(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】車両用サブフレーム
(51)【国際特許分類】
B62D 21/00 20060101AFI20220425BHJP
【FI】
B62D21/00 A
(21)【出願番号】P 2017240493
(22)【出願日】2017-12-15
【審査請求日】2020-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】592037790
【氏名又は名称】株式会社エフテック
(74)【代理人】
【識別番号】100145023
【氏名又は名称】川本 学
(74)【代理人】
【識別番号】100105887
【氏名又は名称】来山 幹雄
(74)【代理人】
【識別番号】100182028
【氏名又は名称】多原 伸宜
(72)【発明者】
【氏名】印南 昌光
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-152911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に装着される車両用サブフレームであって、
前記車体の前後方向に各々延在しながら前記車体の幅方向で互いに対向して配設され、各々が板部材から成る第1のサイドメンバ及び第2のサイドメンバと、
前記幅方向に延在して配設されると共に、前記第1のサイドメンバ及び前記第2のサイドメンバを連結し、板部材から成るクロスメンバと、
前記幅方向の一方の側において、前記第1のサイドメンバ及び前記クロスメンバに対して前記車体の上方向に突設し、板部材から成る第1の車体取付部材と、
前記幅方向の他方の側において、前記第2のサイドメンバ及び前記クロスメンバに対して前記上方向に突設し、板部材から成る第2の車体取付部材と、
を備え、
前記第1のサイドメンバは、前記前後方向の前方向の側の第1の前車体取付部及び前記前後方向の後方向の側の第1の後車体取付部を有し、
前記第2のサイドメンバは、前記前方向の側の第2の前車体取付部及び前記後方向の側の第2の後車体取付部を有し、
前記第1のサイドメンバ及び前記第2のサイドメンバは、前記クロスメンバに当接した態様で、前記クロスメンバに溶接された構成を有し、
前記第1の車体取付部材は、前記第1の前車体取付部及び前記第1の後車体取付部の間に位置される第1の中車体取付部を有すると共に、前記第1のサイドメンバ及び前記クロスメンバに当接した態様で、前記第1のサイドメンバ及び前記クロスメンバに溶接された構成を有し、
前記第2の車体取付部材は、前記第2の前車体取付部及び前記第2の後車体取付部の間に位置される第2の中車体取付部を有すると共に、前記第2のサイドメンバ及び前記クロスメンバに当接した態様で、前記第2のサイドメンバ及び前記クロスメンバに溶接された構成を有
し、
前記クロスメンバの前記前後方向の後方向の側に配設されると共に、前記第1のサイドメンバ、前記第2のサイドメンバ、前記クロスメンバ、前記第1の車体取付部材及び前記第2の車体取付部材の各々に当接した態様で、前記第1のサイドメンバ、前記第2のサイドメンバ、前記クロスメンバ、前記第1の車体取付部材及び前記第2の車体取付部材の各々に溶接された構成を有し、板部材から成るリアメンバを更に備える車両用サブフレーム。
【請求項2】
前記クロスメンバは、前記クロスメンバの前記幅方向の両端部である第1の端部及び第2の端部が前記第1のサイドメンバ及び前記第2のサイドメンバの前記上方向の側において、前記第1のサイドメンバ及び前記第2のサイドメンバに対応して当接した態様で、前記第1の端部及び前記第2の端部が前記第1のサイドメンバ及び前記第2のサイドメンバに対応して溶接された構成を有し、
前記第1の車体取付部材は、前記第1のサイドメンバの前記上方向の側において、前記第1のサイドメンバに当接した態様で、前記第1のサイドメンバに対応して溶接されると共に、前記クロスメンバの前記第1の端部の前記上方向の側において、前記第1の端部に当接した態様で、前記クロスメンバに溶接された構成を有し、
前記第2の車体取付部材は、前記第2のサイドメンバの前記上方向の側において、前記第2のサイドメンバに当接した態様で、前記第2のサイドメンバに対応して溶接されると共に、前記クロスメンバの前記第2の端部の前記上方向の側において、前記第2の端部に当接した態様で、前記クロスメンバに溶接された構成を有する請求項1に記載の車両用サブフレーム。
【請求項3】
前記第1の端部の側において、前記第1の車体取付部材及び前記クロスメンバが協働し
て画成した第1の開口端部を更に有すると共に、前記第1の開口端部に複数のサスペンションアームの内の対応するものを支持する第1の支持部が構成され、
前記第2の端部の側において、前記第2の車体取付部材及び前記クロスメンバが協働して画成した第2の開口端部を更に有すると共に、前記第2の開口端部に前記複数のサスペンションアームの内の対応するものを支持する第2の支持部が構成され、
前記第1の支持部の前記後方向の側に配設されると共に、前記第1のサイドメンバ及び前記リアメンバが協働して、前記複数のサスペンションアームの内の対応するものを支持する第3の支持部が構成され、
前記第2の支持部の前記後方向の側に配設されると共に、前記第2のサイドメンバ及び前記リアメンバが協働して、前記複数のサスペンションアームの内の対応するものを支持する第4の支持部が構成される請求項
2に記載の車両用サブフレーム。
【請求項4】
前記第1の支持部と前記第4の支持部とを結ぶ直線及び前記第2の支持部と前記第3の支持部とを結ぶ直線により、平面視において前記リアメンバに複数の領域を規定し、
前記複数の領域は、前記直線同士が成す交点から前記幅方向の前記一方の側に向かって拡がる第1領域と、前記交点から前記幅方向の前記他方の側に向かって拡がる第2領域と、前記交点から前記前方向の側に向かって拡がる第3領域と、前記交点から前記後方向の側に向かって拡がる第4領域と、を有し、
前記リアメンバは、前記第1領域、前記第2領域及び前記第4領域において、第1の孔部、第2の孔部及び第3の孔部を対応して有する請求項
3に記載の車両用サブフレーム。
【請求項5】
前記リアメンバは、前記第1の孔部及び前記第3の孔部の前記幅方向で隣り合う端部同士の間で、前記幅方向に幅を呈して前記前後方向に延在する第1の面部を有し、前記第2の孔部及び前記第3の孔部の前記幅方向で隣り合う端部同士の間で、前記幅方向に幅を呈して前記前後方向に延在する第2の面部を有し、前記第1の孔部及び前記第3の孔部の前記前後方向で隣り合う端部同士の間であって前記第2の孔部及び前記第3の孔部の前記前後方向で隣り合う端部同士の間で、前記前後方向に幅を呈して前記幅方向に延在する第3の面部を有する請求項
4に記載の車両用サブフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用サブフレームに関し、特に、サスペンションアーム等を支持して自動車等の車両に装着される車両用サブフレームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の車両に装着されるサブフレームにおいては、サスペンションアームやスタビライザ等のサスペンション関連部品、ステアリングギヤボックス等のステアリング関連部品及びエンジン・トランスミッション系のマウント関連部品といった種々の外力印加部品が装着されるようになっている。
【0003】
そのため、かかるサブフレームに対しては、その生産性等を向上させながら、その強度や剛性をより増大させた態様で車両の車体に装着されることが求められている。
