(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-21
(45)【発行日】2022-05-02
(54)【発明の名称】リネン設備の診断装置および診断システム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/898 20060101AFI20220422BHJP
D06F 89/00 20060101ALI20220422BHJP
D06F 95/00 20060101ALI20220422BHJP
B65H 43/04 20060101ALI20220422BHJP
【FI】
G01N21/898 A
D06F89/00
D06F95/00
B65H43/04
(21)【出願番号】P 2017023103
(22)【出願日】2017-02-10
【審査請求日】2019-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】502407130
【氏名又は名称】株式会社プレックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001704
【氏名又は名称】弁理士法人山内特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江浪 寧彦
【審査官】平田 佳規
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-256402(JP,A)
【文献】特開2001-226870(JP,A)
【文献】特開2002-149222(JP,A)
【文献】特開2009-216401(JP,A)
【文献】特開平09-210625(JP,A)
【文献】特許第3813121(JP,B2)
【文献】特開2011-085520(JP,A)
【文献】特開2002-139447(JP,A)
【文献】特開2011-242330(JP,A)
【文献】特開2005-025608(JP,A)
【文献】特開2004-093486(JP,A)
【文献】特開2004-073675(JP,A)
【文献】特開2003-342869(JP,A)
【文献】特開2003-138468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - G01N 21/958
G01N 33/36
G01B 11/00 - G01B 11/30
B65H 43/00 - B65H 43/08
D06F 89/00
D06F 95/00
D06H 3/00 - D06H 3/16
H04N 5/222- H04N 5/257
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
布類を処理する複数の布類処理装置で構成されたリネン設備の診断装置であって、
前記リネン設備内を搬送される布類を撮影するカメラと、
前記カメラで撮影された布類画像が入力される画像処理装置と、を備え、
前記画像処理装置は、
前記布類画像に基づいて前記布類が有する不良の不良種類を判別し、
前記不良種類の判別結果に基づいて前記リネン設備の不具合の有無を判断し、
前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類の発生源である前記布類処理装置を特定し、
前記不良種類は、サビ汚れ、カビ汚れ、綿埃付着、同位置汚れ、ピンホール、脆化、角破れ、姿勢回転、先頭縁弛み、耳折れ、引張皺、圧縮皺、同位置皺のうちの一または複数を含
み、
前記複数の布類処理装置は、洗濯機、投入機、ロールアイロナーのうちの一または複数を含み、
前記画像処理装置による前記発生源の特定は、以下の(a)~(m)のうちのいずれかである
(a)前記不良種類が前記サビ汚れの場合に、前記発生源は前記洗濯機と特定する
(b)前記不良種類が前記カビ汚れの場合に、前記発生源は前記洗濯機および前記ロールアイロナーと特定する
(c)前記不良種類が前記綿埃付着の場合に、前記発生源は前記ロールアイロナーと特定する
(d)前記不良種類が前記同位置汚れの場合に、前記発生源は前記ロールアイロナーと特定する
(e)前記不良種類が前記ピンホールの場合に、前記発生源は前記洗濯機と特定する
(f)前記不良種類が前記脆化の場合に、前記発生源は前記洗濯機と特定する
(g)前記不良種類が前記角破れの場合に、前記発生源は前記投入機と特定する
(h)前記不良種類が前記姿勢回転の場合に、前記発生源は前記投入機と特定する
(i)前記不良種類が前記先頭縁弛みの場合に、前記発生源は前記投入機と特定する
(j)前記不良種類が前記耳折れの場合に、前記発生源は前記投入機および前記ロールアイロナーと特定する
(k)前記不良種類が前記引張皺の場合に、前記発生源は前記投入機および前記ロールアイロナーと特定する
(l)前記不良種類が前記圧縮皺の場合に、前記発生源は前記投入機および前記ロールアイロナーと特定する
(m)前記不良種類が前記同位置皺の場合に、前記発生源は前記ロールアイロナーと特定する
ことを特徴とするリネン設備の診断装置。
【請求項2】
前記画像処理装置は、
前記不良種類の判別結果に基づいて前記不良種類ごとの種類別不良率の時間変化を求め、前記種類別不良率の増加幅が閾値を超えるか否かにより前記リネン設備の不具合の有無を判断する
ことを特徴とする請求項1記載のリネン設備の診断装置。
【請求項3】
前記画像処理装置に接続された表示装置を備え、
前記画像処理装置は、
予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の原因となる前記リネン設備に関する不具合情報とが記憶されており、
前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記不具合情報を前記表示装置に表示する
ことを特徴とする請求項1または2記載のリネン設備の診断装置。
【請求項4】
前記画像処理装置は、
予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の原因となる前記リネン設備に関する不具合情報とが記憶されており、
前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記不具合情報をメール送信する
ことを特徴とする請求項1、2または3記載のリネン設備の診断装置。
【請求項5】
前記画像処理装置は、
予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の発生源である前記布類処理装置の識別子とが記憶されており、
前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記布類処理装置に不具合信号を送信する
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載のリネン設備の診断装置。
【請求項6】
前記画像処理装置は、
予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の発生源である前記布類処理装置の識別子と、前記布類処理装置の補正値とが記憶されており、
前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記布類処理装置に、対応する前記補正値を送信する
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載のリネン設備の診断装置。
【請求項7】
前記画像処理装置は、
前記布類画像に基づいて前記布類の不良の有無を判断し、
前記不良の判断結果に基づいて総合不良率の時間変化を求め、前記総合不良率の増加幅が閾値を超えるか否かにより前記リネン設備の不具合の有無を判断する
ことを特徴とする請求項1記載のリネン設備の診断装置。
【請求項8】
布類を処理する複数の布類処理装置で構成されたリネン設備の診断システムであって、
前記リネン設備内を搬送される布類を撮影するカメラと、
前記カメラで撮影された布類画像が入力される画像処理装置と、
前記画像処理装置と通信可能なサーバ装置と、を備え、
前記画像処理装置は、
前記布類画像に基づいて前記布類が有する不良の不良種類を判別し、
前記不良種類の判別結果に基づいて前記リネン設備の不具合の有無を判断し、
前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類の発生源である前記布類処理装置を特定し、
前記不良種類は、サビ汚れ、カビ汚れ、綿埃付着、同位置汚れ、ピンホール、脆化、角破れ、姿勢回転、先頭縁弛み、耳折れ、引張皺、圧縮皺、同位置皺のうちの一または複数を含
み、
前記複数の布類処理装置は、洗濯機、投入機、ロールアイロナーのうちの一または複数を含み、
前記画像処理装置による前記発生源の特定は、以下の(a)~(m)のうちのいずれかである
(a)前記不良種類が前記サビ汚れの場合に、前記発生源は前記洗濯機と特定する
(b)前記不良種類が前記カビ汚れの場合に、前記発生源は前記洗濯機および前記ロールアイロナーと特定する
(c)前記不良種類が前記綿埃付着の場合に、前記発生源は前記ロールアイロナーと特定する
(d)前記不良種類が前記同位置汚れの場合に、前記発生源は前記ロールアイロナーと特定する
(e)前記不良種類が前記ピンホールの場合に、前記発生源は前記洗濯機と特定する
(f)前記不良種類が前記脆化の場合に、前記発生源は前記洗濯機と特定する
(g)前記不良種類が前記角破れの場合に、前記発生源は前記投入機と特定する
(h)前記不良種類が前記姿勢回転の場合に、前記発生源は前記投入機と特定する
(i)前記不良種類が前記先頭縁弛みの場合に、前記発生源は前記投入機と特定する
(j)前記不良種類が前記耳折れの場合に、前記発生源は前記投入機および前記ロールアイロナーと特定する
(k)前記不良種類が前記引張皺の場合に、前記発生源は前記投入機および前記ロールアイロナーと特定する
(l)前記不良種類が前記圧縮皺の場合に、前記発生源は前記投入機および前記ロールアイロナーと特定する
(m)前記不良種類が前記同位置皺の場合に、前記発生源は前記ロールアイロナーと特定する
ことを特徴とするリネン設備の診断システム。
【請求項9】
前記サーバ装置と通信可能であり、表示装置を備えるクライアントコンピュータを備え、
前記画像処理装置は、
予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の原因となる前記リネン設備に関する不具合情報とが記憶されており、
