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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】パウチ型二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/578 20210101AFI20220425BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20220425BHJP
   H01M 50/105 20210101ALI20220425BHJP
   H01M 50/178 20210101ALI20220425BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20220425BHJP
   H01M 50/193 20210101ALI20220425BHJP
   H01M 50/197 20210101ALI20220425BHJP
【FI】
H01M50/578
H01M50/533
H01M50/105
H01M50/178
H01M50/184 C
H01M50/193
H01M50/197
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019550192
(86)(22)【出願日】2018-08-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-16
(86)【国際出願番号】 KR2018009136
(87)【国際公開番号】W WO2019045310
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2019-09-12
(31)【優先権主張番号】10-2017-0109443
(32)【優先日】2017-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ピル・パク
(72)【発明者】
【氏名】スン・ドン・チェ
【審査官】井原 純
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-294097(JP,A)
【文献】特開2011-096664(JP,A)
【文献】特開2016-085849(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0159185(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0091324(KR,A)
【文献】特開2011-076776(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0125786(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0049889(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
H01M 50/10-50/198
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極及び負極を含む電極と、分離膜が積層される電極組立体、
前記電極組立体を収容するパウチ型の電池ケース、
前記電極と連結され、前記電極組立体の一側から突出される電極タブ、
一端が前記電極タブと連結される第1電極リード、
一端が前記第1電極リードの他端と連結され、他端が前記電池ケースの外部に突出される第2電極リード、及び
前記第1電極リード及び前記第2電極リードを互いに接着させて連結する連結部、
を含み、
前記第1電極リードの前記他端または前記第2電極リードの前記一端のうち少なくとも一つには、第1傾斜面が形成され、
前記第1傾斜面は、前記第1電極リードまたは前記第2電極リードが前記連結部を介して互いに接着される接着面と、鈍角をなしており、
前記第1及び第2電極リードの一部を包囲し、前記第1及び第2電極リードを前記電池ケースに接着させる絶縁部をさらに含み、
前記第1及び第2電極リードと前記連結部との間の接着力は、前記第1及び第2電極リードと前記絶縁部との間の接着力より弱い、パウチ型二次電池。
【請求項2】
前記第1電極リードの前記他端の側方に位置する段差補償部をさらに含む請求項1に記載のパウチ型二次電池。
【請求項3】
前記段差補償部は、複数に形成される、請求項2に記載のパウチ型二次電池。
【請求項4】
前記第1傾斜面が前記第1電極リードの前記他端に形成されると、
前記複数の段差補償部は、積層されたままそれぞれの一端が前記第1傾斜面に接触し、
前記第1傾斜面の傾斜角に対応して積層された順に長さが長くなる、請求項3に記載のパウチ型二次電池。
【請求項5】
前記段差補償部は、一体型に形成される、請求項2~4のいずれか一項に記載のパウチ型二次電池。
【請求項6】
前記第1傾斜面が前記第1電極リードの前記他端に形成されると、前記段差補償部の一端には、第2傾斜面が形成される、請求項2~5のいずれか一項に記載のパウチ型二次電池。
【請求項7】
前記第2傾斜面は、前記第1傾斜面と傾斜角が対応される、請求項6に記載のパウチ型二次電池。
【請求項8】
前記第2傾斜面は、前記第1傾斜面と接触する、請求項6または7に記載のパウチ型二次電池。
【請求項9】
前記段差補償部は、非伝導性を有する、請求項2~8のいずれか一項に記載のパウチ型二次電池。
【請求項10】
前記段差補償部は、前記第1電極リードの厚さ及び前記連結部の厚さの和と対応される厚さを有する、請求項2~9のいずれか一項に記載のパウチ型二次電池。
【請求項11】
