IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コクヨ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-収納家具 図1
  • 特許-収納家具 図2
  • 特許-収納家具 図3
  • 特許-収納家具 図4
  • 特許-収納家具 図5
  • 特許-収納家具 図6
  • 特許-収納家具 図7
  • 特許-収納家具 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】収納家具
(51)【国際特許分類】
   A47B 55/00 20060101AFI20220425BHJP
【FI】
A47B55/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017116214
(22)【出願日】2017-06-13
(65)【公開番号】P2019000236
(43)【公開日】2019-01-10
【審査請求日】2020-05-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】山西 学
(72)【発明者】
【氏名】繁田 佳祐
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-112213(JP,A)
【文献】特開平11-226433(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1352500(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 55/00
A47B 51/00
E05F 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右両側に対をなす側板の間に物品を収納するための収納空間を内在させている筐体と、
前記筐体の収納空間を前方より遮蔽する上下動可能な扉と、
前記扉の上下動と相反する方向に上下動する、扉の自重を打ち消すためのカウンタウェイトと、
前記扉と前記カウンタウェイトとを接続するワイヤ及びこのワイヤが掛けられる滑車を含み、これらワイヤ及び滑車が前記側板の左右方向の厚みの内に配置される連動機構とを具備し、
前記側板の内側面における収納空間に面する箇所に当該側板の内側面を隠蔽する内装板が取り付けられる収納家具。
【請求項2】
前記側板は、前端部に内側方に屈曲した前壁を備えており、
前記内装板の前端縁と前記側板の前壁の後面との間に、前記扉のスライダを通過させる隙間が形成されている請求項1記載の収納家具。
【請求項3】
前記ワイヤは、前記扉及び前記カウンタウェイトの各々の上端より上方に伸び、前後方向に延伸する中間部分が、前後方向に沿って配列され左右方向に伸びる軸回りに回動可能な複数個の前記滑車に掛けられている請求項1または2記載の収納家具。
【請求項4】
左右両側に対をなす側板の間に物品を収納するための収納空間を内在させている筐体と、
前記筐体の収納空間を前方より遮蔽する上下動可能な扉と、
前記扉の上下動と相反する方向に上下動する、扉の自重を打ち消すためのカウンタウェイトと、
前記扉と前記カウンタウェイトとを接続するワイヤ及びこのワイヤが掛けられる滑車を含み、これらワイヤ及び滑車が前記側板の左右方向の厚みの内に配置される連動機構とを具備し、
前記側板は、前端部に内側方に屈曲しその左右幅が当該側板の左右方向の厚みに等しいか略等しい前壁を備え、かつ前壁から後方に離間した位置における内側面に上下方向に伸長し前方を向く前壁を有した補強材が固定されているものであり、
前記扉の外側部に設けられ左右方向に伸びる軸回りに回動可能な車輪が、前記側板の前壁と前記補強材の前壁との間の領域に収められ、その何れかの前壁に接触して転動する収納家具。
【請求項5】
左右両側に対をなす側板の間に物品を収納するための収納空間を内在させている筐体と、
前記筐体の収納空間を前方より遮蔽する上下動可能な扉と、
前記扉の上下動と相反する方向に上下動する、扉の自重を打ち消すためのカウンタウェイトと、
前記扉と前記カウンタウェイトとを接続するワイヤ及びこのワイヤが掛けられる滑車を含み、これらワイヤ及び滑車が前記側板の左右方向の厚みの内に配置される連動機構とを具備し、
前記側板は、前端部に内側方に屈曲しその左右幅が当該側板の左右方向の厚みに等しいか略等しい前壁を備え、かつ前壁から後方に離間した位置における内側面に上下方向に伸長し前方を向く前壁を有した補強材が固定されているものであり、
前記扉の外側部に設けられ前後方向に伸びる軸回りに回動可能な車輪が、前記側板の前壁と前記補強材の前壁との間の領域に収められ、側板の内側面に接触して転動する収納家具。
【請求項6】
左右両側に対をなす側板の間に物品を収納するための収納空間を内在させている筐体と、