【0004】
また、かかるサブフレームに対しては、それが装着される車両の典型的には前面衝突時において、その衝突時に車両が受ける運動エネルギの一部を吸収するためにそれが所望の変形モードで変形すること、つまり所要の衝突性能を発揮することが求められている。
【0005】
かかる状況下で、特許文献1は、車両前後方向に延びると共に、前端部及び後端部が車体フレームに連結されるサイドメンバ11と、サイドメンバ11に対して重ねられ、サイドメンバ11を連結して車両幅方向に延びるリヤクロスメンバ12と、サイドメンバ11及びリヤクロスメンバ12の重ね合わせ部Tから車両前方に延びると共に、リヤクロスメンバ12と一体に成形された延伸部13と、重ね合わせ部Tの後端部に設けられた車体フレームへの取付ステイ15と、を備えたサブフレーム構造1を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1の構成においては、下側サイドメンバ11a及び上側サイドメンバ11bには、アルミニウム合金等のプレス成形品を使用し、リヤクロスメンバ12と延伸部13との一体成形物及び取付ステイ15には、アルミニウム合金等の鋳造品を使用することを前提としたものであるため、プレス成形品と鋳造品とが混在して構成が煩雑であり、それらを溶接する溶接の種類も多種のものとなる傾向が考えられ、改良の余地がある。
【0008】
また、特許文献1は、サブフレームの主構成材をプレス成形品に統一した場合に、その構成と同等以上の高い強度及び剛性を呈するとともに、所要の衝突性能を発揮する具体的な構成について、何等開示や示唆するものではない。
【0009】
本発明は、以上の検討を経てなされたもので、主構成材にプレス成形品を統一して適用しながら、強度及び剛性を高めることができると共に、所要の衝突性能を発揮することができる車両用サブフレームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上の目的を達成すべく、本発明の第1の局面は、車体に装着される車両用サブフレームであって、前記車体の前後方向に各々延在しながら前記車体の幅方向で互いに対向して配設され、各々が板部材から成る第1のサイドメンバ及び第2のサイドメンバと、前記幅方向に延在して配設されると共に、前記第1のサイドメンバ及び前記第2のサイドメンバを連結し、板部材から成るクロスメンバと、前記幅方向の一方の側において、前記第1のサイドメンバ及び前記クロスメンバに対して前記車体の上方向に突設し、板部材から成る第1の車体取付部材と、前記幅方向の他方の側において、前記第2のサイドメンバ及び前記クロスメンバに対して前記上方向に突設し、板部材から成る第2の車体取付部材と、を備え、前記第1のサイドメンバは、前記前後方向の前方向の側の第1の前車体取付部及び前記前後方向の後方向の側の第1の後車体取付部を有し、前記第2のサイドメンバは、前記前方向の側の第2の前車体取付部及び前記後方向の側の第2の後車体取付部を有し、前記第1のサイドメンバ及び前記第2のサイドメンバは、前記クロスメンバに当接した態様で、前記クロスメンバに溶接された構成を有し、前記第1の車体取付部材は、前記第1の前車体取付部及び前記第1の後車体取付部の間に位置される第1の中車体取付部を有すると共に、前記第1のサイドメンバ及び前記クロスメンバに当接した態様で、前記第1のサイドメンバ及び前記クロスメンバに溶接された構成を有し、前記第2の車体取付部材は、前記第2の前車体取付部及び前記第2の後車体取付部の間に位置される第2の中車体取付部を有すると共に、前記第2のサイドメンバ及び前記クロスメンバに当接した態様で、前記第2のサイドメンバ及び前記クロスメンバに溶接された構成を有し、前記クロスメンバの前記前後方向の後方向の側に配設されると共に、前記第1のサイドメンバ、前記第2のサイドメンバ、前記クロスメンバ、前記第1の車体取付部材及び前記第2の車体取付部材の各々に当接した態様で、前記第1のサイドメンバ、前記第2のサイドメンバ、前記クロスメンバ、前記第1の車体取付部材及び前記第2の車体取付部材の各々に溶接された構成を有し、板部材から成るリアメンバを更に備える車両用サブフレームである。
【0011】
また、本発明は、かかる第1の局面に加え、前記クロスメンバは、前記クロスメンバの前記幅方向の両端部である第1の端部及び第2の端部が前記第1のサイドメンバ及び前記第2のサイドメンバの前記上方向の側において、前記第1のサイドメンバ及び前記第2の
サイドメンバに対応して当接した態様で、前記第1の端部及び前記第2の端部が前記第1のサイドメンバ及び前記第2のサイドメンバに対応して溶接された構成を有し、 前記第1の車体取付部材は、前記第1のサイドメンバの前記上方向の側において、前記第1のサイドメンバに当接した態様で、前記第1のサイドメンバに対応して溶接されると共に、前記クロスメンバの前記第1の端部の前記上方向の側において、前記第1の端部に当接した態様で、前記クロスメンバに溶接された構成を有し、前記第2の車体取付部材は、前記第2のサイドメンバの前記上方向の側において、前記第2のサイドメンバに当接した態様で、前記第2のサイドメンバに対応して溶接されると共に、前記クロスメンバの前記第2の端部の前記上方向の側において、前記第2の端部に当接した態様で、前記クロスメンバに溶接された構成を有することを第2の局面とする。
【0013】
また、本発明は、かかる第2の局面に加え、前記第1の端部の側において、前記第1の車体取付部材及び前記クロスメンバが協働して画成した第1の開口端部を更に有すると共に、前記第1の開口端部に複数のサスペンションアームの内の対応するものを支持する第1の支持部が構成され、前記第2の端部の側において、前記第2の車体取付部材及び前記クロスメンバが協働して画成した第2の開口端部を更に有すると共に、前記第2の開口端部に前記複数のサスペンションアームの内の対応するものを支持する第2の支持部が構成され、前記第1の支持部の前記後方向の側に配設されると共に、前記第1のサイドメンバ及び前記リアメンバが協働して、前記複数のサスペンションアームの内の対応するものを支持する第3の支持部が構成され、前記第2の支持部の前記後方向の側に配設されると共に、前記第2のサイドメンバ及び前記リアメンバが協働して、前記複数のサスペンションアームの内の対応するものを支持する第4の支持部が構成されることを第3の局面とする。
【0014】
また、本発明は、かかる第3の局面に加え、前記第1の支持部と前記第4の支持部とを結ぶ直線及び前記第2の支持部と前記第3の支持部とを結ぶ直線により、平面視において前記リアメンバに複数の領域を規定し、前記複数の領域は、前記直線同士が成す交点から前記幅方向の前記一方の側に向かって拡がる第1領域と、前記交点から前記幅方向の前記他方の側に向かって拡がる第2領域と、前記交点から前記前方向の側に向かって拡がる第3領域と、前記交点から前記後方向の側に向かって拡がる第4領域と、を有し、前記リアメンバは、前記第1領域、前記第2領域及び前記第4領域において、第1の孔部、第2の孔部及び第3の孔部を対応して有することを第4の局面とする。
【0015】
また、本発明は、かかる第4の局面に加え、前記リアメンバは、前記第1の孔部及び前記第3の孔部の前記幅方向で隣り合う端部同士の間で、前記幅方向に幅を呈して前記前後方向に延在する第1の面部を有し、前記第2の孔部及び前記第3の孔部の前記幅方向で隣り合う端部同士の間で、前記幅方向に幅を呈して前記前後方向に延在する第2の面部を有し、前記第1の孔部及び前記第3の孔部の前記前後方向で隣り合う端部同士の間であって前記第2の孔部及び前記第3の孔部の前記前後方向で隣り合う端部同士の間で、前記前後方向に幅を呈して前記幅方向に延在する第3の面部を有することを第5の局面とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1の局面における構成によれば、車両用サブフレームが、第1のサイドメン
