(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】低温地域に適用される家庭用草花栽培システム
(51)【国際特許分類】
A01G 9/24 20060101AFI20220425BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20220425BHJP
【FI】
A01G9/24 A
F24F7/06 M
(21)【出願番号】P 2022024224
(22)【出願日】2022-02-18
【審査請求日】2022-02-18
(31)【優先権主張番号】202210094446.X
(32)【優先日】2022-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520199613
【氏名又は名称】陝西理工大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】韓 団軍
(72)【発明者】
【氏名】趙 英会
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-241141(JP,A)
【文献】特開2019-092421(JP,A)
【文献】特開2009-102969(JP,A)
【文献】特開平05-308857(JP,A)
【文献】特開昭59-094323(JP,A)
【文献】特開2011-101603(JP,A)
【文献】特開2009-236382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G9/14-9/26
F24F7/06-7/10
A01G7/00-7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温地域に適用される家庭用草花栽培システムであって、
ハウジング及び電子温度計を含み、
前記ハウジング内には、空調システムが収容される空調システム室及び植木鉢が収容される草花室が互いに離間して設けられ、
前記空調システム室内には、圧縮機が収容される圧縮機室、凝縮器が収容される凝縮器室、及び蒸発器が収容される蒸発器室が互いに離間して設けられ、
前記ハウジングには、前記凝縮器室に空気を供給するための第1送風機が固定して設けられ、前記凝縮器室と前記草花室との間に熱気管が接続され、前記熱気管には、第1分岐管が設けられ、前記熱気管における前記草花室と前記第1分岐管との間に位置する部分には、第1バルブが設けられ、前記第1分岐管には、第2バルブが設けられ、
前記ハウジングには、前記蒸発器室に空気を供給するための第2送風機が固定して設けられ、前記蒸発器室と前記草花室との間に冷気管が接続され、前記冷気管には、第2分岐管が設けられ、前記冷気管における前記草花室と前記第2分岐管との間に位置する部分には、第3バルブが設けられ、前記第2分岐管には、第4バルブが設けられ、
前記草花室内には、収容箱が設けられ、前記植木鉢は、前記収容箱内に位置し、前記収容箱には連通管が設けられ、前記連通管は、前記ハウジングの外面を通過して延出され、前記電子温度計の温度センサプローブは、前記収容箱内に位置
し、
前記収容箱には、ストッパーが設けられ、
前記ストッパーには、球冠状の溝が設けられ、
前記熱気管の排風口及び前記冷気管の排風口は、いずれも前記溝の中央部に向かうことを特徴とする、低温地域に適用される家庭用草花栽培システム。
【請求項2】
前記ストッパー内には、水を収容するための蒸発室が設けられ、
前記蒸発室の上端は、前記収容箱の内部に連通し、
前記ストッパーは、熱伝導性材料で作成されることを特徴とする、請求項
1に記載の低温地域に適用される家庭用草花栽培システム。
【請求項3】
前記草花室の側壁には、排気孔が設けられ、
前記排気孔の一端は、前記草花室に連通し、前記排気孔の他端は、前記ハウジングの外面に連通することを特徴とする、請求項1に記載の低温地域に適用される家庭用草花栽培システム。
