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  • 特許-水栓金具用外部付属装置 図1
  • 特許-水栓金具用外部付属装置 図2
  • 特許-水栓金具用外部付属装置 図3
  • 特許-水栓金具用外部付属装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】水栓金具用外部付属装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 37/00 20060101AFI20220425BHJP
   E03C 1/042 20060101ALI20220425BHJP
【FI】
F16K37/00 C
E03C1/042 C
E03C1/042 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021156176
(22)【出願日】2021-09-24
【審査請求日】2021-09-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】716001175
【氏名又は名称】峰興商事株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小峰郁夫
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-075576(JP,U)
【文献】特開2013-210038(JP,A)
【文献】実開昭56-165169(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/042
F16K 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水栓金具用外部付属装置であって、カバーナットの上部を覆う様に取付け、前記カバーナットの上部と水栓軸を回転し水栓を開閉するハンドルとの間に表示基部を設置し、前記表示基部に形成した表示窓に、水栓を開閉することにより出水させた水流量を数値レベルで表示させて前記ハンドルを回転させると回転基部及び円柱バルブが一体回転し、前記表示基部は、外部に筒形バルブを備え、前記筒形バルブに円柱バルブが嵌合されており、前記表示窓は前記筒形バルブの外周に備えられており、前記数値レベルは前記円柱バルブの外周に前記表示窓に対応させて表示されるものであり、前記円柱バルブは回転基部と接合しており、前記回転基部に前記ハンドルが噛み合うように取付けられ、前記筒形バルブの内周面を摺動しながら回転することを特徴とした水栓金具用外部付属装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人によって異なる水道の開栓による水流量を、ほぼ同量に統一するための水栓金具に取り付ける外部付属装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水栓金具において、今までは使用者である個人個人が自身の感覚だけで開栓し水流量を決定していたため水流量に個人差があり、必要以上に水を出し無駄にする人もいた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-33133
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、水栓金具において、水流量の加減は使用者一人ひとりのハンドルの開栓具合にゆだねられていたため、かなりの個人差があり必要以上に出水する人もいた。
例えば手を洗う際、多くの人が充分に洗浄できる程度の水流量ではもの足りず、日頃の習慣から必要以上の水流量で洗浄をしてしまい水を無駄にする人もいた。

先行技術文献である特開2011-33133は、水栓の吐水口に取り付けるものであり、ハンドルを回し開栓した後に別途、吐水口にある当該装置であるバルブを回して水流量の調節をするものであるのに対し、本発明は水栓金具のハンドルに装着してハンドルの開閉に連動させる外部付属装置であり、ハンドルを回すことで出水される水流量を数値化し、表示基部に設けた表示窓にその数字を表示させることで水流量を調節することを特徴としており構成が全く異なります。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は簡単に水栓金具に装着することができる外部付属装置であって、ハンドルの開閉に連動し、開閉の度合いに応じて出水される水流量を数値化し、その数字を表示基部に設けた表示窓に表示させることで、出水されている水流量の調節ができることを特徴としています。
よって、誰がハンドルを回しても簡単にほぼ同じ水流量にすることができ、必要以上の出水を防ぐことで節水に繋げることが可能となります。
【発明の効果】
【0006】
今までは、使用者一人ひとりの水栓金具のハンドルを回す度合いが違っていたため必要以上に無駄な出水をする人もいたが、本発明により誰でもハンドルを回すだけで簡単にほぼ同じ水流量に統一することが出来るようになり、節水への効果が期待できる。
例えば学校や工場などにおいて「手を洗う時は水流量の数字を2」など予めルールを決めておくだけで、誰でも数字が「2」になるようにハンドルを回せば、ほぼ同じ水流量を簡単に出すことができるようになり、節水の効果を最大限に期待することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】水栓金具に本発明の外部付属装置を装着した状態の図
図2】本発明の外部付属装置を水栓金具に取り付けるための展開図
図3】本発明の外部付属装置の全体図
図4】本発明の外部付属装置の分解図
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は本発明の外部付属装置を水栓金具に装着したときの全体図であり、ハンドルを回転させるだけで外部付属装置は連動し、出水される水流量は数値化されて7.表示基部に設けた表示窓に数字として表示される。

