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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-21
(45)【発行日】2022-05-02
(54)【発明の名称】構造物基礎
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/34 20060101AFI20220422BHJP
   E02D 27/12 20060101ALI20220422BHJP
   E04H 9/02 20060101ALI20220422BHJP
【FI】
E02D27/34 B
E02D27/12 Z
E04H9/02 301
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018051230
(22)【出願日】2018-03-19
(65)【公開番号】P2019163607
(43)【公開日】2019-09-26
【審査請求日】2020-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】504242342
【氏名又は名称】株式会社免制震ディバイス
(74)【代理人】
【識別番号】100108497
【弁理士】
【氏名又は名称】小塚 敏紀
(72)【発明者】
【氏名】中南 滋樹
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-256671(JP,A)
【文献】特開平09-310358(JP,A)
【文献】特開2000-297559(JP,A)
【文献】特開2017-014853(JP,A)
【文献】特開2004-285639(JP,A)
【文献】特開平10-159897(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0114265(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/00-27/52
E01D 1/00-24/00
E04H 9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤に設けられ柱を有する構造物を支持する構造物基礎であって、
地盤の上に打設されるコンクリート層と、
前記コンクリート層を貫通して地盤に打ち込まれ頭部である杭頭を前記コンクリート層の上面から露出する杭である基礎杭と、
下部を前記杭頭に接合して上部を上方に向ける構造部材であるフィラープレートと、
複数の板状部材が上下方向に積層され上下方向に延びる柱状の中空部を設けられる積層部材と該積層部材を上下方向に挟む上下一対のフランジである上フランジと下フランジと上部と下部とを上下一対の該フランジに各々に固定されるプラグとを有する支持機構と、
上から見て散らばる様に配置され上部を構造物の柱の下部に固定され下部に下方に向いた開口を持ち前記杭頭と前記フィラープレートと前記支持機構とを内包する中空空間と該開口の周囲に下方に向いた下面である基礎部材下面とを形成する複数の基礎部材と水平に延びて複数の基礎部材を繋ぐ複数の梁部材とを有する基礎構造と、
を備え、
前記基礎部材下面が前記コンクリート層の上面に水平方向に相対移動可能に当接し、
前記支持機構の前記上フランジが前記基礎構造の前記中空空間の天井部に固定され、
前記支持機構の前記下フランジが前記フィラープレートの上部に固定され、
地震が発生したとき発生する水平力により前記基礎杭が損傷する前に前記プラグが水平方向に剪断変形する様になった、
ことを特徴とする構造物基礎。
【請求項2】
地盤に設けられ柱を有する構造物を支持する構造物基礎であって、
地盤の上に打設されるコンクリート層と、
前記コンクリート層を貫通して地盤に打ち込まれ頭部である杭頭を前記コンクリート層の上面から露出する杭である基礎杭と、
下部を前記杭頭に接合して上部を上方に向ける構造部材であるフィラープレートと、
上下方向に離れて設けられる上下一対のフランジである上フランジと下フランジ及び該上下1対のフランジに上下方向に挟まれており上下方向に積層される複数の板状部材である積層部材を有する支持機構と、
上から見て散らばる様に配置され上部を構造物の柱の下部に固定され下部に下方に向いた開口を持ち前記杭頭と前記フィラープレートと前記支持機構とを内包する中空空間と該開口の周囲に下方に向いた下面である基礎部材下面とを形成する複数の基礎部材と水平に延びて複数の基礎部材を繋ぐ複数の梁部材とを有する基礎構造と、
を備え、
前記基礎部材下面が前記コンクリート層の上面に水平方向に相対移動可能に当接し、
前記支持機構の前記上フランジが前記基礎構造の前記中空空間の天井部に固定され、
前記支持機構の前記下フランジが前記フィラープレートの上部に固定され、
地震が発生したとき発生する水平力により前記基礎杭が損傷する前に前記積層部材が水平方向に剪断変形する様になった、
ことを特徴とする構造物基礎。
【請求項3】
地盤に設けられ柱を有する構造物を支持する構造物基礎であって、
地盤の上に打設されるコンクリート層と、
前記コンクリート層を貫通して地盤に打ち込まれ頭部である杭頭を前記コンクリート層の上面から露出する杭である基礎杭と、
下部を前記杭頭に接合して上部を上方に向ける構造部材であるフィラープレートと、
上下方向に離れて設けられる上下一対のフランジである上フランジと下フランジ及び水平方向に沿って剪断変形可能な金属製の上下方向に延びる柱形状の部材であって上部が該上フランジに固定され下部が該下フランジに固定されるプラグを有する支持機構と、
上から見て散らばる様に配置され上部を構造物の柱の下部に固定され下部に下方に向いた開口を持ち前記杭頭と前記フィラープレートと前記支持機構とを内包する中空空間と該開口の周囲に下方に向いた下面である基礎部材下面とを形成する複数の基礎部材と水平に延びて複数の基礎部材を繋ぐ複数の梁部材とを有する基礎構造と、
を備え、
前記基礎部材下面が前記コンクリート層の上面に水平方向に相対移動可能に当接し、
前記支持機構の前記上フランジが前記基礎構造の前記中空空間の天井部に固定され、
前記支持機構の前記下フランジが前記フィラープレートの上部に固定され、
地震が発生したとき発生する水平力により前記基礎杭が損傷する前に前記プラグが水平方向に剪断変形する様になった、
ことを特徴とする構造物基礎。
【請求項4】
前記フィラープレートの下面が前記コンクリート層の上面に当接する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちの一つに記載の構造物基礎。
【請求項5】
前記基礎部材が前記支持機構の前記上フランジが固定され前記中空空間の天井部を形成する基礎構造フランジと上部を該基礎構造フランジの周囲に繋げ前記中空空間の内壁を形成する板状部材である内壁板状部材と前記基礎構造フランジと前記内壁板状部材とを型枠として外側に施工された鉄筋コンクリート構造物とを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちの一つに記載の構造物基礎。
【請求項6】
前記基礎部材が前記支持機構を搬入出できるマンホールを設けられる、
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちの一つに記載の構造物基礎。
【請求項7】
前記基礎部材が作業員が外部から中空空間に入ることができるマンホールを設けられる、
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちの一つに記載の構造物基礎。
【請求項8】
地盤に設けられ柱を有する構造物を支持する構造物基礎であって、
地盤の上に打設されるコンクリート層と、
前記コンクリート層を貫通して地盤に打ち込まれ頭部である杭頭を前記コンクリート層の上面から露出する杭である基礎杭と、
下部を前記杭頭に接合して上部を上方に向ける構造部材であるフィラープレートと、
上下方向に離れて設けられる上下一対のフランジである上フランジと下フランジ及び該上下1対のフランジに上下方向に挟まれており上下方向に積層される複数の板状部材である積層部材若しくは水平方向に沿って剪断変形可能な金属製の上下方向に延びる柱形状の部材であって上部が該上フランジに固定され下部が該下フランジに固定されるプラグを有する支持機構と、
上から見て散らばる様に配置され上部を構造物の柱の下部に固定される複数の基礎部材と水平に延びて複数の基礎部材を繋ぐ複数の梁部材とを有する基礎構造と、
を備え、
前記フィラープレートの下面が前記コンクリート層の上面に当接し、
前記支持機構の前記上フランジが前記基礎構造に固定され、