【請求項4】
第1電磁弁、土壌湿度センサ及びコントローラをさらに含み、
前記空調システム室と前記草花室との間には水収容室が設けられ、前記蒸発器室の底部には、前記水収容室に連通する水滴下管が設けられ、前記水収容室の底部には、前記植木鉢に水を供給するための第1給水管が設けられ、前記第1電磁弁は、前記第1給水管に設けられ、前記植木鉢の中央部には、土壌湿度センサが設けられ、前記土壌湿度センサ及び前記第1電磁弁は、それぞれコントローラに電気的に接続されることを特徴とする、請求項
2に記載の低温地域に適用される家庭用草花栽培システム。
【請求項5】
前記植木鉢の上部の外側には、環状の灌水管が巻き取られ、前記第1給水管の下端は、前記灌水管に連通し、前記植木鉢の内壁の上部には、環状のスポンジ条が設けられ、前記灌水管の前記植木鉢に向かう管壁には、複数の第1通孔が間隔をあけて設けられ、前記植木鉢には、複数の前記第1通孔にそれぞれ対応する複数の第2通孔が設けられ、前記第1通孔内には、スポンジセグメントが設けられ、前記スポンジセグメントの一端は、前記第1通孔内に挿入され、前記スポンジセグメントの他端は、対応する前記第2通孔を通過して前記スポンジ条に接続されることを特徴とする、請求項
4に記載の低温地域に適用される家庭用草花栽培システム。
【請求項6】
前記スポンジセグメントは、傾斜して設けられ、前記スポンジセグメントの前記スポンジ条に接続される端の位置は、前記スポンジセグメントの前記灌水管に接続される端の位置よりも高いことを特徴とする、請求項
5に記載の低温地域に適用される家庭用草花栽培システム。
【請求項7】
前記水収容室の底部には、第2給水管が設けられ、前記第2給水管の下端は、前記蒸発室内に位置し、前記第2給水管の下端には、フロート弁が設けられることを特徴とする、請求項
4に記載の低温地域に適用される家庭用草花栽培システム。
【請求項8】
前記水収容室の上部には、溢流管が設けられることを特徴とする、請求項
4に記載の低温地域に適用される家庭用草花栽培システム。
【請求項9】
前記連通管の上端は、前記収容箱の底壁に連通し、前記連通管の下端は、前記ハウジングの底壁を通過して延出されることを特徴とする、請求項
4に記載の低温地域に適用される家庭用草花栽培システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栽培装置の技術分野に属し、特に低温地域に適用される家庭用草花栽培システムに関する。
【背景技術】
【0002】
社会が発展し、生活の質が向上するにつれて、自分の家で花を栽培する人が多くなっている。好熱性草花は、比較的温かい環境のみで成長することができる。環境温度の制約により、低温地域の人は家でその地域の低気温環境に適した草花しか栽培できず、選択可能な草花の種類が少ない。そこで、低温地域の人がその地域の低温環境に合わない好きな草花を栽培するために、このような好熱性草花を空調付きの部屋で栽培している。しかし、空調が動作する際に、部屋内の空気が乾燥になり、草花の成長に不利である。
【発明の概要】
【0003】
従来技術に存在する上記技術的問題を解決するために、本発明によれば、低温地域に適用される家庭用草花栽培システムが提供される。
【0004】
本発明の目的は、以下の技術的手段により達成される。
ハウジング及び電子温度計を含み、上記ハウジング内には、空調システムが収容される空調システム室及び植木鉢が収容される草花室が互いに離間して設けられ、上記空調システム室内には、圧縮機が収容される圧縮機室、凝縮器が収容される凝縮器室、及び蒸発器が収容される蒸発器室が互いに離間して設けられ、上記ハウジングには、凝縮器室に空気を供給するための第1送風機が固定して設けられ、上記凝縮器室と草花室との間に熱気管が接続され、上記熱気管には、第1分岐管が設けられ、上記熱気管における草花室と第1分岐管との間に位置する部分には、第1バルブが設けられ、上記第1分岐管には、第2バルブが設けられ、上記ハウジングには、蒸発器室に