(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】光学素子
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13 20060101AFI20220425BHJP
G02F 1/1343 20060101ALI20220425BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20220425BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20220425BHJP
G02F 1/29 20060101ALI20220425BHJP
【FI】
G02F1/13 505
G02F1/1343
G02F1/1333
G02F1/1335
G02F1/29
(21)【出願番号】P 2017208399
(22)【出願日】2017-10-27
【審査請求日】2020-06-04
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中西 貴之
(72)【発明者】
【氏名】矢田 竜也
(72)【発明者】
【氏名】小糸 健夫
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-299361(JP,A)
【文献】実開平02-053021(JP,U)
【文献】特開2003-186036(JP,A)
【文献】特開2008-139684(JP,A)
【文献】特開平03-002732(JP,A)
【文献】特開平08-194212(JP,A)
【文献】特開2002-372701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
G02F 1/1343
G02F 1/1347
G02F 1/1333
G02F 1/1335
G02F 1/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶分子で形成される第1液晶レンズと、
偏光板と、
前記第1液晶レンズ及び前記偏光板の間に位置し、入射光を変調する第1変調部と、
前記第1液晶レンズ及び前記偏光板の間に位置し、前記第1変調部に隣接する第1無変調部と、
前記第1液晶レンズと反対側で前記偏光板に対向し、液晶分子で形成される第2液晶レンズと、
前記偏光板及び前記第2液晶レンズの間に位置し、入射光を変調する第2変調部と、
前記偏光板及び前記第2液晶レンズの間に位置し、前記第2変調部に隣接する第2無変調部と、を備える光学素子。
【請求項2】
前記第2変調部及び前記第2無変調部は第1方向に並び、前記第1方向の前記第2変調部の幅は、前記第1方向の前記第2無変調部の幅よりも大きい、請求項1に記載の光学素子。
【請求項3】
前記第1方向の前記第2無変調部の幅は、前記第1方向の前記第1変調部の幅よりも小さい、請求項2に記載の光学素子。
【請求項4】
前記第1液晶レンズと前記偏光板との間に位置し、前記第1変調部及び前記第1無変調部を備える第1変調素子と、
前記第2液晶レンズと前記偏光板との間に位置し、前記第2変調部及び前記第2無変調部を備える第2変調素子と、
前記第1変調素子と前記第2変調素子とを電気的に制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1変調部と前記第1無変調部との形成位置を切り替え、前記第2変調部と前記第2無変調部との形成位置を切り替える、請求項1に記載の光学素子。
【請求項5】
前記第1液晶レンズ、前記第1変調部、前記第2無変調部、及び前記第2液晶レンズは、それぞれ前記第1方向と交差する第2方向に延出し、
前記第1変調部及び前記第2無変調部は、前記第1及び第2方向と交差する第3方向において重畳し、
前記第1無変調部及び前記第2変調部は、前記第3方向において重畳している、請求項2又は3に記載の光学素子。
【請求項6】
液晶分子で形成される第1液晶レンズと、
前記第1液晶レンズと対向し、入射光を反射する第1反射部と、
前記第1液晶レンズと対向し、前記第1反射部に隣接する第1透過部と、
前記第1液晶レンズと前記第1反射部との間に位置し、液晶分子で形成される第2液晶レンズと、
前記第1液晶レンズ及び前記第2液晶レンズの間に位置する位相差板と、を備え、
前記第1反射部及び前記第1透過部は第1方向に並び、前記第1方向の前記第1反射部の幅は、前記第1方向の前記第1透過部の幅よりも小さく、
前記第1液晶レンズ、前記第1反射部、前記第1透過部、前記第2液晶レンズは、それぞれ前記第1方向と交差する第2方向に延出し、
前記第1液晶レンズと、前記第1反射部及び前記第1透過部と、前記第2液晶レンズとは、前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向において重畳している、光学素子。
【請求項7】
前記第1液晶レンズから前記第1反射部までの第1焦点距離は、前記第2液晶レンズから前記第1反射部までの第2焦点距離よりも大きい、請求項6に記載の光学素子。
【請求項8】
液晶分子で形成される第1液晶レンズと、
前記第1液晶レンズと対向し、入射光を反射する第1反射部と、
前記第1液晶レンズと対向し、前記第1反射部に隣接する第1透過部と、
前記第1液晶レンズと反対側で前記第1反射部及び前記第1透過部と対向する位相差板と、
前記第1反射部及び前記第1透過部と反対側で前記位相差板に対向し、液晶分子で形成されている第2液晶レンズと、
前記位相差板と反対側で前記第2液晶レンズと対向し、入射光を反射する第2反射部と、
前記位相差板と反対側で前記第2液晶レンズと対向し、前記第2反射部に隣接する第2透過部と、を備え、
前記第1反射部及び前記第1透過部は第1方向に並び、前記第1方向の前記第1反射部の幅は、前記第1方向の前記第1透過部の幅よりも小さく、
前記第1液晶レンズと、前記第1反射部及び前記第1透過部と、前記第2液晶レンズと、前記第2反射部及び前記第2透過部とは、前記第1方向に交差する第2方向に延出し、
前記第1反射部及び前記第2透過部は、前記第2方向に交差する第3方向において重畳し、
前記第1透過部及び前記第2反射部は、前記第3方向において重畳している、光学素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光学素子に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、拡散制御液晶パネルと、液晶表示パネルとを備えた映像表示装置が提案されている。拡散制御液晶パネルは、特定方向に指向性を有する光のうち、所定方向に振動する直線偏光を拡散するレンズ形成状態と、光の指向性を維持して透過させる非レンズ形成状態とを切り替えることができる。レンズ形成状態では、液晶層に電圧を印加することによって微小な液晶レンズが複数形成される。
その他、液晶層にレンズを形成する種々の技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-264321号公報
【文献】特開2005-317879号公報
【文献】特表2006-516753号公報
【文献】特表2007-535686号公報
【文献】特表2008-529064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、透過する光を制御可能な光学素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によれば、液晶分子で形成される第1液晶レンズと、偏光板と、前記第1液晶レンズ及び前記偏光板の間に位置し、入射光を変調する第1変調部と、前記第1液晶レンズ及び前記偏光板の間に位置し、前記第1変調部に隣接する第1無変調部と、を備える表示素子が提供される。
【0006】
本実施形態によれば、液晶分子で形成される第1液晶レンズと、前記第1液晶レンズと対向し、入射光を反射する第1反射部と、前記第1液晶レンズと対向し、前記第1反射部に隣接する第1透過部と、を備え、前記第1反射部及び前記第1透過部は第1方向に並び、前記第1方向の前記第1反射部の幅は、前記第1方向の前記第1透過部の幅よりも小さい、光学素子が提供される。
【0007】
本実施形態によれば、液晶分子で形成される液晶レンズと、前記液晶レンズと対向し、入射光を遮光する遮光部と、前記液晶レンズと対向し、前記遮光部に隣接する透過部と、を備え、前記遮光部及び前記透過部は第1方向に並び、前記第1方向の前記遮光部の幅は、前記第1方向の前記透過部の幅よりも小さい、光学素子が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態の光学装置の一構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、液晶素子の構成例を示す断面図である。
【
図3】
図3は、液晶素子の構成例を示す平面図である。
【
図4】
図4は、第1液晶層に形成されるレンズを説明するための図である。
【
図5】
図5は、
図4に示したレンズの作用を説明するための図である。
【
図6】
図6は、変調素子の構成例を示す断面図である。
【
図7】
図7は、変調素子に形成される変調部及び無変調部を説明するための図である。
【
図8】
図8は、光学素子の作用を説明するための図である。
【
図9】
図9は、光学素子の作用を説明するための図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係る光学装置の光学素子の構成例を示す図である。
【
図12】
図12は、第3実施形態に係る光学装置の光学素子の構成例を示す図である。
【
図14】
図14は、第4実施形態に係る光学装置の光学素子の構成例を示す図である。
【
図16】
図16は、第5実施形態に係る光学装置の光学素子の構成例を示す斜視図である。
【
図17】
図17は、第2液晶素子の構成例を示す斜視図である。
【
図18】
図18は、
