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特許7061760可変速度最大電力点追尾、太陽光誘導電動モータコントローラ、及び永久磁石交流モータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-21
(45)【発行日】2022-05-02
(54)【発明の名称】可変速度最大電力点追尾、太陽光誘導電動モータコントローラ、及び永久磁石交流モータ
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/67 20060101AFI20220422BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20220422BHJP
【FI】
G05F1/67 A
H02M7/48 E
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018519852
(86)(22)【出願日】2016-10-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-10-18
(86)【国際出願番号】 US2016056618
(87)【国際公開番号】W WO2017066307
(87)【国際公開日】2017-04-20
【審査請求日】2019-09-24
(31)【優先権主張番号】62/240,979
(32)【優先日】2015-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521031327
【氏名又は名称】プレミア エナジー ホールディングス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】グルキーナック, ユースフ
(72)【発明者】
【氏名】ミリボイェビッチ, ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ハウトマン, ゲルハルト
(72)【発明者】
【氏名】ロポート, ジョン
【審査官】石坂 知樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-514447(JP,A)
【文献】特開平06-054585(JP,A)
【文献】国際公開第2015/025557(WO,A1)
【文献】特開昭62-065116(JP,A)
【文献】特開2011-050204(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/12-1/44
G05F 1/45-7/00
H02M 7/42-7/98
H02P 21/00-25/03
H02P 25/04
H02P 25/10-27/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、前記システムは、
AC電動モータと、
少なくとも1つの光電変換パネルと、
前記少なくとも1つの光電変換パネルから電力を受け取り、第2のDC電圧を提供するように結合されているDC-DCコンバータと、
前記第2のDC電圧を受け取り、AC電力を前記AC電動モータに提供するように結合されている可変周波数モータドライブと、
前記第2のDC電圧を所定の値に調節するように構成されているマイクロコントローラと
を備え、
前記マイクロコントローラは、前記AC電動モータが回転し始めるまで、前記第2のDC電圧と前記AC電力の周波数とを徐々にかつ同時に増加させるように構成されており、
前記マイクロコントローラは、前記少なくとも1つの光電変換パネルから受け取る電流の変化を検出することによって、前記AC電動モータが回転し始めたことを検出することと、前記マイクロコントローラが最大電力点追尾ファームウェアを使用し始めた場合に、前記可変周波数モータドライブの周波数を限界まで増加させることとを行うように構成されており、前記増加させることは、複数の段階で行われ、各段階では、前記可変周波数モータドライブの周波数が周波数増加値だけ増加され、かつ、前記少なくとも1つの光電変換パネルから前記AC電動モータへの電力伝達率を最大化することを目的として、前記第2のDC電圧が閾値よりも多く降下した場合に前記最大電力点追尾ファームウェア前記可変周波数モータドライブの周波数を減少させることによって、前記第2のDC電圧を前記所定値に調節しながら行われ、前記減少させることは、複数の段階で行われ、各段階では、前記可変周波数モータドライブの周波数が周波数減少値だけ減少され、前記周波数増加値は、前記周波数減少値よりも小さい、システム。
【請求項2】
前記マイクロコントローラは、前記少なくとも1つの光電変換パネルから前記AC電動モータへの電力伝達率を最大化するために、前記最大電力点追尾ファームウェアを使用して、前記可変周波数モータドライブの周波数を増加させるときに、前記AC電動モータに提供される前記AC電力の電圧を増加させるようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは、前記AC電動モータの始動不具合を検出し、前記AC電動モータが始動できない場合に、前記可変周波数モータドライブを再試行時間の間停止し、前記再試行時間後に、前記AC電動モータの始動を再試行するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、前記AC電動モータを始動させるための再試行回数をカウントし、最大再試行回数をカウントすると、前記可変周波数モータドライブを再試行延長時間の間停止し、前記再試行延長時間後に、前記AC電動モータの始動を再試行するように構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記最大電力点追尾ファームウェアは、前記可変周波数モータドライブの周波数に比例して増加するレベルに前記第2のDC電圧を調節しながら、前記少なくとも1つの光電変換パネルから受け取る最大可能電力を探索するときに、前記可変周波数モータドライブの周波数を複数の段階で変化させるための機械読み取り可能な命令を含み、各段階では、前記可変周波数モータドライブの周波数が周波数変化値だけ変化される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記AC電力は、前記AC電動モータの主巻線に結合されている第1相のAC電力と、前記AC電動モータの始動用巻線に結合されている始動相のAC電力とを含み、前記第1相のAC電力および前記始動相のAC電力は、非ゼロの位相シフトだけずれている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記非ゼロの位相シフトは、58度~68度または112度~122度である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記AC電力は、前記第1相のAC電力の位相から180度ずれた第3相のAC電力をさらに含み、前記第3相のAC電力は、前記AC電動モータの始動用巻線および前記AC電動モータの主巻線の両方に結合されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記AC電力は、前記AC電動モータの主巻線に結合されている第1相のAC電力と、前記AC電動モータの始動用巻線に結合されている始動相のAC電力とを含み、前記第1相のAC電力および前記始動相のAC電力は、58度~68度または112度~122度の非ゼロの位相シフトだけずれている、請求項3または請求項4または請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
第1のDC電圧を提供する制限されたDC電源によって給電されるACモータを動作させる方法であって、
