(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】コーナー用連結体及び収納家具
(51)【国際特許分類】
A47B 55/00 20060101AFI20220425BHJP
【FI】
A47B55/00
(21)【出願番号】P 2020196234
(22)【出願日】2020-11-26
【審査請求日】2020-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】520242182
【氏名又は名称】株式会社倉田裕之建築・計画事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【氏名又は名称】吉井 剛
(72)【発明者】
【氏名】倉田 裕之
【審査官】中村 百合子
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-048740(JP,U)
【文献】実開昭58-087556(JP,U)
【文献】実開平04-031539(JP,U)
【文献】特開2007-014524(JP,A)
【文献】実開昭53-156723(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0114920(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0055882(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 55/00-55/06
A47B 43/00-47/06
A47B 77/04
A47B 81/00-81/06
E04F 19/08
A47F 5/00- 8/02
日本意匠分類 D6-513
D6-515
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横材及び縦材が交差して構成される第一収納棚と、前記第一収納棚と直交状態で配置され、横材及び縦材が交差して構成される第二収納棚との交差部位に配置するコーナー用連結体であって、このコーナー用連結体は、横材及び縦材が交差して構成される直方体形状であり、この縦材は、前記第一収納棚の端部の縦材と連結する第一縦材、この第一縦材と対向する位置に設けられる第三縦材、この第三縦材に隣接し前記第二収納棚の端部の縦材と連結する第二縦材及びこの第二縦材に対向する位置にして前記第三縦材に隣接する第四縦材で構成され、前記第一縦材及び前記第三縦材の幅は前記第一収納棚の奥行と同一であり、また、前記第二縦材及び前記第四縦材の幅は前記第二収納棚の奥行と同一であり、また、前記第一縦材と前記第三縦材との間
で且つ前記第二縦材及び前記第四縦材との間には前記横材が多段に架設され、この横材の長さは、前記第二縦材及び前記第四縦材の幅よりも長く設定されていることを特徴とするコーナー用連結体。
【請求項2】
請求項1記載のコーナー用連結体において、前記第一収納棚の前記縦材及び前記第二収納棚の前記縦材は、同一高さ且つ同一幅であることを特徴とするコーナー用連結体。
【請求項3】
請求項1,2いずれか1項に記載のコーナー用連結体において、前記第一縦材、前記第二縦材、前記第三縦材及び前記第四縦材の高さは、前記第一収納棚の端部の縦材及び前記第二収納棚の端部の縦材の高さ以下であることを特徴とするコーナー用連結体。
【請求項4】
請求項1~3いずれか1項に記載のコーナー用連結体において、前記第一縦材と前記第三縦材との間に架設される前記横材の長さは、前記第二縦材及び前記第四縦材の幅の2倍以上の長さであることを特徴とするコーナー用連結体。
【請求項5】
請求項1~4いずれか1項に記載のコーナー用連結体において、前記第一縦材と前記第三縦材との間に架設される前記横材の幅は、前記第一縦材及び前記第三縦材の幅と同一であることを特徴とするコーナー用連結体。
【請求項6】
請求項5記載のコーナー用連結体において、前記第一縦材及び前記第三縦材の幅は、前記第一収納棚の端部の縦材の幅と同一であることを特徴とするコーナー用連結体。
【請求項7】
