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特許7061893シールド掘削機制御システム及びシールド掘削機制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-21
(45)【発行日】2022-05-02
(54)【発明の名称】シールド掘削機制御システム及びシールド掘削機制御方法
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/093 20060101AFI20220422BHJP
   G06N 5/04 20060101ALI20220422BHJP
   G06F 17/17 20060101ALI20220422BHJP
   G06F 17/18 20060101ALI20220422BHJP
【FI】
E21D9/093 A
E21D9/093 C
E21D9/093 B
E21D9/093 E
G06N5/04
G06F17/17
G06F17/18 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018029147
(22)【出願日】2018-02-21
(65)【公開番号】P2019143388
(43)【公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】和田 健介
(72)【発明者】
【氏名】野澤 剛二郎
(72)【発明者】
【氏名】杉山 博一
(72)【発明者】
【氏名】穂刈 利之
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-089998(JP,A)
【文献】特開平06-307185(JP,A)
【文献】特開平05-248173(JP,A)
【文献】特開平10-260718(JP,A)
【文献】特開平02-115492(JP,A)
【文献】特開平04-055595(JP,A)
【文献】米国特許第05529437(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 9/093
G06N 5/04
G06F 17/17
G06F 17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールド掘削機の動作状況を監視する監視項目データの計測値を入力データとし、機械学習モデルから出力される前記シールド掘削機の制御に用いる制御データにより前記シールド掘削機の制御を行うシールド掘削機制御システムであって、
シールド掘削機に設けられた検出器から入力される、シールド掘削機の掘削状態を監視する前記監視項目データの前記計測値に基づき、前記制御データを出力する機械学習モデル部と、
前記計測値と所定のルールとに基づいて前記制御データを導出するルールベースデータ生成部と、
前記計測値に基づき、前記制御データを前記機械学習モデル部に出力させるか、前記ルールベースデータ生成部に出力させるか、前記シールド掘削機を停止させるかのいずれかの処理を行わせる制御部と
前記監視項目データの前記計測値が欠損しているか、あるいは異常値であるか否かを判定するデータ判定部と、
前記監視項目データの前記計測値が機械学習モデルを学習する際に用いた教師データのデータ範囲内であるか否かの判定を行うデータ範囲判定部と
を備え、
前記制御部が、前記監視項目データの前記計測値が欠損あるいは異常値である場合、前記シールド掘削機の制御を停止させ、前記監視項目データの前記計測値が前記データ範囲外である場合、前記制御データの生成をルールベース処理部に行わせ、前記監視項目データの前記計測値が前記データ範囲内である場合、前記制御データの生成を前記機械学習モデル部に行わせる
とを特徴とするシールド掘削機制御システム。
【請求項2】
前記監視項目データの前記計測値が欠損している場合には補完し、異常値である場合には補正する補完補正部をさらに備え、
前記データ範囲判定部が、補完及び補正した前記監視項目データの計測値が前記データ範囲内であるか否かの判定を行う
ことを特徴とする請求項に記載のシールド掘削機制御システム。
【請求項3】
前記監視項目データの前記計測値の欠損あるいは異常値が所定の期間継続しているか否かの判定を行う異常判定部をさらに備え、
前記制御部が、
前記監視項目データの前記異常値が前記データ範囲外であり、かつ所定の許容値内であれば、当該監視項目データを前記ルールベースデータ生成部に供給し、
前記欠損が所定の期間継続する場合、あるいは許容値を所定の期間継続して超える異常値である場合、前記シールド掘削機を停止させる
ことを特徴とする請求項または請求項に記載のシールド掘削機制御システム。
【請求項4】
監視項目データ入力部が、前記監視項目データにおける所定の種類の監視項目データの計測値を所定の範囲内において移動平均し、移動平均した結果を計測値として用いる
ことを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載のシールド掘削機制御システム。
