(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20220425BHJP
G02F 1/1343 20060101ALI20220425BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20220425BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220425BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20220425BHJP
【FI】
G06F3/041 430
G02F1/1343
G02F1/1333
G09F9/30 336
G06F3/044 124
G06F3/041 422
(21)【出願番号】P 2018065081
(22)【出願日】2018-03-29
【審査請求日】2021-02-04
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小日向 直之
(72)【発明者】
【氏名】細川 大地
(72)【発明者】
【氏名】木谷 正克
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-102454(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0378254(US,A1)
【文献】国際公開第2019/031382(WO,A1)
【文献】特開2017-130040(JP,A)
【文献】特開2016-038594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G02F 1/1343
G02F 1/1333
G09F 9/30
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、
前記第1電極から離間した第2電極と、
前記第1電極と電気的に接続された少なくとも1本の第1配線と、
前記第2電極と電気的に接続された少なくとも1本の第2配線と、
前記第1配線及び前記第2配線と電気的に接続された制御部と、を備え、
前記第1電極及び前記第2電極は、表示部に位置し、
前記第1電極は、前記第2電極よりも前記制御部から離れた位置で前記第1配線と接続し、
前記第2電極は、前記第1電極よりも前記制御部に近い位置で前記第2配線と接続し、
前記第1配線の本数は、前記第2配線の本数よりも多い、表示装置。
【請求項2】
前記第1電極と前記第1配線とのコンタクト部の個数は、前記第2電極と前記第2配線とのコンタクト部の個数よりも多い、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1配線は、前記第1電極及び前記第2電極と交差し、
前記第2配線は、前記第2電極と交差し、前記第1電極とは交差していない、請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
第1電極と、
前記第1電極から離間した第2電極と、
前記第1電極と電気的に接続された第1配線と、
前記第2電極と電気的に接続された第2配線と、を備え、
前記第1電極及び前記第2電極は、表示部に位置し、
前記第1配線の配線長は、前記第2配線の配線長よりも長く、
前記第1配線は、前記第1電極及び前記第2電極と交差し、
前記第2配線は、前記第2電極と交差
し、
前記第2電極は、前記第1配線の上に重畳する開口部を有している、表示装置。
【請求項5】
前記第1電極と前記第1配線とのコンタクト部の個数は、前記第2電極と前記第2配線とのコンタクト部の個数よりも多い、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記開口部は、第1幅を有し、
前記第1配線は、前記開口部と重畳する位置において、前記第1幅より小さい第2幅を有している、請求項
4に記載の表示装置。
【請求項7】
さらに、前記第1電極に対応して配置された第1ダミー配線と、
前記第2電極に対応して配置された第2ダミー配線と、を備え、
前記第1電極と前記第1ダミー配線とのコンタクト部の個数は、前記第2電極と前記第2ダミー配線とのコンタクト部の個数よりも少ない、請求項1乃至
6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
さらに、前記第1電極及び前記第2電極と交差する第1信号線を備え、
前記第1配線は、前記第1信号線の上に重畳している、請求項
7に記載の表示装置。
【請求項9】
さらに、前記第1電極及び前記第2電極と交差する第2信号線を備え、
前記第1ダミー配線及び前記第2配線は、前記第2信号線の上に重畳している、請求項
7に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置への物体の接近または接触を検出するタッチセンサを備えた表示装置が実用化されている。一例では、画像を表示する表示部のみならず、表示部の周辺領域にもタッチセンサを備えた表示装置が提案されている。