空気を供給するための第2送風機が固定して設けられ、上記蒸発器室と草花室との間に冷気管が接続され、上記冷気管には、第2分岐管が設けられ、上記冷気管における草花室と第2分岐管との間に位置する部分には、第3バルブが設けられ、上記第2分岐管には、第4バルブが設けられ、上記草花室内には、収容箱が設けられ、上記植木鉢は、収容箱内に位置し、上記収容箱には連通管が設けられ、上記連通管は、ハウジングの外面を通過して延出され、上記電子温度計の温度センサプローブは、収容箱内に位置することを特徴とする、低温地域に適用される家庭用草花栽培システム。
【0005】
上記技術的手段による有益な効果は、以下の通りである。
本発明に係る低温地域に適用される家庭用草花栽培システムを使用することにより、草花室内に入った熱気量及び冷気量を調整し、草花室内の温度を適宜な温度に調整でき、収容箱内の温度を好熱性草花の成長に適した温度に調節することができるため、本発明に係る草花栽培システムは、低温地域での好熱性草花の栽培に適し、低温地域で栽培可能な草花の種類は低気温により制限されることがなく、低温地域で栽培可能な草花の種類の選択範囲は広くなる。収容箱は、草花室内において独立した空間を形成する。収容箱の内部は、収容箱の箱壁を介して草花室における収容箱の外部にある部分と熱交換のみを行い、湿度交換を行わない。草花室内に入る熱気及び乾燥の冷気は収容箱内の空気の湿度に影響を与えないため、収容箱内の空気は、湿度が低下することなく温度が調整され得ることで好熱性草花の成長に適している。
【0006】
本発明に係る低温地域に適用される家庭用草花栽培システムによれば、植木鉢内の土壌に対する自動的な水分補給が実現される。植木鉢内の土壌に自動的に水を補充する際に、水が植木鉢内の土壌を洗い流すことが防止され、土壌肥沃度の低下が防止され、草花の成長により有利である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係る低温地域に適用される家庭用草花栽培システムの構造模式図である。
【
図4】本発明に係る低温地域に適用される家庭用草花栽培システムにおける植木鉢とスポンジ条との組み合わせ構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の技術的手段、特徴、目的及び効果をより明確にするために、以下、図面を参照しながら本発明を説明する。
【0009】
図1に示すように、本発明の家庭用草花栽培システムは、ハウジング1を含む。上記ハウジング1内には、空調システムが収容される空調システム室及び植木鉢2が収容される草花室3が設けられる。空調システム室と草花室3は互いに離間する。空調システムは、圧縮機4、凝縮器5、絞り弁(図示せず)及び蒸発器6を含む。上記空調システム室内には、圧縮機室7、凝縮器室8及び蒸発器室9が設けられる。圧縮機室7、凝縮器室8及び蒸発器室9は互いに離間する。圧縮機4は、圧縮機室7内に設けられ、凝縮器5は、凝縮器室8内に設けられ、蒸発器6は、蒸発器室9内に設けられる。圧縮機4の冷媒出口は、凝縮器5の冷媒入口に接続され、凝縮器5の冷媒出口は、絞り弁の入口に接続され、絞り弁の出口は、蒸発器6の冷媒入口に接続され、蒸発器6の冷媒出口は、圧縮機4の冷媒入口に接続される。空調システムが動作する際に、圧縮機4は低温低圧の気体冷媒を高温高圧の気体冷媒に圧縮し、そして、高温高圧の気体冷媒は凝縮器5に入り、凝縮器5において発熱して液体冷媒となる。この場合、冷媒は凝縮器5を加熱する。さらに、液体冷媒は絞り弁を通して蒸発器6に入り、蒸発器6において吸熱して気化し、低温低圧の気体冷媒となる。この場合、冷媒は蒸発器6を冷却する。低温低圧の気体冷媒は、圧縮機4に戻り、高温高圧の気体冷媒に圧縮される。このように循環することによって、凝縮器5は周囲の空気を継続的に加熱し、蒸発器6は周囲の空気を冷却する。
【0010】
