(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-21
(45)【発行日】2022-05-02
(54)【発明の名称】交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブ
(51)【国際特許分類】
H01Q 19/06 20060101AFI20220422BHJP
H01Q 19/09 20060101ALI20220422BHJP
H01P 3/02 20060101ALI20220422BHJP
H01P 3/00 20060101ALI20220422BHJP
H01Q 19/12 20060101ALI20220422BHJP
H01Q 13/02 20060101ALI20220422BHJP
H01Q 13/24 20060101ALI20220422BHJP
H01Q 13/06 20060101ALI20220422BHJP
H01Q 11/02 20060101ALI20220422BHJP
H01Q 15/02 20060101ALI20220422BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20220422BHJP
H01Q 9/28 20060101ALI20220422BHJP
H01Q 7/00 20060101ALI20220422BHJP
H01Q 13/10 20060101ALI20220422BHJP
H01Q 13/08 20060101ALI20220422BHJP
H01P 3/08 20060101ALI20220422BHJP
H01P 3/06 20060101ALI20220422BHJP
H01P 3/10 20060101ALI20220422BHJP
【FI】
H01Q19/06
H01Q19/09
H01P3/02 200
H01P3/00 100
H01Q19/12
H01Q13/02
H01Q13/24
H01Q13/06
H01Q11/02
H01Q15/02
H01Q21/06
H01Q9/28
H01Q7/00
H01Q13/10
H01Q13/08
H01P3/08 200
H01P3/08 100
H01P3/06
H01P3/10
(21)【出願番号】P 2019547230
(86)(22)【出願日】2017-11-15
(86)【国際出願番号】 US2017061744
(87)【国際公開番号】W WO2018093858
(87)【国際公開日】2018-05-24
【審査請求日】2020-11-16
(32)【優先日】2016-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516046846
【氏名又は名称】オハイオ ステート イノベーション ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】セルテル、クビレイ
【審査官】赤穂 美香
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0102225(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0106456(US,A1)
【文献】特表2012-531070(JP,A)
【文献】特開2013-179668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 19/06
H01Q 19/09
H01P 3/02
H01P 3/00
H01Q 19/12
H01Q 13/02
H01Q 13/24
H01Q 13/06
H01Q 11/02
H01Q 15/02
H01Q 21/06
H01Q 9/28
H01Q 7/00
H01Q 13/10
H01Q 13/08
H01P 3/08
H01P 3/06
H01P 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブであって、
プローブ先端部であって、シングルモードプローブ先端部又は差動モードプローブ先端部を含み、前記シングルモードプローブ先端部がグランド-シグナル(GS)又はグランド-シグナル-グランド(GSG)プローブ先端部を含み、前記差動モードプローブ先端部がグランド-シグナル-グランド-シグナル-グランド(GSGSG)プローブ先端部を含むものである、前記プローブ先端部と、
前記プローブ先端部に接続された1つ以上の伝送線と、
前記1つ以上の伝送線に接続された1つ以上のアンテナと、
プローブ本体であって、前記プローブ本体が少なくとも集束装置を備え、前記集束装置が、前記集束装置によって受信された信号を、それらが所望の位置にルーティングされるように集束させる、前記プローブ本体
とを備え、
前記1つ以上のアンテナのうちの少なくとも1つは1つ以上の直流(DC)バイアスパッドを含むものであって、前記1つ以上のアンテナのうちの少なくとも1つの前記DCバイアスパッドは被試験デバイスに直流注入バイアスを印加することを可能にする、アンテナ結合高周波(RF)プローブ。
【請求項2】
前記プローブ本体が、1つ以上のコリメート構造体を更に含み、前記1つ以上のコリメート構造体は前記信号を前記所望の位置にルーティングするために使用される1若しくはそれ以上のミラーである、請求項1に記載のRFプローブ。
【請求項3】
前記所望の位置が、
ホーンアンテナを含む、請求項1または2に記載のRFプローブ。
【請求項4】
アンテナウエハを更に備え、前記プローブ先端部、前記プローブ先端部に接続された前記1つ以上の伝送線、及び前記1つ以上の伝送線に接続された前記1つ以上のアンテナが、前記アンテナウエハ上に位置し、前記アンテナウエハが、前記プローブ先端部を交換することができるように前記プローブ本体と別個になっている、請求項1~3のいずれか一項に記載のRFプローブ。
