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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-21
(45)【発行日】2022-05-16
(54)【発明の名称】緩衝体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/14 20060101AFI20220422BHJP
   A47C 27/20 20060101ALI20220422BHJP
   A47C 27/15 20060101ALI20220422BHJP
【FI】
A47C27/14 A
A47C27/20
A47C27/15 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020526864
(86)(22)【出願日】2018-11-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-12
(86)【国際出願番号】 US2018061584
(87)【国際公開番号】W WO2019099877
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2020-07-06
(31)【優先権主張番号】62/588,211
(32)【優先日】2017-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521542889
【氏名又は名称】パープル イノベーション,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【弁理士】
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】ピアース,トニー・エム
(72)【発明者】
【氏名】ハミルトン,ラーズ・クリステン
(72)【発明者】
【氏名】ウェドン,タナー・リック
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-089526(JP,A)
【文献】特開2004-065817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/14
A47C 27/20
A47C 27/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
緩衝体を形成する方法であって、
複数の中空柱を画定する複数の交差する座屈壁を含む、キングサイズのエラストマ緩衝体を形成するステップと、
前記キングサイズのエラストマ緩衝体を4つの少なくとも実質上同等サイズの緩衝要素に分割するステップと、
記4つの少なくとも実質上同等サイズの緩衝要素のうちの少なくとも1つの緩衝要素を使用するステップであって、別の緩衝要素のレセプタクルに前記少なくとも1つの緩衝要素を提供することを含むステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記キングサイズのエラストマ緩衝体を形成するステップは、前記キングサイズのエラストマ緩衝体を成形又は鋳造するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記キングサイズのエラストマ緩衝体は、203.2cm(80インチ)から213.36cm(84インチ)の間の長さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記キングサイズのエラストマ緩衝体は、193.04cm(76インチ)から208.28cm(82インチ)の間の幅を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記緩衝要素は、55.8cm(22インチ)から68.58cm(27インチ)の間の幅を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記緩衝要素は、137.16cm(54インチ)から149.86cm(59インチ)の間の長さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記別の緩衝要素の前記レセプタクルに、前記少なくとも1つの緩衝要素を固定するために、スクリム布地を使用するステップを更に含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
記4つの同等サイズの緩衝要素のうちの前記少なくとも1つの緩衝要素を使用するステップは、キングサイズのマットレス、クイーンサイズのマットレス、又はフルサイズのマットレスを形成するために、別の緩衝要素の対応する各レセプタクルに2つの緩衝要素を提供するステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
記4つの同等サイズの緩衝要素のうちの前記少なくとも1つの緩衝要素を使用するステップは、キングサイズのマットレス、クイーンサイズのマットレス、フルサイズのマットレス、又はツインサイズのマットレスを形成することを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
キングサイズのエラストマ緩衝体を形成するステップは、
厚いキングサイズのエラストマ緩衝体を成形するステップと、
前記厚いキングサイズのエラストマ緩衝体を水平方向に分離して、2つの薄いキングサイズのエラストマ緩衝体を形成するステップと、
前記キングサイズのエラストマ緩衝体として、前記2つの薄いキングサイズのエラストマ緩衝体の一方を使用するステップと、
を更に含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記別の緩衝要素の前記レセプタクルにおいて、前記少なくとも1つの緩衝要素を使用するステップは、マットレス緩衝体を形成するために、他の緩衝要素の各レセプタクルに前記4つの緩衝要素の個々を挿入するステップを含み、前記4つの緩衝要素の個々は、前記マットレス緩衝体上に載っている人のボディを支持するための支持ゾーンを形成する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記他の緩衝要素は、発泡緩衝要素を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記他の緩衝要素の前記レセプタクルに前記4つの緩衝要素の個々を固定するために、スクリム布地を使用するステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記キングサイズのエラストマ緩衝体を4つの少なくとも実質上同等サイズの緩衝要素に分割するステップは、前記キングサイズのエラストマ緩衝体を、好ましくは湿式鋸で、カットすることを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記キングサイズのエラストマ緩衝体を4つの少なくとも実質上同等サイズの緩衝要素に分割するステップは、
前記4つの緩衝要素のうちの3つを形成するために、前記キングサイズのエラストマ緩衝体の長さに対して、長手方向に並んで配向された前記キングサイズのエラストマ緩衝体の3つの小部分を分離するステップと、
前記4つの緩衝要素のうちの1つを形成するために、前記キングサイズのエラストマ緩衝体の前記長さに対して、水平に配向された前記キングサイズのエラストマ緩衝体の第4の部分を分離するステップと、を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2017年11月17日に出願された「CUSHIONS INCLUDING ONE OR MORE ZONES OF DIFFERENT MATERIALS AND RELATED METHODS OF MANUFACTURE FOR IMPROVED YIELD」についての米国仮特許出願第62/588,211号の出願日の利益を主張する。
【0002】
本開示の実施形態は、一般に、複数の緩衝ゾーンを含む、マットレス、シート緩衝体、ペットベッド等々を含む圧縮性緩衝体用のエラストマ緩衝要素と、複数の緩衝ゾーンを含む緩衝体を形成する方法と、単一の緩衝要素から緩衝ゾーンを形成する方法と、に関する。
【背景技術】
【0003】