ところで、センサ電極がマトリクス状に配置されたタッチセンサにおいて、各センサ電極に接続されるセンサ配線の配線長の差に起因して、センサ電極間で時定数差が生じてしまい、検出性能の低下を招く恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、検出性能の低下を抑制する表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によれば、
第1電極と、前記第1電極から離間した第2電極と、前記第1電極と電気的に接続された少なくとも1本の第1配線と、前記第2電極と電気的に接続された少なくとも1本の第2配線と、前記第1配線及び前記第2配線と電気的に接続された制御部と、を備え、前記第1電極及び前記第2電極は、表示部に位置し、前記第1電極は、前記第2電極よりも前記制御部から離れた位置で前記第1配線と接続し、前記第2電極は、前記第1電極よりも前記制御部に近い位置で前記第2配線と接続し、前記第1配線の本数は、前記第2配線の本数よりも多い、表示装置が提供される。
本実施形態によれば、
第1電極と、前記第1電極から離間した第2電極と、前記第1電極と電気的に接続された第1配線と、前記第2電極と電気的に接続された第2配線と、を備え、前記第1電極及び前記第2電極は、表示部に位置し、前記第1配線の配線長は、前記第2配線の配線長よりも長く、前記第1配線は、前記第1電極及び前記第2電極と交差し、前記第2配線は、前記第2電極と交差する、表示装置が提供される。
本実施形態によれば、
表示部と、表示部を囲む非表示部と、を備え、前記非表示部に配置された制御部と、前記制御部と電気的に接続し、前記表示部において、第1方向に並んで配置され前記第1方向と交差する第2方向に延出する第1配線及び第2配線と、前記表示部に配置された、第1電極と、前記第1電極と前記第2方向に離間する第2電極と、を有する表示装置であって、前記第2電極は、前記第1電極よりも前記制御部に近く、前記第1電極は、前記第1配線と交差し、前記第1配線とコンタクト部を介して電気的に接続し、前記第2電極は、前記第1配線及び前記第2配線と交差し、前記第2配線とコンタクト部を介して電気的に接続する、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの一構成例を示す平面図である。
【
図2A】
図2Aは、
図1に示した一部のセンサ電極Rxとセンサ配線Lとの接続関係を示す平面図である。
【
図2B】
図2Bは、
図2Aに示したセンサ電極Rx1とセンサ配線L1との接続関係を示す平面図である。
【
図2C】
図2Cは、
図2Aに示したセンサ電極Rxnとセンサ配線Lnとの接続関係を示す平面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示したセンサ電極Rxを示す平面図である。
【
図4】
図4は、画素PXの基本構成及び等価回路を示す図である。
【
図5】
図5は、画素レイアウトの一例を示す平面図である。
【
図6】
図6は、
図5に示したA-B線に沿った表示装置DSPの断面図である。
【
図7】
図7は、第1基板SUB1の主要部を示す拡大平面図である。
【
図8】
図8は、
図7に示したC-D線に沿った第1基板SUB1の断面図である。
【
図9】
図9は、
図7に示したE-F線に沿った表示パネルPNLの断面図である。
【
図10】
図10は、共通電極CE1と金属配線ML2との間の容量C1を説明するための図である。
【
図11】
図11は、センサ電極Rx1に接続されるセンサ配線L1が4本の場合を示す図である。
【
図12】
図12は、センサ電極Rx1に接続されるセンサ配線L1が1本の場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの一構成例を示す平面図である。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端側の位置を上と称し、矢印の先端とは逆側の位置を下と称する。「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよいし、第1部材から離間していてもよい。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。
【0009】
ここでは、X-Y平面における表示装置DSPの平面図を示している。表示装置DSPは、表示パネルPNLと、ICチップ1と、を備えている。表示パネルPNLは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、タッチセンサTSと、を備えている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、平面視で重畳している。表示パネルPNLは、画像を表示する表示部DAと、表示部DAを囲む額縁状の非表示部NDAとを備えている。タッチセンサTS及び表示部DAは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2が重畳している領域に位置している。図示した例では、タッチセンサTSは、表示部DAに設けられているが、非表示部NDAにも設けられていてもよい。
【0010】