前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記不具合情報を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記画像処理装置から受信した前記不具合情報を記憶し、
前記クライアントコンピュータは、前記サーバ装置が前記画像処理装置から受信した前記不具合情報を前記サーバ装置から取得し、前記表示装置に表示する
ことを特徴とする請求項8記載のリネン設備の診断システム。
【請求項10】
前記画像処理装置は、
予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の原因となる前記リネン設備に関する不具合情報とが記憶されており、
前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記不具合情報を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記画像処理装置から受信した前記不具合情報をメール送信する
ことを特徴とする請求項8または9記載のリネン設備の診断システム。
【請求項11】
前記画像処理装置は、
予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の発生源である前記布類処理装置の識別子とが記憶されており、
前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記識別子を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記画像処理装置から受信した前記識別子に対応する前記布類処理装置に不具合信号を送信する
ことを特徴とする請求項8、9または10記載のリネン設備の診断システム。
【請求項12】
前記画像処理装置は、
予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の発生源である前記布類処理装置の識別子と、前記布類処理装置の補正値とが記憶されており、
前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記識別子および前記補正値を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記画像処理装置から受信した前記識別子に対応する前記布類処理装置に、前記画像処理装置から受信した前記補正値を送信する
ことを特徴とする請求項8、9または10記載のリネン設備の診断システム。
【請求項13】
前記サーバ装置と通信可能であり、表示装置を備えるクライアントコンピュータを備え、
前記画像処理装置は、
前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、
予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の原因となる前記リネン設備に関する不具合情報とが記憶されており、
前記画像処理装置から受信した前記不良種類を記憶し、
前記クライアントコンピュータは、前記サーバ装置が前記画像処理装置から受信した前記不良種類に対応する前記不具合情報を前記サーバ装置から取得し、前記表示装置に表示する
ことを特徴とする請求項8記載のリネン設備の診断システム。
【請求項14】
前記画像処理装置は、
前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、
予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の原因となる前記リネン設備に関する不具合情報とが記憶されており、
前記画像処理装置から受信した前記不良種類に対応する前記不具合情報をメール送信する
ことを特徴とする請求項8または13記載のリネン設備の診断システム。
【請求項15】
前記画像処理装置は、
前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、
予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の発生源である前記布類処理装置の識別子とが記憶されており、
前記画像処理装置から受信した前記不良種類に対応する前記識別子に対応する前記布類処理装置に不具合信号を送信する
ことを特徴とする請求項8、13または14記載のリネン設備の診断システム。
【請求項16】
前記画像処理装置は、
前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、
予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の発生源である前記布類処理装置の識別子と、前記布類処理装置の補正値とが記憶されており、
前記画像処理装置から受信した前記不良種類に対応する前記識別子に対応する前記布類処理装置に、前記画像処理装置から受信した前記不良種類に対応する補正値を送信する
ことを特徴とする請求項8、13または14記載のリネン設備の診断システム。
【請求項17】
布類を処理する複数の布類処理装置で構成されたリネン設備の診断システムであって、
前記リネン設備内を搬送される布類を撮影するカメラと、
前記カメラで撮影された布類画像が入力される画像処理装置と、
前記画像処理装置と通信可能なサーバ装置と、を備え、
前記画像処理装置は、
前記布類画像に基づいて前記布類が有する不良の不良種類を判別し、
前記不良種類の判別結果を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、
前記画像処理装置から受信した前記不良種類の判別結果に基づいて前記リネン設備の不具合の有無を判断し、
前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類の発生源である前記布類処理装置を特定し、
前記不良種類は、サビ汚れ、カビ汚れ、綿埃付着、同位置汚れ、ピンホール、脆化、角破れ、姿勢回転、先頭縁弛み、耳折れ、引張皺、圧縮皺、同位置皺のうちの一または複数を含
み、
前記複数の布類処理装置は、洗濯機、投入機、ロールアイロナーのうちの一または複数を含み、
前記サーバ装置による前記発生源の特定は、以下の(a)~(m)のうちのいずれかである
(a)前記不良種類が前記サビ汚れの場合に、前記発生源は前記洗濯機と特定する
(b)前記不良種類が前記カビ汚れの場合に、前記発生源は前記洗濯機および前記ロールアイロナーと特定する
(c)前記不良種類が前記綿埃付着の場合に、前記発生源は前記ロールアイロナーと特定する
(d)前記不良種類が前記同位置汚れの場合に、前記発生源は前記ロールアイロナーと特定する
(e)前記不良種類が前記ピンホールの場合に、前記発生源は前記洗濯機と特定する
(f)前記不良種類が前記脆化の場合に、前記発生源は前記洗濯機と特定する
(g)前記不良種類が前記角破れの場合に、前記発生源は前記投入機と特定する
(h)前記不良種類が前記姿勢回転の場合に、前記発生源は前記投入機と特定する
(i)前記不良種類が前記先頭縁弛みの場合に、前記発生源は前記投入機と特定する
(j)前記不良種類が前記耳折れの場合に、前記発生源は前記投入機および前記ロールアイロナーと特定する
(k)前記不良種類が前記引張皺の場合に、前記発生源は前記投入機および前記ロールアイロナーと特定する
(l)前記不良種類が前記圧縮皺の場合に、前記発生源は前記投入機および前記ロールアイロナーと特定する
(m)前記不良種類が前記同位置皺の場合に、前記発生源は前記ロールアイロナーと特定する
ことを特徴とするリネン設備の診断システム。
【請求項18】
前記サーバ装置と通信可能であり、表示装置を備えるクライアントコンピュータを備え、
前記サーバ装置は、
予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の原因となる前記リネン設備に関する不具合情報とが記憶されており、
前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類を特定し、
前記クライアントコンピュータは、前記サーバ装置が特定した前記不良種類に対応する前記不具合情報を前記サーバ装置から取得し、前記表示装置に表示する
ことを特徴とする請求項17記載のリネン設備の診断システム。
【請求項19】
前記サーバ装置は、
予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の原因となる前記リネン設備に関する不具合情報とが記憶されており、
前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記不具合情報をメール送信する
ことを特徴とする請求項17または18記載のリネン設備の診断システム。
【請求項20】
前記サーバ装置は、
予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の発生源である前記布類処理装置の識別子とが記憶されており、
前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記識別子に対応する前記布類処理装置に不具合信号を送信する
ことを特徴とする請求項17、18または19記載のリネン設備の診断システム。
【請求項21】
前記サーバ装置は、
予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の発生源である前記布類処理装置の識別子と、前記布類処理装置の補正値とが記憶されており、
前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記識別子に対応する前記布類処理装置に、対応する補正値を送信する
ことを特徴とする請求項17、18または19記載のリネン設備の診断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リネン設備の診断装置および診断システムに関する。さらに詳しくは、リネン設備を構成する各種布類処理装置の不具合の有無を判断する診断装置および診断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ホテルや病院では大量にシーツ、タオル、衣類などの布類が使用される。使用済みの布類は回収してランドリー工場で洗濯・アイロン掛け・折り畳みが行われ、再度ホテルや病院に運んで、そこで使用されることが一般的である。
