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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】求人情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220425BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018034080
(22)【出願日】2018-02-28
(65)【公開番号】P2019149064
(43)【公開日】2019-09-05
【審査請求日】2020-12-18
(73)【特許権者】
【識別番号】597061941
【氏名又は名称】ディップ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(74)【代理人】
【識別番号】100194146
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100194283
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 大勇
(74)【代理人】
【識別番号】100141324
【弁理士】
【氏名又は名称】小河 卓
(72)【発明者】
【氏名】冨田 英揮
【審査官】萩島 豪
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-090614(JP,A)
【文献】特開2005-148289(JP,A)
【文献】特開2007-128490(JP,A)
【文献】特開2014-116808(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0039525(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの可搬型端末装置と、前記可搬型端末装置に求人情報を提供する求人情報事業者の管理サーバとを備える求人情報提供システムであって、
前記可搬型端末装置は、
前記管理サーバと通信する通信部と、
位置情報を取得し前記管理サーバに通知する位置取得部と、
前記管理サーバから求人情報を取得し、前記ユーザに提示する求人情報提示部と、
を備え、
前記管理サーバは、
前記可搬型端末装置と通信する通信部と、
前記可搬型端末装置から通知された前記位置情報を取得し、前記ユーザの活動拠点を算出する活動拠点算出部と、
前記活動拠点から一定範囲内の求人案件を活動エリア内求人情報として前記可搬型端末装置に通知する活動エリア求職処理部と、
を備え、
前記可搬型端末装置の前記求人情報提示部は、前記管理サーバから取得した前記活動エリア内求人情報を提示し、
前記管理サーバの前記活動拠点算出部は、前記可搬型端末装置から取得した前記位置情報を蓄積する活動エリア蓄積部を有し、
前記活動拠点算出部は、前記蓄積された前記位置情報をもとに、前記活動拠点を算出し、
前記活動拠点算出部は、前記位置情報を活動計測点として、前記活動計測点を中心とした所定半径の活動計測円を求め、活動計測円が複数求められ、かつ、相互に重なる活動計測円で得られる領域を活動エリアとし、前記活動エリアの中心を前記活動拠点とする
ことを特徴とする求人情報提供システム。
【請求項2】
前記活動エリア求職処理部は、前記活動拠点が複数得られた場合に、前記活動拠点を算出する際に使用した前記活動計測点の数に応じて、前記活動エリア内求人情報の案件数を定める
ことを特徴とする請求項1に記載の求人情報提供システム。
【請求項3】
前記活動エリア求職処理部は、前記活動エリア内求人情報について、体験案件または見学案件である旨の情報を含めて前記可搬型端末装置に通知し、
前記可搬型端末装置の前記求人情報提示部は、前記体験案件または前記見学案件であることが認識可能に提示する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の求人情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、求人情報提供システムに係り、例えば、ユーザの位置情報に基づき求人案件を提供する求人情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
