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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】遊技機設備島及びそれを備えた建築物
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220425BHJP
【FI】
A63F7/02 340
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019102287
(22)【出願日】2019-05-31
(65)【公開番号】P2020195481
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-12-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000127628
【氏名又は名称】株式会社エース電研
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】板山 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】吉田 圭司
(72)【発明者】
【氏名】表西 秀典
【審査官】後藤 孝平
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-176768(JP,A)
【文献】特開2001-314636(JP,A)
【文献】特開2003-099840(JP,A)
【文献】特開2008-132133(JP,A)
【文献】特許第6387203(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物内に設置され、島の長手方向に沿って配列される第1列の遊技機及び第2列の遊技機が背中合わせに配置される遊技機設備島であって、
前記遊技機が載置される載置部を備え、
前記載置部は、前記遊技機を載置可能な前後幅を有し前記島の長手方向に延びる長板状の天板部を含み、
前記天板部には、前記天板部の遊技機正面側の端よりも遊技機裏面側に凹状の切欠部が形成されており、
前記切欠部が、前記建築物を構成する建築柱が配置される建築柱配置空間を形成し、
前記切欠部は、前記長手方向において前記遊技機の間に配置されている、遊技機設備島。
【請求項2】
前記切欠部は、前記天板部における前記遊技機裏面側の端に開いている、請求項1に記載の遊技機設備島。
【請求項3】
前記切欠部は、前記第1列又は前記第2列のいずれか一方の列の遊技機を載置する前記天板部に形成され、前記第1列又は第2列のいずれか他方の列の遊技機を載置する前記天板部に形成されていない、請求項1又は2に記載の遊技機設備島。
【請求項4】
前記長手方向に沿った前記切欠部の長さは、125mm以上且つ300mm以下である、請求項1~3のいずれかに記載の遊技機設備島。
【請求項5】
前記載置部は、前記切欠部の縁部に沿って島の短手方向に延び且つ前記天板部を補強する第1補強部を有する、請求項1~4のいずれかに記載の遊技機設備島。
【請求項6】
前記載置部は、島の長手方向に沿って延び且つ前記天板部を補強する第2補強部を備え、
前記切欠部は、平面視で前記第2補強部よりも遊技機裏面側に形成されている、請求項5に記載の遊技機設備島。
【請求項7】
前記載置部は、島の長手方向に沿って延び且つ前記天板部を補強する第3補強部を備え、
前記第3補強部は、前記切欠部に対応して一部が切り欠かれまたは切断された状態である、請求項5又は6に記載の遊技機設備島。
【請求項8】
前記島の長手方向に延び、遊技媒体を前記遊技機に供給する又は前記遊技機から回収する遊技媒体搬送路を備え、
前記第1列の遊技機及び第2列の遊技機は、前記遊技媒体搬送路を共用している、請求項1~7のいずれかに記載の遊技機設備島。
【請求項9】
前記建築柱は、前記遊技媒体搬送路よりも島の短手方向の外側に配置されている、請求項8に記載の遊技機設備島。
【請求項10】
前記島の長手方向に延び、紙葉類を搬送する紙葉類搬送路と、
前記第1列の遊技機の間に配置される第1列の紙葉類処理装置と、
前記第2列の遊技機の間に配置される第2列の紙葉類処理装置と、を備え、
前記第1列の紙葉類処理装置及び前記第2列の紙葉類処理装置は、前記紙葉類搬送路を共用している、請求項1~9のいずれかに記載の遊技機設備島。
【請求項11】
前記建築柱は、前記紙葉類搬送路よりも島の短手方向の外側に配置されている、請求項10に記載の遊技機設備島。
【請求項12】
前記建築柱は、前記遊技機の最も裏側端よりも遊技機正面側に配置されている、請求項1~10のいずれかに記載の遊技機設備島。
【請求項13】
請求項1~10のいずれかに記載の遊技機設備島と、
下弦連結部を介して連結され且つ水平方向に沿って配置される複数の下弦材と、上弦連結部を介して連結され且つ水平方向に沿って配置される複数の上弦材と、前記下弦連結部及び前記上弦連結部に連結され且つ水平方向に対して傾斜する斜弦材と、を有し、前記下弦材により平面視で正方形のグリッドが複数個×複数個形成される立体トラス構造体と、
前記立体トラス構造体を支持するための複数の建築柱と、を備え、
前記複数の建築柱の少なくとも一部の建築柱は、前記遊技機設備島の前記切欠部に配置されている、建築物。
【請求項14】
前記複数の建築柱は、平面視で前記立体トラス構造体の前記グリッドの最外辺にある前記下弦連結部を支える複数の第1建築柱と、平面視で前記最外辺よりも内側にある前記下弦連結部を支える複数の第2建築柱と、を有し、
前記グリッドの最外辺において前記第1建築柱同士を接続する筋交いが設けられており、
前記第2建築柱の少なくとも1つは、前記遊技機設備島の前記切欠部に配置されている、請求項13に記載の建築物。
【請求項15】
前記複数の建築柱の少なくとも一部の建築柱は、等間隔に並んでおり、
前記遊技機設備島は複数設けられ、前記建築柱が含まれる遊技機設備島の少なくとも一部の遊技機設備島同士は等間隔に並んでおり、
前記建築柱が含まれない遊技機設備島の島幅と、前記建築柱が含まれる遊技機設備島の島幅とが同じである、請求項13又は14に記載の建築物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機設備島及びそれを備えた建築物に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の遊技機が島の長手方向に沿って配列され、第1列の遊技機と第2列の遊技機とが背中合わせに配置され、各々の遊技機に対してメダルやパチンコ玉等の遊技媒体を供給及び回収するための遊技媒体搬送路が設けられ、遊技機設備島が形成される。遊技機設備島は、遊技機を載置する載置部を有し、第1列の遊技機を載置する載置部と第2列の遊技機を載置する載置部とが背中合わせで配置される。