【0003】
ランドリー工場では、複数の布類処理装置により処理ラインが構成されている。例えば、投入機、ロールアイロナー、折畳み機により仕上げラインが構成されている。仕上げラインでは、洗濯、乾燥済みの布類が投入機に投入されるとたるみのない整姿状態に整えられ、ロールアイロナーでアイロン掛けが行なわれ、折畳み機で折り畳みが行われる。
【0004】
特許文献1には検査装置が開示されている。検査装置が布類の汚れや破れを検知した場合には、その布類を処理ラインから排除して別途処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の検査装置は布類を撮影した画像に基づいて布類の品質検査を行うだけであった。一方で、リネン設備を構成する各種布類処理装置の不具合を検知することが求められている。そこで、本願発明者は、検査装置を布類の品質検査に用いるだけでなく、リネン設備の診断に用いることの着想を得た。
【0007】
本発明は上記事情に鑑み、布類を撮影した画像に基づいてリネン設備の診断を行えるリネン設備の診断装置および診断システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明のリネン設備の診断装置は、布類を処理する複数の布類処理装置で構成されたリネン設備の診断装置であって、前記リネン設備内を搬送される布類を撮影するカメラと、前記カメラで撮影された布類画像が入力される画像処理装置と、を備え、前記画像処理装置は、前記布類画像に基づいて前記布類が有する不良の不良種類を判別し、前記不良種類の判別結果に基づいて前記リネン設備の不具合の有無を判断し、前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類の発生源である前記布類処理装置を特定し、前記不良種類は、サビ汚れ、カビ汚れ、綿埃付着、同位置汚れ、ピンホール、脆化、角破れ、姿勢回転、先頭縁弛み、耳折れ、引張皺、圧縮皺、同位置皺のうちの一または複数を含むことを特徴とする。
第2発明のリネン設備の診断装置は、第1発明において、前記画像処理装置は、前記不良種類の判別結果に基づいて前記不良種類ごとの種類別不良率の時間変化を求め、前記種類別不良率の増加幅が閾値を超えるか否かにより前記リネン設備の不具合の有無を判断することを特徴とする。
第3発明のリネン設備の診断装置は、第1または第2発明において、前記画像処理装置に接続された表示装置を備え、前記画像処理装置は、予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の原因となる前記リネン設備に関する不具合情報とが記憶されており、前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記不具合情報を前記表示装置に表示することを特徴とする。
第4発明のリネン設備の診断装置は、第1、第2または第3発明において、前記画像処理装置は、予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の原因となる前記リネン設備に関する不具合情報とが記憶されており、前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記不具合情報をメール送信することを特徴とする。
第5発明のリネン設備の診断装置は、第1、第2、第3または第4発明において、前記画像処理装置は、予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の発生源である前記布類処理装置の識別子とが記憶されており、前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記布類処理装置に不具合信号を送信することを特徴とする。
第6発明のリネン設備の診断装置は、第1、第2、第3または第4発明において、前記画像処理装置は、予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の発生源である前記布類処理装置の識別子と、前記布類処理装置の補正値とが記憶されており、前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記布類処理装置に、対応する前記補正値を送信することを特徴とする。
第7発明のリネン設備の診断装置は、第1発明において、前記画像処理装置は、前記布類画像に基づいて前記布類の不良の有無を判断し、前記不良の判断結果に基づいて総合不良率の時間変化を求め、前記総合不良率の増加幅が閾値を超えるか否かにより前記リネン設備の不具合の有無を判断することを特徴とする。
第8発明のリネン設備の診断システムは、布類を処理する複数の布類処理装置で構成されたリネン設備の診断システムであって、前記リネン設備内を搬送される布類を撮影するカメラと、前記カメラで撮影された布類画像が入力される画像処理装置と、前記画像処理装置と通信可能なサーバ装置と、を備え、前記画像処理装置は、前記布類画像に基づいて前記布類が有する不良の不良種類を判別し、前記不良種類の判別結果に基づいて前記リネン設備の不具合の有無を判断し、前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類の発生源である前記布類処理装置を特定し、前記不良種類は、サビ汚れ、カビ汚れ、綿埃付着、同位置汚れ、ピンホール、脆化、角破れ、姿勢回転、先頭縁弛み、耳折れ、引張皺、圧縮皺、同位置皺のうちの一または複数を含むことを特徴とする。
第9発明のリネン設備の診断システムは、第8発明において、前記サーバ装置と通信可能であり、表示装置を備えるクライアントコンピュータを備え、前記画像処理装置は、予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の原因となる前記リネン設備に関する不具合情報とが記憶されており、前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記不具合情報を前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、前記画像処理装置から受信した前記不具合情報を記憶し、前記クライアントコンピュータは、前記サーバ装置が前記画像処理装置から受信した前記不具合情報を前記サーバ装置から取得し、前記表示装置に表示することを特徴とする。
第10発明のリネン設備の診断システムは、第8または第9発明において、前記画像処理装置は、予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の原因となる前記リネン設備に関する不具合情報とが記憶されており、前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記不具合情報を前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、前記画像処理装置から受信した前記不具合情報をメール送信することを特徴とする。
第11発明のリネン設備の診断システムは、第8、第9または第10発明において、前記画像処理装置は、予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の発生源である前記布類処理装置の識別子とが記憶されており、前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記識別子を前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、前記画像処理装置から受信した前記識別子に対応する前記布類処理装置に不具合信号を送信することを特徴とする。
第12発明のリネン設備の診断システムは、第8、第9または第10発明において、前記画像処理装置は、予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の発生源である前記布類処理装置の識別子と、前記布類処理装置の補正値とが記憶されており、前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記識別子および前記補正値を前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、前記画像処理装置から受信した前記識別子に対応する前記布類処理装置に、前記画像処理装置から受信した前記補正値を送信することを特徴とする。
第13発明のリネン設備の診断システムは、第8発明において、前記サーバ装置と通信可能であり、表示装置を備えるクライアントコンピュータを備え、前記画像処理装置は、前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類を前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の原因となる前記リネン設備に関する不具合情報とが記憶されており、前記画像処理装置から受信した前記不良種類を記憶し、前記クライアントコンピュータは、前記サーバ装置が前記画像処理装置から受信した前記不良種類に対応する前記不具合情報を前記サーバ装置から取得し、前記表示装置に表示することを特徴とする。
第14発明のリネン設備の診断システムは、第8または第13発明において、前記画像処理装置は、前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類を前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の原因となる前記リネン設備に関する不具合情報とが記憶されており、前記画像処理装置から受信した前記不良種類に対応する前記不具合情報をメール送信することを特徴とする。
第15発明のリネン設備の診断システムは、第8、第13または第14発明において、前記画像処理装置は、前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類を前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の発生源である前記布類処理装置の識別子とが記憶されており、前記画像処理装置から受信した前記不良種類に対応する前記識別子に対応する前記布類処理装置に不具合信号を送信することを特徴とする。
