(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】お薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法及び用具
(51)【国際特許分類】
A61J 7/04 20060101AFI20220425BHJP
【FI】
A61J7/04 Z
(21)【出願番号】P 2017249824
(22)【出願日】2017-12-26
【審査請求日】2020-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000176626
【氏名又は名称】三島光産株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】503219721
【氏名又は名称】株式会社Windy
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094581
【氏名又は名称】鯨田 雅信
(72)【発明者】
【氏名】東島 敦弘
(72)【発明者】
【氏名】松井 晃典
(72)【発明者】
【氏名】中村 行延
(72)【発明者】
【氏名】井手 博崇
【審査官】佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-184877(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0193030(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも底部の近傍部分が可とう性又は弾性を有するように形成され且つ前記底部又はその近傍部分の平面積が薬剤を出し入れする開口部の平面積よりも小さくなるような略テーパー状又は側断面略階段状に形成された複数の薬剤容器を、前記各底部が上側となるように且つそれらが互いに所定の位置関係となるように、整列する整列ステップと、
前記各薬剤容器の底部の近傍部分がそれぞれ挿入可能な複数の開口部、及び前記各開口部を形成する開口縁部の一部にそれぞれ形成された突部を有する係止板を、その一方の面側から、前記係止板の各開口部内に前記各薬剤容器の底部の近傍部分が挿入され且つ前記係止板の各突部が前記各薬剤容器の底部の近傍部分の一部を押圧し係止した状態となるように、前記複数の薬剤容器の方向に移動させる係止ステップと、
を含み、複数の薬剤容器を整列された状態のまま一度に移動できるようにした、お薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法。
【請求項2】
前記整列ステップの後に、且つ前記係止ステップの前に、前記各薬剤容器の底部の近傍部分がそれぞれ挿入可能な複数の開口部を有する支持板を、その一方の面側から、前記支持板の各開口部内に前記各薬剤容器の底部の近傍部分が挿入された状態となるように、前記複数の薬剤容器の方向に移動させる挿入ステップをさらに含む、請求項1に記載のお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法。
【請求項3】
前記係止ステップの後に、前記係止板の少なくとも一部を把持して移動させることにより、前記係止板の各突部にそれぞれ係止された前記複数の薬剤容器を所望の場所に一度に移動させる係止移動ステップをさらに含む、請求項
2に記載のお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法。
【請求項4】
前記係止移動ステップの後に、複数の棒状体を備えたフォークを使用して、前記複数の薬剤容器の各側部同士の間の隙間に前記各棒状体を差し込み、その後前記各棒状体を上昇させ、これにより前記支持板及び/又は前記係止板から前記複数の薬剤容器を分離させて前記複数の薬剤容器だけを上昇させ、この分離、上昇させた前記複数の薬剤容器だけを所望の場所に一度に移動させる分離移動ステップをさらに含む、請求項3に記載のお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法。
【請求項5】
前記整列ステップは、前記各薬剤容器を、前記互いに所定の位置関係となる各位置に整列すると共に前記各位置においてそれぞれ複数個ずつ上下に積み重ねられるようにするものである、請求項1から4までのいずれかに記載のお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法。
【請求項6】
前記整列ステップは、前記各薬剤容器を、横方向に3列若しくは4列又は縦方向に3行若しくは4行だけ並び、且つ縦方向に7行又は横方向に7列だけ並ぶように、整列させるものである、請求項1から5までのいずれかに記載のお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法。
【請求項7】