図16のXVIII-XVIIIにおける光学素子の断面の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、第6実施形態に係る光学装置の光学素子の構成例を示す図である。
【
図21】
図21は、第7実施形態に係る光学装置の光学素子の構成例を示す図である。
【
図22】
図22は、第8実施形態に係る光学装置の光学素子の構成例を示す図である。
【
図23】
図23は、第9実施形態に係る表示装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の光学装置OPDの一構成例を示す図である。なお、図中の第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。以下で、第3方向Zを示す矢印の先端の向かう方向を上方向とし、矢印の先端の逆方向を下方向とする。また、第3方向Zにおいて上方向から第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX-Y平面をみることを平面視と言う。
【0011】
光学装置OPDは、光学素子2と、制御部CTとを備えている。
光学素子2は、液晶素子LDと、変調素子MDと、偏光板PLとを備えている。光学素子2において、偏光板PL、変調素子MD、及び液晶素子LDは、第3方向Zに沿ってこの順に並んでいる。液晶素子LDは、変調素子MDに対向している。変調素子MDは、第3方向Zにおいて、偏光板PLと液晶素子LDとの間に位置している。偏光板PLは、変調素子MDに対向している。
【0012】
液晶素子LDは、液晶レンズ(以下、単にレンズ)5を備えている。複数のレンズ5は、例えば、液晶素子LDにおいて第1方向Xに並んでいる。また、レンズ5は、例えば、第2方向Yに延出している。なお、レンズ5は、所定の位置に固定されてもよいし、その位置が可変されるように構成されてもよい。
【0013】
変調素子MDは、部分的に位相差を電気的に制御可能な液晶素子によって構成されてもよいし、部分的に位相差を有する位相差フィルムによって構成されてもよい。変調素子MDの詳細な構成例については後述するが、変調素子MDが後述する液晶素子によって構成される場合、変調素子MDは、光制御部OCTによって電気的に制御される。
変調素子MDは、変調部MAと、無変調部NMAとを備えている。複数の変調部MAは、変調素子MDにおいて、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。無変調部NMAは、第1方向Xで変調部MAに隣接している。図示した例では、変調部MA及び無変調部NMAは、第1方向Xに沿って交互に並んでいる。変調部MA及び無変調部NMAは、例えば、第2方向Yに延出している。また、変調部MAは、例えば、レンズ5によって光が集束される位置に配置されている。変調部MA及び無変調部NMAは、第3方向Zにおいて、レンズ5と偏光板PLとの間に位置している。一例では、変調部MA及び無変調部NMAとレンズ5とは、第3方向Zにおいて重畳している。なお、変調部MA及び無変調部NMAは、所定の位置に固定されてもよいし、それらの位置が可変されるように構成されてもよい。変調素子MDが後述する液晶素子によって構成される場合は、変調部MAと無変調部NMAは、電極に電圧を印加することで形成される。一例では、第1方向Xの変調部MAの幅W1は、第1方向Xの無変調部NMAの幅W2より小さく、第1方向Xのレンズ5の幅(あるいは、レンズ5を形成するための制御電極E1の間隔)W3よりも小さい。
【0014】
変調部MAは、入射光に対して位相差を付与する機能を有し、例えば、入射光に約λ/2の位相差を付与する。ここで、λは、入射光の波長である。このような変調部MAは、入射光が直線偏光である場合に、その偏光面を約90°回転させる機能を有する。
偏光板PLは、第1方向Xに延出し、複数の変調部MA及び複数の無変調部NMAと対向している。偏光板PLは、特定の方向に偏光した光を透過する。
【0015】
制御部CTは、光制御部OCTを備えている。光制御部OCTは、電気的に光学素子2に接続され、光学素子2を制御する。
このような光学装置OPDは、上方向及び下方向のいずれか一方から入射する光を透過し、他方から入射する光を非透過とすることができる。
【0016】
図2は、液晶素子LDの構成例を示す断面図である。
液晶素子LDは、基板51と、基板52と、液晶層53と、制御電極E1と、制御電極E2とを備えている。図示した例では、制御電極E1は、基板51に設けられ、制御電極E2は、基板52に設けられている。なお、制御電極E1及び制御電極E2は、同一基板、例えば、基板51又は基板52に設けられてもよい。
【0017】
基板51は、透明な絶縁基板511と、制御電極E1と、配向膜512と、給電線513とを備えている。制御電極E1は、絶縁基板511と液晶層53との間に位置している。複数の制御電極E1は、有効領域50Aにおいて、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。一例では、第1方向Xの制御電極E1の幅は、隣り合う2つの制御電極E1の第1方向Xの間隔と同等以下である。配向膜512は、制御電極E1を覆い、液晶層53に接触している。給電線513は、有効領域50Aの外側の非有効領域50Bに位置している。
【0018】
基板52は、透明な絶縁基板521と、制御電極E2と、配向膜522とを備えている。制御電極E2は、絶縁基板521と液晶層53との間に位置している。制御電極E2は、例えば、有効領域50Aの略全面に位置するとともに非有効領域50Bにも延在した単一の平板電極である。制御電極E2は、有効領域50Aにおいて、液晶層53を介して制御電極E1と対向している。制御電極E2は、非有効領域50Bにおいて給電線513と対向している。配向膜522は、制御電極E2を覆い、液晶層53に接触している。
【0019】
絶縁基板511及び521は、例えば、ガラス基板または樹脂基板である。制御電極E1及び制御電極E2は、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成されている。配向膜512及び522は、例えば、水平配向膜であり、いずれも第1方向Xに沿って配向処理されている。
基板51及び基板52は、非有効領域50Bにおいて、シール54によって接着されている。シール54は、導通材55を備えている。導通材55は、給電線513と制御電極E2との間に介在し、給電線513と第2制御電極E2とを電気的に接続している。
液晶層53は、基板51と基板52との間に保持されている。液晶層53は、例えば、正の誘電率異方性を有する液晶材料によって形成されている。制御電極E1及び制御電極E2は、液晶層53にレンズ5を形成するための電圧を印加する。
【0020】
光制御部OCTは、液晶層53に印加する電圧を制御する。光制御部OCTは、制御電極E1及び制御電極E2にそれぞれ供給する電圧を制御することにより、液晶層53にレンズ5を形成した第1モードと、液晶層53にレンズを形成しない第2モードとを切り替えることができる。また、光制御部OCTは、制御電極E1の各々に供給する電圧を制御することにより、レンズ5の形成位置を制御することができ、液晶層53の第1位置にレンズ5を形成したモードと、液晶層53の第1位置とは異なる第2位置にレンズ5を形成したモードとを切り替えることができる。また、光制御部OCTは、制御電極E1の各々に供給する電圧を制御することにより、液晶層53に第1形状のレンズ5を形成したモードと、液晶層53に第1形状とは異なる第2形状のレンズ5を形成したモードとを切り替えることができる。また、光制御部OCTは、制御電極E1の各々に供給する電圧を制御することにより、液晶層53に第1サイズのレンズ5を形成したモードと、液晶層53に第1サイズとは異なる第2サイズのレンズ5を形成したモードとを切り替えることができる。
図2では、レンズ5が液晶層53に複数個形成された例を示しているが、レンズ5が液晶層53に1つのみ形成されてもよい。
【0021】
図3は、液晶素子LDの構成例を示す平面図である。
図3(a)は、基板51の平面図を示し、
図3(b)は、基板52の平面図を示している。
図3(a)に示す基板51において、シール54は、枠状に形成されている。複数の制御電極E1は、シール54によって囲まれた内側に位置し、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。制御電極E1の各々は、例えば、第2方向Yに延出した帯状電極である。なお、制御電極E1は、第1方向Xに延出した帯状電極であってもよいし、第1方向X及び第2方向Yにそれぞれ並んだ島状電極であってもよい。島状電極の形状は、四角形や六角形などの多角形、あるいは、円形などである。給電線513は、シール54と重なる位置において、第2方向Yに延出している。シール54に含まれる導通材55の少なくとも一部は、給電線513の上に重なっている。配線基板9は、基板51に接続され、制御電極E1及び給電線513の各々と光制御部OCTとを電気的に接続している。
【0022】
図3(b)に示す基板52において、制御電極E2は、四角形状に形成され、第2方向Yに沿って延出する端部E2Eを有している。端部E2Eは、給電線513及び導通材55と重なっている。つまり、制御電極E2は、導通材55及び給電線513を介して、光制御部OCTと電気的に接続されている。
【0023】
図4は、液晶層53に形成されるレンズ5を説明するための図である。
図4には、説明に必要な構成のみを図示している。
図4に示した例では、制御電極E1は、制御電極E11、及びE12を含む。
図4は、制御電極E11及びE12と制御電極E2との間に電圧が印加されている状態を示している。例えば、2つの制御電極E11及びE12は、同電位であり、制御電極E2は、制御電極E11及びE12と異なる電位である場合について説明する。
図4において、制御電極E11及びE12は、制御電極E2よりも高電位である。
【0024】
一例では、液晶層53は、上記の通り、正の誘電率異方性を有している。液晶層53に含まれる液晶分子53Mは、電界が形成されない状態ではその長軸が第1方向Xに沿うように初期配向しており、また、電界が形成された状態ではその長軸が電界に沿うように配向される。
