(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】給湯器
(51)【国際特許分類】
F24H 15/196 20220101AFI20220425BHJP
【FI】
F24H1/00 604G
(21)【出願番号】P 2017227168
(22)【出願日】2017-11-27
【審査請求日】2020-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】吉川 滉一郎
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-300198(JP,A)
【文献】特開2006-010300(JP,A)
【文献】特開平08-233357(JP,A)
【文献】特開平10-227522(JP,A)
【文献】特開平10-122644(JP,A)
【文献】特開平11-051465(JP,A)
【文献】特開平07-269944(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00
F24H 15/00 - 15/493
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部にバーナが配置される燃焼室と、
前記燃焼室の上部に配置されて前記バーナに加熱される給湯熱交換器と、前記給湯熱交換器に接続される給水管及び出湯管と、を含んでなる給湯回路と、
前記燃焼室の上部に前記給湯熱交換器と併設されて前記バーナに加熱される風呂熱交換器と、前記風呂熱交換器に接続されて外部の浴槽と接続される配管と、前記配管に設けられるポンプと、を含んでなる風呂回路と、
前記給湯熱交換器内の湯水の温度を検出する湯温検出手段と、
前記出湯管と前記配管とを接続して前記出湯管からの湯を前記配管を介して前記浴槽へ供給可能な落とし込み管と、
前記落とし込み管の流路を開閉する開閉手段と、
前記燃焼室内へ燃焼用空気を供給可能なファンと、
前記バーナの燃焼及び前記ポンプの作動を制御するコントローラと、を備えてなる給湯器であって、
前記コントローラは、前記風呂回路の単独使用による前記バーナの燃焼が行われた後、前記ポンプを作動させ
て前記風呂回路において湯水を循環させる
と共に、前記ファンを回転させ、
その後、前記湯温検出手段によって検出される
検出温度を監視して、前記検出温度が所定温度を越えている場合、前記開閉手段によって前記落とし込み管の流路を開放させて、前記給湯熱交換器内の湯水を前記浴槽へ落とし込む一方、前記検出温度が前記所定温度以下である場合、前記ポンプの作動及び前記ファンの回転を停止させることを特徴とする給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナを備えた1つの燃焼室に、給湯回路側の給湯熱交換器と風呂回路側の風呂熱交換器とを併設したいわゆる一缶二水路型の給湯器に関する。
【背景技術】
【0002】
給湯器は、バーナに加熱される給湯熱交換器に、給水管と出湯管とを接続し、出湯管が繋がる外部の給湯栓の開栓により、水道管を介して給水管から供給される水をバーナの燃焼排気で熱交換して出湯させる給湯回路を備えている。これに加えて、風呂熱交換器に配管を介して外部の浴槽を接続する風呂回路を形成して、配管に設けたポンプによって湯水を循環させながら風呂熱交換器で加熱して追い焚きを行うものも知られている。
