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特許7062305有機発光素子および有機発光素子の有機物層用組成物
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  • 特許-有機発光素子および有機発光素子の有機物層用組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】有機発光素子および有機発光素子の有機物層用組成物
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/50 20060101AFI20220425BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20220425BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20220425BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20220425BHJP
   C07D 491/048 20060101ALI20220425BHJP
   C07D 495/04 20060101ALI20220425BHJP
   C07D 409/14 20060101ALI20220425BHJP
   C07D 209/88 20060101ALI20220425BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20220425BHJP
【FI】
H05B33/22 B
H05B33/14 B
H05B33/10
C07D405/14
C07D487/04 137
C07D491/048
C07D495/04 103
C07D409/14
C07D209/88
C09K11/06 690
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019552108
(86)(22)【出願日】2018-03-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 KR2018003534
(87)【国際公開番号】W WO2018174679
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-03-10
(31)【優先権主張番号】10-2017-0037979
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0018786
(32)【優先日】2018-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0018782
(32)【優先日】2018-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513298491
【氏名又は名称】エルティー・マテリアルズ・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LT Materials Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】113-19, Dangha-Ro, Namsa-Myeon, Cheoin-Gu, Yongin-si, Gyeonggi-do 17118, korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ノ,ヨンソク
(72)【発明者】
【氏名】チャ,ジュヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドンジュン
【審査官】横川 美穂
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/015810(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/097983(WO,A1)
【文献】特開2016-149558(JP,A)
【文献】特開2016-149473(JP,A)
【文献】国際公開第2015/140073(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/169412(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/132683(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/194604(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0149139(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103137894(CN,A)
【文献】特表2017-524707(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50
H05B 33/10
C07D 405/14
C07D 487/04
C07D 491/048
C07D 495/04
C07D 409/14
C07D 209/88
C09K 11/06
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、第2電極と、前記第1電極および第2電極の間に備えられた1層以上の有機物層とを含む有機発光素子であって、
前記有機物層のうちの1層以上が、下記化学式1で表されるヘテロ環化合物、および下記化学式2で表されるヘテロ環化合物を同時に含むものである有機発光素子:
【化1】

【化2】

前記化学式1および2において、
N-Hetは、置換もしくは非置換であり、Nを1個以上含む単環もしくは多環のヘテロ環基であり、
Lは、直接結合;置換もしくは非置換のアリーレン基;または置換もしくは非置換のヘテロアリーレン基であり、aは、1~3の整数であり、aが2以上の場合、Lは、互いに同一または異なり、
およびRは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
前記化学式2のR およびR は、水素であり、
R1~R10は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ハロゲン;シアノ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアルキニル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;置換もしくは非置換のヘテロアリール基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;および置換もしくは非置換のアミン基からなる群より選択されるか、互いに隣接する2以上の基は、互いに結合して置換もしくは非置換の脂肪族または芳香族炭化水素環もしくはヘテロ環を形成し、bおよびcはそれぞれ、1~3の整数であり、bが2以上の場合、R9は、互いに同一または異なり、cが2以上の場合、R10は、互いに同一または異なり、rおよびsは、0~7の整数であり、rが2以上の場合、Rは、互いに同一または異なり、sが2以上の場合、Rは、互いに同一または異なる。
【請求項2】
前記化学式1は、下記化学式3~6のうちの1つで表されるものである、請求項1に記載の有機発光素子:
【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

前記化学式3~6において、置換基は、前記化学式1で定義した通りである。
【請求項3】
前記化学式1は、下記化学式7~9のうちの1つで表されるものである、請求項1に記載の有機発光素子:
【化7】

【化8】

【化9】

前記化学式7~9において、
R1~R10、L、a、bおよびcの定義は、前記化学式1における定義と同じであり、
X1は、CR11またはNであり、X2は、CR12またはNであり、X3は、CR13またはNであり、X4は、CR14またはNであり、X5は、CR15またはNであり、
R11~R15およびR17~R22は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ハロゲン;シアノ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアルキニル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;置換もしくは非置換のヘテロアリール基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;および置換もしくは非置換のアミン基からなる群より選択されるか、互いに隣接する2以上の基は、互いに結合して置換もしくは非置換の脂肪族または芳香族炭化水素環もしくはヘテロ環を形成する。
【請求項4】
【化10】

は、下記化学式10~13のうちの1つで表されるものである、請求項3に記載の有機発光素子:
【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

前記化学式10において、X1、X3およびX5のうちの1つ以上は、Nであり、残りは、前記化学式7で定義した通りであり、
前記化学式11において、X1、X2およびX5のうちの1つ以上は、Nであり、残りは、前記化学式7で定義した通りであり、
前記化学式12において、X1~X3のうちの1つ以上は、Nであり、残りは、前記化学式7で定義した通りであり、
前記化学式13において、X1、X2およびX5のうちの1つ以上は、Nであり、残りは、前記化学式7で定義した通りであり、
R12、R14およびR23~R26は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ハロゲン;シアノ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアルキニル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;置換もしくは非置換のヘテロアリール基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;および置換もしくは非置換のアミン基からなる群より選択されるか、互いに隣接する2以上の基は、互いに結合して置換もしくは非置換の脂肪族または芳香族炭化水素環もしくはヘテロ環を形成する。
【請求項5】
前記化学式10は、下記構造式から選択されるものである、請求項4に記載の有機発光素子:
【化15】

前記構造式において、R11~R15は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ハロゲン;シアノ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアルキニル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;置換もしくは非置換のヘテロアリール基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;および置換もしくは非置換のアミン基からなる群より選択されるか、互いに隣接する2以上の基は、互いに結合して置換もしくは非置換の脂肪族または芳香族炭化水素環もしくはヘテロ環を形成する。
【請求項6】
前記化学式2のRおよびRは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、置換もしくは非置換のC6~C40のアリール基である、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項7】
前記化学式1は、下記の化合物のうちのいずれか1つで表されるものである、請求項1に記載の有機発光素子:
【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】
【請求項8】
前記化学式2は、下記の化合物のうちのいずれか1つで表されるものである、請求項1に記載の有機発光素子:
【化28】

【化29】

【化30】

【化31】
【請求項9】
前記有機物層は、正孔阻止層、電子注入層、および電子輸送層のうちの少なくとも1層を含み、前記正孔阻止層、電子注入層、および電子輸送層のうちの少なくとも1層が、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物、および前記化学式2で表されるヘテロ環化合物を同時に含むものである、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項10】
前記有機物層は、発光層を含み、前記発光層は、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物、および前記化学式2で表されるヘテロ環化合物を同時に含むものである、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項11】
前記有機物層は、発光層を含み、前記発光層は、ホスト物質を含み、前記ホスト物質は、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物、および前記化学式2で表されるヘテロ環化合物を同時に含むものである、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項12】
前記有機発光素子は、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、電子ブロック層、および正孔ブロック層からなる群より選択される1層または2層以上をさらに含むものである、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項13】
下記化学式1で表されるヘテロ環化合物、および下記化学式2で表される化合物を同時に含むものである有機発光素子の有機物層用組成物:
【化32】

