(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】アンテナインパッケージ検証ボード
(51)【国際特許分類】
H01Q 23/00 20060101AFI20220425BHJP
H01Q 21/06 20060101ALI20220425BHJP
H01Q 1/12 20060101ALI20220425BHJP
【FI】
H01Q23/00
H01Q21/06
H01Q1/12 Z
(21)【出願番号】P 2020136688
(22)【出願日】2020-08-13
【審査請求日】2020-08-13
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520307104
【氏名又は名称】稜研科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】TMY TECHNOLOGY INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張書維
(72)【発明者】
【氏名】林決仁
(72)【発明者】
【氏名】蔡文才
(72)【発明者】
【氏名】洪子傑
(72)【発明者】
【氏名】戴揚
(72)【発明者】
【氏名】方建▲哲▼
(72)【発明者】
【氏名】黄柏嘉
(72)【発明者】
【氏名】孫徳良
(72)【発明者】
【氏名】盧穎彦
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-116209(JP,A)
【文献】特表2017-508306(JP,A)
【文献】特開2000-216630(JP,A)
【文献】特開2015-023360(JP,A)
【文献】特表2017-518505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00- 3/46
H01Q 21/00-25/04
G01R 31/28-31/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミリ波(mmWave)アンテナアレイ又は
ミリ波電子回路を設置するための載置プレートと、
前記載置プレートにアレイ状に形成された複数のグラウンド-信号-グラウンド(ground-signal-ground、GSG)のスルーホール(through hole)と、
アレイ方式で前記載置プレートに配列された複数のプッシュオン型コネクターとを備え、
前記複数のプッシュオン型コネクター
のそれぞれは、前記載置プレート上のアンテナアレイの特性又は前記載置プレート上の電子回路の特性をテストするために、
前記複数のグラウンド-信号-グラウンド(ground-signal-ground、GSG)のスルーホール(through hole)のそれぞれを介して、前記載置プレート上の
前記アンテナアレイ
のアンテナのそれぞれ又は
前記電子回路
の電子素子のそれぞれと電気的に接続されていることを特徴とするアンテナインパッケージ検証ボード。
【請求項2】
前記複数のプッシュオン型コネクターは、それぞれ、接続パッドを含む、請求項1に記載のアンテナインパッケージ検証ボード。
【請求項3】
前記アンテナインパッケージ検証ボードは、ビーム成形試験台に固着されている、請求項1に記載のアンテナインパッケージ検証ボード。
【請求項4】
前記複数のプッシュオン型コネクターは、テスト機器と接続されている、請求項1に記載のアンテナインパッケージ検証ボード。
【請求項5】
前記複数のプッシュオン型コネクターは、超小型プッシュオン型マイクロ(Sub-Miniature Push-on Micro、SMPM)コネクターである、請求項1に記載のアンテナインパッケージ検証ボード。
【請求項6】
ミリ波(mmWave)アンテナアレイ又は
ミリ波電子回路を設置するための載置プレートと、
前記載置プレートに
アレイ状に形成された
複数のグラウンド-信号-グラウンド(ground-signal-ground、GSG)のスルーホール(through hole)と、
アレイ方式で前記載置プレート上に配列された複数組の遷移構造と、
を備え、
前記複数組の遷移構造は、前記載置プレート上のアンテナアレイの特性又は前記載置プレート上の電子回路の特性をテストするために、前記
複数のグラウンド-信号-グラウンドの
スルーホールのそれぞれを介して、前記載置プレート上の
前記アンテナアレイ
のアンテナのそれぞれ又は前記載置プレート上の
前記電子回路
の電子素子のそれぞれと電気的に接続されていることを特徴とするアンテナインパッケージ検証ボード。
【請求項7】
前記複数組の遷移構造における各遷移構造は、それぞれ、接続パッドを含む、請求項
6に記載のアンテナインパッケージ検証ボード。
【請求項8】
前記アンテナインパッケージ検証ボードは、ビーム成形試験台に固着されている、請求項
6に記載のアンテナインパッケージ検証ボード。
【請求項9】
前記複数組の遷移構造は、テスト機器と接続されている、請求項
6に記載のアンテナインパッケージ検証ボード。
【請求項10】
前記複数組の遷移構造は、回路板と接続されている、請求項
6に記載のアンテナインパッケージ検証ボード。
【請求項11】
