(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F   7/02        20060101AFI20220425BHJP        
【FI】
A63F7/02 326Z 
(21)【出願番号】P 2017016536
(22)【出願日】2017-02-01
【審査請求日】2019-11-25
【審判番号】
【審判請求日】2021-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【氏名又は名称】石井  豪
(72)【発明者】
【氏名】酒井  悠樹
【合議体】
【審判長】▲吉▼川  康史
【審判官】鉄  豊郎
【審判官】北川  創
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-209165(JP,A)
【文献】特開2016-96996(JP,A)
【文献】特開2016-182222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F  7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
  遊技球が流下可能な遊技領域と、
  前記遊技領域に設けられ、遊技球が進入可能な第1始動領域及び第2始動領域と、
  前記遊技領域に設けられ、開放されると遊技球が入球可能となる大入賞口と、
  前記遊技領域を流下する遊技球が進入可能な
第1領域、及び、前記大入賞口に入球した遊技球が進入可能な第2領域を含む進入領域と、
  前記第1始動領域への遊技球の進入を条件として、少なくとも、前記大入賞口が開放するラウンド遊技が行われる特別遊技の実行が対応付けられた大当たり図柄、又は、前記特別遊技の不実行が対応付けられたハズレ図柄のいずれかの図柄を決定可能な第1図柄決定手段と、
  前記第2始動領域への遊技球の進入を条件として、少なくとも、前記大当たり図柄又は前記ハズレ図柄のいずれかの図柄を決定可能な第2図柄決定手段と、
  前記第1図柄決定手段又は前記第2図柄決定手段により前記図柄が決定された場合に、当該図柄についての変動表示の時間である変動時間を決定する変動時間決定手段と、
  前記第1図柄決定手段により決定された図柄(以下、第1図柄という)の変動表示を開始し、当該開始の時点から前記変動時間決定手段により決定された当該第1図柄の変動時間が経過すると当該第1図柄を停止表示させる第1図柄表示手段と、
  前記第2図柄決定手段により決定された図柄(以下、第2図柄という)の変動表示を開始し、当該開始の時点から前記変動時間決定手段により決定された当該第2図柄の変動時間が経過すると当該第2図柄を停止表示させる第2図柄表示手段と、
  前記第1図柄表示手段又は前記第2図柄表示手段によって前記大当たり図柄が停止表示されることに基づいて、前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、を備え、
  前記第1図柄決定手段は、前記第1図柄表示手段により前記第1図柄の変動表示が行われておらず、かつ、前記第1始動領域へ遊技球が進入したことを条件として、前記第1図柄を決定し、
  前記第2図柄決定手段は、前記第2図柄表示手段により前記第2図柄の変動表示が行われておらず、かつ、前記第2始動領域へ遊技球が進入したことを条件として、前記第2図柄を決定し、
  前記第1図柄及び前記第2図柄のいずれか一方の変動表示中に、前記第1図柄及び前記第2図柄のいずれか他方が決定された場合には、前記第1図柄表示手段による前記第1図柄の変動表示と、前記第2図柄表示手段による前記第2図柄の変動表示とを並行して実行可能な遊技機であって、
  前記変動時間決定手段は、前記第2図柄の変動時間として、前記第1図柄の変動時間として決定可能な変動時間よりも長い変動時間を決定可能であり、
  前記特別遊技実行手段は、
  前記第2図柄決定手段により前記大当たり図柄が決定され、かつ前記
第1領域へ遊技球が進入した場合に前記特別遊技を開始させ、
この開始された特別遊技における所定の前記ラウンド遊技中に前記
第2領域へ遊技球が進入しなかった場合に当該特別遊技を終了させることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
  本発明は、遊技機に関し、詳しくは、遊技領域に設けられた始動領域へ遊技球が進入することを条件として、大入賞口が開放される特別遊技の実行を決定する遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
  従来、この種の遊技機として、第1始動入賞口及び第2始動入賞口の2つの始動入賞口(始動領域)が設けられ、いずれかの始動入賞口への遊技球の入球に基づいて大当たりの抽選のための乱数を取得し保留として記憶するとともに、予め定められた始動条件の成立を契機として記憶されている保留を読み出し、この読み出された保留に係る乱数に基づいて大当たりの抽選を行って、大当たりに当選した場合に多くの賞球を獲得可能な特別遊技を実行可能となるようなものが知られている。このような遊技機においては、大当たりの抽選が行われると当該抽選の結果が対応付けられた図柄が決定され、図柄の変動表示が行われるとともに、所定の変動時間経過後に決定された図柄を停止表示させることにより大当たりの抽選の結果が報知されるようになっているのが一般的である。
  また、上述のような2つの始動入賞口が設けられた遊技機では、第1始動入賞口への遊技球の入球に基づく保留、及び、第2始動入賞口への遊技球の入球に基づく保留のいずれもが記憶される場合があり、この場合における保留の処理として、双方の保留を同時に処理する(いわゆる同時回し制御を行う)ものが知られている(特許文献1及び2参照)。
  一方、近年では、第2始動入賞口に係る保留に基づく抽選における小当たりの当選確率を高く設定するとともに、所定の遊技状態において第2始動入賞口への遊技球の入球を遊技者に狙わせることにより、当該所定の遊技状態において、小当たりの当選に基づく大入賞口の開放が頻繁に行われるようにして、大入賞口への遊技球の入球の機会を増やし、小当たりの当選に基づく大入賞口の開放中に遊技球を大入賞口へ入球させることで賞球を獲得していくといった遊技性を有する遊技機が考案されている。このような遊技機においては、所定の遊技状態以外の遊技状態中は、第1始動入賞口への遊技球の入球を遊技者に狙わせるように設定されているものの、第2始動入賞口へ遊技球が入球すれば頻繁に小当たりに当選するため、常に第2始動入賞口への遊技球の入球を狙うという遊技方法により遊技が行われるおそれがある。そこで、このような遊技機においては、上述した第1始動入賞口に係る保留、及び、第2始動入賞口に係る保留を同時に処理する制御を利用するとともに、所定の遊技状態以外の遊技状態中は、第2始動入賞口に係る保留に基づく図柄の変動表示の時間を極めて長い時間とすることで、第2始動入賞口への遊技球の入球を狙った場合には、極めて時間効率の悪い遊技となってしまうように設定することが行われている。これにより、所定の遊技状態以外の遊技状態中に、第2始動入賞口への遊技球の入球を狙うという遊技方法により遊技が行われることを抑止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
               【文献】特開2009-268521号公報
               【文献】特開2009-039239号公報
             
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
  しかし、このような遊技機では、遊技者が操作ミス等をしたことにより、所定の遊技状態以外の遊技状態中に第2始動入賞口へ遊技球が入球し、当該入球に基づく抽選により大当たりに当選してしまうようなケースが生じ得る。このようなケースが生じた場合、上述の如く、第2始動入賞口への遊技球の入球に基づく図柄の変動表示の時間は極めて長い時間となるため、第2始動入賞口への遊技球に入球に基づき大当たりに当選しているにもかかわらず、図柄の変動表示が停止する前に遊技者が遊技を止め離席することにより、遊技が行われていない遊技機において特別遊技が実行され、特別遊技が実行されたままの状態で遊技機が放置されてしまうという問題が生じていた。
【0005】
  そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、特別遊技が実行されたままの状態で放置されることを極力防止することが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
  上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
  以下、本発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて説明する。なお、下記の符号及び記載は、本発明の構成に相当する発明の実施の形態における構成の符号及び名称を示したものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
  (1)本発明は、遊技球が流下可能な遊技領域12と、前記遊技領域12に設けられ、遊技球が進入可能な第1始動領域(第1始動入賞口15)及び第2始動領域(第2始動入賞口16)と、前記遊技領域12に設けられ、開放されると遊技球が入球可能となる大入賞口(第1大入賞口18)と、前記遊技領域12を流下する遊技球が進入可能な第1領域、及び、前記大入賞口に入球した遊技球が進入可能な第2領域を含む進入領域(ゲート20、継続領域58)と、前記第1始動領域への遊技球の進入を条件として、少なくとも、前記大入賞口が開放するラウンド遊技が行われる特別遊技の実行が対応付けられた大当たり図柄、又は、前記特別遊技の不実行が対応付けられたハズレ図柄のいずれかの図柄を決定可能な第1図柄決定手段(メインCPU101)と、前記第2始動領域への遊技球の進入を条件として、少なくとも、前記大当たり図柄又は前記ハズレ図柄のいずれかの図柄を決定可能な第2図柄決定手段(メインCPU101)と、前記第1図柄決定手段又は前記第2図柄決定手段により前記図柄が決定された場合に、当該図柄についての変動表示の時間である変動時間を決定する変動時間決定手段(メインCPU101)と、前記第1図柄決定手段により決定された図柄(以下、第1図柄という)の変動表示を開始し、当該開始の時点から前記変動時間決定手段により決定された当該第1図柄の変動時間が経過すると当該第1図柄を停止表示させる第1図柄表示手段(メインCPU101)と、前記第2図柄決定手段により決定された図柄(以下、第2図柄という)の変動表示を開始し、当該開始の時点から前記変動時間決定手段により決定された当該第2図柄の変動時間が経過すると当該第2図柄を停止表示させる第2図柄表示手段(メインCPU101)と、前記第1図柄表示手段又は前記第2図柄表示手段によって前記大当たり図柄が停止表示されることに基づいて、前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段(メインCPU101)と、を備え、前記第1図柄決定手段は、前記第1図柄表示手段により前記第1図柄の変動表示が行われておらず、かつ、前記第1始動領域へ遊技球が進入したことを条件として、前記第1図柄を決定し、前記第2図柄決定手段は、前記第2図柄表示手段により前記第2図柄の変動表示が行われておらず、かつ、前記第2始動領域へ遊技球が進入したことを条件として、前記第2図柄を決定し、前記第1図柄及び前記第2図柄のいずれか一方の変動表示中に、前記第1図柄及び前記第2図柄のいずれか他方が決定された場合には、前記第1図柄表示手段による前記第1図柄の変動表示と、前記第2図柄表示手段による前記第2図柄の変動表示とを並行して実行可能な遊技機(パチンコ機P)であって、前記変動時間決定手段は、前記第2図柄の変動時間として、前記第1図柄の変動時間として決定可能な変動時間よりも長い変動時間を決定可能であり、前記特別遊技実行手段は、前記第2図柄決定手段により前記大当たり図柄が決定され、かつ前記第1領域へ遊技球が進入した場合に前記特別遊技を開始させ、この開始された特別遊技における所定の前記ラウンド遊技中に前記第2領域へ遊技球が進入しなかった場合に当該特別遊技を終了させることを特徴とする。
  本発明に係る遊技機においては、第2図柄決定手段により大当たり図柄が決定され、かつ第1領域へ遊技球が進入すると特別遊技が開始され、この開始された特別遊技におけるラウンド遊技中に第2領域へ遊技球が進入しなかった場合には特別遊技が終了する。
  すなわち、本発明に係る遊技機によれば、遊技者によって遊技が行われておらず放置された場合には進入領域へ遊技球が進入することはないため、特別遊技が実行されても速やかに特別遊技が終了することとなる。これにより、特別遊技が実行されたままの状態で遊技機が放置されることを極力防止することができるのである。
【発明の効果】
【0011】
  本発明によれば、特別遊技が実行されたままの状態で放置されることを極力防止することが可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
            
            【
図2】パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。
 
            
            【
図4】パチンコ機の第2アタッカー装置内部の外観斜視図である。
 
            【
図5】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
 
            【
図6】パチンコ機の大当たり乱数判定テーブルの説明図である。
 
            【
図7】パチンコ機の特別図柄乱数判定テーブルの説明図である。
 
            【
図8】パチンコ機のリーチグループ決定乱数判定テーブルの説明図である。
 
            【
図9】パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。
 
            【
図10】パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。
 
            【
図11】パチンコ機の変動パターン抽選テーブルの説明図である。
 
            【
図12】パチンコ機の変動時間決定テーブルの説明図である。
 
            【
図13】パチンコ機の特図停止表示時間決定テーブルの説明図である。
 
            【
図14】パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。
 
            【
図15】パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。
 
            【
図16】パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
 
            【
図17】パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。
 
            【
図18】パチンコ機の普図停止表示時間決定テーブルの説明図である。
 
            【
図19】パチンコ機の特別第1始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。
 
            【
図20】パチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。
 
            【
図21】パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図22】パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図23】パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図24】パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図25】パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図26】パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図27】パチンコ機の主制御基板における継続領域検出時処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図28】パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図29】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図30】パチンコ機の主制御基板における変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図31】パチンコ機の主制御基板における変動演出パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図32】パチンコ機の主制御基板における変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図33】パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図34】パチンコ機の主制御基板における開始時大当たり信号出力処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図35】パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図36】パチンコ機の主制御基板におけるラウンド遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図37】パチンコ機の主制御基板における終了時大当たり信号出力処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図38】パチンコ機の主制御基板における小当たり遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図39】パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図40】パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図41】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図42】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図43】パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図44】パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。
 
            【
図45】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
 
            【
図46】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
 
          
【発明を実施するための形態】
【0013】
  以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
  (パチンコ機Pの外部構成)
  本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置Rが各パチンコ機Pに隣接して設置される。各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。また、島には、1台のパチンコ機Pごとに、パチンコ機Pにおける遊技に関する情報(後述する特別遊技の実行中である旨、後述する大当たり回数等)を表示するための遊技情報表示装置が設置されている。各パチンコ機Pは対応する遊技情報表示措置と接続されている。
  遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0014】
  本形態に係るパチンコ機Pは、
図1又は
図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
 
【0015】
  機枠1の左下部には、
図2に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
 
【0016】
  このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0017】
  また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(
図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
 
【0018】
  また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0019】
  ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
  この遊技領域12は、
図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
 
【0020】
  また、この遊技領域12内には、
図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動する第1アタッカー装置17及び第2アタッカー装置54と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21と、が設けられている。
  また、本形態に係るパチンコ機Pには、第1始動入賞口15として、後述する可動片15dが設けられていない通常第1始動入賞口15a、及び、可動片15dが設けられている特別第1始動入賞口15bの2つが設けられている。
 
【0021】
  一般入賞口14は、
図3に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出される。
  なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
 
【0022】
  通常第1始動入賞口15aは、
図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。また、特別第1始動入賞口15bは、
図3に示すように、通常第1始動入賞口15aの左上方(第1遊技領域12aのほぼ中央)に設けられている。そして、通常第1始動入賞口15a及び特別第1始動入賞口15bへは、第1遊技領域12aを流下する遊技球のみが入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球は入球できないようになっている。
  これに対して、第2始動入賞口16は、
図3に示すように、通常第1始動入賞口15aの右上方(第2遊技領域12bのほぼ中央)に設けられている。そのため、第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみが入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
 
【0023】
  また、特別第1始動入賞口15bには、
図3に示すように、開閉可能な可動片15d(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片15dが閉じているときには特別第1始動入賞口15bが閉状態となっており、特別第1始動入賞口15bへの遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片15dが開くと、特別第1始動入賞口15bが開状態となるとともに、この可動片15dが遊技球を特別第1始動入賞口15bへ向けて案内するガイド部材として機能することにより、特別第1始動入賞口15bへの遊技球の入球が容易となる。
  また、この可動片15dの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して特別第1始動入賞口15bを開閉する一対の羽根部材(
図3参照)や、遊技盤11と水平な軸を中心に前後方向に回動して特別第1始動入賞口15bを開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして特別第1始動入賞口15bを開閉するシャッター部材により構成してもよい。
  このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16が上述のような構成や設置位置となっていることから、遊技球が第1遊技領域12aに進入するような発射強度で発射装置を操作すれば(すなわち、第1遊技領域12aへ遊技球が進入するように遊技球を打ち出せば)、通常第1始動入賞口15a及び特別第1始動入賞口15bへ遊技球が入球可能となっており、遊技球が第2遊技領域12bに進入するような発射強度で発射装置を操作すれば(すなわち、第2遊技領域12bへ遊技球が進入するように遊技球を打ち出せば)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となっている。
 
【0024】
  そして、第1始動入賞口15(通常第1始動入賞口15a、特別第1始動入賞口15b)又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技や小当たり遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を受けられるようになっている。
  なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片15bが設けられている始動入賞口(特別第1始動入賞口15b)と可動片15bが設けられていない始動入賞口(通常第1始動入賞口15a、第2始動入賞口16)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。
【0025】
  ゲート20は、
図3に示すように、特別第1始動入賞口15bの上方(第1遊技領域12aにおける高さ方向の中央位置よりも上側)に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の特別第1始動入賞口15bに設けられた可動片15dが所定時間開かれるようになっている。
 
【0026】
  第1アタッカー装置17は、
図3に示すように、通常第1始動入賞口15aの下方に設けられている。この第1アタッカー装置17は、遊技球が入球可能な第1大入賞口18と、この第1大入賞口18を開閉する第1開閉扉18bと、を備えている。この第1開閉扉18bは、第1大入賞口18を開放する開位置と、第1大入賞口18を閉鎖する閉位置との間を変位可能となっている。
  そして、常態においては、第1開閉扉18bが閉位置に位置し(すなわち、第1開閉扉18bが閉じられ)第1大入賞口18は閉鎖されているため、当該第1大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっている。これに対して、特別遊技が実行されると後述の第1大入賞口18が開放されるラウンド遊技(本形態では1ラウンド)において、第1開閉扉18bが開位置に位置し(すなわち、第1開閉扉18bが開き)第1大入賞口18が開放されるとともに、第1開閉扉18bが遊技球を第1大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより第1大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。同様に、小当たり遊技が実行されると、第1大入賞口18が開放され、第1大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
  また、第1大入賞口18へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球、及び、第2遊技領域12bを流下する遊技球のいずれもが入球可能となっている。なお、第1大入賞口18は、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できず、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみが入球可能となるような位置に設けてもよい。
  そして、第1大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出される。
 