【化33】

前記化学式1および2において、
N-Hetは、置換もしくは非置換であり、Nを1個以上含む単環もしくは多環のヘテロ環基であり、
Lは、直接結合;置換もしくは非置換のアリーレン基;または置換もしくは非置換のヘテロアリーレン基であり、aは、1~3の整数であり、aが2以上の場合、Lは、互いに同一または異なり、
およびRは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
前記化学式2のR およびR は、水素であり、
R1~R10は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ハロゲン;シアノ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアルキニル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;置換もしくは非置換のヘテロアリール基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;および置換もしくは非置換のアミン基からなる群より選択されるか、互いに隣接する2以上の基は、互いに結合して置換もしくは非置換の脂肪族または芳香族炭化水素環もしくはヘテロ環を形成し、bおよびcはそれぞれ、1~3の整数であり、bが2以上の場合、R9は、互いに同一または異なり、cが2以上の場合、R10は、互いに同一または異なり、rおよびsは、0~7の整数であり、rが2以上の場合、Rは、互いに同一または異なり、sが2以上の場合、Rは、互いに同一または異なる。
【請求項14】
前記組成物内の前記化学式1で表されるヘテロ環化合物:前記化学式2で表される化合物の重量比は、1:10~10:1である、請求項1に記載の有機発光素子の有機物層用組成物。
【請求項15】
基板を用意するステップと、
前記基板上に第1電極を形成するステップと、
前記第1電極上に1層以上の有機物層を形成するステップと、
前記有機物層上に第2電極を形成するステップとを含み、
前記有機物層を形成するステップは、請求項1に記載の有機物層用組成物を用いて1層以上の有機物層を形成するステップを含むものである有機発光素子の製造方法。
【請求項16】
前記有機物層を形成するステップは、前記化学式1のヘテロ環化合物および前記化学式2のヘテロ環化合物を予備混合(pre-mixed)して、熱真空蒸着方法を利用して形成するものである、請求項1に記載の有機発光素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年3月24日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2017-0037979号、2018年2月14日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2018-0018786号、および2018年2月14日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2018-0018782号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に組み込まれる。
本明細書は、有機発光素子および有機発光素子の有機物層用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
電界発光素子は、自発光型表示素子の一種であって、視野角が広く、コントラストに優れているだけでなく、応答速度が速いという利点がある。
有機発光素子は、2つの電極の間に有機薄膜を配置させた構造を有している。このような構造の有機発光素子に電圧が印加されると、2つの電極から注入された電子と正孔が有機薄膜で結合して対をなした後、消滅しながら光を発する。前記有機薄膜は、必要に応じて単層または多層から構成される。
有機薄膜の材料は、必要に応じて発光機能を有することができる。例えば、有機薄膜材料としては、それ自体が単独で発光層を構成可能な化合物が使用されてもよく、またはホスト-ドーパント系発光層のホストまたはドーパントの役割を果たす化合物が使用されてもよい。その他にも、有機薄膜の材料として、正孔注入、正孔輸送、電子ブロック、正孔ブロック、電子輸送、電子注入などの役割を果たす化合物が使用されてもよい。
有機発光素子の性能、寿命または効率を向上させるために、有機薄膜の材料の開発が求められ続けている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
有機発光素子において使用可能な物質に要求される条件、例えば、適切なエネルギー準位、電気化学的安定性および熱的安定性などを満足させることができ、置換基によって有機発光素子で要求される多様な役割を果たす化学構造を有する化合物を含む有機発光素子に関する研究が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願の一実施態様は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極および第2電極の間に備えられた1層以上の有機物層とを含む有機発光素子であって、
前記有機物層のうちの1層以上が、下記化学式1で表されるヘテロ環化合物、および下記化学式2で表されるヘテロ環化合物を同時に含むものである有機発光素子を提供する。
【化1】

【化2】

前記化学式1および2において、
N-Hetは、置換もしくは非置換であり、Nを1個以上含む単環もしくは多環のヘテロ環基であり、
Lは、直接結合;置換もしくは非置換のアリーレン基;または置換もしくは非置換のヘテロアリーレン基であり、aは、1~3の整数であり、aが2以上の場合、Lは、互いに同一または異なり、
およびRは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
R1~R10、RおよびRは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ハロゲン;シアノ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアルキニル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;置換もしくは非置換のヘテロアリール基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;および置換もしくは非置換のアミン基からなる群より選択されるか、互いに隣接する2以上の基は、互いに結合して置換もしくは非置換の脂肪族または芳香族炭化水素環もしくはヘテロ環を形成し、bおよびcはそれぞれ、1~3の整数であり、bが2以上の場合、R9は、互いに同一または異なり、cが2以上の場合、R10は、互いに同一または異なり、rおよびsは、0~7の整数であり、rが2以上の場合、Rは、互いに同一または異なり、sが2以上の場合、Rは、互いに同一または異なる。
【0005】
また、本出願の他の実施態様は、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物、および前記化学式2で表される化合物を同時に含むものである有機発光素子の有機物層用組成物を提供する。
【0006】
最後に、本出願の一実施態様は、基板を用意するステップと、前記基板上に第1電極を形成するステップと、前記第1電極上に1層以上の有機物層を形成するステップと、前記有機物層上に第2電極を形成するステップとを含み、前記有機物層を形成するステップは、本出願の一実施態様に係る有機物層用組成物を用いて1層以上の有機物層を形成するステップを含むものである有機発光素子の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本出願の一実施態様に係るヘテロ環化合物は、有機発光素子の有機物層材料として使用することができる。前記ヘテロ環化合物は、有機発光素子において正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、電荷生成層などの材料として使用可能である。特に、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物、および前記化学式2で表される化合物は、同時に有機発光素子の発光層の材料として使用可能である。また、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物と前記化学式2で表されるヘテロ環化合物を同時に有機発光素子に使用する場合、素子の駆動電圧を低下させ、光効率を向上させ、化合物の熱的安定性によって素子の寿命特性を向上させることができる。
特に、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物は、ジベンゾフラン構造の1番炭素位置にN含有環が置換され、前記ジベンゾフランの構造中、N含有環が置換されていないベンゼンにカルバゾール構造が置換されることでさらにより電子安定性の構造を有し、これによって素子寿命を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本出願の一実施態様に係る有機発光素子の積層構造を概略的に示す図である。
図2】本出願の一実施態様に係る有機発光素子の積層構造を概略的に示す図である。
図3】本出願の一実施態様に係る有機発光素子の積層構造を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本出願について詳細に説明する。
前記「置換」という用語は、化合物の炭素原子に結合した水素原子が他の置換基に変わることを意味し、置換される位置は、水素原子の置換される位置、すなわち置換基が置換可能な位置であれば限定せず、2以上置換される場合、2以上の置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0010】
本明細書において、前記ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素であってもよい。
【0011】
本明細書において、前記アルキル基は、炭素数1~60の直鎖もしくは分枝鎖を含み、他の置換基によって追加的に置換されていてもよい。前記アルキル基の炭素数は1~60、具体的には1~40、さらに具体的には1~20であってもよい。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n-プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、1-メチル-ブチル基、1-エチル-ブチル基、ペンチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、ヘキシル基、n-ヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、4-メチル-2-ペンチル基、3,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、ヘプチル基、n-ヘプチル基、1-メチルヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、オクチル基、n-オクチル基、tert-オクチル基、1-メチルヘプチル基、2-エチルヘキシル基、2-プロピルペンチル基、n-ノニル基、2,2-ジメチルヘプチル基、1-エチル-プロピル基、1,1-ジメチル-プロピル基、イソヘキシル基、2-メチルペンチル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0012】
本明細書において、前記アルケニル基は、炭素数2~60の直鎖もしくは分枝鎖を含み、他の置換基によって追加的に置換されていてもよい。前記アルケニル基の炭素数は2~60、具体的には2~40、さらに具体的には2~20であってもよい。具体例としては、ビニル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、3-メチル-1-ブテニル基、1,3-ブタジエニル基、アリル基、1-フェニルビニル-1-イル基、2-フェニルビニル-1-イル基、2,2-ジフェニルビニル-1-イル基、2-フェニル-2-(ナフチル-1-イル)ビニル-1-イル基、2,2-ビス(ジフェニル-1-イル)ビニル-1-イル基、スチルベニル基、スチレニル基などがあるが、これらに限定されない。
【0013】
本明細書において、前記アルキニル基は、炭素数2~60の直鎖もしくは分枝鎖を含み、他の置換基によって追加的に置換されていてもよい。前記アルキニル基の炭素数は2~60、具体的には2~40、さらに具体的には2~20であってもよい。
【0014】
本明細書において、アルコキシ基は、直鎖、分枝鎖もしくは環鎖であってもよい。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1~20のものが好ましい。具体的には、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、i-プロピルオキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、3,3-ジメチルブチルオキシ、2-エチルブチルオキシ、n-オクチルオキシ、n-ノニルオキシ、n-デシルオキシ、ベンジルオキシ、p-メチルベンジルオキシなどになってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0015】
本明細書において、前記シクロアルキル基は、炭素数3~60の単環もしくは多環を含み、他の置換基によって追加的に置換されていてもよい。ここで、多環とは、シクロアルキル基が他の環基と直接連結または縮合された基を意味する。ここで、他の環基とは、シクロアルキル基であってもよいが、他の種類の環基、例えば、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などであってもよい。前記シクロアルキル基の炭素数は3~60、具体的には3~40、さらに具体的には5~20であってもよい。具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、3-メチルシクロペンチル基、2,3-ジメチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、3-メチルシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、2,3-ジメチルシクロヘキシル基、3,4,5-トリメチルシクロヘキシル基、4-tert-ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などがあるが、これらに限定されない。
【0016】
本明細書において、前記ヘテロシクロアルキル基は、ヘテロ原子としてO、S、Se、N、またはSiを含み、炭素数2~60の単環もしくは多環を含み、他の置換基によって追加的に置換されていてもよい。ここで、多環とは、ヘテロシクロアルキル基が他の環基と直接連結または縮合された基を意味する。ここで、他の環基とは、ヘテロシクロアルキル基であってもよいが、他の種類の環基、例えば、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基などであってもよい。前記ヘテロシクロアルキル基の炭素数は2~60、具体的には2~40、さらに具体的には3~20であってもよい。
【0017】
本明細書において、前記アリール基は、炭素数6~60の単環もしくは多環を含み、他の置換基によって追加的に置換されていてもよい。ここで、多環とは、アリール基が他の環基と直接連結または縮合された基を意味する。ここで、他の環基とは、アリール基であってもよいが、他の種類の環基、例えば、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基などであってもよい。前記アリール基は、スピロ基を含む。前記アリール基の炭素数は6~60、具体的には6~40、さらに具体的には6~25であってもよい。前記アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、トリフェニル基、ナフチル基、アントリル基、クリセニル基、フェナントレニル基、ペリレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、フェナレニル基、ピレニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、フルオレニル基、インデニル基、アセナフチレニル基、ベンゾフルオレニル基、スピロビフルオレニル基、2,3-ジヒドロ-1H-インデニル基、これらの縮合環基などが挙げられるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0018】
本明細書において、前記フルオレニル基は置換されていてもよいし、隣接した置換基が互いに結合して環を形成してもよい。
前記フルオレニル基が置換される場合、
【化3】

などになってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0019】
本明細書において、前記ヘテロアリール基は、ヘテロ原子としてS、O、Se、N、またはSiを含み、炭素数2~60の単環もしくは多環を含み、他の置換基によって追加的に置換されていてもよい。ここで、前記多環とは、ヘテロアリール基が他の環基と直接連結または縮合された基を意味する。ここで、他の環基とは、ヘテロアリール基であってもよいが、他の種類の環基、例えば、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基などであってもよい。前記ヘテロアリール基の炭素数は2~60、具体的には2~40、さらに具体的には3~25であってもよい。前記ヘテロアリール基の具体例としては、ピリジル基、ピロリル基、ピリミジル基、ピリダジニル基、フラニル基、チオフェン基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、フラザニル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ジチアゾリル基、テトラゾリル基、ピラニル基、チオピラニル基、ジアジニル基、オキサジニル基、チアジニル基、ジオキシニル基、トリアジニル基、テトラジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、イソキナゾリニル基、キノゾリリル基、ナフチリジル基、アクリジニル基、フェナントリジニル基、イミダゾピリジニル基、ジアザナフタレニル基、トリアザインデン基、インドリル基、インドリジニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、ジベンゾチオフェン基、ジベンゾフラン基、カルバゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、フェナジニル基、ジベンゾシロール基、スピロビ(ジベンゾシロール)、ジヒドロフェナジニル基、フェノキサジニル基、フェナントリジル基、イミダゾピリジニル基、チエニル基、インドロ[2,3-a]カルバゾリル基、インドロ[2,3-b]カルバゾリル基、インドリニル基、10,11-ジヒドロ-ジベンゾ[b,f]アゼピン基、9,10-ジヒドロアクリジニル基、フェナントラジニル基、フェノチアチアジニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、フェナントロリニル基、ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾリル基、5,10-ジヒドロジベンゾ[b,e][1,4]アザシリニル、ピラゾロ[1,5-c]キナゾリニル基、ピリド[1,2-b]インダゾリル基、ピリド[1,2-a]イミダゾ[1,2-e]インドリニル基、5,11-ジヒドロインデノ[1,2-b]カルバゾリル基などが挙げられるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0020】
本明細書において、前記アミン基は、モノアルキルアミン基;モノアリールアミン基;モノヘテロアリールアミン基;-NH;ジアルキルアミン基;ジアリールアミン基;ジヘテロアリールアミン基;アルキルアリールアミン基;アルキルヘテロアリールアミン基;およびアリールヘテロアリールアミン基からなる群より選択されてもよいし、炭素数は特に限定されないが、1~30のものが好ましい。前記アミン基の具体例としては、メチルアミン基、ジメチルアミン基、エチルアミン基、ジエチルアミン基、フェニルアミン基、ナフチルアミン基、ビフェニルアミン基、ジビフェニルアミン基、アントラセニルアミン基、9-メチル-アントラセニルアミン基、ジフェニルアミン基、フェニルナフチルアミン基、ジトリルアミン基、フェニルトリルアミン基、トリフェニルアミン基、ビフェニルナフチルアミン基、フェニルビフェニルアミン基、ビフェニルフルオレニルアミン基、フェニルトリフェニレニルアミン基、ビフェニルトリフェニレニルアミン基などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0021】
本明細書において、アリーレン基は、アリール基に結合位置が2つあるもの、すなわち2価の基を意味する。これらはそれぞれ、2価の基であることを除けば、前述したアリール基の説明が適用可能である。また、ヘテロアリーレン基は、ヘテロアリール基に結合位置が2つあるもの、すなわち2価の基を意味する。これらはそれぞれ、2価の基であることを除けば、前述したヘテロアリール基の説明が適用可能である。
【0022】
本明細書において、ホスフィンオキシド基は、具体的には、アリール基で置換されていてもよいし、前記アリール基は、前述した例示が適用可能である。例えば、ホスフィンオキシド基は、ジフェニルホスフィンオキシド基、ジナフチルホスフィンオキシドなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
本明細書において、シリル基は、Siを含み、前記Si原子がラジカルとして直接連結される置換基であり、-SiR104105106で表され、R104~R106は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ハロゲン基;アルキル基;アルケニル基;アルコキシ基;シクロアルキル基;アリール基;およびヘテロ環基のうちの少なくとも1つからなる置換基であってもよい。シリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルシリル基、フェニルシリル基などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
本明細書において、「隣接した」基は、当該置換基が置換された原子と直接連結された原子に置換された置換基、当該置換基と立体構造的に最も近く位置した置換基、または当該置換基が置換された原子に置換された他の置換基を意味することができる。例えば、ベンゼン環におけるオルト(ortho)位に置換された2個の置換基、および脂肪族環における同一炭素に置換された2個の置換基は、互いに「隣接した」基と解釈される。
【0025】
隣接した基が形成可能な脂肪族または芳香族炭化水素環もしくはヘテロ環は、1価の基でないことを除けば、前述したシクロアルキル基、シクロヘテロアルキル基、アリール基、およびヘテロアリール基に例示された構造が適用可能である。
【0026】
本出願の一実施態様は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極および第2電極の間に備えられた1層以上の有機物層とを含む有機発光素子であって、前記有機物層のうちの1層以上が、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物、および前記化学式2で表されるヘテロ環化合物を同時に含むものである有機発光素子を提供する。
【0027】
本出願の一実施態様において、前記化学式1は、下記化学式3~6のうちの1つで表されてもよい。
【化4】