【請求項5】
前記集束装置が、超半球高抵抗率シリコンレンズ、凸レンズ、フレネルゾーンプレート又は平面レンズ、フォトニック結晶、ホーンアンテナ、及びマイクロレンズアレイのうちの1つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のRFプローブ。
【請求項6】
前記1つ以上のアンテナがアンテナアレイ又は1つ以上のビーム補正アンテナを含むものであり、あるいは、前記1つ以上の
ビーム補正アンテナが1つ以上の
シングルモードオンチップビーム補正アンテナ又は1つ以上の差動モードオンチップビーム補正アンテナを備え、あるいは、前記1つ以上のアンテナが、蝶ネクタイ、自己相補型、正方形螺旋、ループ、二重スロット、螺旋、二重折り、波状、パッチ、等角螺旋、進行波、誘電体共振器、又はフォトニックバンドギャップアンテナのうちの1つ以上を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のRFプローブ。
【請求項7】
前記プローブ先端部に接続された前記1つ以上の伝送線が、同一平面導波管、ストリップライン、マイクロストリップ、マイクロ同軸、フォトニック結晶導波管、Goubau線、平面波形線、及び3次元伝送線のうちの1つ以上を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のRFプローブ。
【請求項8】
交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブであって、
プローブ先端部であって、シングルモードプローブ先端部又は差動モードプローブ先端部を含み、前記シングルモードプローブ先端部がグランド-シグナル(GS)又はグランド-シグナル-グランド(GSG)プローブ先端部を含み、前記差動モードプローブ先端部がグランド-シグナル-グランド-シグナル-グランド(GSGSG)プローブ先端部を含むものである、前記プローブ先端部と、
前記プローブ先端部に接続された1つ以上の伝送線と、
前記1つ以上の伝送線に接続された1つ以上のアンテナと、
コリメート構造体であって、前記コリメート構造体が、前記1つ以上のアンテナからの信号を所望の位置にルーティングする、前記コリメート構造体とを備え、
前記1つ以上のアンテナのうちの少なくとも1つは1つ以上の直流(DC)バイアスパッドを含むものであって、前記1つ以上のアンテナのうちの少なくとも1つの前記DCバイアスパッドは被試験デバイスに直流注入バイアスを印加することを可能にする、アンテナ結合高周波(RF)プローブ。
【請求項9】
前記コリメート構造体が1つ以上のミラーを備え、前記1つ以上のミラーが、前記信号を前記所望の位置にルーティングするために使用される、請求項8に記載のRFプローブ。
【請求項10】
前記所望の位置が、
ホーンアンテナを含む、請求項8または9に記載のRFプローブ。
【請求項11】
アンテナウエハを更に備え、前記プローブ先端部、前記プローブ先端部に接続された前記1つ以上の伝送線、及び前記1つ以上の伝送線に接続された前記1つ以上のアンテナが、前記アンテナウエハ上に位置し、前記コリメート構造体がプローブ本体を含み、前記アンテナウエハが、前記プローブ本体を交換することなく前記プローブ先端部を交換することができるように前記プローブ本体と別個になっている、請求項8~10のいずれか一項に記載のRFプローブ。
【請求項12】
前記
プローブ本体が1つ以上の漏洩波アンテナ、あるいはアンテナアレイを含む、
請求項11に記載のRFプローブ。
【請求項13】
前記
直流注入
バイアスが、クランプ接続及び/又はピン接続を介して、前記プローブ本体から前記プローブ先端部に移送され得る、請求項12に記載のRFプローブ。
【請求項14】
前記プローブ先端部に接続された前記1つ以上の伝送線が、同一平面導波管、ストリップライン、マイクロストリップ、マイクロ同軸、フォトニック結晶導波管、Goubau線、平面波形線、及び3次元伝送線のうちの1つ以上を含む、請求項8~12のいずれか一項に記載のRFプローブ。
【請求項15】
交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブであって、
複数のプローブ先端部であって、前記複数のプローブ先端部のそれぞれがシングルモードプローブ先端部又は差動モードプローブ先端部を含み、前記シングルモードプローブ先端部がグランド-シグナル(GS)又はグランド-シグナル-グランド(GSG)プローブ先端部を含み、前記差動モードプローブ先端部がグランド-シグナル-グランド-シグナル-グランド(GSGSG)プローブ先端部を含むものである、前記複数のプローブ先端部と、
前記複数のプローブ先端部のそれぞれに接続された1つ以上の伝達線と、
前記複数のプローブ先端部のそれぞれが複数のアンテナのうちの少なくとも1つと関連付けられるように、前記1つ以上の伝送線に接続された
前記複数のアンテナと、
プローブ本体であって、前記プローブ本体が少なくとも1つの集束装置を備え、前記少なくとも1つの集束装置のそれぞれが、前記少なくとも1つの集束装置によって受信された信号を、それらが前記少なくとも1つの導波管のそれぞれを通して1つ以上の所望の位置にルーティングされるように集束させる、前記プローブ本体と
を備え、
前記信号が2つ以上のホーンアンテナにルーティングされるように、前記プローブ本体が2つ以上の導波管と2つ以上の対応するコリメート構造体と
を備え、
前記2つ以上のコリメート構造体がそれぞれミラーを含み、