【0027】
  第2アタッカー装置54は、
図3に示すように、第1アタッカー装置17の下方に設けられている。この第2アタッカー装置54は、遊技球が入球可能な第2大入賞口55と、この第2大入賞口55を開閉する第2開閉扉55bと、を備えている。この第2開閉扉55bは、第2大入賞口55を開放する開位置と、第2大入賞口55を閉鎖する閉位置との間を変位可能となっている。
  そして、常態においては、第2開閉扉55bが閉位置に位置し(すなわち、第2開閉扉55bが閉じられ)第2大入賞口55は閉鎖されているため、当該第2大入賞口55への遊技球の入球は不可能となっているものの、特別遊技が実行されると、後述の第2大入賞口55が開放される各ラウンド遊技(本形態では2ラウンド以降)において、第2開閉扉55bが開位置に位置し(すなわち、第2開閉扉55bが開き)第2大入賞口55が開放されるとともに、第2開閉扉55bが遊技球を第2大入賞口55へ導く受皿部材として機能することにより第2大入賞口55への遊技球の入球が可能となる。
  また、第1大入賞口18と同様に、第2大入賞口55へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球、及び、第2遊技領域12bを流下する遊技球のいずれもが入球可能となっている。なお、第2大入賞口55は、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できず、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみが入球可能となるような位置に設けてもよい。
  そして、第2大入賞口55へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出される。
 
【0028】
  さらに、第2アタッカー装置54内の底部中央には、
図4に示すように、当該第2アタッカー装置54内(第2大入賞口55)へ入球した遊技球が進入可能な一般領域57及び継続領域58が設けられている。この第2アタッカー装置54内の底部は、左右両端から一般領域57及び継続領域58が設けられている中央に向けて次第に低くなるように傾斜している。これにより、第2アタッカー装置54内へ入球した遊技球は、当該第2アタッカー装置54内の底部を中央へ向けて転動することとなる。
 
【0029】
  また、
図4に示すように、第2アタッカー装置54の内部には、一般領域57及び継続領域58を開閉するためのシャッター部59が設けられている。このシャッター部59は、遊技盤11から突出した板部材であり、一般領域57が閉状態となるとともに継続領域58が開状態となる第1位置と、一般領域57が開状態となるとともに継続領域58が閉状態となる第2位置との間を変位可能となっている。特別遊技における第2大入賞口55が開放される各ラウンド遊技の実行中は、予め定められた作動パターンで第1位置と第2位置との間を変位する。
 
【0030】
  そして、シャッター部59が第1位置にあるときには、第2アタッカー装置54内へ入球した遊技球は、一般領域57へ進入することができず、継続領域58へ進入することとなる。これに対して、シャッター部59が第2位置にあるときには、第2アタッカー装置54内へ入球した遊技球は、継続領域58へ進入することができず、一般領域57へ進入することとなる。
  このように、第2アタッカー装置54内へ入球した(第2大入賞口55へ入球した)遊技球が継続領域58へ進入するか否かは、第2アタッカー装置54内に遊技球が入球するタイミング、シャッター部59の位置(第1位置又は第2位置)等に委ねられることとなる。
【0031】
  また、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの特別図柄が決定された場合であっても、第2大入賞口55が開放される各ラウンド遊技においては、同一の開閉パターンで第2開閉扉55bが開閉し、同一の作動パターンでシャッター部59が変位するように設定されており、継続領域58への遊技球の進入の難易度は同一となっている。そして、本形態に係るパチンコ機Pは、第2大入賞口55が開放される各ラウンド遊技において、遊技者が遊技球を指示通りに打ち出していれば必ず、第2大入賞口55へ遊技球が入球しかつ継続領域58へ遊技球が進入するように、遊技盤11の盤面構造、第2アタッカー装置54の内部構造、第2開閉扉55bの開閉パターン、シャッター部59の作動パターンが設定されている。
  なお、第2開閉扉55bの開閉パターン、シャッター部59の作動パターンは、決定された特別図柄の種別に応じて異なるように設定してもよい。このように設定することで、決定された特別図柄に応じて、継続領域58への遊技球の進入の難易度を変化させることができる。
  また、シャッター部59は設けなくてもよい。この場合には、継続領域58へ遊技球が進入するか否かは、第2アタッカー装置54内に遊技球が入球するタイミングのみに委ねられることとなる。
【0032】
  さらに、第2大入賞口55が開放される各ラウンド遊技においては、特定個数(本形態では1個)の遊技球が継続領域58へ進入した場合には、実行されたラウンド遊技の数が上限のラウンド数に達していないこと(実行中のラウンド遊技が最終ラウンドでないこと)を条件に、次のラウンド遊技が実行されるようになっている。これに対して、特定個数の遊技球が継続領域58へ進入しなかった場合、実行されたラウンド遊技の数が上限のラウンド数に達していない(実行中のラウンド遊技が最終ラウンドでない)ときであっても、次のラウンド遊技は実行されず特別遊技が終了するようになっている。
  すなわち、第2大入賞口55が開放される各ラウンド遊技(2ラウンド以降のラウンド遊技)においては、特定個数の遊技球が継続領域58へ進入しない限り、実行中のラウンド遊技の終了をもって特別遊技が終了することとなる。これに対して、第1アタッカー装置17内(第1大入賞口18)には継続領域58は設けられておらず、第1大入賞口18が開放されるラウンド遊技(1ラウンド)においては、実行中のラウンド遊技の終了をもって特別遊技が終了してしまうことはなく、実行中のラウンド遊技が終了すると、必ず次のラウンド遊技が実行されることとなる。
【0033】
  アウト口19は、
図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15(通常第1始動入賞口15a、特別第1始動入賞口15b)、第2始動入賞口16、第1大入賞口18及び第2大入賞口55のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
 
【0034】
  演出表示装置21は、
図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられている。この表示部21aにおいては、背景画像の表示が行われるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により後述する大当たりの抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
  なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
  なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
 
【0035】
  本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(
図2参照)を備えている。
  なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
  また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21において所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、上述の所定の演出が進行したり、異なる演出に切り替わったりするようになっている。
  なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
 
【0036】
  また、
図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
 
【0037】
  また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、
図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
 
【0038】
  (パチンコ機Pの制御手段の構成)
  次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
  上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、
図5に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
 
【0039】
  また、
図5に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。
  さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
  なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
 
【0040】
  また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
【0041】
  主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15(通常第1始動入賞口15a、特別第1始動入賞口15b)又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技、遊技者にとって有利な特別遊技や小当たり遊技等を制御する。
  この主制御基板100は、
図4に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
  そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
 
【0042】
  また、
図5に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、通常第1始動入賞口15aへ遊技球が入球したことを検出する通常第1始動入賞口検出センサ15eと、特別第1始動入賞口15bへ遊技球が入球したことを検出する特別第1始動入賞口検出センサ15fと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、第1大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出センサ18aと、第2大入賞口55へ遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出センサ55aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波等を検出する不正検出センサ35と、継続領域58への遊技球の進入を検出する継続領域検出センサ58aと、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
 
【0043】
  さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、特別第1始動入賞口15bの可動片15dを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド15cと、第1大入賞口18の第1開閉扉18bを開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド18cと、第2大入賞口55の第2開閉扉55bを開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド55cと、シャッター部59を変位させるシャッター部ソレノイド59cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
  そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで特別第1始動入賞口15b、第1大入賞口18、第2大入賞口55の開閉制御やシャッター部59の変位制御がなされ、また、各表示装置の表示制御がなされるようになっている。
【0044】
  発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0045】
  図5に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
 
【0046】
  そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御がなされる。
  なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0047】
  また、発射払出制御基板200には、
図5に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
 
【0048】
  さらに、発射払出制御基板200には、
図5に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
 
【0049】
  前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、扉閉鎖コマンドを主制御基板100に送信する。
【0050】
  受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられており、受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなり、検出信号が発射払出制御基板200に出力されるようになっている。そして、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間、検出信号が発射払出制御基板200に対して連続的に出力されることとなる。発射払出制御基板200は、検出信号が所定時間連続して入力されることにより、受皿7が満タン状態であると判断して、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、発射払出制御基板200への検出信号の連続的な入力が途絶えると、受皿7の満タン状態が解除されたものと判断し、受皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
  すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、受皿7が満タン状態となることで受皿満タンエラーが発生し、受皿7の満タン状態が解除されることで受皿満タンエラーが解除されるようになっている。
【0051】
  また、本形態では、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。換言すれば、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、発射払出制御基板200が、遊技球貸出制御基板400を介して遊技球貸出装置Rに接続されている。
  また、
図5に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
 
【0052】
  球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御がなされる。
  また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
【0053】
  副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
  この副制御基板300は、
図5に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
  そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)等に、演出実行用のコマンドを送信する。
  なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
 
【0054】
  また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。さらに、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
【0055】
  画像制御基板は、特に図示していないが、CPU、ROM、RAM及びVRAM等を備えている。この画像制御基板のROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、CPUが、ROMから読み出した画像データをVRAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0056】
  音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
【0057】
  電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0058】
  外部情報端子基板500は、遊技進行上の種々の情報や信号を、パチンコ機Pの外部に出力するものである。
  具体的には、この外部情報端子基板500は、各パチンコ機Pにおける大当たり回数や賞球数等の集計や管理を行うホールコンピュータ(特に図示しておらず)や、特別遊技の実行中である旨、大当たり回数、特別遊技終了からの大当たりの抽選回数(変動回数)を表示するための遊技情報表示装置等と接続されている。
  そして、大当たりに当選したり、大当たりの抽選や賞球の払い出し等が行われたりすると、主制御基板100や発射払出制御基板200が所定のコマンド(信号)を外部情報端子基板500へ送信し、外部情報端子基板500が、受信した上述のコマンドをホールコンピュータや遊技情報表示装置へ出力する。これにより、ホールコンピュータや遊技情報表示装置において、各パチンコ機Pにおける遊技進行上の種々の情報を把握することができるようになっている。
【0059】
  (パチンコ機Pの遊技の概要)
  次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
  上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、を組み合わせたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
  具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)、低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、低確率時短遊技状態という)、又は、高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率非時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
【0060】
  ここで、低確率遊技状態及び高確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率がそれぞれ異なるように設定された遊技状態であり、高確率遊技状態においては、大当たりの抽選によって大当たりに当選確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定されている。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
【0061】
  また、非時短遊技状態及び時短遊技状態は、特別第1始動入賞口15bへの遊技球の入球の難易度がそれぞれ異なるように設定された遊技状態であり、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも、可動片15dが開いた状態に維持されやすい(すなわち、特別第1始動入賞口15bが開状態となりやすい)ように設定されている。すなわち、非時短遊技状態中よりも時短遊技状態中のほうが、特別第1始動入賞口15bへ遊技球が入球しやすくなっている。
  なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0062】
  本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15(通常第1始動入賞口15a、特別第1始動入賞口15b)又は第2始動入賞口16に入球すると、遊技者に遊技利益が対応付けられた特別図柄を決定する大当たりの抽選が行われる。
  そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、第1大入賞口18又は第2大入賞口55が開放され、この開放された第1大入賞口18又は第2大入賞口55へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が、通常遊技状態、低確率時短遊技状態又は高確率非時短遊技状態のいずれかに設定されるようになっている。すなわち、当該特別遊技の終了後は、通常遊技状態、低確率時短遊技状態又は高確率非時短遊技状態のいずれかへ移行するようになっている。
【0063】
  また、上述の大当たりの抽選によって小当たりに当選すると、第1大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球可能な小当たり遊技が実行される。そして、この小当たり遊技において、遊技球が第1大入賞口18へ入球すると、上述のように所定個数の遊技球が払い出される。なお、小当たり遊技の終了後の遊技状態は、当該小当たり遊技の開始前の遊技状態のままである。すなわち、小当たり遊技が実行された場合には、遊技状態は変わることがないようになっている。
【0064】
  ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、主に、ゲート20の通過、特別第1始動入賞口15bへの入球、通常第1始動入賞口15aへの入球、第1大入賞口18への入球、第2大入賞口55への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、主に、第2始動入賞口16への入球、第1大入賞口18への入球、第2大入賞口5への入球が可能となっている。
  そして、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態中は、遊技球がゲート20を通過し、また、遊技球が特別第1始動入賞口15b又は通常第1始動入賞口15aへ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、高確率非時短遊技状態中、特別遊技中及び小当たり遊技中は、遊技球が大入賞口18へ入球し、また、遊技球が第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
  具体的には、高確率非時短遊技状態中、特別遊技中及び小当たり遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨の表示が行われ、通常遊技状態中及び低確率時短遊技状態中は、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨の表示が行われる。
【0065】
  大当たりの抽選は、第1始動入賞口15(通常第1始動入賞口15a、特別第1始動入賞口15b)又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
  ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係る乱数として、大当たりの抽選の結果の判定に用いられる大当たり乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる特別図柄乱数、並びに、上述の変動演出のパターン(以下、変動演出パターンという)を決定するための変動モード番号、変動パターン番号の決定に用いられるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を有している。
  なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の大当たり乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
  また、変動演出パターンの決定に用いられる乱数は上述の3種類に限定されるものではなく、たとえば、これらの乱数に加えて他の乱数を用いてもよいし、これらの乱数のうちいずれか1又は複数の乱数を用いてもよい。
【0066】
  そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
  この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0067】
  また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0068】
  同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
  また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
  なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」という場合があり、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」という場合がある。
【0069】
  また、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係るテーブルとして、大当たり乱数判定テーブル110、特別図柄乱数判定テーブル111、リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113、及び、変動パターン抽選テーブル114を有している。
  なお、大当たりの抽選に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0070】
  大当たり乱数判定テーブル110は、大当たりの抽選の結果を判定するためのものであって、
図6(a)~(d)に示すように、低確率遊技状態(通常遊技状態、低確率時短遊技状態)において第1特図乱数(すなわち、第1始動入賞口15(通常第1始動入賞口15a、特別第1始動入賞口15b)への遊技球の入球を契機に取得された大当たり乱数)に基づいて大当たりの抽選の結果を判定する場合に参照される第1大当たり乱数判定テーブル110aと、高確率遊技状態(高確率非時短遊技状態)において第1特図乱数に基づいて大当たりの抽選の結果を判定する場合に参照される第2大当たり乱数判定テーブル110bと、低確率遊技状態において第2特図乱数(すなわち、第2始動入賞口16への遊技球の入球を契機に取得された大当たり乱数)に基づいて大当たりの抽選の結果を判定する場合に参照される第3大当たり乱数判定テーブル110cと、高確率遊技状態において第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選の結果を判定する場合に参照される第4大当たり乱数判定テーブル110dと、を備えている。
  本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の大当たり乱数が取得される。そして、遊技球が入球した始動入賞口、及び、大当たりの抽選を開始するとき(すなわち、大当たりの判定を行うとき)の遊技状態に応じた大当たり乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり乱数と選択された大当たり乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選の結果が判定される。
 
【0071】
  図6(a)に示すように、第1大当たり乱数判定テーブル110aによれば、大当たり乱数が1000~1204であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、1205~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1大当たり乱数判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/319となる。
 
【0072】
  また、
図6(b)に示すように、第2大当たり乱数判定テーブル110bによれば、大当たり乱数が1000~3183であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、3184~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2大当たり乱数判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/30となる。
 
【0073】
  また、
図6(c)に示すように、第3大当たり乱数判定テーブル110cによれば、大当たり乱数が1000~1204であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が1205~65535であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第3大当たり乱数判定テーブル110cにおける大当たりの当選確率はおよそ1/319、小当たりの当選確率はおよそ98/100となる。
 
【0074】
  また、
図6(d)に示すように、第4大当たり乱数判定テーブル110dによれば、大当たり乱数が1000~3183であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が3184~65535であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第4大当たり乱数判定テーブル110dにおける大当たりの当選確率はおよそ1/30、小当たりの当選確率はおよそ95/100となる。
  このように、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たりの当選確率がおよそ10倍となるように設定されている。また、第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われる場合には、小当たりに当選するものの、第1特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われる場合には小当たりに当選しないように設定されている。
  なお、第1特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われる場合にも小当たりに当選するように設定してもよい。
 
【0075】
  特別図柄乱数判定テーブル111は、上述の如く、特別図柄の種別を決定するためのものであって、
図7(a)~(c)に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1特別図柄乱数判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2特別図柄乱数判定テーブル111bと、第2特図乱数によって小当たりに当選した場合に参照される第3特別図柄乱数判定テーブル111cと、を備えている。
  本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の特別図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たり又は小当たりに当選した場合に、特別図柄乱数の取得の契機となった遊技球が入球した始動入賞口、及び、大当たりの抽選の結果に応じた特別図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された特別図柄乱数と選択された特別図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
 
【0076】
  本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した(すなわち、大当たりとの判定結果が得られた)場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として3種類の特別図柄(X1、X2、X3)が設けられており、小当たりに当選した(すなわち、小当たりとの判定結果が得られた)場合に決定される特別図柄(以下、小当たり図柄という)として1種類の特別図柄(Y1)が設けられており、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の特別図柄(Z1、Z2)が設けられている。
【0077】
  図7(a)に示すように、第1特別図柄乱数判定テーブル111aによれば、特別図柄乱数が0~39であった場合に大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が40~79であった場合に大当たり図柄X2が決定され、特別図柄乱数が80~199であった場合に大当たり図柄X3が決定される。すなわち、この第1特別図柄乱数判定テーブル111aにおいては、大当たり図柄X1が決定される確率及び大当たり図柄X2が決定される確率はいずれも20%、大当たり図柄X3が決定される確率は60%となっている。
 
