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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-21
(45)【発行日】2022-05-02
(54)【発明の名称】オープンシールド機
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/06 20060101AFI20220422BHJP
【FI】
E21D9/06 331
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018234189
(22)【出願日】2018-12-14
(65)【公開番号】P2020094445
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2020-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000189903
【氏名又は名称】植村 誠
(73)【特許権者】
【識別番号】501200491
【氏名又は名称】植村 賢治郎
(74)【代理人】
【識別番号】100078695
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 司
(74)【代理人】
【識別番号】100186864
【弁理士】
【氏名又は名称】尾関 眞里子
(72)【発明者】
【氏名】植村 誠
(72)【発明者】
【氏名】植村 賢治郎
(72)【発明者】
【氏名】竹川 廣明
(72)【発明者】
【氏名】日浦 正一
【審査官】小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-081496(JP,A)
【文献】特開2017-020218(JP,A)
【文献】特開昭56-105097(JP,A)
【文献】特開昭52-146935(JP,A)
【文献】実開昭53-078042(JP,U)
【文献】実開昭62-103895(JP,U)
【文献】特開2016-121523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オープンシールド機の前面または上面開口より前方の土砂を掘削・排土する工程と、推進ジャッキを伸長してコンクリート函体を反力にしてシールド機を前進させる工程と、シールド機のテール部内で縮めた推進ジャッキの後方に新たなコンクリート函体を上方から吊り降ろしてセットする工程とを適宜繰り返して順次コンクリート函体を縦列に埋設するオープンシールド工法に使用されるオープンシールド機において、後端の上部に端部をピン結合によりヒンジ結合した内蔵ジャッキにより前後にスライド可能な土被埋戻し用スライドボックスを摺動可能な嵌合ボックスによるものとしてテール側方土留板間に設けたことを特徴とするオープンシールド機。
【請求項2】
テール側方土留板はヒンジで設け、テール側方土留板同士を落し板による固定板で結合してヒンジ止めとする請求項1記載のオープンシールド機。
【請求項3】
土被埋戻し用スライドボックスはけん引ジャッキで固定板に固定する請求項1記載のオープンシールド機。
【請求項4】
土被埋戻し用スライドボックスは、テール側方土留板を形成する多段分割体である請求項1記載のオープンシールド機。
【請求項5】
土被埋戻し用スライドボックスは、前後に摺動可能な嵌合ボックスをホルダーに収め、内蔵ジャッキによりこのホルダーから突出するようにした請求項1記載のオープンシールド機。
【請求項6】
ホルダーは、シールド機本体とヒンジ結合する請求項5記載のオープンシールド機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オープンシールド工法に使用するオープンシールド機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のごとくオープンシールド工法は、開削工法(オープン工法)とシールド工法の長所を生かした合理性に富む工法であり、このオープンシールド工法では、シールド機を前方の機体の後端に後方の機体の前端が嵌入して、相互の嵌合部で屈曲可能としてカーブ施工を可能としたり、方向修正を行えるようにしたものがある。
【0003】
