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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-21
(45)【発行日】2022-05-02
(54)【発明の名称】チャンバー冷却装置及び半導体加工設備
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/50 20060101AFI20220422BHJP
   H01L 23/473 20060101ALI20220422BHJP
【FI】
H01L21/50 Z
H01L23/46 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021507006
(86)(22)【出願日】2019-09-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 CN2019104215
(87)【国際公開番号】W WO2020052475
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-02-09
(31)【優先権主張番号】201811056758.1
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201821482745.6
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509047535
【氏名又は名称】北京北方華創微電子装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing NAURA Microelectronics Equipment Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8 Wenchang Avenue,Beijing Economic-Technological Development Area,Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】袁 福▲順▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 皓
(72)【発明者】
【氏名】高 建▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ ▲東▼▲華▼
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-231513(JP,A)
【文献】特開2008-270348(JP,A)
【文献】特開平9-280756(JP,A)
【文献】特開平9-45624(JP,A)
【文献】特表平9-505798(JP,A)
【文献】特開2010-141207(JP,A)
【文献】特開平9-50965(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/50
H01L 23/473
H01L 21/02
H01L 21/205
H01L 21/31-21/316
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバー冷却装置であって、冷却槽と、複数の冷却管と、複数の給水管とを含み、
前記冷却槽は、冷却液体を収容しており、チャンバーの底部を冷却することに用いられ、
前記複数の冷却管は、前記冷却槽内に設けられ、且つ複数の前記冷却管の管壁のいずれにも吐出口が設けられ、前記吐出口を介して冷却液体を噴出して回転水流を形成し、それにより前記冷却槽内の冷却液体を駆動して回転乱流を形成させることに用いられ、
前記複数の給水管は、複数の前記冷却管に1対1で対応して接続され、且つ各前記給水管に開閉弁及び流量調整弁が設けられていることを特徴とするチャンバー冷却装置。
【請求項2】
各前記冷却管の吐出口は1つであり、前記吐出口の噴射方向はその円周の接線方向であり、或いは、
各前記冷却管の吐出口は複数であり、且つ前記冷却管の軸方向に沿って同心の異なる円周に間隔をあけて分布し、且つ各前記吐出口の噴射方向はその円周の接線方向であることを特徴とする請求項1に記載のチャンバー冷却装置。
【請求項3】
各前記円周の円心は前記冷却槽の中心であり、且つすべての前記吐出口は前記冷却槽の中心領域に位置することを特徴とする請求項2に記載のチャンバー冷却装置。
【請求項4】
各前記吐出口の噴射方向は水平面に対して斜め上向きに設けられることを特徴とする請求項1に記載のチャンバー冷却装置。