前記支持機構の前記下フランジが前記フィラープレートの上部に固定され、
地震が発生したとき発生する水平力により前記基礎杭が損傷する前に前記支持機構が有する前記積層部材若しくは前記プラグが水平方向に剪断変形する様になった、
ことを特徴とする構造物基礎。
【請求項9】
地盤に設けられ柱を有する構造物を支持する構造物基礎であって、
地盤の上に打設されるコンクリート層と、
前記コンクリート層を貫通して地盤に打ち込まれ頭部である杭頭を前記コンクリート層の上面から露出する杭である基礎杭と、
下部を前記杭頭に接合して上部を上方に向ける構造部材であるフィラープレートと、
上下方向に離れて設けられる上下一対のフランジである上フランジと下フランジ及び該上下1対のフランジに上下方向に挟まれており上下方向に積層される複数の板状部材である積層部材若しくは水平方向に沿って剪断変形可能な金属製の上下方向に延びる柱形状の部材であって上部が該上フランジに固定され下部が該下フランジに固定されるプラグを有する支持機構と、
上から見て散らばる様に配置され上部を構造物の柱の下部に固定され下部に下方に向いた開口を持ち前記杭頭と前記フィラープレートと前記支持機構とを内包する中空空間と該開口の周囲に下方に向いた下面である基礎部材下面とを形成する複数の基礎部材と水平に延びて複数の基礎部材を繋ぐ複数の梁部材とを有する基礎構造と、
を備え、
前記支持機構の前記上フランジが前記基礎構造の前記中空空間の天井部に固定され、
前記支持機構の前記下フランジが前記フィラープレートの上部に固定され、
前記基礎部材が前記支持機構の前記上フランジが固定され前記中空空間の天井部を形成する基礎構造フランジと上部を該基礎構造フランジの周囲に繋げ前記中空空間の内壁を形成する板状部材である内壁板状部材と前記基礎構造フランジと前記内壁板状部材とを型枠として外側に施工された鉄筋コンクリート構造物とを有し
地震が発生したとき発生する水平力により前記基礎杭が損傷する前に前記支持機構が有する前記積層部材若しくは前記プラグが水平方向に剪断変形する様になった、
ことを特徴とする構造物基礎。
【請求項10】
地盤に設けられ柱を有する構造物を支持する構造物基礎であって、
地盤の上に打設されるコンクリート層と、
前記コンクリート層を貫通して地盤に打ち込まれ頭部である杭頭を前記コンクリート層の上面から露出する杭である基礎杭と、
下部を前記杭頭に接合して上部を上方に向ける構造部材であるフィラープレートと、
上下方向に離れて設けられる上下一対のフランジである上フランジと下フランジ及び該上下1対のフランジに上下方向に挟まれており上下方向に積層される複数の板状部材である積層部材若しくは水平方向に沿って剪断変形可能な金属製の上下方向に延びる柱形状の部材であって上部が該上フランジに固定され下部が該下フランジに固定されるプラグを有する支持機構と、
上から見て散らばる様に配置され上部を構造物の柱の下部に固定され下部に下方に向いた開口を持ち前記杭頭と前記フィラープレートと前記支持機構とを内包する中空空間と該開口の周囲に下方に向いた下面である基礎部材下面とを形成する複数の基礎部材と水平に延びて複数の基礎部材を繋ぐ複数の梁部材とを有する基礎構造と、
を備え、
前記支持機構の前記上フランジが前記基礎構造の前記中空空間の天井部に固定され、
前記支持機構の前記下フランジが前記フィラープレートの上部に固定され、
前記基礎部材が前記支持機構を搬入出できるマンホールを設けられ、
地震が発生したとき発生する水平力により前記基礎杭が損傷する前に前記支持機構が有する前記積層部材若しくは前記プラグが水平方向に剪断変形する様になった、
ことを特徴とする構造物基礎。
【請求項11】
地盤に設けられ柱を有する構造物を支持する構造物基礎であって、
地盤の上に打設されるコンクリート層と、
前記コンクリート層を貫通して地盤に打ち込まれ頭部である杭頭を前記コンクリート層の上面から露出する杭である基礎杭と、
下部を前記杭頭に接合して上部を上方に向ける構造部材であるフィラープレートと、
上下方向に離れて設けられる上下一対のフランジである上フランジと下フランジ及び該上下1対のフランジに上下方向に挟まれており上下方向に積層される複数の板状部材である積層部材若しくは水平方向に沿って剪断変形可能な金属製の上下方向に延びる柱形状の部材であって上部が該上フランジに固定され下部が該下フランジに固定されるプラグを有する支持機構と、
上から見て散らばる様に配置され上部を構造物の柱の下部に固定され下部に下方に向いた開口を持ち前記杭頭と前記フィラープレートと前記支持機構とを内包する中空空間と該開口の周囲に下方に向いた下面である基礎部材下面とを形成する複数の基礎部材と水平に延びて複数の基礎部材を繋ぐ複数の梁部材とを有する基礎構造と、
を備え、
前記支持機構の前記上フランジが前記基礎構造の前記中空空間の天井部に固定され、
前記支持機構の前記下フランジが前記フィラープレートの上部に固定され、
前記基礎部材が作業員が外部から中空空間に入ることができるマンホールを設けられ、
地震が発生したとき発生する水平力により前記基礎杭が損傷する前に前記支持機構が有する前記積層部材若しくは前記プラグが水平方向に剪断変形する様になった、
ことを特徴とする構造物基礎。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤に設けられ構造物を支持する構造物基礎に関する。
【背景技術】
【0002】
構造物基礎が地盤に設けられ、構造物を支持する。
構造物が複数の柱と複数の梁とスラブとで構成される。
例えば、構造物基礎は、コンクリート層と複数の基礎杭と基礎構造とで構成される。
基礎杭がコンクリート層を貫通して地盤に打ち込まれる。
基礎構造は、複数の基礎部材と複数の梁部材とで構成される。
上から見て、複数の基礎部材が碁盤の目状に散らばる様に配置される。
梁部材が基礎部材を繋ぐ。
基礎部材が基礎杭の杭頭に固定される。
地震が発生すると、基礎杭が構造物に作用した加速度による水平力を基礎構造を介して支持する。
【0003】
近年の地震により、設計時に予定しなかった水平変位が生ずる可能性があることは分かってきた。
大きな水平変位があると、水平力により基礎杭に過大な曲げモーメントと剪断力が生じ、基礎杭と基礎構造の結合部が予想外の損傷をうける可能性がある。
そこで、近年、基礎杭と基礎部材の結合方法を見直して、基礎杭と基礎部材の結合部の損傷を避けようとする工夫が試されている。
一方、構造物に大きな転倒モーメントが作用すると、基礎構造の一部の基礎部材が浮き上げようとするロッキングが発生する可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、簡易な構造により地震が発生したときに損傷しにくい構造物基礎を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る地盤に設けられ柱を有する構造物を支持する構造物基礎を、地盤の上に打設されるコンクリート層と、前記コンクリート層を貫通して地盤に打ち込まれ頭部である杭頭を前記コンクリート層の上面から露出する杭である基礎杭と、下部を前記杭頭に嵌合して上部を上方に向ける構造部材であるフィラープレートと、上下一対のフランジである上フランジと下フランジと上部と下部とを上下一対の該フランジに各々に固定されるプラグとを有する支持機構と、上から見て散らばる様に配置され上部を構造物の柱の下部に固定され下部に下方に向いた開口を持ち前記杭頭と前記フィラープレートと前記支持機構とを内包する中空空間と該開口の周囲に下方に向いた下面である基礎部材下面とを形成する複数の基礎部材と水平に延びて複数の基礎部材を繋ぐ複数の梁部材とを有する基礎構造と、を備え、前記基礎部材下面が前記コンクリート層の上面に水平方向に相対移動可能に当接し、前記支持機構の前記上フランジが前記基礎構造の前記中空空間の天井部に固定され、前記支持機構の前記下フランジが前記フィラープレートの上部に固定され、地震が発生したとき発生する水平力により前記基礎杭が損傷する前に前記プラグが水平方向に剪断変形する様になった、ものとした。
【0006】
上記本発明の構成により、コンクリート層が、地盤の上に打設される。基礎杭が、前記コンクリート層を貫通して地盤に打ち込まれ頭部である杭頭を前記コンクリート層の上面から露出する杭である。フィラープレートが、下部を前記杭頭に嵌合して上部を上方に向ける構造部材である。支持機構が、上下一対のフランジである上フランジと下フランジと上部と下部とを上下一対の該フランジに各々に固定されるプラグとを有する。基礎構造が、上から見て散らばる様に配置され上部を構造物の柱の下部に固定され下部に下方に向いた開口を持ち前記杭頭と前記フィラープレートと前記支持機構とを内包する中空空間と該開口の周囲に下方に向いた下面である基礎部材下面とを形成する複数の基礎部材と水平に延びて複数の基礎部材を繋ぐ複数の梁部材とを有する。前記基礎部材下面が前記コンクリート層の上面に水平方向に相対移動可能に当接する。