第1基板SUB1は、第2基板SUB2よりも第2方向Yに延出した実装部MAを有している。ICチップ1は、実装部MAに接続されている。なお、ICチップ1は、実装部MAに接続されたフレキシブルプリント回路基板に接続されていてもよい。ICチップ1は、ディスプレイドライバDDと、タッチコントローラTCと、を内蔵している。ディスプレイドライバDDは、画像を表示する表示モードにおいて映像信号等の画像表示に必要な信号を表示パネルPNLに出力する。タッチコントローラTCは、表示装置DSPへの物体の接近又は接触を検出するタッチセンシングモードにおいてタッチセンサTSを制御する。なお、タッチコントローラTCは、ディスプレイドライバDDとは別のICチップに内蔵されていてもよい。
【0011】
ここで、自己容量方式のタッチセンサTSについて説明するが、タッチセンサTSは相互容量方式であってもよい。タッチセンサTSは、複数のセンサ電極Rxと、複数のセンサ配線Lと、を備えている。複数のセンサ電極Rxは、表示部DAに位置し、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置されている。図示した例では、m個のセンサ電極Rxが第1方向Xに沿って間隔をおいて並び、また、n個のセンサ電極Rxが第2方向Yに沿って間隔をおいて並んでいる。なお、m及びnは2以上の整数であり、一例では、nはmより大きい整数である。1つのセンサ電極Rxは、タッチセンシングが可能な最小単位であるセンサブロックを構成している。複数のセンサ配線Lは、表示部DAにおいて、それぞれ第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに並んでいる。センサ配線Lの各々は、例えば後述する信号線Sと重畳する位置に設けられている。また、センサ配線Lの各々は、非表示部NDAに引き出され、ICチップ1に電気的に接続され、さらに、ICチップ1の内部でタッチコントローラTCに電気的に接続されている。
【0012】
ここで、第1方向Xに並んだセンサ配線L1乃至L3と、第2方向Yに並んだセンサ電極Rx1乃至Rx3との関係に着目する。センサ電極Rx1は、表示部DAに位置するセンサ電極Rxのうち、タッチコントローラTCから最も離間した位置に配置されている。センサ配線L1は、n個のセンサ電極Rxと交差し、センサ電極Rx1と重畳する位置まで延出し、センサ電極Rx1と電気的に接続されている。
センサ電極Rx2は、センサ電極Rx1よりもタッチコントローラTCに近接する側の位置に配置されている。センサ配線L2は、(n-1)個のセンサ電極Rxと交差し、センサ電極Rx2と重畳する位置まで延出し、センサ電極Rx2と電気的に接続されている。センサ配線L2は、センサ電極Rx1とは交差していない。
センサ電極Rx3は、センサ電極Rx2よりもタッチコントローラTCに近接する側の位置に配置されている。センサ配線L3は、(n-2)個のセンサ電極Rxと交差し、センサ電極Rx3と重畳する位置まで延出し、センサ電極Rx3と電気的に接続されている。センサ配線L3は、センサ電極Rx1及びRx2とは交差していない。
センサ配線L1は配線長LR1を有し、センサ配線L2は配線長LR2を有し、センサ配線L3は配線長LR3を有している。配線長LR1乃至LR3は、いずれも表示部DAにおける第2方向Yに沿った長さである。配線長LR1は配線長LR2よりも長く、配線長LR2は配線長LR3よりも長い。
【0013】
センサ電極Rxnは、表示部DAに位置するセンサ電極Rxのうち、最もタッチコントローラTCに近接した位置に配置されている。センサ配線Lnは、センサ電極Rxnと重畳する位置まで延出し、センサ電極Rxnと電気的に接続されている。センサ配線Lnは、センサ電極Rxnよりも遠方に位置する他のセンサ電極Rxとは交差していない。センサ配線Lnは、センサ配線Lのうち、最短の配線長LRnを有している。
【0014】
ダミー配線Dは、センサ電極Rxの各々に対応して配置されている。例えば、ダミー配線D21は、センサ配線L2から離間している。ダミー配線D21は、センサ電極Rx1に対応して配置され、センサ電極Rx1と電気的に接続されている。センサ配線L2及びダミー配線D21は、後述するように同一の信号線上に位置している。
ダミー配線D31は、センサ電極Rx1に対応して配置され、センサ電極Rx1と電気的に接続されている。ダミー配線D32は、ダミー配線D31及びセンサ配線L3から離間している。ダミー配線D32は、センサ電極Rx2に対応して配置され、センサ電極Rx2と電気的に接続されている。センサ配線L3、ダミー配線D31及びD32は、同一の信号線上に位置している。
【0015】
タッチセンシングモードにおいては、タッチコントローラTCは、センサ配線Lにセンサ駆動電圧を印加する。これにより、センサ電極Rxにはセンサ駆動電圧が印加され、センサ電極Rxでのタッチセンシングが行われる。センサ電極Rxでのセンシング結果に対応したセンサ信号は、センサ配線Lを介してタッチコントローラTCに出力される。タッチコントローラTCあるいは外部のホストは、センサ信号に基づいて、表示装置DSPへの物体の接近又は接触の有無及び物体の位置座標を検出する。
なお、表示モードにおいては、センサ電極Rxは、コモン電圧(Vcom)が印加された共通電極CEとして機能する。コモン電圧は、例えばディスプレイドライバDDに含まれる電圧供給部からセンサ配線Lを介して印加される。
【0016】
図2Aは、
