージである第1メッセージを含むWebページを生成する生成部としてさらに機能する。具体的には、配信部335は、特定部333が利用者端末1と提供者装置2との間において通信されている状態であることを特定した場合、利用者と提供者との間でチャットメッセージのやり取りが行われているWebページを、第1メッセージを含むWebページに更新する。
【0045】
図6は、利用者端末1が第1メッセージを含むWebページを表示する方法を説明するための模式図である。図6の上図の例では、利用者と提供者との間においてチャットメッセージのやり取りを行うためのWebブラウザ画面Xを表示している。Webブラウザ画面Xは、例えば、チャットメッセージを表示する表示領域X1と、第1メッセージが配信された件数X2と、を含む。配信部335は、特定部333が利用者端末1と提供者装置2との間において通信されている状態であることを特定した場合、Webブラウザ画面Xに表示されている件数X2を更新する。利用者が、Webブラウザ画面Xにおいて第1メッセージが配信された件数X2を押下する操作を行うと、図6の下図のWebブラウザ画面Yが表示される。
【0046】
図6の下図の例では、利用者端末1は、Webページを表示するためのWebブラウザ画面Yを表示している。Webブラウザ画面Yは、例えば、第1メッセージY1を含む。このように、メッセージ制御サーバ3は、利用者端末1と提供者装置2との間において通信されている状態であっても、Webページに配信メッセージを表示させることで、利用者端末1において配信メッセージを受信したことを示す通知を抑止しつつ、配信メッセージを配信することができる。
【0047】
配信部335は、特定部333が利用者端末1と提供者装置2との間において通信されていない状態であることを特定した場合において、宛先情報によって特定される配信メッセージの宛先のうち、提供者からの配信メッセージの配信の許可が設定されている配信メッセージの宛先に配信メッセージを配信してもよい。具体的には、配信部335は、宛先情報によって特定される配信メッセージの宛先のうち、設定管理データベースにおいて当該配信メッセージの宛先と受付部332が配信要求を受け付けた提供者の発信番号とが関連付けて記憶されている配信メッセージの宛先に配信メッセージを配信する。
【0048】
より具体的には、まず、特定部333は、受付部332が受け付けた配信メッセージの宛先が、電話番号と、電話番号とは異なる種類の配信メッセージの宛先と、のどちらを示すかを特定する。判定部334は、設定管理データベースにおいて、特定部333が特定した種類の利用者の宛先と、提供者の発信番号とが関連付けて記憶されているか否かに基づいて、特定部333が特定した種類の配信メッセージの宛先に対して、提供者からの配信メッセージの配信の許可が設定されているか否かを判定する。そして、配信部335は、受付部332が受け付けた配信メッセージの宛先が電話番号であると特定され、かつ、特定部333が特定した種類の配信メッセージの宛先に対して、提供者からの配信メッセージの配信の許可が設定されていると判定したことを条件として、第1メッセージプロトコルにより第1メッセージを電話番号に対して配信する。
【0049】
一方、配信部335は、受付部332が受け付けた配信メッセージの宛先が電話番号とは異なる種類の配信メッセージの宛先を示すと特定され、かつ、特定部333が特定した種類の配信メッセージの宛先に対して、提供者からの配信メッセージの配信の許可が設定されていると判定したことを条件として、Webページが生成又は更新されたことを示す通知情報を、電話番号とは異なる種類の配信先に対応するアプリケーションに対して通知する。
【0050】
配信部335は、受付部332が受け付けた配信メッセージの宛先が利用者識別情報を示すと特定された場合、又は受付部332が受け付けた配信メッセージの宛先が電話番号を示す場合において利用者端末1が第1メッセージプロトコルに対応していないと特定された場合に、第1メッセージを含むWebページを生成する。
【0051】
配信部335は、例えば、受付部332が受け付けた第1メッセージを、所定の規則に従って変換することにより、Webページを生成する。配信部335は、第1メッセージの送信元である提供者と、当該第1メッセージの送信先である利用者と、の間で送受信された一又は複数のメッセージを含むWebページが既に生成されている場合に、受付部332が受け付けた第1メッセージを当該Webページに追加することにより、当該Webページを更新してもよい。