前記支持機構の前記上フランジが前記基礎構造の前記中空空間の天井部に固定される。
前記支持機構の前記下フランジが前記フィラープレートの上部に固定される。
地震が発生したとき発生する水平力により前記基礎杭が損傷する前に前記プラグが水平方向に剪断変形する。
その結果、地震が発生し構造物と地盤が水平方向に相対移動したとき、前記基礎杭の前記杭頭に作用するモーメント力が軽減され、またプラグが剪断変形し基礎杭が損傷するを抑制し、基礎部材が基礎部材下面をコンクリート層の上面に当接して水平方向に相対移動して、構造物のロッキング現象を抑制し、構造物を安定して支持できる。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る地盤に設けられ柱を有する構造物を支持する構造物基礎を、地盤の上に打設されたコンクリート層と、前記コンクリート層を貫通して地盤に打ち込まれ頭部である杭頭を前記コンクリート層の上面から露出する杭である基礎杭と、下部を前記杭頭に嵌合して上部を上方に向ける構造部材であるフィラープレートと、上下一対のフランジである上フランジと下フランジと上部と下部とを上下一対の該フランジに各々に固定されるプラグとを有する支持機構と、上から見て散らばる様に配置され上部を構造物の柱の下部に固定される複数の基礎部材と水平に延びて複数の基礎部材を繋ぐ複数の梁部材とを有する基礎構造と、を備え、前記支持機構の前記上フランジが前記基礎構造に固定され、前記支持機構の前記下フランジが前記フィラープレートの上部に固定され、地震が発生したとき発生する水平力により前記基礎杭が損傷する前に前記プラグが水平方向に剪断変形する様になった、ものとした。
【0008】
上記本発明の構成により、コンクリート層が、地盤の上に打設される。基礎杭が、前記コンクリート層を貫通して地盤に打ち込まれ頭部である杭頭を前記コンクリート層の上面から露出する杭であるフィラープレートが、下部を前記杭頭に嵌合して上部を上方に向ける構造部材である。支持機構が、上下一対のフランジである上フランジと下フランジと上部と下部とを上下一対の該フランジに各々に固定されるプラグとを有する。基礎構造が、上から見て散らばる様に配置され上部を構造物の柱の下部に固定される複数の基礎部材と水平に延びて複数の基礎部材を繋ぐ複数の梁部材とを有する。前記支持機構の前記上フランジが前記基礎構造に固定され、前記支持機構の前記下フランジが前記フィラープレートの上部に固定される。地震が発生したとき発生する水平力により前記基礎杭が損傷する前に前記プラグが水平方向に剪断変形する。
その結果、地震が発生し構造物と地盤が水平方向に相対移動したとき、前記基礎杭の前記杭頭に作用するモーメント力が軽減され、またプラグが剪断変形し基礎杭が損傷するを抑制し、構造物を安定して支持できる。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る地盤に設けられ柱を有する構造物を支持する構造物基礎を、地盤の上に打設されるコンクリート層と、前記コンクリート層を貫通して地盤に打ち込まれ頭部である杭頭を前記コンクリート層の上面から露出する杭である基礎杭と、下部を前記杭頭に嵌合して上部を上方に向ける構造部材であるフィラープレートと、上下一対のフランジである上フランジと下フランジと上部と下部とを上下一対の該フランジに各々に固定されるプラグとを有する支持機構と、上から見て散らばる様に配置され上部を構造物の柱の下部に固定され下部に下方に向いた開口を持ち前記杭頭と前記フィラープレートと前記支持機構とを内包する中空空間と該開口の周囲に下方に向いた下面である基礎部材下面とを形成する複数の基礎部材と水平に延びて複数の基礎部材を繋ぐ複数の梁部材とを有する基礎構造と、を備え、前記支持機構の前記上フランジが前記基礎構造の前記中空空間の天井部に固定され、前記支持機構の前記下フランジが前記フィラープレートの上部に固定され、地震が発生したとき発生する水平力により前記基礎杭が損傷する前に前記プラグが水平方向に剪断変形する様になった、ものとした。
【0010】
上記本発明の構成により、コンクリート層が、地盤の上に打設される。基礎杭が、前記コンクリート層を貫通して地盤に打ち込まれ頭部である杭頭を前記コンクリート層の上面から露出する杭である。フィラープレートが、下部を前記杭頭に嵌合して上部を上方に向ける構造部材である。支持機構が、上下一対のフランジである上フランジと下フランジと上部と下部とを上下一対の該フランジに各々に固定されるプラグとを有する。基礎構造が、上から見て散らばる様に配置され上部を構造物の柱の下部に固定され下部に下方に向いた開口を持ち前記杭頭と前記フィラープレートと前記支持機構とを内包する中空空間と該開口の周囲に下方に向いた下面である基礎部材下面とを形成する複数の基礎部材と水平に延びて複数の基礎部材を繋ぐ複数の梁部材とを有する。前記支持機構の前記上フランジが前記基礎構造の前記中空空間の天井部に固定される。前記支持機構の前記下フランジが前記フィラープレートの上部に固定される。地震が発生したとき発生する水平力により前記基礎杭が損傷する前に前記プラグが水平方向に剪断変形する。
その結果、地震が発生し構造物と地盤が水平方向に相対移動したとき、前記基礎杭の前記杭頭に作用するモーメント力が軽減され、またプラグが剪断変形し基礎杭が損傷するを抑制し、構造物を安定して支持できる。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る地盤に設けられ柱を有する構造物を支持する構造物基礎を、地盤に打設されるコンクリート層と、前記コンクリート層を貫通して地盤に打ち込まれ頭部である杭頭を前記コンクリート層の上面から露出する杭である基礎杭と、下部を前記杭頭に固定され上部を上方に向ける構造部材であるフィラープレートと、上下一対のフランジである上フランジと下フランジと上部と下部とを上下一対の該フランジに各々に固定されるプラグとを有する支持機構と、上から見て散らばる様に配置され上部を構造物の柱の下部に固定され下部に下方に向いた開口を持ち前記杭頭と前記フィラープレートと前記支持機構とを内包する中空空間と該開口の周囲に下方に向いた下面である基礎部材下面とを形成す複数の基礎部材と水平に延びて複数の基礎部材を繋ぐ複数の梁部材とを有する基礎構造と、を備え、前記基礎部材下面が前記コンクリート層の上面に水平方向に相対移動可能に当接し、前記支持機構の前記上フランジが前記基礎構造の前記中空空間の天井部に固定され、前記支持機構の前記下フランジが前記フィラープレートの上部に固定され、地震が発生したとき発生する水平力により前記基礎杭が損傷する前に前記プラグが水平方向に剪断変形する様になった、ものとした。
【0012】
上記本発明の構成により、コンクリート層が、地盤に打設される。基礎杭が、前記コンクリート層を貫通して地盤に打ち込まれ頭部である杭頭を前記コンクリート層の上面から露出する杭である。フィラープレートが、下部を前記杭頭に固定され上部を上方に向ける構造部材である。支持機構が、上下一対のフランジである上フランジと下フランジと上部と下部とを上下一対の該フランジに各々に固定されるプラグとを有する。基礎構造が、上から見て散らばる様に配置され上部を構造物の柱の下部に固定され下部に下方に向いた開口を持ち前記杭頭と前記フィラープレートと前記支持機構とを内包する中空空間と該開口の周囲に下方に向いた下面である基礎部材下面とを形成する複数の基礎部材と水平に延びて複数の基礎部材を繋ぐ複数の梁部材とを有する。前記基礎部材下面が前記コンクリート層の上面に水平方向に相対移動可能に当接する。前記支持機構の前記上フランジが前記基礎構造の前記中空空間の天井部に固定される。前記支持機構の前記下フランジが前記フィラープレートの上部に固定される。地震が発生したとき発生する水平力により前記基礎杭が損傷する前に前記プラグが水平方向に剪断変形する。
その結果、地震が発生し構造物と地盤が水平方向に相対移動したとき、前記基礎杭の前記杭頭に作用するモーメント力が軽減され、またプラグが剪断変形し基礎杭が損傷するを抑制し、基礎部材が基礎部材下面をコンクリート層の上面に当接して水平方向に相対移動して、構造物のロッキング現象を抑制し、構造物を安定して支持できる。
【0013】
以下に、本発明の実施形態に係る構造物基礎を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0014】