図1に示した一部のセンサ電極Rxとセンサ配線Lとの接続関係を示す平面図である。図示した例では、センサ電極Rx1とセンサ配線L1との接続関係と、センサ電極Rxnとセンサ配線Lnとの接続関係と、を示している。上記の通り、センサ電極Rx1は、センサ電極RxnよりもタッチコントローラTCから遠方に位置している。
図2に示したグリッドは、それぞれ画素PXを示している。センサ配線L1及びLnの各々は、それぞれ第1方向Xに隣接する画素PXの間に配置されている。
センサ配線L1及びLnは、いずれも少なくとも1本であるが、図示した例では、センサ配線L1の本数は、センサ配線Lnの本数よりも多い。一例では、センサ配線L1は4本のセンサ配線L11乃至L14によって構成され、センサ配線Lnは2本のセンサ配線Ln1及びLn2によって構成されている。なお、これらのセンサ配線L1及びLnのそれぞれの本数は、図示した例に限らない。
センサ配線L2、L3、…についてもセンサ配線L1と同様に、4本のセンサ配線によって構成されている。センサ配線Ln-1、Ln-2、Ln-3、Ln-4についてもセンサ配線Lnと同様に、2本のセンサ配線によって構成されている。
センサ電極Rx1とセンサ配線L1とが互いに電気的に接続されるコンタクト部CT1の個数は、センサ電極Rxnとセンサ配線Lnとが互いに電気的に接続されるコンタクト部CTnの個数よりも多い。コンタクト部CT1の個数がコンタクト部CTnの個数よりも多い状態は、以下の(A)及び(B)の少なくとも一方を適用することで得られる。
(A)センサ配線L1の1本当たりのコンタクト部CT1の個数がセンサ配線Lnの1本当たりのコンタクト部CTnの個数よりも多い。
(B)センサ配線L1の1本当たりのコンタクト部CT1の個数がセンサ配線Lnの1本当たりのコンタクト部CTnの個数と同数以下ではあるが、センサ配線L1の本数がセンサ配線Lnの本数よりも多い。
【0017】
図2Aに示した例において、センサ電極Rx1は第1電極に相当し、センサ電極Rxnは第2電極に相当し、センサ配線L1は第1配線に相当し、センサ配線Lnは第2配線に相当し、タッチコントローラTCは制御部に相当する。
【0018】
図2Bは、
図2Aに示したセンサ電極Rx1とセンサ配線L1との接続関係を示す平面図である。複数の信号線Sは、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。複数の走査線Gは、第2方向Yに間隔をおいて並んでいる。画素PXは、隣り合う信号線Sと、隣り合う走査線Gとで囲まれている。
【0019】
センサ電極Rx1に対応した領域においては、いずれの信号線Sの上にもセンサ配線L1またはダミー配線Dのいずれかが重畳している。上記の通り、1本のセンサ配線L1とセンサ電極Rx1とは、少なくとも1個のコンタクト部CT1で互いに電気的に接続されている。1本のダミー配線Dとセンサ電極Rx1とは、少なくとも1個のコンタクト部CD1で互いに電気的に接続されている。
【0020】
信号線Sの各々は、いずれも
図2Aに示したセンサ電極Rx1からセンサ電極Rxnに対応して配置されている。
図2Aには、信号線Sのうち、代表的な信号線Sa、Sb、Sc、Sdを図示している。
ここで、信号線Saに着目する。
図2Bに示したように、センサ配線L14は、信号線Saの上に重畳している。また、
図2Aを参照すれば、センサ配線L14は、センサ電極Rx1からセンサ電極Rxnに亘る範囲の信号線Saの全体に重畳している。
また、信号線Sbに着目すると、センサ電極Rx1に対応して配置されたダミー配線D21は、信号線Sbの上に重畳している。センサ電極Rx2に対応して配置されたセンサ配線L21も同様に、信号線Sbの上に重畳している。但し、ダミー配線D21は、センサ配線L21から離間している。
【0021】
図2Cは、
図2Aに示したセンサ電極Rxnとセンサ配線Lnとの接続関係を示す平面図である。センサ電極Rxnに対応した領域においては、いずれの信号線Sの上にもセンサ配線Lnまたはダミー配線Dのいずれかが重畳している。上記の通り、1本のセンサ配線Lnとセンサ電極Rxnとは、少なくとも1個のコンタクト部CTnで互いに電気的に接続されている。1本のダミー配線Dとセンサ電極Rxnとは、少なくとも1個のコンタクト部CDnで互いに電気的に接続されている。
図2B及び
図2Cに示したように、コンタクト部CD1の個数は、コンタクト部CDnの個数よりも少ない。
【0022】
信号線Scに着目すると、センサ電極Rx1に対応して配置されたダミー配線D22、及び、センサ電極Rxnに対応して配置されたダミー配線D41は、いずれも信号線Scの上に重畳している。但し、ダミー配線D22は、ダミー配線D41から離間している。
信号線Sdに着目すると、センサ電極Rx1に対応して配置されたダミー配線D23、及び、センサ電極Rxnに対応して配置されたセンサ配線Ln1は、いずれも信号線Sdの上に重畳している。但し、ダミー配線D23は、センサ配線Ln1から離間している。
【0023】
図2A乃至
図2Cに示した例において、ダミー配線D21乃至D23は第1ダミー配線に相当し、ダミー配線D41は第2ダミー配線に相当し、信号線Saは第1信号線に相当し、信号線Scは第2信号線に相当し、信号線Sdは第3信号線に相当する。
【0024】