前記1つ以上のアンテナのうちの少なくとも1つは1つ以上の直流(DC)バイアスパッドを含むものであって、前記1つ以上のアンテナのうちの少なくとも1つの前記DCバイアスパッドは被試験デバイスに直流注入バイアスを印加することを可能にする、アンテナ結合高周波(RF)プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年11月15日に出願された米国仮特許出願第62/422,220号に対する優先権及び利益を主張し、同出願は、参照により完全に組み込まれ、本明細書の一部をなす。
【0002】
本発明は、Naval Researchのオフィスによって授与されたグラント番号201836の政府支援を用いてなされた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
RFプローブは、典型的には、DC~数十GHzの範囲の周波数の半導体デバイス及び集積回路(integrated circuit、IC)のオンチップ特性評価に使用される。100GHzを超える周波数では、導波管ベースの周波数延長器は、ベクトルネットワーク分析器(vector network analyzer、VNA)、スペクトル分析器、及び他のツールなどの従来の測定機器と共に使用される。標準的な矩形導波管トポロジーに起因して、これらのプローブの測定帯域幅は、多くの場合、基本導波管モード周波数に限定される。プローブ先端部は、多くの場合、3導体のグランド-シグナル-グランド(ground-signal-ground、GSG)金属被覆の形態であり、挿入損失を最小限に抑えるために、導波管フランジに注意深く遷移される。プローブは、試験中、チップとの物理的接触を必要とする。プローブ先端部は、典型的には、精密機械加工又は精密機械作製を必要とする薄いシリコンチップ(例えば、Dominion MicroProbes Inc.を参照されたい)、薄膜マイクロスチル線(例えば、Cascade Microtech Inc.を参照されたい)、又はマイクロ同軸伝送線(例えば、GGB Industriesを参照されたい)の形態で製造される。また、プローブ先端部は、機械的クランプを介してプローブ本体に固定される。したがって、これらは測定セットアップにおいて振動を受けやすく、接触中に応力下で屈曲する。加えて、鋭利な先端部は、多くの場合、ウエハ上の薄いパッシベーション層を破壊して、パッドと電気的に接触させるために使用される。このプロセスは、プローブ先端部に過度の物理的ストレスを与え、接触プローブの寿命を更に制限する。より重要なことに、テラヘルツ(terahertz、THz)周波数プローブの場合、プローブ先端部と試験チップとの間の接触力が閾値未満に保たれない限り、先端部金属被覆は典型的には摩耗し、有害なミスマッチをもたらす。この時点で、損傷したプローブ先端部は、性能を回復するためにベンダーによって交換される必要がある。
【0004】
更に、非常に高い周波数(ミリ波及びテラヘルツ帯)でのオンウエハ装置及び集積回路試験に使用される接触プローブは、高精度の精密機械加工のために非常に高価であり、それらの物理的サイズ及び試験ウエハとの間で数百回行われる物理的接触のために非常に脆弱である。従来利用可能なプローブは、固定されたプローブ先端部を有し、通常の使用に起因して摩耗及び裂けやすい。先端部が経時的に損傷すると、製造業者は先端部を保守点検しなければならず、これは別の高価で時間がかかるプロセスであり、典型的には数週間~数ヶ月かかり、その間、使用者は待機しなければならず、作業を続けることができない場合がある。
【0005】
理想的な条件下では、接触プローブは非常に効果的であり、長いライフサイクルを呈することができる。例えば、DMPI Inc.は、それらのプローブの定格を数万の接触サイクルとしている。しかしながら、この定格は、接触力が特定の閾値未満に正確に維持される制御されたセットアップのためのものである。実際には、人間のオペレータは、接触力の閾値を容易に超え、プローブ先端部を損傷させることができる。
【0006】
更に、シングルモードGSG接触プローブは、現在1.1THzまでスケーラブルであるが、二重先端部GSGSG接触プローブ(差動装置及びIC特性評価用)は、現在140GHzまでのみ利用可能である。加えて、現在利用可能な接触プローブの挿入損失は、周波数の増加と共に増加し、より高い周波数のダイナミックレンジ及びスケーラビリティを制限する。更に、各導波管帯域のための別個のプローブが必要とされ、利用可能なウエハプロービング溶液のコストを更に悪化させる。
【0007】
したがって、当技術分野における課題を克服する接触プローブが所望されており、そのうちのいくつかは上記に記載されている。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許出願公開第2011/0032253号明細書
(特許文献2) 米国特許出願公開第2010/0301217号明細書
(特許文献3) 米国特許第5,969,341号明細書
(特許文献4) 米国特許出願公開第2008/0290856号明細書
(特許文献5) 米国特許出願公開第2013/0106456号明細書
(特許文献6) 米国特許出願公開第2015/0102225号明細書
(非特許文献)
(非特許文献1) CAGLAYAN,C.et al."Non-Contact Differential-Mode On-Wafer Device Characterization in the mmW and THz Bands"; Microwave Symposium,2016 IEEE MTT-S international; 11 August 2016 [retrieved 02 January 2018].URL: <http://www.teraprobes.com/wp/wp-content/uploads/TP_IMS_2016.pdf>; pages 1-3.
