(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-21
(45)【発行日】2022-05-02
(54)【発明の名称】ナビゲーション方法及びナビゲーション装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20220422BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20220422BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20220422BHJP
【FI】
G01C21/26 A
G01C21/34
G09B29/00 Z
(21)【出願番号】P 2018170322
(22)【出願日】2018-09-12
【審査請求日】2021-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】13-15 Quai Alphonse Le Gallo 92100 Boulogne-Billancourt,France
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武田 航
(72)【発明者】
【氏名】畑山 隼一
(72)【発明者】
【氏名】伊東 哲也
【審査官】竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/170143(WO,A1)
【文献】特開2011-149786(JP,A)
【文献】特開2002-107169(JP,A)
【文献】特開2005-265574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
最新地図データを格納している外部サーバと、メモリに格納されている格納地図データに基づいて経路案内を実行するユーザコントローラと、の通信によるナビゲーション方法において、
前記ユーザコントローラは、前記外部サーバとの通信により、前記最新地図データのうち出発地から目的地までの間の外部地図データを、所定領域の所定領域地図データごとに分けてダウンロードするとき、
前記所定領域地図データを構成する
ノード情報による第1情報と
背景地図情報による第2情報のうち、前記第2情報よりもデータ量が小さい前記第1情報のダウンロードを開始し、
前記第1情報のダウンロードが終了すると、
前記格納地図データのうち前記第1情報に相当するノード情報をダウンロードされたノード情報に書き換え、
書き換え後の前記ノード情報の地図データバージョンと、
前記格納地図データのうち書き換え前の背景地図情報の地図データバージョンと、の新旧情報を比較し、
前記地図データバージョンの比較結果に応じて、前記地図データバージョンの新旧情報を報知デバイスに出力する
ことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項2】
請求項1に記載されたナビゲーション方法において、
前記ユーザコントローラは、前記地図データバージョンの比較結果により、前記地図データバージョンが一致する場合には前記地図データバージョンの新旧情報を報知デバイスに出力せず、前記地図データバージョンが一致しない場合には前記地図データバージョンの旧情報を報知デバイスに出力する
ことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたナビゲーション方法において、
前記メモリと、前記ユーザコントローラと、前記報知デバイスに含まれる表示デバイスと、は車両に搭載されており、
前記ユーザコントローラは、前記地図データバージョンが一致しない場合、前記経路案内における交差点拡大表示時に、前記地図データバージョンの旧情報を前記表示デバイスに出力する
ことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載されたナビゲーション方法において、
前記メモリと、前記ユーザコントローラと、前記報知デバイスに含まれる表示デバイスと、は車両に搭載されており、
前記外部サーバは、前記ユーザコントローラからの要求に応じて案内経路を生成し、前記案内経路を反映した案内情報と前記ノード情報を前記第1情報とし、
前記ユーザコントローラは、
前記案内情報に基づき、前記ノード情報の各ノードを結線し、
前記地図データバージョンが一致しない場合、前記結線した前記ノード情報と前記背景地図情報とが前記経路案内におけるずれ表示時に、前記地図データバージョンの旧情報を前記表示デバイスに出力する
ことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項5】
最新地図データを格納している外部サーバと、メモリに格納されている格納地図データに基づいて経路案内を実行するユーザコントローラと、を備えるナビゲーション装置において、
前記ユーザコントローラは、前記外部サーバとの通信により、前記最新地図データのうち出発地から目的地までの間の外部地図データを、所定領域の所定領域地図データごとに分けてダウンロードするとき、
前記所定領域地図データを構成する
ノード情報による第1情報と
背景地図情報による第2情報のうち、前記第2情報よりもデータ量が小さい前記第1情報のダウンロードを開始し、
前記第1情報のダウンロードが終了すると、
前記格納地図データのうち前記第1情報に相当するノード情報をダウンロードされたノード情報に書き換え、
書き換え後の前記ノード情報の地図データバージョンと、
前記格納地図データのうち書き換え前の背景地図情報の地図データバージョンと、の新旧情報を比較する比較部と、