上記したように、マトリクス状のセンサ電極Rxを備えたタッチセンサTSにおいて、センサ電極Rx1は、センサ電極Rxnと比較してタッチコントローラTCから遠方に位置しており、また、センサ電極Rx1と電気的に接続されたセンサ配線L1の配線長LR1は、センサ電極Rxnと電気的に接続されたセンサ配線Lnの配線長LRnよりも長い。このため、センサ電極Rx1の時定数は、センサ電極Rxnの時定数より増大する傾向にある。また、センサ電極Rx1とセンサ電極Rxnとの距離が離れるにしたがって、両者の時定数の差分は、増大する傾向にあり、タッチセンサTSとしての検出性能にバラツキを生じさせる原因となりうる。
【0025】
本実施形態によれば、センサ電極Rx1とセンサ配線L1とのコンタクト部CT1の個数は、センサ電極Rxnとセンサ配線Lnとのコンタクト部CTnの個数よりも多い。このため、コンタクト部CT1の個数がコンタクト部CTnの個数と同数である場合と比較して、センサ電極Rx1の時定数とセンサ電極Rxnの時定数との差分を低減することができる。したがって、タッチセンサTSとしての検出性能の低下を抑制することができる。
【0026】
図3は、
図1に示したセンサ電極Rxを示す平面図である。
図3において、第2方向Yに対して反時計回りに鋭角に交差する方向を方向D1と定義し、第2方向Yに対して時計回りに鋭角に交差する方向を方向D2と定義する。なお、第2方向Yと方向D1とのなす角度θ1は、第2方向Yと方向D2とのなす角度θ2とほぼ同一である。
【0027】
1つのセンサ電極Rxは、複数の画素PXに亘って配置されている。図示した例では、第2方向Yに沿って奇数行目に位置する画素PXは、方向D1に沿って延出している。また、第2方向Yに沿って偶数行目に位置する画素PXは、方向D2に沿って延出している。なお、ここでの画素PXとは、映像信号に応じて個別に制御することができる最小単位を示し、副画素と称する場合がある。また、カラー表示を実現するための最小単位を主画素MPと称する場合がある。主画素MPは、互いに異なる色を表示する複数の副画素PXを備えて構成されるものである。一例では、主画素MPは、副画素PXとして、赤色を表示する赤画素、緑色を表示する緑画素、及び、青色を表示する青画素を備えている。また、主画素MPは、白色を表示する白画素を備えていてもよい。
一例では、1つのセンサ電極Rxには、第1方向Xに沿って60~70個の主画素MPが配置され、第2方向に沿って60~70個の主画素MPが配置されている。
【0028】
図4は、画素PXの基本構成及び等価回路を示す図である。複数本の走査線Gは、走査線駆動回路GDに接続されている。複数本の信号線Sは、信号線駆動回路SDに接続されている。なお、走査線G及び信号線Sは、必ずしも直線的に延出していなくてもよく、それらの一部が屈曲していてもよい。例えば、信号線Sは、その一部が屈曲していたとしても、第2方向Yに延出しているものとする。
【0029】
共通電極CEは、センサブロックB毎にそれぞれ設けられている。共通電極CEは、コモン電圧(Vcom)の電圧供給部CDに接続され、複数の画素PXに亘って配置されている。また、共通電極CEは、それぞれ上記の通りタッチコントローラTCにも接続され、センサ電極Rxとしても機能する。
各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWのゲート電極GEと電気的に接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWのソース電極SEと電気的に接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWのドレイン電極DEと電気的に接続されている。画素電極PEの各々は、共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって液晶層LCを駆動している。保持容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0030】
図5は、画素レイアウトの一例を示す平面図である。ここでは、
図1に示したセンサ電極Rx1及びRx2に跨る領域における画素レイアウトを拡大して示している。すなわち、図示した共通電極CE1はセンサ電極Rx1に相当し、共通電極CE2はセンサ電極Rx2に相当するものとする。走査線Ga、Gb、Gcは、それぞれ第1方向Xに沿って直線的に延出し、第2方向Yに間隔を置いて並んでいる。信号線S1乃至S3は、それぞれ概ね第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに間隔をおいて並んでいる。
【0031】
画素電極PE1及びPE2は、走査線Ga及びGbの間に配置されている。画素電極PE1及びPE2は、第1方向Xに沿って並んでいる。画素電極PE3及びPE4は、走査線Gb及びGcの間に配置されている。画素電極PE3及びPE4は、第1方向Xに沿って並んでいる。画素電極PE1及びPE3は信号線S1及びS2の間に配置され、画素電極PE2及びPE4は信号線S2及びS3の間に配置されている。
画素電極PE1及びPE2は、それぞれ方向D1に沿って延出した帯電極Pa1及びPa2を有している。画素電極PE3及びPE4は、それぞれ方向D2に沿って延出した帯電極Pa3及びPa4を有している。図示した例では、帯電極Pa1乃至Pa4は、2本であるが、1本でもよいし、3本以上であってもよい。
【0032】
共通電極CE1及びCE2は、それぞれ