その一例を説明すると、下記特許文献にもあるが、オープンシールド機1は、図11に示すように基本的には左右の側壁板1a,1bとこれら側壁板1a,1bと同程度の長さでその間を連結する底板1cとからなる前面、後面及び上面を開口したシールド機である。
【文献】特開2017-20218号公報
【0004】
該オープンシールド機1は図12に示すように機体を前後方向で複数に分割し、フロント部2としての前方の機体の後端にテール部3としての後方の機体の前端が嵌入して、相互の嵌合部で屈曲可能とした。
【0005】
フロント部2は主として掘削を行うもので、前端と上面を開放面としてあり、機体内で後部に後方へ向けて中折ジャッキ4を左右によせて、また上下複数段に配設している。
【0006】
これに対してテール部3はコンクリート函体8の設置を行うもので、機体内で前部に後方へ向けてシールドジャッキ5を左右によせて、また上下複数段に配設している。図中6はフロント部2の前端に設けた可動分割刃口、7はテール部3の後端に設けた側方土留板、9はストラット、10はプレスバー(押角)である。
【0007】
前記側方土留板7は図12に示すようにテール部3の後端に蝶番で可動に取り付くものであり、土砂の崩壊を防止する。
【0008】
このようなオープンシールド機1を使用するオープンシールド工法は、図13図16に示すように、発進坑と到達坑との間で施工される。発進坑11内で前記オープンシールド機を組立て、発進坑11の前の地盤を地上に設置したショベル系の掘削機12で掘削し、該オープンシールド機1のシールドジャッキ5を伸長して発進坑11内の反力壁に反力をとってオープンシールド機1を前進させ、地下構造物を形成する第1番目のコンクリート函体8を上方から吊り降し、オープンシールド機1のテール部3内で縮めたシールドジャッキ5の後方にストラット9およびプレスバー10とともにセットする。
【0009】
また、発進坑11はシートパイル等の土留壁で構成し、オープンシールド機1を発進させるにはこの土留壁を一部鏡切りするが、必要に応じて薬液注入等で発進坑11の前方部分に地盤改良を施しておくこともある。
【0010】
次いで、同様に掘削機12でフロント部2の前面又は上面から土砂を掘削しかつ排土してオープンシールド機1を前進させ、前記第1番目のコンクリート函体8の前に第2番目のコンクリート函体8をテール部3内に吊り降す。以下、同様の掘進及びコンクリート函体8のセット工程を繰返して、順次コンクリート函体8を縦列に地中に埋設し、後方のコンクリート函体8上にダンプで埋戻しを施し、オープンシールド機1が到達坑13まで達したならばこれを分解、撤去して工事を完了する。図中15はグラウト機である。
【0011】
ところで、オープンシールド機の掘進はシールドジャッキ5を伸長することによりコンクリート函体に推進反力を得て前方へ進むが、オープンシールド機推進時の上下左右の挙動に対しては、使用するシールドジャッキ5の選択や使用ジャッキの伸長差により、推進時の挙動を制御する。
【0012】
その際、中折ジャッキ4のうち、左右いずれかを多く伸長させればフロント部2はその反対側に向きを変え、その方向に曲がる。また、上下いずれかを多く伸長させればフロント部2はその反対側に向きを変え、上向きまたは下向きに曲がる。このようにしたカーブ施工または方向修正が可能である。
【0013】
このようなカーブ施工または方向修正の場合、側方土留板7は可動して向きをオープンシールド機1の進行方向に合わせることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、敷設函体高さが土被り高さより小さい場合、シールド機の高さに対してシールドジャッキの配置高さが低いため、オープンシールド機1推進時、シールド機底部からシールド機ジャッキ配置高さ付近までのシールド機シールド機側板と地山とのフリクションは切れるが、シールドジャッキより上方の側板と地山とのフリクションが切れ難く、オープンシールド機は上向きの挙動傾向となりやすい。また、土被りが大きくなると、オープンシールド機側方土留板内での函体上部の埋め戻し土の締め固めが不十分となる。
【0015】