緩衝材料は、マットレス、シート面、靴インサート、包装、医療デバイス用等の様々な用途を有する。緩衝材料は、緩衝されるボディへのピーク圧力を低減するように公式化及び/又は構成されることがあり、それにより、人間又は動物にとっての快適さを増加させ、対象を損傷から保護することができる。緩衝材料は、ポリエチレン又はポリウレタン発泡体(例えば、回旋状の発泡体)、ビニル、ゴム、ばね、天然若しくは合成繊維、流体充填可撓性容器等々など、荷重下で偏向又は変形する材料で形成されることがある。異なった緩衝材料は、所与の圧力に対して異なった反応を有することがあり、幾つかの材料は、異なった用途に対して良好に適することがある。緩衝材料は、選択された特性を達成するために、相互に組み合わせて使用されることがある。
【0004】
2010年6月8日に発行され、その開示がこの参照によってその全体が本明細書に組み込まれている米国特許第7,730,566号「Multi-Walled Gelastic Material」は、座屈する相互連結壁を有する緩衝体構造を説明している。第1の壁は、限界力が適用されると、座屈する。第1の壁の座屈は、第2の壁の座屈を引き起こすことができ、それにより、第1の壁が「ボトムアウト」する可能性を低下することができる。ボトムアウトすると、緩衝体の座屈部分を覆う緩衝される対象部分への圧力が増加する。緩衝体の一方側は、互いに比較的近くに隔置された壁を有し、反対側は、より離して隔置された壁を有する。即ち、緩衝体の一部の壁は、部分的にのみ、緩衝体を通って延びる。壁の広めに隔置された部分は、不規則な形状の物体が壁に押し付けられたときに、壁の近めに隔置された部分よりも容易に座屈することができる。
【0005】
2014年12月30日に発行され、その開示がこの参照によってその全体が本明細書に組み込まれている米国特許第8,919,750号「Cushioning Elements Comprising Buckling Walls and Methods of Forming Such Cushioning Elements」は、上部緩衝表面及び底部基礎表面を有し、エラストマ材料及び安定化材料を含む緩衝要素を説明している。エラストマ材料で形成された相互連結式の座屈壁は、安定化材料に連結される。
【0006】
緩衝要素は、射出成形を使って形成されることがある。それらの様々なサイズのマットレスで使用するための緩衝体などの大きな部品を成形できる成形システムは、2016年9月20日に発行されて、本出願の譲受人に譲渡された米国特許第9,446,542号「Small Footprint Apparatus, Method, and Tooling for Molding Large Thermoplastic Parts」に説明されており、その開示全体は、この参照によって本明細書に組み込まれる。成形システムは、プラテン、線形アクチュエータ、トグルクランプ、射出ヘッド、及び、型を含むことがある。大きな緩衝要素用の型は、それらの大きなサイズのために高価である。その結果として、製造業者は、必要とする最大の型(例えば、キングサイズマットレス用の型)を購入することがあり、その型を使用して製造する全ての異なったサイズを形成することがある。例えば、キングサイズのマットレスを製造することがあり、マットレスをトリミングしてクイーンサイズ、フルサイズ、及び、ツインサイズのマットレスを形成することがある。余分な材料は、典型的にはリサイクルされるか又は廃棄される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
緩衝要素を形成する方法が開示される。方法は、キングサイズのエラストマ緩衝体を形成することを含む。キングサイズのエラストマ緩衝体は、拡大形態の複数の中空柱を画定する複数の交差する座屈壁を含むことがある。キングサイズのエラストマ緩衝体は、4つの同等サイズの緩衝要素に分離されることがある。緩衝要素は、次には4つの同等サイズの緩衝要素から選択されることがある。
【0008】
緩衝体を形成する方法も開示される。方法は、圧縮性材料を含む第1の要素と、圧縮性材料を含む第2の要素と、を形成することを含む。第1の要素は、ボイドを取り囲んで形成されることがある。第2の要素は、圧縮性材料から大きな緩衝要素を成形すること、次には大きな緩衝要素を4つの小さな緩衝要素に分離すること、によって形成されることがある。4つの小さな緩衝要素は、実質上同じ寸法を有することがある。4つの小さな緩衝要素のうちの少なくとも1つは、次には第2の要素として選択されることがある。方法は、第1の要素によって囲まれたボイドに第2の要素を挿入することを更に含む。
【0009】
本明細書は、本開示の実施形態と見なされるものを特に指摘して明確に権利主張する特許請求の範囲で締めくくるが、本開示の実施形態の様々な特徴及び利点は、添付の図面を併せて読むとき、本開示の実施形態例の次に続く説明からより容易に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態に係る拡大形態の緩衝体の斜視図である。
図2】本開示の実施形態に係る拡大形態のエラストマ緩衝要素の上面図である。
図3】本開示の実施形態に係る拡大形態の緩衝体の斜視図である。
図4】本開示の実施形態に係る拡大形態の周辺緩衝体の斜視図である。
図5】本開示の実施形態に係る拡大形態の周辺緩衝体の斜視図である。
図6】本開示の実施形態に係る緩衝体の斜視図である。
図7】本開示の実施形態に係る緩衝体の斜視図である。
図8】本開示の実施形態に係る緩衝要素の上面図である。
図9】本開示の実施形態に係る緩衝要素の上面図である。
図10】本開示の実施形態に係るエラストマ緩衝要素の上面図である。
図11】本開示の実施形態に係る治具の斜視図である。
図12】本開示の実施形態に係る治具の斜視図である。
図13】本開示の実施形態に係る治具の上面図である。
図14】本開示の実施形態に係る緩衝要素の断面図である。
図15】本開示の実施形態に係る緩衝体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に提示された例示は、任意の特定の緩衝体、緩衝要素、補強要素、又はそれらの構成要素の実際の図であることを意味するのではなく、例示的実施形態を説明するために採用された単なる理想化された表現に過ぎない。図面は、必ずしも実際の縮尺通りではない。図の間で共通の要素は、同じ数値呼称を保持することがある。
【0012】
本明細書で使用されるとき、用語「緩衝要素」は、一方のボディを他方に対して緩衝する際に使用することを意図された任意の変形可能なデバイスを意味し、それを含む。非限定の例として、緩衝要素(例えば、マットレス、シート緩衝体、ペットベッド等々)は、人、動物、又は物体を、それがなければ人、動物、又は物体に当接し得る別の物体(例えば、ベッド枠、椅子用シート、床等々)に対して、緩衝する際に使用することを意図された材料を含む。
【0013】
本明細書で使用されるとき、用語「発泡体」は、荷重下で偏向又は変形する発泡体材料を意味し、それを含む。発泡体材料は、限定ではなく、例として、ポリエチレン又はポリウレタン発泡体(例えば、回旋状の発泡体)、ラテックス発泡体、又は粘弾性ポリウレタン発泡体(例えば、記憶発泡体、オープンセル記憶発泡体、又はゲル記憶発泡体)を含むことがある。
【0014】
本明細書で使用されるとき、用語「エラストマポリマ」は、変形後にその元のサイズ及び形状を回復することができるポリマを意味し、またそれを含む。換言すると、エラストマポリマは、弾性又は粘弾性の特性を有するポリマである。エラストマポリマは、当技術分野では「エラストマ」と呼ばれることもある。エラストマポリマは、限定なしに、ホモポリマ(単一の化学的単位の繰り返しを有するポリマ)及びコポリマ(2つ以上の化学的単位を有するポリマ)を含む。
【0015】
本明細書で使用されるとき、用語「エラストマブロックコポリマ」は、A-Bジブロックコポリマ及びA-B-Aトリブロックコポリマなどの共にリンクされたホモポリマのグループ又はブロックを有するエラストマポリマを意味し、またそれを含む。A-Bジブロックコポリマは、ホモポリマの2つの別個のブロックを有する。A-B-Aトリブロックコポリマは、単一のホモポリマ(A)の2つのブロックを有し、個々が、異なったホモポリマ(B)の単一のブロックにリンクされる。
【0016】
本明細書で使用されるとき、用語「可塑剤」は、材料の被加工性を高めるために別の材料(例えば、エラストマポリマ)に添加される物質を意味し、またそれを含む。例えば、可塑剤は、材料の可撓性、柔軟性、又は、伸展性を高めることがある。可塑剤は、限定なしに、鉱油などの炭化水素流体を含む。炭化水素可塑剤は、芳香族又は脂肪族であり得る。
【0017】
本明細書で使用されるとき、用語「エラストマ材料」は、エラストマポリマ、及び、エラストマポリマと可塑剤及び/又は他の材料との混合物を意味し、またそれを含む。エラストマ材料は、弾性である(即ち、変形後にサイズ及び形状を回復可能である)。エラストマ材料は、限定なしに、当技術分野で、「エラストマゲル」、「ゼラチンエラストマ」、又は単に「ゲル」と呼ばれる材料を含む。