【0025】
一例では、制御電極E11及びE12には6Vの電圧が供給され、制御電極E2には0Vの電圧が供給される。制御電極E11及びE12の各々と制御電極E2とが対向する領域には、第3方向Zに沿った電界が形成されるため、液晶分子53Mはその長軸が第3方向Zに沿うように配向する。制御電極E11と制御電極E12との間の領域には、第3方向Zに対して傾斜した電界が形成されるため、液晶分子53Mはその長軸が第3方向Zに対して傾斜するように配向する。制御電極E11と制御電極E12との中間領域においては、ほとんど電界が形成されない、あるいは、第1方向Xに沿った電界が形成されるため、液晶分子53Mはその長軸が第1方向Xに沿うように配向する。液晶分子53Mは、屈折率異方性Δnを有している。このため、液晶層53は、液晶分子53Mの配向状態に応じた屈折率分布を有する。あるいは、液晶層53は、第3方向Zの液晶層53の厚さをdとしたとき、Δn・dで表されるリタデーションの分布、または、位相分布を有する。なお、厚さdは、一例では、10μm~100μmである。図中に点線で示したレンズ5は、このような屈折率分布、リタデーションの分布、または、位相分布によって形成されるものである。図示したレンズ5は、凸レンズとして機能する。また、図示したレンズ5は、液晶素子LDの法線Nに対して対称な形状を有している。レンズ5は、制御電極E1及びE2の延出方向に沿って形成される。例えば、制御電極E11及びE12と制御電極E2とが第2方向Yに延出している場合、レンズ5は、第2方向Yに沿って延出している。
【0026】
なお、本実施形態では、レンズ5を備える液晶素子LDの一例として、基板主面に沿ってほぼ水平に初期配向する液晶層53と、基板主面と交差する方向に沿った電界とを組み合わせた方式について説明したが、これに限らない。例えば、基板主面とほぼ垂直に初期配向する液晶層が組み合わされてもよいし、基板主面に沿った電界と組み合わせてもよく、液晶層に印加される電界に応じて屈折率分布を可変する方式であれば、レンズ5を備える液晶素子が実現できる。ここでの基板主面とは、第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX-Y平面である。また、レンズ5は、液晶分子で形成されていなくともよく、ガラス等の透明部材で形成されていてもよい。この場合、光学装置OPDは、光制御部OCTを備えていなくともよい。
【0027】
図5は、
図4に示したレンズ5の作用を説明するための図である。
ここでは、光の進行方向が第3方向Zに沿う場合に、第1方向Xに沿った振動面を有する直線偏光を第1偏光POL1と称し、第2方向Yに沿った振動面を有する直線偏光を第2偏光POL2と称する。なお、光の進行方向は、図示した例では、第3方向Zを示す矢印とは逆向きの方向である。第1偏光POL1は図中に横ストライプパターンを有する矢印で示し、第2偏光POL2は図中に斜めストライプパターンを有する矢印で示している。光Lは、例えば、ランダムな振動面を有する自然光である。一例として、光Lは、第1偏光POL1と、第2偏光POL2とを含む。光Lは、例えば、絶縁基板521の外面521Aから入射し、基板52から基板51に向かって進行するものとする。
レンズ5は、第1偏光POL1及び第2偏光POL2に対してそれぞれ異なる作用を有する。すなわち、レンズ5は、自然光Lのうち、第2偏光POL2をほとんど屈折することなく透過し、第1偏光POL1を屈折する。つまり、レンズ5は、主として第1偏光POL1に対して集束作用を発揮する。
【0028】
図6は、変調素子MDの構成例を示す断面図である。ここでは、一例として、変調素子MDが液晶素子によって構成される場合について説明する。このような変調素子MDは、光制御部OCTによって電気的に制御される。また、変調素子MDは、前述のように、部分的に位相差を有する位相差フィルムによって構成されていてもよい。
【0029】
変調素子MDは、基板(第1基板)61と、基板(第2基板)62と、液晶層63と、制御電極(第1制御電極)E3と、制御電極(第2制御電極)E4と、を備えている。図示した例では、制御電極E3は基板61に設けられ、制御電極E4は基板62に設けられているが、制御電極E3及び制御電極E4がいずれも同一基板、つまり基板61または基板62に設けられてもよい。
【0030】
基板61は、透明な絶縁基板611と、制御電極E3と、配向膜612と、給電線613とを備えている。制御電極E3は、絶縁基板611と液晶層63との間に位置している。複数の制御電極E3は、有効領域60Aにおいて、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。一例では、第1方向Xの制御電極E3の幅は、隣り合う制御電極E3の第1方向Xに沿った間隔より大きい。配向膜612は、制御電極E3を覆い、液晶層63に接触している。給電線613は、有効領域60Aの外側の非有効領域60Bに位置している。
【0031】
基板62は、透明な絶縁基板621と、制御電極E4と、配向膜622とを備えている。制御電極E4は、絶縁基板621と液晶層63との間に位置している。制御電極E4は、例えば、有効領域60Aの略全面に位置するとともに非有効領域60Bにも延在した単一の平板電極である。制御電極E4は、有効領域60Aにおいて、液晶層63を介して制御電極E3と対向している。制御電極E4は、非有効領域60Bにおいて給電線613と対向している。配向膜622は、制御電極E4を覆い、液晶層63に接触している。
【0032】
絶縁基板611及び621は、例えばガラス基板または樹脂基板である。制御電極E3及び制御電極E4は、ITOやIZOなどの透明導電材料によって形成されている。制御電極E3は、
図3に示した制御電極E1と同様に、第2方向Yに延出した帯状電極である。制御電極E4は、
図4に示した制御電極E2と同様に、四角形状の平板電極である。配向膜612及び622は、例えば、水平配向膜である。一例では、配向膜612は第2方向Yに沿って配向処理され、配向膜622は第1方向Xに沿って配向処理されている。
基板61及び基板62は、非有効領域60Bにおいて、シール64によって接着されている。シール64は、導通材65を備えている。導通材65は、給電線613と制御電極E4との間に介在し、給電線613と制御電極E4とを電気的に接続している。
【0033】
液晶層63は、基板61と基板62との間に保持されている。液晶層63は、例えば、正の誘電率異方性を有する液晶材料によって形成されている。制御電極E3及び制御電極E4は、
図6に示した変調部MA及び無変調部NMAを形成するための電圧を液晶層63に印加する。
【0034】
光制御部OCTは、液晶層63に印加する電圧を制御する。光制御部OCTは、制御電極E3及び制御電極E4にそれぞれ供給する電圧を制御することにより、液晶層63に変調部MA及び無変調部NMAを形成することができる。なお、液晶層63に、変調部MAのみを形成することもできるし、無変調部NMAのみを形成することもできる。また、光制御部OCTは、制御電極E3の各々に供給する電圧を制御することにより、変調部MA及び無変調部NMAの形成位置を制御することができる。また、光制御部OCTは、制御電極E3の各々に供給する電圧を制御することにより、変調部MA及び無変調部NMAの大きさを自在に制御することができる。
【0035】
図7は、変調素子MDに形成される変調部MA及び無変調部NMAを説明するための図である。
図7においては、説明に必要な構成のみを図示している。図示した例では、制御電極E3は、制御電極E31、E32、E33、E34、及びE35を含む。ここでは、第1方向Xに並んだ複数の制御電極E31乃至E35のうち、制御電極E31、E33、E35が、制御電極E4と異なる電位である場合について説明する。
【0036】
液晶層63は、上記の通り、正の誘電率異方性を有している。液晶層63に含まれる液晶分子63Mは、電界が形成されない状態では90°ツイスト配向している。つまり、制御電極E31乃至E35の近傍における液晶分子63Mは、その長軸が第2方向Yに沿うように初期配向しており、制御電極E4の近傍における液晶分子63Mは、その長軸が第1方向Xに沿うように初期配向している。また、液晶分子63Mは、電界が形成された状態ではその長軸が電界に沿うように配向される。
【0037】
一例として、制御電極E31、E33、E35の電圧が6Vであり、制御電極E32及びE34と制御電極E4の電圧が0Vである場合について以下に述べる。制御電極E31、E33、E35の各々と制御電極E4とが対向する領域には、第3方向Zに沿った電界が形成されるため、液晶分子63Mはその長軸が第3方向Zに沿うように垂直配向している。制御電極E32及びE34の各々と制御電極E4とが対向する領域には、電界が形成されないため、液晶分子63Mは、初期配向状態に維持され、ツイスト配向している。
【0038】
ここで、変調素子MDに第1偏光POL1が入射する場合を想定する。基板62から入射する第1偏光POL1のうち、制御電極E32と制御電極E4とが対向する領域に入射した第1偏光POL1は、ツイスト配向した液晶分子63Mの影響を受けて、その偏光面が回転し、液晶層63を透過した後に、第2方向Yに沿った振動面を有する第2偏光POL2に変換される。制御電極E34と制御電極E4とが対向する領域についても同様に、透過光は、第2偏光POL2に変換される。一方で、制御電極E33と制御電極E4とが対向する領域に入射した第1偏光POL1は、垂直配向した液晶分子63Mの影響をほとんど受けず、その偏光面が維持され、液晶層63を透過する。制御電極E31及びE35と制御電極E4とが対向する領域についても同様に、透過光は、第1偏光POL1である。
つまり、制御電極E31、E33、E35の各々と制御電極E4とが対向する領域は、
図1に示した無変調部NMAに相当し、制御電極E32及びE34の各々と制御電極E4とが対向する領域は、
図1に示した変調部MAに相当する。
【0039】