【請求項5】
シールド掘削機の動作状況を監視する監視項目データの計測値を入力データとし、機械学習モデルから出力される前記シールド掘削機の制御に用いる制御データにより前記シールド掘削機の制御を行うシールド掘削機制御方法であって、
機械学習モデル部が、シールド掘削機に設けられたセンサから入力される、シールド掘削機の掘削状態を監視する前記監視項目データの前記計測値に基づき、前記制御データを出力する機械学習モデル過程と、
ルールベースデータ生成部が、前記計測値と所定のルールとに基づいて前記制御データを導出するルールベースデータ生成過程と、
制御部が、前記計測値に基づき、前記制御データを前記機械学習モデル部に出力させるか、前記ルールベースデータ生成部に出力させるか、前記シールド掘削機を停止させるかのいずれかの処理を行わせる制御過程と
前記監視項目データの前記計測値が欠損しているか、あるいは異常値であるか否かを判定するデータ判定過程と、
前記監視項目データの前記計測値が機械学習モデルを学習する際に用いた教師データのデータ範囲内であるか否かの判定を行うデータ範囲判定過程と、
を含み、
前記制御過程は、前記監視項目データの前記計測値が欠損あるいは異常値である場合、前記シールド掘削機の制御を停止させ、前記監視項目データの前記計測値が前記データ範囲外である場合、前記制御データの生成をルールベース処理部に行わせ、前記監視項目データの前記計測値が前記データ範囲内である場合、前記制御データの生成を前記機械学習モデル部に行わせることを含む
ールド掘削機制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド掘削機制御システム及びシールド掘削機制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、シールド工法によりトンネルなどを築造する際、シールド掘削機が掘削する現場の施工環境(土質、水圧などの地山の状態)は、現場の位置により刻々変化する。そのため、施工環境の変化に対応させて、シールド掘削機の掘削における進行速度及び進行方向などの制御を、オペレータが行なう必要がある。
すなわち、施工環境の異なる現場の各々に対応して、オペレータがシールド掘削機の制御を適切に行なわなければ、掘削されたトンネルの設計に対する精度や安全性が低下する。
【0003】
また、オペレータは、様々な現場においてトンネルの施工を行なうことで、施工環境の変化に対応したシールド掘削機の制御の経験を養い、熟練度を向上させている。
熟練したオペレータは、掘削中の現場におけるシールド掘削機の制御を行なう際、現在の現場の施工環境に対応した制御を、過去の似たような施工環境における制御の知識を応用して行なっている。しかし、施工した現場の数の少ないオペレータの場合、経験したことのない施工環境においては、乏しい経験と基礎的な操作知識では、その施工環境おける適切なシールド掘削機の制御を行なうことができない。
【0004】
このため、オペレータの各々のシールド掘削機の制御の熟練度によって、掘削されるトンネルの設計に対する精度や安全性がばらついてしまう。
この問題を解決するため、掘削の際におけるシールド掘削機のカッターの回転状態及び推進ジャッキの推進状態を示す計測データにより、シールド掘削機を自動運転させる構成がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平07-71189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1においては、熟練したオペレータによるシールド掘削機の操作を十分に再現することができない。すなわち、測定した計測データと設定値とを比較することで制御が行なわれるため、熟練したオペレータの経験に基づいた制御と異なり、時々刻々と変化する現場の施工環境に対応した制御が適切に行なわれているとは限らず、掘削されたトンネルの設計に対する精度や安全性が向上するとは言えない。
【0007】
また、人間の感情解析や装置の操作などを、予め教師データにより学習させた機械学習モデルを用いて、教師データと同様の計測値を入力して、解析結果や操作の設定値を推定することが一般的に行われている。
そのため、熟練したオペレータの操作を教師データとして、機械学習によりシールド掘削機の操作を学習させた機械学習モデルを用いることで、より熟練したオペレータに近い操作を行う設定値を推定することが考えられる。
【0008】
上述した機械学習モデルにおいては、シールド掘削機から得られる計測値を含む複数のデータを元に、シールド掘削機を操作するために次に与える操作量としての設定値を求める構成となる。
しかしながら、計測値が異常な数値であったり、計測値が欠損しているなどの場合、機械学習モデルでは、シールド掘削機を適切に操作する設定値が求められない。また、異常な設定値が求められることにより、シールド掘削機を用いた工事の安全性や品質に悪影響を及ぼす虞がある。