本発明の目的はこのような従来例の不都合を解消し、土被りがある場合のオープンシールド機の掘進でも土被りから推進反力が取れ、オープンシールド機の上向き挙動傾向を解消し、かつ、土被り部(函体上部埋め戻し土)の締め固めが可能なオープンシールド機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、オープンシールド機の前面または上面開口より前方の土砂を掘削・排土する工程と、推進ジャッキを伸長してコンクリート函体を反力にしてシールド機を前進させる工程と、シールド機のテール部内で縮めた推進ジャッキの後方に新たなコンクリート函体を上方から吊り降ろしてセットする工程とを適宜繰り返して順次コンクリート函体を縦列に埋設するオープンシールド工法に使用されるオープンシールド機において、後端の上部に端部をピン結合によりヒンジ結合した内蔵ジャッキにより前後にスライド可能な土被埋戻し用スライドボックスを摺動可能な嵌合ボックスによるものとしてテール側方土留板間に設けたことを要旨とするものである。
【0017】
請求項1記載の本発明によれば、ジャッキを伸長してスライドボックスを押し出せばこれが埋戻し土を締固め、かつ埋戻し土(土被り)から推進補助反力を取れる状態となる。
【0018】
この状態でシールドジャッキでオープンシールド機を推進させると同時に函体上部の土被り分の埋戻し土をスライドボックスを可動させることにより、シールド機の上向き傾向を解消することができる。
【0019】
さらに、土被埋戻し用スライドボックスはこれを従来からあるテール側方土留板間に設けることができ、内蔵ジャッキを伸長して嵌合ボックスの一方を押し出すことにより、埋戻し土を締固め、かつ埋戻し土(土被り)から推進補助反力を取れる状態として、シールド機の上向き傾向を解消することができる。
【0020】
請求項2記載の本発明は、テール側方土留板はヒンジで設け、テール側方土留板同士を落し板による固定板で結合してヒンジ止めとすることを要旨とするものである。
【0021】
請求項2記載の本発明によれば、テール側方土留板はこれをヒンジで設けることで、カーブ施工または方向修正の場合、側方土留板は可動して向きをオープンシールド機の進行方向に合わせることができるが、土被埋戻し用スライドボックスを設ける場合はシールド機本体とは固定することがないので、テール部側板と追従する。
【0022】
請求項3記載の本発明は、土被埋戻し用スライドボックスはけん引ジャッキで固定板に固定することを要旨とするものである。
【0023】
請求項3記載の本発明によれば、土被埋戻し用スライドボックスがコンクリート函体から浮き上がった場合やシールド機本体に追従しない場合は、けん引ジャッキにより引き戻すことができる。
【0024】
請求項4記載の本発明は、土被埋戻し用スライドボックスは、テール側方土留板を形成する多段分割体であることを要旨とするものである。
【0025】
請求項4記載の本発明によれば、、土被埋戻し用スライドボックスは、テール側方土留板を改良してこれを多段分割体として形成するもので、従来のテール側方土留板の機能も発揮させることができる。
【0026】
また、多段分割体として形成することで、押し込んでも引き抜きやすいものとなり、さらに、必要に応じて可動させるものを選択でき、押し易い箇所のみ、作用させることが可能である。
【0027】
請求項5記載の本発明は、土被埋戻し用スライドボックスは、前後に摺動可能な嵌合ボックスをホルダーに収め、内蔵ジャッキによりこのホルダーから突出するようにしたことを要旨とするものである。
【0028】
請求項5記載の本発明によれば、土被埋戻し用スライドボックスは、嵌合ボックスをホルダーに収め、内蔵ジャッキによりこのホルダーから突出させることで安定したスライドを行うことができる。
【0029】
請求項6記載の本発明は、ホルダーはシールド機本体とヒンジ結合することを要旨とするものである。
【0030】
請求項6記載の本発明によれば、ホルダーはシールド機本体とヒンジ結合することにより土被埋戻し用スライドボックスはシールド機の曲がりに追随できるものとなる。
【発明の効果】
【0031】
以上述べたように本発明のオープンシールド機は、土被りがある場合のオープンシールド機の掘進でも土被りから推進反力が取れ、オープンシールド機推進時の上向き挙動傾向を解消でき、土被り部(函体上部埋戻し土)の締め固めも可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明のオープンシールド機の第1実施形態を示す要部の縦断側面図である。
図2】本発明のオープンシールド機の第1実施形態を示す要部の平面図である。
図3】本発明のオープンシールド機の第1実施形態を示す推進時の横断平面図である。
