IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NOK株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-樹脂製カバーにおける密封構造 図1
  • 特許-樹脂製カバーにおける密封構造 図2
  • 特許-樹脂製カバーにおける密封構造 図3
  • 特許-樹脂製カバーにおける密封構造 図4
  • 特許-樹脂製カバーにおける密封構造 図5
  • 特許-樹脂製カバーにおける密封構造 図6
  • 特許-樹脂製カバーにおける密封構造 図7
  • 特許-樹脂製カバーにおける密封構造 図8
  • 特許-樹脂製カバーにおける密封構造 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-21
(45)【発行日】2022-05-02
(54)【発明の名称】樹脂製カバーにおける密封構造
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/3204 20160101AFI20220422BHJP
   F16J 15/447 20060101ALI20220422BHJP
   F02F 11/00 20060101ALI20220422BHJP
   F02F 7/00 20060101ALI20220422BHJP
   B29C 65/06 20060101ALI20220422BHJP
【FI】
F16J15/3204 201
F16J15/447
F02F11/00 Z
F02F7/00 K
B29C65/06
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020539313
(86)(22)【出願日】2019-08-09
(86)【国際出願番号】 JP2019031669
(87)【国際公開番号】W WO2020045062
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2020-08-24
(31)【優先権主張番号】P 2018159351
(32)【優先日】2018-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】庄内 しほ
(72)【発明者】
【氏名】杉原 弘恵
(72)【発明者】
【氏名】濱本 耕吉
(72)【発明者】
【氏名】西村 智昭
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-071542(JP,U)
【文献】特開2016-121763(JP,A)
【文献】特開2011-241891(JP,A)
【文献】特開平05-177711(JP,A)
【文献】特開2009-209688(JP,A)
【文献】特開2006-242000(JP,A)
【文献】特開平06-285994(JP,A)
【文献】特開平11-216776(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/3204
F16J 15/447
F02F 11/00
F02F 7/00
B29C 65/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製のカバーと、軸部と、の間の環状の空間を密封する密封構造であって、
前記軸部が挿通される貫通孔が設けられた前記カバーと、
記貫通孔と前記軸部との間の密封を図るための密封装置とを備え、
前記密封装置は、軸線周りに環状の樹脂製の支持環と、前記支持環に取り付けられている前記軸線周りに環状の弾性体から形成された弾性体部とを備え、
前記軸線に沿った方向において、前記カバーの内部に近づく方向を内側、前記カバーの内部から離れる方向を外側とし、
前記弾性体部は、前記軸部に該軸部が摺動可能に接触する環状のシールリップを有しており、
前記支持環は、
前記貫通孔内に進入するように位置している進入部と、
前記貫通孔よりも前記外側に突出すると共に、前記進入部よりも外周側へ出っ張っている外側部と、
前記外側部に形成されている部分であって、前記内側に面する面である接合面を有する接合部分と、を有し、
前記進入部は、前記軸線に沿って延びた形状をなしており、外周側に面する外周面を有しており、
前記外周面は、前記貫通孔を形成する前記カバーの内周面と嵌合しておらず、
前記接合部分は、前記カバーに溶着されて接合されている、
ことを特徴とする密封構造。
【請求項2】
前記外周面は、前記軸線に沿った方向において、前記外側から前記内側に向かって縮径するテーパ面となっている、
ことを特徴とする請求項1に記載の密封構造。
【請求項3】
前記外側部は、前記外側から前記内側に向かって凹む環状の凹部であり、溶着治具を嵌めることが可能な溶着治具ガイド部を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の密封構造。
【請求項4】
前記密封装置よりも前記外側にトーショナルダンパとしてのダンパプーリが設けられ、