バ及び第2のサイドメンバと、クロスメンバと、第1の車体取付部材及び第2の車体取付部材と、を備え、第1のサイドメンバが、前後方向の前方向の側の第1の前車体取付部及び前後方向の後方向の側の第1の後車体取付部を有し、第2のサイドメンバが、前方向の側の第2の前車体取付部及び後方向の側の第2の後車体取付部を有し、第1のサイドメンバ及び第2のサイドメンバが、クロスメンバに当接した態様で、クロスメンバに溶接された構成を有し、第1の車体取付部材が、第1の前車体取付部及び第1の後車体取付部の間に位置される第1の中車体取付部を有すると共に、第1のサイドメンバ及びクロスメンバに当接した態様で、第1のサイドメンバ及びクロスメンバに溶接された構成を有し、第2の車体取付部材が、第2の前車体取付部及び第2の後車体取付部の間に位置される第2の中車体取付部を有すると共に、第2のサイドメンバ及びクロスメンバに当接した態様で、第2のサイドメンバ及びクロスメンバに溶接された構成を有するものであるため、車両用サブフレームの主構成材をプレス成形品に統一して適用した態様で、第1のサイドメンバ及び第2のサイドメンバに対して、クロスメンバ、第1の車体取付部材及び第2の車体取付部材が、対応して直接溶接されて一体化されていることにより、車両用サブフレームの強度及び剛性を増大することができると共に、典型的には車両の前面衝突時に印加された撃力を第1のサイドメンバ及び第2のサイドメンバからクロスメンバ、第1の車体取付部材及び第2の車体取付部材に対応して確実に分散して伝達させることにより、車両用サブフレームに不要な変形や圧壊が発生することを抑制して所要の衝突性能を発揮することができる。また、本発明の第1の局面における構成によれば、クロスメンバの前後方向の後方向の側に配設されると共に、第1のサイドメンバ、第2のサイドメンバ、クロスメンバ、第1の車体取付部材及び第2の車体取付部材の各々に当接した態様で、第1のサイドメンバ、第2のサイドメンバ、クロスメンバ、第1の車体取付部材及び第2の車体取付部材の各々に溶接された構成を有し、板部材から成るリアメンバを更に備えるものであるため、車両用サブフレームにおけるステアリングギヤボックスやスタビライザの支持強度、剛性及び車両用サブフレームの車体への取付け強度、剛性を増大することができる。
【0017】
また、本発明の第2の局面における構成によれば、クロスメンバが、クロスメンバの幅方向の両端部である第1の端部及び第2の端部が第1のサイドメンバ及び第2のサイドメンバの上方向の側において、第1のサイドメンバ及び第2のサイドメンバに対応して当接した態様で、第1の端部及び第2の端部が第1のサイドメンバ及び第2のサイドメンバに対応して溶接された構成を有し、第1の車体取付部材が、第1のサイドメンバの上方向の側において、第1のサイドメンバに当接した態様で、第1のサイドメンバに対応して溶接されると共に、クロスメンバの第1の端部の上方向の側において、第1の端部に当接した態様で、クロスメンバに溶接された構成を有し、第2の車体取付部材が、第2のサイドメンバの上方向の側において、第2のサイドメンバに当接した態様で、第2のサイドメンバに対応して溶接されると共に、クロスメンバの第2の端部の上方向の側において、第2の端部に当接した態様で、クロスメンバに溶接された構成を有するものであるため、車両用サブフレームの衝突性能を高めると共に、車両用サブフレームにおけるサスペンションアームやエンジンマウントの支持強度、剛性及び車両用サブフレームの車体への取付け強度、剛性を増大することができる。
【0019】
また、本発明の第3の局面における構成によれば、クロスメンバの第1の端部の側において、第1の車体取付部材及びクロスメンバが協働して画成した第1の開口端部を更に有すると共に、第1の開口端部に複数のサスペンションアームの内の対応するものを支持する第1の支持部が構成され、クロスメンバの第2の端部の側において、第2の車体取付部材及びクロスメンバが協働して画成した第2の開口端部を更に有すると共に、第2の開口端部に複数のサスペンションアームの内の対応するものを支持する第2の支持部が構成され、第1の支持部の後方向の側に配設されると共に、第1のサイドメンバ及びリアメンバが協働して、複数のサスペンションアームの内の対応するものを支持する第3の支持部が構成され、第2の支持部の後方向の側に配設されると共に、第2のサイドメンバ及びリアメンバが協働して、複数のサスペンションアームの内の対応するものを支持する第4の支持部が構成されるものであるため、車両用サブフレームにおけるサスペンションアームの支持強度、剛性をより増大することができる。
【0020】
また、本発明の第4の局面における構成によれば、第1の支持部と第4の支持部とを結ぶ直線及び第2の支持部と第3の支持部とを結ぶ直線により、平面視においてリアメンバに複数の領域を規定し、複数の領域は、直線同士が成す交点から幅方向の一方の側に向かって拡がる第1領域と、交点から幅方向の他方の側に向かって拡がる第2領域と、交点から前方向の側に向かって拡がる第3領域と、交点から後方向の側に向かって拡がる第4領域と、を有し、リアメンバは、第1領域、第2領域及び第4領域において、第1の孔部、第2の孔部及び第3の孔部を対応して有するものであるため、車両用サブフレームにおいて、その強度、剛性及び衝突性能を高めた態様で、更に軽量化をも図ることができる。
【0021】
また、本発明の第5の局面における構成によれば、第1の孔部及び第3の孔部の幅方向で隣り合う端部同士の間で、幅方向に幅を呈して前後方向に延在する第1の面部を有し、第2の孔部及び第3の孔部の幅方向で隣り合う端部同士の間で、幅方向に幅を呈して前後方向に延在する第2の面部を有し、第1の孔部及び第3の孔部の前後方向で隣り合う端部同士の間であって第2の孔部及び第3の孔部の前後方向で隣り合う端部同士の間で、前後方向に幅を呈して幅方向に延在する第3の面部を有するものであるため、リアメンバにおいて、第1の面部及び第2の面部を、第1の孔部、第2の孔部及び第3の孔部以外の高剛性部に接続することができると共に、かかる第1の面部及び第2の面部を第3の面部で接続することができるため、車両用サブフレームにおいて、その高められた強度、剛性及び衝突性能を損なうことなく軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態における車両用サブフレームの構成を示す平面図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における車両用サブフレームの構成を示す底面図である。
【
図3】
図3は、本実施形態における車両用サブフレームの構成を示す左側面図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における車両用サブフレームのクロスメンバ及び車体取付部材の構成を示す部分斜視図である。
【
図7】
図7は、本実施形態における車両用サブフレームのリアメンバの複数の貫通孔の配置を示すための
図1に相当する模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、
図1から
図7を適宜参照して、本発明の実施形態における車両用サブフレームにつき詳細に説明する。なお、図中、x軸、y軸及びz軸は、3軸直交座標系を成す。また、x軸の正方向が車体の左方向であり、y軸の正方向が車体の前方向であり、かつ、z軸の正方向が車体の上方向である。また、x軸の方向を幅方向又は横方向、y軸の方向を前後方向及びz軸の方向を上下方向と呼ぶことがある。