横材及び縦材が交差して構成される第一収納棚と、前記第一収納棚と直交状態で配置され、横材及び前記第一収納棚の縦材と同一高さ且つ同一幅の縦材が交差して構成される第二収納棚と、前記第一収納棚と前記第二収納棚との交差部位に配置されるコーナー用連結体とを備える収納家具であって、前記コーナー用連結体は、横材及び縦材が交差して構成され、この縦材は、前記第一収納棚の端部と連結する第一縦材、この第一縦材と対向する位置に設けられる第三縦材、この第三縦材に隣接し前記第二収納棚の端部と連結する第二縦材及びこの第二縦材に対向する位置にして前記第三縦材に隣接する第四縦材とで構成され、前記第一縦材及び前記第三縦材の幅は前記第一収納棚の奥行と同一であり、また、前記第二縦材及び前記第四縦材の幅は前記第二収納棚の奥行と同一であり、また、前記第一縦材と前記第三縦材との間
で且つ前記第二縦材及び前記第四縦材との間には前記横材が多段に架設され、この横材の長さは、前記第二縦材及び前記第四縦材の幅よりも長く設定されていることを特徴とする収納家具。
【請求項8】
請求項7記載の収納家具において、前記コーナー用連結体は、前記第一収納棚及び前記第二収納棚と連結されていることを特徴とする収納家具。
【請求項9】
請求項7,8いずれか1項に記載の収納家具において、前記コーナー用連結体の前記第一縦材、前記第二縦材、前記第三縦材及び前記第四縦材の高さは、前記第一収納棚の端部の縦材及び前記第二収納棚の端部の縦材の高さ以下であることを特徴とする収納家具。
【請求項10】
請求項7~9いずれか1項に記載の収納家具において、前記第一縦材と前記第三縦材との間に架設される前記横材の長さは、前記第二縦材及び前記第四縦材の幅の2倍以上の長さであることを特徴とする収納家具。
【請求項11】
請求項7~10いずれか1項に記載の収納家具において、前記第一縦材と前記第三縦材との間に架設される前記横材の幅は、前記第一縦材及び前記第三縦材の幅と同一であることを特徴とする収納家具。
【請求項12】
請求項11記載の収納家具において、前記第一縦材及び前記第三縦材の幅は、前記第一収納棚の端部の縦材の幅と同一であることを特徴とする収納家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーナー用連結体及び収納家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、非特許文献1に示すような、横材及び縦材が交差して構成され、壁面に添設して使用する収納棚が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】「margherita 建築設計事務所がデザインする収納家具」ホームページ:margherita.jp/shelf/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、上記のような収納棚S11,12を二体、二壁面W11,12の入隅に添設して直角に配置する場合、
図9若しくは
図10に示すように配置することになるが、
図9のように配置した場合、デッドスペースDが生じてしまい、また、
図10のように配置した場合、一方の収納棚の一列(図中ではS11の右端の一列)が使用できなくなる問題が生じてしまう。
【0005】
また、
図11に示すようなコーナー用連結体S13を用いることで、上記の問題が生じることは回避できるが、従来のコーナー用連結体S13は、図示するように入隅に添った直角的な配置状態にすることができず、部屋の有効スペースが減少し、また、デザイン的にも好ましくない。
【0006】
本発明はこのような現状に鑑みなされたものであり、コーナー用連結体を介して二体の収納棚を直交状態に配置する場合、コーナーが直角となるコーナー用連結体及び収納家具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
横材12及び縦材11が交差して構成される第一収納棚S1と、前記第一収納棚S1と直交状態で配置され、横材22及び縦材21が交差して構成される第二収納棚S2との交差部位に配置するコーナー用連結体であって、このコーナー用連結体S3は、横材5及び縦材が交差して構成される直方体形状であり、この縦材は、前記第一収納棚S1の端部の縦材11と連結する第一縦材1、この第一縦材1と対向する位置に設けられる第三縦材3、この第三縦材3に隣接し前記第二収納棚S2の端部の縦材21と連結する第二縦材2及びこの第二縦材2に対向する位置にして前記第三縦材3に隣接する第四縦材4で構成され、前記第一縦材1及び前記第三縦材3の幅は前記第一収納棚S1の奥行と同一であり、また、前記第二縦材2及び前記第四縦材4の幅は前記第二収納棚S2の奥行と同一であり、また、前記第一縦材1と前記第三縦材3との間で且つ前記第二縦材2及び前記第四縦材4との間には前記横材5が多段に架設され、この横材5の長さは、前記第二縦材2及び前記第四縦材4の幅よりも長く設定されていることを特徴とするコーナー用連結体に係るものである。