なお、本実施形態では、変調素子MDの一例として、初期配向状態でツイスト配向する液晶層63と、基板主面と交差する方向に沿った電界とを組み合わせた方式について説明したが、これに限らない。液晶層63に印加される電圧に応じて入射光を変調する領域と、入射光を変調することなく透過する領域とが形成可能な方式であれば、上記の変調素子MDに適用可能である。
【0040】
変調部MA及び無変調部NMAが第2方向Yに延出した帯状に形成されている場合、制御電極E31乃至E35の各々は、第2方向Yに延出した帯状電極に形成されていてもよい。但し、制御電極E3は第1方向Xに延出した帯状電極であってもよく、この場合には変調部MA及び無変調部NMAは第1方向Xに延出した帯状に形成される。また、制御電極E3はマトリクス状に配列されてもよく、この場合には変調部MA及び無変調部NMAはドット状や帯状など自在な形状に形成可能となる。
【0041】
図8は、光学素子2の作用を説明するための図である。
図8では、光Lが第3方向Zの上側から光学素子2に入射している。
図示した例では、偏光板PLは、第1偏光POL1を透過する透過軸T1を有している。以下で、偏光板PLは、第1偏光POL1を透過する透過軸T1を有しているものとして説明する。なお、偏光板PLは、第1偏光POL1を透過する透過軸T1ではなく、第2偏光POL2を透過する透過軸を有していてもよい。
【0042】
はじめに、光Lは、液晶素子LDに入射する。液晶素子LDに入射する光Lのうち、第1偏光POL1は、
図8の左側に示すように、レンズ5により変調素子MDに集束される。レンズ5により集束された第1偏光POL1は、変調部MAに入射し、変調部MAで第2偏光POL2に変調される。図示した例では、変調部MAで変換された第2偏光POL2は、偏光板PLに入射し、偏光板PLで遮光される。つまり、光学素子2に上から入射する光Lのうち、第1偏光POL1は、光学素子2で遮光される。
【0043】
一方、液晶素子LDに入射する光Lのうち、第2偏光POL2は、
図8の右側に示すように、レンズ5によりほとんど集束されずに変調素子MDに入射する。液晶素子LDを通った第2偏光POL2は、変調部MA及び無変調部NMAに入射する。前述したように、無変調部NMAの幅W2は、変調部MAの幅W1よりも大きい。そのため、変調素子MDに入射した第2偏光POL2は、そのほとんどが無変調部NMAに入射する。つまり、変調素子MDに入射した第2偏光POL2のほとんどは、変調されないで変調素子MDを透過する。図示した例では、変調素子MDを透過した第2偏光POL2は、偏光板PLに入射し、偏光板PLで遮光される。変調素子MDに入射した第2偏光POL2の一部は、変調部MAに入射し、変調部MAで第1偏光POL1に変調される。変調部MAで変換された第1偏光POL1は、偏光板PLに入射し、偏光板PLを透過する。つまり、光学素子2に上側から入射する光Lの内、第2偏光POL2のほとんどが、光学素子2で遮光される。したがって、光学素子2の上から入射する光Lのほとんどは、光学素子2で遮光される。
【0044】
図9は、光学素子2の作用を説明するための図である。
図9では、光Lが第3方向Zの下側から液晶素子LDに入射している。
はじめに、光Lは、偏光板PLに入射する。偏光板PLに入射する光Lのうち、第1偏光POL1は、
図9の左側に示すように、偏光板PLに入射し、偏光板PLを透過する。図示した例では、前述のように無変調部NMAの幅W2が変調部MAの幅W1よりも大きいため、偏光板PLを透過した第1偏光POL1のほとんどは、無変調部NMAに入射し、変調素子MDを透過する。つまり、偏光板PLを透過した第1偏光POL1のほとんどは、変調されないで変調素子MDを透過する。変調素子MDを透過した第1偏光POL1は、液晶素子LDに入射し、レンズ5により集束される。変調素子MDに入射した第1偏光POL1の一部は、変調部MAに入射し、変調部MAで第2偏光POL2に変換される。変調部MAで変換された第2偏光POL2は、液晶素子LDに入射し、液晶素子LDを透過する。つまり、光学素子2に下側から入射する光Lのうち、第1偏光POL1は、光学素子2を透過する。
一方、偏光板PLに入射する光Lのうち、第2偏光POL2は、
図9の右側に示すように、偏光板PLで遮光される。つまり、光学素子2に下側から入射する光Lのうち、第2偏光POL2は、光学素子2で遮光される。したがって、光学素子2の下から入射した光Lのうちのほぼ半分の光が、光学素子2を透過する。
【0045】
このように、光学素子2は、上側から入射する光Lのほとんどを遮光し、下側から入射する光Lのほとんどを透過する。つまり、上側から光学素子2を見ると明るく見え、下側から光学素子2を見ると上側から光学素子2を見るよりも暗く見える。そのため、光学素子2は、透過する光を制御することができる。
第1実施形態によれば、光学装置OPDは、制御部CTにより光学素子2を制御することで、光学素子2を透過する光を制御する。そのため、透過する光を制御可能な光学装置OPDを提供できる。
【0046】
次に、光学素子2の他の実施形態について説明する。以下に説明する光学素子2の他の構成例において、前述した実施形態と同一の部分には、同一の参照符号を付しその詳細な説明を省略し、前述した実施形態と異なる部分を中心に詳細に説明する。なお、光学素子2の他の構成例を適用した光学装置OPDにおいても、前述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
<第2実施形態>
図10は、第2実施形態に係る光学装置OPDの光学素子2の構成例を示す図である。
図10に示した光学素子2は、第1実施形態の光学素子2と比較して、複数の液晶素子LDと複数の変調素子MDとを備えている点で相違している。
図10では、光Lが第3方向Zの上側から光学素子2に入射している。
【0048】
図示した例では、光学素子2は、第1液晶素子LD1と、第1変調素子MD1と、偏光板PLと、第2変調素子MD2と、第2液晶素子LD2とを備えている。光学素子2において、第2液晶素子LD2、第2変調素子MD2、偏光板PL、第1変調素子MD1、及び第1液晶素子LD1は、第3方向Zに沿ってこの順に並んでいる。第1液晶素子LD1は、第1変調素子MD1に対向している。第1変調素子MD1は、第1液晶素子LD1と偏光板PLとの間に位置している。偏光板PLは、第1変調素子MD1と第2変調素子MD2との間に位置している。第2変調素子MD2は、偏光板PLと第2液晶素子LD2との間に位置している。第2液晶素子LD2は、第2変調素子MD2に対向している。
【0049】
第1液晶素子LD1及び第2液晶素子LD2は、それぞれ、第1レンズ501及び第2レンズ502を備えている。第1液晶素子LD1及び第2液晶素子LD2は、前述の液晶素子LDと同等の構成が適用できる。例えば、第1レンズ501及び第2レンズ502は、それぞれ、前述のレンズ5と同様に形成される。複数の第1レンズ501は、例えば、第1液晶素子LD1において第1方向Xに並んでいる。第1レンズ501は、例えば、第2方向Yに延出している。また、複数の第2レンズ502は、例えば、第2液晶素子LD2において第1方向Xに並んでいる。第2レンズ502は、例えば、第2方向Yに延出している。第2レンズ502の幅W4は、第1レンズ501の幅W3とほぼ同等である。
【0050】
第1変調素子MD1は、第1変調部MA1と、第1無変調部NMA1とを備えている。第1変調素子MD1は、前述の変調素子MDと同等の構成が適用できる。例えば、第1変調素子MD1は、前述の変調素子MDの変調部MAを第1変調部MA1に置換し、前述の変調素子MDの無変調部NMAを第1無変調部NMA1に置換した構成である。例えば、第1レンズ501及び第1変調部MA1は、第3方向Zにおいて重畳している。
第2変調素子MD2は、第2変調部MA2と、第2無変調部NMA2とを備えている。第2変調素子MD2は、前述の変調素子MDとほぼ同等の構成が適用できるが、第2変調部MA2と第2無変調部NMA2との構成が前述の変調素子MDと異なる。複数の第2変調部MA2は、第2変調素子MD2において、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。第2無変調部NMA2は、第1方向Xで第2変調部MA2に隣接している。図示した例では、第2変調部MA2及び第2無変調部NMA2は、第1方向Xに沿って交互に並んでいる。また、第2無変調部NMA2は、例えば、第2レンズ502によって光が集束される位置に配置されている。第2変調部MA2及び第2無変調部NMA2は、第3方向Zにおいて、第2レンズ502と偏光板PLとの間に位置している。一例では、第1無変調部NMA1及び第2変調部MA2は、第3方向Zにおいて重畳している。第1変調部MA1及び第2無変調部NMA2は、第3方向Zにおいて重畳している。
【0051】
第1方向Xの第2無変調部NMA2の幅W5は、第1方向Xの第2レンズ502の幅W4よりも小さく、且つ第1方向Xの第2変調部MAの幅W6より小さい。換言すると、第2変調部MAの幅W6は、第2無変調部の幅W5よりも大きい。一例では、第2無変調部NMA2の幅W5は、第1変調部MAの幅W1とほぼ同等である。また、第2変調部MA2の幅W6は、第1無変調部NMA1の幅W2とほぼ同等である。なお、第2無変調部NMA2の幅W5は、第1変調部MA1の幅W1よりも小さくてもよい。また、第2変調部MA2の幅W6は、第1無変調部NMA1の幅W2よりも大きくてもよい。
【0052】
次に、
図10を参照して、光Lが第3方向Zの上側から入射した場合の光学素子2の作用について説明する。
はじめに、光Lは、第1液晶素子LD1に入射する。
図8を参照して説明したように、第1液晶素子LD1に入射した光Lのうち、第1偏光POL1は、第1レンズ501で第1変調部MA1に集束され、第1変調部MA1に入射し、第1変調部MA1で第2偏光POL2に変調されて偏光板PLに入射し、偏光板PLで遮光される。
【0053】