前記係止ステップにおいて、前記係止板が前記複数の薬剤容器の方向に移動したとき、前記係止板の前記各開口部の開口縁部は前記各薬剤容器の底部の近傍部分の外周側に対向又は当接し、前記係止板の前記各開口縁部の突部は前記各薬剤容器の底部の近傍部分に部分的に食い込みこれを変形させるものである、請求項1から6までのいずれかに記載のお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法。
【請求項8】
少なくとも底部の近傍部分が可とう性又は弾性を有するように形成され且つ前記底部又はその近傍部分の平面積が薬剤を出し入れする開口部の平面積よりも小さくなるような略テーパー状又は側断面略階段状に形成されており、前記各底部が上側となるように且つそれらが互いに所定の位置関係となるように整列されている複数の薬剤容器を、それらが整列された状態のまま一度に移動させるための整列移動用具であって、前記各薬剤容器の底部の近傍部分がそれぞれ挿入可能な複数の開口部、及び前記各開口部を形成する開口縁部の一部にそれぞれ形成された突部を有する係止板から成り、前記係止板をその一方の面側から前記複数の薬剤容器の方向に移動させたとき、前記係止板の各開口部内に前記各薬剤容器の底部の近傍部分が挿入されるようにし且つ前記係止板の各突部が前記各薬剤容器の底部の近傍部分を部分的に押圧して変形させるようにし、これにより前記複数の薬剤容器を整列された状態のまま一度に移動できるようにした、お薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動用具。
【請求項9】
前記係止板は、前記係止板が前記複数の薬剤容器の方向に移動したとき、前記係止板中の前記各開口部の開口縁部が前記各薬剤容器の底部の近傍部分の外周側に対向又は当接すると共に、前記係止板中の前記各開口縁部の突部が前記各薬剤容器の底部の近傍部分に部分的に食い込みこれを変形させるものである、請求項8に記載のお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の薬剤容器をお薬カレンダーの作製に適した各位置に配置し整列した状態のまま一度に移動できるようにした、お薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法及び用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特に高齢者の患者など薬の飲み忘れ防止の必要性が大きい患者のために、患者の服薬管理用のお薬カレンダーが種々提案されている。例えば、
図21は特許文献1が提案しているお薬カレンダーを示すものであるが、この特許文献1では、例えば横(又は縦)方向には朝、昼及び夕方(さらには就寝前)の1日3回(又は4回)の服薬時間帯を表示し、縦(又は横)方向には月曜日から日曜日まで(又は日曜日から土曜日まで)の1週間分の曜日又は日付を表示したカレンダーに似た台紙シートと、この台紙シート中の各服薬時間帯にそれぞれ対応するように各薬剤収容部(各患者の1回服用分の薬剤がそれぞれ収容される凹部)が形成された薬剤収容シートとを互いに接着等により固定し(これにより前記台紙シートが前記各薬剤収容部の蓋部となる)、患者は各服薬時間帯になる度に対応する各薬剤収容部から1回服用分の薬剤を取り出して服用できるようにした、お薬カレンダーを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、
図21に示すような複数の各薬剤収容部が予め一体的に形成されて成るシートと各曜日又は日付及び服薬時間帯などが表示された台紙シートとを互いに接着して作製するタイプのお薬カレンダーではなく、予め互いにバラバラに分離されている各薬剤容器中に1回服用分の薬剤を収容し、その後、これら各薬剤容器を各曜日又は日付及び各服薬時間帯などが表示された台紙シートで接着、接続して作製するタイプのお薬カレンダーも知られている。このようなタイプのお薬カレンダーにおいては、その製造過程で、予め互いにバラバラに分離されている各薬剤容器を前述のような台紙シートで接着して互いに接続するためには、事前に、前記の予め互いにバラバラに分離された各薬剤容器を所定の各曜日又は日付及び各服薬時間帯に対応する各位置に整列しておく必要があるが、従来、そのような整列作業は極めて煩雑なものであった。
【0005】
本発明はこのような従来技術の問題点に着目して為されたものであって、お薬カレンダーの製造過程において、予め互いにバラバラに分離されている各薬剤容器に1回服用分の薬剤を収容させ、それらを前述のような台紙シートで接着して互いに接続する前に、前記各薬剤容器を、所定の各曜日又は日付及び各服薬時間帯に対応する各位置に整列させてその状態のまま一度に、所望の場所に、例えば前記薬剤の収容(及び前述のような台紙シートの接着等)に適した場所に移動させることができる、お薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法及び用具を提供することを目的とする。