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特許7062002マルチプレックスアッセイの方法及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-21
(45)【発行日】2022-05-02
(54)【発明の名称】マルチプレックスアッセイの方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/543 20060101AFI20220422BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20220422BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20220422BHJP
   C12Q 1/6816 20180101ALI20220422BHJP
【FI】
G01N33/543 525U
C12M1/00 A
C12M1/34 Z
C12Q1/6816 Z
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019514077
(86)(22)【出願日】2016-11-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-05
(86)【国際出願番号】 US2016063202
(87)【国際公開番号】W WO2018052464
(87)【国際公開日】2018-03-22
【審査請求日】2019-11-21
(31)【優先権主張番号】62/396,056
(32)【優先日】2016-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516250683
【氏名又は名称】プレックスバイオ カンパニー, リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ, ディーン
(72)【発明者】
【氏名】ヒュアン, チン-ショウ
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ヤオ-クァン
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/144016(WO,A1)
【文献】特表2014-504733(JP,A)
【文献】特表2010-536029(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48-33/98
C12M 1/00
C12M 1/34
C12Q 1/6816
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含むマルチプレックスアッセイの実施方法であって、
a)アッセイシステム中でサンプルをビーズと接触させることであって、前記アッセイシステム中の各ビーズは、
(1)第1の表面及び第2の表面を有する透明なポリマー層であって、前記第1及び第2の表面は、互いに平行である、前記透明なポリマー層;
(2)非透明なポリマー層であって、前記非透明なポリマー層は、前記透明なポリマー層の前記第1の表面に固定され、かつ、前記透明なポリマー層の中央部分を囲み、前記非透明なポリマー層は、アナログコード識別子を表す二次元形状を含む、前記非透明なポリマー層;
を含み、
前記システムは、(i)特定のアッセイ、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する少なくとも1つのビーズ、及び(ii)複数のビーズを含み、前記複数のビーズの各ビーズは、分析物に特異的に結合する捕捉剤を含み、前記捕捉剤は、前記透明なポリマー層の少なくとも前記中央部分において、前記透明なポリマー層の前記第1の表面に固定化され、及び前記複数のビーズの各ビーズは、前記捕捉剤に対応するアナログコード識別子を含む、前記接触させること;及び
任意の順序で、同時にまたは順次:
b)前記イメージングプロセッサーによって認識される前記アナログコード識別子を前記特定のアッセイとして同定すること;及び
c)前記捕捉剤に対応する前記アナログコード識別子の同定に基づいて、前記ビーズの表面上に固定化された前記捕捉剤への前記分析物の結合を分析することによって前記サンプル中の前記分析物の結合を検出すること
を含み、
前記ビーズが、円形のディスクであり;
第1の透明なポリマー層の中央部分が、前記第1の透明なポリマー層の表面積の5%~90%を含む、
方法。
【請求項2】
前記システムが:
(iii)少なくとも2つのビーズ、少なくとも3つのビーズ、少なくとも4つのビーズ、少なくとも5つのビーズ、または少なくとも6つのビーズをさらに含み、各々が、特定のアッセイ、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する;かつ/又は
(iv)前記イメージングプロセッサーによって認識される少なくとも1つのビーズを陽性または陰性対照としてさらに含む;かつ/又は
(v)前記イメージングプロセッサーの機能を監視するために予め標識される少なくとも1つのビーズをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ビーズが、300μm未満の直径、200μm未満の直径、又は50μm未満の直径である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ビーズの少なくとも1つの表面が、前記捕捉剤の化学的付着のための少なくとも1つの部位を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記捕捉剤が、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、及び抗体断片からなる群から選択される、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のビーズが、磁性または非磁性である、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記ビーズが、前記非透明なポリマー層の前記アナログコード識別子を配向するための配向インジケーターをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記配向インジケーターが、磁性の非透明な層の非対称性を含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記ビーズが、50μm未満の厚さである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ビーズが、10μmの厚さである、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記分析物が、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、小分子、細菌細胞、細胞器官、及び抗体断片からなる群から選択される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1または第2の表面を有する透明なポリマーが、エポキシ系ポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
マルチプレックスアッセイを実施するキットであって、
a)ビーズセットであって、前記ビーズセット中の各ビーズは、
(1)第1の表面及び第2の表面を有する透明なポリマー層であって、前記第1及び第2の表面は、互いに平行である前記透明なポリマー層;
(2)非透明なポリマー層であって、前記非透明なポリマー層は、前記透明なポリマー層の前記第1の表面に固定され、かつ、前記透明なポリマー層の中央部分を囲み、前記非透明なポリマー層は、アナログコード識別子を表す二次元形状を含む、前記非透明なポリマー層;
を含み、
前記ビーズセットは、(i)特定のアッセイ、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する少なくとも1つのビーズ、及び(ii)複数のさらなるビーズを含み、前記複数のさらなるビーズの各ビーズは、分析物に特異的に結合する捕捉剤を含み、前記捕捉剤は、前記透明なポリマー層の少なくとも前記中央部分において、前記透明なポリマー層の前記第1の表面に固定化され、前記複数のビーズの各ビーズは、前記捕捉剤に対応するアナログコード識別子を含む、前記ビーズセット;及び
b)前記分析物または捕捉剤に直接的または間接的に結合することが可能な信号発信エンティティ
を含み、
前記ビーズが、円形のディスクであり;
第1の透明なポリマー層の中央部分が、前記第1の透明なポリマー層の表面積の5%~90%を含む、
キット。
【請求項14】
前記信号発信エンティティが、前記信号発信エンティティにコンジュゲートされる二次抗体又はヌクレオチドプローブを介して、前記分析物または捕捉剤に間接的に結合する、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
前記信号発信エンティティが、フィコエリトリン、GFP、RFP、CFP、YFP、FITC、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、または放射性標識である、請求項14に記載のキット。
【請求項16】
前記キットが、少なくとも2つのビーズ、少なくとも3つのビーズ、少なくとも4つのビーズ、少なくとも5つのビーズ、または少なくとも6つのビーズをさらに含み、各々が、特定のアッセイ、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する、請求項1315のいずれか1項に記載のキット。
【請求項17】
前記分析物または捕捉剤に直接的または間接的に結合することが可能なエンティティをさらに含み、前記エンティティが、親和性タグを含む、請求項1316のいずれか1項に記載のキット。
【請求項18】
前記親和性タグが、ビオチン、His、またはマルトースである、請求項17に記載のキット。
【請求項19】
マルチプレックスアッセイシステムであって、
a)請求項1318のいずれか1項に記載のキット中の複数のビーズ;及び
b)イメージングプロセッサーシステム及び反応検出システムを含む装置
を含み、
デコードシステムにおけるイメージングプロセッサーによる、
(i)特定のアッセイ、
(ii)特定の分析物、
(iii)製造ロット、
(iv)個人、
(v)位置識別子、及び/または
(vi)較生信号
のうちの1つ以上に対応する識別子の同定により、前記特定のアッセイと相関する反応検出システムによって検出されるソフトウェア分析検出信号の使用を活性化させる、マルチプレックスアッセイシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本発明は、2016年9月16日に出願された米国仮出願第62/396,056号の優先権の利益を主張し、本出願は、その全体を参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、固有のアナログコード識別子でコード化されたビーズを含む組成物、並びに組成物の作製方法、マルチプレックス化学及び生物学アッセイにおける組成物の使用方法に関する。
【0003】
免疫学及び分子診断アッセイは、研究及び臨床現場の両方において重要な役割を果たす。複数のターゲットパネルに対するアッセイを行って、意義ある結果または俯瞰図の結果を得て、研究または臨床の意思決定を容易にする必要がある場合が多い。これは、ゲノミクス及びプロテオミクスの時代において特に当てはまり、豊富な遺伝子マーカー及び/またはバイオマーカーは、特定の疾患状態に影響を与えるかまたはそれを予測すると考えられる。理論的には、複数のターゲットのアッセイは、異なる反応槽で並列的あるいは個別に順次に各ターゲットを試験することで達成することが可能である(すなわち、マルチプルシングルプレックス)。しかしながら、シングルプレックス戦略を採用するアッセイは面倒な場合が多いだけでなく、典型的には、分析されるターゲットの数が多い場合には特に、大量のサンプル容量も必要とする。
【0004】
マルチプレックスアッセイは、単一アッセイで複数の分析物(2つ以上)を同時に測定する。マルチプレックスアッセイは、ハイスループットスクリーニングの設定において一般に使用され、多くの検体を一度に分析することができる。多くの分析物を同時かつ多くの検体を並行してアッセイする能力は、マルチプレックスアッセイの顕著な特徴であり、そのようなアッセイが、創薬から機能ゲノミクスさらに臨床診断に至る範囲の分野において強力なツールとなっている理由である。シングルプレックスとは対照的に、全てのターゲットを同じ反応槽で組み合わせることで、アッセイは、サンプル1つ当たり1つの反応槽のみを扱うので、あまり面倒ではなく、はるかに実施が容易である。必要とされる試験サンプルの体積を劇的に減少させることができるため、これは、サンプル(例えば、腫瘍組織、脳脊髄液、または骨髄)を大量に取得することが難しく及び/または侵襲的である場合には特に重要である。試薬コストを減少させ、アッセイスループットを劇的に増すことができることも等しく重要である。
【0005】
マルチプレックス検出に対する多くの技術が利用可能であり、蛍光コードビーズビーズ、バーコード磁性ビーズなどが挙げられる。従来から、全てのこれらのサスペンションアレイビーズは、実際のバイオアッセイを行うために利用される。これらのビーズベースのマルチプレックスアッセイシステムでは、アッセイ中の全てのビーズに対して2つの同定システムが存在する。1つのシステムは、ビーズの表面に付着した捕捉剤を同定することである一方、2番目の同定システムは、特定の捕捉剤に結合する分析物の存在または量を示すために用いられる。ルミネックス技術は、任意の所与のビーズと関連付けられた2つの異なるフルオロフォアを有するラテックスビーズを中心とするビーズベースのマルチプレックス検出システムの一例である。第1の蛍光色素をラテックス重合プロセス中にビーズに注入し、使用して、ビーズの同一性(すなわち、ビーズと関連付けられた捕捉剤の同定)を明らかにする。ビーズにリンクした分析物捕捉剤によって捕捉された分析物分子が存在する場合、第2のフルオロフォアは、ビーズに導入された分析物バインダーにコンジュゲートされる。他のビーズベースのアッセイでは、第1の同定システムは、蛍光ベースのもの以外のシステムに置き換えることができる。例えば、Applied Biocode’s BMBシステムでは、第1の同定システムは、バーコードに置き換えられる。
【0006】
これらの進歩にもかかわらず、高精度かつ再現性のある実験結果を確保するだけでなく、アッセイそれ自体には直接関係しない情報及びデータ記憶に関する他の機能を行うこともできるマルチプレックスハイスループットアッセイに使用される個々に同定可能なビーズを利用する方法及びシステムの必要性が依然としてある。
【0007】
本明細書を通じて、種々の特許、特許出願、及び他の種類の刊行物(例えば、雑誌論文)に言及している。本明細書に引用される全ての特許、特許出願、及び刊行物の開示は、全ての目的のためのそれらの全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、特に、固有の情報保存識別子でコード化された実質的に同一のサイズ及び形状のビーズの組成物(例えば、ポリマービーズ)、及びマルチプレックス化学及び生物学アッセイにおいて組成物を使用する方法を開示する。
【0009】
したがって、本明細書で提供されるのは、以下の工程:a)アッセイシステム中でサンプルをビーズと接触させることであって、システム中の各ビーズは、(1)第1の表面及び第2の表面を有する実質的に透明なポリマー層であって、第1及び第2の表面は、互いに平行である、実質的に透明なポリマー層;(2)実質的に非透明なポリマー層であって、実質的に非透明なポリマー層は、実質的に透明なポリマー層の第1の表面に固定され、かつ、実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲み、実質的に非透明なポリマー層は、アナログコード識別子を表す二次元形状を含む実質的に非透明なポリマー層;を含み、システムは、(i)特定のアッセイもしくはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する少なくとも1つのビーズ、及び(ii)複数のビーズを含み、複数のビーズの各ビーズは、分析物に特異的に結合する捕捉剤を含み、捕捉剤は、実質的に透明なポリマー層の少なくとも中央部分において、実質的に透明なポリマー層の第1の表面及び第2の表面の少なくとも1つの上に固定化され、及び複数のビーズの各ビーズは、捕捉剤に対応するアナログコード識別子を含む、接触させること;及び任意の順序で、同時または順次:b)イメージングプロセッサーによって認識される識別子を特定のアッセイとして同定すること;及びc)捕捉剤に対応するアナログコード識別子の同定に基づいて、ビーズの表面上に固定化された捕捉剤への分析物の結合を分析することによってサンプル中の分析物の結合を検出することを含む、マルチプレックスアッセイの実施方法である。いくつかの実施形態では、システムは、(iii)少なくとも2つのビーズ、少なくとも3つのビーズ、少なくとも4つのビーズ、少なくとも5つのビーズ、または少なくとも6つのビーズをさらに含み、各々は、特定のアッセイもしくはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する。いくつかの実施形態では、システムは、(iv)イメージングプロセッサーによって認識される少なくとも1つのビーズを陽性または陰性対照としてさらに含む。いくつかの実施形態では、位置識別子は、病院、診断研究所、住所、ヘルスケア専門家のオフィス、またはリサーチ研究所に対応する。いくつかの実施形態では、システムは、(v)イメージングプロセッサーの機能を監視するために予め標識される少なくとも1つのビーズをさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、球形または長方形の形状を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、約300μm未満の直径である。いくつかの実施形態では、ビーズの表面は、滑らかで、表面の凹凸がない。いくつかの実施形態では、ビーズの少なくとも1つの表面は、捕捉剤の化学的付着のための少なくとも1つの部位を含む。いくつかの実施形態では、捕捉剤は、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、及び抗体断片からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、複数のビーズは、磁性または非磁性である。いくつかの実施形態では、ビーズは、(3)実質的に非透明なポリマー層と実質的に透明なポリマー層の中央部分の間で実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む磁性の実質的に非透明な層をさらに含み、磁性の実質的に非透明な層は、実質的に透明なポリマー層の第1の表面または第2の表面に固定される。いくつかの実施形態では、ビーズは、(4)第1の実質的に透明なポリマー層と整列されている第2の実質的に透明なポリマー層であって、第2の実質的に透明なポリマー層は、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分と整列されている中央部分を有し、第2の実質的に透明なポリマー層は、第1の実質的に透明なポリマー層の第2の表面に固定され、かつ、第1の実質的に透明なポリマー層の二次元形状を超えて伸びない、第2の実質的に透明なポリマー層;及び(5)実質的に非透明なポリマー層と実質的に透明なポリマー層の中央部分の間で第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む磁性の実質的に非透明な層であって、磁性の実質的に非透明な層が、第1及び第2の実質的に透明なポリマー層の間に固定される、磁性の実質的に非透明な層をさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に非透明なポリマー層のアナログコード識別子を配向するための配向インジケーターをさらに含む。いくつかの実施形態では、配向インジケーターは、磁性の実質的に非透明な層の非対称性を含む。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、ニッケルを含む。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、約50nm~約10μmの厚さである。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、約0.1μmの厚さである。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の二次元形状は、実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む1つ以上のリングを含み、1つ以上のリングの少なくとも1つは、不連続を含む。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の二次元形状は、複数のギア歯を含むギア形状を含み、アナログコード識別子は、複数のうちの1つ以上のギア歯の高さ、複数のうちの1つ以上のギア歯の幅、複数におけるギア歯の数、及び複数内の1つ以上のギア歯の配置からなる群から選択される1つ以上の態様によって表される。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μmの幅である1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μmの高さである1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μm離間している2つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、(6)第1の実質的に透明なポリマー層の第1の表面から突出している1つ以上の円柱であって、1つ以上の円柱は、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分内ではない、1つ以上の円柱;及び/または(7)第1の実質的に透明なポリマー層に固定されない第1の実質的に透明なポリマー層の第2の表面または第2の実質的に透明なポリマー層の表面から突出している1つ以上の円柱であって、1つ以上の円柱は、第1または第2の実質的に透明なポリマー層の中央部分内ではない、1つ以上の円柱をさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に円形のディスクである。いくつかの実施形態では、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分は、第1の実質的に透明なポリマー層の表面積の約5%~約90%を含む。いくつかの実施形態では、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分は、第1の実質的に透明なポリマー層の表面積の約25%を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、約200μm未満の直径である。いくつかの実施形態では、ビーズは、約50μmの直径である。いくつかの実施形態では、ビーズは、約50μm未満の厚さである。いくつかの実施形態では、ビーズは、約10μmの厚さである。いくつかの実施形態では、分析物は、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、小分子、細菌細胞、細胞器官、及び抗体断片からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1または第2の実質的に透明なポリマー層の実質的に透明なポリマーは、エポキシ系ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、エポキシ系ポリマーは、SU-8である。
【0010】
他の態様では、本明細書で提供されるのは、a)ビーズセットであって、セット中の各ビーズは、(1)第1の表面及び第2の表面を有する実質的に透明なポリマー層であって、第1及び第2の表面は、互いに平行である実質的に透明なポリマー層;(2)実質的に非透明なポリマー層であって、実質的に非透明なポリマー層は、実質的に透明なポリマー層の第1の表面に固定され、かつ、実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む実質的に非透明なポリマー層を含み;及びビーズセットは、(i)特定のアッセイもしくはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する少なくとも1つのビーズ、及び(ii)複数のさらなるビーズを含み、複数のビーズの各ビーズは、分析物に特異的に結合する捕捉剤を含み、捕捉剤は、実質的に透明なポリマー層の少なくとも中央部分において、実質的に透明なポリマー層の第1の表面及び第2の表面の少なくとも1つの上に固定化され、複数のビーズの各ビーズは、捕捉剤に対応するアナログコード識別子を含む、ビーズセット;及びb)分析物または捕捉剤に直接的または間接的に結合することが可能な信号発信エンティティを含む、マルチプレックスアッセイを実施するキットである。いくつかの実施形態では、信号発信エンティティは、信号発信エンティティにコンジュゲートされる二次抗体を介して、分析物または捕捉剤に間接的に結合する。いくつかの実施形態では、信号発信エンティティは、信号発信エンティティにコンジュゲートされるヌクレオチドプローブを介して、分析物または捕捉剤に間接的に結合する。いくつかの実施形態では、信号発信エンティティは、フィコエリトリン、GFP、RFP、CFP、YFP、FITC、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、または放射性標識である。いくつかの実施形態では、キットは、少なくとも2つのビーズ、少なくとも3つのビーズ、少なくとも4つのビーズ、少なくとも5つのビーズ、または少なくとも6つのビーズをさらに含み、各々は、特定のアッセイもしくはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する。いくつかの実施形態では、キットは、(i)特定のアッセイとしてイメージングプロセッサーによって認識される識別子を有する少なくとも1つのビーズを同定し、(ii)複数のビーズ上の識別子を同定し、(iii)信号発信エンティティによって生成された信号の量を検出し、(iv)イメージングプロセッサーによって認識される識別子を有する少なくとも1つのビーズを製造ロットとして同定し、(v)イメージングプロセッサーによって認識される識別子を有する少なくとも1つのビーズを個人として同定し、(vi)イメージングプロセッサーによって認識される識別子を有する少なくとも1つのビーズを位置識別子として同定し、または(vii)イメージングプロセッサーの較正のために予め標識される少なくとも1つのビーズを同定するためのイメージングプロセッサーをさらに含む。いくつかの実施形態では、キットは、分析物または捕捉剤に直接的または間接的に結合することが可能なエンティティをさらに含み、エンティティは、親和性標識を含む。いくつかの実施形態では、親和性標識は、ビオチン、His6、またはマルトースである。上記の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、キットは、イメージングプロセッサーの機能を監視するために予め標識される少なくとも1つのビーズをさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、球形または長方形の形状を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、約300μm未満の直径である。いくつかの実施形態では、ビーズの表面は、滑らかで、表面の凹凸がない。いくつかの実施形態では、ビーズの少なくとも1つの表面は、捕捉剤の化学的付着のための少なくとも1つの部位を含む。いくつかの実施形態では、捕捉剤は、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、小分子、及び抗体断片からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、複数のビーズは、磁性または非磁性である。いくつかの実施形態では、ビーズは、(3)実質的に非透明なポリマー層と実質的に透明なポリマー層の中央部分の間で実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む磁性の実質的に非透明な層をさらに含み、磁性の実質的に非透明な層は、実質的に透明なポリマー層の第1の表面または第2の表面に固定される。いくつかの実施形態では、ビーズは、(4)第1の実質的に透明なポリマー層と整列されている第2の実質的に透明なポリマー層であって、第2の実質的に透明なポリマー層は、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分と整列されている中央部分を有し、第2の実質的に透明なポリマー層は、第1の実質的に透明なポリマー層の第2の表面に固定され、かつ、第1の実質的に透明なポリマー層の二次元形状を超えて伸びない第2の実質的に透明なポリマー層;及び(5)実質的に非透明なポリマー層と実質的に透明なポリマー層の中央部分の間で第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む磁性の実質的に非透明な層であって、磁性の実質的に非透明な層が、第1及び第2の実質的に透明なポリマー層の間に固定される、磁性の実質的に非透明な層をさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に非透明なポリマー層のアナログコード識別子を配向するための配向インジケーターをさらに含む。いくつかの実施形態では、配向インジケーターは、磁性の実質的に非透明な層の非対称性を含む。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、ニッケルを含む。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、約50nm~約10μmの厚さである。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、約0.1μmの厚さである。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の二次元形状は、実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む1つ以上のリングを含み、1つ以上のリングの少なくとも1つは、不連続を含む。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の二次元形状は、複数のギア歯を含むギア形状を含み、アナログコード識別子は、複数のうちの1つ以上のギア歯の高さ、複数のうちの1つ以上のギア歯の幅、複数におけるギア歯の数、及び複数内の1つ以上のギア歯の配置からなる群から選択される1つ以上の態様によって表される。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μmの幅である1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μmの高さである1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μm離間している2つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、(6)第1の実質的に透明なポリマー層の第1の表面から突出している1つ以上の円柱であって、1つ以上の円柱は、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分内ではない1つ以上の円柱;及び/または(7)第1の実質的に透明なポリマー層に固定されない第1の実質的に透明なポリマー層の第2の表面または第2の実質的に透明なポリマー層の表面から突出している1つ以上の円柱であって、1つ以上の円柱は、第1または第2の実質的に透明なポリマー層の中央部分内ではない、1つ以上の円柱をさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に円形のディスクである。いくつかの実施形態では、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分は、第1の実質的に透明なポリマー層の表面積の約5%~約90%を含む。いくつかの実施形態では、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分は、第1の実質的に透明なポリマー層の表面積の約25%を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、約200μm未満の直径である。いくつかの実施形態では、ビーズは、約50μmの直径である。いくつかの実施形態では、ビーズは、約50μm未満の厚さである。いくつかの実施形態では、ビーズは、約10μmの厚さである。いくつかの実施形態では、分析物は、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、小分子、細菌細胞、細胞器官、及び抗体断片からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1または第2の実質的に透明なポリマー層の実質的に透明なポリマーは、エポキシ系ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、エポキシ系ポリマーは、SU-8である。