第16発明のリネン設備の診断システムは、第8、第13または第14発明において、前記画像処理装置は、前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類を前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の発生源である前記布類処理装置の識別子と、前記布類処理装置の補正値とが記憶されており、前記画像処理装置から受信した前記不良種類に対応する前記識別子に対応する前記布類処理装置に、前記画像処理装置から受信した前記不良種類に対応する補正値を送信することを特徴とする。
第17発明のリネン設備の診断システムは、布類を処理する複数の布類処理装置で構成されたリネン設備の診断システムであって、前記リネン設備内を搬送される布類を撮影するカメラと、前記カメラで撮影された布類画像が入力される画像処理装置と、前記画像処理装置と通信可能なサーバ装置と、を備え、前記画像処理装置は、前記布類画像に基づいて前記布類が有する不良の不良種類を判別し、前記不良種類の判別結果を前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、前記画像処理装置から受信した前記不良種類の判別結果に基づいて前記リネン設備の不具合の有無を判断し、前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類の発生源である前記布類処理装置を特定し、前記不良種類は、サビ汚れ、カビ汚れ、綿埃付着、同位置汚れ、ピンホール、脆化、角破れ、姿勢回転、先頭縁弛み、耳折れ、引張皺、圧縮皺、同位置皺のうちの一または複数を含むことを特徴とする。
第18発明のリネン設備の診断システムは、第17発明において、前記サーバ装置と通信可能であり、表示装置を備えるクライアントコンピュータを備え、前記サーバ装置は、予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の原因となる前記リネン設備に関する不具合情報とが記憶されており、前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類を特定し、前記クライアントコンピュータは、前記サーバ装置が特定した前記不良種類に対応する前記不具合情報を前記サーバ装置から取得し、前記表示装置に表示することを特徴とする。
第19発明のリネン設備の診断システムは、第17または第18発明において、前記サーバ装置は、予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の原因となる前記リネン設備に関する不具合情報とが記憶されており、前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記不具合情報をメール送信することを特徴とする。
第20発明のリネン設備の診断システムは、第17、第18または第19発明において、前記サーバ装置は、予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の発生源である前記布類処理装置の識別子とが記憶されており、前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記識別子に対応する前記布類処理装置に不具合信号を送信することを特徴とする。
第21発明のリネン設備の診断システムは、第17、第18または第19発明において、前記サーバ装置は、予め、一または複数の前記不良種類と、それぞれの前記不良種類の発生源である前記布類処理装置の識別子と、前記布類処理装置の補正値とが記憶されており、前記リネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった前記不良種類に対応する前記識別子に対応する前記布類処理装置に、対応する補正値を送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
第1発明によれば、布類画像に基づいて布類が有する不良の不良種類を判別することで、その不良種類の原因となるリネン設備に関する不具合を特定できるので、リネン設備の診断を行える。
第2発明によれば、布類の不良を統計的に分析してリネン設備の不具合の有無を判断するので、反応が過敏になりすぎない。
第3発明によれば、不具合情報を表示装置に表示するので、その表示を見た作業員がリネン設備をメンテナンスするなどの対応ができる。その結果、リネン設備の歩留まりが向上する。
第4発明によれば、不具合情報をメール送信するので、作業員に対して能動的に不具合を通知できる。そのため、作業員が早期にリネン設備の不具合を認識でき、早期に対応がとれる。
第5発明によれば、不良の発生源である布類処理装置に不具合信号を送信するので、不具合信号を受信した布類処理装置が自動的にパラメータを補正することで、リネン設備の不具合を自動的に解消できる。
第6発明によれば、不良の発生源である布類処理装置に補正値を送信するので、布類処理装置が受信した補正値に基づきパラメータを補正することで、リネン設備の不具合を自動的に解消できる。
第7発明によれば、布類の不良の全体的な傾向から、リネン設備に何らかの不具合があると判断できる。
第8発明によれば、布類画像に基づいて布類が有する不良の不良種類を判別することで、その不良種類の原因となるリネン設備に関する不具合を特定できるので、リネン設備の診断を行える。
第9発明によれば、クライアントコンピュータの表示装置にリネン設備の不具合情報を表示するので、リネン設備から離れた場所でもリネン設備を監視できる。
第10発明によれば、不具合情報をメール送信するので、作業員に対して能動的に不具合を通知できる。そのため、作業員が早期にリネン設備の不具合を認識でき、早期に対応がとれる。
第11発明によれば、不良の発生源である布類処理装置に不具合信号を送信するので、不具合信号を受信した布類処理装置が自動的にパラメータを補正することで、リネン設備の不具合を自動的に解消できる。
第12発明によれば、不良の発生源である布類処理装置に補正値を送信するので、布類処理装置が受信した補正値に基づきパラメータを補正することで、リネン設備の不具合を自動的に解消できる。
第13発明によれば、クライアントコンピュータの表示装置にリネン設備の不具合情報を表示するので、リネン設備から離れた場所でもリネン設備を監視できる。
第14発明によれば、不具合情報をメール送信するので、作業員に対して能動的に不具合を通知できる。そのため、作業員が早期にリネン設備の不具合を認識でき、早期に対応がとれる。
第15発明によれば、不良の発生源である布類処理装置に不具合信号を送信するので、不具合信号を受信した布類処理装置が自動的にパラメータを補正することで、リネン設備の不具合を自動的に解消できる。
第16発明によれば、不良の発生源である布類処理装置に補正値を送信するので、布類処理装置が受信した補正値に基づきパラメータを補正することで、リネン設備の不具合を自動的に解消できる。
第17発明によれば、布類画像に基づいて布類が有する不良の不良種類を判別することで、その不良種類の原因となるリネン設備に関する不具合を特定できるので、リネン設備の診断を行える。
第18発明によれば、クライアントコンピュータの表示装置にリネン設備の不具合情報を表示するので、リネン設備から離れた場所でもリネン設備を監視できる。
第19発明によれば、不具合情報をメール送信するので、作業員に対して能動的に不具合を通知できる。そのため、作業員が早期にリネン設備の不具合を認識でき、早期に対応がとれる。
第20発明によれば、不良の発生源である布類処理装置に不具合信号を送信するので、不具合信号を受信した布類処理装置が自動的にパラメータを補正することで、リネン設備の不具合を自動的に解消できる。
第21発明によれば、不良の発生源である布類処理装置に補正値を送信するので、布類処理装置が受信した補正値に基づきパラメータを補正することで、リネン設備の不具合を自動的に解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る診断装置の側面図である。
【
図5】(A)図は姿勢回転の説明図、(B)図は先頭縁弛みの説明図、(C)図は耳折れの説明図である。
【
図6】(A)図は反射光画像の例、(B)図は透過光画像の例である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る診断装置のブロック図である。
【
図8】本発明の第3実施形態に係る診断装置のブロック図である。
【
図9】本発明の第4実施形態に係る診断システムのブロック図である。
【
図10】本発明の第5実施形態に係る診断システムのブロック図である。
【
図11】本発明の第6実施形態に係る診断システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
〔第1実施形態〕 - リネン設備の診断装置
(リネン設備)
まず、リネン設備を説明する。
ランドリー工場内にはリネン設備が設置される。リネン設備は布類を処理する各種の布類処理装置で構成されている。例えば、リネン設備は、洗濯機、脱水機、乾燥機、捌き装置、投入機、ロールアイロナー、検査装置、折畳み機、結束機がこの順に接続されて構成されている。布類はリネン設備内をコンベア、台車などの搬送装置で搬送されながら、各種の布類処理装置により各種の処理が施される。
【0012】
ここで、「布類」はリネン設備の処理対象物である。布類として、シーツ、包布、ピロケース、タオルなどの方形状布類、浴衣、病衣などの衣類が挙げられる。なお、以下では布類としてシーツを処理する場合を例に説明する。「布類処理装置」は布類に対して何らかの処理を施す装置である。布類処理装置として、洗濯機、脱水機、乾燥機、捌き装置、投入機、ロールアイロナー、検査装置、折畳み機、結束機、搬送装置が挙げられる。
【0013】
投入機は布類をたるみのない整姿状態に整えてロールアイロナーに受け渡す装置である。投入機は布類を把持するチャックや、布類を搬送するコンベアを備えている。布類の一辺の両角部をチャックで把持して吊り下げることで、布類を展開できる。
【0014】
ロールアイロナーは投入機から受け取った布類をアイロン掛けする装置である。ロールアイロナーは一または複数の加熱ロールを備えている。布類を加熱ロールに接触させながら搬送することで、連続的に布類を乾燥させることができる。
【0015】
検査装置は布類を撮影した画像に基づいて布類の品質を検査する装置である。検査装置で不良と判断された布類は、後続の折畳み機で排出され、繰り返し洗濯するなどの処理が行われる。