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書で説明及び開示されるのは、交換可能な先端部を有するアンテナ結合RFプローブである。記載される実施形態では、試験信号は、オンチップアンテナを介してプローブ先端ウエハ上に結合され、そのため、プローブ先端部はプローブ本体から分離される。これにより、プローブ本体及びプローブ先端部の別個の製作が可能になる。そうすることにより、プローブ先端部は「商品」として入手可能とすることができ、ユーザは、単に、使い古した又は損傷したプローブ先端部を交換することができ、新しい接触プローブの単位コスト及び操作コストにおける大幅な節約を提供することができる。プローブ先端部とプローブ本体とを分離することにより、非常に高い周波数のプローブで典型的に必要とされる極めて正確な位置合わせを必要とすることなく、プローブ先端部の手動交換が可能になる。先端部の手動交換は、プローブ本体からプローブ先端部へのアンテナ結合によってもたらされるはるかに厳格ではない位置合わせ要件のためにのみ可能である。
【0009】
他の装置、システム、方法、特徴、及び/又は利点は、以下の図面及び発明を実施するための形態を考察すると、当業者には明らかであるか、又は明らかになり得る。全てのそのような追加のシステム、方法、特徴、及び/又は利点は、この説明内に含まれ、付属の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下の発明を実施するための形態は、本開示の複数の実施形態のうちの1つ以上が示される添付の図面と併せて読まれたとき、よりよく理解されるであろう。しかしながら、本開示の様々な実施形態が、図面に示される正確な配置及び手段に限定されないことが理解されるべきである。
【
図1】交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(radio frequency、RF)プローブの非限定的な実施形態の図である。
【
図2】交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(radio frequency、RF)プローブの非限定的な実施形態の図である。
【
図3】交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(radio frequency、RF)プローブの非限定的な実施形態の図である。
【
図4】交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(radio frequency、RF)プローブの非限定的な実施形態の図である。
【
図5】交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(radio frequency、RF)プローブの非限定的な実施形態の図である。
【
図6】交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(radio frequency、RF)プローブの非限定的な実施形態の図である。
【
図7】伝送線を介してプローブ先端部から信号を受信する1つ以上のアンテナを含み得るアンテナアレイの非限定的な例を示す。
【
図8】交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブの別の非限定的な実施形態の図である。この実施形態では、漏れ波アンテナ又はアンテナアレイを使用して、プローブ信号を交換可能なプローブ先端部に結合する。
【
図9】交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブの更に別の実施形態の図である。この実施形態では、プローブ本体は、アンテナウエハ上のアンテナからの信号が導波管ポートなどの所望の位置に方向づけられるように、単一のミラー及び単一のレンズではなく、複数のミラーを含む。
【
図10】レンズの縁部により近く、かつレンズの光軸から離れて配置することができるビーム補正アンテナを使用する交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブの一実施形態の図である。
【
図11】1つ以上のアンテナのうちの少なくとも1つが、DCバイアスパッドも含み得ることを示す。
【
図12】本明細書に記載される交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブの実施形態で使用することができるアンテナのいくつかの非限定的な例を示す。
【
図13】プローブ先端部からプローブビームスポット上に配置されたアンテナに信号を送信するために使用することができる伝送線の例を示す。
【
図14】伝送線は低損失、広帯域のフォトニック結晶導波管を含んでもよく、これはシングルモード及び差動モードの両方のプローブ先端部に使用され得ることを示す。
【
図15】場合によっては、伝送線は低損失、広帯域、分散フリーのGoubau線を含んでもよく、これはシングルモード及び差動モードの両方のプローブ先端部に使用され得ることを示す。
【
図16】場合によっては、伝達線路が低損失の平面波形線を含んでもよく、これはシングルモード及び差動モードの両方のプローブ先端部に使用され得ることを示す。
【
図17】場合によっては、伝送線が繊維様、矩形、同軸、波形線などの低損失の3次元(three-dimensional、3D)伝送線を含んでもよく、これはシングルモード及び差動モードの両方のプローブ先端部に使用され得ることを示す。
【
図18】プローブアンテナとプローブ先端部との間の距離を最小化するように成形されたレンズを備えるプローブレンズの実施形態を示す。
【
図19A】本明細書に記載される実施形態による、交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブの例示的なプロトタイピングモデルである。
【
図19B】本明細書に記載される実施形態による、交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブの例示的なプロトタイピングモデルである。
【
図19C】本明細書に記載される実施形態による、交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブの例示的なプロトタイピングモデルである。
【