【化5】

【化6】

【化7】
【0028】
前記化学式3~6において、置換基は、前記化学式1で定義した通りである。
【0029】
本出願の一実施態様において、N-Hetは、置換もしくは非置換であり、Nを1個以上含む単環もしくは多環のヘテロ環である。
【0030】
他の実施態様において、N-Hetは、アリール基およびヘテロアリール基からなる群より選択される1以上の置換基で置換もしくは非置換であり、Nを1個以上含む単環もしくは多環のヘテロ環である。
【0031】
さらに他の実施態様において、N-Hetは、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ジメチルフルオレン基、ジベンゾフラン基、およびジベンゾチオフェン基からなる群より選択される1以上の置換基で置換もしくは非置換であり、Nを1個以上含む単環もしくは多環のヘテロ環である。
【0032】
さらに他の実施態様において、N-Hetは、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ジメチルフルオレン基、ジベンゾフラン基、およびジベンゾチオフェン基からなる群より選択される1以上の置換基で置換もしくは非置換であり、Nを1個以上3個以下で含む単環もしくは多環のヘテロ環である。
【0033】
本出願の一実施態様において、N-Hetは、置換もしくは非置換であり、Nを1個以上含む単環ヘテロ環である。
【0034】
本出願の一実施態様において、N-Hetは、置換もしくは非置換であり、Nを1個以上含む2環以上のヘテロ環である。
【0035】
本出願の一実施態様において、N-Hetは、置換もしくは非置換であり、Nを2個以上含む単環もしくは多環のヘテロ環である。
【0036】
本出願の一実施態様において、N-Hetは、Nを2個以上含む2環以上の多環ヘテロ環である。
【0037】
本出願の一実施態様において、前記化学式1は、下記化学式7~9のうちの1つで表される。
【化8】

【化9】

【化10】
【0038】
前記化学式7~9において、
R1~R10、L、a、bおよびcの定義は、前記化学式1における定義と同じであり、
X1は、CR11またはNであり、X2は、CR12またはNであり、X3は、CR13またはNであり、X4は、CR14またはNであり、X5は、CR15またはNであり、
R11~R15およびR17~R22は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ハロゲン;シアノ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアルキニル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;置換もしくは非置換のヘテロアリール基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;および置換もしくは非置換のアミン基からなる群より選択されるか、互いに隣接する2以上の基は、互いに結合して置換もしくは非置換の脂肪族または芳香族炭化水素環もしくはヘテロ環を形成する。
【0039】
本出願の一実施態様において、
【化11】

は、下記化学式10~13のうちの1つで表されてもよい。
【0040】
ここで、
【化12】

は、Lに連結される部位である。
【化13】

【化14】

【化15】

【化16】
【0041】
化学式10において、X1、X3およびX5のうちの1つ以上は、Nであり、残りは、化学式7で定義した通りであり、
【0042】
化学式11において、X1、X2およびX5のうちの1つ以上は、Nであり、残りは、化学式7で定義した通りであり、
【0043】
化学式12において、X1~X3のうちの1つ以上は、Nであり、残りは、化学式7で定義した通りであり、
【0044】
化学式13において、X1、X2およびX5のうちの1つ以上は、Nであり、残りは、化学式7で定義した通りであり、
【0045】
R12、R14およびR23~R26は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;ハロゲン;シアノ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアルキニル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;置換もしくは非置換のヘテロアリール基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;および置換もしくは非置換のアミン基からなる群より選択されるか、互いに隣接する2以上の基は、互いに結合して置換もしくは非置換の脂肪族または芳香族炭化水素環もしくはヘテロ環を形成する。
【0046】
本出願の一実施態様において、前記化学式10は、下記構造式から選択されてもよい。
【化17】
【0047】
本出願の一実施態様において、前記化学式11は、下記化学式14で表されてもよい。
【化18】
【0048】
前記化学式14の置換基は、化学式11で定義した通りである。
【0049】
本出願の一実施態様において、前記化学式12は、下記化学式15で表されてもよい。
【化19】
【0050】
前記化学式15の置換基は、化学式12で定義した通りである。
【0051】
本出願の一実施態様において、前記化学式11は、下記化学式16で表されてもよい。
【化20】
【0052】
化学式16において、R27は、互いに同一または異なり、水素;重水素;ハロゲン;シアノ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアルキニル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;置換もしくは非置換のヘテロアリール基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;および置換もしくは非置換のアミン基からなる群より選択されるか、互いに隣接する2以上の基は、互いに結合して置換もしくは非置換の脂肪族または芳香族炭化水素環もしくはヘテロ環を形成し、eは、0~7の整数であり、eが2以上の場合、R27は、互いに同一または異なる。
【0053】
本出願の一実施態様において、前記化学式13は、下記化学式17で表されてもよい。
【化21】
【0054】
前記化学式17の置換基は、化学式13で定義した通りである。
【0055】
他の実施態様において、Lは、直接結合またはアリーレン基である。
さらに他の実施態様において、Lは、直接結合またはフェニレン基である。
さらに他の実施態様において、R9およびR10は、水素;または重水素である。
さらに他の実施態様において、R9およびR10は、水素である。
さらに他の実施態様において、R1~R8は、水素;重水素;アルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基で置換もしくは非置換のアリール基;またはアリール基またはヘテロアリール基で置換もしくは非置換のヘテロアリール基である。
さらに他の実施態様において、R1~R8は、水素;重水素;アリール基;ヘテロアリール基;またはアリール基で置換されたヘテロアリール基である。
さらに他の実施態様において、R1~R8は、水素;重水素;フェニル基;ジベンゾフラン基;ジベンゾチオフェン基;カルバゾール基;またはフェニルで置換されたカルバゾール基である。
さらに他の実施態様において、R1~R8は、水素;重水素;フェニル基;ジベンゾフラン基;またはフェニルで置換されたカルバゾール基である。
さらに他の実施態様において、R1~R8のうちの隣接する2個の置換基は、互いに結合して置換もしくは非置換の環を形成する。
さらに他の実施態様において、R1~R8のうちの隣接する2個の置換基は、互いに結合してアリール基またはアルキル基で置換もしくは非置換の環を形成する。
さらに他の実施態様において、R1~R8のうちの隣接する2個の置換基は、互いに結合してアリール基またはアルキル基で置換もしくは非置換の芳香族炭化水素環もしくはヘテロ環を形成する。
さらに他の実施態様において、R1~R8のうちの隣接する2個の置換基は、互いに結合してフェニル基またはメチル基で置換もしくは非置換の芳香族炭化水素環もしくはヘテロ環を形成する。
さらに他の実施態様において、R1~R8のうちの隣接する2個の置換基は、互いに結合してベンゼン環;フェニル基で置換もしくは非置換のインドール環;ベンゾチオフェン環;ベンゾフラン環;またはメチル基で置換もしくは非置換のインデン環を形成してもよい。
【0056】
さらに他の実施態様において、
【化22】