【0018】
本明細書で使用されるとき、「第1」、「第2」、「上部」、「底部」等々などの任意の関係に関する用語は、本開示及び添付図面の理解における明瞭性及び利便性のために使用され、また、文脈が別途明瞭に指示する場合を除いて、任意の特定の選好、方向付け、又は順序を内包も依存もしない。
【0019】
本明細書で使用されるとき、用語「及び/又は」は、1つ又は複数の関連した列挙アイテムの任意の及び全ての組合せを意味し、またそれを含む。
【0020】
本明細書で使用されるとき、所与のパラメータに関した用語「実質上」は、当業者が、所与のパラメータ、特性、又は条件が、許容可能な製造公差内など、僅かな程度の変動をもって充足されると理解するであろう程度を意味し、またそれを含む。例えば、実質上充足されるパラメータは、少なくとも約90%が満たされ、少なくとも約95%が満たされ、又は、少なくとも約99%も満たされることがある。
【0021】
本開示は、陳列、保管、及び/又は、顧客への輸送のために、ロールパック、折り畳み、又はその他の方法で圧縮され得る緩衝体を説明する。例えば、緩衝体は、シリンダ形状にロールパックされることがある。ロールパックされた緩衝体は、シリンダ形バッグに設けられることがある。ロールパックされた緩衝体を輸送するためのシリンダ形バッグは、例えば、2016年3月7日に出願されて、本出願の譲受人に譲渡された、米国特許出願シリアル番号第15/063,114号「A Bag for Shipping a Cushion and Related Methods」に説明されており、その開示全体は、この参照によって本明細書に組み込まれる。シリンダ形バッグに圧縮されて配設された緩衝体は、従来のように包装されて輸送され、そして、平らな構成で販売されるマットレスなどの緩衝体よりも取り扱いが容易であることがある。
【0022】
図1は、緩衝体100の斜視図を例示する。幾つかの実施形態によれば、緩衝体100は、上部層104と底部層106との間に緩衝要素102を含むことがある。上部層104は、緩衝要素102の上部表面103に設けられる(例えば、取り付けられる)ことがある。底部層106は、緩衝要素102の底部表面105に設けられることがある。
【0023】
幾つかの実施形態では、上部層104及び底部層106は、発泡材料を含むことがある。他の実施形態では、上部層104は、エラストマ緩衝要素102に固定され又はそれと一体である伸縮性材料を含むことがある。そういった伸縮性材料は、2016年3月7日に出願されて、本出願の譲受人に譲渡された、米国特許出願シリアル番号第15/062,621号「Mattresses and Mattress Toppers Including Knitted Fabric, and Related Methods」に説明されており、その開示全体は、この参照によって本明細書に組み込まれる。更に他の実施形態では、緩衝体100は、追加の層を含むことがある。
【0024】
図2は、座屈壁108(例えば、セル壁、折り畳み壁)を有するエラストマ緩衝要素102の簡略化された上面図を例示する。エラストマ緩衝要素102の座屈壁108は、相互に相互連結されることがあり、また、拡大形態の中空柱110(例えば、ボイド、セル)を画定することがある。本明細書で使用されるとき、用語「拡大形態」は、緩衝要素102がそれの元のサイズ及び形状を有する状態を意味し、またそれを含んでおり、座屈壁108は、分離されて中空柱110(例えば、実質上非圧縮状態)を画定する。
【0025】
図2は、2つの方向に配向され、直角に交差し、矩形(例えば、正方形)のボイド110を画定する座屈壁108を例示する。しかしながら、座屈壁108は、他の角度で交差し、三角形、平行四辺形、六角形、他の四辺形、多角形等々などの他の形状のボイド110を画定することがある。エラストマ緩衝要素102は、例えば、2013年5月7日に発行された米国特許第8,434,748号「Cushions Comprising Gel Springs」、2014年1月14日に発行された米国特許第8,628,067号「Cushions Comprising Core Structures and Related Methods」、2014年12月30日に発行された米国特許第8,919,750号「Cushioning Elements Comprising Buckling Walls and Methods of Forming Such Cushioning Elements」、2015年1月13日に発行された米国特許第8,932,692号「Cushions Comprising Deformable Members and Related Methods」、で説明されたそれらの構造及び構成などの追加の構造及び構成を含むことがあり、それらの個々の開示全体は、この参照によって本明細書に組み込まれる。
【0026】
座屈壁108は、エラストマ材料で形成されることがある。エラストマ材料は、例えば、1999年11月30日に発行された米国特許第5,994,450号「Gelatinous Elastomer and Methods of Making and Using the Same and Articles Made Therefrom」、2011年6月21日に発行された米国特許第7,964,664号「Gel with Wide Distribution of MW in Mid- Block」、1983年1月18日に発行された米国特許第4,369,284号「Thermoplastic Elastomer Gelatinous Compositions」、2014年12月30日に発行された米国特許第8,919,750号「Cushioning Elements Comprising Buckling Walls and Methods of Forming Such Cushioning Elements」に説明されており、それらの個々の開示全体は、この参照によって本明細書に組み込まれる。エラストマ材料は、エラストマポリマ及び可塑剤を含むことがある。エラストマ材料は、ゼリー状エラストマ(当技術分野ではゲル、エラストマゲル、又はエラストマ系ゲルとも呼ばれる)、熱可塑性エラストマ、天然ゴム、合成エラストマ、天然エラストマと合成エラストマの混合物等々であり得る。
【0027】
エラストマポリマは、スチレンエチレンプロピレンスチレン(SEPS)、スチレンエチレンブチレンスチレン(SEBS)、及び、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレン(SEEPS)などのA-B-Aトリブロックコポリマであり得る。例えば、A-B-Aトリブロックコポリマは、現在商業的に、テキサス州ヒューストンのKuraray America,Inc.から商品名SEPTON(登録商標)4055で、また、テキサス州ヒューストンのKraton Polymers,LLCから商品名KRATON(登録商標)E1830、KRATON(登録商標)G1650、及び、KRATON(登録商標)G1651で、入手可能である。これらの例では、「A」ブロックは、スチレンである。「B」ブロックは、鉱物油若しくは他の炭化水素流体で可塑化させることのできるゴム(例えば、ブタジエン、イソプレン等々)又は水素化ゴム(例えば、エチレン/プロピレン、エチレン/ブチレン、若しくはエチレン/エチレン/プロピレン)であることがある。エラストマ材料は、本質的に熱可塑性であるか、又は、可塑剤によって溶媒化できるか、又は、多成分熱硬化性エラストマである、非スチレンエラストマポリマなどの、スチレン系コポリマ以外のエラストマポリマを含むことがある。
【0028】
エラストマ材料は、炭化水素流体などの1つ又は複数の可塑剤を含むことがある。例えば、エラストマ材料は、ニュージャージー州モーウォーのSonnebom,Inc.によって商品名BLANDOL(登録商標)及びCARNATION(登録商標)で販売されているものなど、芳香族を含まない食品グレードの白色パラフィン系鉱油を含むことがある。
【0029】
幾つかの実施形態では、エラストマ材料は、重量で約0.1:1から約50:1の可塑剤対ポリマ比を有することがある。例えば、エラストマ材料は、重量で約1:1から約30:1、又は、更には、重量で約1.5:1から約10:1の可塑剤対ポリマ比を有することがある。更なる実施形態では、エラストマ材料は、重量で約4:1の可塑剤対ポリマ比を有することがある。
【0030】