【0011】
他の態様では、本明細書で提供されるのは、a)上記の実施形態のいずれか1項に記載のキット中の複数のビーズ;及びb)イメージングプロセッサーシステム及び反応検出システムを含む装置を含み、デコードシステムにおけるイメージングプロセッサーによって、(i)特定のアッセイもしくはアッセイキット、(ii)特定の分析物、(iii)製造ロット、(iv)個人、(v)位置識別子、及び/または(vi)較生信号のうちの1つ以上に対応する識別子の同定により、特定のアッセイと相関する反応検出システムによって検出されるソフトウェア分析検出信号の使用を活性化させる、マルチプレックスアッセイシステムである。
【0012】
他の態様では、本明細書で提供されるのは、以下の工程:a)アッセイシステム中でサンプルをビーズと接触させることであって、システム中の各ビーズは、第1の表面及び第2の表面を有する実質的に非透明なポリマー層を含み、第1及び第2の表面は、互いに平行であり;実質的に非透明なポリマー層の輪郭は、アナログコード識別子を表す二次元形状を含み;システムは、(i)特定のアッセイもしくはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する少なくとも1つのビーズ、及び(ii)複数のビーズを含み、複数のビーズの各ビーズは、分析物に特異的に結合する捕捉剤を含み、捕捉剤は、実質的に透明なポリマー層の少なくとも中央部分において、実質的に透明なポリマー層の第1の表面及び第2の表面の少なくとも1つの上に固定化され、及び複数のビーズの各ビーズは、捕捉剤に対応するアナログコード識別子を含む、接触させること;及び任意の順序で、同時または順次:b)イメージングプロセッサーによって認識される識別子を特定のアッセイとして同定すること;及びc)捕捉剤に対応するアナログコード識別子の同定に基づいて、ビーズの表面上に固定化された捕捉剤への分析物の結合を分析することによってサンプル中の分析物の結合を検出することを含む、マルチプレックスアッセイの実施方法である。いくつかの実施形態では、システムは、(iii)少なくとも2つのビーズ、少なくとも3つのビーズ、少なくとも4つのビーズ、少なくとも5つのビーズ、または少なくとも6つのビーズをさらに含み、各々は、特定のアッセイもしくはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する。いくつかの実施形態では、システムは、(iv)イメージングプロセッサーによって認識される少なくとも1つのビーズを陽性または陰性対照としてさらに含む。いくつかの実施形態では、位置識別子は、病院、診断研究所、住所、ヘルスケア専門家のオフィス、またはリサーチ研究所に対応する。いくつかの実施形態では、システムは、(v)イメージングプロセッサーの機能を監視するために予め標識される少なくとも1つのビーズをさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、球形または長方形の形状を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、約300μm未満の直径である。いくつかの実施形態では、ビーズの表面は、滑らかで、表面の凹凸がない。いくつかの実施形態では、ビーズの少なくとも1つの表面は、捕捉剤の化学的付着のための少なくとも1つの部位を含む。いくつかの実施形態では、捕捉剤は、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、及び抗体断片からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、複数のビーズは、磁性または非磁性である。いくつかの実施形態では、ビーズは、(2)実質的に非透明なポリマー層と実質的に透明なポリマー層の中央部分の間で実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む磁性の実質的に非透明な層であって、磁性の実質的に非透明な層が、実質的に透明なポリマー層の第1の表面または第2の表面に固定される、磁性の実質的に非透明な層をさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、(3)第1の実質的に透明なポリマー層と整列されている第2の実質的に透明なポリマー層であって、第2の実質的に透明なポリマー層が、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分と整列されている中央部分を有し、第2の実質的に透明なポリマー層が、第1の実質的に透明なポリマー層の第2の表面に固定され、かつ、第1の実質的に透明なポリマー層の二次元形状を超えて伸びない第2の実質的に透明なポリマー層;及び(4)実質的に非透明なポリマー層と実質的に透明なポリマー層の中央部分の間で第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む磁性の実質的に非透明な層であって、磁性の実質的に非透明な層が、第1及び第2の実質的に透明なポリマー層の間に固定される、磁性の実質的に非透明な層をさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に非透明なポリマー層のアナログコード識別子を配向するための配向インジケーターをさらに含む。いくつかの実施形態では、配向インジケーターは、磁性の実質的に非透明な層の非対称性を含む。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、ニッケルを含む。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、約50nm~約10μmの厚さである。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、約0.1μmの厚さである。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の二次元形状は、実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む1つ以上のリングを含み、1つ以上のリングの少なくとも1つは、不連続を含む。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の二次元形状は、複数のギア歯を含むギア形状を含み、アナログコード識別子は、複数のうちの1つ以上のギア歯の高さ、複数のうちの1つ以上のギア歯の幅、複数におけるギア歯の数、及び複数内の1つ以上のギア歯の配置からなる群から選択される1つ以上の態様によって表される。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μmの幅である1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μmの高さである1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μm離間している2つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、(5)第1の実質的に透明なポリマー層の第1の表面から突出している1つ以上の円柱であって、1つ以上の円柱が、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分内ではない1つ以上の円柱;及び/または(6)第1の実質的に透明なポリマー層に固定されない第1の実質的に透明なポリマー層の第2の表面または第2の実質的に透明なポリマー層の表面から突出している1つ以上の円柱であって、1つ以上の円柱が、第1または第2の実質的に透明なポリマー層の中央部分内ではない、1つ以上の円柱をさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に円形のディスクである。いくつかの実施形態では、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分は、第1の実質的に透明なポリマー層の表面積の約5%~約90%を含む。いくつかの実施形態では、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分は、第1の実質的に透明なポリマー層の表面積の約25%を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、約200μm未満の直径である。いくつかの実施形態では、ビーズは、約50μmの直径である。いくつかの実施形態では、ビーズは、約50μm未満の厚さである。いくつかの実施形態では、ビーズは、約10μmの厚さである。いくつかの実施形態では、分析物は、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、小分子、細菌細胞、細胞器官、及び抗体断片からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1または第2の実質的に透明なポリマー層の実質的に透明なポリマーは、エポキシ系ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、エポキシ系ポリマーは、SU-8である。
【0013】
他の態様では、本明細書で提供されるのは、a)ビーズセットであって、セット中の各ビーズは、第1の表面及び第2の表面を有する実質的に非透明なポリマー層を含み、第1及び第2の表面は、互いに平行であり;実質的に非透明なポリマー層の輪郭は、アナログコード識別子を表す二次元形状を含み;及びビーズセットは、(i)特定のアッセイもしくはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する少なくとも1つのビーズ、及び(ii)複数のさらなるビーズを含み、複数のビーズの各ビーズは、分析物に特異的に結合する捕捉剤を含み、捕捉剤は、実質的に透明なポリマー層の少なくとも中央部分において、実質的に透明なポリマー層の第1の表面及び第2の表面の少なくとも1つの上に固定化され、複数のビーズの各ビーズは、捕捉剤に対応するアナログコード識別子を含む、ビーズセット;及びb)分析物または捕捉剤に直接的または間接的に結合することが可能な信号発信エンティティを含む、マルチプレックスアッセイを実施するキットである。いくつかの実施形態では、信号発信エンティティは、信号発信エンティティにコンジュゲートされる二次抗体を介して、分析物または捕捉剤に間接的に結合する。いくつかの実施形態では、信号発信エンティティは、信号発信エンティティにコンジュゲートされるヌクレオチドプローブを介して、分析物または捕捉剤に間接的に結合する。いくつかの実施形態では、信号発信エンティティは、フィコエリトリン、GFP、RFP、CFP、YFP、FITC、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、または放射性標識である。いくつかの実施形態では、キットは、少なくとも2つのビーズ、少なくとも3つのビーズ、少なくとも4つのビーズ、少なくとも5つのビーズ、または少なくとも6つのビーズをさらに含み、各々は、特定のアッセイもしくはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する。いくつかの実施形態では、キットは、(i)特定のアッセイとしてイメージングプロセッサーによって認識される識別子を有する少なくとも1つのビーズを同定し、(ii)複数のビーズ上の識別子を同定し、(iii)信号発信エンティティによって生成された信号の量を検出し、(iv)イメージングプロセッサーによって認識される識別子を有する少なくとも1つのビーズを製造ロットとして同定し、(v)イメージングプロセッサーによって認識される識別子を有する少なくとも1つのビーズを個人として同定し、(vi)イメージングプロセッサーによって認識される識別子を有する少なくとも1つのビーズを位置識別子として同定し、または(vii)イメージングプロセッサーの較正のために予め標識される少なくとも1つのビーズを同定するためのイメージングプロセッサーをさらに含む。いくつかの実施形態では、キットは、分析物または捕捉剤に直接的または間接的に結合することが可能なエンティティをさらに含み、エンティティは、親和性標識を含む。いくつかの実施形態では、親和性標識は、ビオチン、His6、またはマルトースである。いくつかの実施形態では、キットは、イメージングプロセッサーの機能を監視するために予め標識される少なくとも1つのビーズをさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、球形または長方形の形状を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、約300μm未満の直径である。いくつかの実施形態では、ビーズの表面は、滑らかで、表面の凹凸がない。いくつかの実施形態では、ビーズの少なくとも1つの表面は、捕捉剤の化学的付着のための少なくとも1つの部位を含む。いくつかの実施形態では、捕捉剤は、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、小分子、及び抗体断片からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、複数のビーズは、磁性または非磁性である。いくつかの実施形態では、ビーズは、(2)実質的に非透明なポリマー層と実質的に透明なポリマー層の中央部分の間で実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む磁性の実質的に非透明な層であって、磁性の実質的に非透明な層が、実質的に透明なポリマー層の第1の表面または第2の表面に固定される、磁性の実質的に非透明な層をさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、(3)第1の実質的に透明なポリマー層と整列されている第2の実質的に透明なポリマー層であって、第2の実質的に透明なポリマー層が、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分と整列されている中央部分を有し、第2の実質的に透明なポリマー層が、第1の実質的に透明なポリマー層の第2の表面に固定され、かつ、第1の実質的に透明なポリマー層の二次元形状を超えて伸びない第2の実質的に透明なポリマー層;及び(4)実質的に非透明なポリマー層と実質的に透明なポリマー層の中央部分の間で第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む磁性の実質的に非透明な層であって、磁性の実質的に非透明な層が、第1及び第2の実質的に透明なポリマー層の間に固定される、磁性の実質的に非透明な層をさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に非透明なポリマー層のアナログコード識別子を配向するための配向インジケーターをさらに含む。いくつかの実施形態では、配向インジケーターは、磁性の実質的に非透明な層の非対称性を含む。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、ニッケルを含む。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、約50nm~約10μmの厚さである。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、約0.1μmの厚さである。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の二次元形状は、実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む1つ以上のリングを含み、1つ以上のリングの少なくとも1つは、不連続を含む。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の二次元形状は、複数のギア歯を含むギア形状を含み、アナログコード識別子は、複数のうちの1つ以上のギア歯の高さ、複数のうちの1つ以上のギア歯の幅、複数におけるギア歯の数、及び複数内の1つ以上のギア歯の配置からなる群から選択される1つ以上の態様によって表される。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μmの幅である1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μmの高さである1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μm離間している2つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、(5)第1の実質的に透明なポリマー層の第1の表面から突出している1つ以上の円柱であって、1つ以上の円柱が、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分内ではない1つ以上の円柱;及び/または(6)第1の実質的に透明なポリマー層に固定されない第1の実質的に透明なポリマー層の第2の表面または第2の実質的に透明なポリマー層の表面から突出している1つ以上の円柱であって、1つ以上の円柱が、第1または第2の実質的に透明なポリマー層の中央部分内ではない、1つ以上の円柱をさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に円形のディスクである。いくつかの実施形態では、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分は、第1の実質的に透明なポリマー層の表面積の約5%~約90%を含む。いくつかの実施形態では、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分は、第1の実質的に透明なポリマー層の表面積の約25%を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、約200μm未満の直径である。いくつかの実施形態では、ビーズは、約50μmの直径である。いくつかの実施形態では、ビーズは、約50μm未満の厚さである。いくつかの実施形態では、ビーズは、約10μmの厚さである。いくつかの実施形態では、分析物は、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、小分子、細菌細胞、細胞器官、及び抗体断片からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1または第2の実質的に透明なポリマー層の実質的に透明なポリマーは、エポキシ系ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、エポキシ系ポリマーは、SU-8である。
【0014】
他の態様では、本明細書で提供されるのは、a)上記の実施形態のいずれか1項に記載のキット中の複数のビーズ;及びb)イメージングプロセッサーシステム及び反応検出システムを含む装置を含み、デコードシステムにおけるイメージングプロセッサーによって、(i)特定のアッセイもしくはアッセイキット、(ii)特定の分析物、(iii)製造ロット、(iv)個人、(v)位置識別子、及び/または(vi)較生信号のうちの1つ以上に対応する識別子の同定により、特定のアッセイまたはアッセイキットと相関する反応検出システムによって検出されるソフトウェア分析検出信号の使用を活性化させる、マルチプレックスアッセイシステムである。
【0015】
本明細書に記載の種々の実施形態の特性の1つ、いくつか、または全てを組み合わせて、本発明の他の実施形態を形成してもよいことを理解されたい。本開示のこれらまたは他の態様は、当業者には明白となるであろう。本開示のこれら及び他の実施形態は、以下の詳細な説明によってさらに記載される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1-1】図1A及び1Bは、例示のビーズの2つの図を示す。
図1-2】図1C及び1Dは、例示のビーズを用いた分析物検出のための例示のアッセイを示す。
図2図2A及び2Bは、例示のビーズの2つの図を示す。
図3】固有のアナログコードを生成するための複数の形状変化点を含む例示のアナログコード方式を示す。
図4A】各々が固有のアナログコードを有するビーズの3つの例を示す。
図4B】いくつかの実施形態による、固有のアナログコードをもつビーズの例を示す。
図5図5A及び5Bは、例示のビーズの2つの図を示す。
図6-1】図6A及び6Bは、例示のビーズの2つの図を示す。
図6-2】図6Cは、例示のアナログコードの寸法を示す。寸法は、μm単位に基づく。
図7】例示のビーズを示す。
図8A】配向インジケーターとして非対称の開始位置を含む例示のビーズを示す。
図8B】固有のアナログコードを生成するための複数の形状変化点を含む例示のアナログコード方式を示す。
図9図9A~9Cは、随意的な特徴の描写と一緒に(図9C)、例示のビーズの2つの図を示す(図9A及び図9B)。
図10】例示のビーズを生成する方法を示す。
図11A図11Aは、例示のビーズを生成する方法を示す。
図11B図11Bは、例示のビーズを生成する方法を示す。
図12A図12Aは、例示のビーズを生成する方法を示す。
図12B図12Bは、例示のビーズを生成する方法を示す。
図12C図12Cは、例示のビーズを生成する方法を示す。
図12D図12Dは、例示のビーズを生成する方法を示す。
図12E図12Dは、例示のビーズを生成する方法を示す。
図13A図13Aは、例示のビーズを生成する方法を示す。
図13B図13Bは、例示のビーズを生成する方法を示す。
図13C図13Cは、例示のビーズを生成する方法を示す。
図14】本明細書に記載される固有識別子でコード化されたビーズ組成物を使用する例示の方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は、特に、マルチプレックス生物学的及び化学アッセイに使用されるビーズ(例えば、ポリマービーズ)組成物、並びにビーズ組成物の作製及び使用方法を提供する。組成物中の各個々のビーズは、固有のアナログコード識別子、及び各ビーズの表面に付着することが可能な特定の捕捉剤(例えば、化学化合物及び/または生体分子)を有する。したがって、そのようなビーズは、捕捉剤に対応する固有のアナログコード識別子を含む各ビーズにより、ビーズに付着した任意の個々の捕捉剤の同一性を容易に確認できるため、ハイスループット及びマルチプレックス化学及び生物学アッセイを行うために有用である。アナログコード識別子をもつさらなるビーズは、特定の情報に対応するアナログコード識別子を含むさらなるビーズにより、ビーズの製造ロット数の同定、ビーズを使用するアッセイまたはアッセイキットの同定、位置の同定(例えば、これらに限定されないが、アッセイに使用されるサンプルの起源、またはアッセイを実施したラボもしくは病院)、及び/または個人の同定(例えば、これらに限定されないが、アッセイされる所与のサンプルを供給した個人)を含むが、これらに限定されない特定の情報記憶の目的のために含めることができる。組成物中のさらなるビーズは、組成物中の各ビーズと関連付けられた識別子を同定するために使用したイメージングプロセッサーを較正する目的のためにアナログコード識別子で標識することができる。
【0018】
I.一般的な技術
本開示の実施は、特に明記されない限り、ポリマー技術、フォトリソグラフィー、マイクロ流体力学、有機化学、生化学、オリゴヌクレオチド合成及び改変、バイオコンジュゲートケミストリー、核酸ハイブリダイゼーション、分子生物学、微生物学、遺伝学、組換えDNA、及び当該技術分野の範囲内において関連分野における従来技術を使用する。これらの技術は、本明細書で引用した参照文献に記載され、文献で完全に説明されている。
【0019】
分子生物学及び組換えDNA技術については、例えば、(Maniatis,T.et al.(1982),Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor;Ausubel,F.M.(1987),Current Protocols in Molecular Biology,Greene Pub.Associates and Wiley-Interscience;Ausubel,F.M.(1989),Short Protocols in Molecular Biology:A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology,Greene Pub.Associates and Wiley-Interscience;Sambrook,J.et al.(1989),Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor;Innis,M.A.(1990),PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications,Academic Press;Ausubel,F.M.(1992),Short Protocols in Molecular Biology:A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology,Greene Pub.Associates;Ausubel,F.M.(1995),Short Protocols in Molecular Biology:A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology,Greene Pub.Associates;Innis,M.A.et al.(1995),PCR Strategies,Academic Press;Ausubel,F.M.(1999),Short Protocols in Molecular Biology:A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology,Wiley,及び年次更新を参照されたい。
【0020】
DNA合成技術及び核酸化学については、例えば、Gait,M.J.(1990),Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach,IRL Press;Eckstein,F.(1991),Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach,IRL Press;Adams,R.L.et al.(1992),The Biochemistry of the Nucleic Acids,Chapman & Hall;Shabarova,Z.et al.(1994),Advanced Organic Chemistry of Nucleic Acids,Weinheim;Blackburn,G.M.et al.(1996),Nucleic Acids in Chemistry and Biology,Oxford University Press;Hermanson,G.T.(1996),Bioconjugate Techniques,Academic Press)を参照されたい。
【0021】
微細加工については、例えば、(Campbell,S.A.(1996),The Science and Engineering of Microelectronic Fabrication,Oxford University Press;Zaut,P.V.(1996),Micromicroarray Fabrication:a Practical Guide to Semiconductor Processing,Semiconductor Services;Madou,M.J.(1997),Fundamentals of Microfabrication,CRC Press;Rai-Choudhury,P.(1997).Handbook of Microlithography,Micromachining,& Microfabrication:Microlithography)を参照されたい。
【0022】
II.定義
本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、特に断りのない限り、複数の参照を含む。