前記筐体の収納空間を前方より遮蔽する上下動可能な扉と、
前記扉の上下動と相反する方向に上下動する、扉の自重を打ち消すためのカウンタウェイトと、
前記扉と前記カウンタウェイトとを接続するワイヤ及びこのワイヤが掛けられる滑車を含み、これらワイヤ及び滑車が前記側板の左右方向の厚みの内に配置される連動機構とを具備し、
前記筐体の後端部の左右両側に平断面視内側方に開放し上下方向に伸長した溝部が設けられ、前記カウンタウェイトの左右両側端部がそれぞれ左右の溝部の内に挿入されるものであり、カウンタウェイトの左右幅寸法が伸縮可能である収納家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を収納するために用いられる収納家具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献に開示されているような、物品の収納空間を包有する筐体の前方に上下動可能な扉を備えた収納家具が公知である。扉を持ち上げると、筐体内の収納空間のうちの下方の領域が開放され、当該領域に対して物品を出し入れすることができる。一方、扉を引き下げれば、収納空間のうちの上方の領域が開放されて、当該領域に対して物品を出し入れすることが可能となる。
【0003】
この種の収納家具にあっては、扉の自重と釣り合いをとるための重りであるカウンタウェイトを配することが多い。扉とカウンタウェイトとはワイヤにより接続し、そのワイヤを滑車に掛けることで、扉が上昇するときにカウンタウェイトが下降し、扉が下降するときにはカウンタウェイトが上昇するような連動機構を構成する。このカウンタウェイトの存在により、扉を持ち上げるために必要な操作力が軽減され、また支えを失った扉が急速に落下するようなことも抑止される。
【0004】
下記特許文献に記載の収納家具では、扉の上端部の左右両側から上方に引き出したワイヤを滑車を介して一旦互いに相寄る内側方に屈曲させ、その後再び滑車を介してワイヤを後方に屈曲させて筐体の背後に控えるカウンタウェイトの近傍まで引き回し、これをカウンタウェイトの上端部の左右両側に結着していた。
【0005】
しかしながら、このような構造であると、ワイヤに作用する張力により、内側方に伸びるワイヤを後方に向かわせる滑車からワイヤが脱離しやすくなり、また収納家具の組み立ての際にワイヤを滑車に掛けて扉及びカウンタウェイトを配置する作業の手間も増えることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平03-236805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明では、左右両側に対をなす側板の間に物品を収納するための収納空間を内在させている筐体と、前記筐体の収納空間を前方より遮蔽する上下動可能な扉と、前記扉の上下動と相反する方向に上下動する、扉の自重を打ち消すためのカウンタウェイトと、前記扉と前記カウンタウェイトとを接続するワイヤ及びこのワイヤが掛けられる滑車を含み、これらワイヤ及び滑車が前記側板の左右方向の厚みの内に配置される連動機構とを具備し、前記側板の内側面における収納空間に面する箇所に当該側板の内側面を隠蔽する内装板が取り付けられる収納家具を構成した。なお、前記側板が、前端部に内側方に屈曲した前壁を備え、前記内装板の前端縁と前記側板の前壁の後面との間に、前記扉のスライダを通過させる隙間が形成されることがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するべく、本発明では、左右両側に対をなす側板の間に物品を収納するための収納空間を内在させている筐体と、前記筐体の収納空間を前方より遮蔽する上下動可能な扉と、前記扉の上下動と相反する方向に上下動する、扉の自重を打ち消すためのカウンタウェイトと、前記扉と前記カウンタウェイトとを接続するワイヤ及びこのワイヤが掛けられる滑車を含み、これらワイヤ及び滑車が前記側板の左右方向の厚みの内に配置される連動機構とを具備する収納家具を構成した。
【0009】
より具体的には、前記ワイヤは、前記扉及び前記カウンタウェイトの各々の上端より上方に伸び、前後方向に延伸する中間部分が、前後方向に沿って配列され左右方向に伸びる軸回りに回動可能な複数個の前記滑車に掛けられているものとすることが好ましい。
【0010】
前後方向に沿って配列される複数個の前記滑車が単一のブラケットに支持されてユニット化されているならば、複数個の滑車を収納家具の筐体に取り付ける作業が簡便となる。
【0011】