前記支持環と前記ダンパプーリとによってラビリンスシールが形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の密封構造。
【請求項5】
前記ダンパプーリは、前記溶着治具ガイド部に入り込む環状の突出部を有し、
前記溶着治具ガイド部と前記前記突出部とでラビリンスシールが形成されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の密封構造。
【請求項6】
環状であり、樹脂製の支持環と、
前記支持環に取り付けられ、弾性体から形成された弾性体部と、を有し、
前記弾性体部は、
前記支持環の内周側を覆うように前記支持環と一体的に形成され、
シールリップを有し、
前記支持環は、
前記軸線と直交する環状の側面に、前記軸線に沿った方向へ凹む環状の凹部であり、溶着治具を嵌めることが可能な溶着治具ガイド部を有する、
ことを特徴とする密封装置。
【請求項7】
前記支持環は、
前記軸線と沿った方向において、前記側面とは反対側の面である接合面と、
前記接合面から凸となる環状の突起部有する、
ことを特徴とする請求項6に記載の密封装置。
【請求項8】
前記支持環は、前記突起部の内周側及び外周側の少なくともいずれかの位置に、前記接合面から凹む環状の凹部が設けられている、
ことを特徴とする請求項7に記載の密封装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製カバーにおける密封構造に関し、特に樹脂製のエンジンのフロントカバー等における運動部材との間の密封装置を用いた密封構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば車両のエンジンにおいて、クランケース側面に取り付けられた補器やタイミングチェーンを覆うエンジンのフロントカバーには貫通孔が設けられており、この貫通孔を通ってクランクシャフトの端部が外部に飛び出しており、この端部にトーショナルダンパが取り付けられている。フロントカバーの貫通孔において、この貫通孔とクランクシャフトの端部又はトーショナルダンパのボス部との間には環状の空間が形成され、この空間を密封するために密封装置としてのオイルシールが用いられている。オイルシールは、フロントカバーの貫通孔に圧入されて、外周側のゴム材が圧縮されることによりフロントカバーに固定されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
近年、車両の燃費向上等の理由から、車両の軽量化が図られており、エンジンも軽量化が図られており、エンジンのフロントカバーに対しても軽量化は求められている。従来のエンジンのフロントカバーは、アルミニウム合金等の金属製であったが、軽量化のため、エンジンのフロントカバーの樹脂化が検討されてきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平7-55015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
樹脂の成形品は、寸法公差が大きく、また、樹脂は熱膨張率やクリープ変形量が大きい。このため、エンジンにおいて樹脂製のフロントカバーを用いた場合、貫通孔に圧入されるオイルシールとフロントカバーとの間に隙間が形成される懸念がある。特に、オイルシールのゴム材とフロントカバーの樹脂材との間の熱膨張率の差により、フロントカバーが熱膨張した際に、フロントカバーの貫通孔の内周面とオイルシールの外周面との間に隙間が形成されるおそれがある。
【0006】
このように、樹脂製のエンジンのフロントカバー等の樹脂製のカバーにおける密封構造に対しては、周辺温度等の使用状態に拘わらず密封性能を維持することができる構成が求められていた。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用状態に拘わらず密封性能を維持することができる樹脂製のカバーにおける密封構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る樹脂製のカバーにおける密封構造は、軸部が挿通される貫通孔が設けられた樹脂製のカバーと、前記樹脂製のカバーの貫通孔と前記軸部との間の密封を図るための密封装置とを備え、前記密封装置は、軸線周りに環状の樹脂製の支持環と、前記支持環に取り付けられている前記軸線周りに環状の弾性体から形成された弾性体部とを備え、前記弾性体部は、前記軸部に該軸部が摺動可能に接触する環状のシールリップを有しており、前記支持環は、前記樹脂製のカバーに接合されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る樹脂製のカバーにおける密封構造において、前記支持環は、前記樹脂製のカバーに溶着によって接合されている。
【0010】
本発明の一態様に係る樹脂製のカバーにおける密封構造において、前記支持環の前記樹脂製のカバーに接合される部分である接合部分は、前記軸線周りに環状であり、前記接合部分は、前記軸線方向に凸の環状の突起部を有しており、前記支持環は、溶かされた前記突起部を介して前記樹脂製のカバーに接合されている。