は、下記化学式18で表されてもよい。ここで、
【化23】

は、ジベンゾフラン構造に連結される部位である。
【化24】
【0057】
前記化学式18において、
R1~R4は、化学式1で定義した通りであり、
Yは、O、S、NR、またはCR’R”であり、
R、R’、R”、R31およびR32は、互いに同一または異なり、水素;重水素;ハロゲン;シアノ基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のアルキニル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;置換もしくは非置換のヘテロアリール基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;および置換もしくは非置換のアミン基からなる群より選択されるか、互いに隣接する2以上の基は、互いに結合して置換もしくは非置換の脂肪族または芳香族炭化水素環もしくはヘテロ環を形成し、fは、0~4の整数であり、fが2以上の場合、R31は、互いに同一または異なり、gは、0~2の整数であり、gが2以上の場合、R32は、互いに同一または異なる。
【0058】
さらに他の実施態様において、前記化学式18は、下記構造式の中から選択されてもよい。
【化25】
【0059】
さらに他の実施態様において、R18~R21は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;アリール基;またはヘテロアリール基である。
さらに他の実施態様において、R18~R21は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;または重水素である。
さらに他の実施態様において、R18~R21は、水素である。
さらに他の実施態様において、R17およびR22は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;アリール基;またはヘテロアリール基である。
さらに他の実施態様において、R17およびR22は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、アリール基;またはヘテロアリール基である。
さらに他の実施態様において、R17およびR22は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、アリール基である。
さらに他の実施態様において、R17およびR22は、フェニル基である。
さらに他の実施態様において、R11~R15は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;アルキル基で置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基である。
さらに他の実施態様において、R11~R15は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;アルキル基で置換もしくは非置換のアリール基;またはヘテロアリール基である。
さらに他の実施態様において、R11~R15は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;メチル基で置換もしくは非置換のアリール基;またはヘテロアリール基である。
さらに他の実施態様において、R11~R15は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;フェニル基;ビフェニリル基;ナフチル基;ジメチルフルオレニル基;ジベンゾフラン基;またはジベンゾチオフェン基である。
さらに他の実施態様において、R12およびR14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、アルキル基で置換もしくは非置換のアリール基;またはヘテロアリール基である。
さらに他の実施態様において、R12およびR14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、ジメチルフルオレニル基;ジベンゾフラン基;またはジベンゾチオフェン基である。
さらに他の実施態様において、R23~R26は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;アリール基;またはヘテロアリール基である。
さらに他の実施態様において、R23~R26は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;重水素;またはアリール基である。
さらに他の実施態様において、R23~R26は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;またはアリール基である。
さらに他の実施態様において、R23~R26は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;フェニル基;またはビフェニリル基である。
【0060】
他の実施態様において、R27は、水素;重水素;アリール基;またはヘテロアリール基である。
さらに他の実施態様において、R27は、水素;重水素;またはアリール基である。
さらに他の実施態様において、R27は、水素;またはアリール基である。
さらに他の実施態様において、R27は、水素;またはフェニル基である。
さらに他の実施態様において、Yは、OまたはSである。
さらに他の実施態様において、Yは、NRであり、Rは、アリール基である。
さらに他の実施態様において、Yは、NRであり、Rは、フェニル基である。
さらに他の実施態様において、Yは、CR’R”であり、R’およびR”は、アルキル基である。
さらに他の実施態様において、Yは、CR’R”であり、R’およびR”は、メチル基である。
さらに他の実施態様において、R31は、水素;重水素;アリール基;またはヘテロアリール基である。
さらに他の実施態様において、R31は、水素;重水素;またはアリール基である。
さらに他の実施態様において、R31は、水素;またはフェニル基である。
さらに他の実施態様において、R32は、水素;または重水素である。
さらに他の実施態様において、R32は、水素である。
【0061】
本出願の一実施態様において、前記化学式2のRおよびRは、水素であってもよい。
本出願の一実施態様において、前記化学式2のRおよびRは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、置換もしくは非置換のアリール基であってもよい。
他の実施態様において、前記化学式2のRおよびRは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、置換もしくは非置換のC6~C60のアリール基であってもよい。
さらに他の実施態様において、前記化学式2のRおよびRは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、置換もしくは非置換のC6~C40のアリール基であってもよい。
さらに他の実施態様において、前記化学式2のRおよびRは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、C1~C40のアルキル基、C6~C40のアリール基、-CN、および-SiR101102103からなる群より選択される1以上の置換基で置換もしくは非置換のC6~C40のアリール基であってもよい。
さらに他の実施態様において、前記化学式2のRおよびRは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、フェニル基、-CN、または-SiR101102103で置換もしくは非置換のフェニル基;フェニル基で置換もしくは非置換のビフェニル基;ナフチル基;メチル基またはフェニル基で置換もしくは非置換のフルオレン基;スピロビフルオレン基;またはトリフェニレン基であってもよい。
本出願の一実施態様において、前記化学式2のR101、R102、およびR103は、フェニル基であってもよい。
【0062】
前記化学式1の化合物および前記化学式2の化合物を同時に有機発光素子の有機物層に含む場合、より優れた効率および寿命効果を示す。この結果は、2つの化合物を同時に含む場合、エキシプレックス(exciplex)現象が起こることを予想することができる。
前記エキシプレックス(exciplex)現象は、2つの分子間の電子交換によりdonor(p-host)のHOMO level、acceptor(n-host)LUMO level大きさのエネルギーを放出する現象である。2つの分子間のエキシプレックス(exciplex)現象が起こると、Reverse Intersystem Crossing(RISC)が起こり、これによって蛍光の内部量子効率が100%まで上昇できる。正孔輸送能力が良いdonor(p-host)と電子輸送能力が良いacceptor(n-host)が発光層のホストとして用いられる場合、正孔はp-hostに注入され、電子はn-hostに注入されるため、駆動電圧を低下させることができ、それによって寿命向上に役立つことができる。
【0063】
本出願の一実施態様によれば、前記化学式1は、下記の化合物のうちのいずれか1つで表されてもよいが、これにのみ限定されるものではない。
【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】
【0064】
本出願の一実施態様において、前記化学式2は、下記の化合物のうちのいずれか1つで表されてもよいが、これにのみ限定されるものではない。
【化38】