【0016】
(診断装置)
つぎに、本発明の第1実施形態に係るリネン設備の診断装置1を説明する。
診断装置1は布類を撮影するカメラと、カメラで撮影された画像が入力される画像処理装置とを備えていればよく、その物理的構成は特に限定されない。以下では診断装置1の構成の一例を説明する。
【0017】
本実施形態の診断装置1は前記検査装置と一体に構成されたものである。換言すれば、検査装置に診断装置1としての機能を追加したものである。なお、検査装置と診断装置1とを独立した別の装置としてもよい。
【0018】
図1に示すように、診断装置1はロールアイロナーAと折畳み機Bとの間に設けられている。診断装置1は布類を搬送する入側コンベア11と出側コンベア12とを有している。入側コンベア11の上流端はロールアイロナーAの排出部に接続している。出側コンベア12の下流端は折畳み機Bの導入コンベアに接続している。ロールアイロナーAから排出された布類は、入側コンベア11および出側コンベア12により搬送された後に、折畳み機Bに受け渡される。
【0019】
診断装置1の上部には第1カメラ21が設けられている。第1カメラ21の光軸L1は入側コンベア11の所定位置に達するよう設定されている。診断装置1の下部には第2カメラ22が設けられている。第2カメラ22の光軸L2は、途中に設けられた鏡23により反射し、入側コンベア11と出側コンベア12との間に達するよう設定されている。なお、第1、第2カメラ21、22としては、例えば、布類をその幅方向(
図1における紙面に対して垂直な方向)に沿って直線状に撮影するラインカメラが用いられる。
【0020】
図2に示すように、入側コンベア11の上面には暗色の検査台13が設けられている。検査台13の色は布類に比べて暗い色であればよく、黒色や灰色が選択される。検査台13の上方には検査台13を照らす光源24が設けられている。第1カメラ21の光軸L1は検査台13に達するよう設定されている。
【0021】
入側コンベア11上を搬送される布類は、検査台13の上を通過する。その際、布類の表面が光源24により照らされる。そのため、第1カメラ21は検査台13を通過する布類の表面の反射光を撮影する。
【0022】
入側コンベア11と出側コンベア12との接続部には隙間が設けられている。また、入側コンベア11の下流端にはジャンプ台14が設けられ、出側コンベア12の上流端には受け台15が設けられている。布類は入側コンベア11と出側コンベア12との間をジャンプして搬送される。
【0023】
入側コンベア11と出側コンベア12との接続部の上方には光源25が設けられている。また、入側コンベア11と出側コンベア12との接続部の下方には光源26が設けられている。布類が入側コンベア11と出側コンベア12との間をジャンプする際に、光源25から照射された光は布類の表面側から裏面側に透過する。また、光源26から照射された光は布類の裏面で反射する。そのため、第2カメラ22は布類の透過光を撮影するとともに、布類の裏面の反射光を撮影する。
【0024】
以下では、第1カメラ21で撮影された布類の画像を「反射光画像」と称する。また、第2カメラ22で撮影された布類の画像を「透過光画像」と称する。反射光画像、透過光画像の総称として「布類画像」との用語を用いる。
【0025】
なお、本明細書では、説明の便宜のため布類の検査台13に接しない方の面を表面とし、接する方の面を裏面とする。したがって、布類固有の表面、裏面とは必ずしも一致しない。
【0026】
図3に示すように、診断装置1は画像処理装置30と表示装置40とを備えている。画像処理装置30はCPUやメモリなどで構成されたコンピュータである。第1、第2カメラ21、22で撮影された布類画像は画像処理装置30に入力されている。表示装置40は画像処理装置30に接続されている。表示装置40はリネン設備の不具合情報を表示できればよく、液晶ディスプレイなどのほか、複数のランプで構成してもよい。画像処理装置30が布類画像に基づいてリネン設備の診断を行い、不具合情報を表示装置40に表示する。
【0027】
(不良種類)
ところで、リネン設備で処理される布類は種々の不良を有する可能性がある。以下、シーツの場合を例に、
図4に示す表を参照しつつ、不良の種類を説明する。
布類の不良には、大きく分けて「欠陥」、「形状不良」がある。「欠陥」とは布類自体に不良があることを意味する。欠陥には「汚れ」、「破れ」が含まれる。「形状不良」とは布類の展開に不良があることを意味する。形状不良には「載置不良」、「皺」が含まれる。
【0028】
「汚れ」には、洗濯で落としきれなかった通常の汚れのほか、「サビ汚れ」、「カビ汚れ」、「綿埃付着」、「同位置汚れ」が含まれる。「サビ汚れ」とは布類処理装置のサビが布類に付着してできた汚れである。洗濯機や台車などのサビが布類に付着してサビ汚れとなる。「カビ汚れ」とは布類にカビが発生したことによる汚れである。布類を十分に乾燥させずに保管するとカビが発生する可能性がある。カビ汚れは洗濯機やロールアイロナーの設定、布類の保管環境に起因する。「綿埃付着」とは布類処理装置で発生する綿埃(リントとも称される。)が布類に付着してできた汚れである。ロールアイロナーでは綿埃が発生しやすい。ロールアイロナーの内部の清掃が不十分であると、装置内の綿埃が布類に付着する可能性がある。「同位置汚れ」とは複数の布類について、布類の搬送方向と直交する方向(例えば、布類の幅方向)における同じ位置に、同様の汚れが付着することを意味する。ロールアイロナーの加熱ロールに異物が付着していると、加熱ロールの回転周期に合わせて複数の布類に同様の汚れが付着する。
【0029】
「破れ」には、通常の破れのほか、「ピンホール」、「脆化」、「角破れ」が含まれる。「ピンホール」とは布類にできた小さい孔である。洗濯機で用いる漂白剤が多すぎたり、強すぎたりすると布類にピンホールが生じる。ピンホールは脱水機の設定にも起因する。「脆化」とは布類が劣化して薄くなっていることを意味する。脆化は洗濯機における薬剤の過使用などに起因にする。「角破れ」とは布類の角部の破れを意味する。投入機では布類の角部をチャックで把持する。チャックに不良があると布類の角部に過負荷がかかり、破れる可能性がある。
【0030】
「載置不良」には、「姿勢回転」、「先頭縁弛み」、「耳折れ」が含まれる。
図5(A)に示すように、「姿勢回転」とは布類処理装置内のコンベアに載せられた布類の姿勢が搬送方向(白抜き矢印の方向)に対して正常な姿勢から回転していることを意味する。姿勢回転は投入機による布類の展開不良に起因する。
図5(B)に示すように、「先頭縁弛み」とは布類の搬送方向(白抜き矢印の方向)の先頭縁がU字形に弛んでいることを意味する。先頭縁弛みは投入機による布類の展開不良に起因する。
図5(C)に示すように、「耳折れ」とは布類の角部が折れ重なっていることを意味する。耳折れは投入機による布類の展開不良のほか、コンベア間の布類の乗り継ぎ不良に起因する。
【0031】
「皺」には、通常の皺のほか、「引張皺」、「圧縮皺」、「同位置皺」が含まれる。「引張皺」とは布類の搬送方向の後尾縁が窄まるように縦皺が入ることを意味する。布類がコンベア間を乗り継ぐ際、下流側コンベアの搬送速度が上流側コンベアの搬送速度よりも速すぎると、布類が引っ張られ引張皺が生じる。引張皺は投入機による布類の展開不良に起因する可能性もある。「圧縮皺」とは布類に搬送方向と直交する横皺が入ることを意味する。布類がコンベア間を乗り継ぐ際、下流側コンベアの搬送速度が上流側コンベアの搬送速度よりも遅いと、布類が圧縮され圧縮皺が生じる。「同位置皺」とは複数の布類について、布類の搬送方向と直交する方向(例えば、布類の幅方向)における同じ位置に、同様の皺が発生することを意味する。ロールアイロナーの加熱ロールに異物が付着していると、加熱ロールの回転周期に合わせて複数の布類に同様の皺が発生する。
【0032】
以上のように、布類の不良は細かい種類(以下、「不良種類」と称する。)に分類できる。また、不良種類にはリネン設備の不具合に起因するものがある。そのため、布類が有する不良の種類を判別すれば、その不良の発生原因たるリネン設備の不具合を特定できる。これにより、リネン設備の診断ができる。ここで、不良の発生原因には、不良の発生源としての布類処理装置の別と、具体的な要因とが含まれる(
図4参照)。なお、診断装置1で特定できる発生源は、リネン設備において診断装置1よりも上流側に設置される布類処理装置である。
【0033】
(診断処理)
図3に戻り、診断装置1によるリネン設備の診断処理を説明する。
画像処理装置30は不良種類判別部31、統計処理部32、表示制御部33を有している。不良種類判別部31、統計処理部32、表示制御部33は、コンピュータである画像処理装置30がプログラムを実行することで実現される。また、画像処理装置30は記憶部34を有している。
【0034】
記憶部34には、予め、一または複数の不良種類と、それぞれの不良種類の原因となるリネン設備に関する不具合情報とが記憶されている。なお、不良種類の数は通常複数であるが、一種類の不良に基づいてリネン設備を診断する場合は不良種類の数が一つでもよい。
【0035】
ここで、不具合情報には前述の不良の発生原因、すなわち発生源と、具体的な要因とが含まれる。不具合情報には発生原因のほか、不具合を解消するためのリネン設備のメンテナンス方法など、その他の情報が含まれてもよい。記憶部34には、
図4に示すように不良種類と不具合情報との対応関係が記憶されている。
【0036】
本実施形態では、不良種類として、前述のサビ汚れ、カビ汚れ、綿埃付着、同位置汚れ、ピンホール、脆化、角破れ、姿勢回転、先頭縁弛み、耳折れ、引張皺、圧縮皺、同位置皺が含まれる。これらの不良種類であれば、不良種類からリネン設備に関する不具合を特定できるので、リネン設備の診断を行える。なお、不良種類の選択は特に限定されず、上記の不良種類のうち一または複数を選択してもよいし、他の種類を追加してもよい。
【0037】
不良種類判別部31は、第1、第2カメラ21、22から取得した布類画像に基づいて布類の不良の有無を判断する。また、布類に不良がある場合には、布類画像に基づいて布類が有する不良の不良種類を判別する。各不良種類の判別方法は後述する。
【0038】
統計処理部32は不良種類判別部31から受け取った不良種類の判別結果に基づいて、布類の不良を統計的に分析し、リネン設備の不具合の有無を判断する。具体的には、不良種類の判別結果に基づいて不良種類ごとの不良率(以下、「種類別不良率」と称する。)の時間変化を求める。そして、種類別不良率の増加幅が閾値を超えるか否かによりリネン設備の不具合の有無を判断する。いずれかの不良種類の種類別不良率の増加幅が閾値を超えた場合に、リネン設備に不具合が有ると判断する。