図2は本発明の外部付属装置を水栓金具に取り付ける際の展開図を表しており、1.回転基部はハンドルに、そして2.筒形バルブの底面はカバーナットに、それぞれ合致する形状をしており、カバーナット上に本体を設置した後にハンドルを1.回転基部上に噛み合うように被せ螺子で固定し使用する。
尚、7.表示基部に配置され2.筒形バルブに嵌合されている4.円柱バルブの外周には水流量を表す数字レベルを表示しておき、ハンドルの回転に連動して変化する水流量を表す数字を2.筒形バルブに設けた3.表示窓に表示させる構造とする。
また、3.表示窓に表示する数字は、クリックストップ機構付きのダイアル式にすることで、使用者が3.表示窓の数字を目視しなくてもハンドルを回した時の音や手への振動で水流量の数字を認識することもできる。

本発明の外部付属装置の構造を図3で説明すると、1.回転基部はハンドルの裏面の窪みの形状と噛み合うように取付けられており、ハンドルに直結させることでハンドルに連動し回転するが、2.筒形バルブの底面はカバーナットの形状に合致させることで固定され、ハンドルを回しても回転しない。

設置の際、水栓金具の取り付け状態によっては、カバーナットとハンドルとの間隔が比較的離れているものもあるが、7.表示基部内に6.ばねを配置しておけば高さを調節することが出来るので多少間隔が離れていても設置が可能となる。
例えば、4.円柱バルブの底面と2.筒形バルブの底面との間に6.ばねを配置し、更に6.ばねと4.円柱バルブとの間に5.仕切りを設ければ、カバーナット上に本体を設置した時の6.ばねの押し戻す力は5.仕切りに作用し、本体全体が上方に押し上げられるので、4.円柱バルブと1.回転基部だけが過剰に押し上げられることなくハンドルの裏面に適度に噛み合う構造となる。
その結果、2.筒形バルブに設けた3.表示窓には上下にずれることなく常に適切な位置に数字が表示される。

図4は7.表示基部を構成する2.筒形バルブと4.円柱バルブとに分解した図であり、通常の状態では4.円柱バルブは2.筒形バルブと嵌合されている。
ただし、4.円柱バルブと接合している1.回転基部は2.筒形バルブに嵌合されておらず露出をしている。

2.筒形バルブの内周には10.クリックボールと10.クリックボール用の11.クリックばねが設けられ、また10.クリックボールに符合するように4.円柱バルブの外周に10.クリックボールのための窪みが備わっている。
よって、ハンドルの回転により4.円柱バルブも連動して回転し、4.円柱バルブの外周に備えられた表示レベルがクリックストップ機構付きのダイアル式により2.筒形バルブに設けてある3.表示窓に左右にずれることなく適切に表示される構成となる。
【実施例
【0009】
図2のように螺子とハンドルを水栓金具から取り外し、本発明の外部付属装置をカバーナット上に被せるように装着した後に、再びハンドルを1.回転基部上に噛み合うように被せ螺子で取り付けることで図1のように完成する。
【産業上の利用可能性】
【0010】
この装置の最大の特徴は、水栓金具を開栓する際、個人によって異なる水流量を簡単に誰でも統一することが出来る点にあり、人によっては今まで無意識の内に必要以上に出していた水流量を意識的に減らすことが出来るようになり、節水へとつながる。
【0011】
もっとも効果を期待できる場所としては、学校・工場・会社など大人数がルールに基づいて行動することが可能な場所であり、例えば学校などでは、手洗いは「2」、牛乳パックの洗浄は「1」などルールを事前に共有することでより一層の効果が期待できる。
もちろん家庭など少人数でも家族でルールを共有し実践すれば節水の効果を充分に期待できる。
また、SDGsの「目標6」は水に関することであり、「節水」という形で誰にでも簡単にできる実践的且つ持続可能な活動としての利用も期待できる。
【符号の説明】
【0012】
1.回転基部
2.筒形バルブ
3.表示窓
4.円柱バルブ
5.仕切り
6.ばね
7.表示基部
8.水栓軸用穴
9.クリックボール対応窪み
10.クリックボール
11.クリックばね
【要約】
【要約】
【課題】
従来、顔を洗ったり歯を磨いたりする時に出水する水流量には個人差があった。
つまり、各個人が今までの生活習慣を基に水流量を自身の感覚で決めており、使用者の間で全く統一性が無かった。
そのため、人によっては必要以上に水を出し、水を無駄にしていた。
【解決手段】
本発明の外部付属装置を水栓金具に取り付けるだけで、ハンドルの開栓度合いに比例して出水される水流量を数値化し、表示基部に設けた表示窓にその数字を表示することが出来るので、指定された数字までハンドルを開栓すれば誰でも簡単にほぼ同一の水流量を出水することが出来るようになる。
その結果として設定された水流量に誰でも簡単に調節できるようになるので、必要以上の出水が減り節水効果が期待できる。

図1
図2
図3
図4