また、特に本発明は、お薬カレンダーの製造過程において、予め互いにバラバラに分離されている各薬剤容器を所定の位置関係に整列された状態のまま一度に所望の場所に次々と順次連続的に移動させる作業を、極めて効率的に行うことができる、お薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法及び用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような課題を解決するための本発明によるお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法は、少なくとも底部の近傍部分が可とう性又は弾性を有するように形成され且つ前記底部又はその近傍部分の平面積が薬剤を出し入れする開口部の平面積よりも小さくなるような略テーパー状又は側断面略階段状に形成された複数の薬剤容器を、前記各底部が上側となるように且つそれらが互いに所定の位置関係となるように整列する整列ステップと、前記各薬剤容器の底部の近傍部分がそれぞれ挿入可能な複数の開口部、及び前記各開口部を形成する開口縁部の一部にそれぞれ形成された突部を有する係止板を、その一方の面側から、前記係止板の各開口部内に前記各薬剤容器の底部の近傍部分が挿入され且つ前記係止板の各突部が前記各薬剤容器の底部の近傍部分の一部を押圧し係止した状態となるように、前記複数の薬剤容器の方向に移動させる係止ステップとを含むものである。
【0007】
また、本発明によるお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法においては、前記整列ステップの後に、且つ前記係止ステップの前に、前記各薬剤容器の底部の近傍部分がそれぞれ挿入可能な複数の開口部を有する支持板を、その一方の面側から、前記支持板の各開口部内に前記各薬剤容器の底部の近傍部分が挿入された状態となるように、前記複数の薬剤容器の方向に移動させる挿入ステップを、さらに含むようにしてもよい。
【0008】
また、本発明によるお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法においては、前記係止ステップの後に、前記係止板の少なくとも一部を把持して移動させることにより、前記複数の各薬剤容器を所望の場所に一度に移動させる係止移動ステップを、さらに含むようにしてもよい。
【0009】
また、本発明によるお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法においては、前記係止移動ステップの後に、複数の棒状体を備えたフォークを使用して、前記複数の薬剤容器の各側部(前記各薬剤容器の各側部中の前記支持板及び/又は前記係止板が対向又は当接する底部近傍部分よりも開口部側の部分)同士の間の隙間に前記各棒状体を差し込み、その後前記各棒状体を上昇させ、これにより前記支持板及び/又は前記係止板から前記複数の薬剤容器を分離させて前記複数の薬剤容器だけを上昇させ、この分離、上昇させた前記複数の薬剤容器だけを所望の場所に一度に移動させる分離移動ステップを、さらに含むようにしてもよい。
【0010】
また、本発明によるお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法において、前記整列ステップは、前記各薬剤容器を、前記互いに所定の位置関係となる各位置に整列すると共に前記各位置においてそれぞれ複数個ずつ上下に積み重ねられるようにするものであってもよい。
【0011】
また、本発明によるお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法において、前記整列ステップは、前記各薬剤容器を、横方向に3列若しくは4列又は縦方向に3行若しくは4行だけ並び、且つ縦方向に7行又は横方向に7列だけ並ぶように、整列させるものであってもよい。
【0012】
また、本発明によるお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法において、前記係止ステップでは、前記係止板が前記複数の薬剤容器の方向に移動したとき、前記係止板の前記各開口部の開口縁部が前記各薬剤容器の底部の近傍部分の外周側に対向又は当接し、前記係止板の前記各開口縁部の突部が前記各薬剤容器の底部の近傍部分に部分的に食い込みこれを変形させるものであってもよい。
【0013】
また、本発明によるお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動用具は、少なくとも底部の近傍部分が可とう性又は弾性を有するように形成され且つ前記底部又はその近傍部分の平面積が薬剤を出し入れする開口部の平面積よりも小さくなるような略テーパー状又は側断面略階段状に形成されており、前記各底部が上側となるように且つそれらが互いに所定の位置関係となるように整列されている複数の薬剤容器を、それらが整列された状態のままで一度に移動させるための整列移動用具であって、前記各薬剤容器の底部の近傍部分がそれぞれ挿入可能な複数の開口部、及び前記各開口部を形成する開口縁部の一部にそれぞれ形成された突部を有する係止板から成り、前記係止板をその一方の面側から前記複数の薬剤容器の方向に移動させたとき、前記係止板の各開口部内に前記各薬剤容器の底部の近傍部分が挿入されるようにし且つ前記係止板の各突部が前記各薬剤容器の底部の近傍部分を部分的に押圧して変形させるようにし、これにより複数の薬剤容器を整列された状態のまま一度に移動できるようにした整列移動用具である。