【0023】
本明細書で使用する場合、「生体分子」は、大きい巨大分子、例えば、タンパク質、多糖、脂質、及び核酸、並びに小さい分子、例えば、これらに限定されないが、一次代謝産物、二次代謝産物、及び天然産物を含むがこれらに限定されない、生物によって産生される任意の分子を意味する。
【0024】
本明細書で使用する場合、「サンプル」とは、検出すべき材料、例えば、分子を含む組成物を指す。一実施形態では、サンプルは、「生物試料」(すなわち、生きた供給源(例えば、ヒト、動物、植物、細菌、真菌、原生生物、ウイルス)から得られる任意の材料)である。生物試料は、固体材料(例えば、組織、細胞ペレット、及び生検)、及び生物流体(例えば、尿、血液、唾液、リンパ、涙、汗、前立腺液、精液(seminal fluid)、精液(semen)、胆汁、粘液、羊水及び洗口液(口腔細胞を含む))を含む、任意の形態であり得る。固体材料は、典型的には、流体と混合される。サンプルは、水、空気、土、または任意の他の環境供給源などの環境試料のことも指し得る。
【0025】
「分析物」とは、本明細書で使用する場合、広義の用語であり、限定されないが、分析することが可能な生物試料または細胞または細胞の集団などのサンプル中の物質または化学成分を指すように、物質、決定されるべき物質の存在、不在、または量としてその通常の意味で使用される。分析物は、天然に存在する結合メンバーが存在する物質、または結合メンバーを調製することが可能な物質であり得る。分析物の非限定例としては、例えば、抗体、抗原、ポリヌクレオチド(例えば、RNA、DNA、またはcDNA)、ポリペプチド、タンパク質、ホルモン、サイトカイン、増殖因子、ステロイド、ビタミン、毒素、薬物、及び上記の物質の代謝産物、並びに細菌、ウイルス、真菌、藻類、真菌胞子などが挙げられる。
【0026】
本明細書で使用する場合、「生物試料」とは、生きた供給源に由来することが可能な材料を指す。そのようなサンプルは、生体分子及びバイオポリマーを含む。
【0027】
本明細書で使用する場合、「化学化合物」という用語は、固有に定義された化学構造をもつ2つ以上の異なる化学要素からなる任意の化学物質を意味する。
【0028】
本明細書に記載される本開示の態様及び実施形態は、態様及び実施形態「を含む」、「からなる」、及び「から本質的になる」を含むことを理解されたい。
【0029】
本明細書全体を通じて記載されているあらゆる最大数値限定には、それよりも小さいあらゆる数値限定が、そのような小さい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように包含されることを理解すべきである。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0030】
「ポリマー」という用語は、本明細書で使用する場合、繰り返しモノマーを含む任意の巨大分子構造のことを指す。ポリマーは、天然(例えば、自然界に見られる)または合成(例えば、非天然モノマー(複数可)からなる、及び/または自然界に見られない構成または組み合わせで重合されたポリマーなどの人工物)であり得る。
【0031】
「実質的に透明な」及び「実質的に非透明な」という用語は、本明細書で使用する場合、ポリマー層などの基質を通過する(例えば、赤外線、可視、紫外線などの特定の波長の)光の能力のことを指す。実質的に透明なポリマーは、透明なもの、半透明なもの、及び/または光を透過するもののことを指す一方、実質的に非透明なポリマーは、光を反射及び/または吸収するもののことを指す。材料が実質的に透明であるかまたは実質的に非透明であるかどうかは、材料に照射する光の波長及び/または強度、並びに材料中を進む光(またはその減少もしくは不在)を検出する手段に依存し得ることを理解すべきである。いくつかの実施形態では、実質的に非透明な材料は、例えば、光学顕微鏡法(例えば、明視野、暗視野、位相コントラスト、差干渉コントラスト(DIC)、ノマルスキー干渉コントラスト(NIC)、ノマルスキー、ホフマン調節コントラスト(HMC)、または蛍光学顕微鏡法)によって撮像された際に、周囲の材料または画像視野と比較して、透過光の知覚の減少を引き起こす。いくつかの実施形態では、実質的に透明な材料は、例えば、光学顕微鏡法(例えば、明視野、暗視野、位相コントラスト、差干渉コントラスト(DIC)、ノマルスキー干渉コントラスト(NIC)、ノマルスキー、ホフマン調節コントラスト(HMC)、または蛍光学顕微鏡法)によって撮像された際に、材料に知覚量の透過光を通過させることができる。
【0032】
「アナログコード」という用語は、本明細書で使用する場合、例えば、デジタルコードとは対照的に、コード化情報が非量子化及び/または非離散的方法で表される任意のコードのことを指す。例えば、デジタルコードは、限定セットの値(例えば、0/1タイプの値)の離散位置でサンプリングされる一方、アナログコードは、より大きな範囲の位置で(または連続全体として)サンプリングされ得、及び/またはより広いセットの値(例えば、形状)を含み得る。いくつかの実施形態では、アナログコードは、1つ以上のアナログ形状認識技術を用いて、読み取りまたはデコードされ得る。
【0033】
「捕捉剤」という用語は、本明細書で使用する場合、広義の用語であり、対象分析物を特異的に認識することが可能な任意の化合物または物質を指すようにその通常の意味で使用される。いくつかの実施形態では、特異的認識は、特異的結合のことを指す。捕捉剤の非限定例としては、例えば、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、小分子、細菌細胞、細胞器官、及び抗体断片が挙げられる。
【0034】
「抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、モノクローナル抗体(免疫グロブリンFc領域を有する完全長抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体、ダイアボディ、及び一本鎖分子)、並びに抗体断片(例えば、Fab、F(ab’)、及びFv)を含む。
【0035】
III.ビーズ組成物
本明細書で提供されるのは、分析物検出、例えば、マルチプレックス分析物検出に適当なコード化ビーズである。本明細書で使用する場合、ビーズ(複数可)及びマイクロキャリア(複数可)という用語は、交換可能に使用される。複数構成のコード化ビーズが本明細書で考えられ、記載され、例示される。
【0036】
いくつかの態様では、本明細書で提供されるのは、第1の表面及び第2の表面を有する実質的に透明なポリマー層であって、第1及び第2の表面は、互いに平行である実質的に透明なポリマー層;実質的に非透明なポリマー層を含み、実質的に非透明なポリマー層は、実質的に透明なポリマー層の第1の表面に固定され、実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲み、実質的に非透明なポリマー層は、アナログコードを表す二次元形状を含む、コード化ビーズである。いくつかの実施形態では、ビーズは、分析物を捕捉するための捕捉剤をさらに含み、捕捉剤は、実質的に透明なポリマー層の少なくとも中央部分において、実質的に透明なポリマー層の第1の表面及び第2の表面のうちの少なくとも1つに連結される。したがって、ビーズは、少なくとも2つの層を含有し:そのうちの一方は、実質的に透明であり、そのうちの他方は、実質的に非透明である、アナログコードを表す二次元形状である。好都合なことに、これらのビーズは、例えば、全体寸法、物理特性、及び/または溶液中の挙動を含む、態様の均一性に対して均一な全体形態(例えば、実質的に透明なポリマー層の周囲長)をまだ保持しながら、種々の二次元形状を採用し得る。このタイプのビーズ及びその態様の例を図1A~5Bに示す。
【0037】
いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む実質的に透明なポリマー層の表面に固定された磁性の実質的に非透明な層をさらに含む。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、実質的に非透明なポリマー層と実質的に透明なポリマー層の中央部分の間である。
【0038】
いくつかの実施形態では、ビーズは、第1の実質的に透明なポリマー層と整列され、これに固定された第2の実質的に透明なポリマー層をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2の実質的に透明なポリマー層の各々は、中央部分を有し、第1及び第2の実質的に透明なポリマー層の両方の中央部分は、整列されている。いくつかの実施形態では、ビーズは、第1及び第2の実質的に透明なポリマー層の両方の中央部分を囲む磁性の実質的に非透明な層をさらに含む。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、第1及び第2の実質的に透明なポリマー層の間に固定される。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、実質的に非透明なポリマー層と第1及び第2の実質的に透明なポリマー層の両方の中央部分の間である。
【0039】
いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、約50nm~約10μmの厚さである。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層の厚さは、以下の厚さ(nm):10000、9500、9000、8500、8000、7500、7000、6500、6000、5500、5000、4500、4000、3500、3000、2500、2000、1500、1000、950、900、850、800、750、700、650、600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、または100の約いずれか未満である。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層の厚さは、以下の厚さ(nm):50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、または9500の約いずれか超である。すなわち、磁性の実質的に非透明な層の厚さは、10000、9500、9000、8500、8000、7500、7000、6500、6000、5500、5000、4500、4000、3500、3000、2500、2000、1500、1000、950、900、850、800、750、700、650、600、550、500、450、400、350、300、250、200、150、または100の上限値、及び50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、または9500の独立して選択される下限値を有する厚さ(nm)の範囲のいずれかであってもよく、下限値は、上限値未満である。
【0040】
いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、約0.1μmの厚さである。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、約50nm、約100nm、約150nm、約200nm、約250nm、約300nm、約350nm、約400nm、約450nm、約500nm、約550nm、約600nm、約650nm、約700nm、約750nm、約800nm、約850nm、約900nm、約950nm、約1μm、約1.5μm、約2μm、約2.5μm、約3μm、約3.5μm、約4μm、約4.5μm、約5μm、約5.5μm、約6μm、約6.5μm、約7μm、約7.5μm、約8μm、約8.5μm、約9μm、約9.5μm、または約10μmの厚さである。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層の厚さは、約0.01μm、約0.02μm、約0.03μm、約0.04μm、約0.05μm、約0.06μm、約0.07μm、約0.08μm、約0.09μm、約0.1μm、約0.11μm、約0.12μm、約0.13μm、約0.14μm、約0.15μm、約0.16μm、約0.17μm、約0.18μm、約0.19μm、約0.20μm、約0.25μm、約0.30μm、約0.35μm、約0.40μm、約0.45μm、または約0.50μmである。
【0041】
いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に非透明なポリマー層のアナログコードを配向するための配向インジケーターをさらに含む。イメージング(例えば、顕微鏡または本明細書に記載される他のイメージングの形態)及び/または画像認識ソフトウェアによって可視及び/または検出可能であるビーズの任意の特徴は、配向インジケーターとして機能を果たし得る。配向インジケーターは、例えば、画像認識アルゴリズムが、アナログコードの画像を均一配向(すなわち、実質的に非透明なポリマー層の形状)に配向する基準点として機能を果たし得る。好都合なことに、これは、アルゴリズムが、同じ配向におけるアナログコードのライブラリーに対する特定のアナログコードの画像と、全ての可能な配向における全てのアナログコードを含むライブラリーに対さない特定のアナログコードの画像を比較することしか必要としない場合に、画像認識を簡素化する。いくつかの実施形態では、配向インジケーターは、実質的に非透明なポリマー層から独立してもよい。例えば、それは、磁性層及び/または実質的に透明なポリマー層の一部として形成され得る。他の実施形態では、配向インジケーターは、実質的に非透明なポリマー層の一部として形成され得る。いくつかの実施形態では、配向インジケーターは、磁性の実質的に非透明な層の非対称性を含む(例えば、図2Aで、間隙210で示されるように)。
【0042】
いくつかの実施形態では、ビーズは、ビーズの表面(例えば、ビーズの上面及び/または底面)から突出している1つ以上の円柱をさらに含む。本明細書で使用する場合、「円柱」は、ビーズ表面から突出する任意の幾何学的形状のことを指し、任意の寸法の規則も任意の円柱形の文字も必ずしも意味しない。例えば、円柱の外面は、ビーズ表面と平行であっても平行でなくてもよい。ビーズから突出してもよい円柱形状の例としては、直角プリズム、三角形、ピラミッド形、立方体、円柱、球形または半球形、円錐形などが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱が、第1及び/または第2の実質的に透明なポリマー層の中央部分内ではない。いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱は、第1及び第2の実質的に透明なポリマー層のうちの1つ以上の外向き面(例えば、別の層に固定されない表面)から突出してもよい。本明細書のビーズ厚さの任意の記述は、述べた寸法における1つ以上の円柱を含まないことに留意すべきである。すなわち、本明細書に記載されるビーズ厚さは、それから突出している任意の随意の円柱から独立している。
【0043】
いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱は、約1μm~約10μmの高さの間である。いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱は、約1μmの高さ、約1.5μmの高さ、約2μmの高さ、約2.5μmの高さ、約3μmの高さ、約3.5μmの高さ、約4μmの高さ、約4.5μmの高さ、約5μmの高さ、約5.5μmの高さ、約6μmの高さ、約6.5μmの高さ、約7μmの高さ、約7.5μmの高さ、約8μmの高さ、約8.5μmの高さ、約9μmの高さ、約9.5μmの高さ、または約10μmの高さである。いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱は、以下の高さ(μm):10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、または1.5の約いずれか未満である。いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱は、以下の高さ(μm):1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、または9.5の約いずれかよりも大きい。すなわち、1つ以上の円柱は、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、または1.5の上限値、及び1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、または9.5の独立して選択される下限値を有する高さの範囲のいずれかであり得、下限値は、上限値未満である。
【0044】
いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱は、円柱形状であり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱は、約1μm~約10μmの直径を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱は、約1μm、約1.5μm、約2μm、約2.5μm、約3μm、約3.5μm、約4μm、約4.5μm、約5μm、約5.5μm、約6μm、約6.5μm、約7μm、約7.5μm、約8μm、約8.5μm、約9μm、約9.5μm、または約10μmの直径を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱は、以下の長さ(μm):10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、または1.5の約いずれか未満の直径を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱は、以下の長さ(μm):1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、または9.5の約いずれかよりも大きい直径を有する。すなわち、1つ以上の円柱は、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、または1.5の上限値、及び1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、または9.5の独立して選択される下限値を有する直径の範囲のいずれかを有し得、下限値は、上限値未満である。他の実施形態では、1つ以上の円柱は、上述の任意の直径とほぼ同じ幅、または上述の直径の任意の範囲とほぼ同じ幅の範囲を有し得るが、1つ以上の円柱は、本明細書に記載されるまたは当該技術分野で公知の楕円円柱、放物面円柱、双曲線円柱、または任意の他の円柱または多面体形状の形状を採用し得る。
【0045】
他の態様では、本明細書で提供されるのは、第1の表面及び第2の表面を有する実質的に非透明なポリマー層を含み、第1及び第2の表面は、互いに平行であり、実質的に非透明なポリマー層の輪郭は、アナログコードを表す二次元形状を含む、コード化ビーズである。いくつかの実施形態では、ビーズは、分析物を捕捉するための捕捉剤をさらに含み、捕捉剤は、実質的に非透明なポリマー層の少なくとも中央部分において、実質的に非透明なポリマー層の第1の表面及び第2の表面のうちの少なくとも1つに連結される。したがって、ビーズは、ビーズ自体の形状(例えば、輪郭):アナログコードを表す二次元形状によってコードされる。好都合なことに、これらのビーズは、効率的かつ高精度で製造され得ることで、高精度なデコーディング及びコスト効率の高い生産が可能になる。このタイプのビーズ及びその態様の例を図6A~9Cに示す。
【0046】
いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に非透明なポリマー層の表面から突出している1つ以上の円柱をさらに含む。上記でより詳細に記載されるように、「円柱」とは、ビーズ表面から突出する任意の幾何学的形状のことを指し、円柱状寸法(複数可)の任意の規則を必ずしも意味しない。上述の例示の円柱形状のいずれを使用してもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱は、約1μm~約10μmの高さである。いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱は、約1μmの高さ、約1.5μmの高さ、約2μmの高さ、約2.5μmの高さ、約3μmの高さ、約3.5μmの高さ、約4μmの高さ、約4.5μmの高さ、約5μmの高さ、約5.5μmの高さ、約6μmの高さ、約6.5μmの高さ、約7μmの高さ、約7.5μmの高さ、約8μmの高さ、約8.5μmの高さ、約9μmの高さ、約9.5μmの高さ、または約10μmの高さである。いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱は、以下の高さ(μm):10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、または1.5の約いずれか未満である。いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱は、以下の高さ(μm):1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、または9.5の約いずれかよりも大きい。すなわち、1つ以上の円柱は、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、または1.5の上限値、及び1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、または9.5の独立して選択される下限値を有する高さの範囲のいずれかであり得、下限値は、上限値未満である。
【0048】
いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱は、円柱形状であり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱は、約1μm~約10μmの直径を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱は、約1μm、約1.5μm、約2μm、約2.5μm、約3μm、約3.5μm、約4μm、約4.5μm、約5μm、約5.5μm、約6μm、約6.5μm、約7μm、約7.5μm、約8μm、約8.5μm、約9μm、約9.5μm、または約10μmの直径を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱は、以下の長さ(μm):10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、または1.5の約いずれか未満の直径を有する。いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱は、以下の長さ(μm):1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、または9.5の約いずれかよりも大きい直径を有する。すなわち、1つ以上の円柱は、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、または1.5の上限値、及び1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、または9.5の独立して選択される下限値を有する直径の範囲のいずれかを有し得、下限値は、上限値未満である。他の実施形態では、1つ以上の円柱は、上述の任意の直径とほぼ同じ幅、または上述の直径の任意の範囲とほぼ同じ幅の範囲を有し得るが、1つ以上の円柱は、本明細書に記載されるまたは当該技術分野で公知の楕円円柱、放物面円柱、双曲線円柱、または任意の他の円柱または多面体形状の形状を採用し得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に非透明なポリマー層の表面に固定された磁性材料を含む磁性層をさらに含む。いくつかの実施形態では、磁性層は、実質的に非透明なポリマー層の二次元形状を越えて延びない。すなわち、実質的に非透明なポリマー層の輪郭が撮像された場合、得られた画像は、磁性層の存在または不在によって変化しない。いくつかの実施形態では、磁性層は、上述の1つ以上の円柱を含み得る。すなわち、上述の1つ以上の円柱は、本明細書に記載される磁性材料で作製され得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に非透明なポリマー層のアナログコードを配向するための配向インジケーターをさらに含む。イメージング(例えば、顕微鏡の形態または本明細書に記載される他のイメージング)によって、及び/または画像認識ソフトウェアによって可視及び/または検出可能であるビーズの任意の特徴は、配向インジケーターとして機能を果たし得る。配向インジケーターは、例えば、画像認識アルゴリズムが、アナログコードの画像を均一配向(すなわち、実質的に非透明なポリマー層の形状)に配向する基準点として機能を果たし得る。好都合なことに、これは、アルゴリズムが、同じ配向におけるアナログコードのライブラリーに対する特定のアナログコードの画像と、全ての可能な配向における全てのアナログコードを含むライブラリーに対さない特定のアナログコードの画像を比較することしか必要としない場合に、画像認識を簡素化する。いくつかの実施形態では、配向インジケーターは、実質的に非透明なポリマー層の輪郭の非対称性を含む。例えば、配向インジケーターは、ビーズの輪郭の非対称性などの可視特徴を含み得る(例えば、図8A及び9Aの開始位置804及び904で示されるように)。
【0051】
本明細書に記載されるビーズのいずれかは、以下に記載される特徴、要素、または態様のうちの1つ以上を含み得る。さらに、以下に記載される特徴、要素、または態様のうちの1つ以上は、例えば、上述のように、ビーズの実施形態に応じて異なる特性を採用し得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、本開示の実質的に透明なポリマーは、エポキシ系ポリマーを含む。本明細書に記載される組成物の製造のための適切なエポキシ系ポリマーとしては、Hexion Specialty Chemicals,Inc.(Columbus、OH)によって提供されるエポキシ樹脂のEPON(商標)ファミリー、及びDow Chemical Company(Midland、MI)によって提供される任意の数のエポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。適当なポリマーの多くの例は、当該技術分野において周知であり、SU-8、EPON 1002F、EPON 165/154、及びポリ(メタクリル酸メチル)/ポリ(アクリル酸)ブロック共重合体(PMMA-co-PAA)を含むがこれらに限定されない。さらなるポリマーについては、例えば、Warad,IC Packaging:Package Construction Analysis in Ultra Small IC Packaging,LAP LAMBERT Academic Publishing(2010);The Electronic Packaging Handbook,CRC Press(Blackwell,ed.),(2000);and Pecht et al.,Electronic Packaging Materials and Their Properties,CCR Press,1st ed.,(1998)を参照されたい。これらのタイプの材料は、水性環境で膨張しない利点を有し、均一なビーズサイズ及び形状がビーズの集団内で確実に維持される。いくつかの実施形態では、実質的に透明なポリマーは、フォトレジストポリマーである。いくつかの実施形態では、エポキシ系ポリマーは、エポキシ系でネガ型の近紫外フォトレジストである。いくつかの実施形態では、エポキシ系ポリマーは、SU-8である。
【0053】
いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマーは、1つ以上の非透明または着色染料(複数可)と混合された本明細書に記載されるポリマー(例えば、SU-8)である。他の実施形態では、実質的に非透明なポリマーは、ブラックマトリックスレジストである。当該技術分野で公知の任意のブラックマトリックスレジストが使用され得る;例えば、例示のブラックマトリックスレジスト及びそれに関連する方法について、米国特許第8,610,848号を参照されたい。いくつかの実施形態では、ブラックマトリックスレジストは、例えば、ブラックマトリックスの一部としてLCDのカラーフィルター上のパターンとして、黒色顔料で着色されたフォトレジストであり得る。ブラックマトリックスレジストは、Toppan Printing Co.(Tokyo)、Tokyo OHKA Kogyo(Kawasaki)、及びDaxin Materials Corp.(Taichung City、Taiwan)で販売されるものを含み得るが、これらに限定されない。
【0054】
いくつかの実施形態では、1つ以上のポリマー層の中央部分を参照してもよい。本開示の中央部分は、任意の形状をとってもよい。いくつかの実施形態では、中央部分の形状は、対応するポリマー層の形状(例えば、輪郭)を反映またはそれに対応してもよい。他の実施形態では、中央部分の形状は、対応するポリマー層の形状(例えば、輪郭)から独立してもよい。例えば、円形のビーズ表面の中央部分は、いくつかの実施形態では円形であってもよく、他の実施形態では正方形であってもよい。正方形のビーズ表面の中央部分は、いくつかの実施形態では正方形であってもよく、他の実施形態では円形であってもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、本開示のポリマー層の中央部分は、ポリマー層の表面積の約5%、約7%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、または約90%である。いくつかの実施形態では、本開示のポリマー層の中央部分は、実質的に透明なポリマー層の以下の割合(%):90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または7の約いずれか未満である。いくつかの実施形態では、本開示のポリマー層の中央部分は、実質的に透明なポリマー層の以下の割合(%):5、7、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、または85の約いずれかよりも大きい。すなわち、中央部分に含まれるポリマー層表面積の割合は、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、または7の上限値、及び5、7、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、または85の独立して選択される下限値を有するパーセンテージの範囲のいずれかであり得、下限値は、上限値未満である。いくつかの実施形態では、ポリマー層の中央部分は、ポリマー層の表面積の約25%を含む。いくつかの実施形態では、ビーズ表面の中央部分は、全表面からビーズの輪郭部分を引いたものが含まれる。