【請求項5】
各前記吐出口の噴射方向と前記水平面との間の夾角の値の範囲は40°~60°であることを特徴とする請求項4に記載のチャンバー冷却装置。
【請求項6】
複数の前記冷却管は少なくとも1本の湾曲管を含み、或いは、複数の前記冷却管は少なくとも1本のストレート管を含むことを特徴とする請求項1に記載のチャンバー冷却装置。
【請求項7】
前記湾曲管はストレート管部及び湾曲管部を含み、そのうち、前記湾曲管部は前記冷却槽の中心に近接し、且つ前記吐出口は前記湾曲管部の管壁に設けられることを特徴とする請求項6に記載のチャンバー冷却装置。
【請求項8】
前記ストレート管の軸線は前記冷却槽の中心を円心とする円周のいずれかの径方向に沿って設けられ、又は前記冷却槽の中心を円心とする円周のいずれかの径方向と交差して設けられることを特徴とする請求項6に記載のチャンバー冷却装置。
【請求項9】
前記給水管の一端は前記冷却管に接続され、前記給水管の他端は前記冷却槽の底部を貫通し、且つ冷却液体源に接続されることを特徴とする請求項1に記載のチャンバー冷却装置。
【請求項10】
前記チャンバー冷却装置はさらにセパレータを含み、
前記セパレータは、前記冷却槽内に設けられ、且つ前記冷却管の上方に位置し、且つ前記セパレータの中心領域に貫通孔が設けられており、少なくとも前記冷却管の吐出口を露出することに用いられることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載のチャンバー冷却装置。
【請求項11】
前記チャンバー冷却装置はさらに2つの側板を含み、
前記2つの側板は、前記冷却槽内に対向設けられ、且つ前記セパレータの両側に位置し、且つ前記側板の上部が前記セパレータよりも高く、且つ2つの前記側板の上部にそれぞれストッパーが設けられ、前記側板の内側に位置する冷却液体の最高水位を限定することに用いられることを特徴とする請求項10に記載のチャンバー冷却装置。
【請求項12】
各前記側板の内側において、且つ前記セパレータの上方に噴射管が設けられ、2つの前記側板の前記噴射管はそれぞれ2つの前記側板の互いに離れた両端に近接し、且つ、各前記噴射管は対向側の前記側板に向けて冷却液体を噴出し、それにより前記冷却槽内の冷却液体の回転動力を増加させることを特徴とする請求項11に記載のチャンバー冷却装置。
【請求項13】
前記チャンバー冷却装置はさらに底板、及び取り付け板を含み、
前記底板は、前記冷却槽内に設けられ、且つ前記底板内にその厚さに沿って貫通する中心貫通溝が設けられ、
前記取り付け板は、前記底板に積層され、且つ、各前記冷却管が前記取り付け板に固定され、各前記給水管が前記取り付け板を貫通し、且つそれに対応する前記冷却管に接続されることを特徴とする請求項1に記載のチャンバー冷却装置。
【請求項14】
反応チャンバー、及び前記反応チャンバーの底部に設けられるチャンバー冷却装置を含む半導体加工設備であって、
前記チャンバー冷却装置は請求項1~13のいずれか一項に記載のチャンバー冷却装置を使用することを特徴とする半導体加工設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体製造の分野に関し、具体的には、チャンバー冷却装置及び半導体加工設備に関する。
【背景技術】
【0002】
化学気相成長(Chemical Vapor Deposition、以下、CVDと略称)技術は、純度が高く、性能に優れた固体材料を生成するための化学技術であり、典型的なCVDプロセスはウエハを1種又は複数種の異なる前駆体にさらし、所定のプロセス温度で、ウエハの表面に化学反応及び/又は化学分解が発生し、それによってウエハに薄膜を生成することである。
【0003】
いずれのCVD技術においても、温度制御、特にCVD反応チャンバーの温度制御は非常に重要な技術の一つである。プロセスを行う段階では、反応チャンバーの内部温度が比較的高く、1100℃に達することができ、プロセス終了段階及びウエハ取り出し段階でも、反応チャンバーの内部温度が350℃と高く、従って、反応チャンバーを常に冷却する必要がある。
【0004】
従来のチャンバー冷却装置は冷却液分配装置を利用して冷却液を2つの給水管に分配し、さらに2つの給水管を経由して冷却液を複数の排水管に同時に輸送し、複数の排水管はチャンバーに向けて冷却液を均一に噴出することに用いられる。しかし、実際の応用では、該チャンバー冷却装置には、不可避的に以下の問題が存在する。
【0005】
1、冷却液分配装置、給水管及び排水管は構造が複雑で、占有空間が大きい。
【0006】