また、本発明では、左右両側に対をなす側板の間に物品を収納するための収納空間を内在させている筐体と、前記筐体の収納空間を前方より遮蔽する上下動可能な扉と、前記扉の上下動と相反する方向に上下動する、扉の自重を打ち消すためのカウンタウェイトと、前記扉と前記カウンタウェイトとを接続するワイヤ及びこのワイヤが掛けられる滑車を含み、これらワイヤ及び滑車が前記側板の左右方向の厚みの内に配置される連動機構とを具備し、前記側板が、前端部に内側方に屈曲しその左右幅が当該側板の左右方向の厚みに等しいか略等しい前壁を備え、かつ前壁から後方に離間した位置における内側面に上下方向に伸長し前方を向く前壁を有した補強材が固定されており、前記扉の外側部に設けられ左右方向に伸びる軸回りに回動可能な車輪が、前記側板の前壁と前記補強材の前壁との間の領域に収められ、その何れかの前壁に接触して転動する収納家具を構成した。このようなものであれば、シンプルな構造で上下動する扉の前後方向へのぐらつきを抑制することができる。
【0012】
さらに、本発明では、左右両側に対をなす側板の間に物品を収納するための収納空間を内在させている筐体と、前記筐体の収納空間を前方より遮蔽する上下動可能な扉と、前記扉の上下動と相反する方向に上下動する、扉の自重を打ち消すためのカウンタウェイトと、前記扉と前記カウンタウェイトとを接続するワイヤ及びこのワイヤが掛けられる滑車を含み、これらワイヤ及び滑車が前記側板の左右方向の厚みの内に配置される連動機構とを具備し、前記側板が、前端部に内側方に屈曲しその左右幅が当該側板の左右方向の厚みに等しいか略等しい前壁を備え、かつ前壁から後方に離間した位置における内側面に上下方向に伸長し前方を向く前壁を有した補強材が固定されており、前記扉の外側部に設けられ前後方向に伸びる軸回りに回動可能な車輪が、前記側板の前壁と前記補強材の前壁との間の領域に収められ、側板の内側面に接触して転動する収納家具を構成した。このようなものであれば、シンプルな構造で上下動する扉の左右方向へのぐらつきを抑制することができる。
【0013】
並びに、本発明では、左右両側に対をなす側板の間に物品を収納するための収納空間を内在させている筐体と、前記筐体の収納空間を前方より遮蔽する上下動可能な扉と、前記扉の上下動と相反する方向に上下動する、扉の自重を打ち消すためのカウンタウェイトと、前記扉と前記カウンタウェイトとを接続するワイヤ及びこのワイヤが掛けられる滑車を含み、これらワイヤ及び滑車が前記側板の左右方向の厚みの内に配置される連動機構とを具備し、前記筐体の後端部の左右両側に平断面視内側方に開放し上下方向に伸長した溝部が設けられ、前記カウンタウェイトの左右両側端部がそれぞれ左右の溝部の内に挿入されるものであり、カウンタウェイトの左右幅寸法が伸縮可能である収納家具を構成した。このようなものであれば、カウンタウェイトの左右両側端部を左右の溝部の内に挿入する際、一旦カウンタウェイトの幅寸法を縮小した上でこれを左右の溝部の間に配置し、その後カウンタウェイトの幅寸法を再び拡張することでカウンタウェイトの左右の側端部をそれぞれ左右の溝部の内に差し入れることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、筐体内の収納空間を遮蔽する上下動可能な扉を備えた収納家具において、扉とカウンタウェイトとを接続するワイヤが滑車から脱離することを抑制し、また収納空間の内寸をできるだけ広く確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態の収納家具及び天板付家具の斜視図。
図2】同実施形態の収納家具の斜視図。
図3】同実施形態の収納家具の側断面図。
図4】同実施形態の収納家具の扉のスライダの斜視図。
図5】同実施形態の収納家具の前方の隅角部を拡大して示す平断面図。
図6】同実施形態の収納家具の連動機構の斜視図。
図7】同実施形態の収納家具の平面図。
図8】同実施形態の収納家具の後端部を示す平断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1ないし図8に示す本実施形態の収納家具0は、内部に物品を収納可能な収納空間1H、1Lを有する筐体1と、この筐体1の収納空間1H、1Lを遮蔽する上下動可能な扉2と、扉2の自重を打ち消すためのカウンタウェイト3と、カウンタウェイト3が扉2の上下動と相反する方向に上下動するように扉2とカウンタウェイト3とを連動させる連動機構4と、筐体1の後背に取り付けられる化粧パネル5とを具備する。
【0017】
筐体1内の収納空間1H、1Lは、筐体1の正面側に開放している。図3に示すように、収納空間は、上下方向に沿って複数段の区画1H、1Lに区分されている。本実施形態では、筐体1が上下二段の区画1H、1Lを包有しており、それら区画1H、1Lの境界部位に棚17が設置される。扉2は、筐体1の直前にあって、収納空間1H、1Lを前方より遮蔽する。扉2の上下寸法は、収納空間の個々の区画1H、1Lの上下方向に沿った内寸に概ね等しい。換言すれば、扉2の上下寸法は、上段の区画1H及び下段の区画1Lを合わせた収納空間全体の上下方向に沿った内寸よりも小さい。つまり、扉2は、収納空間の全ての区画1H、1Lを同時に遮蔽することはなく、一方の区画1Hを遮蔽しつつ他方の区画1Lを開放する状態と、一方の区画1Hを開放しつつ他方の区画1Lを遮蔽する状態とを選択的にとり得る。