【0052】
配信部335によって生成されるWebページが含む第1メッセージの表示態様は、利用者端末1が第1メッセージプロトコルにより受信した第1メッセージを表示する場合の表示態様を模した表示態様である。これにより、メッセージ配信システムSは、利用者端末1が第1メッセージプロトコルに対応していない場合であっても、第1メッセージを含むWebページを利用者端末1に表示させることにより、提供者が意図した第1メッセージの内容を利用者に対して提供できる。
【0053】
配信部335は、生成されたWebページを、当該Webページを識別するためのページ識別情報と関連付けて、利用者端末1がアクセス可能な記憶部に記憶させる。配信部335は、例えば、生成されたWebページを、メッセージ制御サーバ3の記憶部32、又はその他のサーバの記憶部に記憶させる。ページ識別情報は、例えば、インターネット上の位置を表すURLである。ページ識別情報は、利用者端末1がWebページを取得することを可能にするその他の識別情報であってもよい。
【0054】
ページ識別情報は、例えば、第1メッセージの送信元である提供者と、第1メッセージの送信先である利用者と、の組み合わせに関連付けられたトークン情報を含んでもよい。この場合に、配信部335は、提供者及び利用者の組み合わせに関連付けられたトークン情報(例えば、無作為に生成された文字列)を生成し、当該提供者と当該利用者との間で送受信された一又は複数のメッセージを含むWebページと関連付けてメッセージ制御サーバ3の記憶部32、又はその他のサーバの記憶部に記憶させる。
【0055】
配信部335は、利用者端末1が第1メッセージプロトコルに対応しているか否かと、宛先情報が示す宛先の種類と、に基づいて、利用者端末1にメッセージを表示させるための方法を切り替える。配信部335は、(1)第1メッセージプロトコルにより第1メッセージを送信すること、(2)第2メッセージプロトコルにより第2メッセージを送信すること、及び(3)アプリケーションに対する通知情報を送信することのうちいずれかによって、提供者が入力した第1メッセージを利用者端末1に表示させる。
【0056】
第1に、配信部335は、利用者端末1が第1メッセージプロトコルに対応していると特定部333により特定されたことを条件として、第1メッセージプロトコルにより、受付部332が受け付けた第1メッセージを利用者端末1に送信する。具体的には、まず、特定部333は、受付部332が受け付けた配信メッセージの宛先に対応する利用者端末1が、第1メッセージを受信するための第1メッセージプロトコルに対応しているか否かを特定する。そして、配信部335は、利用者端末1が第1メッセージプロトコルに対応していると特定されたことを条件として、第1メッセージプロトコルにより第1メッセージを電話番号に対して送信する。
【0057】
配信部335は、例えば、宛先情報が示す電話番号に対して、第1メッセージプロトコルにより第1メッセージを送信する。利用者端末1は、メッセージ制御サーバ3が送信した第1メッセージを、第1メッセージプロトコルにより受信し、表示部上に表示する。
【0058】
図7は、利用者端末1が第1メッセージを表示する方法を説明するための模式図である。図7の例では、利用者端末1は、第1メッセージプロトコルであるRCSにより送受信されたメッセージを表示するためのRCS画面Aを表示している。RCS画面Aは、例えば、利用者端末1が実行するメッセージングアプリケーションによって表示される。RCS画面Aは、例えば、第1メッセージA1と、ユーザによるメッセージの入力を受け付けるための入力領域A2と、を含む。利用者は、提供者に対して返信するメッセージを、入力領域A2に入力する。利用者端末1は、入力領域A2に入力されたメッセージを、第1メッセージプロトコルにより、第1メッセージA1の送信元である提供者装置2に送信する。
【0059】
このように、メッセージ配信システムSは、第1メッセージプロトコルに対応している利用者端末1には、提供者が入力した第1メッセージをそのまま表示させ、さらに利用者から提供者への返信を第1メッセージプロトコルにより受け付けることができる。
【0060】