【0024】
図1から
図3は、各々、本実施形態における車両用サブフレームの構成を示す平面図、底面図及び左側面図である。
図4は、本実施形態における車両用サブフレームのクロスメンバ及び車体取付部材の構成を示す部分斜視図である。
図5及び
図6は、
図1のA-A断面図及びB-B断面図であり、何れもy軸及びz軸が成すy-z平面に平行な平面で切った縦断面図である。また、
図7は、本実施形態における車両用サブフレームのリアメンバの複数の貫通孔の配置を示すための
図1に相当する模式的平面図である。なお、
図3から
図6では、説明の便宜上、車両用サブフレームの右側の構成要素の一部を括弧書きの符号で必要に応じて右側の構成要素の符号に併せて示している。
【0025】
図1から
図7に示すように、サブフレーム1は、いずれも図示を省略するが、自動車等の車両のフロントエンジンベイを画成するフロントサイドフレーム等の車体に装着されながら、サスペンションアーム等を支持するものである。かかるサブフレーム1は、典型的には、y-z平面と平行な平面であって車体の幅方向の中央を前後方向に走る中央線を通る平面に対して、左右対称(面対称)な形状を有する。
【0026】
サブフレーム1においては、いずれも詳細は後述するが、車体に装着される部位として、第1車体取付部A1、第2車体取付部A2、第3車体取付部A3、第4車体取付部A4、第5車体取付部A5及び第6車体取付部A6の6カ所が設定され、サスペンションアームを支持する部位として、第1支持部S1、第2支持部S2、第3支持部S3及び第4支持部S4の4カ所が設定されている。
【0027】
また、サブフレーム1においては、各種の外力印加部品の装着用の取付部が設定されており、かかる各種の取付部としては、いずれも詳細は後述するが、ステアリングギヤボックス左取付部A7、ステアリングギヤボックス右取付部A8、トルクロッド取付部A9、スタビライザ左取付部A10及びスタビライザ右取付部A11が挙げられる。
【0028】
具体的には、サブフレーム1は、主として、幅方向に延在して配設されるクロスメンバ10と、クロスメンバ10に連結されてその左端部の側に配設される左取付部材60と、クロスメンバ10に連結されてその右端部の側に配設される右取付部材80と、クロスメンバ10並びに左取付部材60及び右取付部材80に連結されると共に、前後方向に延在しながら幅方向で互いに対向して配設される一対のサイドメンバである左サイドメンバ110及び右サイドメンバ130と、クロスメンバ10、左取付部材60及び右取付部材80並びに左サイドメンバ110及び右サイドメンバ130に連結されると共にクロスメンバ10の後方向の側に配設され、リアメンバの上方向の側の構成部材である後アッパメンバ150と、クロスメンバ10、左サイドメンバ110及び右サイドメンバ130並び後アッパメンバ150に連結されると共に後アッパメンバ150に対向して後アッパメンバ150の下方向の側に配設され、リアメンバの下方向の側の構成部材である後ロアメンバ180と、を備える。これらの部材は、各々、典型的には鋼板等の一枚の平板部材をプレス成形して得られるものであり、互いの重ね合わされた部分や突き合わされた部分が対応して当接された状態でプラグ溶接やアーク溶接等で溶接されて一体化されることにより、サブフレーム1は、基本的には閉断面形状を呈している。なお、これらの部材の溶接部の代表例を、
図1から
図4中において符号WEで示し、
図5及び
図6では、図示は省略するが部材同士が重なった部分に対応して溶接部が設定されており、
図7では、図示は省略するが
図1と同様の溶接部となる。また、後アッパメンバ150及び後ロアメンバ180の双方、又は後ロアメンバ180は、部品レイアウト上や強度上等で必要とされない場合には、省略してもよい。
【0029】
クロスメンバ10は、幅方向に延在する横上部材12と、横上部材12の下方向の側でそれに対向しながら幅方向に延在して配設されると共に、横上部材12と典型的にはアーク溶接等で溶接されることにより一体化された横下部材32と、を備える。また、クロスメンバ10は、互いに一体化された横上部材12及び横下部材32により、y-z平面に平行な平面における断面(縦断面)で基本的に前方向に凸の凸形状を呈している。なお、成形性は煩雑になるが、必要に応じて、横上部材12及び横下部材32は、別体の2枚の鋼板等の板部材ではなく単一の1枚の鋼板等の板部材から成形されるものであってもよい。
【0030】
詳しくは、横上部材12は、クロスメンバ10の上方向及び前方向の側を塞ぐ板部材であり、上壁部14及び前縦壁部16を有する。上壁部14は、幅方向における横上部材12の全長にわたって設けられているが、前縦壁部16は、幅方向における横上部材12の左右の両端部で実質消失している部分を有していてもよい。
【0031】
上壁部14は、その幅方向の中間部において、後方向に突出するように張り出した張出部18を有する。張出部18に対応する幅方向の部位における上壁部14には、それを貫通する貫通孔20が形成される。
【0032】
上壁部14の張出部18に対応する部分をその上方向の側で覆うように、図示を省略する典型的にはトルクロッド等のマウント部材を装着するためのマウントブラケット22が配設される。マウントブラケット22は、典型的には鋼板等の一枚の平板部材をプレス成形して得られるもので、基本的に上方向に凸の凸形状を呈する。マウントブラケット22の平板状の頂部24には、上壁部14の貫通孔20に対応して、頂部24を貫通する貫通孔25が形成され、貫通孔25に対しては、頂部24から上方向に向いてナット26が起立するように固設される。また、マウントブラケット22の頂部24の周囲を囲むように設けられた裾部28が、上壁部14に対して、典型的にはアーク溶接等で対応して溶接されることにより、マウントブラケット22は、クロスメンバ10に接続されてそれと一体化されている。
【0033】
横下部材32は、クロスメンバ10の下方向の側及び前方向の側を塞ぐ板部材であり、底壁部34及び前縦壁部36を有する。底壁部34及び前縦壁部36は、幅方向における横下部材32の全長にわたって設けられている。
【0034】
底壁部34は、その幅方向の中間部において、横上部材12の張出部18に対応して、後方向に突出するように張り出した張出部38を有する。張出部38に対応する幅方向の部位における底壁部34には、それを貫通する図示を省略した貫通孔が、横上部材12の貫通孔20に対応して形成されている。
【0035】
ここで、クロスメンバ10の左端部には、図示を省略する左側サスペンション部材を装着するための左開口端部40が設けられ、クロスメンバ10の右端部には、図示を省略する右側サスペンション部材を装着するための右開口端部50が設けられる。つまり、左開口端部40及び右開口端部50は、幅方向におけるクロスメンバ10の両端部に設定されている。
【0036】
クロスメンバ10の左端部では、横上部材12における前縦壁部16は実質消失しているため、横上部材12の上壁部14と、横下部材32の底壁部34及び前縦壁部36と、左取付部材60の左前部材64と、で囲われた左側面視で矩形状の開口端部として、左開口端部40が画成される。左開口端部40において、横下部材32の前縦壁部36及び左取付部材60の左前部材64は共に平板部で互いに対向し、このように対向する一方の前縦壁部36には、それを貫通する貫通孔41が形成されると共に、貫通孔41に対しては、前縦壁部36から前方向を向いてナット42が起立するように固設される。前縦壁部36に対向する左取付部材60の左前部材64の部分には、それを貫通する貫通孔43が前縦壁部36の貫通孔41に対応して形成されている。