図20】本明細書に記載される実施形態による2つの異なるプローブの反復性を記録するトレースを示す写真である。
【
図21】多重ポート動作を可能にする、交換可能な先端部上に複数のプローブアンテナを有するアンテナ結合高周波(RF)プローブの代替実施形態を示す。
【
図22】DUTを試験するために配置することができるので、マルチポートプローブ先端部及び対応するアンテナの非限定的な例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本方法及びシステムを開示及び記載する前に、方法及びシステムは、特定の合成方法、特定の構成要素、又は特定の組成物に限定されないことを理解されたい。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明するための目的のものにすぎず、限定することを意図しないことも理解するべきである。
【0012】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。範囲は、「約」1つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までとして表されてもよい。このような範囲が表されるとき、別の実施形態は、1つの特定の値から、かつ/又は他の特定の値までを含む。同様に、値が、先行詞「約」の使用によって近似として表されるとき、特定の値は、別の実施形態を形成することが理解されるであろう。範囲のそれぞれの端点は、他の端点に関しても、他の端点とは独立しても、この両方において、有意であると更に理解されるであろう。
【0013】
「任意選択的な」又は「任意選択的に」は、引き続いて記載された事象又は状況が起こってもよいかあるいは起こらなくてもよいこと、及び説明が、当該事象又は状況が起こる場合の例及びそれが起こらない場合の例を含むことを意味する。
【0014】
本明細書の説明及び特許請求の範囲の全体を通して、単語「comprise」、並びに「comprising」及び「comprises」などの単語の変化形は、例えば、他の添加剤、構成成分、整数、又は工程が「含まれるが、これらに限定されない」及び「例えば、除外することを意図しない」ことを意味する。「例示的な」は、「の一例」を意味し、好ましい又は理想的な実施形態の指示を伝えることを意図しない。「などの」は、限定的な意味で使用されるものではなく、説明的な目的で使用される。
【0015】
開示された方法及びシステムを行うために使用することができる構成要素が開示されている。これらの構成要素及び他の構成要素が本明細書において開示され、これらの構成要素の組み合わせ、サブセット、相互作用、グループなどが開示される場合、これらの各々の多様な個別の組み合わせ及び集合的な組み合わせ並びに置換が明確に開示される一方、各々は、全ての方法及びシステムに関して、本明細書において具体的に想定及び説明されていることを理解されたい。これは、本出願の全ての態様に適用されるが、開示された方法における工程に限定されるわけではない。このように、実施することができる多様な更なる工程が存在する場合、これらの更なる工程のそれぞれは、任意の特定の実施形態又は開示される方法の実施形態の組み合わせにより実施することができることが理解される。
【0016】
本方法及びシステムは、好ましい実施形態の以下の詳細な説明及び好ましい実施形態に含まれる実施例並びに図面及びこれらのこれまでの記載及び以下の記載を参照することにより、より容易に理解することができる。
【0017】
本明細書で開示及び説明されるのは、交換可能な先端部を有するアンテナ結合RFプローブの実施形態である。一般に、実施形態は、結合ポート(典型的には導波管の形態)と、指向性アンテナ又は誘導構造体(プローブ導波管に取り付けられている)と、指向性アンテナ放射をコリメートする反射器(放物線型)と、コリメートされたビームの一端にあるレンズと、アンテナウエハと、アンテナウエハ上に位置する1つ以上のアンテナと、1つ以上のアンテナとの間で信号をプローブ先端部に伝送するアンテナウエハ上の1つ以上の伝送線と、を備える。
【0018】
図1は、交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブの実施形態のうちの1つの図である。この実施形態は、測定器具の導波管出力をオンチップ共平面導波管ポートに結合するための準光学系を備える。被試験デバイス(device under testing、DUT)からの信号は、プローブ先端部で受信される。先端部は、例えば、当業者に既知のグランド-シグナル(ground-signal、GS)、グランド-シグナル-グランド(GSG)、又はGSGSG先端部であってもよい。1つ以上の伝送線が、プローブ先端部によって受信された信号を1つ以上のアンテナに送信する。信号は、差分信号又はシングルモード信号を含んでもよい。レンズ、コリメート構造体、及び導波管の端部にある指向性アンテナは、1つ以上のアンテナとは別個であり、プローブ本体を構成する。1つ以上のアンテナは、受信した信号(複数可)をプローブ先端からレンズ内に、かつコリメート構造体に向けて送信する。コルメータは、受信された波信号を、それらが所望の場所にルーティングされるように集束させる。例えば、1つ以上のコリメート構造体は、指向性アンテナを通して波信号をベクトルネットワーク分析器(VNA)ホーンのプローブ導波管にルーティングすることができる。プローブ先端ウエハ上の1つ以上のアンテナはプローブ本体とは別個であるため、プローブ先端部はプローブ本体から分離され、先端部の交換を迅速かつ容易にする。更に、プローブ本体及びプローブ先端部を別個に製造することができるので、製造プロセスを向上させる。更に、プローブ本体は、広範な周波数で使用することができ、したがって、プローブ先端部は、所望の周波数に整合させることができ、したがって、所望の周波数ごとに完全なRFプローブアセンブリを必要としない。また、プローブシステムのプローブ本体の挿入損失が周波数独立であるため、これにより、シングルモード及び差動モードプローブ測定の両方のテラヘルツ(THz)周波数帯域へのスケーリングを可能にする。更に、いくつかの実施形態では、プローブアンテナのDCバイアスパッドは、被試験デバイスに直流注入バイアスを印加することを可能にする。DC電流注入は、クランプ接続及び/又はピン接続を介して、主プローブ本体から交換可能なプローブ先端部に移送され得る。
【0019】