メッセージ制御サーバ3は、配信メッセージの配信結果を提供者装置2に通知してもよい。具体的には、通知部336は、配信部335が配信した配信メッセージを宛先の利用者端末1が受信した場合、配信メッセージの配信が成功したことを示す情報を提供者装置2に通知する。一方、通知部336は、配信部335が配信した配信メッセージを宛先の利用者端末1が受信しなかった場合、配信メッセージの配信が成功していないことを示す情報を提供者装置2に通知する。
【0061】
提供者装置2は、配信要求に基づいてメッセージ制御サーバ3が配信メッセージを配信した配信結果(配信メッセージの配信が成功したか否かを示す情報)を取得する。このようにすることで、メッセージ制御サーバ3は、配信メッセージが配信されたか否かを提供者に認識させることができる。
【0062】
第2に、配信部335は、特定部333が通信されていない状態であることを特定した場合において、利用者端末1が第1メッセージプロトコルに対応しておらず、かつ宛先情報が示す配信メッセージの宛先が電話番号であると特定部333により特定されたことを条件として、第2メッセージプロトコルにより、生成したWebページを識別するためのページ識別情報を含む第2メッセージを、配信メッセージの宛先である電話番号に対して配信する。本実施形態において、第2メッセージプロトコルはSMSである。第2メッセージプロトコルは、その他のメッセージプロトコルであってもよい。
【0063】
第1メッセージプロトコルにより送信可能なコンテンツの種類は、第2メッセージプロトコルにより送信可能なコンテンツの種類よりも多い。また、第1メッセージプロトコルにより送信可能なメッセージの文字数は、第2メッセージプロトコルにより送信可能なメッセージの文字数よりも多い。したがって、第2メッセージプロトコルでは第1メッセージの全てを送信できないため、メッセージ制御サーバ3は、第2メッセージプロトコルにより、第1メッセージ自体ではなく、第1メッセージを含むWebページにアクセスするためのページ識別情報を送信する。これにより、メッセージ制御サーバ3は、利用者端末1に第1メッセージを表示させることができる。
【0064】
配信部335は、第1メッセージの送信元である提供者が第2メッセージの送信を許可したことを条件として、第2メッセージを送信してもよい。この場合に、提供者装置2は、提供者から、第1メッセージの入力を受け付けることに加えて、第1メッセージが送信できない場合に第2メッセージの送信を許可するか否かの指定を受け付ける。メッセージ制御サーバ3において、配信部335は、提供者装置2において第2メッセージの送信を許可することが指定され、かつ宛先情報が示す宛先が電話番号であると特定部333により特定されたことを条件として、第2メッセージを送信する。これにより、メッセージ配信システムSは、提供者の希望に応じて、第1メッセージを送信できない場合に第2メッセージを送信することができる。
【0065】
利用者端末1は、メッセージ制御サーバ3が送信した第2メッセージを、第2メッセージプロトコルにより受信し、表示部上に表示する。図8は、利用者端末1が第2メッセージに基づいて第1メッセージを含むWebページを表示する方法を説明するための模式図である。図8の上図の例では、利用者端末1は、第2メッセージプロトコルであるSMSにより送受信されたメッセージを表示するためのSMS画面Bを表示している。SMS画面Bは、例えば、第2メッセージが含むページ識別情報B1を含む。ページ識別情報B1は、第1メッセージの送信元である提供者と、第1メッセージの送信先である利用者と、の組み合わせに関連付けられたトークン情報B2を含む。
【0066】
利用者端末1は、利用者によりページ識別情報B1が選択されたことに応じて、選択されたページ識別情報B1を用いて、Webページを記憶しているメッセージ制御サーバ3又はその他のサーバにアクセスする。メッセージ制御サーバ3又はその他のサーバは、選択されたページ識別情報B1が含むトークン情報B2に対応する提供者から利用者へ送信された第1メッセージを含むWebページを特定し、利用者端末1に送信する。利用者端末1は、メッセージ制御サーバ3又はその他のサーバからWebページを受信し、表示部上に表示する。
【0067】