【0014】
さらに、本発明によるお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動用具において、前記係止板は、前記係止板が前記複数の薬剤容器の方向に移動したとき、前記係止板の前記各開口部の開口縁部が前記各薬剤容器の底部の近傍部分の外周側に対向又は当接し、前記係止板の前記各開口縁部の突部が前記各薬剤容器の底部の近傍部分に部分的に食い込みこれを変形させるものであってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によるお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法においては、前記係止ステップにおいて、前記係止板を前記複数の薬剤容器の方向に移動させる過程で、前記係止板の各開口縁部中の突部が前記各薬剤容器の底部の近傍部分を部分的に押圧して変形させるように作用する結果、前記各薬剤容器の底部の近傍部分がそれぞれ前記係止板の各突部に係止された状態となるので、その後は、前記係止板の少なくとも一部を把持して移動させるだけで、前記複数の薬剤容器を、それらが整列された状態のまま、一度に移動させることができるようになる。
【0016】
また、本発明によるお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法において、前記整列ステップの後に及び前記係止ステップの前に、前記各薬剤容器の底部の近傍部分がそれぞれ挿入可能な複数の開口部を有する支持板を、前記複数の薬剤容器の方向に移動させて、前記支持板の各開口部内に前記各薬剤容器の底部の近傍部分が挿入された状態となるようにしたときは、前記支持板が、前記各薬剤容器の前記開口部側と前記係止板との間に介在するようになる。よって、本発明によれば、前記係止板の各突部により前記各薬剤容器の底部の近傍部分を係止し、前記係止された各薬剤容器を整列された状態のまま一度に移動させた後、前記支持板を前記係止板から分離するという簡単な動作を行うだけで、前記各薬剤容器及び前記支持板を前記係止板から容易に分離できるようになる。
【0017】
また、本発明によるお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法において、前記係止移動ステップの後に、複数の棒状体を備えたフォークを使用して、前記複数の薬剤容器の各側部(前記各薬剤容器の各側部中の、前記支持板及び/又は前記係止板が対向又は当接する底部近傍部分よりも開口部側の部分)同士の間の隙間に前記各棒状体を差し込みその後前記各棒状体を上昇させることにより、前記支持板及び/又は前記係止板から前記複数の薬剤容器だけを分離しつつ上昇させるようにしたときは、前記の分離及び上昇の動作、並びにその後の複数の薬剤容器だけを所望の場所に一度に移動させることを、極めて効率的に行えるようになる。
【0018】
また、本発明によるお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法において、前記整列ステップで、前記複数の薬剤容器を、前記互いに所定の位置関係となる各位置に整列すると共に前記各位置においてそれぞれ複数個ずつ上下に積み重ねる(但し、前記各薬剤容器の側部中の前記係止板の突部が押圧して変形させる部分に対応する底部近傍部分だけは、他の薬剤容器の側部と重ならないようにする)ようにしたときは、前記の予め互いにバラバラに分離されている複数の薬剤容器をお薬カレンダーの作製に適した各位置に整列した状態のまま一度に所望の場所に移動させる作業を、前記の複数個ずつ上下に積み重ねられた各薬剤容器の上側から下側へと、順次、連続的に行えるようになる。よって、本発明によれば、お薬カレンダーの製造過程において、前記複数の薬剤容器を前記各位置に整列させたまま一度に所望の場所に次々と順次連続的に移動させる作業を、極めて効率的に行えるようになる。
【0019】
また、本発明によるお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法において、前記整列ステップで、前記各薬剤容器を、横方向に3列若しくは4列又は縦方向に3行若しくは4行だけ並び、且つ縦方向に7行又は横方向に7列だけ並ぶように整列させるようにしたときは、お薬カレンダーの製造過程において、予め互いにバラバラに分離されている複数の各薬剤容器を、お薬カレンダーのユーザーである各患者の各曜日又は日付毎の服薬時間帯が表示されたお薬カレンダー用の位置関係に適合する状態に整列したまま、すなわち各患者の各曜日又は日付毎の服薬時間帯が表示されたお薬カレンダー用台紙シートを接着等固定できる状態に整列したまま、一度に、所望の場所に移動させることができるようになる。
【0020】