また、本発明の実施形態に係る構造物基礎は、前記フィラープレートが前記杭頭の上面に上から当接する下面を形成する板状部と該板状部の外周に繋がり前記杭頭の外壁に外周から当接する内周面を形成する環状部とを有する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記フィラープレートが板状部と環状部とを有する。前記杭頭の上面に上から当接する下面を形成する板状部と該板状部の外周に繋がり前記杭頭の外壁に外周から当接する内周面を形成する環状部とを有する
その結果、杭頭とフィラープレートとの間に僅かな隙間が生じており、地震が発生し構造物と地盤が水平方向に相対移動したとき、前記基礎杭の前記杭頭に作用するモーメント力が軽減される。
【0015】
また、本発明の実施形態に係る構造物基礎は、前記基礎杭の前記杭頂が中空形状であって、前記フィラープレートが下部に前記杭頭の中空形状の内壁に内周から当接する外周面を形成する突起部を有する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記杭の前記杭塔が中空形状である。前記フィラープレートが下部に前記杭頭の中空形状の内壁に内周から当接する外周面を形成する突起部を有する。
その結果、杭頭とフィラープレートとの間に僅かな隙間が生じており、地震が発生し構造物と地盤が水平方向に相対移動したとき、前記基礎杭の前記杭頭に作用するモーメント力が軽減される。
【0016】
また、本発明の実施形態に係る構造物基礎は、前記フィラープレートが前記杭頭にネジ結合される。
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記フィラープレートが前記杭頭にネジ結合される。
その結果、ねじ結合部に僅かな隙間が生じており、地震が発生し構造物と地盤が水平方向に相対移動したとき、前記基礎杭の前記杭頭に作用するモーメント力が軽減される。
【0017】
また、本発明の実施形態に係る構造物基礎は、前記基礎部材が前記支持機構の前記上フランジが固定され前記中空空間の天井部を形成する基礎構造フランジと上部を該基礎構造フランジの周囲に繋げ前記中空空間の内壁を形成する板状部材である内壁板状部材とを有する、
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記基礎部材が基礎構造フランジと内壁板状部材とを有する。基礎構造フランジが、前記支持機構の前記上フランジが固定され前記中空空間の天井部を形成する。内壁板状部材が、上部を該基礎構造フランジの周囲に固定され前記中空空間の内壁を形成する板状部材である。
その結果、基礎部材と中空空間とが一体化する。
【0018】
また、本発明の実施形態に係る構造物基礎は、前記基礎構部材が前記基礎構造フランジと前記内壁板状部材とを型枠として施工された鉄筋コンクリート構造物である。
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記基礎部材が前記基礎構造フランジと前記内壁板状部材とを型枠として施工された鉄筋コンクリート構造物である。
その結果、簡易な手順で基礎構造を製作できる。
【0019】
また、本発明の実施形態に係る構造物基礎は、前記基礎部材が前記支持機構を搬入出できるマンホールを設けられる、
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記基礎部材が前記支持機構を搬入出できるマンホールを設けられる、
その結果、構造物基礎のメンテナンスを容易にできる。
【0020】
また、本発明の実施形態に係る構造物基礎は、前記支持機構は、複数の板状部材が上下方向に積層され上下方向に延びる柱状の中空部を設けられる積層部材と該積層部材を上下方向に挟む上下一対のフランジである上フランジと下フランジと該中空部に位置し上部と下部とを上下一対の該フランジに各々に固定されるプラグとを有する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記支持機構は、積層部材と上下一対のフランジである上フランジと下フランジとプラグとを有する。積層部材が、複数の板状部材が上下方向に積層され上下方向に延びる柱状の中空部を設けられる。上下一対のフランジである上フランジと下フランジとが、該積層部材を上下方向に挟む。
プラグが、該中空部に位置し上部と下部とを上下一対の該フランジに各々に固定される。
その結果、地震が発生し構造物と地盤が水平方向に相対移動したとき、複数の積層部材が互いに水平方向にずれてプラグが形状を安定に保ったまま剪断変形できる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明に係る構造物基礎は、その構成により、以下の効果を有する。
基礎杭が地盤の上に打設されたコンクリート層を貫通し、コンクリート層の上面から露出する杭頭にフィラープレートが嵌合し、下フランジが前記フィラープレートの上部に固定れ、上下一対のフランジにプラグの上下を固定され、基礎構造の上フランジが柱の下部に固定される基礎構造に固定され、基礎構造の下方に向いた開口をもつ中空空間が前記フィラープレートと前記支持構造を内包し、開口の周囲の基礎部材下面がコンクリート層の上面を水平方向に相対移動自在に当接し、地震が発生したとき発生する水平力により前記基礎杭が損傷する前に前記プラグが水平方向に剪断変形する様になっているので、地震が発生し構造物と地盤が水平方向に相対移動したとき、前記基礎杭の前記杭頭に作用するモーメント力が軽減され、またプラグが剪断変形し基礎杭が損傷するを抑制し、基礎部材が基礎部材下面をコンクリート層の上面に当接して水平方向に相対移動して、構造物のロッキング現象を抑制し、構造物を安定して支持できる。
基礎杭が地盤の上に打設されたコンクリート層を貫通し、コンクリート層の上面から露出する杭頭にフィラープレートが嵌合し、下フランジが前記フィラープレートの上部に固定れ、上下一対のフランジにプラグの上下を固定され、基礎構造の上フランジが柱の下部に固定される基礎構造に固定され、地震が発生したとき発生する水平力により前記基礎杭が損傷する前に前記プラグが水平方向に剪断変形する様になっているので、地震が発生し構造物と地盤が水平方向に相対移動したとき、前記基礎杭の前記杭頭に作用するモーメント力が軽減され、またプラグが剪断変形し基礎杭が損傷するを抑制し、構造物を安定して支持できる。
基礎杭が地盤の上に打設されたコンクリート層を貫通し、コンクリート層の上面から露出する杭頭にフィラープレートが嵌合し、下フランジが前記フィラープレートの上部に固定れ、上下一対のフランジにプラグの上下を固定され、基礎構造の上フランジが柱の下部に固定される基礎構造に固定され、基礎構造の下方に向いた開口をもつ中空空間が前記フィラープレートと前記支持構造を内包し、地震が発生したとき発生する水平力により前記基礎杭が損傷する前に前記プラグが水平方向に剪断変形する様になっているので、地震が発生し構造物と地盤が水平方向に相対移動したとき、前記基礎杭の前記杭頭に作用するモーメント力が軽減され、またプラグが剪断変形し基礎杭が損傷するを抑制し、構造物を安定して支持できる。
基礎杭が地盤の上に打設されたコンクリート層を貫通し、コンクリート層の上面から露出する杭頭にフィラープレートが固定し、下フランジが前記フィラープレートの上部に固定れ、上下一対のフランジにプラグの上下を固定され、基礎構造の上フランジが柱の下部に固定される基礎構造に固定され、基礎構造の下方に向いた開口をもつ中空空間が前記フィラープレートと前記支持構造を内包し、開口の周囲の基礎部材下面がコンクリート層の上面を水平方向に相対移動自在に当接し、地震が発生したとき発生する水平力により前記基礎杭が損傷する前に前記プラグが水平方向に剪断変形する様になっているので、地震が発生し構造物と地盤が水平方向に相対移動したとき、前記基礎杭の前記杭頭に作用するモーメント力が軽減され、またプラグが剪断変形し基礎杭が損傷するを抑制し、基礎部材が基礎部材下面をコンクリート層の上面に当接して水平方向に相対移動して、構造物のロッキング現象を抑制し、構造物を安定して支持できる。
また、前記杭頭の上面に当接する板状部の外周に繋がる環状部が前記杭頭の外壁に当接する様にしたので、杭頭とフィラープレートとの間に僅かな隙間が生じており、地震が発生し構造物と地盤が水平方向に相対移動したとき、前記基礎杭の前記杭頭に作用するモーメント力が軽減される。
また、突起部が杭頭の中空形状の内壁に当接する様にしたので、杭頭とフィラープレートとの間に僅かな隙間が生じており、地震が発生し構造物と地盤が水平方向に相対移動したとき、前記基礎杭の前記杭頭に作用するモーメント力が軽減される。
また、前記フィラープレートが前記杭頭にネジ結合される様にしたので、ねじ結合部に僅かな隙間が生じており、地震が発生し構造物と地盤が水平方向に相対移動したとき、前記基礎杭の前記杭頭に作用するモーメント力が軽減される。