一方、第1液晶素子LD1に入射した光Lのうち、第2偏光POL2のほとんどは、第1液晶素子LD1を透過して第1無変調部NMA1に入射し、第1無変調部NMA1を透過して偏光板PLに入射し、偏光板PLで遮光される。第1液晶素子LD1に入射した光Lのうち、第2偏光POL2の一部は、第1変調部MA1に入射し、第1変調部MA1で第1偏光POL1に変調されて偏光板PLに入射し、偏光板PLを透過する。図示した例では、偏光板PLを透過した第1偏光POL1は、第2無変調部NMA2に入射し、第2無変調部NMA2を透過し、第2液晶素子LD2に入射し、第2レンズ502で集束される。
【0054】
図11は、
図10に示した光学素子2の作用を説明するための図である。
図11では、光Lが第3方向Zの下側から光学素子2に入射している。
図11を参照して、光Lが第3方向Zの下側から入射した場合の光学素子2の作用について説明する。
はじめに、光Lは、第2液晶素子LD2に入射する。
図9を参照して説明したように、第2液晶素子LD2に入射した光Lのうち、第1偏光POL1は、第2レンズ502で集束され、第2無変調部NMA2に入射し、第2変調素子MD2を透過して偏光板PLに入射する。図示した例では、偏光板PLに入射した第1偏光POL1は、偏光板PLを透過する。偏光板PLを透過した第1偏光POL1のほとんどは、第1無変調部NMA1に入射し、第1変調素子MD1を透過して第1液晶素子LD1に入射し、第1レンズ501で集束される。偏光板PLを透過した第1偏光POL1の一部は、第1変調部MA1に入射し、第1変調部MA1で第2偏光POL2に変調されて第1液晶素子LD1に入射し、第1液晶素子LD1を透過する。
【0055】
一方、第2液晶素子LD2に入射した光Lのうち、第2偏光POL2のほとんどは、第2液晶素子LD2を透過して第2変調部MA2に入射し、第2変調部MA2で第1偏光POL1に変調されて偏光板PLに入射する。図示した例では、偏光板PLに入射した第1偏光POL1は、偏光板PLを透過する。偏光板PLを透過した第1偏光POL1のほとんどは、第1無変調部NMA1に入射し、第1変調素子MD1を透過して第1液晶素子LD1に入射し、第1レンズ501で集束される。偏光板PLを透過した第1偏光POL1の一部は、第1変調部MA1に入射し、第1変調部MA1で第2偏光POL2に変調されて第1液晶素子LD1に入射し、第1液晶素子LD1を透過する。第2液晶素子LD2に入射した光Lのうち、第2偏光POL2の一部は、第2無変調部NMA2に入射し、第2変調素子MD2を透過し、偏光板PLに入射する。図示した例では、偏光板PLに入射した第2偏光POL2は、偏光板PLで遮光される。
【0056】
このように、
図10及び
図11で示した光学素子2は、上側から入射する光Lのほとんどを遮光する。また、光学素子2は、下側から入射する光Lのうちの第1偏光POL1のほとんどを透過し、下側から入射する光Lのうちの第2偏光POL2を第1偏光POL1に変調して透過する。そのため、光学素子2は、下側から入射する光のほとんどを透過する。
このような第2実施形態の構成例においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。加えて、光学素子2は、上側及び下側からのいずれか一方から入射した光のほとんどを透過し、もう一方から入射した光のほとんどを遮光できる。なお、光制御部OCTは、第1変調素子MD1と第2変調素子MD2とを電気的に制御できる。例えば、第1変調素子MD1において、第1変調部MA1と第2無変調部NMA1との形成位置を切り替え、且つ第2変調素子MD2において、第2変調部MA2と第2無変調部NMA2との形成位置を切り替えた場合には、光学素子2は、第3方向の上側から入射した光Lのほとんどを透過し、第3方向Zの下側から入射した光Lのほとんどを遮光する。
【0057】
<第3実施形態>
図12は、第3実施形態に係る光学装置OPDの光学素子2の構成例を示す図である。
図12に示した光学素子2は、第1実施形態の光学素子2と比較して、反射素子RDを備えている点で相違している。
図12では、光Lが第3方向Zの上側から光学素子2に入射している。
図示した例では、光学素子2は、液晶素子LDと、反射素子RDとを備えている。光学素子2において、反射素子RD及び液晶素子LDは、第3方向Zに沿ってこの順に並んでいる。液晶素子LDは、反射素子RDに対向している。
反射素子RDは、反射部RFと、透過部TPとを備えている。反射素子RDは、前述の変調素子MDとほぼ同等の構成を適用できる。例えば、反射素子RDは、前述の変調素子MDの変調部MAを反射部RFに置換し、無変調部NMAを透過部TPに置換した構成である。反射部RFは、入射光を反射する。透過部TPは、入射光を透過する。一例として、透過部TPは、透明な部材で形成されていてもよいし、空間であってもよい。複数の反射部RFは、反射素子RDにおいて、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。透過部TPは、第1方向Xで反射部RFに隣接している。図示した例では、反射部RF及び透過部TPは、第1方向Xに沿って交互に並んでいる。反射部RF及び透過部TPは、例えば、第2方向Yに延出している。また、反射部RFは、例えば、レンズ5によって光が集束される位置に配置されている。反射部RF及び透過部TPは、第3方向Zにおいて、レンズ5に対向している。一例では、レンズ5と反射部RF及び透過部TPとは、第3方向Zにおいて重畳している。なお、反射部RF及び透過部TPは、所定の位置に固定されてもよいし、それらの位置が可変されるように構成されてもよい。
【0058】
一例では、第1方向Xの反射部RFの幅W1は、
図1に示した変調部MAの幅W1と同等である。また、第1方向の透過部TPの幅W2は、
図1に示した無変調部NMAの幅W2と同等である。そのため、反射部RFの幅W1は、レンズ5の幅W3よりも小さく、且つ透過部TPの幅W2より小さい。
図示した例では、反射素子RDは、基板61を備えている。反射部RF及び透過部TPは、基板61に設けられている。なお、反射素子RDは、前述の変調素子MDと同様に、基板62を備えていてもよい。この場合、反射部RF及び透過部TPは、基板61と基板62との間に設けられる。
【0059】
次に、
図12を参照して、光Lが第3方向Zの上側から入射した場合の光学素子2の作用について説明する。
はじめに、光Lは、液晶素子LDに入射する。液晶素子LDに入射した光Lのうち、第1偏光POL1は、レンズ5で反射部RFに集束され、反射部RFで反射される。反射された第1偏光POL1は、液晶素子LDに再び入射し、レンズ5で集束される。
一方、液晶素子LDに入射した光Lのうち、第2偏光POL2のほとんどは、液晶素子LDを透過して透過部TPに入射し、反射素子RDを透過する。液晶素子LDに入射した光Lのうち、第2偏光POL2の一部は、液晶素子LDを透過して反射部RFに入射し、反射部RFで反射されて液晶素子LDに再び入射し、液晶素子LDを透過する。
【0060】
図13は、
図12に示した光学素子2の作用を説明するための図である。
図13では、光Lが第3方向Zの下側から光学素子2に入射している。
図13を参照して、光Lが第3方向Zの下側から入射した場合の光学素子2の作用について説明する。
はじめに、光Lは、反射素子RDに入射する。反射素子RDに入射した光Lのうち、第1偏光POL1のほとんどは、透過部TPに入射し、反射素子RDを透過して液晶素子LDに入射し、レンズ5で集束される。反射素子RDに入射した光Lのうち、第1偏光POL1の一部は、反射部RFに入射し、反射部RFで反射される。
【0061】
一方、反射素子RDに入射した光Lのうち、第2偏光POL2のほとんどは、透過部TPに入射し、反射素子RDを透過して液晶素子LDに入射し、液晶素子LDを透過する。反射素子RDに入射した光Lのうち、第2偏光POL2の一部は、反射部RFに入射し、反射部RFで反射される。
【0062】
このように、
図12及び
図13で示した光学素子2は、上側から入射する光Lのほぼ半分を反射し、下側から入射する光Lをほとんど透過する。例えば、
図12に示した例では、光学素子2は、上側から入射する光Lの内、第1偏光POL1のほとんどを反射し、第2偏光POL2のほとんどを透過している。
図13に示した例では、光学素子2は、下側から入射する光Lの内、第1偏光POL1のほとんどを透過し、第2偏光POL2のほとんどを透過している。そのため、上側から光学素子2を見ると、下側から入射する入射光と上側から入射した入射光の反射光により明るくみえる。
このような第3実施形態の構成例においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。加えて、光学素子2は、上側から見た場合に、下側から入射する入射光と上側から入射した入射光の反射光により明るくすることができる。
【0063】
<第4実施形態>
図14は、第4実施形態に係る光学装置OPDの光学素子2の構成例を示す図である。
図14に示した光学素子2は、
図12に示した光学素子2と比較して、複数の液晶素子LDと、位相差板PDとを備えている点で相違している。
図14では、光Lが第3方向Zの上側から光学素子2に入射している。
図示した例では、光学素子2は、第1液晶素子LD1と、位相差板PDと、第2液晶素子LD2と、反射素子RDとを備えている。光学素子2において、反射素子RD、第2液晶素子LD2、位相差板PD、及び第1液晶素子LD1は、第3方向Zに沿ってこの順に並んでいる。第1液晶素子LD1は、位相差板PDに対向している。位相差板PDは、第1液晶素子LD1と第2液晶素子LD2との間に位置している。第2液晶素子LD2は、位相差板PDと反射素子RDとの間に位置している。反射素子RDは、第2液晶素子LD2に対向している。
【0064】
第1液晶素子LD1及び第2液晶素子LD2は、それぞれ、第1レンズ501及び第2レンズ502を備えている。第1液晶素子LD1及び第2液晶素子LD2は、前述の液晶素子LDと同等の構成が適用できる。例えば、第1レンズ501及び第2レンズ502は、それぞれ、前述のレンズ5と同様に形成される。第2レンズ502は、第3方向Zにおいて、位相差板PDと反射素子RDとの間に位置している。第1レンズ501及び第2レンズ502は、第3方向Zにおいて重畳している。