【0011】
本発明の一態様に係る樹脂製のカバーにおける密封構造において、前記支持環には、前記突起部の内周側及び外周側の少なくともいずれかに、前記軸線方向に凹む環状の凹部が設けられている。
【0012】
本発明の一態様に係る樹脂製のカバーにおける密封構造において、前記支持環は、前記樹脂製のカバーに接着剤によって接合されている。
【0013】
本発明の一態様に係る樹脂製のカバーにおける密封構造において、前記軸部は、トーショナルダンパのボス部であり、前記弾性体は、環状のダストリップを有しており、前記支持環は、前記トーショナルダンパとラビリンスシールを形成している。
【0014】
本発明の一態様に係る樹脂製のカバーにおける密封構造において、前記支持環は、前記軸線方向に突出する環状の部分である支持環突出部を少なくとも1つ有しており、前記トーショナルダンパは、前記軸線方向に突出する環状の部分であるトーショナルダンパ突出部を少なくとも1つ有しており、前記支持環突出部及び前記トーショナルダンパ突出部は、互いに対向して、環状の隙間を形成して前記ラビリンスシールを形成している。
【0015】
本発明の一態様に係る樹脂製のカバーにおける密封構造において、前記軸部は、トーショナルダンパのボス部であり、前記弾性体は、環状のダストリップを有しており、前記樹脂製のカバーは、前記トーショナルダンパとラビリンスシールを形成している。
【0016】
本発明の一態様に係る樹脂製のカバーにおける密封構造において、前記樹脂製のカバーは、前記軸線方向に突出する環状の部分であるカバー突出部を少なくとも1つ有しており、前記トーショナルダンパは、前記軸線方向に突出する環状の部分であるトーショナルダンパ突出部を少なくとも1つ有しており、前記カバー突出部及び前記トーショナルダンパ突出部は、互いに対向して、環状の隙間を形成して前記ラビリンスシールを形成している。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る樹脂製のカバーにおける密封構造によれば、使用状態に拘わらず密封性能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態に係る樹脂製のカバーとしてのエンジンのフロントカバーにおける密封構造の概略構成を示すための、軸線に沿う断面における部分断面図である。
図2図1に示す密封構造の部分拡大断面図である。
図3図1に示す密封装置のフロントカバーに溶着される前の単体の構成を概略的に示す密封装置の軸線に沿う断面における断面図である。
図4図3に示す支持環の接合部分近傍を拡大して示す部分拡大断面図である。
図5】本発明の実施の形態に係るエンジンのフロントカバーにおける密封構造におけるラビリンスシールの変形例を示す断面図である。
図6】本発明の実施の形態に係るエンジンのフロントカバーにおける密封構造におけるラビリンスシールの他の変形例を示す断面図である。
図7】本発明の実施の形態に係るエンジンのフロントカバーにおける密封構造における密封装置の変形例を示す断面図である。
図8】本発明の実施の形態に係るエンジンのフロントカバーにおける密封構造における密封装置の他の変形例を示す断面図である。
図9】本発明の実施の形態に係るエンジンのフロントカバーにおける密封構造における支持環の接合部分の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態に係る樹脂製のカバーとしてのエンジンのフロントカバーにおける密封構造(以下、単に「密封構造」ともいう。)の概略構成を示すための、軸線に沿う断面における部分断面図であり、図2は、図1に示す密封構造の部分拡大断面図である。以下、説明の便宜上、軸線x方向において矢印a(図1参照)方向を外側とし、軸線x方向において矢印b(図1参照)方向を内側とする。より具体的には、外側とは、フロントカバーの内部から離れる方向であり、内側とは、フロントカバーの内部に近づく方向である。また、軸線xに垂直な方向(以下、「径方向」ともいう。)において、軸線xから離れる方向(図1の矢印c方向)を外周側とし、軸線xに近づく方向(図1の矢印d方向)を内周側とする。
【0021】
図1,2に示すように、エンジンのフロントカバーにおける密封構造1は、軸部(後述するトーショナルダンパ10のボス部14)が挿通される貫通孔41が設けられた樹脂製のエンジンのフロントカバー40と、フロントカバー40の貫通孔41と軸部との間の密封を図るための密封装置2とを備えている。密封装置2は、軸線x周りに環状の樹脂製の支持環20と、支持環20に取り付けられている軸線x周りに環状の弾性体から形成された弾性体部30とを備えている。弾性体部30は、軸部にこの軸部が摺動可能に接触する環状のシールリップ31を有しており、支持環20は、フロントカバー40に接合されている。以下、本発明の実施の形態に係るエンジンのフロントカバーにおける密封構造1について具体的に説明する。
【0022】
なお、本発明の実施の形態に係るエンジンのフロントカバーにおける密封構造1は、車両や汎用機械等に用いられるエンジンの樹脂製のフロントカバーと、トーショナルダンパと、軸部としてのトーショナルダンパのボス部とフロントカバーの貫通孔との間の環状の空間を密封する密封装置に適用されるものである。