トークン情報B2は、第2メッセージの送信ごとに異なっていてもよい。この場合に、メッセージ制御サーバ3又はその他のサーバは、提供者及び利用者の組み合わせに関連付けられた、第2メッセージの送信ごとに異なる複数のトークン情報B2を、当該提供者と当該利用者との間で送受信された一又は複数のメッセージを含む1つのWebページと関連付けて記憶している。これにより、メッセージ配信システムSは、利用者端末1が特定の提供者及び利用者の組み合わせに関連付けられたいずれのトークン情報を用いてメッセージ制御サーバ3又はその他のサーバにアクセスしたとしても、同じWebページを利用者端末1に表示させることができる。
【0068】
トークン情報B2には、有効期限が予め設定されていてもよい。この場合に、メッセージ制御サーバ3又はその他のサーバは、トークン情報に関連付けて、所定の有効期限(例えば、第2メッセージの送信日時から24時間)を記憶している。メッセージ制御サーバ3又はその他のサーバは、選択されたページ識別情報B1が含むトークン情報B2に対応する提供者から利用者へ送信された第1メッセージを含むWebページを、現在日時が当該トークン情報B2に設定された有効期限内であることを条件として、利用者端末1に送信する。これにより、メッセージ配信システムSは、第三者がトークン情報B2を総当たりすること等によって、第1メッセージを含むWebページが第三者によって見られる事態を抑制し、セキュリティを向上できる。
【0069】
図8の下図の例では、利用者端末1は、Webページを表示するためのWebブラウザ画面Cを表示している。Webブラウザ画面Cは、例えば、第1メッセージC1と、利用者によるメッセージの入力を受け付けるための入力領域C2と、を含む。SMS等の第2メッセージプロトコルは、利用者端末1において第1メッセージプロトコルを利用するための設定がされていなくとも利用できるため、第1メッセージプロトコルと比較して高い確率でメッセージを利用者端末1に到達させることができる。そのため、メッセージ配信システムSは、利用者端末1が第1メッセージプロトコルに対応していない場合であっても、第2メッセージプロトコルを用いることにより、第1メッセージを含むWebページを利用者端末1に表示させることができる。
【0070】
Webブラウザ画面Cが表示するWebページは、利用者端末1において第1メッセージプロトコルにより第1メッセージを受信するためのメッセージングアプリケーションを示す情報を含んでもよい。メッセージングアプリケーションを示す情報は、例えば、メッセージングアプリケーションを利用者端末1にインストールするためのリンクである。これにより、メッセージ配信システムSは、第1メッセージプロトコルに対応していない利用者端末1のユーザに対して、第1メッセージプロトコルを利用するための設定をするように誘導できる。
【0071】
利用者は、提供者に対して返信する第3メッセージを、入力領域C2に入力する。利用者端末1は、入力領域C2に入力された第3メッセージを、メッセージ制御サーバ3に送信する。メッセージ制御サーバ3において、受付部332は、利用者端末1から第3メッセージを受け付ける。配信部335は、受付部332が受け付けた第3メッセージを、第1メッセージプロトコルにより第1メッセージC1の送信元である提供者装置2に送信する。ここで配信部335は、受付部332が受け付けた第3メッセージを、所定の規則に従って、第1メッセージプロトコルにより送信可能なメッセージに変換してから送信してもよい。
【0072】
このように、利用者端末1が第1メッセージプロコトルに対応していない場合であっても、メッセージ制御サーバ3が提供者装置2と利用者端末1との間で送受信されるメッセージを中継することにより、提供者装置2は第1メッセージプロトコルを用いて利用者端末1との間でメッセージを授受することができる。
【0073】
配信部335は、利用者端末1のメッセージの受信状態に応じて、当該メッセージを送信するメッセージプロトコルを変更してもよい。具体的には、配信部335は、第1メッセージプロトコルにより第1メッセージを電話番号に対して送信した後において、利用者端末1が第1メッセージを受信しなかった場合、第2メッセージプロトコルにより第2メッセージを電話番号に対して送信する。利用者端末1が第1メッセージを受信しなかった場合は、例えば、第1メッセージの送信に失敗した場合、又は第1メッセージを受信できない旨の通知を利用者端末1から取得した場合等である。
【0074】