図1に示したセンサ電極Rx1及びRx2に相当する。共通電極CE1は、走査線Ga、及び、信号線S1乃至S3の上に重畳している。画素電極PE1及びPE2は、共通電極CE1の上に重畳している。共通電極CE2は、走査線Gc、及び、信号線S1乃至S3の上に重畳している。画素電極PE3及びPE4は、共通電極CE2の上に重畳している。共通電極CE2は、共通電極CE1から離間し、互いに電気的に絶縁されている。図示した例では、走査線Gbは、共通電極CE1及びCE2の間に位置している。他の共通電極、あるいは、他のセンサ電極についても同様に、複数の画素電極と重畳している。
【0033】
図6は、
図5に示したA-B線に沿った表示装置DSPの断面図である。図示した例は、横電界を利用する表示モードの一つであるFFS(Fringe Field Switching)モードが適用された例に相当する。表示装置DSPは、表示パネルPNLと、光学素子OD1及びOD2と、照明装置ILと、を備えている。照明装置IL、光学素子OD1、表示パネルPNL、及び、光学素子OD2は、この順に第3方向Zに沿って配置されている。表示パネルPNLは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、液晶層LCと、を備えている。
【0034】
第1基板SUB1は、絶縁基板10、絶縁膜11乃至16、信号線S2及びS3、金属配線ML2及びML3、共通電極CE1、画素電極PE2、配向膜AL1などを備えている。絶縁基板10は、ガラス基板や可撓性の樹脂基板などの光透過性を有する基板である。絶縁膜11乃至13は、絶縁基板10の上において、この順に第3方向Zに沿って配置されている。
信号線S2及びS3は、絶縁膜13の上に位置し、絶縁膜14によって覆われている。なお、信号線S2及びS3は、図示しない他の信号線S1と同一層に位置している。信号線S2及びS3は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。一例では、信号線S2及びS3は、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、及び、チタン(Ti)を順に積層した積層体である。
【0035】
金属配線ML2及びML3は、絶縁膜14の上に位置し、絶縁膜15によって覆われている。金属配線ML2は信号線S2の直上に位置し、金属配線ML3は信号線S3の直上に位置している。金属配線ML2及びML3は、上記の金属材料や、上記の金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。一例では、金属配線ML2及びML3は、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、及び、チタン(Ti)を順に積層した積層体、あるいは、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、及び、モリブデン(Mo)を順に積層した積層体である。これらの金属配線ML2及びML3は、上記のセンサ配線及びダミー配線のいずれかに相当する。
【0036】
共通電極CE1は、絶縁膜15の上に位置し、絶縁膜16によって覆われている。共通電極CE1は、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料によって形成された透明電極である。画素電極PE2は、絶縁膜16の上に位置し、配向膜AL1によって覆われている。画素電極PE2は、ITOやIZOなどの透明な導電材料によって形成された透明電極である。
【0037】
絶縁膜11乃至13、及び、絶縁膜16は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの無機絶縁材料によって形成された無機絶縁膜であり、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。絶縁膜14及び15は、例えば、アクリル樹脂などの有機絶縁材料によって形成された有機絶縁膜である。なお、絶縁膜15は、無機絶縁膜であってもよい。
【0038】
第2基板SUB2は、絶縁基板20、遮光層BM、カラーフィルタCF、オーバーコート層OC、配向膜AL2などを備えている。
絶縁基板20は、絶縁基板10と同様に、ガラス基板や樹脂基板などの光透過性を有する基板である。遮光層BM及びカラーフィルタCFは、絶縁基板20の第1基板SUB1と対向する側に位置している。カラーフィルタCFは、画素電極PE2と対向する位置に配置され、その一部が遮光層BMに重なっている。カラーフィルタCFとしては、赤色、緑色、青色のそれぞれのカラーフィルタが含まれる。オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFを覆っている。オーバーコート層OCは、透明な樹脂によって形成されている。配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。配向膜AL1及び配向膜AL2は、例えば、水平配向性を呈する材料によって形成されている。上述した第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、配向膜AL1及び配向膜AL2が対向するように配置されている。