前記地図データバージョンの比較結果に応じて、前記地図データバージョンの新旧情報を報知デバイスに出力する出力部と、を有する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ナビゲーション方法及びナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置では、経路に沿って領域を設定し、当該領域内の3次元地図データを読み込むことにより、少ないメモリ消費量によって3次元動画による経路案内を行う。また、近年では、クラウド環境上に存在するサーバが走行案内経路等の案内情報を生成し、サーバからの案内情報を含む最新の地図データを自車のナビゲーション装置が取得することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の装置において、所定領域ごとに3次元地図データや走行案内経路等のデータを通信制御部を介して外部のサーバからダウンロードすると、データ量が比較的大きいため、ダウンロードが終了するまで時間を要することがある。経路案内中、ダウンロードに時間がかかってしまうと、画像表示部にはダウンロード終了前の古い地図データが表示されることになり、地図データの新旧情報を乗員が認識できない、という問題がある。
【0005】
本開示は、上記問題に着目してなされたもので、経路案内中、地図データの新旧情報をユーザが認識するナビゲーション方法及びナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示は、最新地図データを格納している外部サーバと、メモリに格納されている格納地図データに基づいて経路案内を実行するユーザコントローラと、の通信によるナビゲーション方法である。ここで、最新地図データのうち、出発地から目的地までの間の地図データを外部地図データという。ユーザコントローラは、外部サーバとの通信により、最新地図データのうち出発地から目的地までの間の外部地図データを、所定領域の所定領域地図データごとに分けてダウンロードするとき、以下のことを行う。まず、ユーザコントローラは、所定領域地図データを構成するノード情報による第1情報と背景地図情報による第2情報のうち、第2情報よりもデータ量が小さい第1情報のダウンロードを開始する。次に、ユーザコントローラは、第1情報のダウンロードが終了すると、格納地図データのうち第1情報に相当するノード情報をダウンロードされたノード情報に書き換え、書き換え後のノード情報の地図データバージョンと、格納地図データのうち書き換え前の背景地図情報の地図データバージョンと、の新旧情報を比較する。そして、ユーザコントローラは、地図データバージョンの比較結果に応じて、地図データバージョンの新旧情報を報知デバイスに出力する。
【発明の効果】
【0007】
このように、経路案内中、地図データの新旧情報をユーザが認識できる。加えて、背景地図情報のダウンロード終了後よりも比較結果をより早く得ることができ、新旧情報を報知できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例1のナビゲーション装置の構成を示す全体システム図である。
【
図2】実施例1の外部サーバにて実行される外部サーバ処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3】実施例1のナビゲーション制御ユニットにて実行される経路案内処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】実施例1のナビゲーション制御ユニットにて実行される新旧報知処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】実施例1のHMIデバイスにて交差点拡大表示時に表示される案内経路情報表示の一例を示す図である。
【
図6】実施例1のHMIデバイスにて交差点拡大表示時に表示される案内経路情報表示と旧情報表示の一例を示す図である。
【
図7】実施例1のHMIデバイスにてずれ表示時に表示される案内経路情報表示と旧情報表示の一例を示す図である。
【
図8】実施例1のHMIデバイスにて交差点拡大表示時かつずれ表示時に表示される案内経路情報表示と旧情報表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示によるナビゲーション方法及びナビゲーション装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0010】
実施例1におけるナビゲーション方法及びナビゲーション装置は、車両に搭載されたカーナビゲーションシステムに適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体システム構成」、「ナビゲーション制御ユニットの制御ブロック構成」に分けて説明する。
【0011】
【0012】
全体システム構成として、ナビゲーション装置1と、外部サーバ100と、を有している。
【0013】
ナビゲーション装置1は、車載センサ2と、地図データ格納部3と、ナビゲーション制御ユニット4(ユーザコントローラ)と、タッチパネル5と、HMIデバイス6(報知デバイス)と、を備えている。
【0014】
車載センサ2は、GPS21と、ジャイロセンサ22と、車速センサ23と、車載データ通信器24と、を有している。車載センサ2により取得したセンサ情報は、ナビゲーション制御ユニット4へ出力される。
【0015】
GPS21は、GNSSアンテナ21aを有し、衛星通信を利用することで停車中/走行中の自車位置(緯度・経度)を検知する自車位置センサである。なお、GPS21はトンネルや建造物が比較的多い区間等では自車位置の検知精度が悪くなる場合があり、このような場合にはGPS21やジャイロセンサ22や車速センサ23やデットレコニング等の情報を基に、自車位置を算出により推定する。ここで、「GNSS」は「Global Navigation Satellite System:全地球航法衛星システム」の略称であり、「GPS」は「Global Positioning System:グローバル・ポジショニング・システム」の略称である。