エラストマ材料は、1つ又は複数の充填剤(例えば、軽量ミクロスフェア)を有することがある。充填剤は、エラストマ材料の熱特性、密度、処理等々に影響を及ぼすことがある。例えば、中空ミクロスフェア(例えば、中空ガラスミクロスフェア又は中空アクリルミクロスフェア)は、断熱材として機能することによって、エラストマ材料の熱伝導率を低下させることがあり、その理由は、そういった中空ミクロスフェア(例えば、中空ガラスミクロスフェア又は中空アクリルミクロスフェア)が、可塑剤又はポリマよりも低い熱伝導率を有し得るからである。別の例として、金属粒子(例えば、アルミニウム、銅等々)は、得られるエラストマ材料の熱伝導率を増加させることがあり、その理由は、そういった粒子が、可塑剤又はポリマよりも高い熱伝導率を有し得るからである。ワックス又は別の相変化材料(即ち、緩衝要素が使用され得る温度付近で相変化を受けるように処方された材料)で充填されたミクロスフェアは、ミクロスフェア内のワックス又は他の相変化材料の相変化温度で又はその近くで(即ち、相変化の融解熱により)、温度安定性を提供することができる。相変化材料は、約20℃から約45℃の融点を有することがある。
【0031】
エラストマ材料は、酸化防止剤を含むこともある。酸化防止剤は、処理中の熱劣化の影響を低減することがあり、或いは、長期安定性を改善することがある。酸化防止剤は、例えば、ニュージャージー州イズリンのBASF Corp.からIRGANOX(登録商標)1010として、又は、カリフォルニア州ロサンジェルスのEverspring Corp.USAからEVERNOX(登録商標)-10として、商業的に入手可能であるペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-di-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)と;BASF Corp.からIRGANOX(登録商標)1076として、又は、Everspring ChemicalからEVERNOX(登録商標)76として、商業的に入手可能であるオクタデシル-3-(3,5-di-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートと;BASF Corp.からIRGAFOS(登録商標)168として、又は、Everspring ChemicalからEVERFOS(登録商標)168として、商業的に入手可能であるトリス(2,4-di-tert-ブチルフェニル)ホスファイトと;を含む。1つ又は複数の酸化防止剤は、エラストマ材料の単一の処方物に結合されることがある。可塑剤及びポリマの混合物への酸化防止剤の使用は、参照によって先に組み込まれた米国特許第5,994,450号のコラム25及び26に説明されている。エラストマ材料は、約5重量%まで酸化防止剤を含むことがある。例えば、エラストマ材料は、約0.10重量%から約1.0重量%の酸化防止剤を含むことがある。
【0032】
幾つかの実施形態では、エラストマ材料は、樹脂を含むことがある。樹脂は、変形後の緩衝要素102の反発を遅らせるために、エラストマ材料を改質するように選択されることがある。樹脂は、存在する場合に、テネシー州キングズポートのEastman Chemical Companyから商品名REGALREZ(登録商標)で、商業的に入手可能なものなど、水素化された純粋モノマ炭化水素樹脂を含むことがある。樹脂は、存在する場合に、粘着付与剤として機能することがあり、エラストマ材料の表面の粘着性を向上させる。
【0033】
幾つかの実施形態では、エラストマ材料は、顔料又は顔料の組合せを含むことがある。顔料は、審美的及び/又は機能的であることがある。即ち、顔料は、緩衝要素102に、消費者にとって魅力的な外観を提供することがある。加えて、暗色を有する緩衝要素102は、明色を有する緩衝要素102とは異なった放射を吸収することがある。
【0034】
エラストマ材料は、任意のタイプのゼリー状エラストマを含むことがある。例えば、エラストマ材料は、1重量部のスチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレン(SEEPS)エラストマトリブロックコポリマ(例えば、SEPTON(登録商標)4055)に対し4重量部の70重量ストレートカット白色パラフィン系鉱油(例えば、CARNATION(登録商標)白色鉱油)の溶融ブレンドを、並びに、任意選択で顔料、酸化防止剤、及び/又は、他の添加物を含むことがある。
【0035】
エラストマ材料は、変形後にそれの元の形状に戻り得ると共に弾性的に伸展され得る材料を含むことがある。エラストマ材料は、感触がゴムのようであり得るが、従来のゴム材料よりも、変形圧力を適用する物体の形状まで良好に変形することができ、また、従来のゴム材料よりも低いデュロメータ硬さを有することができる。例えば、エラストマ材料は、約50未満、約0.1から約50、又は、約5未満、のショアAスケールでの硬さを有することがある。
【0036】
エラストマ緩衝要素102は、射出成形を用いて形成されることがある。それらの様々なサイズのマットレスで使用するための大きな緩衝体を成形することのできる成形システムが、2016年9月20日に発行された米国特許第9,446,542号「Small Footprint Apparatus, Method, and Tooling for Molding Large Thermoplastic Parts」に説明されており、それの開示全体は、参照によって先に組み込まれている。成形システムは、プラテン、リニアアクチュエータ、トグルクランプ、射出ヘッド、及び、型を含むことがある。
【0037】
出願人は、成形される緩衝要素の製造中に、著しい量の緩衝材料が消耗されることを発見した。成形される緩衝要素を作り出すために使用される型は、緩衝体製造者にとって大きな出費を意味する場合がある。多くの場合、複数の異なった型を購入する費用を避けるために、単一の型が、複数の異なったサイズの緩衝要素を作り出すために使用される。大きめの型が小さめの緩衝要素を作り出すために使用されるとき、余分な緩衝材料は、除去及び廃棄されなければならない。廃棄される材料は、他の緩衝要素を製造するために再利用されることがある。しかしながら、材料を除去及び廃棄する行為は、著しい労力の費消を意味し、各成形プロセスの歩留りを低下させる。この著しい支出は、多くの場合、異なったサイズの型の購入及び交換の費用に関する支出が少なくなることを意味する。複数の異なったサイズの緩衝体のために単一の型を使用する、より効率的な方法は、コストを削減して製品の歩留りを向上させるのに役立つ。
【0038】
幾つかの実施形態では、緩衝体は、異なったゾーン(例えば、エリア、部分、要素)に構築される緩衝要素を含むことがある。図3は、異なったゾーンを有する緩衝要素202を備えた緩衝体200の実施形態を実証する。緩衝体200は、緩衝要素202の上部表面203及び底部表面205に当接する上部層204及び底部層206を含むことがある。緩衝体は、ベース208(例えば、箱ばね、ベッド枠、床、又は、シート)によって支持されることがある。緩衝要素202は、第1のゾーン210(例えば、支持ゾーン、緩衝枠、周辺緩衝体等々)、及び、第2のゾーン212(例えば、緩衝ゾーン、内部緩衝体、緩衝体インサート、睡眠ゾーン等々)を含むことがある。
【0039】
図4は、緩衝体200、具体的には、周辺緩衝体210(例えば、第1のゾーン)の実施形態を実証する。幾つかの実施形態では、周辺緩衝体210は、緩衝体200の周辺のまわりに位置決めされることがある。周辺緩衝体210は、少なくとも1つのボイド214を画定することがある。周辺緩衝体210は、圧縮性材料から形成されることがある。圧縮性材料は、限定ではなく、例として、発泡体、ゲル、ビニル、ゴム、ばね、天然若しくは合成繊維、流体充填可撓性容器、又は、エラストマポリマ材料などの緩衝体の製造に使用される材料を含むことがある。
【0040】
幾つかの実施形態では、周辺緩衝体210は、単一構造(例えば、単一のプロセスで形成された単一の材料片から構築された)であることがある。幾つかの実施形態では、周辺緩衝体210は、ボイド214を形成するための単一の材料片の中央エリアから材料を除去することによって、単一の材料片から形成されることがある。別の実施形態では、周辺緩衝体210は、ボイド214を画定する型を使用して形成されることがある。型は、ボイド214を明確に画定することがあり、従って、周辺緩衝体210を形成するために使用される材料は、ボイド214のまわりに形成される。
【0041】
別の実施形態では、周辺緩衝体210は、複数の材料片から構築されることがある。幾つかの実施形態では、複数の材料片は、同じ材料から形成されることがある。1つの大きな材料片が、周辺緩衝体210を構築するために使用され得るより小さな片に分離されることがある。他の実施形態では、複数の材料片は、異なった材料から形成されることがある。周辺緩衝体210の異なった領域に関して異なった材料が選択されることがある。異なった材料は、周辺緩衝体210の特定の領域で有利であり得るそれぞれ異なる特性を呈することがある。