【0078】
  また、
図7(b)に示すように、第2特別図柄乱数判定テーブル111bによれば、特別図柄乱数が0~19であった場合に大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が20~79であった場合に大当たり図柄X2が決定され、特別図柄乱数が80~199であった場合に大当たり図柄X3が決定される。すなわち、この第2特別図柄乱数判定テーブル111bにおいては、大当たり図柄X1が決定される確率は10%、大当たり図柄X2が決定される確率は30%、大当たり図柄X3が決定される確率は60%となっている。
  なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれのテーブルにおいても同一の大当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、特別図柄乱数判定テーブル111ごとに、異なる大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
 
【0079】
  また、
図7(c)に示すように、第3特別図柄乱数判定テーブル111cによれば、特別図柄乱数が0~199であった場合に小当たり図柄Y1が決定される。すなわち、この第3特別図柄乱数判定テーブル111cにおいては、小当たり図柄Y1が決定される確率は100%となっている。
 
【0080】
  また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Z1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Z2が決定される。
  すなわち、特別図柄乱数判定テーブル111は、大当たり又は小当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
【0081】
  リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113及び変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号の決定に用いられるテーブルである。
  本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように大当たりの抽選によって特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号が決定されるとともに、決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成される。そして、この決定された変動モード番号及び変動パターン番号に基づいて、後述する特別図柄の変動表示の変動時間(変動演出の変動時間)が決定される。また、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の具体的な態様(たとえば、演出表示装置21の表示部21aに表示する画像等)を決定する。このように、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、変動演出(特別図柄の変動表示)の変動時間及び態様の決定に用いられるコマンドである。
【0082】
  そして、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するために用いられるリーチモード決定乱数判定テーブル113が属するグループを決定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するにあたり、その前段階として、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブル112により、グループの種別が決定される。
  このリーチグループ決定乱数判定テーブル112は、遊技状態、取得された乱数の種別(第1特図乱数又は第2特図乱数、すなわち、各乱数の取得の契機となった遊技球が入球した始動入賞口の種別)、及び、保留数(第1特図保留数又は第2特図保留数)ごとに複数設けられている(
図8(a)~(f)参照)。
 
【0083】
  本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行った時点の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数に応じて、リーチグループ決定乱数判定テーブル112が選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別が決定される。
【0084】
  具体的には、低確率非時短遊技状態中における第1特図乱数(第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得された乱数)に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図保留数が0又は1であった場合には、第1判定テーブル112aが選択され、当該抽選時の第1特図保留数が2以上であった場合には、第2判定テーブル112bが選択される。また、低確率時短遊技状態中における第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図保留数が0以上であった場合には(すなわち、第1特図保留数がいかなる個数であっても)、第3判定テーブル112cが選択される。また、低確率非時短遊技状態中又は低確率時短遊技状態中における第2特図乱数(第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された乱数)に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第2特図保留数が0以上であった場合には(すなわち、第2特図保留数がいかなる個数であっても)、第4判定テーブル112dが選択される。また、高確率非時短遊技状態中における第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図保留数が0以上であった場合には、第5判定テーブル112eが選択される。また、高確率非時短遊技状態中における第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第2特図保留数が0以上であった場合には、第6判定テーブル112fが選択される。
【0085】
  そして、
図8(a)に示すように、第1判定テーブル112aによれば、リーチグループ決定乱数が0~8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
  また、
図8(b)に示すように、第2判定テーブル112bによれば、リーチグループ決定乱数が0~8999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
  また、
図8(c)に示すように、第3判定テーブル112cによれば、リーチグループ決定乱数が0~7999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が8000~8999であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
  また、
図8(d)に示すように、第4判定テーブル112dによれば、リーチグループ決定乱数が0~10006であった場合に(すなわち、リーチグループ決定乱数がいかなる値であっても)「第6グループ」が決定される。
  また、
図8(e)に示すように、第5判定テーブル112eによれば、リーチグループ決定乱数が0~8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
  また、
図8(f)に示すように、第6判定テーブル112fによれば、リーチグループ決定乱数が0~8999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
 
【0086】
  また、大当たりの抽選の結果が大当たり又は小当たりであった場合には、グループの種別を決定することなく、リーチモード決定乱数判定テーブル113が決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され、大当たり又は小当たりであった場合には参照されない。
【0087】
  リーチモード決定乱数判定テーブル113は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動モード番号を決定するとともに、後述する変動パターン番号の決定に用いられる変動パターン抽選テーブル114を決定するためのものである。
  このリーチモード決定乱数判定テーブル113は、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用判定テーブル(
図9参照)と、大当たりの抽選の結果が大当たり又は小当たりであった場合に参照される当たり用判定テーブル(
図10参照)と、を備えている。
  ハズレ用判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに複数設けられている(
図9(a)~(f)参照)。
 
【0088】
  本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~2038の数値範囲内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に、この決定されたグループの種別に対応するハズレ用判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号、及び、変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0089】
  具体的には、たとえば、上述したグループの種別の抽選により「第1グループ」が決定された場合に第1グループ用判定テーブル113aが選択され、「第2グループ」が決定された場合に第2グループ用判定テーブル113bが選択され、「第3グループ」が決定された場合に第3グループ用判定テーブル113cが選択され、「第4グループ」が決定された場合に第4グループ用判定テーブル113dが選択され、「第5グループ」が決定された場合に第5グループ用判定テーブル113eが選択され、「第6グループ」が決定された場合に第6グループ用判定テーブル113fが選択される(
図9(a)~(f)参照)。
 
【0090】
  そして、
図9(a)に示すように、第1グループ用判定テーブル113aによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に(すなわち、リーチモード決定乱数がいかなる値であっても)、「00H」(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)という変動モード番号が決定されるとともに第1変動テーブル114aが選択される。
  また、
図9(b)に示すように、第2グループ用判定テーブル113bによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「00H」の変動モード番号が決定されるとともに第2変動テーブル114bが選択される。
  また、
図9(c)に示すように、第3グループ用判定テーブル113cによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに第3変動テーブル114cが選択される。
  また、
図9(d)に示すように、第4グループ用判定テーブル113dによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「01H」という変動モード番号が決定されるとともに第4変動テーブル114dが選択される。
  また、
図9(e)に示すように、第5グループ用判定テーブル113eによれば、リーチモード決定乱数が0~1799であった場合に、「02H」という変動モード番号が決定されるとともに第5変動テーブル114eが選択される。また、リーチモード決定乱数が1800~2038であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに第5変動テーブル114eが選択される。
  また、
図9(f)に示すように、第6グループ用判定テーブル113fによれば、リーチモード決定乱数が0~1199であった場合に、「05H」という変動モード番号が決定されるとともに第1変動テーブル114aが選択される。また、リーチモード決定乱数が1200~2038であった場合に、「05H」という変動モード番号が決定されるとともに第2変動テーブル114bが選択される。
 
【0091】
  また、当たり用判定テーブルは、大当たり又は小当たりの当選時(すなわち、大当たり又は小当たりの抽選時)の遊技状態、取得された乱数の種別(第1特図乱数又は第2特図乱数)、及び、大当たり又は小当たりとなった場合に決定された特別図柄の種別(大当たり図柄、小当たり図柄)ごとに複数設けられている(
図10(a)~(f)参照)。
 
【0092】
  そして、大当たり又は小当たりに当選し特別図柄の種別が決定された場合に、決定された特別図柄の種別、取得された乱数の種別、及び、大当たり又は小当たりの当選時の遊技状態に対応する当たり用判定テーブルが選択され、上述したハズレ用判定テーブルに基づく決定と同様に、取得されたリーチモード決定乱数と選択された当たり用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0093】
  具体的には、低確率非時短遊技状態中に第1特図乱数に基づいて大当たりに当選し大当たり図柄X1、X2又はX3が決定された場合に、第1当たり用判定テーブル113gが選択される。また、低確率時短遊技状態中に第1特図乱数に基づいて大当たりに当選し大当たり図柄X1、X2又はX3が決定された場合に、第2当たり用判定テーブル113hが選択される。また、低確率非時短遊技状態又は低確率時短遊技状態中に第2特図乱数に基づいて大当たりに当選し大当たり図柄X1、X2又はX3が決定された場合に、第3当たり用判定テーブル113iが選択される。また、高確率非時短遊技状態中に第1特図乱数又は第2特図乱数に基づいて大当たりに当選し大当たり図柄X1、X2又はX3が決定された場合に、第4当たり用判定テーブル113jが選択される。また、低確率非時短遊技状態又は低確率時短遊技状態中に第2特図乱数に基づいて小当たりに当選し小当たり図柄Y1が決定された場合に、第5当たり用判定テーブル113kが選択される。また、高確率非時短遊技状態中に第2特図乱数に基づいて小当たりに当選し小当たり図柄Y1が決定された場合に、第6当たり用判定テーブル113lが選択される。
【0094】
  そして、
図10(a)に示すように、第1当たり用判定テーブル113gによれば、リーチモード決定乱数が0~199であった場合に、「01H」の変動モード番号が決定されるとともに第30変動テーブル114fが選択される。また、リーチモード決定乱数が200~1299であった場合に、「02H」の変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114gが選択される。また、リーチモード決定乱数が1300~2038であった場合に、「03H」の変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114hが選択される。
  また、
図10(b)に示すように、第2当たり用判定テーブル113hによれば、リーチモード決定乱数が0~699であった場合に、「02H」の変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114gが選択される。また、リーチモード決定乱数が700~1399であった場合に、「03H」の変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114hが選択される。また、リーチモード決定乱数が1400~2038であった場合に、「04H」の変動モード番号が決定されるとともに第33変動テーブル114iが選択される。
  また、
図10(c)に示すように、第3当たり用判定テーブル113iによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「05H」の変動モード番号が決定されるとともに第33変動テーブル114iが選択される。
  また、
図10(d)に示すように、第4当たり用判定テーブル113jによれば、リーチモード決定乱数が0~1299であった場合に、「02H」の変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114gが選択される。また、リーチモード決定乱数が1300~2038であった場合に、「03H」の変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114hが選択される。
  また、
図10(e)に示すように、第5当たり用判定テーブル113kによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「05H」の変動モード番号が決定されるとともに第33変動テーブル114iが選択される。
  また、
図10(f)に示すように、第6当たり用判定テーブル113lによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「04H」の変動モード番号が決定されるとともに第34変動テーブル114jが選択される。
 
【0095】
  なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、大当たり又は小当たりの当選時の遊技状態、取得された乱数の種別及び特別図柄の種別ごとに、当たり用判定テーブルが設けられているが、遊技球が入球した始動入賞口の種別を考慮せずに、大当たり又は小当たりの当選時の遊技状態及び特別図柄の種別ごとに、当たり用判定テーブルを設けるようにしてもよい。
【0096】
  変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動パターン番号を決定するためのものであり、多数設けられている。
  ここでは、
図11(a)~(j)に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に決定される第1変動テーブル114a、第2変動テーブル114b、第3変動テーブル114c、第4変動テーブル114d及び第5変動テーブル114e、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に決定される第30変動テーブル114f、第31変動テーブル114g、第32変動テーブル114h及び第33変動テーブル114i、並びに、大当たりの抽選の結果が小当たりであった場合に決定される第34変動テーブル114jについて説明する。
 
【0097】
  本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得される。そして、取得された変動パターン乱数と、上述の変動モード番号とともに決定された変動パターン抽選テーブル114とに基づいて、変動パターン番号が決定される。
  たとえば、
図11(a)に示すように、第1変動テーブル114aによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に(すなわち、変動パターン乱数がいかなる値であっても)「00H」という変動パターン番号が決定される。また、
図11(d)に示すように、第4変動テーブル114dによれば、変動パターン乱数が0~234であった場合に「05H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が235~249であった場合に「06H」という変動パターン番号が決定される。
 
【0098】
  また、
図11(f)に示すように、第30変動テーブル114fによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に「A6H」という変動パターン番号が決定される。また、
図11(h)に示すように、第32変動テーブル114hによれば、変動パターン乱数が0~89であった場合に「A6H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が90~249であった場合に「A7H」という変動パターン番号が決定される。
  また、
図11(j)に示すように、第34変動テーブル114jによれば、変動パターン乱数が0~244であった場合に「B0H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が245~249であった場合に「B1H」という変動パターン番号が決定される。
  なお、同様に、他の変動パターンテーブル114によっても、変動パターン乱数に対応して、所定の変動パターン番号が決定されるようになっている(
図11参照)。
 
【0099】
  本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時(すなわち、後述する特別図柄の変動表示の開始時(変動演出の開始時))に、上述のような大当たりの抽選が行われるとともに、大当たりの抽選が行われると、大当たりの抽選の結果、大当たりの抽選時の遊技状態、取得された乱数の種別(第1特図乱数、第2特図乱数)や保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)等に応じて、変動モード番号及び変動パターン番号が決定される。上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号は、変動演出パターンを決定するためのものであり、変動モード番号及び変動パターン番号により、変動演出の態様及び変動時間(特別図柄の変動表示の変動時間)が定められるようになっている。ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられている。そして、変動演出の前半部分の態様及び変動時間は、変動モード番号により決定され、変動演出の後半部分の態様及び変動時間は、変動パターン番号により決定されるようになっている。
【0100】
  次に、変動演出の変動時間(特別図柄の変動表示の変動時間)や特別図柄の停止表示の時間の決定、特別遊技の制御、遊技状態の設定等について説明する。
  本形態に係るパチンコ機Pは、上述の各種処理を行うためのテーブルとして、変動時間決定テーブル115、特図停止表示時間決定テーブル116、特別電動役物作動テーブル117、及び、遊技状態設定テーブル118等を備えている。
【0101】
  変動時間決定テーブル115は、変動演出の変動時間(すなわち、特別図柄の変動表示の変動時間)を決定するためのものである。
  本形態に係るパチンコ機Pは、この変動時間決定テーブル115として、各変動モード番号に対応する変動演出の前半部分の変動時間(以下、前半変動時間という)が定められた第1変動時間決定テーブル115a、及び、各変動パターン番号に対応する変動演出の後半部分の変動時間(以下、後半変動時間という)が定められた第2変動時間決定テーブル115bを備えている(
図12(a)及び(b)参照)。
 
【0102】
  そして、変動モード番号が決定されると、この決定された変動モード番号及び第1変動時間決定テーブル115aに基づき、対応する前半変動時間が決定される。また、変動パターン番号が決定されると、この決定された変動パターン番号及び第2変動時間決定テーブル115bに基づき、対応する後半変動時間が決定される。そして、このように決定された前半変動時間と後半変動時間の合計値が、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出全体の変動時間(特別図柄の変動表示全体の変動時間)に相当する。
  たとえば、決定された変動モード番号が「03H」及び変動パターン番号が「07H」であった場合には、変動モード番号「03H」に対応して「60秒」の前半変動時間が決定され、変動パターン番号「07H」に対応して「60秒」の後半変動時間が決定される。そして、これらの合計値「120秒(=60秒+60秒)」が、変動演出全体(特別図柄の変動表示全体)の変動時間となる。
【0103】
  なお、
図12(a)に示すように、「00H」又は「04H」の変動モード番号には「0秒」の前半変動時間が定められており、この変動モード番号が決定された場合には、変動演出の前半部分は実行されることなく、決定された変動パターン番号に基づき変動演出の後半部分のみが実行されるようになっている。
 
【0104】
  また、「05H」の変動モード番号には「590秒」の前半変動時間が定められている。この変動モード番号が決定された場合には、他の変動モード番号が決定された場合と比較して長い時間(590秒)にわたり変動演出(特別図柄の変動表示)が実行されることとなる。この「05H」の変動モード番号が決定されるのは、低確率非時短遊技状態又は低確率時短遊技状態における第2特図乱数に基づく大当たりの抽選により、大当たりの当選、小当たりの当選又はハズレが決定された場合、すなわち、低確率非時短遊技状態中又は低確率時短遊技状態中に、第2遊技領域12bへの遊技球の打ち出しが行われ第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合である(
図8~
図10参照)。なお、上述のように、これらの遊技状態中は第1遊技領域12aへの遊技球の打ち出しが指示されており、この指示に従って第1遊技領域12aへ遊技球を打ち出していれば第2始動入賞口16へ遊技球は入球しないため、「05H」の変動モード番号が決定されることはない。
 