【0009】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、シールド掘削機の制御を、熟練したオペレータの施工環境に対応した機械学習モデルにより実行する際、シールド掘削機から機械学習モデルに入力するデータに異常値或いは欠損値が存在した場合、工事の安全性や品質を低下させずシールド掘削機の制御を行うシールド掘削機制御システム及びシールド掘削機制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明のシールド掘削機制御システムは、シールド掘削機の動作状況を監視する監視項目データの計測値を入力データとし、機械学習モデルから出力される前記シールド掘削機の制御に用いる制御データにより前記シールド掘削機の制御を行うシールド掘削機制御システムであって、シールド掘削機に設けられた検出器から入力される、シールド掘削機の掘削状態を監視する前記監視項目データの前記計測値に基づき、前記制御データを出力する機械学習モデル部と、前記計測値と所定のルールとに基づいて前記制御データを導出するルールベースデータ生成部と、前記計測値に基づき、前記制御データを前記機械学習モデル部に出力させるか、前記ルールベースデータ生成部に出力させるか、前記シールド掘削機を停止させるかのいずれかの処理を行わせる制御部と、前記監視項目データの前記計測値が欠損しているか、あるいは異常値であるか否かを判定するデータ判定部と、前記監視項目データの前記計測値が機械学習モデルを学習する際に用いた教師データのデータ範囲内であるか否かの判定を行うデータ範囲判定部とを備え、前記制御部が、前記監視項目データの前記計測値が欠損あるいは異常値である場合、前記シールド掘削機の制御を停止させ、前記監視項目データの前記計測値が前記データ範囲外である場合、前記制御データの生成をルールベース処理部に行わせ、前記監視項目データの前記計測値が前記データ範囲内である場合、前記制御データの生成を前記機械学習モデル部に行わせる
【0011】
本発明のシールド掘削機制御方法は、シールド掘削機の動作状況を監視する監視項目データの計測値を入力データとし、機械学習モデルから出力される前記シールド掘削機の制御に用いる制御データにより前記シールド掘削機の制御を行うシールド掘削機制御方法であって、機械学習モデル部が、シールド掘削機に設けられたセンサから入力される、シールド掘削機の掘削状態を監視する前記監視項目データの前記計測値に基づき、前記制御データを出力する機械学習モデル過程と、ルールベースデータ生成部が、前記計測値と所定のルールとに基づいて前記制御データを導出するルールベースデータ生成過程と、制御部が、前記計測値に基づき、前記制御データを前記機械学習モデル部に出力させるか、前記ルールベースデータ生成部に出力させるか、前記シールド掘削機を停止させるかのいずれかの処理を行わせる制御過程と、前記監視項目データの前記計測値が欠損しているか、あるいは異常値であるか否かを判定するデータ判定過程と、前記監視項目データの前記計測値が機械学習モデルを学習する際に用いた教師データのデータ範囲内であるか否かの判定を行うデータ範囲判定過程と、を含み、前記制御過程は、前記監視項目データの前記計測値が欠損あるいは異常値である場合、前記シールド掘削機の制御を停止させ、前記監視項目データの前記計測値が前記データ範囲外である場合、前記制御データの生成をルールベース処理部に行わせ、前記監視項目データの前記計測値が前記データ範囲内である場合、前記制御データの生成を前記機械学習モデル部に行わせることを含む
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シールド掘削機の制御を、熟練したオペレータの施工環境に対応した機械学習モデルにより実行する際、シールド掘削機から機械学習モデルに入力するデータに異常値或いは欠損値が存在した場合、工事の安全性や品質を低下させずシールド掘削機の制御を行うシールド掘削機制御システム及びシールド掘削機制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態のシールド掘削機制御システムが制御を行なう対象のシールド掘削機を説明する図である。
図2】本実施形態によるシールド掘削機制御システムの構成例を示す図である。
図3】記憶部20に書き込まれている監視項目データテーブルの構成例を示す図である。
図4】学習データ範囲と限界値範囲との関係を説明する図である。
図5】本実施形態のシールド掘削機制御システムによるシールド掘削機の制御動作の一例を示すフローチャートの図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明によるシールド掘削機制御分析システムの実施形態について、図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態のシールド掘削機制御システムが制御を行なう対象のシールド掘削機を説明する図である。
図1(a)は、本実施形態のシールド掘削機制御分析システムの制御分析を行なう対象のシールド掘削機の概念図を示している。