無線周波数回路を設置するための載置プレートと、
前記載置プレートに
アレイ状に形成された
複数のグラウンド-信号-グラウンドの
スルーホールと、
アレイ方式で前記載置プレートの一方の面に配列された複数のコネクターと、
アレイ方式で前記載置プレートの他方の面に配列された複数組の遷移構造と、
を備え、
前記複数のコネクター
のそれぞれは、前記
複数のグラウンド-信号-グラウンドの
スルーホールのそれぞれを介して、前記複数組の遷移構造と電気的に接続され
、
前記複数のコネクターはテスト機器と接続され、前記複数組の遷移構造は、被検物であるミリ波(mmWave)アンテナアレイ又はミリ波電子回路に接続されていることを特徴とするアンテナインパッケージ検証ボード。
【請求項12】
前記複数のコネクターは、それぞれ、接続パッドを含む、請求項
11に記載のアンテナインパッケージ検証ボード。
【請求項13】
前記複数組の遷移構造における各遷移構造は、それぞれ、接続パッドを含む、請求項
11に記載のアンテナインパッケージ検証ボード。
【請求項14】
前記複数のコネクター及び/又は前記複数組の遷移構造は、回路板と接続されている、請求項
11に記載のアンテナインパッケージ検証ボード。
【請求項15】
前記アンテナインパッケージ検証ボードは、ビーム成形試験台に固着されている、請求項
11に記載のアンテナインパッケージ検証ボード。
【請求項16】
前記複数のコネクターは、超小型プッシュオン型マイクロ(Sub-Miniature Push-on Micro、SMPM)コネクターである、請求項
11に記載のアンテナインパッケージ検証ボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナインパッケージ(antennas in package、AiP)の検証とテストに関し、特に、ミリ波(mmWave)第五世代移動通信(5G)に適したアンテナインパッケージ検証ボードに関する。
【背景技術】
【0002】
アンテナインパッケージ(AiP)は、一つ又は複数のアンテナ及びトランシーバー(transceiver)を標準表面実装デバイス(standard surface-mount device)に統合する技術であり、60GHzのジェスチャセンサ(gesture sensor)、77GHzの自動車レーダ(automobile radar)、94GHzの位相配列(phased array)、ないし122GHzまでの画像センサ及び300GHzの無線ネットワークに広く利用されている。また、第五世代移動通信(5G)ミリ波スペクトルは、搬送波としてミリ波が使用されるため、次世代のユーザ体験と工業的応用を提供するのに十分な帯域幅を有し、AiP技術も5Gミリ波へと発展が進んでいる。
【0003】
現在、アンテナインパッケージの設計上において、その回路板の上層はアンテナアレイであり、通常、下層は電子回路及び電子素子である。従って、アンテナアレイは、通常、独立的に検証又はテストをすることができず、アンテナインパッケージシステム全体の電気特性検証とテストしか行うことができないため、アンテナインパッケージの開発及びテスト上の盲点となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、アンテナインパッケージの検証上の困難性を克服してアンテナインパッケージの開発スケジュールとコストを低減させるために、如何にして、アンテナアレイ、電子回路、電子素子を独立的にテストできるとともに、アンテナと電子素子とを同時に結合できる検証ボードを提供するかは、所属する技術分野において早急に解決すべき課題の一つとなっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の一つの実施例は、アンテナアレイ又は電子回路を設置するための載置プレートと、アレイ方式で該載置プレートに配列された複数のプッシュオン型コネクターとを備え、該複数のプッシュオン型コネクターは、該載置プレート上のアンテナアレイの特性又は該載置プレート上の電子回路の特性をテストするために、該載置プレート上のアンテナアレイ又は電子回路と電気的に接続されているアンテナインパッケージ検証ボードを提供する。
【0006】
本発明の他の実施例は、アンテナアレイ又は電子回路を設置するための載置プレートと、該載置プレートに形成されたグラウンド-信号-グラウンド(ground-signal-ground、GSG)のスルーホール(through hole)と、アレイ方式で該載置プレート上に配列された複数組の遷移構造とを備え、該複数組の遷移構造は、該載置プレート上のアンテナアレイの特性又は該載置プレート上の電子回路の特性をテストするために、該グラウンド-信号-グラウンドのスルーホールを介して、該載置プレート上のアンテナアレイ又は該載置プレート上の電子回路と電気的に接続されているアンテナインパッケージ検証ボードをさらに提供する。
【0007】