【化39】

【化40】

【化41】
【0065】
また、前記化学式1および2の構造に多様な置換基を導入することにより、導入された置換基固有の特性を有する化合物を合成することができる。例えば、有機発光素子の製造時に使用される正孔注入層物質、正孔輸送用物質、発光層物質、電子輸送層物質、および電荷生成層物質に主に使用される置換基を前記コア構造に導入することにより、各有機物層で要求する条件を満たす物質を合成することができる。
【0066】
また、前記化学式1および2の構造に多様な置換基を導入することにより、エネルギーバンドギャップを微細に調節可能にし、一方で、有機物間における界面での特性を向上させ、物質の用途を多様化することができる。
【0067】
一方、前記ヘテロ環化合物は、ガラス転移温度(Tg)が高くて熱的安定性に優れる。このような熱的安定性の増加は、素子に駆動安定性を提供する重要な要因となる。
【0068】
本出願の一実施態様に係るヘテロ環化合物は、多段階の化学反応で製造することができる。一部の中間体化合物が先に製造され、その中間体化合物から化学式1または2の化合物が製造される。より具体的には、本出願の一実施態様に係るヘテロ環化合物は、後述する製造例に基づいて製造される。
【0069】
また、本出願の他の実施態様は、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物、および前記化学式2で表される化合物を同時に含むものである有機発光素子の有機物層用組成物を提供する。
【0070】
前記化学式1で表されるヘテロ環化合物、および前記化学式2で表される化合物に関する具体的な内容は、前述したものと同じである。
【0071】
前記組成物内の前記化学式1で表されるヘテロ環化合物:前記化学式2で表される化合物の重量比は、1:10~10:1であってもよく、1:8~8:1であってもよく、1:5~5:1であってもよいし、1:2~2:1であってもよいが、これにのみ限定されるものではない。
【0072】
前記組成物は、有機発光素子の有機物の形成時に用いることができ、特に、発光層のホストの形成時により好ましく用いることができる。
【0073】
前記組成物は、2以上の化合物が単純混合されている形態であり、有機発光素子の有機物層の形成前にパウダー状態の材料を混合することもでき、適正温度以上で液相状態になっている化合物を混合することができる。前記組成物は、各材料の融点以下では固体状態であり、温度を調整すれば液状に維持することができる。
【0074】
前記組成物は、追加的に、溶媒、添加剤など、当技術分野で公知の材料が追加的に含まれてもよい。
【0075】
本出願の一実施態様に係る有機発光素子は、前述した化学式1で表されるヘテロ環化合物、および化学式2で表されるヘテロ環化合物を用いて1層以上の有機物層を形成することを除けば、通常の有機発光素子の製造方法および材料によって製造される。
【0076】
前記化学式1で表される化合物および前記化学式2で表されるヘテロ環化合物は、有機発光素子の製造時、真空蒸着法だけでなく、溶液塗布法によって有機物層に形成される。ここで、溶液塗布法とは、スピンコーティング、ディップコーティング、インクジェットプリンティング、スクリーンプリンティング、スプレー法、ロールコーティングなどを意味するが、これらにのみ限定されるものではない。
【0077】
本発明の有機発光素子の有機物層は、単層構造からなってもよいが、2層以上の有機物層が積層された多層構造からなってもよい。例えば、本発明の有機発光素子は、有機物層として、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などを含む構造を有することができる。しかし、有機発光素子の構造はこれに限定されず、より少数の有機物層を含むことができる。
【0078】
具体的には、本出願の一実施態様に係る有機発光素子は、第1電極と、第2電極と、第1電極および第2電極の間に備えられた1層以上の有機物層とを含み、前記有機物層のうちの1層以上は、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物、および前記化学式2で表されるヘテロ環化合物を含む。
【0079】
本出願の一実施態様において、前記第1電極は、陽極であってもよく、前記第2電極は、陰極であってもよい。
他の実施態様において、前記第1電極は、陰極であってもよく、前記第2電極は、陽極であってもよい。
本出願の一実施態様において、前記有機発光素子は、青色有機発光素子であってもよいし、前記化学式1によるヘテロ環化合物および前記化学式2によるヘテロ環化合物は、青色有機発光素子の材料として使用できる。
本出願の一実施態様において、前記有機発光素子は、緑色有機発光素子であってもよいし、前記化学式1で表される化合物および前記化学式2で表されるヘテロ環化合物は、緑色有機発光素子の材料として使用できる。
本出願の一実施態様において、前記有機発光素子は、赤色有機発光素子であってもよいし、前記化学式1で表される化合物および前記化学式2で表されるヘテロ環化合物は、赤色有機発光素子の材料として使用できる。
【0080】
本発明の有機発光素子は、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、電子ブロック層、および正孔ブロック層からなる群より選択される1層または2層以上をさらに含んでもよい。
本出願の一実施態様において、前記有機物層は、正孔阻止層、電子注入層、および電子輸送層のうちの少なくとも1層を含み、前記正孔阻止層、電子注入層、および電子輸送層のうちの少なくとも1層が、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物、および前記化学式2で表されるヘテロ環化合物を同時に含むものである有機発光素子を提供する。
本出願の一実施態様において、前記有機物層は、発光層を含み、前記発光層は、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物、および前記化学式2で表されるヘテロ環化合物を同時に含むものである有機発光素子を提供する。
本出願の一実施態様において、前記有機物層は、発光層を含み、前記発光層は、ホスト物質を含み、前記ホスト物質は、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物、および前記化学式2で表されるヘテロ環化合物を同時に含むものである有機発光素子を提供する。
【0081】
図1~3に本出願の一実施態様に係る有機発光素子の電極と有機物層の積層順序を例示した。しかし、これらの図面によって本出願の範囲が限定されることを意図したわけではなく、当技術分野で知られている有機発光素子の構造が本出願にも適用可能である。
図1によれば、基板100上に、陽極200、有機物層300、および陰極400が順次に積層された有機発光素子が示される。しかし、このような構造にのみ限定されるものではなく、図2のように、基板上に、陰極、有機物層、および陽極が順次に積層された有機発光素子が実現されてもよい。
図3は、有機物層が多層の場合を例示するものである。図3による有機発光素子は、正孔注入層301、正孔輸送層302、発光層303、正孔阻止層304、電子輸送層305、および電子注入層306を含む。しかし、このような積層構造によって本出願の範囲が限定されるものではなく、必要に応じて、発光層を除いた残りの層は省略されてもよく、必要な他の機能層がさらに追加されてもよい。
【0082】
本出願の一実施態様において、基板を用意するステップと、前記基板上に第1電極を形成するステップと、前記第1電極上に1層以上の有機物層を形成するステップと、前記有機物層上に第2電極を形成するステップとを含み、前記有機物層を形成するステップは、本出願の一実施態様に係る有機物層用組成物を用いて1層以上の有機物層を形成するステップを含むものである有機発光素子の製造方法を提供する。
【0083】
本出願の一実施態様において、前記有機物層を形成するステップは、前記化学式1のヘテロ環化合物および前記化学式2のヘテロ環化合物を予備混合(pre-mixed)して、熱真空蒸着方法を利用して形成するものである有機発光素子の製造方法を提供する。
前記予備混合(pre-mixed)は、前記化学式1のヘテロ環化合物および前記化学式2のヘテロ環化合物を有機物層に蒸着する前に、予め材料を混ぜて1つの供源に入れて混合することを意味する。
予備混合された材料は、本出願の一実施態様に係る有機物層用組成物と言及される。
【0084】
本出願の一実施態様に係る有機発光素子において、前記化学式1のヘテロ環化合物、および前記化学式2のヘテロ環化合物以外の材料を下記に例示するが、これらは例示のためのものに過ぎず、本出願の範囲を限定するためのものではなく、当技術分野で公知の材料に代替されてもよい。
【0085】
陽極材料としては、比較的仕事関数の大きい材料を用いることができ、透明導電性酸化物、金属または導電性高分子などを使用することができる。前記陽極材料の具体例としては、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属、またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnO:AlまたはSnO:Sbのような金属と酸化物との組み合わせ;ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ[3,4-(エチレン-1,2-ジオキシ)チオフェン](PEDOT)、ポリピロールおよびポリアニリンのような導電性高分子などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0086】
陰極材料としては、比較的仕事関数の低い材料を用いることができ、金属、金属酸化物、または導電性高分子などを使用することができる。前記陰極材料の具体例としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタン、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズおよび鉛のような金属、またはこれらの合金;LiF/AlまたはLiO/Alのような多層構造の物質などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0087】
正孔注入材料としては、公知の正孔注入材料を用いてもよいが、例えば、米国特許第4,356,429号に開示された銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物、または文献[Advanced Material、6、p.677(1994)]に記載されているスターバースト型アミン誘導体類、例えば、トリス(4-カルバゾイル-9-イルフェニル)アミン(TCTA)、4,4’,4”-トリ[フェニル(m-トリル)アミノ]トリフェニルアミン(m-MTDATA)、1,3,5-トリス[4-(3-メチルフェニルフェニルアミノ)フェニル]ベンゼン(m-MTDAPB)、溶解性のある導電性高分子であるポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Polyaniline/Dodecylbenzenesulfonic acid)またはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホネート)(Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)/Poly(4-styrenesulfonate))、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Polyaniline/Camphor sulfonicacid)またはポリアニリン/ポリ(4-スチレンスルホネート)(Polyaniline/Poly(4-styrene-sulfonate))などを使用することができる。
【0088】
正孔輸送材料としては、ピラゾリン誘導体、アリールアミン系誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などが使用可能であり、低分子または高分子材料が使用されてもよい。
【0089】
電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8-ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体などが使用可能であり、低分子物質だけでなく、高分子物質が使用されてもよい。
【0090】
電子注入材料としては、例えば、LiFが当業界で代表的に使用されるが、本出願がこれに限定されるものではない。
【0091】
発光材料としては、赤色、緑色、または青色発光材料が使用可能であり、必要な場合、2以上の発光材料を混合して使用することができる。この時、2以上の発光材料を個別的な供給源として蒸着して使用したり、pre-mixedして予備混合後、1つの供給源として蒸着して使用することができる。また、発光材料として蛍光材料を使用してもよいが、燐光材料として使用してもよい。発光材料としては、単独として陽極と陰極からそれぞれ注入された正孔と電子を結合して発光させる材料が使用されてもよいが、ホスト材料とドーパント材料が共に発光に関与する材料が使用されてもよい。
【0092】
発光材料のホストを混合して使用する場合には、同一系のホストを混合して使用してもよく、異なる系のホストを混合して使用してもよい。例えば、nタイプのホスト材料またはpタイプのホスト材料いずれか2種類以上の材料を選択して発光層のホスト材料として使用することができる。
【0093】
本出願の一実施態様に係る有機発光素子は、使用される材料によって、前面発光型、後面発光型、または両面発光型であってもよい。
【0094】
本出願の一実施態様に係るヘテロ環化合物は、有機太陽電池、有機感光体、有機トランジスタなどをはじめとする有機電子素子においても、有機発光素子に適用されるのと類似の原理で作用することができる。
【実施例
【0095】
以下、実施例を通じて本明細書をより詳細に説明するが、これらは本出願を例示するためのものに過ぎず、本出願の範囲を限定するためのものではない。
【化42】
【0096】
化合物1-1の製造
一口の丸底フラスコ(One neck r.b.f)に、1-ブロモ-2,3-ジフルオロベンゼン(40.5g、209mmol)、(2-クロロ-6-メトキシフェニル)ボロン酸(43g、230mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(24g、20.9mmol)、ポタシウムカーボネート(57.9g、419mmol)、トルエン/エタノール/水(500ml/100ml/100ml)混合物を、110℃で還流した。ジクロロメタンで抽出しMgSOで乾燥した。シリカゲルフィルタ後、濃縮して、化合物1-1を得た。(40.8g、76%)
【0097】
化合物1-2の製造
一口の丸底フラスコ(One neck r.b.f)に、2’-クロロ-2,3-difluoro-6’-methoxy-1,1’-biphenyl(40.8g、160mmol)、MC(600ml)の混合物を、0℃に温度を下げてBBr(30mL、320mmol)を滴加し、常温に昇温して1時間撹拌した。蒸留水で反応を終結し、ジクロロメタンで抽出しMgSOで乾燥した。カラム精製MC:HX=1:1として、化合物1-2を得た。(21g、54%)
【0098】
化合物1-3の製造
一口の丸底フラスコ(One neck r.b.f)に、4-クロロ-2’,3’-ジフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-2-オール(21g、87.2mmol)、CsCO(71g、218mmol)のジメチルアセトアミド(200ml)混合物を、120℃で撹拌した。冷やした後、フィルタし、濾液の溶媒を除去した後、カラム精製HX:MC=4:1として、化合物1-3を得た。(17g、88%)
【0099】
化合物1-4の製造
一口の丸底フラスコ(One neck r.b.f)に、1-クロロ-6-フルオロジベンゾ[b,d]フラン(6g、27.19mmol)、9H-カルバゾール(5g、29.9mmol)、CsCO(22g、101.7mmol)のジメチルアセトアミド(60ml)混合物を、170℃で12h還流した。冷やした後、フィルタし、濾液の溶媒を除去した後、カラム精製HX:MC=3:1として、化合物1-4を得た。(9g、90%)
【0100】
化合物1-5の製造
一口の丸底フラスコ(One neck r.b.f)に、9-(9-クロロジベンゾ[b,d]フラン-4-イル)-9H-カルバゾール(9g、24.4mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(12.4g、48.9mmol)、Pcy3(1.37g、4.89mmol)、ポタシウムアセテート(7.1g、73mmol)、Pd(dba)(2.2g、2.44mmol)の1,4-ジオキサン(100ml)混合物を、140℃で還流した。冷やした後、フィルタした濾液を濃縮して、カラム精製HX:MC=3:1として、化合物1-5を得た(7.2g、64%)
【0101】
化合物1の製造
一口の丸底フラスコ(One neck r.b.f)に、9-(9-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ジベンゾ[b,d]フラン-4-イル)-9H-カルバゾール(7.2g、15.6mmol)、2-クロロ-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(5g、18.8mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.8g、1.56mmol)、ポタシウムカーボネート(4.3g、31.2mmol)、1,4-ジオキサン/水(100ml/25ml)混合物を、120℃で4時間還流した。120℃でフィルタ後、120℃、1,4-ジオキサン、蒸留水、MeOHで洗って、化合物1(C)を得た。(6.6g、75%)
【0102】
前記製造例1において、下記表1~表7のA、Bを中間体として用いたことを除き、前記化合物1の製造と同様の方法で、下記の化合物Cを合成した。
【表1】