掘削機構50は、円筒形のスキンプレート2の矢印D1方向後部でエレクタ(図示略)によりセグメントを組み立てることにより、一次覆工Sを施工しつつ、シールド掘削機30を掘削させるための機構である。掘削機構50においては、切羽23を備えた環状且つ面板型のカッター10の矢印D1方向後方に作泥土室7が設けられている。作泥土室7には作泥土材注入管8から作泥土材9が注入され、図示しない練混ぜ翼によって強力に練混ぜることによって掘削された土砂を泥土に変換し、泥土圧を土圧・水圧とバランスさせることにより切羽23を安定させ、掘削を行う。ここで、掘削機構50の作泥土室7に堆積した掘削残土は、スクリューコンベア60に導入され、コンベア62及び63を介して、掘削しているトンネルの外部に排土される。架台Mは、スクリューコンベア60、コンベア62及び63各々を支持している。また、図示していないが、掘削機構50は、推進ジャッキ(後述)が設けられており、この推進ジャッキにより掘削方向及び推進速度の制御が行なわれる。
【0015】
本実施形態においては、推進ジャッキの油圧制御により、スキンプレート2の推進方向及び推進速度を制御(以下、単に方向制御と示す場合もある)し、また、スクリューコンベア60のスクリューの回転速度(後述するスクリュー速度)を制御することにより、泥土圧を制御(以下、単に土圧制御と示す場合もある)している。後述するシールド掘削機制御システムは、これらの制御対象の状態を示す監視項目データの各々を取得し、シールド掘削機を制御する制御データを、機械学習モデルにより推定する(後述)。
【0016】
本実施形態においては、推進ジャッキの制御データとして油圧制御などにより、スキンプレート2の推進方向及び推進速度を制御(方向制御)し、また、スクリューコンベア60の制御データとしてスクリューの回転速度(スクリュー回転速度)などを制御することにより、泥土圧を制御(土圧制御)する制御データを取得するものとする。また、本実施形態において、監視項目データとしては、掘削している施工環境及びシールド掘削機30の稼働状態を監視するデータ(監視項目データ)として、例えば、カッタートルク、カッター速度、推進圧力、推進速度、推進速度指示書逸脱値、制御土圧、切羽土圧平均値指示書範囲外ダミー、アジテータトルク、スクリュー速度、1次スクリュー圧力、2次スクリュー圧力、NO.1コピーストローク、NO.1コピーストローク指示値差、NO.1コピー位置、NO.1コピー位置指示書逸脱値、ピッチング、ピッチング指示値差、ローリング、ローリング指示値差、上下中折れ角度、上下中折れ角度指示値差、左右中折れ角度、左右中折れ角度指示値差、S/M前胴方位、S/M前胴方位指示値差、S/M後胴方位、S/M後胴方位指示値差、計画路線水平偏差(管理点)、計画路線垂直偏差(管理点)、方位(管理点)、方位指示値差(管理点)、計画路線方位(管理点)、ピッチ(管理点)、計画路線ピッチ(管理点)などがある。
【0017】
図1(b)は、掘削機構50を推進させる推進ジャッキを説明する概念図を示している。図1(b)に示すように、いずれの位置の推進ジャッキを駆動するかにより、スキンプレート2の面を推進させる力点を設定する。図1(b)においては、22個の推進ジャッキが示されているが、この数は限定されない。各推進ジャッキのジャッキ圧の配分を行なうことにより、x軸における推進ジャッキ力点位置Fxと、y軸における推進ジャッキ力点位置Fyとが設定され、マークPが力点の位置となる。スキンプレート2の面の力点に対応した位置に、推進する圧力がかかることで、掘削機構50が推進する方向が設定される。この方向の制御は、推進ジャッキのいずれを駆動するかを示す推進ジャッキパターンにより行なわれる。そして、ジャッキ圧を上げるために単位時間あたりに供給する油の量(油量)により、推進速度が設定される。
【0018】
図2は、本実施形態によるシールド掘削機制御システムの構成例を示す図である。図2において、シールド掘削機制御システム1は、監視項目データ入力部11、データ判定部12、補正補完部13、データ範囲判定部14、異常停止判定部15、制御部16、機械学習モデル部17、ルールベースデータ生成部18、出力チェック部19及び記憶部20の各々を備えている。
【0019】
監視項目データ入力部11は、図示しない計時手段(タイマーなど)からの所定の周期の時間(例えば、1秒間)の経過を示す計時信号が供給されたタイミングにおいて、上述した監視項目の各々のデータを計測値として、各部位に備えられた検出手段(センサ及び測定器など)それぞれから、上記監視項目データを取得する。また、監視項目データ入力部11は、記憶部20における監視項目データテーブルに対して、取得した監視項目データの計測値を順次書き込んで記憶させる。このとき、監視項目データ入力部11は、監視項目データの種類毎に、所定の期間の複数の計測値を記憶しており、新たな計測値を書き込む際、最も古い計測値に上書きして書き込んで記憶させる。
【0020】