本発明の他のもう一つの実施例は、無線周波数回路を設置するための載置プレートと、該載置プレートに形成されたグラウンド-信号-グラウンドのスルーホールと、アレイ方式で該載置プレートの一方の面に配列された複数のコネクターと、アレイ方式で該載置プレートの他方の面に配列された複数組の遷移構造とを備え、該複数のコネクターは、該グラウンド-信号-グラウンドのスルーホールを介して、該複数組の遷移構造と電気的に接続されているアンテナインパッケージ検証ボードをさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図面は、本発明に含まれて本発明の一部を構成しており、本発明の各具体的な実施例を示し、本発明の具体的な実施例を説明するものである。
【0009】
【
図1A】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第1の実施例の立体分解図である。
【0010】
【
図1B】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第1の実施例の立体組み合わせ図である。
【0011】
【
図2A】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第2の実施例の立体分解図である。
【0012】
【
図2B】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第2の実施例の立体組み合わせ図である。
【0013】
【
図2C】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第2の実施例の遷移構造の立体模式図である。
【0014】
【
図3A】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第3の実施例の立体分解図である。
【0015】
【
図3B】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第3の実施例の立体組み合わせ図である。
【0016】
【
図4A】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第4の実施例の立体組み合わせ平面図である。
【0017】
【
図4B】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第4の実施例の立体組み合わせ底面図である。
【0018】
【
図4C】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第4の実施例の立体分解図である。
【0019】
【
図5A】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第4の実施例の底部アンテナインパッケージ検証ボードの上部の立体図である。
【0020】
【
図5B】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第4の実施例の底部アンテナインパッケージ検証ボードの上部の局所拡大立体図である。
【0021】
【
図6A】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第4の実施例の底部アンテナインパッケージ検証ボードの下部の立体図である。
【0022】
【
図6B】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第4の実施例の底部アンテナインパッケージ検証ボードの下部の局所拡大立体図である。
【0023】
【
図7A】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第4の実施例の帯域通過フィルター回路板の上部の立体図である。
【0024】
【
図7B】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第4の実施例の帯域通過フィルター回路板の上部の局所拡大立体図である。
【0025】
【
図8A】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第4の実施例の帯域通過フィルター回路板の下部の立体図である。
【0026】
【
図8B】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第4の実施例の帯域通過フィルター回路板の下部の局所拡大立体図である。
【0027】
【
図9A】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第4の実施例の頂部アンテナインパッケージ検証ボードの上部の立体図である。
【0028】
【
図9B】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第4の実施例の頂部アンテナインパッケージ検証ボードの下部の立体図である。
【0029】
【
図9C】本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第4の実施例の頂部アンテナインパッケージ検証ボードの下部の局所拡大立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下は、特定の具体的な実施例により、本発明の実施形態を説明する。本明細書に記載されている内容によれば、当業者が簡単に本発明のその他の利点や効果を理解できる。本発明は、その他の異なる実施例によって施行又は応用をすることが可能である。