前記絶縁部は、前記第1及び第2電極リードが前記連結部を介して連結された部分を包囲する、請求項1に記載のパウチ型二次電池。
【請求項12】
前記絶縁部は、電気絶縁性を有する熱可塑性、熱硬化性、光硬化性樹脂のうち少なくとも一つで形成される、請求項1~11のいずれか一項に記載のパウチ型二次電池。
【請求項13】
前記連結部は、導電材を含む伝導性ポリマーで製造される、請求項1~12のいずれか一項に記載のパウチ型二次電池。
【請求項14】
前記連結部は、厚さが1から500μmの範囲内である、請求項1~13のいずれか一項に記載のパウチ型二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2017年8月29日付韓国特許出願第10-2017-0109443号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、パウチ型二次電池に関し、より詳細には、ケースの内部で気体が発生して圧力が増加すると、複数の電極リードが確実に脱着され、電気的な連結の完全な遮断を保障することができるパウチ型二次電池に関する。
【背景技術】
【0003】
物質の物理的反応や化学的反応を介し電気エネルギーを生成させて外部に電源を供給することになる電池(Cell、Battery)は、各種の電子機器で取り囲まれている生活環境によって、建物に供給される交流電源を獲得できない場合や直流電源が必要な場合に用いることになる。
【0004】
このような電池のうち、化学的反応を利用する化学電池である一次電池と二次電池が一般的に多く用いられているが、一次電池は乾電池と通常称されるものであって消耗性電池である。一方で、二次電池は、電流と物質との間の酸化及び還元過程が多数繰り返し可能な素材を用いて製造される再充電式電池である。
【0005】
一般的に、二次電池の種類としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池などがある。このような二次電池は、デジタルカメラ、P-DVD、MP3P、携帯電話、PDA、携帯型ゲーム機(Portable Game Device)、動力機械(Power Tool)及び電動アシスト自転車(E-bike)などの小型製品だけではなく、電気自動車やハイブリッド自動車のような高出力が要求される大型製品と余剰発電電力や新再生エネルギーを貯蔵する電力貯蔵装置とバックアップ用電力貯蔵装置にも適用されて用いられている。
【0006】
リチウム二次電池は、一般的に、正極(Cathode)、分離膜(Separator)及び負極(Anode)が積層されて形成される。そして、これらの材料は、電池寿命、充放電容量、温度特性及び安定性などを考慮して選択される。リチウムイオンが正極のリチウム金属酸化物から負極の黒鉛電極に挿入(Intercalation)及び脱離(Deintercalation)される過程が繰り返されつつ、リチウム二次電池の充放電が進められる。
【0007】
一般的に、正極/分離膜/負極の3層構造、または正極/分離膜/負極/分離膜/正極または負極/分離膜/正極/分離膜/負極の5層構造に積層された単位セルが集まり、一つの電極組立体になる。そして、このような電極組立体は特定ケースに収容される。
【0008】
二次電池は、電極組立体を収容するケースの材質によって、パウチ型(Pouch Type)、缶型(Can Type)などに分類される。パウチ型(Pouch Type)は、形態が一定しない軟性のポリマー材質で製造されたパウチに電極組立体を収容する。そして、缶型(CanType)は、形態が一定な金属またはプラスチックなどの材質で製造されたケースに電極組立体を収容する。
【0009】
一方、二次電池は、外部衝撃による内部短絡、過充電、過放電などによる発熱とこれによる電解質分解、熱暴走現象など様々な問題で安全性の脅威を受ける。特に、二次電池の爆発は様々な原因から起こるが、電解質分解による二次電池内部の気体圧力の増加も一つの原因になる。
【0010】
具体的に、二次電池を繰り返し充放電すると、電解質と電極活物質による電気化学的反応で気体が発生する。このとき、発生した気体は、二次電池の内部圧力を上昇させて部品間の結合力弱化、二次電池のケース破損、保護回路の早期作動、電極の変形、内部短絡、爆発などの問題を発生させる。よって、缶型(Can Type)の二次電池の場合には、CIDフィルター及び安全ベントのような保護部材が設けられ、ケースの内部の圧力が増加すると電気的連結を物理的に遮断した。しかし、従来のパウチ型(Pouch Type)の二次電池の場合には、このような保護部材が充分に設けられなかった。
【0011】
最近には、電極リードを複数に設け、パウチ型(Pouch Type)の二次電池でケースの内部が膨張すると、複数の電極リード間の連結を遮断するなど、電気的連結を物理的に遮断する技術が提案された。ところが、複数の電極リード間の連結が完全に遮断されない場合には、ケースの内部が膨張したとしても依然として電極組立体から電気が生成され、外部に電力が供給され得る。よって、電流が完全に遮断されず、前記の問題を確実に解決することができるとの保障がなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、ケースの内部で気体が発生して圧力が増加すると、複数の電極リードが確実に脱着され、電気的な連結の完全な遮断を保障することができるパウチ型二次電池を提供することである。