また、監視項目データ入力部11は、機械学習モデル部17及びルールベースデータ生成部18に対して、監視項目データによって計測値を基準化(規格化)された数値や平均化された数値として供給する必要がある場合、基準化や平均化の計算を行う。この平均化する処理とは、例えば監視項目データにおける制御土圧など計測値の場合、ノイズが重畳するなどして異常に高い、あるいは異常に低い数値として供給されることがある。この結果、ノイズによって異常停止を繰り返すことにより、シールド掘削機による工事の進捗に影響を与えてしまう。このため、監視項目データ入力部11は、予め設定された監視項目データの計測値については、過去の所定の期間における計測値と移動平均などを求めて、この移動平均を監視項目データの計測値として用いる。
【0021】
図3は、記憶部20に書き込まれている監視項目データテーブルの構成例を示す図である。レコード毎に、監視項目データ種類、取得データ、欠損期間、対応センサ計測範囲、学習データ範囲、限界値範囲の各々の欄が設けられている。監視項目データ種類は、監視項目データの種別を示す。取得データは、取得された監視項目データの最新の計測値である。欠損期間は、計測される計測値が欠損値として供給され始めてからの経過時間である。対応センサ計測範囲は、監視項目データを取得するセンサの計測範囲の上限値及び下限値の各々が示されている。学習データ範囲は、機械学習モデル部17における機械学習モデル(後述)の学習の教師データに用いた監視項目データの計測値の範囲(計測値の上限値X2と下限値X1とからなる範囲)を示している。限界値範囲は、監視項目データの各種類に設定されており、測定値として危険を示す限界値範囲(限界値の上限値Y2と下限値Y1とからなる範囲)である。
【0022】
図4は、学習データ範囲と限界値範囲との関係を説明する図である。
監視項目データの学習データ範囲は、管理値の上限値X2以下であり、かつ下限値X1以上の範囲P1である。監視項目データの許容範囲は、管理値の上限値X2を超え、かつ限界値の上限値Y2以下の範囲P22と、管理値の下限値X1未満であり、かつ限界値の下限値Y11以上の範囲P11である。異常値は、限界値の上限値Y2を超える値と、限界値の下限値Y1未満の値である。
【0023】
図2に戻り、データ判定部12は、新たに計測した計測値が欠損している(例えば、「0」のデータ)か異常であるかの判定を行う。このとき、データ判定部12は、記憶部20における監視項目データテーブルを参照し、対応センサ計測範囲を超えている場合に、異常とする。そして、データ判定部12は、欠損あるいは異常と判定された監視項目データの計測値に対して、欠損あるいは異常との付加情報を付して、補正補完部13に対して出力する。
【0024】
補正補完部13は、データ判定部12から監視項目データの計測値が供給されると、付加情報が欠損であるか、異常であるかの判定を行う。ここで、補正補完部13は、付加情報が欠損である場合、記憶部20における監視項目データテーブルを参照し、対応する監視項目データの計測値の履歴(所定期間に取得した計測値)を読み出し、所定期間内の計測値を平均して補完の計測値を生成し、この補完した計測値を欠損している計測値の箇所に書き込んで記憶させる。このとき、補正補完部13は、この計測値の補完を最初に行った時刻から、補完が継続する期間をカウントし、記憶部20における監視項目データテーブルの欠損期間の箇所にカウント値を書き込んで記憶させる。本実施形態において、計測値が欠損して得られない場合に、過去の履歴における計測値を用いて作成して欠損した計測値とすることを補完と示し、異常な計測値を正常範囲内に修正することを補正と示す。
【0025】
また、補正補完部13は、補正補完部13は、付加情報が異常である場合、記憶部20における監視項目データテーブルを参照し、対応する監視項目データの計測値を計測するセンサの対応センサ計測範囲に基づき、異常とされる計測値の補正を行う。このとき、補正補完部13は、計測値が対応センサ計測範囲の上限値を超えている場合、計測値をこの上限値に置き換え、一方、計測値が対応センサ計測範囲の下限値未満である場合、計測値をこの下限値に置き換える。そして、補正補完部13は、記憶部20における監視項目データテーブルにおいて、補正した計測値を元の計測値に対して上書きして記憶させる。加えて、補正補完部13は、この計測値の補正を最初に行った時刻から、補正が継続する期間をカウントし、記憶部20における監視項目データテーブルの異常期間の箇所にカウント値を書き込んで記憶させる。
【0026】