図2は、交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブの実施形態のうちの1つの図である。この実施形態では、プローブ本体のレンズは、凸レンズを含む。この実施形態はまた、アンテナウエハを含む。プローブ先端部は、アンテナウエハ上に位置する。1つ以上の伝送線が、プローブ先端部によって受信された信号を、アンテナウエハ上に位置する1つ以上のアンテナに送信する。信号は、差分信号又はシングルモード信号を含んでもよい。プローブ本体は、アンテナウエハとは別個である。アンテナウエハ上に位置する1つ以上のアンテナは、受信した信号(複数可)を凸レンズに送信する。凸レンズは、受信された波信号を、それらが所望の位置にルーティングされるように、コリメート構造を使用して集束させる。場合によっては、コリメート構造体は、
図2に示される90°軸外の放物線型ミラーなどの1つ以上のミラーを備えてもよい。例えば、1つ以上のミラーは、波信号をVNAホーンにルーティングすることができる。アンテナウエハは導波管/レンズ本体とは別個であるため、プローブ先端部はプローブ本体から分離され、先端部の交換を迅速かつ容易にする。更に、プローブ本体及びプローブ型/アンテナウエハを別個に製造することができるので、製造プロセスが向上する。更に、プローブ本体は、広範な周波数で使用することができ、したがって、プローブ先端部は、所望の周波数に整合させることができ、したがって、所望の周波数ごとに完全なRFプローブアセンブリを必要としない。また、プローブシステムのプローブ本体の挿入損失が周波数独立であるため、これにより、シングルモード及び差動モードプローブ測定の両方のTHz周波数帯域へのスケーリングを可能にする。更に、いくつかの実施形態では、プローブアンテナのDCバイアスパッドは、被試験デバイスに直流注入バイアスを印加することを可能にする。DC電流注入は、クランプ接続及び/又はピン接続を介して、主プローブ本体から交換可能なプローブ先端部に移送され得る。
【0020】
図3は、交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブの更に別の実施形態の図である。この実施形態では、プローブ本体のレンズは、フレネルゾーンプレート又は平面レンズを含む。この実施形態はまた、アンテナウエハを含む。プローブ先端部は、アンテナウエハ上に位置する。
図1及び2の実施形態と同様に、1つ以上の伝送線が、プローブ先端部によって受信された信号を、アンテナウエハ上に位置する1つ以上のアンテナに送信する。信号は、差分信号又はシングルモード信号を含んでもよい。プローブ本体は、アンテナウエハとは別個である。アンテナウエハ上に位置する1つ以上のアンテナは、受信した信号(複数可)をフレネルゾーンプレート又は平面レンズに送信する。フレネルゾーンプレート又は平面レンズは、受信された波信号を、それらが所望の位置にルーティングされるように、コリメート構造を使用して集束させる。場合によっては、コリメート構造体は、
図3に示される90°軸外の放物線型ミラーなどの1つ以上のミラーを備えてもよい。1つ以上のミラーは、受信された波信号を所望の位置にルーティングするために使用される。例えば、1つ以上のミラーは、波信号をVNAホーンにルーティングすることができる。アンテナウエハは導波管/レンズ本体とは別個であるため、プローブ先端部はプローブ本体から分離され、先端部の交換を迅速かつ容易にする。更に、プローブ本体及びプローブ型/アンテナウエハを別個に製造することができるので、製造プロセスが向上する。更に、プローブ本体は、広範な周波数で使用することができ、したがって、プローブ先端部は、所望の周波数に整合させることができ、したがって、所望の周波数ごとに完全なRFプローブアセンブリを必要としない。また、プローブシステムのプローブ本体の挿入損失が周波数独立であるため、これにより、シングルモード及び差動モードプローブ測定の両方のTHz周波数帯域へのスケーリングを可能にする。更に、いくつかの実施形態では、プローブアンテナのDCバイアスパッドは、被試験デバイスに直流注入バイアスを印加することを可能にする。DC電流注入は、クランプ接続及び/又はピン接続を介して、主プローブ本体から交換可能なプローブ先端部に移送され得る。
【0021】
図4は、交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブの更に別の実施形態の図である。この実施形態では、当業者に既知のように、プローブ本体のレンズはフォトニック結晶で置き換えられている。この実施形態はまた、アンテナウエハを含む。プローブ先端部は、アンテナウエハ上に位置する。
図1、2、及び3の実施形態と同様に、1つ以上の伝送線が、プローブ先端部によって受信された信号を、アンテナウエハ上に位置する1つ以上のアンテナに送信する。信号は、差分信号又はシングルモード信号を含んでもよい。プローブ本体は、アンテナウエハとは別個である。アンテナウエハ上に位置する1つ以上のアンテナは、受信した信号(複数可)をフォトニック結晶に送信する。フォトニック結晶は、受信した波信号を導波管を通してルーティングさせる。いくつかの例では、システムは、
図4に示される90°軸外の放物線型ミラーなどの1つ以上のコリメート反射器を更に備えてもよい。1つ以上のコリメート反射器は、受信された波信号を所望の位置にルーティングするために使用される。例えば、1つ以上のコリメート反射器は、波信号を指向性アンテナに、そしてプローブ導波管にルーティングすることができる。アンテナウエハは導波管/レンズ本体とは別個であるため、プローブ先端部はプローブ本体から分離され、先端部の交換を迅速かつ容易にする。更に、プローブ本体及びプローブ型/アンテナウエハを別個に製造することができるので、製造プロセスが向上する。更に、プローブ本体は、広範な周波数で使用することができ、したがって、プローブ先端部は、所望の周波数に整合させることができ、したがって、所望の周波数ごとに完全なRFプローブアセンブリを必要としない。また、プローブシステムのプローブ本体の挿入損失が周波数独立であるため、これにより、シングルモード及び差動モードプローブ測定の両方のTHz周波数帯域へのスケーリングを可能にする。更に、いくつかの実施形態では、プローブアンテナのDCバイアスパッドは、被試験デバイスに直流注入バイアスを印加することを可能にする。DC電流注入は、クランプ接続及び/又はピン接続を介して、主プローブ本体から交換可能なプローブ先端部に移送され得る。