2、冷却液が冷却液分配装置、給水管及び排水管を順に経由して噴出され、流動経路が比較的長く、流速損失が比較的大きい。
【0007】
3、複数の排水管内の流量は冷却液分配装置によって制御され、独立制御が不能であり、従って、操作性が比較的悪く、且つ均一な水流を取得することを確保できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来技術に存在する技術的問題の一つを少なくとも解決することを目的とし、チャンバー冷却装置及び半導体加工設備を提供し、それは構造をよりコンパクトにし、冷却液体の流速損失を低減させることができ、さらに複数の冷却管内の流量を独立して制御することができ、それによって操作性及び水流均一性を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的を実現するために、チャンバー冷却装置を提供し、冷却槽、複数の冷却管、及び複数の給水管を含み、
前記冷却槽は、冷却液体を収容しており、チャンバーの底部を冷却することに用いられ、
前記複数の冷却管は、前記冷却槽内に設けられ、且つ複数の前記冷却管の管壁のいずれにも吐出口が設けられ、吐出口を介して冷却液体を噴出して回転水流を形成し、それにより前記冷却槽内の冷却液体を駆動して回転乱流を形成させることに用いられ、
前記複数の給水管は、複数の前記冷却管に1対1で対応して接続され、且つ、各前記給水管に開閉弁及び流量調整弁が設けられている。
【0010】
選択肢として、各前記冷却管の吐出口は1つであり、前記吐出口の噴射方向はその円周の接線方向であり、又は、
各前記冷却管の吐出口は複数であり、且つ前記冷却管の軸方向に沿って同心の異なる円周に間隔をあけて分布し、且つ、各前記吐出口の噴射方向はその円周の接線方向である。
【0011】
選択肢として、各前記円周の円心は前記冷却槽の中心であり、且つすべての前記吐出口は前記冷却槽の中心領域に位置する。
【0012】
選択肢として、各前記吐出口の噴射方向は水平面に対して斜め上向きに設けられる。
【0013】
選択肢として、各前記吐出口の噴射方向と前記水平面との間の夾角の値の範囲は40°~60°である。
【0014】
選択肢として、複数の前記冷却管は少なくとも1本の湾曲管を含み、又は、複数の前記冷却管は少なくとも1本のストレート管を含む。
【0015】
選択肢として、前記湾曲管はストレート管部及び湾曲管部を含み、そのうち、前記湾曲管部は前記冷却槽の中心に近接し、且つ前記吐出口は前記湾曲管部の管壁に設けられる。
【0016】
選択肢として、前記ストレート管の軸線は前記冷却槽の中心を円心とする円周のいずれかの径方向に沿って設けられ、又は前記冷却槽の中心を円心とする円周のいずれかの径方向と交差して設けられる。
【0017】
選択肢として、前記給水管の一端は前記冷却管に接続され、前記給水管の他端は前記冷却槽の底部を貫通し、且つ冷却液体源に接続される。
【0018】
選択肢として、前記チャンバー冷却装置はさらにセパレータを含み、
前記セパレータは、前記冷却槽内に設けられ、且つ前記冷却管の上方に位置し、且つ、前記セパレータの中心領域に貫通孔が設けられ、少なくとも前記冷却管の吐出口を露出することに用いられる。
【0019】
選択肢として、前記チャンバー冷却装置はさらに2つの側板を含み、
前記2つの側板は、前記冷却槽内に対向設けられ、且つ前記セパレータの両側に位置し、且つ、前記側板の上部が前記セパレータよりも高く、且つ2つの前記側板の上部にそれぞれストッパーが設けられ、前記側板の内側に位置する冷却液体の最高水位を限定することに用いられる。
【0020】
選択肢として、各前記側板の内側において、且つ前記セパレータの上方に噴射管が設けられ、2つの前記側板の前記噴射管はそれぞれ2つの前記側板の互いに離れた両端に近接し、且つ、各前記噴射管は対向側の前記側板方向に向けて冷却液体を噴出し、それにより前記冷却槽内の冷却液体の回転動力を増加させる。
【0021】
選択肢として、前記チャンバー冷却装置はさらに底板、及び取り付け板を含み、
前記底板は、前記冷却槽内に設けられ、且つ前記底板内にその厚さに沿って貫通する中心貫通溝が設けられ、
前記取り付け板は、前記底板に積層され、且つ、各前記冷却管が前記取り付け板に固定され、各前記給水管が前記取り付け板を貫通し、且つそれに対応する前記冷却管に接続される。
【0022】
本発明はさらに半導体加工設備を提供し、反応チャンバー、及び前記反応チャンバーの底部に設けられるチャンバー冷却装置を含み、前記チャンバー冷却装置は上記チャンバー冷却装置を使用する。
【発明の効果】
【0023】
本発明は以下の有益な効果を有する。
【0024】