データ範囲判定部14は、監視項目データの各々の計測値(補完及び補正を行った計測値も含む)が、機械学習モデルを学習させる際に用いた教師データにおける計測値の最大値と最小値とを範囲とする学習データ範囲(教師データの計測値の最小値(管理値の下限値)以上、かつ最大値(管理値の上限値)以下)に含まれているか否かの判定を行う。このとき、データ範囲判定部14は、判定の結果において、各監視項目データの計測値が学習データ範囲に含まれているか、あるいは許容範囲に含まれているかの判定を行う。また、データ範囲判定部14は、計測値が限界値範囲の上限値を超えた場合、あるいは限界値範囲の下限値未満である場合、異常停止判定部15に対してシールド掘削機(シールド掘削機30、以降も同様)を異常停止を行う異常停止信号を送信する。上述した学習データ範囲は、第1設定余裕値を計測値の最小値から減算した数値を下限値とし、第2設定余裕値を計測値の最大値に加算した数値を上限値として、実際に計測された上限及び下限の計測値の範囲に対して余裕を持たせて構成した範囲としても良い。上記第1設定余裕値と第2設定余裕値とは、正の値であり同一の数値あるいは異なった数値のいずれを用いても良い。また、上記第1設定余裕値及び第2設定余裕値の各々は、それぞれ計測値の上限値、下限値に対して所定の係数を乗算して生成しても良い。ただし、上限値及び下限値の各々が負の数値の場合、絶対値に変換して正の数値として上述の処理により学習データ範囲を構成するか、あるいは下限値の場合に加算し、上限値の場合に減算した処理により学習データ範囲を構成する処理を行う。
また、データ判定部12は、欠損も異常でもない監視項目データの計測値が供給された場合、記憶部20における監視項目データテーブルの欠損期間及び異常期間のカウント値をリセットして「0」とする。
【0027】
異常停止判定部15は、制御データの設定値の推定を行う周期毎に、記憶部20における監視項目データテーブルを参照し、監視項目データの各々の欠損期間及び異常期間の各々が、それぞれに予め設定された限界期間を超えたか否かの判定を行う。このとき、異常停止判定部15は、監視項目データの各々の欠損期間あるいは異常期間のいずれかがそれぞれの限界期間を超えた場合、シールド掘削機の異常停止を行う。ここで、欠損期間が限界期間を超えた場合、シールド掘削機に設けられた、あるいはシールド掘削機周囲に設けられたセンサが故障している場合が考えられる。そして、シールド掘削機の稼働状態、掘削している周囲の環境状態を含む掘削に対応する掘削状態が不明のまま、シールド掘削機の稼働を継続した場合、工事の安全性及び品質を低下させる虞があるため、本実施形態におけるシールド掘削機制御システム1は、計測値の欠損が継続した場合、シールド掘削機を異常停止させる。
【0028】
また、異常期間が限界期間を超えた場合、上記センサが故障している場合、シールド掘削機の稼働状態が異常な状態(低速な推進速度が継続している状態)、あるいは掘削している周囲の環境状態が異常な状態(高い制御土圧が継続している状態など)が考えられる。
センサが故障していたり、シールド掘削機の稼働状態及び掘削している周囲の環境状態が異常な状態であるまま、シールド掘削機の稼働を継続した場合、工事の安全性及び品質を低下させる虞があるため、本実施形態におけるシールド掘削機制御システム1は、計測値の異常が継続した場合、シールド掘削機を異常停止させる。また、異常停止判定部15は、データ範囲判定部14から異常停止信号が供給された場合にも、シールド掘削機の異常停止を行う。
【0029】
制御部16は、データ範囲判定部14からの監視項目データの計測値が学習データ範囲内に含まれるか否かの判定結果に基づき、シールド掘削機の操作の制御データの設定値の推定を、機械学習モデル部17及びルールベースデータ生成部18のいずれに行わせるかの制御を行う。このとき、制御部16は、上記判定結果が全ての監視項目データの計測値が学習データ範囲内に含まれている場合、シールド掘削機の操作の制御データの設定値の推定を機械学習モデル部17に対して行わせる。一方、制御部16は、上記判定結果がいずれかの監視項目データの計測値が学習データ範囲外で、かつ許容範囲に含まれる場合、シールド掘削機の操作の制御データの設定値の推定をルールベースデータ生成部18に対して行わせる。
【0030】
機械学習モデル部17は、機械学習アルゴリズムを用いてシールド掘削機の操作のための制御データの設定値を、入力される計測値に対応して推定するための機械学習モデルを教師データにより生成し、生成した機械学習モデルを用いて計測値に対応するシールド掘削機の操作の制御データの設定値を推定する。例えば、本実施形態における機械学習モデルは、監視項目データ(特徴量ベクトル)の設定値が入力データとして機械学習アルゴリズムに入力され、制御データ(推進ジャッキの油圧の制御データ、スクリューコンベア60のスクリュー回転速度など)の設定値を推定して出力する。
【0031】
このため、機械学習モデル部17は、まず、正解の制御データが分かっている特徴量ベクトルである監視項目データの計測値を教師データとして機械学習アルゴリズムに入力し、制御データの設定値を推定する機械学習モデルを生成する。そして、機械学習モデル部17は、学習済みの機械学習モデルに対して、センサからなどから供給される監視項目データの計測値を入力し、入力した計測値に適合すると推測される制御データの設定値を推定する。
【0032】
また、機械学習モデル部17は、生成した機械学習モデルを用いて推定された制御データの設定値に対する正誤のフィードバックが得られた際、そのフィードバックを教師データに含めて、機械学習モデルの再構築を行う。そして、機械学習モデル部17は、再構築以降において、再構築した機械学習モデルを用いて、入力される監視項目データの計測値に適合する制御データの設定値の推定を行う。