【0003】
遊技場建物空間には、建築物を構成する建築柱が配置されるが、遊技機設備島の間に形成される遊技者の動線空間に建築柱が配置されると死角が発生し問題がある。そのため、死角を無くすための手段を講じる必要があり、建築柱を遊技機島設備内に配置する要求がある。
【0004】
特許文献1には、遊技機設備島の内部に建築柱を配置したことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-176768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のように第1列の遊技機と第2列の遊技機の間に建築柱を配置することになるので、建築柱がない設備島に比べて島の短手方向の幅が大きくなってしまい、所望の台数の遊技機を設置するためには建物を大きくしなければならず、建物を大きくできなければ、設置する遊技機の数を減らすか、遊技者の動線空間を狭くしなければならない。
【0007】
また、パチンコ玉やメダル等の遊技媒体を遊技機に供給するため又は遊技機から回収するための搬送路が遊技機設備島に設けられる場合がある。搬送路は、平面視にて島の長手方向に直線状に延びており、背中合わせに配置される第1列の遊技機と第2列の遊技機が1つの搬送路を共用する構成が一般的である。しかしながら、建築柱を設備島内部に配置した特許文献1の構造では、平面視にて第1列から第2列へ向かって島の短手方向に見た場合に、第1列の遊技機、第1列の遊技機用の搬送路、建築柱、第2列の遊技機用の搬送路、第2列の遊技機という順序で配置されることになる。本来であれば、搬送路は一つで足りるが、建築柱が存在するために、搬送路が2つ必要となり、店舗にとってコスト増を招来する。
【0008】
なお、ここでは、遊技媒体の搬送路を例に挙げたが、例えば紙幣を搬送する紙葉類搬送路も同様のことがいえる。
【0009】
本発明の目的は、建築柱が内部に配置されることに伴うスペース不足やコスト増などの不具合を解消した遊技機設備島及びそれを備えた建築物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の遊技機設備島は、建築物内に設置され、島の長手方向に沿って配列される第1列の遊技機及び第2列の遊技機が背中合わせに配置される遊技機設備島であって、
前記遊技機が載置される載置部を備え、
前記載置部は、前記遊技機を載置可能な前後幅を有し前記島の長手方向に延びる長板状の天板部を含み、
前記天板部には、前記天板部の遊技機正面側の端よりも遊技機裏面側に凹状の切欠部が形成されており、
前記切欠部が、前記建築物を構成する建築柱が配置される建築柱配置空間を形成し、
前記切欠部は、前記長手方向において前記遊技機の間に配置されている。
【0011】
このように、建築柱が配置される建築柱配置空間を形成する切欠部が島の長手方向において遊技機の間に配置されており、切欠部が遊技機を載置するための天板部に形成されているので、島の短手方向及び上下方向を通る面に投影した場合に遊技機と当該遊技機を載置する天板部に形成された切欠部に配置される建築柱とをオーバーラップさせ、島の短手方向の寸法を減少させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】遊技機設備島の内部構造を示す斜視図
図2】(a)遊技機設備島の正面図、(b)図2におけるA1-A1部位断面図
図3】載置部を示す斜視図
図4】切欠部が形成された載置部の内部構造を示す斜視図
図5A】本実施形態の長板部及び天板部を示す平面図
図5B】変形例の長板部及び天板部を示す平面図
図5C】変形例の長板部及び天板部を示す平面図
図6A】遊技媒体搬送路と遊技機との接続状態を二点鎖線で示した図
図6B】紙葉類搬送路と紙葉類処理装置との接続状態を二点鎖線で示した図
図7図2(a)におけるA2-A2部位断面図
図7A】天板部及び長板部を示す断面図
図7B】変形例の天板部及び長板部を示す断面図
図8図2(a)におけるA3-A3部位断面図
図9】切欠部の周辺構造を示す平面図、正面図及び側面図
図9A】変形例の切欠部の周辺構造を示す平面図、正面図及び側面図
図10】建築物を構成する立体トラス構造体を模式的に示す平面図及び側面図
図11】建築物の一部を示す側面図
図12】トラス構造体と建築柱と遊技機設備島の関係を示す平面図
図13A】島柱部と載置部の接続を示す側面図
図13B】島柱部を示す斜視図
図13C】島柱部と載置部の接続を示す拡大斜視図
図14】変形例の載置部と建築柱の固定構造を示す斜視図
図15】変形例の載置部と建築柱と遊技媒体搬送路とを示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態の遊技機設備島及びそれを備えた建築物について、図面を参照して説明する。
【0014】
<遊技機設備島2>
図1は、遊技機設備島の内部構造を示す斜視図である。図2(a)は、遊技機設備島の正面図である。図2(b)は、図2におけるA1-A1部位断面図である。
【0015】
図1図2(a)及び図2(b)に示すように、遊技機設備島2は、建築物内に配置され、遊技機1a(1b)が載置される載置部20を有する。同図に示すように、島の長手方向LDに沿って配列される第1列の遊技機1a及び第2列の遊技機1bが背中合わせに配置される。第1列の遊技機1aを載置する載置部20と第2列の遊技機1bを載置する載置部20とが背中合わせで配置されている。
【0016】
載置部20は、図1及び図3に示すように、遊技機を載置可能な前後幅W2を有し、島の長手方向LDに延びテーブルとなる長板状の天板部22を含む。本実施形態では、天板部22に長板部21が載置され、長板部21に遊技機が載置されるが、長板部21は省略可能である。長板部21は、遊技機を載置可能な前後幅W1を有し、島の長手方向LDに延びる長板状に形成されている。天板部22の前後幅W2は、長板部21の前後幅W1よりも大きい。遊技機が載置可能な幅(W1、W2)とは、少なくとも100mmあればよい。載置部20は、載置部20の長手方向LDの両端に配置される側板23と、天板部22の下方において遊技機正面側SD1に配置される正面化粧板24と、天板部22の下方において遊技機裏面側SD2に配置される裏板25と、を有する。天板部22、側板23、正面化粧板24及び裏板25により載置部20の一部が箱状に形成されている。