【0013】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されなかった他の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するための本発明の実施例によるパウチ型二次電池は、正極及び負極を含む電極と、分離膜が積層される電極組立体;前記電極組立体を収容するパウチ型の電池ケース;前記電極と連結され、前記電極組立体の一側から突出される電極タブ;一端が前記電極タブと連結される第1電極リード;一端が前記第1電極リードの他端と連結され、他端が前記電池ケースの外部に突出される第2電極リード;及び前記第1電極リード及び前記第2電極リードを互いに接着させて連結する連結部を含み、前記第1電極リードの前記他端または前記第2電極リードの前記一端のうち少なくとも一つには、第1傾斜面が形成される。
【0015】
また、前記第1電極リードの前記他端の側方に位置する段差補償部をさらに含んでよい。
【0016】
また、前記段差補償部は、複数に形成されてよい。
【0017】
また、前記第1傾斜面が前記第1電極リードの前記他端に形成されると、前記複数の段差補償部は、積層されたままそれぞれの一端が前記第1傾斜面に接触し、前記第1傾斜面の傾斜角に対応して積層された順に長さが長くなってよい。
【0018】
また、前記段差補償部は、一体型に形成されてよい。
【0019】
また、前記第1傾斜面が前記第1電極リードの前記他端に形成されると、前記段差補償部の一端には、第2傾斜面が形成されてよい。
【0020】
また、前記第2傾斜面は、前記第1傾斜面と傾斜角が対応されてよい。
【0021】
また、前記第2傾斜面は、前記第1傾斜面と接触してよい。
【0022】
また、前記段差補償部は、非伝導性を有してよい。
【0023】
また、前記段差補償部は、前記第1電極リードの厚さ及び前記連結部の厚さの和と対応される厚さを有してよい。
【0024】
また、前記第1傾斜面は、前記第1電極リードまたは前記第2電極リードが前記連結部を介して互いに接着される接着面と、鈍角をなしてよい。
【0025】
また、前記第1及び第2電極リードの一部を包囲し、前記第1及び第2電極リードを前記電池ケースに接着させる絶縁部をさらに含んでよい。
【0026】
また、前記第1及び第2電極リードと前記連結部との間の接着力は、前記第1及び第2電極リードと前記絶縁部との間の接着力より弱くてよい。
【0027】
また、前記絶縁部は、前記第1及び第2電極リードが前記連結部を介して連結された部分を包囲してよい。
【0028】
また、前記絶縁部は、電気絶縁性を有する熱可塑性、熱硬化性、光硬化性樹脂のうち少なくとも一つで形成されてよい。
【0029】
また、前記連結部は、導電材を含む伝導性ポリマーで製造されてよい。
【0030】
また、前記連結部は、厚さが1から500μmの範囲内であってよい。
【0031】
本発明のその他具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0032】
本発明の実施例によると、少なくとも次のような効果がある。
【0033】
第1電極リードの他端または第2電極リードの一端のうち少なくとも一つには第1傾斜面が形成されるので、第1及び第2電極リードが確実に脱着され、電気的な連結の完全な遮断を保障することができる。
【0034】
また、第1電極リードの他端の側方に段差補償部が位置し、段差の高さを減少させるので、工程数を増加させなくても絶縁部と電極リードとの間の接着力を低下させずにすむ。
【0035】
本発明による効果は、以上で例示された内容により制限されず、さらに多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の一実施例によるパウチ型二次電池の組立図である。
図2図1のパウチ型二次電池の組み立てが完了した様子の斜視図である。
図3】本発明の一実施例によるパウチ型二次電池の体積が膨張した様子を示した斜視図である。
図4】本発明の一実施例によるパウチ型二次電池を図2のA-A’で切断した断面図の一部を示す図である。
図5】本発明の一実施例によるパウチ型二次電池の体積が膨張した様子を図2のA-A’で切断した断面図の一部を示す図である。
図6図4と同じ状態における従来の第1電極リード、第2電極リード及び連結部を拡大した拡大図である。
図7図5と同じ状態における従来の第1電極リード、第2電極リード及び連結部を拡大した拡大図である。
図8図4の状態における本発明の一実施例による第1電極リード、第2電極リード及び連結部を拡大した拡大図である。
図9図5の状態における本発明の一実施例による第1電極リード、第2電極リード及び連結部を拡大した拡大図である。
図10図4の状態における本発明の他の実施例による第1電極リード、第2電極リード及び連結部を拡大した拡大図である。
図11図4の状態における本発明のまた他の実施例による第1電極リード、第2電極リード及び連結部を拡大した拡大図である。
図12図4の状態における本発明のさらに他の実施例による第1電極リード、第2電極リード及び連結部を拡大した拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述される実施例を参照すれば明確となるであろう。しかし、本発明は、以下で開示する実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現されてよく、ただ本実施例は、本発明の開示が完全となるようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は特許請求の範囲の範疇によって定義されるだけである。明細書全体にわたって同一の参照符号は、同一の構成要素を指称する。
【0038】
他の定義がなければ、本明細書で用いられる全ての用語(技術及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に共通して理解され得る意味として用いることができるであろう。また、一般的に用いられる辞典に定義されている用語は、明白かつ特別に定義されていない限り、理想的または過度に解釈されない。