このような給湯器では、給湯熱交換器と風呂熱交換器とをそれぞれ異なる燃焼室に設置して異なるバーナで加熱する構成(二缶二水路型)の他、特許文献1に開示されるように、1つの燃焼室内に給湯熱交換器と風呂熱交換器とを併設して、2つの熱交換器を共通のバーナで加熱するようにした一缶二水路型の構成もよく用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、給湯回路と風呂回路とを併設している一缶二水路型の給湯器においては、風呂回路を単独使用して浴槽を追い焚きすると、同じバーナによって給湯熱交換器も加熱されることになる。このため、湯水が滞留している給湯熱交換器の伝熱管内で湯温が100℃以上の高温となる場合があり、この状態で給湯栓が開栓されて給湯回路が使用されると、出湯管から高温の湯が出湯されてしまうおそれがある。給湯回路には、給水管と出湯管とを接続して給湯熱交換器をバイパスするバイパス管が設けられて、出湯時にはバイパス管から水を混合させて出湯温度を抑制する制御が行われるものもあるが、バイパス管への水量を制御する分配弁等の部品が故障すると、高温出湯を回避できなくなってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、一方の通水経路が給湯回路となり、他方の通水経路が風呂回路となる一缶二水路型において、風呂回路の単独使用後に給湯回路を使用する場合であっても、高温出湯を効果的に抑制することができる給湯器を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、下部にバーナが配置される燃焼室と、
燃焼室の上部に配置されてバーナに加熱される給湯熱交換器と、給湯熱交換器に接続される給水管及び出湯管と、を含んでなる給湯回路と、
燃焼室の上部に給湯熱交換器と併設されてバーナに加熱される風呂熱交換器と、風呂熱交換器に接続されて外部の浴槽と接続される配管と、配管に設けられるポンプと、を含んでなる風呂回路と、
給湯熱交換器内の湯水の温度を検出する湯温検出手段と、
出湯管と配管とを接続して出湯管からの湯を配管を介して浴槽へ供給可能な落とし込み管と、
落とし込み管の流路を開閉する開閉手段と、
燃焼室内へ燃焼用空気を供給可能なファンと、
バーナの燃焼及びポンプの作動を制御するコントローラと、を備えてなる給湯器であって、
コントローラは、風呂回路の単独使用によるバーナの燃焼が行われた後、ポンプを作動させて風呂回路において湯水を循環させると共に、ファンを回転させ、
その後、湯温検出手段によって検出される検出温度を監視して、検出温度が所定温度を越えている場合、開閉手段によって落とし込み管の流路を開放させて、給湯熱交換器内の湯水を浴槽へ落とし込む一方、検出温度が所定温度以下である場合、ポンプの作動及びファンの回転を停止させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、コントローラは、風呂回路の単独使用によるバーナの燃焼が行われた後、ポンプを作動させて、湯温検出手段によって検出される温度が所定温度以下となるまで風呂回路において湯水を循環させるので、給湯熱交換器から風呂熱交換器内を循環する湯水へ熱移動させて給湯熱交換器内の湯水の温度を低下させることができる。よって、一缶二水路型において、風呂回路の単独使用後に給湯回路を使用する場合であっても、高温出湯を効果的に抑制することができる。特に、給水管と出湯管とを接続して給湯熱交換器をバイパスするバイパス管が設けられる場合、ポンプの作動は、バイパス管に設けた分配弁等が故障してバイパス管から十分な水を混合できない場合でも関係なく行われるので、高い信頼性で高温出湯防止が可能となる。
また、コントローラは、ポンプの作動の際には、開閉手段によって落とし込み管の流路を開放させて、給湯熱交換器内の湯水を浴槽へ落とし込むことで、給湯熱交換器内の高温の湯を水に置換して迅速に給湯熱交換器内の湯温を低下させることができる。
さらに、コントローラは、ポンプの作動と共にファンを回転させることで、燃焼用空気を利用した放熱作用によって給湯熱交換器内の湯温を効果的に低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】高温出湯防止制御の変更例のフローチャートである。
【
図4】高温出湯防止制御の変更例のフローチャートである。
【