【0009】
また、請求項1記載のコーナー用連結体において、前記第一収納棚S1の前記縦材11及び前記第二収納棚S2の前記縦材21は、同一高さ且つ同一幅であることを特徴とするコーナー用連結体に係るものである。
【0010】
また、請求項1,2いずれか1項に記載のコーナー用連結体において、前記第一縦材1、前記第二縦材2、前記第三縦材3及び前記第四縦材4の高さは、前記第一収納棚S1の端部の縦材11及び前記第二収納棚S2の端部の縦材21の高さ以下であることを特徴とするコーナー用連結体に係るものである。
【0011】
また、請求項1~3いずれか1項に記載のコーナー用連結体において、前記第一縦材1と前記第三縦材3との間に架設される前記横材5の長さは、前記第二縦材2及び前記第四縦材4の幅の2倍以上の長さであることを特徴とするコーナー用連結体に係るものである。
【0012】
また、請求項1~4いずれか1項に記載のコーナー用連結体において、前記第一縦材1と前記第三縦材3との間に架設される前記横材5の幅は、前記第一縦材1及び前記第三縦材3の幅と同一であることを特徴とするコーナー用連結体に係るものである。
【0013】
また、請求項5記載のコーナー用連結体において、前記第一縦材1及び前記第三縦材3の幅は、前記第一収納棚S1の端部の縦材11の幅と同一であることを特徴とするコーナー用連結体に係るものである。
【0014】
また、横材12及び縦材11が交差して構成される第一収納棚S1と、前記第一収納棚S1と直交状態で配置され、横材22及び前記第一収納棚S1の縦材11と同一高さ且つ同一幅の縦材21が交差して構成される第二収納棚S2と、前記第一収納棚S1と前記第二収納棚S2との交差部位に配置されるコーナー用連結体S3とを備える収納家具であって、前記コーナー用連結体S3は、横材5及び縦材が交差して構成され、この縦材は、前記第一収納棚S1の端部と連結する第一縦材1、この第一縦材1と対向する位置に設けられる第三縦材3、この第三縦材3に隣接し前記第二収納棚S2の端部と連結する第二縦材2及びこの第二縦材2に対向する位置にして前記第三縦材3に隣接する第四縦材4とで構成され、前記第一縦材1及び前記第三縦材3の幅は前記第一収納棚S1の奥行と同一であり、また、前記第二縦材2及び前記第四縦材4の幅は前記第二収納棚S2の奥行と同一であり、また、前記第一縦材1と前記第三縦材3との間で且つ前記第二縦材2及び前記第四縦材4との間には前記横材5が多段に架設され、この横材5の長さは、前記第二縦材2及び前記第四縦材4の幅よりも長く設定されていることを特徴とする収納家具に係るものである。
【0015】
また、請求項7記載の収納家具において、前記コーナー用連結体S3は、前記第一収納棚S1及び前記第二収納棚S2と連結されていることを特徴とする収納家具に係るものである。
【0016】
また、請求項7,8いずれか1項に記載の収納家具において、前記コーナー用連結体S3の前記第一縦材1、前記第二縦材2、前記第三縦材3及び前記第四縦材4の高さは、前記第一収納棚S1の端部の縦材11、前記第二収納棚S2の端部の縦材21の高さ以下であることを特徴とする収納家具に係るものである。
【0017】
また、請求項7~9いずれか1項に記載の収納家具において、前記第一縦材1と前記第三縦材3との間に架設される前記横材5の長さは、前記第二縦材2及び前記第四縦材4の幅の2倍以上の長さであることを特徴とする収納家具に係るものである。
【0018】
また、請求項7~10いずれか1項に記載の収納家具において、前記第一縦材1と前記第三縦材3との間に架設される前記横材5の幅は、前記第一縦材1及び前記第三縦材3の幅と同一であることを特徴とする収納家具に係るものである。
【0019】