【0018】
図1に示しているように、本実施形態の収納家具0は、他の天板付家具、例えば執務用のデスク7とともに使用することができる。その際には、(収納空間1H、1Lが開口しかつ扉2が存在する)筐体1の正面をデスク7の内側方に向けるように配置する。さすれば、デスク7の前に着席した人の側方、その人の手が届き得る場所に筐体1の収納空間1H、1Lを配置することができ、当該人が収納空間1H、1Lに対して物を出し入れすることが容易となる。
【0019】
加えて、収納家具0の筐体1の上端部には、サブテーブル6が取り付けられることがある。このサブテーブル6は、筐体1の外側方に向かって延伸する。筐体1の上端部はデスク7の天板71と略同等の高さ位置にあり、筐体1はデスク7の天板71の直下には入り込まない。一方で、筐体1から突出するサブテーブル6はデスク7の天板71よりも高位置にあって、デスク7の天板71の上方の領域に迫り出す。筐体1の上方からデスク7の天板71上まで延びるこのサブテーブル6は、デスク7の前に着席した人と他の人とがサブテーブル6を挟んでコミュニケーションをとるとき等に好適に活用できる。筐体1から突出したサブテーブル6の下面側には、予めクランプ61が設けられている。そして、このクランプ61によりデスク7の天板71の使用端側及び/または反使用端側の縁部を挟持することで、収納家具0及びサブテーブル6をデスク7の天板71に結合することが可能となっている。
【0020】
図2ないし図8に示すように、本実施形態の収納家具0の筐体1は、当該収納家具0の左右両側に対をなす側板11と、左右の側板11の下端部同士を連結する底板12と、左右の側板11の上端部同士(但し、それらの前端部位のみ)を連結する頂板13と、左右の側板11の後端部同士を連結するとともに底板12の後端部及び頂板13の後端部を連結する後板14とによって収納空間1H、1Lを囲繞する、前方に開放した箱状をなしている。
【0021】
側板11は、その前端側において、内側方に屈曲することで前後方向を向く面を形成した前壁111を備えている。前壁111の内側縁部は、後方に屈折し、さらにその後外側方に屈折している。この前壁111の左右幅は、側板11の左右方向の厚みTに等しいか略等しくなる。
【0022】
側板11の前端部における、前壁111から後方に離間した位置の内側面には、上下方向に伸長する補強材112を固定している。図3及び図5に示すように、補強材112は、平断面視外側方に開放したチャネル状をなす基部112aの前後方向を向く前壁112b及び後壁112cの各々から、前方及び後方に向けて接合片112d、112fを延出させた形状をなし、それら接合片112d、112fが側板11の内側面に接合する。補強材112の前壁から前方に延出する接合片112dは、その前端部で内側方に屈折し、さらにその後前方に屈折している。補強材112の接合片112dにおける内側方に屈折した部位112eは、側板11の前壁111における外側方に屈折した部位111aと略面一となって、当該部位111aとともに側板11の前壁111の後面を形作る。側板11の前壁111(より詳しくは、側板11の前壁111の部位111a及び補強材112の接合片112dの部位112e)と補強材112の前壁112bとは、前後方向に沿って離間して対向している。これら両者の間の領域には、後述する扉2のスライダ24が収められる。
【0023】
また、図8に示すように、側板11は、その後端側において、内側方に屈曲することで前後方向を向く面を形成した後壁113を備えている。後壁113の内側縁部は、前方に屈折している。この後壁113の左右幅は、側板11の左右方向の厚みTよりも小さい。
【0024】
筐体1内に設置される棚17は、既知の一般的な棚と同様、側板11の内側面に装着される棚受18によりその左右両側部が支持される。この棚17は、筐体1内部の収納空間を上下二段の区画1H、1Lに隔てる。上段の区画1Hに収納される物品は棚17の上面に載置され、下段の区画1Lに収納される物品は底板12の上面に載置される。底板12の前端部の上面には、上方に起立する柵16が設けられており、この柵16が下段の区画1Lに収納された物品の当該区画1Lからの脱落を抑制する。
【0025】
図3及び図5に示しているように、側板11の内側面における、収納空間の上段の区画1Hに面する箇所には、側板11自体の内側面とこれに接合している補強材112の基部112aの内側面との段差を隠蔽するための内装板15を取り付けることができる。なお、図3では、内装板15を鎖線で描画するとともに、その取付箇所に網点を付している。内装板15の存在により、上段の区画1Hに対して物品を出し入れするときにその物品が補強材112に引っ掛かるようなことがなくなる。取り付けられた内装板15の前端縁と、側板11の前壁111の後面(より詳しくは、側板11の前壁111の部位111a及び補強材112の接合片112dの部位112e)との間には、後述する扉2のスライダ24の差入部241bを通過させる隙間が形成されている。