求人者側(企業側)は、採用手段の一つとして求職情報事業者がネットワーク上に開設している求人サイトに求人情報を載せ、求人確保を行っている。そのようなサイトにおいて、求職者は、時間や期間、給与、勤務地等の条件等を入力して、所望の案件を検索する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-246453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、求人サイト(いわゆるメディア)に記載している求人情報だけでは、求職者に伝えきれない職場の魅力や、雰囲気などがあり、それが原因で求職者と企業双方のミスマッチが生じる場合があり、新たな技術が求められていた。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ユーザの可搬型端末装置と、前記可搬型端末装置に求人情報を提供する求人情報事業者の管理サーバとを備える求人情報提供システムであって、前記可搬型端末装置は、前記管理サーバと通信する通信部と、位置情報を取得し前記管理サーバに通知する位置取得部と、前記管理サーバから求人情報を取得し、前記ユーザに提示する求人情報提示部と、を備え、前記管理サーバは、前記可搬型端末装置と通信する通信部と、前記可搬型端末装置から通知された前記位置情報を取得し、前記ユーザの活動拠点を算出する活動拠点算出部と、前記活動拠点から一定範囲内の求人案件を活動エリア内求人情報として前記可搬型端末装置に通知する活動エリア求職処理部と、を備え、前記可搬型端末装置の前記求人情報提示部は、前記管理サーバから取得した前記活動エリア内求人情報を提示し、前記管理サーバの前記活動拠点算出部は、前記可搬型端末装置から取得した位置情報を蓄積する活動エリア蓄積部を有し、前記活動拠点算出部は、前記蓄積された前記位置情報をもとに、前記活動拠点を算出し、前記活動拠点算出部は、前記位置情報を活動計測点として、前記活動計測点を中心とした所定半径の活動計測円を求め、活動計測円が複数求められ、かつ、相互に重なる活動計測円で得られる領域を活動エリアとし、前記活動エリアの中心を前記活動拠点とする
また、前記活動エリア求職処理部は、前記活動拠点が複数得られた場合に、前記活動拠点を算出する際に使用した活動計測点の数に応じて、前記活動エリア内求人情報の案件数を定めてもよい。
また、前記活動エリア求職処理部は、前記活動エリア内求人情報について、体験案件または見学案件である旨の情報を含めて前記可搬型端末装置に通知し、前記可搬型端末装置の前記求人情報提示部は、前記体験案件または前記見学案件であることが認識可能に提示してもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、求人者側と求職者側の双方のニーズを効果的にマッチングさせることができる技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る、求人情報提供システムの概要構成を説明する図である。
図2】実施形態に係る、求人情報提供システムにおける概略フローを説明するフローチャートである。
図3】実施形態に係る、可搬型端末装置の機能ブロック図である。
図4】実施形態に係る、管理サーバの機能ブロック図である。
図5】実施形態に係る、ユーザの活動エリア及び活動拠点を説明する図である。
図6】実施形態に係る、ユーザの活動エリア及び活動拠点を説明する図である。
図7】実施形態に係る、表示される案件数の例を示す図である。
図8】実施形態に係る、活動エリア内の案件を表示する処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)について図面を参照して説明する。
【0010】
まず、図1を参照して求人情報提供システム1の概要を説明する。
求人情報提供システム1は、求職者(以下、「ユーザ99」と称する。)が所有するスマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置10と、求人者97(一般には企業側)が所有する求人者側装置90と、求人情報事業者98の管理サーバ50とを備え、それらはネットワーク2を介して接続されている。
【0011】
求人者97は、求人情報事業者98に対してウェブページ(求人サイト)に求人情報の掲載を依頼する。ユーザ99は、求人情報事業者98が求人サイトに掲載した求人情報に対して応募し、採用プロセスを経て雇用される。