【0023】
トーショナルダンパ10としてのダンパプーリ10は、エンジンのクランクシャフト51の一端にボルト52によって固定されている。ダンパプーリ10は、ハブ11と、質量体としてのプーリ12と、ハブ11とプーリ12との間に配設されたダンパ弾性体13とを備えている。ハブ11は、軸線xを中心とする環状の部材であり、内周側の軸部としてのボス部14と、外周側のリム部15と、ボス部14とリム部15とを接続する略円盤状の円盤部16とを備えている。ハブ11は、例えば、金属材料から鋳造等によって製造されている。
【0024】
ハブ11において、ボス部14は、貫通孔14aが形成された軸線xを中心とする環状の部分であり、外側の部分の外周面から外周方向に円盤部16が延びている。ボス部14は、円筒状の内側の部分の外周側の面である外周面14bを備えており、外周面14bは滑らかな面となっており、後述するように、密封装置2のシール面となっている。リム部15は、軸線xを中心とする環状の、より具体的には円筒状の部分であり、ボス部14に対して同心的にボス部14よりも外周側に位置する部分である。リム部15の内周側の面である内周面15aからは円盤部16が内周方向に延びている。リム部15の外周側の面である外周面15bにはダンパ弾性体13が圧着されている。
【0025】
円盤部16は、ボス部14とリム部15との間に延びて、ボス部14とリム部15とを接続している。円盤部16は、軸線xに対して垂直な方向に延びていてもよく、軸線xに対して傾斜する方向に延びていてもよい。また、円盤部16は、軸線xに沿う断面(以下、単に「断面」ともいう。)が湾曲した形状であっても、真っ直ぐに延びる形状であってもよい。また、図1,2に示すように、円盤部16には、円盤部16を内側と外側との間で貫通する貫通穴である窓部16aが少なくとも1つ形成されており、本実施の形態においては、4つの窓部16aが軸線xに対して同心的に周方向に等角度間隔で形成されている。この窓部16aによって、ハブ11、ひいてはダンパプーリ10の軽量化が図られている。なお、ダンパプーリ10は、窓部16aを有していなくてもよい。
【0026】
プーリ12は、軸線xを中心とする環状の部材であり、ハブ11を外周側において覆うような形状を呈している。具体的には、プーリ12の内周側の面である内周面12aは、ハブ11のリム部15の外周面15bに対応した形状を有しており、図1に示すように、プーリ12は、その内周面12aがリム部15の外周面15bに径方向において間隔を空けて対向するように位置している。また、プーリ12の外周側の面である外周面12bには、環状のv溝12cが複数形成されており、図示しないタイミングベルトが巻回可能になっている。
【0027】
ダンパ弾性体13は、プーリ12とハブ11のリム部15との間に設けられている。ダンパ弾性体13は、ダンパゴムであり、耐熱性、耐寒性、及び疲労強度において優れたゴム状弾性材料から架橋成形されて形成されている。ダンパ弾性体13は、プーリ12とハブ11のリム部15との間に圧入されており、プーリ12の内周面12aとリム部15の外周面15bとに嵌着されて固定されている。
【0028】
ダンパプーリ10において、プーリ12とダンパ弾性体13とがダンパ部を形成しており、ダンパ部の捩り方向固有振動数が、クランクシャフト51の捩れ角が最大となる所定の振動数域である、クランクシャフト51の捩り方向固有振動数と一致するように同調されている。つまり、ダンパ部の捩り方向固有振動数がクランクシャフト51の捩り方向固有振動数と一致するように、プーリ12の円周方向の慣性質量と、ダンパ弾性体13の捩り方向剪断ばね定数とが調整されている。
【0029】
また、ダンパプーリ10は、フロントカバー40と後述するラビリンスシールL1を形成する、軸線x方向に突出する環状の部分であるトーショナルダンパ突出部を少なくとも1つ有している。本実施の形態においては、ダンパプーリ10は、トーショナルダンパ突出部を2つ(外周側突出部17a、内周側突出部17b)有している。外周側突出部17a及び内周側突出部17bは、ハブ11の円盤部16の窓部16aよりも内周側において内側に面する円盤状の面である内側面16bに設けられており、この内側面16bから軸線x方向において内側に向かって突出している、軸線xを中心又は略中心とする環状の部分である。外周側突出部17aは、内周側突出部17bよりも外周側に設けられており、外周側突出部17aと内周側突出部17bとの間には、径方向の間隔が一定又は略一定の軸線xを中心又は略中心とする環状の溝であるハブ溝11bが形成されている。
【0030】
上述のように、ダンパプーリ10は、エンジンにおいてクランクシャフト51の一端に取り付けられている。具体的には、図1に示すように、クランクシャフト51の一端がハブ11のボス部14の貫通孔14aに挿通され、外側からボルト52がクランクシャフト51に螺合されて、ダンパプーリ10がクランクシャフト51に固定されている。
【0031】