【0017】
図7Aは、天板部22及び長板部21の断面図を示す。図7Aに示す遊技機設備島に載置される遊技機は、遊技球を排出するパチンコ機である。図7Aに示すように、天板部22の遊技機正面側SD1(遊技者側)の端22aに沿って遊技球の落下を防止するための落下防止部22xが設けられている。落下防止部22xは、天板部22の端22a(縁)に突起を形成する部材である。落下防止部22xは、天板部22と一体形成され、ステンレス製などの金属製であることが多い。ところが、遊技機の取り外しを行うにあたり、落下防止部22xの突起が遊技機の取り外しの妨げになる。そこで、図7Aに示すように、天板部22の上に、遊技機を載置するための長板部21を設けている。長板部21の高さは、落下防止部22xの突起高さと略同じ又は落下防止部22xの突起高さよりも高くなるようにしており、これにより、長板部21の上に載置された遊技機を遊技機正面側SD1にスライドさせても落下防止部22xに干渉しにくく又は干渉せず、パチンコ機の取り外し作業を容易にすることが可能となる。なお、長板部21の上に更に、長板部21と同形状の座板やスペーサを設ける場合があるが、座板やスペーサは長板部21に含まれると考えてもよい。
【0018】
図7Bは、変形例の天板部22の断面図を示す。図7Bに示す遊技機設備島に載置される遊技機は、メダルを使用するスロットマシン(回胴式遊技機)や、所定数の遊技球を循環させて使用する封入式遊技機であり、遊技機の遊技機正面側SD1に遊技球又はメダル等の遊技媒体が出ることがない。よって、スロットマシン(回胴式遊技機)や封入式遊技機を設置する遊技機設備島では、図7Bに示すように、天板部22に落下防止部22xを設ける必要がないため、遊技機の取り外しを容易にする長板部21を省略可能である。なお、図7及び図7Aに示すように天板部22の上に長板部21が設けられている場合には、長板部21の遊技機正面側SD1の端21aに遊技機の下部正面を合わせるように遊技機が配置されるため、長板部21の遊技機正面側SD1の端21aは遊技機設置の目印になる。一方、図7Bに示すように天板部22の上に長板部21を設けない場合には、天板部22に遊技機を設置するための目印(線や色などのマーク)を設けることが好ましい。長板部21が無くても遊技機の位置決めを容易に実現でき、作用効率を向上させることが可能となる。
【0019】
図1及び図13A~Cに示すように、載置部20の島の長手方向LDの両端には、床面FLに設けられた島柱部3が配置されている。載置部20は、隣接する2つの島柱部3に掛け渡された状態で島柱部3に固定される。載置部20が2つの島柱部3に架橋する構造であるので、載置部20の下方に空間を設けることが可能となる。具体的には、図13A~Cに示すように、島柱部3は、床面FLにアンカーボルトv1で固定されるベース30と、ベース30に対してボルトv2で取り付けられる柱本体部31と、を有する。ベース30は、床面FLに沿うベース底面及びベース底面から起立するベース起立部を有するL字状部位を有する。ベース起立部には柱本体部31を固定するためのボルト孔が形成されている。柱本体部31は、平面視でL字状に形成され、強度が確保されている。柱本体部31の底部には、長孔が形成されており、この長孔によりベース30に対して上下方向の取り付けの高さ位置を変更可能に構成されている。対をなす柱本体部31の間には、島柱架橋部33が架橋され、島柱架橋部33は柱本体部31に溶接固定されている。島柱架橋部33には、突出用を変更可能な押しボルトv3が設けてあり、押しボルトv3をベース30のベース底面に接触するようにして、柱本体部31の荷重をボルトv2だけでなく、押しボルトv3でも負担するように構成されている。柱本体部31の底部には、横方向に延びて載置部20(側板23)を載置するための載置部支持部32が形成されている。載置部支持部32は、上方へ突出する位置決め用突起32aを有する。位置決め用突起32aは、載置部20の底部(側板23の底部)に形成された溝23a(図3、4参照)に挿入され、載置部20に対する位置決めがなされる。柱本体部31には、上下方向に沿った板状支持部34(図13Bでは非図示)が横方向に突出しており、載置部20の側板23には対応するスリット(図示せず)が形成されており、板状支持部34をスリットに挿入することによって載置部20が柱本体部31に固定される。
【0020】
島柱部3の上部には、遊技機の上方に配置される上部ユニット4が固定されている。上部ユニット4には、表示装置40(図2(a)参照)等が取り付けられる。図1図7及び図8に示すように、上部ユニット4は、2つの島柱部3に架橋する状態で固定される横桟躯体41a、41bと、横桟躯体41aに載置される島上カバー42と、を有する。島上カバー42には、凹状の切欠43hが形成されており、切欠43hが上部ユニット4において建築柱配置空間SP2を形成している。上部ユニット4には、遊技媒体供給路5aが設けられているが、遊技媒体供給路5aを設けずに紙葉類搬送路6を設けてもよい。上部ユニット4は、内部に設けられた遊技媒体供給路5a又は紙葉類搬送路6の点検やメンテナンス時に開状態にすることが可能な開閉パネル44を有する。建築柱90は、開閉パネル44よりも内部に配置されている。また、横桟躯体41a、41bに切欠43hを設ける場合であっても、建築柱90に対応して横桟躯体41a、41bの一部のみに凹状の切欠43hを設けるので、構造強度に与える影響を低減可能となる。また、切欠43hと建築柱90に間に隙間が無いように両者が接触するように切欠43hを形成すれば、横桟躯体41a、41bに切欠43hを設けても、構造強度に与える影響を減少させることができる。なお、開閉パネル44を設けずに、遊技機正面側SD1が開口した棚部を形成し、遊技者の荷物やスロットマシン用のメダルを収容するための収容容器を置くことができるようにしてもよい。棚部は一台の遊技機毎に区画してもよいし、複数台の遊技機毎に区画してもよい。棚部は建築柱90を避けて形成することが好ましい。
【0021】
本実施形態では、載置部20を2つの島柱部3に架橋する状態で固定しているが、この構造に限定されない。例えば、載置部20に対して下方に延びる足部を設け、足部を床面FLに固定し、載置部20を島柱部3に固定せずに支持するように構成してもよい。この場合、島柱部3を床面FLに固定せず、載置部20を足場として固定するように構成してもよい。
【0022】