【0039】
本明細書で用いられる用語は、実施例を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書で、単数型は語句で特に言及しない限り、複数型を含む。明細書で用いられる「含む(comprises)」及び/または「含む(comprising)」は、言及された構成要素以外に一つ以上の他の構成要素の存在または追加を排除しない。
【0040】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0041】
図1は、本発明の一実施例によるパウチ型二次電池1の組立図であり、図2は、図1のパウチ型二次電池1の組み立てが完了した様子の斜視図である。
【0042】
一般的に、リチウム二次電池を製造する過程は、先ず電極活物質とバインダー及び可塑剤を混合したスラリーを正極集電体及び負極集電体に塗布して正極板と負極板を製造し、これを分離膜(Separator)の両側に積層することにより、所定形状の電極組立体10を形成した後に、電極組立体10を電池ケース13に挿入して電解液の注入後シーリングする。
【0043】
電極組立体(Electrode Assembly)10は、図1に示されたとおり、電極タブ(Electrode Tab)11を含む。電極タブ11は、電極組立体10の正極及び負極とそれぞれ連結され、電極組立体10の外部に突出され、電極組立体10の内部と外部の間に電子が移動できる経路となる。電極組立体10の集電板は、電極活物質が塗布された部分と電極活物質が塗布されない末端部分、すなわち、無地部で構成される。そして、電極タブ11は、無地部を裁断して形成されるか無地部に別途の導電部材を超音波溶接などで連結して形成されてもよい。このような電極タブ11は、図1に示されたとおり、電極組立体10の一側から同一の方向に並んで突出されてもよく、これに制限されずにそれぞれ異なる方向に突出されてもよい。
【0044】
電極組立体10の電極タブ11には、電極リード(Electrode Lead)12がスポット(Spot)溶接などで連結される。本発明の一実施例による電極リード12は、複数に形成される。そして、複数の電極リード12のうち、第1電極リード12a(図4に示される) は、電極組立体10の電極タブ11と連結され、第2電極リード12b(図4に示される)は、電池ケース13(Battery Case)の外部に突出される。第1及び第2電極リード12a、12bに対する詳細な説明は後述する。そして、電極リード12の一部は、絶縁部14で周囲が包囲される。絶縁部14は、電池ケース13の上部パウチ131と下部パウチ132が熱融着されるシーリング部に限定されて位置し、電極リード12を電池ケース13に接着させる。そして、電極組立体10から生成される電気が電極リード12を介して電池ケース13に流れることを防止し、電池ケース13のシーリングを維持する。よって、このような絶縁部14は、電気がよく通じない非伝導性を有する不導体で製造される。一般的に、絶縁部14としては、電極リード12に付着するのが容易であり、厚さが比較的薄い絶縁テープを多く用いるが、これに制限されずに電極リード12を絶縁することができるのであれば多様な部材を用いてよい。
【0045】
電極リード12は、正極タブ111及び負極タブ112の形成位置により互いに同一の方向に延長されてもよく、互いに反対方向に延長されてもよい。正極リード121及び負極リード122は、互いにその材質が異なってよい。すなわち、正極リード121は、正極板と同一のアルミニウム(Al)材質であり、負極リード122は負極板と同一の銅(Cu)材質またはニッケル(Ni)がコーティングされた銅材質であってよい。そして、電池ケース13の外部に突出された電極リード12の一部分は端子部となり、外部端子と電気的に連結される。
【0046】
パウチ型二次電池1において、電池ケース13は、軟性の材質で製造されたパウチである。そして、電池ケース13は、電極リード12の一部、すなわち端子部が露出するように電極組立体10を収容してシーリングされる。このような電池ケース13は、図1に示されたとおり、上部パウチ131と下部パウチ132を含む。下部パウチ132には、電極組立体10を収容することができる空間が設けられ、上部パウチ131は、前記電極組立体10が電池ケース13の外部に離脱されないように前記空間を上部でカバーする。上部パウチ131と下部パウチ132は、図1に示されたとおり、互いに分離されて別途製造されてよいが、これに制限されずに一側が互いに連結されて製造されるなど多様に製造されてよい。
【0047】
電極組立体10の電極タブ11に電極リード12が連結され、電極リード12の一部分に絶縁部14が形成されると、下部パウチ132に設けられた空間に電極組立体10が収容され、上部パウチ131が前記空間を上部でカバーする。そして、内部に電解液を注入して上部パウチ131と下部パウチ132の枠に形成されたシーリング部がシーリングされると、図2に示されたとおり、二次電池1が製造される。
【0048】
図3は、本発明の一実施例によるパウチ型二次電池1の体積が膨張した様子を示した斜視図である。
【0049】
本発明の一実施例による電池ケース13は、軟性の材質を有するパウチであることが好ましい。以下、電池ケース13は、パウチであるものとして説明する。
【0050】