【0031】
上記従来技術の課題を解決するために、本発明は、ミリ波(mmWave)第五世代移動通信(5G)に適したアンテナインパッケージ(antenna in package、AiP)検証ボードを提供することを目的とする。本発明の具体的な実施例について、以下のように説明する。
【0032】
[第1の実施例]
【0033】
図1Aは、本発明のアンテナインパッケージ検証ボードの第1の実施例の立体分解図であり、
図1Bは、本発明のアンテナインパッケージ検証ボードの第1の実施例の立体組み合わせ図である。本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードは、載置プレート(例えば、アンテナアレイが設けられたアンテナアレイプレート11又は電子回路が設けられた電子回路板11’)と複数のプッシュオン型コネクター(例えば、超小型プッシュオン型マイクロ(Sub-Miniature Push-on Micro、SMPM)コネクター13)とを備える。複数のSMPMコネクター13は、アンテナアレイプレート11上のアンテナアレイの特性又は電子回路板11’上の電子回路の特性をテストするために、アレイ方式でアンテナアレイプレート11又は電子回路板11’の一方の面に配列されて、アンテナアレイプレート11又は電子回路板11’と電気的に接続されている。
【0034】
本実施例において、複数のSMPMコネクター13は、接続パッド(pad)(図示せず)を含む。アンテナアレイプレート11上のアンテナアレイは、ミリ波(mmWave)アンテナアレイであり、電子回路板11’上の電子回路は、ミリ波電子回路である。
【0035】
具体的には、
図1Aと
図1Bに示すように、アンテナアレイプレート11又は電子回路板11’の片面には、複数のSMPMコネクター13が設けられている。複数のSMPMコネクター13は、アレイ方式で8×8のSMPMコネクターアレイとして配列されている。複数のSMPMコネクター13は、アンテナアレイプレート11又は電子回路板11’と直接電気的に接続されてもよい。従って、複数のSMPMコネクター13は、テスト機器と直接接続することが可能であるため、本実施例においては、複数のSMPMコネクター13により、アンテナアレイプレート11のアンテナアレイの特性と電子回路板11’の電子素子の特性とをそれぞれテストすることができ、ミリ波アンテナ及びその回路の検証における困難性を低減することができる。ここで説明しておきたいのは、低損失の変換を達成するために、各SMPMコネクター13上の接続パッドは、適切な構造に設計又は最適化されてもよいことである。
【0036】
本実施例において、複数のSMPMコネクター13が設けられたアンテナインパッケージ検証ボードは、ビーム成形試験台(beamforming test platform)上に固着されてもよく、本発明は、アンテナインパッケージをアンテナと回路とに分けてそれぞれのテストを行うことができる。従って、多種類の回路板及びアンテナを製造する必要がなく、設計上のコストを節約することができる。
【0037】
[第2の実施例]
【0038】
図2Aと
図2Bは、それぞれ、本発明のアンテナインパッケージ検証ボードの第2の実施例の立体分解図及び立体組み合わせ図である。本実施例のアンテナインパッケージ検証ボードは、載置プレート(例えば、アンテナアレイが設けられたアンテナアレイプレート31又は電子回路が設けられた電子回路板31’)と複数組の遷移構造33(RDIS社のinvispinを例として説明するが、本発明はそれに限定されるものではない)とを備える。複数組の遷移構造33は、アレイ方式でアンテナアレイプレート31又は電子回路板31’の一方の面に配列されており、アンテナアレイプレート31の他方の面にはアンテナアレイが設けられているか、あるいは電子回路板31’の他方の面には電子回路が設けられている。複数組の遷移構造33は、アンテナアレイプレート31上のアンテナアレイの特性又は電子回路板31’上の電子回路及び素子の特性をテストするために、グラウンド-信号-グラウンド(ground-signal-ground、GSG)のスルーホール(through hole)を介して、アンテナアレイプレート31上のアンテナアレイ又は電子回路板31’上の電子回路と電気的に接続されている。また、アンテナアレイプレート31上のアンテナアレイは、ミリ波アンテナアレイであり、電子回路板31’上の電子回路は、ミリ波電子回路である。
【0039】
本実施例において、
図2Cに示すように、各組の遷移構造33における各遷移構造は、それぞれ、接続パッド331を含む。
【0040】
図2Aと