より具体的には、配信部335は、第1メッセージプロトコルにより第1メッセージを電話番号に対して送信した後において、利用者端末1が第1メッセージを受信しなかった場合、第1メッセージを含むWebページする。そして、配信部335は、第2メッセージプロトコルにより第2メッセージを電話番号に対して送信する。このようにすることで、メッセージ制御サーバ3は、利用者が第1メッセージを閲覧できない事態の発生を低減することができる。
【0075】
第3に、配信部335は、特定部333が通信されていない状態であることを特定した場合において、利用者端末1が第1メッセージプロトコルに対応しておらず、かつ宛先情報が電話番号とは異なる種類の宛先を示すと判定されたことを条件として、Webページが生成又は更新されたことを示す通知情報を、電話番号とは異なる種類の宛先に対応するアプリケーションに対して通知する。
【0076】
通知情報の通知先であるアプリケーションは、例えば、利用者が企業、団体又は店舗等の主体(すなわち、上述の提供者)に対して予約、問い合わせ、買い物等をするための所定の機能と、当該利用者が当該主体から受信したメッセージを表示する機能と、を有するアプリケーションソフトウェアである。アプリケーションには、当該アプリケーションを利用する利用者を識別するための利用者識別情報が予め設定されている。アプリケーションは、設定された利用者識別情報に対して送信された第1メッセージを含むWebページを、メッセージ制御サーバ3又はその他のサーバから取得して表示する。
【0077】
電話番号とは異なる種類の宛先は、例えば、利用者識別情報を含む。配信部335は、例えば、利用者端末1に対する通知を管理するサーバに、宛先である利用者識別情報とともに通知情報を登録することによって、当該サーバが当該利用者識別情報に対応する利用者端末1上で実行されているアプリケーションに対して通知情報を通知する。
【0078】
第1メッセージプロトコルにより送信可能なコンテンツの種類は、アプリケーションに対する通知により送信可能なコンテンツの種類よりも多い。また、第1メッセージプロトコルにより送信可能なメッセージの文字数は、アプリケーションに対する通知により送信可能なメッセージの文字数よりも多い。したがって、アプリケーションに対する通知では第1メッセージの全てを送信できないため、メッセージ制御サーバ3は、アプリケーションに対する通知により、第1メッセージ自体ではなく、第1メッセージを含むWebページが生成又は更新されたことを示す通知情報を送信する。これにより、メッセージ制御サーバ3は、利用者端末1に第1メッセージを表示させることができる。
【0079】
配信部335は、第1メッセージの送信元である提供者が通知情報の通知を許可したことを条件として、通知情報を通知してもよい。この場合に、提供者装置2は、提供者から、第1メッセージの入力を受け付けることに加えて、第1メッセージが送信できない場合に通知情報の通知を許可するか否かの指定を受け付ける。メッセージ制御サーバ3において、配信部335は、提供者装置2において通知情報の通知を許可することが指定され、かつ宛先情報が電話番号とは異なる種類の宛先を示すと特定部333により特定されたことを条件として、通知情報を通知する。これにより、メッセージ配信システムSは、提供者の希望に応じて、第1メッセージを送信できない場合に通知情報を通知することができる。
【0080】
利用者端末1は、通知情報の通知先であるアプリケーションにおいて、メッセージ制御サーバ3から通知情報が通知されたことを示す情報を、表示部上に表示する。図9は、利用者端末1が通知情報に基づいて第1メッセージを含むWebページを表示する方法を説明するための模式図である。図9の上図の例では、利用者端末1は、アプリケーションによって表示される第1アプリケーション画面Dを表示している。第1アプリケーション画面Dは、例えば、通知情報が通知されたことを示す情報として、通知情報が通知された件数D1を含む。
【0081】
利用者端末1は、第1アプリケーション画面Dにおいて利用者により所定の操作が行われたことに応じて、アプリケーションに設定された利用者識別情報を用いて、Webページを記憶しているメッセージ制御サーバ3又はその他のサーバにアクセスする。メッセージ制御サーバ3又はその他のサーバは、アプリケーションに設定された利用者識別情報に対応する利用者へ送信された第1メッセージを含むWebページを特定し、利用者端末1に送信する。利用者端末1は、メッセージ制御サーバ3又はその他のサーバからWebページを受信し、アプリケーション内に表示する。