図4】本発明のオープンシールド機の第1実施形態を示す土被埋戻し用スライドボックス縮小時の横断平面図である。
図5】本発明のオープンシールド機の第2実施形態を示す縦断側面図である。
図6】本発明のオープンシールド機の第2実施形態を示す横断平面図である。
図7図6のA-A線矢視図である。
図8図6のB-B線矢視図である。
図9】本発明のオープンシールド機の第2実施形態を示す土被埋戻し用スライドボックス伸長時の縦断側面図である。
図10】本発明のオープンシールド機の第2実施形態を示す土被埋戻し用スライドボックス伸長時の横断平面図である。
図11】オープンシールド機の概要を示す縦断正面図である。
図12】オープンシールド機の概要を示す縦断側面図である。
図13】オープンシールド工法の第1工程を示す側面図である。
図14】オープンシールド工法の第2工程を示す側面図である。
図15】オープンシールド工法の第3工程を示す側面図である。
図16】オープンシールド工法の第4工程を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明のオープンシールド機の第1実施形態を示す要部の縦断側面図、図2は同上平面図でオープンシールド機のテール部のみを示したものである。
【0034】
オープンシールド機1の概要については、前記図10に示すように機体を前後方向で複数に分割し、フロント部2としての前方の機体の後端にテール部3としての後方の機体の前端が嵌入して、相互の嵌合部で屈曲可能とした。
【0035】
フロント部2は主として掘削を行うもので、前端と上面を開放面としてあり、機体内で後部に後方へ向けて中折ジャッキ4を左右によせて、また上下複数段に配設している。
【0036】
これに対してテール部3はコンクリート函体8の設置を行うもので、機体内で前部に後方へ向けてシールドジャッキ5を左右によせて、また上下複数段に配設している。図中6はフロント部2の前端に設けた可動分割刃口、7はテール部3の後端に設けた側方土留板、9はストラット、10はプレスバー(押角)、30は可動分割刃口6のスライドジャッキである。
【0037】
前記側方土留板7はテール部3の後端に蝶番で可動に取り付くものであり、土砂の崩壊を防止する。
【0038】
このようなオープンシールド機1を用いて行うオープンシールド工法についても前記図13図16で説明した通りである。
【0039】
本発明は、テール側方土留板7はヒンジで設けるが、側方土留板7の内側に縦方向に固定板15の側端が嵌り込むチャンネル状の側方土留板落とし込みガイド14を形成し、この側方土留板落とし込みガイド14を介して側方土留板7間に落し板による固定板15を落とし込むことでヒンジ止めができるようにした。
【0040】
また、テール側方土留板7間に、内蔵ジャッキ16により前後に摺動可能な嵌合ボックス17a(外ボックス)、17b(内ボックス)による土被埋戻し用スライドボックス18を設けた。
【0041】
嵌合ボックス17a(外ボックス)は固定的部材、嵌合ボックス17b(内ボックス)はこの嵌合ボックス17a(外ボックス)に入り込み、摺動して出ていくものであり、その前端板は押圧板19として形成する。
【0042】
内蔵ジャッキ16はこれら嵌合ボックス17b(内ボックス)と嵌合ボックス17a(外ボックス)間に架け渡すもので、端部20、21はピン結合によりヒンジ結合とする。
【0043】
端部20はオープンシールド機1の前側方向の端部であり、内蔵ジャッキ16は水平方向に回転可能であり、端部21はオープンシールド機1の後方方向の端部であり、内蔵ジャッキ16は垂直方向に回転可能である。
【0044】
さらに、土被埋戻し用スライドボックス18はけん引ジャッキ23でけん引部材により固定板15に固定する。
【0045】
図中22はコンクリート函体8の周囲に配設した裏込め注入材である。
【0046】
次に使用法について説明すると、前記オープンシールド工法を施工する場合で、後方のコンクリート函体8上にダンプで埋戻しを施すが、この埋戻し土を配設した後では、図3に示すように内蔵ジャッキ16を伸長して土被埋戻し用スライドボックス18の一方、嵌合ボックス17b(内ボックス)を押し出せば、押圧板19が埋戻し土の端を押圧し、締固める。
【0047】
なお、土被埋戻し用スライドボックス18の設置は、側方土留板7間に落し板による固定板15を落とし込むことで同時に行うことができる。
【0048】