【0016】
ジャイロセンサ22は、自車の走行方向を検知するセンサであり、車速センサ23は、自車の速度を検知するセンサである。
【0017】
車載データ通信器24は、外部データ通信器101との間で送受信アンテナ24a,101aを介して無線通信を行うことで、ナビゲーション装置1の情報や要求を送信して、その要求に応じた情報やデータを外部サーバ100から取得する外部データセンサである。
【0018】
地図データ格納部3は、緯度経度と地図情報が対応づけられた、格納地図データが格納された車載メモリにより構成される。格納地図データには、各地点に対応づけられた道路情報を有する。道路情報には、道路の位置/領域により道路を特定する情報、道路ごとの道路種別、道路ごとの車線幅及び道路の形状情報を含む。更に、各道路リンクの識別情報ごとに、交差点の位置、交差点の進入方向、交差点の種別その他の交差点に関する情報が対応づけて格納されている。更にまた、各道路リンクの識別情報ごとに、道路種別、車線幅、道路形状、直進の可否、進行の優先関係、追い越しの可否(隣接レーンへの進入の可否)、制限速度、標識、その他の道路に関する情報が対応づけて格納されている。
【0019】
ここで、格納地図データは、背景地図情報とノード情報を含む。「背景地図情報」とは、道路情報、地形情報及び施設情報であり、二次元地図データ、三次元地図データ及び交差点等において表示される拡大表示データを含む。「ノード情報」とは、道路情報に所定間隔に設けられた緯度経度のノード(座標点)の情報である。背景地図情報とノード情報には、その情報のバージョン情報も含まれている。また、ノード情報には、走行案内経路が生成されると、走行案内経路に沿ったノード情報に自車が走行するための案内情報が付される。「案内情報」とは、走行案内経路上の各ノードにおける方角情報であり、例えば右折や左折等の情報である。
【0020】
ナビゲーション制御ユニット4は、外部サーバ100との通信がオンラインのとき、最新地図データ取得や走行案内経路の経路生成を外部サーバ100に要求する。即ち、ナビゲーション制御ユニット4は、GPS21にて検知される自車位置を自車位置情報として認識し、自車の目的地情報が入力されると、通信により、自車位置情報や目的地情報や最新地図データ取得要求や経路生成要求を外部サーバ100へ送信する。ナビゲーション制御ユニット4は、外部サーバ100との通信により、最新地図データと案内情報をダウンロードし、最新地図データを地図データ格納部3に格納する。そして、ナビゲーション制御ユニット4は、自車位置を中心とする格納地図データを地図データ格納部3へ要求することで、格納地図データを取得し、自車位置情報と格納地図データと案内情報に基づき案内経路情報をHMIデバイス6へ出力する。なお、ナビゲーション制御ユニット4は、外部サーバ100との通信がオフラインのとき、車載センサ2や地図データ格納部3からの入力情報を統合処理し、出発地から目的地までの走行案内経路を生成する機能を有する。そして、ナビゲーション制御ユニット4は、案内経路情報をHMIデバイス6へ出力する。
【0021】
タッチパネル5は、HMIデバイス6の表面に設けられたデータ入力手段である。ナビゲーション装置1のユーザは、このタッチパネル5を操作することで、ナビゲーション制御ユニット4に対して自車の目的地等を入力する。
【0022】
HMIデバイス6は、経路案内中、自車が地図上で何処を移動しているか等の情報を提供するデバイスである。なお、「HMI」とは、「Human Machine Interface」の略称である。HMIデバイス6の例としては、HUD(Head‐UP Display:ヘッドアップディスプレイ)、メータ表示、車室内モニタが一つ又は複数の組み合わせにより備えられる。
【0023】
外部サーバ100は、クラウド環境上のサーバであり、ナビゲーション装置1の要求に応じて案内情報を含む外部地図データをナビゲーション装置1に返す機能を有する。外部サーバ100は、外部データ通信器101と、最新地図データ格納部102と、経路生成部103と、を有する。
【0024】
外部データ通信器101は、車載データ通信器24との間で送受信アンテナ24a,101aを介して無線通信を行うことで、ナビゲーション装置1の情報や要求を受信して、その要求に応じた外部地図データをナビゲーション装置1に送信する。
【0025】
最新地図データ格納部102は、格納地図データと同様に、緯度経度と地図情報が対応づけられた、最新地図データが格納された外部サーバメモリにより構成される。最新地図データ格納部102は、格納地図データと同様に、各地点に対応づけられた道路情報を有し、背景地図情報とノード情報を含む。最新地図データ格納部102には、渋滞情報や走行規制情報等の交通情報も格納されている。
【0026】
ここで、「最新地図データ」とは、現在までに更新された最新の地図データである。最新地図データのうち、走行案内経路の出発地から目的地までの間の地図データを、「外部地図データ」という。外部地図データには、走行案内経路を走行する上で参照する地図データも含む。なお、走行案内経路は、ナビゲーション制御ユニット4の要求により生成する。外部地図データを所定領域ごとに分けた地図データを、「所定領域地図データ」という。「所定領域」とは、送信するデータ量と、該データをダウンロード(受信)する通信時間と、のバランスによって予め決められる。所定領域地図データを、第1情報としてのノード情報及び案内情報と、第2情報としての背景地図情報と、で構成している。所定領域地図データを構成している情報のうち、ノード情報及び案内情報の方が、背景地図情報よりもデータ量が小さくなっている。
【0027】