反射素子RDは、反射部RFと、透過部TPを備えている。例えば、反射部RF及び透過部TPと、第1レンズ501と、第2レンズ502とは、第3方向Zにおいて重畳している。
【0065】
位相差板PDは、入射光に対して位相差を付与する。位相差板PDは、例えば、入射光に約λ/2の位相差を付与する。このような位相差板PDは、入射光が直線偏光である場合に、その偏光面を約90°回転させる機能を有する。位相差板PDは、第1レンズ501と第2レンズ502との間に位置している。位相差板PDは、第1方向Xに延出している。
【0066】
次に、
図14を参照して、光Lが第3方向Zの上側から入射した場合の光学素子2の作用について説明する。
はじめに、光Lは、第1液晶素子LD1に入射する。第1液晶素子LD1に入射した光Lのうち、第1偏光POL1は、第1レンズ501で反射部RFに対して集束される。以下で、第1レンズ501から反射部RF上の焦点までの距離を第1レンズ501の焦点距離(第1焦点距離)FL1とする。第1レンズ501で集束された第1偏光POL1は、位相差板PDに入射し、位相差板PDで第2偏光POL2に変調されて第2液晶素子LD2に入射する。第2液晶素子LD2に入射した第2偏光POL2は、第2液晶素子LD2を透過して反射部RFに入射し、反射部RFで反射される。反射部RFで反射された第2偏光POL2は、第2液晶素子LD2に再び入射し、第2液晶素子LD2を透過して位相差板PDに再び入射する。位相差板PDに入射した第2偏光POL2は、位相差板PDで第1偏光POL1に変調されて第1液晶素子LD1に再び入射し、第1レンズ501で集束される。
【0067】
一方、第1液晶素子LD1に入射した光Lのうち、第2偏光POL2のほとんどは、第1液晶素子LD1を透過し、位相差板PDに入射し、位相差板PDで第1偏光POL1に変調されて第2液晶素子LD2に入射する。第2液晶素子LD2に入射した第1偏光POL1は、第2レンズ502で反射部RFに対して集束される。以下で、第2レンズ502から反射部RF上の焦点までの距離を第2レンズ502の焦点距離(第2焦点距離)FL2とする。焦点距離FL1は、焦点距離FL2よりも大きい。第2レンズ502で集束された第1偏光POL1は、反射部RFに入射し、反射部RFで反射される。反射部RFで反射された第1偏光POL1は、第2液晶素子LD2に再び入射し、第2レンズ502で集束されて位相差板PDに再び入射し、位相差板PDで第2偏光POL2に変調されて第1液晶素子LD1に再び入射する。第1液晶素子LD1に入射した第2偏光POL2は、第1液晶素子LD1を透過する。
【0068】
図15は、
図14に示した光学素子2の作用を説明するための図である。
図15では、光Lが第3方向Zの下側から光学素子2に入射している。
図15を参照して、光Lが第3方向Zの下側から入射した場合の光学素子2の作用について説明する。
はじめに、光Lは、反射素子RDに入射する。反射素子RDに入射した光Lのうち、第1偏光POL1のほとんどは、透過部TPに入射し、反射素子RDを透過して第2液晶素子LD2に入射する。第2液晶素子LD2に入射した第1偏光POL1は、第2レンズ502で集束されて位相差板PDに入射し、位相差板PDで第2偏光POL2に変調されて第1液晶素子LD1に入射する。第1液晶素子LD1に入射した第2偏光POL2は、第1液晶素子LD1を透過する。反射素子RDに入射した光Lのうち、第1偏光POL1の一部は、反射部RFに入射し、反射部RFで反射される。
【0069】
一方、反射素子RDに入射した光Lのうち、第2偏光POL2のほとんどは、透過部TPに入射し、反射素子RDを透過して第2液晶素子LD2に入射する。第2液晶素子LD2に入射した第2偏光POL2は、第2液晶素子LD2を透過して位相差板PDに入射し、位相差板PDで第1偏光POL1に変調されて第1液晶素子LD1に入射する。第1液晶素子LD1に入射した第1偏光POL1は、第1液晶素子LD1で集束される。反射素子RDに入射した光Lのうち、第2偏光POL2の一部は、反射部RFに入射し、反射部RFで反射される。
【0070】
このように、
図14及び
図15で示した光学素子2は、上側から入射する光Lを反射し、下側から入射する光Lをほとんど透過する。つまり、光学素子2は、下側からの入射光に加えて反射部RFでの反射光を出射する。そのため、上側から光学素子2を見ると、下側から入射する入射光と上側から入射した入射光の反射光により明るくみえる。
このような第4実施形態の構成例においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。加えて、光学素子2は、上側から見た場合に、下側から入射する入射光と上側から入射した入射光の反射光により明るくすることができる。
【0071】
<第5実施形態>
図16は、第5実施形態に係る光学装置OPDの光学素子2の構成例を示す斜視図である。
図16に示した光学素子2は、
図12に示した光学素子2と比較して、複数の反射素子を備えている点で相違している。
図示した例では、光学素子2は、第1液晶素子LD1と、第1反射素子RD1と、第2液晶素子LD3と、第2反射素子RD3とを備えている。光学素子2において、第2反射素子RD3、第2液晶素子LD3、第1反射素子RD1、及び第1液晶素子LD1は、第3方向Zに沿ってこの順に並んでいる。第1液晶素子LD1は、第1反射素子RD1に対向している。第1反射素子RD1は、第1液晶素子LD1と第2液晶素子LD3との間に位置している。第2液晶素子LD3は、第1反射素子RD1と第2反射素子RD3との間に位置している。第2反射素子RD3は、第2液晶素子LD3に対向している。
【0072】
第1液晶素子LD1は、第1レンズ501を備えている。第1液晶素子LD1は、前述の液晶素子LDと同等の構成が適用できる。例えば、第1レンズ501は、前述のレンズ5と同様に形成される。例えば、第1レンズ501は、前述のレンズ5と同様に形成される。複数の第1レンズ501は、例えば、第1液晶素子LD1において第1方向Xに並んでいる。また、第1レンズ501は、例えば、第2方向Yに延出している。
【0073】
第1反射素子RD1は、第1反射部RF1と、第1透過部TP1とを備えている。第1反射素子RD1は、前述の反射素子RDと同等の構成が適用できる。例えば、第1反射素子RD1は、前述の反射素子RDの反射部RFを第1反射部RF1に置換し、透過部TPを第1透過部TP1に置換した構成である。例えば、第1反射部RF1は、反射部RFと同等の構成が適用できる。また、第1透過部TP1は、透過部TPと同等の構成が適用できる。第1反射部RF1及び第1透過部TP1は、例えば、第2方向Yに延出している。例えば、第1反射素子RD1及び第1透過部TP1は、第1レンズ501に対向している。図示した例では、第1レンズ501と第1反射部RF1及び第1透過部TP1とは、第3方向Zにおいて重畳している。
【0074】
第2液晶素子LD3は、第2レンズ503を備えている。第2液晶素子LD3は、前述の液晶素子LDとほぼ同等の構成が適用できるが、第2レンズ503の構成が前述の液晶素子LDと異なる。複数の第2レンズ503は、例えば、第2液晶素子LD3において第2方向Yに並んでいる。第2レンズ503は、第1方向Xに延出している。平面視した場合、第2レンズ503は、第1レンズ501と交差している。例えば、第2レンズ503は、第1液晶素子LD1と反対側で第1反射素子RD1に対向している。なお、第2レンズ503は、所定の位置に固定されてもよいし、その位置が可変されるように構成されてもよい。
【0075】
第2反射素子RD3は、第2反射部RF3と、第2透過部TP3とを備えている。第2反射素子RD3は、前述の反射素子RDとほぼ同等の構成を適用できるが、第2反射部RF3と第2透過部TP3との構成が前述の反射素子RDと異なる。第2反射部RF3は、入射光を反射する。第2透過部TP2は、入射光を透過する。一例として、第2透過部TP3は、透明な部材で形成されていてもよいし、空間であってもよい。複数の第2反射部RF3は、第2反射素子RD3において、第2方向Yに間隔をおいて並んでいる。第2透過部TP3は、第2方向Yで第2反射部RF3に隣接している。図示した例では、第2反射部RF3及び第2透過部TP3は、第2方向Yに沿って交互に並んでいる。第2反射部RF3及び第2透過部TP3は、第1方向Xに延出している。第2反射部RF3は、例えば、第2レンズ503によって光が集束される位置に配置されている。第2反射部RF3及び第2透過部TP3は、第3方向Zにおいて、第1反射部RF1及び前記第1透過部TP1と反対側で第2レンズ503に対向している。一例では、第2レンズ503と第2反射部RF3及び第2透過部TPとは、第3方向Zにおいて重畳している。なお、第2反射部RF3及び第2透過部TP3は、所定の位置に固定されてもよいし、それらの位置が可変されるように構成されてもよい。
【0076】
図17は、第2液晶素子LD3の構成例を示す斜視図である。
第2液晶素子LD3は、例えば、第3軸Z周りで第1液晶素子LD1を90°回転した構成である。第2液晶素子LD3は、基板51と、基板52と、液晶層53と、制御電極E6と、制御電極E7とを備えている。図示した例では、制御電極E6は、基板51に設けられ、制御電極E7は、基板52に設けられている。なお、制御電極E6及び制御電極E7は、同一基板、例えば、基板51又は基板52に設けられてもよい。複数の制御電極E6は、基板51上で第2方向Yに間隔をおいて並んでいる。図示した例では、制御電極E6は、第1方向Xに延出している。つまり、制御電極E6は、平面視した場合、前述の制御電極E1と交差している。制御電極E7は、前述の制御電極E2と同等の構成が適用できる。図示した例では、制御電極E6は、制御電極E7よりも高電位である。第2レンズ503は、自然光Lのうち、第1偏光POL1をほとんど屈折することなく透過し、第2偏光POL2を屈折する。つまり、第2レンズ503は、主として第2偏光POL2に対して集束作用を発揮する。
【0077】
図18は、
図16のXVIII-XVIIIにおける光学素子2の断面の一例を示す図である。
