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  • 特許-バッテリ作動ヘアドライヤ 図1
  • 特許-バッテリ作動ヘアドライヤ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-20
(45)【発行日】2022-04-28
(54)【発明の名称】バッテリ作動ヘアドライヤ
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/10 20060101AFI20220421BHJP
【FI】
A45D20/10 103
A45D20/10 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021517958
(86)(22)【出願日】2019-09-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 EP2019076336
(87)【国際公開番号】W WO2020070032
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-03-31
(31)【優先権主張番号】18198507.8
(32)【優先日】2018-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】18207951.7
(32)【優先日】2018-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】19153685.3
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】レリーフェルト,マルク ヨーハネス
【審査官】柿沼 善一
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-244407(JP,A)
【文献】特開2007-044082(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0233788(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02255692(EP,A1)
【文献】特開平07-063322(JP,A)
【文献】特開2007-330629(JP,A)
【文献】特開昭60-075007(JP,A)
【文献】特開2008-023024(JP,A)
【文献】特開2008-119159(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0236557(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリ作動ヘアドライヤであって、
ドライヤハウジングと、
バッテリと、
前記バッテリにより電力供給されるモータにより推進される回転ファンブレードを有するファンと、を備え、
前記モータの周囲に、前記ファンは、前記モータとモータマウントとの間に複数の非回転静的空気流形成ベーンを有し、前記複数の非回転静的空気流形成ベーンは、前記ファンに隣接して取り付けられる前記バッテリのための冷却リブとして機能し、前記モータマウントは、前記複数の非回転静的空気流形成ベーンと前記ドライヤハウジングとの間にあり、前記バッテリは、前記モータマウントの周囲に、又は前記モータマウントに接して取り付けられることを特徴とする、バッテリ作動ヘアドライヤ。
【請求項2】
前記バッテリは、当該バッテリ作動ヘアドライヤのハンドル内に部分的に配置され、前記ファンは、前記ハンドルに隣接して配置される、請求項1に記載のバッテリ作動ヘアドライヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリ作動ヘアドライヤに関する。本開示において、ヘアドライヤという概念は、ブロードライヤなどの単に髪を乾かす装置に限定されない。ヘアドライヤは、髪をスタイリングするために使用することもでき、暖かい空気を吹き出すブラシ又はカーラの形態をとってもよく、あるいはエアスタイラと呼ばれることもある。
【背景技術】
【0002】
米国特許出願公開第2018/0233788号明細書は、バッテリを同時に冷却し、ヘアドライヤの性能を向上させるように構成されたバッテリ駆動ブロードライヤを開示している。全てのバッテリは、あるレベルの内部電気抵抗/インピーダンスを有し、これは、充電及び放電の双方の間に熱を発生させる。したがって、加熱素子及びファンに電力を供給するためにバッテリを使用することは、これらが放電するときバッテリ、バッテリパック、又は内部回路内にも熱を発生させる。この熱は、バッテリの寿命を短くする可能性があり、バッテリの放電率又は稼働時間に影響を与えるおそれがある。したがって、バッテリ及び関連回路に対して冷却してそれらの性能を増大させ、過熱及び安全問題を回避し、及び/又はバッテリの寿命を延ばすことができるバッテリ作動ブロードライヤが開示されている。ハンドルは、ケース空気流通路と連通するハンドル空気流通路を含むことができ、それにより、ハンドルを通って流れる空気はケース空気流通路へ出る。バッテリは、バッテリの周囲の空気流れを可能にするギャップがハンドルとバッテリとの間に形成された状態で、通路内に配置することができる。バッテリを冷却するために、ハンドルは1つ以上の吸気口を含んでもよく、該吸気口は、内部空気がバッテリ及び個々のセル間のギャップを越えてハンドル内の通路を上方に流れることを可能にする。ファンは空気を吸い込み、該空気は、バッテリセルの周囲を流れ、次いでケースを通って存続し、加熱素子上に吹き出される。空気流がバッテリを冷却している間、空気流は加温されてもおり、バッテリで加温された空気は加熱素子に流れ、無駄にされない。
【0003】
欧州特許出願公開第2255692号明細書は、髪を乾かす装置を開示しており、該装置は、髪へ向けられるべき空気の流れを放出又は排出するためのハンドヘルドユニットを備える。ハンドヘルドユニットは電源を有し、該電源は、ユニットから放出又は排出される空気流の経路に配置される。このようにして、電源内で発生した熱エネルギーは、装置内の空気流に直接伝達することができる。
【0004】