上記ハウジング1には、外部環境の空気を凝縮器室8内に導入するための第1送風機10が固定して設けられる。上記凝縮器室8と草花室3との間には、熱気管11が設けられる。熱気管11の一端は凝縮器室8に連通し、熱気管11の他端は草花室3に連通する。第1送風機10によって凝縮器室8に導入された空気は、凝縮器5によって加熱された後に熱気管11に入る。上記熱気管11には第1分岐管12が設けられる。上記熱気管11における草花室3と第1分岐管12との間に位置する部分には、第1バルブ13が設けられる。上記第1分岐管12には、第2バルブ14が設けられる。熱気管11に入った熱気は、一部が熱気管11を通して草花室3に入り、もう一部が第1分岐管12を通して外部環境に排出される。第1バルブ13及び第2バルブ14を調整することにより、草花室3に入る熱気量及び第1分岐管12から外部環境に排出される熱気量を調整することができる。
【0011】
上記ハウジング1には、外部環境の空気を蒸発器室9内に導入するための第2送風機15が固定して設けられる。上記蒸発器室9と草花室3との間には、冷気管16が設けられる。冷気管16の一端は蒸発器室9に連通し、冷気管16の他端は草花室3に連通する。第2送風機15によって蒸発器室9に導入された空気は、蒸発器6によって冷却された後に冷気管16に入る。上記冷気管16には第2分岐管17が設けられる。上記冷気管16における草花室3と第2分岐管17との間に位置する部分には第3バルブ18が設けられる。上記第2分岐管17には、第4バルブ19が設けられる。冷気管16に入った冷気は、一部が冷気管16を通して草花室3に入り、もう一部が第2分岐管17を通して外部環境に排出される。第3バルブ18及び第4バルブ19を調整することにより草花室3に入る冷気量及び第2分岐管17から外部環境に排出される冷気量を調整することができる。上記草花室3の側壁には排気孔20が設けられる。上記排気孔20の一端は草花室3に連通し、上記排気孔20の他端はハウジング1の外面に連通する。草花室3は、排気孔20により外部環境に連通する。冷気及び熱気が草花室3内に入ると、草花室3内の過剰な空気は、排気孔20より外部環境に排出されることで、草花室3内の圧力が高くなり過ぎることがなく、熱気管11における熱気及び冷気管16における冷気は草花室3にスムーズに入ることができる。
【0012】
上記草花室3内には収容箱21が設けられる。上記植木鉢2は収容箱21内に位置する。収容箱21は、草花室3内において独立した空間を形成する。収容箱21の内部は、収容箱21の箱壁を介して草花室3における収容箱21の外部にある部分と熱交換のみを行い、湿度交換を行わない。これによって、収容箱21内の空気は、湿度が低下することなく、温度が調整され得る。上記収容箱21には連通管22が設けられる。上記連通管22は、ハウジング1の外面を通過して延出され、即ち、連通管22の一端が収容箱21の内部に連通し、連通管22の他端がハウジング1の壁を通過して延出されて外部環境に連通する。これによって、外部環境の空気は連通管22を通して収容箱21内に入り、草花の光合成に必要な二酸化炭素が保証される。本発明に係る低温地域に適用される家庭用草花栽培システムは、電子温度計23をさらに含む。上記電子温度計23の温度センサプローブは、収容箱21内に位置する。上記温度センサプローブにより収容箱21内の温度を検出し、電子温度計23に温度値を表示することができる。収容箱21内の温度を直感的に知ることができ、第1バルブ13、第2バルブ14、第3バルブ18及び第4バルブ19に対する調整が便利であり、草花室3における収容箱21の外部にある部分に入る熱気量及び冷気量を合理的に調整し、草花室3における収容箱21の外部にある部分を適宜な温度に調整することができ、さらに、収容箱21の内部と草花室3における収容箱21の外部にある部分との熱交換により、収容箱21の内部は、好熱性草花の成長に適切な温度に達することができる。
【0013】