【0022】
図5は、交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブの更に別の実施形態の図である。この実施形態では、プローブ本体は、当業者に既知のように、プローブ先端部アンテナ上に信号を集束させるためのホーンアンテナを含む。この実施形態はまた、アンテナウエハを含む。プローブ先端部は、アンテナウエハ上に位置する。
図1、2、3、及び4の実施形態と同様に、1つ以上の伝送線が、プローブ先端部によって受信された信号を、アンテナウエハ上に位置する1つ以上のアンテナに送信する。信号は、差分信号又はシングルモード信号を含んでもよい。プローブ本体は、アンテナウエハとは別個である。アンテナウエハ上に位置する1つ以上のアンテナは、受信した信号(複数可)をホーンアンテナに送信する。ホーンアンテナは、受信した波信号を導波管を通してルーティングさせる。いくつかの例では、システムは、
図5に示される90°軸外の放物線型ミラーなどの1つ以上のコリメート反射器を更に備えてもよい。1つ以上のコリメート反射器は、受信された波信号を所望の位置にルーティングするために使用される。例えば、1つ以上のコリメート反射器は、波信号をVNAホーンにルーティングすることができる。アンテナウエハは導波管/レンズ本体とは別個であるため、プローブ先端部はプローブ本体から分離され、先端部の交換を迅速かつ容易にする。更に、プローブ本体及びプローブ型/アンテナウエハを別個に製造することができるので、製造プロセスが向上する。更に、プローブ本体は、広範な周波数で使用することができ、したがって、プローブ先端部は、所望の周波数に整合させることができ、したがって、所望の周波数ごとに完全なRFプローブアセンブリを必要としない。また、プローブシステムのプローブ本体の挿入損失が周波数独立であるため、これにより、シングルモード及び差動モードプローブ測定の両方のTHz周波数帯域へのスケーリングを可能にする。更に、いくつかの実施形態では、プローブアンテナのDCバイアスパッドは、被試験デバイスに直流注入バイアスを印加することを可能にする。DC電流注入は、クランプ接続及び/又はピン接続を介して、主プローブ本体から交換可能なプローブ先端部に移送され得る。
【0023】
図6は、交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブの更に別の実施形態の図である。この実施形態では、プローブ本体は、当業者に既知のように、マイクロレンズアレイを含む。この実施形態はまた、アンテナウエハを含む。プローブ先端部は、アンテナウエハ上に位置する。
図1、2、3、4、及び5の実施形態と同様に、1つ以上の伝送線が、プローブ先端部によって受信された信号を、アンテナウエハ上に位置する1つ以上のアンテナに送信する。信号は、差分信号又はシングルモード信号を含んでもよい。プローブ本体は、アンテナウエハとは別個である。アンテナウエハ上に位置する1つ以上のアンテナは、受信した信号(複数可)をマイクロレンズアレイに送信する。マイクロレンズアレイは、受信した波信号を導波管を通してルーティングさせる。いくつかの例では、システムは、
図6に示される90°軸外の放物線型ミラーなどの1つ以上のコリメート反射器を更に備えてもよい。1つ以上のコリメート反射器は、受信された波信号を所望の位置にルーティングするために使用される。例えば、1つ以上のコリメート反射器は、波信号をVNAホーンにルーティングすることができる。アンテナウエハは導波管/レンズ本体とは別個であるため、プローブ先端部はプローブ本体から分離され、先端部の交換を迅速かつ容易にする。更に、プローブ本体及びプローブ型/アンテナウエハを別個に製造することができるので、製造プロセスが向上する。更に、プローブ本体は、広範な周波数で使用することができ、したがって、プローブ先端部は、所望の周波数に整合させることができ、したがって、所望の周波数ごとに完全なRFプローブアセンブリを必要としない。また、プローブシステムのプローブ本体の挿入損失が周波数独立であるため、これにより、シングルモード及び差動モードプローブ測定の両方のTHz周波数帯域へのスケーリングを可能にする。更に、いくつかの実施形態では、プローブアンテナのDCバイアスパッドは、被試験デバイスに直流注入バイアスを印加することを可能にする。DC電流注入は、クランプ接続及び/又はピン接続を介して、主プローブ本体から交換可能なプローブ先端部に移送され得る。
【0024】
図7は、伝送線を介してプローブ先端部から信号を受信する1つ以上のアンテナを含み得るアンテナアレイの実施形態である。信号は、差分信号又はシングルモード信号を含んでもよい。アンテナアレイで使用されるアンテナの数及び配置は、様々であってもよい。アンテナアレイは、プローブ本体とは別個にアンテナウエハ上に位置してもよい。
【0025】
図8は、交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブの更に別の実施形態の図である。この実施形態では、プローブ本体は、当業者に既知であるように、漏洩波アンテナ又はアレイを含む。この実施形態はまた、アンテナウエハを含む。プローブ先端部は、アンテナウエハ上に位置する。
図1、2、3、4、及び5、6、7の実施形態と同様に、1つ以上の伝送線が、プローブ先端部によって受信された信号を、アンテナウエハ上に位置する1つ以上のアンテナに送信する。信号は、差分信号又はシングルモード信号を含んでもよい。プローブ本体は、アンテナウエハとは別個である。アンテナウエハ上に位置する1つ以上のアンテナは、受信した信号(複数可)を漏洩波アンテナ又はアレイに送信する。漏洩波アンテナ又はアレイは、受信した波信号を導波管を通してルーティングさせる。いくつかの例では、システムは、
図6に示す90°軸外の放物線型ミラーなどの1つ以上のミラーを更に備えてもよい。1つ以上のミラーは、受信された波信号を所望の位置にルーティングするために使用される。例えば、1つ以上のミラーは、波信号をVNAホーンにルーティングすることができる。アンテナウエハは導波管/レンズ本体とは別個であるため、プローブ先端部はプローブ本体から分離され、先端部の交換を迅速かつ容易にする。更に、プローブ本体及びプローブ型/アンテナウエハを別個に製造することができるので、製造プロセスが向上する。更に、プローブ本体は、広範な周波数で使用することができ、したがって、プローブ先端部は、所望の周波数に整合させることができ、したがって、所望の周波数ごとに完全なRFプローブアセンブリを必要としない。また、プローブシステムのプローブ本体の挿入損失が周波数独立であるため、これにより、シングルモード及び差動モードプローブ測定の両方のTHz周波数帯域へのスケーリングを可能にする。更に、いくつかの実施形態では、プローブアンテナのDCバイアスパッドは、被試験デバイスに直流注入バイアスを印加することを可能にする。DC電流注入は、クランプ接続及び/又はピン接続を介して、主プローブ本体から交換可能なプローブ先端部に移送され得る。