図18を参照して、光Lが第3方向Zの上側から入射した場合の光学素子2の作用について説明する。
はじめに、光Lは、第1液晶素子LD1に入射する。第1液晶素子LD1に入射した光Lのうち、第1偏光POL1は、第1レンズ501で第1反射部RF1に対して集束され、第1反射部RF1で反射される。第1反射部RF1で反射された第1偏光POL1は、第1液晶素子LD1に再び入射し、第1レンズ501で集束される。
【0078】
一方、第1液晶素子LD1に入射した光Lのうち、第2偏光POL2は、第1液晶素子LD1を透過して第1透過部TP1に入射し、第1反射素子RD1を透過する。第1反射素子RD1を透過した第2偏光POL2は、第2液晶素子LD3に入射し、第2レンズ503で第2反射部RF3に対して集束されて第2反射部RF3に入射する。第2反射部RF3に入射した第2偏光POL2は、第2反射部RF3で反射される。第2反射部RF3で反射された第2偏光POL2は、第2液晶素子LD3に再び入射し、第2レンズ503で集束されて第1透過部TP1に入射し、第1反射素子RD1を透過する。第1透過部TP1を透過した第2偏光POL2は、第1液晶素子LD1に入射し、第1液晶素子LD1を透過する。
【0079】
図19は、
図16のXIX-XIXにおける光学素子2の断面の一例を示す図である。
図19を参照して、光Lが第3方向Zの下側から入射した場合の光学素子2の作用について説明する。
はじめに、光Lは、第2反射素子RD3に入射する。第2反射素子RD3に入射した光Lのうち、第1偏光POL1のほとんどは、第2透過部TP3に入射し、第2反射素子RD3を透過し、第2液晶素子LD3に入射し、第2液晶素子LD3を透過する。第2液晶素子LD3を透過した第1偏光POL1のほとんどは、第1透過部TP1に入射し、第1反射素子RD1を透過して第1液晶素子LD1に入射する。第1液晶素子LD1に入射した第1偏光POL1は、第1レンズ501で集束される。第2液晶素子LD3を透過した第1偏光POL1の一部は、第1反射部RF1に入射し、第1反射部RF1で反射して第2液晶素子LD3に再び入射し、第2液晶素子LD3を透過して第2透過部TP3に入射し、第2反射素子RD3を透過する。
また、第2反射素子RD3に入射した光Lのうち、第1偏光POL1の一部は、
図18に示した第2反射部RF3に入射し、第2反射部RF3で反射する。
【0080】
一方、第2反射素子RD3に入射した光のうち、第2偏光POL2のほとんどは、第2透過部TP3に入射し、第2反射素子RD3を透過して第2液晶素子LD3に入射し、第2レンズ503で集束される。第2レンズ503で集束された第2偏光POL2のほとんどは、第1透過部TP1に入射し、第1反射素子RD1を透過する。第1反射素子RD1を透過した第2偏光POL2は、第1液晶素子LD1に入射し、第1液晶素子LD1を透過する。第2レンズ503で集束された第2偏光POL2の一部は、第1反射部RF1に入射し、第1反射部RF1で反射して第2液晶素子LD3に再び入射し、第2液晶素子LD3を透過して第2透過部TP3に再び入射し、第2反射素子RD3を再び透過する。
また、第2反射素子RD3に入射した光Lのうち、第2偏光POL2の一部は、
図18に示した第2反射部RF3に入射し、第2反射部RF3で反射する。
【0081】
このように、
図16乃至
図19で示した光学素子2は、下側からの入射光に加えて反射部RFでの反射光を出射する。そのため、上側から光学素子2を見ると、下側から入射する入射光と上側から入射した入射光の反射光により明るく見える。
このような第5実施形態の構成例においても、前述の実施形態と同様の効果が得られる。
【0082】
<第6実施形態>
図20は、第6実施形態に係る光学装置OPDの光学素子2の構成例を示す図である。
図20に示した光学素子2は、
図16に示した光学素子2と比較して、反射素子の構造が異なる点で相違する。
図示した例では、光学素子2は、第1液晶素子LD1と、第2液晶素子LD2と、反射素子RD4とを備えている。光学素子2において、反射素子RD4、第2液晶素子LD2及び第1液晶素子LD1は、第3方向Zに沿ってこの順に並んでいる。第1液晶素子LD1は、第2液晶素子LD3に対向している。第2液晶素子LD3は、第1液晶素子LD1と反射素子RD4との間に位置している。反射素子RD4は、第2液晶素子LD3に対向している。
【0083】
反射素子RD4は、反射部RF4と、透過部TP4とを備えている。複数の反射部RF4は、反射素子RD4において、格子状に配置されている。図示した例では、複数の反射部RF4は、基板61上に格子状に配置されている。透過部TP4は、例えば、基板61上で反射部RF4が配置されていない領域である。図示した例では、透過部TP4は、マトリクス状に構成されている。例えば、第1レンズ501及び反射素子RD4は、第3方向Zにおいて重畳している。また、第2レンズ503及び反射素子RD4は、第3方向Zにおいて重畳している。
【0084】
このように、
図20で示した光学素子2は、上側から入射する光Lをほとんど反射し、下側から入射する光Lをほとんど透過する。光学素子2は、反射部RF4により第1液晶素子LD1で集束された第1偏光POL1と、第2液晶素子LD3で集束された第2偏光POL2を反射できる。そのため、光学素子2は、上側から入射する光を簡単な構成で反射することができる。
このような第6実施形態の構成例においても、前述の実施形態と同様の効果が得られる。加えて、光学装置OPDは、上側から入射する光を簡単な構成で反射できる。
【0085】
<第7実施形態>
図21は、第7実施形態に係る光学装置OPDの光学素子2の構成例を示す図である。
図21に示した光学素子2は、
図16乃至
図19に示した光学素子2と比較して、位相差板を備えている点で相違する。
図示した例では、光学素子2は、第1液晶素子LD1と、第1反射素子RD1と、位相差板PDと、第2液晶素子LD2と、第2反射素子RD2とを備えている。光学素子2において、第2反射素子RD2、第2液晶素子LD2、位相差板PD、第1反射素子RD1、及び第1液晶素子LD1は、第3方向Zに沿ってこの順に並んでいる。第1液晶素子LD1は、第1反射素子RD1に対向している。第1反射素子LD1は、第1液晶素子LD1と位相差板PDとの間に位置している。位相差板PDは、第1反射素子LD1と第2液晶素子LD2との間に位置している。第2液晶素子LD2は、位相差板PDと第2反射素子RD2との間に位置している。第2反射素子RD2は、第2液晶素子LD2に対向している。
【0086】
第1液晶素子LD1は、前述のように、第1レンズ501を備えている。
第1反射素子RD1は、前述のように、第1反射部RF1と、第1透過部TP1とを備えている。第1反射部RF1及び第1透過部TP1は、第3方向Zにおいて第1レンズ501に対向している。
位相差板PDは、第3方向Zにおいて、第1レンズ501と反対側で第1反射部RF1及び第1透過部TPに対向している。
第2液晶素子LD2は、前述のように、第2レンズ502を備えている。第2レンズ502は、第1反射部RF1及び第1透過部TP1と反対側で位相差板PDに対向している。図示した例では、第2液晶素子LD2は、第1方向Xで第1液晶素子LD1とずれている。
【0087】
第2反射素子RD2は、第2反射部RF2と、第2透過部TP2とを備えている。第2反射素子RD2は、前述の反射素子RDと同等の構成が適用できる。例えば、第2反射部RF2は、前述の反射素子RDの反射部RFを第2反射部RF2に置換し、透過部TPを第2透過部TP2に置換した構成である。例えば、第2反射部RF2は、反射部RFと同等の構成が適用できる。また、第2透過部TP2は、透過部TPと同等の構成が適用できる。第2反射部RF2及び第2透過部TP2は、例えば、第2方向Yに延出している。例えば、第2反射部RF2及び第2透過部TP2は、第3方向Zにおいて、位相差板PDと反対側で第2レンズ502に対向している。図示した例では、第2レンズ502と第2反射部RF2及び第2透過部TP2とは、第3方向Zにおいて重畳している。図示した例では、第2レンズ502と第2反射部RF2及び第2透過部TP2とは、第3方向Zにおいて重畳している。
【0088】
図示した例では、第1反射素子RD1と第2反射素子RD2とは、第1方向Xで互いにずれている。一例として、第1反射素子RD1と第2反射素子RD2とは、第1方向Xにおいて間隙W7でずれている。そのため、第1透過部TP1と第2反射部RF2とは、第3方向Zにおいて重畳している。また、第1反射部RF1と第2透過部TP2とは、第3方向Zにおいて重畳している。光学素子2の下方から入射した光の一部は、この間隙W7を通って光学素子2の上方に透過する。
【0089】
このように、
図20で示した光学素子2は、上側から入射する入射光のうちの第1偏光POL1を第1レンズ501で第1反射部RF1に集束して反射する。また、光学素子2は、上側から入射した入射光のうちの第2偏光POL2を第2レンズ502で第2反射部RF2に集束して反射する。つまり、
図20に示した光学素子2は、
図16乃至
図19に示した光学素子2と同様の効果が得られる。
このような第7実施形態の構成例においても、前述の実施形態と同様の効果が得られる。
【0090】
<第8実施形態>
図22は、第8実施形態に係る光学装置OPDの光学素子2の構成例を示す図である。
図22に示した光学素子2は、
図12に示した光学素子2と比較して、遮光素子を備えている点で相違する。
図示した例では、光学素子2は、液晶素子LDと、遮光素子SEとを備えている。光学素子2において、遮光素子SE及び液晶素子LDは、第3方向Zに沿ってこの順に並んでいる。液晶素子LDは、遮光素子SEに対向している。