前記制限されたDC電源からの電力を第2のDC電圧に変換することと、
前記第2のDC電圧を所定の値に調節することと、
第2のACモータ電圧を前記ACモータの始動用巻線に提供しながら、前記第2のDC電圧からの電力を第1のAC周波数で前記ACモータの主巻線に印加される第1のACモータ電圧に変換することであって、前記第2のACモータ電圧は、前記第1のACモータ電圧よりも大きい、ことと、
前記ACモータが始動するまで、前記第1および第2のACモータ電圧および前記第1のAC周波数を、それぞれ、低い値から前記ACモータの動作電圧および動作周波数に到達するように増加させることによって傾斜させることと、
前記制限されたDC電源から取り出される電流の減少を検出することによって、前記ACモータの始動を検出することと、
前記ACモータの始動後、最大周波数に到達するまで、または、前記第2のDC電圧が前記所定の値未満に減少する周波数に到達するまで、前記第1のACモータ電圧および第1のAC周波数を比例して増加させながら、前記ACモータの始動用巻線を接続解除することであって、前記第1のAC周波数は、複数の段階で増加し、各段階では、前記第1のAC周波数が周波数増加値だけ増加される、ことと、
前記第2のDC電圧の減少を検出することと、
複数の段階で前記第1のAC周波数を減少させることにより、前記第2のDC電圧が前記所定の電圧まで復帰することを可能にすることであって、各段階では、前記第1のAC周波数が周波数減少値だけ減少され、前記周波数増加値は、前記周波数減少値よりも小さい、こと
を含む、方法。
【請求項11】
前記第1のACモータ電圧は、第1の相のACと始動用相のACとを含み、前記第1の相および前記始動用相は、58度~68度または112度~122度だけ位相が異なる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記制限されたDC電源の限界は、前記ACモータ電圧の前記周波数が増加するときに前記DC電源の電圧を監視することと、前記ACモータ電圧の前記周波数の増加がパーセンテージ電圧降下限界値を超える、前記DC電源の電圧のパーセンテージ降下をトリガするときを決定することとによって決定される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記AC電動モータは、相分割形モータであり、前記AC電力は、前記AC電動モータの主巻線に結合されている第1相のAC電力と、前記AC電動モータの始動用巻線に結合されている始動相のAC電力とを含み、
前記第1相のAC電力および前記始動相のAC電力は、58度~68度または112度~122度の位相シフトだけずれており、
前記AC電動モータが始動したと決定され、かつ、前記AC電力が閾値周波数に到達した後に前記始動相のAC電力がオフにされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記AC電動モータの始動用巻線の電圧は、前記AC電動モータの主巻線の電圧の2.23倍である、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2015年10月13日出願の米国仮特許出願第62/240,979号の優先権の利益を主張するものであり、この米国仮特許出願の内容全体が参照をもって本明細書に組み込み記載されているものとする。
【背景技術】
【0002】
住宅用モータ負荷及び商用モータ負荷が全世界で益々増加している。電力グリッドが広く普及している場合、これらの負荷がグリッドに加わる。グリッドが過負荷になる場合、または普及していない場合、もしくは設置されてもいない場合、通常、ガソリン発電機またはディーゼル発電機、太陽光パネル、もしくは風力タービンが関与する分散型オフグリッドエネルギー発電を使用して余剰負荷を受け持つ。
【0003】
風力発電システム及び太陽光発電システムは共に、風、雲、積雪、季節、及び昼夜サイクルの到来、欠如、または突然の訪れを含む天候のような自然現象による予測できない出力変動を受けるが、本文書の目的として、このような電力は、経時的に変動する電力(time-variable power)と表記される。多くのオフグリッド太陽光発電システム及び風力発電システムは、これらの予測できない変動を、太陽光パネル及び風力タービンを使用することにより克服して電力を供給し、バッテリまたは他の電気エネルギー貯蔵システムを充電し;エネルギーを次に、貯蔵システムから必要に応じて取り出して負荷に給電する。
【0004】
バッテリ、及び揚水式発電貯蔵システムのような他の電気エネルギー貯蔵システムは、高価であり、環境に優しくない場合もある。必要なエネルギー貯蔵量を最小限に抑えるために、システムは、熱慣性及び重力を、例えば経時的に変動する電力を利用可能である場合に、水を深い井戸から汲み上げて貯留タンク、重力タンク、または貯水槽に貯留し、次に水を貯留して後で使用することにより利用することができる。分散型オフグリッドエネルギー発電に関連する通常のモータ負荷として、太陽光発電ポンプによる給排水(揚水式発電貯蔵を含む)、太陽光発電による空調及び冷凍、及び他のシステムを挙げることができ、他のシステムでは、少なくとも幾つかのモータ負荷が、それらを駆動するための十分な日射または風が存在する場合にのみ作動し、太陽光電力または風力電力を利用可能ではない場合には、幾つかの負荷または全ての負荷をオフにする。
【0005】
分散型太陽光発電で動作するように適合させた従来のモータ負荷の一例が、Grundfos(登録商標)SQF(Grundfos Pumps Corporationの登録商標, Decatur, II)シリーズの井戸ポンプアセンブリである。これらのポンプアセンブリは、30~300ボルトDCの太陽光パネルに直接接続されるように構成され、かつ給排水ポンプを駆動するように接続されるモータに給電するように適合させた電子部を有する。これらのポンプは、経時的に変動する電力が太陽光パネルから利用可能である場合に、水を井戸から汲み上げて貯留タンク、貯水槽、または重力タンクに貯留し、電力が利用可能ではない場合に、または貯留タンク、重力タンク、もしくは貯水槽が満タンである場合に電源を切ることが意図されている。
【0006】
太陽光発電システムの他に、風力タービンシステムもまた、経時的に変動する出力を有し、モータ負荷を有する可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
システムは、AC誘導電動モータと、少なくとも1つの光電変換パネルと、を有する。光電変換パネルは、電力をDC-DCコンバータに供給し、光電変換パネルに現われる電圧よりも常に大きい第2電圧を供給するように接続される。第2電圧は、電力をAC電動モータに供給するように接続される可変周波数モータドライブに供給される。システムは、マイクロコントローラにより制御されている状態で動作し、マイクロコントローラは、第2電圧を調節し、最大電力点追尾ファームウェアを使用して可変周波数モータドライブの周波数を調整することにより、所与の太陽光DC入力に対応する電力出力を最適化する。
【0008】
別の実施形態では、第1DC電圧を供給するDC制限電源により給電されるACモータを動作させる方法は、前記DC制限電源からの電力を第2DC電圧に変換することと;前記第2DC電圧からの電力を第1AC周波数のACモータ電圧及び第1AC電圧に変換することと;前記ACモータ電圧を前記ACモータに供給することと;前記ACモータの始動を検出することと;前記ACモータの始動後、電圧及び前記ACモータ電圧の周波数を、最大周波数に達するまで、または前記DC電源の限界に達するまで増加させることとを含む。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
AC電動モータと、
少なくとも1つの光電変換パネルと、