【0105】
  また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号が決定されると、この決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、この決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成され、副制御基板300に送信される。そして、副制御基板300においては、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されるようになっている。具体的には、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様が決定されるようになっている。
  なお、変動演出の態様については、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するのではなく、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動モードコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
  また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、変動モードコマンドや変動パターンコマンドに基づいて、それぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
  また、変動演出の態様は、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドのみならず、他のコマンドに基づいて決定してもよい。また、変動モードコマンド又は変動パターンコマンドのいずれかのみに基づいて決定してもよい。
【0106】
  また、上述のように決定された変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、決定された変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、決定された変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
【0107】
  ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、特別遊技が実行されておらず、かつ、第1特別図柄表示装置30及び第2特別図柄表示装置31により特別図柄の変動表示が行われていない場合に、第1特図乱数及び第2特図乱数に基づく大当たりの抽選が可能となっている。
  また、第1特別図柄表示装置30による特別図柄の変動表示中であって、第2特別図柄表示装置31による特別図柄の変動表示が行われていない場合には、第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選が可能であり、第2特別図柄表示装置31による特別図柄の変動表示中であって、第1特別図柄表示装置30による特別図柄の変動表示が行われていない場合には、第1特図乱数に基づいて大当たりの抽選が可能となっている。
  すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1特別図柄表示装置30による特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示装置31による特別図柄の変動表示とが、同時に行われる。そして、第1特別図柄表示装置30による特別図柄の変動表示が終了したときに、第1特図乱数が記憶されていれば、次の特別図柄の変動表示が第1特別図柄表示装置30により開始され、第2特別図柄表示装置31による特別図柄の変動表示が終了したときに、第2特図乱数が記憶されていれば、次の特別図柄の変動表示が第2特別図柄表示装置31により開始される。
【0108】
  また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1特別図柄表示装置30による特別図柄の変動表示中に、新たに第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われた場合において、変動表示中の特別図柄が大当たり図柄(X1、X2又はX3)であったとき(すなわち、実行中の変動表示に関し、当該変動表示の契機となる大当たりの抽選で大当たりに当選していたとき)には、新たに行われた大当たりの抽選の結果として大当たり又は小当たりの当選を得ることができず、当該抽選の結果は強制的にハズレとなるように設定されている。また、第2特別図柄表示装置31による特別図柄の変動表示中に、新たに第1特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われた場合において、変動表示中の特別図柄が大当たり図柄(X1、X2又はX3)であったときには、新たに行われた大当たりの抽選の結果として大当たりの当選を得ることができず、当該抽選の結果は強制的にハズレとなるように設定されている。
  したがって、たとえば、第2特図乱数に基づいて大当たりに当選し、第2特別図柄表示装置31において当該大当たりの当選に基づく特別図柄の変動表示が行われているときに、新たに第1特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われた場合には、当該抽選の結果はハズレとなる。また、第1特図乱数に基づいて大当たりに当選し、第1特別図柄表示装置30において当該大当たりの当選に基づく特別図柄の変動表示が行われているときに、新たに第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われた場合には、当該抽選の結果はハズレとなる。
【0109】
  また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特別図柄表示装置30において大当たり図柄が停止表示されたときに、第2特別図柄表示装置31において小当たり図柄(Y1)が変動表示中であった場合には、この小当たり図柄は強制的にハズレ図柄(Z1、Z2)に変更された(書き換えられた)上で、このハズレ図柄が強制的に停止されるようになっている。
【0110】
  これに対して、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31のいずれか一方において大当たり図柄が停止表示されたときに、いずれか他方においてハズレ図柄が変動表示中であった場合には、このハズレ図柄の変動表示は停止されず、継続して変動表示が行われるようになっている。また、第2特別図柄表示装置31において小当たり図柄が停止表示されたときに、第1特別図柄表示装置30において大当たり図柄又はハズレ図柄が変動表示中であった場合にも、この大当たり図柄又はハズレ図柄の変動表示は停止されず、継続して変動表示が行われるようになっている。また、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31のいずれか一方においてハズレ図柄が停止表示されたときに、いずれか他方においてハズレ図柄が変動表示中であった場合にも、このハズレ図柄の変動表示は停止されず、継続して変動表示が行われるようになっている。
【0111】
  特図停止表示時間決定テーブル116は、特別図柄の変動表示が停止した後、当該特別図柄(大当たり図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄)を停止表示する時間である特図停止表示時間(いわゆる特別図柄の確定時間)を決定するためのものである。
  この特図停止表示時間決定テーブル116においては、
図13に示すように、特別図柄の種類ごとに特図停止表示時間が定められている。そして、上述の大当たりの抽選により特別図柄が決定されると、特図停止表示時間決定テーブル116を参照して、決定された特別図柄の種類に対応する特図停止表示時間が決定される。
 
【0112】
  図13に示すように、特図停止表示時間決定テーブル116によれば、大当たり図柄X1、X2又はX3が決定された場合には「0.5秒」の特図停止表示時間が決定される。また、小当たり図柄Y1が決定された場合にも「0.5秒」の特図停止表示時間が決定されるようになっている。また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定された場合には「0.6秒」の特図停止表示時間が決定されるようになっている。
 
【0113】
  そして、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、特別図柄の変動表示(変動演出)が開始されてから、上述の変動時間が経過すると、この特別図柄の変動表示が停止(変動演出が終了)する。その後、上述のように決定された特図停止表示時間が経過すると、停止した特別図柄が、大当たり図柄であった場合には特別遊技が開始され、小当たり図柄であった場合には小当たり遊技が開始され、ハズレ図柄であった場合には次の特別図柄の変動表示(変動演出)を開始可能となる。
【0114】
  なお、特図停止表示時間は、大当たり図柄の種類、小当たり図柄の種類、ハズレ図柄の種類ごとに定めてもよいし、特別図柄の種類のみならず、決定された変動モード番号や変動パターン番号ごとに定めてもよい。
【0115】
  特別電動役物作動テーブル117は、特別遊技及び小当たり遊技を制御するためのものであり、特別遊技及び小当たり遊技の実行中に第1大入賞口ソレノイド18c又は第2大入賞口ソレノイド55cを通電(作動)させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、
図14(a)~(c)に示すように、特別電動役物作動テーブル117として、大当たり図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル117aと、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合に参照される第2作動テーブル117bと、小当たり図柄Y1が決定された場合に参照される第3作動テーブル117cと、が設けられている。
 
【0116】
  本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技中に、第1大入賞口18又は第2大入賞口55のいずれか一方が開放してから、開放している大入賞口に所定数の遊技球が入球するか又は予め定められた開放時間が経過することによって、開放していた大入賞口が閉鎖して終了するラウンド遊技が実行される。このラウンド遊技は、決定された大当たり図柄(X1、X2又はX3)ごとに予め定められた上限ラウンド数を限度として、実行されるようになっている。
【0117】
  また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、1ラウンドが、第1大入賞口18が開放されるラウンド遊技となっており、2ラウンド以降が、第2大入賞口55が開放されるラウンド遊技となっている。
  そして、第1大入賞口18が開放される1ラウンドにおいては、当該ラウンド遊技が終了すると、必ず次のラウンド遊技(すなわち、2ラウンド)が実行されるようになっているため、少なくとも2ラウンドのラウンド遊技までは確実に実行されることとなる。
  これに対して、第2大入賞口55が開放される2ラウンド以降の各ラウンド遊技においては、特定個数(1個)の遊技球が継続領域58へ進入した場合のみ次のラウンド遊技が実行されるようになっているため、各ラウンド遊技における継続領域58への特定個数の遊技球の入球の可否に応じて、2ラウンドから上限ラウンド数までのいずれかのラウンド遊技まで実行されることとなる。たとえば、上限ラウンド数が5ラウンドである場合には、2ラウンド~5ラウンドのいずれかのラウンド遊技まで実行され、上限ラウンド数が10ラウンドである場合には、2ラウンド~10ラウンドのいずれかのラウンド遊技まで実行される。
【0118】
  具体的には、大当たり図柄X1が決定されると、
図14(a)に示す第1作動テーブル117aを参照して特別遊技が実行される。
  この第1作動テーブル117aによれば、上限ラウンド数は10ラウンドに定められており、1ラウンドのラウンド遊技は、第1大入賞口18が3.0秒開放するか又は第1大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了し、2ラウンド以降の各ラウンド遊技は、第2大入賞口55が29.0秒開放するか又は第2大入賞口55に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するように設定されている。また、各ラウンド遊技の実行中、第1大入賞口18又は第2大入賞口55は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に第1大入賞口18及び第2大入賞口55が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は1.0秒に設定されている。
  そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、2ラウンド以降のラウンド遊技における継続領域58への特定個数の遊技球の入球の可否に応じて、2ラウンド~10ラウンドのいずれかのラウンド遊技まで実行される。したがって、この特別遊技において、遊技者は、2ラウンド~10ラウンドのうち継続して実行されたラウンド遊技の終了までの間における第1大入賞口18又は第2大入賞口55への遊技球の入球に基づく賞球を獲得することができる。
 
【0119】
  また、大当たり図柄X2又はX3が決定されると、
図14(b)に示す第2作動テーブル117bを参照して特別遊技が実行される。
  この第2作動テーブル117bによれば、上限ラウンド数は5ラウンドに定められており、上述と同様に、1ラウンドのラウンド遊技は、第1大入賞口18が3.0秒開放するか又は第1大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了し、2ラウンド以降の各ラウンド遊技は、第2大入賞口55が29.0秒開放するか又は第2大入賞口55に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するように設定されている。また、各ラウンド遊技の実行中における第1大入賞口18又は第2大入賞口55の開閉回数及びインターバル時間は第1作動テーブル117aと同様の内容に設定されている。
  そして、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合には、2ラウンド以降のラウンド遊技における継続領域58への特定個数の遊技球の入球の可否に応じて、2ラウンド~5ラウンドのいずれかのラウンド遊技まで実行される。したがって、この特別遊技において、遊技者は、2ラウンド~5ラウンドのうち継続して実行されたラウンド遊技の終了までの間における第1大入賞口18又は第2大入賞口55への遊技球の入球に基づく賞球を獲得することができる。
  なお、大当たり図柄X1の決定に基づく特別遊技において上限ラウンド数まで継続した場合には、大当たり図柄X2又はX3の決定に基づく特別遊技において上限ラウンド数まで継続した場合よりも、獲得可能な賞球の期待値が大きくなる。
 
【0120】
  また、小当たり図柄Y1が決定されると、
図14(c)に示すように、第3作動テーブル117cを参照して小当たり遊技が実行される。この第3作動テーブル117cによれば、第1大入賞口18の0.9秒の開放が、0.2秒おきに連続して2回行われる。また、この小当たり遊技中に第1大入賞口18に10個の遊技球が入球すると、当該小当たり遊技は終了となる。
  この小当たり遊技において、遊技者は、2回の開放中に第1大入賞口18への遊技球の入球に基づく賞球を獲得することができる。
 
【0121】
  遊技状態設定テーブル118は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の終了後の遊技状態が、大当たりの抽選によって決定された大当たり図柄の種類により決定されるようになっている。
  また、本形態に係るパチンコ機Pには、
図15に示すように、遊技状態設定テーブル118として、大当たり図柄X1が決定された場合に参照される第1状態設定テーブル118aと、大当たり図柄X2が決定された場合に参照される第2状態設定テーブル118bと、大当たり図柄X3が決定された場合に参照される第3状態設定テーブル118cと、が設けられている。
 
【0122】
  図15(a)に示すように、第1状態設定テーブル118aによれば、大当たり図柄X1が決定されると、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定されるとともに、非時短遊技状態に設定される。すなわち、低確率非時短遊技状態が設定される。
  また、
図15(b)に示すように、第2状態設定テーブル118bによれば、大当たり図柄X2が決定されると、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定されるとともに、時短遊技状態に設定される。すなわち、低確率時短遊技状態が設定される。
  また、この時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)は30回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が30回導出されるまで、低確率時短遊技状態が継続する。そして、この低確率時短遊技状態の継続中に大当たりに当選した場合には、再度、大当たり図柄に応じた遊技状態が設定される。また、特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態が設定され、この遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、30回の抽選の結果がすべて大当たり以外となると、遊技状態が通常遊技状態に変更されることとなる。
 
【0123】
  また、
図15(c)に示すように、第3状態設定テーブル118cによれば、大当たり図柄X3が決定されると、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されるとともに、非時短遊技状態に設定される。すなわち、高確率非時短遊技状態が設定される。
  また、この高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)は10000回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が10000回導出されるまで、高確率非時短遊技状態が継続する。
  なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率遊技状態における大当たりの当選確率がおよそ1/30となっているため、実質的には、大当たりに再度当選するまで、高確率非時短遊技状態が継続することとなる。
 
【0124】
  次に、普図遊技に関する処理について説明する。
  本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、特別第1始動入賞口15bの可動片15dを作動させて当該可動片15dを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、所定時間の間、可動片15dが開き、特別第1始動入賞口15bが開状態となるため、特別第1始動入賞口15bへの遊技球の入球が容易となる。
  この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル119に基づいて、行われる。
【0125】
  また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の普通図柄の抽選が行われると、普通図柄の変動パターン(普通図柄の変動時間)が決定されるとともに、後述する普通図柄の変動表示が停止した後、上述の普通図柄の抽選により決定される普通図柄(当たり図柄、ハズレ図柄)を停止表示する時間である普図停止表示時間が決定される。
  普通図柄の変動パターン及び普図停止表示時間の決定は、メインROM102に格納されている普通図柄変動パターン決定テーブル120、普図停止表示時間決定テーブル121に基づいて行われる。
【0126】
  そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
  なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
  また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の個数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
【0127】
  当たり決定乱数判定テーブル119は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図16(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態又は高確率非時短遊技状態)において参照される非時短判定テーブル119aと、時短遊技状態(すなわち、低確率時短遊技状態)において参照される時短判定テーブル119bと、を備えている。
  本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、非時短判定テーブル119aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された非時短判定テーブル119aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、時短判定テーブル119bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された時短判定テーブル119bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
 
【0128】
  図16(a)に示すように、非時短判定テーブル119aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この非時短判定テーブル119aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
  
図16(b)に示すように、時短判定テーブル119bによれば、当たり決定乱数が1~65000であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65001~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この時短判定テーブル119bにおいて当たりとなる確率は65000/65536、すなわち、およそ99/100となる。
  したがって、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、普通図柄の抽選により当たりとなる確率は、非時短遊技状態中よりも時短遊技状態中の方が高くなるように設定されている。
  なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
 
【0129】
  普通図柄変動パターン決定テーブル120は、普通図柄の変動パターン、すなわち、普通図柄の変動時間が対応付けられた普通図柄変動パターン番号を決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル120に基づいて、普通図柄変動パターン番号が決定される。
  図17に示すように、普通図柄変動パターン決定テーブル120によれば、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、変動時間3秒の普通図柄の変動パターンが対応付けられた「C0H」という普通図柄変動パターン番号が決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には、変動時間1秒の普通図柄の変動パターンが対応付けられた「C1H」という普通図柄変動パターン番号が決定される。
  なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、設定されている遊技状態ごとに常に同一の普通図柄変動パターン番号(普通図柄の変動パターン)が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、たとえば、普通図柄の抽選の実行時点の普図保留数や、遊技球がゲート20を通過した際に取得する所定の乱数に基づいて、異なる普通図柄変動パターン番号が決定されるようにしてもよい。
 
【0130】
  普図停止表示時間決定テーブル121は、上述の普図停止表示時間を決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普図停止表示時間決定テーブル121を参照して、決定された普通図柄(当たり図柄、ハズレ図柄)に対応する普図停止表示時間が決定される。
  図18に示すように、普図停止表示時間決定テーブル121によれば、決定された普通図柄が当たり図柄であった場合(すなわち、普通図柄の抽選により当たりとなった場合)には0.5秒の普図停止表示時間が決定される。また、決定された普通図柄がハズレ図柄であった場合(すなわち、普通図柄の抽選によりハズレとなった場合)には0.6秒の普図停止表示時間が決定される。
  なお、普図停止表示時間は、普通図柄の種類のみならず、決定された普通図柄変動パターン番号ごとに決定されるようにしてもよい。
 
【0131】
  そして、普通図柄変動パターン番号(普通図柄の変動パターン、普通図柄の変動時間)及び普図停止表示時間が決定されると、決定された普通図柄変動パターン番号に対応する変動時間の間、普通図柄表示装置32(
図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、決定された普図停止表示時間が経過した後、特別第1始動入賞口15bの可動片15dの開閉制御が行われる。これに対して、普通図柄の抽選によりハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯し、決定された普図停止表示時間が経過した後、次の普通図柄の抽選が可能となる。
  なお、本明細書においては、普通図柄表示装置32の点滅表示を「普通図柄の変動」、普通図柄表示装置32の点灯又は消灯を「普通図柄の停止表示」、「普通図柄の変動の停止」、「普通図柄の変動停止」等という場合がある。
 
【0132】
  また、本形態に係るパチンコ機Pには、特別第1始動入賞口15bに設けられた可動片15dの作動を制御するために参照される特別第1始動入賞口開放制御テーブル122を備えている。
  本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、普通図柄表示装置32が点灯し決定された普図停止表示時間が経過すると、特別第1始動入賞口開放制御テーブル122に定められた内容に基づいて、特別第1始動入賞口15bの可動片15dの開閉制御が行われるようになっている。
  具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、
図19に示すように、普図停止表示時間が経過した後に、始動入賞口ソレノイド15cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電され、特別第1始動入賞口15bの可動片15dが0.2秒開放される。
  また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、普図停止表示時間が経過した後に、始動入賞口ソレノイド15cが2.4秒(=1.2秒×2回)通電され、特別第1始動入賞口15bの可動片15dが2.4秒開放される。なお、1回目の可動片15dの開放が終了してから2回目の可動片15dの開放が開始されるまでに当該可動片15dが閉鎖する時間(インターバル時間)は1.0秒に設定されている。
 
【0133】
  以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、特別第1始動入賞口15bを開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、特別第1始動入賞口15bが開状態に維持されやすいため、非時短遊技状態よりも特別第1始動入賞口15bへ遊技球が入球しやすくなっている。
【0134】
  (本形態に係るパチンコ機Pの遊技性)
  本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)及び高確率非時短遊技状態(高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかの遊技状態が設定されて、遊技が進行するようになっている。
【0135】
  ここで、遊技者が遊技を開始する時点では、通常遊技状態が設定されていることが多い。この通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15(通常第1始動入賞口15a又は特別第1始動入賞口15b)へのみ入球する可能性があり、第2始動入賞口16へ入球することはない。すると、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1、X2又はX3が決定される(
図7(a)参照)。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定され、大当たり図柄X2が決定された場合には、当該決定に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態に設定され、大当たり図柄X3が決定された場合には、当該決定に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態が高確率非時短遊技状態に設定される(
図15参照)。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、通常遊技状態中に指示通り左打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより、通常遊技状態、低確率時短遊技状態又は高確率非時短遊技状態へ移行することとなる(
図20参照)。
 