クランクシャフト51に取り付けられた状態において、ダンパプーリ10は、ボス部14の外周面14bを有する内側の部分がフロントカバー40の貫通孔41内に挿通された状態になっており、ボス部14の外周面14bと、フロントカバー40の貫通孔41との間に環状の空間(隙間g1)が形成されている。
【0032】
密封装置2は、上述のように、樹脂製の支持環20と、支持環20に取り付けられた弾性体から形成された弾性体部30とを有している。図1,2に示すように、密封構造1において、密封装置2は、支持環20においてフロントカバー40に溶着によって接合されている。図3は、フロントカバー40に溶着される前の密封装置2単体の構成を概略的に示す密封装置2の軸線xに沿う断面における断面図である。
【0033】
図1~3に示すように、支持環20は、軸線xを中心又は略中心とする環状の樹脂製の部材であり、フロントカバー40の貫通孔41内に進入する環状の部分である進入部21と、フロントカバー40に溶着によって接合される環状の部分である接合部分22と、フロントカバー40の貫通孔41の外側に突出する環状の部分である外側部23とを有している。支持環20は、樹脂材から一体的に形成されており、進入部21、接合部分22、及び外側部23は一体に形成された支持環20の各部分である。
【0034】
図3に示すように、進入部21は、軸線xに沿って延びており、外周側に面する外周面21aと、内周側に面する内周面21bとを有している。図1,2に示すように、密封構造1において、進入部21は、フロントカバー40の貫通孔41内に入っており、外周面21aは、例えば、支持環20をフロントカバー40に取り付ける際に進入部21を貫通孔41内に案内するような形状となっている。具体的には、図3に示すように、進入部21の外周面21aは、軸線x方向において外側(矢印a方向側)から内側(矢印b方向側)に向かって縮径するテーパ面となっている。また、外周面21aの外側の端部(端部21c)の径は、フロントカバー40の貫通孔41の内周面41aの径と同じ又は略同じとなっている。これにより、フロントカバー40の貫通孔41と密封装置2との軸合わせが容易になっている。
【0035】
接合部分22は、図3,4に示すように、軸線x方向に凸の環状の突起部22aを有している。図1,2に示すように、密封構造1において支持環20は、溶かされた突起部22aを介してフロントカバー40に接合されており、接合部分22の突起部22aは、溶着される部分である。また、接合部分22には、突起部22aの内周側及び外周側の少なくともいずれかに、軸線x方向に凹む環状の凹部22bが設けられている。本実施の形態においては、1つの凹部22bが突起部22aの外周側に設けられている。凹部22bは、支持環20の溶着の際に、溶けた突起部22aが流れ入るための空間を形成している。なお、図4は、支持環20の接合部分22近傍を拡大して示す部分拡大断面図である。
【0036】
具体的には、接合部分22は、図3,4に示すように、軸線x周りに環状の軸線x方向において内側に面する面である接合面22cを有しており、突起部22aは、接合面22cから内側に向かって凸であり、凹部22bは接合面22cから外側に向かって凹んでいる。接合面22cは、例えば、軸線xに直交する又は略直交する平面である。なお、接合部分22は、突起部22aを径方向に並んで複数有していてもよい。
【0037】
また、支持環20の外側部23は、図3に示すように、進入部21に外側においてつながる部分であり、接合部分22が形成されている部分である。つまり、外側部23は、進入部21よりも外周側に出っ張っている。また、外側部23には、外側から内側に向かって凹む環状の凹部である溶着冶具ガイド部23aが形成されている。溶着冶具ガイド部23aは、後述するように、支持環20をフロントカバー40に溶着する際に、溶着冶具が嵌る部分である。
【0038】
弾性体部30は、図3に示すように、支持環20に取り付けられており、本実施の形態においては支持環20の内周側を覆うように支持環20と一体的に形成されている。例えば、図3に示すように、弾性体部30は、支持環20の進入部21の内周面21b、及び外側部23の内周側に突出する環状の凸部23bに取り付けられている。弾性体部30は、上述のように、シールリップ31を有しており、また、シールリップ31よりも外側(矢印a方向側)に設けられており軸線xに向かって延びる環状のダストリップ32を有している。また、弾性体部30は、環状のリップ腰部33を有している。シールリップ31は、密封構造1においてダンパプーリ10のボス部14の外周面14bにこの外周面14bが摺動可能に接触するように形成されている。ダストリップ32は、シールリップ31よりも外側に設けられており、ダンパプーリ10のボス部14の外周面14bにこの外周面14bが摺動可能に接触するように形成されている。リップ腰部33は、弾性体部30において、シールリップ31及びダストリップ32を支持する部分である。
【0039】