図2に示すように、上記収容箱21にはストッパー24が固定して設けられる。上記ストッパー24には球冠状の溝25が形成される。上記熱気管11の排風口及び冷気管16の排風口はいずれも溝25の中央部に向かう。冷気及び熱気は、溝25の中央部に吹き込まれて速やかに混合し、そして球冠状の溝25の壁に沿って速やかに周囲に広がり、草花室3における収容箱21の外部にある部分の全体に充満することができる。これによって、草花室3における収容箱21の外部にある部分は均一な温度状態に速やかに達することができる。冷気管16から排出される冷気は、収容箱21の特定の部位のみに当たることがないため、収容箱21の箱壁に局所低温が発生しないことにより、収容箱21内の空気中の水蒸気が収容箱21の箱壁に凝縮することが防止され、収容箱21内の空気湿度が低下しないため、好熱性草花の成長により有利である。上記ストッパー24内には、水を収容するための蒸発室26が設けられる。上記蒸発室26の上端は、収容箱21の内部に連通する。上記ストッパー24はアルミニウムで作成されるが、鉄、銅又はABS熱伝導性プラスチックなどの他の熱伝導性材料で作成されてもよい。好熱性草花を植える際に、溝25内に直接吹き込む冷気と熱気が混合した気体の温度が比較的温かいため、ストッパー24を加熱することによって蒸発室26内の水を加熱できることで、蒸発室26内の水の蒸発速度が速くなる。蒸発室26内の水蒸気は収容箱21内に入って収容箱21内の空気湿度を高めることにより、草花の成長により有利である。
【0014】
上記草花栽培システムは、第1電磁弁27、土壌湿度センサ28及びコントローラをさらに含む。上記空調システム室と草花室3との間には、水収容室29が設けられる。空調システム室、水収容室29及び草花室3は上から下へ順に配置される。上記蒸発器室9の底部には、水収容室29に連通する水滴下管30が設けられる。空調システムが動作する際に、蒸発器室9内の蒸発器6は低温状態にある。第2送風機15により蒸発器室9に導入される空気中の水蒸気は低温の蒸発器6の表面で水滴に凝縮する。水滴は蒸発器室9の底部に滴下し、蒸発器室9の底部にある水滴下管30を通して水収容室29内に入ってそこに貯留される。上記水収容室29の上部には、溢流管31が設けられる。水収容室29内の水が蓄積され続けて溢流管31と水収容室29の接続箇所を超えたときに、過剰な水は溢流管31を通して排出することができる。
【0015】
上記水収容室29の底部には、植木鉢2に水を供給するための第1給水管32が設けられる。上記第1電磁弁27は、第1給水管32上に設けられる。上記植木鉢2の中央部には、土壌湿度センサ28が設けられる。上記土壌湿度センサ28、第1電磁弁27はそれぞれコントローラに電気的に接続される。上記植木鉢2の上部の外側には、環状の灌水管33が巻き取られる。灌水管33は、連接棒34により植木鉢2の外壁に固定して接続される。上記第1給水管32の下端には灌水管33が接続される。灌水管33には水管コネクタが設けられる。第1給水管32の下端は、水管コネクタにより灌水管33に接続される。上記植木鉢2の内壁の上部には、スポンジ条35が設けられる。スポンジ条35は、環状構造を形成するように植木鉢2の内壁に沿って設けられる(
図4)。草花を植える際に、スポンジ条35を土壌に埋める必要がある。上記灌水管33の植木鉢2に向かう管壁には、複数の第1通孔が間隔をあけて配置される。上記植木鉢2には、複数の第1通孔にそれぞれ対応する複数の第2通孔が設けられる。第1通孔内には、スポンジセグメント36が設けられる。スポンジセグメント36の一端は第1通孔内に挿入され、上記スポンジセグメント36の他端は対応する第2通孔を通過して上記スポンジ条35に接続される。土壌湿度センサ28は、植木鉢2内の土壌湿度を検出し、土壌湿度信号を電気信号に変換してコントローラに送信する。植木鉢2内の土壌湿度がコントローラに設定された湿度値の下限よりも低い場合、コントローラは、電磁弁を開き、水収容室29内の水が第1給水管32を経て灌水管33に入り、スポンジセグメント36が灌水管33内の水を吸収し、水がスポンジセグメント36に沿ってスポンジ条35に浸入し、植木鉢2内の土壌がスポンジ条35内の水を吸収することで土壌湿度が高くなる。