【0136】
  低確率時短遊技状態中は、大当たりの当選確率は通常遊技状態中と変わらないものの、通常遊技状態中よりも、特別第1始動入賞口15bが開状態へ維持されやすくなっており、特別第1始動入賞口15bへ遊技球が入球しやすいため、通常遊技状態中よりも遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できる。
  この低確率時短遊技状態中は、通常遊技状態中と同様に、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが指示されている。そのため、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、第1始動入賞口15へのみ遊技球が入球する可能性があり、通常遊技状態中と同様に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1、X2又はX3が決定される(
図7(a)参照)。したがって、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、低確率時短遊技状態中も指示通り左打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより、通常遊技状態、低確率時短遊技状態又は高確率非時短遊技状態へ移行することとなる(
図20参照)。
 
【0137】
  高確率非時短遊技状態中は、特別第1始動入賞口15bが開状態へ維持される難易度は通常遊技状態中と変わらないものの、通常遊技状態中よりも、大当たりの当選確率が高くなっている。また、高確率非時短遊技状態中は、上述の如く、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出していると、遊技球は、第2始動入賞口16に入球する可能性がある。第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選では、小当たりに当選する確率が高く設定されており(
図6(c)及び(d)参照)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すればほぼ小当たりに当選し、小当たり遊技が実行される。小当たり遊技中は大入賞口18が開放されるため、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出していれば、開放中の大入賞口18へ遊技球が入球し、当該入球に基づき所定個数の賞球を獲得することができる。
  すなわち、高確率非時短遊技状態中は、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出すことにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく小当たりの当選により実行される小当たり遊技で賞球を獲得しながら、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて大当たりの当選を目指すことができるようになっており、高確率非時短遊技状態は、通常遊技状態や低確率時短遊技状態と比べて遊技者にとって極めて有利な遊技状態である。
 
【0138】
  また、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選した場合にも、大当たり図柄X1、X2又はX3が決定される(
図7(b)参照)。したがって、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、高確率非時短遊技状態中に指示通り右打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより、通常遊技状態、低確率時短遊技状態又は高確率非時短遊技状態へ移行することとなる(
図20参照)。
 
【0139】
  以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態、低確率時短遊技状態及び高確率非時短遊技状態の各遊技状態において、遊技者に対する指示通りに第1遊技領域12a又は第2遊技領域12bのいずれかへ向けて遊技球を打ち出すことで、大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後に、通常遊技状態、低確率時短遊技状態又は高確率非時短遊技状態への移行が可能となっている。そして、運良く、特別遊技の終了後における高確率非時短遊技状態への移行が連続すると、特別遊技中に獲得可能な賞球に加え高確率非時短遊技状態中の小当たり遊技でも賞球を獲得でき、大当たりの当選確率も高いことから、早いスピードで多くの出玉を得ることができることとなる。
【0140】
  ところで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選では小当たりに当選する確率が高く設定されているため(
図6(c)又は(d)参照)、通常遊技状態中や低確率時短遊技状態中に遊技者に対する左打ちの指示に従わず、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出し第2始動入賞口16へ遊技球を入球させて、小当たりの当選により実行される小当たり遊技で賞球を獲得するという遊技方法により遊技が行われる可能性がある。
  しかし、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、通常遊技状態中や低確率時短遊技状態中に第2始動入賞口16へ遊技球を入球させた場合には、大当たりの抽選の結果が大当たりの当選、小当たりの当選及びハズレのいずれであっても、特別図柄の変動時間が約600秒と極めて長い時間に設定されるようになっている。したがって、1時間あたりに約6回程度しか特別図柄が停止表示されず、時間効率の極めて悪い遊技となり、多くの賞球を獲得することは極めて困難となる。これにより、上述のような遊技が行われることを抑止することができる。
 
【0141】
  また、通常遊技状態中や低確率時短遊技状態中に、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し及び第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しを併用し、第1始動入賞口15への遊技球の入球により大当たりの当選を目指しつつ、第2始動入賞口16への遊技球の入球により小当たりの当選を目指すという遊技方法により遊技が行われる可能性もある。
【0142】
  ここで、通常遊技状態中や低確率時短遊技状態中に第2始動入賞口16へ遊技球を入球させることにより大当たりに当選してしまった場合、大当たり図柄の変動表示(第2特別図柄表示装置31における変動表示)中も、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選は次々と行われる。しかし、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たりに当選しているため、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果は全てハズレとなる。すると、遊技者は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選していることを認識できないまま、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出すものの、上述のように第1始動入賞口15へ遊技球が入球しても大当たりの抽選の結果は全てハズレとなるため、打ち出した遊技球は全て無駄となり、遊技者にとっては極めて不利な状況となる。
【0143】
  また、通常遊技状態中や低確率時短遊技状態中に第2始動入賞口16へ遊技球を入球させることにより小当たりに当選した場合、上述と同様に、小当たり図柄の変動表示(第2特別図柄表示装置31における変動表示)中も、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選は次々と行われる。しかし、当該抽選において大当たりに当選しない限り、上述の小当たり図柄の変動表示は継続するようになっており、当該抽選において大当たりに当選した場合には、変動表示中の小当たり図柄はハズレ図柄に書き換えられて強制的に停止表示されるようになっている。したがって、低確率遊技状態中に小当たりに当選しても、第1始動入賞口15へ遊技球が入球して大当たりの抽選が行われる限りは、小当たり遊技が実行されることはない。
【0144】
  このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中や低確率時短遊技状態中に第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出すメリットが少なく、上述のような遊技方法による遊技が行われるのを抑止できるようになっている。
【0145】
  しかし、上述のような遊技方法による遊技を抑止できるものの、遊技者が遊技球の発射強度を誤り、通常遊技状態中や低確率時短遊技状態中に第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出してしまうようなケースがある。また、このように打ち出した遊技球が、偶然にも第2始動入賞口16へ入球し、さらには、大当たりに当選する場合もある。
  ここで、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には、特別図柄の変動時間は約600秒に設定されるため、上述のように第2始動入賞口16への遊技球に入球に基づき大当たりに当選しているにもかかわらず、特別図柄の変動表示が停止する前に遊技者が遊技を止め離席することにより、大当たりに当選した状態のパチンコ機Pが放置されてしまうという事態が起こり得る。そして、その後に特別図柄の変動表示が停止すると、遊技者によって遊技が行われていない放置されたパチンコ機Pで特別遊技が開始されるという不自然な状況が発生する。また、このような状況下においては、特別遊技中である旨に気付いた遊技者によって、有利な特別遊技中から当該パチンコ機Pでの遊技が実行されてしまうおそれがあり、遊技者間の公平性に欠けることとなる。
【0146】
  そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技が開始されると、1ラウンドにおいては第1大入賞口18が開放され、当該ラウンド遊技が終了すると必ず次のラウンド遊技が実行されるものの、2ラウンド以降においては第2大入賞口55が開放され、当該ラウンド遊技中に特定個数の遊技球が継続領域58へ進入しないと、次のラウンド遊技が実行されず、特別遊技が終了するように設定されている。
  すなわち、遊技者によって遊技が行われているパチンコ機Pで特別遊技が開始された場合には、遊技者が指示通りに第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出していれば、2ラウンド以降のラウンド遊技において、第2大入賞口55へ遊技球が入球し継続領域58へ特定個数の遊技球が進入する。したがって、この場合には、上限ラウンド数までラウンド遊技が実行されて特別遊技が終了することとなる。
  これに対して、遊技者によって遊技が行われないパチンコ機Pで特別遊技が開始された場合には、遊技球が打ち出されておらず、2ラウンドのラウンド遊技において継続領域58へ遊技球が進入しない。したがって、この場合には、2ラウンドのラウンド遊技が終了するとともに特別遊技が終了することとなる。
【0147】
  以上のように、本形態に係るパチンコ機Pによれば、遊技者によって遊技が行われないパチンコ機Pで特別遊技が開始された場合には、上限ラウンド数までラウンド遊技が実行されることはなく、2ラウンドのラウンド遊技の終了時点で特別遊技が終了するため、遊技者によって遊技が行われないまま、特別遊技中という有利な状態が放置される時間を極力短くすることができる。これにより、特別遊技が実行されたままの状態で放置されることを極力防止することができるとともに、遊技者によって遊技が行われていない放置されたパチンコ機Pで特別遊技が開始された場合であっても、有利な特別遊技中から遊技者によって遊技が実行されてしまうような事態をできる限り防止することができ、遊技者間の公平性を担保することができるのである。
  また、大当たりに当選した場合には、遊技情報表示装置においてその旨が表示されたり、演出表示装置21において表示される演出図柄50や特別図柄表示装置において表示される特別図柄により大当たりに当選した旨が報知されたりすることで、遊技者は大当たりに当選した旨を把握できるものの、本形態に係るパチンコ機Pによれば、大当たりに当選した旨が表示されたままパチンコ機Pが放置される時間が短くなるため、これらの表示によって、遊技者により大当たりに当選した旨が把握されてしまうのを防止しやすくすることができるのである。
【0148】
  (パチンコ機P外部への大当たり信号の出力)
  本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選すると、主制御基板100が大当たりに当選し特別遊技が実行される旨を示す信号である大当たり信号を外部情報端子基板500へ送信し、外部情報端子基板500が、受信した大当たり信号をホールコンピュータや遊技情報表示装置へ出力する。これにより、ホールコンピュータや遊技情報表示装置において、パチンコ機Pが大当たりに当選した旨(特別遊技の実行中である旨)を把握できるようになっている。そして、遊技情報表示装置においては、パチンコ機Pが大当たりに当選した旨(特別遊技の実行中である旨)が表示されるようになっている。
【0149】
  ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態や低確率時短遊技状態において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて取得される第1特図乱数により大当たりに当選した場合、及び、高確率非時短遊技状態において、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて取得される第2特図乱数により大当たりに当選した場合は、遊技者が右打ち又は左打ちの指示に従って遊技球の打ち出しを行っているために起こり得るものである。また、これらの場合における特別図柄の変動時間は最長でも120秒となっている(
図10~
図12参照)。したがって、これらの場合には、遊技者が特別図柄の変動表示中に遊技を止めて離席することにより、大当たりに当選した状態のパチンコ機Pが放置されてしまうという事態は生じにくい。
  また、高確率非時短遊技状態において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて取得される第1特図乱数により大当たりに当選した場合は、遊技者が右打ちの指示に従わなかったために起こり得るものであるものの、この場合における特別図柄の変動時間は、上述と同様に、最長でも120秒となっている(
図10~
図12参照)。したがって、この場合にも、遊技者が特別図柄の変動表示中に遊技を止めて離席することにより、大当たりに当選した状態のパチンコ機Pが放置されてしまうという事態は生じにくい。
 
【0150】
  これに対して、通常遊技状態又は低確率時短遊技状態において、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて取得される第2特図乱数により大当たりに当選した場合は、遊技者が左打ちの指示に従わなかったために起こり得るものであり、この場合における特別図柄の変動時間は、上述の如く、最長でも約600秒となっている(
図10~
図12参照)。したがって、この場合には、遊技者が特別図柄の変動表示中に遊技を止めて離席することにより、大当たりに当選した状態のパチンコ機Pが放置されてしまうという事態が生じやすい。
 
【0151】
  そして、この場合に大当たりに当選した状態のパチンコ機Pが放置されると、上述の如く、遊技者によって遊技が行われていない放置されたパチンコ機Pで特別遊技が開始されるという状況が発生する。このとき、外部情報端子基板500が大当たり信号を遊技情報表示装置へ出力し、遊技情報表示装置により大当たりに当選した旨が表示されるとすると、遊技者が、当該遊技情報表示装置の表示によって、上述のパチンコ機Pにおける大当たりの当選及び特別遊技の開始を容易に把握できることとなる。そのため、特別遊技中である旨に気付いた遊技者によって、有利な特別遊技中から当該パチンコ機Pでの遊技が実行されてしまうおそれを助長することとなりかねない。
【0152】
  そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、設定されている遊技状態に応じて遊技者に指示されている遊技球の発射位置(第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(左打ち)、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(右打ち))、及び、大当たりに当選して決定された大当たり図柄が第1特図乱数又は第2特図乱数のいずれによるものかに応じて、大当たり信号をパチンコ機Pの外部へ出力するタイミングが定められている。
【0153】
  具体的には、通常遊技状態又は低確率時短遊技状態であって左打ちが指示されており、かつ大当たりに当選して決定された大当たり図柄が第1特図乱数によるものであった場合、高確率非時短遊技状態であって右打ちが指示されており、かつ大当たりに当選して決定された大当たり図柄が第2特図乱数によるものであった場合、及び、高確率非時短遊技状態であって右打ちが指示されており、かつ大当たりに当選して決定された大当たり図柄が第1特図乱数によるものであった場合はいずれも、当該大当たり図柄が停止表示されて特図停止表示時間が経過した時点で大当たり信号が出力され、大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技が終了するまで当該出力が継続するようになっている。
【0154】
  これに対して、通常遊技状態又は低確率時短遊技状態であって左打ちが指示されており、かつ大当たりに当選して決定された大当たり図柄が第2特図乱数によるものであったときは、大当たりの当選に基づく特別遊技において実行された最後のラウンド遊技の終了時点で大当たり信号が出力され、当該特別遊技が終了するまで当該出力が継続するようになっている。
  たとえば、特別遊技の上限ラウンド数が5ラウンドであった場合(すなわち、大当たり図柄X2又はX3が決定された場合)において、2ラウンドで継続領域58に特定個数の遊技球が進入しなかったときには、当該2ラウンドのラウンド遊技の終了時点で大当たり信号の出力が開始され、特別遊技の終了時に実行されるエンディング処理の終了時点で当該大当たり信号の出力が終了する。また、2ラウンド~4ラウンドまでの各ラウンド遊技において継続領域58に特定個数の遊技球が進入して、上限ラウンド数である5ラウンドまでラウンド遊技が実行されたときには、当該5ラウンドのラウンド遊技の終了時点で大当たり信号の出力が開始され、上述のエンディング処理の終了時点で当該大当たり信号の出力が終了する。
【0155】
  以上のように、本形態に係るパチンコ機Pによれば、パチンコ機Pが放置されてしまう事態が生じにくい状況で大当たりに当選した場合には、大当たり図柄が停止表示され特別遊技が開始された時点から遊技情報表示装置において大当たりに当選した旨が表示されるため、遊技者は早期に大当たりに当選した旨を把握できることとなる。
  これに対して、パチンコ機Pが放置されてしまう事態が生じやすい状況で大当たりに当選した場合には、当該大当たりの当選に基づく特別遊技において実行された最後のラウンド遊技の終了時点で遊技情報表示装置において大当たりに当選した旨が表示されるため、特別遊技の実行中において、遊技者は大当たりに当選した旨を把握困難となる。したがって、大当たりに当選した状態でパチンコ機Pが放置され、その後に特別遊技が開始されたとしても、遊技情報表示装置の表示によっては大当たりに当選した旨を把握できないため、有利な特別遊技中から遊技者によって遊技が実行されてしまうような事態をできる限り防止することができ、遊技者間の公平性を担保することができるのである。
【0156】
  (パチンコ機Pにおける遊技の進行の概要)
  次に、上述の特図遊技、普図遊技、特別遊技及び小当たり遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
  まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
  電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、
図21のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
 
【0157】
  ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。そして、次のステップ101に進む。
  ステップ101において、メインCPU101は、特別図柄乱数を更新する際に参照される特別図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この特別図柄乱数用初期値更新乱数は、特別図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、特別図柄乱数は、更新を開始する時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、特別図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
【0158】
  ステップ102において、メインCPU101は、変動演出パターンを決定するための乱数であるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
【0159】
  次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
  主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、
図22のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
 
【0160】
  ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
  なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
  ステップ201において、メインCPU101は、特別図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
【0161】
  ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、通常第1始動入賞口検出センサ15e、特別第1始動入賞口検出センサ15f、第2始動入賞口検出センサ16a、継続領域検出センサ58aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
  ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技、特別遊技、小当たり遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0162】
  ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
  ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放指定コマンド、満タン状態指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖指定コマンド、満タン解除指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
【0163】
  ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、通常第1始動入賞口検出センサ15e、特別第1始動入賞口検出センサ15f、第2始動入賞口検出センサ16a、第1大入賞口検出センサ18a、第2大入賞口検出センサ55aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
  ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、特別第1始動入賞口15bの可動片15dを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、第1大入賞口18又は第2大入賞口55の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
【0164】
  ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力処理、及び、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0165】
  次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、
図23のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて、普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
  ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が通常第1始動入賞口15a又は特別第1始動入賞口15bへ入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
 
【0166】
  ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。
  ステップ303において、メインCPU101は、遊技球が継続領域58へ進入したことに基づいて、次のラウンド遊技の実行を決定するための継続領域検出時処理を実行する。
そして、センサ検出時処理を終了する。
【0167】
  次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、
図24のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
  ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
 
【0168】
  ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
  ステップ403において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
【0169】
  次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、
図25のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ500において、メインCPU101は、通常第1始動入賞口検出センサ15e又は特別第1始動入賞口検出センサ15fからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、通常第1始動入賞口検出センサ15e及び特別第1始動入賞口検出センサ15fのいずれからの検出信号も入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、通常第1始動入賞口検出センサ15e又は特別第1始動入賞口検出センサ15fのいずれかからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
  ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
 
【0170】
  ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
  ステップ503において、メインCPU101は、大当たり乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0171】
  ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
  ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
【0172】
  ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
  ステップ507において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ508に進む。
【0173】
  ステップ508において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0174】
  次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、
図26のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
  ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
 