【0026】
頂板13は、その前端部が左右方向に延伸する横木131となって、左右の側板11の上端部の前端部位に接合する。一方で、頂板13における前端部よりも後方に延出する面板部132は、その左右幅寸法が、前端部の左右幅寸法よりも幾分縮小している。これにより、筐体1の左右の側板11の上端部と、頂板13の面板部132の左右両側端との間が、左右方向に沿って離間することとなる。筐体1の側板11の上端部と頂板13の面板部132の側端との間隙には、後述する連動機構4のワイヤ41、滑車42及びブラケットが配置される。
【0027】
扉2は、筐体1の前方にあって、上下にスライド移動できるよう筐体1に支持されている。扉2は、正面視方形状をなす平板な扉本体21と、扉本体21の上縁に沿って設けられる引手22と、扉本体21の上端部に設けられる錠23と、扉本体21の左右両側部の後面側に設けられるスライダ24とを備える。
【0028】
引手22は、扉本体21の前面よりも少しく前方に突出しており、これに手指を掛けて扉2を持ち上げたり引き下げたりする操作を容易に行い得るようになっている。
【0029】
錠23は、扉2を上方に位置付けた状態で、即ち筐体1内の収納空間の上段の区画1Hを閉鎖しつつ下段の区画1Lを開放した状態で、その扉2を筐体1に掛止する施錠の役割を担う。錠23は、その鍵穴に鍵が挿入されて回動操作されることで、鉤爪型をなすデッドボルト231を扉2の上端よりも上方に突出させる。他方、筐体1の頂板13の前端部131の下向面には、錠23のデッドボルト231と係合するストライク(受座)となる係合穴133が開設されている。
【0030】
扉2をその上下動可能な可動範囲の上限まで持ち上げた後、錠23のデッドボルト231を回動操作すると、デッドボルト231が扉2の上端より突出して筐体1の係合穴133の内に進入し、これに係合する。その結果、扉2がデッドボルト231を介して筐体1に係留され、扉2を引き下げる操作が不可能となる、即ち筐体1内の収納空間の上段の区画1Hが閉じられたままとなる。収納空間の上段の区画1Hを開放したいときには、錠23のデッドボルト231を逆方向に回動操作して、筐体1の係合穴133に係合していたデッドボルト231を係合穴133から抜出させればよい。係合穴133から退出したデッドボルト231は、扉2の上端よりも下方に没入する。
【0031】
このように、本実施形態の収納家具0では、筐体1内の収納空間のうちの上段の区画1Hを扉2により閉じて施錠することができる。これに対し、収納空間の下段の区画1Lは、扉2により閉じることはできるものの、その扉2を不動に施錠することはできない。従って、収納空間の上段の区画1Hは、紛失や無断持ち出し等の懸念のある物品、例えばデスク7の前に着席していないときに書類や文具、情報処理端末等を保管しておく用途に適している。翻って、下段の区画1Lは、紛失や無断持ち出し等の懸念の小さい物品、例えば今デスク7の前に着席し執務している人の履物等を収納する用途に適している。
【0032】
スライダ24は、扉本体21と筐体1との間に介在し、筐体1に対して上下方向に沿って摺動する。スライダ24は、扉2の左右に対をなして存在する。図3ないし図5に示すように、スライダ24は、扉2の外側縁部の後面に固定されるブラケット241に、前後方向に伸びる軸回りに回動可能な車輪242、及び左右方向に伸びる軸回りに回動可能な車輪243を支持させてなるものである。
【0033】
スライダ24のブラケット241は、左右方向に拡張しかつ上下方向に伸長した接合部241aと、接合部241aの外側端から後方に屈曲した後さらに外側方に屈曲して平断面視略L字形をなす差入部241bと、差入部241bの外側端から後方に屈曲した後片部241dとを有している。接合部241aは、扉2の左右の側端部の後面に接合する。差入部241b及び後片部241dは、筐体1の側板11の前壁111(より詳しくは、側板11の前壁111の部位111a及び補強材112の接合片112dの部位112e)と補強材112の前壁112bとの間の領域に差し入る。
【0034】
そして、ブラケット241の差入部241bの上端部及び下端部にそれぞれ、前後方向に伸びる軸回りに回動可能な車輪242を装着している。車輪242は、差入部241bにおける前後方向を向く部位の背後に所在する。ブラケット241の後片部241dの上下寸法は差入部241bの上下寸法よりも縮小しており、車輪242は後片部241dと干渉することなく後片部241dよりも外側方に突き出している。この車輪242は、筐体1の側板11の前壁111と補強材112の前壁112bとの間の領域にあって、側板11の内側面に接触し、扉2の上下動に伴ってその内側面の上を転動する。
【0035】