【0012】
また、求人者97は、可搬型端末装置10に求人情報事業者98が提供するアプリケーション(以下、「アプリ」と称する。)を導入し、活動エリア81の求人案件を確認・応募することができる。可搬型端末装置10では、活動エリア81の中心となる活動拠点80から所定範囲内(例えば半径10km以内)の求人案件を求人アイコン85として地図上に表示する。
【0013】
ここで表示される求人案件は、しごと体験案件および職場見学案件である。上述の様に、メディアに記載している求人情報だけでは、求職者に伝えきれない職場の魅力や、雰囲気などがある。それが原因で求職者と企業双方のミスマッチが生じる場合がある。そこで、しごと体験・職場見学という仕組みを通して、求人情報だけでは伝えきれない職場の魅力や雰囲気を伝えることで、求職者の職場理解および企業の求職者理解を深め、双方のミスマッチを防ぐ。なお、本実施形態では、しごと体験案件は、いわゆる短期(一般には1回~数回程度)の雇用を想定する案件、職場見学案件は、実際に働くとなった場合の職場環境(労働環境)を見学できる案件、通常案件とは、しごと体験案件や職場見学案件以外の求人案件、として説明する。
【0014】
図2のフローチャートを参照して、しごと体験案件および職場見学案件の概略プロセスを説明する。ユーザ99は、可搬型端末装置10に導入したアプリ(図3で後述する求人情報提供部30の機能を実現するアプリ)を起動する(S1)。
【0015】
可搬型端末装置10は、GPS3を利用して位置情報を取得し、管理サーバ50に通知する(S2)。管理サーバ50は、ユーザ99の活動エリア内の求人案件、ここではしごと体験案件および職場見学案件を可搬型端末装置10に通知する。可搬型端末装置10は、管理サーバ50から通知された求人案件を地図上に表示する(S3)。
【0016】
ユーザ99は、可搬型端末装置10に表示された所望の案件に応募し、求人者97(企業側)と所定の採用プロセスを行う(S4)。応募した案件がしごと体験案件であれば(S5のY)、ユーザ99は、求人者97と応募した案件に関する雇用契約を締結し(S6)、しごと体験を行う(S7)。また、応募した案件が職場見学案件であれば(S5のN)、ユーザ99は、求人者97が指定する場所に赴き見学する(S8)。体験または見学後、ユーザ99は求人者97と以降の雇用に関する採用プロセスに進む(S9)
【0017】
以上の求人情報提供サービスを実現する可搬型端末装置10や管理サーバ50の機能構成について具体的に説明する。図3は可搬型端末装置10の機能ブロック図であり、図4は管理サーバ50の機能ブロック図である。
【0018】
図3に示すように、可搬型端末装置10は、主制御部11と、表示部12と、操作部13と、GPSセンサ14と、通信部20と、求人情報提供部30とを備える。
【0019】
主制御部11は、可搬型端末装置10の各構成要素・機能を統括的に制御する。表示部12は、例えば液晶表示装置である。操作部13は、ユーザ99の操作を取得する。表示部12と操作部13は、一体に構成されたタッチパネルであってもよい。GPSセンサ14は、図1で示したGPS3からの信号をもとに、可搬型端末装置10の位置情報を取得する。
【0020】
通信部20は、携帯電話通信部21と、無線LAN部22と、近距離無線通信部23とを備える。携帯電話通信部21は、3G規格やLTE規格等による携帯電話回線を介した通信接続を行う。無線LAN部22は、無線LANによる通信接続を行う。近距離無線通信部23は、例えば、ブルートゥース(登録商標)規格による通信接続を行う。
【0021】
求人情報提供部30は所要のアプリをダウンロードして導入されるものであり、認証処理部31と、位置情報取得部32と、時刻情報取得部33と、求人情報提示部34と、計測地点通知部35と、活動エリア求人提示部36とを備える。
【0022】
認証処理部31は、管理サーバ50と通信の際に認証処理を行う。したがって、認証処理部31は、認証に必要な情報(IDやパスワード等)を保持している。
【0023】
位置情報取得部32は、GPSセンサ14から位置情報(緯度経度)を取得する。位置情報取得部32は、アプリ起動後、バックグラウンド処理として一定時間毎(例えば30分毎)にGPSセンサ14から位置情報を取得する。また、ユーザ99の指定により位置情報取得が行われてもよい。
【0024】