【0039】
例えば、統計処理部32は所定時間ごとに種類別不良率を求める。種類別不良率を求める期間は、対応する不良種類の分析に適した期間に設定すればよく、30分、1時間、1日、1週間などに設定される。そして、現在の種類別不良率と直近の種類別不良率とを比較し、増加幅が閾値を超えるか否かを判断する。閾値はその不良種類に対応するリネン設備の不具合の有無を適切に判断できる値に設定すればよい。なお、現在の種類別不良率と前週の種類別不良率とを比較して、リネン設備の不具合の有無を判断してもよい。
【0040】
表示制御部33は表示装置40の表示を制御する機能を有する。統計処理部32がリネン設備に不具合が有ると判断した場合に、表示制御部33はその判断の根拠となった不良種類に対応する不具合情報を記憶部34から取得し、表示装置40に表示する。表示装置40の表示の態様は特に限定されないが、不良の発生源たる布類処理装置の名前や、具体的な要因、リネン設備のメンテナンス方法などを表示すればよい。
【0041】
例えば、サビ汚れの種類別不良率が30分前は1%だったところ、現在は10%であり、増加幅(9%)が閾値を超えたとする。この場合、統計処理部32はリネン設備に不具合が有ると判断する。表示制御部33はサビ汚れに対応する不具合情報を記憶部34から取得し、表示装置40に表示する。
【0042】
なお、統計処理部32がリネン設備に不具合が有ると判断した場合に、自動的に不具合情報を表示装置40に表示すればよい。外部入力により診断結果を表示することを要求された場合に、その時点で特定されている不良種類について、それに対応する不具合情報を表示装置40に表示してもよい。
【0043】
以上のように、布類画像に基づいて布類が有する不良の不良種類を判別することで、その不良種類の原因となるリネン設備に関する不具合を特定できる。これにより、リネン設備の診断を行える。リネン設備の不具合情報が表示装置40に表示されるので、その表示を見た作業員がリネン設備の該当箇所をメンテナンスするなどの対応ができる。その結果、リネン設備の歩留まりを向上できる。
【0044】
なお、本実施形態では、布類の不良を統計的に分析してリネン設備の不具合の有無を判断するよう構成している。これに代えて、布類の不良がいずれかの不良種類に該当した場合に、すぐにリネン設備に不具合が有ると判断するよう構成してもよい。ただし、一般にリネン設備における布類の不良率は5~10%である。そのため、1回の不良の検知で不具合情報を表示したのでは反応が過敏になる。本実施形態のように、布類の不良を統計的に分析してリネン設備の不具合の有無を判断するよう構成すれば、反応が過敏になりすぎない。
【0045】
また、統計処理部32は布類の総合的な不良率(以下、「総合不良率」と称する。)に基づいて、リネン設備の不具合の有無を判断してもよい。ここで総合不良率とは不良種類に関係なく、布類に何らかの不良が生じている割合を意味する。
【0046】
具体的には、統計処理部32は不良種類判別部31から受け取った布類の不良の判断結果に基づいて総合不良率の時間変化を求める。そして、総合不良率の増加幅が閾値を超えるか否かにより、リネン設備の不具合の有無を判断する。リネン設備に不具合が有ると判断した場合、表示制御部33はリネン設備に何らかの不具合がある旨を表示装置40に表示する。このように、布類の不良の全体的な傾向から、リネン設備に何らかの不具合があると判断することもできる。
【0047】
(判別処理)
つぎに、各不良種類について、その判別処理を説明する。
まず、汚れと破れの基本的な判別処理を説明する。
布類に汚れと破れがある場合は
図6(A)、(B)に示すような画像が得られる。
図6(A)は第1カメラ21で撮影された反射光画像であり、背景が暗色(検査台13の色)である布類の表側の画像である。
図6(B)は第2カメラ22で撮影された透過光画像であり、背景が白色(透過光)である布類の裏側の画像である。
【0048】
反射光画像(A)においては、汚れと破れは共に周囲の色(布類の色)よりも暗く表示される。これは、汚れている部分は汚れそのものの色により暗くなり、破れている部分は破れた穴から見える検査台13の色により暗くなるためである。一方、透過光画像(B)においては、汚れは周囲の色よりも暗く表示され、破れは周囲の色よりも明るく表示される。これは、汚れている部分は汚れそのものの色により暗くなり、破れている部分は破れた穴から光源25の光が直接届くので明るくなるためである。
【0049】
したがって、反射光画像(A)と透過光画像(B)とを比較し、布類の同位置において反射光画像(A)と透過光画像(B)とが共に周囲よりも暗い部分を汚れと判断できる。また、布類の同位置において反射光画像(A)は周囲よりも暗く、透過光画像(B)は周囲よりも明るい部分を破れと判断することができる。
【0050】
不良種類判別部31は、前記処理で汚れと判断した領域の色が、予め設定されたサビ色と一致する場合に、サビ汚れであると判断する。サビ色は例えば、濃い茶色であり、記憶部34に記憶される。同様に、不良種類判別部31は、カビ汚れ、綿埃付着、同位置汚れを、それぞれに固有の特徴(汚れと判断した領域の色、形状、位置など)に基づき判断する。
【0051】
不良種類判別部31は、前記処理で破れと判断した領域の面積が、予め設定された閾値以下の場合に、ピンホールであると判断する。同様に、不良種類判別部31は、脆化、角破れを、それぞれに固有の特徴(破れと判断した領域の形状、位置など)に基づき判断する。
【0052】
不良種類判別部31は、布類画像から布類の輪郭を取得する。布類の輪郭から姿勢回転、先頭縁弛み、耳折れを判断する。また、不良種類判別部31は、布類画像に含まれる皺の特徴から、引張皺、圧縮皺、同位置皺を判断する。
【0053】
〔第2実施形態〕
つぎに、本発明の第2実施形態に係るリネン設備の診断装置2を説明する。
図7に示すように、診断装置2は第1、第2カメラ21、22と、画像処理装置30とを備えている。これらの構成は第1実施形態に係る診断装置1と同様であるので、同一部材に同一符号を付して説明を省略する。なお、表示装置40は設けてもよいし、設けなくてもよい。
【0054】
画像処理装置30は不良種類判別部31、統計処理部32、記憶部34に加え、メール送信部35を有している。メール送信部35はネットワーク50に接続されている。ネットワーク50は、例えばインターネットである。回線の範囲がリネン設備が設置されるランドリー工場内に限られるLAN(Local Area Network)でもよいし、ランドリー工場外まで広がるWAN(Wide Area Network)でもよい。
【0055】
ネットワーク50には、さらに送信メールサーバ51と、受信メールサーバ52と、基地局53とが接続されている。また、ランドリー工場内で作業を行う作業員Wは携帯端末54を有している。携帯端末54には、予め、メールクライアントソフトがインストールされている。携帯端末54は基地局53と無線通信可能となっている。
【0056】
つぎに、診断装置2の処理を説明する。
画像処理装置30は第1実施形態と同様にリネン設備の診断処理を行う。すなわち、不良種類判別部31は第1、第2カメラ21、22から取得した布類画像に基づいて布類が有する不良の不良種類を判別する。統計処理部32は不良種類判別部31から受け取った不良種類の判別結果に基づいて、布類の不良を統計的に分析し、リネン設備の不具合の有無を判断する。
【0057】
統計処理部32がリネン設備に不具合が有ると判断した場合に、メール送信部35はその判断の根拠となった不良種類に対応する不具合情報を記憶部34から取得する。そして、メール送信部35は記憶部34から取得した不具合情報をメール送信する。
【0058】
ここで、送信先のメールアドレスは予めメール送信部35に設定されている。ここでは、携帯端末54のメールアドレスが設定されているとする。メール送信部35は当該メールアドレスと不具合情報とを含むメールを、ネットワーク50を介して送信メールサーバ51に送信する。送信メールサーバ51はメールに含まれるメールアドレスから受信メールサーバ52を探索し、そのメールを受信メールサーバ52に送信する。携帯端末54は基地局53を介して受信メールサーバ52からメールを取得する。したがって、メール送信部35が送信したメールは、作業員Wの携帯端末54で受信される。
【0059】
以上のように、不具合情報をメール送信することで、作業員Wに対して能動的に不具合を通知できる。そのため、作業員Wが早期にリネン設備の不具合を認識でき、早期に対応がとれる。
【0060】
ランドリー工場内で作業を行う複数の作業員Wが有する複数の携帯端末54に対してメール送信してもよい。リネン設備を構成する複数の布類処理装置のそれぞれに担当の作業員Wが割り当てられている場合には、それぞれの作業員Wに対して担当する布類処理装置の不具合情報のみをメール送信するよう構成してもよい。
【0061】
この場合、診断装置2は例えばつぎのように構成される。記憶部34には、予め、一または複数の不良種類と、それぞれの不良種類の原因となるリネン設備に関する不具合情報と、それぞれの不良種類に対応するメールアドレスとが記憶されている。統計処理部32がリネン設備に不具合が有ると判断した場合に、メール送信部35はその判断の根拠となった不良種類に対応する不具合情報およびメールアドレスを記憶部34から取得する。そして、メール送信部35は記憶部34から取得した不具合情報を、取得したメールアドレスにメール送信する。
【0062】
なお、メールの送信先は、ランドリー工場内で作業を行う作業員Wが有する携帯端末54に限定されず、種々の送信先を設定できる。
【0063】
〔第3実施形態〕
つぎに、本発明の第3実施形態に係るリネン設備の診断装置3を説明する。
図8に示すように、診断装置3は第1、第2カメラ21、22と、画像処理装置30とを備えている。これらの構成は第1実施形態に係る診断装置1と同様であるので、同一部材に同一符号を付して説明を省略する。なお、表示装置40は設けてもよいし、設けなくてもよい。
【0064】
画像処理装置30は不良種類判別部31、統計処理部32、記憶部34に加え、通信制御部36を有している。ランドリー工場内にはイントラネット60が構築されている。イントラネット60には画像処理装置30の通信制御部36のほか、リネン設備を構成する種々の布類処理装置61、62、63、・・・が接続されている。したがって、画像処理装置と布類処理装置61、62、63とは相互に通信可能となっている。