また、支持部材の上フランジが固定される前記基礎構造フランジが中空空間の天井部を形成し、前記内壁板状部材が前記中空空間の内壁を形成する様にしたので、基礎構造と中空空間とが一体化する。
また、前記基礎部材が前記基礎構造フランジと前記内壁板状部材とを型枠として施工された鉄筋コンクリート構造物としたので、簡易な手順で基礎構造を製作できる。
また、マンホールにより前記支持機構を搬入出できる様にしたので、構造物基礎のメンテナンスを容易にできる。
また、上下一対のフランジが上下方向に積層され上下方向に延びる柱状の中空部を設けられる複数の積層部材を上下方向に挟み、プラグが中空部に位置して上部と下部とを上下一対の該フランジに各々に固定される様にしたので、
地震が発生し構造物と地盤が水平方向に相対移動したとき、複数の積層部材が互いに水平方向にずれてプラグが形状を安定に保ったまま剪断変形できる。
その結果、簡易な構造により地震が発生したときに損傷しにくい構造物基礎を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る構造物基礎の概念図である。
図2】本発明の実施形態に係る構造物基礎のフィラープレートの断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る構造物基礎の基礎構造その1、2の断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る構造物基礎の基礎構造その3の断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る構造物基礎の基礎構造その4の断面図である。
図6】本発明の実施形態に係る構造物基礎の基礎杭の概念図である。
図7】本発明の実施形態に係る構造物基礎の基礎杭とフィラープレートの関係図である。
図8】本発明の実施形態に係る構造物基礎の支持機構その1の概念図である。
図9】本発明の実施形態に係る構造物基礎の支持機構その2の概念図である。
図10】本発明の実施形態に係る構造物基礎の作用図その1である。
図11】本発明の実施形態に係る構造物基礎の作用図その2である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
【0024】
本発明の第一の実施形態に係る構造物基礎は、地盤に設けられ柱を有する構造物を支持する構造物基礎である。
図1には、本発明の第一の実施形態に係る構造物基礎の概念図を示す。
構造物10は、複数の柱11と複数の梁(図示せず)とで構成されてももよい。
構造物10は、複数の柱11と複数の梁と複数のスラブ床(図示せず)とで構成されてももよい。
柱11は、下部を後述する基礎構造500の上部に固定される。
例えば、柱11の鉄筋は基礎構造500の上部の鉄筋に繋がる。
梁は、隣り合った柱11を繋ぐ。
【0025】
本発明の第一の実施形態に係る構造物基礎は、コンクリート層100と基礎杭200とフィラープレート300と支持機構400と基礎構造500とで構成される。
本発明の第一の実施形態に係る構造物基礎は、コンクリート層100と複数の基礎杭200と複数のフィラープレート300と複数の支持機構400と複数の基礎構造500とで構成されてもよい。
本発明の第一の実施形態に係る構造物基礎は、コンクリート層100とN個の基礎杭200とN個のフィラープレート300とN個の支持機構400とN個の基礎構造500とで構成されてもよい。この場合、1本の基礎杭200が1個のフィラープレート300と1個の支持機構400と1個の基礎構造500を支持する。
【0026】
コンクリート層100は、地盤5の上に打設される。
例えば、コンクリート層100は、地盤5の上に打設されるいわゆる「捨てコン」の層である。
例えば、コンクリート層100は、地盤の上に打設される鉄筋コンクリートの層である。
例えば、コンクリート層100は、50mm~100mm程度の厚みをもつ。
コンクリート層100の上面を、コンクリート層上面Sと呼称する。
コンクリート層上面Sは水平面を形成する。
【0027】
基礎杭200は、コンクリート層100を貫通して地盤5に打ち込まれ、頭部である杭頭210をコンクリート層100の上面から露出する杭である。
基礎杭200の杭本体220が、コンクリート層100を貫通して地盤5に打ち込まれる。
杭本体220の外壁は円柱形状であってもよい。
杭本体220の外壁は多角形の形状であってもよい。
図では、杭本体220の外壁が円柱形状であるとして図示している。
基礎杭200は、鉄筋コンクリート製であってもよい。
基礎杭200は、中空形状であってもよい。
基礎杭200は、鉄筋コンクリート製の外壁を金属製の円管が覆っていてもよい。
【0028】
フィラープレート300は、下部を杭頭210に嵌合して上部を上方に向ける構造部材である。
図7(A)(B)は、フィラープレート300が下部を一個の杭頭210に嵌合して上部を上方に向ける様子を示す。
図7(C)は、フィラープレート300が下部を2本の杭頭210に嵌合して上部を上方に向ける様子を示す。
フィラープレート300は、下部を杭頭210に分離可能に嵌合して上部を上方に向ける構造部材であってもよい。
フィラープレート300は、下部を杭頭210に特殊工具を用いずに分離可能に嵌合して上部を上方に向ける構造部材であってもよい。
フィラープレート300は、下部を杭頭210に破壊せずに分離可能に嵌合して上部を上方に向ける構造部材であってもよい。
フィラープレート300は、板状部310で構成される。
フィラープレート300は、板状部310と締結ボルト311とで構成されてもい。
フィラープレート300は、板状部310と環状部320とで構成されてもよい。
フィラープレート300は、板状部310と突起部330とで構成されてもよい。
フィラープレート300は、板状部310と環状部320と鍔状部340とで構成されてもよい。
フィラープレート300は、板状部310と環状部320と突起部330とで構成されてもよい。
フィラープレート300は、板状部310と環状部320と突起部330と鍔状部340とで構成されてもよい。
フィラープレート300は、板状部310と締結ボルト311と環状部320と突起部330とで構成されてもよい。
フィラープレート300は、板状部310と締結ボルト311と環状部320と突起部330と鍔状部340とで構成されてもよい。
【0029】
板状部310は、杭頭210の上面に上から当接する下面を形成する部分である。
例えば、杭頭210が円形であるとき、板状部310は円盤状の部分である。
図2(A)~(F)は、板状部310が、杭頭210の上面に上から当接する様子を示す。
【0030】
締結ボルト311は、フィラープレート300を杭頭210にねじ結合する機械要素である。
例えば、締結ボルト311は、板状部310を杭頭210にねじ結合する。
例えば、締結ボルト311は、板状部310を杭頭210の外周の中空円形の鉄管にねじ結合する。
例えば、締結ボルト311は、板状部310を杭頭210の外周の中空円形の鉄管に設けられた雌ねじにねじ結合する。
図2(D)は、締結ボルト311が板状部310を杭頭210の外周の中空円形の鉄管にねじ結合する様子を示す。
【0031】
環状部320は、板状部310の外周に繋がり杭頭210の外壁に外周から当接する内周面を形成する。
例えば、杭頭210の外壁が円形であるとき、環状部320は、内壁を杭頭210の外壁に当接する円管状の部分である。
図2(A)(C)(D)(F)は、環状部320が板状部310の外周に繋がり杭頭210の外壁に外周から当接する内周面を形成する様子を示す。
【0032】
突起部330は、フィラープレート300の下部に杭頭210の中空形状の内壁に内周から当接する外周面を形成する部分である。
例えば、突起部330は、板状部310の下部に杭頭210の中空形状の内壁に内周から当接する外周面を形成する部分である。
図2(C)(E)(F)は、突起部330がフィラープレート300の下部に杭頭210の中空形状の内壁に内周から当接する外周面を形成する様子を示す。
【0033】
鍔状部340は、環状部320の外壁に固定され、鍔状に周囲に延びる板状の部分である。
例えば、鍔状部340は、環状部320の外壁の下部に固定され、鍔状に周囲に延びる板状の部分である。
例えば、鍔状部340は、下面をコンクリート層上面Sに当接してもよい。
図2(F)は、鍔状部340が環状部320の外壁に固定され、鍔状に周囲に延び、下面をコンクリート層上面Sに当接する様子を示す。
【0034】
フィラープレート300が、杭頭210に嵌合し、さらにボルト結合される場合の接合を剛接合と呼称する。
フィラープレート300が、杭頭210に嵌合し、ボルト結合されない場合の接合を半剛接合と呼称する。