図3に示すように、本実施形態の載置部20は、一対の側板23の間を架け渡された4つの桟である第2補強部26a、26b、第3補強部26c、26dを有する。第2補強部26aは、天板部22と正面化粧板24の交差部に配置され、天板部22を補強すると共に正面化粧板24の上部を補強する。第2補強部26bは、正面化粧板24の下部を補強する。第3補強部26cは、天板部22と裏板25の交差部に配置され、天板部22を補強すると共に裏板25の上部を補強する。第3補強部26dは、裏板25の下部を補強する。左右の側板23と、第2補強部26a、26b、第3補強部26c、26dとは連結されている。天板部22と第2補強部26cとは連結されている。天板部22側板23の縁は、第2補強部26a、26b、第3補強部26c、26dが嵌合可能に切り欠かれており、切り欠きを形成せずに連結する構造に比べて剛性を強化してある。正面化粧板24と第2補強部26a、26bとが連結されているため、長板部21又は天板部22にかかる垂直方向の荷重を島の長手方向LDに効果的に分散させ左右の側板23に逃がすことができる。同様に、裏板25と第3補強部26c、26dとが連結されているため、長板部21又は天板部22にかかる垂直方向の荷重を島の長手方向LDに効果的に分散させ左右の側板23に逃がすことができる。
なお、本実施形態において載置部20が木製等の非金属で形成されているが、金属製で形成されていてもよい。また、本実施形態では、第2補強部26a、26b、第3補強部26c、26dを設けているが、第2補強部26a、26b、第3補強部26c、26dの少なくとも一部を省略してもよい。第2補強部26a、26b、第3補強部26c、26dの全てを省略することも可能である。
【0023】
図2(a)に示すように、遊技機設備島2は、建築物を構成する建築柱90が内部に配置可能に構成されている。建築柱90が遊技機設備島2の内部に配置されることにより、遊技機設備島2の短手方向SDの寸法(島幅D1)が増大することを避けるために、次の手段を講じている。なお、島幅D1は、図13Aに示すように、第1列の遊技機1aを載置する載置部20の正面化粧板24と、第2列の遊技機1bを載置する載置部20の正面化粧板24との間を意味する。なお、建築柱90が遊技機設備島2の内部に配置されるとは、載置部20を構成する正面側の化粧板(正面化粧板24、化粧板224)よりも内側に配置されることを意味する。
【0024】
<切欠部>
図1及び図4に示すように、長板部21及び天板部22には、凹状の切欠部21hが形成されている。切欠部21hは、天板部22の遊技機正面側SD1の端22aよりも遊技機裏面側SD2に配置されており、更に、切欠部21hは、長板部21の遊技機正面側SD1の端21aよりも遊技機裏面側SD2に配置されている。図1図2(a)、図2(b)及び図4に示すように、切欠部21hは、建築物9を構成する建築柱90が配置される建築柱配置空間SP1を形成する。切欠部21hは、長手方向LDにおいて遊技機1a(1b)の間に配置されている。
【0025】
切欠部21hをこのように形成すれば、島の短手方向SD及び上下方向を通る面に投影した場合に遊技機1a(1b)と建築柱90とがオーバーラップするので、島の短手方向SDの幅を減少させることが可能となる。なお、切欠部21hと細い建築柱90により、島内に建築柱90が配置されない遊技機島設備と同等の島幅D1(450mm以上600mm以下)の実現が可能になる。
【0026】
本実施形態では、図5Aに示すように、切欠部21hは、長板部21における遊技機裏面側SD2の端21bに開いているが、これに限定されない。例えば、図5Bに示すように、切欠部21hは、長板部21の遊技機正面側SD1の端21aよりも遊技機裏面側SD2に配置されていれば、長板部21における島の長手方向LDの端21cに開いていてもよい。この場合は、図5Bに示すように、2つの長板部21の突き合わせ部位の双方に切欠部21hを設けてもよいし、一方のみに切欠部21hを設けてもよい。切欠部21hの位置について、図5Bに示す位置よりも図5Aに示す位置にした方が、建築柱90の位置の自由度を向上させることが可能となる。なお、図5Cに示す変形例のように、1つの切欠部21hが、長板部2における遊技機裏面側SD2の端21bと、長板部21における島の長手方向LDの端21cとの双方に開くように形成することも可能である。
【0027】
切欠部21hは、第1列又は第2列のいずれの列の遊技機を載置する長板部21に形成されていてもよいが、図2(b)に示すように、切欠部21hは、第1列の遊技機1aを載置する長板部21には形成されず、第2列の遊技機1bを載置する長板部21のみに形成されている。このようにすれば、長板部21を含む載置部20の部品の共通化が図れ、コスト減を図ることが可能となる。勿論、切欠部21hは、第2列の遊技機1bを載置する長板部21に形成されず、第1列の遊技機1aを載置する長板部21のみに形成されていてもよい。
【0028】
図4及び図5Aに示すように、長手方向LDに沿った切欠部21hの長さL1は、120mm以上且つ300mm以下であることが好ましい。この寸法であれば、従来の太い建築柱に比べて、遊技機の配置数が減少することを避けることができると共に、長板部21の剛性低下を抑制可能となる点において有利である。更に長手方向LDに沿った切欠部21hの長さL1は、120mm以上且つ240mm以下であることが好ましい。更に長さL1は、125mm以上且つ150mm以下であることが好ましい。
【0029】
<遊技媒体搬送路>
図6Aは、遊技媒体搬送路5と遊技機1a、1bとの接続状態を二点鎖線で示した図である。図7は、図2(a)におけるA2-A2部位断面図である。図8は、図2(a)におけるA3-A3部位断面図である。図6A図7及び図8に示すように、遊技機設備島2は、パチンコ玉又はメダル等の遊技媒体を搬送する遊技媒体搬送路5を有する。遊技媒体搬送路5は、図6Aにて二点鎖線で示すように、平面視で島の長手方向LDに延びている。本実施形態では、遊技媒体搬送路5は、平面視にて島の長手方向LDに沿って直線状に延びているが、遊技媒体搬送路5が平面視にて島の長手方向LDに延びていれば、直線状に限定されない。図6Aに示すように、第1列の遊技機1aと第2列の遊技機1bは、遊技媒体搬送路5を共用している。すなわち、第1列の遊技機1aに接続される遊技媒体搬送路と、第2列の遊技機1bに接続される遊技媒体搬送路とが別々に設けられていない。このように遊技媒体搬送路5が第1列の遊技機1aと第2列の遊技機1bに共用される構成であるので、遊技媒体搬送路5が冗長化せず、島の短手方向SDの寸法の低減及びコスト減を図ることが可能となる。
【0030】