電力を前記少なくとも1つの光電変換パネルから受け取り、第2DC電圧を供給するように接続されるDC-DCコンバータと、
前記第2DC電圧を受け取り、AC電力を前記AC電動モータに供給するように接続される可変周波数モータドライブと、
前記第2DC電圧を調節し、最大電力点追尾ファームウェアを使用して前記可変周波数モータドライブの周波数を調整して電力出力を最適化するように構成されるマイクロコントローラと、を備える、システム。
(項目2)
前記マイクロコントローラが、前記AC電動モータに供給される前記AC電力の電圧を調整するように更に構成される、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記マイクロコントローラが、前記AC電動モータに供給される前記AC電力の電圧を、前記AC電力の前記電圧が前記AC電力の周波数とともに直線的に増加するよう調整するように構成される、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記マイクロコントローラが、前記ACモータが回転し始めるまで第2DC電圧及び前記AC電力の周波数を漸増させるように適合させたファームウェアを有し、前記マイクロコントローラが、ACモータが回転し始めたことを、前記少なくとも1つの光電変換パネルから受け取る電流の変化を検出することにより認識する、項目1に記載のシステム。
(項目5)
前記最大電力点追尾ファームウェアが、機械読み取り可能な命令を含むことにより、前記少なくとも1つの光電変換パネルから受け取る最大可能電力を探索しながら、また前記第2DC電圧を所定電圧レベルに調節しながら、前記可変周波数モータドライブの周波数を段階的に変化させる、項目1に記載のシステム。
(項目6)
前記最大電力点追尾ファームウェアが、機械読み取り可能な命令を含むことにより、前記第2DC電圧を調整して最大可能電力を前記少なくとも1つの光電変換パネルから取得するとともに、前記ファームウェアが、機械読み取り可能な命令を含むことにより、前記可変周波数ドライブの動作周波数を調整する、項目1に記載のシステム。
(項目7)
前記最大電力点追尾ファームウェアが、前記第2DC電圧を監視して、前記第2DC電圧が減少して所定閾値を下回るようになる場合に、前記可変周波数モータドライブの周波数を減少させるように適合された機械読み取り可能な命令を含む、項目5に記載のシステム。
(項目8)
前記システムが、前記AC電動モータの始動不具合を検出し、前記AC電動モータが始動できない場合に、前記可変周波数モータドライブを再試行時間の間停止し、再試行時間後に、前記AC電動モータの始動を再試行するように構成される、項目3に記載のシステム。
(項目9)
前記システムが、前記AC電動モータを始動させるための再試行回数をカウントし、最大再試行回数をカウントすると、前記可変周波数モータドライブを再試行延長時間の間停止し、前記再試行延長時間後に、前記AC電動モータの始動を再試行するように構成される、項目8に記載のシステム。
(項目10)
前記最大電力点追尾ファームウェアが、機械読み取り可能な命令を含むことにより、前記少なくとも1つの光電変換パネルから受け取る最大可能電力を探索しながら、前記第2DC電圧を、前記可変周波数モータドライブの周波数に比例して増加するレベルに調節しながら、前記可変周波数モータドライブの周波数を段階的に変化させる、項目1に記載のシステム。
(項目11)
前記AC電力が、前記AC電動モータの主巻線に接続される第1相AC電力と、前記AC電動モータの始動用巻線に接続される始動相AC電力と、を含み、前記第1相AC電力及び前記始動相AC電力が、非ゼロの位相シフトだけずれている、項目1に記載のシステム。
(項目12)
前記非ゼロの位相シフトが、58度~68度、または112度~122度である、項目9に記載のシステム。
(項目13)
前記AC電力が、前記第1相AC電力の位相から180度ずれた第3相AC電力を更に含み、前記第3相AC電力が、前記始動用巻線及び前記主巻線の両方に接続される、項目10に記載のシステム。
(項目14)
前記AC電力が、前記AC電動モータの主巻線に接続される第1相AC電力と、前記AC電動モータの始動用巻線に接続される始動相AC電力と、を含み、前記第1相AC電力及び前記始動相AC電力が、58度~68度、または112度~122度の非ゼロの位相シフトだけずれている、項目3、4、5、6、7、8、9、又は10に記載のシステム。
(項目15)
前記非ゼロの位相シフトが、58度~68度、または112度~122度である、項目9に記載のシステム。
(項目16)
第1DC電圧を供給するDC制限電源により給電されるACモータを動作させる方法であって:
前記DC制限電源からの電力を第2DC電圧に変換することと、
前記第2DC電圧からの電力を第1AC周波数のACモータ電圧及び第1AC電圧に変換することと、
前記ACモータ電圧を前記ACモータに供給することと、
前記ACモータの始動を検出することと、
前記ACモータの始動後、電圧及び前記ACモータ電圧の周波数を、最大周波数に達するまで、または前記DC電源の限界に達するまで増加させることとを含む、方法。
(項目17)
前記ACモータ電圧が、第1のAC相及び始動用のAC相を含み、前記第1の交流相及び始動用の交流相が、位相が58度~68度、または112度~122度だけ異なる、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記DC電源の前記限界が、前記DC電源の電圧を前記ACモータ電圧の前記周波数が増加するときに監視し、前記ACモータ電圧の前記周波数が僅かに増加すると、前記DC電源の電圧が所定パーセンテージだけ降下し始めて、所定パーセンテージの電圧降下限界値を超えるようになる時点を判断することにより決定される、項目17に記載の方法。
(項目19)
第1DC電圧を供給するDC制限電源により給電されるACモータを動作させる方法であって:
前記DC制限電源からの電力を第2DC電圧に変換することと、
前記第2DC電圧の電力を第1AC周波数のACモータ電圧及び第1AC電圧に変換することと、
前記ACモータ電圧を前記ACモータに供給することと、
前記ACモータの始動を検出することと、
前記ACモータの始動後、前記ACモータのドライブの前記周波数を変化させて、前記DC制限電圧の最大電力点(MPP)を探索すること、とを含む、方法。
(項目20)
前記DC制限電圧が、光電変換パネル及び風力タービンからなる群から選択される装置から供給される、項目19に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一連の太陽光パネル、モータ負荷、及びコントローラを組み込んだシステムのブロック図であり、コントローラは、電力をパネルから受け取り、モータを駆動するように適合させる。
図2図2は、図1のコントローラの1つの実施形態の詳細図である。
図3図3は、動作電圧と周波数の関係を示す曲線を示している。
図4図4は、MPPT(最大電力点追尾)ファームウェアの動作電流及び太陽光パネル電圧を示している。
図5図5は、マイクロコントローラ118ファームウェアの動作を示すフローチャートである。
図6図6は、従来のキャパシタ始動3線式モータ制御システムの概略図である。
図7図7は、3線式モータの動作を開始するように構成される相分割形モータドライバインバータの概略図である。
図8図8は、図7のシステムにおいて印加される電圧を示す波形図である。
図9図9は、3線式誘導モータを始動及び動作させるように構成される別の相分割形モータドライバインバータの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