一般的に、電極組立体10を収容する電池ケース13は、ガスバリア層(Gas Barrier Layer)とシーラント層(Sealant Layer)を含む。ガスバリア層は、ガスの出入りを遮断するものであって、主にアルミニウム薄膜(Al Foil)が用いられる。シーラント層は、最内層に位置して電極組立体10と直接的に接触し、主にポリプロピレン(PP)などが用いられる。そして、ガスバリア層の上部には表面保護層をさらに含んでよい。表面保護層は、最外層に位置して外部との摩擦及び衝突がよく発生する。よって、主に耐磨耗性及び耐熱性を有するナイロン(Nylon)樹脂またはPETが用いられる。
【0051】
パウチ型電池ケース13は、前記のような積層構造のフィルムが袋状に加工されて製造され、電極組立体10が内部に収容されると電解液を注入する。その後に、上部パウチ131と下部パウチ132を互いに接触させ、シーリング部に熱圧着を行うとシーラント層同士接着されることにより、電池ケース13がシーリングされる。このとき、シーラント層は電極組立体10と直接的に接触するので絶縁性を有さなければならず、また電解液とも接触するので耐食性を有さなければならない。また、内部を完全に密閉して内部及び外部間の物質移動を遮断しなければならないため、高いシーリング性を有さなければならない。すなわち、シーラント層同士が接着されたシーリング部は、優れた熱接着強度を有さなければならない。一般的に、このようなシーラント層には、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)などのポリオレフィン系樹脂が用いられる。特に、ポリプロピレン(PP)は、引張強度、剛性、表面硬度、耐磨耗性、耐熱性などの機械的物性と耐食性などの化学的物性に優れ、シーラント層を製造するのに主に用いられる。
【0052】
一方、一般的に電極組立体10では、酸化及び還元反応によって充電及び放電する。このとき、電解質と電極活物質による電気化学的反応により、ある程度気体が発生するが、電極組立体10の内部の異常反応による過充電またはショートなどの理由により非正常的にさらに多くの気体が発生し得る。ところが、前記パウチ型電池ケース13は、各層が全て軟性の材質を有するので、内部で圧力が増加すると、図3に示されたとおり、パウチ型二次電池1の体積が膨張する。最近には、電極リード12を複数に設け、このように二次電池1の体積が膨張すると、複数の電極リード12の間の連結を遮断するなど、電気的連結を物理的に遮断する技術が提案された。ところが、複数の電極リード12の間の連結が完全に遮断されない場合には、依然として電極組立体10から電気が生成され、外部に電力が供給されるので、前記問題を確実に解決することができなかった。
【0053】
図4は、本発明の一実施例によるパウチ型二次電池1を図2のA-A’で切断した断面図の一部である。
【0054】
本発明の一実施例によるパウチ型二次電池1は、図4に示されたとおり、電極リード12が複数に形成される。すなわち、電極リード12は、電極組立体10の電極タブ11と連結される第1電極リード12a及び電池ケース13の外部に突出される第2電極リード12bを含む。そして第1電極リード12aと第2電極リード12bは、それぞれ一面が連結部15を介して接着されることにより互いに連結される。
【0055】
第1及び第2電極リード12a、12bを互いに連結する連結部15は、伝導性を有する薄いフィルム状であることが好ましい。特に、連結部15の厚さは、1から500μmの範囲内と非常に薄いことが好ましい。よって、第1及び第2電極リード12a、12bが段差を形成したとしても、段差の大きさが大きすぎないので、電極組立体10から生成された電気を容易に外部に放出することができる。このため、連結部15は導電材を含むポリマーであることが好ましい。
【0056】
導電材は、天然または人造などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素纎維または金属纎維などの導電性纎維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル、金、銀、銅粉末などの金属粉末;1種の金属の上に異種の金属でコーティングされたコア/シェル(Core/Shell)構造を有する粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウイスキー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などのうち少なくとも一つが用いられてよい。
【0057】
前記ポリマーは、熱硬化性高分子樹脂として、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、EPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer)樹脂、CPE(Chlorinated Polyethylene)樹脂、シリコン、ポリウレタン、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂及び不飽和エステル樹脂、PP(polypropylene)、PE(polyethylene)、ポリイミド(polyimide)、ポリアミド(polyamide)のうち少なくとも一つを含み、アクリル樹脂が最も好ましい。
【0058】
一方、前述のとおり、電極リード12の一部は、絶縁部14に周囲が包囲される。上部パウチ131と下部パウチ132がシーリングされる過程で、電極リード12と接触する部分は相対的に圧力が高いので、電池ケース13のシーラント層が破損される可能性が高い。このようなシーラント層は、前述のとおり、電極組立体10と直接的に接触するので絶縁性を有する。しかし、シーラント層が破損されると、電極リード12を介して電池ケース13に電気が流れ得る。特に、電池ケース13のガスバリア層は、アルミニウムのような金属で製造されるので、シーラント層が少しでも破損されてガスバリア層が露出すると、電極リード12と接触して電気が容易に流れ得る。