また、可搬型端末装置10を持つユーザ99が屋内におりGPSセンサ14を利用できない場合も想定できるため、位置情報取得部32は、近距離無線通信部23を用いた位置特定技術、例えば、ブルートゥースを用いたiBeacon(登録商標)技術により位置情報を取得してもよい。特に、ユーザ99の活動範囲が屋内や地下街といった、GPSセンサ14が利用できない場所が多いときに有効である。
【0025】
時刻情報取得部33は、可搬型端末装置10に備わる経時装置(時計機能)から時刻情報を取得する。
【0026】
求人情報提示部34は、デフォルトやユーザの設定・指定にしたがい管理サーバ50から求人情報取得し、表示部12に表示する。
【0027】
計測地点通知部35は、位置情報取得部32が取得した位置情報を活動計測地点として、一定時間毎に管理サーバ50に通知する。このとき、時刻情報取得部33が取得した時刻情報もあわせて通知される。
【0028】
活動エリア求人提示部36は、管理サーバ50から通知される活動エリア81の求人案件、特にしごと体験案件および見学案件を表示部12で提示する。
【0029】
次に、図4に示すように、求人情報事業者98の管理サーバ50は、主制御部51と、液晶装置等の表示部52と、ユーザ操作を受け付ける操作部53と、LAN通信によりネットワーク2に接続する通信部54と、求人・求職情報管理部60とを備える。
【0030】
求人・求職情報管理部60は、認証部61と、求職者情報処理部62と、求人者情報処理部63と、求人案件処理部64と、活動拠点算出部65と、活動エリア求職処理部66と、記憶部70とを備える。
【0031】
認証部61は、可搬型端末装置10を介して接続するユーザ99の認証を行う。求職者情報処理部62は、ユーザ99の可搬型端末装置10と通信を行い所定の処理を行う。求職者情報処理部62は、例えば、ユーザ99の登録処理(ID登録やメールアドレス、住所、氏名、求職条件等)や登録情報の編集・更新処理等を行い、記憶部70の求職者情報テーブル72に記録・反映する。なお、求職者情報処理部62は、管理サーバ50の管理者からの処理も受け付け、必要に応じて情報の登録・修正等を行う。
【0032】
求人者情報処理部63は、企業側である求人者97の求人者側装置90と通信を行い各種処理を行う。すなわち、求人者情報処理部63は、求人者側装置90から各種情報(企業側の情報や求人案件等)の登録や更新要求があると、記録部70の求人者情報テーブル71を参照し、所定の認証処理後、求人者側装置90からの要求に応じた処理を行う。なお、求人者情報処理部63は、求職者情報処理部62と同様に、管理サーバ50の管理者からの処理も受け付け、必要に応じて情報の登録・修正等を行う。
【0033】
求人案件処理部64は、求人者97の求人案件をネットワーク2を介して可搬型端末装置10に表示させる。すなわち、可搬型端末装置10の求人情報提供部30からの要求に応じて、適切な求人案件を通知する。可搬型端末装置10では、通知を受けた求人案件を表示させる。
【0034】
活動拠点算出部65は、可搬型端末装置10のユーザ99の活動エリア81およびその中心である活動拠点80を算出する。活動エリア求職処理部66は、その活動拠点80から所定範囲内、すなわち情報提供エリア82の求人案件、特にしごと体験案件や職場見学案件を可搬型端末装置10に通知する。
【0035】
記憶部70は、求人者情報テーブル71と、求職者情報テーブル72と、求職案件テーブル73と、活動エリアテーブル74とを備える。
【0036】
求人者情報テーブル71は、求人者97(企業側)の情報を記録する。求職者情報テーブル72は、ユーザ99の情報を記録する。求職案件テーブル73は、求人者97の求人情報を記録する。求人情報には、案件の種類(通常案件、しごと体験案件、職場見学案件の種別)や、勤務地の位置情報(緯度・経度)が含まれる。活動エリアテーブル74は、ユーザ99の可搬型端末装置10から送信された活動計測地点およびそのときの時刻情報を記録する。すなわち、ユーザ99毎に、活動計測地点と時刻情報が蓄積されている。
【0037】
つづいて図5図7を参照して、ユーザ99の活動拠点80や活動エリア81の算出および情報提供エリア82の算出の手順を説明する。
【0038】
(S10:行動データ蓄積処理)