【0175】
  ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
  ステップ603において、メインCPU101は、大当たり乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0176】
  ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
  ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
【0177】
  ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
  ステップ607において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ608に進む。
【0178】
  ステップ608において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0179】
  次に、上述したステップ303の継続領域検出時処理について、
図27のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ650において、メインCPU101は、ラウンド遊技の実行回数が上限ラウンド数に到達しているか否か、すなわち、実行中のラウンド遊技が上限ラウンド数のラウンド遊技であるか否かを判定する。そして、上限ラウンド数に到達していると判定した場合、継続領域検出時処理を終了する。一方、上限ラウンド数に到達していないと判定した場合、次のステップ651に進む。
  ステップ651において、メインCPU101は、継続領域検出センサ58aからの検出信号が特定回数(本形態では1回)入力されたか否かを判定する。そして、継続領域検出センサ58aからの検出信号が特定回数入力されていないと判定した場合、継続領域検出時処理を終了する。一方、継続領域検出センサ58aからの検出信号が特定回数入力されたと判定した場合、次のステップ652に進む。
  ステップ652において、メインCPU101は、第2大入賞口55が開放されるラウンド遊技中(すなわち、2ラウンド以降のラウンド遊技中)に継続領域58へ特定個数の遊技球が進入したことを示す継続フラグをオンにする。そして、継続領域検出時処理を終了する。
 
【0180】
  次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、
図28のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「01」と、後述する小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「03」と、を有している。
  そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動処理(ステップ701)、特別遊技制御処理(ステップ702)、小当たり遊技制御処理(ステップ703)又は特別遊技終了処理(ステップ704)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
 
【0181】
  次に、上述したステップ701の特別図柄変動処理について、
図29のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ750において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ751に進む。
  ステップ751において、メインCPU101は、変動開始処理を実行する。そして、次のステップ752に進む。
 
【0182】
  ステップ752において、メインCPU101は、変動停止処理を実行する。そして、次のステップ753に進む。
  ステップ753において、メインCPU101は、停止後処理を実行する。そして、特別図柄変動処理を終了する。
【0183】
  次に、上述したステップ751の変動開始処理について、
図30のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ800において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ813に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ801に進む。
 
【0184】
  ステップ801において、メインCPU101は、第2特図乱数に基づいて決定された特別図柄(以下、第2特図という)の変動表示中であるか否かを判定する。そして、変動表示中であると判定した場合、ステップ813に進む。一方、変動表示中でないと判定した場合、次のステップ802に進む。
  ステップ802において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ803に進む。
【0185】
  ステップ803において、メインCPU101は、現時点の遊技状態及び第2特図乱数(すなわち、始動入賞口の種別が第2始動入賞口16)に対応する大当たり乱数判定テーブル110を選択し、選択したテーブルと、上述のステップ802で処理領域に記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ804に進む。
  ステップ804において、メインCPU101は、第2特図の種別を決定する第2特図決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ803における抽選の結果が大当たりであった場合には、第2特別図柄乱数判定テーブル111b(
図7(b)参照)を選択し、当該テーブルと、上述のステップ802で処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄(X1、X2又はX3)を決定する。また、上述のステップ803における抽選の結果が小当たりであった場合には、第3特別図柄乱数判定テーブル111c(
図7(c)参照)を選択し、当該テーブルと、上述のステップ802で処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、小当たり図柄(Y1)を決定する。また、上述のステップ803における抽選の結果がハズレであった場合には、ハズレ図柄(Z2)を決定する。そして、決定した第2特図に対応するデータを、メインRAM103の第2特図一時記憶領域に記憶する。また、この第2特図決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、第2特図を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ805に進む。
 
【0186】
  ステップ805において、メインCPU101は、上述のステップ804で決定された第2特図の種別が大当たり図柄又は小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄及び小当たり図柄のいずれでもない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ808に進む。一方、大当たり図柄又は小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ806に進む。
  ステップ806において、メインCPU101は、後述する第1特図一時記憶領域に記憶されたデータが大当たり図柄に係るものであるか否かを判定する。
  ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、第1特図乱数に基づいて決定された特別図柄(以下、第1特図という)と第2特図とが同時に変動表示可能となっている。そして、上述の如く、第2特図の変動表示の開始時には、決定された第2特図の種別(すなわち、停止表示される第2特図の種別)が第2特図一時記憶領域に記憶される。同様に、第1特図の変動表示の開始時には、決定された第1特図の種別(すなわち、停止表示される第1特図の種別)が第1特図一時記憶領域に記憶される。すなわち、第1特図一時記憶領域には、第1特別図柄表示装置30において変動表示中の第1特図の種別が記憶され、第2特図一時記憶領域には、第2特別図柄表示装置31において変動表示中の第2特図の種別が記憶される。
  したがって、このステップ806においては、第2図柄として決定された大当たり図柄又は小当たり図柄の変動表示を開始する際に、第1特別図柄表示装置30において、第1特図として決定された大当たり図柄が変動表示されているか否かを判定することとなる。
  そして、上述のデータが大当たり図柄に係るものでない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ808に進む。一方、上述のデータが大当たり図柄に係るものであると判定した場合、次のステップ807に進む。
【0187】
  ステップ807において、メインCPU101は、第2特図一時記憶領域に記憶された大当たり図柄又は小当たり図柄に係るデータを、ハズレ図柄に係るデータに書き換える。すなわち、大当たり図柄が決定された第1特図の変動表示中に、第2特図の変動表示が開始される場合において、この第2特図として大当たり図柄又は小当たり図柄が決定された場合には、この大当たり図柄又は小当たり図柄が強制的にハズレ図柄に書き換えられる。
  なお、上述のように、第2特図の種別を決定した後に、決定された大当たり図柄又は小当たり図柄を強制的にハズレ図柄に書き換えるのではなく、第2特図の種別を決定する際に、第1特別図柄表示装置30において、第1特図として決定された大当たり図柄が変動表示されているか否かを判定し、大当たり図柄が変動表示されていると判定した場合には、第2特図の種別として必ずハズレ図柄が決定されるようにしてもよい。
  そして、次のステップ808に進む。
  ステップ808において、メインCPU101は、第2特図一時記憶領域に記憶されている第2特図の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。具体的には、上述のステップ804で決定された第2特図の種別(大当たり図柄、小当たり図柄、又は、ハズレ図柄)、又は、上述のステップ807で強制的な書き換えが行われた場合にはハズレ図柄が記憶される。これにより、第2特図の種別に係る情報が、変動演出の開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ809に進む。
【0188】
  ステップ809において、メインCPU101は、上述のステップ802で処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて、変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ810に進む。
  ステップ810において、メインCPU101は、第2特別図柄表示装置31で第2特図の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
  また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第2特図乱数に基づいて上述の第2特図の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
  そして、次のステップ811に進む。
【0189】
  ステップ811において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、遊技状態を時短遊技状態に設定するための時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は、何も処理は行わない。そして、次のステップ812に進む。
  ステップ812において、メインCPU101は、高確回数更新処理を実行する。ここでは、メインCPU101は、遊技状態が高確率遊技状態に設定するための高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は、何も処理は行わない。そして、次のステップ813に進む。
【0190】
  ステップ813において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、変動開始処理を終了する。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ814に進む。
  ステップ814において、メインCPU101は、第1特図の変動表示中であるか否かを判定する。そして、変動表示中であると判定した場合、変動開始処理を終了する。一方、変動表示中でないと判定した場合、次のステップ815に進む。
【0191】
  ステップ815において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ816に進む。
  ステップ816において、メインCPU101は、現時点の遊技状態及び第1特図乱数(すなわち、始動入賞口の種別が第1始動入賞口15)に対応する大当たり乱数判定テーブル110を選択し、選択したテーブルと、上述のステップ815で処理領域に記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ817に進む。
【0192】
  ステップ817において、メインCPU101は、第1特図の種別を決定する第1特図決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ816における抽選の結果が大当たりであった場合には、第1特別図柄乱数判定テーブル111a(
図7(a)参照)を選択し、当該テーブルと、上述のステップ815で処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄(X1、X2又はX3)を決定する。また、上述のステップ815における抽選の結果がハズレであった場合には、ハズレ図柄(Z1)を決定する。そして、決定した第1特図に対応するデータを、メインRAM103の第1特図一時記憶領域に記憶する。また、この第1特図決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、第1特図を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ818に進む。
  ステップ818において、メインCPU101は、上述のステップ817で決定された第1特図の種別が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ821に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ819に進む。
 
【0193】
  ステップ819において、メインCPU101は、第2特図一時記憶領域に記憶されたデータが大当たり図柄に係るものであるか否かを判定する。すなわち、メインCPU101は、第1図柄として決定された大当たり図柄の変動表示を開始する際に、第2特別図柄表示装置31において、第2特図として決定された大当たり図柄が変動表示されているか否かを判定する。そして、上述のデータが大当たり図柄に係るものでない(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ821に進む。一方、上述のデータが大当たり図柄に係るものであると判定した場合、次のステップ820に進む。
  ステップ820において、メインCPU101は、第1特図一時記憶領域に記憶された大当たり図柄に係るデータを、ハズレ図柄に係るデータに書き換える。すなわち、大当たり図柄が決定された第2特図の変動表示中に、第1特図の変動表示が開始される場合において、この第1特図として大当たり図柄が決定された場合には、この大当たり図柄が強制的にハズレ図柄に書き換えられる。
  なお、第1特図の種別を決定した後に、決定された大当たり図柄を強制的にハズレ図柄に書き換えるのではなく、第1特図の種別を決定する際に、第2特別図柄表示装置31において、第2特図として決定された大当たり図柄が変動表示されているか否かを判定し、大当たり図柄が変動表示されていると判定した場合には、第1特図の種別として必ずハズレ図柄が決定されるようにしてもよい。
  そして、次のステップ821に進む。
【0194】
  ステップ821において、メインCPU101は、第1特図一時記憶領域に記憶されている第1特図の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
具体的には、上述のステップ817で決定された第1特図の種別(大当たり図柄、又は、ハズレ図柄)、又は、上述のステップ820で強制的な書き換えが行われた場合にはハズレ図柄が記憶される。これにより、第1特図の種別に係る情報が、変動演出の開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ822に進む。
  ステップ822において、メインCPU101は、上述のステップ815で処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて、変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ823に進む。
【0195】
  ステップ823において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30で第1特図の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始する。
  また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の第1図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御される。
  そして、次のステップ824に進む。
【0196】
  ステップ824において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。そして、次のステップ825に進む。
  ステップ825において、メインCPU101は、高確回数更新処理を実行する。そして、変動開始処理を終了する。
【0197】
  次に、上述したステップ809及びステップ822の変動演出パターン決定処理について、
図31のフローチャートを参照して説明する。なお、いずれのステップの変動演出パターンも同様の処理となっているため、ここでは、ステップ809の変動演出パターン決定処理を中心に説明する。
  ステップ900において、メインCPU101は、上述のステップ804(ステップ822の変動演出パターン決定処理においては上述のステップ817)で決定された特別図柄が大当たり図柄又は小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄及び小当たり図柄のいずれでもない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ903に進む。一方、大当たり図柄又は小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ901に進む。
  ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ804(ステップ822の変動演出パターン決定処理においては上述のステップ817)で決定された大当たり図柄又は小当たり図柄、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別(当該抽選の判定に用いられた大当たり乱数がいずれの始動入賞口への入球により取得されたものであるか、換言すれば、第1特図乱数又は第2特図乱数の種別)、及び、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ902に進む。
 
【0198】
  ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した大当たり図柄又は小当たり図柄、始動入賞口の種別、及び、遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(当たり用判定テーブル)を選択する。そして、ステップ907に進む。
  また、上述のステップ900で大当たり図柄及び小当たり図柄のいずれでもないと判定した場合に進むステップ903において、メインCPU101は、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ904に進む。
【0199】
  ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で確認した始動入賞口の種別、遊技状態及び保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を選択する。そして、次のステップ905に進む。
  ステップ905において、メインCPU101は、上述のステップ802(ステップ822の変動演出パターン決定処理においては上述のステップ815)で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数と上述のステップ904で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を決定し、当該グループの種別を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ906に進む。
【0200】
  ステップ906において、メインCPU101は、上述のステップ905で決定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を選択する。そして、次のステップ907に進む。
  ステップ907において、メインCPU101は、上述のステップ902で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(当たり用判定テーブル)又は上述のステップ906で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ802(ステップ822の変動演出パターン決定処理においては上述のステップ815)で所定の処理領域に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114を決定し、この決定された変動モード番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ908に進む。
【0201】
  ステップ908において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動パターン抽選テーブル114を選択する。そして、次のステップ909に進む。
  ステップ909において、メインCPU101は、上述のステップ908で選択された変動パターン抽選テーブル114と、上述のステップ802(ステップ822の変動演出パターン決定処理においては上述のステップ815)で所定の処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ910に進む。
【0202】
  ステップ910において、メインCPU101は、変動時間決定テーブル115と、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号及び変動パターン番号とに基づいて、変動演出の変動時間(特別図柄の変動表示の変動時間)を決定する。すなわち、第2特図に基づいた変動演出パターン決定処理(ステップ809の変動演出パターン決定処理)が行われている場合には、決定された変動時間は第2特図の変動時間となり、第1特図に基づいた変動演出パターン決定処理(ステップ822の変動演出パターン決定処理)が行われている場合には、決定された変動時間は第1特図の変動時間となる。そして、第2特図の変動時間を決定した場合には、この変動時間を第2特図変動時間タイマカウンタにセットし、第1特図の変動時間を決定した場合には、この変動時間を第1特図変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ911に進む。
  ステップ911において、メインCPU101は、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成し、所定の一時記憶領域に記憶された変動パターン番号に基づいて変動パターンコマンドを生成する。さらに、メインCPU101は、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、変動演出パターン決定処理を終了する。
【0203】
  次に、上述したステップ752の変動停止処理について、
図32のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ1000において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30において第1特図が変動表示中であるか否かを判定する。そして、変動表示中でないと判定した場合、ステップ1006に進む。一方、変動表示中であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
  ステップ1001において、メインCPU101は、上述のステップ910で第1特図変動時間タイマカウンタにセットされた第1特図の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、ステップ1006に進む。一方、経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
 
【0204】
  ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ817で決定され、第1特図一時記憶領域に記憶された第1特図を、第1特別図柄表示装置30に停止表示するための停止表示データをセットし、第1特図の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
  ステップ1003において、メインCPU101は、第1特図が停止表示されたことを示す第1特図停止表示コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
【0205】
  ステップ1004において、メインCPU101は、特図停止表示時間決定テーブル116を参照して、上述のステップ817で決定された特別図柄の種類に応じた第1特図を停止表示する特図停止表示時間(以下、第1特図停止表示時間という)を決定する。そして、次のステップ1005に進む。
  ステップ1005において、メインCPU101は、上述のステップ1004で決定された第1特図停止表示時間を第1停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1006に進む。
【0206】
  ステップ1006において、メインCPU101は、第2特別図柄表示装置31において第2特図が変動表示中であるか否かを判定する。そして、変動表示中でないと判定した場合、変動停止処理を終了する。一方、変動表示中であると判定した場合、次のステップ1007に進む。
  ステップ1007において、メインCPU101は、上述のステップ910で第2特図変動時間タイマカウンタにセットされた第2特図の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、変動停止処理を終了する。一方、経過したと判定した場合、次のステップ1008に進む。
【0207】
  ステップ1008において、メインCPU101は、上述のステップ804で決定され、第2特図一時記憶領域に記憶された第2特図を、第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、第2図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1009に進む。
  ステップ1009において、メインCPU101は、第2特図が停止表示されたことを示す第2特図停止表示コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1010に進む。
【0208】
  ステップ1010において、メインCPU101は、特図停止表示時間決定テーブル116を参照して、上述のステップ804で決定された特別図柄の種類に応じた第2特図を停止表示する特図停止表示時間(以下、第2特図停止表示時間という)を決定する。そして、次のステップ1011に進む。
  ステップ1011において、メインCPU101は、上述のステップ1010で決定された第2特図停止表示時間を第2停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、変動停止処理を終了する。
【0209】
  次に、上述したステップ753の停止後処理について、
図33のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ1100において、メインCPU101は、上述のステップ1005で第1停止表示時間タイマカウンタにセットされた第1特図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、第1特図停止表示時間が経過していないと判定した場合、ステップ1102に進む。一方、第1特図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1101に進む。
  ステップ1101において、メインCPU101は、停止表示された第1特図が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄であると判定した場合、ステップ1104に進む。一方、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、次のステップ1102に進む。
 