【0065】
記憶部34には、予め、一または複数の不良種類と、それぞれの不良種類の発生源である布類処理装置61、62、63の識別子とが記憶されている。ここで、「識別子」とは、各布類処理装置61、62、63を識別するのに用いられる属性を意味する。識別子として、例えば、イントラネット60における各布類処理装置61、62、63のIPアドレスが用いられる。
【0066】
つぎに、診断装置3の処理を説明する。
画像処理装置30は第1実施形態と同様にリネン設備の診断処理を行う。すなわち、不良種類判別部31は第1、第2カメラ21、22から取得した布類画像に基づいて布類が有する不良の不良種類を判別する。統計処理部32は不良種類判別部31から受け取った不良種類の判別結果に基づいて、布類の不良を統計的に分析し、リネン設備の不具合の有無を判断する。
【0067】
統計処理部32がリネン設備に不具合が有ると判断した場合に、通信制御部36はその判断の根拠となった不良種類に対応する識別子を記憶部34から取得する。そして、通信制御部36は記憶部34から取得した識別子に対応する布類処理装置61、62、63に不具合信号を送信する。ここで、「不具合信号」とは、布類処理装置61、62、63に不具合が生じていることを通知する信号である。不具合信号には不良種類を識別する情報が含まれてもよい。
【0068】
各布類処理装置61、62、63には制御装置が搭載されている。制御装置により各装置の動作の制御のほか、各種パラメータの管理が行われる。不具合信号を受信した布類処理装置61、62、63の制御装置は、不具合信号に基づきその装置のパラメータを補正する。パラメータの補正値は、予め制御装置に記憶されているか、制御装置が自身で生成する。
【0069】
例えば、先頭縁弛み(
図5(B)参照)の種類別不良率が増加し、統計処理部32がリネン設備に不具合が有ると判断したとする。前述のごとく、先頭縁弛みは投入機による布類の展開不良に起因する。この場合、通信制御部36は投入機に不具合信号を送信する。不具合信号を受信した投入機は、展開チャックの引張量を補正する。これにより、先頭縁弛みが解消される。
【0070】
以上のように、不良の発生源である布類処理装置61、62、63に不具合信号を送信するので、不具合信号を受信した布類処理装置61、62、63が自動的にパラメータを補正することで、リネン設備の不具合を自動的に解消できる。
【0071】
布類処理装置61、62、63に不具合信号を送信するのに代えて、補正値を送信してもよい。この場合、診断装置3はつぎのように構成される。
記憶部34には、予め、一または複数の不良種類と、それぞれの不良種類の発生源である布類処理装置61、62、63の識別子と、布類処理装置61、62、63の補正値とが記憶されている。なお、補正値は、一の不良種類に対して一の値としてもよいし、種類別不良率の増加幅に対応した複数の値としてもよい。
【0072】
統計処理部32がリネン設備に不具合が有ると判断した場合に、通信制御部36はその判断の根拠となった不良種類に対応する識別子および補正値を記憶部34から取得する。そして、通信制御部36は記憶部34から取得した識別子に対応する布類処理装置61、62、63に、取得した補正値を送信する。補正値を受信した布類処理装置61、62、63の制御装置は、受信した補正値を用いてその装置のパラメータを補正する。
【0073】
以上のように、不良の発生源である布類処理装置61、62、63に補正値を送信すれば、布類処理装置61、62、63が受信した補正値に基づきパラメータを補正することで、リネン設備の不具合を自動的に解消できる。
【0074】
〔第4実施形態〕- リネン設備の診断システム
つぎに、本発明の第4実施形態に係るリネン設備の診断システム4を説明する。
図9に示すように、診断システム4は第1、第2カメラ21、22と、画像処理装置30とを備えている。これらの構成は第1実施形態に係る診断装置1と同様であるので、同一部材に同一符号を付して説明を省略する。なお、表示装置40は設けてもよいし、設けなくてもよい。
【0075】
画像処理装置30は不良種類判別部31、統計処理部32、記憶部34に加え、通信制御部36を有している。通信制御部36はネットワーク50に接続されている。
【0076】
ネットワーク50には、さらにサーバ装置70とクライアントコンピュータ80とが接続されている。したがって、サーバ装置70は画像処理装置30と通信可能である。また、クライアントコンピュータ80はサーバ装置70と通信可能である。
【0077】
クライアントコンピュータ80は、一台に限らず、複数台でもよい。また、サーバ装置70とクライアントコンピュータ80とは、物理的に別のコンピュータとしてもよいし、物理的には共通のコンピュータとし、両方の機能を備えた構成としてもよい。
【0078】
サーバ装置70は、メモリやハードディスクなどの記憶装置や、CPUなどから構成されるコンピュータである。サーバ装置70は情報収集部71、ウェブアプリケーション部72を有している。情報収集部71、ウェブアプリケーション部72はサーバ装置70の記憶装置に記憶されたプログラムをCPUが実行することで実現される。
【0079】
クライアントコンピュータ80は汎用コンピュータである。クライアントコンピュータ80は表示装置81を備えている。
【0080】
つぎに、診断システム4の処理を説明する。
画像処理装置30は第1実施形態と同様にリネン設備の診断処理を行う。すなわち、不良種類判別部31は第1、第2カメラ21、22から取得した布類画像に基づいて布類が有する不良の不良種類を判別する。統計処理部32は不良種類判別部31から受け取った不良種類の判別結果に基づいて、布類の不良を統計的に分析し、リネン設備の不具合の有無を判断する。
【0081】
統計処理部32がリネン設備に不具合が有ると判断した場合に、通信制御部36はその判断の根拠となった不良種類に対応する不具合情報を記憶部34から取得する。そして、ネットワーク50を介して不具合情報をサーバ装置70に送信する。
【0082】
サーバ装置70の情報収集部71は、ネットワーク50を通じて画像処理装置30から受信した不具合情報を収集し、記憶する。不具合情報の記憶にはデータベースなどを利用できる。
【0083】
ウェブアプリケーション部72は、クライアントコンピュータ80からの要求に応じて、リネン設備の不具合情報を表示するためのHTML文書などの表示情報を生成する。クライアントコンピュータ80は、情報収集部71が収集した不具合情報をウェブアプリケーション部72を通じて取得する。そして、取得した不具合情報をウェブブラウザなどのソフトウエアにより表示装置81に表示する。
【0084】
以上のように、クライアントコンピュータ80の表示装置81にリネン設備の不具合情報を表示するので、リネン設備から離れた場所でもリネン設備を監視できる。
【0085】
本実施形態の診断システム4は不具合情報をメール送信する機能をさらに有する。
ネットワーク50には、さらに送信メールサーバ51と、受信メールサーバ52と、基地局53とが接続されている。また、ランドリー工場内で作業を行う作業員Wは携帯端末54を有している。
【0086】
サーバ装置70はメール送信部73を有している。情報収集部71が画像処理装置30から不具合情報を受信した場合、メール送信部73は受信した不具合情報をメール送信する。メール送信部73から送信したメールは、送信メールサーバ51、受信メールサーバ52、基地局53を介して携帯端末54で受信される。
【0087】
以上のように、不具合情報をメール送信することで、作業員Wに対して能動的に不具合を通知できる。そのため、作業員Wが早期にリネン設備の不具合を認識でき、早期に対応がとれる。
【0088】
本実施形態の診断システム4は布類処理装置61、62、63に不具合信号を送信する機能をさらに有する。
画像処理装置30の通信制御部36はランドリー工場内のイントラネット60にも接続している。イントラネット60にはリネン設備を構成する種々の布類処理装置61、62、63が接続されている。
【0089】
記憶部34には、予め、一または複数の不良種類と、それぞれの不良種類の発生源である布類処理装置61、62、63の識別子とが記憶されている。統計処理部32がリネン設備に不具合が有ると判断した場合に、通信制御部36はその判断の根拠となった不良種類に対応する識別子を記憶部34から取得する。そして、通信制御部36は取得した識別子をサーバ装置70に送信する。
【0090】
サーバ装置70は布類処理装置管理部74を有している。情報収集部71が画像処理装置30から識別子を受信した場合、布類処理装置管理部74は受信した識別子に対応する布類処理装置61、62、63に不具合信号を送信する。
【0091】
以上のように、不良の発生源である布類処理装置61、62、63に不具合信号を送信するので、不具合信号を受信した布類処理装置61、62、63が自動的にパラメータを補正することで、リネン設備の不具合を自動的に解消できる。
【0092】
布類処理装置61、62、63に不具合信号を送信するのに代えて、補正値を送信してもよい。この場合、診断システム4はつぎのように構成される。
記憶部34には、予め、一または複数の不良種類と、それぞれの不良種類の発生源である布類処理装置61、62、63の識別子と、布類処理装置の補正値とが記憶されている。
【0093】
統計処理部32がリネン設備に不具合が有ると判断した場合に、通信制御部36はその判断の根拠となった不良種類に対応する識別子および補正値を記憶部34から取得する。そして、通信制御部36は記憶部34から取得した識別子および補正値をサーバ装置70に送信する。
【0094】
情報収集部71が画像処理装置30から識別子および補正値を受信した場合、布類処理装置管理部74は受信した識別子に対応する布類処理装置61、62、63に補正値を送信する。補正値を受信した布類処理装置61、62、63の制御装置は、受信した補正値を用いてその装置のパラメータを補正する。
【0095】
以上のように、不良の発生源である布類処理装置61、62、63に補正値を送信すれば、布類処理装置61、62、63が受信した補正値に基づきパラメータを補正することで、リネン設備の不具合を自動的に解消できる。
【0096】
〔第5実施形態〕
つぎに、本発明の第5実施形態に係るリネン設備の診断システム5を説明する。
本実施形態の診断システム5は第4実施形態の診断システム4において、画像処理装置30の機能の一部をサーバ装置70に移したものである。