【0059】
したがって、絶縁部14は、電気がよく通じない非伝導性を有する不導体で製造される。また、絶縁部14は、高い機械的強度と耐熱性を有する。したがって、上部パウチ131と下部パウチ132が熱融着されるとき、絶縁部14は形態を維持し、シーラント層が一部破損されてガスバリア層が露出したとしても電極リード12とガスバリア層の接触を遮断する。このようにして、電極組立体10から生成される電気が電極リード12を介して電池ケース13に流れることを防止する。そして、絶縁部14は高い接着性を有する。よって、電池ケース13の上部パウチ131と下部パウチ132が熱融着されるシーリング部に限定されて位置し、電極リード12を電池ケース13に接着させる。このような絶縁部14は高分子樹脂であって、電気絶縁性を有する熱可塑性、熱硬化性、光硬化性樹脂のうち少なくとも一つからなされてよい。一般的に、絶縁部14としては、電極リード12に付着することが容易であり、厚さが比較的薄い絶縁テープを多く用いるが、これに制限されず、電極リード12を絶縁することができるのであれば様々な部材を用いてよい。
【0060】
図4に示されたとおり、絶縁部14は、第1電極リード12a、連結部15及び第2電極リード12bを全て包囲する。もし、第1電極リード12aまたは連結部15を包囲しなければ、電池ケース13が膨張したとしても第1電極リード12aと第2電極リード12bに斥力を印加することができないからである。斥力に対する詳細な説明は後述する。
【0061】
下記のとおり、電池ケース13が正常である際には、第1及び第2電極リード12a、12bが互いに安定的に連結されなければならず、電池ケース13が膨張すると、第1及び第2電極リード12a、12bは互いに容易に脱着されなければならない。よって、第1及び第2電極リード12a、12bは、同一平面上に位置して側面が連結されるよりは、互いに他の平面上に位置して上下面が互いに連結されるのが好ましい。ところが、図4に示されたとおり、第1及び第2電極リード12a、12bが連結される部分では段差が形成され、絶縁部14と電極リード12との間の接着力が低下される問題が発生し得る。よって、前記段差の高さを減少させるため、段差補償部16(図8に示される)が設けられる。前記段差補償部16に対する詳細な説明は後述する。
【0062】
図5は、本発明の一実施例によるパウチ型二次電池1の体積が膨張した様子を図2のA-A’で切断した断面図の一部である。
【0063】
前述のとおり、パウチ型電池ケース13の内部で圧力が増加すると、パウチ型二次電池1の体積が膨張する。したがって、図5に示されたとおり、電池ケース13の外壁が外側に向かって移動する。このとき、電池ケース13の外壁のうち上壁及び下壁は側壁より面積が広くてシーリングされていないので、軟性がさらに大きい。よって、電池ケース13の上壁は上方に、下壁は下方に移動する傾向が大きい。
【0064】
二次電池1の体積が膨張すると、図5に示されたとおり、電池ケース13の外壁が外側に向かって移動しつつ、絶縁部14を介して第1電極リード12aと第2電極リード12bに斥力を印加する。よって、電池ケース13の内部圧力が次第に増加すると、電池ケース13の外壁が移動しようとする力がさらに大きくなり、第1電極リード12aと第2電極リード12bに印加される斥力の大きさもさらに増加する。第1電極リード12aと第2電極リード12bとの間の接着力より、前記斥力の大きさがさらに大きくなると、図5に示されたとおり、第1電極リード12aと第2電極リード12bは、結局、脱着される。よって、電気的連結が遮断され、電気がこれ以上流れることができない。但し、このとき、第1及び第2電極リード12a、12bと連結部15との間の接着力は、第1及び第2電極リード12a、12bと絶縁部14との間の接着力より弱い。よって、第1電極リード12aと第2電極リード12bに斥力が印加されると、第1及び第2電極リード12a、12bと絶縁部14との間の接着力は維持され、電池ケース13のシーリングが維持されて第1及び第2電極リード12a、12bが互いに脱着される。
【0065】
一方、本発明の一実施例によると、電池ケース13の内部の圧力が増加すると、第1電極リード12aと第2電極リード12bが完全に脱着される。そして、第1及び第2電極リード12a、12bが互いに完全に脱着されるので、少なくとも一つの電極リード12は一端に第1傾斜面17(図8に示される)を有する。前記第1傾斜面17に対する詳細な説明は後述する。
【0066】
図6は、図4でと同じ状態における従来の第1電極リード120a、第2電極リード120b及び連結部15を拡大した拡大図であり、図7は、図5でと同じ状態における従来の第1電極リード120a、第2電極リード120b及び連結部15を拡大した拡大図である。
【0067】
前述のとおり、電池ケース13の内部で気体が発生すると、二次電池1の内部圧力を上昇させて部品間の結合力の弱化、二次電池1のケース破損、保護回路の早期作動、電極の変形、内部短絡、爆発などの問題を発生させる。これを解決するため、電極リード12は、電極組立体10の電極タブ11と連結される第1電極リード12a及び電池ケース13の外部に突出される第2電極リード12bを含む。そして、第1電極リード12aと第2電極リード12bはそれぞれ一面が連結部15を介して接着されることにより、互いに連結される。このとき、第1電極リード12aは、一端が電極タブ11と連結され、他端が第2電極リード12bと連結される。そして、第2電極リード12bは、一端が第1電極リード12aの他端と連結され、他端が電池ケース13の外部に突出される。よって、第1電極リード12aの他端と第2電極リード12bの一端が連結部15を介して連結される。そして、第1及び第2電極リード12a、12bは、互いに他の平面上に位置して上下面が互いに連結されるのが好ましい。