経路生成部103は、ナビゲーション制御ユニット4の自車位置情報や目的地情報や地図データ取得要求や経路生成要求と、最新地図データ格納部102の最新地図データ等と、を統合処理し、走行案内経路を生成する機能を有する。経路生成部103は、生成した走行案内経路の情報に基づき、ノード情報に案内情報を付す。案内情報には、生成した走行案内経路が反映されている。経路生成部103は、通信により、所定領域地図データを「ノード情報及び案内情報」と「背景地図情報」の二つに分けて、ナビゲーション制御ユニット4へ送信する。なお、最新地図データ取得要求には、所定領域地図データを、前述した二つに分けて送信する要求も含まれているものとする。
【0028】
ここで、経路生成部103は、自車位置が所定の分割地点に達すると、所定領域地図データを経路案内順に送信する。「所定の分割地点」とは、前述した「所定領域」と同様の決め方である。分割地点は、出発地から目的地までの間に複数配されている。経路生成部103は、自車が一つの分割地点に達すると、その次の分割地点から更に次の分割地点までの所定領域地図データを送信する。このため、経路生成部103は、自車の目的地情報を含む所定領域地図データの送信が終了するまで、自車位置が所定の分割地点に達するたびに、所定領域地図データの送信を継続する。なお、経路案内中に、自車の目的地変更や自車の案内経路からの逸脱が生じ、走行案内経路が変更になる場合には、この限りではない。
【0029】
図1に基づいて、ナビゲーション制御ユニット4の制御ブロック構成を説明する。
【0030】
ナビゲーション制御ユニット4は、最新地図データのうち所定領域地図データをダウンロードする。ナビゲーション制御ユニット4は、ダウンロードした所定領域地図データの情報を格納する際、既に地図データ格納部3に格納されている格納地図データのうち、ダウンロードした所定領域に対応する領域の格納地図データを、ダウンロードした情報に書き換える。更に、この格納の際、案内情報は地図データ格納部3には格納されず、ナビゲーション制御ユニット4が案内情報を保有する。
【0031】
ナビゲーション制御ユニット4は、結線部4aと、表示経路生成部4bと、比較部4cと、出力部4dと、を有する。
【0032】
結線部4aは、経路案内に必要なノード情報を地図データ格納部3から読み込み、ノード情報と案内情報に基づき各ノードを結線し、結線したノード情報と案内情報を表示経路生成部4bへ出力する。ノード情報の読み込み範囲は、HMIデバイス6に表示する範囲である。ノード情報としては、ノード情報のダウンロード終了前であれば、格納地図データのうち書き換え前のノード情報を読み込み、ノード情報のダウンロード終了後であれば、格納地図データのうち書き換え後のノード情報を読む。
【0033】
表示経路生成部4bは、地図データ格納部3の格納地図データのうち、背景地図情報を読み込む。背景地図情報の読み込み範囲は、結線部4aで結線したノード情報と同等の範囲であり、走行案内経路を走行する上で参照する範囲である。背景地図情報としては、背景地図情報のダウンロード終了前であれば、格納地図データのうち書き換え前の背景地図情報を読み込み、背景地図情報のダウンロード終了後であれば、格納地図データのうち書き換え後の背景地図情報を読む。表示経路生成部4bは、背景地図情報と結線したノード情報と案内情報に基づき案内経路情報を生成して、案内経路情報を出力部4dへ出力する。即ち、表示経路生成部4bは、結線したノード情報と背景地図情報とに含まれる緯度経度により、二つの情報を合わせて、HMIデバイス6に表示する案内経路情報を生成する。また、案内経路情報には、自車位置情報に基づき現在の自車位置が付されている。
【0034】
比較部4cは、外部サーバ100との通信によりダウンロードした所定領域地図データを構成するノード情報と、地図データ格納部3から読み込んだ所定領域に対応する格納地図データと、の地図データバージョンの新旧情報を比較する。具体的には、比較部4cは、格納地図データのうち、ダウンロードによる書き換え後のノード情報と、所定領域に対応する書き換え前の背景地図情報と、を読み込み、二つの情報の地図データバージョンの新旧情報を比較する。該新旧情報の比較は、各情報のバージョン情報に基づき行う。比較部4cは、二つの情報の地図データバージョンが一致するか否かを判断して、地図データバージョンの比較結果を出力部4dに出力する。
【0035】
出力部4dは、表示経路生成部4bから入力された案内経路情報が、経路案内における交差点拡大表示時か否かを判断する。ここで、「交差点拡大表示時」とは、自車が右折又は左折する交差点の時を示す。更に、出力部4dは、表示経路生成部4bから入力された案内経路情報が、経路案内におけるずれ表示時か否かを判断する。ここで、「ずれ表示時」とは、結線部4aで結線したノード情報と、格納地図データから読み込んだ背景地図情報とがずれている時を示す。そして、出力部4dは、比較部4cから入力された地図データバージョンの比較結果が一致しない場合、交差点拡大表示時又はずれ表示時であると判断すると、案内経路情報と地図データバージョンの新旧情報を表示信号に変換して、表示信号をHMIデバイス6に出力する。一方、出力部4dは、交差点拡大表示時、かつ、ずれ表示時ではないと判断すると、比較部4cから入力された地図データバージョンの比較結果に関係なく、案内経路情報を表示信号に変換して、表示信号をHMIデバイス6に出力する。
【0036】
次に、実施例1の作用を、「外部サーバ処理作用」、「経路案内処理作用」、「新旧報知処理作用」に分けて説明する。
【0037】
まず、
図2に基づいて、外部サーバ処理作用を説明する。