図2Bに示すように、アンテナアレイプレート31又は電子回路板31’の片面には、複数組の遷移構造33が設けられている。複数組の遷移構造33は、アレイ方式で8×8の遷移構造変換アレイとして配列されている。複数組の遷移構造33は、アンテナアレイプレート31又は電子回路板31’と直接電気的に接続されてもよい。複数組の遷移構造33は、テスト機器と接続することが可能であるため、本実施例においては、複数組の遷移構造33の変換アレイにより、アンテナアレイプレート31のアンテナアレイの特性と電子回路板31’の電子素子の特性とをそれぞれテストすることができ、ミリ波アンテナ及びその回路の検証における困難性を低減することができる。ここで説明しておきたいのは、各遷移構造33は、極めて小さい断面を提供できるため、その他の回路板(例えば、プリント回路板)に接続される場合、回路板は、対応する同軸パッド(coaxial pad)をエッチングするだけで、本発明のアンテナインパッケージ検証ボードと直接接続することが可能であり、別途のコネクターを必要としないことである。また、各遷移構造上の接続パッドは、低損失の変換を達成するために、適切な構造に設計又は最適化されてもよい。
【0041】
本実施例において、複数組の遷移構造33が設けられたアンテナインパッケージ検証ボードは、ビーム成形試験台上に固着されてもよいので、本発明は、アンテナインパッケージをアンテナと回路とに分けてそれぞれテストを行うことができる。従って、多種類の回路板及びアンテナを製造する必要がなく、設計上のコストを節約することができる。
【0042】
[第3の実施例]
【0043】
図3Aと
図3Bは、それぞれ、本発明のアンテナインパッケージ検証ボードの第3の実施例の立体分解図及び立体組み合わせ図である。本実施例のアンテナインパッケージ検証ボードは、複数のコネクター51(例えば、SMPMコネクター)と複数組の遷移構造53(例えば、invispin)とを備える。複数のSMPMコネクター51は、アレイ方式で検証ボード(例えば、無線周波数回路が設けられた無線周波数回路板55)の一方の面に配列されており、複数組の遷移構造53は、アレイ方式で無線周波数回路板55の他方の面に配列されており、複数のSMPMコネクター51は、検証ボードに設けられたグラウンド-信号-グラウンドのスルーホールを介して、複数組の遷移構造53と電気的に接続されてもよい。
【0044】
本実施例において、
図3Aと
図3Bに示すように、無線周波数回路板55の一方の面には、複数組の遷移構造53が設けられており、無線周波数回路板55の他方の面には、複数組のSMPMコネクター51が設けられており、複数組の遷移構造53及び複数のSMPMコネクター51はいずれも、アレイ方式で4×4の遷移構造アレイ及びSMPMコネクターアレイの遷移構造として配列されており、各組の遷移構造53は、グラウンド-信号-グラウンド(ground-signal-ground、GSG)のスルーホールに応じて配置されている。即ち、本実施例の複数のSMPMコネクター51は、テスト機器又は装置と直接接続することが可能であり、複数組の遷移構造53は、被検物(device under test、DUT)と素早く接続することが可能であるため、被検物は、対応する同軸パッド(coaxial pad)をエッチングするだけで、本発明のアンテナインパッケージ検証ボード上の複数組の遷移構造と直接接続することが可能であり、別途のコネクターを必要としない。ここで説明しておきたいのは、各遷移構造53上の接続パッドは、低損失の変換を達成するために、適切な構造に設計又は最適化されてもよいことである。
【0045】
ここで説明しておきたいのは、複数のSMPMコネクター51は、テスト機器又は装置と直接接続することが可能であり、かつ、被検物には別途のコネクター又は遷移構造を必要としないため、本実施例においては、複数のSMPMコネクター51及び複数組の遷移構造53により、アンテナインパッケージボードのアンテナアレイの特性と電子回路板の電子素子の特性とをそれぞれテストすることができ、ミリ波アンテナ及びその回路の検証における困難性を低減することができる。
【0046】
本実施例において、複数のSMPMコネクター51及び複数組の遷移構造53が設けられたアンテナインパッケージ検証ボードは、ビーム成形試験台上に固着されてもよいので、本実施例は、アンテナインパッケージをアンテナと回路とに分けてそれぞれテストを行うことができる。従って、多種類の回路板及びアンテナを製造する必要がなく、設計上のコストを節約することができる。
【0047】
本実施例において留意すべき点は、SMPMコネクター51と遷移構造53とが設けられた複数の遷移検証ボードにより、中間に設けられた被検物(例えば、アンテナアレイプレート又は電子回路板)に対して、テスト及び検証を行うことができることである。従って、応用上、回路板自体の積層構造制約に制限されることはない。
【0048】
[第4の実施例]
【0049】
図4A、
図4B及び
図4Cは、それぞれ、本発明に係るアンテナインパッケージ検証ボードの第4の実施例の立体組み合わせ平面図、立体組み合わせ底面図及び立体分解図である。本実施例は、底部アンテナインパッケージ検証ボード71、帯域通過フィルター回路板81、及び頂部アンテナインパッケージ検証ボード91を含む。帯域通過フィルター回路板81は、底部アンテナインパッケージ検証ボード71と頂部アンテナインパッケージ検証ボード91との間に設置されている。また、その間に設置された帯域通過フィルター回路板81の代わりに、その他の回路板を使用してもよく、帯域通過フィルター回路板81の上方及び/又は下方にその他の回路板を加えてもよい。言い換えれば、その間に複数の回路板が積層されて、同時に複数の回路板のテスト及び検証が行われてもよい。
【0050】