【0056】
上述のように、本開示のビーズは、磁性層をさらに含み得、これには、本明細書に記載される種々の形状を採用し得る。いくつかの実施形態では、磁性層は、実質的に非透明な層であり得る。いくつかの実施形態では、磁性層は、磁性材料を含み得る。本開示の磁性層は、任意の適当な磁性材料、例えば、常磁性、強磁性、またはフェリ磁気特性をもつ材料からなり得る。磁性材料の例としては、鉄、ニッケル、コバルト、及びいくつかの希土類金属(例えば、ガドリニウム、ジスプロシウム、ネオジムなど)、並びにそれらの合金が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、磁性材料は、ニッケルを含み、アルニコ及びパーマ合金などの元素ニッケル及び磁性ニッケル合金が挙げられるが、これらに限定されない。本開示のビーズ中に磁性層を含めることは、例えば、磁気分離を容易にする点で有利であり得、これは、1つ以上のビーズの洗浄、収集、あるいは操作に有用であり得る。
【0057】
上述のように、いくつかの実施形態では、磁性層は、実質的に透明なポリマー層の表面に固定され、実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲み得る。他の実施形態では、上述のように、磁性層は、1つ以上の円柱を含み得;すなわち、上述の1つ以上の円柱は、本明細書に記載される磁性材料で作製され得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、本開示のビーズは、二次元形状を構成する実質的に非透明な層でコード化され得る。例えば、上述のように、二次元形状は、ビーズの実質的に透明な層と対照的な実質的に非透明な層の形状を構成してもよく、またはビーズ自体の形状(例えば、周囲長)を構成してもよい。複数の解決可能かつ独特の品種を包含し得る任意の二次元形状を使用してもよい。いくつかの実施形態では、二次元形状は、線形、円形、楕円形、長方形、四辺形、または高次多角形の態様、要素、及び/または形状のうちの1つ以上を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の二次元形状は、実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む1つ以上のリングを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のリングの少なくとも1つは、不連続を含む。種々の数及び構成の不連続を有する1つ以上のリング(例えば、2つのリング)を用いて形成された例示の非限定的な二次元形状を図4Bに示す。
【0060】
いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の二次元形状は、ギア形状を含む。ギア形状とは、本明細書で使用する場合、複数の形状のうちの少なくとも2つが空間的に分離される、実質的に丸い、楕円形、または円形の本体の周囲長上に配列された複数の形状(例えば、ギア歯)のことを指す。いくつかの実施形態では、ギア形状は、複数のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、アナログコードは、複数のうちの1つ以上のギア歯の高さ、複数のうちの1つ以上のギア歯の幅、複数におけるギア歯の数、及び複数内の1つ以上のギア歯の配置から選択される1つ以上の態様によって表される。好都合なことに、ギア形状は、大きな多様性のポテンシャル固有の二次元形状を生成するために変更し得る、ギア歯の高さ、ギア歯の幅、ギア歯の数、及びギア歯の配置を含む、多数の態様を包含する。しかしながら、本開示のギア形状は、コード化のために使用され、別のギア(例えば、トルクを伝達する機械的ギアと同様に)と物理的にかみ合う必要がないため、本開示のギア歯は、1つのギア形状内または複数のギア形状間のいずれかで同一形状またはかみ合い形状の必要性によって制約されないことを理解すべきである。したがって、本開示のギア歯と考えられ得る種々の形状は、機械的ギアよりも著しく大きい。
【0061】
いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μmの幅である1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μmの幅、約1.5μmの幅、約2μmの幅、約2.5μmの幅、約3μmの幅、約3.5μmの幅、約4μmの幅、約4.5μmの幅、約5μmの幅、約5.5μmの幅、約6μmの幅、約6.5μmの幅、約7μmの幅、約7.5μmの幅、約8μmの幅、約8.5μmの幅、約9μmの幅、約9.5μmの幅、または約10μmの幅である1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、以下の幅(μm):10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、または1.5の約いずれか未満である1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、以下の幅(μm):1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、または9.5の約いずれかよりも大きい1つ以上のギア歯を含む。すなわち、複数のギア歯は、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、または1.5の上限値、及び1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、または9.5の独立して選択される下限値を有する幅の範囲のいずれかであり得る1つ以上のギア歯を含み得、下限値は、上限値未満である。
【0062】
いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μmの高さである1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μmの高さ、約1.5μmの高さ、約2μmの高さ、約2.5μmの高さ、約3μmの高さ、約3.5μmの高さ、約4μmの高さ、約4.5μmの高さ、約5μmの高さ、約5.5μmの高さ、約6μmの高さ、約6.5μmの高さ、約7μmの高さ、約7.5μmの高さ、約8μmの高さ、約8.5μmの高さ、約9μmの高さ、約9.5μmの高さ、または約10μmの高さである1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、以下の高さ(μm):10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、または1.5の約いずれか未満である1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、以下の高さ(μm):1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、または9.5の約いずれかよりも大きい1つ以上のギア歯を含む。すなわち、複数のギア歯は、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、または1.5の上限値、及び1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、または9.5の独立して選択される下限値を有する高さの範囲のいずれかであり得る1つ以上のギア歯を含み得、下限値は、上限値未満である。ギア歯が伸びる隣接する周辺セグメントに凹凸がある場合に、ギア歯は、基準点に応じて異なる測定可能な高さを有し得ることを理解すべきである(例えば、基準点に応じて、4または6.5μmの高さであり得る、図6Cのギア歯602を参照されたい)。
【0063】
いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μm離間している1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm離間、約1.5μm離間、約2μm離間、約2.5μm離間、約3μm離間、約3.5μm離間、約4μm離間、約4.5μm離間、約5μm離間、約5.5μm離間、約6μm離間、約6.5μm離間、約7μm離間、約7.5μm離間、約8μm離間、約8.5μm離間、約9μm離間、約9.5μm離間、または約10μm離間している1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、以下の幅(μm):10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、または1.5の約いずれか未満離間している1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、以下の幅(μm):1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、または9.5の約いずれかよりも大きく離間している1つ以上のギア歯を含む。すなわち、複数のギア歯は、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、または1.5の上限値、及び1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、または9.5の独立して選択される下限値を有する幅の範囲のいずれかで離間し得る1つ以上のギア歯を含み得、下限値は、上限値未満である。
【0064】
いくつかの実施形態では、本開示のビーズは、実質的に円形のディスクである。本明細書で使用する場合、実質的に円形の形状とは、形状の周囲長の全ての点と形状の幾何学的中心の間で大体同じ距離を有する任意の形状のことを指す。いくつかの実施形態では、形状は、幾何学的中心と周囲長上の所与の点とを結ぶポテンシャル半径のいずれかのばらつきが、長さの変化の10%未満を示す場合に、実質的に円形であるとみなされる。本明細書で使用する場合、実質的に円形のディスクとは、形状の厚さがその直径よりも著しく小さい任意の実質的に円形の形状のことを指す。例えば、いくつかの実施形態では、実質的に円形のディスクの厚さは、その直径の約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、または約5%未満であり得る。ある特定の実施形態では、実質的に円形のディスクの厚さは、その直径の約20%であり得る。輪郭がギア形状である本開示のビーズは、実質的に円形のディスクともみなされ得る;例えば、1つ以上のギア歯を除外するビーズの形状は、実質的に円形のディスクを含み得ることを理解すべきである。
【0065】
いくつかの実施形態では、ビーズは、約300μm未満の直径である。例えば、いくつかの実施形態では、ビーズの直径は、約300μm未満、約200μm未満、約180μm未満、約160μm未満、約140μm未満、約120μm未満、約100μm未満、約80μm未満、約60μm未満、約40μm未満、または約20μm未満である。いくつかの実施形態では、ビーズは、球形であり、約300μmの直径を測定する。他の実施形態では、ビーズは、長方形であり、約300μmの直径を測定する。いくつかの実施形態では、ビーズは、長方形であり、約40×60×5μmを測定する。
【0066】
いくつかの実施形態では、ビーズの直径は、約180μm、約160μm、約140μm、約120μm、約100μm、約90μm、約80μm、約70μm、約60μm、約50μm、約40μm、約30μm、約20μm、または約10μmである。ある特定の実施形態では、ビーズは、約60μmの直径である。
【0067】
いくつかの実施形態では、ビーズは、約50μm未満の厚さである。例えば、いくつかの実施形態では、ビーズの厚さは、約70μm未満、約60μm、約50μm、約40μm、約30μm、約25μm未満、約20μm未満、約15μm未満、約10μm未満、または約5μm未満である。いくつかの実施形態では、ビーズの厚さは、以下の厚さ(μm):70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、または2の約いずれか未満である。いくつかの実施形態では、ビーズの厚さは、以下の厚さ(μm):1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、または65の約いずれかよりも大きい。すなわち、ビーズの厚さは、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、または2の上限値、及び1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、または65の独立して選択される下限値を有する厚さ(μm)の範囲のいずれかであり得、下限値は、上限値未満である。
【0068】
いくつかの実施形態では、ビーズの厚さは、約50μm、約45μm、約40μm、約35μm、約30μm、約25μm、約20μm、約19μm、約18μm、約17μm、約16μm、約15μm、約14μm、約13μm、約12μm、約11μm、約10μm、約9μm、約8μm、約7μm、約6μm、約5μm、約4μm、約3μm、約2μm、または約1μmである。ある特定の実施形態では、ビーズは、約10μmの厚さである。
【0069】
いくつかの態様では、本開示のビーズは、捕捉剤を含み得る。いくつかの実施形態では、特定のビーズ種の捕捉剤は、「固有の捕捉剤」であり得、例えば、捕捉剤は、特定の識別子(例えば、アナログコード)を有する特定のビーズ種と関連している。捕捉剤は、溶液中に存在する1つ以上の分析物(例えば、生体分子または化学化合物)に結合することが可能な任意の生体分子または化学化合物であり得る。生体分子捕捉剤の例としては、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、小分子、細菌細胞、細胞器官、及び抗体断片が挙げられるが、これらに限定されない。化学化合物捕捉剤の例としては、化学ライブラリー、小分子、または環境毒素(例えば、殺虫剤または重金属)の個々の成分が挙げられるが、これらに限定されない。
【0070】
いくつかの実施形態では、捕捉剤は、(いくつかの実施形態では、ビーズ表面の少なくとも中央部分において)ビーズの表面に連結される。いくつかの実施形態では、捕捉剤は、ビーズに化学的に付着することができる。他の実施形態では、捕捉剤は、ビーズの表面に物理的に吸着することができる。いくつかの実施形態では、捕捉剤とビーズ表面の付着連結は、共有結合であり得る。他の実施形態では、捕捉剤とビーズ表面の付着連結は、非共有結合であり得、塩橋または他のイオン結合、1つ以上の水素結合、疎水性相互作用、ファンデルワールス力、ロンドン分散力、機械的結合、1つ以上のハロゲン結合、金原子同士の親和性、インターカレーション、またはスタッキングが挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
いくつかの態様では、同じ分析物に対する2つ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)の捕捉剤は、各々、本明細書に記載されるビーズと関連することができる。この実施形態では、特定の分析物に対する各捕捉剤は、分析物/捕捉剤結合の解離定数によって測定された異なる親和性をもつ分析物に結合する。したがって、組成物中の複数のビーズ内に、同じ分析物に結合する捕捉剤を有するビーズの2つ以上の亜集団が存在し得るが、各亜集団と関連する捕捉剤は、異なる親和性で分析物に結合する。いくつかの実施形態では、捕捉剤のいずれかに対する分析物の解離定数は、10-6M以下、例えば、10-7Mまたは10-8Mである。他の実施形態では、捕捉剤のいずれかに対する分析物の解離定数は、約10-10M~約10-6M、例えば、約10-10M~約10-7M、約10-10M~約10-8M、約10-10M~約10-9M、約10-9M~約10-6M、約10-9M~約10-7M、約10-9M~約10-8M、約10-8M~約10-6M、または約10-8M~約10-7Mである。いくつかの実施形態では、2つの捕捉剤のいずれかに対する分析物の解離定数は、約3 log10と同程度、例えば、約2.5 log10、2 log10、1.5 log10、または1 log10と同程度に異なる。
【0072】
いくつかの実施形態では、本開示の分析物は、1つ以上の分析物の捕捉のためのビーズに連結される。いくつかの実施形態では、1つ以上の分析物は、サンプル、例えば、本明細書に記載される生物試料から捕捉され得る。いくつかの実施形態では、分析物は、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、小分子、細菌細胞、細胞器官、及び抗体断片を含み得るが、これらに限定されない。他の実施形態では、分析物は、化学ライブラリー、小分子、または環境毒素(例えば、殺虫剤または重金属)の個々の成分などの、捕捉剤に結合することが可能な化学化合物(例えば、小分子化学化合物)である。
【0073】
本開示のサンプル、例えば、生物試料は、固体材料(例えば、組織、細胞ペレット及び生検)及び生物流体(例えば、尿、血液及びその成分、例えば、血清、唾液、リンパ、涙、汗、前立腺液、精液(seminal fluid)、精液(semen)、胆汁、糞便、粘液、羊水及び洗口液(口腔細胞を含む))を含む任意の形態であり得る。固体材料は、典型的には、流体と混合される。サンプルは、水、空気、土、または任意の他の環境供給源などの環境試料のことも指し得る。いくつかの実施形態では(以下の実施例5に示すように)、サンプルは、血清を含む。
【0074】
いくつかの態様では、サンプル(例えば、生物試料)中の分析物は、捕捉剤に結合する際に検出可能な信号を放出することが可能な信号発信エンティティで標識することができる。いくつかの実施形態では、信号発信エンティティは、比色ベースであり得る。他の実施形態では、信号発信エンティティは、フィコエリトリン、青色蛍光タンパク質、緑色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、シアン蛍光タンパク質、及びそれらの誘導体を含むがこれらに限定されない蛍光ベースであり得る。他の実施形態では、信号発信エンティティは、32P、33P、22Na、36Cl、H、H、35S、及び123Iで標識された分子を含むがこれらに限定されない放射性同位体ベースであり得る。他の実施形態では、信号発信エンティティは、ルシフェラーゼ(例えば、化学発光ベース)、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、及びそれらの誘導体を含むがこれらに限定されない光ベースであり得る。いくつかの実施形態では、サンプル中に存在する生体分子または化学化合物は、ビーズとの接触前に信号発信エンティティで標識することができる。他の実施形態では、サンプル中に存在する生体分子または化学化合物は、ビーズとの接触後に信号発信エンティティで標識することができる。
【0075】
A.ビーズの形状
本明細書に記載されるビーズは、任意の三次元の幾何学的形状を有し得る。いくつかの実施形態では、複数のビーズは、半球形の形状を含む球形であり得る。他の実施形態では、複数のビーズは、卵形の形状であり得る。いくつかの実施形態では、複数のビーズは、斜方立方体、長方形の立方体、切頂立方体、カンテラ立方体、全切頂立方体、または変形立方体を含むがこれらに限定されない立方体形状であり得る。いくつかの実施形態では、複数のビーズは、右円の円柱、楕円柱、または斜柱を含むがこれらに限定されない円柱形状であり得る。いくつかの実施形態では、複数のビーズは、右円の円錐形または斜円の円錐形を含むがこれらに限定されない円錐形状であり得る。いくつかの実施形態では、複数のビーズは、正方形ピラミッドまたは五角形ピラミッドを含むがこれらに限定されないピラミッド形状であり得る。いくつかの実施形態では、複数のビーズは、四面体形状であり得る。いくつかの実施形態では、複数のビーズは、角柱形状であり得る。さらに、複数のビーズの他の実施形態は、十二面体、二十・十二面体、菱形三十面体、または菱形十二面体を含むがこれらに限定されない任意の形態の多面体であり得る。
【0076】
いくつかの態様では、本明細書に記載される組成物のいくつかのビーズは、滑らかで、表面の凹凸がない表面を有し得る。本明細書で使用する場合、ビーズは、組成物中の任意の1つのビーズの重心からビーズの表面上の任意の2点までの距離が約10%を超えて変化しない場合に、「滑らかで、表面の凹凸がない」である。いくつかの実施形態では、組成物中の任意の1つのビーズの重心からビーズの表面上の任意の2点までの距離は、約19%、約18%、約17%、約16%、約15%、約14%、約13%、約12%、約11%、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、約1%、約0.5%、または約0.25%(その間を含む)、並びにこれらのパーセンテージ間の任意の数値以下で変化することができる。いくつかの実施形態では、顕微鏡検査は、ビーズ表面に深い凹み、穴、または高隆起がないことを判断するために使用することができる。
【0077】
B.ビーズのサイズ
いくつかの態様では、本明細書に記載される組成物のビーズは、実質的に同一なサイズ及び形状のものであり得る。本明細書で使用する場合、「実質的に同一なサイズ」は、組成物中の任意の2つのビーズ(例えば、ポリマービーズ)間の最も広い寸法で測定された距離間の変化が約10%未満であることを意味する。いくつかの実施形態では、組成物中の任意の2つのビーズ間の最も広い寸法で測定された距離間の変化は、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、約1%、約0.5%、または約0.25%(その間を含む)、並びにこれらの数の間の任意の数値未満であり得る。「実質的に同一な形状」とは、本明細書で使用する場合、組成物の各ビーズが組成物内の任意の他のビーズと同じ形状であることを意味する。
【0078】
C.識別子
本明細書に記載されるビーズ組成物中の各ビーズは、1つ以上の固有識別子と関連付けられ得る。いくつかの実施形態では、識別子は、アナログコード識別子である。いくつかの態様では、識別子は、特定のアッセイを実施する目的のために、ビーズの表面に固定化された捕捉剤(例えば、抗体、小分子化学化合物、または核酸プローブ)の同一性に対応する。他の態様では、本明細書に記載されるビーズ組成物は、情報(例えば、データ)を保存し、及び/またはマルチプレックスアッセイそれ自体には直接関係しない他の機能を行うために利用することもできるアナログコード識別子をもつさらなるビーズを含む。例えば、いくつかの実施形態では、アナログ識別子は、特定のアッセイまたはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識される。
【0079】
いくつかの実施形態では、ビーズ組成物及びシステムは、少なくとも2つのビーズ、少なくとも3つのビーズ、少なくとも4つのビーズ、少なくとも5つのビーズ、または少なくとも6つのビーズを含み、各々は、特定のアッセイもしくはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する。少なくとも2つのビーズ、少なくとも3つのビーズ、少なくとも4つのビーズ、少なくとも5つのビーズ、または少なくとも6つのビーズの各々は、特定のアッセイまたはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号から独立して選択されるパラメーターとして認識されるアナログコード識別子を有し得ることを理解されたい。すなわち、ビーズの各々は、異なるクラスのパラメーターに属する異なる識別子を有し得る。例えば、少なくとも2つのビーズは、特定のアッセイとして認識される識別子をもつもの、及び製造ロットとして認識される識別子をもつもの;または特定のアッセイキットとして認識される識別子をもつもの、及び個人として認識される識別子をもつものを含み得る。別の非限定例について、少なくとも3つのビーズは、較生信号として認識される識別子をもつもの、位置識別子として認識される識別子をもつもの、及び特定の分析物として認識される識別子をもつものを含み得る。別の非限定例について、少なくとも4つのビーズは、特定のアッセイとして認識される識別子をもつもの、位置識別子として認識される識別子をもつもの、特定の分析物として認識される識別子をもつもの、及び製造ロットとして認識される識別子をもつものを含み得る。別の非限定例について、少なくとも5つのビーズは、特定のアッセイとして認識される識別子をもつもの、特定のアッセイキットとして認識される識別子をもつもの、特定の分析物として認識される識別子をもつもの、製造ロットとして認識される識別子をもつもの、及び較生信号として認識される識別子をもつものを含み得る。別の非限定例について、少なくとも6つのビーズは、特定のアッセイとして認識される識別子をもつもの、特定の分析物として認識される識別子をもつもの、製造ロットとして認識される識別子をもつもの、個人として認識される識別子をもつもの、位置識別子として認識される識別子をもつもの、及び較生信号として認識される識別子をもつものを含み得る。
【0080】
したがって、いくつかの実施形態では、アッセイを行うことは、捕捉剤の同一性に対応するビーズのアナログコード識別子を用いて、複数のビーズの各ビーズに連結された捕捉剤を同定すること、及び1つ以上のさらなるビーズ(複数可)をもつアナログコード識別子を用いて、特定のアッセイまたはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、及び/または較生信号のうちの1つ以上を同定することを含み得る。一実施形態では、本明細書に記載されるビーズ(例えば、ポリマービーズ)組成物は、特定の生化学または化学マルチプレックスアッセイに対応するようにイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子をもつ少なくとも1つのビーズを含む。アッセイ識別子は、キット内に含まれる組成物中の他のビーズの全ての機能(例えば、これらに限定されないが、組成物中のビーズと関連付けられた捕捉剤、またはアッセイを組み合わせて使用されるイメージングプロセッサーを較正する目的のために識別子で標識されたビーズの同一性)を含む、特定のマルチプレックスアッセイキットに関する情報を記憶するために使用することもできる。
【0081】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるビーズ組成物は、特定の製造ロットに対応するようにイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子をもつ少なくとも1つのビーズを含む。ロット識別子は、評価すべきサンプル(例えば、生物試料)中の1つ以上のターゲット分析物の濃度を算出するために使用することができる製造の日付、有効期限、及び外部標準曲線を含む、アッセイキットの特定の製造ロットに関する情報を記憶するために使用することができる。さらなる実施形態では、マルチプレックスアッセイキット中のターゲット分析物ごとの外部標準曲線は、生産ロットごとに決定することができ、データは、新しい製造ロットを生産するたびに、マルチプレックスアッセイキットに付随するソフトウェアに組み込まれる。さらに別の実施形態では、これらの予め決定された標準曲線に関するデータは、それらを用いてサンプル(例えば、生物試料)中の1つ以上のターゲット分析物の濃度を算出することができるイメージングプロセッサーによって、インターネット経由でアクセス可能である。
【0082】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるビーズ組成物は、個人に対応するようにイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子をもつ少なくとも1つのビーズを含む。個々の識別子は、例えば、生物学的または化学アッセイ分析用のサンプルを提出する個人、または行うべきこれらのアッセイを命令する個人、例えば、これらに限定されないが、ヘルスケア専門家に関する情報を記憶するために使用することができる。本明細書で使用する場合、「個人」は、任意の一般的な実験室のモデル生物などの哺乳類であり得る。哺乳類としては、ヒト及び非ヒト霊長類、農業動物、スポーツ動物、ペット(例えば、イヌまたはネコ)、マウス、ラット、及び他の齧歯類が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、個人は、ヒトである。他の実施形態では、個人は、生物学的または化学的に評価すべき生物試料を提供した患者である。別の実施形態では、個人は、行うべきアッセイを命令したヘルスケア専門家である。さらに別の実施形態では、個人は、政府機関または部門である。
【0083】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるビーズ組成物は、位置に対応するようにイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子をもつ少なくとも1つのビーズを含む。位置識別子は、評価すべきサンプルに関する位置または評価すべきサンプルの供給源の位置に関する情報を記憶するために使用することができる。位置識別子の非限定例としては、病院、ヘルスケア専門家のオフィス、住所(例えば、個人、病院、またはヘルスケア専門家の住所)、または研究所(例えば、診断研究所、医療研究所、大学研究所、またはリサーチ研究所)が挙げられる。
【0084】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるビーズ組成物は、一時的な識別子に対応するようにイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子をもつ少なくとも1つのビーズを含む。一時的な識別子の非限定例としては、検体収集の日付が挙げられる。