【0068】
しかし、従来の第1及び第2電極リード120a、120bが互いに連結される第1電極リード120aの他端と、第2電極リード120bの一端には、図6に示されたとおり、傾斜面が形成されなかった。よって、電池ケース13の内部に多くの気体が発生して充分に電池ケース13が膨張すると、第1及び第2電極リード120a、120bが完全に脱着されなければならないが、図7に示されたとおり、第1電極リード120aの他端が依然として第2電極リード120bに依然として接触している場合が発生した。もし、複数の電極リード12の間の連結が完全に遮断されない場合には、依然として電極組立体10から電気が生成され、外部に電力が供給されるので、前記問題を確実に解決することができなかった。
【0069】
図8は、図4の状態における本発明の一実施例による第1電極リード12a、第2電極リード12b及び連結部15を拡大した拡大図であり、図9は、図5の状態における本発明の一実施例による第1電極リード12a、第2電極リード12b及び連結部15を拡大した拡大図である。
【0070】
本発明の一実施例による第1電極リード12aの他端は、図8に示されたとおり、第1傾斜面17を含む。このとき、第1傾斜面17は、第1電極リード12aが第2電極リード12bに連結部15を介して接着される接着面と、鈍角をなす。すなわち、第1電極リード12aの接着面が、前記接着面の反対側に位置して絶縁部14と連結される反対面より長さが短い。よって、電池ケース13の内部の圧力が増加して電池ケース13が膨張すると、図9に示されたとおり、第2電極リード12bが外側にベンディングされ、第1及び第2電極リード12a、12bが互いに確実に脱着されてよい(ここで「脱着」は、吸着または付着したものが離れるとのことを意味する)。すなわち、第1及び第2電極リード12a、12bの完全な遮断を保障することができる。一方で、前記接着面の反対面は、接着面より長さが長い。よって、第1電極リード12aと絶縁部14との間の接着力を大きく低下させはしない。
【0071】
一方、前述のとおり、電池ケース13が正常である際には、第1及び第2電極リード12a、12bが互いに安定的に連結されると電極組立体10から生成された電気を安定的に外部に供給する。一方で、電池ケース13が膨張すると、第1及び第2電極リード12a、12bは互いに容易に脱着されてこそ電気的な連結を遮断することができる。よって、第1及び第2電極リード12a、12bは、同一平面上に位置して側面が連結されるよりは、互いに他の平面上に位置して上下面が互いに連結されるのが好ましい。
【0072】
ところが、第1及び第2電極リード12a、12bが連結される部分では、連結部15の厚さがいくら薄いとしても、第1及び第2電極リード12a、12bが有する厚さによって段差が形成される。ところが、絶縁部14は、第1及び第2電極リード12a、12bが連結される部分まで含み、電極リード12の一部を包囲する。このとき、前記形成された段差によって、絶縁部14と電極リード12との間の接着力が低下されてよい。結局、電池ケース13の密閉が維持されずに、電池ケース13の内部に注入された電解液が外部に漏出される問題が発生し得る。これを解決するため、絶縁部14で段差が形成された部分を包囲するとき、シーリング工程を2回行う技術も提案されたが、工程を2回行わなければならないため煩わしく、工程数が増加する問題があった。
【0073】
したがって、本発明の一実施例によると、図8に示されたとおり、前記段差の高さを減少させるため、第1電極リード12aの前記他端の側方には段差補償部16が設けられる。段差補償部16が複数に形成される場合、全ての段差補償部16a、16bが並んで積層されて形成される。そして、積層された段差補償部16の厚さは、第1電極リード12aの厚さ及び連結部15の厚さの和と対応される。ここで対応されるとのことは、具体的に、段差補償部16の厚さが、第1電極リード12aの厚さ及び連結部15の厚さの和と同一であることが好ましいが、工程上において、ある程度厚さの差が発生したとしても、前記段差の高さを最小限に減少させるために、前記差は誤差範囲内であるとのことを意味する。
【0074】
このように、段差補償部16が第1電極リード12aの他端の側方に位置し、前記段差の高さを減少させるので、工程数を増加させなくても絶縁部14と電極リード12との間の接着力を低下させずにすむ。
【0075】
このとき、段差補償部16と第1電極リード12aの間に間隙が発生することを防止するため、段差補償部16は第1電極リード12aの他端と接触するのが好ましい。もし、段差補償部16a、16bが複数に形成され、第1電極リード12aの他端に第1傾斜面17が形成された場合、図8に示されたとおり、全ての段差補償部16a、16bが積層されたまま、それぞれの一端が全て第1傾斜面17に接触する。そして、複数の段差補償部16a、16bは、前記第1傾斜面17の傾斜角に対応して積層された順に長さが長くなる。すなわち、複数の段差補償部16a、16bの一つの一端が他の一つの一端より突出されて階段状を有し、段差補償部16a、16bの他端は全て同一平面上に位置するのが好ましい。
【0076】
一方、第1電極リード12aから伝達される電気が外部に漏電されることを防止するため、このような段差補償部16は電気がよく通じない非伝導性を有する不導体で製造されることが好ましい。
【0077】
図10は、図4の状態における本発明の他の実施例による第1電極リード12a、第2電極リード12b及び連結部15を拡大した拡大図である。
【0078】