また、請求項11記載の収納家具において、前記第一縦材1及び前記第三縦材3の幅は、前記第一収納棚S1の端部の縦材11の幅と同一であることを特徴とする収納家具に係るものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は上述のように構成したから、コーナーが直角となるコーナー用連結体及び収納家具となる。
【0021】
したがって、例えば、直角な入隅に添ってコーナー用連結体を介して二体の収納棚を配置する場合、この入隅に添った直角的な配置状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本実施例のコーナー用連結体を示す斜視図である。
【
図2】本実施例のコーナー用連結体を示す平断面図である。
【
図3】本実施例の収納家具(連結前)を示す説明斜視図である。
【
図4】本実施例の収納家具(連結後)を示す斜視図である。
【
図5】本実施例の収納家具(連結後)を示す平断面図である。
【
図6】本実施例の収納家具のコーナー用連結体の向きを変えた状態(連結前)を示す説明斜視図である。
【
図7】本実施例の収納家具のコーナー用連結体の向きを変えた状態(連結後)を示す斜視図である。
【
図8】本実施例の収納家具のコーナー用連結体の向きを変えた状態(連結後)を示す平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0024】
本発明のコーナー用連結体S3は、直方体形状であり、また、第一収納棚S1の端部の縦材11と連結する第一縦材1及びこの第一縦材1と対向する位置に設けられる第三縦材3の夫々の幅が第一収納棚S1の奥行と同一に設定され、また、第二収納棚S2の端部の縦材21と連結する第二縦材2及び第四縦材4の夫々の幅が第二収納棚S2の奥行と同一に設定されているから、第一収納棚S1の端部の縦材11と第一縦材1とを連結することで、第二縦材2が第一収納棚S1の正面と面一に配設され、この第二縦材2に第二収納棚S2の端部の縦材21を連結することで、前記コーナー用連結体S3の第四縦材4及び第二縦材2並びに第二収納棚S2の端部の縦材21が合致した状態で、コーナー用連結体S3に対して第二収納棚S2が直交状態に連設され、この第二収納棚S2とコーナー用連結体S3とが成すコーナーが直角となる。
【0025】
また、本発明のコーナー用連結体S3は、第一縦材1と第三縦材3との間に多段に架設された横材5の長さが第二縦材2及び第四縦材4の幅よりも長く設定されているから、第三縦材3と対向する第一縦材1は、第二縦材2及び第四縦材4と連設状態にならず、第二縦材2及び第四縦材4に対して離間状態となり、これにより、第二縦材2に隣接して(並設して)第一開口部6が形成され、第四縦材4に隣接して(並設して)第二開口部7が形成された構成となり、例えば、
図3~5に示すように、第二縦材2側を表側として本発明のコーナー用連結体S3を二壁面W1,W2の入隅に配置した場合、第二縦材2に第二収納棚S2を連結しても、第一開口部6を介して第一縦材1、第二縦材2、第三縦材3及び第四縦材4で囲われた収納空間内の収納物を出し入れすることができる。
【0026】
また、本発明のコーナー用連結体S3は、上述のとおり、第四縦材4に隣接して第二開口部7が形成されているから、例えば、
図6~8に示すように、向きを変え、第四縦材4側を表側として入隅に配置した場合も、第二開口部7を介して第一縦材1、第二縦材2、第三縦材3及び第四縦材4で囲われた収納空間内の収納物を出し入れすることができる。
【実施例】
【0027】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0028】
本実施例は、横材12及び縦材11が交差して構成される第一収納棚S1と、この第一収納棚S1と直交状態で配置され、横材22及び前記第一収納棚S1の縦材11と同一高さ且つ同一幅の縦材21が交差して構成される第二収納棚S2と、これら第一収納棚S1と第二収納棚S2との交差部位に配置されるコーナー用連結体S3とからなり、直角に(L字状に)配置されるように構成されている収納家具である。
【0029】
本実施例の第一収納棚S1及び第二収納棚S2は、夫々、複数の方形状の横材12,22及び複数の方形状の縦材11,21が直交状態に組み付けられ、複数の方形状の収納部13,23が縦横に形成配置されている構成とされている。