【0082】
図9の下図の例では、利用者端末1は、アプリケーション内でWebページを表示するための第2アプリケーション画面Eを表示している。第2アプリケーション画面Eは、例えば、第1メッセージE1と、利用者によるメッセージの入力を受け付けるための入力領域E2と、を含む。これにより、メッセージ配信システムSは、利用者端末1が第1メッセージプロトコルに対応していない場合であっても、宛先に対応するアプリケーションに対して通知することにより、第1メッセージを含むWebページを利用者端末1に表示させることができる。
【0083】
第2アプリケーション画面Eが表示するWebページは、利用者端末1において第1メッセージプロトコルにより第1メッセージを受信するためのメッセージングアプリケーションを示す情報を含んでもよい。メッセージングアプリケーションを示す情報は、例えば、メッセージングアプリケーションを利用者端末1にインストールするためのリンクである。これにより、メッセージ配信システムSは、第1メッセージプロトコルに対応していない利用者端末1の利用者に対して、第1メッセージプロトコルを利用するための設定をするように誘導できる。
【0084】
Webページが含むメッセージは、アプリケーションごとに異なっていてもよい。この場合に、電話番号とは異なる種類の宛先は、例えば、利用者識別情報及びアプリケーション識別情報の組み合わせを含む。配信部335は、Webページが生成又は更新されたことを示す通知情報を、宛先が含む利用者識別情報が設定された、宛先が含むアプリケーション識別情報に対応するアプリケーションに対して通知する。
【0085】
利用者端末1は、通知情報の通知先であるアプリケーションにおいて、メッセージ制御サーバ3から通知情報が通知されたことを示す情報を、表示部上に表示する。利用者端末1は、利用者により所定の操作が行われたことに応じて、アプリケーションに設定された利用者識別情報と、当該アプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、を用いて、Webページを記憶しているメッセージ制御サーバ3又はその他のサーバにアクセスする。
【0086】
メッセージ制御サーバ3又はその他のサーバは、アプリケーションに設定された利用者識別情報及び当該アプリケーションのアプリケーション識別情報を宛先とした第1メッセージを含むWebページを特定し、利用者端末1に送信する。利用者端末1は、メッセージ制御サーバ3又はその他のサーバからWebページを受信し、アプリケーション内に表示する。これにより、メッセージ配信システムSは、提供者が利用者に送信したメッセージを、当該メッセージを表示するためのアプリケーションごとに管理することができる。
【0087】
利用者は、提供者に対して返信する第3メッセージを、入力領域E2に入力する。利用者端末1は、入力領域E2に入力された第3メッセージを、メッセージ制御サーバ3に送信する。メッセージ制御サーバ3において、受付部332は、利用者端末1から第3メッセージを受け付ける。配信部335は、受付部332が受け付けた第3メッセージを、第1メッセージプロトコルにより第1メッセージE1の送信元である提供者装置2に送信する。ここで配信部335は、受付部332が受け付けた第3メッセージを、所定の規則に従って、第1メッセージプロトコルにより送信可能なメッセージに変換してから送信してもよい。
【0088】
このように、利用者端末1が第1メッセージプロコトルに対応していない場合であっても、メッセージ制御サーバ3が提供者装置2と利用者端末1との間で送受信されるメッセージを中継することにより、提供者装置2は第1メッセージプロトコルを用いて利用者端末1との間でメッセージを授受することができる。
【0089】
配信部335は、配信メッセージが重要であるか否かに応じて、通知情報のアプリケーションに対する通知を制御してもよい。具体的には、まず、受付部332は、メッセージ属性をさらに含む配信要求を受け付ける。メッセージ属性は、配信メッセージが重要であるか否かを示す情報であり、提供者によって設定される。そして、配信部335は、配信メッセージの宛先が電話番号とは異なる種類の配信メッセージの宛先を示す場合において、配信メッセージが重要であることをメッセージ属性が示す場合に、通知情報をアプリケーションに対して通知する。