加えて、ブラケット241の後片部241dの上端部及び下端部にそれぞれ、左右方向に伸びる軸回りに回動可能な車輪243を装着している。車輪243は、後片部241dの内側に所在する。ブラケット241の差入部241bの前後方向を向く部位には、当該部位を貫通する貫通窓241cが形成されており、車輪243はこの貫通窓241cを通じて差入部241bと干渉することなく差入部241bの前後方向を向く部位の前面から前方に突き出している。この車輪243は、筐体1の側板11の前壁111と補強材112の前壁112bとの間の領域にあって、側板11の前壁111の後面(より詳しくは、側板11の前壁111における外側方に屈折した部位111aの後面、及び/または、補強材112の接合片112dにおける内側方に屈折した部位112eの後面)に接触し、扉2の上下動に伴ってその後面の上を転動する。
【0036】
図4に示しているように、ブラケット241の差入部241bにおける前後方向を向く部位、後片部241d、及びブラケット241に支持される車輪242、243は、筐体1の側板11の左右方向の厚みTの内に配置される。
【0037】
図3図7及び図8に示すように、扉2の自重との釣り合いをとるためのカウンタウェイト3は、筐体1内の収納空間1H、1Lを隔てて扉2の後方、そして筐体1の後板14の背後に控えている。その全体形状としては、上下及び左右に拡張した正面視方形状をなす薄板体である。カウンタウェイト3の重量は、扉2の重量と略等しいが、扉2よりも軽くてもよく、あるいは扉2よりも重くても構わない。
【0038】
他方、収納空間1H、1Lを後方から遮蔽する後板14は、側板11の後壁113(さらには、後壁113における前方に屈曲した内側縁部の前端)よりも少しく前方に偏倚している。換言すれば、側板11の後端が後板14よりも後方に突き出している。これにより、後板14の左右の側端部と左右の側板11の後壁113との間にそれぞれ、平断面視内側方に開放し上下方向に伸長した溝部が形成されることとなる。この溝部は、後板14の側端部、側板11の後端部及び後壁113により三方から囲まれる。その上で、カウンタウェイト3の左右の側端部が、筐体1の左右に所在する上記の溝部に各々収容され、溝部内で上下方向に沿って移動することとなる。
【0039】
カウンタウェイト3は、その左右幅寸法を伸縮させることができる。本実施形態では、カウンタウェイト3を、左右方向に沿って複数の部分31、32に分割しており、一方の部分31を他方の部分32に向かって内側方に寄せる、即ち一方の部分31と他方の部分32との重なり合いを大きくすることで、カウンタウェイト3の左右幅を縮小することが可能である。カウンタウェイト3の左右の側端部を筐体1の後端部の左右の溝部に挿入するに際しては、予めカウンタウェイト3の左右幅を縮小した状態でこれを筐体1の左右の溝部の間に位置付け、しかる後カウンタウェイト3の左右幅を伸長させてその側端部を溝部内に(内側方から外側方に向かって)差し入れる。そして、カウンタウェイト3の左右幅を伸長させた状態に維持するべく、カウンタウェイト3の一方の部分31と他方の部分32との重なり合う部位にビスその他の止着具33を螺着または挿入して、一方の部分31と他方の部分32との相対移動を禁止する。カウンタウェイト3の左右幅を伸長させた状態では、当該カウンタウェイト3の左右幅寸法は、扉2の左右幅寸法に略匹敵する。
【0040】
化粧パネル5は、筐体1の後板14及びカウンタウェイト3の後背に配置され、それら後板14及びカウンタウェイト3を後方から隠蔽する。化粧パネル5は、筐体1に対して脱着可能となっている。具体的には、図3に示しているように、化粧パネル5の上端部及び下端部に設けられ前面側に突出する係合爪51、52を、筐体1の後端近傍に形成された上下の爪受け134、112に係合させることにより、化粧パネル5を後板14に係留する。なお、ビスやプッシュリベット等の止着具53を使用して、化粧パネル5を筐体1に固定するようにしても構わない。
【0041】
扉2の上下動とカウンタウェイト3の上下動とを連動させる連動機構4は、収納家具0の左右両側に対をなして存在する。図3図6及び図7に示すように、各連動機構4はそれぞれ、扉2とカウンタウェイト3とを接続するワイヤ41と、ワイヤ41が掛けられる複数個の滑車42と、それら複数個の滑車42を支持するブラケット43とを要素とする。
【0042】
収納家具0の右側に配される連動機構4において、ワイヤ41は、その前端側が扉2の上端部における右側端の部位、特に扉2の後面側に固定された右側のスライダ24のブラケット241に結着されるとともに、その後端側がカウンタウェイト3の上端部における右側端の部位に結着される。
【0043】