【表2】

【表3】

【表4】


【表5】

【表6】

【表7】

【0103】
【化43】
【0104】
化合物129-1の製造
一口の丸底フラスコ(One neck r.b.f)に、1-ブロモ-2,4-ジフルオロベンゼン(40g、207mmol)、(2-クロロ-6-メトキシフェニル)ボロン酸(42.4g、227mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(23g、20.7mmol)、ポタシウムカーボネート(57g、414mmol)、トルエン/エタノール/水(600ml/150ml/150ml)混合物を、110℃で還流した。
ジクロロメタンで抽出しMgSOで乾燥した。シリカゲルフィルタ後、濃縮して、化合物129-1を得た。(50g、94%)
【0105】
化合物129-2の製造
一口の丸底フラスコ(One neck r.b.f)に、2’-クロロ-2,4-ジフルオロ-6’-メトキシ-1,1’-ビフェニル(50g、196mmol)、ジクロロメタン(700ml)の混合物を、0℃に温度を下げてBBr(28.3mL、294mmol)を滴加し、常温に昇温して2時間撹拌した。
蒸留水で反応を終結し、ジクロロメタンで抽出しMgSOで乾燥した。シリカゲルフィルタして、化合物129-2を得た。(27.5g、58%)
【0106】
化合物129-3の製造
一口の丸底フラスコ(One neck r.b.f)に、4-クロロ-2’,4’-ジフルオロ-[1,1’-ビフェニル]-2-オール(27g、114mmol)、CsCO(83g、285mmol)のジメチルアセトアミド(300ml)混合物を、120℃で撹拌した。冷やした後、フィルタし、濾液の溶媒を除去した後、シリカゲルフィルタして、化合物129-3を得た。(23g、92%)
【0107】
化合物129-4の製造
一口の丸底フラスコ(One neck r.b.f)に、1-クロロ-7-フルオロジベンゾ[b,d]フラン(5.5g、24.9mmol)、9H-カルバゾール(4.58g、27.4mmol)、CsCO(20g、62mmol)のジメチルアセトアミド(60ml)混合物を、170℃で6h還流した。冷やした後、フィルタし、濾液の溶媒を除去した後、カラム精製HX:MC=3:1として、化合物129-4を得た。(7.6g、83%)
【0108】
化合物129-5の製造
一口の丸底フラスコ(One neck r.b.f)に、9-(9-クロロジベンゾ[b,d]フラン-3-イル)-9H-カルバゾール(7.5g、20.3mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(10.3g、40.7mmol)、Pcy(1.14g、4.07mmol)、ポタシウムアセテート(5.97g、60.9mmol)、Pd(dba)(1.85g、2.03mmol)の1,4-ジオキサン(80ml)混合物を140℃で還流した。冷やした後、フィルタした濾液を濃縮して、カラム精製HX:MC=2:1として、化合物129-5を得た(6.5g、70%)。
【0109】
化合物129の製造
一口の丸底フラスコ(One neck r.b.f)に、9-(9-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ジベンゾ[b,d]フラン-3-イル)-9H-カルバゾール(6.5g、14.1mmol)、2-クロロ-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(4.54g、16.9mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.6g、1.41mmol)、ポタシウムカーボネート(3.9g、28.2mmol)、1,4-ジオキサン/水(80ml/28.2ml)混合物を、120℃で4時間還流した。120℃でフィルタ後、120℃、1,4-ジオキサン、蒸留水、MeOHで洗って、化合物129(F)を得た(5.4g、68%)。
【0110】
前記製造例2において、下記表8~表14のD、Eを中間体として用いたことを除き、前記化合物129の製造と同様の方法で、下記の化合物Fを合成した。
【表8】