図2の処理は、外部サーバ100と経路生成部103により実行される。外部サーバ100により、通信によって、自車位置情報や目的地情報や地図データ取得要求や経路生成要求がナビゲーション制御ユニット4から受信されると、スタートする。スタートすると、S11、S13、S15及びエンドの順に進む。まず、経路生成部103により、走行案内経路が生成される(S11)。次に、経路生成部103により、通信によって、所定領域地図データのうちノード情報と案内情報がナビゲーション制御ユニット4へ送信される(S13)。続いて、経路生成部103により、通信によって、所定領域地図データのうち背景地図情報がナビゲーション制御ユニット4へ送信される(S15)。
【0038】
S13では、出発地から目的地までの間の外部地図データが、所定領域ごとに小分けにされ、所定領域地図データが送信される。例えば、出発地から目的地までの間の外部地図データを一括で送信してしまうと、自車の走行案内経路の逸脱によりその一括の送信が無駄な通信になってしまう。このため、所定領域地図データが送信される。これにより、目的地に向かう途中で、寄り道や渋滞回避等によって経路を逸脱しても、所定領域地図データの送信が無駄な通信になることを抑制できる。
【0039】
更に、S13とS15では、所定領域地図データが、ノード情報及び案内情報と、背景地図情報と、の二つに分けられて送信される。例えば、所定領域地図データが分けられずに送信されると、通信環境によっては所定領域地図データのダウンロードが間に合わない可能性があり、乗員に経路案内ができなくなってしまう。このため、所定領域地図データが二つに分けられて送信され、更に、ノード情報及び案内情報の方が背景地図情報よりもデータ量が小さいため、経路案内に必要な最低限のノード情報及び案内情報のダウンロードを優先する。これにより、背景地図情報のダウンロードが間に合わない場合であっても、ダウンロードされたノード情報及び案内情報と、格納地図データから読み込まれた背景地図情報によって、乗員に経路案内が可能である。
【0040】
次に、
図3に基づいて、経路案内処理作用を説明する。
図3の処理は、ナビゲーション制御ユニット4と結線部4aと表示経路生成部4bにより実行される。自車のイグニッションスイッチがON状態であり、ナビゲーション制御ユニット4に自車位置情報と目的地情報が入力されると、スタートする。スタートすると、S21、S23、S25、S27、S29及びエンドの順に進む。
【0041】
まず、結線部4aにより、地図データ格納部3から格納地図データのうちノード情報が読み込まれる(S21)。次に、結線部4aにより、ノード情報と案内情報に基づき各ノードが結線される(S23)。次に、表示経路生成部4bにより、地図データ格納部3から背景地図情報が読み込まれる(S25)。次に、表示経路生成部4bにより、背景地図情報と結線したノード情報と案内情報に基づき、案内経路情報が生成される(S27)。続いて、表示経路生成部4bにより、生成された案内経路情報が出力部4dへ出力される(S29)。このように、案内経路情報が生成されるので、背景地図情報のダウンロード終了前であっても、案内経路情報を生成できる。
【0042】
そして、
図4~
図8に基づいて、新旧報知処理作用を説明する。
図4の処理は、ナビゲーション制御ユニット4と表示経路生成部4bと比較部4cと出力部4dにより実行される。自車のイグニッションスイッチがON状態であり、ナビゲーション制御ユニット4に自車位置情報と目的地情報が入力されると、スタートする。
【0043】
スタートすると、S41及びS43の順に進む。まず、ナビゲーション制御ユニット4により、通信によって、所定領域地図データのうちノード情報と案内情報のダウンロードが開始される(S41)。次に、ナビゲーション制御ユニット4により、ノード情報と案内情報のダウンロードが終了したか否かが判断される(S43)。ここで、ダウンロードが終了したか否かの判断は、ナビゲーション制御ユニット4により車載データ通信器24の状態から判断される。しばらくの間は、ダウンロード中のためS43の判断が否定されるので、S43が繰り返される。
【0044】
そして、S43の判断が肯定されると、S45、S47、S49の順に進む。ナビゲーション制御ユニット4により、地図データ格納部3の格納地図データのノード情報のうち、ダウンロードされた所定領域に対応するノード情報が、ダウンロードされたノード情報に書き換えられる(S45)。即ち、ノード情報のダウンロードが終了すると、背景地図情報のダウンロードの終了を待たずに、格納地図データのノード情報が書き換えられる。このため、背景地図情報のダウンロードに遅れが生じても、経路案内が遅れずに実行できる。なお、ノード情報のダウンロードが終了すると、所定領域地図データのうち背景地図情報のダウンロードが開始される。
【0045】
次に、比較部4cにより、格納地図データのうち、ダウンロードによる書き換え後の所定領域のノード情報と、所定領域に対応する書き換え前の背景地図情報と、が読み込まれる(S47)。
【0046】
続いて、比較部4cにより、書き換え後のノード情報の地図データバージョンと、書き換え前の背景地図情報の地図データバージョンと、が比較されると共に、地図データバージョンが一致するか否かが判断される(S49)。ここで、地図データバージョンが一致するか否かの判断について説明する。例えば、書き換え後のノード情報の地図データバージョンが「2」であり、書き換え前の背景地図情報の地図データバージョンが「1」である場合、比較部4cによりノード情報よりも背景地図情報の地図データバージョンが「一致しない(旧)」と判断される。なお、書き換え前の背景地図情報の地図データバージョンが、常に書き換え後のノード情報の地図データバージョンに一致しない(旧)わけではない。即ち、ダウンロードしたノード情報に変更が無いと、二つの情報の地図データバージョンの新旧情報が一致する場合もある。この場合、比較部4cにより、書き換え後のノード情報の地図データバージョンと書き換え前の背景地図情報の地図データバージョンが「一致する(新)」と判断される。
【0047】