【0037】
クロスメンバ10の右端部に画成される右開口端部50に関連する構成は、左開口端部40に関連する構成に対して、y-z平面と平行な平面であって車体の幅方向の中央を前後方向に走る中央線を通る平面に対して、左右対称なものであるため、その詳細な説明は省略するが、右開口端部50は、横上部材12の上壁部14と、横下部材32の底壁部34及び前縦壁部36と、右取付部材80の右前部材84と、で囲われ、左開口端部40における貫通孔41、ナット42及び貫通孔43に対応して貫通孔51、ナット52及び貫通孔53を有する右側面視で矩形状の開口端部である。
【0038】
また、幅方向におけるクロスメンバ10の左右の両端部の側には、左開口端部40及び右開口端部50に対応した態様で、サブフレーム1を車体に取り付けるための一対の取付部材である左取付部材60及び右取付部材80が対応して配設される。
【0039】
左取付部材60は、基本的に上方向に向かって突出しながらクロスメンバ10の左端部の側に配設される左後部材62と、左後部材62の前方向の側及び左方向の側におけるその開いた部分の一部を覆う態様で、左後部材62に対して前方向の側に配設される左前部材64と、左後部材62及び左前部材64の左端に配設される左ブラケット74と、左ブラケット74を介して左後部材62及び左前部材64に固定される左固定部材76と、を備える。これらの部材は、各々、典型的には鋼板等の一枚の平板部材をプレス成形して得られるものである。左後部材62、左前部材64及び左ブラケット74は、典型的にはアーク溶接等で対応して溶接されて一体化される。左固定部材76は、左ブラケット74を介して左後部材62及び左前部材64に、ボルト77を用いて締結されて固定されると共に、左固定部材76には、図示を省略する車体取付用ボルトを挿通する貫通孔78が形成されている。なお、成形性は煩雑になるが、必要に応じて、左後部材62及び左前部材64は、別体の2枚の鋼板等の板部材ではなく単一の1枚の鋼板等の板部材から成形されるものであってもよい。
【0040】
詳しくは、左前部材64の下方向の側の部分である底壁部65は、クロスメンバ10の横下部材32の底壁部34の上方向の側で、それに対して重なった部分が当接してプラグ溶接やアーク溶接等で溶接されている。左前部材64の貫通孔43が設けられている部分は、クロスメンバ10の横下部材32の前縦壁部36において貫通孔47が設けられている平板部に対向する平板部としての縦壁部66である。左後部材62の下方向の下端部63は、補強板MLを介してクロスメンバ10の横下部材32の底壁部34の上方向の側で、それに対してアーク溶接等で溶接されている。なお、左後部材62は、成形性は煩雑になるが、必要に応じて、補強板MLを省略して、直接的にクロスメンバ10の横下部材32の底壁部34にアーク溶接等で溶接される形状を有していてもよい。
【0041】
クロスメンバ10の右端部の側に配設される右取付部材80に関連する構成は、左取付部材60に関連する構成に対して、y-z平面と平行な平面であって車体の幅方向の中央を前後方向に走る中央線を通る平面に対して、左右対称なものであるため、その詳細な説明は省略するが、右取付部材80は、左取付部材60における左後部材62、下端部63、補強板ML、左前部材64、底壁部65、縦壁部66、左ブラケット74、左固定部材76、ボルト77及び貫通孔78に対応して、右後部材82、下端部83、補強板MR、右前部材84、底壁部85、縦壁部86、右ブラケット94、右固定部材96、ボルト97及び貫通孔98を有する。
【0042】
左サイドメンバ110は、基本的に上方向に凸の凸形状を呈しながら左側を前後方向に延在する板部材である左上部材112と、左上部材112の下方向の側でそれに対向して配設されると共に基本的に下方向に凸の凸形状を呈して前後方向に延在する板部材である左下部材118と、を備える。これらの部材は、典型的にはアーク溶接等で対応して溶接されて一体化されている。なお、左サイドメンバ110においては、成形性は煩雑になるが、必要に応じて、左上部材112及び左下部材118は、別体の2枚の鋼板等の板部材ではなく単一の1枚の鋼板等の板部材や筒部材から成形されるものであってもよい。
【0043】
詳しくは、左上部材112は、その前端部に貫通孔113を有すると共に、その後端部に接続部114を有する。接続部114がクロスメンバ10の横下部材32の前縦壁部36に対して前方向の側から典型的にはアーク溶接等で対応して溶接されることにより、左上部材112は、クロスメンバ10と一体化されている。また、左上部材112は、接続部114に隣接する前方向の側で、その上面が下方向に向かって陥設された凹部116を有する。
【0044】
左下部材118は、左上部材112の前端部に下方向の側で対向する前端部及び後アッパメンバ150の後端部に下方向の側で対向する後端部を有し、クロスメンバ10の横下部材32の底壁部34に対してその下方向の側でそれに接しながら、前後方向に延在している。左下部材118は、その前端部に貫通孔119を有すると共に、貫通孔119から後方向に向かって順に、貫通孔121、122、123及び124を有する。貫通孔119は、左上部材112の貫通孔113の下方向の側で対向し、貫通孔113及び貫通孔119に対応して、左サイドメンバ110の内部に、典型的には金属製の筒状部材であって図示を省略するカラー部材が固設されている。左下部材118は、クロスメンバ10の横下部材32の底壁部34の下方向の側で、それに対してプラグ溶接やアーク溶接等で溶接されることにより、クロスメンバ10と一体化されている。また、左下部材118には、左取付部材60の左後部材62及び左前部材64の内でクロスメンバ10の横下部材32に重ならずにはみ出した部分が当接してアーク溶接等で溶接されることにより、クロスメンバ10が左取付部材60と一体化されている。左上部材112の凹部116及びそれに対応する左下部材118の部分は、協働して脆弱部を構成し、典型的には車両の前面衝突時に左サイドメンバ110に印加される撃力により、かかる脆弱部が前後方向で圧壊されながら下方向に向かって折れ曲がるような所要の変形モードで変形自在である。なお、左下部材118は、1枚の鋼板等の板部材で構成しているが、必要に応じて、前後方向の途中で分割した複数の鋼板等の板部材を連結して構成してもよい。また、かかる複数の板部材は、それらの板厚を異ならせてもよい。
【0045】
左サイドメンバ110の右側でそれと幅方向で対向して配設される右サイドメンバ130に関連する構成は、左サイドメンバ110に関連する構成に対して、y-z平面と平行な平面であって車体の幅方向の中央を前後方向に走る中央線を通る平面に対して、左右対称なものであるため、その詳細な説明は省略するが、左サイドメンバ110の左上部材112、貫通孔113、接続部114、凹部116、左下部材118、貫通孔119、121、122、123及び124に対応して、右上部材132、貫通孔133、接続部134、凹部136、右下部材138、貫通孔139、141、142、143及び144を有する。
【0046】