【0026】
図9は、交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブの更に別の実施形態の図である。この実施形態では、プローブ本体は、アンテナウエハ上のアンテナからの信号がVNA導波管ポートなどの所望の位置に方向づけられるように、複数のコリメート反射器を含む。
【0027】
図10は、準光学リンクの光軸から離れてかつレンズの縁部の近くに位置するビーム補正アンテナを使用する、交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブの一実施形態の図である。ビーム補正アンテナは、シングルモード又は差分モードであってもよい。ビーム補正アンテナは、アンテナウエハ上のプローブ本体とは別個に位置してもよい。
図10の左下側は、使用することができるビーム補正アンテナの様々な非限定的な例である。
図11は、1つ以上のアンテナのうちの少なくとも1つが、本明細書で言及されるように、DCバイアスパッドを含んでもよいことを示す。DCバイアスパッドは、アンテナウエハに統合され、能動デバイス測定に使用することができる。
図12は、本明細書に記載される交換可能な先端部を有するアンテナ結合無線周波数(RF)プローブの実施形態で使用することができるアンテナのいくつかの非限定的な例である。
【0028】
図13は、プローブ先端部からアンテナに信号を送信するために使用することができる伝送線の例を示す。
図13の上部図は、シングルモードプローブ先端部のためのものであり、下部図は、差動モードプローブ先端部のためのものである。示すように、シングルモード伝送線としては、共平面導波管(coplanar waveguide、CPW)、マイクロストリップ、ストリップライン、マイクロ同軸などが挙げられ、差動モード伝送線としては、二重CPW、二重マイクロストリップ、二重ストリップ、二重マイクロ同軸などが挙げられる。いくつかの例では、
図14に示すように、伝送線は、低損失、広帯域のフォトニック結晶導波管を含んでもよく、これはシングルモード及び差動モードの両方のプローブ先端部に使用され得る。場合によっては、
図15に示すように、伝送線は、低損失、広帯域、分散フリーのGoubau線を含んでもよく、これはシングルモード及び差動モードの両方のプローブ先端部に使用され得る。場合によっては、
図16に示すように、伝送線は、低損失の平面波形線を含んでもよく、これはシングルモード及び差動モードの両方のプローブ先端部に使用され得る。場合によっては、
図17に示されるように、伝送線は、繊維様、矩形、同軸、波形線などの低損失の3次元(3D)伝送線を含んでもよく、これはシングルモード及び差動モードの両方のプローブ先端部に使用され得る。
【0029】
図18は、プローブ先端部とプローブアンテナとの間の距離を最小化するレンズ形状を備えるプローブレンズの一実施形態を示す。レンズの片側は、プローブアンテナが配置されるレンズの光軸に近いプローブ先端部へのアクセスを可能にするように、開口数への影響を最小限に抑えて切り出すことができる。したがって、この楔形レンズの幾何形状は、プローブ先端部とプローブアンテナとの間の距離を最小化することによって、関連するプローブ先端部の損失を最小限に抑えた。
【0030】
図19A~19Cは、本明細書に記載される実施形態による、交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブの例示的なプロトタイピングモデルである。
【0031】
図20は、本明細書に記載される実施形態による2つの異なるプローブの反復性を記録するトレースを示す写真である。
【0032】
図21及び22は、交換可能な先端部を有するアンテナ結合高周波(RF)プローブの代替実施形態を示す。
図21に示すように、先端部上の複数のプローブは、複数のホーンアンテナ、90°軸外のコリメート反射器、及びレンズによって供給される。例えば、
図21に示すように、アンテナウエハは、同じプローブ先端部上の等しい複数のアンテナに集束させる複数のポートを含み、DUTのための複数の試験ポートを提供する。
図22は、DUTを試験するために配置することができるので、プローブ先端部及び対応するアンテナの非限定的な例を示す。
【0033】
結論
【0034】
好ましい実施形態及び特定の実施例に関連して方法及びシステムが説明されてきたが、本明細書の実施形態は、限定的ではなく例示的であることを意図するので、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。
【0035】
特に明記しない限り、本明細書に記載される任意の方法は、その工程が特定の順序で実施されることを必要とすると解釈されることを決して意図するものではない。したがって、方法クレームが、その工程がたどる順序を実際に記載しておらず、又はその工程が特定の順序に限定されるべきである旨が特許請求の範囲又は明細書に特に明記されていない場合、いかなる点においても順序が推測されることを意図するものではない。これは、工程又は動作フローの配置に関するロジック事項、文法的な組織化又は句読点に由来する平易な意味、本明細書に記載される実施形態の数又は種類、を含む、解釈のためのいかなる可能な非明示的な根拠にも当てはまる。
【0036】
本明細書全体において、様々な出版物が参照される。これらの出版物の開示全体が、開示内容が関連する技術分野の現状技術をより十分に説明するためにここに参照により本出願に組み込まれる。
【0037】
範囲又は趣旨から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができることが、当業者には明らかであろう。他の実施形態は、本明細書及び本明細書に開示される実践を考慮すれば、当業者には明らかであろう。本明細書及び実施例は、単に例示的なものと見なされ、本開示の真の範囲及び趣旨は以下の特許請求の範囲によって示されることが意図される。