土壌湿度がコントローラに設定された湿度値の上限に達すると、コントローラは電磁弁を閉める。これによって、草花土壌に対する自動的な水分補給が実現され、土壌水分の不足の草花成長に対する影響が防止される。上記スポンジセグメント36は傾斜して設けられる。上記スポンジセグメント36のスポンジ条35に接続される端の位置は、スポンジセグメント36の灌水管33に接続される端の位置よりも高い。水がスポンジセグメント36の吸水作用により植木鉢2内のスポンジ条35に吸引され得るが、灌水管33内の水がスポンジ条35に沿って植木鉢2内に流れ込むことがない。これによって、水が植木鉢2内の土壌を洗い流すことが防止され、土壌肥沃度の低下が防止され、草花の成長により有利である。灌水管33内の過剰な水が第1通孔から流出して収容箱21の底部に入る。上記連通管22の上端は、収容箱21の底壁に連通し、上記連通管22の下端は、ハウジング1の底壁を通過して延出される。収容箱21の底部に落ちた水は、連通管22から下向きに収容箱21から排出され、収容箱21の底壁に付着して排出できない少量の水は、蒸発することで収容箱21内の空気湿度を高めることができるため、草花の成長により有利である。
【0016】
図3に示すように、上記水収容室29の底部には第2給水管37が設けられる。上記第2給水管37の下端は、蒸発室26内に位置する。上記第2給水管37の下端にはフロート弁38が設けられる。蒸発室26内の水位が低下すると、フロート弁38は開かれ、水収容室29内の水は第2給水管37を通して蒸発室26に入り、蒸発室26に水を補充し、これによって、蒸発室26に自動的に水を補充する効果が得られる。
【0017】
草花室3の側壁及び収容箱21の側壁にはそれぞれ密閉ドア(図示せず)が設けられる。草花室3の側壁及び収容箱21の側壁に位置する密閉ドアは、互いに対向して設けられる。これによって、草花室3上の密閉ドア及び収容箱21上の密閉ドアを開き、植木鉢2を収容箱21に入れたり、収容箱21から取り出したりすることが容易である。収容箱21上の密閉ドアは、収容箱21が草花室3における収容箱21の外部にある部分と空気湿度を交換できないように収容箱21を密閉することができる。ハウジング1及び収容箱21はいずれも透明材料で作成され、これによって、収容箱21内の光の量は草花の光合成を満たすことができる。
【0018】
使用原理
植木鉢2内にスポンジ条35が土壌に埋め込まれるように土壌を充填し、そして土壌内に草花を植え、草花に最初の水やりをする。草花室3の側壁及び収容箱21の箱壁上の密閉ドアを開き、草花が植えられた植木鉢2を収容箱21内に置き、第1給水管32の下端を灌水管33上の水管コネクタに接続させ、土壌湿度センサ28のプローブを植木鉢2の中央部近傍の土壌に挿入する。収容箱21の箱壁上の密閉ドア及び草花室3の側壁上の密閉ドアを閉める。そして、空調システム、第1送風機10及び第2送風機15を動作させる。空調システムが動作する際に、凝縮器5は冷媒によって加熱されて凝縮器室8内の空気を加熱し、第1送風機10は外部環境の空気を凝縮器室8内に導入し、凝縮器室8内に入った空気は凝縮器5によって加熱された後に熱気管11に入る。第1バルブ13及び第2バルブ14を調整することにより熱気管11を通して草花室3に入る熱気量及び第1分岐管12から外部環境に排出される熱気量を調整することができる。蒸発器6は冷媒によって冷却されて蒸発器室9内の空気を冷却し、第2送風機15は外部環境の空気を蒸発器室9内に吸引し、蒸発器室9内に入る空気は蒸発器6によって冷却された後に冷気管16に入る。第3バルブ18及び第4バルブ19を調整することにより冷気管16を通して草花室3に入る冷気量及び第2分岐管17から外部環境に排出される冷気量を調整することができる。つまり、草花室3内に入った冷気量及び熱気量を調整し、さらに冷気と熱気が溝25内に混合した後の気体の温度を調整し、草花室3における収容箱21の外部にある部分の温度を適宜な温度に調整することができる。