【0210】
  ステップ1102において、メインCPU101は、上述のステップ1011で第2停止表示時間タイマカウンタにセットされた第2特図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、第2特図停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、第2特図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1103に進む。
  ステップ1103において、メインCPU101は、停止表示された第2特図が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1114に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1104に進む。
【0211】
  ステップ1104において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄があるか否か、すなわち、停止表示された特別図柄とは異なる、もう一方の特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、停止表示された第1特図が大当たり図柄であった場合には、第2特図が変動表示中であるか否かを判定し、停止表示された第2特図が大当たり図柄であった場合には、第1特図が変動表示中であるか否かを判定する。そして、変動表示中の特別図柄がないと判定した場合、ステップ1109に進む。一方、変動表示中の特別図柄があると判定した場合、次のステップ1105に進む。
  ステップ1105において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄が小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、小当たり図柄でないと判定した場合、ステップ1108に進む。一方、小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。なお、小当たり図柄は第2特図乱数に基づいてのみ決定されるため、小当たり図柄であると判定されるのは、第2特図が変動表示中である場合のみとなる。
【0212】
  ステップ1106において、メインCPU101は、変動表示中の小当たり図柄に係るデータ(すなわち、第2特図一時記憶領域に記憶された小当たり図柄に係るデータ)をハズレ図柄に係るデータに書き換える。そして、次のステップ1107に進む。
  ステップ1107において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄を強制的に停止表示する。具体的には、上述のステップ1106で書き換えられた第2特図一時記憶領域に記憶されている第2特図(ハズレ図柄)を、第2特図の変動時間が経過していなくても第2特別図柄表示装置31に停止表示させる。そして、ステップ1109に進む。
【0213】
  また、上述のステップ1105で小当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1108において、メインCPU101は、変動表示中である第1特図又は第2特図の変動時間の計測を停止する。そして、次のステップ1109に進む。
  なおここでは、変動時間の計測を停止するのみであり、第1特図又は第2特図の変動表示は引き続き行われるようになっている。たとえば、第1特別図柄表示装置30においてハズレ図柄の変動表示中に、第2特別図柄表示装置31において大当たり図柄が停止表示された場合には、変動表示中のハズレ図柄が強制的に停止表示されることはない。また、第2特別図柄表示装置31においてハズレ図柄の変動表示中に、第1特別図柄表示装置30において大当たり図柄が停止表示された場合には、変動表示中のハズレ図柄が強制的に停止表示されることはない。そして、変動時間の計測を停止することで、この時点における残りの変動時間を維持したまま、ハズレ図柄の変動表示が継続されることとなる。なお、後述する如く、大当たり遊技が終了すると、停止された変動時間の計測が再開されるようになっている。
【0214】
  ステップ1109において、メインCPU101は、特図停止表示時間(第1特図停止表示時間、第2特図停止表示時間)の経過後(すなわち、特別遊技の開始時点で)、大当たり信号を、外部情報端子基板500へ送信し、ホールコンピュータや遊技情報表示装置等のパチンコ機P外部の装置へ出力するための開始時大当たり信号出力処理を実行する。そして、次のステップ1110に進む。
  ステップ1110において、メインCPU101は、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをオフにする。なお、高確遊技フラグ、時短遊技フラグがオフであったときには、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1111に進む。
【0215】
  ステップ1111において、メインCPU101は、遊技者に遊技球の発射位置(第1遊技領域12a(すなわち、左打ち)又は第2遊技領域12b(すなわち、右打ち))を指示するための各種処理を行う発射位置指示処理を実行する。そして、次のステップ1112に進む。
  本形態に係るパチンコ機Pでは、メインRAM103の所定の記憶領域に、遊技者に指示されている発射位置の情報が記憶される。そして、パチンコ機Pの状態が変化した各種時点(特別遊技の開始時点、特別遊技の終了時点、低確率時短遊技状態から通常遊技状態への移行時点等)において、発射位置指示処理が実行される。発射位置指示処理においては、上述の所定の記憶領域に記憶されている発射位置の情報をパチンコ機Pの状態が変化した後に遊技者に指示する発射位置の情報に更新する処理、当該発射位置の情報を示す発射位置指示コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する処理が実行される。
  たとえば、特別遊技が開始された場合、特別遊技の終了時点であって当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率非時短遊技状態に設定された場合には、遊技球の発射位置として第2遊技領域12b(右打ち)を指示するため、上述の所定の記憶領域に第2遊技領域12bが記憶され、当該第2遊技領域12bを示す発射位置指示コマンドが演出用伝送データ格納領域に記憶される。これにより、第2遊技領域12bの情報が副制御基板300に送信され、副制御基板300において、発射位置として第2遊技領域12bを指示する表示を演出表示装置21において行うための処理や、スピーカから当該第2遊技領域12bを指示する音声を出力するための処理等が実行される。
  また、特別遊技の終了時点であって当該特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態又は通常遊技状態に設定された場合、低確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定された場合には、遊技球の発射位置として第1遊技領域12a(左打ち)を指示するため、上述の所定の記憶領域に第1遊技領域12aが記憶され、当該第1遊技領域12aを示す発射位置指示コマンドが演出用伝送データ格納領域に記憶される。これにより、第1遊技領域12aの情報が副制御基板300に送信され、副制御基板300において、発射位置として第1遊技領域12aを指示する表示を演出表示装置21において行うための処理や、スピーカから当該第1遊技領域12aを指示する音声を出力するための処理等が実行される。
  なお、小当たり遊技の開始時点や終了時点においても発射位置指示処理が実行されるが、第2遊技領域12が発射位置として指示されている場合に小当たり遊技が開始、終了したときには、当該発射位置指示処理の実行は省略されるようになっている。
【0216】
  ステップ1112において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。また、停止表示された大当たり図柄の種類に対応する特別電動役物作動テーブル117に基づいて、オープニング時間が経過した後に実行される特別遊技中の上限ラウンド数を取得し、メインRAM103に設けられたラウンド数記憶領域にセットする。そして、次のステップ1113に進む。
【0217】
  ステップ1113において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0218】
  また、上述のステップ1103で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1114において、メインCPU101は、停止表示された第2特図が小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、小当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1120に進む。一方、小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1115に進む。
  ステップ1115において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄があるか否か、具体的には、第1特図が変動表示中であるか否かを判定する。そして、変動表示中の特別図柄がないと判定した場合、ステップ1117に進む。一方、変動表示中の特別図柄があると判定した場合、次のステップ1116に進む。
【0219】
  ステップ1116において、メインCPU101は、変動表示中である第1特図の変動時間の計測を停止する。ここでは、変動時間の計測を停止するのみであり、第1特図の変動表示は引き続き行われるようになっている。すなわち、第1特別図柄表示装置30においてハズレ図柄の変動表示中に、第2特別図柄表示装置31において小当たり図柄が停止表示された場合には、変動表示中のハズレ図柄が強制的に停止表示されることはない。そして、変動時間の計測を停止することで、この時点における残りの変動時間を維持したまま、ハズレ図柄の変動表示が継続されることとなる。なお、後述する如く、小当たり遊技が終了すると、停止された変動時間の計測が再開されるようになっている。
  そして、次のステップ1117に進む。
【0220】
  ステップ1117において、メインCPU101は、発射位置指示処理を実行する。そして、次のステップ1118に進む。
  ステップ1118において、メインCPU101は、小当たり遊技の開始時に設定されるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1119に進む。
  ステップ1119において、メインCPU101は、特図関連制御処理において小当たり遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0221】
  また、上述のステップ1114で小当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1120において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。この遊技状態コマンドには、高確遊技フラグのオン又はオフの情報、時短遊技フラグのオン又はオフの情報、高確回数の情報、時短回数の情報等が含まれている。そして、次のステップ1121に進む。
  ステップ1121において、メインCPU101は、発射位置指示処理を実行する。そして、停止後処理を終了する。
【0222】
  次に、上述したステップ1109の開始時大当たり信号出力処理について、
図34のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ1150において、メインCPU101は、現時点の発射位置として第1遊技領域12aが指示されているか否か、すなわち、メインRAM103の所定の記憶領域に第1遊技領域12aが記憶されているか否かを判定する。そして、第1遊技領域12aが指示されていない(すなわち、第2遊技領域12bが指示されている)と判定した場合、ステップ1153に進む。一方、第1遊技領域12aが指示されていると判定した場合、次のステップ1151に進む。
  ステップ1151において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄は第2特図であるか否か、すなわち、第2特図に係る大当たり図柄が停止表示したか否かを判定する。そして、第2特図でない(すなわち、第1特図である)と判定した場合、ステップ1153に進む。一方、第2特図であると判定した場合、次のステップ1152に進む。
 
【0223】
  ステップ1152において、メインCPU101は、大当たり信号の出力開始待ちの状態である旨を示す大当たり信号出力待ちフラグをオンにする。なお、初期状態においては、大当たり信号出力待ちフラグはオフとなっている。このステップ1152の処理が行われるのは、現時点の遊技状態が通常遊技状態又は低確率時短遊技状態であって発射位置として第1遊技領域12aが指示されているときに、第2特図乱数により大当たりに当選した場合である。この場合には、特別遊技の開始時点では大当たり信号が外部情報端子基板500へ送信されることはなく、ホールコンピュータや遊技情報表示装置等のパチンコ機P外部の装置へ当該大当たり信号は出力されず、大当たり信号の出力開始待ちの状態となる。そして、開始時大当たり信号出力処理を終了する。
【0224】
  また、上述のステップ1150で第1遊技領域12aが指示されていないと判定された場合、及び、上述のステップ1151で第2特図でないと判定された場合に進むステップ1153において、メインCPU101は、大当たり信号を外部情報端子基板500へ送信し、これにより当該大当たり信号がホールコンピュータや遊技情報表示装置へ出力される。このステップ1153の処理が行われるのは、現時点の遊技状態が通常遊技状態又は低確率時短遊技状態であって発射位置として第1遊技領域12aが指示されているときに、第1特図乱数により大当たりに当選した場合、現時点の遊技状態が高確率非時短遊技状態であって発射位置として第2遊技領域12aが指示されているときに、第1特図乱数又は第2特図乱数により大当たりに当選した場合である。これらの場合には、特別遊技の開始時点で、大当たり信号が外部情報端子基板500へ送信され、ホールコンピュータや遊技情報表示装置等のパチンコ機P外部の装置へ当該大当たり信号が出力される。そして、開始時大当たり信号出力処理を終了する。
【0225】
  次に、上述したステップ702の特別遊技制御処理について、
図35のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
  ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1112でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1202に進む。
 
【0226】
  ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1207に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
  ステップ1203において、メインCPU101は、大当たり図柄の種別(X1、X2又はX3)に応じた特別電動役物作動テーブル117に基づいて、各ラウンド遊技における第1大入賞口18や第2大入賞口55の開閉制御等を行うラウンド遊技制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
【0227】
  ステップ1204において、メインCPU101は、上限ラウンド数(大当たり図柄X1の場合には10ラウンド、大当たり図柄X2又はX2の場合には5ラウンド)のラウンド遊技が終了したか否か、すなわち、現時点のラウンド数が上限ラウンド数に達したか否かを判定する。そして、上限ラウンド数のラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、上限ラウンド数のラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1205に進む。
  ステップ1205において、メインCPU101は、最後のラウンド遊技が終了した時点で、大当たり信号を、外部情報端子基板500へ送信し、ホールコンピュータや遊技情報表示装置等のパチンコ機P外部の装置へ出力するための終了時大当たり信号出力処理を実行する。そして、次のステップ1206に進む。
【0228】
  ステップ1206において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
  また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1207において、メインCPU101は、上述のステップ1206でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1208に進む。
【0229】
  ステップ1208において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1209に進む。
  ステップ1209において、メインCPU101は、実行中の大当たり信号の出力を停止する。すなわち、外部情報端子基板500への大当たり信号の送信が停止し、これにより、ホールコンピュータや遊技情報表示装置等のパチンコ機P外部の装置への大当たり信号の出力が停止する。そして、次のステップ1210に進む。
  ステップ1210において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0230】
  次に、上述したステップ1203のラウンド遊技制御処理について、
図36のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ1250において、メインCPU101は、最初のラウンド遊技(すなわち、1ラウンド)が開始された時点であるか否かを判定する。そして、1ラウンドが開始された時点でないと判定した場合、ステップ1254に進む。一方、1ラウンドが開始された時点であると判定した場合、次のステップ1251に進む。
  なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、特に図示していないが、特別遊技中において、メインRAM103の所定の記憶領域に実行中のラウンド遊技のラウンド数が記憶されるようになっており、メインCPU101は、これに基づいて実行中のラウンド遊技が何ラウンド目であるかを把握できるようになっている。
  ステップ1251において、メインCPU101は、ラウンド遊技が開始される旨を示す開始フラグをオンにする。そして、次のステップ1252に進む。
 
【0231】
  ステップ1252において、メインCPU101は、ラウンド遊技が終了した旨を示す終了フラグをオフにする。そして、次のステップ1253に進む。
  ステップ1253において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄に対応する特別電動役物作動テーブル117を選択する。具体的には、メインCPU101は、大当たり図柄X1である場合に第1作動テーブル117aを選択し、大当たり図柄X2又はX3である場合に第2作動テーブル117bを選択する。さらに、メインCPU101は、特別遊技が開始されたことを示す特別遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1254に進む。
【0232】
  ステップ1254において、メインCPU101は、開始フラグがオンであるか否かを判定する。そして、開始フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ1259に進む。一方、開始フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1255に進む。
  ステップ1255において、メインCPU101は、開始フラグをオフにする。そして、次のステップ1256に進む。
【0233】
  ステップ1256において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1257に進む。
  ステップ1257において、メインCPU101は、上述のステップ1253で選択した特別電動役物作動テーブル117を参照して、現時点のラウンド遊技に対応する第1大入賞口18又は第2大入賞口55の開放時間(すなわち、第1大入賞口ソレノイド18c又は第2大入賞口ソレノイド55cの通電時間)を大入賞口開放タイマカウンタにセットする。具体的には、現時点のラウンド遊技が1ラウンドであった場合には、第1大入賞口18の開放時間として3.0秒をセットする。また、現時点のラウンド遊技が2ラウンド以降のいずれかであった場合には第2大入賞口55の開放時間として29.0秒をセットする。そして、次のステップ1258に進む。
  なお、ここで大入賞口開放タイマカウンタにセットされた開放時間は、上述のステップ200のタイマ更新処理で減算されるようになっている。
【0234】
  ステップ1258において、メインCPU101は、第1大入賞口18又は第2大入賞口55の開閉制御(すなわち、第1大入賞口ソレノイド18c又は第2大入賞口ソレノイド55cの通電制御)を開始する。
  具体的には、メインCPU101は、上述のステップ1253で選択された特別電動役物作動テーブル117及び上述の大入賞口開放タイマカウンタの値に基づいて、第1大入賞口18又は第2大入賞口55の開閉制御を行う。また、メインCPU101は、2ラウンド以降の各ラウンド遊技において、第2アタッカー装置54内に設けられたシャッター部59を変位させる制御を行う。たとえば、1ラウンドのラウンド遊技中においては、第1大入賞口18について3.0秒開放が行われる。これに対して、2ラウンド以降の各ラウンド遊技中においては、第2大入賞口55について29.0秒開放が行われる。
  そして、次のステップ1259に進む。
【0235】
  ステップ1259において、メインCPU101は、終了フラグがオンであるか否かを判定する。そして、終了フラグがオンであると判定した場合、ステップ1270に進む。一方、終了フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、次のステップ1260に進む。
  ステップ1260において、メインCPU101は、上述のステップ1257で大入賞口開放タイマカウンタにセットされた開放時間の経過、若しくは、第1大入賞口18又は第2大入賞口55への所定の終了条件入球数(本形態では10個)の遊技球の入球のいずれかの条件を満たしたか否かを判定する。そして、いずれの条件も満たしていないと判定した場合、ラウンド遊技制御処理を終了する。一方、いずれかの条件を満たしたと判定した場合、次のステップ1261に進む。
【0236】
  ステップ1261において、メインCPU101は、ラウンド遊技の終了を示すラウンド終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1262に進む。
  ステップ1262において、メインCPU101は、当該ラウンド遊技では第2大入賞口55の開放が行われているか否か、すなわち、第2大入賞口55が開放されるラウンド遊技(すなわち、2ラウンド以降の各ラウンド遊技)の実行中であるか否かを判定する。そして、第2大入賞口55の開放が行われていないと判定した場合、ステップ1265に進む。一方、第2大入賞口55の開放が行われていると判定した場合、次のステップ1263に進む。
【0237】
  ステップ1263において、メインCPU101は、継続フラグがオンであるか否かを判定する。そして、継続フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ステップ1268に進む。一方、継続フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1264に進む。
  ステップ1264において、メインCPU101は、継続フラグをオフにする。そして、次のステップ1265に進む。
【0238】
  ステップ1265において、メインCPU101は、終了フラグをオンにする。そして、次のステップ1266に進む。
  ステップ1266において、メインCPU101は、第1大入賞口18又は第2大入賞口55の開閉制御(第1大入賞口ソレノイド18c又は第2大入賞口ソレノイド55cの通電制御)を終了する。また、メインCPU101は、2ラウンド以降のラウンド遊技においては、第2アタッカー装置54内に設けられたシャッター部59を変位させる制御を終了する。そして、次のステップ1267に進む。
【0239】
  ステップ1267において、メインCPU101は、上述のステップ1253で選択された特別電動役物作動テーブル117を参照して、各ラウンド遊技の終了後に設定されるインターバル時間(本形態では1.0秒)をインターバルタイマカウンタにセットするインターバル時間セット処理を実行する。
  具体的には、メインCPU101は、現時点のラウンド遊技数を確認し、現時点のラウンド遊技数が上限ラウンド数に達していない場合には、インターバルタイマカウンタに1.0秒のインターバル時間をセットする。これに対して、現時点のラウンド遊技数が上限ラウンド数に達していた場合には、ここでは何も処理を行わない。なお、ここでインターバルタイマカウンタにセットされたインターバル時間は、上述のステップ200のタイマ更新処理で減算されるようになっている。
  そして、ラウンド遊技制御処理を終了する。
【0240】
  また、上述のステップ1263で継続フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ1268において、メインCPU101は、終了時大当たり信号出力処理を実行する。そして、次のステップ1269に進む。
  ステップ1269において、メインCPU101は、エンディング時間をエンディングタイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0241】
  また、上述のステップ1259で終了フラグがオンであると判定した場合に進むステップ1270において、メインCPU101は、上述のステップ1267でインターバルタイマカウンタにセットされたインターバル時間が経過したか否かを判定する。そして、インターバル時間が経過していないと判定した場合、ラウンド遊技制御処理を終了する。一方、インターバル時間が経過したと判定した場合、次のステップ1271に進む。
  ステップ1271において、メインCPU101は、終了フラグをオフにする。そして、次のステップ1272に進む。
  ステップ1272において、メインCPU101は、開始フラグをオンにする。そして、ラウンド遊技制御処理を終了する。
【0242】
  次に、上述したステップ1205及びステップ1268の終了時大当たり信号出力処理について、
図37のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ1280において、メインCPU101は、大当たり信号出力待ちフラグがオンであるか否かを判定する。そして、大当たり信号出力待ちフラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、終了時大当たり信号出力処理を終了する。一方、大当たり信号出力待ちフラグがオンであると判定した場合、次のステップ1281に進む。
  ステップ1281において、メインCPU101は、大当たり信号を外部情報端子基板500へ送信し、これにより当該大当たり信号がホールコンピュータや遊技情報表示装置へ出力される。そして、次のステップ1282に進む。
  ステップ1282において、メインCPU101は、大当たり信号出力待ちフラグをオフにする。そして、終了時大当たり信号出力処理を終了する。
 