【0085】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるビーズ組成物は、陽性または陰性対照としてビーズを同定するようにイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子をもつ少なくとも1つのビーズを含む。陽性対照ビーズは、例えば、ビオチン化ウシ血清アルブミン(BSA)で被覆されたビーズ、または陽性対照として使用され得る任意の他のマーカーであり得る。いくつかの実施形態では、陽性対照ビーズは、ビオチンで被覆され、陽性対照ビーズは、ストレプトアビジンまたはその誘導体(例えば、ストレプトアビジンフィコエリトリンコンジュゲート)にコンジュゲートされる信号発信エンティティを用いて検出される。陰性対照ビーズは、例えば、BSAで被覆されたビーズ、または陰性対照として使用され得る任意の他のマーカーであり得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるビーズ組成物は、イメージングプロセッサーの較正のために予め標識される少なくとも1つのビーズを含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるビーズ組成物は、2つ以上の機能または一部の情報(例えば、これらに限定されないが、特定の生化学または化学マルチプレックスアッセイ、特定のマルチプレックスアッセイキットに関する情報、特定の製造ロット、個人、位置に関する情報)に対応するようにイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子をもつ少なくとも1つのビーズを含む。例えば、本明細書に記載されるビーズ組成物は、製造ロット(製造日付、有効期限、標準曲線、及びカットオフ値を含むが、これらに限定されない)に関する情報に対応し、かつ陰性対照ビーズとしてビーズを同定するようにイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子をもつ少なくとも1つのビーズを含み得る。別の例として、本明細書に記載されるビーズ組成物は、アッセイキット(キット内に含まれる、組成物中の他のビーズの全ての機能を含むが、これらに限定されない)に関する情報に対応し、かつ陽性または陰性対照としてビーズを同定するようにイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子をもつ少なくとも1つのビーズを含み得る。別の例として、本明細書に記載されるビーズ組成物は、製造ロット(評価すべきサンプル中の1つ以上のターゲット分析物の濃度を算出するために使用することができる製造の日付、有効期限、及び外部標準曲線が挙げられるが、これらに限定されない)に関する情報に対応し、かつ陽性または陰性対照としてビーズを同定するようにイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子をもつ少なくとも1つのビーズを含み得る。別の例として、本明細書に記載されるビーズ組成物は、患者名及び識別子、病院、ヘルスケア専門家、診断研究所、及び検体収集の日付に対応するようにイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子をもつ少なくとも1つのビーズを含み得る。さらに別の例として、本明細書に記載されるビーズ組成物は、ビーズの表面に結合する捕捉剤を同定するように、かつ、アッセイキットに関する情報(キット内に含まれる、組成物中の他のビーズの全ての機能を含むが、これらに限定されない)に対応するようにイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子をもつ少なくとも1つのビーズを含み得る。
【0088】
D.捕捉剤
いくつかの態様では、本明細書に記載される組成物のビーズは、固有の捕捉剤に付着することができる。「固有の捕捉剤」によって、各捕捉剤が、特定の識別子を有する特定のビーズと関連していることを意味する。捕捉剤は、溶液中に存在する1つ以上の生体分子または化学化合物に結合することが可能な任意の生体分子または化学化合物であり得る。生体分子捕捉剤の例としては、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、アミノ酸、ヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、または抗体断片が挙げられるが、これらに限定されない。化学化合物捕捉剤の例としては、化学ライブラリー、小分子、または環境毒素(例えば、殺虫剤または重金属)の個々の成分が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、捕捉剤は、ビーズに化学的に付着しすることができる。他の実施形態では、捕捉剤は、ビーズの表面に物理的に吸着することができる。いくつかの実施形態では、捕捉剤とビーズの間の付着連結は、共有結合であり得る。他の実施形態では、捕捉剤とビーズの間の付着連結は、非共有結合であり得、これらに限定されないが、塩橋または他のイオン結合、1つ以上の水素結合、疎水性相互作用、ファンデルワールス力、ロンドン分散力、機械的結合、1つ以上のハロゲン結合、金原子同士の親和性、インターカレーション、またはスタッキングを含む。
【0089】
一態様では、捕捉剤結合ビーズへの分析物(例えば、信号発信エンティティ標識された化学化合物または生体分子)の結合は、信号発信エンティティの存在を検出することが可能な任意の装置(例えば、イメージングプロセッサー)によって検出することができる。いくつかの実施形態では、フローサイトメトリーを使用して、信号発信エンティティの存在を検出することができる。フローサイトメトリーは、光散乱、光励起、及び蛍光レポーター分子からの発光の原理を使用し、これを使用して、レポーター標識化学化合物または生体分子に結合したビーズから特定のマルチパラメーターデータを生成することができる。ビーズ組成物(例えば、本明細書に記載されるもの)は、最適にフォーカスした光源を傍受する前に、緩衝液のシースにハイドロダイナミックにフォーカスすることができる。いくつかの実施形態では、レーザーは、フローサイトメトリーにおいて光源として使用することができる。
【0090】
いくつかの態様では、本明細書に記載されるビーズ組成物を使用して、溶液中の特定の化学化合物または生体分子の存在を検出することができる。したがって、いくつかの実施形態では、溶液中の化学化合物または生体分子への捕捉剤の結合は、溶液中の化学化合物または生体分子の存在を示すことができる。
【0091】
いくつかの態様では、本明細書に記載されるビーズ組成物を使用して、溶液中の特定の化学化合物または生体分子の濃度を検出することができる。したがって、いくつかの実施形態では、溶液中の化学化合物または生体分子への捕捉剤の結合は、溶液中の化学化合物または生体分子の濃度を示す。
【0092】
いくつかの態様では、本明細書に記載されるビーズ組成物を使用して、溶液中の特定の化学化合物または生体分子に対する捕捉剤の結合親和性を決定することができる。したがって、いくつかの実施形態では、溶液中の化学化合物または生体分子への捕捉剤の結合は、溶液中の特定の化学化合物または生体分子に対する捕捉剤の結合親和性を示す。
【0093】
E.信号発信エンティティ
いくつかの態様では、捕捉剤に結合することが可能な、サンプル(例えば、生物試料)中の分析物は、捕捉剤に結合する際に検出可能な信号を放出することが可能な信号発信エンティティで標識される。いくつかの実施形態では、信号発信エンティティは、比色ベースであり得る。他の実施形態では、信号発信エンティティは、フィコエリトリン、青色蛍光タンパク質、緑色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、シアン蛍光タンパク質、及びそれらの誘導体を含むがこれらに限定されない蛍光ベースであり得る。他の実施形態では、信号発信エンティティは、32P、33P、22Na、36Cl、H、H、35S、及び123Iで標識された分子を含むがこれらに限定されない放射性同位体ベースであり得る。他の実施形態では、信号発信エンティティは、ルシフェラーゼ(例えば、化学発光ベース)、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、及びそれらの誘導体を含むがこれらに限定されない光ベースであり得る。いくつかの実施形態では、サンプル中に存在する生体分子または化学化合物は、ビーズ(例えば、ポリマービーズ)組成物との接触前に信号発信エンティティで標識することができる。他の実施形態では、サンプル中に存在する生体分子または化学化合物は、ビーズ組成物との接触後に信号発信エンティティで標識することができる。
【0094】
IV.コード化ビーズの作製方法
本開示のある特定の態様は、コード化ビーズ、例えば、本明細書に記載されるビーズの作製方法に関する。コード化ビーズの作製方法は、本明細書、例えば、上記のセクションIII及び/または以下の実施例に記載されるビーズ特徴または態様のうちの1つ以上を含み得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、方法は、実質的に透明なポリマー層を堆積することを含み、実質的に透明なポリマー層は、第1の表面及び第2の表面を有し、第1及び第2の表面は、互いに平行である。いくつかの実施形態では、互いに平行である第1及び第2の表面は、単一層の上面及び底面であり得る。当該技術分野で公知のまたは本明細書に記載される任意の適当な実質的に透明なポリマーを使用してもよい。いくつかの実施形態では、実質的に透明なポリマー層は、スピンコーティングを用いて堆積される。
【0096】
いくつかの実施形態では、実質的に透明なポリマー層は、基質上に堆積され得る。適切な基質は、標準半導体及び/または微小電気機械システム(MEMS)製造技術で用いた基質を含み得る。いくつかの実施形態では、基質は、ガラス、シリコン、石英、プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、酸化インジウムスズ(ITO)コーティングなどを含み得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、犠牲層は、基質、例えば、上述のように基質上に堆積され得る。いくつかの実施形態では、犠牲層は、ポリビニルアルコール(PVA)またはOmniCoat(商標)(MicroChem;Newton、MA)を含むがこれらに限定されないポリマーで作製され得る。犠牲層は、例えば、製造者の指示に従って、塗布、使用、溶解、または剥離され得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、本開示の実質的に透明なポリマー層は、犠牲層上に堆積される。実質的に透明なポリマー層を用いて平面ビーズ表面を生成するため、実質的に透明なポリマー層は、平面犠牲層の上に堆積され得る。それから突出している1つ以上の円柱を有するビーズ表面を生成するため、犠牲層(例えば、基質の上に堆積されるもの)は、例えば標準のリソグラフィープロセスを用いて、1つ以上の円柱形状の穴またはボイド領域でパターニングされ得る。いくつかの実施形態では、実質的に透明なポリマー層は、層が1つ以上の円柱形状の穴またはボイド領域で堆積されるように、犠牲層及び任意の基質の上に堆積され得る。いくつかの実施形態では、別の実質的に透明なポリマー層は、第1の実質的に透明なポリマー層は、次いで、犠牲層上に堆積され、1つ以上の円柱形状の穴またはボイド領域は、第1の実質的に透明なポリマー層に充填され得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、本開示の磁性の実質的に非透明な層は、第1の実質的に透明なポリマー層の表面上に堆積される。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、スパッタリングによって堆積される。磁性の実質的に非透明な層は、例えば、本明細書に記載される磁性材料のいずれかで作製され得る。例えば、いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、ニッケル(例えば、元素ニッケル、またはその合金)を含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、実質的に透明なポリマー層の中央部分上に堆積される磁性の実質的に非透明な層の一部を除去するためにエッチングされ得る。磁性の実質的に非透明な層は、当該技術分野で公知の任意の手段によってエッチングされ得る。例えば、いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、従来のウェットエッチングによってエッチングされる。磁性の実質的に非透明な層の例示の寸法、形状、及び任意の非対称性は、上記で提供される。
【0101】
いくつかの実施形態では、本開示の第2の実質的に透明なポリマー層は、磁性の実質的に非透明な層上に堆積される。いくつかの実施形態では、第2の実質的に透明なポリマー層は、互いに平行である第1の表面及び第2の表面(例えば、単一層の上面及び底面)を有する。いくつかの実施形態では、第2の表面は、磁性の実質的に非透明な層に固定される。いくつかの実施形態では、第2の実質的に透明なポリマー層は、第1の実質的に透明なポリマー層と整列され、実質的に透明なポリマー層の中央部分と整列されている中央部分を有する。実質的に透明なポリマー層の中央部分の例示の寸法は、上記で提供される。
【0102】
いくつかの実施形態では、本開示の実質的に非透明なポリマー層は、第2の実質的に透明なポリマー層の第1の表面上に堆積される。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層は、第1及び第2の実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層は、アナログコードを表す二次元形状を含む。本明細書に記載または例示の二次元形状のいずれか、例えば、不連続を含む1つ以上のリング、または本開示のギア形状を使用し得る。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層は、第2の実質的に透明なポリマー層上に堆積され、(例えば、標準のリソグラフィープロセスを用いて)所望の二次元形状にエッチングされる。
【0103】
いくつかの実施形態では、1つ以上の円柱は、実質的に非透明なポリマー層によって覆われない部分で、実質的に透明なポリマー上、例えば、第2の実質的に透明なポリマー層の第1の表面上に堆積され得る。1つ以上の円柱は、例えば、標準のリソグラフィープロセスを用いて、本明細書に記載されるように堆積され得る。
【0104】
任意の犠牲層及び/または本開示の基質を採用するいくつかの実施形態では、犠牲層は、溶解または剥離され得、及び/または基質は、溶媒を用いて除去され得る。製造(例えば、標準半導体またはMEMS製造プロセス、例えば、フォトレジスト除去における)に有用な種々の溶媒は、当該技術分野で公知である。いくつかの実施形態では、溶媒は、フォトレジスト剥離溶媒、例えば、DMSO-または1-メチル-2-ピロリドン(NMP)系溶媒である。いくつかの実施形態では、溶媒は、AZ(登録商標)フォトレジスト剥離、例えば、AZ(登録商標)300T(AZ Electronic Materials;Somerville、NJ)である。
【0105】
いくつかの実施形態では、方法は、本開示の基質上に本開示の犠牲層を堆積することを含む。犠牲層、基質、及び適当な堆積方法は、例えば、上述のように記載される。
【0106】
いくつかの実施形態では、本開示の実質的に非透明なポリマー層は、犠牲層上に堆積される。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層は、互いに平行である第1及び第2の表面(例えば、単一層の上面及び底面)を有する。いくつかの実施形態では、第2の表面は、犠牲層に固定される。
【0107】
いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の輪郭は、アナログコードを表す二次元形状に、例えば、本明細書に記載されるように形成される。実質的に非透明なポリマー層は、例えば、スピンコーティング、ソフトベーキング、紫外線暴露、エッチング、及びハードベーキングを含むがこれらに限定されない標準のリソグラフィープロセスを用いて、当該技術分野で公知のまたは本明細書に記載される任意の方法によって形成され得る。
【0108】
いくつかの実施形態では、犠牲層は、溶解または剥離され得、及び/または基質は、溶媒を用いて、例えば、上述のように除去され得る。
【0109】
他の実施形態では、本開示の磁性材料を含む磁性層は、犠牲層上に堆積される。例示の磁性材料、磁性層形状/寸法、及びそれに関する堆積方法は、上記で提供される。例えば、いくつかの実施形態では、磁性層は、1つ以上の円柱に、例えば、円柱906で示されるように形成され得る。他の実施形態では、磁性層は、2つの非透明ポリマー層の間、例えば、磁性層704で示されるように埋め込まれ得る。磁性材料は、例えば、本明細書に記載される磁性材料のいずれかを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、磁性材料は、ニッケル(例えば、元素ニッケル、またはその合金)を含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、本開示の実質的に非透明なポリマー層は、磁性層上に堆積される。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層は、互いに平行である第1及び第2の表面(例えば、単一層の上面及び底面)を有する。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の表面(例えば、第2の表面)は、磁性層に固定される。
【0111】
いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の輪郭は、アナログコードを表す二次元形状に、例えば、本明細書に記載されるように形成される。
【0112】
いくつかの実施形態では、犠牲層は、溶解または剥離され得、及び/または基質は、溶媒を用いて、例えば、上述のように除去され得る。
【0113】
上述の方法に適当な例示のビーズ形状、寸法、及び随意的な特徴は、本開示を通じて提供される。
【0114】
いくつかの実施形態では、捕捉剤は、本開示のビーズ、例えば、本明細書に記載されるビーズ及び/または本明細書に記載される方法のいずれかによって生成されたビーズにカップリングされ得る。本明細書に記載される捕捉剤のいずれか、または本明細書に記載される分析物の捕捉に適当な当該技術分野で公知の任意の捕捉剤は、本開示の方法及び/またはビーズにおいて使用され得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、捕捉剤は、本開示のポリマー層、例えば、本明細書に記載される実質的に透明なまたは実質的に非透明なポリマー層にカップリングされ得る。いくつかの実施形態では、捕捉剤は、ポリマー層の第1または第2の表面の一方または両方にカップリングされ得る。いくつかの実施形態では、捕捉剤は、ポリマー層の少なくとも中央部分(例えば、本明細書に記載される中央部分)にカップリングされ得る。いくつかの実施形態では、ポリマーは、エポキシ系ポリマーを含む、またはあるいはエポキシド基を含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、捕捉剤のカップリングは、ポリマーを光酸発生剤及び光と反応させて、架橋ポリマーを生成することを伴う。いくつかの実施形態では、光は、光酸発生剤を活性化する波長のもの、例えば、紫外光または近紫外光である。光酸発生剤は、Sigma-Aldrich(St.Louis)及びBASF(Ludwigshafen)から市販されている。当該技術分野で公知の任意の適当な光酸発生剤を使用してもよく、ヘキサフルオロアンチモン酸トリフェニルまたはトリアリールスルホニウム;トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート;トリフェニルスルホニウムペルフルオロ-1-ブタンスルホネート;トリフェニルスルホニウムトリフラート;Tris(4-tert-ブチルフェニル)スルホニウムペルフルオロ-1-ブタンスルホネートまたはトリフラート;ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウム含有光酸発生剤、例えば、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムペルフルオロ-1-ブタンスルホネート、p-トルエンスルホネート、及びトリフラート;Boc-メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフラート;(tert-ブトキシカルボニルメトキシナフチル)-ジフェニルスルホニウムトリフラート;(4-tert-ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフラート;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、硝酸塩、ペルフルオロ-1-ブタンスルホネート、トリフラート、またはp-トルエンスルホネート;(4-フルオロフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフラート;N-ヒドロキシナフタルイミドトリフラート;N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミドペルフルオロ-1-ブタンスルホネート;(4-ヨードフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフラート;(4-メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフラート;2-(4-メトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン;(4-メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフラート;(4-メチルチオフェニル)メチルフェニルスルホニウムトリフラート;(4-フェノキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフラート;(4-フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフラート;またはproduct-finder.basf.com/group/corporate/product-finder/de/literature-document:/Brand+Irgacure-Brochure--Photoacid+Generator+Selection+Guide-English.pdfに記載される光酸発生剤のいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、光酸発生剤は、スルホニウム含有光酸発生剤である。
【0117】
いくつかの実施形態では、捕捉剤のカップリングは、架橋ポリマーのエポキシドを、アミン、カルボキシル、チオールなどの官能基と反応させることを伴う。あるいは、表面上のエポキシ基は、ヒドロキシル基に酸化することができ、その後、ポリ(アクリル酸)などの水溶性ポリマーのグラフト重合のための開始部位として使用される。次いで、ポリ(アクリル酸)中のカルボキシル基を使用して、捕捉剤中のアミノまたはヒドロキシル基と共有結合を形成する。
【0118】
いくつかの実施形態では、捕捉剤のカップリングは、架橋ポリマーのエポキシドを、アミン及びカルボキシルを含む化合物と反応させることを伴う。いくつかの実施形態では、化合物のアミンをエポキシドと反応させて、化合物にカップリングした架橋ポリマーを形成する。理論に束縛されることを望むものではないが、捕捉剤は、ポリマーが架橋する前にポリマーにカップリングされ得る;しかしながら、これは、得られる表面の均一性を減らし得ることが考えられる。一級アミン及びカルボキシル基をもつ任意の化合物を使用し得る。化合物は、グリシン、アミノウンデカン酸、アミノカプロン酸、アクリル酸、2-カルボキシエチルアクリル酸、4-ビニル安息香酸、3-アクリルアミド-3-メチル-1-ブタン酸、メタクリル酸グリシジルなどを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、化合物にカップリングした架橋ポリマーのカルボキシルを捕捉剤のアミン(例えば、一級アミン)と反応させて、捕捉剤を実質的に透明なポリマーにカップリングさせる。
【0119】
V.コード化ビーズの使用方法
本明細書で提供されるのは、生物学的または化学マルチプレックスアッセイを実施するための本明細書に記載されるビーズの使用方法である。
【0120】
A.ビーズ表面への捕捉剤の付着
いくつかの態様では、本明細書に記載される複数のビーズ組成物の製造方法は、捕捉剤(例えば、これらに限定されないが、化学化合物または生体分子)をビーズの表面に付着させることをさらに含んでもよい。作製したビーズの表面上のエポキシ基を修飾して、種々の化学化合物または生体分子に付着しやすくしてもよい。ビーズに付着するための適切な生体分子としては、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、アミノ酸、ヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、小分子化学化合物、または抗体断片が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、任意の適当な化学化合物は、例えば、複数メンバーの化学ライブラリーの個々の成分を含む、ビーズの表面に付着することができる。他の実施形態では、1つ以上の生体分子または化学化合物は、ビーズの表面に物理的に吸着することができる。いくつかの実施形態では、化学化合物または生体分子とビーズの間の付着連結は、共有結合であり得る。他の実施形態では、化学化合物または生体分子とビーズの間の付着連結は、非共有結合であり得、これらに限定されないが、塩橋または他のイオン結合、1つ以上の水素結合、疎水性相互作用、ファンデルワールス力、ロンドン分散力、機械的結合、1つ以上のハロゲン結合、金原子同士の親和性、インターカレーション、またはスタッキングを含む。
【0121】
非限定的な一実施形態では、カルボニル基は、β-アラニンなどのアミノ酸と反応させることで、エポキシポリマービーズの表面上に導入され得る。次いで、これらのカルボキシル官能性を使用して、任意の化学化合物または生体分子のアミノ基と共有結合を形成することができる。別の非限定的な実施形態では、ビーズの表面上のエポキシ基をシスタミンで処理した後、ジチオスレオニン(DTT)を用いて還元させることができる。これにより、任意の化学化合物または生体分子のスルフヒドリル基とジスルフィド結合を形成するために利用可能になる遊離チオールが得られる。別の非限定的な実施形態では、ポリマー表面は、エポキシポリマーを過剰のエチレンジアミンと反応させることで、遊離アミンで修飾することができる。得られた遊離アミノ基は、カルボキシル基を介して化学化合物または生体分子に付着する。さらに別の非限定的な実施形態では、表面上のエポキシドを加水分解して、ヒドロキシル基を形成してもよい。これらの高密度ヒドロキシル基は、次いで、種々のシロキサンでシラン化することができる。シラン化は、広大な様々な種類の表面を生成するために化学工業において広く使用されており、多くのタイプのシラキサンが市販され、当該技術分野で公知である。したがって、シラン化を使用して、本明細書に記載されるビーズ組成物の表面に化学化合物または生体分子を付着させるための多くの異なる表面を生成することができる。いくつかの実施形態では、タンパク質などの大きな生体分子は、1つ以上の塩橋または他のイオン結合、1つ以上の水素結合、疎水性相互作用、ファンデルワールス力、ロンドン分散力、機械的結合、1つ以上のハロゲン結合、金原子同士の親和性、インターカレーション、またはタンパク質とビーズの表面特性の間のスタッキングを含むがこれらに限定されない1つ以上の非共有結合の形成による物理吸着によって、ビーズに付着することができる。物理吸着による付着は、いずれの化学反応を必要とせず、例えば、イムノアッセイの固相の調製において使用されることが多い。
【0122】
コンビナトリアル化学ライブラリーとは、小型のサブユニットまたはモノマーを含む複数の種の化合物のコレクションである。コンビナトリアルライブラリーは、数百~数十万の異なる種の化学化合物の範囲の様々なサイズに収まる。ペプチド、炭水化物、オリゴヌクレオチド、及び有機低分子などの化合物を含む、オリゴマーライブラリー及びポリマーライブラリーを含む、種々のライブラリーの種類もまた存在する。このようなライブラリーは、固定化及びクロマトグラフィーによる化学化合物の分離、並びにアクセプター分子に結合するか、または対象の生物学的活性を媒介することが可能なリガンドを同定し、特徴づけるための使用など、種々の使用がなされる。
【0123】
固相支持体上で化合物のライブラリーを合成するための種々の技術が、当該技術分野で公知である。固相支持体は、サブユニットまたはモノマーと結合して、ライブラリーの化合物を形成するように官能化された表面を伴うポリマー対象であることが典型的である。1つのライブラリーの合成は、多数の固相支持体を伴うことが典型的である。
【0124】
コンビナトリアルライブラリーを作製するには、固相支持体を、化合物の1つ以上のサブユニットと反応させ、注意深く制御された所定の化学反応の連鎖において、1つ以上の数の試薬と反応させる。言い換えれば、ライブラリーのサブユニットを、固相支持体上で「成長させる」。ライブラリーが大規模になるほど、要求される反応の数が増大することから、ライブラリーを構成する化合物の複数の種の化学組成を追跡し続ける作業が複雑化する。したがって、多数の化学化合物の効率的な生産を容易にしつつ、化合物を作製するのに必要な多くの反応工程にわたって化合物を便利に追跡することができる方法及び装置を有することが重要である。
【0125】
本開示の組成物のビーズ(例えば、ポリマービーズ)は、固体支持体上で実行し得る任意の種類の化学反応に適応可能である。このような化学反応は、ブタジエンのトラッピングを含む2+2付加環化;イソキサゾリン、フラン、及び修飾ペプチドの合成を含む[2+3]付加環化;ジオール、アルデヒド、及びケトンの固定化を含むアセタール形成;アルデヒドの誘導体化、プロパンジオールの合成を含むアルドール縮合;アルデヒドの誘導体化を含むベンゾイン縮合;ベンゾジアゼピン及びヒダントイン、チアゾリジン、ターン模倣体、ポルフィリン、フタロシアニンを含む環化縮合;ジエステルの環化を含むディークマン環化;アクリル酸の誘導体化を含むディールス-アルダー反応;アルコールのアルケンへの付加を含む求電子付加;アルデヒドの誘導体化を含むグリニャール反応;二置換アルケンの合成を含むヘック反応;インサイチュにおけるニトリルオキシドの合成(2+3付加環化を参照されたい)を含むヘンリー反応;フェロモン及びペプチドの合成を含む接触水素化(アルケンの水素化);スルファニルケトン、ビシクロ[2.2.2]オクタンの合成を含むマイケル反応;アリールエーテル、ペプチジルホスホネート、及びチオエーテルの合成を含む光延反応;キノロンの合成を含む求核芳香族置換;アルデヒド及びケトンの合成を含む酸化;ペンチノールを伴うノルボルナジエンの環化を含むポーソン-カンド付加環化;ヘリセンの合成を含む光化学環化;アルデヒド及びアシルクロリドの誘導体化を含む、有機金属化合物を伴う反応;カルボニル、カルボン酸、エステル、及びニトロ基の還元を含む、錯体ヒドリド及びスズ化合物を伴う還元;カルボキシル基の還元を含むそ合(Soai)反応;ビフェニル誘導体の合成を含むスティル反応;置換シクロヘキサノンの合成を含むストーク反応;キノロンの合成を含む還元アミノ化;フェニル酢酸誘導体の合成を含む鈴木反応;並びにアルデヒド、フェロモン、及びスルファニルケトンによる反応を含むウィティッヒ-ホルナー反応を含むが、これらに限定されない。