シールリップ31は、具体的には、図3に示すように、リップ腰部33から内側に向かって延びる部分であり、軸線xを中心又は略中心とする環状の部分であり、支持環20の進入部21に対向して形成されている。シールリップ31は、内側の端部に、断面形状が内周側に向かって凸の楔形状の環状のリップ先端部34を有している。また、シールリップ31の外周側には、リップ先端部34に背向する位置に環状の凹部35が形成されており、この凹部35にガータスプリング36が嵌着されている。ガータスプリング36は、リップ先端部34を軸線xに向かう方向に押して、リップ先端部34がダンパプーリ10のボス部14の変位に対して追随するようにリップ先端部34にボス部14に対する所定の大きさの緊迫力を与える。リップ先端部34は、後述するようにボス部14の外周面14bに接触して、密封装置2とボス部14との間の密封を図る。
【0040】
ダストリップ32は、リップ腰部33から外側に軸線xに向かって延びており、具体的には、図3に示すように、リップ腰部33から外側且つ内周側の方向に延出している。ダストリップ32により、外側からリップ先端部34方向への、泥水や砂、ダスト等の異物の侵入の防止が図られている。ダストリップ32は、ダンパプーリ10のボス部14に接触せずに近接するようになっていてもよい。
【0041】
なお、弾性体部30は弾性材から一体に形成されており、シールリップ31、ダストリップ32、リップ腰部33、及び他の部分は、弾性材から一体に形成された弾性体部30の各部分である。
【0042】
支持環20の樹脂材は、後述するように、溶着が可能な樹脂であり、例えば、熱可塑性の樹脂である。但し、支持環20の樹脂材は、密封構造1の使用状態の雰囲気温度によって、つまり、エンジンの使用状態の雰囲気温度によって溶けない樹脂材である。支持環20の樹脂材は、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ABS樹脂等の硬質の熱可塑性合成樹脂材である。支持環20の樹脂材は、フロントカバー40の樹脂材と同じであってもよい。また、弾性体部30の弾性体としては、例えば、各種ゴム材がある。各種ゴム材としては、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H-NBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の合成ゴムである。支持環20は、例えば射出成形によって製造され、弾性体部30は成形型を用いて架橋(加硫)成形によって成形される。この架橋成形の際に、支持環20は成形型の中に配置されており、弾性体部30が架橋接着により支持環20に接着され、弾性体部30が支持環20と一体的に成形される。
【0043】
密封装置2の支持環20は、上述のように、進入部21及び外側部23を有しており、軸線x方向に長く、弾性体部30を支持環20の内周側に覆うことができる。このため、支持環20は、複数の密封装置2が軸線x方向に積み重ねられて搬送される密封装置2の輸送時や、密封装置2の組み付け時等において弾性体部30を外部から保護することができる。この点において、径方向外周側から密封装置2を見た際に、弾性体部30は支持環20に隠れる位置に設けられていることが好ましい。
【0044】
フロントカバー40は、上述のように、樹脂材から形成されており、樹脂材としては、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ABS樹脂等の合成樹脂がある。フロントカバー40は、図1,2に示すように、クランクシャフト51及びダンパプーリ10のボス部14が挿通される貫通孔41が形成されている。貫通孔41の内周面41aとボス部14の外周面14bとの間には、環状の隙間g1が形成されており、この隙間g1は、フロントカバー40に溶着された密封装置2によって密閉されている。
【0045】
図2に示すように、密封構造1において支持環20の接合部分22は、フロントカバー40の外側に面する外側面42において、貫通孔41の近傍に溶着により接合されている。また、フロントカバー40は、外側面42からダンパプーリ10のハブ11の円盤部16に向かって突出する環状の部分であるフロントカバー突出部43を有している。フロントカバー突出部43は、上述のラビリンスシールL1をダンパプーリ10のボス部14の外周側突出部17a及び内周側突出部17bと形成している。具体的には、図2に示すように、密封構造1において、フロントカバー突出部43は、外周側突出部17a及び内周側突出部17bが形成する環状の溝であるハブ溝11b内に入り込んでいる。フロントカバー突出部43は、ハブ溝11bに接触していない。このため、図2に示すように、フロントカバー突出部43とハブ溝11bとの間に断面がコの字状の環状の隙間g2が形成されており、フロントカバー40とダンパプーリ10との間にラビリンスシールL1が形成されている。ラビリンスシールL1のシール性の向上の観点から、フロントカバー突出部43とハブ溝11bとの間の隙間g2は、狭い方がよい。
【0046】