このように、S49では、背景地図情報のダウンロード終了を待たずに、ノード情報及び案内情報のダウンロード終了後、二つの情報の地図データバージョンの新旧情報が比較されるので、二つの情報の地図データバージョンの比較結果が得られる。このため、背景地図情報のダウンロード終了後よりもノード情報と案内情報のダウンロード終了後の方が、比較結果を早く得ることができる。更にまた、経路案内に必要な最低限のノード情報と案内情報がダウンロードされるので、背景地図情報に含まれる一部の情報がノード情報と案内情報と同時にダウンロードされるよりも早くダウンロードが終了される。このため、ノード情報と案内情報と共に他の情報がダウンロードされるよりもノード情報と案内情報のダウンロードの方が、比較結果をより早く得ることができる。
【0048】
そして、S49の判断が肯定されると、S51、S53及びエンドの順に進む。表示経路生成部4bにより、案内経路情報が出力部4dへ入力される(S51)。次に、出力部4dにより、案内経路情報が表示信号に変換され、表示信号がHMIデバイス6へ出力される(S53)このため、HMIデバイス6には、例えば、
図5に示すように、地図データバージョンの新旧情報は表示されず、案内経路情報のみが表示される。
【0049】
一方、S49の判断が否定されると、S55及びS57の順に進む。表示経路生成部4bにより、案内経路情報が出力部4dへ入力される(S55)。
【0050】
次に、出力部4dにより、案内経路情報は交差点拡大表示時か又はずれ表示時か否かが判断される(S57)。例えば、「交差点拡大表示」とは、
図6に示すように、交差点が拡大された場合であり、左折の案内表示が表示される場合である。更に、「ずれ表示」とは、例えば、
図7に示すように、拡大表示ではないが、結線されたノード情報では直進であり、背景地図情報では直進に進む道路がない場合である。即ち、結線されたノード情報と背景地図情報とが経路案内においてずれている(矛盾している)場合である。更にまた、例えば、
図8に示すように、交差点拡大表示、かつ、ずれ表示の場合もある。そして、S57の判断が否定されると、S53及びエンドに進む。
【0051】
一方、S57の判断が肯定されると、S59及びエンドの順に進む。出力部4dにより、案内経路情報と地図データバージョンの旧情報が表示信号に変換され、表示信号がHMIデバイス6へ出力される(S59)。HMIデバイス6には、例えば、
図6~
図8に示すように、案内経路情報に加え、旧情報として左上に「古」という文字が表示される。
【0052】
このように、旧情報を表示する理由は、以下の通りである。つまり、外部サーバ100の最新地図データにより走行案内経路が生成され、背景地図情報よりも先にノード情報と案内情報がダウンロードされる。次に、書き換え後のノード情報と書き換え前の背景地図情報により、HMIデバイス6に表示される案内経路情報が生成されるとき、二つの情報に矛盾が起きることがある。そして、経路案内中、案内経路情報に矛盾が起きると、ユーザは、背景地図情報が古いか否かがわからず、経路案内を参照して良いか否かがわからない。そうすると、経路案内中、経路案内に対してユーザは混乱してしまう。このため、旧情報が表示される。即ち、書き換え後のノード情報よりも書き換え前の背景地図情報が古いことを、自車のユーザが認識できる。従って、経路案内中、地図データの新旧情報を自車のユーザが認識できる。
【0053】
更に、
図6の左折時においては、背景地図情報を参照してもよいことがわかる。
図7の直進時及び
図8の右折時においては、背景地図情報を参照しない方がよいことがわかる。このように、案内経路情報に加えて旧情報が表示されることにより、経路案内中、経路案内に対するユーザの混乱を抑制できる。更にまた、「新しい」ことを表示するよりも「古い」ことが表示されることで、経路案内中、ユーザに対し前もって、ノード情報よりも背景地図情報が古いことを知らしめる(認知させる)ことができる。これにより、経路案内中、ユーザに対して注意喚起できる。特に、自車が曲がる交差点の交差点拡大表示時に旧情報が表示されることにより、ユーザはその交差点を誤認しないように気を付けることができる。このため、経路案内における自車が曲がる交差点拡大表示時、ユーザに対してより注意喚起できる。更に、ずれ表示時に旧情報が表示されることにより、経路案内におけるずれ表示時、経路案内に対するユーザの混乱を抑制できる。
【0054】
なお、所定領域地図データのうち背景地図情報のダウンロードは、例えば、ダウンロード終了前に次の分割地点に達したらダウンロードが中止され、次の分割地点に達する前にダウンロードが終了したら、格納地図データの背景地図情報が書き換えられて、S41に進む。そして、自車が目的地に到着すると、ダウンロードを終了する。
【0055】
以上説明したように、実施例1のナビゲーション方法及びナビゲーション装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
【0056】
(1)最新地図データを格納している外部サーバ100と、メモリ(地図データ格納部3)に格納されている格納地図データに基づいて経路案内を実行するユーザコントローラ(ナビゲーション制御ユニット4)と、の通信によるナビゲーション方法である。このナビゲーション方法において、ユーザコントローラ(ナビゲーション制御ユニット4)は、外部サーバ100との通信により、最新地図データのうち出発地から目的地までの間の外部地図データを、所定領域の所定領域地図データごとに分けてダウンロードするとき、以下のことを行う。所定領域地図データを構成する第1情報と第2情報のうち、第2情報よりもデータ量が小さい第1情報のダウンロードを開始する(S41)。第1情報のダウンロードが終了すると(S43の「YES」)、第1情報の地図データバージョンと、メモリ(地図データ格納部3)から読み込んだ所定領域に対応する格納地図データの地図データバージョンと、の新旧情報を比較する(S49)。地図データバージョンの比較結果に応じて、地図データバージョンの新旧情報を報知デバイス(HMIデバイス6)に出力する(S59)。