図11(A)は、フィラープレート300と杭頭210とが剛接合されるケースにおいて、杭頭に水平方向の剪断力が作用したときにベンディングモーメントダイアグラムを示す。
図11(B)は、フィラープレート300と杭頭210とが半剛接合されるケースにおいて、杭頭に水平方向の剪断力が作用したときにベンディングモーメントダイアグラムを示す。
図11(C)は、比較の為、フィラープレート300と杭頭210とがピン接合または球接合されるケースにおいて、杭頭に水平方向の剪断力が接合部の回転方向に作用したときにベンディングモーメントダイアグラムを示す。
フィラープレート300と杭頭210とが剛接合されるケースでは、基礎杭200の作用する最大曲げモーメントがピン接合される場合の最大曲げモーメントの70%程度になる。
フィラープレート300と杭頭210とが半剛接合されるケースでは、基礎杭200の作用する最大曲げモーメントがピン接合される場合の最大曲げモーメントの30~40%程度になる。
【0035】
支持機構400は、上下一対のフランジ410である上フランジ412と下フランジ411とプラグ430とで構成される。
プラグ430は、金属製であってもよい。
例えば、プラグ430は、鉛製である。
例えば、プラグ430は、鉛すず合金製である。
例えば、プラグ430は、その他の合金製である。
プラグ430は、上フランジ412と下フランジ411と上部と下部とを上下一対のフランジに各々に固定されるものである。
例えば、プラグ430は、円柱形状の部材であって、上部が上フランジ412の下部に固定され、下部が下フランジ411に固定される。
例えば、プラグ430は、円柱形状の部材であって、上部が上フランジ412の下部に設けられた凹みに嵌合し、下部が下フランジ411の上部に設けられた凹みに嵌合する。
【0036】
支持機構400は、積層部材420と上下一対のフランジ410である上フランジ412と下フランジ411とプラグ430とで構成されてもよい。
積層部材420は、複数の板状部材が上下方向に積層され、上下方向に延びる柱状の中空部Wを設けられるものである。
上下一対のフランジ410である下フランジ411と上フランジ412とが、積層部材420を上下方向に挟む。
プラグ430は、中空部Wに位置し上部と下部とを上下一対のフランジに各々に固定される。
プラグ430は、中空部Wに充填され上部と下部とを上下一対のフランジに各々に嵌合してもよい。
図8は、プラグ430が、中空部Wに充填され上部と下部とを上下一対のフランジに各々に固定される様子を示す。
図9は、プラグ430が中空部Wに位置し上部と下部とを上下一対のフランジに各々に固定される様子を示す。
図9は、プラグ430は、中空部Wに水平方向に隙間を設けて位置し上部と下部とを上下一対のフランジに各々に固定される様子を示す。
【0037】
積層部材420が、単数または複数の金属製板状部材421と単数または複数の弾性材製板状部材422とが上下方向に交互に重なり互いに接着されたものでもよい。
この様な構造では、上フランジ412と下フランジ411とが水平方向に相対移動すると、弾性材製板状部材422が水平方向に剪断変形し、全体として積層部材420が水平方向に剪断変形する。
【0038】
積層部材420が複数の金属製板状部材421が上下方向に互いに重なったものでもよい。
複数の金属製板状部材421の表面が低摩擦になる処理がされていれもよい。
例えば、複数の金属製板状部材421の表面がTPFE含侵処理していてもよい。
この様な構造では、上フランジ412と下フランジ411とが水平方向に相対移動すると、金属製板状部材421が水平方向に境目で滑って、全体として積層部材420が水平方向に剪断変形する。
【0039】
支持機構400は、積層部材420と上下一対のフランジ410である上フランジ412と下フランジ411とプラグ430と外周被覆部材440とで構成されてもよい。
外周被覆部材440は、積層部材420と外周を被覆する部材である。
外周被覆部材440は、積層部材420と外周を被覆する弾性材製部材であってもよい。
外周被覆部材440は、積層部材420と外周を被覆する金属製部材であってもよい。
【0040】
支持機構400の上フランジ412が後述する基礎構造500に固定され、支持機構400の下フランジ411がフィラープレート300の上部に固定される。
支持機構400の上フランジ412が後述する基礎構造500に螺子で固定され、支持機構400の下フランジ411がフィラープレート300の上部に螺子で固定される。
支持機構400の上フランジ412が後述する基礎構造500の中空空間Hの天井部に固定され、支持機構の下フランジ411がフィラープレート300の上部に固定されてもよい。
【0041】
地震が発生したとき発生する水平力により基礎杭200が損傷する前にプラグが水平方向に剪断変形する様になっている。
図10は、地震が発生したとき発生する水平力により基礎杭が損傷する前にプラグ430が水平方向に剪断変形する様子を示す。
図8に示す構造では、上フランジ412と下フランジ411とに水平方向の剪断力が働くと、積層部材420の複数の板状部材が水平方向に相対移動し、プラグ430と積層部材420とが一体として剪断変形する。
図9に示す構造では、上フランジ412と下フランジ411とに水平方向の剪断力が働くと、積層部材420の複数の板状部材が水平方向に相対移動し、プラグが中空部Wの中で剪断変形する。
【0042】
基礎構造500は、基礎部材510と梁部材520とで構成される。
基礎構造500は、複数の基礎部材510と複数の梁部材520とで構成されてもよい。
【0043】
基礎部材510は、上部を構造物10の柱11の下部に固定される部材であある。
基礎部材510は、上から見て散らばる様に配置され上部を構造物10の柱11の下部に固定されてもよい。
基礎部材510は、上から見て碁盤の目状に散らばる様に配置され上部を構造物10の柱11の下部に固定されてもよい。
【0044】
基礎部材510は、上部を構造物の柱10の下部11に固定され、下部に下方に向いた開口を持ち杭頭210とフィラープレート300と支持機構400とを内包する中空空間Hと開口の周囲に下方に向いた下面である基礎部材下面Dとを形成する部材であってもよい。
基礎部材510は、上部を構造物の柱10の下部11に固定され、下部に下方に向いた開口を持ち杭頭210とフィラープレート300と支持機構400とを内包する中空空間Hと開口の周囲に下方に向いた下面である基礎部材下面Dとを形成する部材であってもよい。
基礎部材510は、上部を構造物10の柱11の下部に固定され、下部に下方に向いた開口を持ち杭頭210とフィラープレート300と支持機構とを内包する中空空間Hと開口の周囲に下方に向いた下面である基礎部材下面Dとを形成する部材であってもよい。
図3(A)(B)、図5は、基礎部材510の形成する下部に下方に向いた開口を持つ中空区間Hが、杭頭210とフィラープレート300と支持機構とを内包する様子を示す。
【0045】
梁部材520は、水平に延びて複数の基礎部材510を繋ぐ部材である。
梁部材520の鉄筋が基礎部材510の鉄筋に交差する。
この様にすると、基礎構造500が一体となる。
地震が発生したとき、基礎構造500が一体となって水平移動できる。
【0046】
基礎部材510が、基礎構造フランジ511と内壁板状部材512とで構成されてもよい。
基礎部材510が、基礎構造フランジ511と内壁板状部材512と鍔状部材513とで構成されてもよい。
基礎部材510が、基礎構造フランジ511と内壁板状部材512と鍔状部材513と鉄筋コンクリート構造物514とで構成されてもよい。
基礎構造フランジ511は、支持機構400の上フランジが固定され中空空間Hの天井部を形成する板状の部材である。
基礎構造フランジ511は、上フランジ412に固定される。
例えば、基礎構造フランジ511は、上フランジ412にねじ固定される。
内壁板状部材512は、上部を基礎構造フランジ511の周囲に繋げ中空空間Hの内壁を形成する板状部材である
例えば、内壁板状部材512は、上部を基礎構造フランジ511の周囲に繋げ下部をコンクリート層に当接して中空空間Hの内壁を形成する板状部材であってもよい。
鍔状部材513は、内壁板状部材512の下端に繋がり周囲へ延びる板状部材である。
鉄筋コンクリート構造物514は、基礎構造フランジ511と内壁板状部材512とを型枠として施工されてもよい。
例えば、鉄筋コンクリート構造物514は、鉄筋コンクリート構造物の筋材の端部が内壁板状部材512に固定される。
基礎構造フランジ511と内壁板状部材512と鉄筋コンクリート構造物514とが、一体となって基礎部材510として機能してもよい。