システム100(図1)は、太陽光光電変換電源を有し、太陽光光電変換電源は、1つ以上の光電変換パネル102と、コントローラ104と、モータ負荷106と、を含む。光電変換電源の太陽光パネル群を直列接続して、並列接続して、または直並列接続して、第1電圧のDC(直流電流)出力108を供給する。この第1電圧は、コントローラ104内のDC-DC電圧コンバータ110で受け取られて電力112を、コントローラ104の他の構成部品を動作し易くする第2電圧で供給し、特定の実施形態では、DC-DCコンバータ110は昇圧コンバータであるが、別の実施形態では、バックブーストコンバータ構成または他のコンバータ構成が使用される。
【0011】
コントローラは更に、第2電圧の電力をDC-DCコンバータ110から受け取るように接続され、かつ第3電圧の単相/多相AC駆動電力116をモータ負荷106に供給するように接続されるDC給電可変周波数ACモータドライブ(VFD)114を有する。特定の実施形態では、VFD114は正弦波出力を有する。DC-DCコンバータ110及びVFD114は共に、マイクロコントローラ118により制御されている状態で動作する。フィルタキャパシタ120は通常、電圧リップルを低減し、サージ電流を第2電圧112に抑制するために設けられる。
【0012】
DC-DCコンバータ110は、太陽光パネル102から受け取る電力を、VFD114の動作に適するフィルタキャパシタ120に現われる調節された所定のDCリンク電圧112に変換する。1つの実施形態では、システム100が動作しているとき、DC-DCコンバータ110は、マイクロコントローラ118により制御されて、太陽光パネル102及びDC-DCコンバータの出力112の最大電力点の第1電圧108で、かつVFD114を動作させるために有利な電圧で動作する。
【0013】
VFD114は、DC電力を、可変モータ駆動電圧及び周波数におけるモータ106に適するAC電圧116に変換し、モータ駆動電圧及び周波数は、マイクロコントローラ118により、太陽光パネル102から利用可能な電力に応じて決定される。
【0014】
マイクロコントローラ118は、太陽光パネル102に現われる電圧及び電流を感知し、VFD114の基準周波数を設定して、太陽光PVパネル102からの電力伝達率が「Maximum Power Point Tracking-MPPT」アルゴリズムに従って、メモリ122内のファームウェアを実行することにより最大化されるようにし、電力を太陽光パネル102から殆ど利用可能ではない場合にVFDの動作周波数を定格モータ動作周波数から減少させて電力を節約し、全電力を太陽光パネル102から利用可能である場合に、定格モータ動作周波数に増加させる。
【0015】
マイクロコントローラ118は、モータ相電圧と周波数の関係を示す動作曲線をメモリ122に格納するテーブルを有し、この動作曲線により、位相出力116のRMS電圧値が基準周波数に基づいて決定される。従って、可変駆動出力に現われる周波数及び電圧は共に可変であり、マイクロコントローラ118により制御されるので、電力伝達率を様々な太陽光状態において最大化することができる。正変位ポンプのような幾つかのモータ負荷がある場合、モータの低速動作、及びモータ負荷は、同じモータ及びポンプ負荷の高速動作よりも少ない電力を消費することが予測される。特定の実施形態では、マイクロコントローラ118は更に、水貯留タンク液位センサまたはサーモスタットのような更に別の制御入力を有することにより、モータ動作が必要な場合に、または望ましい場合に動作を可能にし、モータ動作が必要ではない場合にモータ動作を停止して、例えば水貯留タンクが溢れ出すことにより生じ得る損傷を回避する。
【0016】
マイクロコントローラ118は更に、第2電圧を感知してDC-DCコンバータ110の出力電圧、及び太陽光パネル102から取り出される電力を調節し、最大電力がパネルから取り出されるようにする。マイクロコントローラ118は幾つかの実施形態では更に、最大モータ駆動周波数が、VFDドライブ114及びモータ106で使用されるように構成され、基準周波数を制限し、これにより、そうしない場合には利用可能であり得る太陽光パネルから取り出される電力が少なくなる場合でも、DC-DCコンバータ動作をそれに応じて制限する。
【0017】
図2を参照するに、電流センサCTは、パネル102に接続されるように意図されるコネクタ152に隣接して配置されて、パネル102から電流Ipvとして供給される電流を測定して測定値をマイクロコントローラ118に供給する。ダイオードDは、PVパネル群を、パネル102の極性が反転する場合に自動的に短絡させるように配置される。キャパシタC1が、太陽光PVパネルに現われる電圧リップルを減衰させるために設けられるのに対し、太陽光パネルから供給される電圧Vpvが更にマイクロコントローラ118により監視される。太陽光パネル102から吸収される電力は、Ipv測定値及びVpv測定値を乗算することにより決定される。
【0018】
1つの実施形態では、DC-DCコンバータは、パワーインダクタ(L)及び2つのパワースイッチQ1及びQ2を含む昇圧コンバータであり、パワーインダクタ(L)及び2つのパワースイッチQ1及びQ2が接続されて、マイクロコントローラ118から供給されるパルス幅変調信号及びパルス数変調信号Sboostによる制御を使用して動作する場合に昇圧機能を行なう。昇圧電圧はキャパシタバンク122でフィルタリングされ、第2電圧のDCレベル112は、マイクロコントローラ118によりVdcとして測定される。
【0019】
DCリンク電圧は、所定の入力をVFD114に与え、VFD114は、更に別の電圧変換素子を有することができ、特定の実施形態では、マイクロコントローラ118からの信号SVFDにより制御される2個または6個のパワースイッチを有する単相または三相切替ドライバである。VFD114が動作することにより、可変周波数及び電圧AC波形が可変ドライブ出力端子154の出力に供給されてACモータ106に供給されるようになる。
【0020】
マイクロコントローラ118は、メモリ122に常駐するファームウェアにより制御されている状態で動作する。特定の実施形態では、ファームウェアは、スタートアップルーチン、最大電力点追尾(MPPT)動作ルーチン、及びシャットダウンルーチンを含む。図1図4、及び図5を参照するに、これらのルーチンは以下のルーチンを含む:
1.スタートアップルーチン
【0021】
一旦、コントローラの電源が投入されて、基本機能がチェックされる302と、マイクロコントローラ118は、PVパネル102から受け取るVpv電圧をチェックし、当該電圧がメモリ122に記録されている所定の最小始動電圧よりも高い場合にのみ、当該マイクロコントローラはスタートアップルーチンを継続する。Vpv電圧が最小値を下回る場合、当該マイクロコントローラは、Vpvが最小値を超えるまで待機する。
【0022】
一旦、最小始動電圧に達すると、マイクロコントローラ118は、VFD114が生成する初期正弦波の周波数を設定する304。次に、マイクロコントローラ118は、正弦波の振幅(相RMS電圧)を周波数から、図3に図示され、かつメモリ122に格納されている電圧-周波数曲線(V-f曲線)を使用して決定する。様々な実施形態におけるメモリ122は、リードオンリメモリ、プログラマブルリードオンリメモリ、または電気的に消去可能かつ再書き込み可能なリードオンリメモリのうち1つ以上のリードオンリメモリを含み、V-f曲線は、必要に応じて、使用する特定のモータ106の種類に対応して決定される。V-f曲線は、ゼロを起点とするのではなく、最小のモータ相RMS電圧を最小周波数値に対応して与える電圧オフセット(Vmin)を有する。
-マイクロコントローラ118は、システム104の動作を、決定された周波数及び電圧をVFD114に信号SVFDを介して供給することにより開始する。その結果、周波数f1及び振幅相RMS電圧V1を有するAC信号がモータ106に供給される。