本実施形態では、遊技媒体搬送路5は、図7及び図8に示すように、遊技媒体を遊技機1a、1bに供給する遊技媒体供給路5aと、遊技媒体を遊技機1a、1bから回収する遊技媒体回収路5bと、を有する。遊技媒体供給路5aは、遊技機1a、1bの上方に配置される。遊技媒体回収路5bは、遊技機1a、1bの下方に配置されている。図示していないが、遊技媒体供給路5aは第1列の遊技機1aと接続されると共に第2列の遊技機1bと接続されている。遊技媒体回収路5bは第1列の遊技機1aと接続されると共に第2列の遊技機1bと接続されている。図示の遊技機1a、1bは、遊技球を用いるパチンコ機であり、遊技媒体搬送路5を水平方向に対して傾斜させることにより、遊技球の自重で転動させ、搬送を実現する。メダルを用いるパチスロ機の場合には、遊技媒体搬送路5がコンベア装置となる。
【0031】
図7に示すように、建築柱90は、遊技媒体搬送路5よりも島の短手方向SDの外側に配置されている。なお、遊技媒体搬送路5の一部が切り欠かれることにより、遊技媒体搬送路5よりも島の短手方向SDの外側に建築柱90が配置されている構成も含む。この配置によれば、遊技媒体搬送路5を直線状にでき、搬送路として複数種類の形状を用意する場合に比べて部品の共通化が図れ、部品コストを低減可能となる。なお、図8に示すように、遊技媒体搬送路5(遊技媒体供給路5a)は、島の短手方向SDの中央部に配置されている。これに対し、図7に示すように、建築柱90との干渉を避けるために、遊技媒体搬送路5(遊技媒体供給路5a)の位置を島の短手方向SDの中央からオフセットしてもよい。
【0032】
<紙葉類搬送路>
図6Bは、紙葉類搬送路6と紙葉類処理装置60、61との接続状態を二点鎖線で示した図である。紙葉類処理装置60、61は、紙幣等の紙葉類を処理(受付、払出)する装置であり、遊技機1a、1bの側方に配置されている。図6Bにおいて二点鎖線で示すように、遊技機設備島2は、平面視にて島の長手方向LDに延び、紙幣等の紙葉類を搬送する紙葉類搬送路6を有する。本実施形態では、紙葉類搬送路6は、平面視にて島の長手方向LDに沿って直線状に延びているが、紙葉類搬送路6が平面視にて島の長手方向LDに延びていれば、直線状に限定されない。図6Bに示すように、第1列の遊技機1aの間に配置される第1列の紙葉類処理装置60と、第2列の遊技機1bの間に配置される第2列の紙葉類処理装置61は、紙葉類搬送路6を共用している。すなわち、第1列の紙葉類処理装置60に接続される紙葉類搬送路と、第2列の紙葉類処理装置61に接続される紙葉類搬送路とが別々に設けられていない。このように紙葉類搬送路6が第1列の紙葉類処理装置60と第2列の紙葉類処理装置61に共用される構成であるので、紙葉類搬送路6が冗長化せず、島の短手方向SDの寸法の低減及びコスト減を図ることが可能となる。
【0033】
図7及び図8に示すように、建築柱90は、紙葉類搬送路6よりも島の短手方向SDの外側に配置されている。この配置によれば、紙葉類搬送路6を直線状にでき、搬送路として複数種類の形状を用意する場合に比べて部品の共通化が図れ、部品コストを低減可能となる。
【0034】
図7に示すように、遊技機1bの遊技機裏面側には、基板と基板を覆うケースが設けられており、遊技機1bの最も裏側端1eは、ケースの背面のうちの最も裏側の端を意味する。同図に示すように、建築柱90は、遊技機1bの最も裏側端1eよりも遊技機正面側SD1に配置されている。このように建築柱90を配置すれば、島の短手方向SDにおける遊技機1aと遊技機1bの間の空間に建築柱90が干渉しないことになるので、当該空間を有効利用できる。例えば、図7では、紙葉類搬送路6を配置して、有効利用している。紙葉類搬送路6以外にも遊技媒体搬送路5を配置することも可能である。
【0035】
<載置部20の補強構造>
図4に示す例では、長板部21及び天板部22に切欠部21hを形成しているため、(1)第3補強部26c、26dが切断されるが、第3補強部26c、26dは左右の側板23のうち一方の側板23との連結が維持され、第3補強部26dは、天板部22と連結された第3補強部26cと裏板25を介して連結され、(2)第2補強部26a、26bは切り欠かれずに左右の側板23との連結状態が維持される。上記(1)及び(2)により、載置部20の著しい剛性低下を抑制可能となる。
しかし、長期にわたり天板部22が垂直方向の荷重を受け続けると、切欠部21hに向けて天板部22が撓む等、載置部20の剛性が低下するおそれが考えられる。そこで、図9に示すように、載置部20に、縦板である第1補強部27を設けることが好ましい。剛性補強の観点では図9に示すように第1補強部27を設けることが好ましいが、剛性低下が問題とならない材料を用いている場合には、図4に示すように第1補強部27を設けないことも可能である。図9の平面図において遊技機1a(1b)及び紙葉類処理装置60(61)のうち長板部21に載置される部位を交差斜線で示している。同図に示すように、縦板である第1補強部27は、切欠部21hの縁部に沿って島の短手方向SDに沿って延びており、長板部21及び天板部22を補強する。これにより、第1補強部27は、載置部20を島の短手方向SDに補強している。この構成によれば、天板部22に作用する垂直方向の荷重を側板23、島柱部3及び床面FLの順に逃がすことができる。また、左右の側板23の間から第1補強部27が見えないので、第1補強部27に対して装飾を施す必要がない。さらに、第2補強部26bと第3補強部26dが床面FLよりも上方に浮いているので、遊技者の足元空間を形成可能にしている。第1補強部27は、島の短手方向SDのみに延びていてもよいが、本実施形態では、第1補強部27は、島の短手方向SDだけではなく、鉛直方向にも延びており、4つの桟である第2補強部26a、26b、第3補強部26c、26dに接触している。これにより、第1補強部27は、長板部21及び天板部22に係る鉛直方向の荷重を受け、4つの桟である第2補強部26a、26b、第3補強部26c、26dを介して左右の側板23に荷重を逃がすことが可能となる。
【0036】
図9の平面図に示すように、載置部20は、島の長手方向LDに沿って延び且つ長板部21を補強する第2補強部26a、26bを有する。切欠部21hは、平面視で第2補強部26a、26bよりも遊技機裏面側SD2に形成されている。第2補強部26a、26b自体は切り欠かれていない。このように、切欠部21hと第2補強部26a、26bの位置関係を設定することにより、切欠部21hを形成しても、第2補強部26a、26bにより長板部21の著しい剛性低下を抑制可能となる。この構造及び効果は、図4に示す第1補強部27がない構造においても同じことがいえる。なお、第2補強部として2つの補強部26a、26bを設けているが、いずれか一方でもよい。
【0037】