【0030】
具体的には、本実施例の第一収納棚S1及び第二収納棚S2は、同一形状の収納棚に構成されており、図示するように、5枚の縦材11,21及び6枚の横材12,22が直交に組み付けられ、背板及び天板を備えず、24つ(縦6つ×横4つ)の収納部13,23を有する構成とされている。
【0031】
なお、本実施例の第一収納棚S1及び第二収納棚S2は、夫々、上記構成に限定されるものではなく、非同一形状でも良く、また、縦材や横材の枚数や大きさなども適宜設計変更可能なものとする。
【0032】
また、この第一収納棚S1と第二収納棚S2との交差部位に配置される本実施例のコーナー用連結体S3は、横材5及び縦材が交差して構成される直方体形状の収納棚に構成されている。
【0033】
このコーナー用連結体S3を構成する縦材は、第一収納棚S1の端部の縦材11と連結する第一縦材1、この第一縦材1と対向する位置に設けられる第三縦材3、この第三縦材3に隣接し第二収納棚S2の端部の縦材21と連結する第二縦材2及びこの第二縦材2に対向する位置にして第三縦材3に隣接する第四縦材4とで構成されている。
【0034】
具体的には、第二縦材2、第三縦材3、及び第四縦材4は、
図1,2に示すように、コ字状の枠体を構成するように相互に直交状態に連設され、また、第一縦材1は、このコ字状枠体に対して間隔をおいて第三縦材3と対向状態に設けられている。
【0035】
また、本実施例のコーナー用連結体S3は、第一縦材1及び第三縦材3の幅が、第一収納棚S1の奥行と同一、言い換えると、第一収納棚S1の縦材11の幅と同一寸法に設定され、また、第二縦材2及び第四縦材4の幅が、第二収納棚S2の奥行と同一、言い換えると、第二収納棚S2の縦材21の幅と同一寸法に設定され、さらに、この第一縦材1、第二縦材2、第三縦材3及び第四縦材4は、夫々、高さが第一収納棚S1の縦材11の高さ及び第二収納棚S2の縦材21の高さと同一に設定されている。
【0036】
すなわち、本実施例の第一収納棚S1、第二収納棚S2及びコーナー用連結体S3は、縦材に同一形状(幅寸法及び高さ寸法が同一)の縦材が用いられており、高さ、奥行が統一され、連結した際に一体感のある収納家具となるように構成されている。
【0037】
また、本実施例のコーナー用連結体S3に用いられる横材5は、第一縦材1と第二縦材2、第三縦材3及び第四縦材4で構成されるコ字状体を連結する連結部材にして、このコーナー用連結体S3において、被収納物を載置する載置板(棚板)となるものであり、長さが第二縦材2及び第四縦材4の幅よりも長く設定され、第一縦材1と第三縦材3との間に多段に架設される構成とされている。
【0038】
具体的には、本実施例においては、横材5の長さは、第二縦材2及び第四縦材4の幅の2倍に設定され、また、幅は第一縦材1及び第三縦材3の幅と同一に設定されている。
【0039】
すなわち、横材5は、第一縦材1と第三縦材3との間に架設されると共に、第二縦材2と第四縦材4との間にも架設されるように構成されている。
【0040】
なお、横材5の長さは、第二縦材2及び第四縦材4の幅の2倍以上であれば、適宜設計変更可能なものとする。
【0041】
また、本実施例では、この横材5は、上述したように、第一縦材1及び第三縦材3の上端部及び下端部以外に架設され載置板(棚板)として利用され、天板及び底板として配設されない構成であるが、天板、底板となるように架設しても良い。
【0042】
上述した第一縦材1、第二縦材2、第三縦材3、第四縦材4の4枚の同一形状の縦材及び5枚の横材5で構成される本実施例のコーナー用連結体S3は、第二縦材2側に第一開口部6が形成され、第四縦材4側に第二開口部7が形成され、この第一開口部6及び第二開口部7と連通する開放的収納部と、第二縦材2、第三縦材3及び第四縦材4で構成されるコ字状枠体の内側に形成されるブラインド収納部とを有し、第一開口部6若しくは第二開口部7を出し入れ口とし、これらの収納部に被収納物を出し入れすることができるように構成されている。
【0043】