まず、図5に示すように、可搬型端末装置10で求人情報提供部30の機能を実現するアプリを起動させ、GPS機能(GPSセンサ14及び位置情報取得部32)により、一定時間毎、例えば30分に一度、位置情報(緯度・経度)を取得する。取得した位置情報は、活動計測点X1として管理サーバ50に通知され、活動エリアテーブル74に蓄積される。また、管理サーバ50では、活動計測点X1を中心として描く半径500mの円を活動計測円R1とする。
【0039】
(S12:活動エリア特定処理)
管理サーバ50の活動拠点算出部65は、所定期間の活動計測点X1について活動計測円R1が重なってい全ての範囲をひとまとめで一つの活動エリアとして定義する。重なっていない円(活動計測円)については、別の活動範囲となる。ここでは、3つの活動計測点X11~X13について、それぞれ活動計測円R11~R13が描かれ、活動エリアA1が特定される。以下では、複数の活動計測点について特に区別しない場合は、「活動計測点X1」と称する。また、複数の活動計測円について特に区別しない場合は、「活動計測円R1」と称する。
【0040】
(S14:活動拠点特定処理)
つづいて、活動拠点算出部65は、複数ある活動エリアのなかで、一定条件を満たした活動エリア内にある全ての活動計測点(ここでは、3つの活動計測点X11~X13)の重心(中心)X10を活動拠点80として規定する。
【0041】
なお、一定条件とは、(1)一定期間(例えば1週間)に、一つの活動エリアに活動拠点が一定数(例えば15個)以上あること、及び(2)一日で一つの活動エリアに活動拠点数が一定数(例えば3個)以上あること、の両条件を満たすことである。
【0042】
(S16:求人案件提示処理)
活動エリア求職処理部66は、活動拠点算出部65が活動拠点80を定めた後、データベース(求職案件テーブル73)と照合し、活動拠点80から半径範囲内(例えば10km以内)にある案件を可搬型端末装置10に通知し、可搬型端末装置10で求人アイコン85を活動拠点80から位置関係が分かる様に地図上に表示する。このとき、提示上限がある場合には、活動拠点80から近い順に求人アイコン85が表示される。求人アイコン85を指定することで、ユーザ99は、その求人アイコン85に関連付けられている求人案件(ここでは、しごと体験案件または職場見学案件)の詳細を確認することができる。なお、該当の範囲にしとご体験・職場見学の案件がない場合は表示しない。
【0043】
図6を参照して、活動エリア及び活動拠点の特定の例を示す。図6(a)に示すように、4つの活動エリアA~Dが得られた場合を想定する。活動エリアAでは、5つの活動計測点X11A~X15Aのそれぞれについて活動計測円R11A~R15Aが描かれ重なっている。活動エリアBでは、3つの活動計測点X11B~X13Bのそれぞれについて活動計測円R11B~R13Bが描かれ重なっている。活動エリアCと活動エリアDでは、それぞれ一つの活動計測点X11C、X11Dによって、それぞれ他とは重ならない一つの活動計測円R11C、R11Dが描かれている。
【0044】
図6(b)は、図6(a)をもとに、活動拠点を特定した状態を示している。活動エリアAについては、5つの活動計測点X11A~X15Aの重心(中心)を活動拠点A(80A)として規定する。活動エリアBについては、3つの活動計測点X11B~X13Bの重心(中心)を活動拠点B(80B)として規定する。活動エリアCと活動エリアDについては、活動計測点数が少なく、活動拠点を規定するための条件を満たさないため、活動拠点80は規定されない。
【0045】
図7は、活動拠点80が複数規定された場合の求人案件の提示例を説明する図である。活動拠点80(80A、80B)が複数規定された場合、可搬型端末装置10に表示(提示)する場合に、活動計測点X1が多いエリアを優先して表示する。
【0046】
ここでは、活動計測地点が、活動エリアAでは7点、活動エリアBでは3点と仮定する。この場合、活動エリアAと活動エリアBの表示案件比率は7:3とする。そして、求人案件の提示上限が10件であれば、活動エリアAで表示される案件数は7件、活動エリアBで表示される案件数は3件となる。
【0047】
なお、可搬型端末装置10に表示される際に、求人アイコン85がしごと体験案件であるか職場見学案件であるかが認識可能に、アイコン中の文字や色等を変えて表示されてもよい。
【0048】