ここで、機械学習は、監視項目データの計測値を説明変数とし、制御データの設定値を被説明変数としたモデルを作成する。すなわち、入力される説明変数と出力される被説明変数との間のモデルを機械学習により作成し、このモデルを用いることにより、説明変数の組合わせに対応して、関連性の高い被説明変数が得られるようにする。このモデルを用いることにより、説明変数である監視項目データの変化に対応して、被説明変数である制御データのいずれを制御する必要があるかが明確に得られる。ここで、モデルを作成する機械学習の技法としては、決定木学習、ニューラルネットワーク、遺伝的プログラミング、サポートベクタマシン、ディープラーニングなどの一般的に用いられている技法のいずれを用いても良い。
【0033】
ルールベースデータ生成部18は、例えばエキスパートシステムの機能を有し、条件部と結論部とからなるプロダクションルールの集合が記憶されており、供給される監視項目データの計測値と、条件部のプロダクションルールとの適合状況を判定する。
そして、ルールベースデータ生成部18は、この適合状況が最も高い条件部に対応する結論部に記載された内容を推論の結論として、すなわち結論部に示されている制御データの設定値を推定値として出力する。
【0034】
出力チェック部19は、機械学習モデル部17及びルールベースデータ生成部18の各々から供給される、推定値としての制御データの設定値の各々が、制御データ毎にそれぞれ予め設定された設定値範囲に含まれるか否かの判定を行う。
このとき、出力チェック部19は、制御データの設定値が上記設定範囲の上限値を超える場合、この設定値を上限値に補正してシールド掘削機に対して出力する。また、出力チェック部19は、制御データの設定値が設定範囲の下限値未満の場合、この設定値を下限値に補正してシールド掘削機に対して出力する。
【0035】
図5は、本実施形態のシールド掘削機制御システムによるシールド掘削機の制御動作のフローチャートの一例を示す図である。
ステップS1:監視項目データ入力部11は、シールド掘削機に設けられている監視項目データの計測値を計測するセンサの各々から、監視項目データそれぞれの計測値を入力し、この計測値を記憶部20の監視項目データテーブルに書き込んで記憶させる。そして、監視項目データ入力部11は、予め移動平均を計測値とすることが設定された監視項目データの計測値を、すなわち移動平均を計算する所定の範囲における過去の計測値を、記憶部20の監視項目データテーブルから読み出し、計測値の移動平均を算出する。そして、監視項目データ入力部11は、得られた移動平均の算出結果を上記監視項目データの計測値として、この計測値を記憶部20の監視項目データテーブルに書き込んで記憶させる。
【0036】
ステップS2:データ判定部12は、記憶部20の監視項目データテーブルを参照し、最も新しい計測値を抽出し、この計測値が異常あるいは欠損しているか否かの判定を行う。このとき、データ判定部12は、計測値が異常あるいは欠損の場合、処理をステップS3へ進め、一方、計測値が異常及び欠損していない場合、処理をステップS4へ進める。
【0037】
ステップS3:補正補完部13は、データ判定部12から供給される監視項目データの計測値に付加された付加情報の確認を行う。そして、補正補完部13は、付加情報において計測値が異常と示されている場合、計測値の数値に対応して、対応センサ計測範囲の上限値あるいは下限値を用いてこの計測値の補正を行う。補正補完部13は、記憶部20の監視項目データテーブルにおいて、補正した計測値を新たな計測値とし、補正前の計測値に対して上書きする。このとき、補正補完部13は、記憶部20の監視項目データテーブルにおいて、補正した監視項目データの異常期間のカウントを進める処理を行う。
【0038】
また、補正補完部13は、付加情報において計測値が欠損と示されている場合、記憶部20の監視項目データテーブルを参照し、所定の範囲における過去の計測値の平均値(あるいは中間値)などを求めて、欠損している計測値の補完を行う。補正補完部13は、記憶部20の監視項目データテーブルにおいて、補完した計測値を新たな計測値とし、補完前の欠損した計測値の場所に対して書き込んで記憶させる。このとき、補正補完部13は、記憶部20の監視項目データテーブルにおいて、補完した監視項目データの欠損期間のカウントを進める処理を行う。
【0039】
ステップS4:データ範囲判定部14は、記憶部20の監視項目データテーブルにおいて、各監視項目データの計測値を参照し、限界値範囲を超えているか否かの判定を行う。このとき、データ範囲判定部14は、計測値が限界値範囲を超えている場合、異常停止信号を異常停止判定部15に送信して処理をステップS8へ進め、一方、計測値が限界値範囲内に含まれる場合、処理をステップS5へ進める。
【0040】