また、本発明によるお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法において、前記係止ステップで、前記係止板の各開口部の開口縁部が、前記各薬剤容器の底部の近傍部分の外周側と対向又は当接し、前記係止板の各開口縁部の突部が、前記各薬剤容器の底部の近傍部分に部分的に食い込んでその部分を変形させるようにしたときは、前記係止板の各突部による前記複数の各薬剤容器の係止を、より確実なものとすることができるようになる。
【0021】
また、本発明によるお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動用具を使用するときは、前記係止板を前記複数の薬剤容器の方向に移動させる過程で、前記係止板の各開口縁部中の突部が前記各薬剤容器の底部の近傍部分を部分的に押圧して変形させ、その結果、前記各薬剤容器の底部の近傍部分がそれぞれ前記係止板の各突部に係止された状態となるので、前記係止板の少なくとも一部を把持して移動させるだけで、前記複数の薬剤容器を、それらが整列された状態のまま、一度に移動させることができるようになる。
【0022】
さらに、本発明によるお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動用具において、前記係止板を、前記係止板が前記複数の薬剤容器の方向に移動したとき、前記係止板の各開口部の開口縁部が前記各薬剤容器の底部の近傍部分の外周側に対向又は当接すると共に、前記係止板の各開口縁部の突部が前記各薬剤容器の底部の近傍部分に部分的に食い込んでその部分を変形させるように構成したときは、前記整列移動用具(例えば係止板)の各突部による前記複数の各薬剤容器の係止を、より確実なものとすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態に係るお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法の概略を説明するための斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る整列移動方法の概略を説明するための斜視図である。
【
図3】本実施形態に係る整列移動方法の概略を説明するための斜視図である。
【
図4】本実施形態に係る整列移動方法の概略を説明するための斜視図である。
【
図5】本実施形態に係る薬剤容器の整列移動方法の動作を説明するための斜視図である。
【
図6】本実施形態に係る薬剤容器の整列移動方法の動作を説明するための斜視図である。
【
図7】本実施形態に係る薬剤容器の整列移動方法の動作を説明するための斜視図である。
【
図8】(a)は本実施形態における支持プレートの構成及び動作を説明するための概略図、(b)は本実施形態における係止板の構成及び動作を説明するための概略図、(c)は本実施形態における係止板による各薬剤容器の係止動作を説明するための概略図である。
【
図9】本実施形態に係る薬剤容器の整列移動方法の動作を説明するための斜視図である。
【
図10】本実施形態に係る薬剤容器の整列移動方法の動作を説明するための斜視図である。
【
図11】本実施形態に係る薬剤容器の整列移動方法の動作を説明するための斜視図本発明の実施形態による である。
【
図12】本実施形態に係る薬剤容器の整列移動方法の動作を説明するための斜視図本実施形態による である。
【
図13】本実施形態に係る薬剤容器の整列移動方法の動作を説明するための斜視図である。
【
図14】本実施形態に係る薬剤容器の整列移動方法の動作を説明するための斜視図である。
【
図15】本実施形態に係る薬剤容器の整列移動方法の動作を説明するための斜視図である。
【
図16】本実施形態に係る薬剤容器の整列移動方法の動作を説明するための斜視図である。
【
図17】本実施形態に係る薬剤容器の整列移動方法の動作を説明するための斜視図である。
【
図18】本実施形態に係る薬剤容器の整列移動方法の動作を説明するための斜視図である。
【
図19】(a)は本実施形態により整列移動された各薬剤容器間の各隙間にフォークの各棒状体を差し込んだ状態を示す概略側面図、(b)は本実施形態において1回服用分の薬剤がそれぞれ収容された複数の薬剤容器に台紙シートを貼り付けることによりお薬カレンダーを作製する動作を説明するための概略図である。
【
図20】本実施形態において使用される薬剤容器の例を示す斜視図である。
【
図21】従来のお薬カレンダー及びその製造過程の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係るお薬カレンダー作製用の薬剤容器の整列移動方法及び用具を、図面を参照して説明する。
図1~4は本実施形態に係る薬剤容器の整列移動方法の概略を説明するための斜視図、
図5~7及び
図9~18は本実施形態に係る薬剤容器の整列移動方法の動作を順に説明するための斜視図、
図8は本実施形態における支持プレート及び係止板の構成及び動作、並びに本実施形態における係止板による各薬剤容器の係止動作を説明するための概略図、
図19は本実施形態により整列移動された各薬剤容器に1回服用分の薬剤を収容し台紙シートを貼り付けてお薬カレンダーを作製するための動作などを説明するための概略図である。
【0025】