図5】給湯熱交換器及び風呂熱交換器の各伝熱管の配設例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、給湯器の一例を示す概略回路図である。この給湯器1は、燃焼室2の下部に、互いに数が異なる複数のバーナ4,4・・を備えた3つのバーナユニット3,3・・と、各バーナユニット3に燃焼用空気を供給する燃焼ファン5とが設けられ、燃焼室2内の上部には、バーナ4,4・・の燃焼排気が通過する給湯熱交換器6と風呂熱交換器7とが併設されている。8は点火プラグ、9はフレームロッドで、燃焼室2の上部には、両熱交換器6,7を通過した燃焼排気を排出する排気フード10が設けられ、燃焼室2の外側には、燃焼室2からの燃焼排気の漏出を検出するヒューズ回路をプリントしたシート状の過熱防止装置11が巻回されている。
【0010】
燃焼室2等を収容する器具のガス入口には、外部からのガス配管が接続されるガス管12が接続されて、各バーナユニット3には、ガス管12から分岐する分岐管13,13・・がそれぞれ接続されると共に、各分岐管13には、ガス流路を開閉するガス電磁弁14がそれぞれ設けられている。また、分岐前のガス管12には、上流側から元ガス電磁弁15、ガス比例弁16がそれぞれ設けられている。
【0011】
給湯熱交換器6は、所定間隔をおいて配設された複数のフィン17,17・・を蛇行状に貫通する給湯伝熱管18を備え、給湯伝熱管18の入口には、器具の水入口に接続される給水管19が接続され、給湯伝熱管18の出口には、器具の湯出口に接続される出湯管20が接続されている。給湯熱交換器6の外側に露出する給湯伝熱管18の屈曲部には、給湯伝熱管18の温度を検出する水管サーミスタ21が設けられている。また、給水管19と出湯管20との間には、給湯熱交換器6をバイパスするバイパス管22が接続されて、給水管19とバイパス管22との接続部には、ステッピングモータにより駆動してバイパス管22の流量を可変制御する分配弁23が設けられている。
いる。
【0012】
さらに、給水管19におけるバイパス管22との接続部の上流側には、入水温度を検出する入水サーミスタ24と、給水管19を流れる水量を検出する給湯水量センサ25とが設けられている。
そして、出湯管20における給湯熱交換器6の出口際には、出口温度を検出する給湯熱交換器サーミスタ26が設けられ、バイパス管22との接続部の下流側には、出湯温度を検出する給湯出湯サーミスタ27と、ステッピングモータにより駆動して出湯管20の流量を可変制御する水量制御弁28とが設けられている。
よって、ここには、バーナユニット3に加熱される給湯熱交換器6と、給湯熱交換器6に接続される給水管19及び出湯管20、バイパス管22を含む給湯回路Aが形成される。
【0013】
一方、風呂熱交換器7は、フィン17,17・・を蛇行状に貫通する風呂伝熱管30を備え、風呂伝熱管30の入口には、外部配管を介して外部の浴槽31のバスアダプタ32と接続される風呂戻り管33が接続され、風呂伝熱管30の出口には、外部配管を介してバスアダプタ32と接続される風呂往き管34が接続されている。風呂戻り管33には、ポンプ35が設けられると共に、その上流側には、風呂戻り温度を検出する風呂戻りサーミスタ36が設けられ、ポンプ35の下流側には、風呂戻り管33内の湯水の流れによってON/OFF動作する風呂水流スイッチ37と、水圧によって浴槽31内の水位を検出する水位センサ38とが設けられている。また、風呂往き管34には、風呂往き温度を検出する風呂往きサーミスタ39が設けられている。
よって、ここには、バーナユニット3に加熱される風呂熱交換器7と、風呂熱交換器7と浴槽31との間に接続される風呂戻り管33及び風呂往き管34とを含む風呂回路Bが形成される。
このように、給湯器1は、1つの燃焼室2内に通水経路が異なる給湯熱交換器6と風呂熱交換器7とが併設されて共通のバーナユニット3,3・・によって加熱される一缶二水路型となっている。
【0014】