【表9】

【表10】

【表11】


【表12】

【表13】

【表14】


【0111】
前記表1~14に記載の化合物以外の化合物1~286も、前述した製造例に記載の方法と同様に製造した。
【化44】
【0112】
1)化合物2-3の製造
3-ブロモ-1,1’-ビフェニル3.7g(15.8mM)、9-フェニル-9H,9’H-3,3’-ビカルバゾール6.5g(15.8mM)、CuI3.0g(15.8mM)、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン1.9mL(15.8mM)、KPO 3.3g(31.6mM)を1,4-オキサン100mLに溶かした後、24時間還流した。反応が完了した後、室温で蒸留水とDCMを入れて抽出し、有機層はMgSOで乾燥させた後、回転蒸発器で溶媒を除去した。反応物はカラムクロマトグラフィー(DCM:Hex=1:3)で精製し、メタノールで再結晶して、目的化合物2-3 7.5g(85%)を得た。
【0113】
前記製造例3において、3-ブロモ-1,1’-ビフェニルの代わりに下記表15の中間体Aを用い、9-フェニル-9H,9’H-3,3’-ビカルバゾールの代わりに下記表15の中間体Bを用いたことを除き、製造例3の製造と同様の方法で製造して、目的化合物Aを合成した。
【表15】

【0114】
前記表15に記載の化合物以外の化合物2-1~2-97も、前述した製造例に記載の方法と同様に製造した。
【0115】
前記で製造された化合物の合成確認資料は、下記表16および表17に記載した通りである。
【表16】






【表17】

【0116】
<実験例1>有機発光素子の作製
1,500Åの厚さにITOが薄膜コーティングされたガラス基板を蒸留水超音波洗浄した。蒸留水洗浄が終わると、アセトン、メタノール、イソプロピルアルコールなどの溶剤で超音波洗浄をし乾燥させた後、UV洗浄機でUVを用いて5分間UVO処理した。この後、基板をプラズマ洗浄機(PT)に搬送させた後、真空状態でITOの仕事関数および残膜除去のためにプラズマ処理をして、有機蒸着用熱蒸着装備に搬送した。
前記ITO透明電極(陽極)上に、共通層の正孔注入層2-TNATA(4,4’,4’’’’-Tris[2-naphthyl(phenyl)amino]triphenylamine)および正孔輸送層NPB(N,N’-Di(1-naphthyl)-N,N’’-diphenyl-(1,1’’-biphenyl)-4,4’’-diamine)を形成させた。
その上に、発光層を次のように熱真空蒸着させた。発光層は、ホストとして化学式1に記載の化合物1種と化学式2に記載の化合物1種をそれぞれの個別的な供給源で400Å蒸着し、緑色燐光ドーパントはIr(ppy)を7%ドーピングして蒸着した。この後、正孔阻止層としてBCPを60Å蒸着し、その上に、電子輸送層としてAlqを200Å蒸着した。最後に、電子輸送層上に、リチウムフルオライド(lithium fluoride:LiF)を10Åの厚さに蒸着して電子注入層を形成した後、電子注入層上に、アルミニウム(Al)陰極を1,200Åの厚さに蒸着して陰極を形成することにより、有機電界発光素子を製造した。
一方、OLED素子の作製に必要なすべての有機化合物は、材料ごとに、それぞれ10-6~10-8torr下で真空昇華精製して、OLEDの作製に使用した。
【0117】
<実験例2>有機発光素子の作製
1,500Åの厚さにITOが薄膜コーティングされたガラス基板を蒸留水超音波洗浄した。蒸留水洗浄が終わると、アセトン、メタノール、イソプロピルアルコールなどの溶剤で超音波洗浄をし乾燥させた後、UV洗浄機でUVを用いて5分間UVO処理した。この後、基板をプラズマ洗浄機(PT)に搬送させた後、真空状態でITOの仕事関数および残膜除去のためにプラズマ処理をして、有機蒸着用熱蒸着装備に搬送した。
前記ITO透明電極(陽極)上に、共通層の正孔注入層2-TNATA(4,4’,4’’’’-Tris[2-naphthyl(phenyl)amino]triphenylamine)および正孔輸送層NPB(N,N’-Di(1-naphthyl)-N,N’’-diphenyl-(1,1’’-biphenyl)-4,4’’-diamine)を形成させた。
その上に、発光層を次のように熱真空蒸着させた。発光層は、ホストとして化学式1に記載の化合物1種と化学式2に記載の化合物1種を予備混合後、1つの供源で400Å蒸着し、緑色燐光ドーパントはIr(ppy)を7%ドーピングして蒸着した。この後、正孔阻止層としてBCPを60Å蒸着し、その上に、電子輸送層としてAlqを200Å蒸着した。最後に、電子輸送層上に、リチウムフルオライド(lithium fluoride:LiF)を10Åの厚さに蒸着して電子注入層を形成した後、電子注入層上にアルミニウム(Al)陰極を1,200Åの厚さに蒸着して陰極を形成することにより、有機電界発光素子を製造した。
一方、OLED素子の作製に必要なすべての有機化合物は、材料ごとに、それぞれ10-6~10-8torr下で真空昇華精製して、OLEDの作製に使用した。
前記実験例1および実験例2による有機電界発光素子の駆動電圧および発光効率は、下記表19および表20の通りである。
【0118】
前記のように作製された有機電界発光素子に対して、マックサイエンス社のM7000で電界発光(EL)特性を測定し、その測定結果をもってマックサイエンス社製の寿命装備測定装備(M6000)により、基準輝度が6,000cd/mの時、T90を測定した。
本発明の有機電界発光素子の特性は、下記表19および20の通りである。下記表19は、実験例1の2つのホスト化合物を個別的な供給源として同時蒸着した例であり、下記表20は、実験例2の2つの発光層化合物をpre-mixedして予備混合後、1つの供給源として蒸着した例であり、下記表18は、実験例1において単一ホスト物質を適用した例である。
【0119】
【表18】
【0120】
【表19】
【0121】
【表20】
【0122】
前記化学式1の化合物および前記化学式2の化合物を同時に有機発光素子の有機物層に含む場合、より優れた効率および寿命効果を示す。この結果は、2つの化合物を同時に含む場合、エキシプレックス(exciplex)現象が起こることを予想することができる。
前記エキシプレックス(exciplex)現象は、2つの分子間の電子交換によりdonor(p-host)のHOMO level、acceptor(n-host)LUMO level大きさのエネルギーを放出する現象である。2つの分子間のエキシプレックス(exciplex)現象が起こると、Reverse Intersystem Crossing(RISC)が起こり、これによって蛍光の内部量子効率が100%まで上昇できる。正孔輸送能力が良いdonor(p-host)と電子輸送能力が良いacceptor(n-host)が発光層のホストとして用いられる場合、正孔はp-hostに注入され、電子はn-hostに注入されるため、駆動電圧を低下させることができ、それによって寿命向上に役立つことができる。
【符号の説明】
【0123】
100:基板
200:陽極
300:有機物層
301:正孔注入層
302:正孔輸送層
303:発光層
304:正孔阻止層
305:電子輸送層
306:電子注入層
400:陰極
図1
図2
図3