本発明が提供するチャンバー冷却装置によれば、それは冷却槽内に複数の冷却管が設けられており、且つ複数の冷却管の管壁のいうれにも吐出口が設けられ、吐出口を介して冷却液体を噴出して回転水流を形成し、それにより冷却槽内の冷却液体を駆動して回転乱流を形成させることに用いられ、それによって熱交換効率を向上させ、冷却効果を強化することができる。それとともに、複数の給水管が複数の冷却管に1対1で対応して接続され、且つ、各給水管に開閉弁及び流量調整弁が設けられることによって、各冷却管の導通/遮断及び流量の大きさの独立制御を実現でき、それによって操作性及び水流均一性を向上させることができ、さらに回転乱流の効果的な形成を確保できる。また、本発明が提供するチャンバー冷却装置は従来技術に比べて、冷却液分配装置を省略し、それによって構造をさらにコンパクト化することができるとともに、給水管が冷却管に直接接続されることで、冷却液体の流動経路を短縮させ、それによって冷却液体の流速損失を低減させることができる。
【0025】
本発明が提供する半導体加工設備によれば、それは本発明が提供する上記チャンバー冷却装置を使用することによって、構造をさらにコンパクト化し、冷却液体の流速損失を低減させることができるだけでなく、さらに複数の冷却管内の流量を独立して制御することができ、それによって操作性及び水流均一性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は本発明の実施例が提供するセパレータを取り外したチャンバー冷却装置の上面図である。
図2図2は本発明の実施例が提供するチャンバー冷却装置の部分構造図である。
図3図3は本発明の実施例が提供するチャンバー冷却装置の上面図である。
図4図4は本発明の実施例が使用する冷却管の上面図である。
図5図5は本発明の実施例が使用する冷却管の径方向断面図である。
図6図6は本発明の実施例が使用する給水管の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
当業者が本発明の技術案をよりよく理解するようにするために、以下、図面を参照しながら本発明が提供するチャンバー冷却装置及び半導体加工設備を詳細に説明する。
【0028】
図1図6を併せて参照すると、本発明の実施例が提供するチャンバー冷却装置において、それは冷却槽5、複数の冷却管2及び複数の給水管7を含み、そのうち、冷却槽5は冷却液体(例えば、冷却液又は冷却水)を収容している。チャンバー(図示せず)の底部を冷却槽5の冷却液体中に浸漬させることによって、チャンバーの冷却を実現する。
【0029】
複数の冷却管2は冷却槽5内に設けられ、且つ複数の冷却管2の管壁のいずれにも吐出口21が設けられており、吐出口21を介して冷却液体を噴出して回転水流を形成し、冷却槽5内の冷却液体を駆動して回転乱流を形成させることに用いられる。いわゆる回転乱流とは、流体の1種の流動状態であり、具体的には、冷却液体の流速が一定の程度に増加すると、層流を破壊させるとともに、急速に自転する水流が略螺旋状渦巻きを形成する状態である。該回転乱流は層流に比べて、熱交換効果がさらに十分であり、それによって熱交換効率を向上させ、冷却効果を強化することができる。
【0030】
本実施例では、各冷却管2の吐出口21は複数であり、且つ冷却管2の軸方向に沿って同心の異なる円周に間隔をあけて分布しており、且つ、各吐出口21の噴射方向はその円周の接線方向(図1に示される矢印方向)である。選択肢として、各冷却管2上の各吐出口21は残りの冷却管2上の各吐出口21に1対1で対応して同一円周に位置する。各冷却管2に複数の吐出口21が設けられることによって、各冷却管2が噴出する冷却液体の流速をそのまま維持する条件下で、液体の流量を増大し、それによって上記回転乱流を形成することに有利である。選択肢として、吐出口21の数は5つである。
【0031】
なお、本実施例では、各吐出口21の噴射方向はその円周の接線方向であり、しかし、本発明はこれに限定されず、実際の応用では、吐出口21の噴射方向は円周の接線方向からある程度ずれてもよく、最終的に冷却槽5内の冷却液体を駆動して回転乱流を形成させる効果を達成できればよい。
【0032】
選択肢として、吐出口21は冷却管2の管壁の厚さ方向に沿って該管壁を貫通している貫通孔であってもよく、該貫通孔の軸方向は上記吐出口21の噴射方向である。このように、冷却管2の構造を簡素化でき、冷却管2の設計が容易になる。
【0033】