そして、給湯回路Aと風呂回路Bとの間には、出湯管20における水量制御弁28の下流側と、風呂戻り管33におけるポンプ35と風呂戻りサーミスタ36の間で落とし込み管41が接続されている。この落とし込み管41には、上流側に、落とし込み管41を流れる水量を検出する風呂水量センサ42が、下流側に、落とし込み管41を開閉する落とし込み水電磁弁43がそれぞれ設けられている。さらに、落とし込み水電磁弁43の下流側には、2つの逆止弁44,44がそれぞれ設けられて、逆止弁44,44の間には、風呂戻り管33から逆流した湯水をオーバーフロー口から排出する縁切弁45が接続されている。
50はコントローラで、マイコンやメモリの他、各モータの駆動回路、各サーミスタ及びセンサの検出回路等を備え、各サーミスタやセンサ等の検出信号を受けて各弁等を動作させて出湯温制御や浴槽31への湯張り制御等を行う。51は給湯リモコン、52は風呂リモコンである。
【0015】
以上の如く構成された給湯器1においては、まず通常の給湯は以下の如くなされる。
湯出口に接続された外部配管の給湯栓が開栓されて器具内に通水され、その通水を給湯水量センサ25で検知すると、コントローラ50は、燃焼ファン5を所定時間回転させて、燃焼室2内に貯留している燃焼排気を排出させる(プリパージ)。その後、ガス管12の元ガス電磁弁15、各ガス電磁弁14を開弁させ、ガス比例弁16を所定開度で開弁させて、各バーナユニット3へガスを供給すると共に、イグナイタを作動させて点火プラグ8でバーナ4,4・・に点火する。
これにより、給湯熱交換器6において、給湯伝熱管18を流れる水がバーナ4の燃焼排気と熱交換されて、加熱された湯が出湯管20及び外部配管を通って給湯栓から出湯される。
【0016】
コントローラ50は、出湯管20の給湯熱交換器サーミスタ26によって出口温度を監視し、分配弁23のステッピングモータを駆動させて、出口温度が、給湯熱交換器6でのドレンの発生や過熱を防止できる温度範囲内に維持されるようにバイパス管22への流量(バイパス率)を制御する。
また、コントローラ50は、給湯出湯サーミスタ27によって出湯温度を監視し、出湯温度が給湯リモコン51又は風呂リモコン52で設定された設定温度となるように、各ガス電磁弁14の開閉制御と、ガス比例弁16の開度調整とを行うと共に、燃焼ファン5の回転数制御によって空気量を連続的に変化させる。
給湯栓を閉じると、給湯水量センサ25からの信号停止を確認したコントローラ50は、元ガス電磁弁15及びガス電磁弁14を閉じてバーナ4を消火させ、所定時間燃焼ファン5を回転させる(ポストパージ)。
【0017】
一方、給湯リモコン51又は風呂リモコン52の自動スイッチを押すと、コントローラ50は、落とし込み管41の落とし込み水電磁弁43を開弁して給湯熱交換器6に通水させてバーナ4を燃焼させる。出湯管20からの湯は、落とし込み管41及び風呂戻り管33、風呂往き管34を通って浴槽31に供給される。落とし込み管41に設けた風呂水量センサ42で検出した水量が設定水量に達すると、落とし込み水電磁弁43を閉じて落とし込みを終了させる。
次に、ポンプ35を作動させて、風呂熱交換器7と浴槽31との間で湯を循環させる。よって、風呂熱交換器7と浴槽31との間を循環する風呂循環水は、風呂伝熱管30を流れる際にバーナ4の燃焼排気と熱交換されて設定温度まで追い焚きされる。設定温度に達すると、バーナ4の燃焼を停止させ、ポンプ35を停止させる。また、風呂リモコン52の追い焚きスイッチの操作により、任意のタイミングでも追い焚きが可能となっている。
【0018】
そして、コントローラ50は、風呂回路Bが単独使用されて追い焚きが実行された後は、ポンプ35を作動させて、バーナ4によって加熱されていた給湯熱交換器6の給湯伝熱管18内の湯温を低下させて、その後に給湯回路Aが使用されても高温の湯が出湯されることを防止するようになっている。以下、この高温出湯防止制御を
図2のフローチャートに基づいて説明する。
【0019】
まず、S1の判別で、風呂回路Bでの追い焚きが終了したことが確認されると、コントローラ50は、S2でポンプ35を作動させて、風呂回路Bでの湯水の循環を実行する。この循環によって、風呂回路Bの単独使用時にバーナ4で加熱されていた給湯伝熱管18の熱が、フィン17,17・・を介して風呂伝熱管30に伝達され、風呂伝熱管30内を循環する湯水に移動することになる。従って、給湯伝熱管18内に滞留していた湯水の湯温が低下する。