オープンシールド機1を推進させる場合に、埋戻し土(土被り)から推進補助反力を取れる状態となる。
【0049】
オープンシールド機1を推進させた後では、図4に示すように内蔵ジャッキ16を縮小して土被埋戻し用スライドボックス18を縮めたものとし、埋戻し土の充填に備える。
【0050】
また、オープンシールド機1の掘進に伴いオープンシールド機が上下動し、土被埋戻し用スライドボックス18がコンクリート函体8上から浮き上がろうとする、もしくは浮き上がってしまった場合には、けん引ジャッキ23を緩めることにより、土被埋戻し用スライドボックス18を下げることができるので、土被埋戻し用スライドボックス底部と函体頂版との間に隙間が生じず接した状態にでき、函体上部の埋め戻しを支障なくできる。
【0051】
図5図10は本発明の第2実施形態を示すもので、土被埋戻し用スライドボックス18は、テール側方土留板7を形成する多段分割体である。
【0052】
各土被埋戻し用スライドボックス18は、前後に摺動可能な嵌合ボックス25をホルダー26に収め、内蔵ジャッキ24によりこのホルダー26から突出するようにした。
【0053】
前記内蔵ジャッキ24は、そのロッド端がピン結合により嵌合ボックス25の先端内側にヒンジ結合し、シリンダー端部はホルダー26側にピン結合によりヒンジ結合している。
【0054】
また、ホルダー26はシールド機本体部にヒンジ結合28で結合する壁体27を複数の部屋に仕切って形成した。
【0055】
なお、ホルダー26と嵌合ボックス25の組み合わせは個別に独立させた土被埋戻し用スライドボックス18として、個別にヒンジ結合28で結合するものとしてもよい。
【0056】
次に使用法について説明すると、図5図6は土被埋戻し用スライドボックス18の伸長前の縮小状態、図9図10は伸長後の状態を示すもので、内蔵ジャッキ24を伸ばすと嵌合ボックス25はホルダー26から出ていく。
【0057】
主たる使用法は前記第1実施形態と同じであり、前記オープンシールド工法を施工する場合で、後方のコンクリート函体8上にダンプで埋戻しを施すが、この埋戻し土を配設した後では、内蔵ジャッキ24を伸長して土被埋戻し用スライドボックス18の嵌合ボックス25を押し出せば、埋戻し土を押圧し、締固めることができる。
【0058】
なお、この締固めは左右の土被埋戻し用スライドボックス18の部分であり前記第1実施形態のように全体で行うものではないが、オープンシールド機1を推進させる場合に、埋戻し土(土被り)から推進補助反力を取れる状態となる。
【0059】
オープンシールド機1を推進させた後では、内蔵ジャッキ24を縮小して土被埋戻し用スライドボックス18を縮めたものとし、埋戻し土の充填に備える。
【0060】
土被埋戻し用スライドボックス18はテール側方土留板7を形成する多段分割体であり、テール側方土留板7間に埋戻し土を充填することでオープンシールド機1の掘進に伴いオープンシールド機が上下動し、コンクリート函体8上から浮き上がろうとすることを防止できる。
【0061】
また、多段分割体としたので、個別に押し出すことができ、必要に応じて、上下の押出し差でテール側方土留板7としての形状を変えることができる。
【0062】
さらに、内蔵ジャッキ24は前後がヒンジ結合しているので、ホルダー26に対する嵌合ボックス25のガタツキに対しても押出姿勢が対応できる。
【0063】
これに加えて、ホルダー26を設ける壁体27自体はシールド機1の本体部とピンによりヒンジ結合28で角度可変に結合するので、シールド機1の曲がり等に対応できる。
【符号の説明】
【0064】
1…オープンシールド機
1a,1b…側壁板 1c…底板
2…フロント部 3…テール部
4…中折ジャッキ 5…シールドジャッキ
6…可動分割刃口 7…側方土留板
8…コンクリート函体 9…ストラット
10…プレスバー 11…発進坑
12…掘削機 13…到達坑
14…落とし込みガイド 15…固定板
16…内蔵ジャッキ 17a…嵌合ボックス(外ボックス)
17b…嵌合ボックス(内ボックス)
18…土被埋戻し用スライドボックス
19…押圧板 20、21…端部
22…裏込め注入材 23…けん引ジャッキ
24…内蔵ジャッキ 25…嵌合ボックス
26…ホルダー 27…壁体
28…ヒンジ結合
30…スライドジャッキ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16