滑車42は、収納家具0の右側部にあって、前後方向に間欠的に配置される。これら滑車42は、左右方向に伸びる軸回りに回動するものとなっている。配列された複数個の滑車42のうちの最前方の滑車42は、扉2の右側のスライダ24の直上に位置しており、当該スライダ24のブラケット241から直上に伸びるワイヤ41が前方及び上方から巻き掛けられる。そのワイヤ41は、当該滑車42を介して後方に向きを変える。また、最後方の滑車42は、カウンタウェイト3の右側端部の直上に位置しており、カウンタウェイト3の右側端部から直上に伸びるワイヤ41が後方及び上方から巻きかけられる。そのワイヤ41は、当該滑車42を介して前方に向きを変える。そして、それら滑車42の間に所在する中間の滑車42には、前後方向に沿って延伸するワイヤ41の中間部が下方から掛けられる。換言すれば、中間の滑車42は、ワイヤ41の中間部を上方から押さえつける。
【0044】
これら複数個の滑車42は、同一のブラケット43に支持され、当該ブラケット43とともにユニット化されている。収納家具0の右側の連動機構4のブラケット43は、前後方向に伸長した水平片部431と、水平片部431の外側端即ち右側端から下方に屈曲した起立片部433と、水平片部431の内側端即ち右側端から下方に屈曲した後さらに内側方に屈曲して正面視略L字形をなす被支持部434とを有している。複数個の滑車42はそれぞれ、ブラケット43の起立片部433の前端部、中間部及び後端部に回動可能に装着する。ブラケット43の水平片部431の前後寸法は起立片部433の前後寸法よりも縮小しており、起立片部433の前端部に装着した最前方の滑車42の前方及び上方は開放し、起立片部433の後端部に装着した最後方の滑車42の上方及び後方も開放している。また、起立片部433の中間部に装着した中間の滑車42の下方も開放している。水平片部431の中間部、中間の滑車42に上方から臨む部位には、当該部位を貫通する貫通窓432が形成されており、中間の滑車42が水平片部431と干渉することはない。
【0045】
収納家具0の左側に配される連動機構4のワイヤ41、滑車42及びブラケット43は、収納家具0の右側に配される連動機構4のそれらと左右対称の構成を有している。即ち、収納家具0の左側の連動機構4におけるワイヤ41は、その前端側が扉2の上端部における左側端の部位、特に扉2の後面側に固定された左側のスライダ24のブラケット241に結着されるとともに、その後端側がカウンタウェイト3の上端部における左側端の部位に結着される。
【0046】
滑車42は、収納家具0の左側部にあって、前後方向に間欠的に配置される。これら滑車42は、左右方向に伸びる軸回りに回動する。配列された複数個の滑車42のうちの最前方の滑車42は、扉2の左側のスライダ24の直上に位置しており、当該スライダ24のブラケット241から直上に伸びるワイヤ41が前方及び上方から巻き掛けられる。また、最後方の滑車42は、カウンタウェイト3の左側端部の直上に位置しており、カウンタウェイト3の左側端部から直上に伸びるワイヤ41が後方及び上方から巻きかけられる。そして、それら滑車42の間に所在する中間の滑車42には、前後方向に沿って延伸するワイヤ41の中間部が下方から掛けられる。
【0047】
これら複数個の滑車42は、同一のブラケット43に支持され、当該ブラケット43とともにユニット化されている。収納家具0の左側の連動機構4のブラケットもまた、前後方向に伸長した水平片部431と、水平片部431の外側端即ち左側端から下方に屈曲した起立片部433と、水平片部431の内側端即ち左側端から下方に屈曲した後さらに内側方に屈曲して正面視略L字形をなす被支持部434とを有している。複数個の滑車42はそれぞれ、ブラケットの起立片部433の前端部、中間部及び後端部に回動可能に装着する。ブラケットの水平片部431の前後寸法は起立片部433の前後寸法よりも縮小しており、起立片部433の前端部に装着した最前方の滑車42の前方及び上方は開放し、起立片部433の後端部に装着した最後方の滑車42の上方及び後方も開放している。また、また、起立片部433の中間部に装着した中間の滑車42の下方も開放している。水平片部431の中間部、中間の滑車42に上方から臨む部位には、当該部位を貫通する貫通窓432が形成されており、中間の滑車42が水平片部431と干渉することはない。
【0048】
既に述べた通り、筐体1の左右の側板11の上端部と、頂板13の面板部132の左右の側端とは、幾分離間している。収納家具0の左側に配される連動機構4のブラケットは、その被支持部434が頂板13の面板部132の左側端部に固定されることで、面板部132により支持される。そして、左側の連動機構4のワイヤ41、滑車42並びにブラケットの起立片部433及び水平片部431は、左側の側板11の上端部と頂板13の面板部132の左側端との間隙に収まる。図7に示しているように、これらワイヤ41及び滑車42は、左側の側板11の左右方向の厚みTの内に配置される。
【0049】