【0020】
次に、S3の判別で、水管サーミスタ21から得られる給湯伝熱管18の検出温度が60℃以下であるか否かが判別される。ここで60℃以下であれば、続くS4の判別で、給湯熱交換器サーミスタ26から得られる出口温度が60℃以下であるか否かが判別される。ここでS3での検出温度とS4での出口温度との何れかが依然として60℃を越えていればポンプ35の作動は継続されるが、両温度が共に60℃以下であることが確認されると、コントローラ50は、S5でポンプ35の作動を停止させて本制御を終了する。
この高温出湯防止制御により、給湯伝熱管18内の湯温が低下するため、その後給湯栓が開栓されて給湯回路Aが使用されても、出湯管20から100℃以上の高温の湯が出湯されるおそれがなくなる。
【0021】
このように、上記形態の給湯器1によれば、コントローラ50は、風呂回路Bの単独使用によるバーナ4の燃焼が行われた後、ポンプ35を作動させて、水管サーミスタ21によって検出される温度が所定温度(ここでは60℃)以下となるまで風呂回路Bにおいて湯水を循環させることで、給湯伝熱管18から風呂伝熱管30内を循環する湯水へ熱移動させて給湯伝熱管18内の湯水の温度を低下させることができる。よって、一缶二水路型において、風呂回路Bの単独使用後に給湯回路Aを使用する場合であっても、高温出湯を効果的に抑制することができる。特に、ポンプ35の作動は、分配弁23等が故障してバイパス管22から十分な水を混合できない場合でも関係なく行われるので、高い信頼性で高温出湯防止が可能となる。
【0022】
なお、上記形態では、湯温検出手段として水管サーミスタと給湯熱交換器サーミスタとを用いて双方の検出温度が60℃以下の場合にポンプをOFFさせるようにしているが、給湯熱交換器サーミスタの検出温度を用いずに水管サーミスタの検出温度のみを監視してポンプをOFFさせるようにしてもよい。ポンプをOFFさせる所定温度も60℃に限らず適宜増減可能である。
【0023】
また、
図3に示すように、
図2のルーティンにおいて、S11で追い焚き終了の確認後、S12では、ポンプ35を作動させると共に、燃焼ファン5も回転させて、燃焼室2内に空気を送るようにしてもよい。
この場合、燃焼室2内に送られた空気が給湯熱交換器6を通過して給湯伝熱管18やその周囲のフィン17に接触するため、給湯熱交換器5での放熱を促進させることができる。
そして、S13,14の判別で給湯伝熱管18の検出温度及び給湯熱交換器6からの出口温度が60℃以下となったことが確認されると、コントローラ50は、S15でポンプ35の作動を停止させると共に燃焼ファン5の回転を停止させて本制御を終了する。
【0024】
このように、
図3の変更例によれば、ポンプ35の作動と共に燃焼ファン5を回転させるので、ポンプ35による湯温低下作用に加えて、燃焼用空気を利用した放熱作用によって給湯伝熱管18内の湯温を効果的に低下させることができる。
なお、
図3の変更例において、燃焼ファン5のON/OFFはポンプ35のON/OFFと同じタイミングとする必要はなく、燃焼ファン5のON/OFFをポンプ35のON/OFFより遅らせる等してタイミングをずらせてもよい。
また、この変更例でも、給湯熱交換器サーミスタの検出温度を用いずに水管サーミスタの検出温度のみを監視してポンプ及び燃焼ファンをOFFさせるようにしてもよい。ポンプをOFFさせる温度も60℃に限らず増減可能である。
【0025】
さらに、
図4に示す変更例では、
図3のルーティンにおいて、S21で追い焚き終了を確認してS22でポンプ35及び燃焼ファン5をONさせた後、S23の判別で水管サーミスタ21の検出温度が60℃を越えていた場合、コントローラ50は、S24で、水落とし込みを行う。この水落とし込みは、落とし込み水電磁弁43を開弁させて、給湯回路A内の湯水を、落とし込み管41から風呂戻り管33及び風呂往き管34を介して浴槽31に落とし込むもので、バーナ4を燃焼させず、風呂水量センサ42で検出される水量が所定水量に達するまで行われる。この水落とし込みにより、給湯伝熱管18内の湯水が給水管19から新たに供給される水と置換されることになる。