選択肢として、各円周の円心は冷却槽5の中心であり、且つすべての吐出口21は冷却槽5の中心領域に位置し、具体的には、各冷却管2は第1端が冷却槽5の中心に近接し、第2端が冷却槽5のエッジに近接するが、吐出口21は冷却管2の管壁に設けられ、且つ冷却管2の第1端に近接する。このように、冷却槽5内の水流均一性の向に有利であるだけでなく、すべての吐出口21が冷却槽5の中心領域に位置することで、形成される回転乱流を冷却槽5の中心領域に位置させることができ、それによって冷却槽5内の水流均一性をさらに向上させる。
【0034】
なお、本実施例では、各冷却管2上の吐出口21は複数であり、しかし、本発明はこれに限定されず、実際の応用では、各冷却管2上の吐出口21は1つであってもよく、且つ、吐出口21の噴射方向はその円周の接線方向であり、又は円周の接線方向からある程度ずれてもよい。
【0035】
本実施例では、図2に示すように、複数の給水管7は複数の冷却管2に1対1で対応して接続され、且つ、図6に示すように、各給水管7に開閉弁71及び流量調整弁72が設けられている。開閉弁71はそれが位置する給水管7を導通又は遮断することに用いられ、流量調整弁72はそれが位置する給水管7内の冷却液体の流量の大きさを調整することに用いられる。それによって、各冷却管2の導通/遮断及び流量の大きさの独立制御を実現することができ、それによって操作性及び水流均一性を向上させることができ、さらに回転乱流の効果的な形成を確保することができる。
【0036】
また、本実施例が提供するチャンバー冷却装置は従来技術に比べて、各冷却管2が給水管7から独立して引き出され、冷却液分配装置を省略することによって、構造をさらにコンパクト化することができるとともに、給水管7が冷却管2に直接接続されることで、冷却液体の流動経路を短縮させ、それによって冷却液体の流速損失を低減させることができる。
【0037】
本実施例では、図5に示すように、各冷却管2の軸線は水平に設けられ、吐出口21の噴射方向は冷却管2の軸線に対して斜め上向きに設けられる。このように、回転乱流に「中空」状態が発生すること、即ち、冷却槽5の中心に冷却液体がないことを回避できる。勿論、実際の応用では、各冷却管2の軸線は水平面に対して上向きに傾斜してもよく、このとき、吐出口21の噴射方向が水平面に対して斜め上向きに設けられるだけで、同様の効果を達成できる。ここで、水平面とは液面に平行する平面である。
【0038】
選択肢として、各吐出口21の噴射方向と水平面との間の夾角cの値の範囲は40°~60°であり、好ましくは50°である。該夾角範囲内であれば、回転乱流に「中空」状態が発生することを効果的に回避できる。
【0039】
実際の応用では、冷却管2の径方向断面の形状は円形、三角形、矩形、六角形又はほかの任意の形状を含み、好ましくは円形である。吐出口21は冷却管2の管壁を貫通する貫通孔であってもよく、該貫通孔の径方向断面の形状は円形、三角形、矩形、六角形又はほかの任意の形状を含む。
【0040】
本実施例では、複数の冷却管2のうち、2本は湾曲管であり、残りの冷却管2はストレート管である。湾曲管とストレート管が混在して設けられることによって、冷却槽5の周方向により多数の冷却管2を配置することに有利である。勿論、実際の応用では、具体的なニーズに応じてストレート管及び湾曲管それぞれの数を選択してもよく、即ち、複数の冷却管2は少なくとも1本の湾曲管を含んでもよく、又は複数の冷却管2は少なくとも1本のストレート管を含んでもよい。
【0041】
さらに、選択肢として、図4に示すように、湾曲管はストレート管部2a及び湾曲管部2bを含み、そのうち、湾曲管部2bは冷却槽5の中心に近接し、且つ吐出口21は湾曲管部2bの管壁に設けられる。冷却槽5の中心に近接する部分を湾曲管部2bとして設置し、冷却槽5の中心から離れた部分をストレート管部2aとして設置することによって、冷却槽5の周方向により多数の冷却管2を配置することに有利であるとともに、吐出口21の配列設計に有利である。
【0042】
選択肢として、冷却管2の数は10個である。勿論、実際の応用では、ほかの任意の数であってもよい。
【0043】
選択肢として、図1に示すように、ストレート管において、その軸線は冷却槽5の中心を円心とする円周のいずれかの径方向に沿って設けられてもよく、又は該径方向と交差してもよい。換言すれば、ストレート管の吐出口21から離れた一端(即ち、冷却槽5のエッジに近接する一端)と冷却槽5の中心とを結ぶ線と冷却管2の軸線との間の夾角aは0°であってもよく、又は鋭角を呈してもよく、このように、回転乱流の形成に有利である。
【0044】
本実施例では、図2に示すように、各給水管7は垂直に設けられ、且つ、給水管7の上端が冷却管2に接続され、給水管7の下端が冷却槽5の底部を貫通し、且つ冷却液体源(図示せず)に接続される。それによって、冷却管を独立に引き出すことを実現し、冷却液分配装置を省略し、構造をさらにコンパクト化することができるとともに、冷却液体の流動経路を短縮させ、それによって流速損失を低減させることができる。勿論、実際の応用では、給水管7は具体的なニーズに応じて垂直方向に対して傾斜して設けられてもよい。