草花室3における収容箱21の外部にある部分内の空気は、収容箱21と熱交換することができ、収容箱21の内部における空気の温度を好熱性草花の成長に適した温度に調節することができる。電子温度計23に表示された数値を観察すれば、収容箱21内の温度は好熱性草花の成長に適した温度に調整されたか否かを確認することができる。これによって、本発明に係る草花栽培システムは、低温地域での好熱性草花の栽培に適し、低温地域で栽培可能な草花の種類は低気温により制限されることがなく、低温地域で栽培可能な草花の種類の選択範囲は広くなる。収容箱21は、草花室3内において独立した空間を形成する。収容箱21の内部は、収容箱21の箱壁を介して草花室3における収容箱21の外部にある部分と熱交換のみを行い、湿度交換を行わない。草花室3内に入る熱気及び乾燥の冷気は収容箱21内の空気の湿度に影響を与えないため、収容箱21内の空気は、湿度が低下することなく温度が調整され得ることで好熱性草花の成長に適している。
【0019】
蒸発器室9に入った空気中の水蒸気は蒸発器6の低温表面で水滴に継続的に凝縮し、水滴は蒸発器室9の底部に滴下し、蒸発器室9の底部にある水滴下管30を通して水収容室29内に入ってそこに貯留される。土壌湿度センサ28によって検出された土壌湿度値がコントローラに設定された土壌湿度値の下限よりも低い場合、コントローラは第1電磁弁27を開き、水収容室29内の水が第1給水管32を経て灌水管33に入り、スポンジセグメント36が灌水管33内の水を吸収し、水がスポンジセグメント36に沿ってスポンジ条35に浸入し、植木鉢2内の土壌がスポンジ条35内の水を吸収することで土壌湿度が高くなる。土壌湿度がコントローラに設定された湿度値の上限に達すると、コントローラは電磁弁を閉める。これによって、草花土壌に対する自動的な水分補給が実現され、土壌水分の不足の草花成長に対する影響が防止される。
【0020】
以上の説明は本発明の実施形態に過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書及び図面に記載の内容に基づいて得られる同等の構造、関連する他の技術分野への間接又は直接な適用は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0021】
1 ハウジング
2 植木鉢
3 草花室
4 圧縮機
5 凝縮器
6 蒸発器
7 圧縮機室
8 凝縮器室
9 蒸発器室
10 第1送風機
11 熱気管(11)
12 第1分岐管
13 第1バルブ
14 第2バルブ
15 第2送風機
16 冷気管
17 第2分岐管
18 第3バルブ
19 第4バルブ
21 収容箱
23 電子温度計
【要約】
本発明によれば、ハウジング(1)及び電子温度計(23)を含み、ハウジング(1)内には空調システム室及び植木鉢(2)が収容される草花室(3)が設けられ、空調システム室内には圧縮機(4)が収容される圧縮機室(7)、凝縮器(5)が収容される凝縮器室(8)、及び蒸発器(6)が収容される蒸発器室(9)が設けられ、ハウジング(1)には第1送風機(10)及び第2送風機(15)が設けられ、凝縮器室(8)と草花室(3)との間に熱気管(11)が設けられ、熱気管(11)には第1分岐管(12)が設けられ、熱気管(11)には第1バルブ(13)が設けられ、第1分岐管(12)には第2バルブ(14)が設けられ、蒸発器室(9)と草花室(3)との間に冷気管(16)が設けられ、冷気管(16)に第2分岐管(17)が設けられ、冷気管(16)には第3バルブ(18)が設けられ、第2分岐管(17)には第4バルブ(19)が設けられ、草花室(3)内には収容箱(21)が設けられ、植木鉢(2)は収容箱(21)内に位置し、電子温度計(23)の温度センサプローブは収容箱(21)内に位置する低温地域に適用される家庭用草花栽培システムが提供される。上記技術的手段により、低温地域で栽培可能な草花の種類の選択範囲は広くなる。
【選択図】
図1