【0042】
図5は、緩衝体200の実施形態を実証しており、周辺緩衝体210は、領域に分離されている。図5に実証された領域は、限定ではなく、例として提示される。周辺緩衝体210の領域は、頭領域216、足領域218、側部領域220、及び、中央領域222を含むことがある。各領域は、異なった材料から形成されることがある。例えば、頭領域216は、足領域218を形成するために使用される材料よりも高い剛性(例えば、弾性率、ヤング率、押し込み荷重撓み)を有する材料から形成されることがある。代替的に、足領域218は、頭領域216を形成するために使用されるものよりも高剛性の材料から形成されることがある。別の実施形態では、頭領域216及び足領域218は、同じ材料から形成されることがあり、側部領域220は、より高い剛性の材料から形成されることがある。他の実施形態では、頭領域216及び足領域218は、側部領域220のために使用されるものよりも高剛性の材料から形成されることがある。幾つかの実施形態では、中央領域222は、他の領域の全てよりも低剛性を有する材料から形成されることがある。代替的に、中央領域222は、他の領域よりも高剛性、又は、他の領域の剛性間の剛性、を有する材料から形成されることがある。例えば、中央領域222は、頭領域216及び足領域218よりも高く、側部領域220よりも低い剛性を有する材料から形成されることがある。
【0043】
幾つかの実施形態では、周辺緩衝体210は、発泡材料から形成されることがある。発泡材料の剛性は、押し込み荷重撓み(ILD)によって測定されることがある。周辺緩衝体210の異なった領域で使用される発泡体は、約10ILD~約70ILDの間、例えば、約10ILD~約55ILDの間、又は、約15ILD~約25ILDの間、の剛性を有することがある。幾つかの実施形態では、各領域は、異なった発泡材料から形成されることがあり、異なった発泡材料は、様々な異なったレベルの剛性を呈することもある。
【0044】
図6は、緩衝体200の実施形態を実証する。緩衝体200は、緩衝体インサート212aを含むことがある。緩衝体インサート212a(例えば、第2のゾーン)は、周辺緩衝体210によって画定されるボイド214(図4及び図5)内に配設されることがある。幾つかの実施形態では、緩衝体インサート212aは、発泡材料から形成されることがある。発泡材料は、約10ILD~約70ILDの間、例えば、約10ILD~約55ILDの間、又は、約15ILD~約25ILDの間、の剛性を有することがある。幾つかの実施形態では、緩衝体インサート212aは、周辺緩衝体210を形成するために使用される材料の剛性とは異なる剛性を有する発泡材料から形成されることがある。幾つかの実施形態では、緩衝体インサート212aを形成するために使用される発泡体は、周辺緩衝体210の領域の少なくとも1つを形成するために使用される発泡体と同様の剛性を有することがある。
【0045】
幾つかの実施形態では、緩衝体インサート212aは、ビニル、ゴム、ばね、天然繊維若しくは合成繊維、又は、流体充填可撓性容器などの他の緩衝材料から形成されることがある。
【0046】
図7は、ボイド214(図4及び図5)の内部に配設される緩衝体インサート212bを含む緩衝体200の実施形態を実証する。幾つかの実施形態では、緩衝体インサート212bは、上で、また、例えば、2013年5月7日に発行された米国特許第8,434,748号「Cushions Comprising Gel Springs」、2014年1月14日に発行された米国特許第8,628,067号「Cushions Comprising Core Structures and Related Methods」、2014年12月30日に発行された米国特許第8,919,750号「Cushioning Elements Comprising Buckling Walls and Methods of Forming Such Cushioning Elements」、及び、2015年1月13日に発行された米国特許第8,932,692号「Cushions Comprising Deformable Members and Related Methods」に説明されたエラストマ緩衝要素と同様のエラストマポリマであることがあり、その個々の開示全体は、参照によって先に組み込まれた。
【0047】
図8及び図9は、座屈壁228(例えば、セル壁、折り畳み壁)を有するエラストマ緩衝体インサート212を備えた緩衝要素202の上面図を例示する。エラストマ緩衝体インサート212の座屈壁228は、相互に相互連結されることがあり、また、拡大形態の中空柱230(例えば、ボイド、セル)を画定することがある。図8及び図9は、2つの方向に配向され、直角に交差し、矩形(例えば、正方形)のボイド230を画定する座屈壁228を例示する。しかしながら、座屈壁228は、他の角度で交差し、三角形、平行四辺形、六角形、他の四辺形、多角形等々などの他の形状の中空柱230を画定することがある。エラストマ緩衝体インサート212は、例えば、2013年5月7日に発行された米国特許第8,434,748号「Cushions Comprising Gel Springs」、2014年1月14日に発行された米国特許第8,628,067号「Cushions Comprising Core Structures and Related Methods」、2014年12月30日に発行された米国特許第8,919,750号「Cushioning Elements Comprising Buckling Walls and Methods of Forming Such Cushioning Elements」、及び、2015年1月13日に発行された米国特許第8,932,692号「Cushions Comprising Deformable Members and Related Methods」に説明されたそれらの構造及び構成などの追加の構造及び構成を含むことがあり、それらの個々の開示全体は、参照によって先に組み込まれた。
【0048】
緩衝体インサート212は、ボイド214を補完するために形成されることがある。緩衝体インサート212は、緩衝体インサート212が挿入される緩衝要素202の外形寸法よりも小さな寸法を有することがある。幾つかの実施形態では、緩衝体インサート212は、ボイド214よりも小さな寸法を有することがある。幾つかの実施形態では、緩衝体インサート212の寸法は、ボイドよりも実質上小さいことがあり、従って、複数の緩衝体インサート212は、ボイド214を充填するために使用されることがある。他の実施形態では、緩衝体インサート212の寸法は、緩衝体インサート212の挿入及びボイド214からの除去を容易にするために、ボイド214よりも僅かに小さくすることがある。幾つかの実施形態では、緩衝体インサート212の寸法は、ボイド214と実質上同じか又はそれよりも大きいことがあり、従って、いったん挿入されると、緩衝体インサート212は、緩衝体インサート212及び周辺緩衝体210間の機械的干渉に起因して、定位置に固定されることがある。
【0049】
緩衝要素202は、意図する使用に基づいて任意の選択された寸法を有することがある。例えば、緩衝体200がキングサイズのベッド用のマットレスである場合、緩衝要素202は、約193cm(76インチ)×約203cm(80インチ)であり、厚さが約5.08cm(2インチ)であることがある。緩衝体100がクイーンサイズのベッド用のマットレスである場合、緩衝要素202は、約152cm(60インチ)×203cm(80インチ)であり、厚さが約5.08cm(2インチ)であることがある。緩衝体100が特別長いツインサイズのベッド用のマットレスである場合、緩衝要素202は、約96.5cm(38インチ)×203cm(80インチ)であり、厚さが約5.08cm(2インチ)であることがある。緩衝体100が小さなペットベッドである場合、緩衝要素202は、約48.2cm(19インチ)×約66cm(26インチ)であり、厚さが約2.54cm(1インチ)であることがある。緩衝体100が中ぐらいのペットベッドである場合、緩衝要素202は、約73.6cm(29インチ)×約96.5cm(38インチ)であり、厚さが約2.54cm(1インチ)であることがある。緩衝体100が大きなペットベッドである場合、緩衝要素202は、約96.5cm(38インチ)×約127cm(50インチ)であり、厚さが約2.54cm(1インチ)であることがある。幾つかの実施形態では、緩衝要素202は、任意の他の選択された厚さを有することがあり、例えば、約7.62cm(3インチ)、約2.54cm(1インチ)、又は、約10.16cm(4インチ)である。