【0126】
化学ライブラリーの合成並びに個々の固相支持体上のそれらのライブラリーの個々の化合物(例えば、本明細書に開示されるものなどのポリマービーズ組成物)のデコンボリューションについて開示する参考文献は、米国特許出願第2009/0032592号;Needels et al.,(1993)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:10700-10704;国際特許出願公開第WO97/15390号において見出すことができ、これらの各々の開示は、それら全体を参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0127】
B.複数のビーズのうちの1つのビーズの同定方法
本明細書で提供されるのは、本明細書に記載される複数のビーズ組成物から単一ビーズを同定する方法である。マルチプレックススクリーニングアッセイに対して本明細書に記載されるビーズ組成物を用いる場合、捕捉剤(例えば、公知の化学化合物(例えば、コンビナトリアル化学ライブラリーの個々のメンバー)または公知の生体分子)に付着した個々のビーズは、組成物中の各ビーズと関連付けられた固有のアナログコード識別子により同定することができる。他の実施形態では、複数のビーズ(例えば、ポリマービーズ)中の少なくとも1つのビーズと関連付けられたアナログコード識別子は、イメージングプロセッサーによってデコードし、実施されているアッセイそれ自体には厳密には関連していない他の情報源を同定することができる。これらには、アッセイの同一性、複数のビーズの製造ロット、または位置識別子が含まれ得るが、これらに限定されない。別の実施形態では、複数のビーズ中のビーズと関連付けられたさらなる識別子は、イメージングプロセッサーの較正のために予め標識することができる。他の実施形態では、複数のビーズ中のビーズと関連付けられた識別子は、イメージングプロセッサーによってデコードし、上述のものなどの2つ以上のタイプの情報を同定することができる。
【0128】
したがって、一態様では、単一ビーズは、複数のビーズを含む組成物を、個々のビーズの幅の2倍未満の幅を含むコンジットに注入することによって同定することができ、組成物中の各ビーズは、実質的に同一なサイズ及び形状のものであり、少なくとも1つの(例えば、少なくとも1つ、2つ、3つ、または4つ)固有のアナログコード識別子を含み、識別子を同定する工程が続く。
【0129】
1.コンジット
いくつかの態様では、本明細書に記載される方法は、複数のビーズの組成物、例えば、本明細書に記載されるものをイメージングプロセッサーに個別にガイドするかまたは送り込むコンジットを利用することができる。コンジットは、1つだけのビーズがイメージングプロセッサーとどの時点においても相互作用することができるように構築することができる。一実施形態では、コンジットは、(i)第1の端部で大きな開口部、及び(ii)第2の端部で小さい開口部を有し得る。別の実施形態では、コンジットは、その最も広い寸法で、個々のポリマービーズの幅の2倍未満の幅を有し得る。いくつかの実施形態では、コンジットは、複数のビーズ、例えば、本明細書に記載されるもののコンジットへの注入を可能にするのに十分な大きさの第1の端部を有し得る。いくつかの実施形態では、複数のビーズの注入を可能にするのに十分な大きさの第1の端部は、第2の端部よりも低い高度で位置し、複数のビーズ組成物を重力に対して上向きに流れさせる。
【0130】
コンジットの横方向の形状は、実質的に同一なサイズ及び形状の複数のビーズの形状、例えば、コンジットに注入される本明細書に記載される組成物を収容するに十分な任意の形状であり得る。したがって、コンジットの横方向の形状は、正方形、円形、長方形、三角形、卵形、または本明細書に記載されるビーズと十分に同一な任意の他の形状であり得るが、これらに限定されない。
【0131】
コンジットは、鋼、非鉄金属(例えば、アルミニウム、銅、錫、及びその合金)、プラスチック材料(例えば、PE、PP.PVC、ABS)、またはプラスチック(GRP)、またはガラス、繊維セメント、もしくはセラミックなどの他の材料を含むがこれらに限定されない任意の適当な材料から作製され得る。
【0132】
コンジットは、イメージングプロセッサーの近くに位置し、イメージングプロセッサーが、イメージングプロセッサー近くを通過するビーズと関連付けられた1つ以上の識別子を同定することを可能にする。いくつかの実施形態では、コンジットは、イメージングプロセッサーから約300mm以下に位置することができる。いくつかの実施形態では、コンジットは、イメージングプロセッサーから約200~300mmまたは約100~200mm(それらの数値を含む)に位置することができる。他の実施形態では、コンジットは、イメージングプロセッサーから約90mm、約80mm、約70mm、約60mm、約50mm、約40mm、約35mm、約30mm、約25mm、約20mm、約15mm、約14mm、約13mm、約12mm、約11mm、約10mm、約9mm、約8mm、約7mm、約6mm、約5mm、約4mm、約3mm、約2mm、約1mm、0.9mm、0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5mm、0.4mm、0.2mm、または0.1mm(それらの数値を含む)(これらの数の間の任意の値を含む)に位置することができる。別の実施形態では、コンジットは、イメージングプロセッサーから約0.5mm~約1mmに位置することができる。
【0133】
2.コード化パターンリーダー
A.マイクロ流体ベースのイメージングプロセッサー
本開示の別の態様では、マイクロ流体装置は、イメージングプロセッサーと組み合わせて使用され、コード化パターンまたはビーズ(例えば、本明細書に開示されるビーズのいずれか)と関連付けられたコード化パターンの組み合わせをデコードすることができる。マイクロ流体装置は、コード化ビーズをガイドして、一度に1つずつ前進させて、イメージングプロセッサーと関連付けられたデコードゾーンを通過するようにサイズ調整され、構成された、マイクロ流路などのコンジットを含む。デコードゾーンは、その上に画像によって表されるコードをデコードするために各コード化ビーズを介して透過光のパターンを検出するコード検出器(例えば、光スキャナー、CCDセンサーなど)を含む。マイクロ流体装置のコンジットは、コード化ビーズの特定の断面がコンジットの断面と整列されている場合に、コード化ビーズを受け取り、コード化ビーズを通過させるようにサイズ調整されて形作られる幾何学を有する内部断面を有することで、デコードゾーンに対して特定の配向でコード化ビーズを提示する。一実施形態では、コンジットの内部断面の幾何学は、コード化ビーズの最小断面がコンジットと整列されている(例えば、コード化ビーズの長軸がコンジットの軸と整列されている)場合に、コード化ビーズを受け取り、コード化ビーズを通過させるようにサイズ調整されて形作られる。マイクロ流体装置は、コード化ビーズのデコーディングを並列チャネルで提供するための2つ以上のコンジットを含み得る。
【0134】
デコードゾーンに対して位置決めされた、イメージングプロセッサーと関連付けられたデコードシステムは、光源及び光学センサーを含む。一実施形態では、光源は、200nm、250nm、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、または900nmの波長(それらの数値を含む)(これらの値の間の波長を含む)のいずれかでのダイオードレーザーであり得る。別の実施形態では、デコードシステムは、対物レンズ(例えば、5x、10x、15x、20x、25x、30x、35x、40x、45x、50x、55x、60x、65x、70x、75x、80x、85x、90x、95x、または100xの対物レンズ(それらの数値を含む)、これらの数の値の任意の数を含む)を有する。別の実施形態では、光学センサーは、高速光子検出器であり得、デジタル読み出し電子回路を含む。あるいは、面光源(例えば、十分な大きさのスポットサイズを有するレーザービーム)を使用して、光を投影し、ビーズのコード化パターンの全域を同時にカバーすることができ、CCDセンサーなどの面光学センサーを使用して、コード化パターン全体及びそこを介して透過した光を同時にイメージングすることができる。あるいは、ラインスキャンカメラを光学センサーに使用することができる。
【0135】
イメージングプロセッサーと関連付けられたデコードゾーンをビーズが通過すると、レーザーからの光が透過し、光子検出器によって光強度が検出され、閾値検出を用いて、1及び0に直接変換される。ビーズ上のスリットの位置は、ビットのどちらが最下位ビット(LSB)及び最上位ビット(MSB)であるかを決定する。いくつかの実施形態では、密閉コンジット中のビーズのわずかな配向変化は、光学検出及びその後のデコーディングの効率に大きな影響を与えない。
【0136】
さらなる実施形態では、イメージングプロセッサーは、サンプル中の分析物とビーズの表面に固定化された捕捉剤の間で起こった反応の結果を検出するための反応検出システム(例えば、蛍光検出器、吸着検出器、または化学発光検出器)も含み得る。いくつかの実施形態では、信号発信エンティティを使用して、分析物と捕捉剤の間の陽性または陰性反応、及び反応検出システムによって検出された信号発信エンティティから発信された信号を検出することができる。信号発信エンティティは、蛍光標識、化学発光標識または他の発光標識、吸着標識、または放射性標識であり得るが、これらに限定されない。したがって、例えば、蛍光信号発信エンティティを採用する構成では、反応検出システムは、蛍光材料を活性化するために適当な波長で光を生成する光源、並びに光学的に透明な検出ウィンドウを介して光源を向けて、サンプル細胞中の材料を観察するためのオプティクスを含み得る。光源は、1つ以上の適当な波長を提供する任意の数の光源であり得、例えば、レーザー、レーザーダイオード、及びLEDが挙げられる。他の光源は、他の検出システムで使用され得る。例えば、広帯域光源は、光散乱/透過率検出方式などで採用され得る。
【0137】
いくつかの態様では、本明細書に記載されるビーズのいずれかは、磁性であり得る。一実施形態では、電磁石を使用して、ビーズを一時的に固定化し、イメージングプロセッサーによってビーズと関連付けられた1つ以上のコード化パターンをデコードすることができる。
【0138】
B.画像処理方法によるアナログコードのデコーディング
いくつかの実施形態では、方法は、アナログ形状認識を用いて、第1のアナログコード及び第2のアナログコードをデコードし、第1のビーズ及び第2のビーズを同定することを含む。概念的には、デコードすることは、(例えば、溶液またはサンプル中の)各ビーズのアナログコードをイメージングすること、アナログコードのライブラリーに対する各画像を比較すること、各画像をライブラリーからの画像とマッチングさせることによって、コードを積極的に同定することを含み得る。必要に応じて、本明細書に記載される通り、配向インジケーター(例えば、非対称性)を含むビーズを用いる場合、デコードすることは、各画像を回転させて、特定の配向(例えば、一部、配向インジケーターに基づく)に整列させる工程をさらに含んでもよい。例えば、配向インジケーターが間隙を含む場合、画像は、間隙が所定の位置または配向(例えば、画像の0°位置)に到達するまで回転することができた。
【0139】
種々の形状認識ソフトウェア、ツール、及び方法が、当該技術分野で公知である。そのようなAPI及びツールの例としては、Microsoft(登録商標)Research FaceSDK、OpenBR、ReKognitionからの顔及びシーン認識、Betaface API、及び種々のImageJ pluginsが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アナログ形状認識は、前景抽出、形状検出、閾値化(例えば、自動またはマニュアル画像閾値化)などの画像処理工程を含み得るが、これらに限定されない。
【0140】
当業者であれば、方法及び本明細書に記載されるビーズが、顕微鏡、プレートリーダーなどを含むがこれらに限定されない種々のイメージングデバイスに適応され得ることが分かるであろう。いくつかの実施形態では、アナログコードをデコードすることは、第1及び第2のビーズ及び/または周囲溶液の実質的に透明な部分(例えば、実質的に透明なポリマー層(複数可))に光を通過させることで第1及び第2のビーズを照射することを含み得る。その後、光は、第1及び第2のビーズの実質的に非透明な部分(例えば、実質的に非透明なポリマー層(複数可))を通過し損ねてもよく、または低強度もしくは他のかなりの違いで通過して、第1のビーズに対応する第1のアナログコード光パターン、及び第2のビーズに対応する第2のアナログコード光パターンを生成してもよい。
【0141】
上述のように、明視野、暗視野、位相コントラスト、差干渉コントラスト(DIC)、ノマルスキー干渉コントラスト(NIC)、ノマルスキー、ホフマン調節コントラスト(HMC)、または蛍光学顕微鏡法のうちの1つ以上を含むがこれらに限定されない任意のタイプの光学顕微鏡法を、本開示の方法に使用してもよい。ある特定の実施形態では、アナログコードは、明視野顕微鏡法を用いてデコードされ得、分析物(複数可)は、蛍光学顕微鏡法を用いて検出され得る。
【0142】
いくつかの実施形態では、アナログコードをデコードすることは、第1のアナログコード光パターンをイメージングして、第1のアナログコード画像を生成すること、及び第2のアナログコード光パターンをイメージングして、第2のアナログコード画像を生成することをさらに含んでもよい。すなわち、撮像された光のパターンは、ビーズの実質的に透明/実質的に非透明な領域のパターンに対応するため、アナログコードの画像を生成し得る。このイメージングは、画像を捕捉すること、画像を閾値化すること、及びアナログコードのより正確、精密、または堅牢なイメージングを達成するために望まれる任意の他の画像処理工程を含むがこれらに限定されない工程を含み得る。
【0143】
いくつかの実施形態では、アナログコードをデコードすることは、アナログ形状認識を使用して、第1のアナログコード画像を第1のアナログコードとマッチさせること、及び第2のアナログコード画像を第2のアナログコードとマッチさせることをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、画像は、例えば、画像と原型アナログコード画像の間の所定のずれ量またはミスマッチを許容する所定の閾値内で、アナログコード(例えば、各画像ファイルが固有の二次元形状/アナログコードに対応する画像ファイルのライブラリーからの画像ファイル)とマッチさせ得る。そのような閾値は、経験的に決定してもよく、当然のことながら、アナログコードに使用される特定のタイプの二次元形状、及び一連の潜在的な二次元形状の間の変動の度合いに基づいてもよい。
【0144】
3.ビーズ蛍光検出
陽性蛍光信号がイメージングプロセッサーによって検出される場合、それは、陽性反応を示す。いくつかの実施形態では、イメージングプロセッサーの反応検出器は、光源、光学フィルター、及び検出器を含む。光源の選択は、アッセイで使用され、かつ、ビーズの表面に固定化された捕捉剤の識別子として使用されたフルオロフォアまたは複数のフルオロフォアに依存する。例えば、赤色ダイオードレーザー(665nm)、及びコンパクトアルゴンレーザー(488nm)またはヘリウムレーザーは、Picogreen及びCy5.5フルオロフォアの光源であり得る。光学フィルターは、蛍光で混合される反射励起光を除去することができる(例えば、Picogreen:525nmフィルター及びCy5.5:694nmフィルター)。Cy3及びCy5は、一般的に使用される蛍光色素であり;それぞれ、緑色光(530nm)及び赤色光(635nm)で励起される。蛍光強度は、検出器として光電子増倍管で一般的に測定される。
【0145】
別のさらなる実施形態では、イメージングプロセッサーは、サンプル中の分析物とビーズの表面に固定化された捕捉剤の間で起こった反応の結果を検出するための反応検出システム(例えば、蛍光検出器、吸着検出器、または化学発光検出器)も含み得る。いくつかの実施形態では、信号発信エンティティを使用して、分析物と捕捉剤の間の陽性または陰性反応、及び反応検出システムによって検出された信号発信エンティティから発信された信号を検出することができる。信号発信エンティティは、蛍光標識、化学発光標識または他の発光標識、吸着標識、または放射性標識であり得るが、これらに限定されない。したがって、例えば、蛍光信号発信エンティティを採用する構成では、反応検出システムは、蛍光材料を活性化するために適当な波長で光を生成する光源、並びに光学的に透明な検出ウィンドウを介して光源を向けて、サンプル細胞中の材料を観察するためのオプティクスを含み得る。光源は、1つ以上の適当な波長を提供する任意の数の光源であり得、例えば、レーザー、レーザーダイオード、及びLEDが挙げられる。他の光源は、他の検出システムで使用され得る。例えば、広帯域光源は、光散乱/透過率検出方式などで採用され得る。
【0146】
いくつかの態様では、本明細書に記載される組成物のいずれかのビーズは、磁性であり得る。一実施形態では、電磁石を使用して、ビーズを一時的に固定化し、蛍光を検出することができる。
【0147】
4.個々のビーズの同一性を供給するための機械読み取り可能なフォーマット
本明細書に提供される方法のいくつかの態様では、本明細書に開示されるビーズのいずれかと関連付けられた固有のアナログコード識別子のいずれかは、イメージングプロセッサー(例えば、本明細書に記載されるイメージングプロセッサーのいずれか)、及び記憶媒体を読み込むためのシステムを介してアクセス可能な固定またはデータ記憶媒体上で記憶される同定に対応するデータによって同定することができる。他の態様では、イメージングプロセッサーは、ビーズの表面上に固定化された捕捉剤への分析物の結合、及び記憶媒体を読み込むためのシステムを介してアクセス可能な固定またはデータ記憶媒体上で記憶される検出反応に対応するデータを分析することによって、サンプル(例えば、生物試料)中の分析物の結合を検出するための反応検出システムをさらに含む。アナログコード識別子は、例えば、ビーズの捕捉剤、または特定のアッセイ/アッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号を同定し得る。例えば、アナログコード識別子を用いて、イメージングプロセッサーは、複数のビーズの各ビーズ上の捕捉剤を同定し、異なるビーズの別のアナログコード識別子を用いて、特定のアッセイまたはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号のうちの1つ以上を同定し得る。いくつかの実施形態では、ビーズの捕捉剤の同定は、1つ以上の測定、例えば、サンプル中の分析物の捕捉剤への結合を検出することと関連付けられ得る。
【0148】
いくつかの実施形態では、例えば、データ記憶媒体を読み取るシステムは、中央演算処理デバイス(「CPU」)を含むコンピューター、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリー)または「コア」メモリーであり得るワーキングメモリー、大容量記憶メモリー(例えば、1つ以上のディスクドライブまたはCD-ROMドライブ)、1つ以上のディスプレイデバイス(例えば、ブラウン管(「CRT」)ディスプレイ、発光ダイオード(「LED」)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(「LCD」)、エレクトロルミネセンスディスプレイ、真空蛍光ディスプレイ、電界放出ディスプレイ(「FED」)、プラズマディスプレイ、映写パネルなど)、1つ以上のユーザー入力デバイス(例えば、キーボード、マイクロホン、マウス、タッチスクリーンなど)、1つ以上の入力ライン、及び1つ以上の出力ラインを含み得、これらの全ては、従来の双方向性システムバスによって相互接続される。システムは、独立型のコンピューターでもよく、あるいは他のシステム(例えば、コンピューター、ホスト、サーバーなど)にネットワークで接続され得る(例えばローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、イントラネット、エクストラネット、またはインターネットを介して)。システムは、家庭用電化製品または電気器具などのコンピューターに制御されるさらなるデバイスを含み得る。
【0149】
入力ハードウェアは、入力ラインによってコンピューターと結合され得、また、様々な方法で実装され得る。本開示の機械読み取り可能なデータは、電話回線または専用データ回線によって接続された1つ以上のモデムの使用を介して入力され得る。代替または付加物として、入力ハードウェアは、CD-ROMドライブまたはディスクドライブを含み得る。ディスプレイ端末と組み合わせて、キーボードも入力デバイスとして使用できる。
【0150】
出力ハードウェアは、出力ラインによってコンピューターと結合され得、また、同様に従来のデバイスによって実装され得る。一例として、出力ハードウェアは、QUANTAなどのプログラムを用いて、本開示の活性部位の図形表現を表示するディスプレイデバイスを含み得る。出力ハードウェアは、さらに、ハードコピー出力を産生できるようにプリンターも含んでもよく、あるいは、後で使用するためにシステム出力を保存するディスクドライブを含み得る。
【0151】
本開示で有用な機械読み取り可能な記憶デバイスには、磁気デバイス、電気デバイス、光学デバイス、及びこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。そのようなデータ記憶デバイスの例としては、ハードディスクデバイス、CDデバイス、デジタル映像ディスクデバイス、フロッピーディスクデバイス、リムーバブルハードディスクデバイス、光磁気ディスクデバイス、磁気テープデバイス、フラッシュメモリーデバイス、バブル記憶素子、ホログラフィー記憶デバイス、及び他のいかなる大容量記憶周辺デバイスが挙げられるが、これらに限定されない。これらの記憶デバイスは、必要なハードウェア(例えば、ドライブ、制御デバイス、電源など)、並びにデータの記憶を可能にするのに必要な任意の媒体(例えば、ディスク、フラッシュカードなど)も含むものと理解するべきである。
【0152】
当業者であれば、データ通信またはデータ保存するための任意の他の方法または技術が、機械読み取り可能なフォーマットで個々のポリマービーズからRFIDチップによって送信された固有の同定コードを提供することも考えられることが分かるであろう。
【0153】
C.マルチプレックスアッセイの実施方法
本明細書で提供されるのは、本明細書に記載されるビーズを用いて、マルチプレックス生物学的または化学アッセイの実施方法である。ビーズは、官能基化し、1つ以上の分析物(例えば、これらに限定されないが、サンプル(例えば、生物試料)中の化学化合物または生体分子)に特異的に結合する固有の捕捉剤と結合することができる。複数の捕捉剤は、単一組成物内の複数のビーズに官能基化することができる。しかしながら、各捕捉剤は、各個々のビーズと関連付けられたアナログコード識別子に基づいて、イメージングプロセッサーによって同定可能である。
【0154】
いくつかの態様では、複数の捕捉剤結合ビーズを、1つ以上の分析物を含むサンプルに添加した後、個々のビーズと関連付けられた識別子の同一性に基づいて、イメージングプロセッサーによって1つ以上の捕捉剤を同定することができる。マルチプレックスアッセイは、ビーズの製造ロット数の同定、ビーズを使用するアッセイの同定、位置の同定、及び/または個人の同定を含むがこれらに限定されない特定の情報記憶の目的のための識別子(複数可)による、組成物中のさらなるビーズをさらに含んでもよい。組成物中のこれらのビーズ及び/またはさらなるビーズは、イメージングプロセッサーと関連付けられたイメージングプロセッサー及び/または反応検出システムを較正する目的のために識別子で標識することができる。
【0155】
いくつかの態様では、複数のビーズ中の個々のビーズ(例えば、本明細書に記載されるビーズ組成物のいずれかのビーズのいずれか)と関連付けられた識別子のいずれかに対応する情報は、コンピューターなどのメモリーにプログラムすることができる。本明細書で使用する場合、「メモリー」は、プログラム可能なメモリー、好ましくは、非揮発性メモリーを有するデータ記憶ユニット(または媒体)である。本明細書で使用する場合、「プログラミング」とは、特定の識別子に対応するデータまたは情報をメモリーに入力し、記憶するプロセスを指す。プログラムされるメモリーは、復元可能な情報を含むメモリーである。それは、メモリーへの書き込み及びメモリーからの読み出しに必要なまたは使用される任意の手段を含む。「コンピューター」は、識別子をコード化するために使用されるコードを特定する情報(すなわち、キー)でプログラムされているかまたはそれを含む機器である。この機器または該機器に接続されたものは、イメージングプロセッサーにプログラム情報及び信号を送信し、適当な信号を受信した際にイメージングプロセッサーから送信された情報を受信する。したがって、コンピューターは、イメージングプロセッサーに送信するための適当な信号を発生し、送信された信号も解釈し得る。例えば、コンピューターのメモリーの位置1,1に「1」が記憶されている場合、この対応する情報をイメージングプロセッサーから受信した際に、コンピューターは、捕捉剤に対応する識別子が、例えば、N末端にアラニンを含有するペプチド、有機基、有機分子、オリゴヌクレオチドであることを意味する、またはこの情報により予め判断されていたものが何であれそれを意味すると判断できる。別の実施形態では、この対応する情報をイメージングプロセッサーから受信した際に、コンピューターは、識別子が、製造ロットの同一性、位置識別子、または個人に対応する、またはこの情報により予め判断されていたものが何であれそれを意味すると判断できる。あるいは、コンピューターに送受信される情報を個人による適当な形態にコード化してもよい。いくつかの実施形態では、コンピューターは、リモートアクセシビリティ手段、例えば、インターネットによってアクセス可能なリモートコンピューターである。他の実施形態では、コンピューターは、外部ソース(例えば、これらに限定されないが、コンパクトディスク、CD-ROM、またはインターネットを通じて得られるダウンロード可能なプログラム)によって提供される、ソフトウェアを介して識別子をコード化するように使用されるコードを特定するプログラム情報(すなわち、キー)である。
【0156】
他の態様では、イメージングプロセッサーは、サンプル(例えば、生物試料)中の分析物の結合を検出するための反応検出システムを含む。いくつかの実施形態では、反応検出システムは、複数のビーズ中のビーズの表面上に固定化された捕捉剤への分析物の結合を分析し、検出反応に対応するデータは、コンピューターに送信される。検出システムは、コンピューター、例えば、アナログ-デジタル変換器を介して、コンピューターに機能的にカップリングされ、検出された信号データをコンピューターに送信して、分析、記憶、データ操作、またはイメージングプロセッサーによって識別子の同定から得られた他の情報と統合することができる。コンピューターは、捕捉剤と関連付けられた識別子の同一性に関する情報を、反応検出システムによって検出される、捕捉剤への分析物の結合に関する情報と統合して、記憶することができる。別の実施形態では、コンピューターは、限定されないが、製造ロット、位置識別子、及び/または個人に対応するようにイメージングプロセッサーによって認識される識別子をもつ複数のビーズ(例えば、ポリマービーズ)内に存在する1つ以上のビーズから得られる情報と一緒に、捕捉剤と関連付けられた識別子の同一性に関する情報を、反応検出システムによって検出される、捕捉剤への分析物の結合に関する情報と統合して、記憶する。
【0157】
本開示の別の実施形態では、分析は多重化され、すなわち、各サンプルを分析するため、信号発信エンティティからの信号は、少なくとも2の対象分析物、少なくとも3の対象分析物、少なくとも4の対象分析物、少なくとも5の対象分析物、少なくとも10の対象分析物、少なくとも15の対象分析物、少なくとも20の対象分析物、少なくとも25の対象分析物、少なくとも30の対象分析物、少なくとも35の対象分析物、少なくとも40の対象分析物、少なくとも45の対象分析物、または少なくとも50の対象分析物、またはそれ以上の対象分析物に対して、反応検出システムによって検出される。一実施形態では、データには、その後、例えば、最小二乗、最小絶対誤差など;及び/またはデータの変動を安定化し、バックグラウンド測定を考慮するモノトーン変換アルゴリズムを用いて、反復から得られたデータセット間の分散を考慮するエラーアルゴリズムの反復最小化を施す。固有識別子でコード化されたビーズの組成物を使用するための例示の方法を図14に示す。
【0158】
したがって、本明細書で提供されるのは、以下の工程:a)アッセイシステム中でサンプルをビーズと接触させることであって、システム中の各ビーズは、(1)第1の表面及び第2の表面を有する実質的に透明なポリマー層であって、第1及び第2の表面は、互いに平行である実質的に透明なポリマー層;(2)実質的に非透明なポリマー層であって、実質的に非透明なポリマー層は、実質的に透明なポリマー層の第1の表面に固定され、かつ、実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲み、実質的に非透明なポリマー層は、アナログコード識別子を表す二次元形状を含む実質的に非透明なポリマー層;を含み、システムは、(i)特定のアッセイもしくはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する少なくとも1つのビーズ、及び(ii)複数のビーズを含み、複数のビーズの各ビーズは、分析物に特異的に結合する捕捉剤を含み、捕捉剤は、実質的に透明なポリマー層の少なくとも中央部分において、実質的に透明なポリマー層の第1の表面及び第2の表面の少なくとも1つの上に固定化され、及び複数のビーズの各ビーズは、捕捉剤に対応するアナログコード識別子を含む、接触させること;及び任意の順序で、同時または順次:b)イメージングプロセッサーによって認識される識別子を特定のアッセイとして同定すること;及びc)捕捉剤に対応するアナログコード識別子の同定に基づいて、ビーズの表面上に固定化された捕捉剤への分析物の結合を分析することによってサンプル中の分析物の結合を検出することを含む、マルチプレックスアッセイの実施方法である。
【0159】