図1~19において、1はお薬カレンダー作製用の薬剤容器(カップ)、1aは前記薬剤容器1の底部、1bは前記薬剤容器1の前記底部1aと反対側に形成された開口部、1cは前記薬剤容器1の側部中の前記底部1aの近傍部分、1dは前記開口部1bの外周縁部に形成されたフランジ部である。前記フランジ部1dは、お薬カレンダー作製用の台紙シート12(
図19(b)参照)が接着等で固定される部分である。前記薬剤容器1の側部は、前記開口部1bの平面積よりも前記底部1aの平面積が徐々に小さくなるテーパー状に形成されている(
図8など参照)。また前記各薬剤容器1は、例えばプラスチックなどの可とう性又は弾性を有する素材により一体的に形成されている。
【0026】
図19(b)に示すように、前記各薬剤容器1に接着等されるお薬カレンダー用台紙シート12は、例えば、横方向の1週間分の7列の曜日又は日付と、縦方向の朝、昼、夕及び寝る前の4行の服薬時間帯とにより区画される各マス12a(本実施形態では計28個)が印刷されたシートである。本実施形態では、各患者の一回服用分の薬剤(
図19(b)の符号11参照)が収容された前記各薬剤容器1が前記各マス12aに対応する各位置に整列された状態にあるとき、これら複数の薬剤容器1に対して前記各マス12aが印刷されたお薬カレンダー用台紙シート12(
図19(b)参照)が、一度に接着等される(
図19(b)の矢印A参照)。これにより、各患者のお薬カレンダーが作製される。
【0027】
また
図1などにおいて、2は前記複数の各薬剤容器1を前記お薬カレンダー用の各マス12a(
図19(b)参照)に対応する位置にそれぞれ配置するようにし且つ前記各薬剤容器1を複数個ずつ上下に積み重ねて置くようにするためのトレイ(位置決め台)である。前記トレイ2には、前記各薬剤容器1を前記お薬カレンダー用の各マス12aに対応する各位置に配置しやすいように、前記各マスに対応する各位置であることを示すマーク(図示省略)などが表示されている。
【0028】
また
図1などにおいて、3は前述のように計28個の各マス12aの位置にそれぞれ対応するように配置、整列された前記各薬剤容器1の底部1a及びその近傍部分1c(
図8など参照)がそれぞれ挿入される各開口部3aを有する支持プレートである。また
図2などにおいて、4は前述のように計28個の各マス12aの位置にそれぞれ対応するように配置、整列された前記各薬剤容器1の底部1a及びその近傍部分1cがそれぞれ挿入される各開口部4aを有する係止板である。
【0029】
本実施形態では、
図8(a)に示すように、前記支持プレート3の前記各開口部3の輪郭部分を形成する開口縁部3bの側壁面は、前記薬剤容器1のテーパー状の側面に対応するテーパー状に形成されている。また、
図8(b)に示すように、前記係止板4の前記各開口部4aの輪郭部分を形成する開口縁部4bの側壁面は、前記薬剤容器1のテーパー状の側面に対応するテーパー状に形成されている。また、
図8(b)に示すように、前記係止板4においては、前記各開口部4aの開口縁部4bの一部に、前記開口部4aの内部方向に突出する突部4cが形成されている。
【0030】
次に
図1~19を参照して本実施形態に係る薬剤容器1の整列移動方法の概略動作を説明する。まず、
図1に示すように、前記複数の各薬剤容器1を、前記トレイ(位置決め台)2上の各位置(例えば計28個の各位置)にそれぞれ並ぶように配置、整列する。このとき、前記各薬剤容器1は、それぞれ、その底部1aが上側となるように且つ前記各位置ではそれぞれ複数個が上下方向に積み重ねられるように、配置する。
図5は、このように配置、整列された前記各薬剤容器1と前記トレイ2を示す斜視図である。なお、前述のように前記各薬剤容器1が複数個ずつ上下に積み重ねられた状態においては、前記各薬剤容器1の側部がテーパー状に形成されているため、前記各薬剤容器1の底部1a及びその近傍部分1c(特に、前記近傍部分1c中の、前記係止板4の突部4cが当接、押圧して食い込み変形させる部分)だけは他の薬剤容器1と対向又は当接しない(重ならない)ように、積み重ねられている。
【0031】
次に、
図1に示すように、前記支持プレート3を、その一方の面側から、前記トレイ2上に並べられた前記各薬剤容器1の方へ移動させ、前記支持プレート3の各開口部3a中に、前記各薬剤容器1の底部1a及びその近傍部分1cを挿入させる(
図6の下方部分を参照)。このとき、前述のように前記支持プレート3の開口部3aの前記テーパー状に形成された開口縁部3bの側壁面は、前記各薬剤容器1の前記テーパー状に形成された底部近傍部分1cの側面と略平行に対向又は当接する(
図8(c)参照)。
【0032】
次に、
図2に示すように、前記係止板4を、その一方の面側から、前記トレイ2上に並べられた前記各薬剤容器1の方へ移動させ(
図6の上方部分を参照)、前記支持プレート3を介して、前記係止板4の各開口部4a中に前記各薬剤容器1の底部1a及びその近傍部分1cを挿入させる(
図7参照)。このとき、前記係止板4の開口部4aの前記テーパー状に形成された開口縁部4bの側壁面(
図8(b)参照)は、前記各薬剤容器1の前記テーパー状に形成された底部近傍部分1cの側面と略平行に対向又は当接する(