【0050】
図8を参照する。幾つかの実施形態では、周辺緩衝体210は、1つのボイド214を画定することがある。緩衝体インサート212は、次にはボイド214の中に挿入されることがある。緩衝体インサート212は、緩衝体インサート212が挿入される緩衝要素202よりも小さな寸法を有することがある。例えば、緩衝要素202がキングサイズのマットレス用である場合、緩衝体インサート212は、約178cm(70インチ)×約183cm(72インチ)未満であり、厚さが約5.08cm(2インチ)であることがある。緩衝要素202がクイーンサイズのマットレス用である場合、緩衝体インサート212は、約137cm(54インチ)×183cm(72インチ)未満であり、厚さが約5.08cm(2インチ)であることがある。緩衝要素202が特別長いツインサイズのマットレス用である場合、緩衝体インサート212は、約76cm(30インチ)×183cm(72インチ)であり、厚さが約5.08cm(2インチ)であることがある。幾つかの実施形態では、緩衝体インサート212は、緩衝要素202と同じ厚さを有することがあり、例えば、約7.62cm(3インチ)、約2.54cm(1インチ)、又は、10.16cm(約4インチ)である。他の実施形態では、緩衝体インサート212は、緩衝要素202の厚さよりも小さい、又は、緩衝要素202の厚さよりも大きい、厚さを有することがある。
【0051】
図9を参照する。幾つかの実施形態では、緩衝体インサート212は、意図する使用に関係なく、実質上同じ寸法を有することがある。例えば、緩衝体インサート212は、約96.5cm(38インチ)×203cm(80インチ)である特別長いツインサイズのマットレスの寸法よりも小さいことがあり、例えば、約76cm(30インチ)×183cm(72インチ)、約66cm(26インチ)×203cm(80インチ)、約63.5cm(25インチ)×183cm(72インチ)、約66cm(26インチ)×137cm(54インチ)、約63.5cm(25インチ)×142cm(56インチ)、又は、約51cm(20インチ)×127cm(50インチ)である。幾つかの実施形態では、マットレス用の緩衝体インサート212のサイズは、その上に寝る人又は動物の平均サイズに基づいて選択されることがある。寸法は、緩衝体インサート212がマットレスを使用する平均的な人の肩領域及びヒップ領域間に延びることができように、選択されることがある。緩衝体インサート212は、次には、平均的な人が寝るエリアの任意のサイズのマットレスに挿入されることがあり、従って、平均的な人の肩及びヒップ領域は、睡眠時に、実質上緩衝体インサートの上に来ることになる。
【0052】
幾つかの実施形態では、周辺緩衝体210のボイド214は、緩衝体インサート212に対して相補的な寸法に形成されることがある。緩衝体インサート212が意図する使用に関係なく実質上同じサイズである実施形態では、同じ緩衝体インサート212は、緩衝要素202がツインサイズのマットレス、キングサイズのマットレス、又は、任意の他のサイズの緩衝体の用途を意図されてもされなくても、緩衝要素202の周辺緩衝体のボイド214に挿入されることがある。幾つかの実施形態では、より大きい緩衝体は、周辺緩衝体210によって画定される複数のボイド214を有することがある。例えば、幾つかの実施形態では、周辺緩衝体210は、2つのボイド214を画定することがあり、図9に示された通りである。他の実施形態では、周辺緩衝体210は、2つより多くのボイド214(例えば、3つのボイド、4つのボイド等々)を画定することがある。
【0053】
幾つかの実施形態では、エラストマ緩衝体インサート212は、上で説明された射出成形プロセスによって形成されることがある。幾つかの実施形態では、エラストマ緩衝体インサート212は、個々のプロセスによって各エラストマ緩衝体インサート212を形成するために、エラストマ緩衝体インサート212と同じサイズの型を使用して形成されることがある。
【0054】
図10を参照すると、幾つかの実施形態では、エラストマ緩衝体インサート212は、大きな型を使用して形成されることがある。例えば、エラストマ緩衝体インサート212は、キングサイズのエラストマ緩衝要素211を形成するために使用される型を使用して形成されることがある。大きなエラストマ緩衝要素211の形成後に、エラストマ緩衝要素211は、複数のエラストマ緩衝体インサート212に分離されることがある。緩衝体インサート212は、例えば、湿式鋸プロセス、乾式鋸プロセス、ホットワイヤプロセス、ホットナイフプロセス、又は、当技術分野で知られている他のプロセスなどのプロセスを使用して、エラストマ緩衝要素211をカットすることによって分離されることがある。
【0055】
エラストマ緩衝体インサート212が大きな型を使用して形成される実施形態では、寸法は、使用される大きな型に依存することがある。幾つかの実施形態では、限定ではなく、例として、キングサイズのマットレス型が使用されることがある。キングサイズのマットレス型は、幅が、約193cm(76インチ)から約208cm(82インチ)の間、例えば、198cm(78インチ)から約205.75cm(81インチ)の間(例えば、約203.2cm(80インチ))であり、長さが、約203cm(80インチ)から約213cm(84インチ)の間、例えば、約205.75cm(81インチ)から約210.8cm(83インチ)の間(例えば、約208cm(82インチ))であることがある。幾つかの実施形態では、キングサイズのマットレス型は、キングサイズの緩衝要素の最終寸法よりも大きな寸法を有することがある。大きなエラストマ緩衝要素211は、大きな型と実質上同じ寸法を有することがある。例えば、大きな型がキングサイズのマットレス型である場合、大きなエラストマ緩衝要素211は、約193cm(76インチ)から約208cm(82インチ)の間の幅、及び、約203cm(80インチ)から約213cm(84インチ)の間の長さ、を有することがある。幾つかの実施形態では、大きなエラストマ緩衝要素211の成形後に、より小さなエラストマ緩衝体インサート212が分離されることがある。
【0056】
幾つかの実施形態では、エラストマ緩衝体インサート212の寸法は、各大きなエラストマ緩衝要素211からのエラストマ緩衝体インサート212の歩留りを最大化するために選択されることがある。図10は、大きなエラストマ緩衝要素211が複数のエラストマ緩衝体インサート212に分離される実施形態を実証する。幾つかの実施形態では、エラストマ緩衝要素211は、4つの類似のサイズ(例えば、同じサイズ)のエラストマ緩衝体インサート212に分離されることがある。エラストマ緩衝体インサート212は、図10に示された通り、個々が寸法x及び寸法yを有することがある。例えば、エラストマ緩衝要素211がキングサイズのエラストマ緩衝要素である場合に、寸法xは、約56cm(22インチ)から約68.5cm(27インチ)の間、例えば、約56cm(22インチ)から約58.5cm(23インチ)の間(例えば、約58.5cm(23インチ)又は約61cm(24インチ))であることがある。y寸法は、約137cm(54インチ)から約150cm(59インチ)の間、例えば、約137cm(54インチ)から約139.5cm(55インチ)の間(例えば、約137cm(54インチ))であることがある。
【0057】
3つのエラストマ緩衝体インサート212は、図10に示された通り、エラストマ緩衝要素211に対して長手方向に並んで配向されて、エラストマ緩衝要素211の一端から延びることがある。第4のエラストマ緩衝体インサート212は、図10に示された通り、水平に配向されることがあり、また、3つの並んだエラストマ緩衝体インサート212の長手方向端部に沿って隣接して延びることがある。
【0058】
緩衝要素211が4つのセクションに分離されるとき、小さなスクラップ部分213が残っていることがある。幾つかの実施形態では、スクラップ部分213は、限定ではなく、例として、ペットベッド、シート緩衝体、又は枕などの、より小さな独立した緩衝要素を形成するために使用されることがある。他の実施形態では、スクラップ部分213は、他のスクラップ部分と併せて使用され、緩衝体202(図9)のボイド214(図9)を埋めるために組立てされることがある。スクラップ部分213は、エラストマ緩衝体インサート212のサイズによって少なくとも部分的に画定される寸法x’及びy’を有することがある。寸法x’は、約43cm(17インチ)から約66cm(26インチ)の間、例えば、約43cm(17インチ)から約48cm(19インチ)の間であることがある。寸法y’は、約53cm(21インチ)から約76cm(30インチ)の間、例えば、約53cm(21インチ)から約58.5cm(23インチ)の間であることがある。