いくつかの実施形態では、システムは、(iii)少なくとも2つのビーズ、少なくとも3つのビーズ、少なくとも4つのビーズ、少なくとも5つのビーズ、または少なくとも6つのビーズをさらに含み、各々は、特定のアッセイもしくはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する。いくつかの実施形態では、システムは、(iv)イメージングプロセッサーによって認識される少なくとも1つのビーズを陽性または陰性対照としてさらに含む。いくつかの実施形態では、位置識別子は、病院、診断研究所、住所、ヘルスケア専門家のオフィス、またはリサーチ研究所に対応する。いくつかの実施形態では、システムは、(v)イメージングプロセッサーの機能を監視するために予め標識される少なくとも1つのビーズをさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、球形または長方形の形状を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、約300μm未満の直径である。いくつかの実施形態では、ビーズの表面は、滑らかで、表面の凹凸がない。いくつかの実施形態では、ビーズの少なくとも1つの表面は、捕捉剤の化学的付着のための少なくとも1つの部位を含む。いくつかの実施形態では、捕捉剤は、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、及び抗体断片からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、複数のビーズは、磁性または非磁性である。
【0160】
いくつかの実施形態では、ビーズは、(3)実質的に非透明なポリマー層と実質的に透明なポリマー層の中央部分の間で実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む磁性の実質的に非透明な層をさらに含み、磁性の実質的に非透明な層は、実質的に透明なポリマー層の第1の表面または第2の表面に固定される。いくつかの実施形態では、ビーズは、(4)第1の実質的に透明なポリマー層と整列されている第2の実質的に透明なポリマー層であって、第2の実質的に透明なポリマー層は、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分と整列されている中央部分を有し、第2の実質的に透明なポリマー層は、第1の実質的に透明なポリマー層の第2の表面に固定され、かつ、第1の実質的に透明なポリマー層の二次元形状を超えて伸びない第2の実質的に透明なポリマー層;及び(5)実質的に非透明なポリマー層と実質的に透明なポリマー層の中央部分の間で第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む磁性の実質的に非透明な層であって、磁性の実質的に非透明な層が、第1及び第2の実質的に透明なポリマー層の間に固定される、磁性の実質的に非透明な層をさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に非透明なポリマー層のアナログコードを配向するための配向インジケーターをさらに含む。いくつかの実施形態では、配向インジケーターは、磁性の実質的に非透明な層の非対称性を含む。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、ニッケルを含む。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、約50nm~約10μmの厚さである。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、約0.1μmの厚さである。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の二次元形状は、実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む1つ以上のリングを含み、1つ以上のリングの少なくとも1つは、不連続を含む。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の二次元形状は、複数のギア歯を含むギア形状を含み、アナログコードは、複数のうちの1つ以上のギア歯の高さ、複数のうちの1つ以上のギア歯の幅、複数におけるギア歯の数、及び複数内の1つ以上のギア歯の配置からなる群から選択される1つ以上の態様によって表される。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μmの幅である1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μmの高さである1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μm離間している2つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、:(6)第1の実質的に透明なポリマー層の第1の表面から突出している1つ以上の円柱であって、1つ以上の円柱は、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分内ではない1つ以上の円柱;及び/または(7)第1の実質的に透明なポリマー層に固定されない第1の実質的に透明なポリマー層の第2の表面または第2の実質的に透明なポリマー層の表面から突出している1つ以上の円柱であって、1つ以上の円柱は、第1または第2の実質的に透明なポリマー層の中央部分内ではない1つ以上の円柱、をさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に円形のディスクである。いくつかの実施形態では、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分は、第1の実質的に透明なポリマー層の表面積の約5%~約90%を含む。いくつかの実施形態では、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分は、第1の実質的に透明なポリマー層の表面積の約25%を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、約200μm未満の直径である。いくつかの実施形態では、ビーズは、約50μmの直径である。いくつかの実施形態では、ビーズは、約50μm未満の厚さである。いくつかの実施形態では、ビーズは、約10μmの厚さである。いくつかの実施形態では、分析物は、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、小分子、細菌細胞、細胞器官、及び抗体断片からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1または第2の実質的に透明なポリマー層の実質的に透明なポリマーは、エポキシ系ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、エポキシ系ポリマーは、SU-8である。
【0161】
本開示の他の態様は、以下の工程:a)アッセイシステム中でサンプルをビーズと接触させることであって、システム中の各ビーズは、第1の表面及び第2の表面を有する実質的に非透明なポリマー層を含み、第1及び第2の表面は、互いに平行であり;実質的に非透明なポリマー層の輪郭は、アナログコード識別子を表す二次元形状を含み;システムは、(i)特定のアッセイもしくはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する少なくとも1つのビーズ、及び(ii)複数のビーズを含み、複数のビーズの各ビーズは、分析物に特異的に結合する捕捉剤を含み、捕捉剤は、実質的に透明なポリマー層の少なくとも中央部分において、実質的に透明なポリマー層の第1の表面及び第2の表面の少なくとも1つの上に固定化され、及び複数のビーズの各ビーズは、捕捉剤に対応するアナログコード識別子を含む接触させること;及び任意の順序で、同時または順次:b)イメージングプロセッサーによって認識される識別子を特定のアッセイとして同定すること;及びc)捕捉剤に対応するアナログコード識別子の同定に基づいて、ビーズの表面上に固定化された捕捉剤への分析物の結合を分析することによってサンプル中の分析物の結合を検出することを含む、マルチプレックスアッセイの実施方法に関する。
【0162】
いくつかの実施形態では、システムは、(iii)少なくとも2つのビーズ、少なくとも3つのビーズ、少なくとも4つのビーズ、少なくとも5つのビーズ、または少なくとも6つのビーズをさらに含み、各々は、特定のアッセイもしくはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する。いくつかの実施形態では、システムは、(iv)イメージングプロセッサーによって認識される少なくとも1つのビーズを陽性または陰性対照としてさらに含む。いくつかの実施形態では、位置識別子は、病院、診断研究所、住所、ヘルスケア専門家のオフィス、またはリサーチ研究所に対応する。いくつかの実施形態では、システムは、(v)イメージングプロセッサーの機能を監視するために予め標識される少なくとも1つのビーズをさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、球形または長方形の形状を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、約300μm未満の直径である。いくつかの実施形態では、ビーズの表面は、滑らかで、表面の凹凸がない。いくつかの実施形態では、ビーズの少なくとも1つの表面は、捕捉剤の化学的付着のための少なくとも1つの部位を含む。いくつかの実施形態では、捕捉剤は、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、及び抗体断片からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、複数のビーズは、磁性または非磁性である。
【0163】
いくつかの実施形態では、ビーズは、(3)実質的に非透明なポリマー層と実質的に透明なポリマー層の中央部分の間で実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む磁性の実質的に非透明な層をさらに含み、磁性の実質的に非透明な層は、実質的に透明なポリマー層の第1の表面または第2の表面に固定される。いくつかの実施形態では、ビーズは、(4)第1の実質的に透明なポリマー層と整列されている第2の実質的に透明なポリマー層であって、第2の実質的に透明なポリマー層は、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分と整列されている中央部分を有し、第2の実質的に透明なポリマー層は、第1の実質的に透明なポリマー層の第2の表面に固定され、かつ、第1の実質的に透明なポリマー層の二次元形状を超えて伸びない第2の実質的に透明なポリマー層;及び(5)実質的に非透明なポリマー層と実質的に透明なポリマー層の中央部分の間で第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む磁性の実質的に非透明な層であって、磁性の実質的に非透明な層が、第1及び第2の実質的に透明なポリマー層の間に固定される、磁性の実質的に非透明な層をさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に非透明なポリマー層のアナログコードを配向するための配向インジケーターをさらに含む。いくつかの実施形態では、配向インジケーターは、磁性の実質的に非透明な層の非対称性を含む。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、ニッケルを含む。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、約50nm~約10μmの厚さである。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、約0.1μmの厚さである。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の二次元形状は、実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む1つ以上のリングを含み、1つ以上のリングの少なくとも1つは、不連続を含む。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の二次元形状は、複数のギア歯を含むギア形状を含み、アナログコードは、複数のうちの1つ以上のギア歯の高さ、複数のうちの1つ以上のギア歯の幅、複数におけるギア歯の数、及び複数内の1つ以上のギア歯の配置からなる群から選択される1つ以上の態様によって表される。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μmの幅である1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μmの高さである1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μm離間している2つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、(6)第1の実質的に透明なポリマー層の第1の表面から突出している1つ以上の円柱であって、1つ以上の円柱は、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分内ではない1つ以上の円柱;及び/または(7)第1の実質的に透明なポリマー層に固定されない第1の実質的に透明なポリマー層の第2の表面または第2の実質的に透明なポリマー層の表面から突出している1つ以上の円柱であって、1つ以上の円柱は、第1または第2の実質的に透明なポリマー層の中央部分内ではない、1つ以上の円柱をさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に円形のディスクである。いくつかの実施形態では、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分は、第1の実質的に透明なポリマー層の表面積の約5%~約90%を含む。いくつかの実施形態では、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分は、第1の実質的に透明なポリマー層の表面積の約25%を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、約200μm未満の直径である。いくつかの実施形態では、ビーズは、約50μmの直径である。いくつかの実施形態では、ビーズは、約50μm未満の厚さである。いくつかの実施形態では、ビーズは、約10μmの厚さである。いくつかの実施形態では、分析物は、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、小分子、細菌細胞、細胞器官、及び抗体断片からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1または第2の実質的に透明なポリマー層の実質的に透明なポリマーは、エポキシ系ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、エポキシ系ポリマーは、SU-8である。
【0164】
VI.キット
さらなる態様では、本明細書で提供されるのは、a)ビーズセットであって、セット中の各ビーズは、第1の表面及び第2の表面を有する実質的に非透明なポリマー層を含み、第1及び第2の表面は、互いに平行であり;実質的に非透明なポリマー層の輪郭は、アナログコード識別子を表す二次元形状を含み;及びビーズセットは、(i)特定のアッセイもしくはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する少なくとも1つのビーズ、及び(ii)複数のさらなるビーズを含み、複数のビーズの各ビーズは、分析物に特異的に結合する捕捉剤を含み、捕捉剤は、実質的に透明なポリマー層の少なくとも中央部分において、実質的に透明なポリマー層の第1の表面及び第2の表面の少なくとも1つの上に固定化され、複数のビーズの各ビーズは、捕捉剤に対応するアナログコード識別子を含む、ビーズセット;及びb)分析物または捕捉剤に直接的または間接的に結合することが可能な信号発信エンティティを含む、マルチプレックスアッセイを実施するキットである。
【0165】
いくつかの実施形態では、信号発信エンティティは、信号発信エンティティにコンジュゲートされる二次抗体を介して、分析物または捕捉剤に間接的に結合する。いくつかの実施形態では、信号発信エンティティは、信号発信エンティティにコンジュゲートされるヌクレオチドプローブを介して、分析物または捕捉剤に間接的に結合する。いくつかの実施形態では、信号発信エンティティは、フィコエリトリン、GFP、RFP、CFP、YFP、FITC、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、または放射性標識である。
【0166】
いくつかの実施形態では、キットは、少なくとも2つのビーズ、少なくとも3つのビーズ、少なくとも4つのビーズ、少なくとも5つのビーズ、または少なくとも6つのビーズをさらに含み、各々は、特定のアッセイもしくはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する。いくつかの実施形態では、キットは、(i)特定のアッセイとしてイメージングプロセッサーによって認識される識別子を有する少なくとも1つのビーズを同定し、(ii)複数のビーズ上の識別子を同定し、(iii)信号発信エンティティによって生成された信号の量を検出し、(iv)イメージングプロセッサーによって認識される識別子を有する少なくとも1つのビーズを製造ロットとして同定し、(v)イメージングプロセッサーによって認識される識別子を有する少なくとも1つのビーズを個人として同定し、(vi)イメージングプロセッサーによって認識される識別子を有する少なくとも1つのビーズを位置識別子として同定し、または(vii)イメージングプロセッサーの較正のために予め標識される少なくとも1つのビーズを同定するためのイメージングプロセッサーをさらに含む。いくつかの実施形態では、キットは、分析物または捕捉剤に直接的または間接的に結合することが可能なエンティティをさらに含み、エンティティは、親和性標識を含む。いくつかの実施形態では、キットは、イメージングプロセッサーの機能を監視するために予め標識される少なくとも1つのビーズをさらに含む。
【0167】
いくつかの実施形態では、親和性標識は、ビオチン、His、またはマルトースである。いくつかの実施形態では、ビーズは、球形または長方形の形状を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、約300μm未満の直径である。いくつかの実施形態では、ビーズの表面は、滑らかで、表面の凹凸がない。いくつかの実施形態では、ビーズの少なくとも1つの表面は、捕捉剤の化学的付着のための少なくとも1つの部位を含む。いくつかの実施形態では、捕捉剤は、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、小分子、及び抗体断片からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、複数のビーズは、磁性または非磁性である。
【0168】
いくつかの実施形態では、ビーズは、(3)実質的に非透明なポリマー層と実質的に透明なポリマー層の中央部分の間で実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む磁性の実質的に非透明な層をさらに含み、磁性の実質的に非透明な層は、実質的に透明なポリマー層の第1の表面または第2の表面に固定される。いくつかの実施形態では、ビーズは、(4)第1の実質的に透明なポリマー層と整列されている第2の実質的に透明なポリマー層であって、第2の実質的に透明なポリマー層は、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分と整列されている中央部分を有し、第2の実質的に透明なポリマー層は、第1の実質的に透明なポリマー層の第2の表面に固定され、かつ、第1の実質的に透明なポリマー層の二次元形状を超えて伸びない第2の実質的に透明なポリマー層;及び(5)実質的に非透明なポリマー層と実質的に透明なポリマー層の中央部分の間で第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む磁性の実質的に非透明な層であって、磁性の実質的に非透明な層が、第1及び第2の実質的に透明なポリマー層の間に固定される、磁性の実質的に非透明な層をさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に非透明なポリマー層のアナログコードを配向するための配向インジケーターをさらに含む。いくつかの実施形態では、配向インジケーターは、磁性の実質的に非透明な層の非対称性を含む。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、ニッケルを含む。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、約50nm~約10μmの厚さである。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、約0.1μmの厚さである。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の二次元形状は、実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む1つ以上のリングを含み、1つ以上のリングの少なくとも1つは、不連続を含む。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の二次元形状は、複数のギア歯を含むギア形状を含み、アナログコードは、複数のうちの1つ以上のギア歯の高さ、複数のうちの1つ以上のギア歯の幅、複数におけるギア歯の数、及び複数内の1つ以上のギア歯の配置からなる群から選択される1つ以上の態様によって表される。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μmの幅である1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μmの高さである1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μm離間している2つ以上のギア歯を含む。
【0169】
いくつかの実施形態では、ビーズは、(6)第1の実質的に透明なポリマー層の第1の表面から突出している1つ以上の円柱であって、1つ以上の円柱は、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分内ではない1つ以上の円柱;及び/または(7)第1の実質的に透明なポリマー層に固定されない第1の実質的に透明なポリマー層の第2の表面または第2の実質的に透明なポリマー層の表面から突出している1つ以上の円柱であって、1つ以上の円柱は、第1または第2の実質的に透明なポリマー層の中央部分内ではない、1つ以上の円柱をさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に円形のディスクである。いくつかの実施形態では、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分は、第1の実質的に透明なポリマー層の表面積の約5%~約90%を含む。いくつかの実施形態では、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分は、第1の実質的に透明なポリマー層の表面積の約25%を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、約200μm未満の直径である。いくつかの実施形態では、ビーズは、約50μmの直径である。いくつかの実施形態では、ビーズは、約50μm未満の厚さである。いくつかの実施形態では、ビーズは、約10μmの厚さである。いくつかの実施形態では、分析物は、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、小分子、細菌細胞、細胞器官、及び抗体断片からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1または第2の実質的に透明なポリマー層の実質的に透明なポリマーは、エポキシ系ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、エポキシ系ポリマーは、SU-8である。
【0170】
本開示の他の態様は、a)ビーズセットであって、セット中の各ビーズは、第1の表面及び第2の表面を有する実質的に非透明なポリマー層を含み、第1及び第2の表面は、互いに平行であり;実質的に非透明なポリマー層の輪郭は、アナログコード識別子を表す二次元形状を含み;及びビーズセットは、(i)特定のアッセイもしくはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する少なくとも1つのビーズ、及び(ii)複数のさらなるビーズを含み、複数のビーズの各ビーズは、分析物に特異的に結合する捕捉剤を含み、捕捉剤は、実質的に透明なポリマー層の少なくとも中央部分において、実質的に透明なポリマー層の第1の表面及び第2の表面の少なくとも1つの上に固定化され、複数のビーズの各ビーズは、捕捉剤に対応するアナログコード識別子を含むビーズセット;及びb)分析物または捕捉剤に直接的または間接的に結合することが可能な信号発信エンティティを含む、キットに関する。
【0171】
いくつかの実施形態では、信号発信エンティティは、信号発信エンティティにコンジュゲートされる二次抗体を介して、分析物または捕捉剤に間接的に結合する。いくつかの実施形態では、信号発信エンティティは、信号発信エンティティにコンジュゲートされるヌクレオチドプローブを介して、分析物または捕捉剤に間接的に結合する。いくつかの実施形態では、信号発信エンティティは、フィコエリトリン、GFP、RFP、CFP、YFP、FITC、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、または放射性標識である。
【0172】
いくつかの実施形態では、キットは、少なくとも2つのビーズ、少なくとも3つのビーズ、少なくとも4つのビーズ、少なくとも5つのビーズ、または少なくとも6つのビーズをさらに含み、各々は、特定のアッセイもしくはアッセイキット、特定の分析物、製造ロット、個人、位置識別子、または較生信号としてイメージングプロセッサーによって認識されるアナログコード識別子を有する。いくつかの実施形態では、キットは、(i)特定のアッセイとしてイメージングプロセッサーによって認識される識別子を有する少なくとも1つのビーズを同定し、(ii)複数のビーズ上の識別子を同定し、(iii)信号発信エンティティによって生成された信号の量を検出し、(iv)イメージングプロセッサーによって認識される識別子を有する少なくとも1つのビーズを製造ロットとして同定し、(v)イメージングプロセッサーによって認識される識別子を有する少なくとも1つのビーズを個人として同定し、(vi)イメージングプロセッサーによって認識される識別子を有する少なくとも1つのビーズを位置識別子として同定し、または(vii)イメージングプロセッサーの較正のために予め標識される少なくとも1つのビーズを同定するためのイメージングプロセッサーをさらに含む。いくつかの実施形態では、キットは、分析物または捕捉剤に直接的または間接的に結合することが可能なエンティティをさらに含み、エンティティは、親和性標識を含む。いくつかの実施形態では、キットは、イメージングプロセッサーの機能を監視するために予め標識される少なくとも1つのビーズをさらに含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、親和性標識は、ビオチン、His6、またはマルトースである。いくつかの実施形態では、ビーズは、球形または長方形の形状を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、約300μm未満の直径である。いくつかの実施形態では、ビーズの表面は、滑らかで、表面の凹凸がない。いくつかの実施形態では、ビーズの少なくとも1つの表面は、捕捉剤の化学的付着のための少なくとも1つの部位を含む。いくつかの実施形態では、捕捉剤は、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、小分子、及び抗体断片からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、複数のビーズは、磁性または非磁性である。
【0174】
いくつかの実施形態では、ビーズは、(3)実質的に非透明なポリマー層と実質的に透明なポリマー層の中央部分の間で実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む磁性の実質的に非透明な層をさらに含み、磁性の実質的に非透明な層は、実質的に透明なポリマー層の第1の表面または第2の表面に固定される。いくつかの実施形態では、ビーズは、(4)第1の実質的に透明なポリマー層と整列されている第2の実質的に透明なポリマー層であって、第2の実質的に透明なポリマー層は、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分と整列されている中央部分を有し、第2の実質的に透明なポリマー層は、第1の実質的に透明なポリマー層の第2の表面に固定され、かつ、第1の実質的に透明なポリマー層の二次元形状を超えて伸びない第2の実質的に透明なポリマー層;及び(5)実質的に非透明なポリマー層と実質的に透明なポリマー層の中央部分の間で第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む磁性の実質的に非透明な層であって、磁性の実質的に非透明な層が、第1及び第2の実質的に透明なポリマー層の間に固定される、磁性の実質的に非透明な層をさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に非透明なポリマー層のアナログコードを配向するための配向インジケーターをさらに含む。いくつかの実施形態では、配向インジケーターは、磁性の実質的に非透明な層の非対称性を含む。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、ニッケルを含む。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、約50nm~約10μmの厚さである。いくつかの実施形態では、磁性の実質的に非透明な層は、約0.1μmの厚さである。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の二次元形状は、実質的に透明なポリマー層の中央部分を囲む1つ以上のリングを含み、1つ以上のリングの少なくとも1つは、不連続を含む。いくつかの実施形態では、実質的に非透明なポリマー層の二次元形状は、複数のギア歯を含むギア形状を含み、アナログコードは、複数のうちの1つ以上のギア歯の高さ、複数のうちの1つ以上のギア歯の幅、複数におけるギア歯の数、及び複数内の1つ以上のギア歯の配置からなる群から選択される1つ以上の態様によって表される。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μmの幅である1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μmの高さである1つ以上のギア歯を含む。いくつかの実施形態では、複数のギア歯は、約1μm~約10μm離間している2つ以上のギア歯を含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、ビーズは、(6)第1の実質的に透明なポリマー層の第1の表面から突出している1つ以上の円柱であって、1つ以上の円柱は、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分内ではない1つ以上の円柱;及び/または(7)第1の実質的に透明なポリマー層に固定されない第1の実質的に透明なポリマー層の第2の表面または第2の実質的に透明なポリマー層の表面から突出している1つ以上の円柱であって、1つ以上の円柱は、第1または第2の実質的に透明なポリマー層の中央部分内ではない、1つ以上の円柱をさらに含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、実質的に円形のディスクである。いくつかの実施形態では、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分は、第1の実質的に透明なポリマー層の表面積の約5%~約90%を含む。いくつかの実施形態では、第1の実質的に透明なポリマー層の中央部分は、第1の実質的に透明なポリマー層の表面積の約25%を含む。いくつかの実施形態では、ビーズは、約200μm未満の直径である。いくつかの実施形態では、ビーズは、約50μmの直径である。いくつかの実施形態では、ビーズは、約50μm未満の厚さである。いくつかの実施形態では、ビーズは、約10μmの厚さである。いくつかの実施形態では、分析物は、DNA分子、DNAアナログ分子、RNA分子、RNAアナログ分子、ポリヌクレオチド、タンパク質、酵素、脂質、リン脂質、炭水化物部分、多糖、抗原、ウイルス、細胞、抗体、小分子、細菌細胞、細胞器官、及び抗体断片からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1または第2の実質的に透明なポリマー層の実質的に透明なポリマーは、エポキシ系ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、エポキシ系ポリマーは、SU-8である。