次いで、フロントカバー40への密封装置2の支持環20の接合方法について説明する。先ず、図3に示す接合前の密封装置2の溶着冶具ガイド部23aに図示しない冶具を取り付け、密封装置2を冶具により掴み、支持環20の進入部21をフロントカバー40の貫通孔41内に挿入し、支持環20の接合部分22の突起部22aがフロントカバー40の外側面42に当接した状態にする。そして、接合部分22の突起部22aをフロントカバー40の外側面42に圧接させながら振動させ、突起部22aを溶融させ、この溶融させた突起部22aによって接合部分22において支持環20をフロントカバー40の外側面42に溶着させる。溶着のために突起部22aを振動させる手段は、上述の密封装置2の掴み用の冶具であってもよく、他の振動を発生するものであってもよく、超音波やレーザー光の照射であってもよく、他の手段であってもよい。
【0047】
図3,4に示すように、接合部分22には環状の凹部22bが形成されており、支持環20の溶着の際に、フロントカバー40との溶着に使われない一部の溶融した突起部22aが凹部22bに流れ込む。このため、支持環20とフロントカバー40との間の接合状態を良好にすることができ、また、溶着ばりの形成を抑制又は防止することができる。なお、図示の例においては、接合部分22において凹部22bは突起部22aの外周側に位置しているが、凹部22bは突起部22aの内周側に位置していてもよく、また、複数の凹部22bが形成されていてもよい。凹部22bは、突起部22aの外周側及び内周側に形成されていてもよい。
【0048】
密封装置2の支持環20には、冶具が取り付けられる溶着冶具ガイド部23aが形成されており、密封装置2のフロントカバー40への取付作業の効率を向上させることができる。
【0049】
次いで、上述の構成を有する密封構造1の作用について説明する。
【0050】
上述のように、密封装置2は、その樹脂製の支持環20が溶着によって樹脂製のフロントカバー40に接合されている。そして、この接合によって、密封装置2とフロントカバー40との間が密封されている。このため、支持環20及びフロントカバー40の密封部位間の熱膨張率の差を低減することができ、支持環20とフロントカバー40との間の接合状態を安定したものにすることができ、密封装置2とフロントカバー40との間の密封状態を安定して保持できる。このように、密封構造1においては、支持環20とフロントカバー40との間に隙間が形成されることがなく、使用状態に応じた密封性能の低下を防止することができる。このため、支持環20の樹脂材及びフロントカバー40の樹脂材は、互いの熱膨張率の差が小さくなるものが好ましい。
【0051】
また、支持環20とダンパプーリ10のボス部14との間においては、熱膨張率の違いにより相対位置が変化することがあり、このため、雰囲気温度の状態によっては、ダストリップ32がボス部14の外周面14bから離れ、または、ダストリップ32とボス部14の外周面14bとの間の間隔が広がり、異物がシールリップ31側に入りやすくなる状態となる場合がある。しかしながら、密封構造1は、異物の侵入経路においてダストリップ32の位置よりも上流側にラビリンスシールL1を有しており、このラビリンスシールL1によって異物の侵入が遮られている。このため、上述のように、熱膨張により異物がシールリップ31側に入りやすくなる状態にダストリップ32がなったとしても、ラビリンスシールL1によって異物の侵入の防止を図ることができ、ダストリップ32の機能を補うことができる。また、ラビリンスシールL1により、異物の侵入の防止をより図ることができる。
【0052】
このように、本発明の実施の形態に係るエンジンのフロントカバーにおける密封構造1は、その使用状態に拘わらず密封性能を維持することができる。
【0053】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記本発明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における、各構成要素の形状、材料、配置、サイズ、製造法等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
【0054】
例えば本発明における異物の侵入経路においてダストリップ32の位置よりも上流側のラビリンスシールの形態は、上述のラビリンスシールL1に限られず、他の形態であってもよい。例えば、ラビリンスシールL1は、外周側突出部17aと内周側突出部17bとが形成するハブ溝11bにフロントカバー突出部43が入り込んで形成されているが、1つの突起と1つの突起とが対向することにより形成される隙間によってラビリンスシールが形成されていてもよい。具体的には、ダンパプーリ10は、外周側突出部17a及び内周側突出部17bの一方のみを有しており、ラビリンスシールL1は、外周側突出部17aと内周側突出部17bのいずれかとフロントカバー突出部43とによって形成されていてもよい。
【0055】
また、図5に示すように、フロントカバー40が2つのフロントカバー突出部43を有しており、この2つのフロントカバー突出部43が、外周側突出部17a及び内周側突出部17bと同様に環状の溝を形成しており、この溝内に外周側突出部17a又は内周側突出部17bが入り込んでラビリンスシールL1を形成していてもよい。この場合、ダンパプーリ10は、外周側突出部17a及び内周側突出部17bの一方のみを有していてもよい。また、フロントカバー40が複数のフロントカバー突出部43を有しており、ダンパプーリ10が複数のトーショナルダンパ突出部(外周側突出部17a又は内周側突出部17b)を有しており、これら複数の突出部の間の隙間によってラビリンスシールL1を形成していてもよい。