【0059】
更に他の実施形態では、小さなスクラップ部分213は、単にリサイクル又は廃棄されることがある。
【0060】
幾つかの実施形態では、緩衝要素211は、水平に(例えば、水平面で)分離されることがある。例えば、10.16cm(4インチ)の厚さである緩衝要素211は、個々が5.08cm(2インチ)の厚さである2つの緩衝要素211に分離されることがある。別の例では、緩衝要素211は、2つの緩衝要素211に分離されることがあり、一方の緩衝要素211は、約7.62cm(3インチ)の厚さであり、他方の緩衝要素211は、約2.54cm(1インチ)の厚さである。他の厚さ(例えば、7.62cm(3インチ)、5.08cm(2インチ))を有する緩衝要素211は、より薄い厚さ(例えば、5.08cm(1インチ)、7.62cm(2インチ)、及び、1.27cm(0.5インチ))の緩衝要素211を形成するために、水平に分離されることもある。幾つかの実施形態では、エラストマ緩衝体インサート212は、それらが緩衝要素211から分離された後に、水平に分離されることがある。
【0061】
幾つかの実施形態では、緩衝要素211は、カットプロセス(例えば、湿式鋸プロセス、乾式鋸プロセス、ホットワイヤプロセス、ホットナイフプロセス)を通して水平に分離されることがある。図11図12、及び図13は、緩衝要素211(図10)を水平に分離するために使用されることのある治具300の実施形態を例示する。幾つかの実施形態では、緩衝要素211(図10)は、カット前に治具300(例えば、枠、支持体、案内、テンプレート)に配置されることがある。緩衝要素211(図10)は、緩衝要素211(図10)内の隣接する座屈壁228(図8)が実質上一緒に押圧されるように、治具300内で圧縮されることがあり、また、中空柱230(図8)が最小化され得るか又は実質上存在し得ないように、座屈することがある。治具300は、緩衝要素211(図10)を異なった形状(例えば、正方形、矩形、菱形、長円形、六角形等々)に圧縮するように構成されることがある。幾つかの実施形態では、治具300の形状は、緩衝要素211(図10)の圧縮を最大化するために決定されることがある。他の実施形態では、治具の形状は、使用されるカットプロセスの制限されたカット幅によって影響を受けることがある。
【0062】
図11は、治具300の実施形態の斜視図を例示する。幾つかの実施形態では、治具300は、実質上ダイヤモンド形状であることがある。治具300は、上部部分302及び底部部分304を有することがある。上部部分302及び底部部分304は、緩衝要素211(図10)が上部部分302及び底部部分304間に配置されるときに、空間306が上部部分302及び底部部分304間に残るように構成されることがある。上部部分302は、治具が組み立てられるときに、緩衝要素211(図10)の上部部分の上に載り得る上部棚308を有することがある。底部部分304は、緩衝要素211(図10)の底部部分と接触し得る底部棚310を有することがある。上部部分302及び底部部分304は、緩衝要素211(図10)の側部を固定し得る側壁312を有することもある。側壁312は、上部棚308及び底部棚310と併せて、緩衝要素211(図10)を治具300内に効果的に固定することがある。
【0063】
図12は、治具300の実施形態の斜視図を例示する。幾つかの実施形態では、治具300は、ブレーシング314を含むことがある。幾つかの実施形態では、ブレーシング314は、上部棚308の上に位置することがある。他の実施形態では、ブレーシング314は、底部棚310の下に位置することがある。幾つかの実施形態は、上部棚308の上、及び、底部棚310の下、にブレーシング314を含むことがある。ブレーシングは、上部棚308又は底部棚310と接触していない緩衝要素211(図10)の部分を固定するように構成されることがある。幾つかの実施形態では、ブレーシング314は、圧縮力を緩衝要素211(図10)に対して維持するために、重量を上部部分302に加えるように構成されることがある。幾つかの実施形態では、ブレーシング314は、治具300の上部部分302及び/又は底部部分304を囲む材料の平面シートを含むことがある。他の実施形態では、ブレーシング314は、上部部分302及び/又は底部部分304に配置された複数の部材(例えば、バー、ロッド、管、ポスト)を含むことがある。
【0064】
図13は、治具300の別の実施形態の上面図を例示する。幾つかの実施形態では、治具300は、細長い六角形の形状を有することがある。治具300は、斜めの前壁322及び斜めの後壁324を備えた延長側面320を有することがある。治具300の延長側面320は、ブレーシング326によって画定された距離だけ分離されることがある。ブレーシング326のサイズは、実施されるカットプロセスの制限に基づいて決定されることがある。例えば、緩衝要素211(図10)を水平にカットするために湿式鋸プロセスが使用される場合、ブレーシング326のサイズは、湿式鋸刃の最大カット幅よりも小さくなるように選択されることがある。
【0065】
治具300は、木材、金属(例えば、アルミニウム、鋼等々)、複合材料(例えば、ガラス繊維、炭素繊維等々)、又は、それらの任意の組合せなどの実質上剛性材料から形成されることがある。
【0066】
ここで図11及び図12を参照する。幾つかの実施形態では、カットプロセスは、治具300の上部部分302及び底部部分304間のギャップ306によって露出されたエリアで緩衝要素211(図10)をカットすることがある。幾つかの実施形態では、緩衝要素211(図10)をカットするために湿式鋸プロセスが使用されることがある。例えば、潤滑型の帯鋸が使用されることがある。帯鋸刃は、上部部分302及び底部部分304間のギャップ306を通過することができ、緩衝要素211(図10)をカットする。別の例では、治具300内に圧縮される前に、潤滑剤が、緩衝要素211(図10)の上に配置されることがある。幾つかの実施形態では、振動鋸が、緩衝要素211(図10)をカットするために使用されることがある。例えば、振動鋸刃は、ギャップ306を通過することができ、緩衝要素211(図10)をカットする。幾つかの実施形態では、振動鋸刃は、乾式であることがある(例えば、潤滑剤を使用しない)。
【0067】
図14は、緩衝体200の断面図を例示する。幾つかの実施形態では、緩衝体インサート212の上部表面224及び周辺緩衝体210の上部表面226は、緩衝体インサート212が周辺緩衝体210によって画定されたボイド214内に挿入された後に、実質上整列されることがある。上部層204は、緩衝体インサート212の上部表面224及び周辺緩衝体の上部表面226に当接することがある。幾つかの実施形態では、緩衝体インサート212の底部表面225及び周辺緩衝体210の底部表面227は、緩衝体インサート212がボイド214内に挿入された後に、実質上整列されることがある。緩衝体インサート212の底部表面225及び周辺緩衝体210の底部表面227は、両方が底部層206に当接することがある。
【0068】
幾つかの実施形態では、緩衝体インサート212は、接着剤、熱結合、又は、機械式締結体を使用して、周辺緩衝体210に取り付けられることがある。例えば、緩衝体インサート212の側面230は、周辺緩衝体210の側面232に取り付けられることがあり、接着剤(例えば、熱接着剤、水性接着剤等々)、フックアンドループ接着剤、熱融着、ステープル、ステッチング、布地カバー等々を使用する。幾つかの実施形態では、緩衝体インサート212は、上部層204及び/又は底部層206を通して周辺緩衝体210に取り付けられることがある。例えば、上部層204及び/又は底部層206は、緩衝体インサート212及び周辺緩衝体210の両方に取り付けられることがあり、接着剤(例えば、熱接着剤、水性接着剤等々)、フックアンドループ接着剤、熱融着、ステープル、ステッチング、布地カバー等々を使用する。
【0069】
幾つかの実施形態では、緩衝体インサート212を、他の要素の少なくとも1つに、例えば、周辺緩衝体210、上部層104、及び/又は、底部層106に、取り付け(例えば、付着、接着、固定等々)するために、安定化材料(例えば、スクリム材料)が使用されることがある。安定化材料は、2017年7月28日に出願されて、本出願の譲受人に譲渡された、米国特許出願シリアル番号第15/662,934号「Mattresses Including Spacer Fabric and Related Methods」に説明されており、その開示全体は、この参照によって本明細書に組み込まれる。幾つかの実施形態では、安定化材料は、緩衝体インサート212の上にだけ配置され、緩衝体インサートを周囲の要素に取り付けるために使用されることがある。別の実施形態では、安定化材料は、組み立てられた緩衝要素202の上に配置されることがあり、緩衝体インサート212及び周辺緩衝体210の両方を含む。安定化材料は、次には緩衝要素202を、上部層204及び/又は底部層206などの周囲の要素に取り付けるために使用されることがある。