【0057】
このように、報知デバイス(HMIデバイス6)に地図データバージョンの新旧情報が出力されることにより、地図データの新旧情報が報知デバイス(HMIデバイス6)に表示される。従って、経路案内中、地図データの新旧情報を自車のユーザが認識するナビゲーション方法を提供できる。加えて、第2情報のダウンロード終了を待たずに、第1情報のダウンロード終了後、二つの情報の地図データバージョンの新旧情報が比較されるので、第2情報のダウンロード終了後よりも比較結果を早く得ることができ、新旧情報を報知できる。
【0058】
(2)ユーザコントローラ(ナビゲーション制御ユニット4)は、以下のことを行う。第1情報のダウンロードが終了すると(S43の「YES」)、格納地図データのうち第1情報に相当するノード情報を第1情報に書き換える(S45)。書き換え後のノード情報と、格納地図データのうち書き換え前の第2情報に相当する背景地図情報と、を比較する(S49)。
【0059】
このように、第1情報はノード情報であり、第2情報は背景地図情報であるから、背景地図情報のダウンロード終了を待たずに、ノード情報のダウンロード終了後、二つの情報の地図データバージョンの新旧情報が比較される。従って、背景地図情報のダウンロード終了後よりも比較結果をより早く得ることができ、新旧情報を報知できる。
【0060】
(3)ユーザコントローラ(ナビゲーション制御ユニット4)は、地図データバージョンの比較結果により、地図データバージョンが一致する場合(S49の「YES」)には地図データバージョンの新旧情報を報知デバイス(HMIデバイス6)に出力しない(S53)。ユーザコントローラ(ナビゲーション制御ユニット4)は、地図データバージョンの比較結果により、地図データバージョンが一致しない場合(S49の「NO」)には地図データバージョンの旧情報を報知デバイス(HMIデバイス6)に出力する(S59)。
【0061】
このように、地図データバージョンが一致しない場合に、報知デバイス(HMIデバイス6)に旧情報が出力されることにより、地図データの旧情報が報知デバイス(HMIデバイス6)に表示される。このため、経路案内中、ユーザに対し前もって、ノード情報よりも背景地図情報が古いことを知らしめることができる。従って、経路案内中、ユーザに対して注意喚起できる。
【0062】
(4)メモリ(地図データ格納部3)と、ユーザコントローラ(ナビゲーション制御ユニット4)と、報知デバイスに含まれる表示デバイス(HMIデバイス6)と、は車両に搭載されている。ユーザコントローラ(ナビゲーション制御ユニット4)は、地図データバージョンが一致しない場合(S49の「NO」)、経路案内における交差点拡大表示時に(S57の「YES」)、地図データバージョンの旧情報を表示デバイスに出力する(S59)。
【0063】
このように、地図データバージョンが一致しない場合、経路案内における交差点拡大表示時に、報知デバイス(HMIデバイス6)に旧情報が出力されることにより、地図データの旧情報が報知デバイス(HMIデバイス6)に表示される。このため、経路案内中、ユーザに対し前もって、ノード情報よりも背景地図情報が古いことを知らしめることができる。従って、経路案内における交差点拡大表示時、ユーザに対して注意喚起できる。特に、経路案内における自車が曲がる交差点の交差点拡大表示時では、ユーザに対してより注意喚起できる。
【0064】
(5)メモリ(地図データ格納部3)と、ユーザコントローラ(ナビゲーション制御ユニット4)と、報知デバイスに含まれる表示デバイス(HMIデバイス6)と、は車両に搭載されている。外部サーバ100は、ユーザコントローラ(ナビゲーション制御ユニット4)からの要求に応じて案内経路を生成し、案内経路を反映した案内情報とノード情報を第1情報とする。ユーザコントローラ(ナビゲーション制御ユニット4)は、以下のことを行う。案内情報に基づき、ノード情報の各ノードを結線する(S23)。地図データバージョンが一致しない場合(S49の「NO」)、結線したノード情報と背景地図情報とが経路案内におけるずれ表示時に(S57の「YES」)、地図データバージョンの旧情報を表示デバイスに出力する(S59)。
【0065】
このように、地図データバージョンが一致しない場合、経路案内におけるずれ表示時に、報知デバイス(HMIデバイス6)に旧情報が出力されることにより、地図データの旧情報が報知デバイス(HMIデバイス6)に表示される。従って、経路案内におけるずれ表示時、経路案内に対するユーザの混乱を抑制できる。
【0066】
(6)最新地図データを格納している外部サーバ100と、メモリ(地図データ格納部3)に格納されている格納地図データに基づいて経路案内を実行するユーザコントローラ(ナビゲーション制御ユニット4)と、を備えるナビゲーション装置1である。このナビゲーション装置1において、ユーザコントローラ(ナビゲーション制御ユニット4)は、外部サーバ100との通信により、最新地図データのうち出発地から目的地までの間の外部地図データを、所定領域の所定領域地図データごとに分けてダウンロードするとき、以下のことを行う。ユーザコントローラ(ナビゲーション制御ユニット4)は、所定領域地図データを構成する第1情報と第2情報のうち、第2情報よりもデータ量が小さい第1情報のダウンロードを開始する(S41)。そして、ユーザコントローラ(ナビゲーション制御ユニット4)は、比較部4cと、出力部4dと、を有する。比較部4cは、第1情報のダウンロードが終了すると(S43の「YES」)、第1情報の地図データバージョンと、メモリ(地図データ格納部3)から読み込んだ所定領域に対応する格納地図データの地図データバージョンと、の新旧情報を比較する(S49)。出力部4dは、地図データバージョンの比較結果に応じて、地図データバージョンの新旧情報を報知デバイス(HMIデバイス6)に出力する(S59)。