収納家具0の右側に配される連動機構4のブラケットは、その被支持部434が頂板13の面板部132の右側端部に固定されることで、面板部132により支持される。そして、右側の連動機構4のワイヤ41、滑車42並びにブラケットの起立片部433及び水平片部431は、右側の側板11の上端部と頂板13の面板部132の右側端との間隙に収まる。これらワイヤ41及び滑車42は、右側の側板11の左右方向の厚みTの内に配置される。
【0050】
本実施形態では、左右両側に対をなす側板11の間に物品を収納するための収納空間1H、1Lを内在させている筐体1と、前記筐体1の収納空間1H、1Lを前方より遮蔽する上下動可能な扉2と、前記扉2の上下動と相反する方向に上下動する、扉2の自重を打ち消すためのカウンタウェイト3と、前記扉2と前記カウンタウェイト3とを接続するワイヤ41及びこのワイヤ41が掛けられる滑車42を含み、これらワイヤ41及び滑車42が前記側板11の左右方向の厚みTの内に配置される連動機構4とを具備する収納家具0を構成した。
【0051】
本実施形態によれば、連動機構4の要素である複数個の滑車42が前後方向に配列されるとともに、それら滑車42に掛けられるワイヤ41が前後方向に伸長し、最前方の滑車42から鉛直下方に垂下して扉2の側端部に結着され、かつ最後方の滑車42から鉛直下方に垂下してカウンタウェイト3の側端部に結着される。従って、ワイヤ41に作用する張力によりこのワイヤ41が滑車42から脱離することが抑制される。その上で、ワイヤ41及び滑車42を筐体1の側板11の左右方向の厚みTの内に配置しているため、筐体1内部の収納空間1H、1Lの左右方向の内寸が広く確保される。
【0052】
前記ワイヤ41は、前記扉2及び前記カウンタウェイト3の各々の上端より上方に伸び、前後方向に延伸する中間部分が、前後方向に沿って配列され左右方向に伸びる軸回りに回動可能な複数個の前記滑車42に掛けられており、ワイヤ41が滑車42からさらに脱離しにくくなっている。
【0053】
前後方向に沿って配列される複数個の前記滑車42は、単一のブラケット43に支持されてユニット化されていることから、それら複数個の滑車42を収納家具0の筐体1に対して簡便に取り付けることができ、その取り外しも容易となる。
【0054】
前記側板11が、前端部に内側方に屈曲しその左右幅が当該側板11の左右方向の厚みTに等しいか略等しい前壁111を備え、かつ前壁111から後方に離間した位置における内側面に上下方向に伸長し前方を向く前壁112bを有した補強材112が固定されているものであり、前記扉2の外側部に設けられ左右方向に伸びる軸回りに回動可能な車輪242が、前記側板11の前壁111と前記補強材112の前壁112bとの間の領域に収められ、側板11の前壁111(の後面。より詳しくは、側板11の前壁111における外側方に屈折した部位111aの後面、及び/または、補強材112の接合片112dにおける内側方に屈折した部位112eの後面)に接触して転動するため、簡便で低コストな構造で、上下動する扉2の前後方向へのぐらつきを抑制することができる。そして、高価なサスペンションレールを採用せずに済む。
【0055】
さらに、前記扉2の外側部に設けられ前後方向に伸びる軸回りに回動可能な車輪243が、前記側板11の前壁111と前記補強材112の前壁112bとの間の領域に収められ、側板11の内側面に接触して転動するため、簡便で低コストな構造で、上下動する扉2の左右方向へのぐらつきを抑制することができる。
【0056】
加えて、収納家具0の後端部の左右両側に平断面視内側方に開放し上下方向に伸長した溝部が設けられ、前記カウンタウェイト3の左右両側端部がそれぞれ左右の溝部の内に挿入されるものであって、カウンタウェイト3の左右幅寸法が伸縮可能であるため、当該収納家具0の後端部にカウンタウェイト3を配置する作業がより容易となる。
【0057】
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、扉2の外側部に設けられ左右方向に伸びる軸回りに回動可能な車輪243が、側板11の前壁111の後面に接触して転動するものであったが、この車輪243が、側板11の前壁111に対向する補強材112の前壁112bの前面に接触して転動する構造とすることを妨げない。
【0058】
その他、各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、物品を収納するために用いられる収納家具に適用できる。
【符号の説明】
【0060】
0…収納家具
1…筐体
11…側板
111…側板の前壁
112…補強材
112b…補強材の前壁
1H、1L…収納空間
2…扉
242…前後方向に伸びる軸回りに回動可能な車輪
243…左右方向に伸びる軸回りに回動可能な車輪
3…カウンタウェイト
4…連動機構
41…ワイヤ
42…滑車
43…ブラケット
T…筐体の側板の左右方向の厚み
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8