本発明の一実施例による段差補償部16a、16bは複数に形成されて積層され、それぞれの一端が全て第1電極リード12aの他端に形成された第1傾斜面17に接触する。ところが、段差補償部16a、16bには傾斜面が形成されず、複数の段差補償部16a、16bは一つの一端が他の一つの一端よりさらに突出され階段状を有した。しかし、本発明の他の実施例によると、複数の段差補償部16c、16dの一端にそれぞれ第2傾斜面18が形成される。そして、それぞれの段差補償部16c、16dの第2傾斜面18等は全て同一の傾斜角を有し、第2傾斜面18の傾斜角は第1傾斜面17の傾斜角に対応される。ここで対応されるとのことは、第2傾斜面18の傾斜角は第1傾斜面17の傾斜角と同一であることが好ましいが、工程上において、ある程度の角度の差が発生したとしても、前記差は誤差範囲以内であるとのことを意味する。よって、図11に示されたとおり、段差補償部16が第1電極リード12aの他端の側方に、第1電極リード12aと同一平面上に位置する際、第1電極リード12aの他端に形成された第1傾斜面17と、段差補償部16の一端に形成された第2傾斜面18が互いに線接触ではない面接触を行うことが好ましい。よって、複数の段差補償部16c、16dのうち一つの一端が他の一つの一端より突出されたとしても、階段状を有さずにそれぞれの第2傾斜面18は同一平面上に位置する。これにより、第1電極リード12aと段差補償部16の間に間隙をさらに軽減させ、段差補償部16の離脱可能性を減少させることができる。
【0079】
図11は、図4の状態における、本発明のまた他の実施例による第1電極リード12a、第2電極リード12b及び連結部15を拡大した拡大図である。
【0080】
本発明のまた他の実施例による段差補償部16eは、複数に形成されて積層されるものではなく、一つの段差補償部16eとして一体型に形成される。よって、段差補償部16を積層する工程が必要ないため、工程数を減少させることができる。そして、第2傾斜面18aが形成された場合、それぞれの第2傾斜面18aを同一平面上に位置させるように調節する必要もなく、製造過程がさらに単純化され、ひいては不良率の発生も減少させる。すなわち、本発明の多様な実施例によると、段差補償部16は複数に形成されてもよいが、これに制限されずに一つだけで形成されてもよい。
【0081】
図12は、図4の状態における、本発明の追加的な他の実施例による第1電極リード12c、第2電極リード12d及び連結部15を拡大した拡大図である。
【0082】
前述のとおり、本発明の一実施例による第1電極リード12aの他端は、図8に示されたとおり、第1傾斜面17を含む。しかし、本発明のまた他の実施例によると、第1電極リード12cが第1傾斜面17aを含まずに、図12に示されたとおり、第2電極リード12dの一端が第1傾斜面17aを含む。このとき、第1傾斜面17aは、第2電極リード12dが第1電極リード12cに連結部15を介して接着される接着面と鈍角をなす。すなわち、第2電極リード12dの接着面が、前記接着面の反対側に位置して絶縁部14と連結される反対面より長さが短い。
【0083】
電池ケース13が膨張すると、図9に示されたとおり、第2電極リード12bが外側にベンディングされる。しかし、図5に示されたとおり、第1電極リード12aも外側にベンディングされてもよい。このときには、第2電極リード12dの一端が第1傾斜面17aを含むことが、第1及び第2電極リード12c、12dが互いに完全に脱着されるのにさらに容易となり得る。
【0084】
さらに、図示されていないが、第1電極リード12aの他端及び第2電極リード12bの一端が全て第1傾斜面17を含んでよい。すなわち、本発明の多様な実施例によると、第1電極リード12aの他端または第2電極リード12bの一端のうち少なくとも一つは第1傾斜面17を含んでよい。
【0085】
一方、本発明のまた他の実施例によると、第1電極リード12cの他端は第1傾斜面17aを含まないので、段差補償部16にも第2傾斜面18が形成されないことが好ましい。よって、図12に示されたとおり、段差補償部16f、12gが複数に形成されても、複数の段差補償部16f、16gの長さが全て同一であってよい。このようにして、複数の段差補償部16f、16gの一端が全て第1電極リード12cの他端と接触して間隙を形成しないので、第1電極リード12c及び段差補償部16と絶縁部14との間の接着力を低下させないこともあり得る。
【0086】
本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せずとも、他の具体的な形態で実施され得るとのことを理解することができるであろう。よって、以上で記述した実施例は、全ての面において例示的なものであり、限定的ではないものとして理解しなければならない。本発明の範囲は、前記詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、またその均等概念から導き出される様々な実施形態が本発明の範囲に含まれると解釈すべきである。
【符号の説明】
【0087】
1 二次電池
10 電極組立体
11 電極タブ
12 電極リード
12a 第1電極リード
12b 第2電極リード
12c 第1電極リード
12d 第2電極リード
12g 段差補償部
13 電池ケース
14 絶縁部
15 連結部
16 段差補償部
16a 段差補償部
16b 段差補償部
16c 段差補償部
16d 段差補償部
16e 段差補償部
16f 段差補償部
16g 段差補償部
17 第1傾斜面
17a 第1傾斜面
18 第2傾斜面
111 正極タブ
112 負極タブ
120a 第1電極リード
120b 第2電極リード
121 正極リード
122 負極リード
131 上部パウチ
132 下部パウチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12