図8(c)参照)。また、このとき、前記係止板4の開口縁部4bの一部に形成された突部4cが、前記各薬剤容器1の底部近傍部分1cの一部を押圧してその一部に食い込み、その部分を弾性的に変形させる(
図8(c)の1c’参照)。その結果、前記底部近傍部分1c及びそれを含む前記各薬剤容器1の全体が、前記係止板4の突部4cに係止された状態となる。
【0033】
次に、
図3の左側部分に示すように、前記係止板4中の少なくとも一部を把持して上方に移動させると、前記係止板4の各突部4cにそれぞれ係止された前記各薬剤容器1、及び前記係止板4と前記各薬剤容器1との間に挟まれた前記支持プレート3が、前記係止板4と一緒に移動する(
図9及び
図10を参照)。
【0034】
この移動の途中において、前述のように一緒に移動している前記係止板4、前記支持プレート3及び前記各薬剤容器1を、
図3の左側部分に示す状態から
図3の右側部分に示す状態になるように裏返し(すなわち
図10の状態から
図11の状態になるように裏返し)、これにより、前記各薬剤容器1の開口部1bが上側となる状態にする。その上で、前記係止板4、前記支持プレート3及び前記各薬剤容器1を、所望の場所に例えば作業用テーブルの上に、載置する(
図12参照)。
【0035】
その後、
図3の右側部分に示すように、前記係止板4をテーブルなどに置いたまま前記支持プレート3だけを持ち上げ、これにより、前記支持プレート3及びその上の前記各薬剤容器1だけを、前記係止板4から分離する。
図13の下方部分は、このようにして前記係止板4が分離された後の前記支持プレート3及び前記各薬剤容器1だけを、作業用テーブルに載置した状態を示している。さらに、その後、
図4、
図13及び
図14に示すように、前記複数の薬剤容器1の各開口部1b内にゴミ等が入らないように、前記各薬剤容器1に対してその上方から蓋シート5を被せる。前記蓋シート5においては、前記各薬剤容器1の開口部1bの各位置に対応する部分が透明素材による窓部5aとして形成されている。
【0036】
次に、このようにして前記係止板4が分離された後の前記支持プレート3及び各薬剤容器1に対し、
図4、
図15及び
図16に示すように、フォーク6の操作部(取っ手)6bを操作して、前記フォーク6に備えられた複数本(本実施形態では計8本)の棒状体6aを、前記各薬剤容器1の側部(前記各薬剤容器1の側部中の、前記支持プレート3が対向又は当接している底部近傍部分1cよりも開口部1b側の部分)同士の間の各隙間にそれぞれ差し込む(
図19(a)参照)。そして、前記各棒状体6aが前記各隙間に十分に差し込まれた状態で、前記操作部6bを操作して前記フォーク6全体を上昇させると、前記各薬剤容器1及び前記蓋シート5だけが、前記支持プレート3から分離された状態で(すなわち前記支持プレート3だけがテーブルなどの上に残された状態で)、前記整列された状態のまま上昇する(
図17、及び
図18参照)。
【0037】
その後は、前述のようにして整列された状態のまま上昇した前記各薬剤容器1を、所望の場所、例えば図示しない薬剤自動手撒き装置内に移動させて前記各薬剤容器1内にそれぞれ1回服用分の薬剤を収容させる(
図19(b)参照。なお前記薬剤の手撒きは手作業で行うようにしてもよい)。その後、前記各薬剤容器1を、再び前記フォーク6などを使用して、前記各薬剤容器1にお薬カレンダー用台紙シート12を接着するための装置内に移動させる。この装置では、前記台紙シート12を、前記薬剤容器1の各開口縁部のフランジ部1dの表面に接着、固定する(
図19(b)参照。なお上記接着等は手作業で行うようにしてもよい)。これにより、例えば4週間(28日)分のお薬カレンダーが作製される。
【0038】
以上説明したように、本実施形態においては、前記係止板4を前記複数の薬剤容器1の方向に移動させる過程で、前記係止板4の各開口縁部4bの突部4cが、前記各薬剤容器1の底部1aの近傍部分1cを部分的に押圧して変形させる(
図8(c)の符号1c’参照)ように作用し、その結果、前記各薬剤容器1の底部1aの近傍部分1cがそれぞれ前記係止板4の各突部4cに係止された状態となるので、前記係止板4の少なくとも一部を把持して移動させるだけで、前記複数の薬剤容器1を、それらが整列された状態のまま一度に移動させることができるようになる。
【0039】
また、本実施形態においては、前記係止板4を前記各薬剤容器1の方に移動させる前に、前記支持プレート3を前記各薬剤容器1の方に移動させて、前記各薬剤容器1の底部1aの近傍部分1cが前記支持プレート3中の各開口部3a内に挿入された状態となるようにし、その後に、前記係止板4を前記各薬剤容器1側に移動させて前記各薬剤容器1の底部1aの近傍部分1cがそれぞれ前記係止板4の各突部4cに係止された状態となるようにした。すなわち、本実施形態では、前記支持プレート3を、前記各薬剤容器1の前記開口部1b側と前記係止板4との間に介在させるようにした。よって、本実施形態によれば、前記係止板4を移動させることにより、前記係止板4により係止された前記複数の薬剤容器1をそれらが整列された状態のまま一度に移動させた後、前記支持プレート3を前記係止板4から分離するという簡単な動作を行うだけで、前記各薬剤容器1及び前記支持プレート3を前記係止板4から容易に分離できるようになる。