-次に、マイクロコントローラ118は、太陽光PV電流をフィードバックセンサ信号Ipv(太陽光PV電流)を介してチェックし306、Ipvが、特定のパーセンテージ(x%)の値だけ、前の読み取り値から減少する場合(Ipvnew<Ipvoldx%)、これは、モータ106が回転し始めたことを示している。特定の実施形態では、x%は10%である。他方、PV電流センサによる新規読み取り値(Ipv)が、前の読み取り値の所定パーセンテージx%以上である場合、モータ106は、未だ始動していないと判断されるので、マイクロコントローラは別のステップに進み、このステップでは、VFD114の動作周波数304をf2に増加させ、それに応じて、動作相電圧を別の相電圧V2に増加させる。百分率値x%(始動を認識するための閾値)は、適応的であり、ACモータ及び負荷の電力量とともに変化する。
-別の実施形態では、Ipvの減少を観察してモータ回転の正しい始動を確認するのではなく、マイクロコントローラ118は、モータ回転をモータ速度センサ(図示せず)で直接観察する。様々な実施形態では、モータ速度センサとして、磁石及び感知コイル、歯付きホイール、LED、及び光センサ、歯付きホイールセンサ及びリラクタンスセンサ、慣性スイッチ、またはこの技術分野で公知の任意の他の回転センサを挙げることができる。
-マイクロコントローラ118がVFD114の周波数をf2に信号SVFDを介して高くして、f2正弦波周波数を適切な電圧振幅V2で、可変駆動出力端子116に供給する場合。
-マイクロコントローラ118は、Ipvセンサが、新規の太陽光PV電流値が、初期値または前の値の所定パーセンテージx%未満になって、モータが回転し始めたことを意味するまで、またはモータ速度センサが適切な回転数を検出して、DC-DCコンバータ110がMPPT Regular Modeに移行するまで、VFD114の周波数及び電圧を増加させ続け、太陽光PV電流を、フィードバック信号Ipvを介してチェックし続ける。
-太陽光PV電流(Ipv)が、1つの周波数ステップから別の周波数ステップに変更するときに所定の値のパーセンテージx%だけ減少することがなく、周波数が、メモリ122に格納されている周波数の最大値に達する場合(最大周波数は、各モータ種類について公知である)、モータは、回転し始めておらず、マイクロコントローラは、VFD114を動作させるのを中止し、START-UP ROUTINEを所定の中断時間後に再び開始しようとする。これにより、HVACまたは冷凍システムの冷媒を加圧することにより発生する、または全水柱を井戸ポンプの後ろに射出することにより発生する負荷のような幾つかの高い始動負荷を低減することができる。
2.最大電力点追尾(MPPT)レギュラーモード
-一旦、マイクロコントローラ118が、モータが始動したという判断を下すと、DC-DCコンバータは、DC第2電圧112を事前設定値Vsetに、AC/DCモータドライブ114のパワースイッチQ3~Q8を直接制御している信号Sboostを介して調節する308。
-DCリンク112の調節は、DC-DCコンバータ110が、DCリンク112の電圧値を、当該電圧値が所望の値Vsetに達するまで、昇圧回路(図2)のパワースイッチQ1及びQ2の動作デューティサイクルを変化させることにより調整することを意味している。
-信号フィードバックVdcは、マイクロコントローラ118の測定用DC第2電圧112値である。
-Vdcフィードバック値がVset値よりも小さい場合、DC-DCコンバータのデューティサイクルにより、DC-DCコンバータのデューティサイクルが当該デューティサイクルの最大値に達するまで、Sboost信号の値が増加してDCリンク112の電圧値を増加させる。
-DC-DCコンバータ110が、DCリンク電圧112を、メモリ122に格納されている値により決まる事前設定値Vset、及び最大周波数未満の周波数に調節している状態では、メモリ122に格納されているMPPTアルゴリズムがマイクロコントローラ118上で実行されてVFD114のモータ周波数を増加させ、これは、相RMS電圧をそれに応じて、図3の電圧-周波数曲線に基づいて増加させることを伴う。これを行なうために、マイクロコントローラ118は、光電変換パネルから取り出される現在の電力を光電変換パネルから取り出された前の電力と比較する310。電力が増加した場合、マイクロコントローラは、可変周波数ドライブ114の周波数及び電圧を増加させ312、電力消費量が、太陽光パネル102の電力制限により増加しなかった場合、マイクロコントローラは、可変周波数ドライブ114の周波数及び電圧を減少させる314。
-VFDにより生成されるAC電力の周波数及び電圧を増加させることにより、モータに指示して、より高いRPMで回転させて、VFD114及びモータ106が消費する電力を増加させることにより、太陽光PVパネル102から取り出される電力を増加させる。
-周波数のこの増加は、段階的に行なわれ、第1段階202では、モータ周波数1(f1)をマイクロコントローラ110により設定し、周波数1で動作しているモータ106は、ポイント202(太陽光電流I1及び太陽光電圧V1)で動作するものとして図4に図示される太陽光PV電力に対応する。
-マイクロコントローラ118は次に、VFD114により生成されるモータ電力116の周波数(f2)を増加させ、より高い周波数の隣の動作ポイントは、太陽光PV電流(I2)がより大きく、かつ太陽光PV電圧V2がより小さいポイント204として図4に図示される。VFD周波数増加は、特定のモータ及び負荷に関する最大定格周波数を超えないように制限される。
-マイクロコントローラ118が、モータ周波数を増加し続ける場合、太陽光PVパネルから取得される電力(電力=IxV)が当該電力の最大値になるポイントが発生し、このポイントは図4のポイント206として図示されている。このアルゴリズムにより発見される最大電力点は、日射に伴って大きく変化する。
-周波数が増加し続ける(モータがより高速で回転していてより多くの電力を必要とする)場合、太陽光PVパネル102から出力される電力は、最大電力発生量に達すると減少し始め、太陽光PVパネルが、当該速度での、またはより速い速度でのモータ動作に必要な電力を供給することができないので、電圧が電流増加よりも急速に降下する(図4に図示されるポイント208におけるV-I曲線特性)。
-その結果、DCリンク電圧を維持するための十分な電力をパネルから供給することができないので、DCリンク電圧が降下する。
-一旦、マイクロコントローラが、DCリンク電圧が減少したことを感知する316と、マイクロコントローラは、VFDに現われる周波数を減少させて、より低い周波数ステップに戻して、dc-dcコンバータがDCリンク電圧調節を再度行なうことができるようにする。
-一旦、DCリンク電圧調節が行なわれ、マイクロコントローラ118が、当該DCリンク電圧が必要限界値内に収まっていることを感知すると、MPPTアルゴリズムは、VFD114の周波数増加を再び開始して、モータ106の回転速度を増加させる。DCリンク電圧値が減少して閾値Vfdropを下回る場合、マイクロコントローラは直ちに、動作周波数を所定の周波数減少値f2だけ減少させ、周波数減少値f2は、最大電力点追尾方式内で使用される周波数変化よりもずっと大きな周波数変化(周波数ステップ)である。この周波数がステップf2だけ減少することにより、DCリンク電圧が閾値Vfdropを上回る値に復帰することができない場合、マイクロコントローラ118は、DCリンク電圧が閾値Vfdropよりも大きくなるまで、動作周波数を別のf2だけ減少させる。
3.ストップルーチン
【0023】
レギュラーモード動作状態では、マイクロコントローラ118は、太陽光PVパネル102の両端の電圧(Vpv信号)をチェックしている。Vpvの値がメモリ122に格納されている電力低下限界値よりも大きい値だけ低下して所定値Vd(マイクロコントローラのメモリに格納されている)になる場合、マイクロコントローラ118は、モータが回転を停止する必要があり、マイクロコントローラがVFD114の動作を停止させ318、モータ及びモータ114で駆動される負荷について必要に応じて所定期間だけ待機し320、START-UP ROUTINEに移行する。