【0243】
  次に、上述したステップ703の小当たり遊技制御処理について、
図38のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ1290において、メインCPU101は、実行フェーズデータが小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1291に進む。
  ステップ1291において、メインCPU101は、上述のステップ1118でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1292に進む。
 
【0244】
  ステップ1292において、メインCPU101は、この小当たり遊技制御処理において第1大入賞口18の開閉が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1296に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1293に進む。
  ステップ1293において、メインCPU101は、特別電動役物作動テーブル117における第3作動テーブル117cに基づいて、第1大入賞口18の開閉を行う小当たり遊技実行処理を行う。そして、次のステップ1294に進む。
【0245】
  ステップ1294において、メインCPU101は、第1大入賞口18の開閉が終了したか否かを判定する。そして、第1大入賞口18の開閉が終了していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、第1大入賞口18の開閉が終了したと判定した場合、次のステップ1295に進む。
  ステップ1295において、メインCPU101は、小当たり遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
【0246】
  また、上述のステップ1292でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1296において、メインCPU101は、上述のステップ1295でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1297に進む。
  ステップ1297において、メインCPU101は、第1特図の変動時間の計測が停止中であるか否かを判定する。上述の如く、第1特別図柄表示装置30においてハズレ図柄の変動表示中に、第2特別図柄表示装置31において小当たり図柄が停止表示された場合に、第1特図の変動時間の計測が停止される。そして、停止中でないと判定した場合、ステップ1299に進む。一方、停止中であると判定した場合、次のステップ1298に進む。
【0247】
  ステップ1298において、メインCPU101は、停止していた第1特図の変動時間の計測を再開する。具体的には、上述のように、第1特別図柄表示装置30においてハズレ図柄の変動表示中に、第2特別図柄表示装置31において小当たり図柄が停止表示された場合には、この小当たり図柄の停止表示により実行される小当たり遊技中、第1特図の変動時間の計測が停止する。これにより、小当たり遊技が開始された時点における残りの変動時間が維持されることとなる。そして、小当たり遊技が終了すると、維持されていた残りの変動時間の計測が再開される。なお、この変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置30においてハズレ図柄が停止表示される。
  そして、次のステップ1299に進む。
  ステップ1299において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
【0248】
  次に、上述したステップ704の特別遊技終了処理について、
図39のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
  ステップ1301において、メインCPU101は、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄(メインRAM103の処理領域に記憶)を確認するとともに、上述の大当たり図柄に応じた遊技状態設定テーブル118に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する遊技状態設定処理を実行する。また、メインCPU101は、遊技状態設定処理により設定された遊技状態に基づいて、発射位置指示処理を実行する。
  具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。
  本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の大当たり図柄がX1の場合には、高確遊技フラグをオフにするとともに、時短遊技フラグをオフにする。そして、メインRAM103の所定の記憶領域に、発射位置の情報として第1遊技領域12aを記憶する。
  また、上述の大当たり図柄がX2の場合には、高確遊技フラグをオフにするとともに、時短遊技フラグをオンにし、時短回数に「30」をセットする。そして、メインRAM103の所定の記憶領域に、発射位置の情報として第1遊技領域12aを記憶する。
  また、上述の大当たり図柄がX3の場合には、高確遊技フラグをオンにするとともに、時短遊技フラグをオフにし、高確回数に「10000」をセットする。そして、メインRAM103の所定の記憶領域に、発射位置の情報として第2遊技領域12bを記憶する。
  そして、次のステップ1302に進む。
 
【0249】
  ステップ1302において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、ステップ1301で設定された高確遊技フラグのオン又はオフの情報、時短遊技フラグのオン又はオフの情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1303に進む。
  ステップ1303において、メインCPU101は、第1特図又は第2特図の変動時間の計測が停止中であるか否かを判定する。上述の如く、第1特別図柄表示装置30においてハズレ図柄の変動表示中に、第2特別図柄表示装置31において大当たり図柄が停止表示された場合に、第1特図の変動時間の計測が停止される。また、第2特別図柄表示装置31においてハズレ図柄の変動表示中に、第1特別図柄表示装置30において大当たり図柄が停止表示された場合に、第2特図の変動時間の計測が停止される。そして、停止中でないと判定した場合、ステップ1305に進む。一方、停止中であると判定した場合、次のステップ1304に進む。
【0250】
  ステップ1304において、メインCPU101は、停止していた第1特図又は第2特図の変動時間の計測を再開する。具体的には、上述のように、第1特別図柄表示装置30においてハズレ図柄の変動表示中に、第2特別図柄表示装置31において大当たり図柄が停止表示された場合には、この大当たり図柄の停止表示により実行される特別遊技中、第1特図の変動時間の計測が停止する。また、第2特別図柄表示装置31においてハズレ図柄の変動表示中に、第1特別図柄表示装置30において大当たり図柄が停止表示された場合には、この大当たり図柄の停止表示により実行される特別遊技中、第2特図の変動時間の計測が停止する。これにより、特別遊技が開始された時点における残りの変動時間が維持されることとなる。そして、特別遊技が終了すると、維持されていた残りの変動時間の計測が再開される。なお、この変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31においてハズレ図柄が停止表示される。
  そして、次のステップ1305に進む。
【0251】
  ステップ1305において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0252】
  次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、
図40のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
  そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
 
【0253】
  次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、
図41のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
  ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
 
【0254】
  ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
  ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
【0255】
  ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル119(非時短判定テーブル119a又は時短判定テーブル119b)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短判定テーブル119aを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。また、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短判定テーブル119bを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
  ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。一方、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。
【0256】
  ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
  また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでないと判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
【0257】
  ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、普図保留数の値を確認する。そして、次のステップ1509に進む。
  ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄変動パターン決定テーブル120を参照して、上述のステップ1508で確認した現時点の遊技状態に応じた普通図柄変動パターン番号を決定するとともに、普通図柄の変動時間(変動パターン)を決定し、この決定された普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1510に進む。
【0258】
  ステップ1510において、メインCPU101は、普図停止表示時間決定テーブル121を参照して、上述のステップ1505の判定結果に基づく普通図柄の種類(当たり図柄、ハズレ図柄)に応じた普図停止表示時間を決定し、この決定された普図停止表示時間をメインRAM103に設けられた所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
  ステップ1511において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1512に進む。
【0259】
  ステップ1512において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1513に進む。
  ステップ1513において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0260】
  次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、
図42のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
  ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1509で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
 
【0261】
  ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
  ステップ1603において、メインCPU101は、上述のステップ1510で決定され、一時記憶領域に記憶された普図停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0262】
  ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0263】
  次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、
図38のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
  ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該普図停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該普図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
 
【0264】
  ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。
  ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0265】
  また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0266】
  次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、
図44のフローチャートを参照して説明する。
  ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
  ステップ1801において、メインCPU101は、可動片15dが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド15cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片15dが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片15dが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
 
【0267】
  ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
  ステップ1803において、メインCPU101は、特別第1始動入賞口開放制御テーブル122を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0268】
  また、上述のステップ1801で可動片15dが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
  ステップ1805において、メインCPU101は、可動片15dの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド15cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
【0269】
  ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0270】
  (パチンコ機Pにおける演出の概要)
  上述の如く、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技及び普図遊技、並びに、小当たり遊技及び特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300において、遊技の進行に伴う演出の制御が行われる。
  たとえば、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別図柄の変動表示中に、演出図柄50の表示態様により大当たりの抽選の結果を報知する変動演出が実行される。この変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知されるようになっている。
【0271】
  また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、第1特図と第2特図とが同時に変動表示可能となっているため、第1特図と第2特図とが同時に変動表示される場合には、演出表示装置21においても、第1特図に対応する変動演出と第2特図に対応する変動演出とが同時に行われるようになっている。そして、通常遊技状態又は低確率時短遊技状態においては、
図45(a)に示すように、演出表示装置21における表示部21aの中央部分で第1特図に対応する変動演出が実行され、表示部21aの右下隅で第2特図に対応する変動演出が実行されるようになっている。これに対して、高確率非時短遊技状態においては、
図45(b)に示すように、演出表示装置21における表示部21aの中央部分で第2特図に対応する変動演出が実行され、表示部21aの左下隅で第1特図に対応する変動演出が実行されるようになっている。
  以下では、具体例として、通常遊技状態において実行される第1特図に対応する変動演出を説明する。
 
【0272】
  変動演出では、特別図柄の変動表示の開始とともに、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始される(
図46(a)及び(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
  その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(
図46(c)~(e)参照)。
 
【0273】
  そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(
図46(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが報知される。
  また、特に図示していないが、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される。
 
【0274】
  また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
【0275】
  なお、第2特図に対応する変動演出において、大当たりの抽選の結果が小当たりであった場合には、小当たりを示す特定の態様(たとえば、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄が特殊な図柄(ベル図柄等)で停止する態様)で演出図柄50が停止表示されるようにしてもよい。
  また、大当たりの抽選の結果がハズレ及び小当たりのいずれの場合であっても、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはないようにしつつ、小当たりの場合には、小当たりに当選した旨を示す特定の画像を表示するようにしてもよい。
【0276】
  また、本形態に係るパチンコ機Pには、変動演出の態様として、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなし変動パターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(いわゆるリーチ表示が行われる)リーチ変動パターンが設けられている。これらの変動演出の態様はそれぞれ複数の態様を有しており、各態様には、変動の仕方や演出図柄50の表示内容等が種々設定されている。
【0277】
  また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、変動演出の態様を決定するための種々の変動演出決定テーブルが記憶されている。副制御基板300のサブCPU301は、主制御基板100から送信された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信することにより、所定の条件に応じた変動演出決定テーブルを選択するとともに、所定の数値範囲内(たとえば、0~249)で演出乱数(前半変動演出乱数、後半変動演出乱数)を取得する。そして、選択された変動演出決定テーブル、主制御基板100のメインCPU101から受信した変動モードコマンド、変動パターンコマンド及び取得された演出乱数(前半変動演出乱数、後半変動演出乱数)に基づいて、変動演出の態様を決定する。
  具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様(リーチ発展演出の有無等)が決定されるようになっている。これにより、決定された態様に基づいた変動演出が、演出表示装置21において実行されることとなる。
【0278】
  また、本形態に係るパチンコ機Pでは、特に図示していないが、特別遊技が開始されるか又は高確率非時短遊技状態が設定される(小当たり遊技中も含む)と、演出表示装置21の表示部21aにおいて、遊技者に対して第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を指示する表示が行われるようになっている。また、通常遊技状態又は低確率時短遊技状態が設定されると、演出表示装置21の表示部21aにおいて、遊技者に対して第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を指示する表示が行われるようになっている。
【0279】
  最後に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
  上述の実施の形態では、大当たりに当選し、当該当選に基づいて決定された大当たり図柄が停止表示されると、特別遊技が開始されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、大当たり図柄が停止表示されたのみでは特別遊技が開始されず、大当たり図柄が停止表示され、かつ遊技球が遊技領域12に設けられたゲート20(本発明の進入領域に相当)を通過した場合に、特別遊技が開始されるように設定してもよい。すなわち、遊技球がゲート20を通過すると、普通図柄の抽選(すなわち、可動片15bを開放するか否かの決定)を行うとともに、大当たり図柄が停止表示されていた場合には特別遊技を開始するように設定してもよい。
  このように設定することで、大当たり図柄が停止表示されたとしても、遊技球がゲート20を通過しない限りは特別遊技が開始されないこととなる。したがって、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たりに当選しているにもかかわらず、特別図柄の変動表示が停止する前に遊技者が遊技を止め離席した場合には、遊技球の打ち出しが行われていないため、遊技球がゲート20を通過することはなく、特別遊技が開始されることはない。これにより、パチンコ機Pが、特別遊技が実行されたままの状態で放置されることを極力防止することができるのである。
  なお、上述のように設定する場合には、大当たり図柄が停止表示され、遊技球がゲート20を通過することにより特別遊技が開始された時点で、大当たり信号を出力し、当該特別遊技が終了するまで当該出力を継続するように設定するのが望ましい。
  また、上述のように設定する場合には、上述の実施の形態と同様に、継続領域58を有さない第1大入賞口18及び継続領域58を有する第2大入賞口55の両方を設け、1ラウンドにおいては第1大入賞口18を開放し、2ラウンド以降においては第2大入賞口55を開放するように設定してもよいし、継続領域58を有さない第1大入賞口18のみを設け、全てのラウンド遊技において第1大入賞口18を開放するようにしてもよい。
  また、ゲート20を用いて普通図柄の抽選及び特別遊技の開始の両方の処理を行うのではなく、ゲート20と異なる特定のゲートを別個設け、遊技球がゲート20を通過した場合に普通図柄の抽選を行い、大当たり図柄が停止表示された場合に遊技球が当該特定のゲートを通過した場合に特別遊技を開始するようにしてもよい。
【0280】
  また、上述の実施の形態では、1ラウンドにおいて第1大入賞口18を開放するとともに、2ラウンド以降の全てのラウンド遊技において第2大入賞口55を開放するように設定されていたが、これに限定されるものではなく、2ラウンド以降のラウンド遊技においても第1大入賞口18を開放するように設定してもよい。たとえば、1ラウンド及び2ラウンドにおいて第1大入賞口18を開放するとともに、3ラウンド以降のラウンド遊技において第2大入賞口55を開放するように設定してもよい。
  このように設定した場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏するとともに、パチンコ機Pを放置せずに遊技を行っている遊技者に対しては、第1大入賞口18が開放するラウンド遊技においては次のラウンド遊技の実行が確定するという安心感を与えることができるのである。
【0281】
  また、上述の実施の形態では、2ラウンド以降における第2大入賞口55の開放時間は、1ラウンドにおける第1大入賞口18の開放時間よりも短くなるように設定されていたが、これに限定されるものではなく、1ラウンドにおける第1大入賞口18の開放時間、及び、2ラウンド以降における第2大入賞口55の開放時間はいずれも同一となるように設定してもよい。
  また、2ラウンド以降における第2大入賞口55の開放時間はいずれも同一となるように設定されていたが、これに限定されるものではなく、ラウンド遊技に応じて第2大入賞口55の開放時間が異なるように設定してもよい。たとえば、2ラウンドにおける第2大入賞口55の開放時間は、3ラウンド以降における第2大入賞口55の開放時間よりも短くなるように設定してもよい。なお、この場合には、2ラウンドにおける第2大入賞口55の開放時間は、第2遊技領域12bへ遊技球が打ち出されている場合に特定個数の遊技球が継続領域58へ進入可能となる下限の時間以上となるように設定するのが望ましい。
  このように設定することで、パチンコ機Pが放置されている場合により早く特別遊技を終了させることができるのである。
【0282】
  また、上述の実施の形態では、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選により大当たり、小当たり又はハズレの抽選結果が得られるようになっていたが、これに限定されるものではなく、小当たりを設けず、大当たり又はハズレの抽選結果が得られるように設定してもよい。
【0283】
  また、上述の実施の形態では、設定され得る遊技状態として、通常遊技状態、低確率時短遊技状態及び高確率非時短遊技状態の3つの遊技状態が設けられていたが、これに限定されるものではない。たとえば、通常遊技状態及び高確率非時短遊技状態の2つの遊技状態のみを設けてもよいし、上述の3つの遊技状態に加え、高確率遊技時状態と時短遊技状態とを組み合わせた高確率時短遊技状態を設けてもよい。
  また、上述の変形例は、可能な範囲で互いに組み合わせて構成することもできる。
【0284】
  なお、上述の実施の形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。また、上述の実施の形態における第1始動入賞口15は、本発明の第1始動領域に相当する。また、上述の実施の形態における第2始動入賞口16は、本発明の第2始動領域に相当する。また、上述の実施の形態における第1大入賞口18は、本発明の大入賞口に相当する。また、上述の実施の形態における継続領域58又はゲート20は、本発明の進入領域に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ817の処理を実行するメインCPU101は、本発明の第1図柄決定手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ804の処理を実行するメインCPU101は、本発明の第2図柄決定手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ910の処理を実行するメインCPU101は、本発明の変動時間決定手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ1002の処理を実行するメインCPU101は、本発明の第1図柄表示手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ1008の処理を実行するメインCPU101は、本発明の第2図柄表示手段に相当する。また、上述の実施の形態における特別遊技制御処理を実行するメインCPU101は、本発明の特別遊技実行手段に相当する。また、上述の実施の形態における1ラウンドのラウンド遊技は、本発明の第1のラウンド遊技に相当する。また、上述の実施の形態における2ラウンド以降のラウンド遊技は、本発明の第2のラウンド遊技に相当する。また、上述の実施の形態における第1遊技領域12aは、本発明の遊技領域12のうち第1始動領域への遊技球の進入が可能となる領域に相当する。また、上述の実施の形態における第2遊技領域12bは、本発明の遊技領域12のうち第2始動領域への遊技球の進入が可能となる領域に相当する。また、上述の実施の形態における通常遊技状態及び低確率時短遊技状態は、本発明の第1状態に相当する。また、上述の実施の形態における高確率非時短遊技状態は、本発明の第2状態に相当する。
【符号の説明】
【0285】
  P  パチンコ機
  15a  通常第1始動入賞口(15  第1始動入賞口)
  15b  特別第1始動入賞口(15  第1始動入賞口)
  16  第2始動入賞口
  18  第1大入賞口
  55  第2大入賞口
  58  継続領域
  21  演出表示装置
  100  主制御基板
  101  メインCPU
  102  メインROM
  103  メインRAM
  300  副制御基板
  301  サブCPU
  302  サブROM
  303  サブRAM