以上の構成による求人案件の表示処理までの具体的な流れを図8のフローチャートを参照して説明する。まず、ユーザ99が可搬型端末装置10で、求人情報提供部30の機能を実現するアプリを起動する(S20)。このとき、ユーザ99は、そのアプリにおける位置情報取得許可、すなわち、取得した位置情報を管理サーバ50に送信してよい旨の設定をオンにして、一定時間間隔で位置情報を可搬型端末装置10から管理サーバ50に通知する(S21)。
【0049】
管理サーバ50では、活動拠点算出部65が、可搬型端末装置10の位置情報を取得し(S22)、活動計測点として活動エリアテーブル74に記録し蓄積する(S23)。また、活動拠点算出部65は、活動エリアテーブル74に蓄積されている活動計測点から活動計測円を生成し(S24)、重なり繋がる活動計測円を纏めて一つの活動エリア81として記録する(S25)。このとき、重なっていない活動計測円を別の活動エリア81として記録する(S26)。
【0050】
活動拠点算出部65は、記録した活動エリア81に一定条件を満たした活動エリア81があるか否かを確認する(S27)。一定条件を満たす活動エリア81がない場合(S27のN)、処理は終了する。
【0051】
一定条件を満たす活動エリア81がある場合(S27のY)、活動拠点算出部65は、その条件を満たす活動エリア81の重心を算出し活動拠点として記録する(S28)。
【0052】
つづいて、活動エリア求職処理部66は、活動エリア81が複数あるか否かを確認し(S29)、複数ある場合(S29のY)、活動拠点のあるそれぞれの活動エリア81内で活動計測点数をカウントし(S30)、活動計測点数の比率に応じて案件表示比率を設定する(S31)。
【0053】
案件表示比率設定後または活動エリア81が一つである場合(S29のN)、活動エリア求職処理部66は、活動拠点を中心に半径10km圏内の求人案件(しごと体験案件や職場見学案件)を抽出し可搬型端末装置10に通知する(S32)。可搬型端末装置10では、活動エリア求人提示部36が表示部12に、すなわちアプリ上で活動拠点から10km圏内の案件を表示させる(S33)。ユーザ99は、表示された案件を選択し、詳細を確認することができる。
【0054】
以上、本実施形態によれば、しごと体験・職場見学という仕組みを通して、求人情報だけでは伝えきれない職場の魅力や雰囲気を伝えることができ、求職者であるユーザ99の職場理解および求人者97(企業側)の求職者理解を深め、双方のミスマッチを防ぐことができる。また、可搬型端末装置10の求人情報提供部30が実現する機能(アプリ)を通して位置情報を取得し、ユーザ99の実際の活動エリア81内にある求人を表示することで、ユーザ99が、より多くのしごと体験・職場見学の求人と出会えることができる。
【0055】
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。例えば、上記の実施形態では、ユーザ99の活動エリア81に求人アイコン85を表示させるようにしたが、ユーザ99が活動エリア81に滞在する時間帯を考慮してもよい。すなわち、活動エリアテーブル74には、位置情報とともに時刻情報を蓄積するので、ユーザ99がその活動エリア81に存在することが多い時間帯が勤務時間と重なるような案件を抽出して提示してもよい。また、活動エリア81の大きさに応じて対象とする求人のエリアを広げてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 求人情報提供システム
2 ネットワーク
3 GPS
10 可搬型端末装置
11、51 主制御部
12、52 表示部
13、53 操作部
14 GPSセンサ
20、54 通信部
21 携帯電話通信部
22 無線LAN部
23 近距離無線通信部
30 求人情報提供部
31 認証処理部
32 位置情報取得部
33 時刻情報取得部
34 求人情報提示部
35 計測地点通知部
36 活動エリア求人提示部
50 管理サーバ
60 求人・求職情報管理部
61 認証部
62 求職者情報処理部
63 求人者情報処理部
64 求人案件処理部
65 活動拠点算出部
66 活動エリア求職処理部
70 記憶部
71 求人者情報テーブル
72 求職者情報テーブル
73 求職案件テーブル
74 活動エリアテーブル
80 活動拠点
81 活動エリア
82 情報提供エリア
85 求人アイコン
90 求人者側装置
97 求人者
98 求人情報事業者
99 ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8