【0040】
また、本実施形態においては、前記係止板4を移動させることにより前記係止板4に係止された前記各薬剤容器1及び前記支持プレート3を一緒に移動し、さらに前記係止板4を前記支持プレート3等から分離した後に、複数の棒状体6aを備えたフォーク6を使用して、前記複数の各薬剤容器1の各側部同士の間の隙間に前記各棒状体6aを差し込み(
図19(a)参照)、前記複数の薬剤容器1だけを前記支持プレート3から分離しつつ上昇させるようにした。よって、本実施形態によれば、前記支持プレート3から前記各薬剤容器1だけを分離して上昇させて所望の場所に一度に移動させることが、極めて効率的に行えるようになる。
【0041】
また、本実施形態においては、前記各薬剤容器1を前記トレイ2上でお薬カレンダー作製に適した各位置に整列、配置するとき、前記各薬剤容器1を、前記各位置においてそれぞれ複数個ずつ上下に積み重ねておくようにした(
図1及び
図5など参照。但し、前記各薬剤容器1の側部中の、前記係止板4の突部4cが押圧して食い込み変形させる部分(
図8(c)参照)に対応する底部近傍部分1cだけは、他の薬剤容器1の側部と互いに重ならないようにした)。したがって、本実施形態においては、前記の予め互いにバラバラに分離されている複数の各薬剤容器1をお薬カレンダーの作製に適した各位置に整列した状態のまま一度に所望の場所に移動させる作業を、前記の複数個ずつ上下に積み重ねられた各薬剤容器1の上側から下側へと、順次、連続的に行えるようになる。よって、本実施形態によれば、お薬カレンダーの製造過程において、前記複数の各薬剤容器1を前記各位置に整列させたまま一度に所望の場所に次々と順次連続的に移動させる作業を、極めて効率的に行えるようになる。
【0042】
また、本実施形態においては、事前に、前記各薬剤容器1を前記トレイ2上でお薬カレンダーの作製に適した各位置に整列、配置するとき、それぞれの位置に配置される複数の薬剤容器1を、例えば横方向に7列だけ並び且つ縦方向に4行だけ並ぶように整列させるようにした(
図19(b)参照)。よって、本実施形態によれば、お薬カレンダーの製造過程において、予め互いにバラバラに分離されている各薬剤容器1を、お薬カレンダーのユーザーである各患者の各曜日又は日付毎の服薬時間帯が表示されたお薬カレンダーに適合する相互位置関係に整列したまま、すなわち各患者の各曜日又は日付毎の服薬時間帯が表示されたお薬カレンダー用台紙シート12をそのまま接着等固定できる状態に整列したまま、所望の場所(薬剤の自動手撒き装置など)に移動させることができる。
【0043】
また、本実施形態においては、前記係止板4を前記各薬剤容器1の方に移動させるとき、前記係止板4の前記各開口部4aの開口縁部4bの側壁面が、前記複数の各薬剤容器1の底部近傍部分1cの側面と対向又は当接し、前記係止板4の前記各開口縁部4bの突部4cが、前記複数の各薬剤容器1の底部近傍部分1cに部分的に食い込んで前記近傍部分1cを部分的に変形させるようにしたので、前記係止板4の各突部4cによる前記各薬剤容器1の係止をより確実なものとすることができる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態として説明したものに限定されるものではなく、様々な修正及び変更が可能である。例えば、前記実施形態においては、前記各薬剤容器1の側部を、前記底部又はその近傍部分の平面積が薬剤を出し入れする開口部の平面積よりも小さくなるような略テーパー状に形成するようにしたが、本発明ではこれに限られるものではなく、例えば前記各薬剤容器1の側部を、前記底部又はその近傍部分の平面積が薬剤を出し入れする開口部の平面積よりも小さくなるような側断面略階段状に形成するようにしてもよい。また前記実施形態においては、前記各薬剤容器1を平面視で略円形状のカップとしたが、本発明ではこれに限られるものではなく、例えば前記各薬剤容器1を平面視で略多角形状のカップとしてもよい。なお、
図20は本発明又はその実施形態で使用され得る薬剤容器の一例となる得る平面視略円形状のテーパー状容器を示している。本発明又はその実施形態においては、前記薬剤容器1として、例えば、
図20(a)及び(b)に示すような補強リブが設けられていないテーパー状容器を使用してもよいし、
図20(c)及び(d)に示すような補強リブ1eが形成され又は備えられたテーパー状容器を使用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 薬剤容器
1a 薬剤容器の底部
1b 薬剤容器の開口部
1c 薬剤容器の底部近傍部分
1d 薬剤容器の開口縁部のフランジ部
1e 薬剤容器の補強リブ
2 トレイ
3 支持プレート
3a 支持プレートの開口部
3b 支持プレートの開口縁部
4 係止板
4a 係止板の開口部
4b 係止板の開口縁部
4c 突部
5 蓋シート
5a 窓部
6 フォーク
6a 棒状体
6b 操作部
11 1回服用分の薬剤
12 薬カレンダー用台紙シート
12a 薬カレンダー用台紙シートの各マス