【0045】
本実施例では、図3に示すように、チャンバー冷却装置はさらにセパレータ3を含み、それは冷却槽5内に設けられ、且つ冷却管2の上方に位置し、且つ、セパレータ3の中心領域に貫通孔31が設けられており、少なくとも冷却管2の吐出口21を露出することに用いられ、それによって冷却槽5の中心領域を開放状態を呈するようにし、冷却液体は該貫通孔31を介して溢れることができ、さらに対応するチャンバーの主要高温領域に十分な水流があることを確保し、それによって該領域を十分に冷却することを確保する。
【0046】
本実施例では、図2に示すように、チャンバー冷却装置はさらに2つの側板9を含み(図2にそのうちの一方の側板9のみが示される)、2つの側板9は冷却槽5内に対向設けられ、且つセパレータ3の両側に位置する(図2にセパレータ3が示されていない)、且つ、側板9の上部がセパレータ3よりも高く、且つ2つの側板9の上部にそれぞれストッパー4が設けられ、側板9の内側に位置する冷却液体の最高水位を限定することに用いられる。
【0047】
具体的には、冷却槽5の収容空間は2つの側板9によって中心領域及び該中心領域の両側に位置するエッジ領域51に仕切られ、すべての冷却管2が上記中心領域内に設けられる。冷却管2が冷却液体を噴出する過程で、冷却槽5の中心領域内に位置する水位が徐々に上昇し、水位がストッパー4を超えると、中心領域内の冷却液体が溢れ、且つ両側のエッジ領域51中に流れ込む。
【0048】
本実施例では、図3に示すように、各側板9の内側において、且つセパレータ3の上方に2つの噴射管6が設けられ、2つの側板9の噴射管6はそれぞれ2つの側板9の互いに離れた両端に近接し、例えば、図3内の上側の側板9の噴射管6は該側板9の右端に近接するが、下側の側板9の噴射管6は該側板9の左端に近接し、このように、異なる側板9上の噴射管6は冷却槽5の1つの対角に近接でき、且つ、各噴射管6は対向側の側板9に向けて冷却液体を噴出するようにし、これは特定の円周の接線方向に向けて冷却液体を噴出することに相当し、同様に回転水流を形成でき、該水流方向を、冷却管2が冷却液体を噴出して形成される回転水流の方向と略同じにするだけで、さらに冷却槽5内の冷却液体の回転動力を増加させることができる。選択肢として、噴射管6は単独に1本の給水管によって冷却液体を供給され、且つ噴射管6の導通/遮断及び流量の大きさを単独に調整できる。
【0049】
選択肢として、各側板9の内側に設けられる噴射管6の数は1つ又は複数であってもよく、且つ複数の噴射管6は水平方向に沿って間隔をあけて設けられる。
【0050】
本実施例では、図1及び図2に示すように、チャンバー冷却装置はさらに底板1及び取り付け板8を含み、そのうち、底板1は冷却槽5内に設けられ、且つ該底板1内にその厚さに沿って貫通する中心貫通溝11が設けられ、取り付け板8は底板1に積層され、且つ、各冷却管2が取り付け板8に固定され、各給水管7は取り付け板8を貫通し、且つそれに対応する冷却管2に接続される。底板1及び取り付け板8によって、冷却管2の取り付け及び固定が実現される。
【0051】
別の技術案として、本発明の実施例はさらに半導体加工設備を提供し、それは反応チャンバー、及び該反応チャンバーの底部に設けられるチャンバー冷却装置を含み、該チャンバー冷却装置は本発明の実施例が提供する上記チャンバー冷却装置を使用する。
【0052】
本発明の実施例が提供する半導体加工設備によれば、それは本発明の実施例が提供する上記チャンバー冷却装置を使用することによって、構造をさらにコンパクト化し、冷却液体の流速損失を低減させることができるだけでなく、複数の冷却管内の流量を独立して制御することができ、それによって操作性及び水流均一性を向上させることができる。
【0053】
理解できるように、以上の実施形態は単に本発明の原理を説明するために使用される例示的な実施形態であるが、本発明はこれに限定されない。当業者であれば、本発明の精神及び趣旨を逸脱しない場合に、様々な変形や改良を行うことができ、これらの変形や改良も本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0054】
2 冷却管
2a ストレート管部
2b 湾曲管部
21 吐出口
3 セパレータ
31 貫通孔
5 冷却槽
51 エッジ領域
7 給水管
71 開閉弁
72 流量調整弁
8 取り付け板
9 側板
図1
図2
図3
図4
図5
図6