-このようなスタート-ストップイベントが数回連続して発生する場合(試行回数に関する所定限界値が、マイクロコントローラのメモリに格納されている)、マイクロコントローラは、パネル上で利用可能な太陽光エネルギーが、モータを動作させるためには十分ではないという判断を下し、より長い待機時間Wsunだけアイドル状態になる。待機時間Wsun後、最小限の電圧がパネル上で利用可能であり日中条件であることを示している場合、コントローラは、START-UP ROUTINEに戻ることにより始動を再度試みる。
【0024】
特定の実施形態では、モータ106は三相モータであり、可変周波数モータドライブ114は、三相交流電流を供給してモータ106を駆動する;別の実施形態では、モータ106は相分割形モータであり、VFD114は、モータ駆動相電源及び位相シフト始動電源または動作電源をモータ106に供給する。別の特定の実施形態では、モータ106は、始動キャパシタを含むモータ始動用集積回路を有する単相モータであり、VFD114はモータ106に単相AC電力を供給する。
【0025】
特定の実施形態では、可変周波数モータドライブ114は、正弦波出力を供給してモータ106を駆動する。
【0026】
別の実施形態では、図1の太陽光パネル102を、風力タービン発電システム及び関連する整流器に置き換えて、DC電力をDC-DCコンバータ110に供給する;このようなシステムでは、風力タービン回転速度センサを任意であるが、マイクロコントローラ118及びファームウェア122の入力として設けることができ、これは、風力タービン速度情報だけでなく、VFD114を調整するための電流および電圧情報を使用して、風力タービンの失速を防止して、モータ106への電力伝達率を最適化することができるように適合されている。
【0027】
更に別の実施形態では、図1の太陽光パネル102を、ガソリン、ディーゼル、ガスタービン、または水蒸気エンジン(水蒸気エンジンはピストンまたはタービンとすることができる)により駆動される発電機に置き換える;通常、関連する整流器で、発電機により生成される全てのACを整流し、DC電力をDC-DCコンバータ110に供給する。このようなシステムでは、スロットル入力がコントローラ104に供給され、システムは従って、可変比の電力伝達装置として機能することができる。可変比の電力伝達装置は、多くの用途を有しているが、構造及び多くの細かな動作(DCモータの使用を含む)が、現在記述されているシステムとは異なっており、米国海軍は、1918年~1947年の間のニューメキシコ級戦艦、テネシー級戦艦、及びコロラド級戦艦の主燃焼機関系の減速ギアではなく、可変比の電力伝達装置を操作していた。
【0028】
キャパシタ始動コントローラ402及び3線式単相モータ404を備える従来の相分割形モータシステム400(図6)は、始動用キャパシタ406及び制御リレー408をコントローラ402に備えている。モータ404は、主巻線410及び始動用補助巻線412を有する。制御リレー408は、始動用巻線412に直列接続されるキャパシタ406を、主巻線410に並列接続されるAC電源414にモータ始動中に接続する。制御リレー408は、一旦、モータが回転し始めると、キャパシタ406及び始動用巻線412との接続を解除する。キャパシタ406は、90度の位相シフトを、主巻線410に印加される電力と始動用巻線412に印加される電力との間に効果的に与える。全てではないが幾つかの従来のキャパシタ始動コントローラでは、別体のキャパシタCrun409を設けて、モータが動作してトルクを増加させている状態で始動用巻線412の所定部分を使用できるようにし、これらのコントローラでは、Crunは通常、Cstartよりもずっと小さな値を有するので、モータ始動サージ電流による動作時間中の電流及び電力消費を減少させ易くしている。この従来のモータシステム400は極めて広く使用されているが、このモータシステムは短所を有し、これらの短所の中でもとりわけ、モータを全動作周波数で始動するために必要なサージ電流及び電力が非常に大きいという短所がある。図1図3を参照して説明されるMPPT可変周波数モータ制御システムは、以下に説明する図7の実施形態と併せて使用される。
【0029】
この構成では、以下の関係式を記述することができる:
Vaux =VPhs-Vph1、式中、Vauxは、始動用巻線の両端の電圧である…(1)
Vmain =VPh2-VPh1 …………………(2)
【0030】
PhSを、始動用巻線として作用する補助巻線給電線として選択した場合、モータが回転し始めると直ぐに、補助巻線給電線への給電が遮断される(電流が補助巻線給電線を流れなくなる)。
【0031】
3線式モータを、補助巻線を使用して始動させることとは別に、モータは、電圧/周波数(V/F)比を一定に保ちながら、可変周波数モードで駆動されることになり、RMSは実効相電圧であり、fは当該実効相電圧の周波数である-上の段落で説明された通り。モータをV/fの関係を保ちながら自由に制御するために、ノード:Ph1,Ph2,及びPhSに現われる電圧波形が、方程式3~5に示す通りに生成される:
VPh1 =Vdc/2+Vdc/2*duty1*sin(x) …………………(3)
VphS =Vdc/2+Vdc/2*duty2*sin(x-θ) …………………(4)
VPh2 =Vdc/2+Vdc/2*duty3*sin(x-γ) …………………(5)
式中、3つの波形は全て、Vdc/2、すなわち入力DC電圧の半分だけずれている。更に、波形VphSが、VPh1に対して角度θだけずれているのに対し、波形VPh2は、VPh1に対して角度γだけずれている。
【0032】
これらの3つの電圧波形は、マイクロコントローラを使用してPWM信号をVFDのスイッチング素子に印加することにより生成することができる。
【0033】
PhSが始動用巻線給電線である場合、これは、Ph2が主巻線給電線であることを意味し、上記方程式が示す通り、主巻線の両端の電圧は、Vmain =Vph1-VPh2であるので、目的が、最大振幅が主巻線に現われることである場合、VPh2及びVPh1の電圧波形の振幅を等しくする(duty 1 = duty3)必要があるが、反対方向に等しくする必要がある(γ = 180°)。主巻線の振幅は、所定の入力DC電圧についても最大化する必要があるので、以下の方程式2が成り立つ:
【0034】
Vmain = Vph1-VPh2 => Vmain = Vdc*duty1*sin(x) ………(6)
【0035】
更に、補助巻線に現われる電圧波形は、主巻線に現われる電圧波形に対して約90°ずれた位相とする必要があるが、同じ振幅を有する必要があり、この関係は、方程式6から、以下の通りに導出することができる:
Vaux= Vdc*duty1*sin(x-90°) ………(7)
【0036】
方程式7を方程式1と組み合わせる場合、VPhsについての波形方程式が以下の通りに得られる:
Vaux =VphS-VPh1
=> VphS=Vaux+VPh1 = Vdc/2 + Vdc/2*duty1*sin(x) + Vdc*duty1*sin(x-90°)
=> VPhs= Vdc/2 + Vdc*duty1*(sin(x-90°) +1/2*sin(x)) ………(8)
【0037】
方程式8は、VPhS波形について方程式4の形式で記述される必要があり、このような種類の変換を「任意の位相シフト」変換と呼び、一般的な規則は、以下の通りである:
A*sinX+B*sin(X+Y) = C*sin(X+Z) ………(9)
式中、係数Cは以下の通りに計算することができる:
C=sqrt(A2+B2+2*A*B*cos(Y) ………(10)
更に、角度Zは以下の通りに計算することができる:
Z=atan(B*sin(Y)/(A+B*cos(Y)) ………(11)
【0038】
方程式10及び11を使用すると、未知のduty2及びθの解を方程式4から求めることができるので、以下の関係が得られる:
duty2 = 2.23*duty1
angle θ = 63°
【0039】
次に、図Xに示す三相インバータの電圧波形は以下の通りに表わすことができる:
VPh1 =Vdc/2+Vdc/2*duty*sin(x) …………………(12)
VphS =Vdc/2+Vdc/2*2.23*duty*sin(x-63°) …………………(13)
VPh2 =Vdc/2+Vdc/2*duty*sin(x-180°) …………………(14)
式中、dutyは、ACモータの可変周波数動作に対応する相rms電圧と周波数の関係を表わすV/f比である。
【0040】
図7は、3線式相分割形モータをシングルエンド型DC電源452で始動及び動作させるように構成される周波数制御可能な相分割形DC-AC可変モータドライブインバータ450の概略図である。Ph2に対して正側のパワースイッチング素子454及びPh2に対して負側のパワースイッチング素子456を交互に駆動して、位相2(Ph2)AC信号458を供給して、3線式相分割形モータ462の主巻線460を駆動する。同様に、Ph1に対して正側の別のパワースイッチング素子464及びPh1に対して負側の別のパワースイッチング素子466を交互に駆動して、位相1(Ph1)AC信号468を供給して、3線式相分割形モータ462の始動用巻線470の第1端子及び主巻線460の第2端子の接続先の共通接続端子を駆動する。最後に、PhSに対して正側の別のパワースイッチング素子474及びPhSに対して負側の別のパワースイッチング素子476を交互に駆動して、オフセット位相3(PhS)AC信号478を供給して、3線式相分割形モータ462の始動用巻線470の第2端子の接続先の接続端子を駆動する。
【0041】
始動動作状態では、周波数制御可能な相分割形DC-AC可変モータドライブインバータ450を動作させて図8に示す波形を供給する。特定の実施形態では、パワースイッチング素子454,456,464,466,474,476は、単なるスイッチングトランジスタではなく、高周波スイッチング変換方式を使用し、かつ正弦波形を供給するように適合させた双方向性電力伝達素子である。正側のパワースイッチング素子454及び負側のパワースイッチング素子456を動作させて、始動周波数の正弦波形490を主巻線460のPh2接続端子に供給するのに対し、正側のパワースイッチング素子464及び負側のパワースイッチング素子466を動作させて、始動周波数の正弦波形492を主巻線460のPh1接続端子に供給する。モータ回転を開始するために、PhSに対して正側のパワースイッチング素子474及びPhSに対して負側のパワースイッチング素子476を動作させて、始動周波数の正弦波形494を、制御可能な位相オフセット496を持たせて始動用巻線470のPhS接続端子に供給する。一旦、モータ回転が始まると、正側のパワースイッチング素子474及び負側のパワースイッチング素子476を導通遮断させて始動用巻線470との接続を解除するとともに、正側のパワースイッチング素子454,464及び負側のパワースイッチング素子456,466に対する駆動が継続して、電力を主巻線460に供給し続けることによりモータを動作させる。
【0042】
特定の実施形態では、始動状態において、位相シフト496は、始動用巻線電圧PhS 494,478を負側の駆動電圧Ph1 468,492よりも63度だけ遅らせて効率を最適化するように設定される。
【0043】
図9は、3線式誘導モータを始動及び動作させるように構成される別の相分割形インバータの概略図である。この実施形態では、DC電源502,504ペアを使用して、正側の給電線552及び負側の給電線554に事実上中性の接続端子506を与える。これらのDC電源のうち一方のDC電源502は、前に説明したDCリンク電圧であり、他方のDC電源504は、DC電源502により駆動される高周波スイッチングDC-DCコンバータまたはチャージポンプである。
【0044】
中性506が図7のPh1 468に置き換わる。正側のパワースイッチング素子510及び負側のパワースイッチング素子514は、Ph2ライン518を駆動してモータの主巻線520を駆動し、ACモータ駆動相458,468,478がゼロとハイDC電圧との間で振れる図7の実施形態とは異なり、この実施形態では、ACモータ駆動相518及び522は、中性506に対して正側及び負側の両方に振れる。正側のパワースイッチング素子512及び負側のパワースイッチング素子516は、PhSライン522を駆動してモータの補助巻線または始動用巻線524を駆動するように構成される。幾つかの実施形態では、正側のパワースイッチング素子512及び負側のパワースイッチング素子516は、始動用巻線524に直接接続される。この実施形態では、正側電源線552は、正側のパワースイッチング素子510,512に接続され、負側電源線554は、負側のパワースイッチング素子514,516に接続される。
【0045】
図7及び図9の可変周波数モータドライバは、パワースイッチング素子454,456,464,466,474,476,510,512,514,516をコントローラ118(図1)により制御されている状態で動作させ、コントローラ118は、可変周波数動作及び可変電圧動作を可能にし、Ph1 468,494,518に対するPh2 458,490,506とPhS 478,494,522の位相関係の制御を可能にする。Ph1とPhSの位相関係は、始動用キャパシタまたは動作用キャパシタ(図6)のようなリアクティブ素子を介した電圧降下によるのではなく、コントローラにより直接合成されるので、この位相関係は、高速の始動動作及び効率的な給電動作について最適化することができる。
【0046】
1つの実施形態では、コントローラ118のメモリに格納されているオフセットDPhase 123(図1)を主巻線出力Ph2の電流位相に付加してVphSの電流位相を設定する;これらの電流位相を使用して、出力VPh2,VPh1、及びVphSを駆動する正側の駆動パワースイッチング素子及び負側の駆動パワースイッチング素子への入力パルスを合成する。
【0047】
図7図8、及び図9を参照して説明される実施形態では、モータ動作を始動周波数で開始し、始動周波数は、フル最大電力動作周波数よりもずっと低い。一旦、モータ回転が始まると、本システムは、利用可能な電力を超えるまで、またはフル定格動作周波数に達するまで、当該システムの動作周波数及び動作電圧をランプさせる。利用可能な電力を超える場合、動作周波数を減少させて電力を、これまでに説明してきた最大電力点追尾アルゴリズムに従って節約する。
【0048】