【0070】
幾つかの実施形態では、緩衝体インサート212は、周辺緩衝体210に取り付けられないことがある。緩衝体インサート212は、取り外し可能及び/又は交換可能であることがある。幾つかの実施形態では、緩衝体インサート212は、解除可能な取り付け方法(例えば、フックアンドループ締結体、VELCRO(登録商標)、スナップ、ボタン等々)を介して取り付けられることがある。他の実施形態では、緩衝体インサート212は、取り付け部なしで底部層206上に載っていることがある。緩衝体インサート212は、緩衝体インサート212を緩衝体200の他の要素で囲むことによって固定されることがある。周辺緩衝体210の側面232は、緩衝体インサート212の側面230との接触を介して緩衝体インサート212を固定することがある。上部層204は、緩衝体インサート212の上部面224との接触を介して緩衝体インサート212を固定することがある。
【0071】
図15は、緩衝体200の実施形態を例示する。幾つかの実施形態では、布地カバー234は、緩衝体200を取り囲むことがある。布地カバーの幾つかの例が、2016年3月7日に出願された米国特許出願シリアル番号第15/062,621号「Mattresses and Mattress Toppers Including Knitted Fabric, and Related Methods」、及び2016年3月7日に出願された米国特許出願シリアル番号第15/063,143号「Cushion Cover with Integrally Knit, High-Relief Graphic Feature and Cushions Employing Such Cushion Covers」に実証され、その両方は、本出願の譲受人に譲渡されており、個々の開示全体は、この参照によって本明細書に組み込まれる。緩衝体インサート212が緩衝体200の他の要素に取り付けられていない実施形態では、布地カバー234は、緩衝体インサート212の上部表面224(図10)を固定することがある。幾つかの実施形態では、緩衝要素202は、異なったテクスチャを有し得る異なったゾーン及び領域の複数の異なった材料から作られており、布地カバー234は、均一なテクスチャを緩衝要素202の上部に提供することがある。
【0072】
幾つかの実施形態では、緩衝要素202は、圧縮されることがある。例えば、緩衝要素202は、シリンダ形状にロールパックされることがある。マットレスをロールパックする方法は、例えば、2011年11月1日に発行された米国特許第8,046,973号「Machine for Packaging Mattresses」、2003年4月24日に公開された米国特許出願公開第2003/0074863号「Method for Roll Packing Foam Cores」、2015年7月23日に公開された米国特許出願公開第2015/0203221号「System and Method for Packaging a Foam Product」、及び、2016年3月7日に出願されて、本出願の譲受人に譲渡された米国特許出願シリアル番号第15/063,114号「A Bag for Shipping a Cushion and Related Methods」に説明されており、その個々の開示全体は、この参照によって本明細書に組み込まれる。
【0073】
幾つかの実施形態では、ロールパック機械は、緩衝要素202を圧縮形態に変形させるのに十分な荷重を適用することがある。本明細書で使用されるとき、「圧縮形態」という用語は、或る状態を意味し、またそれを含み、その状態では、緩衝要素202は、それの元のサイズ及び形状とは異なったサイズ及び形状を有し、緩衝体インサート212の隣接する座屈壁228は、実質上互いに押し付けられ、また、折り畳まれることがあり、従って、中空柱230は、最小化され得るか又は実質上存在し得ない。本明細書に先に組み込まれた米国特許出願シリアル番号第15/063,114号に説明されているように、圧縮形態の緩衝要素202を含む緩衝体200は、シリンダ形バッグなどに包装されて、顧客に輸送されることがある。緩衝体200を使用するために、顧客は、緩衝体200をパッケージから取り出すことがあり、緩衝体200及び緩衝要素202がそれの元のサイズ及び形状に戻ることを可能にすることがある。
【0074】
観察されたことは、エラストマ材料が、本開示の実施形態に従って、十分に粘着性を有し得、従って、緩衝体200がバッグから取り外された後に、緩衝体インサート212が拡大形態に戻らないことがある、ということである。即ち、座屈壁228は、緩衝体200がバッグから取り外された後に、相互にくっ付くか又は相互にくっ付いたままであることがある。幾つかの実施形態では、緩衝体インサート212は、適度な時間(例えば、約8時間未満)内に拡大形態に戻らないことがある。他の実施形態では、エラストマ緩衝体インサート212は、座屈壁228を分離するために緩衝体インサート212を手動又は機械式に操作(例えば、引っ張る)することなく、拡大形態に戻らないことがある。緩衝体インサート212が、周辺緩衝体210に挿入され、緩衝体200の上部層204及び/又は底部層206によってカバーされるとき、層204及び/又は206は、エラストマ緩衝体インサート212への直接アクセスを抑制することがあり、座屈壁228を分離する目的でエラストマ緩衝体インサート212の操作を妨げることがある。このポリマ材料同士のくっ付きは、当技術分野では「ブロッキング」と呼ばれる。エラストマ緩衝体インサート212が圧縮形態から拡大形態に戻るのを可能にするために、エラストマ緩衝体インサート212の表面は、コーティング材料(例えば、粘着防止材料、くっ付き防止材料)を座屈壁228の表面上に有することがある。コーティング材料は、座屈壁228の全ての部分をカバーする薄膜を含むことがあり、2017年7月20日に出願されて、本出願の譲受人に譲渡された米国特許出願シリアル番号第15/654,948号「Cushions Including a Coated Elastomeric Cushioning Element and Related Methods」に記載されている通りであり、その開示全体は、この参照によって本明細書に組み込まれる。コーティング材料は、粉末を含むこともあり、2017年3月7日に出願されて、本出願の譲受人に譲渡された米国特許出願シリアル番号第15/062,674号「Cushions Including a Coated Elastomeric Cushioning Element and Related Methods」に記載されている通りであり、その開示全体は、この参照によって本明細書に組み込まれる。
【0075】
幾つかの実施形態では、コーティング組成物は、湿式鋸用の潤滑剤として使用されることがある。即ち、緩衝要素211(図10)がコーティングされた後、典型的には緩衝要素211(図10)が乾燥される前に、緩衝要素211(図10)は、カットされることがある。コーティング組成物は、鋸刃が緩衝要素211(図10)をカットするときに、鋸刃上の緩衝要素211(図10)のエラストマ材料の結合を制限又は防止することがある。潤滑剤が別途供給される必要がないため、製造時間及びコストが減少されることがある。その上、従来の切削潤滑剤に通例伴う洗浄及び乾燥のサイクルが回避されることがある。
【0076】
異なったゾーン及び/又は領域で複数の異なった材料から緩衝体を形成することは、生産プロセス中に廃棄材料の量を著しく低減することがある。追加的に、各緩衝体に必要とされる労力の量は、プロセスをより効率的にし、各プロセスの歩留りを改善することによって減らされることもある。材料及び労力に関する効率の増加、並びに、各プロセスの歩留りの改善は、緩衝体の製造業者にとって著しいコスト削減をもたらすことがある。
【0077】
本開示は、或る種の例示された実施形態に関して本明細書で説明されたが、当業者は、それがそのように限定されないことを認識及び評価するであろう。寧ろ、例示された実施形態に対する多くの追加、削除、及び修正は、その法的等価物を含む以降に権利請求されるような開示の範囲から逸脱することなく行うことができる。加えて、一実施形態からの特徴は、別の実施形態の特徴と組み合わせることができ、同時に、本発明者によって企図されたように本開示の範囲内に依然として包含される。
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