【0039】
液晶層LCは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の間に位置し、配向膜AL1と配向膜AL2との間に保持されている。液晶層LCは、液晶分子LMを備えている。液晶層LCは、ポジ型(誘電率異方性が正)の液晶材料、あるいは、ネガ型(誘電率異方性が負)の液晶材料によって構成されている。
【0040】
偏光板PL1を含む光学素子OD1は、絶縁基板10に接着されている。偏光板PL2を含む光学素子OD2は、絶縁基板20に接着されている。なお、光学素子OD1及び光学素子OD2は、必要に応じて位相差板、散乱層、反射防止層などを備えていてもよい。
【0041】
このような表示パネルPNLにおいては、画素電極PE2と共通電極CE1との間に電界が形成されていないオフ状態において、液晶分子LMは、配向膜AL1及び配向膜AL2の間で所定の方向に初期配向している。このようなオフ状態では、照明装置ILから表示パネルPNLに向けて照射された光は、光学素子OD1及び光学素子OD2によって吸収され、暗表示となる。一方、画素電極PE2と共通電極CE1との間に電界が形成されたオン状態においては、液晶分子LMは、電界により初期配向方向とは異なる方向に配向し、その配向方向は電界によって制御される。このようなオン状態では、照明装置ILからの光の一部は、光学素子OD1及び光学素子OD2を透過し、明表示となる。
【0042】
図7は、第1基板SUB1の主要部を示す拡大平面図である。なお、ここでは、走査線、画素電極、半導体層等の図示を省略している。
【0043】
第1基板SUB1は、さらに、ドレイン電極DE1及びDE2と、接続電極BE1及びBE2と、を備えている。信号線S1乃至S3の各々は、共通電極CE1と重畳する位置において、方向D1に沿って延出した部分と、方向D2に沿って延出した部分と、第2方向Yに沿って延出した部分と、を有している。金属配線ML1乃至ML3は、信号線S1乃至S3とそれぞれ重畳している。金属配線ML1乃至ML3は、間隔をおいて第1方向Xに沿って並んでいる。
【0044】
ドレイン電極DE1及びDE2は、それぞれ島状に形成されている。ドレイン電極DE1は信号線S1と信号線S2との間に配置され、ドレイン電極DE2は信号線S2と信号線S3との間に配置されている。ドレイン電極DE1及びDE2は、信号線S2等と同一層に位置し、信号線S2と同一材料によって形成されている。
接続電極BE1及びBE2は、それぞれ島状に形成されている。接続電極BE1はドレイン電極DE1と重畳し、接続電極BE2はドレイン電極DE2と重畳している。接続電極BE1は、コンタクトホールCH10を介して、ドレイン電極DE1にコンタクトしている。接続電極BE2は、コンタクトホールCH20を介して、ドレイン電極DE2にコンタクトしている。接続電極BE1及びBE2は、金属配線ML2等と同一層に位置し、金属配線ML2と同一材料によって形成されている。
【0045】
ここで、信号線S2及び金属配線ML2に着目する。例えば、金属配線ML2は、
図2Bに示したセンサ配線L11またはダミー配線Dのいずれかに相当する。信号線S2は、後述する半導体層とコンタクトするコンタクト部CTAを有している。コンタクト部CTAは、他の配線部分よりも第1方向Xに拡張されている。金属配線ML2は、共通電極CE1とコンタクトするコンタクト部CTBを有している。コンタクト部CTBは、コンタクト部CTAの上に重畳している。金属配線ML2がセンサ配線L11に相当する場合、コンタクト部CTBは
図2Bに示したコンタクト部CT1に相当する。また、金属配線ML2がダミー配線D21に相当する場合、コンタクト部CTBは
図2Bに示したコンタクト部CD1に相当する。
【0046】
共通電極CE1は、金属配線ML2に重畳する開口部OPを有している。図示した開口部OPは、方向D2に沿って延出したスリットである。開口部OPは、幅WOPを有している。金属配線ML2は、開口部OPと重畳する位置において、幅WM2を有している。幅WM2は、幅WOPより小さい。金属配線ML2は、開口部OPよりも内側に位置している。信号線S2は、幅WS2を有している。幅WS2は、幅WM2より小さい。信号線S2は、金属配線ML2よりも内側に位置している。なお、本明細書での幅とは、第1方向Xに沿った長さに相当する。共通電極CE1は、他の金属配線ML1及びML3などと重畳する領域においても、同様の開口部OPを有している。さらに、他の共通電極CE(あるいはセンサ電極Rx)についても同様に、金属配線ML(あるいはセンサ配線L及びダミー配線D)と重畳する領域の一部に、それぞれ開口部OPを有している。
【0047】
スペーサSPは、図中に点線で示したように、接続電極BE1及びBE2の間に位置し、共通電極CE1の上に重畳している。
【0048】
図8は、
図7に示したC-D線に沿った第1基板SUB1の断面図である。第1基板SUB1は、さらに、半導体層SC、走査線Gなどを備えている。半導体層SCは、絶縁膜11の上に位置し、絶縁膜12によって覆われている。半導体層SCは、例えば、多結晶シリコンによって形成されているが、アモルファスシリコンや酸化物半導体によって形成されていてもよい。走査線Gは、絶縁膜12の上に位置し、絶縁膜13によって覆われている。走査線Gは、上記した金属材料を用いて形成されている。