補助巻線または始動用巻線470,524(図7図9)から見て、当該巻線の両端に現われる電圧を主巻線460,520の両端に現われる電圧よりも事実上下げることができることに注目されたい。これは、主巻線460,520から見て、Ph2 458,506とPh1 468,518との間の電圧が180度離れているのに対し、補助巻線470または始動用巻線524から見て、Ph1 468,512とPhS 478,522との間の実効AC電圧が、PhSとPh1の位相差が180度ではないので小さくなっているからであり;Ph2とPhSの位相差がゼロである状態では、電圧差PhS-Ph1は最大であるが、PhSがPh1に一致してPh2とPhSの位相差が180度である状態では、電圧差PhS-Ph1はゼロになるからであるという結果である。本願発明者らは、従来、90度の位相差を利用して3線式キャパシタ始動モータを始動させるが、他の位相差により、より大きな電圧が始動用巻線の両端に現われるので、動作がより良好になるという知見を得ている。具体的には、DC電源452,502,504のより低いDC電圧、及びそれに応じてPh2、Ph1、及びPhSに現われるより低いAC電圧は、このようなモータを、PhSがPh1よりも位相が約117度進む(PhSがPh2よりも位相が63度遅れることに相当する)ように位相差を持たせてPhSをフル電圧に能動的に駆動することにより始動及び動作させている状態で使用することができる。様々な実施形態では、PhSはPh1よりも位相が、58度~68度遅れる、またはPh2よりも位相が112度~122度進んで、より高い実効電圧を、Ph2から十分なオフセットがある状態で補助巻線または始動用巻線の両端に供給することによりモータを始動させることができる。本コントローラにより、始動用巻線PhSの位相をファームウェアで調整して、このより高い電圧を始動用巻線の両端に供給することができる。
【0049】
本文書の目的として、ファームウェアは、メモリに整然と順番に格納されている機械読み取り可能な命令であり、機械読み取り可能な命令を供給して、マイクロコントローラを適合させて特定のタスクを実行する、例えば光電変換パネルの最大電力点を、可変周波数モータドライブが取り出す電力を調整することにより、第2DC電圧を調節することにより追尾する。
組み合わせ
【0050】
本明細書において記載されるシステムの特徴は、様々な態様で組み合わせることができる。本願発明者らが予測する特徴の組み合わせの中でもとりわけ、以下の特徴を挙げることができる。
【0051】
Aと表記されるシステムは、AC電動モータと;少なくとも1つの光電変換パネルと;電力を少なくとも1つの光電変換パネルから受け取り、第2DC電圧を供給するように接続されるDC-DCコンバータと;第2DC電圧を受け取り、AC電力をAC電動モータに供給するように接続される可変周波数モータドライブと;第2DC電圧を調節し、最大電力点追尾ファームウェアを使用して可変周波数モータドライブの周波数を調整することにより、電力出力を最適化するように構成されるマイクロコントローラと、を含む。
【0052】
AAと表記されるシステムは、Aと表記されるシステムを含み、マイクロコントローラは更に、AC電動モータに供給されるAC電力の電圧を調整するように構成される。
【0053】
ABと表記されるシステムは、AまたはAAと表記されるシステムを含み、マイクロコントローラは、AC電動モータに供給されるAC電力の電圧を、AC電力の電圧がAC電力の周波数とともに直線的に増加するように調整するように構成される。
【0054】
ADと表記されるシステムは、AA,AB,またはAと表記されるシステムを含み、マイクロコントローラは、ACモータが回転し始めるまで第2DC電圧及びAC電力の周波数を漸増させるように適合させたファームウェアを有し、マイクロコントローラは、ACモータが回転し始めたことを、少なくとも1つの光電変換パネルから受け取る電流の変化を検出することにより認識する。
【0055】
AEと表記されるシステムは、AA,AB,AD,またはAと表記されるシステムを含み、最大電力点追尾ファームウェアは、機械読み取り可能な命令を含むことにより、少なくとも1つの光電変換パネルから受け取る最大可能電力を探索しながら、第2DC電圧レベルを、可変周波数モータドライブの周波数に比例して増加する所定電圧に調節しながら、可変周波数モータドライブの周波数を段階的に変化させる。
【0056】
AEと表記されるシステムは、AA,AB,AD,またはAと表記されるシステムを含み、最大電力点追尾ファームウェアは、機械読み取り可能な命令を含むことにより、第2DC電圧を調整して、最大可能電力を少なくとも1つの光電変換パネルから取得するとともに、ファームウェアは、機械読み取り可能な命令を含むことにより、可変周波数モータドライブの動作周波数を調整する。
【0057】
AFと表記されるシステムは、AA,AB,AD,AE,またはAと表記されるシステムを含み、最大電力点追尾ファームウェアは、第2DC電圧を監視して、前記第2DC電圧が減少して所定閾値を下回る場合に、可変周波数モータドライブの周波数を減少させるように適合させた機械読み取り可能な命令を含む。
【0058】
AGと表記されるシステムは、AA,AB,AD,AE,AF,またはAと表記されるシステムを含み、システムは、AC電動モータの始動不具合を検出し、AC電動モータが始動できない場合に、可変周波数モータドライブを再試行時間の間停止し、再試行時間後に、AC電動モータの始動を再試行するように構成される。
【0059】
AHと表記されるシステムは、AA,AB,AD,AE,AF,またはAJ,もしくはAと表記されるシステムを含み、AC電力は、AC電動モータの主巻線に接続される第1相AC電力と、AC電動モータの始動用巻線に接続される始動相AC電力と、を含み、第1相AC電力及び始動相AC電力は、非ゼロの位相シフトだけずれている。
【0060】
AJと表記されるシステムは、AHと表記されるシステムを含み、非ゼロの位相シフトは、58度~68度である、または112度~122度である。
【0061】
AKと表記されるシステムは、AA,AB,AD,AE,AF,AG,AH,AJ,またはAと表記されるシステムを含み、AC電力は更に、第1相AC電力の位相から180度ずれた第3相AC電力を含み、第3相AC電力は、始動用巻線及び主巻線の両方に接続される。
【0062】
第1DC電圧を供給するDC制限電源により給電されるACモータを動作させるBと表記される方法は:DC制限電源からの電力を第2DC電圧に変換することと;第2DC電圧の電力を第1AC周波数のACモータ電圧及び第1AC電圧に変換することと;ACモータ電圧をACモータに供給することと;ACモータの始動を検出することと;ACモータの始動後、電圧及びACモータ電圧の周波数を、DC電源の最大周波数または限界周波数のいずれかに達するまで増加させることを含む。
【0063】
BAと表記される方法は、Bと表記される方法を含み、ACモータ電圧は、第1のAC相及び始動用のAC相を含み、第1の交流相及び始動用の交流相は、位相が58度~68度、または112度~122度だけ異なる。
【0064】
BBと表記される方法は、BまたはBAと表記される方法を含み、DC電源の限界は、DC電源の電圧をACモータ電圧の周波数が増加するときに監視し、ACモータ電圧の周波数が僅かに増加すると、DC電源の電圧が所定パーセンテージだけ降下し始めて、所定パーセンテージの電圧降下限界値を超えるようになる時点を判断することにより決定される。
【0065】
第1DC電圧を供給するDC制限電源により給電されるACモータを動作させる方法は:DC制限電源からの電力を第2DC電圧に変換することと;第2DC電圧の電力を第1AC周波数のACモータ電圧及び第1AC電圧に変換することと;ACモータ電圧をACモータに供給することと;ACモータの始動を検出することと;ACモータの始動後、ACモータドライブの周波数を変化させて、DC制限電源の最大電力点(MMP)を探索することとを含む。
【0066】
DC制限電圧が、光電変換パネル及び風力タービンからなるグループから選択される装置から供給される請求項15に記載の方法。
【0067】
変更を上記方法及びシステムに、本発明の範囲から逸脱しない限り加えることができる。従って、上の説明に含まれる主題、または添付の図面に図示される主題は、例示として解釈されるべきであり、限定的に解釈されてはならないことに留意されたい。以下の特許請求の範囲は、本明細書において記載される全ての広範な特徴及び特定の特徴のみならず、言語の問題として、言語のなかに含意されると言える本方法及びシステムの範囲の全ての記述を包含するものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9