基礎構造フランジ511と内壁板状部材512と鍔状部材513と鉄筋コンクリート構造物514とが、一体となって基礎部材510として機能してもよい。
図3(A)に基礎構造フランジ511と内壁板状部材512と鍔状部材513と鉄筋コンクリート構造物514とが、一体となって基礎部材510として機能する様子を示す。
【0047】
基礎部材510が、支持機構400を搬入出できるマンホールMを設けられる。
基礎部材510が、作業員が外部から中空空間Hに入ることができるマンホールMを設けられてもよい。
基礎部材510が、上部に作業員が外部から中空空間Hに入ることができるマンホールMを設けられてもよい。
基礎部材510が、作業員が外部から中空空間Hに入ることができ支持機構400を搬入出できるマンホールMを設けられてもよい。
基礎部材510が、上部に作業員が外部から中空空間Hに入ることができ支持機構400を搬入出できるマンホールMを設けられてもよい。
図5は、基礎部材510が上部に作業員が外部から中空空間Hに入ることができるマンホールMを設けられる様子を示す。
この様にすると、構造物を建造後に、作業員が構造物基礎を容易に確認することができる。
この様にすると、構造物を建造後に、作業員が構造物基礎を容易に目視確認することができる。
この様にすると、構造物を建造後、大きな地震があったときに、作業員が構造物基礎の健全性を容易に確認することができる。
この様にすると、構造物を建造後、大きな地震があったときに、作業員が構造物基礎の健全性を容易に確認し、支持機構400の変形を修正することができる。
この様にすると、構造物を建造後、大きな地震があったときに、作業員が構造物基礎の健全性を容易に確認し、支持機構400を交換することができる。
【0048】
基礎部材下面Dが、コンクリート層上面Sに水平方向に相対移動可能に当接する。
この様にすると、構造物10の複数の柱11のうちの一部の柱11に浮上させようとする力が作用したとき、反対側の柱11に固定される基礎部材510の基礎部材下面Dがコンクリート層上面Sに当接し、構造物10の浮上りを抑制できる。
図3(A)、図5は、基礎部材下面Dがコンクリート層上面Sに水平方向に相対移動可能に当接する様子を示す。
【0049】
1本の基礎杭200が、1個のフィラープレート300と1個の支持機構400と1個の基礎部材510とを支持してもよい。
図6(A)は、1本の基礎杭200が、1個のフィラープレート300と1個の支持機構400と1個の基礎部材510とを支持する様子を示す。
複数の基礎杭200が、1個のフィラープレート300と1個の支持機構400と1個の基礎部材510とを支持してもよい。
図6(B)(D)は、複数の基礎杭200が、1個のフィラープレート300と1個の支持機構400と1個の基礎部材510とを支持する様子を示す。
【0050】
1本の基礎杭200が1個のフィラープレート300と1個の支持機構400と1個の基礎部材510とを支持してもよい。
図7(A)は、その様子を示す。
N本の基礎杭200がN個のフィラープレート300とN個の支持機構400を支持し、N個の支持機構400が1個の基礎部材510とを支持してもよい。
図7(B)は、その様子を示す。
N本の基礎杭200が1個のフィラープレート300を支持し、1個のフィラープレート300がN個の支持機構400を支持し、N個の支持機構400が1個の基礎部材510とを支持してもよい。
図7(C)は、その様子を示す。
【0051】
以下に、本発明の第二の実施形態にかかる構造物基礎を、図を基に、説明する。
発明の第二の実施形態にかかる構造物基礎は、基礎部材500が中空空間Hを形成成すること及び基礎部材下面Dがコンクリート層上面Sに当接することにこだわらない点を除き、その他の点は、本発明の第一の実施形態にかかる構造物基礎と同じである。
以下で、本発明の第一の実施形態にかかる構造物基礎と同じ箇所の説明は省略して、異なる点を説明する。
【0052】
本発明の第一の実施形態に係る構造物基礎は、コンクリート層100と基礎杭200とフィラープレート300と支持機構400と基礎構造500とで構成される。
本発明の第一の実施形態に係る構造物基礎は、コンクリート層100と複数の基礎杭200と複数のフィラープレート300と複数の支持機構400と複数の基礎構造500とで構成されてもよい。
本発明の第一の実施形態に係る構造物基礎は、コンクリート層100とN個の基礎杭200とN個のフィラープレート300とN個の支持機構400とN個の基礎構造500とで構成されてもよい。この場合、1本の基礎杭200が1個の1個のフィラープレート300と1個の支持機構400と1個の基礎構造500を支持する。
【0053】
コンクリート層100と基礎杭200とフィラープレート300と支持機構400の構成は、第一の実施形態に係る構造物基礎のものと同じである。
【0054】
基礎構造500は、複数の基礎部材510と複数の梁部材520とで構成される。
【0055】
基礎部材510は、上から見て散らばる様に配置され上部を構造物10の柱11の下部に固定される部材であある。
基礎部材510は、上から見て碁盤の目状に散らばる様に配置され上部を構造物10の柱11の下部に固定される部材である。
【0056】
基礎部材510は、上部を構造物10の柱11の下部に固定され、下方に向いた下面である基礎部材下面Dとを形成する部材であってもよい。
図4は、基礎部材510の構造の一例を示す。
【0057】
梁部材520は、水平に延びて複数の基礎部材を繋ぐ部材である。
【0058】
基礎構造500が上記の構造をとる場合、別途のロックング防止機構を備えても良い。
【0059】
次に、本発明の第三の実施形態にかかる構造物基礎を、図を基に、説明する。
発明の第二の実施形態にかかる構造物基礎は、基礎部材下面Dがコンクリート層上面Sに当接することにこだわらない点を除き、その他の点は、本発明の第一の実施形態にかかる構造物基礎と同じである。
以下で、本発明の第一の実施形態にかかる構造物基礎と同じ箇所の説明は省略して、異なる点を説明する。
【0060】
本発明の第一の実施形態に係る構造物基礎は、コンクリート層100と基礎杭200とフィラープレート300と支持機構400と基礎構造500とで構成される。
本発明の第一の実施形態に係る構造物基礎は、コンクリート層100と複数の基礎杭200と複数のフィラープレート300と複数の支持機構400と複数の基礎構造500とで構成されてもよい。
本発明の第一の実施形態に係る構造物基礎は、コンクリート層100とN個の基礎杭200とN個のフィラープレート300とN個の支持機構400とN個の基礎構造500とで構成されてもよい。この場合、1本の基礎杭200が1個の1個のフィラープレート300と1個の支持機構400と1個の基礎構造500を支持する。
【0061】
コンクリート層100と基礎杭200とフィラープレート300と支持機構400の構成は、第一の実施形態に係る構造物基礎のものと同じである。
【0062】
基礎構造500は、複数の基礎部材510と複数の梁部材520とで構成される。
基礎構造500の構造は、第一の実施形態にかかる構造物基礎のものと同じであるが、記基礎部材下面がコンクリート層の上面に水平方向に相対移動可能に当接しなくてもよい。
図3(B)は、基礎部材下面Dがコンクリート層上面Sに当接しない様子を示す。
【0063】
基礎構造500が上記の構造をとる場合、別途のロックング防止機構を備えても良い。
【0064】
次に、本発明の第四の実施形態に係る構造物基礎を、図を基に、説明する。
本発明の第四の実施形態にかかる構造物基礎は、基礎杭100とフィーラープレート300との結合形式にこだわらない点を除き、その他の点は、本発明の第四の実施形態にかかる構造物基礎と同じである。
以下で、本発明の第一の実施形態にかかる構造物基礎と同じ箇所の説明は省略して、異なる点を説明する。
【0065】
本発明の第一の実施形態に係る構造物基礎は、コンクリート層100と基礎杭200とフィラープレート300と支持機構400と基礎構造500とで構成される。
本発明の第一の実施形態に係る構造物基礎は、コンクリート層100と複数の基礎杭200と複数のフィラープレート300と複数の支持機構400と複数の基礎構造500とで構成されてもよい。
本発明の第一の実施形態に係る構造物基礎は、コンクリート層100とN個の基礎杭200とN個のフィラープレート300とN個の支持機構400とN個の基礎構造500とで構成されてもよい。この場合、1本の基礎杭200が1個の1個のフィラープレート300と1個の支持機構400と1個の基礎構造500を支持する。
【0066】
コンクリート層100と基礎杭200と支持機構400と基礎構造500の構造は、第一の実施形態に係る構造物基礎のものと同じである。
【0067】