後アッパメンバ150は、幅方向に延在するその前端の中間部がクロスメンバ10の横上部材12の上壁部14の後端部にその上方向の側から重なり、その左端部が左取付部材60の左後部材62及び左前部材64にその上方向の側から対応して重なり、その右端部が右取付部材80の右後部材82及び右前部材84にその上方向の側から対応して重なり、かつ、前後方向に各々延在するその左右の両端部が左サイドメンバ110の左下部材118の上左端部及び右サイドメンバ130の右下部材138の上右端部に対応して重なる板部材である。このように後アッパメンバ150の重なる部分が典型的にはアーク溶接等で対応して溶接されることにより、後アッパメンバ150は、クロスメンバ10、左取付部材60、右取付部材80、左サイドメンバ110及び右サイドメンバ130と一体化されている。また、後アッパメンバ150は、幅方向に延在するその後端部が後ロアメンバ180に典型的にはアーク溶接等で対応して溶接されている。
【0047】
詳しくは、後アッパメンバ150は、幅方向に延在するその前端部において、上方に凸の凸形状を呈する前梁形状部152を有すると共に、幅方向に延在するその後端部において、上方に凸の凸形状を呈する後梁形状部154を有する。前梁形状部152及び後梁形状部154は、各々、基本的に上方向に凸の凸形状を呈しながら、幅方向に延在する形状部である。前梁形状部152の幅方向の両端部の側に対応して、上方向に向かって起立するナット67及び87が固設されている。ナット67及び87は、図示を省略するステアリングギヤボックスの複数の固定部の内の1つを対応して取り付けるためのものであり、前梁形状部152には、ナット67及び87に対応して、貫通孔155及び156が設けられている。前梁形状部152には、左取付部材60の左後部材62及び左前部材64並びに右取付部材80の右後部材82及び右前部材84が典型的にはアーク溶接等で対応して溶接されることにより、左取付部材60及び右取付部材80は、後アッパメンバ150とも一体化されている。前梁形状部152には、クロスメンバ10における横上部材12の張出部18が、典型的にはアーク溶接等で溶接されることにより、クロスメンバ10は、後アッパメンバ150とも一体化されている。また、前梁形状部152には、マウントブラケット22の裾部28の後部分が典型的にはアーク溶接等で対応して溶接されることにより、マウントブラケット22は、後アッパメンバ150とも一体化されている。
【0048】
後アッパメンバ150は、更に、前梁形状部152の左右の両端部に貫通孔157及び158を対応して有すると共に、貫通孔157及び158の後方向の側に対応して貫通孔159及び160を設ける。貫通孔157及び159の間、並びに貫通孔158及び160の間には、後アッパメンバ150の一部を下方向に陥設して形成されると共に図示を省略するスタビライザバーを幅方向に挿通自在な溝部162及び164が対応して設けられている。後アッパメンバ150は、また更に、貫通孔159の後方向の側に、貫通孔165、166を有すると共に、貫通孔160の後方向の側に、貫通孔167、168を有する。左側の貫通孔157、159、165及び166は、左サイドメンバ110の左下部材118の貫通孔121、122、123及び124に対応して設けられ、これらの貫通孔には対応して典型的には金属製の筒状部材であってカラー部材が配されるが、貫通孔166に対して配されたカラー部材169以外のものは、図示を省略している。同様に、右側の貫通孔158、160、167及び168は、右サイドメンバ130の右下部材138の貫通孔141、142、143及び144に対応して設けられ、これらの貫通孔には対応して典型的には金属製の筒状部材であってカラー部材が配されるが、貫通孔168に対して配されたカラー部材170以外のものは、図示を省略している。また、貫通孔166及びカラー部材169と、貫通孔168及びカラー部材170と、は、後梁形状部154の左右の両端部に対応して配置されている。
【0049】
後アッパメンバ150の下方向の側でそれと対向する後ロアメンバ180は、幅方向に延在するその前端部が上下方向でクロスメンバ10の下後端部に重なり、前後方向に各々延在するその左右の端部が上下方向で左サイドメンバ110の下右端部及び右サイドメンバ130の下左端部に対応して重なる板部材である。このように後ロアメンバ180の重なる部分が典型的にはアーク溶接等で対応して溶接されることにより、後ロアメンバ180は、クロスメンバ10、並びに左サイドメンバ110及び右サイドメンバ130と一体化されている。また、後ロアメンバ180は、幅方向に延在するその後端部が後アッパメンバ150の後端部に典型的にはアーク溶接等で溶接されており、これにより、後ロアメンバ180は、後アッパメンバ150と一体化されている。また、クロスメンバ10、左サイドメンバ110の左下部材118、右サイドメンバ130の右下部材138、後アッパメンバ150及び後ロアメンバ180で囲まれる部分は、孔等が形成されてはいるが実用上の閉断面を画成することになる。
【0050】
ここで、サブフレーム1においては、第1支持部S1と第4支持部S4とを結ぶ直線L1及び第2支持部S2と第3支持部S3とを結ぶ直線L2は、交点P1で交わると共に、平面視で第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3及び第4領域R4を画成するものである。ここで、交点P1は、x-z平面と平行な平面であって車体の幅方向の中央を長手方向に走る中央線上に存在する。また、平面視において、後アッパメンバ150及び後ロアメンバ180に、第1支持部S1と第4支持部S4とを結ぶ直線L1及び第2支持部S2と第3支持部S3とを結ぶ直線L2により、直線L1及び直線L2が成す交点P1から左側に向かって拡がる第1領域R1と、交点P1から右側に向かって拡がる第2領域R2と、交点P1から前側に向かって拡がる第3領域R3と、交点P1から後ろ側に向かって拡がる第4領域R4と、を規定するものとする。
【0051】
後アッパメンバ150及び後ロアメンバ180は、サブフレーム1に上下方向に所要の高さを呈する縦断面を有する骨格部を直線L1及びL2に沿って残すように、それらが第1領域R1、第2領域R2及び第4領域R4対応して上下方向に貫通するように窄孔された貫通孔HL、HR及びHCを有する。つまり、貫通孔HLは、第1領域R1内に配置され、貫通孔HRは、第2領域R2内に配置され、及び貫通孔HCは、第4領域R4内に配置されている。また、後アッパメンバ150は、貫通孔HL及び貫通孔HCの幅方向で隣り合う端部同士の間で、幅方向に所定幅W1を呈して前後方向に延在する面部SP1を有し、貫通孔HR及び貫通孔HCの幅方向で隣り合う端部同士の間で、幅方向に所定幅W1を呈して前後方向に延在する面部SP2を有し、貫通孔HL及び貫通孔HCの前後方向で隣り合う端部同士の間であって貫通孔HR及び貫通孔HCの前後方向で隣り合う端部同士の間で、前後方向に所定幅W2を呈して幅方向に延在する面部SP3を有する。面部SP1及びSP2は、前梁形状部152及び後梁形状部154を互いに接続し、面部SP3は、かかる面部SP1及びSP2を互いに接続する。また、貫通孔HL、HR及びHCの周端部の応力バランスをとって、後アッパメンバ150及び後ロアメンバ180に不要な応力集中が生じることを抑制する観点からは、貫通孔HL及びHRについては、前梁形状部152に近い前方向の側の周端部の車幅方向の長さを後方向の側の車幅方向の周端部の長さよりも長く設定し、貫通孔HCについては、後梁形状部154に近い後方向の側の周端部の車幅方向の長さを前方向の側の車幅方向の周端部の長さよりも長く設定することが好ましい。なお、後ロアメンバ180が省略される場合には、後アッパメンバ150のみを窄孔して貫通孔HL、HR及びHCを設ければよい。
【0052】