米国特許第9526311号明細書は、再充電可能リチウムイオンバッテリにより電力供給されるバッテリ駆動ヘアドライヤを開示している。バッテリからの熱は、ヘアドライヤファンにより作り出される強制空気を加熱するために直接使用される。これは、バッテリを強制空気の経路に設置することにより、又はバッテリをヒートシンクに接続し、ヒートシンクの少なくとも一部を強制空気の経路に配設することにより達成される。効率をさらに向上させるために、ファンモータが強制空気の経路に設置される。ヘアドライヤ内の全ての回路は、強制空気の経路内に配設され、あるいは強制空気の経路内に少なくとも部分的に配設されるヒートシンクに熱的に接続される。このようにして、ヘアドライヤの電気コンポーネントにより作り出される熱は、ヘアドライヤ内の強制空気を予熱するために使用される。次いで、予熱された空気は、ヘアドライヤ内の加熱素子によりさらに加熱される。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、特に、向上したヘアドライヤを提供することである。本発明は独立請求項により定義される。有利な実施形態が従属請求項において定義される。
【0006】
本発明の一態様は、バッテリ作動ヘアドライヤ(battery-operated hair dryer)を提供し、該バッテリ作動ヘアドライヤは、ドライヤハウジングと、バッテリと、バッテリにより電力供給されるモータにより推進される回転ファンブレード、及び、モータの周囲に、モータ及びモータマウントの間の複数の非回転静的空気流形成ベーン(non-rotating static air flow-shaping vanes)を有するファンと、を備え、該非回転静的空気流形成ベーンは、ファンに隣接して取り付けられるバッテリのための冷却リブとして機能し、モータマウントは、非回転静的空気流形成ベーンとドライヤハウジングとの間にあり、バッテリは、モータマウントの周囲に、又はモータマウントに接して取り付けられる。有利には、バッテリは、バッテリ作動ヘアドライヤのハンドル内に部分的に配置され、ファンは、ハンドルに隣接して配置される。
【0007】
実施形態は、以下の考察に基づく。ヘアドライヤにおいて、重量及び重量分布はかなり重要である。本発明の実施形態は、ヘアドライヤのバッテリのためのヒートシンクとして、ヘアドライヤ内部のヘアドライヤファンの出口側で非回転静的空気流形成ベーンを使用する。これは、(単一のコンポーネントが非回転静的空気流形成ベーン及びヒートシンクの双方として作用するとき)コンポーネントを最小限にする結果をもたらし、バッテリをファンの近くに置くことは、(ファンがヘアドライヤの中央にうまく存在するとき)良好な重量分布も結果としてもたらす。さらに、ファンの出口の非回転静的空気流形成ベーンは、ファンからの全空気もハンドリングしており、それにより、冷却効率は最適になる。バッテリ冷却体として非回転静的空気流形成ベーンを使用し、したがってバッテリをファンの近くに取り付けることで、結果として重量分布が最適になり、バッテリを冷却するための冷却通路の必要が少なくなり、該冷却通路はノイズを引き起こすおそれがある。
【0008】
本発明のこれら及び他の態様は、以降に記載する実施形態から明らかになり、該実施形態を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明によるバッテリ作動ヘアドライヤの一実施形態を示す。
図2図1の線A-Aを通る断面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1及び図2は、ドライヤハウジングDHを有するバッテリ作動ヘアドライヤを概略的に示す。主空気流AF1は、空気入口グリルAIGから空気出口グリルAOGへやや真っすぐに流れる。空気流は、モータマウントMMに合わせられたモータMにより推進されるファンFにより引き起こされる。髪を乾燥及び/又はスタイリング可能にするために、ファンFからの空気はヒータHにより加熱される。ヒータH及びモータMは、ファンF、モータM、及びモータマウントMMの周囲のバッテリBにより電力供給される。
【0011】
図2に示すように、ファンFは、モータMとモータマウントMMとの間に複数の非回転静的空気流形成ベーンVを有する。バッテリBがモータマウントMMに(すぐ)隣接して配置され(すなわち、モータマウントMMの周囲に、又はモータマウントMMに接して取り付けられ)、したがって、ファンの非回転静的空気流形成ベーンVと近く接している結果として、ファンの非回転静的空気流形成ベーンVは、冷却リブとして作用して、主空気流AF1によってバッテリBを冷却する。
【0012】
主空気流AF1の速度は、空気がモータマウントMMの比較的狭い開口を通過しているとき比較的高いため、その時点でバッテリBが冷却される可能性は最適である。
【0013】
図示の実施形態において、バッテリBは、ドライヤハウジングDHの上部でよりも、ドライヤハウジングDHの底部でより多くのボリュームを有する。そうである場合、バッテリBを底部で冷却するさらなる必要があり得る。この目的のために、ドライヤハウジングDHの底部に沿って空気入口グリルAIGから空気出口グリルAOGへの二次空気流AF2を有することが可能である。
【0014】
上述の実施形態は、本発明を限定するものでなく例示するものであり、当業者は、別記の特許請求の範囲から逸脱することなく多くの代替実施形態を設計できるであろうことに留意されたい。ドライヤハウジングDHは、矩形の断面を有する必要はなく、それは、例えば円形でもよい。ヒータHは、モータMと直列でもよく、あるいはモータMと並列でもよい。バッテリBは、その重量分布がハンドヘルドヘアドライヤに最適であるように形成されてもよい。図2に示すバッテリBの非対称形状は、ドライヤハウジングDHの図示の向きにおいてはより好ましくないが、ドライヤハウジングDHが、その左下隅が底部になるように回転された場合(すなわち、ヘアドライヤのハンドルが、ドライヤハウジングDHの左下隅であるように図示されるものに取り付けられることになる)、このようなバッテリ形状は、良好な重量分布を得るのにかなり好ましい可能性がある。良好な重量分布を得るために、バッテリBは、部分的にハンドル内に設置することができ、一方、ファンFは、ファンの非回転静的空気流形成ベーンVが依然としてバッテリBを冷却するのに役立つことができるように、バッテリBに十分隣接して配置される。特許請求の範囲において、括弧の間に置かれた参照符号は、請求項を限定するようには解釈されないものとする。「含む」という語は、請求項に列挙された要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を除外するものではない。要素の前にある「a」又は「an」という語は、複数のそのような要素の存在を除外するものではない。本発明は、いくつかの区別可能な要素を含むハードウェアを用いて実施することができる。いくつかの手段を列挙する装置の請求項において、これらの手段のいくつかは、1つの同じハードウェアアイテムにより具現化されてもよい
図1
図2