【0026】
水落とし込みの実行後、再びS23で水管サーミスタ21の検出温度を確認し、検出温度が依然として60℃を越えていれば、再びS24で水落とし込みを行う処理を繰り返す。検出温度が60℃以下となっていれば、S25で、給湯熱交換器サーミスタ26からの出口温度が60℃以下か否かを判別する。
そして、S25で出口温度が60℃を越えていた場合は、S26で、S24と同じ水落とし込みを行い、出口温度が60℃以下となるまで繰り返す。出口温度が60℃以下となったら、S27でポンプ35及び燃焼ファン5をOFFさせて本制御を終了する。
【0027】
このように、
図4の変更例によれば、コントローラ50は、ポンプ35の作動の際には、落とし込み水電磁弁43によって落とし込み管41の流路を開放させて、給湯熱交換器6内の湯水を浴槽31へ落とし込むので、ポンプ35及び燃焼ファン5による湯温低下作用に加えて、給湯伝熱管18内の高温の湯を水に置換して迅速に給湯伝熱管18内の湯温を低下させることができる。
【0028】
なお、この変更例においても、給湯熱交換器サーミスタの検出温度を用いずに水管サーミスタの検出温度のみを監視して、水落とし込みやポンプ及び燃焼ファンのOFFを行ってもよい。ポンプをOFFさせる温度も60℃に限らず増減可能である。
また、この変更例では、水管サーミスタ及び給湯熱交換器サーミスタの検出温度が所定温度を越えていることを確認したタイミングで水落とし込みを行っているが、所定時間の経過を待って検出温度の低下が見られなければ水落とし込みを行うようにしてもよい。さらに、このような条件を設定せず、ポンプのONと同時に水落とし込みを行うようにしてもよい。
そして、燃焼ファンを用いずに
図2のようにポンプのON/OFF制御に水落とし込みを加えることも可能である。
【0029】
その他、上記形態及び各変更例に共通して、給湯器自体の構成も、一缶二水路型であれば、各熱交換器が潜熱回収用の副熱交換器を備えるものであったりしても差し支えない。
一方、一缶二水路型における給湯熱交換器と風呂熱交換器との併設形態は、両熱交換器の各伝熱管が1つの燃焼室内で左右や前後或いは上下に分離して配設される形態の他、両熱交換器の各伝熱管が左右や前後或いは上下に交互に配設されるような混合形態であっても差し支えない。
図5に、上記形態の給湯器1での伝熱管の配設例を示す。ここでは、燃焼室2内で蛇行状に配設される給湯伝熱管18の直管部18a,18a・・を上段及び下段に分けて配置して、下段から上段にかけて繋がる給湯伝熱管18とフィン17とによって給湯熱交換器6を形成すると共に、同じく燃焼室2内で蛇行状に配設される風呂伝熱管30の直管部30a,30a・・を、上下段の直管部18a,18a・・の間に配置して、中段で繋がる風呂伝熱管30とフィン17とによって風呂熱交換器7を形成して、給湯伝熱管18と風呂伝熱管30とを上下方向へ交互に配設している。
【符号の説明】
【0030】
1・・給湯器、2・・燃焼室、3・・バーナユニット、4・・バーナ、5・・燃焼ファン(ファン)、6・・給湯熱交換器、7・・風呂熱交換器、12・・ガス管、17・・フィン、18・・給湯伝熱管、19・・給水管、20・・出湯管、21・・水管サーミスタ(湯温検出手段)、22・・バイパス管、23・・分配弁、24・・入水サーミスタ、25・・給湯水量センサ、26・・給湯熱交換器サーミスタ(湯温検出手段)、27・・給湯出湯サーミスタ、28・・水量制御弁、30・・風呂伝熱管、31・・浴槽、33・・風呂戻り管(配管)、34・・風呂往き管(配管)、35・・ポンプ、37・・風呂水流スイッチ、41・・落とし込み管、42・・風呂水量センサ、43・・落とし込み水電磁弁(開閉手段)、50・・コントローラ、51・・給湯リモコン、52・・風呂リモコン、A・・給湯回路、B・・風呂回路。