遮光素子SEは、遮光部SDと、透過部TPとを備えている。遮光素子SEは、前述の反射素子RDとほぼ同等の構成が適用できる。例えば、遮光素子SEは、前述の反射素子RDの反射部RFを遮光部SDに置換した構成である。遮光部SDは、入射光を遮光する。例えば、複数の遮光部SDは、遮光素子SEにおいて、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。透過部TPは、第1方向Xで遮光部SDに隣接している。図示した例では、遮光部SD及び透過部TPは、第1方向Xに沿って交互に並んでいる。遮光部SD及び透過部TPは、例えば、第2方向Yに延出している。また、遮光部SDは、例えば、レンズ5によって光が集束される位置に配置されている。遮光部SD及び透過部TPは、第3方向Zにおいて、レンズ5に対向している。一例では、レンズ5と遮光部SD及び透過部TPとは、第3方向Zにおいて重畳している。なお、遮光部SD及び透過部TPは、所定の位置に固定されてもよいし、それらの位置が可変されるように構成されていてもよい。
一例では、第1方向Xの遮光部SDの幅W1は、
図1に示した変調部MAの幅W1と同等である。そのため、遮光部SDの幅W1は、レンズ5の幅W3よりも小さく、且つ透過部TPの幅W2より小さい。
【0091】
このように、
図22で示した光学素子2は、上側から入射した光Lのうち、第1偏光POL1をレンズ5で遮光部SDに集束して遮光する。
一方、液晶素子LDに入射した光Lのうち、第2偏光POL2のほとんどは、液晶素子LDを透過して透過部TPに入射し、遮光素子SEを透過する。液晶素子LDに入射した光Lのうち、第2偏光POL2の一部は、液晶素子LDを透過して遮光部SDで遮光される。
【0092】
次に、光Lが第3方向Zの下側から入射した場合の光学素子2の作用について説明する。
はじめに、光Lは、遮光素子SEに入射する。遮光素子SEに入射した光Lのうち、第1偏光POL1のほとんどは、透過部TPに入射し、遮光部SDを透過して液晶素子LDに入射し、レンズ5で集束される。遮光素子SEに入射した光Lのうち、第1偏光POL1の一部は、遮光部SDで遮光される。
【0093】
一方、遮光素子SEに入射した光Lのうち、第2偏光POL2のほとんどは、透過部TPに入射し、遮光素子SEを透過して液晶素子LDに入射し、液晶素子LDを透過する。遮光素子SEに入射した光Lのうち、第2偏光POL2の一部は、遮光部SDで遮光される。
【0094】
このように、
図22で示した光学素子2は、上側から入射する光Lのほぼ半分を遮光し、下側から入射する光Lをほとんど透過する。例えば、
図22に示した例では、光学素子2は、上側から入射する光Lの内、第1偏光POL1のほとんどを遮光し、第2偏光POL2のほとんどを透過している。また
図22に示した例では、光学素子2は、下側から入射する光Lの内、第1偏光POL1のほとんどを透過し、第2偏光POL2のほとんどを透過している。
このような第8実施形態の構成例においても、前述の実施形態と同様の効果が得られる。なお、遮光素子SEは、
図13乃至
図20に示した構成が適用できる。
【0095】
<第9実施形態>
図23は、第9実施形態に係る表示装置DSPの構成例を示す図である。
表示装置DSPは、表示パネル1と、光学素子2と、制御部CTとを備えている。光学素子2は、
図1乃至
図22において説明された光学素子2である。表示パネル1は、例えば、透明の表示パネルである。一例では、表示パネル1は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子等を有する自発光型の表示パネルである。表示パネル1は、光学素子2に対向している。制御部CTは、表示制御部DCTと、光制御部OCTとを備えている。表示制御部DCTは、表示パネル1に電気的に接続され、表示パネル1を制御する。以下で、表示パネル1側を前方FRとし、光学素子2側を後方BKとする。
【0096】
表示装置DSPは、例えば、画像DIを表示パネル1に表示する。表示装置DSPの後方BKに位置する光源LSから自然光Lが放出されている場合、表示装置DSPは、画像DIを表示している表示パネル1の後方BKに位置する光学素子2の領域SRで入射光を遮光するように制御する。つまり、表示装置DSPは、領域SRにおける入射光の透過率を制御する。
第9実施形態によれば、表示装置DSPは、光学素子2により入射光を遮光するように制御することで表示パネル1に表示している画像DIを見やすくすることができる。
【0097】
なお、この発明は、上記実施形態そのものに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
本明細書にて開示した構成から得られる表示装置の一例を以下に付記する。
(1)液晶分子で形成される第1液晶レンズと、
偏光板と、
前記第1液晶レンズ及び前記偏光板の間に位置し、入射光を変調する第1変調部と、
前記第1液晶レンズ及び前記偏光板の間に位置し、前記第1変調部に隣接する第1無変調部と、を備える光学素子。
(2)前記第1変調部及び前記第1無変調部は第1方向に並び、前記第1方向の前記第1変調部の幅は、前記第1方向の前記第1無変調部の幅よりも小さい、(1)に記載の光学素子。
(3)前記第1液晶レンズと前記偏光板との間に位置し、前記第1変調部及び前記第1無変調部を備える第1変調素子と、を備え、
前記第1変調素子は、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に保持された液晶層と、前記液晶層に前記第1変調部及び前記第1無変調部を形成するための電圧を印加する第1制御電極及び第2制御電極と、を備える(1)又は、(2)に記載の光学素子。
(4)前記第1液晶レンズと反対側で前記偏光板に対向し、液晶分子で形成される第2液晶レンズと、
前記偏光板及び前記第2液晶レンズの間に位置し、入射光を変調する第2変調部と、
前記偏光板及び前記第2液晶レンズの間に位置し、前記第2変調部に隣接する第2無変調部と、を備える(1)に記載の光学素子。
(5)前記第2変調部及び前記第2無変調部は第1方向に並び、前記第1方向の前記第2変調部の幅は、前記第1方向の前記第2無変調部の幅よりも大きい、(4)に記載の光学素子。
(6)前記第1方向の前記第2無変調部の幅は、前記第1方向の前記第1変調部の幅よりも小さい、(5)に記載の光学素子。
(7)前記第2液晶レンズと前記偏光板との間に位置し、前記第2変調部及び前記第2無変調部を備える第2変調素子と、
前記第1変調素子と前記第2変調素子とを電気的に制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1変調部と前記第1無変調部との形成位置を切り替え、前記第2変調部と前記第2無変調部との形成位置を切り替える、(3)に記載の光学素子。
(8)前記第1液晶レンズ、前記第1変調部、前記第2無変調部、及び前記第2液晶レンズは、それぞれ前記第1方向と交差する第2方向に延出し、
前記第1変調部及び前記第2無変調部は、前記第1及び第2方向と交差する第3方向において重畳し、
前記第1無変調部及び前記第2変調部は、前記第3方向において重畳している、(5)又は(6)に記載の光学素子。
(9)液晶分子で形成される第1液晶レンズと、
前記第1液晶レンズと対向し、入射光を反射する第1反射部と、
前記第1液晶レンズと対向し、前記第1反射部に隣接する第1透過部と、を備え、
前記第1反射部及び前記第1透過部は第1方向に並び、前記第1方向の前記第1反射部の幅は、前記第1方向の前記第1透過部の幅よりも小さい、光学素子。
(10)前記第1液晶レンズと前記第1反射部との間に位置し、液晶分子で形成される第2液晶レンズと、
前記第1液晶レンズ及び前記第2液晶レンズの間に位置する位相差板と、を備える(9)に記載の光学素子。
(11)前記第1液晶レンズ、前記第1反射部、前記第1透過部、前記第2液晶レンズは、それぞれ前記第1方向と交差する第2方向に延出し、
前記第1液晶レンズと、前記第1反射部及び前記第1透過部と、前記第2液晶レンズとは、前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向において重畳している、(10)に記載の光学素子。
(12)前記第1液晶レンズから前記第1反射部までの第1焦点距離は、前記第2液晶レンズから前記第1反射部までの第2焦点距離よりも大きい、(11)に記載の光学素子。
(13)前記第1液晶レンズと反対側で前記第1反射部及び前記第1透過部と対向し、液晶分子で形成される第2液晶レンズと、
前記第1反射部及び前記第1透過部と反対側で前記第2液晶レンズと対向し、入射光を反射する第2反射部と、
前記第1反射部及び前記第1透過部と反対側で前記第2液晶レンズと対向し、前記第2反射部に隣接する第2透過部と、を備え、
前記第1液晶レンズ及び前記第1反射部は、前記第1方向に交差する第2方向に延出し、
前記第2液晶レンズ及び前記第2反射部は、前記第1方向に延出している(9)に記載の光学素子。
(14)前記第1液晶レンズと反対側で前記第1反射部及び前記第1透過部と対向する位相差板と、
前記第1反射部及び前記第1透過部と反対側で前記位相差板に対向し、液晶分子で形成されている第2液晶レンズと、
前記位相差板と反対側で前記第2液晶レンズと対向し、入射光を反射する第2反射部と、
前記位相差板と反対側で前記第2液晶レンズと対向し、前記第2反射部に隣接する第2透過部と、を備え、
前記第1液晶レンズと、前記第1反射部及び前記第1透過部と、前記第2液晶レンズと、前記第2反射部及び前記第2透過部とは、前記第1方向に交差する第2方向に延出し、
前記第1反射部及び前記第2透過部は、前記第2方向に交差する第3方向において重畳し、
前記第1透過部及び前記第2反射部は、前記第3方向において重畳している、(9)に記載の光学素子。
(15)液晶分子で形成される液晶レンズと、
前記液晶レンズと対向し、入射光を遮光する遮光部と、
前記液晶レンズと対向し、前記遮光部に隣接する透過部と、を備え、
前記遮光部及び前記透過部は第1方向に並び、前記第1方向の前記遮光部の幅は、前記第1方向の前記透過部の幅よりも小さい、光学素子。
【符号の説明】
【0098】
DSP…表示装置 OPD…光学装置 1…表示パネル 2…光学素子
LD…液晶素子 E1…第1制御電極 E2…第2制御電極 5…レンズ
MD…変調素子 E3…第3制御電極 E4…第4制御電極 MA…変調部 NMA…無変調部
CT…制御部 OCT…光制御部 DCT…表示制御部
PL…偏光板 RD…反射素子 RF…反射部 TP…透過部 SD…遮光部