【0090】
一方、配信部335は、配信メッセージの宛先が電話番号とは異なる種類の配信メッセージの宛先を示す場合において、配信メッセージが重要ではないことをメッセージ属性が示す場合に、通知情報のアプリケーションに対する通知を禁止する。具体的には、配信部335は、第1メッセージを含むWebページを生成又は更新した後において、配信メッセージの宛先が電話番号とは異なる種類の配信メッセージの宛先を示し、かつ、配信メッセージが重要ではないことをメッセージ属性が示す場合に、通知情報のアプリケーションに対する通知を禁止する。このようにすることで、メッセージ制御サーバ3は、通知情報をアプリケーションに対して通知する頻度を低減することができる。
【0091】
[メッセージ制御サーバ3の処理]
続いて、メッセージ制御サーバ3の処理の流れについて説明する。図10は、メッセージ制御サーバ3の処理の流れを示すフローチャートである。まず、受付部332は、提供者装置2から、配信メッセージと宛先情報とを含む配信要求を受け付ける(S1)。
【0092】
特定部333は、提供者装置2と宛先情報によって特定される配信メッセージの宛先の利用者端末1との間における通信状態を特定する(S2)。配信部335は、特定部333が特定した通信状態が通信中であることを示すか否かを判定する(S3)。
【0093】
配信部335は、特定部333が特定した通信状態が通信中であることを示すと判定した場合(S3においてYESの場合)、処理をS2に戻す。一方、配信部335は、特定部333が特定した通信状態が通信中ではないことを示すと判定した場合(S3においてNOの場合)、配信メッセージの宛先の利用者端末1に配信メッセージを配信する(S4)。
【0094】
[本実施の形態における効果]
以上説明したとおり、メッセージ制御サーバ3は、利用者端末1と提供者装置2との間において通信されていない状態であることを条件として利用者端末1に配信メッセージを配信し、利用者端末1と提供者装置2との間において通信されている状態であることを条件として利用者端末1への配信メッセージの配信を禁止する。このようにすることで、メッセージ制御サーバ3は、利用者と提供者との間でチャットメッセージのやり取りが行われている最中に配信メッセージを配信することを防ぐことができる。これにより、メッセージ制御サーバ3は、利用者が煩わしさを感じる蓋然性が高いタイミングで配信メッセージを配信することを抑止することができる。また、メッセージ制御サーバ3は、利用者端末1と提供者装置2との間における通信状態を条件とすることに加えて、配信メッセージが重要であることを条件として配信メッセージの配信を行うことにより、配信メッセージの配信頻度を低減することができる。その結果、メッセージ制御サーバ3は、配信メッセージが配信されることによって生じ得る利用者の心理的負担を軽減することができる。
【0095】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0096】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0097】
1 利用者端末
2 提供者装置
3 メッセージ制御サーバ
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
331 通信制御部
332 受付部
333 特定部
334 判定部
335 配信部
336 通知部
S メッセージ配信システム
【要約】
【課題】メッセージが配信されることによって生じ得る利用者の心理的負担を軽減する。
【解決手段】メッセージ制御サーバ3は、複数の種類のメッセージを管理するメッセージ管理装置から、配信メッセージと、配信メッセージの宛先を特定するための宛先情報とを含む配信要求を受け付ける受付部332と、メッセージ管理装置と宛先の通信端末との間における通信状態を特定する特定部333と、特定部333が通信されていない状態であることを特定したことを条件として宛先の通信端末に配信メッセージを配信し、特定部333が通信されている状態であることを特定したことを条件として宛先の通信端末への配信メッセージの配信を禁止する配信部335と、を有する。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10