すなわち、本実施例のコーナー用連結体S3は、例えば、第四縦材4側を壁面に添設する場合は第二縦材2側が表面となりこの第二縦材2側に形成された第一開口部6が出し入れ口となり、また、第二縦材2側を壁面に添設する場合は第四縦材4側が表面となりこの第四縦材4側に形成された第二開口部7が出し入れ口となり、また、壁面に添設しない場合は、第一開口部6、第二開口部7の両方が出し入れ口となり、いずれの開口部からも被収納物を出し入れ可能となるように構成されている。
【0044】
なお、本実施例のコーナー用連結体S3は、上述したように第一収納棚S1及び第二収納棚S2と同じ高さに設定されているが、コーナー用連結体S3の高さは、第一収納棚S1及び第二収納棚S2よりも低い高さとしても良い。
【0045】
以上のように構成される本実施例の作用効果について以下に説明する。
【0046】
本実施例の収納家具を壁面に添設する場合、
図3に示すように、コーナー用連結体S3の第四縦材4を壁面W1に添設すると共に、第三縦材3及び第四縦材4で形成される角部を壁面W1,W2の入隅の角部に嵌合させてコーナー用連結体S3を入隅に添設することで、コーナー用連結体S3の第一縦材1が壁面W1に対して直交状態に配設され、第二縦材2が壁面W2に対して直交状態に配設され、この壁面W1に対して直交状態に配設された第一縦材1と第一収納棚S1の端部の縦材11を適宜な連結手段により連結して第一収納棚S1を壁面W1に添設し、壁面W2に対して直交状態に配設された第二縦材2と第二収納棚S2の端部の縦材21を適宜な連結手段により連結して第二収納棚S2を壁面W2に添設することで、
図11に示す従来例のようにコーナー正面側が前方に張り出すことがなく、第一収納棚S1、第二収納棚S2及びコーナー用連結体S3が直交する壁面W1、壁面W2に添った直角的な配置状態となり、壁面と一体感を有する美感、デザイン性に優れた収納家具となる。
【0047】
また、上記のようにコーナー用連結体S3を介して第一収納棚S1及び第二収納棚S2が壁面W1,W2に添設されることで、
図10に示す従来例のように一方の収納棚の収納部を潰してしまうことがないので、第一収納棚S1及び第二収納棚S2の各収納部を有効的に利用することができる。
【0048】
さらに、本実施例の収納家具は、入隅に配置されるコーナー用連結体S3を収納棚に構成したから、
図9に示す従来例のようなデッドスペースDが生じず、入隅を有効利用することができる。
【0049】
しかも、本実施例の収納家具は、コーナー用連結体S3の第二縦材2側と第四縦材4側の両方に出し入れ口が形成されているから、
図4に示すような第四縦材4を壁面W1に添設し第二縦材2側を正面とする配置状態から、コーナー用連結体S3の向きを変え、
図7に示すような第二縦材2を壁面W2に添設し第四縦材4側を正面とする配置状態にすることができ、このように配置した場合でも第二開口部7を介してコーナー用連結体S3を収納棚として利用することができる。
【0050】
また、本実施例の収納家具は、壁面に添設せずに使用することもでき、そのような場合、第一収納棚S1、第二収納棚S2及びコーナー用連結体S3は、夫々、背板を備えない構成のため、第一収納棚S1、第二収納棚S2及びコーナー用連結体S3の全てにおいて、表側と裏側の両側から被収納物を出し入れすることができる機能的な収納家具となる。
【0051】
なお、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0052】
1 第一縦材
2 第二縦材
3 第三縦材
4 第四縦材
5 横材
11 (第一収納棚の)縦材
12 (第一収納棚の)横材
21 (第二収納棚の)縦材
22 (第二収納棚の)横材
S1 第一収納棚
S2 第二収納棚
S3 コーナー用連結体
【要約】 (修正有)
【課題】コーナー用連結体を介して二体の収納棚を直交状態に配置する場合、コーナーが直角となるコーナー用連結体及び収納家具を提供する。
【解決手段】第一収納棚と連結する第一縦材1、この第一縦材1と対向する位置に設けられる第三縦材3、この第三縦材3に隣接し前記第二収納棚と連結する第二縦材2及びこの第二縦材2に対向する位置にして第三縦材3に隣接する第四縦材4と、第一縦材1と第三縦材3との間に架設される横材5とで構成され、第一縦材1及び第三縦材3の幅が第一収納棚の奥行と同一であり、また、第二縦材2及び第四縦材4の幅が第二収納棚の奥行と同一であり、横材5が第二縦材2及び第四縦材4の幅よりも長い直方体形状に構成されるコーナー用連結体。
【選択図】
図1