以上の構成において、サブフレーム1が車体に装着される各種部位の内、左前の第1車体取付部A1としては、左サイドメンバ110の左上部材112に設けられた貫通孔113、左サイドメンバ110の左下部材118に設けられた貫通孔119及びこれらに対応して設けられて図示を省略するカラー部材が相当し、右前の第2車体取付部A2としては、右サイドメンバ130の右上部材132に設けられた貫通孔133、右サイドメンバ130の右下部材138に設けられた貫通孔139及びこれらに対応して設けられて図示を省略するカラー部材が相当し、左中の第3車体取付部A3としては、左取付部材60の左固定部材76に設けられた貫通孔78が相当し、右中の第4車体取付部A4としては、右取付部材80の右固定部材96に設けられた貫通孔98が相当し、左後ろの第5車体取付部A5としては、左サイドメンバ110の左下部材118に設けられた貫通孔124、後アッパメンバ150に設けられた貫通孔166及びこれらに対応して設けられたカラー部材169が相当し、並びに右後ろの第6車体取付部A6としては、右サイドメンバ130の右下部材138に設けられた貫通孔144、後アッパメンバ150に設けられた貫通孔168及びこれらに対応して設けられたカラー部材170が相当する。第3車体取付部A3及び第4車体取付部A4は、後アッパメンバ150の前梁形状部152を介して幅方向に接続され、第5車体取付部A5及び第6車体取付部A6は、後アッパメンバ150の後梁形状部154を介して幅方向に接続されている。なお、これらの部位は、いずれも典型的にはボルト等の締結部材を用いる締結用の部位である。また、これらの部位としては、サブフレームマウント部材を介在させないリジット構造を採用した例を想定しているが、サブフレームマウント部材を介在させたフローティング構造を採用するものであってもかまわない。
【0053】
また、サブフレーム1がサスペンションアームの内側ピボット部を各々支持する各種部位の内、左前の第1支持部S1としては、クロスメンバ10において貫通孔41、ナット42及び貫通孔43を有する左開口端部40が相当し(
図7中では、貫通孔41及び43同士を結ぶ軸の中点として示す)、右前の第2支持部S2としては、クロスメンバ10において貫通孔51、ナット52及び貫通孔53を有する右開口端部50が相当し(
図7中では、貫通孔51及び53同士を結ぶ軸の中点として示す)、左後ろの第3支持部S3としては、左サイドメンバ110の左下部材118に設けられた貫通孔123、後アッパメンバ150に設けられた貫通孔165及びこれらに対応して設けられて図示を省略するカラー部材が相当し(
図7中では、貫通孔165の平面視での中心点として示す)、並びに右後ろの第4支持部S4としては、右サイドメンバ130の右下部材138に設けられた貫通孔143、後アッパメンバ150に設けられた貫通孔167及びこれらに対応して設けられて図示を省略するカラー部材が相当する(
図7中では、貫通孔167の平面視での中心点として示す)。第1支持部S1及び第2支持部S2は、後アッパメンバ150の前梁形状部152を介して幅方向に接続され、第3支持部S3及び第4支持部S4は、後アッパメンバ150の後梁形状部154及び第3の面部SP3を介して幅方向に接続されている。なお、これらの部位は、いずれも典型的にはボルト等の締結部材を用いる締結用の部位である。また、これらの部位に適用されるサスペンションアームとして、L型ロアアームを採用する例を想定しているが、A型ロアアームや2本のI型ロアアームを採用するものであってもかまわない。また、左前の第1支持部S1及び右前の第2支持部S2では、図示を省略するインシュレータブッシュ部材の内筒が各々締結される例を想定し、左後ろの第3支持部S3及び右後ろの第4支持部S4では、いずれも図示を省略するが、ブラケットが各々締結されて、かかるブラケットにインシュレータブッシュ部材が装着される例を想定している。
【0054】
また、サブフレーム1が各種の外力印加部品を装着する各種取付部の内、ステアリングギヤボックス左取付部A7としては、後アッパメンバ150に設けられたナット67及び貫通孔155が相当し、ステアリングギヤボックス右取付部A8としては、後アッパメンバ150に設けられたナット87及び貫通孔156が相当し、トルクロッド取付部A9としては、クロスメンバ10の横上部材12に設けられた張出部18及び貫通孔20、クロスメンバ10の横下部材32に設けられた張出部38及び図示を省略する貫通孔、並びにマウントブラケット22に設けられた貫通孔25及びナット26が相当し、スタビライザ左取付部A10としては、左サイドメンバ110の左下部材118に設けられた貫通孔121及び122、後アッパメンバ150に設けられた貫通孔157及び159、並びにこれらに対応して設けられて図示を省略するカラー部材が相当し、スタビライザ右取付部A11としては、右サイドメンバ130の右下部材138に設けられた貫通孔141及び142、後アッパメンバ150に設けられた貫通孔158及び160、並びにこれらに対応して設けられて図示を省略するカラー部材が相当する。なお、これらの部位は、いずれも典型的にはボルト等の締結部材を用いる締結用の部位である。また、ステアリングギヤボックス左取付部A7及びステアリングギヤボックス右取付部A8では、ステアリングギヤボックス本体の左右の取付座が対応して締結される例を想定し、トルクロッド取付部A9では、エンジン・トランスミッション系のマウント部材の内筒が締結される例を想定し、並びにスタビライザ左取付部A10及びスタビライザ右取付部A11では、いずれも図示を省略するが、ブラケットが各々締結されて、かかるブラケットにブッシュ部材を介してスタビライザバーが装着される例を想定している。
【0055】
以上の本実施形態におけるサブフレーム1においては、車両用サブフレーム1が、第1のサイドメンバ110及び第2のサイドメンバ130と、クロスメンバ10と、第1の車体取付部材60及び第2の車体取付部材80と、を備え、第1のサイドメンバ110が、前後方向の前方向の側の第1の前車体取付部A1及び前後方向の後方向の側の第1の後車体取付部A5を有し、第2のサイドメンバ130が、前方向の側の第2の前車体取付部A2及び後方向の側の第2の後車体取付部A6を有し、第1のサイドメンバ110及び第2のサイドメンバ130が、クロスメンバ10に当接した態様で、クロスメンバ10に溶接された構成を有し、第1の車体取付部材60が、第1の前車体取付部A1及び第1の後車体取付部A5の間に位置される第1の中車体取付部A3を有すると共に、第1のサイドメンバ110及びクロスメンバ10に当接した態様で、第1のサイドメンバ110及びクロスメンバ10に溶接された構成を有し、第2の車体取付部材80が、第2の前車体取付部A2及び第2の後車体取付部A6の間に位置される第2の中車体取付部A4を有すると共に、第2のサイドメンバ130及びクロスメンバ10に当接した態様で、第2のサイドメンバ130及びクロスメンバ10に溶接された構成を有するものであるため、車両用サブフレーム1の主構成材をプレス成形品に統一して適用した態様で、第1のサイドメンバ110及び第2のサイドメンバ130に対して、クロスメンバ10、第1の車体取付部材60及び第2の車体取付部材80が、対応して直接溶接されて一体化されていることにより、車両用サブフレーム1の強度、剛性を増大することができると共に、典型的には車両の前面衝突時に印加された撃力を第1のサイドメンバ110及び第2のサイドメンバ130からクロスメンバ10、第1の車体取付部材60及び第2の車体取付部材80に対応して確実に分散して伝達させることにより、車両用サブフレーム1の衝突性能を高めることができる。
【0056】