【0097】
図10に示すように、画像処理装置30は不良種類判別部31、統計処理部32、通信制御部36を有している。サーバ装置70は情報収集部71、ウェブアプリケーション部72に加えて、記憶部75を有している。記憶部75には、予め、一または複数の不良種類と、それぞれの不良種類の原因となるリネン設備に関する不具合情報とが記憶されている。
【0098】
画像処理装置30は第1実施形態と同様にリネン設備の診断処理を行う。すなわち、不良種類判別部31は第1、第2カメラ21、22から取得した布類画像に基づいて布類が有する不良の不良種類を判別する。統計処理部32は不良種類判別部31から受け取った不良種類の判別結果に基づいて、布類の不良を統計的に分析し、リネン設備の不具合の有無を判断する。
【0099】
統計処理部32がリネン設備に不具合が有ると判断した場合に、通信制御部36はその判断の根拠となった不良種類を、ネットワーク50を介してサーバ装置70に送信する。
【0100】
サーバ装置70の情報収集部71は、ネットワーク50を通じて画像処理装置30から受信した不良種類を収集し、記憶する。不良種類の記憶にはデータベースなどを利用できる。
【0101】
ウェブアプリケーション部72は、クライアントコンピュータ80からの要求に応じて、情報収集部71が収集した不良種類に対応する不具合情報を記憶部75から取得し、その不具合情報を表示するための表示情報を生成する。クライアントコンピュータ80は、不具合情報をウェブアプリケーション部72を通じて取得する。そして、取得した不具合情報をウェブブラウザなどのソフトウエアにより表示装置81に表示する。
【0102】
以上のように、クライアントコンピュータ80の表示装置81にリネン設備の不具合情報を表示するので、リネン設備から離れた場所でもリネン設備を監視できる。
【0103】
本実施形態の診断システム5は不具合情報をメール送信する機能をさらに有する。
ネットワーク50には、さらに送信メールサーバ51と、受信メールサーバ52と、基地局53とが接続されている。また、ランドリー工場内で作業を行う作業員Wは携帯端末54を有している。
【0104】
サーバ装置70はメール送信部73を有している。情報収集部71が画像処理装置30から不良種類を受信した場合、メール送信部73は情報収集部71が受信した不良種類に対応する不具合情報を記憶部75から取得し、不具合情報をメール送信する。メール送信部73から送信したメールは、送信メールサーバ51、受信メールサーバ52、基地局53を介して携帯端末54で受信される。
【0105】
以上のように、不具合情報をメール送信することで、作業員Wに対して能動的に不具合を通知できる。そのため、作業員Wが早期にリネン設備の不具合を認識でき、早期に対応がとれる。
【0106】
本実施形態の診断システム5は布類処理装置61、62、63に不具合信号を送信する機能をさらに有する。
画像処理装置30の通信制御部36はランドリー工場内のイントラネット60にも接続している。イントラネット60にはリネン設備を構成する種々の布類処理装置61、62、63が接続されている。
【0107】
サーバ装置70は布類処理装置管理部74を有している。また、記憶部75には、予め、一または複数の不良種類と、それぞれの不良種類の発生源である布類処理装置61、62、63の識別子とが記憶されている。情報収集部71が画像処理装置30から不良種類を受信した場合、布類処理装置管理部74は情報収集部71が受信した不良種類に対応する識別子を記憶部75から取得する。そして、布類処理装置管理部74は識別子に対応する布類処理装置61、62、63に不具合信号を送信する。
【0108】
以上のように、不良の発生源である布類処理装置61、62、63に不具合信号を送信するので、不具合信号を受信した布類処理装置61、62、63が自動的にパラメータを補正することで、リネン設備の不具合を自動的に解消できる。
【0109】
布類処理装置61、62、63に不具合信号を送信するのに代えて、補正値を送信してもよい。この場合、診断システム5はつぎのように構成される。
記憶部75には、予め、一または複数の不良種類と、それぞれの不良種類の発生源である布類処理装置61、62、63の識別子と、布類処理装置の補正値とが記憶されている。
【0110】
情報収集部71が画像処理装置30から不良種類を受信した場合、布類処理装置管理部74は情報収集部71が受信した不良種類に対応する識別子および補正値を記憶部75から取得する。そして、布類処理装置管理部74は識別子に対応する布類処理装置61、62、63に、取得した補正値を送信する。補正値を受信した布類処理装置61、62、63の制御装置は、受信した補正値を用いてその装置のパラメータを補正する。
【0111】
以上のように、不良の発生源である布類処理装置61、62、63に補正値を送信すれば、布類処理装置61、62、63が受信した補正値に基づきパラメータを補正することで、リネン設備の不具合を自動的に解消できる。
【0112】
〔第6実施形態〕
つぎに、本発明の第6実施形態に係るリネン設備の診断システム6を説明する。
本実施形態の診断システム6は第5実施形態の診断システム5において、さらに画像処理装置30の機能の一部をサーバ装置70に移したものである。
【0113】
図11に示すように、画像処理装置30は不良種類判別部31、通信制御部36を有している。サーバ装置70は情報収集部71、ウェブアプリケーション部72、記憶部75に加えて、統計処理部76を有している。
【0114】
画像処理装置30の不良種類判別部31は第1、第2カメラ21、22から取得した布類画像に基づいて布類が有する不良の不良種類を判別する。通信制御部36は不良種類判別部31による不良種類の判別結果を、ネットワーク50を介してサーバ装置70に送信する。
【0115】
サーバ装置70の情報収集部71は、ネットワーク50を通じて画像処理装置30から受信した不良種類の判別結果を収集する。統計処理部76は情報収集部71から受け取った不良種類の判別結果に基づいて、布類の不良を統計的に分析し、リネン設備の不具合の有無を判断する。また、統計処理部76はリネン設備に不具合が有ると判断した場合に、その判断の根拠となった不良種類を特定する。
【0116】
ウェブアプリケーション部72は、クライアントコンピュータ80からの要求に応じて、統計処理部76が特定した不良種類に対応する不具合情報を記憶部75から取得し、その不具合情報を表示するための表示情報を生成する。クライアントコンピュータ80は、不具合情報をウェブアプリケーション部72を通じて取得する。そして、取得した不具合情報をウェブブラウザなどのソフトウエアにより表示装置81に表示する。
【0117】
以上のように、クライアントコンピュータ80の表示装置81にリネン設備の不具合情報を表示するので、リネン設備から離れた場所でもリネン設備を監視できる。
【0118】
本実施形態の診断システム6は不具合情報をメール送信する機能をさらに有する。
ネットワーク50には、さらに送信メールサーバ51と、受信メールサーバ52と、基地局53とが接続されている。また、ランドリー工場内で作業を行う作業員Wは携帯端末54を有している。
【0119】
サーバ装置70はメール送信部73を有している。統計処理部76がリネン設備に不具合が有ると判断した場合、メール送信部73はその判断の根拠となった不良種類に対応する不具合情報を記憶部75から取得し、不具合情報をメール送信する。メール送信部73から送信したメールは、送信メールサーバ51、受信メールサーバ52、基地局53を介して携帯端末54で受信される。
【0120】
以上のように、不具合情報をメール送信することで、作業員Wに対して能動的に不具合を通知できる。そのため、作業員Wが早期にリネン設備の不具合を認識でき、早期に対応がとれる。
【0121】
本実施形態の診断システム6は布類処理装置61、62、63に不具合信号を送信する機能をさらに有する。
画像処理装置30の通信制御部36はランドリー工場内のイントラネット60にも接続している。イントラネット60にはリネン設備を構成する種々の布類処理装置61、62、63が接続されている。
【0122】
サーバ装置70は布類処理装置管理部74を有している。また、記憶部75には、予め、一または複数の不良種類と、それぞれの不良種類の発生源である布類処理装置61、62、63の識別子とが記憶されている。統計処理部76がリネン設備に不具合が有ると判断した場合、布類処理装置管理部74は情報収集部71が特定した不良種類に対応する識別子を記憶部75から取得する。そして、布類処理装置管理部74は識別子に対応する布類処理装置61、62、63に不具合信号を送信する。
【0123】
以上のように、不良の発生源である布類処理装置61、62、63に不具合信号を送信するので、不具合信号を受信した布類処理装置61、62、63が自動的にパラメータを補正することで、リネン設備の不具合を自動的に解消できる。
【0124】
布類処理装置61、62、63に不具合信号を送信するのに代えて、補正値を送信してもよい。この場合、診断システム4はつぎのように構成される。
記憶部75には、予め、一または複数の不良種類と、それぞれの不良種類の発生源である布類処理装置61、62、63の識別子と、布類処理装置の補正値とが記憶されている。
【0125】
統計処理部76がリネン設備に不具合が有ると判断した場合、布類処理装置管理部74は情報収集部71が特定した不良種類に対応する識別子および補正値を記憶部75から取得する。そして、布類処理装置管理部74は識別子に対応する布類処理装置61、62、63に補正値を送信する。補正値を受信した布類処理装置61、62、63の制御装置は、受信した補正値を用いてその装置のパラメータを補正する。
【0126】
以上のように、不良の発生源である布類処理装置61、62、63に補正値を送信すれば、布類処理装置61、62、63が受信した補正値に基づきパラメータを補正することで、リネン設備の不具合を自動的に解消できる。
【符号の説明】
【0127】
1、2、3 診断装置
21、22 カメラ
30 画像処理装置
31 不良種類判別部
32 統計処理部
33 表示制御部
34 記憶部
35 メール送信部
36 通信制御部
40 表示装置
4、5、6 診断システム
70 サーバ装置
71 情報収集部
72 ウェブアプリケーション部
73 メール送信部
74 布類処理装置管理部
75 記憶部
76 統計処理部
80 クライアントコンピュータ
81 表示装置