【0056】
また、上述のラビリンスシールL1に変えて、または、このラビリンスシールL1と共に、支持環20がダンパプーリ10とラビリンスシールを形成していてもよい。例えば、図6に示すように、支持環20とダンパプーリ10との間にラビリンスシールL2が設けられていてもよい。例えば、ダンパプーリ10の円盤部16の内側面16bに、支持環20の外側部23の溶着冶具ガイド部23aに入り込む環状の突出部17cを設け、突出部17cと溶着冶具ガイド部23aとの間に断面がコの字状の環状の隙間g3を形成して、支持環20とダンパプーリ10との間にラビリンスシールL2を形成してもよい。支持環20とダンパプーリ10との間のラビリンスシールL2は、他の形態であってもよい。例えば、突出部17cが外周側から又は内周側から支持環20の外側部23の外周面又は内周面に対向して環状の隙間を作ることにより、ラビリンスシールL2が形成されていてもよく、また、ダンパプーリ10が突出部17cではなくハブ溝11bを有しており、このハブ溝11b内に入り込んでラビリンスシールL2を形成する環状の突出部を支持環20が有していてもよい。
【0057】
上述の密封構造1においては、フロントカバー40に支持環20が溶着によって接合されていたが、支持環20はフロントカバー40に接着剤によって接合されていてもよい。この場合、支持環20は、接合部分22に突起部22a及び凹部22bを有していなくてもよく、接合面22cのみを有している。接着剤の逃げ空間として、接合部分22は凹部22bを有していてもよい。
【0058】
また、本発明の密封装置における支持環は、上述の支持環20に限られず、弾性体部30が取り付けられ、フロントカバー40に接合可能な形状であれば他の形状であってもよい。例えば、密封装置は、図7,8に示すような変形例であってもよい。図7に示すように、第1の変形例に係る密封装置3は、密封装置2の支持環20とは異なる支持環24を有しており、支持環24は、進入部21を有していない。また、図8に示すように、第2の変形例に係る密封装置4は、密封装置2の支持環20とは異なる支持環25を有しており、支持環25は、進入部21及び外側部23を有していない。
【0059】
また、支持環20がフロントカバー40に溶着される部位は、上述の部位(接合部分22)に限られない。例えば、接合部分22は他の支持環20の位置であってもよく、また、支持環20は複数の接合部分22を有していてもよい。例えば、図9に示すように、支持環20は、進入部21の内側面21dにも接合部分22を有していてもよい。この場合、フロントカバー40に進入部21の接合部分22が溶着される部分が設けられる。
【0060】
また、上記実施の形態おいては、エンジンのフロントカバーにおける密封構造に本発明が適用される場合を例示したが、本発明の樹脂製のカバーは、エンジンのフロントカバーに限られず他の樹脂製のカバーであってもよい。本発明は、回転運動や往復運動等の運動する軸部と樹脂製のカバーとの間の密封構造に対して適用することができ、本発明の樹脂製のカバーは、例えば、自動車等の変速機における樹脂製のカバー、自動車等のディファレンシャル機構における樹脂製のカバー、ステアリング機構における樹脂製のカバー、モータにおける樹脂製のカバー、減速機における樹脂製のカバー等であってもよい。回転運動や往復運動等の運動する軸部と、この軸部が挿通される空間を有する樹脂製のカバーとにおいて、この軸部とこの樹脂製のカバーとの間の隙間を密封するために、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0061】
1…エンジンのフロントカバーにおける密封構造、2,3,4…密封装置、10…トーショナルダンパ(ダンパプーリ)、11…ハブ、11b…ハブ溝、12…プーリ、12a…内周面、12b…外周面、12c…v溝、13…ダンパ弾性体、14…ボス部、14a…貫通孔、14b…外周面、15…リム部、15a…内周面、15b…外周面、16…円盤部、16a…窓部、16b…内側面、17a…外周側突出部、17b…内周側突出部、17c…突出部、20,24,25…支持環、21…進入部、21a…外周面、21b…内周面、21c…端部、21d…内側面、22…接合部分、22a…突起部、22b…凹部、22c…接合面、23…外側部、23a…溶着冶具ガイド部、23b…凸部、30…弾性体部、31…シールリップ、32…ダストリップ、33…リップ腰部、34…リップ先端部、35…凹部、36…ガータスプリング、40…エンジンのフロントカバー、41…貫通孔、41a…内周面、42…外側面、43…フロントカバー突出部、51…クランクシャフト、52…ボルト、g1,g2,g3…隙間、L1,L2…ラビリンスシール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9