本実施例において、底部アンテナインパッケージ検証ボード71、帯域通過フィルター回路板81及び頂部アンテナインパッケージ検証ボード91は、順次に積層され、ビーム成形試験台101に固着されてもよい。該ビーム成形試験台101は、治具本体1011と複数の固定クリップ1013とを備え、前記試験台及びクリップは、例示的説明にすぎず、本発明を限定するものではない。また、本実施例のビーム成形試験台101は、治具本体1011の中心に開口1015を有するため、該開口1015を介して、ビーム成形試験台101上に設置されたアンテナインパッケージ検証ボード又は回路板の上下両面に対してテスト及び検証を容易に行うことができる。
【0051】
具体的には、
図5Aと
図5Bは、それぞれ、本実施例に係る底部アンテナインパッケージ検証ボード71の上部の立体図及び局所拡大立体図である。
図6Aと
図6Bは、それぞれ、本実施例の底部アンテナインパッケージ検証ボード71の下部の立体図及び局所拡大立体図である。
図4C、
図5A、
図5B、
図6A、
図6Bに示すように、底部アンテナインパッケージ検証ボード71の上部は、複数組の遷移構造711を有し、帯域通過フィルター回路板81の下部と電気的に接続されている。複数組の遷移構造711は、アレイ方式で配列されており、底部アンテナインパッケージ検証ボード71の下部は、複数のプッシュオン型コネクター713(例えば、SMPMコネクター)を有する。複数のプッシュオン型コネクター713も、アレイ方式で配列されており、グラウンド-信号-グラウンド(ground-signal-ground、GSG)のスルーホール(図示せず)を介して、複数のプッシュオン型コネクター713と複数組の遷移構造711とが電気的に接続されている。
【0052】
図7Aと
図7Bは、それぞれ、本実施例に係る帯域通過フィルター回路板81の上部の立体図及び局所拡大立体図である。
図7Aと
図7Bに示すように、帯域通過フィルター回路板81の上部は、複数組の遷移構造811を有し、上方の頂部アンテナインパッケージ検証ボード91の下部と電気的に接続されている。複数組の遷移構造811は、アレイ方式で配列されている。
図8Aと
図8Bは、それぞれ、本実施例の帯域通過フィルター回路板81の下部の立体図及び局所拡大立体図を示す。
図8Aと
図8Bに示すように、帯域通過フィルター回路板81の下部は、帯域通過フィルター回路構造813であり、グラウンド-信号-グラウンド(GSG)の接続パッド(pad)を介して、帯域通過フィルター回路板81の下部と下方の底部アンテナインパッケージ検証ボード71の上部とが電気的に接続されている。
【0053】
図9Aは、本実施例の頂部アンテナインパッケージ検証ボード91の上部の立体図であり、
図9Bと
図9Cは、それぞれ、本実施例の頂部アンテナインパッケージ検証ボード91の下部の立体図及び局所拡大立体図を示す。
図9A、
図9B、
図9Cに示すように、頂部アンテナインパッケージ検証ボード91の上部は、複数のプッシュオン型コネクター911(例えば、SMPMコネクター)を有し、頂部アンテナインパッケージ検証ボード91の下部は、複数組のグラウンド-信号-グラウンド(GSG)の接続パッド913を有し、その下方の帯域通過フィルター回路板81の上部と電気的に接続されている。
【0054】
上記のように、本発明の上記の具体的な実施例は、アンテナインパッケージの開発時間を効果的に短縮することができる。即ち、本発明の検証ボードによりアンテナ又は回路を素早く取り替えることで、各々の検証及びテストを行うことができ、アンテナインパッケージの開発スケジュールを大幅に短縮することができる。また、テストシステム全体の統合においては、さらなるテストの自由度を有することが可能となる。また、回路の動作帯域幅が広く、アンテナの帯域幅が狭いため、異なる周波数バンドの特性をテストする場合は、回路を新たに設計したり作成したりする必要がなく、アンテナを取り替えるだけでよいため、応用上は従来のテスト構造より範囲が広くなる。
【0055】
上記実施例は、本発明の技術的原理、特徴及びその効果を例示的に説明したものに過ぎず、本発明の実施可能な範囲を限定するためのものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で、当業者がそれらの実施態様に対して修正や変更を施すことが可能である。ただし、任意の本発明の教示内容により完成された同等の修飾や変更は、いずれも本発明の特許請求の範囲に含まれると見なされるべきである。本発明の権利保護範囲は、後述の特許請求の範囲のとおりである。
【符号の説明】
【0056】
11 アンテナアレイプレート
11’ 電子回路板
13 SMPMコネクター
31 アンテナアレイプレート
31’ 電子回路板
33 遷移構造
331 接続パッド
51 SMPMコネクター
53 遷移構造
55 無線周波数回路板
71 底部アンテナインパッケージ検証ボード
711 遷移構造
713 プッシュオン型コネクター
81 帯域通過フィルター回路板
811 遷移構造
813 帯域通過フィルター回路構造
91 頂部アンテナインパッケージ検証ボード
911 プッシュオン型コネクター
913 接続パッド
101 ビーム成形試験台
1011 治具本体
1013 固定クリップ
1015 開口