ステップS5:異常停止判定部15は、記憶部20の監視項目データテーブルを参照し、限界期間を超えた欠損期間または異常期間を有する監視項目データの有無を判定する。そして、異常停止判定部15は、限界期間を超えた欠損期間または異常期間を有する監視項目データがある場合、処理をステップS8へ進め、一方、上記監視項目データがない場合、処理をステップS6へ進める。
【0041】
ステップS6:データ範囲判定部14は、監視項目データの全ての計測値の各々が、それぞれの学習データ範囲に含まれているか否かの判定を行う。このとき、データ範囲判定部14は、全ての計測値が学習データ範囲に含まれている場合、処理をステップS7へ進め、一方、いずれかの計測値が学習データ範囲に含まれていない場合、処理をステップS9へ進める。
【0042】
ステップS7:制御部16は、全ての計測値が学習データ範囲に含まれていると判定された場合、制御データの設定値の推定を機械学習モデル部17に対して行わせる。これにより、機械学習モデル部17は、記憶部20の監視項目データテーブルを参照し、最も新しい計測値を読み出して、機械学習モデルに入力して出力される推定値を制御データの設定値として出力チェック部19に対して出力し、処理をステップS1に進める。
【0043】
ステップS8:異常停止判定部15は、データ範囲判定部14から異常停止信号が供給された場合、あるいは限界期間を超えた欠損期間または異常期間を有する監視項目データがある場合、強制的にシールド掘削機を異常停止させる。
【0044】
ステップS9:制御部16は、全ての監視項目データにおける計測値の各々がそれぞれの監視項目データに対応する学習データ範囲に含まれておらず、この学習データ範囲に含まれていない計測値が限界値範囲に含まれていない場合、すなわち監視項目データの学習データ範囲に含まれていない計測値が許容範囲内にある(学習データ範囲を超えかつ限界値未満の範囲にある)と判定された場合、制御データの設定値の推定をルールベースデータ生成部18に対して行わせる。これにより、ルールベースデータ生成部18は、記憶部20の監視項目データテーブルを参照し、最も新しい計測値を読み出して、条件部に入力して結論部から出力される推定値を制御データの設定値として出力チェック部19に対して出力し、処理をステップS1に進める。
【0045】
上述した構成により、本実施形態によれば、シールド掘削機に設けられたセンサから供給される全ての監視項目データの計測値が学習データ範囲に含まれているか、あるいは学習データ範囲と限界値範囲との間にある許容範囲に含まれているか、限界値範囲を超えているかにより、機械学習モデル、またはルールベースにより制御データの設定値を推定するか、あるいはシールド掘削機を異常停止させるかを選択するため、計測値に異常値あるいは欠損値が存在した場合、工事の安全性や品質を低下することなくシールド掘削機を制御することができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、監視項目データの計測値が限界値範囲を超えていない場合、計測値の欠損あるいは異常な計測値が存在していても、欠損期間及び異常期間の各々を設けているため、ノイズなどの計測値がセンサから供給されても、所定の期間において計測値を観察することになるため、過渡にシールド掘削機を異常停止(緊急停止)させることがなく、シールド掘削機の運転を継続させることができ、工事の進捗に影響を与えることがない。
【0047】
また、本実施形態によれば、監視項目データの計測値がノイズを生じ易い場合、所定の期間の移動平均を算出して、この移動平均を計測値として用いるため、計測値が限界値範囲を瞬間的に超えたとしても、すなわちノイズなどの重畳した計測値がセンサから供給されても、その時点のみでなく所定の期間において計測値の異常を観察することになるため、センサのノイズなどにより過渡にシールド掘削機を異常停止させることがなく、シールド掘削機の運転を継続させることができ、工事の進捗に影響を与えることがない。
【0048】
なお、本発明における図1のシールド掘削機制御システムの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、シールド掘削機の制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWW(World Wide Web)システムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM(Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0049】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0050】
1…シールド掘削機制御システム 11…監視項目データ入力部 12…データ判定部 13…補正補完部 14…データ範囲判定部 15…異常停止判定部 16…制御部 17…機械学習モデル部 18…ルールベースデータ生成部 19…出力チェック部 20…記憶部
図1
図2
図3
図4
図5