信号線S2のコンタクト部CTAは、絶縁膜12及び絶縁膜13を貫通するコンタクトホールCH1を通じて半導体層SCにコンタクトしている。金属配線ML2は、絶縁膜14の上に位置し、絶縁膜15によって覆われている。金属配線ML2のコンタクト部CTBは、絶縁膜15を貫通するコンタクトホールCH3を通じて共通電極CE1にコンタクトしている。
【0049】
図9は、
図7に示したE-F線に沿った表示パネルPNLの断面図である。接続電極BE1、金属配線ML2、及び、接続電極BE2は、第2方向Yに沿って間隔をおいてこの順に並び、同一層に位置している。接続電極BE1は、絶縁膜14を貫通するコンタクトホールCH10を通じてドレイン電極DE1にコンタクトしている。接続電極BE2は、絶縁膜14を貫通するコンタクトホールCH20を通じてドレイン電極DE2にコンタクトしている。
画素電極PE11及びPE12は、絶縁膜16の上に位置し、配向膜AL1によって覆われている。画素電極PE11は、接続電極BE1の直上に位置し、絶縁膜15を接続電極BE1まで貫通するコンタクトホールCH11、及び、絶縁膜16を接続電極BE1まで貫通するコンタクトホールCH12を通じて、接続電極BE1にコンタクトしている。同様に、画素電極PE12は、接続電極BE2の直上に位置し、絶縁膜15を貫通するコンタクトホールCH21、及び、絶縁膜16を貫通するコンタクトホールCH22を通じて、接続電極BE2にコンタクトしている。
【0050】
スペーサSPは、第2基板SUB2に設けられている。スペーサSPは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に位置し、第1基板SUB1と第2基板SUB2とのセルギャップを形成する。セルギャップは、例えば2~5μmである。スペーサSPは、例えば、樹脂材料によって形成される。スペーサSPの直下の第1基板SUB1においては、信号線S2、絶縁膜14、金属配線ML2、絶縁膜15、共通電極CE1、絶縁膜16、配向膜AL1が、第3方向Zに沿ってこの順に積層されている。なお、信号線S2の直下において、絶縁膜11及び12の間には半導体層が配置されているが、図示を省略している。
【0051】
図10は、共通電極CE1と金属配線ML2との間の容量C1を説明するための図である。図示したように、共通電極CE1が絶縁膜15を介して金属配線ML2の上に重畳している場合、容量C1が生ずる。容量C1は、絶縁膜15の膜厚が厚いほど低減される。また、容量C1は、絶縁膜15の誘電率が低いほど低減される。これらの点を考慮すると、絶縁膜15が比較的厚い有機絶縁膜である場合、容量C1を低減することができる。
【0052】
図11は、センサ電極Rx1に接続されるセンサ配線L1が4本の場合を示す図であり、
図12は、センサ電極Rx1に接続されるセンサ配線L1が1本の場合を示す図である。上記の通り、タッチコントローラTCから遠方に位置するセンサ電極Rx1の時定数を低減するための一手法として、センサ電極Rx1に接続されるセンサ配線L1の本数を増やす手法が挙げられる。しかしながら、
図11に示した例の如くセンサ配線L1が4本の場合には、
図12に示した例の如くセンサ配線L1が1本の場合と比較して、センサ電極Rx1以外の他のセンサ電極と重畳する部分が増加し、容量C1が増加する。このため、センサ配線L1の本数が増えるほど容量C1が増加し、時定数の低減効果を十分に発揮できない恐れがある。
【0053】
本実施形態によれば、
図7を参照して説明したように、共通電極CE1は、金属配線ML2と重畳する開口部OPを有している。このため、共通電極CE1と金属配線ML2との間の容量C1を低減することができる。したがって、タッチコントローラTCから遠方に位置するセンサ電極Rx1に接続されるセンサ配線L1の本数を増やしたとしても、容量C1の増加を抑制し、時定数の低減効果を得ることができる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態によれば、検出性能の低下を抑制する表示装置を提供することができる。
【0055】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0056】
本実施形態の表示パネルPNLは、第1基板SUB1の背面側からの光を選択的に透過させることで画像を表示する透過表示機能を備えた透過型に限らず、第2基板SUB2の前面側からの光を選択的に反射させることで画像を表示する反射表示機能を備えた反射型、あるいは、透過表示機能及び反射表示機能を備えた半透過型のいずれであってもよい。
また、本実施形態では、基板主面に沿った横電界を利用する表示モードに対応した表示パネルPNLについて説明したが、これに限らず、基板主面の法線に沿った縦電界を利用する表示モード、基板主面に対して斜め方向に傾斜した傾斜電界を利用する表示モード、さらには、上記の横電界、縦電界、及び、傾斜電界を適宜組み合わせて利用する表示モードに対応したいずれの表示パネルであってもよい。ここでの基板主面とは、X-Y平面と平行な面である。
【符号の説明】
【0057】
DSP…表示装置
PNL…表示パネル CE…共通電極 ML…金属配線
TS…タッチセンサ Rx…センサ電極 L…センサ配線 D…ダミー配線
OP…開口部
S…信号線 PE…画素電極