図9の平面図に示すように、載置部20は、島の長手方向LDに沿って延び且つ長板部21を補強する第3補強部26c、26dを有する。第3補強部26c、26dは、切欠部21hに対応して一部が切り欠かれまたは切断された状態である。しかし、第1補強部27が補強するので、長板部21の剛性低下を抑制可能となる。
【0038】
図9の変形例を図9Aに示す。図9Aに示すように、正面化粧板24が長板部21の遊技機正面側SD1の端21aよりも遊技機裏面側SD2に位置する場合には、正面化粧板24が切り欠かれており、その代わりに、第1補強部27が正面化粧板24よりも遊技機正面側SD1へ延びている。そして、第1補強部27の遊技機正面側SD1の端部同士を化粧板224で閉塞している。この構成であっても、建築柱90は、載置部20の正面側の化粧板(正面化粧板24、化粧板224)よりも内側に配置されているので、建築柱90は遊技機設備島2の内部に配置されていることになる。
【0039】
補強部の組み合わせとしては、第1補強部27、第2補強部26a、26b、第3補強部26dが挙げられる。その他には、第1補強部27、第2補強部26b、第3補強部26c、26dが挙げられる。その他には、第1補強部27、第3補強部26c、26dが挙げられる。上記実施形態では、第2補強部26a、26bを上下に設けているが、これに限定されず、正面視でロの字状になる補強部を設けることが好ましい。ロの字状の補強部でも、天板部22に作用する垂直方向の荷重を側板23、島柱部3及び床面FLの順に逃がすことができるからである。ロの字状の補強部であれば、第2補強部26a、26bと正面化粧板24を連結した構造と略同じ強度とすることができる。また、ロの字状の補強部に対して正面化粧板24を着脱自在に取り付けてもよい。具体的構造の一例として、ロの字状の補強部を構成する上側の横桟の下面及び下側の横桟の上面にスリット溝を設け、双方のスリット溝に対して正面化粧板24を襖のように上げ落とし構造で着脱自在にすることが挙げられる。
【0040】
変形例として、図14に示すように、切欠部21hと建築柱90の隙間から載置部20内に遊技球などの遊技媒体が落下し滞留することを防止するために、上面隙間埋め固定部50と、側面隙間埋め固定部51とを設けることが好ましい。上面隙間埋め固定部50及び側面隙間埋め固定部51はボルトやビス、釘、ベルト拘束具などの固定手段で建築柱90に固定される。具体的に上面隙間埋め固定部50は、図14及び図15に示すように、切欠部21hと建築柱90の隙間の全てから遊技媒体が落下することを防止できる。図15では、建築柱90の4辺のうち、島の短手方向SDに沿った2辺及び島の長手方向LDに沿った1辺の隙間が埋められている。上面隙間埋め固定部50は、建築柱90の太さに合わせて予め用意されたものでもよいし、図14及び図15に示すように、建築柱90の島長手方向LDに沿った辺を埋める部材と、建築柱90の島短手方向SDに沿った辺を埋める部材とを別体とし、建築柱90の太さに応じて取り付けることができるようになっていてもよい。本実施形態において、上面隙間埋め固定部50及び側面隙間埋め固定部51は、木製の載置部20に対してネジ、ビス、釘などで固定され、建築柱90に対しては建築柱90を被覆する耐火被覆材に対してビスなどで固定されるが、これに限定されない。例えば耐火被覆材が、吹き付け、シート、巻き付け、塗料などで形成されている場合には、ビスを用いずに建築柱90の周囲をベルトなどの環状拘束具で固定することが好ましく、耐火被覆材がけい酸カルシウム板や石膏ボードなどの強度があるものは、環状拘束具だけでなくネジ、ビス及び釘などを利用可能である。なお、上面隙間埋め固定部50及び側面隙間埋め固定部51を設けずに、パテなどのコーキング剤(充填剤)で隙間を埋めることも可能である。
【0041】
隙間埋め固定部50、51を、ネジ、ビス、釘、針(タッカー)で固定する場合には、耐火被覆材の外側(外周側)に設けた部材に固定するようにしてもよい。当該部材の例としては、耐火被覆材を隠す装飾目的の化粧部材や隙間埋め固定部50、51を取り付けるための専用部材が挙げられる。当該部材が床または天井に固定されていれば、隙間埋め固定部50、51を介して当該部材と載置部20を接続することで、切欠部21hの補強にすることが可能となる。勿論、この構造は、建築柱90により、横桟躯体41a、41bの一部が切り欠かれたり、切断されたりする場合にも同様に適用可能となる。
【0042】
図14及び図15に示す例では、上面隙間埋め固定部50及び側面隙間埋め固定部51は、載置部20と建築柱90の双方に固定されているが、これに限定されず、載置部20と建築柱90の少なくともいずれか一方に固定されていればよい。また、隙間を埋める機能がなくても、載置部20と建築柱90とを固定するようにしてもよい。同様に、上部ユニット4(例えば横桟躯体41a、41b)と建築柱90とを固定してもよい。載置部20、上部ユニット4と建築柱90の固定態様は3パターンあり、(1)建築柱90に対して載置部20及び上部ユニット4の両方を固定する第1パターン、(2)建築柱90に対して載置部20は固定するが、上部ユニット4は固定しない第2パターン、(3)建築柱90に対して載置部20を固定せず、上部ユニット4を固定する第3パターン、が挙げられる。
【0043】
また、図15に示すように、載置部20の内側に遊技媒体搬送路5(遊技媒体回収路5b)を配置している場合で、載置部20及び建築柱90の一部が遊技媒体搬送路5を構成する場合、側面隙間埋め固定部51が遊技媒体搬送路5を流れる遊技媒体(遊技球)を誘導することになる。建築柱90にゴムなどの弾性部材を被覆しておけば、建築柱90を遊技球から保護可能となる。
【0044】
<建築物>
次に、上記遊技機設備島2が設けられている建築物9について説明する。
【0045】
図10は、建築物9を構成する立体トラス構造体92を模式的に示す平面図及び側面図である。図11は、建築物9の一部を示す側面図である。図12は、トラス構造体92と建築柱90、91と遊技機設備島2の関係を示す平面図である。
【0046】
図10図11及び図12に示すように、建築物9は、少なくとも1つの遊技機設備島2と、立体トラス構造体92と、立体トラス構造体92を支持する複数の建築柱90、91と、を有する。図11に示すように、立体トラス構造体92は、上部構造94を支持する。上部構造94は、屋根構造であるが、これに限定されず、二階等の床を構成する床構造であってもよい。
【0047】