【0176】
VII.システム
他の態様では、本明細書で提供されるのは、マルチプレックスアッセイシステムである。いくつかの実施形態では、システムは、本明細書に記載される複数のビーズ、例えば、本明細書で提供される組成物、方法、またはキットのいずれかで開示されるビーズのいずれかを含む。システムは、イメージングプロセッサーシステム及び反応検出システムを含む装置を含み、デコードシステムにおけるイメージングプロセッサーによって、特定のアッセイまたはアッセイキット、特定の捕捉剤、製造ロット、個人、位置識別子、及び/または較生信号のうちの1つ以上に対応するアナログコード識別子の同定により、特定のアッセイまたはアッセイキットと相関する反応検出システムによって検出されるソフトウェア分析検出信号の使用を活性化させる。
【実施例
【0177】
本開示は、以下の実施例を参照してより完全に理解されるだろう。しかしながら、これらの実施例は、本開示の範囲を限定することを意図しない。本明細書に記載される実施例及び実施形態は、例示目的のみであり、これらの観点から種々の改変または変更は、当業者に示唆され、本明細書の趣旨及び範囲及び添付の特許請求の範囲内に含まれることが理解される。
【0178】
実施例1:二次元のアナログコード及び均一な形状をもつコード化ビーズ
上述のように、アナログコード化ビーズは、膨大な数の潜在的な固有識別子及び認証エラーの減少によりマルチプレックスアッセイに非常に有利である。この実施例では、同定用のアナログコードとして使用され得る二次元形状でコード化された種々のタイプのビーズについて述べる。本開示のコード化ビーズは、以下に記載される随意的な特徴のいくつかまたは全てを任意の組み合わせで含んでもよいことを理解されたい。
【0179】
図1A及び1Bは、例示のビーズ100の2つの図を示す。ビーズ100は、おおよそ50μmの直径及び10μmの厚さの円形ディスクである。図1Aは、ディスクの円形面を見たビーズ100の図を提供する一方、図1Bは、図1Aで示す表面と直交するビーズ100の側面図を示す。ビーズ100の2つの成分を示す。まず、実質的に透明なポリマー層102は、ビーズの本体を提供する。層102は、例えば、上述のようにSU-8などのポリマーを用いて製造してもよい。
【0180】
実質的に非透明なポリマー層104は、層102の表面に固定される。図1Bに示すビーズ100の断面は、層104の不連続な図を示す一方、図1Aに示す図は、層104が複数の歯をもつ円形のギアのように形作られることを示す。これらのギア歯の形状、数、サイズ、及び間隔は、二次元形状を構成し、ギア歯のこれらの態様のうちの1つ以上は、アナログコード化用の複数の二次元形状を製造するために改変してもよい。好都合なことに、層104のギア歯の外縁部は、層102周囲長内に収まる。これにより、種々のアナログコードは、各々が1つの種のビーズに対して固有識別子を表す一方で、複数の種のビーズにわたって均一な全体形状を維持することが可能になる。別の言い方をすれば、複数の種の集団内の各ビーズ種は、異なる二次元ギア形状(すなわち、アナログコード)を有し得るが、各ビーズは、同じ周囲長を有する、物理特性(例えば、サイズ、形状、溶液中の挙動など)のより大きな均一性をもたらす。層104は、上述のように、例えば、色素と混合したSU-8などのポリマーを用いて、またはブラックマトリックスレジストを用いて製造してもよい。
【0181】
層104は、層102の中央部分106を囲む。分析物を捕捉するための捕捉剤は、層102の一方または両方の面(すなわち、上/下面)上の少なくとも中央部分106に連結される。好都合なことに、これにより、中央部分106を、層104による干渉のあらゆる可能性なく撮像することが可能になる。
【0182】
図1C及び1Dは、分析物検出用のビーズ100を用いた例示のアッセイを示す。図1Cは、ビーズ100が、少なくとも中央部分106において1つ以上の表面に連結された捕捉剤108を含み得ることを示す。ビーズ100を、分析物110を含有する溶液と接触させて、捕捉剤108によって捕捉させる。上述のように、種々の捕捉剤を使用して、小分子、核酸、及びタンパク質(例えば、抗体)から細胞小器官、ウイルス、及び細胞までの範囲の異なるタイプの分析物を捕捉し得る。図1Cは、分析物110を捕捉する単一ビーズ種(すなわち、ビーズ100)を示すが、マルチプレックスアッセイでは、複数のビーズ種が使用され、各々の種は、特定の分析物を認識する特定の捕捉剤を有する。
【0183】
図1Dは、ビーズ100を「読み取る」例示のプロセスを示す。このプロセスは、同時または別々に達成され得る2つの工程を含む。まず、捕捉剤108による分析物110の捕捉が検出される。図1Dに示す例では、検出剤114は、分析物110に結合する。ビーズ100に連結された捕捉剤によって捕捉されない分析物は、検出前に洗い流されていてもよく、その結果、ビーズ100に結合した分析物のみが検出される。検出剤114は、検出用の試薬も含む。一例として、検出剤114は、フルオロフォアの励起スペクトル内の波長で光116によって励起される場合、光118(例えば、光子)を発するフルオロフォアを含み得る。光118は、蛍光顕微鏡、プレートリーダーなどの任意の適当な検出手段によって検出され得る。
【0184】
さらに、ビーズ100のその固有識別子を読み取る。図1Dに示す例では、光112を使用して、ビーズ100を含むフィールドを照射する(いくつかの実施形態では、光112は、光116及び118とは異なる波長を有し得る)。ビーズ100を含むフィールドに光112を照射する場合、光112は、図1Dに示すように、実質的に透明なポリマー層102を通過するが、実質的に非透明なポリマー層104によって遮断される。これにより光パターンが生成され、例えば、光学顕微鏡法によって(例えば、差干渉コントラスト、またはDIC、顕微鏡法を用いて)撮像することができる。この光パターンは、ビーズ100の二次元形状(すなわち、アナログコード)に基づく。標準画像認識技術を使用して、ビーズ100の画像によって表されたアナログコードをデコードし得る。
【0185】
分析物検出及び識別子イメージング工程は、任意の順序で、または同時に行われてよい。好都合なことに、図1Dに示す両方の検出工程は、1つのイメージングデバイス上で達成され得る。一例として、蛍光及び光(例えば、明視野)顕微鏡法の両方が可能な顕微鏡を使用して、ビーズ100に結合した分析物110の(例えば、検出剤114によって検出された)量を定量化し、層102及び104によって生成されたアナログコードを撮像してもよい。これにより、より効率的なアッセイプロセスが、より少ない機器の要件で可能になる。
【0186】
次に図2A及び2Bを参照すると、別の例示のビーズ200を示す。ビーズ100と同様、ビーズ200は、実質的に透明なポリマー層202及び実質的に非透明なポリマー層204を含む。さらに、ビーズ200は、磁性層206を含む。図2Aに示すように、磁性層206は、中央部分208と実質的に非透明な層204の間のリングとして形成され得る。
【0187】
図2Bは、磁性層206を層202内に埋め込み得ることを示す。層202は、磁性層206が2つの実質的に透明なポリマー層(例えば、図2Bと同様)の間に挟まれるように2つ以上の層も含み得る。あるいは、磁性層206は、層204と同じ層202の表面に固定されてもよく、または磁性層206は、層204と反対の層202の表面に固定されてもよい。いくつかの実施形態では、磁性層206は、ニッケルを含み得る。
【0188】
磁性層206は、ビーズ200の上に磁気特性を付与し、これにより多くの用途で有利に使用することができる。例えば、ビーズ200は、洗浄工程中に磁気吸引によって表面に固定され得ることで、ビーズを失うかあるいは乱すことなく効率的な洗浄が可能になる。
【0189】
その磁気特性に加えて、層206は、実質的に非透明でもある。(例えば、光112を用いて)図1Dに示すように撮像された場合、層206は、透過光の一部または全てのいずれかを遮断することで、イメージング用のパターンを生成する。図2Aに示すように、層206は、非対称でもあり、この例では、間隙210を含む。この非対称性は、例えば、光112を用いて図1Dに示すように撮像することができる配向インジケーターを生成する。好都合なことに、配向インジケーターは、画像認識中に利用して、イメージング層204によって生成された二次元形状を均一配向に配向させて、アナログコード認識を容易にし得る。これにより、デコードすべき任意の配向でビーズを撮像することが可能になる。
【0190】
図3は、図1A~2Bに示すギア形状を用いて可能な膨大な数の潜在的なアナログコードを示す。図3は、複数の形状変化点が、例示のビーズ300上の、例えば、位置302、304、306、308、310、312、314、316、318、320、322、324、326、及び328で標識される例示のコード化方式を示す。単純な「満たされたかまたは満たされていない」方式を使用する場合であっても、最大で214個の固有コードが、14個の形状変化点の使用に基づいて可能である。この方式は、画像認識分析において容易に区別が可能な二次元形状の製造及び生成の両方において便利である。しかしながら、アナログコードを使用するので、3つ以上の可能性(例えば、図3で標識した各形状変化点で)を用いたより複雑な方式が可能になることによって、固有識別子の数が指数関数的に拡大する。例えば、ギア歯の複数のギア歯形状及び/または複数のサイズが可能である。図1A~3に示すように二次元ギア形状は、広範囲の固有のアナログコードを容易にする一方、分析物検出用の大きな中央部分(例えば、中央部分106及び208)を提供する。
【0191】
図4Aは、図3に示すコード化方式の3つの例示の実施形態:ビーズ400、402、及び404を示す。ビーズ400、402、及び404の固有コードは、図3の単純な「満たされたかまたは満たされていない」方式を用いて生成される。図4Bは、特に、形状の数(例えば、コードZN_10の7つの明確な形状と比較して、コードZN_3の2つの明確な形状)及び/または形状のサイズ(例えば、コードZN_2の大、小、及び中間サイズ形状)という点で、コードの10個の例示の実施形態を示す。重要なのは、上述のように、アナログ画像認識を用いて、より複雑なコード化方式が利用可能になることで、潜在的な固有コードの数を大きく拡大させる。
【0192】
次に図5A及び5Bを参照すると、別の例示のビーズ500を示す。ビーズ200と同様、ビーズ500は、実質的に透明なポリマー層502、実質的に非透明なポリマー層504、磁性層506、及び中央部分508を含む。さらに、ビーズ500は、円柱510を含む4本の円柱を有し、これらは、層502の表面から延びる任意の形状であり得る。図5Aに示すように、これらの円柱は、磁性層506と整列して配列され、中央部分508における分析物検出、または層504の二次元形状(すなわち、アナログコード)の読み取りに干渉する任意の可能性を防止し得る。図5Bは、これらの円柱が、ビーズ500の上面及び下面から延び得ることを示す。円柱510は、例えば、層502と同じ実質的に透明なポリマーを用いて作製され得る(例示の製造方法は、以下に記載される)。好都合なことに、円柱510などの1つ以上の円柱を使用して、例えば、光学圧着を介して、ビーズが互いに付着する及び/または容器(例えば、マルチウェルプレートにおけるウェルの側部)に付着することを防止し得る。
【0193】
実施例2:ビーズ形状でコード化された二次元のアナログコードをもつビーズ
前述の実施例は、透明ポリマー層に固定された非透明層によってアナログコードが提供されるビーズの複数の例示の実施形態を示す。これは、例えば、異なる種のビーズ間のより大きな均一性が可能になる点で有利である(すなわち、各々は、透明ポリマー層によって提供される同じ周囲形状を有する)。
【0194】
しかしながら、これは、アナログコードの二次元形状としてビーズ自体の周囲長を使用する他の理由で有利であり得る。例えば、アナログコードがビーズ自体の形状によって提供される場合、一層のみが必要となるため、製造プロセスを効率化する。さらに、ビーズの周囲長を形作ることは、高精度の製造技術によって達成され得、より正確な画像認識のための再現性の高い形状が可能になる。
【0195】
図6A及び6Bは、このタイプの例示のビーズ600を示す。ビーズ600は、(上述のように円柱510と類似の)随意的な円柱要素を含む、おおよそ80μmの直径及び15μmの高さのギア形状ディスクである。ビーズ600は、別々の透明及び非透明ポリマー層ではなく単一の非透明ポリマー層602からなる。ビーズ600は、図1Dに示すように撮像され得るが、そのアナログコードは、全体のビーズ形状(例えば、非透明ポリマー層の周囲長)に基づいて撮像される。ビーズ600の一方または両方の面は、上述のように捕捉剤の連結のために使用され得、中央部分または全表面を使用し得る。
【0196】
図6Cは、ビーズ600のギア歯604の寸法を示す。示すように、この実施形態では、ギア歯604は、4μmの幅であり、隣接するギア歯606から4μm離間している。ビーズ600の二次元形状はアナログコード化されるので、隣接するギア歯間の周囲長は可変であってもよく、複数のギア歯形状が可能になる。例えば、ギア歯604は、すぐ左またはすぐ右に隣接する周辺セグメントに対して、それぞれ、4または6.5μmの高さで延びる。
【0197】
図7は、このタイプのビーズの別の実施形態、ビーズ700を示す。ビーズ600と同様、ビーズ700は、非透明ポリマー層702から作られる。さらに、ビーズは、磁性層704を含む。磁性層704は、ビーズ700の一面に固定され得、またはビーズ700(例えば、2つの非透明ポリマー層の間)内に埋め込まれ得る。磁性層704は、例えば、ニッケルを堆積することによって生成され得る。上述のように、磁性層により、ビーズ700の洗浄のためのオプションなどの追加機能性を可能にしながら、別の表面に磁気的に付着する。
【0198】
次に図8Aを参照すると、別の例示のビーズ800を示す。ビーズ700と同様、ビーズ800は、非透明ポリマー層802(及び必要に応じて、層704などの磁性層)を含む。さらに、ビーズ800は、開始位置804を含み、これは、ビーズ800の周囲長の残りとは異なる形状をもつ。開始位置804は、図2Aに示す間隙210を参照して上述したように、画像認識用の配向インジケーターとして使用され得る。
【0199】
図8Bは、使用し得るコード化方式を示す。図8Bは、ビーズ810を示し、これは、ビーズ800と同様に、非透明ポリマー層812及び開始位置814(及び必要に応じて、層704などの磁性層)を含む。この方式では、ギア周りの潜在的な形状変化点は、例えば、位置820、822、824、826、828、830、832、834、836、838、840、842、及び844で標識される。図8Bに示すように、2つの潜在的な形状だけを位置820、822、824、826、828、830、832、834、836、838、840、842、及び844に使用し得る場合であっても、この実施形態は、最大で213個の固有コードが可能になる。さらに、上述のように、アナログコード化の使用は、周囲長の周りの示された位置のいずれかまたは全てで(例えば、図8Bで標識した各形状変化点で)3つ以上の潜在的な形状の使用を可能にすることで、この数を大幅に拡大する。
【0200】
図9A~9Cは、ビーズ900におけるさらに別の潜在的な実施形態を示す。ビーズ800と同様、ビーズ900は、非透明ポリマー層902及び開始位置904(及び必要に応じて、層704などの磁性層)を含むギア形状ビーズである。さらに、ビーズ900は、ビーズ900の一方または両方の面に固定された1つ以上の円柱(例えば、円柱906)を有し得る。図9Bの断面に示すように、円柱906は、層902の表面から延びる。好都合なことに、円柱906は、(円柱510を参照して上述したように)光学圧着の可能性を低くするのに役立つ。
【0201】
図9Cは、円柱906寸法を示す。この例では、円柱906は、3μmの高さで3μmの直径の円柱であるが、上述のように、そのような円柱は、円柱形状に決して限定されない。いくつかの実施形態では、円柱906は、ニッケルなどの磁性材料からなる。これにより、円柱906が、上述のように、ビーズ900の磁気操作用の磁気素子としてさらに機能することが可能になる。
【0202】
実施例3:ビーズ形状でコード化された二次元のアナログコードをもつビーズの作製方法
先の実施例において複数のタイプのビーズの例示の実施形態を説明してきたが、ビーズの作製方法に注意を向けられたい。上述のように、本開示のビーズは、所望の構成及び/または随意的な特徴に応じて、1つ、2つ、またはそれ以上の構成層で作製され得る。
【0203】
図10に示すプロセス1000は、上記の実施例2で記載されるものなど単層ビーズを製造するための例示のワークフローを示す。ブロック1002で、犠牲層1006を基質1004上に構築する。いくつかの実施形態では、基質1004は、ガラス基質であり得る。ブロック1010で、層1012を犠牲層1006上に堆積させる。いくつかの実施形態では、層1012は、非透明ポリマー層である。ブロック1020で、層1012の周囲長は、リソグラフィーを用いてギア形状(上述のように)に形作られ、ギア形状層1022を生成する。ブロック1030で、全体構造(すなわち、層1022、犠牲層1006、及び基質1004)を溶媒中に浸漬する。この溶媒処理で犠牲層1006を溶解し、ギア形状層1022を基質1004から剥離することで、ビーズ1032を生成する。いくつかの実施形態では、ビーズ1032は、例えば、捕捉剤を一方または両方の面に連結させることでさらに改変し得る。
【0204】
上記の実施例2で記載されるように、ギア形状ビーズは、磁気素子(例えば、円柱及び/または磁性層)などの随意的な要素を含み得る。図11A及び11Bに示すプロセス1100は、1つ以上の磁気素子をもつギア形状ビーズを製造するための例示のワークフローを示す。
【0205】
図11Aに示すように、ブロック1102で、犠牲層1106を基質1104上に構築する。いくつかの実施形態では、基質1104は、ガラス基質であり得る。ブロック1110で、磁性層1112を犠牲層1106上に堆積させる。いくつかの実施形態では、磁性層1112は、ニッケルを含む。ブロック1120で、磁性層1112は、リソグラフィーによって形状磁性層1122に形作られる。形状磁性層1122は、任意の所望の形状を取り得、例えば、円柱906で図9Aに示すように、1つ以上の円柱に形成され得る。
【0206】
図11Bに示すように、ブロック1130で、実質的に非透明なポリマー層1132を形状磁性層1122及び犠牲層1106上に堆積させる。ブロック1140で、層1132の周囲長は、リソグラフィーによってギア形状の実質的に非透明な層1142(例えば、図6A~9Aに示すギア形状の1つ)に形作られる。ブロック1150で、全体構造(すなわち、層1142、形状磁性層1122、犠牲層1106、及び基質1104)を溶媒中に浸漬する。この溶媒処理で犠牲層1106を溶解し、ギア形状層1142及び形状磁性層1122を基質1104から剥離することで、ビーズ1152を生成する。いくつかの実施形態では、ビーズ1152は、例えば、捕捉剤を一方または両方の面に連結させることでさらに改変し得る。
【0207】
実施例4:二次元のアナログコード及び均一形状をもつコード化ビーズの作製方法
ここで、1つ以上の実質的に透明なポリマー層及び1つ以上の実質的に非透明なポリマー層をもつコード化ビーズ、例えば、実施例1で記載されたものの作製方法に注意を向けられたい。図12A~12Eは、実質的に透明なポリマー層、実質的に非透明なポリマー層(その二次元形状は、アナログコードを構成する)、及び1つ以上の円柱を有するビーズを製造するための例示のワークフローであるプロセス1200を示す。
【0208】
図12Aから始めて、ブロック1202で、犠牲層1206を基質1204の上に(例えば、スピンコーティングで)堆積させる。いくつかの実施形態では、基質1204は、ガラス基質であり得る。ブロック1208で、マスク1210を塗布し、及び犠牲層1206に紫外光を暴露する。マスク1210を介して紫外光を適用することで、紫外光セグメント1212及び1214を通過し、犠牲層1206を処理することが可能になる。ブロック1216で、標準リソグラフィー現像を介した構造の現像後、犠牲層1206が、紫外線処理のマスキングの結果として形状犠牲層1218の中に形成される。
【0209】
プロセス1200をブロック1220で継続し(図12B)、ここで、形状犠牲層1218中のマスクされた穴に実質的に透明なポリマーを充填し、円柱1222及び1224を生成する。ブロック1226で、実質的に透明なポリマー層1228を、円柱1222及び1224、並びに形状犠牲層1218上に堆積させる。
【0210】
プロセス1200をブロック1230で継続し(図12C)、磁性層1232を層1228上に堆積させる。いくつかの実施形態では、磁性層1232は、ニッケルを含む。いくつかの実施形態では、磁性層1232は、スパッタリングによって堆積される。ブロック1234で、エッチブロック層を磁性層1232上に堆積させて、エッチブロック1236及び1238によって表される。ブロック1240で、磁性層1232のブロックされていないセグメントをエッチング除去し、形状磁性層1242を生成する。いくつかの実施形態では、形状磁性層1242は、層1228(例えば、図5Aの層206を参照されたい)の中央部分を囲むリング形状(配向を示すための随意的な非対称性をもつ)に形成され得る。ブロック1244で、エッチブロック層(エッチブロック1236及び1238によって表される)を除去する。
【0211】
プロセス1200をブロック1246で継続し(図12D)、ここで、実質的に透明なポリマー層1248を層1228及び1242上に堆積させる(エッチブロッキングによって生成された層1242中の任意の穴に充填する)。ブロック1250で、実質的に非透明な層1252を堆積し、リソグラフィーによって層1248の上部に形成する。いくつかの実施形態では、層1252は、磁性層1242を囲むリングに1つ以上のギア歯を備えるように形成される(例えば、図2Aの層202及び206及び中央部分208に関する層204を参照されたい)。
【0212】
プロセス1200をブロック1254で継続し(図12E)、ここで、円柱1256及び1258を、リソグラフィーによって層1248の上部に形成する。いくつかの実施形態では、円柱1256及び1258は、実質的に透明なポリマーからなる。いくつかの実施形態では、円柱は、図5A及び5Bに示すように位置付けられる。ブロック1260で、基質1204を同じ形状の1つ以上のビーズに切断する(すなわち、説明を簡単にするために、1つのビーズしか図12A~12Eで示さないが、2つ以上のビーズを、プロセス1200で基質1204上に構築してもよい)。また、ブロック1260で、全体構造(すなわち、1204、1218、1222、1224、1228、1242、1248、1252、1256、及び1258を含む)を溶媒中に浸漬する。この溶媒処理で犠牲層1218を溶解し、ビーズ1262を基質1204から剥離する。いくつかの実施形態では、ビーズ1262は、例えば、捕捉剤を一方または両方の面に連結させることでさらに改変し得る。
【0213】
図13A~13Cは、異なるタイプの多層ビーズを生成するための例示のワークフローであるプロセス1300を示す。図13Aから始めて、ブロック1302で、犠牲層1306を基質層1304上に堆積させる。いくつかの実施形態では、基質1304は、ガラス基質である。ブロック1308で、実質的に透明な層1310を犠牲層1306上に堆積させる。ブロック1312で、磁性層1314を層1310上に堆積させる。いくつかの実施形態では、磁性層1314は、ニッケルを含む。
【0214】
プロセス1300をブロック1316で継続し(図13B)、ここで、磁性層1314を形状磁性層1318に定義する。いくつかの実施形態では、形状磁性層1318は、層1310(例えば、図2Aの層206を参照されたい)の中央部分を囲むリング形状(配向を示すための随意的な非対称性をもつ)に定義される。ブロック1320で、実質的に透明な層1322を層1318及び1310上に堆積させて、形状層1318を定義することによって生成された任意の穴に充填する。ブロック1324で、実質的に非透明なポリマー層1326を層1322上に堆積させる。
【0215】
プロセス1300をブロック1328で継続し(図13C)、ここで、実質的に非透明なポリマー層1326を、リソグラフィーによってギア形状の実質的に非透明なポリマー層1330に形成する。いくつかの実施形態では、層1330は、形状磁性層1318を囲むリングに1つ以上のギア歯を備えるように形成される(例えば、図2Aの層202及び206及び中央部分208に関する層204を参照されたい)。ブロック1332で、全体構造(すなわち、1304、1306、1310、1318、1322、及び1330を含む)を溶媒中に浸漬する。この溶媒処理で犠牲層1306を溶解し、ビーズ1334を基質1304から剥離する。いくつかの実施形態では、ビーズ1334は、例えば、捕捉剤を一方または両方の面に連結させることでさらに改変し得る。
【0216】
実施例5:マルチプレックス生物学アッセイ用のアッセイキット
この実施例は、固有の情報記憶識別子でコード化されたビーズの組成物を用いた、マルチプレックス生物学アッセイ用の例示のアッセイキットについて説明する。
【0217】
材料及び方法
ビーズ組成物
複数のビーズを官能基化し、2つの異なる捕捉剤:腫瘍壊死因子α(TNF-α)及びインターロイキン6(IL-6)の各々に対する抗体と結合させる。TNF-αに対する抗体と結合したビーズは、バーコード1011で標識される。IL-6に対する抗体と結合したビーズは、バーコード1012で標識される。
【0218】
さらなる複数のビーズをビオチン化ウシ血清アルブミン(BSA)で被覆し、陽性対照として機能する。これらのビーズは、ビオチン化BSAのコーティング、並びにアッセイキット(「デモキット」)の同一性に対応するバーコード3023を含む。
【0219】
さらなる複数のビーズをBSAで被覆し、陰性対照として機能する。これらのビーズは、BSAのコーティング並びにアッセイキットのロット番号PB031313-1に対応するバーコード3024または3025、及びロット番号に特有の対応する較正データを含む。
【0220】
BSAで被覆されたさらなるビーズは、特定の患者ID116707189に対応するバーコード4013で標識される。
【0221】
BSAで被覆されたさらなるビーズは、アッセイを行ったリサーチ研究所(PlexBio)に対応するバーコード3080で標識される。
【0222】
サンプルとの反応
上述の複数のビーズを、TNF-α及びIL-6を混ぜた血清のサンプルを含有するウェル(A2)に添加する。その後、混合物を37℃で1時間インキュベートした。次いで、サンプルを洗浄緩衝液(0.1%のポリソルベート20(Tween20)を含有するリン酸緩衝生理食塩水)で洗浄する。その後、ビオチン/二次抗体溶液を、それらの一次抗体をすでに結合しているTNF-αまたはIL-6に結合することが可能なビオチン化二次抗体を含有するサンプルに添加する。次いで、サンプルをインキュベートし、洗浄緩衝液で洗浄する。その後、ストレプトアビジン-フィコエリトリン(PE)コンジュゲートを含有する溶液を添加し、ビーズ混合物でインキュベートする。次いで、溶液を洗浄緩衝液及び信号安定化溶液で洗浄し、過剰な蛍光分子を除去する。
【0223】
同時に、上述の複数のビーズを、公知であるが異なる濃度のTNF-α及びIL-6を含有する8つの他のウェル(A1、B1、C1、D1、E1、F1、G1、H1)に添加し、同じアッセイプロセスをこれらのウェル上で実施する。
【0224】
イメージングプロセッサー及び反応検出システムを次いで使用し、各ビーズ上のバーコードの同定、及び全ての9つのウェルのストレプトアビジン-PEから発信された信号の検出を同時に行う。各ウェル中の公知の濃度と組み合わせて、同定及びウェルA1、B1、C1、D1、E1、F1、G1、H1から検出された信号を用いて、TNF-α及びIL-6の各々の標準曲線を決定する。次いで、TNF-α及びIL-6に対する抗体と結合したビーズが発信した中央信号を、TNF-α及びIL-6の各々の標準曲線に入力し、サンプル中の各々の濃度を推定する。
【0225】
上記発明は、理解を明確にするために説明及び例によっていくらか詳細に記載してきたが、その説明及び例は、本開示の範囲を限定するものと解釈すべきものではない。本明細書において引用する全ての特許及び科学的文献の開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に明示的に組み入れられる。
図1-1】
図1-2】
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6-1】
図6-2】
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図13A
図13B
図13C
図14