【0067】
このように、報知デバイス(HMIデバイス6)に地図データバージョンの新旧情報が出力されることにより、地図データの新旧情報が報知デバイス(HMIデバイス6)に表示される。従って、経路案内中、地図データの新旧情報を自車のユーザが認識するナビゲーション装置1を提供できる。加えて、第2情報のダウンロード終了を待たずに、第1情報のダウンロード終了後、二つの情報の地図データバージョンの新旧情報が比較されるので、第2情報のダウンロード終了後よりも比較結果を早く得ることができ、新旧情報を報知できる。
【0068】
以上、本開示のナビゲーション方法及びナビゲーション装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0069】
実施例1では、オンラインのとき、ナビゲーション制御ユニット4から外部サーバ100へ自車位置情報と目的地情報を送信し、外部サーバ100の経路生成部103にて走行案内経路を生成する例を示した。しかし、これに限られない。例えば、オンラインのときであっても、まず、ナビゲーション制御ユニットが走行案内経路を生成する。次に、ナビゲーション制御ユニットから外部サーバへ自車位置情報と目的地情報に加え、走行案内経路を送信しても良い。続いて、外部サーバでは、走行案内経路に基づく外部地図データを出発地から目的地までの間の所定領域ごとに分け、その所定領域ごとに分けた所定領域地図データを、「ノード情報及び案内情報」と「背景地図情報」の二つに分けて送信しても良い。
【0070】
実施例1では、格納地図データのうち、ダウンロードによる書き換え後のノード情報と、所定領域に対応する書き換え前の背景地図情報と、を読み込み、二つの情報の地図データバージョンの新旧情報を比較する例を示した。しかし、これに限られない。例えば、ダウンロードしたノード情報をナビゲーション制御ユニット4が保有した状態で、背景地図情報と、地図データバージョンの新旧情報を比較しても良い。
【0071】
実施例1では、地図データバージョンが一致しない場合であって、少なくとも交差点拡大表示時又はずれ表示時に、地図データバージョンの旧情報を表示デバイスに出力する例を示した。しかし、これに限られない。例えば、地図データバージョンが一致しない場合は、交差点拡大表示時又はずれ表示時に限らず、地図データバージョンの旧情報を表示デバイスに常に出力しても良い。
【0072】
実施例1では、ノード情報及び案内情報を先にダウンロードし、その後に背景地図情報をダウンロードする例を示した。しかし、これに限られない。ノード情報及び案内情報と、背景地図情報と、のダウンロードを同時に開始しても良い。同時に開始しても、ノード情報及び案内情報の方が、背景地図情報よりもデータ量が小さいので、先にダウンロードが終了する。
【0073】
実施例1では、第1情報をノード情報及び案内情報とし、第2情報を背景地図情報とする例を示した。しかし、これに限られない。要するに、第1情報として、ノード情報及び案内情報に加え、他の情報を含めても良く、その結果、第2情報よりもデータ量が小さい第1情報となっていれば良い。
【0074】
実施例1では、所定領域地図データを二つに分ける例を示した。しかし、これに限られない。例えば、所定領域地図データを三つに分けても良い。背景地図情報に含まれる道路情報・地形情報・施設情報のうち、道路情報及び地形情報と施設情報とに分け、施設情報を最後にダウンロードしても良い。
【0075】
実施例1では、旧情報の表示として、左上に「古」を四角で囲ったアイコンを表示する例を示した。しかし、これに限られない。例えば、「古」ではなく「旧」と表示しても良いし、表示位置も左上ではなく右上としても良い。更に、アイコンは、文字を四角で囲ったものに限らず、旧情報の表示であることがわかる絵等のアイコンでも良い。更にまた、アイコンではなく、経路案内の矢印の色を変更しても良い。例えば、旧情報の表示無しの経路案内時の矢印が緑色の場合には、旧情報の表示有りの経路案内時の矢印を赤色に変更する。要するに、旧情報の表示として、経路案内中、地図データの新旧情報を、ユーザが認識できる表示とすれば良い。
【0076】
実施例1では、報知デバイスに含まれるHMIデバイス6の表示により経路案内等を報知する例を示した。しかし、これに限られない。例えば、報知デバイスに含まれるHMIデバイスによる音声により経路案内等を報知しても良いし、HMIデバイスの表示と音声との両方により経路案内等を報知しても良い。要するに、経路案内等を報知できれば良い。
【0077】
実施例1では、データ入力手段をタッチパネル5とする例を示した。しかし、これに限られない。例えば、データ入力手段を、スイッチ、リモコン又はスマートフォン等の携帯端末等としても良い。そして、ユーザは、スイッチやリモコンを操作することで、又は、スマートフォン等の携帯端末を遠隔操作することで、ナビゲーション制御ユニットに対して自車の目的地等を入力する。要するに、ユーザがデータ入力手段を操作することで、ナビゲーション制御ユニットに対して自車の目的地等を入力できれば良い。
【0078】
実施例1では、本開示のナビゲーション方法及びナビゲーション装置を、車両に搭載されたカーナビゲーションシステムに適用する例を示した。しかし、本開示のナビゲーション方法及びナビゲーション装置は、スマートフォン等の携帯端末に搭載されたナビゲーションシステムに適用しても良い。
【符号の説明】
【0079】
1 ナビゲーション装置
2 車載センサ
24 車載データ通信器
3 地図データ格納部
4 ナビゲーション制御ユニット(ユーザコントローラ)
4a 結線部
4b 表示経路生成部
4c 比較部
4d 出力部
6 HMIデバイス(報知デバイス、表示デバイス)
100 外部サーバ
101 外部データ通信器
102 最新地図データ格納部
103 経路生成部