立体トラス構造体92は、図10に示すように、下弦連結部924を介して連結され且つ水平方向に沿って配置される複数の下弦材921と、上弦連結部925を介して連結され且つ水平方向に沿って配置される複数の上弦材922と、下弦連結部924及び上弦連結部925に連結され且つ水平方向に対して傾斜する斜弦材923と、を有する。図10は、見やすくするために、下弦材921同士を連結する下弦連結部924を丸で示し、上弦材922同士を連結する上弦連結部925をひし形で示している。同図に示すように下弦材921及び上弦材922は、直線状であり、X軸及びY軸に沿って配置される。斜弦材923は、直線状であり、X軸、Y軸及びZ軸の全てに対して傾斜して配置されている。図10では、下弦材921が5×4のグリッド(矩形)を形成する立体トラス構造体92を例示しているが、発明を説明するための一例であり、これに限定されない。図12は、本実施形態の建築物9の下弦材921の配置を示す平面図である。同図に示すように、立体トラス構造体92は、下弦材921が15個×15個のグリッド(正方形)を形成する。一つのグリッドは、3000mm×3000mmの正方形である。これは例示であり、限定されない。グリッドは複数個×複数個となる。下弦材921の交点に建築柱90、91が配置される。図12に示すように、複数の建築柱90、91の少なくとも一部の建築柱90が、遊技機設備島2の切欠部21hに配置されている。
【0048】
図12に示すように、複数の建築柱90、91は、第1建築柱91と、第2建築柱90と、を有する。第1建築柱91は、平面視で立体トラス構造体92のグリッドの最外辺にある下弦連結部924を支える。第2建築柱90は、平面視で立体トラス構造体92のグリッドの最外辺よりも内側にある下弦連結部924を支える。第2建築柱90の少なくとも1つが遊技機設備島2の切欠部21hに配置される。
【0049】
図11に示すように、建築物9は、建築柱91と、建築柱91に支持される立体トラス構造体92(下弦材921、上弦材922、斜弦材923、下弦連結部924及び上弦連結部925)と、立体トラス構造体92に支持される上部構造94と、を有する。下弦連結部924aは、単一の柱材で構成された建築柱91に載置され支持されて固定され、下弦連結部924b,924cは、梁、建築柱91及び筋交い93で構成された柱部に載置され支持されて固定される。筋交い93は、平面視で立体トラス構造体92のグリッドの最外辺においてにおいて第1建築柱91同士を接続する。
【0050】
グリッドの最外辺にある第1建築柱91と筋交い93とが、立体トラス構造体92に作用する鉛直方向の荷重及び水平方向の荷重を負担するので、第2建築柱90は鉛直方向の荷重のみを負担すればよく、第2建築柱90を細くでき、遊技機設備島を小型化又はコスト低減が可能となっている
【0051】
図12に示すように、建築物には、建築柱90が含まれる遊技機設備島2(2a)と、建築柱90が含まれない遊技機設備島2(2b)とから成る遊技機設備島2群が配置されている。遊技機設備島2群において、建築柱90が含まれる遊技機設備島2(2a)は、建築柱90が含まれない遊技機設備島2(2b)よりも少ない。複数の建築柱90のうち少なくとも一部の建築柱90は、等間隔に並んでおり、建築柱90が含まれる遊技機設備島2(2a)の少なくとも一部の遊技機設備島2(2a)同士も等間隔に並んでおり、建築柱90が含まれない遊技機設備島2(2b)の島幅と、建築柱90が含まれる遊技機設備島2(2a)の島幅とが同じであることが好ましい。建築物には、複数の遊技機設備島群が配置されている。このような配置パターンであれば、設置可能な遊技機1a、1bの数を減らさずに通路幅を確保でき、店舗全体として店舗空間内に建築柱90がない建築物と同様のレイアウトを実現することが可能となる。
【0052】
以上のように、本実施形態の遊技機設備島2は、
建築物9内に設置され、島の長手方向LDに沿って配列される第1列の遊技機1a及び第2列の遊技機1bが背中合わせに配置される遊技機設備島2であって、
遊技機1a、1bが載置される載置部20を備え、
載置部20は、遊技機1a、1bを載置可能な前後幅W2を有し島の長手方向LDに延びる長板状の天板部22を含み、
天板部22には、天板部22の遊技機正面側SD1の端22aよりも遊技機裏面側SD2に凹状の切欠部21hが形成されており、
切欠部21hが、建築物9を構成する建築柱90が配置される建築柱配置空間SP1を形成し、
切欠部21hは、長手方向LDにおいて遊技機1a(1b)の間に配置されている。
【0053】
このように、建築柱90が配置される建築柱配置空間SP1を形成する切欠部21hが島の長手方向LDにおいて遊技機1a(1b)の間に配置されており、切欠部21hが遊技機1a(1b)を載置するための天板部22に形成されているので、島の短手方向SD及び上下方向を通る面に投影した場合に遊技機1a(1b)と当該遊技機1a(1b)を載置する天板部22に形成された切欠部21hに配置される建築柱90とをオーバーラップさせ、島の短手方向SDの寸法を減少させることが可能となる。
【0054】
図5Aに示す実施形態のように、切欠部21hは、天板部22における遊技機裏面側SD2の端22bに開いていることが好ましい。
【0055】
この構成によれば、切欠部21hが天板部22の長手方向LDの端に開く構造(図5B)に比べて、建築柱90の位置の自由度を向上させることが可能となる。
【0056】
図2(b)に示す実施形態のように、切欠部21hは、第1列又は第2列のいずれか一方の列の遊技機1bを載置する天板部22に形成され、第1列又は第2列のいずれか他方の列の遊技機1aを載置する天板部22に形成されていないことが好ましい。
【0057】
この構成によれば、長板部21を含む載置部20の部品の共通化が図れ、コスト減を図ることが可能となる。
【0058】
図4及び図5Aに示す実施形態のように、前記長手方向に沿った前記切欠部の長さは、125mm以上且つ300mm以下であることが好ましい。
【0059】
この寸法であれば、従来の太い建築柱に比べて、遊技機の配置数が減少することを避けることができると共に、長板部21の剛性低下を抑制可能となる点において有利である。
【0060】
図9に示す実施形態のように、載置部20は、切欠部21hの縁部に沿って島の短手方向SDに延び且つ天板部22を補強する第1補強部27を有することが好ましい。
【0061】
この構成によれば、切欠部21hにより弱くなった載置部20を第1補強部27により島の短手方向SDに補強することができる。
【0062】
図9に示す実施形態のように、載置部20は、島の長手方向LDに沿って延び且つ天板部22を補強する第2補強部26a、26bを備え、切欠部21hは、平面視で第2補強部26a、26bよりも遊技機裏面側SD2に形成されていることが好ましい。
【0063】