フィラープレート300は、下部を杭頭210に固定され上部を上方に向ける構造部材である。
【0068】
フィラープレート300が下部を杭頭210に嵌合して固定される場合、フィラープレート300の構造は、第一の実施形態にかかる構造物基礎のものと同じなので、説明を省略する。
図2の(A)、(C)~(F)は、フィラープレート300が下部を杭頭210に嵌合して固定され上部を上方に向ける様子を示す。
【0069】
フィラープレート300が下部を杭頭210に埋込まれた鉄筋に固着して固定される場合のフィラープレート300を説明する。
図2の(B)は、フィラープレート300が下部を杭頭210に埋込まれた鉄筋に固着して固定され、上方に向く面が支持機構400を支持する様子を示す。
【0070】
フィラープレート300は、板状部310で構成される。
板状部310は、杭頭210の上面に上から当接する下面を形成する部分である。
例えば、杭頭210の上面が円形であるとき、板状部310は円盤状の部分である。
鉄筋が、上部を板状部310の下面に固定され、下部を杭頭210に埋込まれる。
この様にした場合、フィラープレート300と杭頭210は剛結合される。
【0071】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る構造物基礎は、その構成により、以下の効果を有する。
基礎杭200が地盤5の上に打設されたコンクリート層100を貫通し、コンクリート層100の上面から露出する杭頭210にフィラープレート300が嵌合し、下フランジ411がフィラープレート300の上部に固定れ上下一対のフランジ410にプラグ430の上下を嵌合する基礎構造の上フランジ412が柱の下部に固定される基礎構造に固定され、基礎構造の下方に向いた開口をもつ中空空間Hがフィラープレート300と支持構造を内包し、開口の周囲の基礎部材510下面がコンクリート層100の上面を水平方向に相対移動自在に当接し、地震が発生したとき発生する水平力により基礎杭200が損傷する前にプラグ430が水平方向に剪断変形する様になっているので、地震が発生し構造物と地盤5が水平方向に相対移動したとき、基礎杭200の杭頭210に作用するモーメント力が軽減され、またプラグ430が剪断変形し基礎杭200が損傷するを抑制し、基礎部材510が基礎部材510下面をコンクリート層100の上面に当接して水平方向に相対移動して、構造物のロッキング現象を抑制し、構造物を安定して支持できる。
基礎杭200が地盤5の上に打設されたコンクリート層100を貫通し、コンクリート層100の上面から露出する杭頭210にフィラープレート300が嵌合し、下フランジ411がフィラープレート300の上部に固定れ上下一対のフランジ410にプラグ430の上下を嵌合する基礎構造の上フランジ412が柱の下部に固定される基礎構造に固定され、地震が発生したとき発生する水平力により基礎杭200が損傷する前にプラグ430が水平方向に剪断変形する様になっているので、地震が発生し構造物と地盤5が水平方向に相対移動したとき、基礎杭200の杭頭210に作用するモーメント力が軽減され、またプラグ430が剪断変形し基礎杭200が損傷するを抑制し、構造物を安定して支持できる。
基礎杭200が地盤5の上に打設されたコンクリート層100を貫通し、コンクリート層100の上面から露出する杭頭210にフィラープレート300が嵌合し、下フランジ411がフィラープレート300の上部に固定れ上下一対のフランジ410にプラグ430の上下を嵌合する基礎構造の上フランジ412が柱の下部に固定される基礎構造に固定され、基礎構造の下方に向いた開口をもつ中空空間Hがフィラープレート300と支持構造を内包し、地震が発生したとき発生する水平力により基礎杭200が損傷する前にプラグ430が水平方向に剪断変形する様になっているので、地震が発生し構造物と地盤5が水平方向に相対移動したとき、基礎杭200の杭頭210に作用するモーメント力が軽減され、またプラグ430が剪断変形し基礎杭200が損傷するを抑制し、構造物を安定して支持できる。
基礎杭200が地盤5の上に打設されたコンクリート層100を貫通し、コンクリート層100の上面から露出する杭頭210にフィラープレート300が固定し、下フランジ411がフィラープレート300の上部に固定れ上下一対のフランジ410にプラグ430の上下を嵌合する基礎構造の上フランジ412が柱の下部に固定される基礎構造に固定され、基礎構造の下方に向いた開口をもつ中空空間Hがフィラープレート300と支持構造を内包し、開口の周囲の基礎部材510下面がコンクリート層100の上面を水平方向に相対移動自在に当接し、地震が発生したとき発生する水平力により基礎杭200が損傷する前にプラグ430が水平方向に剪断変形する様になっているので、地震が発生し構造物と地盤5が水平方向に相対移動したとき、基礎杭200の杭頭210に作用するモーメント力が軽減され、またプラグ430が剪断変形し基礎杭200が損傷するを抑制し、基礎部材510が基礎部材510下面をコンクリート層100の上面に当接して水平方向に相対移動して、構造物のロッキング現象を抑制し、構造物を安定して支持できる。
また、杭頭210の上面に当接する板状部の外周に繋がる環状部が杭頭210の外壁に当接する様にしたので、杭頭210とフィラープレート300との間に僅かな隙間が生じており、地震が発生し構造物と地盤5が水平方向に相対移動したとき、基礎杭200の杭頭210に作用するモーメント力が軽減される。
また、突起部が杭頭210の中空形状の内壁に当接する様にしたので、杭頭210とフィラープレート300との間に僅かな隙間が生じており、地震が発生し構造物と地盤5が水平方向に相対移動したとき、基礎杭200の杭頭210に作用するモーメント力が軽減される。
また、フィラープレート300の板状部310が杭頭210にネジ結合される様にしたので、ねじ結合部に僅かな隙間が生じており、地震が発生し構造物と地盤5が水平方向に相対移動したとき、基礎杭200の杭頭210に作用するモーメント力が軽減される。
また、支持部材の上フランジ412が固定される基礎構造フランジが中空空間Hの天井部を形成し、内壁板状部材が中空空間Hの内壁を形成する様にしたので、基礎構造と中空空間Hとが一体化する。
また、基礎部材510が基礎構造フランジと内壁板状部材とを型枠として施工された鉄筋コンクリート構造物としたので、簡易な手順で基礎構造を製作できる。
また、基礎部材510に設けられたマンホールMにより、支持機構を搬入出でき、作業員が中空空間Hに入ることができる様にしたので、構造物基礎のメンテナンスを容易にできる。
また、上下一対のフランジ410が上下方向に積層され上下方向に延びる柱状の中空部を設けられる複数の積層部材を上下方向に挟み、プラグ430が中空部に位置して上部と下部とを上下一対のフランジ410に各々に嵌合する様にしたので、地震が発生し構造物と地盤5が水平方向に相対移動したとき、複数の積層部材が互いに水平方向にずれてプラグ430が形状を安定に保ったまま剪断変形できる。
その結果、従来構造と比較して簡易な構造により地震が発生したときに損傷しにくい構造物基礎を提供を提供できる。
【0072】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
【符号の説明】
【0073】
W 中空部
H 中空空間
M マンホール
D 基礎部材下面
S コンクリート層上面
5 地盤
10 構造物
11 柱
100 コンクリート層
200 基礎杭
210 杭頭
220 杭本体
300 フィラープレート
310 板状部
311 締結ボルト
320 環状部
330 突起部
340 鍔状部
400 支持機構
410 フランジ
411 下フランジ
412 上フランジ
420 積層部材
421 金属製板状部材
422 弾性材製板状層部材
430 プラグ
440 外周被覆部材
500 基礎構造
510 基礎部材
511 基礎構造フランジ
512 内壁板状部材
513 鍔状部材
514 鉄筋コンクリート構造物
520 梁部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0074】
【文献】特開平9-273162号
【文献】特開平10-2126号
【文献】特開2006-104883号
【文献】特開2007-120232号
【文献】特開2013-87438号
【文献】特開2013-159997号
【文献】特開2015-190302号
【文献】特開2016-8389号
【文献】特開2017-186819号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
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図11