また、本実施形態におけるサブフレーム1においては、クロスメンバ10が、クロスメンバ10の幅方向の両端部である第1の端部及び第2の端部が第1のサイドメンバ110及び第2のサイドメンバ130の上方向の側において、第1のサイドメンバ110及び第2のサイドメンバ130に対応して当接した態様で、第1の端部及び第2の端部が第1のサイドメンバ110及び第2のサイドメンバ130に対応して溶接された構成を有し、第1の車体取付部材60が、第1のサイドメンバ110の上方向の側において、第1のサイドメンバ110に当接した態様で、第1のサイドメンバ110に対応して溶接されると共に、クロスメンバ10の第1の端部の上方向の側において、第1の端部に当接した態様で、クロスメンバ10に溶接された構成を有し、第2の車体取付部材80が、第2のサイドメンバ130の上方向の側において、第2のサイドメンバ130に当接した態様で、第2のサイドメンバ130に対応して溶接されると共に、クロスメンバ10の第2の端部の上方向の側において、第2の端部に当接した態様で、クロスメンバ10に溶接された構成を有するものであるため、車両用サブフレーム1の衝突性能を高めると共に、車両用サブフレーム1におけるサスペンションアームやエンジンマウントの支持強度、剛性及び車両用サブフレームの車体への取付け強度、剛性を増大することができる。
【0057】
また、本実施形態におけるサブフレーム1においては、クロスメンバ10の前後方向の後方向の側に配設されると共に、第1のサイドメンバ110、第2のサイドメンバ130、クロスメンバ10、第1の車体取付部材60及び第2の車体取付部材80の各々に当接した態様で、第1のサイドメンバ110、第2のサイドメンバ130、クロスメンバ10、第1の車体取付部材60及び第2の車体取付部材80の各々に溶接された構成を有し、板部材から成るリアメンバ150、180を更に備えるものであるため、車両用サブフレーム1におけるステアリングギヤボックスやスタビライザの支持強度、剛性及び車両用サブフレーム1の車体への取付け強度、剛性を増大することができる。
【0058】
また、本実施形態におけるサブフレーム1においては、クロスメンバ10の第1の端部の側において、第1の車体取付部材60及びクロスメンバ10が協働して画成した第1の開口端部40を更に有すると共に、第1の開口端部40に複数のサスペンションアームの内の対応するものを支持する第1の支持部S1が構成され、クロスメンバ10の第2の端部の側において、第2の車体取付部材80及びクロスメンバ10が協働して画成した第2の開口端部50を更に有すると共に、第2の開口端部50に複数のサスペンションアームの内の対応するものを支持する第2の支持部S2が構成され、第1の支持部S1の後方向の側に配設されると共に、第1のサイドメンバ110及びリアメンバ150、180が協働して、複数のサスペンションアームの内の対応するものを支持する第3の支持部S3が構成され、第2の支持部S2の後方向の側に配設されると共に、第2のサイドメンバ130及びリアメンバ150、180が協働して、複数のサスペンションアームの内の対応するものを支持する第4の支持部S4が構成されるものであるため、車両用サブフレーム1におけるサスペンションアームの支持強度、剛性をより増大することができる。
【0059】
また、本実施形態におけるサブフレーム1においては、第1の支持部S1と第4の支持部S4とを結ぶ直線L1及び第2の支持部S2と第3の支持部S3とを結ぶ直線L2により、平面視においてリアメンバ150、180に複数の領域R1からR4を規定し、複数の領域R1からR4は、直線L1、L2同士が成す交点P1から幅方向の一方の側に向かって拡がる第1領域R1と、交点P1から幅方向の他方の側に向かって拡がる第2領域R2と、交点P1から前方向の側に向かって拡がる第3領域R3と、交点P1から後方向の側に向かって拡がる第4領域R4と、を有し、リアメンバ150、180は、第1領域R1、第2領域R2及び第4領域R4において、第1の孔部HL、第2の孔部HR及び第3の孔部HCを対応して有するものであるため、車両用サブフレーム1において、その強度、剛性及び衝突性能を高めた態様で、更に軽量化をも図ることができる。
【0060】
また、本実施形態におけるサブフレーム1においては、第1の孔部HL及び第3の孔部HCの幅方向で隣り合う端部同士の間で、幅方向に幅W1を呈して前後方向に延在する第1の面部SP1を有し、第2の孔部HR及び第3の孔部HCの幅方向で隣り合う端部同士の間で、幅方向に幅W1を呈して前後方向に延在する第2の面部SP2を有し、第1の孔部HL及び第3の孔部HCの前後方向で隣り合う端部同士の間であって第2の孔部HL及び第3の孔部HCの前後方向で隣り合う端部同士の間で、前後方向に幅W2を呈して幅方向に延在する第3の面部SP3を有するものであるため、リアメンバ150、180において、第1の面部SP1及び第2の面部SP2を、第1の孔部HL、第2の孔部HR及び第3の孔部HC以外の高剛性部152、154に接続することができると共に、かかる第1の面部SP1及び第2の面部SP2を第3の面部SP3で接続することができるため、車両用サブフレーム1において、その高められた強度、剛性及び衝突性能を損なうことなく軽量化を図ることができる。
【0061】
なお、本発明は、部材の種類、形状、配置、個数などは前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上のように、本発明においては、主構成材にプレス成形品を統一して適用しながら、強度及び剛性を高めることができると共に、所要の衝突性能を発揮することができる車両用サブフレームを提供することができるものであるため、その汎用普遍的な性格から広範に車両等の移動体のサブフレームの分野に適用され得るものと期待される。
【符号の説明】
【0063】
1…サブフレーム
10…クロスメンバ
12…横上部材
14…上壁部
16…前縦壁部
18…張出部
20…貫通孔
22…マウントブラケット
24…頂部
25…貫通孔
26…ナット
28…裾部
32…横下部材
34…底壁部
36…前縦壁部
38…張出部
40…左開口端部
41…貫通孔
42…ナット
43…貫通孔
50…右開口端部
51…貫通孔
52…ナット
53…貫通孔
60…左取付部材
62…左後部材
63…下端部
64…左前部材
65…底壁部
66…縦壁部
67…ナット
74…左ブラケット
76…左固定部材
77…ボルト
78…貫通孔
80…右取付部材
82…右後部材
83…下端部
84…右外部材
85…底壁部
86…縦壁部
87…ナット
94…右ブラケット
96…右固定部材
97…ボルト
98…貫通孔
110…左サイドメンバ
112…左上部材
113…貫通孔
114…接続部
116…凹部
118…左下部材
119…貫通孔
121、122、123、124…貫通孔
130…右サイドメンバ
132…右上部材
133…貫通孔
134…接続部
136…凹部
138…右下部材
139…貫通孔
141、142、143、144…貫通孔
150…後アッパメンバ
152…前梁形状部
154…後梁形状部
155、156、157、158、159、160…貫通孔
162、164…溝部
165、166、167、168…貫通孔
169、170…カラー部材、
180…後ロアメンバ
181、182…貫通孔
HL、HR、HC…貫通孔
SP1、SP2、SP3…面部
A1…第1車体取付部
A2…第2車体取付部
A3…第3車体取付部
A4…第4車体取付部
A5…第5車体取付部
A6…第6車体取付部
A7…ステアリングギヤボックス左取付部
A8…ステアリングギヤボックス右取付部
A9…トルクロッド取付部
A10…スタビライザ左取付部
A11…スタビライザ右取付部
S1…第1支持部
S2…第2支持部
S3…第3支持部
S4…第4支持部