この構成によれば、切欠部21hを形成しても、第2補強部26a、26bにより天板部22の著しい剛性低下を抑制可能となる。
【0064】
図9に示す実施形態のように、載置部20は、島の長手方向LDに沿って延び且つ長板部21を補強する第3補強部26c、26dを備え、第3補強部26c、26dは、切欠部21hに対応して一部が切り欠かれまたは切断された状態であることが好ましい。
【0065】
この構成によれば、第3補強部26c、26dが切り欠き又は切断された状態であるが、第1補強部27が補強するので天板部22の剛性低下を抑制可能となる。
【0066】
図6A図7及び図8に示す実施形態のように、島の長手方向LDに延び、遊技媒体を遊技機1a、1bに供給する又は遊技機1a、1bから回収する遊技媒体搬送路5を備え、第1列の遊技機1a及び第2列の遊技機1bは、遊技媒体搬送路5を共用していることが好ましい。
【0067】
この構成によれば、遊技媒体搬送路5を共用する構成であるので、遊技媒体搬送路5が冗長化せず、コスト削減及び島寸法の増大を抑制可能となる。
【0068】
図6A図7及び図8に示す実施形態のように、建築柱90は、遊技媒体搬送路5よりも島の短手方向SDの外側に配置されている。
【0069】
この構成であれば、遊技媒体搬送路5を直線状にでき、搬送路として複数種類の形状を用意する場合に比べて部品の共通化を図ることができ、部品コスト削減を図ることが可能となる。
【0070】
図6B図7及び図8に示す実施形態のように、島の長手方向LDに延び、紙葉類を搬送する紙葉類搬送路6と、第1列の遊技機1aの間に配置される第1列の紙葉類処理装置60と、第2列の遊技機1bの間に配置される第2列の紙葉類処理装置61と、を備え、第1列の紙葉類処理装置60及び第2列の紙葉類処理装置61は、紙葉類搬送路6を共用していることが好ましい。
【0071】
このように、紙葉類搬送路6を共用する構成であるので、紙葉類搬送路6が冗長化せず、紙葉類搬送路6として複数種類の形状を用意する場合に比べて部品の共通化を図ることができ、部品コスト削減及び必要スペースの増大を抑制可能となる。
【0072】
図2(b)及び図7に示す実施形態のように、建築柱90は、紙葉類搬送路6よりも島の短手方向SDの外側に配置されていることが好ましい。
【0073】
この構成であれば、紙葉類搬送路6を直線状にでき、搬送路として複数種類の形状を用意する場合に比べて部品の共通化を図ることができ、部品コスト削減を図ることが可能となる。
【0074】
図7に示す実施形態のように、建築柱90は、遊技機1bの最も裏側端1eよりも遊技機正面側SD1に配置されていることが好ましい。
【0075】
この構成であれば、島の短手方向SDにおける遊技機1aと遊技機1bの間の空間に建築柱90が干渉しないことになるので、当該空間を有効利用できる。例えば、遊技媒体搬送路5、紙葉類搬送路6等を配置可能となる。
【0076】
図10図11及び図12に示す本実施形態の建築物9は、
上記の遊技機設備島2と、
下弦連結部924を介して連結され且つ水平方向に沿って配置される複数の下弦材921と、上弦連結部925を介して連結され且つ水平方向に沿って配置される複数の上弦材922と、下弦連結部924及び上弦連結部925に連結され且つ水平方向に対して傾斜する斜弦材923と、を有し、下弦材921により平面視で正方形のグリッドが複数個×複数個形成される立体トラス構造体92と、
立体トラス構造体92を支持するための複数の建築柱90、91と、を備え、
複数の建築柱90、91の少なくとも一部の建築柱90は、遊技機設備島2の切欠部21hに配置されていることが好ましい。
【0077】
このように、建築柱90、91で支える構造が立体トラス構造体92であるので、一般的な構造よりも立体トラス構造体92が軽いため、建築柱90、91を細くすることができ、遊技機設備島2を小型化又はコスト低減が可能となる。
【0078】
本実施形態では、前記複数の建築柱は、平面視で前記立体トラス構造体の前記グリッドの最外辺にある前記下弦連結部を支える複数の第1建築柱と、平面視で前記最外辺よりも内側にある前記下弦連結部を支える複数の第2建築柱と、を有し、前記グリッドの最外辺において前記第1建築柱同士を接続する筋交いが設けられており、前記第2建築柱の少なくとも1つは、前記遊技機設備島の前記切欠部に配置されていることが好ましい。
【0079】
この構成によれば、グリッドの最外辺にある第1建築柱と筋交いとが、立体トラス構造体に作用する鉛直方向の荷重及び水平方向の荷重を負担するので、第2建築柱は鉛直方向の荷重のみを負担すればよく、第2建築柱を細くでき、遊技機設備島を小型化又はコスト低減が可能となる。
【0080】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0081】
例えば、本実施形態において遊技機設備島2は、遊技媒体搬送路5を有するが、遊技媒体搬送路5を省略することが可能である。また、遊技機設備島2は、紙葉類搬送路6を有するが、紙葉類搬送路6を省略することが可能である。
【0082】
図9の例では、第1補強部27、第2補強部26a、26b及び第3補強部26c、26dが設けられているが、省略することも可能である。例えば、図4に示すように、第1補強部27を設けずに、第2補強部26a、26b又は第3補強部26c、26dの少なくともいずれかを設けることが挙げられる。さらに、第1補強部27のみを設けるのでもよく、第1補強部27と第2補強部26a、26bを設けるのでもよく、第1補強部27と第3補強部26c、26dを設けることが挙げられる。第1補強部27のみを設ける場合、第1補強部27の高さ(垂直方向)は、側板23の高さと同じである。垂直方向の荷重は第1補強部27を介して直接床面方向へ逃がすことができる。
【0083】
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0084】
1a、1b 遊技機
2 遊技機設備島
20 載置部
21h 切欠部
22 天板部
26a、26b 第2補強部
26c、26d 第3補強部
27 第1補強部
5 遊技媒体搬送路
6 紙葉類搬送路
60、61 紙葉類処理装置
9 建築物
90 建築柱(第2建築柱)
91 第1建築柱
92 立体トラス構造体
921 下弦材
922 上弦材
924 下弦連結部
925 上弦連結部
93 筋交い
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
図7A
図7B
図8
図9
図9A
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15